(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099898
(43)【公開日】2023-07-14
(54)【発明の名称】鋼板の箱型板材内にバサモルタルを充填して造る耐火階段。
(51)【国際特許分類】
E04F 11/104 20060101AFI20230707BHJP
【FI】
E04F11/104
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000073
(22)【出願日】2022-01-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】502145830
【氏名又は名称】美藤 雅康
(72)【発明者】
【氏名】美藤雅康
(72)【発明者】
【氏名】美藤町子
(72)【発明者】
【氏名】北村知世
(72)【発明者】
【氏名】横畑直世
【テーマコード(参考)】
2E301
【Fターム(参考)】
2E301CC11
2E301CC44
2E301CC45
2E301CC47
2E301CD21
2E301DD15
2E301DD16
2E301DD26
2E301DD72
2E301DD92
(57)【要約】
【課題】本発明は、迅速且つ容易に造れて工事費も安価に造れる、鋼板の箱型板材内にバサモルタルを充填して造る耐火階段を提供する。
【解決手段】
鋼板1で上部に開口部2を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材3、該箱型材3の壁固定部に補強板4を添え固定して複数のビス穴5を開けて、底板の上に複数の穴を設けた補強材6を固定して成る箱型段板材A、該箱型段板材Aを複数用いて、該箱型段板材A各々の前記壁固定部をビス7で壁に固定して箱型段板材Aの階段を成し、前記箱型段板材A内にバサモルタル8を充填して、天端を鏝9で均してバサモルタル8の凝固によって耐火構造の階段Cを形成することを特徴とする鋼板の箱型板材内にバサモルタルを充填して造る耐火階段。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼板で上部に開口部を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材、該箱型材の壁固定部に補強板を添え固定して複数のビス穴を開けて、底板の上に複数の穴を設けた補強材を固定して成る箱型段板材、該箱型段板材を複数用いて、該箱型段板材各々の前記壁固定部をビスで壁に固定して箱型段板材の階段を成し、前記箱型段板材内にバサモルタルを充填して、天端を鏝で均してバサモルタルの凝固によって耐火構造の階段を形成することを特徴とする鋼板の箱型板材内にバサモルタルを充填して造る耐火階段。
【請求項2】
鋼板で上部に開口部を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材、該箱型材の壁固定部に補強板を添え固定して複数のビス穴を開けて、底板の上に複数の穴を設けた補強材を固定して成る箱型段板材又は箱型の踊り場板材、該箱型段板材又は箱型の踊り場板材の、前記壁固定部をビスで壁に固定して、箱型段板材又は箱型の踊り場板材内にバサモルタルを充填することで、箱型段板材又は箱型の踊り場板材が、前記複数の穴を設けた補強材が一体ととなって、前記箱型段板材又は箱型の踊り場板材の強度が増すことを特徴とする鋼板の箱型板材内にバサモルタルを充填して造る耐火階段。
【請求項3】
鋼板で上部に開口部を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材、該箱型材の壁固定部に補強板を添え固定して複数のビス穴を開けて、底板の上に複数の穴を設けた複数の補強材を固定して成る箱型の踊り場板材、該箱型の踊り場板材を、前記壁固定部をビスで壁に固定して箱型の踊り場板材を成し、前記箱型の踊り場板材内にバサモルタルを充填して、天端を鏝で均してバサモルタルの凝固によって耐火構造の踊り場を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼板の箱型板材内にバサモルタルを充填して造る耐火階段。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多層階の防災住宅や防災構築物に取付ける耐火階段で、鋼板の箱型板材内にコンクリートを充填して造る耐火階段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の簡易耐火構造や耐火構造の防災住宅や防災構築物の階段は、簡易耐火構造の階段は厚い鋼板が主に使用され、耐火構造の階段は鉄筋コンクリート造で造られている。
【0003】
簡易耐火構造構築物の階段に使用している厚い鋼板は鉄が大半である。
【0004】
耐火構造構築物(鉄筋コンクリート造)の階段は躯体と一体の構造で造られている。
【0005】
しかしながら、簡易耐火構造構築物の階段や耐火構造構築物(鉄筋コンクリート造)の階段には、いずれも致命的な欠点があるのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【0007】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
在来の簡易耐火構造構築物の階段や耐火構造構築物の階段には次の課題があった。
〇鉄で造る簡易耐火構造の階段は鉄が錆びる課題。
〇躯体と同じ鉄筋コンクリート造で造る階段は工期が長く工事費が高くつく課題。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みて、迅速且つ容易に造れて工事費も安価に造れる、鋼板の箱型板材内にバサモルタルを充填して造る耐火階段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、鋼板で上部に開口部を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材、該箱型材の壁固定部に補強板を添え固定して複数のビス穴を開けて、底板の上に複数の穴を設けた補強材を固定して成る箱型段板材、該箱型段板材を複数用いて、該箱型段板材各々の前記壁固定部をビスで壁に固定して箱型段板材の階段を成し、前記箱型段板材内にバサモルタルを充填して、天端を鏝で均してバサモルタルの凝固によって耐火構造の階段を形成することを特徴とする鋼板の箱型板材内にバサモルタルを充填して造る耐火階段(請求項1)を提供する。
【0011】
