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特開2024-100支援装置、処理方法、プログラム、及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000100
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】支援装置、処理方法、プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20231225BHJP
   G06N 5/00 20230101ALN20231225BHJP
【FI】
G06Q50/04
G06N5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022098657
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】井上 佑貴
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ルールを検証可能な支援装置、処理方法、プログラム及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】支援システム1において、支援装置10は、記憶装置20に記憶されている1つ以上の選択肢を有する項目を複数含む項目群21について、記憶装置20のルール群22より、項目群に含まれる1つ以上の項目である主項目の選択肢による、項目群に含まれる別の1つ以上の項目である従項目の選択肢の絞り込み条件を規定するルールを取得する。検証部は、取得したルールの絞り込み条件の妥当性を検証する取得部11を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の選択肢を有する項目を複数含む項目群について、前記項目群に含まれる1つ以上の前記項目を主項目とし、前記項目群に含まれる別の1つ以上の前記項目を従項目として、前記主項目の前記選択肢による前記従項目の前記選択肢の絞り込み条件を規定するルールを取得する取得部と、
前記ルールの前記絞り込み条件の妥当性を検証する検証部と、
を備えた支援装置。
【請求項2】
前記検証部は、前記主項目の前記選択肢に対して絞り込まれる前記従項目の前記選択肢の絞り込み数を算出し、前記絞り込み数を用いて前記妥当性を検証する、請求項1記載の支援装置。
【請求項3】
前記検証部は、前記主項目の前記選択肢ごとに、前記絞り込み数を予め設定された許容範囲と比較し、その比較の結果に基づいて前記妥当性を検証する、請求項2記載の支援装置。
【請求項4】
前記絞り込み数が前記許容範囲内である場合、前記絞り込み条件が妥当であることを示す第1検証結果を出力し、
前記絞り込み数が前記許容範囲外である場合、前記絞り込み条件が妥当でないことを示す第2検証結果を出力する、
出力部をさらに備えた、請求項3記載の支援装置。
【請求項5】
前記検証部は、前記主項目の前記選択肢ごとに、前記絞り込み数を予め設定された許容値と比較し、その比較の結果に基づいて前記妥当性を検証する、請求項2記載の支援装置。
【請求項6】
前記絞り込み数が前記許容値と一致する場合、前記絞り込み条件が妥当であることを示す第1検証結果を出力し、
前記絞り込み数が前記許容値と一致しない場合、前記絞り込み条件が妥当でないことを示す第2検証結果を出力する、
出力部をさらに備えた、請求項5記載の支援装置。
【請求項7】
前記出力部は、前記主項目と、前記従項目と、前記第1検証結果及び前記第2検証結果の少なくともいずれかと、を示す第1ユーザインターフェースを出力装置に表示させる、請求項4又は6に記載の支援装置。
【請求項8】
前記第2検証結果は、前記絞り込み条件が妥当でない原因を含む、請求項4又は6に記載の支援装置。
【請求項9】
前記出力部は、前記ルールの設定を受け付け可能な第2ユーザインターフェースを出力装置に表示させ、
前記検証部は、前記第2ユーザインターフェースで設定された前記ルールについて、前記妥当性を検証する、請求項4又は6に記載の支援装置。
【請求項10】
前記取得部は、複数の前記ルールを取得し、
前記検証部は、前記複数のルールの少なくとも1つについて、前記妥当性を検証する、請求項1~6のいずれか1つに記載の支援装置。
【請求項11】
前記複数のルールの前記少なくとも1つと関連する関連ルールに基づき、前記主項目に含まれる前記1つ以上の選択肢から、選択され得ない無効選択肢を抽出する抽出部をさらに備え、
前記検証部は、前記無効選択肢による前記絞り込み条件の前記妥当性を検証しない、請求項10記載の支援装置。
【請求項12】
前記項目群は、第1項目、第2項目、及び第3項目を含み、
前記複数のルールは、
前記第1項目及び前記第2項目を前記主項目とし、前記第3項目を前記従項目とし、前記第1項目及び前記第2項目の前記選択肢による前記第3項目の前記選択肢の絞り込み条件を規定する第1ルールと、
前記第1項目を前記主項目とし、前記第2項目を前記従項目とし、前記第1項目の前記選択肢による前記第2項目の前記選択肢の絞り込み条件を規定する第2ルールと、
を含み、
前記抽出部は、前記第2ルールに基づき、前記第1ルールにおいて、前記第1項目及び前記第2項目の前記選択肢から前記無効選択肢を抽出する、請求項11記載の支援装置。
【請求項13】
前記取得部は、
属性の指定を受け付け、
複数の前記ルールを含むルール群から、指定された前記属性が付与された前記項目が前記従項目として定義された前記ルールを取得する、
請求項1~6のいずれか1つに記載の支援装置。
【請求項14】
コンピュータに、
1つ以上の選択肢を有する項目を複数含む項目群について、前記項目群に含まれる1つ以上の前記項目を主項目とし、前記項目群に含まれる別の1つ以上の前記項目を従項目として、前記主項目の前記選択肢による前記従項目の前記選択肢の絞り込み条件を規定するルールを取得させ、
