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特開2023-99908プリント基板の製造方法、及びプリント基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099908
(43)【公開日】2023-07-14
(54)【発明の名称】プリント基板の製造方法、及びプリント基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/00 20060101AFI20230707BHJP
【FI】
H05K3/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000114
(22)【出願日】2022-01-04
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】下岡 達矢
(57)【要約】
【課題】種類が異なるプリント基板を容易に製造することができるプリント基板の製造方法、及びプリント基板を提供する。
【解決手段】実装工程S20では、AC型プリント基板100Aに対して実装部品8を実装するときと、A型プリント基板100Bに対して実装部品8を実装するときとで、同じ位置に対して実装部品8を配置する。この場合、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとを作り分けておけば、実装工程S20では、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとに対して同一の実装プログラムにて実装部品を実装することが可能となる。これにより、種類が異なるプリント基板100A,100Bを作り分ける際に、実装部品8の実装プログラムを切り替える必要がない。以上より、種類が異なるプリント基板100A,100Bを容易に製造することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漏電遮断器のプリント基板を製造するプリント基板の製造方法であって、
第1のプリント基板、及び第1のプリント基板とは種類が異なる第2のプリント基板の一方のプリント基板を準備するプリント基板準備工程と、
前記一方のプリント基板に対して実装部品を実装する実装工程と、を備え、
前記実装工程では、前記第1のプリント基板に対して前記実装部品を実装するときと、前記第2のプリント基板に対して前記実装部品を実装するときとで、同じ位置に対して前記実装部品を配置する、プリント基板の製造方法。
【請求項2】
前記プリント基板準備工程において、前記第1のプリント基板と前記第2のプリント基板とでは、回路構成、部品構成、及び部品点数を同一として、互いに異なる電路パターンを形成する、請求項1に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項3】
前記プリント基板準備工程において、前記第1のプリント基板と前記第2のプリント基板とでは、互いに異なる外形とする、請求項1又は2に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項4】
前記プリント基板準備工程において、前記第1のプリント基板と前記第2のプリント基板とでは、互いに異なる視覚情報を印刷する、請求項1~3の何れか一項に記載のプリント基板の製造方法。
【請求項5】
漏電遮断器のプリント基板であって、
第1のプリント基板、及び第1のプリント基板とは種類が異なる第2のプリント基板の一方のプリント基板と、
前記一方のプリント基板に対して実装された実装部品と、を備え、
前記実装部品は、前記第1のプリント基板及び前記第2のプリント基板に対して、同じ位置に配置される、プリント基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリント基板の製造方法、及びプリント基板に関する。
【背景技術】
【0002】
漏電遮断器には、正弦波交流電力に漏電が発生した場合にそれを検出するAC型漏電遮断器と、正弦波交流に加えて直流成分を含んだ脈流電流の漏電が発生しても、それを検出できるA型漏電遮断器との2種類がある。例えば、太陽光発電装置を備えた電路は、太陽光発電装置が直流電力を出力するため、交流に変換する前段階で漏電が発生しても、A型漏電遮断器を使用することでそれを良好に検出できる。それでいて、正弦波交流の漏電も検出できるため、AC型漏電遮断器としても使用でき(例えば、特許文献1参照)、設置環境を選ばないため普及が進んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-14478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、A型漏電遮断器は脈流電流による漏電も検出することが求められ、例えば遅れ角135度のような1波あたりの波形が細い電流波形であっても、検出して遮断しなければならないことが求められている(JIS C8201-2-2)。A型漏電遮断器にはこのような能力があるため、同様に1波あたりの波形が細い特性を有するノイズが発生し易い環境では誤動作が生じてしまう。そのため、このような特殊な環境では、A型の漏電遮断器をAC型として使用できなかった。このように、AC型漏電遮断器しか使用できない環境があり、A型漏電遮断器をAC型漏電遮断器として使用できても、AC型漏電遮断器には一定の需要があった。
