(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099844
(43)【公開日】2023-07-13
(54)【発明の名称】踵保護用絆創膏及び絆創膏ロール
(51)【国際特許分類】
A61F 13/06 20060101AFI20230706BHJP
A61F 13/02 20060101ALI20230706BHJP
【FI】
A61F13/06 Z
A61F13/02 310T
A61F13/02 310M
A61F13/02 355
A61F13/02 380
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023087353
(22)【出願日】2023-05-28
(62)【分割の表示】P 2020218062の分割
【原出願日】2020-12-25
(71)【出願人】
【識別番号】398069296
【氏名又は名称】村岡 登
(74)【代理人】
【識別番号】100190230
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 良吉
(72)【発明者】
【氏名】村岡 登
(57)【要約】
【課題】踵の角質化した部分をできるだけ小さく覆って、確実に貼ることができ、貼った後の見栄えも良いて、必要な部分のみを覆つて踵周縁部を良好に保湿できる踵保護用絆創膏を提供する。
【解決手段】基材111は、足の踵140の底領域140cに貼られる第1の領域部分111aと、該第1の領域部分の周囲部分であって、第1の領域部分111aから折り上げて足の踵140の周辺領域140bに貼られる第2の領域部分111bとを備え、さらに、少なくとも第2の領域部分111bに第1の領域部分111aに向く複数の切込み114を入れて第2の領域部分111bを複数の小片部分111b-1,111b-2,111b-3に分断し、これらの小片部分を折り上げて足の踵140の周辺領域140bに貼った際にこれらの小片部分の切込み114側の端部に、互いに重なり合う重なり部111iをそれぞれ設けた構成としている。
【選択図】
図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状基材と、該基材の一面に塗布された粘着層とを含む絆創膏であって、前記基材は、足の踵の底領域に貼られる第1の領域部分と、該第1の領域部分の周囲部分であって、前記第1の領域部分から折り上げて足の踵の周辺領域に貼られる第2の領域部分とを備え、さらに、少なくとも前記第2の領域部分に前記第1の領域部分に向かう複数の切込みを入れて前記第2の領域部分を略扇状の複数の小片部分に分断し、当該複数の小片部分の前記切込みを挟んで対峙する側部に重なり部を設けた構成となっており、
前記複数の小片部分を折り上げて足の踵の周辺領域に貼った際には、前記複数の小片部分の前記重なり部が互いに重なり合って貼付されて前記基材によって前記踵が密封されることを特徴とする、踵保護用絆創膏。
【請求項2】
前記基材の踵に貼付される際に前方に位置する前方縁辺を略直線状に形成し、前記前方縁辺を除く前記基材の周縁辺を矩矩形または多角形状または略半円形状に形成し、前記基材の前記第1の領域部分を前記基材の中央付近であって前記前方縁辺寄りの領域に設け、前記基材の前記第2の領域部分を前記第1の領域部分の前記前方縁辺を除く前記周縁側に略半円弧状に設けた請求項1に記載の踵保護用絆創膏。
【請求項3】
前記基材の前記第1の領域部分の略中央付近及び/又は該第1の領域部分の前方縁辺を除く周囲に、踵を載せるマークを設けた、請求項1に記載の踵保護用絆創膏。
【請求項4】
前記第1の領域部分の略中央付近に設けたマークは、クロスライン又は小円であり、前記第1の領域部分の周囲に設けたマークは略半円弧状のラインである、請求項3に記載の踵保護用絆創膏。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、踵保護用絆創膏及び絆創膏ロールに関し、詳しくは、特に角質化しやすい踵の底面と側周面との境界部である踵周縁部の保湿を良好に維持することができ、しかも、踵の角質化した部分に貼るのが容易な踵保護用絆創膏及び踵保護用絆創膏ロールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、足の踵等に生ずる角質層は、加齢とともに厚くなる傾向があり、特に冬季には、乾燥して皮膚の柔軟性が失われるので、ひび割れやあかぎれが生じ易い。このようなひび割れやあかぎれは、特に角質化しやすい踵の底面と側周面との境界部である踵周縁部に起こり易い。この予防策又は対症療法として、ひび割れやあかぎれが生じている踵の角質化した部分へ尿素入軟膏を塗るか、絆創膏を貼付けることが提案されている。しかしながら、寝ている間に軟膏が踵の角質化した部分から剥がれて落ち易いので、他の方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、対向する側面から切り欠きを入れた大型の絆創膏を、踵の底面と後面からL型に貼付し、踵の底面と側周面を大きく覆う技術を開示している。
【0004】
また、特許文献2は、略楕円形の絆創膏で、同様に対向する側面から切り欠きを入れた大型の絆創膏で、踵の底面と後面からL型に貼付し、踵の底面と側周面を大きく覆う絆創膏を開示している。
【0005】
また、特許文献3は、踵の底面と後面と両側面に対応する立体的形状に予め形成された絆創膏を開示しており、絆創膏の各部分が対応する踵の各面に貼付されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-24026号公報
【特許文献2】登録実用新案第3145046号公報
【特許文献3】登録実用新案第3108859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1と2の各絆創膏では、ひび割れやあかぎれが踵の底面と側周面との境界部である踵周縁部に集中するのにも拘わらず、ひび割れやあかぎれが発生していない箇所、すなわち角質化とは関係のない箇所、すなわち、踵周縁部よりもかなり余分に広い範囲まで覆うものであった。このため、踵周縁部以外の余分に覆う大きな絆創膏となるため不経済であり、踵周縁部以外の余分に覆う場所でかゆみ等を生じさせたりする不具合があり、貼った後の見栄えも悪かった。
また、特許文献3の絆創膏は、予め決められた立体的形状に形成されているので、製造が容易でなく、しかも、足のサイズによつては踵の患部にフィットし難く、隙間を生じさせたりするので、確実に患部を覆うことができない等の不具合があった。
さらに、上記のいずれも足の踵に確実にフィットせず、確実に貼り付け固定することが難しく、寝ている間に剥がれ易く、使用上不便であった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、上記問題を解消でき、製造が容易で、しかも、異なるサイズの足にも容易に対応でき、貼付し易く、ひび割れやあかぎれが発生しやすい踵の角質化した部分を確実に覆うことができ、さらには、踵の角質化した部分を小さい面積で覆うにも関わらず確実に貼付け固定でき、寝ている間でも剥がれず、貼った後の見栄えも良い踵保護用絆創膏を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る踵保護用絆創膏は、シート状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、該粘着層に貼付された剥離紙と、を含む枚葉型絆創膏であって、前記剥離紙は一対の剥離紙片からなり、前記基材に、前記基材の長手方向の所定間隔で、幅方向の一方の側面から該幅方向の途中まで、複数の切込みを入れ、該切込みによって複数に分断された前記基材の一方端側部分の複数の片の一端部側に、踵の底部に貼り付けた際に重なって貼付け固定される重なり部を設けた構成となっている。
言い換えれば、本発明に係る踵保護用絆創膏は、シート状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、該粘着層に貼付された剥離紙と、を含み、前記基材に、前記基材の長手方向の所定間隔で、幅方向の一方端から該幅方向の途中まで、複数の切込みを入れた踵保護用絆創膏であって、踵に貼付される際、前記基材の前記一方側端に対向する他方端側の他方端側部分は踵の側部に貼付される部分であり、前記複数の切込みによって複数に分断された前記基材の各小片部分は、踵の底部に貼り付けた際に一部重なって貼付される重なり部を有する形成する、構成となっている。
【0010】
また、本発明に係る踵保護用絆創膏は、前記一対の剥離紙片は、前記基材の幅方向に並べられ、該一対の剥離紙片の出会う側の端部にそれぞれ互いに重なり合う重ね合わせ部を設け、さらに、これらの重ね合わせ部のうち内側に位置する側の重ね合わせ部の先端部を折り返してつまみ部を設けた構成となっている。
言い換えれば、前記剥離紙は、前記基材の幅方向に並べられた一対の剥離紙片からなり、該一対の剥離紙片の出会う側の端部にそれぞれ互いに重なり合う重ね合わせ部を設け、当該重ね合わせ部のうち内側に位置する側の重ね合わせ部の先端部を折り返してつまみ部を設けた、構成となっている。
【0011】
さらに、本発明に係る踵保護用絆創膏は、前期つまみ部を有する方の前記剥離紙片に、前記基材の前記複数の切込みに対応させて前記つまみ部の折返し部まで延びる切込みを入れて前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片を複数の剥離紙片部に切り離した構成となっている。
【0012】
さらにまた、本発明に係る踵保護用絆創膏は、テープ状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、円筒状の芯と、を含み、前記粘着層側が内側になるように前記基材が前記芯に券回された巻回テープ型絆創膏であって、前記基材の長手方向の適宜間隔で前記基材の幅方向の一方の側面端から該幅方向の略中央まで切込みを入れるとともに、前記基材の長手方向の適宜間隔毎に前記基材の長手方向の適宜間隔で切り離し用の切離部を入れた構成となっている。
【0013】
さらに、本発明に係る踵保護用絆創膏又は踵保護用絆創膏ロールは、前記基材の前記切込みの終端部に円形の小穴を設けた構成となっている。
【0014】
さらにまた、本発明に係る踵保護用絆創膏又は踵保護用絆創膏ロールは、前記基材の前記切込みの始端部側に切残部を設けた構成となっている。
【0015】
さらにまた、本発明に係る踵保護用絆創膏の製造方法は、さらに、前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片に、前記基材の前記複数の切込みに合わせて前記つまみ部の折返し部まで延びる切込みを入れて前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片を複数の剥離紙片部に分断する工程を含むものとしている。
【0016】
さらにまた、本発明に係る踵保護用絆創膏の製造方法は、帯状の基材上に帯状の粘着層を介して帯状の剥離紙が貼付された帯状の絆創膏素材を形成する工程であって、前記帯状の剥離紙は一対の帯状剥離紙片からなり、該一対の帯状剥離紙片は、前記帯状の基材の幅方向の両端側からその略中央付近で出会うように幅方向に並べて配置され、幅方向の端部同士が重なりあって帯状の重ね合わせ部が形成され、前記帯状の重ね合わせ部の内側に位置する前記帯状の剥離紙片の先端部を外側に折り返して帯状のつまみ部が形成されたものとする工程と、前記帯状の基材と少なくとも前記帯状のつまみ部を有する方の前記帯状の剥離紙片に、前記帯状の基材の幅方向の一方端側からその他方端側に向けて、前記帯状のつまみ部の折り返し部まで切込みを入れる工程と、前記帯状の絆創膏素材を長手方向の所定間隔で切断して、一度に複数の絆創膏を形成する工程とを含むものとしている。
【0017】
さらにまた、本発明に係る踵保護用絆創膏の製造方法は、幅広のシート状の基材上に粘着層を介して幅広のシート状の剥離紙が貼付された幅広のシート状の絆創膏素材を形成する工程であって、前記幅広のシート状の剥離紙は、前記幅広のシート状の基材の幅方向に並べて配置された複数対の帯状の剥離紙片からなり、各一対の帯状の剥離紙片は、幅方向の端部同士が重なり合って重ね合わせ部を形成するように配置され、前記帯状の重ね合わせ部の内側に位置する前記帯状の剥離紙片の先端部が外側に折り返されて帯状のつまみ部が形成されたものとする工程と、 前記幅広のシート状の基材と少なくとも前記帯状のつまみ部を有する側の帯状の剥離紙片に、前記帯状のつまみ部を有する側の帯状の剥離紙片の一方端側から前記帯状のつまみ部の折り返し部まで切込みを入れる工程と、 次いで、前記幅広のシート状の絆創膏素材を縦横方向に所定間隔で切断して、一度に複数の絆創膏を形成する工程とを含むものとしている。
【0018】
さらにまた、本発明に係る踵保護用絆創膏の製造方法は、前記幅広のシート状の剥離紙は、前記つまみ部を有する剥離紙片同士を互いに向かい合わせて連続するように一体に形成した第1の剥離紙片と、前記つまみ部を有さない剥離紙片同士を互いに向かい合わせて連続するように一体に形成した第2の剥離紙片とを複数交互に配置したものである。
【0019】
さらにまた、本発明に係る踵保護用絆創膏の製造方法は、前記幅広のシート状の剥離紙は、前記つまみ部を有する剥離紙片と前記つまみ部を有さない剥離紙片を連続するように一体に形成した第3の剥離紙片を複数配置したものである。
【0020】
さらにまた、本発明に係る踵保護用絆創膏ロールの製造方法は、さらに、幅広のシート状の基材と、該幅広のシート状の基材の一面に塗布された粘着層と、を含む幅広のテープ状の絆創膏素材を形成する工程と、前記幅広のテープ状の絆創膏素材に、該素材の幅方向に伸びる一定長さの切込みを、該素材の幅方向の複数箇所に、それぞれ該素材の長手方向に分布するように列状に形成する工程と、前記素材を芯材に巻取ってロール状絆創膏素材を形成する工程と、該ロール状絆創膏素材を所定間隔で切断して、一度に複数個の絆創膏を形成する工程とを含むものとしている。
【0021】
前記切込みは、1つの前記基材につき、複数、例えば2つ又は3つ、又はそれ以上設けることが使用上好ましいが、勿論数は限定されず、要は、足の大きさや、基材の材質等を考慮して適宜決定すれば良い。
【0022】
前記剥離紙片は、互いに出会う先端部側に重ね合わせ部を設け、これらの重ね合わせ部を互いに重ね合わせた構成とするのが好ましい。さらに好ましくは、内側に位置する側の剥離紙片の重ね合わせ部の先端部を外側で折り返してつまみ部を設け、該つまみ部の上に外側に位置する側の剥離紙片の重ね合わせ部を重ね合わせた構成とするのが好ましい。なお、必要に応じて、外側に位置する側の剥離紙片の重ね合わせ部にも、その先端部を折り返してつまみ部を設けても良い。
【0023】
また、本発明では、シート状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、該粘着層に貼付された複数対の剥離紙片と、を含む枚葉型絆創膏であって、前記基材の長手方向の複数箇所に、その幅方向の一方端側から該幅方向の途中まで切込みを入れており、これらの剥離紙片を前記基材の長手方向に並べて互いに前記基材の幅方向の両端側からその略中央付近で出会うように設置し、前記剥離紙片の互いに出会う側の端部にそれぞれ互いに重なり合う重ね合わせ部を設け、さらに、前記重ね合わせ部の少なくとも一方に、その先端部を折り返してつまみ部を設けるのが好ましい。
【0024】
また、本発明では、シート状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、該粘着層に貼付された複数の剥離紙片と、を含む枚葉型絆創膏であって、前記基材の長手方向の複数箇所に、その幅方向の一方端側から該幅方向の途中まで切込みを入れており、これらの剥離紙片を前記基材の幅方向に並べて互いに前記基材の幅方向の両端側からその略中央付近で出会うように設置し、前記剥離紙片の互いに出会う側の端部にそれぞれ互いに重なり合う重ね合わせ部を設け、さらに、前記重ね合わせ部の少なくとも一方に、その先端部を折り返してつまみ部を設けても良い。なおこの場合、前記基部と、少なくとも一方の前記剥離紙片とに、前記基材の長手方向の複数箇所に、前記基材の一方端側から前記基材の幅方向に前記剥離紙片のつまみ部の折返し部まで複数の切込みを入れて、一方側の前記剥離紙片を分断した構成としても良い。
【0025】
さらに、本発明の踵保護用絆創膏は、テープ状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、円筒状の芯と、を含み、前記粘着層側が内側になるように前記基材が前記芯に券回された巻回テープ型絆創膏であって、前記基材を、その長手方向の適宜間隔で前記基材の幅方向の一方の側面端から該幅方向の略中央まで切込みを入れるとともに、前記基材の長手方向の適宜間隔毎に前記基材の長手方向の適宜間隔で切り離し用のミシン目を入れた構成としてもよい。切込みは、ミシン目間に2つ又は3つ、又はそれ以上適宜設ければ良い。
【0026】
本発明に係る踵保護用絆創膏は、シート状基材と、該基材の一面に塗布された粘着層とを含む絆創膏であって、前記基材は、足の踵の底領域に貼られる第1の領域部分と、該第1の領域部分の周囲部分であって、前記第1の領域部分から折り上げて足の踵の周辺領域に貼られる第2の領域部分とを備え、さらに、少なくとも前記第2の領域部分に前記第1の領域部分に向く複数の切込みを入れて前記第2の領域部分を複数の小片部分に分断し、前記複数の小片部分を折り上げて足の踵の周辺領域に貼った際に前記複数の小片部分の前記切込み側の端部に、互いに重なり合う重なり部をそれぞれ設けた構成としている。
【0027】
