(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023009959
(43)【公開日】2023-01-20
(54)【発明の名称】装身具
(51)【国際特許分類】
A44C 7/00 20060101AFI20230113BHJP
【FI】
A44C7/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021113655
(22)【出願日】2021-07-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】513027271
【氏名又は名称】株式会社美創
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 晃一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幸夫
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114EA04
(57)【要約】
【課題】ばねの可動端部のぶれを抑制することができる装身具を提供する。
【解決手段】第2の部材12が、ばね13に接触する接触部40が設けられた突出部34を有する。第1の部材11が、突出部34を間に挟んで対向する2つの対向部24を有する。第1の部材11と第2の部材12とは、隙間16が比較的小さい閉回転位置から、隙間16が比較的大きい開回転位置まで回転可能である。ばね13が、閉回転位置を含む第1の回転範囲において、隙間16が大きくなる方向への第2の部材12の回転を抑止する押圧力を接触部40に印加する。ばね13が、第1の回転範囲の少なくとも一部の回転範囲であって、閉回転位置を含んだ回転範囲において、2つの対向部24に挟まれた場所で接触部40と接触する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を挟み込み可能な隙間を形成する第1の部材及び第2の部材と、
前記第1の部材に固定されたばねと、
前記第1の部材と前記第2の部材とを連結する連結部とを備え、
前記第2の部材が、前記ばねに接触する接触部が設けられた突出部を有し、
前記第1の部材が、前記突出部を間に挟んで対向する2つの対向部を有し、
前記連結部が、前記突出部と2つの前記対向部とを相対的に回転可能に連結しており、
前記第1の部材と前記第2の部材とは、前記隙間が比較的小さい閉回転位置から、前記隙間が比較的大きい開回転位置まで回転可能であり、
前記ばねが、前記閉回転位置を含む第1の回転範囲において、前記隙間が大きくなる方向への前記第2の部材の回転を抑止する押圧力を前記接触部に印加し、
前記ばねが、前記第1の回転範囲の少なくとも一部の回転範囲であって、前記閉回転位置を含んだ回転範囲において、2つの前記対向部に挟まれた場所で前記接触部と接触する、
装身具。
【請求項2】
前記第1の部材が、第1の装着部と第1の回転部と第1の装飾部とを有し、
前記第1の装飾部が、前記第1の装着部から前記第1の回転部まで延びており、
前記第2の部材が、第2の装着部と第2の回転部と第2の装飾部とを有し、
前記第2の装飾部が、前記第2の装着部から前記第2の回転部まで延びており、
前記第1の回転部が、前記第1の装飾部の一端から突出した2つの前記対向部を有し、
前記第2の回転部が、前記第2の装飾部の一端から突出した1つの前記突出部を有し、
前記突出部の少なくとも一部が、2つの前記対向部の間に位置し、
前記第1の装着部と前記第2の装着部との間に前記隙間が形成される、
請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
前記接触部が、第1の接触部と第2の接触部とを有し、
前記ばねが、前記第1の回転範囲において、前記隙間が大きくなる方向への前記第2の部材の回転を抑止する押圧力を前記第1の接触部に印加し、
前記ばねが、前記開回転位置を含む第2の回転範囲において、前記隙間が小さくなる方向への前記第2の部材の回転を抑止する押圧力を前記第2の接触部に印加する、
請求項1または請求項2に記載の装身具。
【請求項4】
前記第2の部材が、前記第1の接触部と前記第2の接触部との間に位置する第3の接触部を有し、
前記第1の接触部、前記第2の接触部及び前記第3の接触部が、それぞれ面状であり、
前記第1の接触部と前記第3の接触部との境界領域、及び、前記第2の接触部と前記第3の接触部との境界領域が、それぞれ前記連結部の回転軸に対して平行に延びた領域であり、
前記ばねは、前記第1の回転範囲と前記第2の回転範囲との間を遷移する場合、前記第3の接触部に接触する、
請求項3に記載の装身具。
【請求項5】
前記ばねが、固定端部と可動端部とを備え、
前記ばねの前記固定端部が、前記第1の部材に固定されており、
前記ばねが、前記第1の部材と前記第2の部材とに部分的に囲まれた空間の内側に位置しており、
前記ばねが、前記固定端部を含む第1のばね領域と前記可動端部を含む第2のばね領域とを備え、
前記ばねが、前記第1のばね領域と前記第2のばね領域との間で屈曲しており、
前記第1のばね領域が、前記第1の部材から前記空間の内側に向かって突出しており、
前記第1の部材が、前記対向部に向かう方向への前記第1のばね領域の動きを制限する固定部を備え、
前記第2のばね領域が前記第1の部材の一部と前記固定部との間に位置していることにより、前記第1のばね領域に沿った方向における前記第2のばね領域の動きが制限されている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の装身具。
【請求項6】
前記ばねが、固定端部と可動端部とを備え、
前記ばねの前記固定端部が、前記第1の部材に固定されており、
前記第1の部材が、受容部を備え、
前記装身具が、前記受容部に挿入可能な中間固定部材を備え、
前記受容部に前記中間固定部材が挿入された状態で、前記固定端部と前記可動端部との間において前記ばねが前記中間固定部材と前記第1の部材の一部との間に挟まれることにより、前記ばねの動きが制限される、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の装身具。
