(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010003
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】泡保持性を有する発泡性飲料および発泡性飲料における泡保持性を改善する方法
(51)【国際特許分類】
A23L 2/00 20060101AFI20240116BHJP
A23L 2/60 20060101ALI20240116BHJP
A23L 27/00 20160101ALN20240116BHJP
A23L 27/30 20160101ALN20240116BHJP
【FI】
A23L2/40
A23L2/00 S
A23L2/60
A23L27/00 101A
A23L27/00 101Z
A23L27/30 Z
A23L27/30 A
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179312
(22)【出願日】2023-10-18
(62)【分割の表示】P 2020562420の分割
【原出願日】2019-12-26
(31)【優先権主張番号】P 2018247873
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(72)【発明者】
【氏名】糸山 彰徳
(72)【発明者】
【氏名】朝見 陽次
(72)【発明者】
【氏名】藤江 彬子
(72)【発明者】
【氏名】横尾 芳明
(57)【要約】 (修正有)
【課題】泡保持性を有する新規な発泡性飲料や泡保持性を改善する方法を提供する。
【解決手段】Reb.DおよびReb.Mを含み、Reb.Dの含有量が60~600ppmであり、Reb.Mの含有量が50~600ppmであり、Reb.DとReb.Mの合計含有量が110ppm~700ppmであり、(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)が2.50以下であり、pHが2.5~6.0である、発泡性飲料とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Reb.DおよびReb.Mを含み、
Reb.Dの含有量が60~600ppmであり、
Reb.Mの含有量が50~600ppmであり、
Reb.DとReb.Mの合計含有量が110ppm~700ppmであり、
(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)が2.50以下であり、
pHが2.5~6.0である、発泡性飲料。
【請求項2】
Reb.Dの含有量が60~300ppmである、請求項1に記載の発泡性飲料。
【請求項3】
pHが2.5~4.0である、請求項1または2に記載の発泡性飲料。
【請求項4】
Reb.DとReb.Mの合計含有量が120ppm~600ppmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
【請求項5】
Reb.Mの含有量が200ppm~600ppmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
【請求項6】
Reb.A、Reb.B、Reb.C、Reb.E、Reb.F、Reb.G、Reb.I、Reb.J、Reb.K、Reb.N、Reb.O、Reb.Q、Reb.R、ズルコサイドA、ルブソシド、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびステビオシドからなる群から選択される一種以上のステビオール配糖体をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
【請求項7】
Reb.Nをさらに含み、Reb.Nの含有量が50ppm以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
【請求項8】
Reb.Aの含有量が0~100ppmである、請求項1~7のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
【請求項9】
スクロース、果糖ぶどう糖液糖、エリスリトール、モグロシドV、コーンシロップ、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびキシリトールからなる群から選択される一種以上の甘味料をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
【請求項10】
ショ糖換算のBrixが5~13である、請求項1~9のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
【請求項11】
アルコール含有量が0.05v/v%未満である、請求項1~10のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
【請求項12】
オレンジ風味、レモン風味、ライム風味、グレープ風味、ジンジャーエール風味、カシス風味またはコーラ風味の飲料である、請求項1~11のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
【請求項13】
カラメル、桂皮アルデヒド、リン酸、バニラおよびカフェインからなる群から選択される一種以上を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
【請求項14】
泡保持時間が20秒~80秒である、請求項1~13のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
【請求項15】
pHが3.0~4.5である、請求項1または2に記載の発泡性飲料。
【請求項16】