また、前記した本発明に係る踵保護用絆創膏では、前記基材の前方縁辺を略直線状に形成し、前記前方縁辺を除く前記基材の周縁辺を多角形状または略半円形状に形成し、前記基材の前記第1の領域部分を前記基材の中央付近であって前記前方縁辺寄りの領域に設け、前記基材の前記第2の領域部分を前記第1の領域部分の前記前方縁辺を除く前記周縁側に略半円弧状に設けた構成としている。
【0028】
さらに、前記した本発明に係る踵保護用絆創膏では、前記基材の前記第1の領域部分の略中央付近又は/及びその前方縁辺を除く周囲に、踵を載せるマークを入れた構成となっている。
さらにまた、前記した本発明に係る踵保護用絆創膏では、前記第1の領域部分の略中央付近にいれるマークは、クロスライン又は小円であり、前記第1の領域部分の周囲に入れるマークは略半円弧状のラインである構成としている。
【0029】
加えて、本発明に係る踵保護用絆創膏ロールでは、前記した本発明に係る踵保護用絆創膏を切離部を介して連続させたものを芯に巻きつけてなる構成としている。
【0030】
前記切込みは、1つの前記基材につき、複数、例えば2つ又は3つ、又はそれ以上設けることが使用上好ましいが、勿論数は限定されず、要は、基材の大きさや、基材の材質等を考慮して適宜決定すれば良い。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、前記基材の長手方向の複数箇所に、幅方向の一方端側からその幅方向の略中央まで切込みを入れた構成としたので、切込みを入れていない幅方向の他方端側の部分を踵の周側面に貼付して、切込みを入れた基材の一方端側の部分を踵の底面に貼付することができ、これにより、踵の湾曲状の側周面と踵の底面の形状に沿って良好に密着させることができる。また、前記切込みによって複数に分断された前記基材の一方端側部分の複数の片の一端部側の前記重なり部同士が、踵の底部に貼り付けた際に互いに重なって貼付け固定され、互いに補強し合うので、より強固に絆創膏を貼付け固定することができる。これ故に、ひび割れやあかぎれが発生しやすい踵の底面と側周面との境界部付近、すなわち、患部である踵周縁部を確実に良好に覆うことができる。このため、前記絆創膏で覆った患部における保湿性を適度に保つことができるとともに、前記絆創膏により余計に広い部分まで覆うことを無くすことができ、しかも、踵で生じたひび割れやあかぎれに起因する痛みなどを緩和することができ、しかも患部以外でかゆみが生じたりすることを無くすことができる。
【0032】
また、本発明によれば、シート状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、該粘着層に貼付された複数対の剥離紙片と、を含む枚葉型絆創膏であって、前記複数対の剥離紙片を前記基材の幅方向に並べて互いに前記基材の幅方向の両端側からその略中央付近で出会うように前記粘着層の上に設置し、前記剥離紙片の出会う側の端部にそれぞれ互いに重なり合う重ね合わせ部を設け、これらの重ね合わせ部の少なくとも一方に、その先端部を折り返してつまみ部を設け、該つまみ部の上に他方の前記重なり部を重ね、前記基部と、少なくとも一方の前記剥離紙片とに、前記基材の長手方向の複数箇所に、前記基材の一方端側から前記基材の幅方向に前記剥離紙片のつまみ部の折返し部まで複数の切込みを入れて、一方の前記剥離紙片を分断した構成としたので、使用に際し、まず他方端側の前記剥離紙片を前記基材から剥がして踵の周側部に貼り付けた後、分断された一方端側の前記剥離紙片分断されたそれぞれの片を前記基材から個別に順次剥がして、踵の底面に貼っていくことができる。このとき、前記基部の粘着層が露出する部分同士が互いにくっついたりして貼り付け作業を邪魔したりするのを防止できるので、前記絆創膏を踵に貼る作業を楽に迅速に行うことが可能となる。しかも、前記同様に、踵の角質化した箇所を確実に効率的に覆って密封することができるので、踵の角質化した箇所における保湿状態を効果的に維持することができ、しかも患部以外でかゆみが生じたりすることを無くすことができる。
【0033】
本発明によれば、シート状基材と、該基材の一面に塗布された粘着層とを含む絆創膏であって、前記基材は、足の踵の底領域に貼られる第1の領域部分と、該第1の領域部分の周囲部分であって、前記第1の領域部分から折り上げて足の踵の周辺領域に貼られる第2の領域部分とを備え、さらに、少なくとも前記第2の領域部分に前記第1の領域部分に向く複数の切込みを入れて前記第2の領域部分を複数の小片部分に分断し、前記複数の小片部分を折り上げて足の踵の周辺領域に貼った際に前記複数の小片部分の前記切込み側の端部に、互いに重なり合う重なり部をそれぞれ設けた構成としたので、踵の正確な位置に絆創膏を貼ることができるとともに、前記小片部分の重なり部同士を重ねて貼ることができる。これにより、重なり合った重なり部同士が前記小片部分が踵から剥がれないように補強しあうので、確実にしっかりと踵に貼付け固定することができ、したがって、寝ている間にも剥がれず、使用上とても便利である。これにより、踵の湾曲状の側周面と踵の底面の形状に沿って、絆創膏を良好に踵に密着させることができる。これ故に、ひび割れやあかぎれが発生しやすい踵の底面と側周面との境界部付近、すなわち、患部である踵周縁部を確実に良好に覆うことができる。このように、踵の角質化した箇所を確実に効率的に覆って密封することができるので、踵の角質化した箇所における保湿状態を適度に効果的に保ち維持することができる。しかも、前記絆創膏により余計に広い部分まで覆うことがないので、患部以外でかゆみが生じたりすることを無くすことができつつ、踵で生じたひび割れやあかぎれに起因する痛みなどを緩和することができる。加えて、可及的に小さい面積で踵の患部を覆うことができるので、貼った後の見栄えも良い。
【0034】
本発明によれば、前記基材の前記第1の領域部分の略中央付近又は/及び周囲に、踵を載せるマークを入れた構成としたので、貼るべき位置に正確に確実に容易にはることができる。
【0035】
本発明に係る絆創膏ロールでは、前記絆創膏を切離部を介して連続させたものを芯に巻きつけてなる、構成としたので、使用に際して前記切離部で切断して絆創膏を得ることができ、1枚あたりの絆創膏を安価にでき、1つのロールから複数の絆創膏を得ることができるので使用上便利であり、ロールにした絆創膏はコンパクトで収納保管もし易く、複数の絆創膏を含むロールを容易に製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の第1の実施形態の踵保護用絆創膏を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)に示したQ-Q線断面図である。
【
図2】(a)は、
図1の踵保護用絆創膏に切残部を設けた場合を示す平面図であり、(b)は、(a)に示したR-R線断面図である。
【
図3】
図1の踵保護用絆創膏の使用状態を示す図であり、(a)は足の側面図、(b)は足の底面図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態の踵保護用絆創膏を示す図であり、(a)は平面図、(b)は、(a)の踵保護用絆創膏に切残部を設けた場合を示す平面図であり、(c)は、(a)に示したV-V線断面図であるとともに、(b)に示したW-W線線断面図である。
【
図5】本発明の第3の実施形態の踵保護用絆創膏を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は一部を拡大して示す側面図である。
【
図6】本発明の第4の実施形態の踵保護用絆創膏をそれぞれ示すもので、とくに剥離紙を省略して示す平面図である。
【
図7】(a)および(b)は、それぞれ本発明の第5の実施形態の踵保護用絆創膏を示す平面図である。
【
図9】本発明の第5の実施形態の踵保護用絆創膏を示す斜視図である。
【
図10】
図9に示した実施形態の踵保護用絆創膏を、帯状の絆創膏から一度に複数個製作する場合を示すもので、帯状の絆創膏を示す平面図である。
【
図12】本発明の第7の実施形態を示す平面図である。
【
図14】本発明の第8の実施形態を示す平面図である。
【
図16】本発明の第9の実施形態を示す斜視図である。
【
図17】本発明の第5の実施形態の踵保護用絆創膏の使用状態を示す、
図3(b)に対応する図であり、(a)は底面図、(b)は斜視図である。
【
図18】本発明の踵保護用絆創膏の剥離紙として樹脂シートを用いた場合の例を示すもので、(a),(b)はそれぞれ
図7に対応する平面図である。
【
図19】本発明の踵保護用絆創膏の剥離紙として樹脂シートを用いた場合の例を示し、
図8に対応する図であり、
図18(a),(b)に示したH-H線断面図である。
【
図20】本発明の踵保護用絆創膏の剥離紙として樹脂シートを用いた場合の他の例を示すもので、(a),(b)はそれぞれ
図7に対応する平面図である。
【
図21】本発明の第11の実施形態の踵保護用絆創膏を剥離紙を省略して示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のJ-J線断面図である。
【
図22】本発明の第11の実施形態の踵保護用絆創膏の使用状態を示す図であり、(a)は足の踵の側面図、(b)は足の踵の正面図、(c)は足の踵の背面図である。
【
図23】本発明の第11の実施形態の踵保護用絆創膏の使用状態を示す斜視図である。
【
図24】本発明の第11の実施形態の踵保護用絆創膏の別の例を剥離紙を省略して示す平面図である。
【
図25】本発明の第11の実施形態の踵保護用絆創膏のさらに別の例を剥離紙を省略して示す平面図である。
【
図26】本発明の第11の実施形態の踵保護用絆創膏のまた別の例を剥離紙を省略して示す平面図である。
【
図27】
図25に示した踵保護用絆創膏の使用状態を示す図であり、(a)は足の踵の側面図、(b)は足の踵の正面図、(c)は足の踵の背面図である。
【
図28】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第11の実施形態の踵保護用絆創膏のさらにまた別の例を剥離紙を省略して示す平面図である。
【
図29】本発明に係る踵保護用絆創膏が剥離紙を備える場合を示すもので、(a)は1枚の剥離紙の場合を示す断面図、(b)は剥離紙が2つの剥離紙片からなる場合を示す断面図、(c)剥離紙が2つの剥離紙片からなり、剥離紙片の端部が重なり合う場合を示す断面図、(d)は(c)の剥離紙片の端部が重なり合う様子を示す平面図である。
【
図30】本発明の第12の実施形態の踵保護用絆創膏ロールを示すもので、詳しくは、基材を一連の帯のものを採用してロールにしたものを示す斜視図である。
【
図31】本発明の第12の実施形態の踵保護用絆創膏ロールから得られる絆創膏の一例を示す平面図である。
【
図32】
図31に示した踵保護用絆創膏の使用状態を示す図であり、(a)は足の踵の側面図、(b)は足の踵の正面図、(c)は足の踵の背面図である。
【
図33】本発明の第12の実施形態の踵保護用絆創膏ロールの他の例を示し、(a)は該絆創膏ロールから得られる絆創膏の例と、該絆創膏を一連にした帯状の基材の一部を示す平面図である。
【
図34】本発明の第12の実施形態の踵保護用絆創膏ロールから得られる絆創膏の別の例を示す平面図である。
【
図35】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第13の実施形態の踵保護用絆創膏の例を剥離紙を省略して示す平面図である。
【
図36】(a)は
図35(a)に矢印Mで示した円で囲む箇所を拡大して示す平面図、(b)は
図35(b)に矢印Nで示した円で囲む箇所を拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態である踵保護用絆創膏及び踵保護用絆創膏ロールについて説明する。
(第1の実施形態)
まず、
図1~
図3を参照しながら、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、枚葉型の絆創膏10で、剥離紙13が貼付され、この剥離紙13をはがして使用するタイプのものである。
図1に示すように、本実施形態の絆創膏10は、枚葉型のシート状の基材11と、該基材11の一面に塗布された粘着層12と、該粘着層に貼付された剥離紙13と、を含む。基材11は、例えばビニル等の樹脂シートを横長の矩形状に形成して成るもので、柔軟性に加えて好ましくは多少の伸縮性もある素材で形成されるのが好ましい。基材11を形成する素材は、柔軟性と密封性があるものであればどのような素材でも良く、特に限定されない。
【0038】
粘着層12は、基材11の一面に塗布され、該基材を角質化した部分に貼付するためのものである。本実施形態では、例えば、アクリル系粘着剤を用いることができる。アクリル系粘着剤は、石油を原料とするアクリル樹脂を主成分としており、透明性、耐候性、耐熱性に優れている。粘着剤は、低アレルギー性であることが好ましい。なお、粘着剤としては、これらに限られず、ゴム系粘着剤やシリコーン系粘着剤等でもよい。要は、基材11を皮膚に優しく貼ることができるものであれば何でもよい。
【0039】
剥離紙13は、基材11の粘着層12を覆うもので、絆創膏10の使用時には基材11から剥がすことができるように剥離自在に設置される。本実施形態では、剥離紙13は、1枚のものでも良いが、同図のように例えば2つに分割された剥離紙片13a及び13bでも良い。剥離紙片13a及び13bは、幅方向Cに2分されている。
図1(a)には、基材11の幅方向(
図1(a)にCで示す方向)のほぼ中央付近で2分した例を示したが、これに限らず、
図2に示すように、基材11の長手方向(矢印Bで示す方向)に2分することもできる。各剥離紙片13a,13bは、分割部分から剥離し易くされている。なお、剥離紙13は、例えば、紙シートあるいは樹脂シート等、あるいはそれらの合成シート等であっても良く、素材は限定されない。要は、剥離紙13は、粘着層12からその粘着性を保ちつつ剥がすことができるように表面加工したシート材であるのが好ましい。剥離紙13は、前記2つに分割に限らず、3つあるいはそれ以上分割したものとしても良い。なお、剥離紙片13a及び13bは、後述するが、
図4に示すように、互いに出会う側の端部に互いに重なり合う重ね合わせ部を設けても良い。
【0040】
ここで、本実施形態の絆創膏10は、基材11の長手方向Bの複数箇所において、適宜間隔で、幅方向Cの一方端11a側から該幅方向の途中まで、例えばその略中央まで複数の切込み14を入れ、さらに、該切込みによって複数に分断された基材11の一方端側部分11fの複数の小片部分(例えば11f-1,11f-2等)の一端部側に、踵40の底部40cに貼り付けた際に重なって貼付け固定される重なり部11i(
図7も一部参照可)をそれぞれ設けたものである。各切込み14の終端部には、小穴11cが形成されていても良い。この小穴11cを設けることにより、各切込み14の終端部に応力が集中して基材11が各切込み14を超えて破れるのを防ぐことができる。
【0041】
但し、小穴11cは必須ではなく、基材11の材質がセロハン等のように裂け易い材料である場合に設けると効果的である。したがつて、それ以外の材料、例えば伸縮性及び柔軟性のある材料によって基材11を形成する場合には、小穴11cは必ずしも設ける必要はない。切込み14を設ける間隔は、踵の大きさに依るもので、絆創膏10が大人用の場合は大きめに、子供用の場合は小さめに設定するのが好ましい。また、切込み14の間隔(長手方向)は、均等であっても良いが、例えば、絆創膏10の中央部付近では小さめに、絆創膏10両端側付近では大きめに、又はこの逆に、又は不均等に設定することもできる。
【0042】
本実施形態の絆創膏10の製造方法としては、絆創膏10あるいは基材11の周囲の形状を整える工程や切込み14を入れる工程を除けば、基本的には、従来の救急用絆創膏の製造方法を利用することができる。なお、絆創膏10あるいは基材11の周囲の形状を整える工程や周囲の形状と複数の切込み14を入れる工程をどの段階で行うかは、基材11や剥離紙13の材質等を考慮して適宜決めればよい。例えば、基材11に剥離紙片13a,13bを設置した後、決められたサイズにカットして整形し、次いで、切込み14,13sを基材11と剥離紙13(主に剥離紙片13b)に一緒に入れても良い。ここで、13sは、基材11の切込み14に対応して剥離紙13に設けられている(詳しくは、
図5の絆創膏50の説明を参照)。その後、包装した後又はその前に、必要であれば滅菌処理を施すようにしても良い。なお、切込み14と小穴11cの形成するタイミングは、剥離紙片13a,13bを基材11に設置する後でも前でも、切込み14の作成と同時でも、いずれでもよい。基材11がとくに柔軟性のある、手で切り易い材料でできている場合には、基材11の切込み14の始端である一方端11a側に、切れていない領域の部分、切残部11gを設けてもよい(
図2(a)を一部参照)。
【0043】
図2のように、剥離紙片13a,13bを長手方向Bに並べて配置したものとした場合は、切残部11gを設けることにより、切込み14等の形成後に剥離紙片13a,13bを基材11に貼り合わせる場合、一方端側部分11fの複数の小片部分がばたばたしないので、基材11と剥離紙13の貼り合わせる作業等をスムーズにでき、また、後述するように、絆創膏の使用時に手で切って使用することができる。切残部11gは、製品に不要である場合は、剥離紙13を基材11に貼り合わせた後に、
図2に示すライン11hで切断して、切残部11gを基材11から切り離して製品をカット整形するようにしても良い。しかし、基材11の材料がとくに軟らかく手でもつて簡単に切断できるようなら、
図1及び
