(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100007
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
F24C 1/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
F24C1/00 320C
F24C1/00 340B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003692
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】岸本 卓士
(57)【要約】
【課題】貯水部の水を安定的に検知することができる加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理器100は、加熱室10と、蒸発部9と、貯水部4と、給水管6と、水検知部7とを備える。加熱室10は、被加熱物OBを蒸気により加熱する。蒸発部9は、水Wを蒸気にして加熱室10に送る。貯水部4は、蒸発部9に供給する水Wを貯留する。給水管6は、貯水部4から蒸発部9まで水Wを供給する。水検知部7は、貯水部4の水Wを検知する。水検知部7は、管保持体70と、光センサ72とを有する。管保持体70は、給水管6を保持する。光センサ72は、管保持体70に設けられる。給水管6は、光センサ72からの光の経路となる部分60が透光性を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物が収容される収容部と、
水を蒸気にして前記収容部に送る蒸発部と、
前記蒸発部に供給する水を貯留する貯水部と、
前記貯水部から前記蒸発部まで水を供給する給水管と、
前記貯水部の水を検知する水検知部と
を備え、
前記水検知部は、
前記給水管を保持する管保持体と、
前記管保持体に設けられた光センサと
を有し、
前記給水管は、前記光センサからの光の経路となる部分が透光性を有する、加熱調理器。
【請求項2】
前記光センサは、前記給水管において前記蒸発部よりも前記貯水部の近くに位置する、請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記光センサは、
前記給水管の透光性を有する部分に光を発する発光素子と、
前記発光素子に対向する位置で前記発光素子からの光を受ける受光素子と
を有する、請求項1又は請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記光センサは、
前記給水管の透光性を有する部分に光を発する受発光素子と、
前記受発光素子に対向する位置で前記受発光素子からの光を反射させる反射部と
を有し、
前記受発光素子は、前記反射部で反射した光を受ける、請求項1又は請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記管保持体は、内部に前記給水管を収容する角筒形状又は円筒形状である、請求項1又は請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記管保持体は、内部に前記給水管を収容する形状であり、前記内部まで前記給水管を通過させる切欠きを有する、請求項1又は請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記管保持体は、前記給水管の曲率が真円よりも小さくなるように前記給水管を保持し、
前記光センサは、前記給水管の曲率が真円よりも小さい部分に光を発する、請求項1又は請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記光センサからの光は、波長が700nm以上である、請求項1又は請求項2に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
食品及び飲料等の被加熱物を蒸気で加熱する加熱調理器が提案されている。蒸気は、加熱調理器の有する貯水部の水を蒸発させて生成される。したがって、貯水部における水の有無を検知する水検知部が加熱調理器には必要になる。
【0003】
