IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 広東工業大学の特許一覧

<>
  • 特開-クラスター周期協調制御方法及び装置 図1
  • 特開-クラスター周期協調制御方法及び装置 図2
  • 特開-クラスター周期協調制御方法及び装置 図3
  • 特開-クラスター周期協調制御方法及び装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023099985
(43)【公開日】2023-07-14
(54)【発明の名称】クラスター周期協調制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20230707BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20230707BHJP
【FI】
G05B19/05 N
G05B23/02 V
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022019412
(22)【出願日】2022-02-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-06-01
(31)【優先権主張番号】202210000484.4
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518005942
【氏名又は名称】広東工業大学
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG UNIVERSITY OF TECHNOLOGY
【住所又は居所原語表記】No. 729 Dongfengdong Road, Yuexiu District Guangzhou, Guangdong 510062 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】魯 仁全
(72)【発明者】
【氏名】李 軍毅
(72)【発明者】
【氏名】彭 慧
(72)【発明者】
【氏名】徐 雍
(72)【発明者】
【氏名】黄 楊程
【テーマコード(参考)】
3C223
5H220
【Fターム(参考)】
3C223FF26
3C223FF48
5H220BB09
5H220CX09
5H220HH03
5H220JJ28
5H220KK03
5H220MM03
5H220MM08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】通信接続された複数のスマートデバイスノードで構成される離散的結合ネットワークシステムに関して、クラスター周期協調制御方法を開示する。
【解決手段】履歴制御入力ベクトル及び各スマートデバイスノードの履歴状態ベクトルを取得するステップと、外部ノイズ妨害データ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及びパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップと、入力されたタスク作成命令に応答して複数のスマートデバイスノードを画定し、そのクラスターを取得して対応する制御目標を決定するステップと、外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定するステップと、周期制御入力ベクトルを利用して離散的結合ネットワークシステムを制御するステップとを含む。クラスタ同期制御のセキュリティを向上させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信接続された複数のスマートデバイスノードで構成される離散的結合ネットワークシステムに関し、前記スマートデバイスノードにはコントローラーが設けられており、前記方法は、
履歴制御入力ベクトル及び各前記スマートデバイスノードにそれぞれ対応する履歴状態ベクトルを取得するステップと、
外部ノイズ妨害データ、前記履歴制御入力ベクトル、前記履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップと、
入力されたタスク作成命令に応答して、複数の前記スマートデバイスノードを画定して、複数のデバイスノードクラスターを取得して、対応する制御目標を決定するステップと、
外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、前記制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定するステップと、
目標クラスターコントローラーによって、前記周期制御入力ベクトルを利用して、前記離散的結合ネットワークシステムを制御するステップと、
前記履歴制御入力ベクトルを前記周期制御入力ベクトルに更新し、前記履歴状態ベクトルを前記現在の状態ベクトルに更新し、ジャンプして、前記外部ノイズ妨害データ、前記履歴制御入力ベクトル、前記履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップを実行するステップとを含むことを特徴とする、クラスター周期協調制御方法。
【請求項2】
前記パラメータ行列は、状態パラメータ行列、非線形パラメータ行列、ノイズパラメータ行列、内部結合パラメータ行列及び結合構成行列を含み、外部ノイズ妨害データ、前記履歴制御入力ベクトル、前記履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップは、
予め設定された非線形関数を利用して、前記履歴状態ベクトルに対応する非線形関数ベクトルを算出するステップと、
前記状態パラメータ行列と前記履歴状態ベクトルとの第1乗算値を算出するステップと、
前記非線形パラメータ行列と前記非線形関数ベクトルとの第2乗算値を算出するステップと、
前記内部結合パラメータ行列、前記結合構成行列及び前記履歴状態ベクトルの間の第3乗算値の累積合計値を算出するステップと、
前記ノイズパラメータ行列と外部ノイズ妨害データとの第4乗算値を算出するステップと、
前記第1乗算値、前記第2乗算値、前記累積合計値、前記第4乗算値及び前記履歴制御入力ベクトルを加算して、各前記スマートデバイスノードに対応する現在の状態ベクトルを決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記入力されたタスク作成命令に応答して、複数の前記スマートデバイスノードを画定し、複数のデバイスノードクラスターを取得して、対応する制御目標を決定するステップは、