図2のいずれの場合においても切残部11gをそのまま製品に残しておいても良い。切残部11gは、とくに、後述するような帯状あるいは横長の矩形状あるいはテープ状の絆創膏10を形成する場合には適するが、それを形成するかどうかは、基材11の材質や形状等を考慮して適宜決定すればよく、必ずしも必要なものでない。なお、剥離紙片13a,13bを
図1(a)のように幅方向(C方向)に並べて配置した場合は、必ずしも、切残部11gを設けなくとも良い。絆創膏10の使用時に際して剥離紙片13a,13bを剥がすときに、切込み14によって分断された一方端側部分11fの各小片部分(例えば
図7の11f-1,11f-2等参照可)が互いにくっついたり、剥がすのを邪魔したりしないからである(
図18~
図20一部参照)。
【0044】
次に、
図1に示した絆創膏10の使用方法について、
図3(a),(b)を参照しながら説明する。
本実施形態の絆創膏10は、
図3(a)に示すように踵の横から貼るもので、まず、本実施形態の絆創膏10から剥離紙片13bを剥し、絆創膏10の基材11の粘着層12側の面を踵に向けて、踵の角質化した部分である踵周縁部40aに貼る。基材11は横長であることから、基材11の剥離紙片13aを剥がした他方端側部分11eを踵周縁部40aのやや上の周側部40bに踵の両側に渡って貼って、踵に仮固定する。次いで、切込み14を入れた一方端11a側の剥離紙片13bを剥し、基材11の剥離紙片13bを剥がした側の一方端11a側の一方端側部分11fの各小片部分を、踵の底部40cに折り曲げながら貼付する(
図3参照)。これにより、一方端側部分11fの各小片部分の切込み14を挟んで対峙する側部(重なり部11i)同士が互いに重なるように貼付することができる(
図3参照)。すなわち、切込み14によって複数に分断された基材11の一方端側部分の複数の小片部分の一端部側の重なり部11i同士が、踵の底部40cに貼り付けた際に互いに重なって貼付け固定され、絆創膏10を密封するとともに、互いに補強し合うので、より強固に絆創膏を貼付け固定することができる。この絆創膏10の貼り方は一例であり、勿論これに限定されない。重なり部の符号11iは、
図3に一部だけ代表して表示している。
【0045】
図2に示した絆創膏10の使用方法について簡単に説明する。
本実施形態の絆創膏10は、
図3(a)に示すように踵の横から貼るもので、まず、一方の剥離紙片13aを剥し、絆創膏10の基材11の他方端側部分11eの剥離紙片13aを剥した側を踵の角質化した部分である踵周縁部40aのやや上の周側部40bの一側に貼る。この後、基材11の剥離紙片13bを剥がして絆創膏10の基材11の他方端側部分11eの剥離紙片13bを剥した側を踵の角質化した部分である踵周縁部40aのやや上の周側部40bの反対側に貼る。しかる後、一方端11a側の一方端側部分11fの各小片部分を、踵の底部40cに折り曲げながら貼付する(
図3参照)。重なり部11iについては、
図1の絆創膏10の場合と同様なので、説明は援用する。
【0046】
これにより、絆創膏10は、踵の角質化した部分である踵周縁部40aを覆い包むように踵に固定され、踵周縁部40aは密封される。このように、本実施形態の絆創膏10は、踵に貼付しやすく、患部である踵周縁部40aの三次元形状の形状にフィットし、足の踵に密着するので、踵周縁部40aを効率的に覆い、余計に広い部分を覆うこともなくなり、この余計に広い部分でかゆみなどを生じさせたりすることは無くすことができる。しかも、絆創膏10により、患部である踵周縁部40aの部分を密封することができるので、適度に患部の保湿性を保つことができ、患部の角質化によって固くなった患部を柔らかくしてそこでの痛みなどを和らげることができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、
図4を参照しながら、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1の実施形態とほぼ同様な構成の、踵の横から貼るタイプの絆創膏10であり、剥離紙片13a,13bを基材11の幅方向Cに2分した構成としたもの(
図4(a))又は剥離紙片13a,13bを基材11の長手方向Bに2分した構成としたもの(
図4(b))である。また、第1の実施形態と同様に、基材11の長手方向Bの複数箇所に、適宜間隔で、該基材の幅方向Cの一方端11aから該幅方向の略中央まで複数の切込み14を入れている。複数の切込み14は、基材11にのみ、あるいは基材11と剥離紙13の両方に形成しても良い。切込み14を両方に形成する場合、基材11に剥離紙片13a,13bを設置した状態で、基材11と剥離紙片の両方に入れることができるが、これに限定されない。なお、
図1~
図3に示した要素と同一機能、作用、効果を有するものについては、同一符号を付し、それらの重複説明を省略し、援用する。
【0048】
ここで、第2の実施形態の特徴的な構成について説明する。第2の実施形態では、剥離紙片13a,13bの互いに対峙する、すなわち互いに出会う側の端部に重ね合わせ部13c,13dを設け、重ね合わせ部13c,13dを互いに重ね合わせた構成としている。しかも、それらの内側に位置する一方の重ね合わせ部13dの先端部を外側で折り返して、手で掴めるようにつまみ部13fを設けている。一方の重ね合わせ部13dの外側に位置する他方の重ね合わせ部13cは、折り返さないでそのまま、先端部をつまみ部13eとして、つまみ部13fの上に載せている。絆創膏10の使用に際しては、つまみ部13e,13fをつまんで、剥離紙片13a,13bを基材11から簡単に剥がすことができる。なお、この実施形態その他の後述するずべての実施形態においても、前記実施形態の場合と同様に、切残部11g(
図2(a)参照)を設けるようにしても良く、これについては前記実施形態を援用する。
この絆創膏10の患部である踵周縁部40aへの貼り付け方法については、第1の実施形態の絆創膏10の場合と同様であるので、詳細は省略する。
【0049】
繰り返しになるが、
図1の絆創膏10のように、剥離紙片13a及び13bを基材11の幅方向Cに出会うように配置するか、
図2のように、剥離紙片13a及び13bを基材11の長手方向Bに出会うように配置するか、また、剥離紙13をいくつに分割して配置するかは、絆創膏10の大きさ等を考慮して適宜決定すれば良く、 基材11が幅広の場合は3つ以上でも良く、とくに限定されない。要は、出会う側の端部を同実施形態のような構成にすれば良い。
【0050】
(第3の実施形態)
次に、
図5を参照しながら、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、巻回テープ型のロール状絆創膏20で、必ずしも剥離紙13は無くても良い。このロール状絆創膏20は、巻回したロールから必要分だけ剥して切り取つて使用するタイプのものである。
図5に示すように、本実施形態のロール状絆創膏20は、は、前記実施形態と同様に踵の横から貼るもので、テープ状の基材21と、該基材21の一面に塗布された粘着層22と、円筒状の芯23と、を含み、適当な長さに切って使用できるように、所定長さで手でもつて切り離せるミシン目状の切離部24が設けられている。切離部(切断ライン)24を設ける長手方向Bの間隔は、足のサイズなどを考慮して適宜決定すれば良く、例えば子供用や大人用として間隔の大きさを決定すれば良い。また、子供用に合わせてミシン目状の切離部を短い間隔で多めに形成しておけば、大人は複数の間隔に渡って長めに必要な適宜長さで切断することができ、子供にも大人にも対応可能となるメリットがある。なお、本実施形態では、必ずしも剥離紙は無くても良いが、基材21に剥離紙13を貼って、基材21と剥離紙13を一緒に芯23に巻くようにしても勿論良い。もし粘着層22に剥離紙13を貼り付けて、剥離紙も含めてロールにした場合は、基材21とともに、剥離紙にもミシン状の切離部24を基材21とともに設けるのが好ましい。またこの場合、剥離紙の表面にもある程度の弱粘着性を持たせておけば、基材21の巻回状態を良好に保持でき、好ましい。
【0051】
前記基材21は、前記粘着層22が内側になるように前記芯23に券回されて券回テープ(ロール)を構成する。基材21は、その長手方向Bの適宜間隔、例えば一定間隔毎に、幅方向Cの一方端2la側から該幅方向Cの略中央付近まで切込み21b(14)を入れてある。各切込み21bの終端部には、小穴21cが形成されても良く、この場合には各切込み21bの終端部に応力が集中して基材21が破れるのを防ぐことができる。但し、小穴21cは、第1の実施形態と同様に、必須ではなく、基材21が、例えば市販の救急絆創膏などのように裂け難い材料、例えば柔軟性と伸縮性がある材料で形成されている場合は、小穴21cは必ずしも形成しなくてもよい。
【0052】
この第3の実施形態の絆創膏の製造方法は、基本的に一般な券回テープ型絆創膏の製造方法と同様である。例えば、基材21の一面に粘着剤を塗布して粘着層22を形成し、これに切込み21bを形成し、さらに、必要に応じて小穴21cを形成し、該基材を又は該基材と剥離紙13を巻き取ってロール状にする。その後、包装し滅菌処理を施しても良い。この実施形態においても、前記実施形態の場合と同様に、切込み21bを形成するに際して、ロール状絆創膏20に券回されるテープ状の基材21の幅方向Cの一方端21a側に切残部11g(
図2参照)を設けるようにしても良く、これについての説明は前記実施形態を援用する。切残部11gを設けることで、ロール状に絆創膏20を巻いてロール状絆創膏20を製造する作業がより容易にかつ迅速になるとともに、使用時に基材21をロール状絆創膏20から剥がし易くするメリットがある。また使用に際しては、切込み21bによって分断された基材の一方端側部分(11fに相当)の各小片部分が、切残部11gによって連結されているので、バタついたり、互いにくっついたりすることを無くすことができ、絆創膏を貼る作業を煩わすこともない。参考までに、切残部11gを設ける場合の形成場所を示すべく、その一部を代表して
図5に示している。
【0053】
次に、第3の実施形態の絆創膏の使用方法について説明する。券回テープのロール状絆創膏20から必要分だけ剥して切り取って使用する。切り取る際には、はさみを用いれば、切離部24以外の箇所でも切断できるので、自由に踵を覆うに必要な丁度よい長さの絆創膏を得ることができるが、本実施形態のように所定間隔で切離部24を設けている場合は、隣の切離部24のところで、又は複数の切離部24を超えて適当な切離部24のところで手で切断することもできる。これにより、簡単に適当な長さの絆創膏を得ることができる。この絆創膏20の踵40の角質化した部分への貼り付け方法については、第1の実施形態の絆創膏10の場合と同様であるので、その説明は省略する。本実施形態では、剥離紙13が不要になるので安価に製造でき、また、切離部24を短い間隔で設けることにより、大人と子供、あるいは足が大きい方と小さい方の両方に対応するように必要な長さに切り取って使用できるようにも構成できるので、便利である。
【0054】
本実施形態では、切込み21bに続けてその延長上に切離部24を設けたが、切込み21bとは別に、切込み21bのないところに設けても良い。また、基材21とともに剥離紙13を一緒に巻いたものとした場合には、剥離紙13にも切離部24を設けることが好ましい。本実施形態では、テープ状の基材21を、例えば
図1の基材11をその長手方向Bに連続させてテープ状に形成したものとしたが、本発明はこれに限らず、基材11をその幅方向Cに連続させてテープ状に形成したものとしてもよい。
【0055】
(第4の実施形態)
次に、
図6を参照しながら、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の構成は、第1及び第3の実施形態の絆創膏10、20と基本的に同様であり、踵の横から貼るタイプのもので、まず、一例として、切込み14を例えば2つ設けたものであるが、勿論2つに限らない。また、
図5の第3の実施形態に適用することもできる。本実施形態の絆創膏10は、複数の切込み14を並行でなく、斜めに傾斜させて形成しても良いことを示すものである。傾斜はすべて同じ方向でも異なる方向でも交互でもいずれでも良い。その一例を次に説明する。
本実施形態の絆創膏10は、
図6(a)に示すように、切込み14、14を平行に設けても良く、また、
図6(b)に示すように、切込み14、14を基材11の幅方向Cの一方端11a側に向けて近づく(又は、狭くなる)ように、すなわち平面的にみて略ハ字状に設けるか、あるいは、
図6(c)に示すように、切込み14、14を基材11の幅方向Cの一方端11a側に向けて末広がりになるように、すなわち平面的にみて略逆ハ字状に設けるようにしたものである。これらのように切込み14をどのように傾斜して設けるかは、踵の大きさなどを考慮して決定するのが好ましい。この実施形態においても、前記実施形態の場合と同様に、切残部11g(
図2参照)を設けるようにしても良く、これについては前記実施形態を援用する。本実施形態においては、剥離紙13を省略しているので、これについては前記の実施形態の説明を援用する。
【0056】
切込み14、14の間隔については第1の実施形態の場合と同様で良いが、切込み14,14で挟まれた中央部分の間隔よりも切込み14から両側部分の間隔を比較的大きく設定しても良い。これらの間隔は、踵の大きさ等を考慮して決定するのが良い。例えば、踵が大きい場合には、切込み14,14で挟まれた中央部分の間隔を両端側部分の間隔に対して比較的大きく設定し、子供の場合のように、踵が比較的小さい場合には、切込み14,14で挟まれた中央部分の間隔を両端側部分の間隔に対して比較的小さく設定するのが良い。
【0057】
本実施形態の絆創膏10によれば、3つの一方端側部分11fの切込み14を挟んで対峙する側部(重なり部11i)同士が重なり合って該絆創膏内の気密性を高めるので、角質化した部分における保湿性能を効果的に発揮させることができる。また、切込み14,14をとくに並行でなく互いに傾斜するように形成することにより、踵の形状に合わせて踵周縁部40aを効率よく覆うことができる。重なり部11iは、
図6(a)の場合は均等の広さに形成できるが、
図6(b)及び(c)の場合は一方が広く他方が狭く形成されるメリットがあり、どちらを広く形成するか、貼り方や貼る場所などを考慮して適宜決定すれば良い。
【0058】
本実施形態においても小穴11cを形成しているが、前記実施形態の場合と同様な理由により、小穴11cは必須ではない。小穴11cは、基材11が裂け易い材料である場合に設けると効果的であり、切込み14を超えて基材11が裂けるのを防止できる。したがって、それ以外の材料では小穴11cは必ずしも形成しなくてもよい。
切込み14を設ける間隔は、前述したように、絆創膏10が大人用の場合は大きめに、子供用の場合は小さめに設定してもよい。また、切込み14の間隔は、絆創膏10の中央部付近では小さめに、絆創膏10両端側付近では大きめに、あるいは、これらの逆に設定しても良い。
【0059】
(第5の実施形態)
次に、
図7~
図9を参照しながら、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態の絆創膏50は、踵の横から貼るタイプのもので、
図7(a)に示すように、第1の実施形態の絆創膏10と同様に、剥離紙13を備え、複数の切込み14を備える点で同じであるので、同一機能効果を有する要素については同一符号を付し、絆創膏10の説明を援用する。
図7(a)に示す絆創膏50は、基材11の長手方向Bの複数箇所において、適宜間隔で、幅方向の一方端11a側から該幅方向Cの途中まで、例えばその略中央付近まで切込み14,13sが入れてある。各切込み14の終端部には、小穴11cを形成しても良いが、前記実施形態の場合と同様の理由により無くとも良い。切込み14の形成する間隔や数も、前記実施形態の場合と同様の理由により、本実施形態においても限定されない。
【0060】
第1の実施形態の絆創膏10と違う点について説明する。本実施形態の剥離紙13は、例えば一対の剥離紙片13a,13bから構成されている。絆創膏50は、絆創膏10と同様に略矩形のシート状の基材11の粘着層12の上に一対の剥離紙片13a,13bを配置した構成となっている。これらの剥離紙片13a,13bは、基材11の幅方向C(
図7~
図9参照)の両端側からその略中央付近で出会うように、並設されている。剥離紙片13a,13bは、それぞれ長手方向B(
図7~
図9参照)に延びる略帯状のもので、それぞれ幅方向Cに並べて長手方向Bに向けて配置されている。剥離紙片13a,13bは、基材11の幅方向Cの他方端11d側の領域(他方端側部分11e)と一方端11a側の領域(一方端側部分11f)をそれぞれ覆うように設置され、基材11の幅方向Cの略中央又はその付近あたりで互いに出会って重なるよう配置されている。すなわち、剥離紙片13a,13bは、それらの互いに出会う側の端部に互いに重なり合う重ね合わせ部13c,13dを備え、これらの重ね合わせ部13c,13dを互いに重ね合わせた構成となっている。さらに、それらの内側に位置する一方の重ね合わせ部13dの先端部を外側に折り返して、手で掴めるようにつまみ部13fを設けている。また、一方の重ね合わせ部13dの外側に位置する他方の重ね合わせ部13cは、折り返さないでそのまま、その先端部をつまみ部13eとし、つまみ部13f上に載せられている。つまみ部13e,13fをつまんで、剥離紙片13a,13bを基材11から簡単に剥がすことができることは第1の実施形態の場合と同様である。この実施形態においても、前記実施形態の場合と同様に、一方端11a側に切残部11g(
図2参照)を設けても良く、これについては前記実施形態を援用する。なお、必要があれば、他方の重ね合わせ部13cの先端部も折り曲げてつまみ部を設けても良く、つまみ部13fの上に重ねるように構成することもできるが、必須ではない。
【0061】
