特開 2023-99978 搾乳器

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023099978

(43)【公開日】2023-07-14

(54)【発明の名称】搾乳器

(51)【国際特許分類】

   A61M 1/06 20060101AFI20230707BHJP

【ＦＩ】

A61M1/06

【審査請求】未請求

【請求項の数】16

【出願形態】ＯＬ

【外国語出願】

(21)【出願番号】P 2022004657

(22)【出願日】2022-01-14

(31)【優先権主張番号】111100204

(32)【優先日】2022-01-04

(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW

(71)【出願人】

【識別番号】508252837

【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司

【氏名又は名称原語表記】Ｍｉｃｒｏｊｅｔ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ Ｃｏ．，Ｌｔｄ．

【住所又は居所原語表記】ＮＯ． ２８， Ｒ＆Ｄ ２ｎｄ Ｒｄ． Ｓｃｉｅｎｃｅ－Ｂａｓｅｄ Ｉｎｄｕｓｔｒｉａｌ Ｐａｒｋ， Ｈｓｉｎ－Ｃｈｕ， Ｔａｉｗａｎ

(74)【代理人】

【識別番号】110001139

【氏名又は名称】ＳＫ弁理士法人

(74)【代理人】

【識別番号】100130328

【弁理士】

【氏名又は名称】奥野 彰彦

(74)【代理人】

【識別番号】100130672

【弁理士】

【氏名又は名称】伊藤 寛之

(72)【発明者】

【氏名】莫皓然

(72)【発明者】

【氏名】林景松

(72)【発明者】

【氏名】陳智凱

(72)【発明者】

【氏名】楊文陽

(72)【発明者】

【氏名】韓永隆

(72)【発明者】

【氏名】黄啓峰

【テーマコード（参考）】

4C077

【Ｆターム（参考）】

4C077AA22

4C077BB10

4C077DD02

4C077DD11

4C077DD26

4C077HH10

4C077HH15

4C077JJ08

4C077JJ19

4C077KK25

4C077PP14

4C077PP16

(57)【要約】      （修正有）

【課題】吸引圧と自動間欠搾乳動作を実現できる搾乳器を提供する。
【解決手段】挿入空間１１を有する本体１と吸乳シールド２とを備える搾乳器であって、吸乳シールドが挿入空間に組み立てられ、且つ本体に取り外し可能に取り付けられ、前端に縁部２１が設けられ、縁部の中心後端に乳首通路２２が延在し、縁部と乳首通路との間に設けられる接続リング縁部２３に少なくとも１つの変形可能な部材２５が設けられ、変形可能な部材は第１ポンプによって膨張および収縮の動作を実行する。
【選択図】図１Ｆ

【特許請求の範囲】

【請求項1】

使用者の乳房に装着して乳腺から母乳を収集する搾乳器であって、
挿入空間を有する本体と、
前記挿入空間に組み立てられ、前記本体に取り外し可能に取り付けられる、吸乳シールドであって、前端に縁部が設けられ、前記縁部の中心後端部に乳首通路が延在し、前記縁部と前記乳首通路との間に設けられる接続リング縁部に少なくとも１つの変形可能な部材が設けられ、第１ポンプによって前記変形可能な部材の膨張および収縮を制御する、吸乳シールドと、を備えることを特徴とする搾乳器。

【請求項2】

前記第１ポンプが動作すると、前記変形可能な部材が膨張し、前記第１ポンプが停止すると、前記変形可能な部材が自然に収縮し、前記第１ポンプが圧電ポンプ、電動ポンプまたはその組合せである、ことを特徴とする請求項１に記載の搾乳器。

【請求項3】

前記吸乳シールドの各前記変形可能な部材は、前記接続リング縁部の領域において対応する位置に変形不可能な支持部材が設けられ、前記変形不可能な支持部材は半剛性材料で構成されたフランジ構造である、ことを特徴とする請求項１に記載の搾乳器。