入力されたタスク作成命令に応答して、対応するタスクの数を取得するステップと、
前記タスクの数に従って複数のスマートデバイスノードを画定して、前記タスクの数に等しく、対応するコントローラーを備えた複数のデバイスノードクラスターを取得するステップと、
予め設定された非線形関数を利用して各前記コントローラーに対応するクラスター非線形関数ベクトルを算出するステップと、
前記状態パラメータ行列と各前記コントローラーとの第5乗算値を算出するステップと、
前記非線形パラメータ行列と各前記クラスター非線形関数ベクトルとの第6乗算値を算出するステップと、
各前記第5乗算値と各前記第6乗算値を加算して、各前記デバイスノードクラスターに対応する制御目標を取得するステップとを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、前記制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定するステップは、
予め設定された周期に従って、現在のクラスターコントローラーに対応する初期制御ゲインを取得するステップと、
外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、前記制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトルを決定するステップと、
前記現在の状態ベクトルと前記制御目標との差を算出して、初期同期誤差を取得するステップと、
前記初期同期誤差及び前記外部攻撃情報を利用して、同期誤差関数を構築するステップと、
前記同期誤差関数を拡大して最小値を求め、前記最小値に対応するコントローラーを、目標クラスターコントローラーとして決定するステップとを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記同期誤差関数を拡大して最小値を求め、前記最小値に対応するコントローラーを、目標クラスターコントローラーとして決定する前記ステップは、
前記同期誤差関数を拡大した後、各前記制御ゲインと組み合わせて複数の同期誤差値を算出するステップと、
複数の前記同期誤差値から最小値を選択するステップと、
前記最小値に対応するコントローラーを、目標クラスターコントローラーとして決定するステップとを含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
通信接続された複数のスマートデバイスノードで構成される離散的結合ネットワークシステムに関し、前記スマートデバイスノードにはコントローラーが設けられており、前記装置は、
履歴制御入力ベクトル及び各前記スマートデバイスノードにそれぞれ対応する履歴状態ベクトルを取得するための履歴情報取得モジュールと、
外部ノイズ妨害データ、前記履歴制御入力ベクトル、前記履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するための現在の状態ベクトル決定モジュールと、
入力されたタスク作成命令に応答して、複数の前記スマートデバイスノードを画定し、複数のデバイスノードクラスターを取得して、対応する制御目標を決定するためのクラスター画定モジュールと、
外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、前記制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定するための周期ベクトル及びコントローラー決定モジュールと、
目標クラスターコントローラーによって、前記周期制御入力ベクトルを利用して前記離散的結合ネットワークシステムを制御するための周期制御モジュールと、
前記履歴制御入力ベクトルを前記周期制御入力ベクトルに更新し、前記履歴状態ベクトルを前記現在の状態ベクトルに更新し、ジャンプして前記外部ノイズ妨害データ、前記履歴制御入力ベクトル、前記履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップを実行するための周期サイクルモジュールとを備えることを特徴とする、クラスター周期協調制御装置。
【請求項7】
前記パラメータ行列は、状態パラメータ行列、非線形パラメータ行列、ノイズパラメータ行列、内部結合パラメータ行列及び結合構成行列を含み、前記現在の状態ベクトル決定モジュールは、具体的に、
予め設定された非線形関数を利用して、前記履歴状態ベクトルに対応する非線形関数ベクトルを算出し、
前記状態パラメータ行列と前記履歴状態ベクトルとの第1乗算値を算出し、
前記非線形パラメータ行列と前記非線形関数ベクトルとの第2乗算値を算出し、
前記内部結合パラメータ行列、前記結合構成行列及び前記履歴状態ベクトルの第3乗算値の累積合計値を算出し、
前記ノイズパラメータ行列と外部ノイズ妨害データとの第4乗算値を算出し、
前記第1乗算値、前記第2乗算値、前記累積合計値、前記第4乗算値及び前記履歴制御入力ベクトルを加算し、各前記スマートデバイスノードに対応する現在の状態ベクトルを決定するために使用されていることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記クラスター画定モジュールは、具体的には、
入力されたタスク作成命令に応答して、対応するタスクの数を取得し、
前記タスクの数に従って、複数のスマートデバイスノードを画定し、前記タスクの数に等しく、対応するコントローラーを備えた複数のデバイスノードクラスターを取得し、
予め設定された非線形関数を利用して、各前記コントローラーに対応するクラスター非線形関数ベクトルを算出し、
前記状態パラメータ行列と各前記コントローラーとの第5乗算値を算出し、
前記非線形パラメータ行列と各前記クラスター非線形関数ベクトルとの第6乗算値を算出し、
各前記第5乗算値及び各前記第6乗算値を加算し、各前記デバイスノードクラスターに対応する制御目標を取得するために使用されていることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記周期ベクトル及びコントローラー決定モジュールは、
予め設定された周期に従って、現在のクラスターコントローラーに対応する初期制御ゲインを取得するための初期制御ゲイン取得サブモジュールと、
外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、前記制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトルを決定するための周期制御入力ベクトル決定サブモジュールと、