この絆創膏50では、基材11の幅方向Cの一方端11a側からその他方端11d側に向けてその中央付近まで、基材11の切込み14(前記実施形態の説明を援用)に対応して、ほぼ同じ形状で剥離紙13に複数の切込み13sを設けている。切込み13sは、基材11に剥離紙13を設置した状態で、前記実施形態の切込み14に対応して設けることができる。このとき、切込み14と13sを同時に形成することができるが、勿論別々に形成しても良い。また、切込み14,13sの形成は、当該絆創膏50の外側周囲の整形切断とともに一気に形成するようにしても良い。勿論、切込み14と外側周囲の整形切断は別々の工程で行うようにしても良い。本例では、剥離紙13を基材11に設置した状態で、基材11と、剥離紙片13bと、外側の重ね合わせ部13cのつまみ部13eとに、切込み14、13sが縦断的に同時に入れるようにしている。特に特徴的な点は、切込み13sを、基材11の一方端11a側から剥離紙片13aのつまみ部13eの折り返し部13gまで入れたことである。切込み13sは、基材11の切込み14の数に対応して、その長手方向Bの適宜間隔で例えば3つ又はそれ以上入れることもできる。これにより、例えば2つ切込み13sを入れた場合には、つまみ部13fを有する剥離紙片13bは、中央側の剥離紙小片部分(以下、中央片という。)13b-1と左右の側方側の剥離紙小片部分(以下、側片という。)13b-2,13b-2に完全に分断される。これに対応して、基材11も、切込み14を2つ設ける場合は、その一方端側部分11fが3つに切離されて、中央片11f-1と、その側片11f-2,11f-2に分断される。本実施形態では、切込み13sは、剥離紙片13aのつまみ部13eにも入れられている。なお、本実施形態では、切込み13sを、少なくとも剥離紙片13bに入れれば十分であり、必ずしも剥離紙片13aのつまみ部13eにまで入れなくても良い。
【0062】
繰り返しになるが、基材11に切込み14を予め設けてある場合は、切残部11gを予め設けた基材11に剥離紙13を設置すれば良い。このときの剥離紙13は、予め基材11の切込み14に合わせて切込み13sを入れてよい。基材11に切残部11gを予め設けておくことにより、剥離紙13の基材11への設置作業が容易になる。剥離紙13の設置に際して、基材11の中央片11f-1と側片11f-2,11f-2のバタつきが抑えられるからである。基材11に切込み14を予め設けていない場合は、基材11に剥離紙13を設置後に、切込み14,13sを同時入れるようにしてもよい。絆創膏50では、基材11の側片11f-2,11f-2と中央片11f-1の切込み14を挟んで互いに対峙する側部に重なり部11iをそれぞれ設けている。
【0063】
第5の実施形態の絆創膏50は、使用に当たり、まず剥離紙片13aを基材11から剥がして、基材11の他方端側部分11eを踵の角質化し易い踵周縁部40aの少し上の側周面40b(
図3(a)参照)に貼って、まず、絆創膏50を仮固定する。次いで、剥離紙片13bの中央片13b-1を剥がして、まず、基材11の中央片11f-1を、内側に折り曲げながら踵の形状に沿ってその底部40c(
図17参照)側まで貼る。このとき、両側の側片13b-2,13b-2はまだ剥がされていないので、基材11の左右の側片11f-2,11f-2が勝手に中央片11f-1や踵にくっついたりせず、このため、中央片11f-1の貼り付け作業を楽に安定して行うことができる。次いで、両側の側片13b-2,13b-2を順次剥がして側片11f-2,11f-2を内側に折り曲げながら踵の底部40cまで貼ることができる。このとき、基材11の側片11f-2,11f-2の左右側部分(重なり部11i,11i)が中央片11f-1の重なり部11iに一部重なる。このとき、切込み14によって複数に分断された基材11の一方端側部分の複数の片の一端部側の重なり部11i同士が、踵の底部40cに貼り付けた際に互いに重なって貼付け固定されるので、互いに補強し合い、絆創膏50はより強固に確実に踵に貼付け固定される。このとき、踵周縁部40aが絆創膏50により覆われ、重なり部11i同士が重なり合うことにより、踵周縁部40aが密封される。すなわち、基材11の側片11f-2,11f-2,中央片11f-1は、それぞれ切込み14を挟んで対峙する側部の重なり部11iが互いに重なり合って該絆創膏内の気密性を高める。これにより、踵周縁部40aにおける保湿効果を高めることができ、自身の発汗作用により該箇所において保湿状態を良好に維持することができる。なお、切込み14によって複数に分断された基材11の側片11f-2,11f-2,中央片11f-1が本実施形態のように幅広の場合は、これらの片の切込み14側端にそれぞれ重なり部11iが設けられるが、幅が比較的狭い場合は、これらの片の先端部あるいはその付近ににそれぞれ重なり部11iが設けられれば良い。
【0064】
本実施形態においても、前記実施形態の場合と同様の理由で、踵の側周面40bの形状及び底部40cまでの湾曲形状に沿って絆創膏50を気密に貼ることができる。これにより、絆創膏50で覆われた踵の角質化した踵周縁部40aを保湿できる。これにより、足の踵の角質化が乾燥して生じるひび割れやあかぎれに起因する痛みなどを和らげることができる。しかも、基材11の一方端側部分11fと剥離紙片13bを切込み14,13sにより分断した構成としたので、分断した中央片11f-1とその両側の側片11f-2,11f-2を個別に、ゆっくりと楽に踵の底部40cに貼ることができる。したがって、側片11f-2,11f-2が他にくっついたりして、基材11を踵へ貼る作業を邪魔したりすることが極力防止されるので、絆創膏50の貼り付け作業を楽に煩わさずに行うことができる。
【0065】
図7(b)に示した絆創膏50では、その切込み14,13sを、基材11の幅方向Cにおける一方端11a側に向かって広く開くように略三角形状又は末広がり形状(ラッパ形状)に形成している。切込み14,13sの開く角度は、約0°~40°が適当であり、本実施形態の場合は約20°としている。この角度が大き過ぎると絆創膏50の密封機能が低下するからである。基材11の一方端側部分11fと剥離紙片13aの中央片11f-1、13b-1及び側片11f-2、11f-2、13b-2、13b-2は、略逆台形状または先細に形成することができる。
図7(b)に示す絆創膏50の場合は、各切込み14によって複数に分断された基材11の一方端側部分11fの複数の片11f-1,11f-1,11f-2が幅方向の一方端11a側の向かうに従い幅狭にした略台形状に形成され、複数の片11f-1,11f-1,11f-2の一方端側の先端両側部分を円弧状に丸く形成されている。
【0066】
なお、切込み14,13sの形状は上記略三角形状又は末広がり形状が最適であるが、これに限定されない。要は、絆創膏50が少なくとも踵40の踵周縁部40aを効果的に覆って密封できる形状である限り、本実施形態のような対称形状、又は非対称の適宜な多角形状に設定して良い。また、本実施形態の絆創膏50の切込み14,13sには、
図6に示した第4の実施形態のように、切込み14を傾斜させて形成しても良い。また、本実施形態では、切込み14,13sを2つ入れたが、本発明はこれに限らず、3つ以上入れても良い。この場合は、剥離紙13(少なくとも剥離紙片13b)と基材11の一方端側部分11fは、その数に応じて複数に分断され、その作用と機能についての説明は、切込み14,13sが2つの場合の説明を援用することができる。
【0067】
なお、前述した絆創膏10、20、50は本発明に係る絆創膏を例示するものであり、本発明はこれらに限定されない。
例えば、第1~第3の実施形態の絆創膏10、20、50では、踵40の角質化した部分を単に絆創膏の基材11、21で覆う構成であるが、それに限られず、これらの絆創膏の粘着面の一部、例えば踵40の角質化した部分に当たる領域にガーゼあるいはクッション材を張り付け、このガーゼ又はクッション材で角質化した部分を覆うようにしてもよい。また、絆創膏10、20、50は、その粘着層12あるいは粘着面のガーゼ又はクッション材に踵の角質化を和らげる薬剤及び又は皮膚のかぶれ防止薬等を予め浸み込ませたものとしても良い。
【0068】
さらに、前記実施形態においては、切込み14又は13sを2つ入れた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、切込み14又は13sを3つ以上入れても良い。
【0069】
本発明に係る絆創膏は、基材11の各切込み14、13sの終端部に小穴を形成したり、基材を伸縮し易い素材によって形成したり、切込みを多角形状にしたり、滅菌処理を施したり、包装したり、切残部を残したりすることについては、とくに限定されず、適宜決定すれば良い。
【0070】
本発明では、基材11に塗布される粘着層12は、尿素あるいはサリチル酸等の角質改善薬及び又は皮膚のかぶれ防止薬等を配合したものとしても良い。また、基材11の踵周縁部40aに対応する位置に、必要に応じて、前記したようなクッション材を設置したものとしても良い。
【0071】
本発明では、基材11、21の切込み14が形成された一方端側部分11fは伸縮性を有することが好ましいが、踵周縁部に貼る側の他方端側部分11eは一方端側部分11fよりも伸縮性がない方が貼りやすい。このため、基材11の一方端側部分11fを伸縮性に富む素材によって形成し、この他方端側部分11eに、伸縮性の小さい、あるいは伸縮性のあまり無いテープ状の素材を貼り付けるか、他方端側部分11eを伸縮性が一方端側部分11fよりも低い材料で形成するのが好ましいが、勿論これに限定されない。とくに、基材11の一方端側部分11fが伸縮性があることにより、踵周縁部40a形状に沿って、基材11,21,61の一方端側部分を伸ばしながら良好に貼り付けることができ、絆創膏50の基材11を踵周縁部40a形状に馴染ませることができる。
【0072】
また、本発明では、基材11に塗布される粘着層12に、尿素等の保湿剤からなる角質改善薬を含浸させても良い。
【0073】
図10は第6の実施形態を示す。本実施形態は、前述した
図7に示した実施形態の絆創膏50を帯状の絆創膏素材60から一度に複数個製作できるようにしたものである。
図10に示した例では、長手方向Bに複数分の基材11と複数分の剥離紙13がそれぞれ一列に並べられて一連に形成されたような長尺の帯状の基材61と長尺の帯状の剥離紙63を用いている。帯状の剥離紙63は、一対の剥離紙片13a,13bの断面形状と同じような断面形状を有するように形成された一対の長尺の帯状の剥離紙片63a,63bとから構成される。帯状の絆創膏素材60は、帯状の基材61に帯状の粘着層62を介して帯状の剥離紙63が設置された構成となっている。帯状の剥離紙63の一方の帯状の剥離紙片63aは、帯状の基材61の一方端61a側の帯状の領域に設置され、他方の帯状の剥離紙片63bは、帯状の基材61の他方端61b側の帯状の領域に設置される。一対の帯状の剥離紙片63a、63bは、帯状の基材61の幅方向Cの略中央付近で出会うように並べて設置されている。一対の帯状の剥離紙片63a,63bは、長手方向Bに延びるように設置される長尺の帯状のもので、それぞれ幅方向Cに並べて長手方向Bに向けて配置されている。一対の帯状の剥離紙片63b,63aは、帯状の基材61の幅方向Cの他方端61b側の帯状の領域である他方端側部分61eと、一方端61a側の帯状の領域である一方端側部分61fをそれぞれ覆うように設置され、帯状の基材61の幅方向Cの略中央あたりで互いに出会って重なるよう配置されている。すなわち、帯状の剥離紙片63a,63bは、それらの互いに出会う側の端部に互いに重なり合う帯状の重ね合わせ部63c,63dを備え、帯状の重ね合わせ部63c,63dを互いに重ね合わせた構成となっている(
図11参照)。さらに、それらの内側に位置する一方の帯状の重ね合わせ部63cの先端部を外側で折り返して、手で掴めるように帯状のつまみ部63eを設けている。一方の帯状の重ね合わせ部63cの外側に位置する他方の帯状の重ね合わせ部63dは、折り返さないでそのまま先端部を帯状のつまみ部63fとしている。
【0074】
本実施形態では、帯状の絆創膏素材60を長手方向Bの所定間隔毎に切断ライン65を設定し、この切断ライン65のところで切断していくと、複数の絆創膏50を一度に製作することができる。すなわち、この場合、前記所定間隔の長さは
図7の絆創膏50の長手方向Bの長さにほぼ等しい。切断ライン65で帯状の絆創膏素材60を分断する際には、それと同時に、帯状の基材61の幅方向Cの一方端61a側からその他方端61b側に向けてその中央付近まで基材61には複数の切込み14を、剥離紙63には切込み64(絆創膏50の切込み13sに対応)を入れるのが好ましい。切込み64は、帯状の基材61に帯状の剥離紙63を設置した状態で、切込み14と同時に入れることができるが、勿論別々に入れても良い。すなわち、特に少なくとも帯状の剥離紙片63aを帯状の基材61に設置した状態で、帯状の基材61と、帯状の剥離紙片63aと、その帯状のつまみ部63eと、必要なら外側の帯状の重ね合わせ部63dの帯状のつまみ部63fとに入れることができる。切込み64は、帯状の基材61の一方端61a側からに帯状の剥離紙片63bの帯状のつまみ部63eの帯状の折り返し部63gまで入れられる。なお、帯状の基材61と粘着層62にだけ切込み14を入れ、剥離紙63には切込み64を入れないようにしても勿論良い。その他、本実施形態の説明にない説明は、
図7に示した絆創膏50の構成の説明を援用する。
【0075】
本実施形態では、帯状の絆創膏素材60を切断ライン65のところで切断して複数の絆創膏50に分断することにより、一度に複数の絆創膏50を製作することができる。これにより製作された絆創膏50についての作用、効果の説明は、
図7に示した第5の実施形態の場合と同様であり、説明を援用する。切込み14,64は、帯状の基材61から形成される基材11及び剥離紙13の長手方向Bの適宜間隔で例えば2つ入れるのが好ましいが、3つ又はそれ以上入れても良い。これらの切込み14,64により、剥離紙片13aは、中央片13b-1と左右の側片13b-2,13b-2に完全に分断され、基材11は、その一方端11a側の部分である一方端側部分11fが切離されて、中央片11f-1と、その側片11f-2,11f-2に分断される。このように形成された絆創膏は、
図7の絆創膏50と同じものとなり、同様な作用効果を発揮する。なお、本実施形態では、切込み14,64を、帯状の基材61に帯状の剥離紙63を設置した状態で、それらの両方に同時に入れるようにしたが、勿論別々に入れても良い。
【0076】
図12及び
図14は第7の実施形態及び第8の実施形態を示す。これらの実施形態は、
図12及び
図14上で上下左右に又は縦横に広がる幅広のシート状の絆創膏素材70を用い、この幅広のシート状の絆創膏素材70を同図面上で上下左右に分断することにより、一度に複数の絆創膏50を製作するようにしたものである。この幅広のシート状の絆創膏素材70では、後述するように形成される複数分の基材11と複数分の剥離紙13が図面上で縦横にそれぞれ一連に並ぶような大きさの幅広のシート状の基材71と幅広のシート状の剥離紙73を用いている。幅広のシート状の絆創膏素材70は、幅広のシート状の基材71に幅広のシート状の粘着層72を介して幅広のシート状の剥離紙73が設置された構成となっている。幅広のシート状の剥離紙73は、一対の剥離紙片13a,13bと断面形状がほぼ同じように断面形状が形成された複数対の帯状の剥離紙片73a,73bから構成される。すなわち、幅広のシート状の剥離紙73は、複数対の帯状の剥離紙片73a,73bを適宜並べたものとなっている。それぞれの対の帯状の剥離紙片73a,73bは、
図10示した第6の実施形態の一対の帯状の剥離紙片63b,63aとほぼ同様の形状及び構成となっており、説明を参照できる。帯状の剥離紙片73a,73bは、それらの互いに出会う側の端部に互いに重なり合う帯状の重ね合わせ部73c,73dを備え、帯状の重ね合わせ部73c,73dを互いに重ね合わせた構成となっている(
図13参照)。さらに、それらの内側に位置する一方の帯状の重ね合わせ部73cの先端部を外側で折り返して、手で掴めるように帯状のつまみ部73eを設けている。一方の帯状の重ね合わせ部73cの外側に位置する他方の帯状の重ね合わせ部73dは、折り返さないでそのまま先端部を帯状のつまみ部73fとしている。
【0077】
図12の例では、左端から、帯状の剥離紙片73a,73b,73b,73a,73a,73b,73b,73aと配置され、隣合う帯状の剥離紙片73bと73b、73aと73aは、それぞれ互いに向かい合う態様で、それぞれ幅方向Nに連続した1枚の一体の幅広の帯状の第1の帯状の剥離紙片73Aと幅広の帯状の第2の帯状の剥離紙片73Bとなっている(
図13参照)。したがって、
図12の例の場合は、幅方向Nに、
図12の左端から、帯状の剥離紙片73a,73A,73B,73A,73aと配置される。とくに
図12の例の場合、第1の帯状剥離紙片73Aと第2の帯状の剥離紙片73Bは交互に配置される。なお、第1及び第2の帯状の剥離紙片73A,73Bの配置数は、図示のものに限定されず、幅広のシート状の基材71の大きさによって適宜決定すれば良い。帯状の剥離紙片73a,73bが出会って重なる構成は、
図10に示した例の帯状の剥離紙片63b,63aの場合(及び、詳しくは