【請求項4】

前記変形可能な部材は、シリコーン材料、熱可塑性ポリウレタン（ＴＰＵ）材料またはその組合せである、ことを特徴とする請求項３に記載の搾乳器。

【請求項5】

前記変形可能な部材はエアバッグである、ことを特徴とする請求項３に記載の搾乳器。

【請求項6】

前記吸乳シールドの前記縁部が前記使用者の前記乳房に装着し、前記乳房が前記乳首通路に挿入し、前記第１ポンプの制御によって、前記変形可能な部材が膨張または収縮して前記乳房を圧迫し、前記乳房の前記乳腺から前記母乳を排出させることを刺激する、ことを特徴とする請求項１に記載の搾乳器。

【請求項7】

前記第１ポンプは、第１管路を介して前記変形可能な部材に連通され、前記第１ポンプが駆動すると、前記変形可能な部材内部が空気によって膨張され、前記第１ポンプが駆動しない時、前記変形可能な部材の内部を膨張させた空気が前記第１管路を介して前記第１ポンプに戻し、変形可能な部材の内部が収縮し、前記第１ポンプは、複数直列または複数並列に前記第１管路に取り付けられる、ことを特徴とする請求項１に記載の搾乳器。

【請求項8】

前記吸乳シールドは、透明で且つ剛性または半剛性材料で構成され、前記吸乳シールドの前記縁部は、可撓性材料で構成され、前記本体の前記挿入空間にダイヤフラム溝部が設けられ、前記ダイヤフラム溝部が空気口に連通し、前記空気口は、第２管路を介して、前記挿入空間の外部の第２ポンプに連通し、前記第２ポンプの駆動により生成された負圧が前記ダイヤフラム溝部に伝達する、ことを特徴とする請求項１に記載の搾乳器。

【請求項9】

可撓性ダイヤフラムを備え、前記吸乳シールドの前記縁部の外部に、ダイヤフラム保持部が設けられ、前記ダイヤフラム保持部に負圧口が設けられ、前記負圧口が前記乳首通路に連通され、前記可撓性ダイヤフラムは、前記ダイヤフラム保持部において位置決めして配置され、前記吸乳シールドは、前記本体の前記挿入空間に取り付けられ、前記ダイヤフラム保持部が前記ダイヤフラム溝部に対応して配置されることで、前記可撓性ダイヤフラムは、前記ダイヤフラム保持部と前記ダイヤフラム溝部との間に完全に密閉するように位置決めして取り付けられ、前記第２ポンプの駆動によって生成された負圧吸引力が前記ダイヤフラム溝部に伝達され、前記可撓性ダイヤフラムは、前記ダイヤフラム保持部と前記ダイヤフラム溝部との間に変形し、同じく前記負圧吸引力を生成し、前記負圧口によって、前記乳首通路においても前記負圧吸引力を生成させて搾乳操作を実行する、ことを特徴とする請求項８に記載の搾乳器。

【請求項10】

前記本体の前記挿入空間は開口部を備え、前記吸乳シールドの前記乳首通路は母乳出口を備え、前記母乳出口が前記開口部に対応し、前記本体の底部に母乳容器が取り付けられ、前記本体の前記底部と前記母乳容器との間に接続アセンブリが配置され、前記母乳容器が前記接続アセンブリに対応して位置決めして取り付けられ、前記母乳容器が前記乳首通路の前記母乳出口に対応して流路を形成し、前記乳首通路の前記母乳出口には、ダックビル弁が設けられ、前記母乳が前記乳首通路に流入すると、前記母乳出口を通じて前記ダックビル弁に流れ込むことで、前記ダックビル弁が自動的に開き、前記母乳が前記流路にスムーズに流れ込み、最後に、前記母乳容器に導入されて収集され、前記母乳が前記ダックビル弁に流入しない時、前記ダックビル弁が閉じられ、前記母乳容器中の前記母乳が前記乳首通路の前記母乳出口に逆流するのを防ぐ、ことを特徴とする請求項１に記載の搾乳器。

【請求項11】

前記吸乳シールドの前記乳首通路の後端部に第１センサーが配置され、前記第１センサーが前記乳房が前記母乳を排出するかどうかを検出して前記乳房の前記乳腺が前記母乳を排出しない状態であるかどうかを判断し、前記第１センサーが前記乳房の前記乳腺が前記母乳を排出しない状態であることを判断した場合、前記第１ポンプが動作され、前記変形可能な部材の膨張および収縮の交互の動作を実行して前記乳房を圧迫し、前記乳房の前記乳腺を刺激して前記母乳を排出させる、ことを特徴とする請求項１に記載の搾乳器。