特許文献1に記載の加熱調理器は、水検知部として、一対の電極を有する。電極の間が導通状態になったか否かで、貯水部の水が検知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の水検知部では、貯水部の水を安定的に検知できないという問題点があった。具体的には、電極が水通路外から水通路内に差し込まれるため、水漏れが発生するおそれがある。また、浄水器で浄化された水が使用されると、水に不純物が少ないことから、電極の間が導通状態になりにくい。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、加熱調理器において貯水部の水を安定的に検知可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、加熱調理器は、収容部と、蒸発部と、貯水部と、給水管と、水検知部とを備える。収容部には、被加熱物が収容される。蒸発部は、水を蒸気にして収容部に送る。貯水部は、蒸発部に供給する水を貯留する。給水管は、貯水部から蒸発部まで水を供給する。水検知部は、貯水部の水を検知する。水検知部は、管保持体と、光センサとを有する。管保持体は、給水管を保持する。光センサは、管保持体に設けられる。給水管は、光センサからの光の経路となる部分が透光性を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の加熱調理器によれば、貯水部の水を安定的に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1に係る加熱調理器の正面図である。
【
図2】扉を開いた状態の加熱調理器の正面図である。
【
図4】貯水部から加熱室までの水及び蒸気の流れに関する構成を示す模式図である。
【
図6】実施形態2に係る加熱調理器の給水管に水が有る場合の断面図である。
【
図7】実施形態2に係る加熱調理器の給水管に水が無い場合の断面図である。
【
図8】実施形態3に係る加熱調理器の給水管に水が有る場合の断面図である。
【
図9】実施形態4に係る加熱調理器の管保持体が丸筒形状である場合の断面図である。
【
図10】実施形態5に係る加熱調理器の管保持体が切欠きを有する場合の断面図である。
【
図11】実施形態6に係る加熱調理器の管保持体に保持された給水管が扁平な場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、以下に記載される説明において、「上」又は「下」の特定の位置と方向とを意味する用語が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、実際に実施される際の方向とは関係しないものである。
【0011】
[実施形態1]
図1を参照して、本発明の実施形態1に係る加熱調理器100の全体を説明する。
図1は、実施形態1に係る加熱調理器100の正面図である。
【0012】
図1に示されるように、加熱調理器100は、本体ケーシング1と、排気ダクト2と、扉3と、貯水部4と、露受容器5とを備える。本体ケーシング1は、加熱室10(本発明における「収容部」の一例)を有する。排気ダクト2は、加熱室10内の気体を外部に排出する。加熱室10は、蒸気、マイクロ波又はヒータにより被加熱物OBを加熱する。蒸気は、水の沸点を超える温度の過熱水蒸気も含む。以下、マイクロ波及びヒータによる加熱のための構成の説明を省略し、蒸気による加熱のための構成に着目して説明する。
【0013】
扉3は、加熱室10を開閉する。扉3は、ハンドル30と、ガラス窓31と、操作パネル32とを有する。ハンドル30は、開閉の際に把持される。ガラス窓31は、加熱室10を本体ケーシング1の外部に見せる。操作パネル32は、被加熱物OBを加熱する操作に用いられる。操作パネル32は、ボタン群33と、表示部37とを有する。ボタン群33は、スタートボタン34と、取消しボタン35と、クラウド接続ボタン36とを有する。
【0014】
貯水部4(タンクとも言われる)は、蒸気にするための水を貯留する。露受容器5は、加熱室10に発生した水滴を受ける。
【0015】
以下、
図2を参照して、加熱室10について説明する。
図2は、扉3を開いた状態の加熱調理器100の正面図である。
【0016】
加熱室10は、蒸気吹出口11と、吸気口12と、排気口13とを有する。蒸気吹出口11は、加熱室10に蒸気を吹き出す。吸気口12は、加熱室10から蒸気を吸い込む。吸気口12から吸い込まれた蒸気は、再び高温にされた後に、蒸気吹出口11から加熱室10に吹き出される。排気口13は、排気ダクト2に連通する。排気口13は、加熱室10の気体を排気ダクト2経由で外部に排出する。加熱室10は、上棚受け14と、下棚受け15とを有する。上棚受け14及び下棚受け15は、それぞれ上下の棚(不図示)を受ける。