図7に示した例の剥離紙片13b,13aの場合)と基本的にほぼ同じ構成であり、同じような態様で配置される。すなわち、帯状の剥離紙片73a,73A,73B,73A,73aは、それぞれシート状の基材71の長手方向M(長手方向Bに対応)に延び、帯状の剥離紙片73a、73Aの73b,73bのそれぞれに相当する部分、73Bの73a,73aのそれぞれに相当する部分、73Aの73b,73bのそれぞれに相当する部分、及び73aは、後述するように形成される絆創膏50の基材11の一方端11a側の一方端側部分11fに対応するシート状の基材71の帯状の領域と他方端11d側の他方端側部分11eに対応するシート状の基材71の帯状の領域上にそれぞれ対応するように配置されて、それぞれが幅方向N(幅方向Cに対応)に並べたように配置される。次いで、一対の帯状の剥離紙片73a,73bは、シート状の基材71の幅方向Nに出会うように、配置されている。帯状の剥離紙片73a,73bは、絆創膏50と同様に、それらの互いに出会う側の端部に互いに重ね合う帯状の重ね合わせ部73c,73dを備え、帯状の重ね合わせ部73c,73dを互いに重ね合わせた構成となっている(
図11参照)。さらに、これらの内側に位置する一方の帯状の重ね合わせ部73dの先端部を折り返して、手で掴めるように帯状のつまみ部73eを設けている。一方の帯状の重ね合わせ部73dの外側に位置する他方の帯状の重ね合わせ部73dは、折り返さないでそのまま、帯状のつまみ部73fとしている。
【0078】
このように構成された
図12のシート状の絆創膏素材70は、隣合う幅広の帯状の第1の帯状の剥離紙片73Aと幅広の帯状の第2の帯状の剥離紙片73Bのそれぞれの中央を通る複数の長手方向Mに延びる複数の切断ライン74のところで切断されるとともに、一枚の絆創膏50の長手方向Bに相当する幅(
図7参照)で等間隔に配置された複数の切断ライン75のところで切断され、一度に複数の絆創膏50が形成される。なお、この切断に際して、それぞれの絆創膏50に切込み14,77(13sに対応)が同時に形成されるようにするのが好ましい。なお、切込み14,77は、第1の帯状の剥離紙片73Aの全幅に渡るように形成するのが好ましい。
【0079】
なお、第1の帯状の剥離紙片73Aと幅広の第2の帯状の剥離紙片73Bは、隣合う帯状の剥離紙片73aと73a、73bと73bをそれぞれ一体に形成したが、勿論、一体でなくとも良い。シート状の基材71と剥離紙73に入れる切込み14,77は、同時に入れるのが好ましいが、別々に入れても勿論良い。また、この切込み14,77の入れと切断ライン74、75における切断、及び必要なら絆創膏素材70の外形の整形切断は、同時に行っても良く、また別々に行っても勿論良い。
【0080】
また、
図14の例では、左端から、帯状の剥離紙片73a,73b,73a,73b,73a,73b,73a,73bが交互に配置され、隣合う帯状の剥離紙片73b,73aは、それぞれ幅方向Nに連続した1枚の幅広の帯状の第3の剥離紙片73Cとなっている(
図15参照)。したがって、
図14の例の場合は、左端から、帯状の剥離紙片73a,73C,73C,73C,73bと配置される。この連続した1枚の幅広の帯状の第3の剥離紙片73Cの配置数は、図示のように3つに限定されず、幅広のシート状の基材71の大きさによって適宜決定すれば良い。帯状の剥離紙片73aと帯状の剥離紙片73Cの73bに相当する部分が幅方向Nに出会って重なる構成は、
図10に示した例の帯状の剥離紙片63b,63aの場合と基本的にほぼ同じ構成であり、同じような態様で幅方向に並べたように配置される。すなわち、帯状の剥離紙片73a,73C,73C,73C,73aは、それぞれ、シート状の基材71の長手方向M(長手方向Bに対応)に帯状に延び、帯状の剥離紙片73a、73Cの73b,73a、73Cの73b,73a、73Cの73b,73a、及び73aは、それぞれ、後述するように形成される絆創膏50の基材11の幅方向Nにおける一方端11a側の一方端側部分11fに対応するシート状の基材71の帯状の領域と他方端11d側の他方端側部分11eに対応するシート状の基材71の帯状の領域上に、それぞれ対応するように配置されて、それぞれが幅方向N(幅方向Cに対応)に並べたように配置される。
【0081】
また、帯状の剥離紙片73b,73Cの73aに相当する部分は、シート状の基材71の幅方向Nに出会うように、配置されている。帯状の剥離紙片73a,73bは、絆創膏50と同様に、それらの互いに出会う側の端部に帯状の重ね合わせ部73c,73dを備え、帯状の重ね合わせ部73c,73dを互いに重ね合わせた構成となっている。詳しくは、
図7、
図10及び
図12のそれぞれの絆創膏50,絆創膏素材60,絆創膏素材70についての説明を援用する。さらに、これらの内側に位置する一方の帯状の重ね合わせ部73dの先端部を外側で折り返して、手で掴めるように帯状のつまみ部73eを設けている。一方の帯状の重ね合わせ部73dの外側に位置する他方の帯状の重ね合わせ部73cは、折り返さないでそのまま、帯状のつまみ部73fとしている。
【0082】
このように構成された
図14の幅広の絆創膏素材70は、隣合う幅広の帯状の第3の帯状の剥離紙片73Cにおける73aと73bとの間を通る複数の長手方向Mに延びる複数の切断ライン74のところと、幅方向Nに延び、一枚の絆創膏50の長手方向Bの幅(
図7参照)で等間隔に配置された複数の切断ライン75のところで切断されることにより、一度に複数の絆創膏50を製作することができる。
【0083】
なお、帯状の第3の剥離紙片73Cは、隣合う帯状の剥離紙片73bと73aを一体に形成したが、勿論、一体でなくとも良い。シート状の基材71と剥離紙73に入れる切込み14,77は、同時に入れるのが好ましいが、別々に入れても勿論良い。また、この切込み14,77の入れと切断ライン74、75における切断、及び必要なら絆創膏素材70の外形の整形切断は、同時に行っても別々に行っても勿論良い。なお、切込み14,77は、第3の剥離紙片73Cの剥離紙片73bの全幅に渡るように形成するのが好ましい。
【0084】
図12及び
図14によって形成される絆創膏50についてのさらに詳しい構成及び作用については、第5の実施形態の絆創膏50についての説明を援用する。また、これらの例においても、
図2に示した実施形態の場合と同様に、幅広のシート状の基材71に切残部(図示せず)を設けるようにしても良く、これについての詳細は同実施形態の説明を援用する。切残部を設ける場合は、
図12の例の場合は、絆創膏50の2つ分の長さの切残部78を、第1の帯状の剥離紙片73Aにおける隣合う帯状の剥離紙片73a,73aの切込み77(絆創膏50の2つ分の切込み14、14が連続したものに対応)の中央に設ければ良い。なお、切残部は必ずしも必須はない。
図12に、切残部78をもうける場合の例として、その設ける位置を1箇所だけ例示している。
図14の例では、
図2に示した実施形態のような切残部78をそれぞれの帯状の剥離紙片73bの切込み77の幅方向Nの一方端側に設けることができる。
図14には、切残部78を設ける場合の参考までに形成場所を示すため、一部だけ図示している。なお、切残部78も必ずしも必須ではないが、設ける場合は、シート状の基材71にだけ設け、剥離紙73には設けなくても良い。
【0085】
図16は第9の実施形態を示すものである。本実施形態では、
図5に示した第3の実施形態の絆創膏20を一度に複数個作成するようにしている。この例では、軸方向に長い長芯材83にシート状の基材81を巻いてロール状の絆創膏素材80を形成し、絆創膏20の幅でその幅毎に切断ライン84のところでロール状の絆創膏素材80を切断して、一度に複数の絆創膏20を製作するようにしている。シート状の基材81としては、複数の絆創膏20を横に並べたほどの大きさの幅広い基材シートであり、本例においては、
図14に示した幅広のシート状の基材71を採用し、該シート状の基材の切断ライン75に対応する切断ライン85のところで、切断に代えてミシン目を予め形成したものである。ミシン目は、切込み77と同時に形成するのが好ましいが、勿論別々に形成しても良い。シート状の基材81としては、
図12に示した幅広のシート状の基材71を採用しても良い。この場合は、シート状の基材71の切断ライン75のところに切断に代えてミシン目を形成したものとすれば良い。シート状の基材81の裏面には、絆創膏20の粘着層22に対応して、幅広のシート状の粘着層82が配設されている。シート状の基材81の構成と作用については、
図12及び14に示したシート状の基材71の説明を援用する。
【0086】
前記したいずれの実施形態においても、絆創膏の粘着面の一部、例えば踵の角質化した部分に当たる領域にガーゼあるいはクッション材を張り付け、このガーゼ又はクッション材で踵の角質化した部分を覆うようにしてもよい。また、絆創膏の粘着層あるいは粘着面に設置したガーゼ又はクッション材に踵の角質化を和らげる薬剤を予め浸み込ませても良い。例えば、基材に塗布される粘着層は、尿素等の保湿剤からなる角質改善薬を配合したものとしても良い。
【0087】
前記したすべての実施形態における基材、切込み、切残部、粘着層についての説明はすべての実施形態において援用することができる。それぞれの実施形態において記載がない説明については他の実施形態の説明を援用する。
【0088】
図18~
図20は、本発明の第10の実施形態を示すもので、剥離紙13(又は63,73)を樹脂シートで形成している場合の例を示している。本実施形態では、第5の実施形態で紙で形成していた一対の剥離紙片13a,13b(又は63b,63a又は73a,73b)を、一対の樹脂シート片と置き換えている。すなわち、剥離紙13(又は63,73)を一対の樹脂シート片13a,13b(又は63b,63a又は73a,73b)により形成している。樹脂シート片13a,(又は63b又は73a)は、基材11(又は61,71)の他方端側部分11eを覆う形状であり、樹脂シート片13b(又は63a又は73b)は、基材11(又は61,71)の一方端側部分11fを覆う形状である。樹脂シート片13a,13b(又は63b,63a又は73a,73b)が適宜な腰のある硬さと弾性を有する場合は、一対の樹脂シート片13a,13b(又は63b,63a又は73a,73b)のそれぞれ出会う側端部13h,13kに重ね合わせ部13c(又は63c,63d又は73c,73d)を設ける必要はない。その理由は、絆創膏50を折り曲げた際に、それらの出会う側端部13h又は13kが基材11から剥がれ始めるからである。この剥がれた出会う側端部13h又は13kをつまんで基材11から樹脂シート片(剥離紙片13a,13b,剥離紙小片部分13b-1,13b-2に相当)を楽に剥がすことができる。これについて
図19を参照しながらさらに詳しく説明すると、一対の樹脂シート片は、一対の剥離紙片13a,13bのように基材11上に幅方向に並べて粘着層12を介して配置されているので、絆創膏50をその出会う側端部13hと13k(基材11の一方端側部分11fと他方端側部分11eに対応)を区分する辺である境界ライン13p付近で基材11側に折り曲げて反らせると、樹脂シート片の腰のある弾性により、一方の樹脂シート片(剥離紙片13bに相当)の出会う側端部13k又は13hが基材11から剥がれて基材11から外部へ飛び出す。次いで、出会う側端部13k又は13hをつまんで剥離紙片13bを基材11から剥がすことができる。このような作用により、一対の樹脂シート片のそれぞれ出会う側端部13h,13kを必ずしも重ね合わせる必要がなく、一方の樹脂シート片の出会う側端部13h,13kを折り返してつまみ部13fを設ける必要もない。一対の樹脂シート片13a,13bは、重ね合わせ部13cやつまみ部13fを有する一対の剥離紙片13a,13bにも、これらを有しない一対の剥離紙片13a,13bにも適用でき、前記したすべての実施形態に適用できる。
一対の樹脂シート片のうち基材11の一方端側部分11fに配置される樹脂シート片(剥離紙片13bに相当)は、例えば第5の実施形態のように、切込み13sを入れて剥離紙片13bを複数に(同図では3つに)分断しても良い。この剥離紙13bの分断は、基材11の切込み14に対応させて切込み13sを設けることができるが、勿論これに限定されない。
【0089】
また、一対の樹脂シート片の出会う側端部13h,13kが向き合って形成される境界ライン13pの形状は、略直線上でも良く(
図18(a)参照)、また、波形状あるいはジグザグ状(
図18(b)参照)あるいは凸凹状でも良い。とくに、一対の樹脂シート片(剥離紙片13a,13bに相当)の出会う側端部13h,13kを波形状あるいはジグザグ形状あるいは凸凹状に形成した場合は、絆創膏を基材11側に反らせると、いずれかの樹脂シート片の出会う側端部13h,13kの、特に突出部分が基材11から剥がれて外部へ飛び出すので、樹脂シート片を基材11からより剥がし易くすることができる。
【0090】
本発明は、他方側の剥離紙片13aと、分断された一方側の剥離紙片13bの1つ又は複数の剥離紙小片部分(13b-1、13b-2がそれぞれ複数ある場合)のいずれかと一体に形成しても良い。例えば、
図20(a)に示すように、他方側の剥離紙片13aと、一方側の剥離紙片13bの中央側の剥離紙小片部分13b-1を切り離さないで一体に形成し、T字形状の剥離紙片13Aとしても良い。これによれば、基材11から他方側の剥離紙片13Aを剥がすときには、同時に、一方側の剥離紙片の中央側の剥離紙片部13b-1に相当する部分も一緒に剥がすことができる。
また、例えば、
図20(b)に示すように、本発明では、他方側の剥離紙片13aに幅方向に切込み13tを入れて、他方側の剥離紙片13aを長さ方向に複数に(同図では2つに)分離した構成としても良い。なお、切込みの13tの数は限定されず、1つでも複数でも良い。この例は、特に、剥離紙が樹脂シートである場合に好適である。
【0091】
本発明では、第10の実施形態のように、
図10に示した第6の実施形態の帯状の絆創膏60の帯状の剥離紙63として帯状の樹脂シートを用いることも勿論できる。また、
図10~
図20の絆創膏においても、図示しないが、前記実施形態のような重なり部11iが設けられている。
【0092】
(第11の実施形態)
図21~
図23を参照しながら、第11の実施形態の踵保護用絆創膏110について説明する。この踵保護用絆創膏110は、踵の下から貼るタイプのもので、踵のシート状の基材111と、該基材111の一面に塗布された粘着層112、さらに図示しない剥離紙とを備えた構成となっている。基材111は、足の踵140の底領域140cに貼られる第1の領域部分111aと、該第1の領域部分111aの周囲部分であって、該第1の領域部分から折り上げて足の踵140の周辺領域140bに貼られる第2の領域部分111bとを備えている(
図21、
図23参照)。
【0093】
ここで、本実施形態の絆創膏110の基材111について詳しく説明する。基材111は、半多角形、例えば、略半円形状(
図21及び
図25等参照)に形成され、左右対称に形成されている。なお、踵の形状を考慮して左右非対称に形成しても勿論良い。故に、基材111の前方側の、すなわち、踵に貼付される際に前方に位置する前方縁辺111cは略直線状に形成され、前方縁辺111cを除くその後方側の周縁辺111dは、例えば略半円弧状または半多角形状に形成されている。さらに、基材111は、その第1の領域部分111aを前方縁辺111c寄りの中心付近の領域に設け、基材111の第2の領域部分111bを第1の領域部分111aの外側であって周縁辺111d寄りの領域に設けた構成となっている。
【0094】
さらに、第2の領域部分111bに第1の領域部分111aに向く2つの切込み114を例えば放射状に左右対称に入れて第2の領域部分111bを略扇状の3つの小片部分111b-1,111b-1,111b-3に分断している。小片部分111b-1と111b-1、111b-3は、それぞれ左右対称に形成されている。なお、切込み114は、必ずしも放射状にまたは略直線状でなく、ジグザグ状、曲線状または湾曲状でもよく、それぞれが互いに傾斜させて入れても良い。この場合は、小片部分111b-1と111b-1、111b-3は、必ずしも略扇状となる必要はなく、これらの形状は限定されない。本実施形態では、切込み114を2つ設けた場合、第1の領域部分111aの中心付近からみて、それぞれの切込み114の始端の位置と前方縁辺111cと間の角度をKとし、切込み114,114の始点間の角度をPとすると、角度Kは略30°~60°、好ましくは50°~60°であり、角度Pは60°~120°であるのが好ましいが、とくに限定されない。例えば、角度Kが50°くらいである場合は、小片部分111b-1と111b-1よりも小片部分111b-3が幅(周縁辺111d上の幅)が大きく設定され、小片部分111b-3は小片部分111b-1と111b-1に比し、踵140の周辺領域140bの後方側面を大きく覆うことができる。
【0095】
さらに、これらの小片部分111b-1,111b-1,111b-3には、それぞれ切込み114側の互いに対峙し隣合う側の端部に、互いに重なり合う重なり部111i,111i,111i,111iをそれぞれ設けている。重なり部111i,111i,111i,111iは、第1の領域部分111aに達しても良いが、ほとんどは、第2の領域部分111b内に位置される。
【0096】
さらにまた、本実施形態の絆創膏110の基材111には、足の踵140に貼る際の目印として、予め、マーク115,116が印刷されているのが好ましい。マーク115は、例えば十字の、いわゆるクロスラインであり、第1の領域部分111aの略中央又はその付近に位置されている。マーク116は、略半円弧状のラインで、第1の領域部分111aの周囲であって、第2の領域部分111bとの略堺付近に位置されている。マーク115は、小円、三角又は四角等でもよく、形状は限定されず、また、マーク116のラインは、点線に限らず、実線、一点または複数点の鎖線等でもよく、線種は限定されない。マーク115,116は、薄めの色に印刷されるのが好ましいが、濃淡も色もとくに限定されない。
【0097】
基材111は、例えばビニル等の樹脂シートから成るもので、柔軟性に加えて好ましくは多少の伸縮性もある素材で形成されるのが好ましい。基材111を形成する素材は、柔軟性と伸縮性があるものであればどのような素材でも良く、特に限定されない。基材111(他の全ての実施形態の基材も含む)は、密封性又は気密性があるのが好ましいが、これらがなくとも良い。この場合は、粘着層112(他の全ての実施形態の粘着層も含む)によって密封性又は気密性が保たれるようにすれば良い。