前記現在の状態ベクトルと前記制御目標との差を算出して、初期同期誤差を取得するための初期同期誤差計算サブモジュールと、
前記初期同期誤差及び前記外部攻撃情報を利用して、同期誤差関数を構築するための同期誤差関数構築サブモジュールと、
前記同期誤差関数を拡大して、最小値を求め、前記最小値に対応する制御ゲインに関連したコントローラーを、目標クラスターコントローラーとして決定するための目標クラスターコントローラー決定サブモジュールとを備えることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記目標クラスターコントローラー決定サブモジュールは、
前記同期誤差関数を拡大した後、各前記制御ゲインと組み合わせて複数の同期誤差値を算出し、
複数の前記同期誤差値から最小値を選択し、
前記最小値に対応するコントローラーを目標クラスターコントローラーとして決定するために使用されていることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動制御の技術分野に関し、特にクラスター周期協調制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製造業界のインテリジェンスの継続的な普及に伴い、スマートデバイスノードの使用も増えている。異なる製品の製造プロセスでは、それぞれ独自の動的特性を持つ各スマートデバイスノードが通信接続されて、より複雑な離散的結合ネットワークシステムが形成された。同時に、異なるスマートデバイスノードが製造プロセスの各タスクステージでクラスター特性を示すことが多く、それによってクラスターネットワークシステムが構築された。
【0003】
ただし、実際の使用プロセスでは、ネットワーク化が継続的に深化するにつれて、ネットワーク攻撃の脅威をもたらす恐れもある。従来の協調制御手段は、通常、クラスタ内の所定の1つ以上のノードを制御することにより、ピニング制御と協調制御の方法を採用して制御する。
【0004】
ただし、上記の解決手段は、長期的に動作するスマートデバイスノードにとって、その使用寿命を縮める可能性が高く、ネットワーク攻撃によるコントローラーや制御信号の悪意のある改ざんに効果的に抵抗することはできず、産業クラスターネットワークの運用障害を引き起こしやすく、工業製造システムの完全な麻痺にさえつながる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、クラスター周期協調制御方法及び装置を提供し、従来の解決手段では、長期間動作するスマートデバイスノードにとって、その使用寿命を縮めやすく、ネットワーク攻撃によるコントローラーや制御信号の悪意のある改ざんに効果的に抵抗できず、産業クラスターネットワークの運用障害を引き起こしやすく、工業製造システムの完全な麻痺にさえつながるという技術的な問題を解決する。
【0006】
本発明によって提供されるクラスター周期協調制御方法は、通信接続された複数のスマートデバイスノードで構成される離散的結合ネットワークシステムに関し、前記スマートデバイスノードにコントローラーが設けられ、前記方法は、
履歴制御入力ベクトル及び各前記スマートデバイスノードにそれぞれ対応する履歴状態ベクトルを取得するステップと、
外部ノイズ妨害データ、前記履歴制御入力ベクトル、前記履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップと、
入力されたタスク作成命令に応答して、複数の前記スマートデバイスノードを画定して、複数のデバイスノードクラスターを取得して、対応する制御目標を決定するステップと、
外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、前記制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定するステップと、
目標クラスターコントローラーによって、前記周期制御入力ベクトルを利用して、前記離散的結合ネットワークシステムを制御するステップと、
前記履歴制御入力ベクトルを前記周期制御入力ベクトルに更新し、前記履歴状態ベクトルを前記現在の状態ベクトルに更新し、ジャンプして、前記外部ノイズ妨害データ、前記履歴制御入力ベクトル、前記履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定する前記ステップを実行するステップと含む。
【0007】
必要に応じて、前記パラメータ行列は、状態パラメータ行列、非線形パラメータ行列、ノイズパラメータ行列、内部結合パラメータ行列及び結合構成行列を含み、前記外部ノイズ妨害データ、前記履歴制御入力ベクトル、前記履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップは、
予め設定された非線形関数を利用して、前記履歴状態ベクトルに対応する非線形関数ベクトルを算出するステップと、
前記状態パラメータ行列と前記履歴状態ベクトルとの第1乗算値を算出するステップと、
前記非線形パラメータ行列と前記非線形関数ベクトルとの第2乗算値を算出するステップと、
前記内部結合パラメータ行列、前記結合構成行列及び前記履歴状態ベクトルの間の第3乗算値の累積合計値を算出するステップと、
前記ノイズパラメータ行列と外部ノイズ妨害データとの第4乗算値を算出するステップと、
前記第1乗算値、前記第2乗算値、前記累積合計値、前記第4乗算値及び前記履歴制御入力ベクトルを加算して、各前記スマートデバイスノードに対応する現在の状態ベクトルを決定するステップとを含む。
【0008】
必要に応じて、前記入力されたタスク作成命令に応答して、複数の前記スマートデバイスノードを画定し、複数のデバイスノードクラスターを取得して、対応する制御目標を決定するステップは、
入力されたタスク作成命令に応答して、対応するタスクの数を取得するステップと、
前記タスクの数に従って複数のスマートデバイスノードを画定して、前記タスクの数に等しく、対応するコントローラーを備えた複数のデバイスノードクラスターを取得するステップと、
予め設定された非線形関数を利用して、各前記コントローラーに対応するクラスター非線形関数ベクトルを算出するステップと、
前記状態パラメータ行列と各前記コントローラーとの第5乗算値を算出するステップと、
前記非線形パラメータ行列と各前記クラスター非線形関数ベクトルとの第6乗算値を算出するステップと、
各前記第5乗算値と各前記第6乗算値を加算して、各前記デバイスノードクラスターに対応する制御目標を取得するステップとを含む。
【0009】