【0017】
以下、
図3を参照して、貯水部4の近傍について説明する。
図3は、貯水部4の近傍を示す斜視図である。
【0018】
図3に示されるように、貯水部4は、本体ケーシング1の内部に配置される。貯水部4は、本体ケーシング1の内部から外部へ引出し可能に構成される。貯水部4は、注水口40及び蓋41を有する。注水口40は、本体ケーシング1の外部に引き出された状態で水が注入される。蓋41は、注水口40を開閉する。
【0019】
加熱調理器100は、本体ケーシング1の内部に、給水管6と、水検知部7と、ポンプ8とをさらに備える。給水管6は、例えば、可撓性を有するチューブである。給水管6は、貯水部4と連通する。給水管6は、貯水部4の水を案内する。水検知部7は、給水管6の水を検知することで、貯水部4の水を検知する。ポンプ8は、給水管6の水を送る。
【0020】
以下、
図4を参照して、貯水部4から加熱室10までの水W及び蒸気の流れに関する構成を詳細に説明する。
図4は、貯水部4から加熱室10までの水W及び蒸気の流れに関する構成を示す模式図である。
図5は、
図4のV-V断面斜視図である。
【0021】
図4に示されるように、繰り返しになるが、加熱調理器100は、加熱室10と、貯水部4と、給水管6と、水検知部7とを備える。加熱調理器100は、蒸発部9をさらに備える。
【0022】
加熱室10には、被加熱物OBが収容される。加熱室10は、被加熱物OBを蒸気により加熱する。蒸発部9は、水Wを蒸気にして加熱室10に送る。貯水部4は、蒸発部9に供給する水Wを貯留する。給水管6は、貯水部4から蒸発部9まで水Wを供給する。
【0023】
水検知部7は、貯水部4の水Wを検知する。水検知部7は、管保持体70と、光センサ72とを有する。管保持体70は、給水管6を保持する。光センサ72は、管保持体70に設けられる。
図4及び5に示されるように、給水管6は、光センサ72からの光の経路となる部分60が透光性を有する。
【0024】
光センサ72からの光により、給水管6の水Wが検知される。給水管6の水Wが検知されることで、給水管6に供給される貯水部4の水Wまで検知されることになる。したがって、貯水部4の水Wを検知するのに電極が不要になるので、電極を原因とする不具合が発生しない。また、加熱調理器100では水Wの温度が高くなりがちだが、水Wの温度が高くなっても、光センサ72であれば誤った検知をしない。結果として、加熱調理器100は、安定して貯水部4の水Wを検知することができる。
【0025】
図4に示されるように、繰り返しになるが、加熱調理器100は、ポンプ8をさらに備える。ポンプ8は、給水管6に設けられる。ポンプ8は、貯水部4から水Wを蒸発部9に送る。光センサ72は、給水管6において、貯水部4とポンプ8との間に位置する。より詳細には、光センサ72は、給水管6において蒸発部9よりも貯水部4の近くに位置する。
【0026】
光センサ72が給水管6において貯水部4とポンプ8との間に位置することにより、光センサ72が貯水部4の近くに位置する。すなわち、貯水部4の近くで給水管6の水Wが検知される。したがって、加熱調理器100は、使用されると、短時間で貯水部4の水Wを検知することができる。ポンプ8は、貯水部4から水Wを蒸発部9に送るだけでなく、蒸発部9から水Wを貯水部4に送るものでもよい。
【0027】
光センサ72は、貯水部4に近いほど好ましい。例えば、光センサ72は、給水管6において、貯水部4からポンプ8までの距離の半分未満の位置で、貯水部4側に位置する。したがって、貯水部4の十分に近くで給水管6の水Wが検知される。結果として、加熱調理器100は、使用されると、極めて短時間で貯水部4の水Wを検知することができる。
【0028】
管保持体70は、加熱調理器100の内部に固定される。固定された管保持体70は、給水管6(可撓性を有するチューブ)を保持により動かないようにする。すなわち、管保持体70に設けられた光センサ72と、給水管6の透光部60とは動かない。したがって、加熱調理器100は、安定的に貯水部4の水Wを検知することができる。
【0029】
[実施形態2]
次に、
図6及び
図7を参照して、実施形態2に係る加熱調理器100を説明する。実施形態2では、水検知部7の光センサ72が実施形態1より具体的である。
図6は、実施形態2に係る加熱調理器100の給水管6に水Wが有る場合の断面図である。
図7は、実施形態2に係る加熱調理器100の給水管6に水Wが無い場合の断面図である。
【0030】