【請求項7】
前記ばねが、円形の断面をもつ線状部材である、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の装身具。
【請求項8】
前記ばねが、固定端部と可動端部とを備え、
前記ばねの前記固定端部が、前記第1の部材に固定されており、
前記第1の回転範囲において、前記可動端部が前記連結部の回転軸に直交する方向において前記第2の部材から離隔された状態で、前記接触部を押圧するように前記ばねが構成されている、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばイヤリングといった、開閉可能な装身具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に示されているように、開閉可能な2つの部材の隙間に耳などの物体を挟むことにより装着可能なイヤリングなどの装身具がある。こうした装身具では、隙間が開いて耳などの物体から装身具が落下しないように、隙間を閉じる押圧力を部材に与える必要がある。押圧力の生成にはばねが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献1では、一方の部材に固定されたばねが、他方の部材を押圧することにより隙間を閉じる力が発生している。しかしながら、特許文献1のような構成では、装着時にばねの可動端部付近がぶれる場合がある。このようなぶれが生じると、一方の部材と他方の部材とを回動可能に連結するシャフトにおいてガタつきが生じ易くなり、円滑に開閉できなくなる。また、ばねの可動端部のぶれが大きくなると、ばねが他方の部材を押圧しない状態になる可能性があり、その場合、装身具が耳などの物体から外れてしまう。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ばねの可動端部のぶれを抑制することができる装身具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の装身具は、物体を挟み込み可能な隙間を形成する第1の部材及び第2の部材と、第1の部材に固定されたばねと、第1の部材と第2の部材とを連結する連結部とを備え、第2の部材が、ばねに接触する接触部が設けられた突出部を有し、第1の部材が、突出部を間に挟んで対向する2つの対向部を有し、連結部が、突出部と2つの対向部とを相対的に回転可能に連結しており、第1の部材と第2の部材とは、隙間が比較的小さい閉回転位置から、隙間が比較的大きい開回転位置まで回転可能であり、ばねが、閉回転位置を含む第1の回転範囲において、隙間が大きくなる方向への第2の部材の回転を抑止する押圧力を接触部に印加し、ばねが、第1の回転範囲の少なくとも一部の回転範囲であって、閉回転位置を含んだ回転範囲において、2つの対向部に挟まれた場所で接触部と接触する、装身具である。
【0007】
この構成によれば、第1の回転範囲の閉回転位置を含んだ少なくとも一部の回転範囲において、2つの対向部に挟まれた場所でばねと接触部とが接触する。これにより、ばねと接触部との接触位置が2つの対向部によって挟まれた範囲内に制限されるため、ばねと接触部との接触位置のぶれが抑制され易くなる。
【0008】
好適には、第1の部材が、第1の装着部と第1の回転部と第1の装飾部とを有し、第1の装飾部が、第1の装着部から第1の回転部まで延びており、第2の部材が、第2の装着部と第2の回転部と第2の装飾部とを有し、第2の装飾部が、第2の装着部から第2の回転部まで延びており、第1の回転部が、第1の装飾部の一端から突出した2つの対向部を有し、第2の回転部が、第2の装飾部の一端から突出した1つの突出部を有し、突出部の少なくとも一部が、2つの対向部の間に位置し、第1の装着部と第2の装着部との間に隙間が形成される。
【0009】
この構成によれば、ばねと接触部との接触位置が第1の回転部の2つの対向部によって挟まれた範囲内に制限されるため、ばねと接触部との接触位置のぶれが抑制され易くなる。
【0010】
好適には、接触部が、第1の接触部と第2の接触部とを有し、ばねが、第1の回転範囲において、隙間が大きくなる方向への第2の部材の回転を抑止する押圧力を第1の接触部に印加し、ばねが、開回転位置を含む第2の回転範囲において、隙間が小さくなる方向への第2の部材の回転を抑止する押圧力を第2の接触部に印加する。
【0011】
この構成によれば、第1の回転範囲において第1の装着部と第2の装着部との間の隙間が大きくなることを防ぐとともに、第2の回転範囲において第1の装着部と第2の装着部との間の隙間が小さくなることを防ぐことができる。
【0012】
好適には、第2の部材が、第1の接触部と第2の接触部との間に位置する第3の接触部を有し、第1の接触部、第2の接触部及び第3の接触部が、それぞれ面状であり、第1の接触部と第3の接触部との境界領域、及び、第2の接触部と第3の接触部との境界領域が、それぞれ連結部の回転軸に対して平行に延びた領域であり、ばねは、第1の回転範囲と第2の回転範囲との間を遷移する場合、第3の接触部に接触する。
【0013】
この構成によれば、ばねが、第1の回転範囲と第2の回転範囲との間を遷移するときに、第3の接触部に接触するので、装身具の急激な開閉の動作を防ぐことができる。
【0014】
好適には、ばねが、固定端部と可動端部とを備え、ばねの固定端部が、第1の部材に固定されており、ばねが、第1の部材と第2の部材とに部分的に囲まれた空間の内側に位置しており、ばねが、固定端部を含む第1のばね領域と可動端部を含む第2のばね領域とを備え、ばねが、第1のばね領域と第2のばね領域との間で屈曲しており、第1のばね領域が、第1の部材から空間の内側に向かって突出しており、第1の部材が、対向部に向かう方向への第1のばね領域の動きを制限する固定部を備え、第2のばね領域が第1の部材の一部と固定部との間に位置していることにより、第1のばね領域に沿った方向における第2のばね領域の動きが制限されている。