前記ルールの前記絞り込み条件の妥当性を検証させる、
処理方法。
【請求項15】
コンピュータに、
1つ以上の選択肢を有する項目を複数含む項目群について、前記項目群に含まれる1つ以上の前記項目を主項目とし、前記項目群に含まれる別の1つ以上の前記項目を従項目として、前記主項目の前記選択肢による前記従項目の前記選択肢の絞り込み条件を規定するルールを取得させ、
前記ルールの前記絞り込み条件の妥当性を検証させる、
プログラム。
【請求項16】
請求項15記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、支援装置、処理方法、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の仕様に関する相関関係(ルール)を自動的に検証可能な技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-222288号
【特許文献2】特開2021-15381号
【特許文献3】特許第6917925号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ルールを検証可能な、支援装置、処理方法、プログラム、及び記憶媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る支援装置は、取得部及び検証部を備える。前記取得部は、ルールを取得する。前記ルールは、1つ以上の選択肢を有する項目を複数含む項目群について、主項目の前記選択肢による従項目の前記選択肢の絞り込み条件を規定する。前記主項目は、前記項目群に含まれる1つ以上の前記項目である。前記従項目は、前記項目群に含まれる別の1つ以上の前記項目である。前記検証部は、前記ルールの前記絞り込み条件の妥当性を検証する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る支援システムの機能構成を示す模式図である。
図2】ルールの一覧を例示するテーブル例である。
図3】ルールの一例である。
図4】別のルールの一例である。
図5】記憶装置におけるデータ構造を例示する模式図である。
図6】提示ルールの一例である。
図7】検証結果の出力例である。
図8】別の検証結果の出力例である。
図9】実施形態に係る支援装置による出力例を示す模式図である。
図10】実施形態に係る支援装置による出力例を示す模式図である。
図11】実施形態に係る支援装置による出力例を示す模式図である。
図12】実施形態に係る支援装置による出力例を示す模式図である。
図13】実施形態に係る支援装置による処理を例示するフローチャートである。
図14】実施形態の変形例に係る支援システムの機能構成を示す模式図である。
図15】ルールの一例である。
図16】別のルールの一例である。
図17】抽出部の機能を説明するための図である。
図18】関連ルールの抽出方法を説明するための模式図である。
図19】関連ルールの抽出方法を説明するための模式図である。
図20】実施形態の変形例に係る支援装置による処理を例示するフローチャートである。
図21】ハードウェア構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0008】
一般的に、製品は、複数のモジュールから構成され、様々な特性を有する。モジュールは、複数の部品の組み合わせであり、製品の構成単位である。製品の具体的な仕様は、相互に関連している。仕様は、製品が備える機能、性能、形状、部品構成、規格などである。一例として、あるモジュールを製品に使用すれば、そのモジュールのサイズ、出力、又は機能によって生じる制約により、別のモジュールを使用できなくなる。別の一例として、あるモジュールを製品に使用すれば、そのモジュールとの組み合わせによって悪影響が生じる別のモジュールの使用が制限される。製品を設計する際には、このような仕様の相関関係を考慮する必要がある。
【0009】
製品が大きくなり、使用されうるモジュールの数、採用されうる方式の数などが増えると、相関関係の数も増えていく。また、近年では顧客のニーズが多様化している。特に、工作機械、医療機器、精密機械、受変電設備などの個別受注生産品については、製品の仕様に対する制約が多く、相関関係が複雑となっている。
【0010】
ここでは、この相関関係を「ルール」と呼ぶ。通常、ルールはデータベースにまとめられ、製品の設計時に適宜参照される。又は、ルールは、コンフィグレータなどの設計用のツールに利用される。コンフィグレータは、予めマスタとして登録されたルールに従い、顧客からの要望に基づいて、適切な仕様を計算及び選択し、見積結果及び製品図面などを出力する。例えば、コンフィグレータは、構成部品、機能、オプションなどに関する項目ごとに、選択肢の選択を受け付け可能である。コンフィグレータは、受け付けた選択肢とルールとに基づき、適切な仕様を選択する。
【0011】
ルールは、適切に管理することが求められる。ルールが不適切であると、コンフィグレータは、その不適切なルールに基づいて不適切な仕様を出力する。一方、ルールの数が増加するに従い、人手によるルールの適切な管理及びメンテナンスが困難となる。実施形態に係る発明は、ルールの管理及びメンテナンスを支援するために用いられる。
【0012】
図1は、実施形態に係る支援システムの機能構成を示す模式図である。
図1に示すように、支援システム1は、支援装置10、記憶装置20、入力装置30、及び出力装置40を含む。支援装置10は、ルールが適切に設定されているかを検証する。記憶装置20は、検証の対象であるルール、検証で用いられるデータなどを記憶する。入力装置30は、ユーザが支援装置10にデータを入力するために用いられる。出力装置40は、支援装置10から出力されたデータを、ユーザに向けて出力する。