必要に応じて、前記外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、前記制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定するステップは、
予め設定された周期に従って、現在のクラスターコントローラーに対応する初期制御ゲインを取得するステップと、
外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、前記制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトルを決定するステップと、
前記現在の状態ベクトルと前記制御目標との差を算出して、初期同期誤差を取得するステップと、
前記初期同期誤差及び前記外部攻撃情報を利用して、同期誤差関数を構築するステップと、
前記同期誤差関数を拡大して最小値を求め、前記最小値に対応するコントローラーを目標クラスターコントローラーとして決定するステップとを含む。
【0010】
必要に応じて、前記同期誤差関数を拡大して最小値を求め、前記最小値に対応するコントローラーを目標クラスターコントローラーとして決定するステップは、
前記同期誤差関数を拡大した後、各前記制御ゲインと組み合わせて複数の同期誤差値を算出するステップと、
複数の前記同期誤差値から最小値を選択するステップと、
前記最小値に対応するコントローラーを目標クラスターコントローラーとして決定するステップとを含む。
【0011】
本発明は、クラスター周期協調制御装置をさらに提供し、通信接続された複数のスマートデバイスノードで構成される離散的結合ネットワークシステムに関し、前記スマートデバイスノードにはコントローラーが設けられており、前記装置は、
履歴制御入力ベクトル及び各前記スマートデバイスノードにそれぞれ対応する履歴状態ベクトルを取得するための履歴情報取得モジュールと、
外部ノイズ妨害データ、前記履歴制御入力ベクトル、前記履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するための現在の状態ベクトル決定モジュールと、
入力されたタスク作成命令に応答して、複数の前記スマートデバイスノードを画定し、複数のデバイスノードクラスターを取得して、対応する制御目標を決定するためのクラスター画定モジュールと、
外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、前記制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定するための周期ベクトル及びコントローラー決定モジュールと、
目標クラスターコントローラーによって、前記周期制御入力ベクトルを利用して前記離散的結合ネットワークシステムを制御するための周期制御モジュールと、
前記履歴制御入力ベクトルを前記周期制御入力ベクトルに更新し、前記履歴状態ベクトルを前記現在の状態ベクトルに更新し、ジャンプして前記外部ノイズ妨害データ、前記履歴制御入力ベクトル、前記履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップを実行するための周期サイクルモジュールとを備える。
【0012】
必要に応じて、前記パラメータ行列は、状態パラメータ行列、非線形パラメータ行列、ノイズパラメータ行列、内部結合パラメータ行列及び結合構成行列を含み、前記現在の状態ベクトル決定モジュールは、具体的には、
予め設定された非線形関数を利用して、前記履歴状態ベクトルに対応する非線形関数ベクトルを算出し、
前記状態パラメータ行列と前記履歴状態ベクトルとの第1乗算値を算出し、
前記非線形パラメータ行列と前記非線形関数ベクトルとの第2乗算値を算出し、
前記内部結合パラメータ行列、前記結合構成行列及び前記履歴状態ベクトルの第3乗算値の累積合計値を算出し、
前記ノイズパラメータ行列と外部ノイズ妨害データとの第4乗算値を算出し、
前記第1乗算値、前記第2乗算値、前記累積合計値、前記第4乗算値及び前記履歴制御入力ベクトルを加算し、各前記スマートデバイスノードに対応する現在の状態ベクトルを決定するために使用されている。
【0013】
必要に応じて、前記クラスター画定モジュールは、具体的には、
入力されたタスク作成命令に応答して、対応するタスクの数を取得し、
前記タスクの数に従って、複数のスマートデバイスノードを画定し、前記タスクの数に等しく、対応するコントローラーを備えた複数のデバイスノードクラスターを取得し、
予め設定された非線形関数を利用して、各前記コントローラーに対応するクラスター非線形関数ベクトルを算出し、
前記状態パラメータ行列と各前記コントローラーとの第5乗算値を算出し、
前記非線形パラメータ行列と各前記クラスター非線形関数ベクトルとの第6乗算値を算出し、
各前記第5乗算値及び各前記第6乗算値を加算し、各前記デバイスノードクラスターに対応する制御目標を取得するために使用されている。
【0014】
必要に応じて、前記周期ベクトル及びコントローラー決定モジュールは、
予め設定された周期に従って、現在のクラスターコントローラーに対応する初期制御ゲインを取得するための初期制御ゲイン取得サブモジュールと、
外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、前記制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトルを決定するための周期制御入力ベクトル決定サブモジュールと、
前記現在の状態ベクトルと前記制御目標との差を算出して、初期同期誤差を取得するための初期同期誤差計算サブモジュールと、
前記初期同期誤差及び前記外部攻撃情報を利用して、同期誤差関数を構築するための同期誤差関数構築サブモジュールと、
前記同期誤差関数を拡大して、最小値を求め、前記最小値に対応する制御ゲインに関連したコントローラーを、目標クラスターコントローラーとして決定するための目標クラスターコントローラー決定サブモジュールとを含む。
【0015】
必要に応じて、前記目標クラスターコントローラー決定サブモジュールは、
前記同期誤差関数を拡大した後、各前記制御ゲインと組み合わせて複数の同期誤差値を算出し、
複数の前記同期誤差値から最小値を選択し、
前記最小値に対応するコントローラーを、目標クラスターコントローラーとして決定するために使用されている。
【0016】
上記の技術的解決手段から分かるように、本発明には以下の利点がある。
【0017】