【請求項12】

前記接続リング縁部の領域において前記変形可能な部材に対応する位置に、変形不可能な支持部材が設けられ、前記第１センサーが前記乳房の前記乳腺が前記母乳を排出しない状態であることを検出すると、前記第１ポンプが動作され、前記変形可能な部材の膨張および収縮の交互の動作を実行して前記乳房を圧迫し、前記変形不可能な支持部材と前記変形可能な部材との協動で前記乳房を圧迫し、前記乳房の前記乳腺を刺激して前記母乳を排出させる、ことを特徴とする請求項１１に記載の搾乳器。

【請求項13】

前記流路の周縁に第２センサーが設けられ、前記第２センサーは、前記母乳が前記乳首通路を介して前記流路から流出するかどうかを検出して前記乳房の前記乳腺が前記母乳を排出する状態であるかどうかを判断し、前記第２センサーが前記乳房の前記乳腺が前記母乳を排出しない状態であることを判断した場合、前記第１ポンプが動作され、前記変形可能な部材の膨張および収縮の交互の動作を実行して前記乳房を圧迫し、前記乳房の前記乳腺を刺激して前記母乳を排出させる、ことを特徴とする請求項１０に記載の搾乳器。

【請求項14】

前記接続リング縁部の領域において、前記変形可能な部材に対応する位置に、変形不可能な支持部材が設けられ、前記第２センサーが前記乳房の前記乳腺が前記母乳を排出しない状態であることを検出すると、前記第１ポンプが動作され、前記変形可能な部材の膨張および収縮の交互の動作を実行して前記乳房を圧迫し、前記変形不可能な支持部材と前記変形可能な部材との協動で前記乳房を圧迫し、前記乳房の前記乳腺から前記母乳を排出させる、ことを特徴とする請求項１３に記載の搾乳器。

【請求項15】

前記第２ポンプは、複数直列または複数並列に、前記第２管路において配置され、前記第２ポンプは圧電ポンプ、電動ポンプまたはその組合せである、ことを特徴とする請求項８に記載の搾乳器。

【請求項16】

音声録音再生装置を備え、前記音声録音再生装置は、乳児の音声を録音でき、且つ前記乳児の音声を生成でき、前記使用者に、脳内でのプロラクチン（ｐｒｏｌａｔｉｎｅ）またはオキシトシン（ｏｘｙｔｏｃｉｎ）の生成を刺激し、前記乳腺から前記母乳を排出させる、ことを特徴とする請求項１に記載の搾乳器。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、母乳育児に適するハンズフリー母乳収集装置に関し、特に着用に適する搾乳器に関する。

【背景技術】

【0002】

受動的な母乳の収集は、母乳育児の分野において取り組む価値のある１つ課題である。受動的母乳の収集は、乳児が女性の乳房をしゃぶるときに女性自身からの自然分泌の授乳現象を利用するものである。乳児が乳房を吸うときに乳房が刺激を受けるので母乳を放出するが、現在、ほとんどの母乳育児中の母親は、母乳を容器に集めて乳児に与えるので、母乳を浪費する場合がある。したがって、授乳のために、乳房から受動的に放出された母乳を収集できる母乳収集装置を開発する必要がある。特に、ハンズフリーで隠蔽可能で人間工学に基づいた形状の母乳収集装置が望ましい。このような母乳収集装置は、組み立て・分解・洗浄が簡単で、かつ女性が服を脱ぐことなく、複雑で外見に見えるベルトを着用しなくても、通常の衣服の下に着用できるのが望ましい。

【0003】

市販の搾乳器は、連続的に負圧を生成することで乳房を吸引する動作を実行するだけであり、これは、女性の乳房の「泌乳現象」を実現させる動作には完全に適合しない。この方法では、乳房が分泌した母乳を吸い出すだけであり、一定の時間に母乳空気べて吸い出された後にも搾乳を続けるので、女性の乳房が痛みを感じることがある。乳児が女性の乳房をしゃぶって母乳を吸う時に脳内でのオキシトシン（ｏｘｙｔｏｃｉｎ）の生成、及び乳房が自然泌乳する現象を実現できず、乳腺から母乳を排出することができない。したがって、吸引圧と自動間欠搾乳動作を実現できる搾乳器を開発することは、本発明の重要な課題である。