【0013】
以下で、支援システム1の各構成要素について具体的に説明する。ここでは、製品が配電設備である例について説明する。
【0014】
記憶装置20は、複数の項目を含む項目群21と、複数のルールを含むルール群22と、を記憶している。各項目は、製品の仕様に関連しており、1つ以上の選択肢を有する。各ルールは、項目群に含まれる2つ以上の項目に対して設定される。ルールでは、1つ以上の項目が「主項目」として定義され、別の1つ以上の項目が「従項目」として定義される。また、ルールでは、主項目の選択肢による従項目の選択肢の絞り込み条件が定義されている。
【0015】
図2は、ルールの一覧を例示するテーブル例である。
図2に示すテーブル100は、ルールID101、項目ID102、及び絞り込み条件103のカラムを含む。ルールID101は、各ルールを識別するための固有の文字列を示す。項目ID102は、ルールの対象となる項目IDを示す。絞り込み条件103は、主項目の選択肢による従項目の選択肢の絞り込みを示す。図示した例では、絞り込み条件が、1行のデータで表されている。
【0016】
図3は、ルールの具体例である。
図3は、テーブル100においてルールID「124」で特定されるルール120の詳細を示す。ルール120は、項目ID「1」によって特定される「設置場所」の項目、項目ID「2」によって特定される「機能Aの実装」の項目、項目ID「3」によって特定される「機能Bの実装」の項目、及び項目ID「4」によって特定される「計器の有無」の項目に関する。「場所」、「機能Aの実装」、「機能Bの実装」、及び「計器の有無」は、項目群に含まれる複数の項目の一部である。
【0017】
ルール120は、ある装置の仕様に関する。ルール120では、「場所」、「機能Aの実装」、及び「機能Bの実装」の仕様に対応する「計器の有無」の仕様が定義されている。すなわち、ルール120では、「場所」、「機能Aの実装」、及び「機能Bの実装」の組み合わせが主項目であり、「計器の有無」が従項目である。
【0018】
ルール120において、「場所」の項目121は、「屋内」の選択肢121aと、「屋外」の選択肢121bと、を含む。「機能Aの実装」の項目122は、「有」の選択肢122aと、「無」の選択肢122bと、「将来」の選択肢122cと、を含む。「機能Bの実装」の項目123は、「有」の選択肢123aと、「無」の選択肢123bと、「将来」の選択肢123cと、を含む。「有」は、機能が実装されることを示す。「無」は、機能が実装されないことを示す。「将来」は、機能が将来実装される可能性があることを示す。「計器の有無」の項目124は、「無」の選択肢124aと、「上下」の選択肢124bと、「上」の選択肢124cと、「下」の選択肢124dと、を含む。「無」は、計器が設けられないことを示す。「上下」は、装置の上段と下段の両方に計器が設けられることを示す。「上」は、装置の上段に計器が設けられることを示す。「下」は、装置の下段に計器が設けられることを示す。
【0019】
絞り込み条件125は、主項目の選択肢121a、121b、122a~122c、及び123a~123cの組み合わせによる、従項目の選択肢124a~124dの絞り込みを示す。例えば、絞り込み条件125は、「場所」の項目121で「屋内」の選択肢121aが選択され、「機能Aの実装」の項目122で「有」の選択肢122aが選択され、「機能Bの実装」の項目123で「有」の選択肢123aが選択された場合に、「計器の有無」の項目124では、「無」の選択肢124aが選択されることを示している。
【0020】
支援装置10は、取得部11、検証部12、及び出力部13を含む。取得部11は、記憶装置20にアクセスし、ルールを取得する。取得部11は、入力装置30によってユーザから入力されたルールを受け付けても良い。
【0021】
検証部12は、取得されたルールの絞り込み条件の妥当性を検証する。具体的な一例として、検証部12は、主項目の各選択肢によって絞り込まれる従項目の選択肢の数をカウントする。ここでは、当該数を、「絞り込み数」と呼ぶ。各ルールに対しては、絞り込み数に対する許容範囲が予め設定される。例えば、許容範囲は、絞り込み数に対する上限及び下限を含む。上限及び下限として、同じ値が設定されても良い。すなわち、ある特定の値のみが許容されても良い。許容範囲は、複数のルールに対して共通に設定されても良い。又は、許容範囲は、主項目の選択肢ごとに設定されても良い。
【0022】
検証部12は、主項目の各選択肢による絞り込み数を、許容範囲と比較する。絞り込み数が許容範囲内である場合、その選択肢に対して設定された絞り込み条件は、妥当であると判断される。絞り込み数が許容範囲外である場合、その選択肢に対して設定された絞り込み条件は、妥当でないと判断される。検証部12は、主項目の選択肢ごとに、絞り込み数の妥当性を検証する。
【0023】
例えば、ルール120に対して、許容範囲の上限及び下限が、「1」に設定される。すなわち、絞り込み数は、「1」のみが許容される。検証部12は、ルール120について、主項目の選択肢121a、121b、122a~122c、及び123a~123cによる、従項目の選択肢124a~124dの絞り込み数をカウントする。
【0024】
ルール120では、主項目の選択肢121a、121b、122a~122c、及び123a~123cによる組み合わせごとに、従項目の選択肢124a~124dのいずれか1つが決定される。すなわち、いずれの絞り込み数も、「1」であり、許容範囲内である。このため、検証部12は、ルール120の絞り込み条件を妥当と判断する。
【0025】
図4は、別のルールの一例である。