本発明は、履歴制御入力ベクトル及び各スマートデバイスノードにそれぞれ対応する履歴状態ベクトルを取得するとともに、入力されたタスク作成命令に応答して、複数のスマートデバイスノードを画定し、複数のデバイスノードクラスターを取得し、各デバイスノードクラスターに対応する制御目標を決定し、外部ノイズデータ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列と組み合わせて、現在の状態ベクトルを決定し、外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定し、目標クラスターコントローラーによって、周期制御入力ベクトルを利用して離散的結合ネットワークシステムを制御し、履歴制御入力ベクトルを周期制御入力ベクトルに更新し、履歴状態ベクトルを現在の状態ベクトルに更新し、ジャンプして、外部ノイズ妨害データ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップを実行する。従来の解決手段では、長期間動作するスマートデバイスノードにとって、その使用寿命を縮めやすく、ネットワーク攻撃によるコントローラーや制御信号の悪意のある改ざんに効果的に抵抗できず、産業クラスターネットワークの運用障害を引き起こしやすく、工業製造システムの完全な麻痺にさえつながるという技術的な問題を解決する。
【0018】
本発明の実施例又は従来の技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下は、実施例又は従来の技術に使用される図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明の図面は、本発明のいくつかの実施例のみである。当業者にとって、創造的な努力なしに、これらの図面に従って他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施例1によって提供されるクラスター周期協調制御方法のステップのフローチャートである。
図2】本発明の実施例2によって提供されるクラスター周期協調制御方法のステップのフローチャートである。
図3】本発明の実施例によって提供されるクラスター周期協調制御方法のプロセスの概略図である。
図4】本発明の実施例3によって提供されるクラスター周期協調制御装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施例は、クラスター周期協調制御方法及び装置を提供し、従来の解決手段では、長期間動作するスマートデバイスノードにとって、その使用寿命を縮めやすく、ネットワーク攻撃によるコントローラーや制御信号の悪意のある改ざんに効果的に抵抗できず、産業クラスターネットワークの運用障害を引き起こしやすく、工業製造システムの完全な麻痺にさえつながるという技術的な問題を解決する。
【0021】
本発明の目的、特徴、及び利点をより明白かつ理解可能にするために、以下、本発明の実施例における添付の図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を、明確かつ完全に説明する。明らかに、以下に記載される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0022】
図1を参照されたい。図1は、本発明の実施例1によって提供されるクラスター周期協調制御方法のステップのフローチャートである。
【0023】
本発明によって提供されるクラスター周期協調制御方法は、通信接続された複数のスマートデバイスノードで構成される離散的結合ネットワークシステムに関し、スマートデバイスノードにはコントローラーが設けられており、方法は、以下のステップを含む。
【0024】
ステップ101、履歴制御入力ベクトル及び各スマートデバイスノードにそれぞれ対応する履歴状態ベクトルを取得する。
【0025】
離散的結合ネットワークシステムは、通信接続された複数のスマートデバイスノードで構成されてもよく、各スマートデバイスノードにそれぞれ対応するコントローラーが設けられている。スマートデバイスノードとは、各スマートデバイスが工業生産プロセスで具体化されるノードを指し、コントローラーとは、対応する工業製造タスクを実行させるように、各スマートデバイスノードを制御する制御デバイスを指す。
【0026】
履歴制御入力ベクトルとは、第k時刻で、i番目のスマートデバイスノードから入力された制御入力命令を指す。
【0027】
本発明の実施例において、複数のスマートデバイスノードは、事前設定された結合構成行列を介して通信接続されてもよく、離散的結合ネットワークシステムを取得することができる。工業製造タスクの実行中に、各スマートデバイスノードを制御する履歴制御入力ベクトル、及び各スマートデバイスノードが該履歴制御入力ベクトルを実行した後の履歴状態ベクトルを取得することができる。
【0028】
ステップ102、外部ノイズ妨害データ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定する。
【0029】
外部ノイズ妨害データとは、
【数1】

のような、実際の工業製造プロセスで各スマートデバイスノードの所在環境に存在する外部ノイズを指す。
【0030】
本発明の実施例において、外部ノイズ妨害データ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列をさらに利用して、現在の状態ベクトルを決定することができる。
【0031】
ステップ103、入力されたタスク作成命令に応答して、複数のスマートデバイスノードを画定し、複数のデバイスノードクラスターを取得して対応する制御目標を決定する。
【0032】
同時に、ユーザーが入力したタスク作成命令を受信し、離散的結合システム内の複数のスマートデバイスノードを画定して、異なる製造タスクを実行する複数のデバイスノードクラスターを取得できる。各デバイスノードクラスターに対応する制御目標を決定し、制御命令の入力が、どのコントローラを介して入力されるかを決定する。
【0033】
ステップ104、外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定する。
【0034】
外部攻撃情報とは、ランダムなベルヌーイ過程で表すことができる偽のデータインジェクション攻撃を指す。例えば、ランダムなベルヌーイ過程
【数2】

である場合、コントローラーがネットワーク攻撃を受け、制御信号が改変されたことを示し、
【数3】

である場合、コントローラーが通常に動作していることを示す。また、コントローラーがネットワーク攻撃を検出できる確率は、
【数4】

である。
【0035】