【0005】
しかしながら、AC型漏電遮断器は市場規模が小さく絶対数が少ないため、製造コストを下げられずA型に比べてコスト高となっていた。一方で、近年AC型漏電判定回路、A型漏電判定回路はIC化されて小型化が進んでおり、双方を同一基板に搭載しても大きなコスト増とはならなくなってきている。
【0006】
ここで、例えば、AC型プリント基板とA型プリント基板を併用した共通プリント基板を準備し、AC型プリント基板に対する実装部品の位置と、A型プリント基板に対する実装部品の位置を異なるものとすることで、AC型プリント基板及びA型プリント基板を製造することができる。しかしながら、このようなプリント基板の製造方法では、実装部品の実装プログラムをAC型プリント基板とA型プリント基板とで変更する必要があり、このときに製造ラインを止める必要が生じていた。従って、種類が異なるプリント基板を容易に製造することが求められていた。
【0007】
本開示は、種類が異なるプリント基板を容易に製造することができるプリント基板の製造方法、及びプリント基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一側面に係るプリント基板の製造方法は、漏電遮断器のプリント基板を製造するプリント基板の製造方法であって、第1のプリント基板、及び第1のプリント基板とは種類が異なる第2のプリント基板の一方のプリント基板を準備するプリント基板準備工程と、一方のプリント基板に対して実装部品を実装する実装工程と、を備え、実装工程では、第1のプリント基板に対して実装部品を実装するときと、第2のプリント基板に対して実装部品を実装するときとで、同じ位置に対して実装部品を配置する。
【0009】
このプリント基板の製造方法によれば、実装工程では、第1のプリント基板に対して実装部品を実装するときと、第2のプリント基板に対して実装部品を実装するときとで、同じ位置に対して実装部品を配置する。この場合、第1のプリント基板と第2のプリント基板とを作り分けておけば、実装工程では、第1のプリント基板と第2のプリント基板とに対して同一の実装プログラムにて実装部品を実装することが可能となる。これにより、種類が異なるプリント基板を作り分ける際に、実装部品の実装プログラムを切り替える必要がない。以上より、種類が異なるプリント基板を容易に製造することができる。
【0010】
プリント基板準備工程において、第1のプリント基板と第2のプリント基板とでは、回路構成、部品構成、及び部品点数を同一として、互いに異なる電路パターンを形成してよい。この場合、第1のプリント基板と第2のプリント基板とで電路パターンを分けることで、同一の実装プログラムにてプリント基板を製造することができる。
【0011】
プリント基板準備工程において、第1のプリント基板と第2のプリント基板とでは、互いに異なる外形としてよい。この場合、第1のプリント基板と第2のプリント基板とを、外形によって視覚的に容易に識別することができる。
【0012】
プリント基板準備工程において、第1のプリント基板と第2のプリント基板とでは、互いに異なる視覚情報を印刷してよい。この場合、第1のプリント基板と第2のプリント基板とを、視覚情報によって視覚的に容易に識別することができる。
【0013】
本発明の一側面に係るプリント基板は、漏電遮断器のプリント基板であって、第1のプリント基板、及び第1のプリント基板とは種類が異なる第2のプリント基板の一方のプリント基板と、一方のプリント基板に対して実装された実装部品と、を備え、実装部品は、第1のプリント基板及び第2のプリント基板に対して、同じ位置に配置される。
【0014】
このプリント基板によれば、上述のプリント基板の製造方法と同様な作用・効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示に係るプリント基板の製造方法、及びプリント基板によれば、種類が異なるプリント基板を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る漏電遮断器のプリント基板の一例を示す回路ブロック図である。
図2】本発明に係る漏電遮断器のプリント基板の一例を示す回路ブロック図である。
図3】AC型プリント基板の物理的な構成を示す平面図である。
図4】A型プリント基板の物理的な構成を示す平面図である。
図5】(a)はAC型プリント基板の概略平面図であり、(b)はA型プリント基板の概略平面図である。
図6】本発明に係るプリント基板の製造方法を示す工程図である。
図7】比較例に係るプリント基板の製造方法を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る実施態を、図面を参照して詳細に説明する。図1及び図2は、本発明に係る漏電遮断器のプリント基板100の一例を示す回路ブロック図であり、3端子を備えた漏電遮断器のプリント基板100A,100Bを示している。図1はAC型プリント基板100A(第1のプリント基板)を示し、図2はA型プリント基板100B(第2のプリント基板)を示す。