図4は、テーブル100において、ルールID「198」で特定されるルール140の詳細を示す。ルール140では、「方式」の項目141が主項目として設定され、「コーティング」の項目142が従項目として設定されている。「方式」は、例えば「A方式」の選択肢141aと、「B方式」の選択肢141bと、「C方式」の選択肢141cと、「D方式」の選択肢141dと、を含む。「コーティング」は、コーティングの有無に関し、「無」の選択肢142aと、「有」の選択肢142bと、を含む。ルール140において、絞り込み条件145は、主項目の選択肢141a~141dによる従項目の選択肢142a及び142bの絞り込みを示す。
【0026】
ルール140に対して、許容範囲の上限及び下限が、「1」に設定される。検証部12は、主項目の選択肢141a~141dによる従項目の選択肢142a及び142bの絞り込み数をカウントする。図示した例では、選択肢141a及び141cについて、絞り込み数は、それぞれ「1」である。このため、これらの選択肢に対する絞り込み条件は、妥当であると判断される。一方、選択肢141bについては、選択肢142a及び142bのいずれも選択されない。絞り込み数は「0」であり、絞り込み条件が妥当でないと判断される。選択肢141dについては、選択肢142a及び142bの両方が選択される。絞り込み数は「2」であり、絞り込み条件が妥当でないと判断される。
【0027】
出力部13は、検証部12による検証結果を出力する。例えば、出力部13は、絞り込み条件が妥当である選択肢に対しては、その旨を示す第1検証結果を出力する。出力部13は、絞り込み条件が妥当でない選択肢に対しては、その旨を示す第2検証結果を出力する。出力部13は、1つのルールに対してまとめて第1検証結果又は第2検証結果のいずれかを出力しても良い。例えば、いずれの選択肢の絞り込み条件も妥当である場合、第1検証結果が出力される。いずれかの選択肢の絞り込み条件が妥当でない場合、第2検証結果が出力される。
【0028】
図5は、記憶装置におけるデータ構造を例示する模式図である。
図5を参照して、支援システム1によるデータ処理の具体例を説明する。例えば図5に示すように、記憶装置20は、項目群21及びルール群22に加えて、絞り込み数記憶部23、許容範囲記憶部24、提示ルール記憶部25、紐付データ記憶部26、及び提示事項記憶部27を含む。
【0029】
検証部12は、ルール群22の各ルールについて、主項目の選択肢ごとの絞り込み数をカウントし、絞り込み数記憶部23に保存する。各ルールに対する許容範囲は、ユーザにより予め設定された許容範囲記憶部24に保存される。検証部12は、絞り込み数記憶部23に保存された絞り込み数を、許容範囲記憶部24に保存された許容範囲とそれぞれ比較する。検証部12は、各比較結果が、提示ルール記憶部25に保存されたいずれかの条件を満たすか判断する。
【0030】
図6は、提示ルールの一例である。
図6に示す提示ルール160は、提示ルールID161、条件162、及び識別子163のカラムを含む。提示ルールID161は、提示ルールを識別するための固有の文字列である。条件162では、許容範囲に対する絞り込み数の条件が定義されている。識別子163は、ユーザに提示される事項に対応する識別子を示し、条件ごとに設定される。
【0031】
検証部12は、絞り込み数と許容範囲の関係が、いずれかの条件を充足するか判断する。検証部12は、判断結果に基づいて主項目の選択肢ごとに識別子を紐付け、紐付データ記憶部26に保存する。検証部12は、紐付けられた識別子に基づき、提示事項記憶部27に保存された提示事項を、主項目の選択肢ごとに取得する。出力部13は、選択肢と提示事項とをそれぞれ紐付けた検証結果を生成し、出力する。
【0032】
図7は、検証結果の出力例である。
図7に示す検証結果180は、図3に示すルール120に対する検証の結果を示す。検証結果180は、ルールID181、主項目182、許容範囲184、絞り込み数185、及び判定結果186を含む。
【0033】
ルール120については、それぞれの選択肢の絞り込み数が「1」であった。このため、いずれの絞り込み数185も、許容範囲184を満たす。図6に示す提示ルール160に基づき、それぞれの選択肢には、「選択肢数は適性」の識別子が紐付けられる。識別子が紐付けられた各選択肢は、紐付データ記憶部26に保存される。例えば、提示事項記憶部27では、「選択肢数は適性」の識別子に対して、「OK」の提示事項が紐付けられている。このため、主項目182のそれぞれの選択肢に対して、「OK」の提示事項が紐付けられる。紐付けられた提示事項に基づき、出力部13による出力結果では、主項目のいずれの選択肢についても「OK」の判定結果(提示事項)が記されている。
【0034】
図8は、別の検証結果の出力例である。
図8に示すように、より簡素な検証結果が出力されても良い。図8に示す検証結果200は、図4に示すルール140に対する検証の結果を示す。検証結果200は、ルールID201、主項目選択肢202、及び判定結果203を含む。
【0035】
ルール140については、一部の選択肢の絞り込み数が、許容範囲外である。図6に示す提示ルール160に基づき、それらの選択肢には、「選択肢数過小」又は「選択肢数過多」の識別子が紐付けられる。識別子に応じて、主項目選択肢202に対して紐付けられた判定結果203(提示事項)が示されている。なお、この例では、識別子と提示事項が同じである。このため、提示ルール160において識別子として登録された文字列が、提示内容として出力されている。
【0036】
図7及び図8に示す例において、「OK」又は「選択肢数は適性」は、ルールの絞り込み条件が妥当であることを示す第1検証結果の一例である。「選択肢数過多」又は「選択肢数過小」は、ルールの絞り込み条件が妥当でないことを示す第2検証結果の一例である。
【0037】