本発明の実施例では、外部攻撃情報が一般的ではないため、ランダムなベルヌーイ過程を追加することにより、該外部攻撃情報が検出されると、現在の状態ベクトル、制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定する。
【0036】
ステップ105、目標クラスターコントローラーによって、周期制御入力ベクトルを利用して、離散的結合ネットワークシステムを制御する。
【0037】
ステップ106、履歴制御入力ベクトルを周期制御入力ベクトルに更新し、履歴状態ベクトルを現在の状態ベクトルに更新し、ジャンプして、外部ノイズ妨害データ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップを実行する。
【0038】
本発明の実施例において、同期誤差関数を構築して取得した後、同期誤差関数を同期誤差行列に拡大し、線形行列不等式の方法で最適な制御ゲインを求め、同期誤差行列を最小化することを目標とし、制御ゲインの最小値に関連したコントローラーを、目標クラスターコントローラーとして決定し、目標クラスターコントローラーによって周期制御入力ベクトルを利用して、離散的結合ネットワークシステムを制御する。
【0039】
なお、各時刻に対応する履歴制御入力ベクトル、現在の状態ベクトル及び履歴状態ベクトルがそれぞれ異なるため、履歴制御入力ベクトルを周期制御入力ベクトルに更新し、履歴状態ベクトルを現在の状態ベクトルに更新し、ジャンプしてステップ102を実行し、目標クラスターコントローラーの周期性制御を実現する。
【0040】
本発明の実施例において、本発明は、履歴制御入力ベクトル及び各スマートデバイスノードにそれぞれ対応する履歴状態ベクトルを取得するとともに、入力されたタスク作成命令に応答して、複数のスマートデバイスノードを画定し、複数のデバイスノードクラスターを取得し、各デバイスノードクラスターに対応する制御目標を決定し、外部ノイズデータ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列と組み合わせて、現在の状態ベクトルを決定し、外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定し、目標クラスターコントローラーによって、周期制御入力ベクトルを利用して離散的結合ネットワークシステムを制御し、履歴制御入力ベクトルを周期制御入力ベクトルに更新し、履歴状態ベクトルを現在の状態ベクトルに更新し、ジャンプして外部ノイズ妨害データ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップを実行する。従来の解決手段では、長期間動作するスマートデバイスノードにとって、その使用寿命を縮めやすく、ネットワーク攻撃によるコントローラーや制御信号の悪意のある改ざんに効果的に抵抗できず、産業クラスターネットワークの運用障害を引き起こしやすく、工業製造システムの完全な麻痺にさえつながるという技術的な問題を解決する。
【0041】
図2を参照されたい。図2は、本発明の実施例2によって提供されるクラスター周期協調制御方法のステップのフローチャートである。
【0042】
本発明によって提供されるクラスター周期協調制御方法は、通信接続された複数のスマートデバイスノードで構成される離散的結合ネットワークシステムに関し、スマートデバイスノードにはコントローラーが設けられており、方法は、以下のステップを含む。
【0043】
ステップ201、履歴制御入力ベクトル及び各スマートデバイスノードにそれぞれ対応する履歴状態ベクトルを取得する。
【0044】
本発明の実施例において、ステップ201の具体的な実施プロセスは、ステップ101と同様であり、ここでは繰り返されない。
【0045】
ステップ202、外部ノイズ妨害データ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定する。
【0046】
必要に応じて、パラメータ行列は、状態パラメータ行列、非線形パラメータ行列、ノイズパラメータ行列、内部結合パラメータ行列及び結合構成行列を含み、ステップ202は、以下のサブステップを含んでもよい。
【0047】
外部ノイズ妨害データを検出した場合、予め設定された非線形関数を利用して、履歴状態ベクトルに対応する非線形関数ベクトルを算出し、
状態パラメータ行列と履歴状態ベクトルとの第1乗算値を算出するステップと、
非線形パラメータ行列と非線形関数ベクトルとの第2乗算値を算出するステップと、
内部結合パラメータ行列、結合構成行列及び履歴状態ベクトルの間の第3乗算値の累積合計値を算出するステップと、
ノイズパラメータ行列と外部ノイズ妨害データとの第4乗算値を算出するステップと、
第1乗算値、第2乗算値、累積合計値、第4乗算値及び履歴制御入力ベクトルを加算して、各前記スマートデバイスノードに対応する現在の状態ベクトルを決定する。
【0048】
具体的な実施中に、現在の状態ベクトル
【数5】

は、次のようになってもよい。
【数6】
【0049】
上記の式にそれぞれ履歴状態ベクトル、外部ノイズ妨害データ及び履歴制御入力ベクトルを代入することにより、各スマートデバイスノードに対応する現在の状態ベクトルを算出する。
【0050】
ステップ203、入力されたタスク作成命令に応答して、複数のスマートデバイスノードを画定し、複数のデバイスノードクラスターを取得して、対応する制御目標を決定する。
【0051】
必要に応じて、ステップ203は、以下のサブステップS11~S16を含む。
【0052】
S11、入力されたタスク作成命令に応答して、対応するタスクの数を取得する。
【0053】
S12、タスクの数に従って、複数のスマートデバイスノードを画定し、タスクの数に等しく、対応するコントローラーを備えた複数のデバイスノードクラスターを取得する。
【0054】
本発明の実施例において、複数のスマートデバイスノードで構成される離散的結合ネットワークシステムを取得した後、さらにユーザーが入力したタスク作成命令に対応するタスクの数に従って、複数のスマートデバイスノードを画定し、タスクの数に等しい複数のデバイスノードクラスターを取得する。
【数7】
【0055】
S13、予め設定された非線形関数を利用して、各コントローラーに対応するクラスター非線形関数ベクトルを算出する。
【0056】
S14、状態パラメータ行列と各コントローラーとの第5乗算値を算出する。
【0057】
S15、非線形パラメータ行列と各クラスター非線形関数ベクトルとの第6乗算値を算出する。
【0058】
S16、各第5乗算値と各第6乗算値を加算して、各デバイスノードクラスターに対応する制御目標を取得する。
【0059】