図6に示されるように、光センサ72は、発光素子73と、受光素子74とを有する。発光素子73は、給水管6の透光性を有する部分60(以下、透光部60)に光Lを発する。受光素子74は、発光素子73に対向する位置で発光素子73からの光Lを受ける。
【0031】
発光素子73からの光Lは、給水管6の透光部60(透光性を有する部分60)を通過してから、給水管6の内部に至る。
図6に示されるように、給水管6に水Wが有れば、発光素子73からの光Lが、給水管6の内部で水Wにより減衰する。減衰の原因は、水Wによる光Lの屈折、散乱及び吸収等である。減衰した光Lは、給水管6の他の透光部60を通過してから、受光素子74で受けられる。したがって、給水管6に水Wが有れば、受光素子74で受けられた光Lの強度が低くなる。
【0032】
一方で、
図7に示されるように、給水管6に水Wが無ければ、発光素子73からの光Lが、給水管6の内部で水Wにより減衰しない。減衰しなかった光Lは、給水管6の他の透光部60を通過してから、受光素子74で受けられる。したがって、給水管6に水Wが無ければ、受光素子74で受けられた光Lの強度が高くなる。
【0033】
以上より、給水管6の水Wの有無によって受光素子74で受けられる光Lの強度が異なる。したがって、受光素子74で受けられた光Lの強度を測定することにより、給水管6の水Wを検知することが可能になる。具体的には、受光素子74で受けられた光Lの強度が高ければ水Wを検知せず、受光素子74で受けられた光Lの強度が低ければ水Wを検知する。受光素子74で受けられた光Lの強度を測定するために、水検知部7は、光強度測定器75(例えば、電圧計76)を有する。電圧計76は、受光素子74で受けられた光Lから生ずる電圧を測定する。
【0034】
図6及び
図7に示されるように、発光素子73及び受光素子74が給水管6の透光部60を挟んで対向するので、光Lの経路が短くなる。したがって、加熱調理器100は、安定して貯水部4の水Wを検知することができる。
【0035】
発光素子73及び受光素子74と、給水管6の透光部60とは、接していることが好ましい。光Lの経路が一層短くなるからである。また、発光素子73及び受光素子74と透光部60との間に空気層がないので、且つ、光Lが空気層で減衰しないからである。したがって、給水管6の水Wの有無によって受光素子74で受けられる光Lの強度が大きく異なることになる。結果として、加熱調理器100は、より安定的に貯水部4の水Wを検知することができる。
【0036】
発光素子73及び受光素子74は、両者間の光軸が給水管6の直径に概ね沿うように給水管6の周囲に配置されることが好ましい。光Lが水Wによって十分に減衰するからである。これにより、給水管6の水Wの有無によって受光素子74で受けられる光Lの強度が大きく異なることになる。その結果、加熱調理器100は、より安定的に貯水部4の水Wを検知することができる。
【0037】
光強度測定器75は、キャリブレーションとして、給水管6に水Wが無い場合に受光素子74で受けられる光Lの強度を予め測定する。予め測定された光Lの強度を、給水管6の水Wを検知する基準にしてもよい。例えば、光強度測定器75の一例である電圧計76で予め測定された電圧が3Vであれば、3Vが水Wを検知する基準になる。そして、加熱調理器100が使用されている際に、測定された電圧が3V以上であれば、水Wが検知されず、測定された電圧が3V未満であれば、水Wが検知される。また、予め測定された光Lの強度から所定強度だけ低い値を、給水管6の水Wを検知する基準にしてもよい。例えば、光強度測定器75の一例である電圧計76で予め測定された電圧が3Vであれば、3Vから所定強度に相当する0.5Vだけ低い2.5Vが、水Wを検知する基準になる。そして、加熱調理器100が使用されている際に、測定された電圧が2.5V以上であれば、水Wが検知されず、測定された電圧が2.5V未満であれば、水Wが検知される。
【0038】
[実施形態3]
次に、
図8を参照して、実施形態3に係る加熱調理器100を説明する。実施形態3では、水検知部7の光センサ72が実施形態2より簡素である。以下、
図8では、光センサ72に着目して説明する。
図8は、実施形態3に係る加熱調理器100の給水管6に水Wが有る場合の断面図である。
【0039】
図8に示されるように、光センサ72は、受発光素子77と、反射部78とを有する。受発光素子77は、給水管6の透光部60(透光性を有する部分60)に光Lを発する。反射部78は、受発光素子77に対向する位置で、受発光素子77からの光Lを反射させる。受発光素子77は、反射部78で反射した光Lを受ける。