【0098】
粘着層112は、基材111の一面に塗布され、該基材を踵140の角質化した部分に貼付するためのものである。本実施形態では、例えば、アクリル系粘着剤を用いることができる。アクリル系粘着剤は、石油を原料とするアクリル樹脂を主成分としており、透明性、耐候性、耐熱性に優れている。粘着剤は、低アレルギー性であることが好ましい。なお、粘着剤としては、これらに限られず、ゴム系粘着剤やシリコーン系粘着剤等でもよい。要は、基材111を皮膚に優しく貼ることができるものであれば何でもよい。粘着層112は、皮膚の角質化が悪化するのを抑える尿素等の薬剤を含んでも良い。
【0099】
次に、絆創膏110を足の踵140に貼る場合の一例について説明する(
図22及び
図23参照)。
まず、例えば絆創膏110を床に置いて、踵140の後方部分がマーク115を覆うように又はその中央に位置するように又はマーク116内に収まるように又はマーク116に合わせるように、踵140の底領域140cを絆創膏110の基材111の第1の領域部分111a上に載せ、第1の領域部分111aを踵140の底領域140cに貼る。次いで、基材111の小片部分111b-3を第1の領域部分111aから折り上げて足の踵140の周辺領域140bの後方側面に貼る。次いで、基材111の小片部分111b-1,111b-1を第1の領域部分111aから折り上げて足の踵140の周辺領域140bの側方の両面にそれぞれ貼る。これにより、絆創膏110の足の踵140貼り付けが完了する。なお、絆創膏110を床に置いて踵をその上に置いて貼るのは位置合わせも楽であるが、床に置かないで、直接手でもって踵の底に貼るようにしても勿論良い。
【0100】
これにより、基材111の小片部分111b-1、111b-3、111b-1は、それぞれの切込み114側の端部の重なり部111i,111i,111i,111iにおいてそれぞれ互いに重なり合っている。これらの重なりにより、足の踵140の角質化した部分は、完全に覆われて密封され、保湿される。また、各重なり部111iが重なり合って互いに補強し合うので、絆創膏110を確実にしっかりと踵140に貼り付け固定するとともに、踵140からの剥がれを互いに防止する。この貼り方によれば、寝ている間も簡単には剥がれなく、踵140の患部である踵周縁部140aを最小の面積で無駄なく覆うことができるので、踵を見栄えも良く覆うことができる。
【0101】
なお、基材111の小片部分111b-1、111b-3、111b-1の貼る順序は、上記に限らず、とくに限定されない。要は、貼った後に、それぞれの互いに隣合うそれぞれの重なり部111i同士が重なり合うように貼られれば良い。
【0102】
また、絆創膏110の基材111は、半円形状に限らず、半多角形状、例えば、
図24のように半八角形としてもよく、これにより、周縁辺111dの形状は多角形状の円弧となる。すなわち、
図24に示す絆創膏110は、基材111の前方側の前方縁辺111cは略直線状に形成され、前方縁辺111cを除くその後方側の周縁辺111dは4箇所で折曲されている。周縁辺111dは、左右に前方縁辺111cに直角の側縁辺111h,111hと、前方縁辺111cに略並行であって周縁辺111dの最後方の略直線状の後方縁辺111gと、後方縁辺111gと左右の側縁辺111h,111hとを結ぶ斜めの斜辺111f,111fとを有する構成となっている。
図24に示した絆創膏110では、斜辺111f,111fの略中央付近または後方縁辺111g寄りの位置から第1の領域部分111aに向けて切込み114をそれぞれ入れて、第2の領域部分111bを3つに分断している。これにより、後方中央の小片部分111b-3は、比較的大きな三角形状に形成することができるので、足の踵140の後方を大きく覆うことができる。なお、切込み114、114の始端の位置は、角度的には、
図21の絆創膏110の場合と同様であり、援用する。
【0103】
前記した実施形態では、それぞれ切込み114を2つ設けた絆創膏110としたが、本発明では、切込み114の数は限定されず、切込み114を3つ又はそれ以上入れるようしても良い。その絆創膏110の貼り方、作用・効果は前記した実施形態の場合と同様である。
【0104】
次に、
図25を参照しながら、切込み114を4つ設けた絆創膏110について説明する。
同図に示した絆創膏110は、切込み114を4つ設けた以外は、
図21に示した絆創膏110の構成と同じであり、作用・効果も援用できる。切込み114は、略半円形の基材111の第2の領域部分111bに第1の領域部分111aに向けて例えば放射状に左右対称に入れて第2の領域部分111bを略扇状の5つの小片部分111b-1,111b-1,111b-2,111b-2,111b-3に分断している。小片部分111b-1と111b-1、111b-2と111b-2、111b-3は、それぞれ左右対称に形成されている。なお、切込み114は、必ずしも放射状にまたは略直線状でなく、ジグザグ状、曲線状または湾曲状でもよく、それぞれが互いに傾斜させて入れても良い。この場合は、小片部分111b-1と111b-1、111b-2と111b-2、111b-3は、必ずしも略扇状とはならず、形状は限定されない。本例の場合、切込み114,114,114,114の始点の位置は、角度的には、略均等であるのが好ましいが、勿論限定されない。角度的に、小片部分111b-1を小さめに、小片部分111b-2を中くらいに、小片部分111b-3を大きめに設定しても良い(例えば、
図26参照)。
【0105】
さらに、これらの小片部分111b-1,111b-1,111b-2,111b-2,111b-3は、それぞれ切込み114側の互いに対峙し隣合う側の端部に、互いに重なり合う重なり部111i,111i,111i,111i,111i,111i,111i,111iをそれぞれ設けている。重なり部111i,111i,111i,111i,111i,111i,111i,111iは、第1の領域部分111aに達しても良いが、ほとんどは第2の領域部分111b内に位置されている。
【0106】
図26に示す絆創膏110は、基材111の前方側の前方縁辺111cが略直線状に形成され、前方縁辺111cを除くその後方側の周縁辺111dは4箇所で折曲されている。周縁辺111dは、左右に前方縁辺111cに直角の側縁辺111h,111hと、前方縁辺111cに略並行であって周縁辺111dの最後方の略直線状の後方縁辺111gと、後方縁辺111gと左右の側縁辺111h,111hとを結ぶ斜めの斜辺111f,111fとを有し、左右の側縁辺111h,111hと後方縁辺111gと斜辺111f,111fとによって形成される4つの角部から第1の領域部分111aに向けて、4つの切込み114が入れられている。
【0107】
図26に示した絆創膏110を足の踵140に貼る場合の一例について説明する(
図27参照)。
まず、絆創膏110を床に置いて、踵140の後方部分がマーク115を覆うように又はその中央に位置するように又はマーク116内に収まるように又はマーク116に合わせるように、踵140の底領域140cを絆創膏110の基材111の第1の領域部分111a上に載せ、第1の領域部分111aを踵140の底領域140cに貼る。次いで、基材111の小片部分111b-3を第1の領域部分111aから折り上げて足の踵140の周辺領域140bの後方側面に貼る。次いで、基材111の小片部分111b-1,111b-1を第1の領域部分111aから折り上げて足の踵140の周辺領域140bの側方の両面の前側にそれぞれ貼る。さらに、基材111の小片部分111b-2,111b-2を第1の領域部分111aから折り上げて足の踵140の周辺領域140bの側方の両面の後側にそれぞれ貼る。これにより、絆創膏110の足の踵140貼り付けが完了する。
【0108】
これにより、基材111の小片部分111b-1と111b-2、111b-2と111b-3、111b-3と111b-2,111b-2と111b-1は、それぞれの切込み114側の端部の重なり部111i,111i,111i,111i,111i,111i,111iがそれぞれ互いに重なり合って貼付け固定されている。これらの重なりにより、足の踵140の角質化した部分は、完全に覆われて密封され、保湿される。しかも、各重なり部111iが重なり合って互いに補強しあうので、絆創膏110を確実にしっかりと踵140に貼り付け固定することができる。この貼り方によれば、寝ている間も簡単には剥がれなく、最小の面積を無駄なく覆うことができるので、踵を見栄えもよく覆うことができる。
【0109】
なお、基材111の小片部分111b-1、111b-1、111b-2、111b-2、111b-3の貼る順序は、上記に限らず、とくに限定されない。要は、貼った後に、それぞれの互いに隣合うそれぞれの重なり部111i同士が重なり合うように貼られれば良い。
【0110】
なお、
図26に示す絆創膏110は、
図34に示した絆創膏110のように、その周縁辺111dが矩形の基材111から後方縁辺111gの両端の角部111s,111sを取り除いて、周縁辺111dが4つの角を有するように形成しても良い。さらに、本発明に係る絆創膏110は、
図31又は
図34に示すように基材111が矩形でも良く、さらには、
図23に示すように基材111が台形状でも良い。
図27は、
図26に示した絆創膏110を踵140に貼り付けた様子を示すものである。
図25及び
図26に示した絆創膏110の構成および作用、使用方法等については、
図21の絆創膏110の場合と同様なので、その説明を援用する。
【0111】
前記実施形態の絆創膏110のいずれも、基材111の粘着層112側に、該粘着層112を覆う剥離紙117を備えた構成としても勿論良い。この場合は、使用時には、剥離紙117を剥がす。剥離紙117は、1枚のものでも(
図29(a)参照)、2枚以上の複数枚の剥離紙片117a,117b(
図29(b)~(d)参照)から成るものでも良い。とくに、剥離紙117が薄い紙あるいは柔らかいシートでできている場合であって剥離紙117が複数枚から成る場合は、
図29(c)に示すように、剥離紙片117a,117bの互いに出会う端部117c,117dを重ねて配置するようにすれば、端部117c,117dを手でつまんで剥離紙片117a,117bを剥がし易い。剥離紙片117a,117bの互いに出会う端部117c,117dの一方または両方をさらに折り返して重ねて配置するようにすれば(
図29(c)参照)、剥離紙片117a,117bを剥がし易くできる。
図29(b)又は(c)の場合、剥離紙辺117a,117bは、
図29(d)に示すように、例えば
図21の絆創膏110の場合、
図21に示すJ-J線のところで端部117c,117dが出会って互いに重なり合うように配置されるのが好ましい。第1の領域部分11aと第2の領域部分111bの形状に形成した剥離紙片の出会う端部117c,117dのいずれか一方を折り返して互いに重ねるようにしても良い(
図29参照)。なお、剥離紙辺117a,117bの配置態様はこれに限定されない。例えば、
図18~
図20の絆創膏50のように、剥離紙片を第1の領域部分11aと第2の領域部分111bの形状にそれぞれ形成したものとし、これを基材111に配置しても良い。この場合は、剥離紙片は
図18の場合のように少し弾力性のある材質でできているのが好ましい。さらにこの場合、第2の領域部分111bの形状に形成した剥離紙片を、切込み114に対応させて各小片部分(11f-1,11f-2,11f-3,111b-1,111b-2,111b-3等)に分断したものとしても良い。
【0112】
(第12の実施形態)
次に、
図30を参照しながら、第12の実施形態について説明する。第12の実施形態は、簡単に説明すると、例えば
図31に示すような絆創膏110の基材111を複数個一連に連続させてなるテープ状基材テープ121を巻回してなる絆創膏ロール120である。
図30に示した絆創膏ロール120では、複数の基材111を同一向きに一連に配置しているが、勿論これに限らない。この絆創膏ロール120は、使用時に、巻回した基材テープ121から絆創膏110を切り離して使用するものである。
【0113】
本実施形態の絆創膏ロール120は、帯状の基材テープ121と、該基材テープ121の一面に塗布された粘着層112と、円筒状の芯123と、を含み、所定長さに切って絆創膏110を使用できるように、すなわち、手でもって所定長さの絆創膏110毎に切り離せるように、ミシン目状の切離部124が設けられている。切離部(切断ライン)124を設ける間隔は、足のサイズなどを考慮して適宜決定すれば良く、子供用や大人用として間隔の大きさを決定し、子供用や大人用ロールをとすることができる。本実施形態では、テープ状の基材121を、例えば
図31の基材111をその長手方向Bに連続させてテープ状に形成したものとしたが、本発明はこれに限らず、基材111をその幅方向Cに連続させてテープ状に形成したものとしてもよい。
【0114】
なお、本実施形態では、必ずしも剥離紙は無くても良いが、もし粘着層112に剥離紙テープを貼り付けて、剥離紙テープも含めてロールにしたい場合は、基材テープ121とともに、剥離紙テープにもミシン状の切離部124を基材テープ121に対応させて設け、一緒に切り離せるようにするのが好ましい。またこの場合、剥離紙の表面にもある程度の弱粘着性を持たせておけば、基材テープ121の巻回状態を良好に保持でき、好ましい。
【0115】
前記基材テープ121は、前記粘着層112が内側になるように前記芯123に券回されてロールを構成する。基材テープ121状に連続される基材111は、
図31の基材111に限らず、前記した実施形態のいずれの基材111でも良い。なお、基材111が矩形でない場合は、例えば、前記した剥離紙テープにだけミシン目を設け、剥離紙テープ上に各基材111をミシン目間に配置し、剥離紙テープを切離部114で切断することにより、剥離紙上に基材111が載った絆創膏110を得るようにすることができる。また、複数の基材111が繋がっている場合は、剥離紙テープ上にこの連続した基材111を配置し、剥離紙テープと基材111に絆創膏110毎にミシン目を設けるようにしても良い。
【0116】
なお、基材111(または基材テープ121)がとくに柔軟性のある、手で切り易い材料でできている場合には、
図31に示すように、基材111(または基材テープ121)の切込み114の始端、すなわち、切込み114の周縁辺111d側の部分(基材テープ121の幅方向の切込み114の始端側の部分)に、切れていない切残部118を設けるようにしても良い。これらの切残部118は、使用時に切り離すようにすればよい。切残部118により、絆創膏ロール120から絆創膏110を剥がす際、切込み114のところで裂けたりするのを防止でき、切込み114の存在が邪魔にならず、使用上便利である。
【0117】
このように絆創膏110を絆創膏ロール120にすれば、使用時に絆創膏110を切り離して使用できるとともに、絆創膏110の梱包と1枚あたりの絆創膏110の製造単価を大きく低減させることができる。本実施形態の絆創膏ロール120から切り取って形成される絆創膏110は、前記した各絆創膏110の各要素と同じ機能・作用・効果を有するものであるので、同一機能・作用・効果を有する要素については同一符号を付し、それらの詳細な説明を援用する。
【0118】
絆創膏ロール120から形成される絆創膏110は、連続した基材テープ121が、本例のように同一幅のテープである場合、例えば
図31に示すように、左右対称に形成された矩形状の基材111とするのが好ましいが、勿論これに限定されない。
【0119】
絆創膏ロール120から形成される絆創膏110が、
図31に示すようなものである場合について説明を加える。
図31に示した絆創膏110は、矩形の基材111の一面に塗布された粘着層112とを備えた構成となっている。基材111は、足の踵140の底領域140cに貼られる第1の領域部分111aと、該第1の領域部分111aの周囲部分であって、該第1の領域部分から折り上げて足の踵140の周辺領域140bに貼られる第2の領域部分111bとを備えている。基材111および粘着層112の材質は、前記した実施形態のものと同じである。
【0120】
基材111は、第2の領域部分111bに2つの切込み114,114を、その後方縁辺111gの両端付近から第1の領域部分111aに向けて、放射状に左右対称に入れて第2の領域部分111bを略扇状の3つの小片部分111b-1,111b-1,111b-3に分断している。小片部分111b-1と111b-1、111b-3は、それぞれ左右対称に形成されている。
【0121】
さらに、これらの小片部分111b-1,111b-1,111b-3は、それぞれ切込み114側の互いに対峙し隣合う側の辺側に、互いに重なり合う重なり部111i,111i,111i,111iをそれぞれ設けている。重なり部111i,111i,111i,111iは、第1の領域部分111aに達しても良いが、ほとんどは、第2の領域部分111b内に配置されている。とくに本例では、切込み114を2つにしたことにより、小片部分111b-3を、他の小片部分111b-1,111b-1に比べて角度的に大きく、すなわち、幅又は面積が大きく形成されている。
【0122】
さらにまた、本実施形態の絆創膏110の基材111には、足の踵140に貼る際の目印として、予め、マーク115,116が印刷されているのが好ましいが、勿論必須ではない。マーク115は、十字の、いわゆるクロスラインであり、第1の領域部分111aの略中央に配置されている。マーク116は、略半円弧状のラインで、第1の領域部分111aの周囲であって、第2の領域部分111bとの略堺付近に配置されている。