【0015】
この構成によれば、固定部により、第1のばね領域付近において、対向部に向かう方向と第2のばね領域に沿った方向におけるばねの動きが制限されるので、簡単な構成でばねが外れることを防止できる。
【0016】
好適には、ばねが、固定端部と可動端部とを備え、ばねの固定端部が、第1の部材に固定されており、第1の部材が、受容部を備え、装身具が、受容部に挿入可能な中間固定部材を備え、受容部に中間固定部材が挿入された状態で、固定端部と可動端部との間においてばねが中間固定部材と第1の部材の一部との間に挟まれることにより、ばねの動きが制限される。
【0017】
この構成によれば、ばねが中間固定部材と第1の部材の一部との間に挟まれるので、固定端部だけで固定する場合に比べて、可動端部付近のばねの弾性力を大きくすることができる。
【0018】
好適には、ばねが、円形の断面をもつ線状部材である。
【0019】
この構成によれば、ばねが円形の断面をもつ線状部材であるので、ばねが平板である場合に比べて対向部に乗り上げにくい。
【0020】
好適には、ばねが、固定端部と可動端部とを備え、ばねの固定端部が、第1の部材に固定されており、第1の回転範囲において、可動端部が連結部の回転軸に直交する方向において第2の部材から離隔された状態で、接触部を押圧するようにばねが構成されている。
【0021】
この構成によれば、可動端部より固定端部に近い位置でばねが接触部を押圧するので、可動端部が接触部に触れている場合にくらべて大きい力で押圧することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ばねの可動端部のぶれを抑制することができる装身具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る装身具の閉回転位置における正面斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の装身具の開回転位置における正面斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1の装身具の閉回転位置における底面図である。
【
図4】
図4は、
図1の装身具の閉回転位置における正面断面図である。
【
図5】
図5は、
図1の装身具の開回転位置における正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態に係る装身具について説明する。
図1は閉回転位置にある装身具1の斜視図である。
図2は開回転位置にある装身具1の斜視図である。本実施形態の装身具1は耳に装着可能なイヤリングであるが、装身具1は鼻などの他の部位に装着するものを包含する。
【0025】
図1に示すように、装身具1は、第1の部材11と第2の部材12とばね13と連結部14と中間固定部材15とを備える。第1の部材11と第2の部材12とは、物体を挟み込み可能な隙間16を形成可能である。隙間16の大きさは可変である。物体として例えば耳、鼻が挙げられるが、これらに限定されない。ばね13は、部分的に第1の部材11に固定されており、第2の部材12に押圧力を与えるように配置されている。中間固定部材15は、第1の部材11に固定されており、第1の部材11と一体的に移動する。
【0026】
連結部14は、第1の部材11と第2の部材12とを相対的に回転可能に連結している。連結部14は、仮想的な直線的な回転軸に沿って伸びた円柱を含む。連結部14は、第1の部材11と第2の部材12とを相対的に回転可能にする他の構造を備えていてもよい。連結部14は、例えば端部の突起といった、容易に外れないための構造を備えることが好ましい。
【0027】
第1の部材11と第2の部材12とは、連結部14の回転軸を中心として、隙間16が比較的小さい
図1の閉回転位置から、隙間16が比較的大きい
図2の開回転位置まで回転可能である。例えば、使用者は、装身具1を
図2の開回転位置にして耳たぶに近づけ、次に
図1の閉回転位置にして隙間16に耳たぶを挟むことにより装身具1を装着する。装身具1は閉回転位置において観察したとき、第1の部材11と第2の部材12とに部分的に囲まれた空間(以下、内側空間17と呼ぶ)を規定する。
【0028】
図1に示すように、第1の部材11は、第1の装着部21と第1の回転部22と第1の装飾部23とを備える。第1の装着部21は、物体に接触する部分である。第1の装飾部23は、第1の装着部21から第1の回転部22まで延びた領域である。第1の装飾部23は、例えば宝石が取り付けられる領域、彫刻がされた領域、種々の形状の領域を含むが、これらに限定されない。第1の部材11において第1の装飾部23以外の部分に装飾が施されていてもよい。
【0029】
第1の部材11は、2つの対向部24を備える。より詳細には、第1の回転部22が、第1の装飾部23の一端から突出した2つの対向部24を備える。2つの対向部24は、回転軸方向に相互に離隔している。
【0030】
第2の部材12は、第2の装着部31と第2の回転部32と第2の装飾部33とを備える。第2の装着部31は、物体に接触する部分である。第2の装飾部33は、第2の装着部31から第2の回転部32まで延びた領域である。第2の装飾部33は、例えば宝石が取り付けられる領域、彫刻がされた領域、種々の形状の領域を含むが、これらに限定されない。第2の部材12において第2の装飾部33以外の部分に装飾が施されていてもよい。
【0031】
第2の回転部32は、第2の装飾部33の一端から突出した1つの突出部34を備える。突出部34の少なくとも一部が、第1の部材11の2つの対向部24の間に位置している。言い換えると、2つの対向部24は、突出部34を間に挟んで対向するように配置されている。連結部14は、回転軸方向において2つの対向部24と突出部34とを貫通するように配置されており、突出部34と2つの対向部24とを相対的に回転可能に連結している。
【0032】
図1に示す閉回転位置において、第1の装着部21と第2の装着部31との間に比較的小さい隙間16が形成される。