発泡性飲料における泡保持性を改善する方法であって、Reb.DおよびReb.Mを含み、Reb.Dの含有量が60~600ppmであり、Reb.Mの含有量が50~600ppmであり、Reb.DとReb.Mの合計含有量が110ppm~700ppmであり、(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)が2.50以下である発泡性飲料を調製する工程を含む、方法。
【請求項17】
発泡性飲料の泡保持性を改善するためのReb.DおよびReb.Mの組合せの使用。
【請求項18】
泡が20秒以上安定化されている、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
Reb.DおよびReb.Mの組合せを含む、泡保持性改善剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡保持性を有する発泡性飲料および発泡性飲料における泡保持性を改善する方法に関する。本発明はさらに、発泡性飲料の泡保持性を改善するためのReb.DおよびReb.Mの組合せの使用および泡保持性改善剤にも関する。
【背景技術】
【0002】
発泡性飲料は、幅広い層の消費者に好んで飲用されている。現在市販されている発泡性飲料は多種多様であるが、容器を開栓した際又はコップ等の容器に注いだ際の泡立ちにより飲用者を視覚的に楽しませたり、飲用者にのど越しの爽快感を与えたりする等の特性を有している。
【0003】
これまで、泡保持性を有する発泡性飲料が報告されている。特許文献1では、プロリンとヘスペリジン糖付加物及びメチルヘスペリジンから選ばれる1種又は2種以上を含む泡持ちが改善された気泡性飲料が報告されている。特許文献2では、水溶性大豆多糖類を含有することを特徴とする飲料が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-181361号公報
【特許文献2】特開2016-129510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような状況から、現在、泡保持性を有する新規な発泡性飲料や泡保持性を改善する方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、発泡性飲料にReb.DおよびReb.Mならびにこれらの組合せからなる群から選択される甘味物質を所定量含有させ、かつ、所定のpHの範囲に調整することで、予想外にも発泡性飲料の泡保持性を改善することができることを知得した。本発明は、上記知見に基づくものである。
【0007】
本発明には以下の態様の発明が含まれる。
[1]
Reb.DおよびReb.Mを含み、
Reb.Dの含有量が60~600ppmであり、
Reb.Mの含有量が50~600ppmであり、
Reb.DとReb.Mの合計含有量が110ppm~700ppmであり、
(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)が2.50以下であり、
pHが2.5~6.0である、発泡性飲料。
[2]
Reb.Dの含有量が60~300ppmである、[1]に記載の発泡性飲料。
[3]
pHが2.5~4.0である、[1]または[2]に記載の発泡性飲料。
[4]
Reb.DとReb.Mの合計含有量が120ppm~600ppmである、[1]~[3]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[5]
Reb.Mの含有量が200ppm~600ppmである、[1]~[4]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[6]
Reb.A、Reb.B、Reb.C、Reb.E、Reb.F、Reb.G、Reb.I、Reb.J、Reb.K、Reb.N、Reb.O、Reb.Q、Reb.R、ズルコサイドA、ルブソシド、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびステビオシドからなる群から選択される一種以上のステビオール配糖体をさらに含む、[1]~[5]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[7]
Reb.Nをさらに含み、Reb.Nの含有量が50ppm以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[8]
Reb.Aの含有量が0~100ppmである、[1]~[7]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[9]
スクロース、果糖ぶどう糖液糖、エリスリトール、モグロシドV、コーンシロップ、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびキシリトールからなる群から選択される一種以上の甘味料をさらに含む、[1]~[8]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[10]
ショ糖換算のBrixが5~13である、[1]~[9]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[11]
アルコール含有量が0.05v/v%未満である、[1]~[10]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[12]
オレンジ風味、レモン風味、ライム風味、グレープ風味、ジンジャーエール風味、カシス風味またはコーラ風味の飲料である、[1]~[11]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[13]
カラメル、桂皮アルデヒド、リン酸、バニラおよびカフェインからなる群から選択される一種以上を含む、[1]~[12]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[14]