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

本発明は搾乳器を提供し、主な目的は、第１センサーまたは第２センサーが乳房の乳腺が母乳を排出しない状態であるかどうかを判断し、その判断に基づいて、ポンプが動作され、少なくとも１つの変形可能な部材が膨張および収縮の動作を実行させ、且つ変形可能な部材に対応する変形不可能な支持部材が設けられ、変形不可能な支持部材と変形可能な部材との協動で女性の乳房を圧迫し、乳児の搾乳動作と同じ動作を実行し、脳内でのプロラクチン（ｐｒｏｌａｔｉｎｅ）またはオキシトシン（ｏｘｙｔｏｃｉｎ）の生成を刺激し自然泌乳を促進し、乳腺から母乳を排出させる。また、第１センサーまたは第２センサーの検出によって、搾乳器の動作及び負圧吸引力の自動調整を制御し、始動または停止の動作周波数を制御して吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現する。

【課題を解決するための手段】

【0005】

上記の目的を達成するために、本発明は、使用者の乳房に装着して母乳を収集する搾乳器を提供する。搾乳器は、挿入空間を有する本体と、吸乳シールドとを備え、前記吸乳シールドは、前記挿入空間に組み立てられ且つ前記本体に取り外し可能に取り付けられ、前端に縁部が設けられ、前記縁部の中心後端に乳首通路が延在し、前記縁部と前記乳首通路との間に設けられる接続リング縁部に少なくとも１つの変形可能な部材が設けられ、前記変形可能な部材は第１ポンプによって膨張および収縮の動作を実行する。

【図面の簡単な説明】

【0006】

【図1A】本発明の搾乳器の外観の概略図である。

【図1B】本発明の搾乳器の別の視点からの外観の概略図である。

【図1C】本発明の搾乳器の関連する構成要素の概略分解図である。

【図1D】本発明の搾乳器の吸乳シールドの概略図である。

【図1E】本発明の搾乳器の概略断面図である。

【図1F】本発明の搾乳器の搾乳動作の概略図である。

【発明を実施するための形態】

【0007】

本発明の特徴及び利点を具体化する実施形態は、以下の内容において詳細に説明する。なお、本発明は、様々な変更を加えることができるが、その変更は本発明の範囲から逸脱しない。また、以下の説明及び図面は、本発明を説明するためのものであり、限定するためのものではない。

【0008】

図１Ａ～図１Ｆに示すように、本発明の搾乳器は、本体１と、吸乳シールド２と、第１ポンプ３と、ダックビル弁４と、母乳容器５と、接続アセンブリ６と、少なくとも１つの第２ポンプ７と、可撓性ダイヤフラム８とを備える。