図2に示す開回転位置において、第1の装着部21と第2の装着部31との間に比較的大きい隙間16が形成される。
【0033】
図2に示すように、第2の部材12の突出部34には、ばね13に接触する接触部40が設けられている。接触部40は、第1の接触部41と第2の接触部42と第3の接触部43とを含む。第1の接触部41、第2の接触部42、及び第3の接触部43はいずれも面状である。第3の接触部43は、第1の接触部41と第2の接触部42との間に位置している。
【0034】
第1の接触部41と第3の接触部43との境界領域は、連結部14の回転軸に対して平行に延びた尾根状の領域であり、回転軸に直交する断面で見たとき尖っていてもよく、丸みを帯びていてもよい。第2の接触部42と第3の接触部43との境界領域は、連結部14の回転軸に対して平行に延びた尾根状の領域であり、回転軸に直交する断面で見たとき尖っていてもよく、丸みを帯びていてもよい。回転軸に沿った方向の少なくとも一部の範囲において、第1の接触部41、第2の接触部42、及び第3の接触部43の回転軸に直交する断面は一定のまま連続的に形成されている。
【0035】
一例において、第1の接触部41と第3の接触部43とがなだらかな曲線で接続されていてもよい。第2の接触部42と第3の接触部43とがなだらかな曲線で接続されていてもよい。第1の接触部41と第3の接触部43との境界領域、又は、第2の接触部42と第3の接触部43との境界領域がなだらかな曲線上にある場合、境界領域を超えるときの動作が滑らかになる。
【0036】
図1における第1の部材11と第2の部材12との間の相対的な回転位置を閉回転位置と呼ぶ。閉回転位置は、第1の装着部21と第2の装着部31とが最も近づいて、隙間16が最も小さい回転位置である。なお、
図1の閉回転位置は例示に過ぎない。他の例において、閉回転位置で第1の装着部21と第2の装着部31とが接触してもよい。
【0037】
図2における第1の部材11と第2の部材12との間の相対的な回転位置を開回転位置と呼ぶ。開回転位置は、閉回転位置の場合に比べて第1の装着部21と第2の装着部31との隙間16が大きい所定の回転位置である。なお、
図2の開回転位置は例示に過ぎない。
【0038】
図3は、閉回転位置にある装身具1の底面図である。
図4は、
図3の4-4線における、閉回転位置にある装身具1の正面断面図である。
図5は、
図4と同じ断面で見たときの、開回転位置にある装身具1の正面断面図である。
【0039】
図1に示すように、第1の部材11の第1の装飾部23は、第1の装着部21から第1の回転部22まで延びた弧状の外周部51を備える。第1の装飾部23は、回転軸方向における外周部51の両端から、内側空間17に向かって内側に延びた2つの対向壁52を備える。2つの対向壁52は、第1の装着部21から第1の回転部22まで外周部51に沿って弧状に延びている。一方の対向壁52が一方の対向部24につながっており、他方の対向壁52が他方の対向部24につながっている。
【0040】
第1の装飾部23は、第1の装着部21と第1の回転部22との間に、第1の固定部53と第2の固定部54と受容部55とを備える。第1の固定部53は、第1の装着部21と第1の回転部22との間に位置している。第2の固定部54は、第1の固定部53の近くで第1の固定部53と第1の装着部21との間に位置している。第1の固定部53及び第2の固定部54は、いずれも回転軸方向に2つの対向壁52の間をつなぐように配置されている。
図4に示すように、第1の固定部53は、外周部51よりも内側空間17の近くに位置している。第1の固定部53と外周部51との間には隙間が設けられている。第2の固定部54は、2つの対向壁52をつなぐ壁を形成しており、外周部51から内側空間17に向かって延びている。
図4の例において、第2の固定部54の内側空間17に面した端面が、2つの対向壁52の内側空間17に面した2つの端面と面一でつながっている。
【0041】
受容部55は、第1の固定部53と第1の回転部22との間に位置している。受容部55は、2つの対向壁52に設けられた窪みであり、内側空間17から外側に向かって窪んでいる。
【0042】
図4に示すように、ばね13は、外周部51に対して内側空間17の内側に位置している。ばね13は、円形の断面をもつ線状部材である。ばね13を形成する材料は、例えばチタン合金である。ばね13は、固定端部61と可動端部62とを備える。ばね13は、固定端部61を含む第1のばね領域63と、可動端部62を含む第2のばね領域64とを備える。ばね13は、第1のばね領域63と第2のばね領域64との間の屈曲部65で曲線状におおむね90度に屈曲している。
【0043】
第1のばね領域63は、第1の部材11の外周部51から離れるように内側空間17の内側に向かって突出している。第1のばね領域63は、第1の固定部53と第2の固定部54との間に挟まれて固定されている(又は、動きを小さく制限されている)。すなわち、ばね13の固定端部61は、第1の部材11に対して固定されている(又は、動きを小さく制限されている)。第2の固定部54は、対向部24から離れる方向への第1のばね領域63の動きを制限している。第1の固定部53は、対向部24に向かう方向への第1のばね領域63の動きを制限している。
【0044】
第2のばね領域64のうち屈曲部65に近い領域が、第1の部材11の一部である外周部51と第1の固定部53との間に位置している。従って、第1のばね領域63に沿った方向における第2のばね領域64の動きが制限されている。すなわち、ばね13のうち屈曲部65付近の領域は、第1の部材11に対して固定されている(又は、動きを小さく制限されている)。
【0045】
図1に示すように、中間固定部材15は、受容部55に挿入可能に構成されている。受容部55には、中間固定部材15が嵌め込まれている。中間固定部材15は、2つの対向部24の間をつなぐように配置されている。一例において、中間固定部材15は受容部55に溶接して固く固定されている。他の一例において、中間固定部材15は受容部55に対して取り外し可能に固定されていてもよい。