【0040】
光センサ72が受発光素子77を有することで、発光素子73及び受光素子74のような2種類の素子が不要になり、1種類の素子で足りる。したがって、加熱調理器100は、水検知部7の製造を容易にすることができる。
【0041】
反射部78は、管保持体70とは別の部材でもよく、管保持体70の一部(内周部)を光Lが反射するように構成したものでもよい。反射部78が管保持体70の一部(内周部)であることにより、加熱調理器100は、水検知部7の製造を容易にすることができる。
【0042】
受発光素子77の各光軸は、光Lが給水管6の直径に概ね沿うように給水管6の周囲に配置されることが好ましい。光Lが水Wによって十分に減衰するからである。これにより、給水管6の水Wの有無によって受発光素子77で受けられる光Lの強度が大きく異なることになる。その結果、加熱調理器100は、安定的に貯水部4の水Wを検知することができる。
【0043】
[実施形態4]
次に、
図9を参照して、実施形態4に係る加熱調理器100を説明する。実施形態4では、水検知部7の管保持体70が丸筒形状である。以下、
図9では、実施形態4に係る加熱調理器100の管保持体70に着目して説明する。
図9は、実施形態4に係る加熱調理器100の管保持体70が丸筒形状である場合の断面図である。
【0044】
管保持体70は、内部に給水管6を収容して保持する形状である。具体的に、管保持体70は、実施形態1~3として
図5~
図8に示されたような角筒形状でもよく、
図9に示されるような円筒形状でもよい。
【0045】
管保持体70が内部に給水管6を収容して保持する形状であることにより、管保持体70と給水管6との相対位置が固定される。すなわち、管保持体70に設けられた光センサ72と、給水管6の透光部60との相対位置が固定される。したがって、加熱調理器100は、より安定的に貯水部4の水Wを検知することができる。
【0046】
管保持体70及び給水管6は、量産品であれば、製作誤差が生じやすい。製作誤差は、光センサ72と透光部60との相対位置を許容範囲外にするおそれがある。しかしながら、管保持体70が内部に給水管6を収容して保持する形状であれば、光センサ72と透光部60との相対位置が許容範囲内に収められる。
【0047】
特に、管保持体70が角筒形状であることにより、管保持体70と給水管6との相対位置が一層固定される。したがって、加熱調理器100は、より安定的に貯水部4の水Wを検知することができる。
【0048】
特に、管保持体70が円筒形状であることにより、管保持体70と給水管6との相対位置がより一層固定される。したがって、加熱調理器100は、より一層安定して貯水部4の水Wを検知することができる。
【0049】
[実施形態5]
次に、
図10を参照して、実施形態5に係る加熱調理器100を説明する。実施形態5では、管保持体70が実施形態1~4と異なる。以下、
図10では、管保持体70に着目して説明する。
図10は、実施形態5に係る加熱調理器100の管保持体70が切欠き71を有する場合の断面図である。
【0050】
図10に示されるように、管保持体70は、内部に給水管6を収容する形状である。管保持体70は、内部まで給水管6を通過させる切欠き71を有する。切欠き71は、管保持体70の外部と内部とを連通する。切欠き71は、給水管6を通過させる大きさになる。
【0051】
管保持体70が切欠き71を有することにより、給水管6を管保持体70の外部から内部に向けて切欠き71に通過させるだけで、給水管6が管保持体70に保持される。したがって、加熱調理器100は、水検知部7の製造を容易にすることができる。
【0052】
具体的に、管保持体70は、断面視で一辺が切り欠かれた角筒形状(より具体的には四角筒形状)である。言い換えれば、管保持体70は、断面視がU字型である。管保持体70は、
図10に示される形状に限定されず、断面視で一部が切り欠かれた円筒形状でもよく、断面視で一辺又は複数辺が切り欠かれたN角筒形状(Nは5以上の正数)でもよい。断面視で切り欠かれた一部又は辺が、切欠き71である。切欠き71は、給水管6より小さくてもよいが、給水管6を通過させる際に給水管6よりも大きくなる。
【0053】
[実施形態6]
次に、
図11を参照して、実施形態6に係る加熱調理器100を説明する。実施形態6では、管保持体70及び給水管6の形状が実施形態1~5と異なる。以下、
図11では、管保持体70及び給水管6に着目して説明する。