画定して複数のデバイスノードクラスターを取得した後、異なるスマートデバイスノードを異なるデバイスノードクラスターに画定して、異なる産業プロセスの目標を達成できるため、各デバイスノードクラスターに対応する制御目標t(k)は、次の式で計算できる。
【数8】
【0060】
ステップ204、予め設定された周期に従って、現在のクラスターコントローラーに対応する初期制御ゲインを取得する。
【0061】
ステップ205、外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトルを決定する。
【0062】
本発明の実施例において、予め設定された周期に従って、現在のクラスターコントローラーに対応する初期制御ゲインを取得し、外部攻撃情報及び現在の状態ベクトルと組み合わせて、周期制御入力ベクトル、即ち、新しい履歴制御入力ベクトル
【数9】

を決定する。
【数10】
【0063】
具体的な実施中に、上記周期制御入力ベクトルは、次のプロセスで計算でき、
ピニング制御の特徴は、Jを制御されたノードの固定セットとして、クラスターの同期効果を実現するために、1つのクラスター内に、1つの固定ノードのみが制御に使用されることである。
【0064】
具体的には、制御されたノードのピニング制御表現式は、次のように記載されている。
【数11】
【0065】
最小公倍数周期の切り換え処理は、具体的な特徴は、次のとおりである。まず、すべてのクラスターのノード数の最小公倍数を計算して、制御周期の切り換え回数を取得し、1つの制御周期の切り換え回数に基づいて、各回の切り換え時刻で、各クラスターによって選択される、制御されたノードのセットを設定し、具体的な制御されたノードセットに従って、コントローラーゲインを与え、制御されたノードの周期制御表現式を取得する。
【0066】
具体的には、制御されたノード周期制御表現式は、次のように記載されている。
【数12】
【0067】
ステップ206、現在の状態ベクトルと制御目標との差を算出して、初期同期誤差を取得する。
【0068】
ステップ207、初期同期誤差及び外部攻撃情報を利用して、同期誤差関数を構築する。
【0069】
本発明の実施例において、外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトルと制御目標との差をさらに算出し、初期同期誤差を取得し、初期同期誤差を利用して外部攻撃情報と組み合わせて、同期誤差関数を構築する。
【0070】
具体的な実施中に、同期誤差関数を構築して取得する。
【数13】
【0071】
なお、ここで、p(k)は、次のように定義されており、
【数14】

さらに、制御されたノードセットは、次のように定義される。
【数15】
【0072】
ステップ208、同期誤差関数を拡大して最小値を求め、最小値に対応するコントローラーを目標クラスターコントローラーとして決定する。
【0073】
必要に応じて、ステップ208は、以下のサブステップを含んでもよい。
同期誤差関数を拡大した後、各制御ゲインと組み合わせて複数の同期誤差値を算出し、
複数の同期誤差値から最小値を選択し、
最小値に対応するコントローラーを目標クラスターコントローラーとして決定する。
【0074】
本発明の実施例において、まず、上記同期誤差関数に対し、行列の拡大を実行して、次の式を取得する。

【数16】
【0075】
同期誤差行列を構築することにより、線形行列不等式の方法を使用して同期誤差行列を最小化し、同期誤差関数を解くことによって最適な制御ゲインを取得する。
【0076】
最適な制御ゲインとは、コントローラーが妨害されてから所定の時間内に正常に戻った後、目標値との差が小さいコントローラーに対応する制御ゲインを指す。
【0077】
ステップ209、目標クラスターコントローラーによって、周期制御入力ベクトルを利用して離散的結合ネットワークシステムを制御する。
【0078】
ステップ210、履歴制御入力ベクトルを周期制御入力ベクトルに更新し、履歴状態ベクトルを現在の状態ベクトルに更新し、ジャンプして外部ノイズ妨害データ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップを実行する。
【0079】
図3に示すように、本実施例によって提供されるシステムは、3つのクラスターを有する離散的結合ネットワークシステムであり、同じクラスターのノードは常に同じネットワーク環境にあり、クラスター式は次のように記載される:
【数17】

ランダムなネットワーク攻撃がコントローラーに影響を与える環境では、各コントローラーは周期性セキュリティ制御戦略を採用して、クラスターネットワークシステム全体を協調的に制御する。
【0080】
具体的な実施ステップは、次のとおりである。
ステップ1、離散的結合ネットワークシステムをモデリングし、現在の状態ベクトル
【数18】

各デバイスノードクラスターの非線形関数は、次の形式と同じである。
【数19】
【0081】
さらに、同期誤差行列を目的関数として最適化して解くことにより、同期コントローラーを取得し、最終的にクラスター同期効果を実現することができる。
【0082】
本発明の実施例において、履歴制御入力ベクトル及び各スマートデバイスノードにそれぞれ対応する履歴状態ベクトルを取得するとともに、入力されたタスク作成命令に応答して、複数のスマートデバイスノードを画定し、複数のデバイスノードクラスターを取得し、各デバイスノードクラスターに対応する制御目標を決定し、外部ノイズデータ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列と組み合わせて、現在の状態ベクトルを決定し、外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定し、目標クラスターコントローラーによって、周期制御入力ベクトルを利用して離散的結合ネットワークシステムを制御し、履歴制御入力ベクトルを周期制御入力ベクトルに更新し、履歴状態ベクトルを現在の状態ベクトルに更新し、ジャンプして、外部ノイズ妨害データ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップを実行する。従来の解決手段では、長期間動作するスマートデバイスノードにとって、その使用寿命を縮めやすく、ネットワーク攻撃によるコントローラーや制御信号の悪意のある改ざんに効果的に抵抗できず、産業クラスターネットワークの運用障害を引き起こしやすく、工業製造システムの完全な麻痺にさえつながるという技術的な問題を解決する。
【0083】
図4を参照されたい。図4は、本発明の実施例3によるクラスター周期協調制御装置の構造ブロック図を示す。
【0084】