【0018】
図1に示すように、電源側端子10、負荷側端子11の間に配置された3本の電路Mに対して漏電遮断回路が組み付けられている。プリント基板100A,100Bは、零相変流器1と、接点2と、引き外しコイル3と、増幅部4と、漏電判定回路(AC型漏電判定回路5a、A型漏電判定回路5b)と、出力部7と、実装部品8と、を備える。
【0019】
零相変流器1は、検知対象の電路Mに設置されて零相電流を出力する変流器である。接点2は、電路Mを開閉する機構である。引き外しコイル3は、接点2を開操作するコイルである。増幅部4は、零相変流器1が出力する零相電流を増幅する。漏電判定回路5は、導電の発生を判定する回路である。漏電判定回路5aは、AC型プリント基板100Aの漏電を判定するAC型漏電判定回路5aと、A型プリント基板100Bの漏電を判定するA型漏電判定回路5bと、を備える。出力部7は、引き外しコイル3を駆動する。実装部品8は、プリント基板100に実装される部品である。
【0020】
AC型漏電判定回路5aは、交流電流の漏電を検出して判定する。A型漏電判定回路5bは、直流成分を含む脈流電流の漏電を検出して判定する。AC型漏電判定回路5a及びA型漏電判定回路5bは、それぞれIC化されており、図示しない電源回路から電源が供給される。また、AC型漏電判定回路5a及びA型漏電判定回路5bは、並列に配置されて、増幅部4で増幅された零相電流情報が2分岐されてそれぞれに入力されるよう構成されている。零相電流情報が入力された漏電判定回路5は、入力された漏電電流情報の大きさがそれぞれの回路で設定されている閾値を超えたら漏電発生と判断する。
【0021】
漏電判定回路5は漏電発生と判断すると出力部7へ指令信号を送信する。出力部7は、引き外しコイル3を駆動させて、接点2を開とする。これにより、電源側端子10と負荷側端子11とが電気的に切断される。
【0022】
図1に示すように、AC型プリント基板100Aは、増幅部4と実装部品8とを電気的に接続するラインL1と、実装部品8とAC型漏電判定回路5aとを電気的に接続するラインL2と、を備える。これにより、増幅部4とAC型漏電判定回路5aとがラインL1、実装部品8、及びラインL2を介して接続される。AC型プリント基板100Aは、実装部品8とA型漏電判定回路5bとを電気的に接続するラインL3(図2参照)を有していない。
【0023】
図3を参照して、AC型プリント基板100Aの物理的な構成について説明する。図3に示すように、AC型プリント基板100Aは、回路基板20と、IC素子21と、電路パターン22A,22B,22Dと、実装部品8と、を備える。なお、図3は、AC型プリント基板100Aの一部のみを表示しており、他の電路パターンや実装される電子部品は省略されている。
【0024】
回路基板20は、AC型プリント基板100Aのベース部材となる板状部材である。回路基板20の上面には、AC型プリント基板100Aの電路パターンが印刷されると共に、各電子部品が実装される。IC素子21は、前述の増幅部4の回路と、A型判定回路5bと、AC型判定回路5aを内部に含む素子である。また、IC素子21は、第1の端子23Aと、第2の端子23Bと、第3の端子23Cと、第4の端子23Dと、を備える。第1の端子23Aは、IC素子21の内部の電源電圧供給の回路と接続されている。第2の端子23Bは、IC素子21の内部の増幅部4の回路に接続されている。第3の端子23Cは、IC素子21の内部のA型判定回路5bと接続されている。第4の端子23Dは、IC素子21の内部のAC型判定回路5aと接続されている。なお、端子23A~23Dが並ぶ方向をY軸方向とし、Y軸方向と直交する方向をX軸方向とする。
【0025】
電路パターン22A,22B,22Dは、回路基板20の上面に導体材料を印刷することによって形成される。電路パターン22Aは、第1の端子23AからX軸方向に沿って延びる。電路パターン22AはラインL1(図1図2参照)に対応する。電路パターン22Bは、第2の端子23BからX軸方向に沿って延びる部分22Baと、当該部分22Baの先端からY軸方向に沿って延びる部分22Bbと、を有する。電路パターン22Dは、第4の端子23DからX軸方向に沿って延びる。電路パターン22Dは、ラインL2(図1参照)に対応する。電路パターン22Bの部分22Bbの先端22Bcと、電路パターン22Dの先端22Daとは、X軸方向に互いに離間するように配置される。
【0026】
実装部品8は、回路基板20の上面において、電路パターン22Bと、電路パターン22Dと、に電気的に接続される。実装部品8は、例えば抵抗チップなどの電子部品によって構成される。実装部品8は、一方の端子8aと、他方の端子8bと、を備える。実装部品8は、回路基板20上の実装位置PG1に実装される。実装部品8の端子8aは、電路パターン22Bの部分22Bbの先端22Bcに接続される。実装部品8の端子8bは、電路パターン22Dの先端22Daに接続される。
【0027】