出力部13は、生成した検証結果を、CSVなどの所定のファイル形式で出力し、所定の記憶媒体に保存する。出力部13は、File Transfer Protocol(FTP)などを用いて外部のサーバへデータを送信しても良い。出力部13は、データベース通信を行って、Open Database Connectivity(ODBC)などを用いて、外部のデータベースへデータを挿入してもよい。出力装置40がモニタ又はプロジェクタである場合、出力部13は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)などに検証結果を表示させても良い。出力装置40がスピーカである場合、検証結果に対応した音を出力しても良い。
【0038】
図9及び図10は、実施形態に係る支援装置による出力例を示す模式図である。
出力部13は、例えば図9に示すGUI300(第1ユーザインターフェース)を、出力装置40に表示させる。GUI300には、ルールマネージャ310が表示されている。ルールマネージャ310は、ルール群に含まれるいずれかのルールに関連する項目をまとめたテーブルを含む。ルールマネージャ310には、項目ID311、項目名313、及び判定結果314のカラムが表示される。
【0039】
項目ID311は、各項目を識別するための固有の文字列を示す。項目名313は、項目に付された名称を示す。判定結果314は、各項目と関連するルールの検証の結果を示す。例えば、ユーザは、入力装置30を用いてポインタ315を操作し、アイコン316をクリックする。これにより、ルールマネージャ310に表示された各ルールの妥当性が、支援装置10によって検証される。
【0040】
図9に示す例では、「OK」は、その項目と関連するルールが妥当であることを示す。「ルール無」は、その項目と関連するルールが設定されていないことを示す。「紐付かない項目」は、その行の項目を従項目とするルールにおいて、そのルールに紐づいた主項目のいずれかの選択肢に、従項目の選択肢が紐付けられていないことを示す。その項目のいずれか選択肢に、従項目の選択肢が紐付けられていないことを示す。「ルール無」、「紐付かない項目」などのように、ルールが妥当でない原因が表示されることで、ユーザは、原因を容易に把握できる。
【0041】
ユーザがいずれかの判定結果314をダブルクリックすると、出力部13は、ダブルクリックされた結果の詳細を表示させる。例えば、項目名「ヒンジ1」の結果がダブルクリックされると、図10に示すウインドウ320が表示される。図10に示すウインドウ320では、「ヒンジ1」に関連するルールが表示されている。
【0042】
図10に示すように、ルールについて妥当でないと判断された部分の表示態様を、メッセージ321を表示することで、他の部分の表示態様と異ならせても良い。又は、出力部13は、妥当でないと判断された部分における、文字の色、文字の書体、文字の太さ、文字の大きさ、文字飾り、及び背景色のいずれかを、他の部分のそれらと異ならせても良い。
【0043】
支援装置10は、検証結果を示す画面の他、ルールを設定するための設定画面を表示させても良い。
【0044】
図11及び図12は、実施形態に係る支援装置による出力例を示す模式図である。
出力部13は、図11に示すGUI400(第2ユーザインターフェース)を、出力装置40に表示させる。GUI400には、入力領域410が表示されている。入力領域410には、入力欄411が表示されている。
【0045】
入力欄411は、項目名入力欄411a及び選択肢名入力欄411bを含む。ユーザは、項目名入力欄411aに、項目の名称を入力する。また、ユーザは、選択肢名入力欄411bに、各選択肢の名称を入力する。選択肢名入力欄411bの数は、ユーザが調整可能である。ユーザが名称を入力する代わりに、記憶装置20等に記憶されたデータが、入力欄411に挿入されても良い。入力が完了すると、ユーザは、アイコン413をクリックし、設定したデータを保存する。設定されたデータは、その項目と関連する全てのルールに反映される。
【0046】
出力部13は、入力欄411に入力されたデータに基づき、図12に示すようにルール設定領域420を表示させる。ルール設定領域420では、入力欄411の内容に基づく主項目421及び選択肢421a~421dが表示されている。また、ルール設定領域420では、主項目421の選択肢421a~421dに対応する従項目422の選択肢422a~422bが表示されている。ユーザは、ルール設定領域420で、セル423に「○」又は「×」を入力することで、絞り込み条件を設定できる。
【0047】
設定が完了すると、ユーザは、アイコン424をクリックし、設定したルールを保存する。設定されたルールは、ルール群に登録される。ルールの設定が完了した際に、そのルールの妥当性が検証されても良い。一例として、検証の結果、妥当でない絞り込み条件に対して、図12に示すようにメッセージ425及び426が表示される。
【0048】
支援システム1について、項目群21、ルール群22、絞り込み数記憶部23、許容範囲記憶部24、提示ルール記憶部25、紐付データ記憶部26、及び提示事項記憶部27は、1つの記憶装置20に含まれても良いし、別々の記憶装置20にそれぞれ含まれても良い。記憶装置20は、支援装置10に組み込まれても良いし、支援装置10と有線又は無線で通信されても良い。記憶装置20は、支援装置10とネットワークを介して接続されても良い。
【0049】
図13は、実施形態に係る支援装置による処理を例示するフローチャートである。