図4に示すように、中間固定部材15は、2つの対向部24の間において、外周部51に向かって突出している。外周部51には、中間固定部材15に対向する位置に中間突起56が設けられている。
【0046】
受容部55に中間固定部材15が挿入された状態で、固定端部61と可動端部62との間の一部においてばね13が中間固定部材15と第1の部材11の一部との間に挟まれている。より詳細には、第2のばね領域64のうち、屈曲部65と可動端部62との間の一部の領域が、中間固定部材15と中間突起56に挟まれて固定されている(又は、動きを小さく制限されている)。ばね13が挟まれていることによりばね13の動きが制限される。従って、動作時には、第2のばね領域64のうち、中間固定部材15と可動端部62との間の部分が比較的大きく動く。
【0047】
図4に示すように、ばね13は、閉回転位置において、隙間16が大きくなる方向への第2の部材12の回転を抑止する押圧力を第1の接触部41に印加する。すなわち、ばね13は、閉回転位置において、隙間16を小さくする方向に第1の接触部41を押圧する。また、ばね13は、第1の回転範囲において、隙間16が大きくなる方向への第2の部材12の回転を抑止する押圧力を接触部40に印加する。第1の回転範囲は、閉回転位置と開回転位置との間の全回転範囲の一部であって、閉回転位置を含む回転範囲である。
【0048】
ばね13は、第1の回転範囲の少なくとも一部の回転範囲であって、閉回転位置を含んだ回転範囲において、2つの対向部24に挟まれた場所で接触部40と接触する。
図4に示すように、閉回転位置を含んだある回転範囲において、2つの対向部24がばね13を超えて内側空間17に向かって内側に延びている。第1の回転範囲において、可動端部62が連結部14の回転軸に直交する方向において第2の部材12から離隔された状態で、接触部40を押圧するようにばね13が構成されている。他の例において、第1の回転範囲の少なくとも一部において、可動端部62が第2の部材12に接触してもよい。
【0049】
図5に示すように、ばね13は、開回転位置を含む第2の回転範囲において、隙間16が小さくなる方向への第2の部材12の回転を抑止する押圧力を第2の接触部42に印加する。すなわち、第2の回転範囲において、第1の部材11と第2の部材12との位置関係は比較的安定する。
【0050】
閉回転位置と開回転位置との間のある回転位置において、連結部14の仮想的な回転軸とばね13との距離が最大となるので、第1の回転範囲と第2の回転範囲との間で装身具1の状態を遷移させるには、ばね13の押圧力に対抗して使用者がある程度の力を加える必要がある。
【0051】
装身具1が第1の回転範囲と第2の回転範囲との間を遷移する途中に、ばね13が第3の接触部43に接触する。すなわち、装身具1が第1の回転範囲から第2の回転範囲に遷移するとき、ばね13は第1の接触部41、第3の接触部43、及び第2の接触部42に順に接触する。第2の回転範囲から第1の回転範囲に遷移するとき、ばね13は第2の接触部42、第3の接触部43、及び第1の接触部41に順に接触する。
図4に示すように、本例では第1の回転範囲において、ばね13は、第1の接触部41のうち、第1の接触部41と第3の接触部43との間の尾根状の境界領域にのみ接触する。他の例において、面状の第1の接触部41のうち、より広範囲にばね13が接触してもよい。
【0052】
(まとめ)
本実施形態によれば、第1の回転範囲の閉回転位置を含んだ少なくとも一部の回転範囲において、2つの対向部24に挟まれた場所でばね13と接触部40とが接触する。これにより、ばね13と接触部40との接触位置が2つの対向部24によって挟まれた範囲内に制限されるため、ばね13と接触部40との接触位置のぶれが抑制され易くなる。
また、第1の回転範囲の閉回転位置を含んだ少なくとも一部の回転範囲において、ばね13の接触部40に近い部分が2つの対向部24によって挟まれた状態になることから、閉回転位置付近におけるばね13のぶれが小さくなり、第1の部材11及び第2の部材21の開閉動作を円滑に行うことができる。これにより、閉回転位置付近における物体(耳たぶ等)の挟み込み動作や取り外し動作を良好に行うことができる。
また、2つの対向部24は、突出部34を回転可能に挟んで支持する機能や、連結部14の回転軸を支持する機能を併せ持つため、ばねのぶれを抑制するためだけの独立した部材を設ける場合に比べて、構造を簡易にすることができる。
【0053】
本実施形態によれば、ばね13と接触部40との接触位置が第1の回転部22の2つの対向部24によって挟まれた範囲内に制限されるため、ばね13と接触部40との接触位置のぶれが抑制され易くなる。
【0054】
本実施形態によれば、第1の回転範囲において第1の装着部21と第2の装着部31との間の隙間16が大きくなることを防ぐとともに、第2の回転範囲において第1の装着部21と第2の装着部31との間の隙間16が小さくなることを防ぐことができる。
【0055】
本実施形態によれば、ばね13が、第1の回転範囲と第2の回転範囲との間を遷移するときに、第3の接触部43に接触するので、装身具1の急激な開閉の動作を防ぐことができる。
【0056】
本実施形態によれば、第1の固定部53により、第1のばね領域63付近において、対向部24に向かう方向と第2のばね領域64に沿った方向におけるばね13の動きが制限されるので、簡単な構成でばね13が外れることを防止できる。
【0057】
本実施形態によれば、第2の固定部54により、第1のばね領域63付近において、対向部24から離れる方向におけるばね13の動きが制限されるので、簡単な構成でばね13が外れることを防止できる。
【0058】
本実施形態によれば、ばね13が中間固定部材15と第1の部材11の一部との間に挟まれるので、固定端部61だけで固定する場合に比べて、可動端部62付近のばね13の弾性力を大きくすることができる。
また、第1の部材11の受容部55に中間固定部材15が挿入される構造になっているため、ばね13を第1の部材11に取り付けた後で中間固定部材15を受容部55に挿入し、溶接などの方法によって中間固定部材15を第1の部材11に固定することが可能となる。従って、第1の部材11に対するばね13の取り付け作業を簡単に行うことができる。