【0123】
図31に示した絆創膏110を足の踵140に貼った場合には、
図32に示すようになる。
図31に示した絆創膏110によれば、絆創膏110の第1領域部分111aを足の踵140の底領域140cに貼った後、後方中央の小片部分111b-3を足の踵140の周辺領域140bの後方の面に貼り、次いで、両側の小片部分111b-1,111b-1を足の踵140の周辺領域140bの両側の面にそれぞれ貼る。この時、両側の小片部分111b-1,111b-1は、踵140の両側を覆うとともに、両側の小片部分111b-1,111b-1の後方に伸びる後方延設部111w,111wが後方中央の小片部分111b-3をその両側から大きく覆い、すなわち、大きい面積を覆い、同時に、両側の小片部分111b-1,111b-1と後方中央の小片部分111b-3の重なり部111i同士が大きい面積で重なって貼られる。
【0124】
このように、両側の小片部分111b-1,111b-1の重なり部111iと後方中央の小片部分111b-3の両側の重なり部111iが大きい面積で重なって貼られることにより、両側の小片部分111b-1,111b-1と後方中央の小片部分111b-3が確実にしっかりと足の踵140に固定される。すなわち、両側の小片部分111b-1,111b-1が後方延設部111w,111wを通して後方中央の小片部分111b-3に確実にしっかりと固定される。しかも、この絆創膏110の場合、両側の小片部分111b-1,111b-1と後方中央の小片部分111b-3が横に長く形成されるので、両側の小片部分111b-1,111b-1の重なり部111iと後方中央の小片部分111b-3の両側の重なり部111iの面積が大きくなる。このため、大きい面積で互いに重なり合うので、踵140への固定がより確実にしっかりとすることができる。これにより、踵140の角質化した部分が絆創膏110によって良好に密封され、その内部が保湿される。この貼り方によれば、寝ている間も簡単には剥がれなく、踵を覆うのに大変適していることが判明している。
【0125】
なお、本発明に係る前記したいずれの絆創膏110も、小片部分111b-1、111b-2、111b-2、111b-3、111b-3、111b-2,111b-2、111b-1を貼る順序は特に限定されない。要は、貼った後、小片部分111b-1、111b-2、111b-2、111b-3、111b-3、111b-2,111b-2、111b-1の各重なり部111iがきちんと重なり合って踵140に貼られればよい。
【0126】
また、切込み114の数は、絆創膏110の大きさ、柔らかさ、粘着力などを考慮して適宜決定すれば良い。また、切込み114は、略直線状でなくとも良く、湾曲した切込みとしても良い。とくに湾曲される場合は、左右に広がるように、後方の小片部分111b-3がいわゆる末広がりになるように切込み114を湾曲されるようにしても良い。これにより、後方の小片部分111b-3の左右の端部である重なり部111iとの重なる面積をさらに広くすることができ、より確実に踵に固定することが可能となる。
【0127】
以上より明らかなように、絆創膏110は、前記構成としたことにより、踵140の角質化した部分を覆い包むように踵140に固定でき、角質化した部分を効果的に密封することができる。このように、本実施形態の絆創膏110は、踵140に貼付しやすく、患部である踵140の三次元形状の形状にフィットし易く、踵140に密着するので、患部である角質化した部分を効率的に覆い、余計に広い部分を覆うこともなくなり、この余計に広い部分でかゆみなどを生じさせたりすることを無くすことができる。しかも、絆創膏110により、踵140の角質化した部分を効率よく密封することができるので、適度に角質化した部分を保湿することができ、患部の角質化によって固くなった患部を軟化させて痛みなどを和らげることができる。また、踵140の患部を可及的に小さい面積の絆創膏で確実に簡単に覆うことができるので、見栄えも良く、前記したようなかゆみの発生を防止することができる。
【0128】
図31以外の図面に示した絆創膏110の場合であっても、基材111がとくに柔軟性のある、手で切り易い材料でできている場合には、
図31に示すように、基材111の切込み114の周縁辺111d側の部分に切残部118を設け、使用時にこの切残部118を手で切り離すようにしてもよい。
【0129】
図30及び
図31に示した例では、絆創膏110をテープ状に形成するために、基材111を略矩形に形成した例を示している。具体的には、基材111は、その前方側の前方縁辺111cが略直線状に形成され、前方縁辺111cを除くその後方側の周縁辺111dが矩形状にまたは四角形状に形成され、その後方側の周縁辺111dの後方側の略直線状の後方縁辺111gの両端付近から切込み114,114を切残部118を設けて第1の領域部分111aに向けて入れた構成となっている。切込み114,114の始端側である周縁辺111d側には、使用時に手で切断する切残部118を設けている。切残部118の大きさは、基材111の材質等を考慮して適宜決定すれば良い。この絆創膏110を貼った例を
図32に示す。貼り方等、その他の説明は、
図21の実施形態の場合と同様であり、同図の説明を援用する。本実施形態では、テープ状の基材21を、例えば
図1の基材11を長手方向Bに連続させてテープ状に形成したものとしたが、本発明はこれに限らず、基材11の幅方向Cに連続させてテープ状に形成したものとしてもよい。
【0130】
また、絆創膏ロール120から切離部124で切り取って形成される絆創膏110を、
図33(a)に示すような台形状に形成するようにしても良い。この場合は、隣合う一連の絆創膏110は、互いに向きを交互に反対に設定している(
図33(b)参照)。これにより、基材テープ121を無駄無く利用できる。この台形状の絆創膏110では、切離部124,124を斜めに傾斜させて設け(
図32(b)参照)、一連の絆創膏110の交互配置を実現している。切離部124,124で絆創膏110を切り離すと、絆創膏110の左右の側縁辺111h,111hは傾斜されたものとなる。また、切込み114,114は、後方縁辺111gと左右の傾斜した側縁辺111h,111gとの角から第1の領域部分111aに向けて形成されている。この台形状の絆創膏110の作用、構成、効果は、基材111の形状が台形であり、切込み114を周縁辺111dの角から第1の領域部分111aに向けて設けた以外は同じであるので、前記実施形態の説明を援用する。
【0131】
さらに、
図34示した絆創膏110を一連にして絆創膏ロール120を構成する場合について説明する。同図の絆創膏110は、基材111が矩形であって、切込み114を4つ、周縁辺111dの後方縁辺111gと左右の側縁辺111hから第1の領域部分111aに向けて設けた構成となっている。このような絆創膏110した場合は、切離部124に加えて、左右の切込み114,114の始点間にミシン目の切取線119を斜めにさらに設けるようにしても良い。この切取線119で基材111の両側の後方角部111sを切り取ると、無駄に踵140を覆う部分を取り除いた絆創膏110とすることができる。この絆創膏ロール120から切り取った絆創膏110の機能・作用・効果は、前記実施形態の場合と同様なので、援用し、それらの説明を省略する。
【0132】
前記したすべての実施形態の絆創膏において、その基材の前方縁辺の両端の前方角部(111j,111j)を、
図28(a)及び(b)に示すように、角でなく、湾曲形状としても良い。これにより、絆創膏によって皮膚を覆う部分を無くし、踵の皮膚を覆う面積を可及的に小さくでき、余計に踵を覆ってかゆみ等を生じさせる不具合を解消することができる。
図28(a)は、線上の切込み114を4つ均等角度で設けた例を示し、
図28(b)は、
図21(a)に対応するもので、特に、2つの切込み114を扇状に(末広がりに、または略三角形状に)設けた例を示す。このような形状の切込み114にすれば、小片部分11b-1、11b-3((a)の場合はさらに11b-2も)は、踵周縁部140bに貼る際に、互いにくっついたりするのを防止することができる。
【0133】
切残部118を設けた場合のメリットについて説明する。切込み114によって分断された基材111の両側端部(重なり部111i相当)が、切残部118によって連結されているので、使用に際して、小片部分がバタついたり、互いにくっついたりすることを無くすことができ、絆創膏110を貼る作業を煩わすこともない。また、絆創膏ロール120から引っ張って剥がして切離部124で切り離す際に、小片部分が互いにくっつき合ったりすることなく、絆創膏110の形状を良好に保ったまま、絆創膏110を得ることができる。
【0134】
前記したいずれの絆創膏110においても、基材111の材質が裂けやすい場合には、各切込み114の終端部に小穴を設けるのが好ましい。この場合には各切込み114の終端部に応力が集中して基材111が破れるのを防ぐことができる。小穴は、必須ではないが、基材テープ121が、例えば柔軟性と伸縮性がある材料で形成されている場合は、小穴は不要であり、必ずしも形成しなくてもよい。
【0135】
本発明では、基材111に塗布される粘着層112は、尿素等の保湿剤、角質改善薬及び又は皮膚のかぶれ防止薬等を配合したものとしても良い。また、基材111の踵周縁部114aに対応する位置に、必要に応じて、以下のようにクッション材を設置したものとしても良い。
【0136】
さらに、本発明では、絆創膏の粘着面の一部、例えば踵の患部に当たる領域にガーゼあるいはクッション材を張り付け、このガーゼ又はクッション材で踵の患部を覆うようにしてもよい。また、絆創膏の粘着層あるいは粘着面に設置したガーゼ又はクッション材に踵の角質化を和らげる薬剤を予め浸み込ませても良い。例えば、基材に塗布される粘着層は、尿素等の保湿剤からなる角質改善薬を配合したものとしても良い。
【0137】
また、前記した実施形態の絆創膏110の基材111の周縁辺を略半円状に形成したが、本発明はこれに限らず、四角形状または五角形状、さらに多角形状の略円弧に形成しても良い。さらにまた、基材111の前方縁辺111cを略直線状に形成したが、本発明はこれに限らず、湾曲状に凸または凹、または凸凹に、あるいは他のどのような形状に形成したものでも良く、形状は限定されない。
【0138】
さらにまた、前記実施形態では、基材111の第1の領域部分111aに付したマークを、クロスライン又は/及び略半円弧状のラインとしたが、本発明はこれに限らず、どのような形状のラインまたは模様でも良く、とくに限定されない。また、前記した全ての実施形態の絆創膏において、基材の一方端側部分の複数の小片部分を、例えば
図7(b)に示すに示すように、幅方向の一方端側の向かうに従い幅狭にした略台形状、または半円形または半楕円形等の半多角形状に形成することができる。
【0139】
図35(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第13の実施形態の踵保護用絆創膏の例を示す。(a)に示した絆創膏50は、
図7等に示した絆創膏50とほぼ同じ構成であるが、違う点は、切込み14の他方端側部分11e側の一部を線状とし、一方端側部分11f側の部分を一方端11aに向かって開く形状、すなわち、平面的にみて略三角形状に形成したものである。また、(b)に示した絆創膏110は、剥離紙を領略して示したもので、
図28(b)等に示した絆創膏50とほぼ同じ構成であるが、違う点は、切込み114の第1の領域部分111a側の一部を線状とし、第2の領域部分111b側の部分を周縁片111dに向かって開く形状、すなわち、平面的にみて略三角形状に形成したものである。これにより、(a)の絆創膏50では、切込み14の線状部分の両側に第1の重なり部11i-1,11i-1が設けられ、切込み14の一方端側部分11f側部分の両側には、第2の重なり部11i-2,11i-2が設けられている。同様に、(b)の絆創膏110には、切込み114の線状部分の両側に第1の重なり部111i-1,111i-1が設けられ、切込み114の一方端側部分11f側部分には、第2の重なり部111i-2,111i-2が設けられる。このような構成により、絆創膏50,110を踵40,140に貼り付けた際には、第1の重なり部11i-1,11i-1又は第1の重なり部111i-1,111i-1同士が重なり合って、主に角質化した部分を密封する働きをし、第2の重なり部11i-2,11i-2又は第2の重なり部111i-2,111i-2は互いに重なり合ってお互いを互いに固定し合い、補強し合う働きをする。なお、これらの第1及び第2の重なり部は、前記したいずれの絆創膏にももちろん存在するが、本実施形態の例では、機能をより明確にするために区別して説明したものである。切込み14,114を本実施形態のような構成にすることは、前記したすべての絆創膏に適用することができることは勿論である。
【0140】
なお、前記した全ての実施形態において、同一符号を付した要素は、ほぼ同一の機能、作用、効果を有するものであり、符号のみ付して説明を省略したところについては、他の実施形態の説明を援用することができる。例えば、
図16~
図20に示した剥離紙13を
図21~
図36の絆創膏110に適用したり、
図35及び
図36の切込み114を
図21~
図34の絆創膏110に適用することは勿論、
図1~
図20の絆創膏10,50に適用したり、
図7~
図9の剥離紙13を他の全ての実施形態に適用することもでき、説明を援用する。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明に係る絆創膏は、衛生用品や救急医療品を製造する産業分野において広く利用することができる。
【0142】
以下に、本発明の特徴をまとめて記載する。
(1) シート状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、該粘着層に貼付された剥離紙と、を含む枚葉型絆創膏であって、前記剥離紙は一対の剥離紙片からなり、前記基材に、前記基材の長手方向の所定間隔で、幅方向の一方の側面から該幅方向の途中まで、複数の切込みを入れ、該切込みによって複数に分断された前記基材の一方端側部分の複数の片の一端部側に、踵の底部に貼り付けた際に重なって貼付け固定される重なり部を設けた、踵保護用絆創膏。
(2) 前記一対の剥離紙片は、前記基材の幅方向に並べられ、該一対の剥離紙片の出会う側の端部にそれぞれ互いに重なり合う重ね合わせ部を設け、さらに、これらの重ね合わせ部のうち内側に位置する側の重ね合わせ部の先端部を折り返してつまみ部を設けた、(1)に記載の踵保護用絆創膏。
(3) つまみ部を有する方の前記剥離紙片に、前記基材の前記複数の切込みに対応させて前記つまみ部の折返し部まで延びる切込みを入れて前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片を複数の剥離紙片部に切り離した、(2)に記載の踵保護用絆創膏。
(4) テープ状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、円筒状の芯と、を含み、前記粘着層側が内側になるように前記基材が前記芯に券回された巻回テープ型絆創膏であって、前記基材の長手方向の適宜間隔で前記基材の幅方向の一方の側面端から該幅方向の略中央まで切込みを入れるとともに、前記基材の長手方向の適宜間隔毎に前記基材の長手方向の適宜間隔で切り離し用の切離部を入れたことを特徴とする、踵保護用絆創膏ロール。
(5) 前記基材の前記切込みの終端部に円形の小穴を設けた、(1)~(4)のいずれかに記載の踵保護用絆創膏又は踵保護用絆創膏ロール。
(6) 前記基材の前記切込みの始端部側に切残部を設けた、(1)~(4)のいずれかに記載の踵保護用絆創膏又は踵保護用絆創膏ロール。
(7) 3に記載の絆創膏を製造する方法であって、前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片に、前記基材の前記複数の切込みに合わせて前記つまみ部の折返し部まで延びる切込みを入れて前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片を複数の剥離紙片部に分断する工程を含む、踵保護用絆創膏の製造方法。
(8) 帯状の基材上に帯状の粘着層を介して帯状の剥離紙が貼付された帯状の絆創膏素材を形成する工程であって、前記帯状の剥離紙は一対の帯状剥離紙片からなり、該一対の帯状剥離紙片は、前記帯状の基材の幅方向の両端側からその略中央付近で出会うように幅方向に並べて配置され、幅方向の端部同士が重なりあって帯状の重ね合わせ部が形成され、前記帯状の重ね合わせ部の内側に位置する前記帯状の剥離紙片の先端部を外側に折り返して帯状のつまみ部が形成されたものとする工程と、前記帯状の基材と少なくとも前記帯状のつまみ部を有する方の前記帯状の剥離紙片に、前記帯状の基材の幅方向の一方端側からその他方端側に向けて、前記帯状のつまみ部の折り返し部まで切込みを入れる工程と、前記帯状の絆創膏素材を長手方向の所定間隔で切断して、一度に複数の絆創膏を形成する工程とを含む、踵保護用絆創膏の製造方法。
(9) 幅広のシート状の基材上に粘着層を介して幅広のシート状の剥離紙が貼付された幅広のシート状の絆創膏素材を形成する工程であって、前記幅広のシート状の剥離紙は、前記幅広のシート状の基材の幅方向に並べて配置された複数対の帯状の剥離紙片からなり、各一対の帯状の剥離紙片は、幅方向の端部同士が重なり合って重ね合わせ部を形成するように配置され、前記帯状の重ね合わせ部の内側に位置する前記帯状の剥離紙片の先端部が外側に折り返されて帯状のつまみ部が形成されたものとする工程と、