【0009】

図１Ｂ、図１Ｃ、及び図１Ｅに示すように、前記本体１は挿入空間１１を有し、挿入空間１１は、開口部１２と、ダイヤフラム溝部１３を備える。

【0010】

図１Ｂ、図１Ｃ及び図１Ｅに示すように、前記吸乳シールド２は、透明で剛性または半剛性の材料で構成されており、且つ本体１の挿入空間１１に組み立てられ、本体１に対して取り外し可能である。吸乳シールド２の前端には縁部２１が設けられる。縁部２１の中心後端部に、乳首通路２２が延在する。縁部２１と乳首通路２２との間に設けられる接続リング縁部２３には、少なくとも１つの変形可能な部材２５が設けられる。接続リング縁部２３の領域において、各変形可能な部材２５に対応する位置に変形不可能な支持部材２４が設けられる。変形可能な部材２５は、第１ポンプ３によって、膨張および収縮の交互の動作を実行するように制御される。第１ポンプ３は、第１管路Ｂ１を介して変形可能な部材２５（図１Ｂを参照）に連通される。他の実施形態では、上記少なくとも１つの第１ポンプ３は、第１管路Ｂ１において複数直列に取り付けられ、または、第１管路Ｂ１において複数並列に取り付けられる。なお、本発明はこれに限定されない。他の実施形態では、縁部２１と乳首通路２２との間に設けられる接続リング縁部２３では、１つの変形可能な部材２５、および１つの変形可能な部材２５に対応して設置される変形不可能な支持部材２４を設けても良いが、本発明はこれに限定されない。変形可能な部材２５及び変形不可能な支持部材２４の実際の数は、実際の必要に応じて調整することができる。また、第１ポンプ３の動作について、駆動時に、変形可能な部材２５を膨張させ、動作しない時に、変形可能な部材２５が自動的に収縮する。第１ポンプ３が駆動されると、変形可能な部材２５内部は空気によって膨張する。第１ポンプ３が駆動されない時、変形可能な部材２５内部を膨張させた空気は、第１管路Ｂ１を介して第１ポンプ３に戻し、変形可能な部材２５が自動的に収縮する。第１ポンプ３は、圧電ポンプまたは電動ポンプであり、電動ポンプは、モーター、空気圧ポンプまたは電磁ポンプの駆動力によって形成されるエアポンプの出力装置であるが、本発明はこれに限定されない。縁部２１は可撓性材料で構成され、形状は乳房Ｂがフィットして密封するのに適しているが、本発明はこれに限定されない。変形不可能な支持部材２４は半剛性材料で構成され、形状はフランジ構造であるが、本発明はこれに限定されない。変形可能な部材２５は可撓性材料で構成され、膨張または収縮することができる。例えば、変形可能な部材２５は、シリコーン材料または熱可塑性ポリウレタン（ＴＰＵ，Ｔｈｅｒｍｏｐｌａｓｔｉｃ Ｐｏｌｙｕｒｅｔｈａｎｅ）材料である。本発明の実施形態では、変形可能な部材２５は膨張および収縮することができるエアバッグであるが、これに限定されない。

【0011】

図１Ｃ及び図１Ｅに示すように、吸乳シールド２の乳首通路２２は、本体１の開口部１２に対応する母乳出口２６を備える。母乳容器５が本体１の底部に取り付けられる。本体１の底部と母乳容器５との間に接続アセンブリ６が設けられる。母乳容器５が接続アセンブリ６に取り付けられる。母乳容器５が乳首通路２２の母乳出口２６に対応して流路Ｈを形成する。

【0012】

図１Ｅ及び図１Ｆに示すように、前記ダックビル弁４が乳首通路２２の母乳出口２６に配置されているので、母乳が乳首通路２２にあるとき、母乳出口２６を介してダックビル弁４に流入し、ダックビル弁４が自動的に開くので、母乳が流路Ｈにスムーズに流れ込み、最後に、母乳容器５に導入される。母乳がダックビル弁４に流入しない時、ダックビル弁４が閉じられるので、母乳容器５中の母乳が乳首通路２２の母乳出口２６に逆流するのを防ぐことができる。

【0013】

図１Ｂ、図１Ｃ、図１Ｄ及び図１Ｅに示すように、前記ダイヤフラム溝部１３が空気口１４に連通され、空気口１４が第２管路Ｂ２を介して挿入空間１１外部の第２ポンプ７（図１Ｂを参照）に接続されている。前記吸乳シールド２の縁部２１の外部にダイヤフラム保持部２７が設けられ、ダイヤフラム保持部２７に、乳首通路２２と連通する負圧口２８が設けられている。可撓性ダイヤフラム８がダイヤフラム保持部２７において位置決めして組み立てるように、配置されている。吸乳シールド２が本体１の挿入空間１１に取り付けられ、ダイヤフラム保持部２７がダイヤフラム溝部１３に対応して配置されるので、可撓性ダイヤフラム８は、ダイヤフラム保持部２７とダイヤフラム溝部１３との間に完全に密閉するように、位置決めして取り付けられる。ダイヤフラム溝部１３と連通する空気口１４は、第２管路Ｂ２を介して外部の第２ポンプ７に連通され、第２ポンプ７の駆動によって生成された負圧吸引力がダイヤフラム溝部１３に伝達され、可撓性ダイヤフラム８をダイヤフラム保持部２７とダイヤフラム溝部１３との間において変形させ、同じく負圧吸引力を生成する。また、負圧口２８を介して、乳首通路２２においても負圧吸引力を生成し、乳首通路２２に挿入された乳房Ｂは、この負圧吸引力によって吸引され、搾乳操作を実行する。他の実施形態では、上記少なくとも１つの第２ポンプ７は、第２管路Ｂ２に複数直列して配置されるか、または、第２管路Ｂ２に複数並列して配置されることができるが、本発明はこれに限定されない。また、第２ポンプ７が圧電ポンプまたは電動ポンプである。電動ポンプは、モーター式、空気圧ポンプ式、電磁ポンプなどの駆動力によって形成されたエアポンプの出力装置である。なお、本発明はこれに限定されない。