【0059】
本実施形態によれば、ばね13が円形の断面をもつ線状部材であるので、ばねが平板である場合に比べて対向部24に乗り上げにくい。
また、ばね13が円形の断面をもつ線状部材であることにより、ばねが平板である場合にくらべて少ない材料で大きな弾性力を得やすくなる。
【0060】
本実施形態によれば、可動端部62より固定端部61に近い位置でばね13が接触部40を押圧するので、可動端部62が接触部40に触れている場合にくらべて大きい力で押圧することができる。
【0061】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、開閉可能な種々の装身具に適用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1…装身具、11…第1の部材、12…第2の部材、13…ばね、14…連結部、15…中間固定部材、16…隙間、17…内側空間、21…第1の装着部、22…第1の回転部、23…第1の装飾部、24…対向部、31…第2の装着部、32…第2の回転部、33…第2の装飾部、34…突出部、40…接触部、41…第1の接触部、42…第2の接触部、43…第3の接触部、51…外周部、52…対向壁、53…第1の固定部、54…第2の固定部、55…受容部、56…中間突起、61…固定端部、62…可動端部、63…第1のばね領域、64…第2のばね領域、65…屈曲部
【手続補正書】
【提出日】2021-11-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を挟み込み可能な隙間を形成する第1の部材及び第2の部材と、
前記第1の部材に固定されたばねと、
前記第1の部材と前記第2の部材とを連結する連結部とを備え、
前記第2の部材が、前記ばねに接触する接触部が設けられた突出部を有し、
前記第1の部材が、前記突出部を間に挟んで対向する2つの対向部を有し、
前記連結部が、前記突出部と2つの前記対向部とを相対的に回転可能に連結しており、
前記第1の部材と前記第2の部材とは、前記隙間が比較的小さい閉回転位置から、前記隙間が比較的大きい開回転位置まで回転可能であり、
前記ばねが、前記閉回転位置を含む第1の回転範囲において、前記隙間が大きくなる方向への前記第2の部材の回転を抑止する押圧力を前記接触部に印加し、
前記ばねが、前記第1の回転範囲の少なくとも一部の回転範囲であって、前記閉回転位置を含んだ回転範囲において、2つの前記対向部に挟まれた場所で前記接触部と接触し、
前記第1の部材が、第1の装着部と第1の回転部と第1の装飾部とを有し、
前記第1の装飾部が、前記第1の装着部から前記第1の回転部まで延びており、
前記第2の部材が、第2の装着部と第2の回転部と第2の装飾部とを有し、
前記第2の装飾部が、前記第2の装着部から前記第2の回転部まで延びており、
前記第1の回転部が、前記第1の装飾部の一端から突出した2つの前記対向部を有し、
前記第2の回転部が、前記第2の装飾部の一端から突出した1つの前記突出部を有し、
前記突出部の少なくとも一部が、2つの前記対向部の間に位置し、
前記第1の装着部と前記第2の装着部との間に前記隙間が形成され、
前記ばねが、固定端部と可動端部とを備え、
前記ばねの前記固定端部が、前記第1の部材に固定されており、
前記ばねが、前記第1の部材と前記第2の部材とに部分的に囲まれた空間の内側に位置しており、
前記ばねが、前記固定端部を含む第1のばね領域と前記可動端部を含む第2のばね領域とを備え、
前記ばねが、前記第1のばね領域と前記第2のばね領域との間で屈曲しており、
前記第1のばね領域が、前記第1の部材から前記空間の内側に向かって突出しており、
前記第1の装飾部が、
前記第1の装着部から前記第1の回転部まで延びた外周部と、
前記連結部の回転軸の方向における前記外周部の両端から前記空間に向かって内側に延びるとともに、前記第1の装着部から前記第1の回転部まで前記外周部に沿って延びた2つの対向壁と、
前記回転軸の方向において2つの前記対向壁の間をつなぐように配置された第1の固定部と、
前記第1の固定部と前記第1の装着部との間に位置し、前記外周部から前記空間の内側に向かって延びており、2つの前記対向壁をつなぐ壁を形成する第2の固定部とを備え、
一方の前記対向壁が一方の前記対向部につながり、
他方の前記対向壁が他方の前記対向部につながり、
前記外周部と前記第1の固定部との間に隙間が設けられており、
前記第1のばね領域が、前記第1の固定部と前記第2の固定部との間に挟まれており、
前記第2のばね領域が、前記外周部と前記第1の固定部との間の前記隙間に位置している、
装身具。
【請求項2】
前記第1の部材が、受容部を備え、
前記装身具が、前記受容部に挿入可能な中間固定部材を備え、
前記受容部が、前記第1の固定部と前記第1の回転部との間において2つの前記対向壁に設けられた2つの窪みであり、
前記中間固定部材が、前記受容部の2つの前記窪みに嵌め込まれて溶接されており、
前記受容部に前記中間固定部材が挿入された状態で、前記固定端部と前記可動端部との間において前記ばねが前記中間固定部材と前記外周部との間に挟まれることにより、前記ばねの動きが制限される、
請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
物体を挟み込み可能な隙間を形成する第1の部材及び第2の部材と、
前記第1の部材に固定されたばねと、
前記第1の部材と前記第2の部材とを連結する連結部とを備え、
前記第2の部材が、前記ばねに接触する接触部が設けられた突出部を有し、
前記第1の部材が、前記突出部を間に挟んで対向する2つの対向部を有し、
前記連結部が、前記突出部と2つの前記対向部とを相対的に回転可能に連結しており、
前記第1の部材と前記第2の部材とは、前記隙間が比較的小さい閉回転位置から、前記隙間が比較的大きい開回転位置まで回転可能であり、
前記ばねが、前記閉回転位置を含む第1の回転範囲において、前記隙間が大きくなる方向への前記第2の部材の回転を抑止する押圧力を前記接触部に印加し、