図13に示す処理方法M1において、まず、取得部11が、1つ以上のルールと、そのルールに関する項目と、を取得する(ステップS1)。検証部12は、主項目の各選択肢による従項目の選択肢の絞り込み数をそれぞれカウントする(ステップS2)。取得部11は、取得したルールに関する許容範囲を取得する(ステップS3)。取得部11は、提示ルールを取得する(ステップS4)。検証部12は、絞り込み数と許容範囲との比較結果に基づいて、提示ルールにおける識別子を取得する(ステップS5)。取得部11は、識別子が紐付られた選択肢を、紐付データ記憶部26に保存する。検証部12は、紐付データ記憶部26に記憶されている識別子に対応した提示事項を、提示ルール記憶部25から取得する(ステップS6)。出力部13は、絞り込み数と許容範囲との比較結果及び提示事項を示す検証結果を出力する(ステップS7)。
【0050】
実施携帯の利点を説明する。
実施形態に係る支援装置10は、ルール及び項目を取得し、そのルールの絞り込み条件の妥当性を検証する。支援装置10を用いることで、設定されたルールを人手で検証する必要が無くなる。人の仕様に関する知識、経験などによる、検証の精度のばらつきも解消できる。実施形態によれば、ルールを自動的に検証可能な支援装置が提供される。
【0051】
また、支援装置10は、図9及び図10に示すように、検証結果を含むGUI300を表示可能である。ユーザは、GUI300を通して、検証されたルールとその検証結果を容易に把握できる。さらに、支援装置10は、図11及び図12に示すように、ルールの設定を受け付けるGUI400を表示可能である。ユーザは、GUI400を通して、ルールを容易に設定できる。また、そのルールが検証されることで、ユーザは、検証結果を確認しながらルールを効率的に設定できる。
【0052】
より効率的な検証のために、取得部11は、特定のルールのみを選択的に取得しても良い。一般的に、製品は、複数のモジュールから構成される。いずれかのモジュールに関する項目について、その項目に、そのモジュールと関係することを示す属性が付与されても良い。2つ以上の項目に、互いに類似又は同一であることを示す属性が付与されても良い。任意の2つ以上の項目をグループ化するための属性が、それらの項目に付与されても良い。取得部11は、属性の指定を受け付けると、指定された属性が付与された項目が従項目として定義されたルールを、ルール群22から取得する。検証部12は、取得部11によって選択的に取得されたルールについて、妥当性を検証する。属性の指定は、ユーザによって入力されても良いし、別のシステムから入力されても良い。
【0053】
2つ以上の項目が互いに類似又は同一である具体例として、2つ以上の製品に含まれる一部のモジュール同士が共通する場合が挙げられる。この場合、ある製品における共通のモジュールに関する項目と、別の製品における共通のモジュールに関する項目と、に類似又は同一であることを示す属性が付与される。多くのケースでは、それらの項目の内容は実質的に同じである。このため、それらの項目をまとめて検証することで、ルールを効率的に管理できる。
【0054】
また、上述した例では、絞り込み数が許容範囲と比較されているが、許容範囲に代えて許容値が設定されても良い。すなわち、絞り込み数が特定の値である場合のみが許容されても良い。許容値が設定される場合、検証部は、主項目の選択肢ごとに絞り込み数を許容値と比較し、その比較の結果に基づいて妥当性を検証する。出力部13は、絞り込み数が許容値と一致する場合、絞り込み条件が妥当であることを示す第1検証結果を出力する。出力部13は、絞り込み数が許容値と一致しない場合、絞り込み条件が妥当でないことを示す第2検証結果を出力する。
【0055】
(変形例)
図14は、実施形態の変形例に係る支援システムの機能構成を示す模式図である。
変形例に係る支援システム2では、支援装置10が、抽出部14をさらに含む。抽出部14は、検証されるルールの主項目に含まれる選択肢から、選択され得ない無効選択肢を抽出する。検証部12は、無効選択肢以外の有効選択肢について、絞り込み条件の妥当性を検証する。
【0056】
抽出部14は、具体的には、検証されるルールにおいて、主項目に含まれるいずれかの項目と、主項目に含まれる別の項目と、に関連する関連ルールを検索する。例えば図2に示した、ルールID「334」によって特定されるルール220では、ID「11」の項目及びID「12」の項目が主項目と定義され、ID「13」の項目が従項目と定義されている。また、ルールID「401」によって特定されるルール240では、ID「11」の項目が主項目と定義され、ID「12」の項目が従項目と定義されている。ルール240では、ルール220で主項目であるID「11」の項目及びID「12」の項目の一方が主項目として定義され、他方が従項目として定義されている。抽出部14は、ルール220の妥当性を検証する場合に、ルール240を、ルール220の関連ルールとして抽出する。
【0057】
図15は、ルールの一例である。
図15は、ルール220(第1ルールの一例)の詳細を示す。図15に示すように、ルール220は、「接続方式」の項目221(第1項目の一例)、「容量」の項目222(第2項目の一例)、及び「保護」の項目223(第3項目の一例)に関する。「接続方式」及び「容量」は、主項目である。「保護機能」は、従項目である。項目221は、選択肢221a及び221bを含む。項目222は、選択肢222a~222gを含む。項目223は、選択肢223a~223eを含む。
【0058】
図16は、別のルールの一例である。
図16は、ルール240(第2ルールの一例)の詳細を示す。図16に示すように、ルール240は、「接続方式」の項目221及び「容量」の項目222に関する。ルール240によれば、選択肢221aが選択された場合、選択肢222a~222gのいずれも選択されない。これに対して、選択肢221bが選択された場合、選択肢222a又は222bが選択されうる。
【0059】
図17は、抽出部の機能を説明するための図である。