図2に示すように、A型プリント基板100Bは、増幅部4と実装部品8とを電気的に接続するラインL1と、実装部品8とA型漏電判定回路5bとを電気的に接続するラインL3と、を備える。これにより、増幅部4とA型漏電判定回路5bとがラインL1、実装部品8、及びラインL3を介して接続される。A型プリント基板100Bは、実装部品8とAC型漏電判定回路5aとを電気的に接続するラインL2(図1参照)を有していない。
【0028】
図4を参照して、A型プリント基板100Bの物理的な構成について説明する。図4に示すように、A型プリント基板100Bは、回路基板20と、IC素子21と、電路パターン22A,22B,22Cと、実装部品8と、を備える。なお、図4は、A型プリント基板100Bの一部のみを表示しており、他の電路パターンや実装される電子部品は省略されている。
【0029】
A型プリント基板100Bは、AC型プリント基板100Aと同様な回路基板20、IC素子21、及び電路パターン22A,22Bを有する。電路パターン22Cは、第3の端子23CからX軸方向に沿って延びる部分22Caと、部分22Caの先端からY軸方向に沿って延びる部分22Cbと、部分22Cbの先端からX軸方向に沿って延びる部分22Ccと、を有する。電路パターン22Cは、ラインL3(図2参照)に対応する。電路パターン22Bの部分22Bbの先端22Bcと、電路パターン22Cの部分22cの先端22Cdとは、X軸方向に互いに離間するように配置される。
【0030】
実装部品8は、回路基板20の上面において、電路パターン22Bと、電路パターン22Cと、に電気的に接続される。実装部品8は、回路基板20上の実装位置PG2に実装される。実装部品8の端子8aは、電路パターン22Bの部分22Bbの先端22Bcに接続される。実装部品8の端子8bは、電路パターン22Cの先端22Cdに接続される。
【0031】
以上のように、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとでは、(ラインL2,L3を除く)回路構成、部品構成、及び部品点数が同一であり、互いに異なる電路パターンを有する。AC型プリント基板100Aは電路パターン22Dを有して電路パターン22Cを有しておらず、A型プリント基板100Bは電路パターン22Cを有して電路パターン22Dを有していない点で、互いに電路パターンが異なっている。
【0032】
実装部品8は、AC型プリント基板100A及びA型プリント基板100Bに対して、同じ位置に配置される。すなわち、AC型プリント基板100Aに設定される実装部品8の実装位置PG1と、A型プリント基板100Bに設定される実装部品8の実装位置PG2とは、同じ位置である。回路基板20の基準位置を原点としてXY座標を設定した場合、AC型プリント基板100Aの実装部品8の基準位置の座標と、A型プリント基板100Bの実装部品8の基準位置の座標とは、同じである。
【0033】
図5に示すように、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとでは、互いに異なる外形を有する。図5(a)に示すAC型プリント基板100Aの回路基板20の外形は長方形である。図5(b)に示すA型プリント基板100Bの回路基板20の外形は角部が切り欠かれた形状を有している。ただし、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bをどのように異なる形状とするかは特に限定されない。また、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとでは、互いに異なる視覚情報が印刷されている。視覚情報は、プリント基板100の種類を視覚的に識別できる情報であれば特に限定されないが、文字による情報、記号による情報などが採用されてよい。例えば、図5(a)に示すAC型プリント基板100Aの回路基板20には「AC型」と記載されている。図5(b)に示すA型プリント基板100Bの回路基板20には「A型」と記載されている。
【0034】
次に、図6を参照して本発明の実施形態に係るプリント基板100の製造方法について説明する。
【0035】
図6に示すように、まず、AC型プリント基板100A、及びAC型プリント基板100Aとは種類が異なるA型プリント基板100Bの一方のプリント基板100を準備するプリント基板準備工程を実行する(ステップS10)。次に、一方のプリント基板100に対して実装部品8を実装する実装工程を実行する(ステップS20)。
【0036】
実装工程S20では、実装装置に実装部品8をセットする工程を実行する(ステップS30)。次に、実装工程S20では、実装部品8の実装プログラムを実行する(ステップS40)。これにより、AC型プリント基板100A及びA型プリント基板100Bの一方のプリント基板100が完成する(ステップS50)。
【0037】
AC型プリント基板100A及びA型プリント基板100Bの他方のプリント基板100を製造するときは、プリント基板準備工程S10において、他方のプリント基板100を準備する。プリント基板準備工程S100において、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとでは、回路構成、部品構成、及び部品点数を同一として、互いに異なる電路パターンを形成する。