前記ばねが、前記第1の回転範囲の少なくとも一部の回転範囲であって、前記閉回転位置を含んだ回転範囲において、2つの前記対向部に挟まれた場所で前記接触部と接触し、
前記第1の部材が、第1の装着部と第1の回転部と第1の装飾部とを有し、
前記第1の装飾部が、前記第1の装着部から前記第1の回転部まで延びており、
前記第2の部材が、第2の装着部と第2の回転部と第2の装飾部とを有し、
前記第2の装飾部が、前記第2の装着部から前記第2の回転部まで延びており、
前記第1の回転部が、前記第1の装飾部の一端から突出した2つの前記対向部を有し、
前記第2の回転部が、前記第2の装飾部の一端から突出した1つの前記突出部を有し、
前記突出部の少なくとも一部が、2つの前記対向部の間に位置し、
前記第1の装着部と前記第2の装着部との間に前記隙間が形成され、
前記ばねが、固定端部と可動端部とを備え、
前記ばねの前記固定端部が、前記第1の部材に固定されており、
前記ばねが、前記第1の部材と前記第2の部材とに部分的に囲まれた空間の内側に位置しており、
前記第1の装飾部が、
前記第1の装着部から前記第1の回転部まで延びた外周部と、
前記連結部の回転軸の方向における前記外周部の両端から前記空間に向かって内側に延びるとともに、前記第1の装着部から前記第1の回転部まで前記外周部に沿って延びた2つの対向壁と、
受容部とを備え、
前記受容部が、2つの前記対向壁に設けられた2つの窪みであり、
前記受容部に挿入可能な中間固定部材を備え、
前記中間固定部材が、前記受容部の2つの前記窪みに嵌め込まれて溶接されており、
前記受容部に前記中間固定部材が挿入された状態で、前記固定端部と前記可動端部との間において前記ばねが前記中間固定部材と前記外周部との間に挟まれることにより、前記ばねの動きが制限される、
装身具。
【請求項4】
前記中間固定部材は、2つの前記対向部の間において前記外周部に向かって突出しており、
前記外周部には、前記中間固定部材に対向する位置に中間突起が設けられており、
前記ばねが、前記中間固定部材と前記中間突起との間に挟まれている、
請求項2または請求項3記載の装身具。
【請求項5】
前記接触部が、第1の接触部と第2の接触部とを有し、
前記ばねが、前記第1の回転範囲において、前記隙間が大きくなる方向への前記第2の部材の回転を抑止する押圧力を前記第1の接触部に印加し、
前記ばねが、前記開回転位置を含む第2の回転範囲において、前記隙間が小さくなる方向への前記第2の部材の回転を抑止する押圧力を前記第2の接触部に印加する、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の装身具。
【請求項6】
前記第2の部材が、前記第1の接触部と前記第2の接触部との間に位置する第3の接触部を有し、
前記第1の接触部、前記第2の接触部及び前記第3の接触部が、それぞれ面状であり、
前記第1の接触部と前記第3の接触部との境界領域、及び、前記第2の接触部と前記第3の接触部との境界領域が、それぞれ前記連結部の回転軸に対して平行に延びた領域であり、
前記ばねは、前記第1の回転範囲と前記第2の回転範囲との間を遷移する場合、前記第3の接触部に接触する、
請求項5に記載の装身具。
【請求項7】
前記ばねが、円形の断面をもつ線状部材である、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の装身具。
【請求項8】
前記第1の回転範囲において、前記可動端部が前記連結部の回転軸に直交する方向において前記第2の部材から離隔された状態で、前記接触部を押圧するように前記ばねが構成されている、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の装身具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
第1の発明の装身具は、物体を挟み込み可能な隙間を形成する第1の部材及び第2の部材と、第1の部材に固定されたばねと、第1の部材と第2の部材とを連結する連結部とを備え、第2の部材が、ばねに接触する接触部が設けられた突出部を有し、第1の部材が、突出部を間に挟んで対向する2つの対向部を有し、連結部が、突出部と2つの対向部とを相対的に回転可能に連結しており、第1の部材と第2の部材とは、隙間が比較的小さい閉回転位置から、隙間が比較的大きい開回転位置まで回転可能であり、ばねが、閉回転位置を含む第1の回転範囲において、隙間が大きくなる方向への第2の部材の回転を抑止する押圧力を接触部に印加し、ばねが、第1の回転範囲の少なくとも一部の回転範囲であって、閉回転位置を含んだ回転範囲において、2つの対向部に挟まれた場所で接触部と接触すし、第1の部材が、第1の装着部と第1の回転部と第1の装飾部とを有し、第1の装飾部が、第1の装着部から第1の回転部まで延びており、第2の部材が、第2の装着部と第2の回転部と第2の装飾部とを有し、第2の装飾部が、第2の装着部から第2の回転部まで延びており、第1の回転部が、第1の装飾部の一端から突出した2つの対向部を有し、第2の回転部が、第2の装飾部の一端から突出した1つの突出部を有し、突出部の少なくとも一部が、2つの対向部の間に位置し、第1の装着部と第2の装着部との間に隙間が形成され、ばねが、固定端部と可動端部とを備え、ばねの固定端部が、第1の部材に固定されており、ばねが、第1の部材と第2の部材とに部分的に囲まれた空間の内側に位置しており、ばねが、固定端部を含む第1のばね領域と可動端部を含む第2のばね領域とを備え、ばねが、第1のばね領域と第2のばね領域との間で屈曲しており、第1のばね領域が、第1の部材から空間の内側に向かって突出しており、第1の装飾部が、第1の装着部から第1の回転部まで延びた外周部と、連結部の回転軸の方向における外周部の両端から空間に向かって内側に延びるとともに、第1の装着部から第1の回転部まで外周部に沿って延びた2つの対向壁と、回転軸の方向において2つの対向壁の間をつなぐように配置された第1の固定部と、第1の固定部と第1の装着部との間に位置し、前記外周部から前記空間の内側に向かって延びており、2つの前記対向壁をつなぐ壁を形成する第2の固定部とを備え、一方の対向壁が一方の対向部につながり、他方の対向壁が他方の対向部につながり、外周部と第1の固定部との間に隙間が設けられており、第1のばね領域が、第1の固定部と第2の固定部との間に挟まれており、第2のばね領域が、外周部と第1の固定部との間の隙間に位置している、装身具である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、この構成によれば、第1の固定部により、第1のばね領域付近において、対向部に向かう方向と第2のばね領域に沿った方向におけるばねの動きが制限されるので、簡単な構成でばねが外れることを防止できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