ルール220では、選択肢221aと、選択肢222a~222gのいずれかと、の組み合わせに対する、選択肢223a~223eへの絞り込み条件225が定義されている。しかし、ルール240によれば、選択肢221aが選択された場合、選択肢222a~222gのいずれも選択されない。同様に、選択肢221bが選択された場合、選択肢222c~222gのいずれも選択されない。
【0060】
すなわち、図17に示すように、選択肢221aと、選択肢222a~222gのいずれかと、の組み合わせは、選択され得ない無効選択肢である。同様に、選択肢221bと、選択肢222c~222gのいずれかと、の組み合わせは、選択され得ない無効選択肢である。
【0061】
無効選択肢に対する従項目の選択肢への絞り込み条件は、実際には機能することは無い。それらの絞り込み条件の妥当性は、製品の仕様に影響しない。従って、検証部12は、抽出された無効選択肢に対する絞り込み条件については、妥当性を検証しない。すなわち、検証部12は、無効選択肢について、絞り込み数のカウント、許容範囲との比較などを実行しない。検証部12は、無効選択肢以外の有効選択肢についてのみ、絞り込み数のカウント、許容範囲との比較などを実行する。出力部13からは、無効選択肢に関する検証結果が出力されない。
【0062】
無効選択肢は、図15図17に示す例に限らない。別の一例として、第1ルールにおいて、第1項目が主項目として定義され、第2項目が従項目として定義されている。第2ルールにおいて、第2項目が主項目として定義され、第3項目が従項目として定義されている。第1ルールによって、第2項目に選択され得ない選択肢が存在する場合、抽出部14は、第2ルールにおいて、その選択肢を無効選択肢として抽出しても良い。
【0063】
無効選択肢について、妥当性の検証を省略することで、検証に要する処理時間を短縮できる。また、無効選択肢を特定することで、ユーザが、無効選択肢に関する絞り込み条件を確認又は修正する必要がなくなる。ユーザの利便性を向上できる。又は、出力部13は、無効選択肢を有効選択肢とは区別できるように出力しても良い。例えば、ユーザは、その出力結果を基に、無効選択肢を含むルールを修正する。これにより、ルール群に含まれるルールを簡素化できる。
【0064】
図18及び図19は、関連ルールの抽出方法を説明するための模式図である。
抽出部14による関連ルールの抽出方法は、任意である。ここでは、グラフ構造を用いた一例を説明する。抽出部14は、ルールで定義される項目をノードとして扱い、ルールによる項目同士のつながりをエッジとして扱う。抽出部14は、得られたグラフ構造から、ノード(項目)同士のつながりを検出する。
【0065】
図18に示す例において、矢印の向きは、ルールの主従関係を示す。矢印の起点は、主項目を示す。矢印の終点(先端)は、従項目を示す。図18では、項目aと関連するルールが例示されている。ルールAでは、項目aが主項目として定義され、項目bが従項目として定義されている。ルールBでは、項目aが主項目として定義され、項目xが従項目として定義されている。ルールCでは、項目xが主項目として定義され、項目yが従項目として定義されている。ルールDでは、項目yが主項目として定義され、項目bが従項目として定義されている。ルールEでは、項目aが主項目として定義され、項目wが従項目として定義されている。ルールFでは、項目aが主項目として定義され、項目zが従項目として定義されている。
【0066】
抽出部14は、ルールA~Fについて、各項目をノードとして扱い、ルールによる主従関係をエッジとして扱う。これにより、図19に示すように、項目a、b,w,x,y,zに対応するノードN1~N6と、それらの主従関係に対応するエッジE1~E6と、を含むグラフ構造Gが得られる。抽出部14は、グラフ構造Gから、ルールAの関連ルールとして、項目aとxに関するルールB、項目xとyに関するルールC、及び項目yとbに関するルールDを抽出する。抽出部14は、ルールB~Dから、ルールAについて項目aにおける無効選択肢を抽出する。
【0067】
グラフ構造を生成する際、探索するノードの階層数(深さ)は、任意である。階層数が多く設定されるほど、無向選択肢がより抽出され易くなる。ただし、階層数が多すぎると、無効選択肢の抽出に要する時間が長くなる。
【0068】
図20は、実施形態の変形例に係る支援装置による処理を例示するフローチャートである。
図20に示す処理方法M2は、図13に示す処理方法M1と比べて、ステップS11及びS12をさらに含む。ステップS11及びS12は、ステップS1とS2の間で実行される。ステップS11において、抽出部14は、検証されるルールと関連する関連ルールを抽出する。ステップS12において、抽出部14は、関連ルールに基づき、検証されるルールの主項目の選択肢から、無効選択肢を抽出する。以降は、無効選択肢以外の有効選択肢について、処理方法M1と同様に、絞り込み数のカウント、許容範囲との比較などが実行される。
【0069】
図21は、ハードウェア構成を示す模式図である。
支援装置10は、例えば図21に示すハードウェア構成を含む。図21に示すコンピュータ90は、CPU91、ROM92、RAM93、記憶装置94、入力インタフェース95、出力インタフェース96、及び通信インタフェース97を含む。支援装置10の機能は、1台のコンピュータ90によって実現されても良いし、複数のコンピュータ90の協働によって実現されても良い。
【0070】
ROM92は、コンピュータの動作を制御するプログラムを格納している。ROM92には、上述した各処理をコンピュータに実現させるために必要なプログラムが格納されている。RAM93は、ROM92に格納されたプログラムが展開される記憶領域として機能する。
【0071】
CPU91は、処理回路を含む。CPU91は、RAM93をワークメモリとして、ROM92又は記憶装置94の少なくともいずれかに記憶されたプログラムを実行する。プログラムの実行中、CPU91は、システムバス98を介して各構成を制御し、種々の処理を実行する。