図11は、実施形態6に係る加熱調理器100の管保持体70に保持された給水管6が扁平な場合の断面図である。
【0054】
図11に示されるように、管保持体70は、給水管6の曲率が真円より小さくなるように給水管6を保持する。光センサ72である発光素子73は、給水管6の曲率が真円よりも小さい部分61に光Lを発する。
【0055】
したがって、給水管6の透光部60において光Lを通過させる面が大きくなるので、加熱調理器100は、より安定的に貯水部4の水Wを検知することができる。
【0056】
具体的に、給水管6は、曲率が真円よりも小さい部分61(以下、小曲率部61)を2つ有する。一方の小曲率部62は発光素子73に接し、他方の小曲率部63は受光素子74に接することが好ましい。給水管6の透光部60において光Lを通過させる2つの面がともに大きくなるからである。したがって、加熱調理器100は、より安定的に貯水部4の水Wを検知することができる。
【0057】
管保持体70は、給水管6を保持するための押圧により、給水管6に小曲率部61を形成させる形状である。管保持体70は、例えば、断面視が長方形状である。管保持体70は、給水管6に小曲率部61を形成させる形状であれば、断面視が長方形状以外の形状でもよい。断面視が長方形状以外の形状は、例えば、断面視が三角形状、N角形状(Nは5以上の正数)、楕円形状又は長円形状(いずれも不図示)等である。勿論、管保持体70は、実施形態5のような切欠き71(
図10参照)を有してもよい。
【0058】
発光素子73及び受光素子74の代わりに、実施形態3のような受発光素子77及び反射部78(
図8参照)がそれぞれ配置されてもよい。
【0059】
実施形態1~6に係る加熱調理器100の光センサ72からの光Lは、波長が700nm以上である。光Lの波長が700nm以上であることにより、光Lが給水管6の水Wに吸収されやすくなる。したがって、給水管6の水Wの有無によって光センサ72で受けられる光Lの強度が大きく異なることになる。結果として、加熱調理器100は、より安定的に貯水部4の水Wを検知することができる。
【0060】
光センサ72からの光Lは、近赤外線であることが好ましい。近赤外線は、波長が780nm~2500nmである。光Lが近赤外線であることにより、光Lが給水管6の水Wに一層吸収されやすくなる。したがって、給水管6の水Wの有無によって光センサ72で受けられる光Lの強度が一層大きく異なることになる。結果として、加熱調理器100は、より安定的に貯水部4の水Wを検知することができる。
【0061】
光センサ72からの光Lは、波長が1450nm,1940nm又は2900nmのいずれかから所定範囲内(例えば、±200nmまで)であることが好ましい。光Lの波長が1450nm,1940nm又は2900nmの所定範囲内であることにより、光Lが給水管6の水Wに極めて吸収されやすくなる。したがって、給水管6の水Wの有無によって光センサ72で受けられる光Lの強度が一層大きく異なることになる。結果として、加熱調理器100は、より安定的に貯水部4の水Wを検知することができる。
【0062】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、又は、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0063】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0064】
(1)実施形態では、給水管6において、透光性を有する部分60(透光部60)が、光センサ72からの光Lの経路となる部分として説明した。給水管6は、光センサ72からの光Lの経路となる部分以外も透光部60で構成されてよく、全てが透光部60で構成されてもよい。
【0065】
(2)実施形態では、透光性を有する部分60(透光部60)が光Lを透すとして説明した。具体的に、透光部60は、透明であることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、加熱調理器の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0067】
1 本体ケーシング
2 排気ダクト
3 扉
4 貯水部
6 給水管
7 水検知部
8 ポンプ
9 蒸発部
10 加熱室
11 蒸気吹出口
60 透光部
61 小曲率部
70 管保持体
71 切欠き
72 光センサ
73 発光素子
74 受光素子
76 電圧計
77 受発光素子
78 反射部
100 加熱調理器