【0038】
ここで、実装工程S20では、AC型プリント基板100Aに対して実装部品8を実装するときと、A型プリント基板100Bに対して実装部品8を実装するときとで、同じ位置に対して実装部品8を配置する。従って、ステップS40では、AC型プリント基板100AとA型プリント100Bとで同じ実装プログラムを用いることができる。
【0039】
次に、本実施形態に係るプリント基板の製造方法、及びプリント基板の作用・効果について説明する。
【0040】
まず、図7を参照して、比較例に係るプリント基板の製造方法について説明する。比較例に係るプリント基板の製造方法は、AC型とA型とで共通のプリント基板を準備し、当該共通プリント基板に対する実装部品の実装位置を変更することで、AC型プリント基板とA型プリント基板を作り替える。図7に示すように、まず、共通プリント基板を準備するプリント基板準備工程を実行する(ステップS110)。次に、実装装置に実装部品をセットする工程を実行する(ステップS120)。次に、AC型プリント基板を製造するための実装部品のAC型実装プログラムを実行する(ステップS130)。これにより、AC型プリント基板が完成する(ステップS140)。次に、A型プリント基板を製造するために、共通プリント基板を準備するプリント基板準備工程を実行する(ステップS150)。次に、実装装置に実装部品をセットする工程を実行する(ステップS160)。次に、A型プリント基板を製造するための実装部品のA型実装プログラムを実行する(ステップS170)。これにより、A型プリント基板が完成する(ステップS180)。
【0041】
一方、本実施形態に係るプリント基板100の製造方法によれば、実装工程S20では、AC型プリント基板100Aに対して実装部品8を実装するときと、A型プリント基板100Bに対して実装部品8を実装するときとで、同じ位置に対して実装部品8を配置する。この場合、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとを作り分けておけば、実装工程S20では、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとに対して同一の実装プログラムにて実装部品を実装することが可能となる。これにより、種類が異なるプリント基板100A,100Bを作り分ける際に、実装部品8の実装プログラムを切り替える必要がない。以上より、種類が異なるプリント基板100A,100Bを容易に製造することができる。従って、製造上のコストダウンが見込むことができ、生産数量の少ない方の機種も安価に提供できる。
【0042】
プリント基板準備工程S10において、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとでは、回路構成、部品構成、及び部品点数を同一として、互いに異なる電路パターンを形成してよい。この場合、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとで電路パターンを分けることで、同一の実装プログラムにてプリント基板100A,100Bを製造することができる。
【0043】
プリント基板準備工程S10において、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとでは、互いに異なる外形としてよい。この場合、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとを、外形によって視覚的に容易に識別することができる。
【0044】
プリント基板準備工程S10において、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとでは、互いに異なる視覚情報を印刷してよい。この場合、AC型プリント基板100AとA型プリント基板100Bとを、視覚情報によって視覚的に容易に識別することができる。
【0045】
本実施形態に係るプリント基板100は、漏電遮断器のプリント基板100であって、AC型プリント基板100A、及びAC型プリント基板100Aとは種類が異なるA型プリント基板100Bの一方のプリント基板100と、一方のプリント基板100に対して実装された実装部品8と、を備え、実装部品8は、AC型プリント基板100A及びA型プリント基板100Bに対して、同じ位置に配置される。
【0046】
このプリント基板100によれば、上述のプリント基板100の製造方法と同様な作用・効果を得ることができる。
【0047】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0048】
例えば、プリント基板の種類の別は、上述の実施形態のように、直流成分が存在する場合の動作による分類だけに限定せず、時延動作による分類、感度電流の大きさによる分類で分けられてもよい。
【符号の説明】
【0049】
8…実装部品、100…プリント基板、100A…AC型プリント基板(第1のプリント基板)、100B…A型プリント基板(第2のプリント基板)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7