本発明の実施例は、クラスター周期協調制御装置を提供し、通信接続された複数のスマートデバイスノードで構成される離散的結合ネットワークシステムに関し、スマートデバイスノードにはコントローラーが設けられており、装置は、
履歴制御入力ベクトル及び各前記スマートデバイスノードにそれぞれ対応する履歴状態ベクトルを取得するための履歴情報取得モジュール401と、
外部ノイズ妨害データ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するための現在の状態ベクトル決定モジュール402と、
入力されたタスク作成命令に応答して、複数のスマートデバイスノードを画定し、複数のデバイスノードクラスターを取得して、対応する制御目標を決定するためのクラスター画定モジュール403と、
外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトル及び目標クラスターコントローラーを決定するための周期ベクトル及びコントローラー決定モジュール404と、
目標クラスターコントローラーによって、周期制御入力ベクトルを利用して離散的結合ネットワークシステムを制御するための周期制御モジュール405と、
履歴制御入力ベクトルを周期制御入力ベクトルに更新し、履歴状態ベクトルを現在の状態ベクトルに更新し、ジャンプして外部ノイズ妨害データ、履歴制御入力ベクトル、履歴状態ベクトル及び予め設定されたパラメータ行列に基づいて、現在の状態ベクトルを決定するステップを実行するための周期サイクルモジュール406とを備える。
【0085】
必要に応じて、パラメータ行列は、状態パラメータ行列、非線形パラメータ行列、ノイズパラメータ行列、内部結合パラメータ行列及び結合構成行列を含み、現在の状態ベクトル決定モジュール402は、具体的には、
予め設定された非線形関数を利用して、履歴状態ベクトルに対応する非線形関数ベクトルを算出し、
状態パラメータ行列と前記履歴状態ベクトルとの第1乗算値を算出し、
非線形パラメータ行列と非線形関数ベクトルとの第2乗算値を算出し、
内部結合パラメータ行列、結合構成行列及び履歴状態ベクトルの第3乗算値の累積合計値を算出し、
ノイズパラメータ行列と外部ノイズ妨害データとの第4乗算値を算出し、
第1乗算値、第2乗算値、累積合計値、第4乗算値及び履歴制御入力ベクトルを加算し、各スマートデバイスノードに対応する現在の状態ベクトルを決定するために使用されている。
【0086】
必要に応じて、クラスター画定モジュール403は、具体的には、
入力されたタスク作成命令に応答して、対応するタスクの数を取得し、
タスクの数に従って、複数のスマートデバイスノードを画定し、タスクの数に等しく、対応するコントローラーを備えた複数のデバイスノードクラスターを取得し、
予め設定された非線形関数を利用して、各コントローラーに対応するクラスター非線形関数ベクトルを算出し、
状態パラメータ行列と各コントローラーとの第5乗算値を算出し、
非線形パラメータ行列と各クラスター非線形関数ベクトルとの第6乗算値を算出し、
各第5乗算値及び各第6乗算値を加算し、各デバイスノードクラスターに対応する制御目標を取得するために使用されている。
【0087】
必要に応じて、周期ベクトル及びコントローラー決定モジュール404は、
予め設定された周期に従って現在のクラスターコントローラーに対応する初期制御ゲインを取得するための初期制御ゲイン取得サブモジュールと、
外部攻撃情報を検出した場合、現在の状態ベクトル、制御目標及び外部攻撃情報に基づいて、周期制御入力ベクトルを決定するための周期制御入力ベクトル決定サブモジュールと、
現在の状態ベクトルと制御目標との差を算出して、初期同期誤差を取得するための初期同期誤差計算サブモジュールと、
初期同期誤差及び外部攻撃情報を利用して、同期誤差関数を構築するための同期誤差関数構築サブモジュールと、
同期誤差関数を拡大して、最小値を求め、最小値に対応する制御ゲインに関連したコントローラーを、目標クラスターコントローラーとして決定するための目標クラスターコントローラー決定サブモジュールとを含む。
【0088】
必要に応じて、目標クラスターコントローラー決定サブモジュールは、
同期誤差関数を拡大した後、各制御ゲインと組み合わせて複数の同期誤差値を算出し、
複数の同期誤差値から最小値を選択し、
最小値に対応するコントローラーを目標クラスターコントローラーとして決定するために使用されている。
【0089】
当業者は、説明の便宜及び簡潔さのために、上記の装置、モジュール、及びサブモジュールの具体的な動作プロセスが、前述の方法の実施例における対応するプロセスを参照できることを明確に理解することができ、ここでは繰り返されない。
【0090】
本発明によって提供されるいくつかの実施例では、開示される装置及び方法は、他の方法で実施されてもよいことが理解されるべきである。例えば、上記の装置の実施例は、例示にすぎない。例えば、前記ユニットの画定は、論理機能の画定にすぎない。実際の実装では、他の画定方法があり、例えば、複数のユニット又はコンポーネントを組み合わせてもよいか、別のシステムに統合してもよく、あるいは、一部の特徴を無視してもよく、又は実施しなくてもよい。他方、示されるか又は議論される相互結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェース、装置又はユニットを介した間接結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的又は他の形態であってもよい。
【0091】
前記分離されたコンポーネントとして記述されているユニットは、物理的に分離されている場合があり、そうではない場合もあり、ユニットとして表示されるコンポーネントは、物理ユニットであってもよく、そうでない場合もあり、つまり、1つの場所に配置されているか、複数のネットワークユニットに分散されている場合がある。この実施例における解決手段の目的を達成するために、実際の必要に応じて、ユニットの一部又はすべてを選択してもよい。
【0092】
上記のように、上記の実施例は、本発明の技術的解決手段を説明するためにのみ使用され、それらを限定するものではない。本発明を、前述の実施例を参照して詳細に説明してきたが、当業者は、前記各実施例に記載された技術的解決手段を修正するか、又はその技術的特徴の一部を同等に置き換えることができ、これらの修正又は置き換えは、対応する技術的解決手段の本質を、本発明の実施例における技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱させないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4