【0014】

図１Ｅ及び図１Ｆに示すように、上記吸乳シールド２の縁部２１が使用者の乳房Ｂに密着し、乳房Ｂが乳首通路２２に挿入する。第１ポンプ３の駆動によって、変形可能な部材２５を膨張および収縮の交互の動作に制御することで、女性の乳房Ｂを圧迫し、乳児が女性の乳房Ｂを「舐めたり吸ったり」するような搾乳動作を実行する。また、第１ポンプ３の駆動によって、変形可能な部材２５を膨張および収縮の交互の動作に制御して女性の乳房Ｂを圧迫することに加え、変形可能な部材２５に対応して変形不可能な支持部材２４を設置し、変形不可能な支持部材２４と変形可能な部材２５との協動で女性の乳房Ｂを圧迫し、乳児が女性の乳房Ｂを「しゃぶったり舐めたり」するような搾乳動作を実行し、母乳育児の開始時に自然泌乳、すなわち、脳内でのプロラクチン（ｐｒｏｌａｔｉｎｅ）またはオキシトシンの生成を継続的に刺激し、乳房Ｂの乳腺が母乳を生成する授乳現象を実現する。

【0015】

図１Ｅ及び図１Ｆに示すように、本発明の実施形態では、吸乳シールド２の乳首通路２２の後端部には、乳房Ｂが母乳を排出することを検出するための第１センサーＤ１が設けられ、乳房Ｂの乳腺が母乳を排出しない状態であるかどうかを判断する。他の実施形態では、流路Ｈの周縁部（周辺）に、乳首通路２２の母乳が流路Ｈから流出するかどうかを検出するための第２センサーＤ２が設けられ、乳房Ｂの乳腺が母乳を排出しない状態であるかどうかを判断する。

【0016】

第１センサーＤ１または第２センサーＤ２が乳房Ｂの乳腺が母乳を排出しない状態であることを検出すると、第１ポンプ３が動作するように制御され、変形可能な部材２５が膨張および収縮の交互の動作を実行するように制御されて、乳房Ｂを圧迫する。変形可能な部材２５の膨張および収縮の交互の動作は、乳児が女性の乳房Ｂを「しゃぶったり舐めたり」するような搾乳動作と同じであるので、乳房Ｂを刺激して乳腺から母乳を排出させる。なお、他の実施形態では、第１ポンプ３の駆動によって、変形可能な部材２５が膨張および収縮の交互の動作を実行して乳房Ｂを圧迫することに加えて、変形可能な部材２５に対応して変形不可能な支持部材２４を設けることができ、変形不可能な支持部材２４と変形可能な部材２５との協動で乳房Ｂを圧迫し、乳児が女性の乳房Ｂを「しゃぶったり舐めたり」するような搾乳動作を実行し、乳房Ｂを刺激して乳腺から母乳を排出させる。