鋼板で上部に開口部を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材、該箱型材の壁固定部に補強板を添え固定して複数のビス穴を開けて、底板の上に複数の穴を設けた補強材を固定して成る箱型段板材又は箱型の踊り場板材、該箱型段板材又は箱型の踊り場板材の、前記壁固定部をビスで壁に固定して、箱型段板材又は箱型の踊り場板材内にバサモルタルを充填することで、箱型段板材又は箱型の踊り場板材が、前記複数の穴を設けた補強材が一体ととなって、前記箱型段板材又は箱型の踊り場板材の強度が増すことを特徴とする鋼板の箱型板材内にコンクリートを充填して造る耐火階段(請求項2)を提供する。
【0012】
鋼板で上部に開口部を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材、該箱型材の壁固定部に補強板を添え固定して複数のビス穴を開けて、底板の上に複数の穴を設けた複数の補強材を固定して成る箱型の踊り場板材、該箱型の踊り場板材を、前記壁固定部をビスで壁に固定して箱型の踊り場板材を成し、前記箱型の踊り場板材内にバサモルタルを充填して、天端を鏝で均してバサモルタルの凝固によって耐火構造の踊り場を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼板の箱型板材内にバサモルタルを充填して造る耐火階段(請求項3)を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の特筆すべき大きな効果を列挙する。
イ)成型部材で造る多層階の構築物の場合、仮設階段として活用ができる。
ロ)迅速且つ容易に取付けることが可能である。
ハ)箱型段板材や箱型の踊り場板材の量産が可能である。
二)箱型段板材や箱型の踊り場板材は軽量で作業性に優れている。
ホ)バサモルタルの注入で耐火階段となる。
【0014】
以上で説明したように、請求項1に係る発明によれば、鋼板で上部に開口部を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材、該箱型材の壁固定部に補強板を添え固定して複数のビス穴を開けて、底板の上に複数の穴を設けた補強材を固定して成る箱型段板材、該箱型段板材を複数用いて、該箱型段板材各々の前記壁固定部をビスで壁に固定して箱型段板材の階段を成し、前記箱型段板材内にバサモルタルを充填して、天端を鏝で均してバサモルタルの凝固によって耐火構造の階段を形成することで、前記特筆の効果が得られる
【0015】
請求項2に係る発明によれば、鋼板で上部に開口部を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材、該箱型材の壁固定部に補強板を添え固定して複数のビス穴を開けて、底板の上に複数の穴を設けた補強材を固定して成る箱型段板材又は箱型の踊り場板材、該箱型段板材又は箱型の踊り場板材の、前記壁固定部をビスで壁に固定して、箱型段板材又は箱型の踊り場板材内にバサモルタルを充填することで、箱型段板材又は箱型の踊り場板材が、前記複数の穴を設けた補強材が一体ととなって、前記箱型段板材又は箱型の踊り場板材の強度が増す効果が得られる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、鋼板で上部に開口部を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材、該箱型材の壁固定部に補強板を添え固定して複数のビス穴を開けて、底板の上に複数の穴を設けた複数の補強材を固定して成る箱型の踊り場板材、該箱型の踊り場板材を、前記壁固定部をビスで壁に固定して箱型の踊り場板材を成し、前記箱型の踊り場板材内にバサモルタルを充填して、天端を鏝で均してバサモルタルの凝固によって耐火構造の踊り場を形成することで、前記特筆の効果が得られる
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態は添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
【0019】
本発明の実施形態を図面で詳細説明すれば、
図1は、0.35mm厚の鋼板1で上部に開口部2を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材3、該箱型材3の壁固定部に3.2mm厚の補強板4を添え固定して複数のビス穴5を開けて、底板の上に複数の角穴を設けた3.2mm厚の補強材6を固定して成る箱型段板材A、該箱型段板材Aを複数用いて、該箱型段板材A各々の前記壁固定部をビス7で壁に固定して箱型段板材Aの階段を成し、前記箱型段板材A内にバサモルタル8を充填して、天端を鏝9で均してバサモルタル8の凝固によって耐火構造の階段Cを形成することで、迅速且つ容易に低コストで耐火階段が造れる本発明に係る直階段の断面図である。
【0020】
【0021】
図3は、箱型踊り場板材を示した曲がり階段の断面図である。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
以上、図面について説明したが、本発明は、防災構築物の耐火階段が迅速且つ容易に造れて工事費も安価に造れる、鋼板の箱型板材内にバサモルタルを充填して造る耐火階段を提供するものである。
【0031】
【実施例0032】
0.35mm厚の鋼板1で上部に開口部2を設けて箱型に曲げ加工して成る階段の箱型材3、該箱型材3の壁固定部に3.2mm厚の補強板4を添え固定して複数のビス穴5を開けて、底板の上に複数の角穴を設けた3.2mm厚の補強材6を固定して成る箱型段板材A、該箱型段板材Aを複数用いて、該箱型段板材A各々の前記壁固定部をビス7で壁に固定して箱型段板材Aの階段を成し、前記箱型段板材A内にバサモルタル8を充填して、天端を鏝9で均してバサモルタル8の凝固によって耐火構造の階段Cを形成することで、迅速且つ容易に低コストで耐火階段が造れる。
異常気象で多発する自然災害の悲惨な被災報道が日常化する中で、我が国の防災化は喫緊の課題であるが、我が国で唯一防災構築物が造れる鉄筋コンクリート造は、高コストで防災構築物を迅速に建設推進することは不可能である。本発明者が開発した特許第6688960号で造る防災住宅に、本発明の鋼板の箱型板材内にバサモルタルを充填して造る耐火階段を搭載することで、迅速且つ容易に低コストで防災住宅が造れることになり、防災住宅を全国へ普及することで、我が国の防災化は確実に推進できる、その効果は多大である。
1. 鋼板
2. 開口部
3. 箱型材
4. 補強板
5. ビス穴
6. 補強材
7. ビス
8. バサモルタル
9. 鏝
10. 蹴込み板
A、箱型段板材
B、箱型踊り場板材
C、耐火構造の階段