前記幅広のシート状の基材と少なくとも前記帯状のつまみ部を有する側の帯状の剥離紙片に、前記帯状のつまみ部を有する側の帯状の剥離紙片の一方端側から前記帯状のつまみ部の折り返し部まで切込みを入れる工程と、
次いで、前記幅広のシート状の絆創膏素材を縦横方向に所定間隔で切断して、一度に複数の絆創膏を形成する工程とを含む、踵保護用絆創膏の製造方法。
(10) 前記幅広のシート状の剥離紙は、前記つまみ部を有する剥離紙片同士を互いに向かい合わせて連続するように一体に形成した第1の剥離紙片と、前記つまみ部を有さない剥離紙片同士を互いに向かい合わせて連続するように一体に形成した第2の剥離紙片とを複数交互に配置したものである、(9)に記載の踵保護用絆創膏の製造方法。
(11) 前記幅広のシート状の剥離紙は、前記つまみ部を有する剥離紙片と前記つまみ部を有さない剥離紙片を連続するように一体に形成した第3の剥離紙片を複数配置したものである、(9)に記載の踵保護用絆創膏の製造方法。
(12) 5に記載の絆創膏を製造する方法であって、幅広のシート状の基材と、該幅広のシート状の基材の一面に塗布された粘着層と、を含む幅広のテープ状の絆創膏素材を形成する工程と、前記幅広のテープ状の絆創膏素材に、該素材の幅方向に伸びる一定長さの切込みを、該素材の幅方向の複数箇所に、それぞれ該素材の長手方向に分布するように列状に形成する工程と、前記素材を芯材に巻取ってロール状絆創膏素材を形成する工程と、該ロール状絆創膏素材を所定間隔で切断して、一度に複数個の絆創膏を形成する工程とを含む、踵保護用絆創膏ロールの製造方法。
(13)~(20) 無
【0143】
(21) シート状基材と、該基材の一面に塗布された粘着層とを含む絆創膏であって、前記基材は、足の踵の底領域に貼られる第1の領域部分と、該第1の領域部分の周囲部分であって、前記第1の領域部分から折り上げて足の踵の周辺領域に貼られる第2の領域部分とを備え、さらに、少なくとも前記第2の領域部分に前記第1の領域部分に向く複数の切込みを入れて前記第2の領域部分を略扇状の複数の小片部分に分断し、前記複数の小片部分を折り上げて足の踵の周辺領域に貼った際に前記複数の小片部分の前記切込み側端部に、互いに重なり合う重なり部をそれぞれ設けた絆創膏。
(22) 前記基材の前方縁辺を略直線状に形成し、前記前方縁辺を除く前記基材の周縁を多角形状または略半円形状に形成し、前記基材の前記第1の領域部分を前記基材の中央付近であって前記前方縁辺寄りの領域に設け、前記基材の前記第2の領域部分を前記第1の領域部分の前記前方縁辺を除く前記周縁側に略半円弧状に設けた(21)の絆創膏。
(23) 前記基材の前記第1の領域部分の略中央付近又は/及びその前方縁辺を除く周囲に、踵を載せるマークを入れた、(21)に記載の絆創膏。
(24) 前記第1の領域部分の略中央付近にいれるマークは、クロスライン又は小円であり、前記第1の領域部分の周囲に入れるマークは略半円弧状のラインである、(21)に記載の絆創膏。
(25) (21)の絆創膏を切離部を介して連続させたものを芯に巻きつけてなる、絆創膏ロール。
(26)~(30) 無
【0144】
(31) シート状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、該粘着層に貼付された剥離紙と、を含む枚葉型絆創膏であって、前記剥離紙は一対の剥離紙片からなり、前記基材に、前記基材の長手方向の所定間隔で、幅方向の一方の側面から該幅方向の途中まで、複数の切込みを入れ、該切込みによって複数に分断された前記基材の一方端側部分の複数の片の一端部側に、踵の底部に貼り付けた際に重なって貼付け固定される重なり部を設けた、踵保護用絆創膏。
(32) 前記一対の剥離紙片は、前記基材の幅方向に並べられ、該一対の剥離紙片の出会う側の端部にそれぞれ互いに重なり合う重ね合わせ部を設け、さらに、これらの重ね合わせ部のうち内側に位置する側の重ね合わせ部の先端部を折り返してつまみ部を設け、前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片に、前記基材の前記複数の切込みに対応させて前記つまみ部の折返し部まで延びる切込みを入れて前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片を複数の剥離紙片部に切り離した、(31)に記載の踵保護用絆創膏。
(33) テープ状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、円筒状の芯と、を含み、前記粘着層側が内側になるように前記基材が前記芯に券回された巻回テープ型絆創膏であって、前記基材の長手方向の適宜間隔で前記基材の幅方向の一方の側面端から該幅方向の略中央まで切込みを入れるとともに、前記基材の長手方向の適宜間隔毎に前記基材の長手方向の適宜間隔で切り離し用の切離部を入れたことを特徴とする、踵保護用絆創膏ロール。
(34) 前記基材の前記切込みの始端部側に切残部を設けた、(31)~(33)のいずれかに記載の踵保護用絆創膏又は踵保護用絆創膏ロール。
(35) シート状基材と、該基材の一面に塗布された粘着層とを含む絆創膏であって、前記基材は、足の踵の底領域に貼られる第1の領域部分と、該第1の領域部分の周囲部分であって、前記第1の領域部分から折り上げて足の踵の周辺領域に貼られる第2の領域部分とを備え、前記基材の前方縁辺を略直線状に形成し、前記前方縁辺を除く前記基材の周縁を多角形状または略半円形状に形成し、前記基材の前記第1の領域部分を前記基材の中央付近であって前記前方縁辺寄りの領域に設け、前記基材の前記第2の領域部分を前記第1の領域部分の前記前方縁辺を除く前記周縁側に略半円弧状に設け、前記基材の前記第1の領域部分の略中央付近又は/及びその前方縁辺を除く周囲に、踵を載せるマークを入れ、さらに、少なくとも前記第2の領域部分に前記第1の領域部分に向く複数の切込みを入れて前記第2の領域部分を略扇状の複数の小片部分に分断し、前記複数の小片部分を折り上げて足の踵の周辺領域に貼った際に前記複数の小片部分の前記切込み側端部に、互いに重なり合う重なり部をそれぞれ設けた絆創膏。
(36) (35)の絆創膏を切離部を介して連続させたものを芯に巻きつけてなる、絆創膏ロール。
(37)~(40) 無
【0145】
(41) シート状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、該粘着層に貼付された剥離紙と、を含む枚葉型絆創膏であって、前記基材に、前記基材の長手方向の適宜間隔で、幅方向の一方の側面から該幅方向の途中まで、複数の切込みを入れた、踵保護用絆創膏。
(42) 前記基材の前記複数の切込みが入れてある側の一方側部分を踵の底部に貼る部分とし、前記基材の前記複数の切込みが入れてない側の他方側部分を踵の周側部に貼る部分とした、(41)に記載の踵保護用絆創膏。
(43) 前記剥離紙に、前記基材の幅方向に複数の切込みを入れた、(42)に記載の踵保護用絆創膏。
この絆創膏では、剥離紙は、1枚又は複数枚であってもよく、複数の切込みは、基材の幅方向の一部または全部に延びるものであっても良い。とくに剥離紙が1枚ものである場合には、複数の切込みを、基材の幅方向の全部に延びるように入れて、該剥離紙を後述するように複数の剥離紙片に分割することができる。
(44) 前記剥離紙は、複数の剥離紙片からなり、該複数の剥離紙片を、前記基材の長手方向に並べて配置した、(42)に記載の踵保護用絆創膏。
この絆創膏では、長手方向に、元々複数の剥離紙片に分離されているので、剥離紙に切込みを入れる必要がない。使用に際しては、例えば中央側の剥離紙片から剥がして基材の中央側部分を露出させて踵に貼ることができる。
(45) 前記剥離紙は、複数の剥離紙片からなり、該複数の剥離紙片を、前記基材の幅方向に並べて配置し、前記複数の剥離紙片の一方側の剥離紙片に、前記複数の切込みを入れて、前記一方側の剥離紙片を複数の剥離紙片部に切り離した、(42)に記載の踵保護用絆創膏。
この絆創膏では、一方側の剥離紙片を複数の剥離紙片部に切り離したが、本発明では、これに限らず、他方側の剥離紙片を複数の剥離紙片部に切り離しても勿論良い。この場合は、他方側の剥離紙片は、幅方向に切込みを入れて、長手方向に複数に分離しても良い。その分離数は2つまたはそれ以上でも良い。
なお、剥離紙片に入れる切込みの一部又は全部は、略直線状でも、波形状でも、ジグザグ状として良く、また、他方の剥離紙片側に一部が侵入する曲線状としても良い。
また、本発明は、この絆創膏に限らず、他方側の剥離紙片と、一方側の剥離紙片の中央側の剥離紙片部を切り離さないで、T字形状の剥離紙とし、前記基材から他方側の剥離紙片を剥がすときには、同時に、一方側の剥離紙片の中央側の剥離紙片部も剥がされるようにすることができる。
(46) 前記一方側の剥離紙片に入れた切込みを、前記基材の切込みに対応させて形成した、(45)に記載の踵保護用絆創膏。
この絆創膏では、前記一方側の剥離紙片と前記基材に、対応する同位置に同数の切込みを入れるので、それぞれに同時に切込みを入れることが容易になる。
(47) 前記複数の剥離紙片は、該複数の剥離紙片の出会う側の端部にそれぞれ互いに重なり合う重ね合わせ部を設け、さらに、これらの重ね合わせ部のうち内側に位置する側の重ね合わせ部の先端部を折り返してつまみ部を設けた、(44)に記載の踵保護用絆創膏。
(48) 前記複数の剥離紙片は、該複数の剥離紙片の出会う側の端部にそれぞれ互いに重なり合う重ね合わせ部を設け、さらに、これらの重ね合わせ部のうち内側に位置する側の重ね合わせ部の先端部を折り返してつまみ部を設けた、(45)又は(46)に記載の踵保護用絆創膏。
(49) 前記複数の剥離紙片は、該複数の剥離紙片の出会う側の端部にそれぞれ互いに重なり合う重ね合わせ部を設け、さらに、これらの重ね合わせ部のうち内側に位置する側の重ね合わせ部の先端部を折り返してつまみ部を設けた、(48)に記載の踵保護用絆創膏。
(50) 前記複数の剥離紙片は、前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片に、前記つまみ部の折返し部まで延びる切込みを入れて前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片を複数の剥離紙片部に切り離した、(49)に記載の踵保護用絆創膏。
(51) 前記基材の一方端側部分を前記複数の切込みにより中央片とその両側の側片とに切り離し、前記剥離紙の一方端側の剥離紙片を前記複数の切込みにより中央側の剥離紙片部とその両側の剥離紙片部とに切り離した、(50)に記載の踵保護用絆創膏。
(52) 前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片の中央側の剥離紙片部を剥がすことにより、前記基材の中央片を露出させ、前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片の側方の剥離紙片部を剥がすことにより、前記基材の側片を露出させる、(51)に記載の踵保護用絆創膏。
(53) テープ状の基材と、該基材の一面に塗布された粘着層と、円筒状の芯と、を含み、前記粘着層側が内側になるように前記基材が前記芯に券回された巻回テープ型絆創膏であって、前記基材の長手方向の適宜間隔で前記基材の幅方向の一方の側面端から該幅方向の略中央まで切込みを入れるとともに、前記基材の長手方向の適宜間隔毎に前記基材の長手方向の適宜間隔で切り離し用のミシン目を入れたことを特徴とする、踵保護用絆創膏。
(54) 前記基材の前記切込みの終端部に円形の小穴を設けた、前記いずれかに記載の踵保護用絆創膏。
(55) 前記基材の前記切込みの始端部側に切残部を設けた、前記いずれかに記載の踵保護用絆創膏。
(56) 前記いずれかに記載の絆創膏を製造する方法であって、前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片に、前記基材の前記複数の切込みに合わせて前記つまみ部の折返し部まで延びる切込みを入れて前記つまみ部を有する方の前記剥離紙片を複数の剥離紙片部に分断する工程を含む、踵保護用絆創膏の製造方法。
(57) 帯状の基材上に帯状の粘着層を介して帯状の剥離紙が貼付された帯状の絆創膏素材を形成する工程であって、前記帯状の剥離紙は一対の帯状の剥離紙片からなり、該一対の帯状の剥離紙片は、前記帯状の基材の幅方向の両端側からその略中央付近で出会うように幅方向に並べて配置され、幅方向の端部同士が重なりあって帯状の重ね合わせ部が形成され、前記帯状の重ね合わせ部の内側に位置する前記帯状の剥離紙片の先端部を外側に折り返して帯状のつまみ部が形成されたものである工程と、前記帯状の基材と少なくとも前記帯状のつまみ部を有する方の前記帯状の剥離紙片に、前記帯状の基材の幅方向の一方端側からその他方端側に向けて、前記帯状のつまみ部の折り返し部まで切込みを入れる工程と、前記帯状の絆創膏素材を長手方向の所定間隔で切断して、一度に複数の絆創膏を形成する工程とを含む、(56)に記載の踵保護用絆創膏の製造方法。
(58) 幅広のシート状の基材上に粘着層を介して幅広のシート状の剥離紙が貼付された幅広のシート状の絆創膏素材を形成する工程であって、
前記幅広のシート状の剥離紙は、前記幅広のシート状の基材の幅方向に並べて配置された複数対の帯状の剥離紙片からなり、各一対の帯状の剥離紙片は、幅方向の端部同士が重なり合って重ね合わせ部を形成するように配置され、前記帯状の重ね合わせ部の内側に位置する前記帯状の剥離紙片の先端部が外側に折り返されて帯状のつまみ部が形成されたものとする工程と、
前記幅広のシート状の基材と少なくとも前記帯状のつまみ部を有する側の帯状の剥離紙片に、前記帯状のつまみ部を有する側の帯状の剥離紙片の一方端側から前記帯状のつまみ部の折り返し部まで切込みを入れる工程と、
次いで、前記幅広のシート状の絆創膏素材を縦横方向に所定間隔で切断して、一度に複数の絆創膏を形成する工程とを含む、(57)に記載の踵保護用絆創膏の製造方法。
(59) 前記幅広のシート状の剥離紙は、前記つまみ部を有する剥離紙片同士を互いに向かい合わせて連続するように一体に形成した第2の剥離紙片と、前記つまみ部を有さない剥離紙片同士を互いに向かい合わせて連続するように一体に形成した第1の剥離紙片とを複数交互に配置したものである、(58)に記載の踵保護用絆創膏の製造方法。
(60) 前記幅広のシート状の剥離紙は、前記つまみ部を有する剥離紙片と前記つまみ部を有さない剥離紙片を連続するように一体に形成した第3の剥離紙片を複数配置したものである、(58)に記載の踵保護用絆創膏の製造方法。
(61) (53)に記載の絆創膏を製造する方法であって、幅広のシート状の基材と、該幅広のシート状の基材の一面に塗布された粘着層と、を含む幅広のテープ状の絆創膏素材を形成する工程と、前記幅広のテープ状の絆創膏素材に、該素材の幅方向に延びる一定長さの切込みを、該素材の幅方向の複数箇所に、それぞれ該素材の長手方向に分布するように列状に形成する工程と、前記素材を芯材に巻取ってロール状絆創膏素材を形成する工程と、該ロール状絆創膏素材を所定間隔で切断して、一度に複数個の絆創膏を形成する工程とを含む、踵保護用絆創膏の製造方法。
【符号の説明】
【0146】
10 絆創膏
11 基材
11a 一方端
11c 小穴
11d 他方端
11e 他方端側部分
11f 一方端側部分
11f-1 小片部分(中央片)
11f-2 小片部分(側片)
11g 切残部
11h 切断ライン
11i 重なり部
11i-1 第1の重なり部
11i-2 第2の重なり部
12 粘着層
13 剥離紙
13a,13b 剥離紙片(樹脂シート片)
13A T字状の剥離紙片(樹脂シート片)
13b-1 中央片(剥離紙小片部分,樹脂シート片部)
13b-2 側片(剥離紙小片部分,樹脂シート片部)
13c,13d 重ね合わせ部
13e,13f つまみ部
13g 折り返し部
13h,13k 出会う側端部
13p 境界ライン
13s 切込み
13t 切込み
14 切込み
20 ロール状絆創膏
21 基材
21a 一方端
21b 切込み
21c 小穴
21d 側面
22 粘着層
23 芯
24 切離部(切断ライン、ミシン目)
40 踵
40a 踵周縁部
40b 踵の周側部
40c 踵の底部
50 絆創膏
60 帯状の絆創膏素材
61 帯状の基材
61a 一方端
61b 他方端
61e 他方端側部分
61f 一方端側部分
62 帯状の粘着層
63 帯状の剥離紙
63a,63b 帯状の剥離紙片
63c,63d 帯状の重ね合わせ部
63e,63f 帯状のつまみ部
63g 帯状のつまみ部
64 切込み
65 切断ライン
70 幅広のシート状の絆創膏素材
71 幅広のシート状の基材
72 幅広のシート状の粘着層
73 幅広のシート状の剥離紙
73a,73b 帯状の剥離紙片
73A 幅広の帯状の第1の剥離紙片
73B 幅広の帯状の第2の剥離紙片
73C 幅広の帯状の第3の剥離紙片
73c,73d 帯状の重ね合わせ部
73e,73f 帯状つまみ部
73g 折り返し部
74,75 切断ライン
77 切込み
78 切残部
80 ロール状の絆創膏素材
81 シート状の基材
82 シート状の粘着層
83 長芯材
84,85 切断ライン
110 踵保護用絆創膏
111 基材
111a 第1の領域部分
111b 第2の領域部分
111b-1 小片部分
111b-2 小片部分
111b-3 小片部分
111c 前方縁辺
111d 周縁辺
111f 斜辺
111g 後方縁辺
111h 側縁辺
111i 重なり部
111i-1 第1の重なり部
111i-2 第2の重なり部
111j 前方角部
111s 後方角部
111w 後方延設部
112 粘着層
114 切込み
115,116 マーク
117 剥離紙
117a,117b 剥離紙片
118 切残部
119 切取線
120 絆創膏ロール
121 基材テープ
122 粘着層
123 円筒状の芯
124 切離部
140 踵
140b 周辺領域(周側部)
140c 底領域(底部)