【0017】

上記の説明から分かるように、本発明によって提供される搾乳器の主な目的は、吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現し、第１センサーＤ１または第２センサーＤ２が乳首の乳腺が母乳を排出しない状態であるかどうかを検出することに基づいて、第１ポンプ３の動作を制御して少なくとも１つの変形可能な部材２５の膨張および収縮の交互の動作を実行させ、且つ変形可能な部材２５に対応して変形不可能な支持部材２４を設けることで、変形不可能な支持部材２４と変形可能な部材２５との協動で乳房Ｂを圧迫し、乳児の搾乳動作と同じ動作を実行し、また、この搾乳動作を利用して、脳内でのプロラクチン（ｐｒｏｌａｔｉｎｅ）またはオキシトシン（ｏｘｙｔｏｃｉｎ）の生成を刺激し、自然泌乳を促進して乳腺から母乳を排出させることである。もう一つの目的は、第１センサーＤ１または第２センサーＤ２の検出により、第２ポンプ７の駆動を制御して負圧の吸引力を自動的に調整することと、第２ポンプ７の始動または停止の動作周波数を制御して吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現することである。また、第１センサーＤ１または第２センサーＤ２によって、乳首の乳腺が母乳を排出しない状態であるかどうかを検出することに基づいて、第２ポンプ７によって、可撓性ダイヤフラム８の変形により負圧の生成で吸引力が徐々に減少することを調整し、母乳なしでの搾乳継続動作により、女性の乳房Ｂが痛くなることを回避できる。また、第１ポンプ３が動作するのを待つために、第２ポンプ７の断続的な動作を停止させることで、変形可能な部材２５の膨張および収縮の交互の動作を実行して乳房Ｂを圧迫し、乳児の搾乳動作と同じ動作を実行することが可能となる。さらに、変形不可能な支持部材２４と変形可能な部材２５との協動で乳房Ｂを圧迫することで、乳児の搾乳動作と同じ動作を実行することが可能となるので、この搾乳動作によって、脳内でのプロラクチン（ｐｒｏｌａｔｉｎｅ）またはオキシトシン（ｏｘｙｔｏｃｉｎ）の生成を刺激し、自然泌乳を促進して乳腺から母乳を排出させてから、第２ポンプ７を動作させ、第２ポンプ７の駆動を制御して負圧の吸引力を自動的に調整し、また、第２ポンプ７の始動または停止の動作周波数を制御して、吸引圧力および自動間欠の痛みのない、乳児の搾乳動作と同じである搾乳操作を実現することができる。

【0018】

さらに、本発明によって提供される搾乳器は、乳児の音声（例えば、泣き声、笑う声、授乳時の声など）を録音できる、音声録音再生装置（図示せず）を備えても良い。使用者が本装置を使用する時、音声録音再生装置を介して自分の乳児の声を録音でき、授乳時に、乳児の音を、音声録音再生装置を介して再生することができる。これによって、本発明によって提供される搾乳器が吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現することに加えて、使用者が自分の乳児の音声を聞いて脳内でのプロラクチン（ｐｒｏｌａｔｉｎｅ）またはオキシトシン（ｏｘｙｔｏｃｉｎ）の生成を促進し、乳腺から母乳を排出させることを刺激できる。

【0019】

上述したように、本発明は、吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現できる搾乳器を提供しており、第１センサーまたは第２センサーによって、乳首の乳腺が母乳を排出しない状態であるかどうかを検出し、ポンプの動作を制御して、少なくとも１つの変形可能な部材の膨張および収縮の交互の動作を実行させ、かつ変形可能な部材に対応して変形不可能な支持部材を設けることで、変形不可能な支持部材と変形可能な部材との協動で女性の乳房を圧迫して乳児の搾乳動作と同じ動作を実行し、脳内でのプロラクチン（ｐｒｏｌａｔｉｎｅ）またはオキシトシン（ｏｘｙｔｏｃｉｎ）の生成を促進して乳腺から母乳を排出させる。また、第１センサーまたは第２センサーの検出によって、搾乳器の駆動を制御でき、負圧の吸引力を自動的に調整し、始動または停止の動作周波数を制御して吸引圧力および自動間欠の搾乳操作を実現できるので、本発明の搾乳器は産業上非常に実用的な価値がある。

【符号の説明】

【0020】

１：本体
１１：挿入空間
１２：開口部
１３：ダイヤフラム溝部
１４：空気口
２：吸乳シールド
２１：縁部
２２：乳首通路
２３：接続リング縁部
２４：変形不可能な支持部材
２５：変形可能な部材
２６：母乳出口
２７：ダイヤフラム保持部
２８：負圧口
３：第１ポンプ
４：ダックビル弁
５：母乳容器
６：接続アセンブリ
７：第２ポンプ
８：可撓性ダイヤフラム
Ｂ：乳房
Ｂ１：第１管路
Ｂ２：第２管路
Ｄ１：第１センサー
Ｄ２：第２センサー
Ｈ：流路

【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図1E】

【図1F】

【外国語明細書】