好適には、第1の部材が、受容部を備え、装身具が、受容部に挿入可能な中間固定部材を備え、受容部が、第1の固定部と第1の回転部との間において2つの対向壁に設けられた2つの窪みであり、中間固定部材が、受容部の2つの窪みに嵌め込まれて溶接されており、受容部に中間固定部材が挿入された状態で、固定端部と可動端部との間においてばねが中間固定部材と前記外周部との間に挟まれることにより、ばねの動きが制限される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
この構成によれば、ばねが中間固定部材と第1の部材の一部との間に挟まれるので、第1の固定端部だけで固定する場合に比べて、可動端部付近のばねの弾性力を大きくすることができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
第2の発明の装身具は、物体を挟み込み可能な隙間を形成する第1の部材及び第2の部材と、第1の部材に固定されたばねと、第1の部材と第2の部材とを連結する連結部とを備え、第2の部材が、ばねに接触する接触部が設けられた突出部を有し、第1の部材が、突出部を間に挟んで対向する2つの対向部を有し、連結部が、突出部と2つの対向部とを相対的に回転可能に連結しており、第1の部材と第2の部材とは、隙間が比較的小さい閉回転位置から、隙間が比較的大きい開回転位置まで回転可能であり、ばねが、閉回転位置を含む第1の回転範囲において、隙間が大きくなる方向への第2の部材の回転を抑止する押圧力を接触部に印加し、ばねが、第1の回転範囲の少なくとも一部の回転範囲であって、閉回転位置を含んだ回転範囲において、2つの対向部に挟まれた場所で接触部と接触し、第1の部材が、第1の装着部と第1の回転部と第1の装飾部とを有し、第1の装飾部が、第1の装着部から第1の回転部まで延びており、第2の部材が、第2の装着部と第2の回転部と第2の装飾部とを有し、第2の装飾部が、第2の装着部から第2の回転部まで延びており、第1の回転部が、第1の装飾部の一端から突出した2つの対向部を有し、第2の回転部が、第2の装飾部の一端から突出した1つの突出部を有し、突出部の少なくとも一部が、2つの対向部の間に位置し、第1の装着部と第2の装着部との間に隙間が形成され、ばねが、固定端部と可動端部とを備え、ばねの固定端部が、第1の部材に固定されており、ばねが、第1の部材と第2の部材とに部分的に囲まれた空間の内側に位置しており、第1の装飾部が、第1の装着部から第1の回転部まで延びた外周部と、連結部の回転軸の方向における外周部の両端から空間に向かって内側に延びるとともに、第1の装着部から第1の回転部まで外周部に沿って延びた2つの対向壁と、受容部とを備え、受容部が、2つの対向壁に設けられた2つの窪みであり、受容部に挿入可能な中間固定部材を備え、中間固定部材が、受容部の2つの窪みに嵌め込まれて溶接されており、受容部に中間固定部材が挿入された状態で、固定端部と可動端部との間においてばねが中間固定部材と外周部との間に挟まれることにより、ばねの動きが制限される、装身具である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
好適には、接触部が、第1の接触部と第2の接触部とを有し、ばねが、第1の回転範囲において、隙間が大きくなる方向への第2の部材の回転を抑止する押圧力を第1の接触部に印加し、ばねが、開回転位置を含む第2の回転範囲において、隙間が小さくなる方向への第2の部材の回転を抑止する押圧力を第2の接触部に印加する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
この構成によれば、第1の回転範囲において第1の装着部と第2の装着部との間の隙間が大きくなることを防ぐとともに、第2の回転範囲において第1の装着部と第2の装着部との間の隙間が小さくなることを防ぐことができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
好適には、中間固定部材は、2つの対向部の間において外周部に向かって突出しており 、外周部には、中間固定部材に対向する位置に中間突起が設けられており 、ばねが、中間固定部材と中間突起との間に挟まれている 。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
好適には、第2の部材が、第1の接触部と第2の接触部との間に位置する第3の接触部を有し、第1の接触部、第2の接触部及び第3の接触部が、それぞれ面状であり、第1の接触部と第3の接触部との境界領域、及び、第2の接触部と第3の接触部との境界領域が、それぞれ連結部の回転軸に対して平行に延びた領域であり、ばねは、第1の回転範囲と第2の回転範囲との間を遷移する場合、第3の接触部に接触する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
この構成によれば、ばねが、第1の回転範囲と第2の回転範囲との間を遷移するときに、第3の接触部に接触するので、装身具の急激な開閉の動作を防ぐことができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】