【0072】
記憶装置94は、プログラムの実行に必要なデータや、プログラムの実行によって得られたデータを記憶する。
【0073】
入力インタフェース(I/F)95は、コンピュータ90と入力装置95aとを接続する。入力I/F95は、例えば、USB等のシリアルバスインタフェースである。CPU91は、入力I/F95を介して、入力装置95aから各種データを読み込むことができる。
【0074】
出力インタフェース(I/F)96は、コンピュータ90と出力装置96aとを接続する。出力I/F96は、例えば、Digital Visual Interface(DVI)やHigh-Definition Multimedia Interface(HDMI(登録商標))等の映像出力インタフェースである。CPU91は、出力I/F96を介して、出力装置96aにデータを送信し、出力装置96aに画像を表示させることができる。
【0075】
通信インタフェース(I/F)97は、コンピュータ90外部のサーバ97aと、コンピュータ90と、を接続する。通信I/F97は、例えば、LANカード等のネットワークカードである。CPU91は、通信I/F97を介して、サーバ97aから各種データを読み込むことができる。
【0076】
記憶装置94は、Hard Disk Drive(HDD)及びSolid State Drive(SSD)から選択される1つ以上を含む。入力装置95aは、マウス、キーボード、マイク(音声入力)、及びタッチパッドから選択される1つ以上を含む。出力装置96aは、モニタ、プロジェクタ、スピーカ、及びプリンタから選択される1つ以上を含む。タッチパネルのように、入力装置95aと出力装置96aの両方の機能を備えた機器が用いられても良い。記憶装置94は、記憶装置20として用いられても良い。入力装置95a及び出力装置96aは、それぞれ、入力装置30及び出力装置40として用いられても良い。
【0077】
上記の種々のデータの処理は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク及びハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-ROM、DVD±R、DVD±RWなど)、半導体メモリ、又は、他の非一時的なコンピュータで読取可能な記録媒体(non-transitory computer-readable storage medium)に記録されても良い。
【0078】
例えば、記録媒体に記録された情報は、コンピュータ(または組み込みシステム)により読み出されることが可能である。記録媒体において、記録形式(記憶形式)は任意である。例えば、コンピュータは、記録媒体からプログラムを読み出し、このプログラムに基づいてプログラムに記述されている指示をCPUで実行させる。コンピュータにおいて、プログラムの取得(または読み出し)は、ネットワークを通じて行われても良い。
【0079】
以上で説明した実施形態によれば、ルールを自動的に検証可能な、支援装置、処理方法、プログラム、及び記憶媒体が提供される。
【0080】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0081】
1,2:支援システム、 10:支援装置、 11:取得部、 12:検証部、 13:出力部、 14:抽出部、 20:記憶装置、 21:項目群、 22:ルール群、 23:絞り込み数記憶部、 24:許容範囲記憶部、 25:提示ルール記憶部、 26:紐付データ記憶部、 27:提示事項記憶部、 30:入力装置、 40:出力装置、 90:コンピュータ、 91:CPU、 92:ROM、 93:RAM、 94:記憶装置、 95:入力インタフェース、 95a:入力装置、 96:出力インタフェース、 96a:出力装置、 97:通信インタフェース、 97a:サーバ、 98:システムバス、 100:テーブル、 101:ルールID、 102:項目ID、 103:絞り込み条件、 120:ルール、 121:項目、 121a,121b:選択肢、 122:項目、 122a~122c:選択肢、 123:項目、 123a~123c:選択肢、 124:項目、 124a~124d:選択肢、 125:絞り込み条件、 140:ルール、 141:項目、 141a~141d:選択肢、 142:項目、 142a,142b:選択肢、 145:絞り込み条件、 160:提示ルール、 161:提示ルールID、 163:識別子、 180:検証結果、 181:ルールID、 182:主項目、 184:許容範囲、 185:絞り込み数、 186:判定結果、 200:検証結果、 201:ルールID、 202:主項目選択肢、 203:判定結果、 220:ルール、 221:項目、 221a,221b:選択肢、 222:項目、 222a~222g:選択肢、 223:項目、 223a~223e:選択肢、 225:絞り込み条件、 240:ルール、 310:ルールマネージャ、 311:項目ID、 313:項目名、 314:判定結果、 315:ポインタ、 316:アイコン、 320:ウインドウ、 321:メッセージ、 410:入力領域、 411:入力欄、 411a:項目名入力欄、 411b:選択肢名入力欄、 413:アイコン、 420:ルール設定領域、 421:主項目、 421a~421d:選択肢、 422:従項目、 422a,422b:選択肢、 423:セル、 424:アイコン、 425:メッセージ、 E1~E6:エッジ、 F:ルール、 G:グラフ構造、 M1,M2:処理方法、 N1~N6:ノード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図21