泡保持時間が20秒~80秒である、[1]~[13]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[15]
pHが3.5~4.5である、[1]または[2]に記載の発泡性飲料。
[16]
発泡性飲料における泡保持性を改善する方法であって、Reb.DおよびReb.Mを含み、Reb.Dの含有量が60~600ppmであり、Reb.Mの含有量が50~600ppmであり、Reb.DとReb.Mの合計含有量が110ppm~700ppmであり、(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)が2.50以下である発泡性飲料を調製する工程を含む、方法。
[17]
発泡性飲料の泡保持性を改善するためのReb.DおよびReb.Mの組合せの使用。
[18]
泡が20秒以上安定化されている、[17]に記載の使用。
[19]
Reb.DおよびReb.Mの組合せを含む、泡保持性改善剤。
[20]
Reb.Dを100~600ppm含み、pHが2.5~6.0である、発泡性飲料。
[21]
Reb.Aの含有量が0~100ppmである、[20]に記載の発泡性飲料。
[22]
Reb.Nをさらに含み、Reb.Nの含有量が50ppm以下である、[20]または[21]に記載の発泡性飲料。
[23]
Reb.Dの含有量が300~600ppmである、[20]~[22]のいずれかに記載の発泡性飲料。
[24]
Reb.DとReb.Mを含み、Reb.Mの含有量が100~600ppmであり、Reb.Dの含有量が0.1~55ppmであり、pHが2.5~6.0である、発泡性飲料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、泡保持性を有する発泡性飲料および発泡性飲料における泡保持性を改善する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】泡保持試験に用いた器具の写真である。(a)が500mlのメスシリンダーを示し、(b)が漏斗を示す。
【
図3】種々のReb.DおよびReb.M濃度ならびにpHにおける泡保持試験の結果を示すグラフである。
【
図4】種々のReb.DおよびReb.M濃度ならびにpHにおける泡保持試験の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施をすることができる。なお、本明細書において引用した全ての文献、および公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込むものとする。
【0011】
本明細書において、「レバウディオサイド」および「Reb.」は同じ意味を表すものであり、いずれも「rebaudioside」を意味するものである。同様に、本明細書において、「ズルコサイド」は「ズルコシド」と同じ意味を表すものであり、いずれも「dulcoside」を意味するものである。
【0012】
本明細書において「ppm」とは、特に明記しない限り、「質量ppm」を意味する。また、通常発泡性飲料の比重は1であるため、「質量ppm」は「mg/L」と同視し得る。
【0013】
1. 泡保持性を有する発泡性飲料
上記のとおり、本発明者らは、発泡性飲料にReb.DおよびReb.Mならびにこれらの組合せからなる群から選択される甘味物質を所定量含有させ、かつ、所定のpHの範囲に調整することで予想外にも泡保持性を有する発泡性飲料を得た。したがって、本発明の一態様の発泡性飲料は、Reb.DおよびReb.Mを含み、Reb.Dの含有量が60~600ppmであり、Reb.Mの含有量が50~600ppmであり、Reb.DとReb.Mの合計含有量が110ppm~700ppmであり、Reb.D/Reb.Mが2.50以下であり、pHが2.5~6.0である、発泡性飲料である。また、本発明の他の態様による発泡性飲料は、Reb.Dを100~600ppm含み、pHが2.5~6.0である、発泡性飲料である。本発明のさらに他の態様による発泡性飲料は、Reb.DとReb.Mを含み、Reb.Mの含有量が100~600ppmであり、Reb.Dの含有量が0.1~55ppmであり、pHが2.5~6.0である、発泡性飲料である。
【0014】
本明細書において、「発泡性飲料」とは、飲料から泡が発生する飲料であり、例えば、容器に注がれた場合に飲料の液面上に泡の層が形成される飲料が包含される。本明細書において、飲料中に発生する泡を「バブル」と称し、飲料の液面上に形成される泡を「フォーム」と称することがある。また、本明細書において「泡保持性を有する」とは、フォームが維持されることを意味し、「泡保持性の改善」とは、フォームがより長い時間維持するように改善することを意味する。
【0015】
本発明の発泡性飲料の例としては、炭酸飲料が挙げられる。炭酸飲料は炭酸ガスを含む飲料であり、そのような炭酸ガスとしては、飲料に別途注入する炭酸ガスや、原料の一部が発酵することによって発生する炭酸ガスなどが含まれる。炭酸飲料としては、特に限定されないが、清涼飲料水、非アルコール飲料、アルコール飲料等が挙げられる。具体的には、スパークリング飲料、コーラ、ダイエットコーラ、ジンジャーエール、サイダー、果汁フレーバー炭酸飲料及び果汁風味が付与された炭酸水等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
本発明の一態様による発泡性飲料はReb.DおよびReb.Mを含む。本明細書において、Reb.DおよびReb.Mを含むとは、Reb.DとReb.Mとが混合物として飲料に添加されている場合に限定されず、Reb.DとReb.Mが別々に飲料に添加された場合も包含する。すなわち、発泡性飲料にReb.DおよびReb.Mを含ませる場合の例として、ステビア植物から抽出した甘味物質であってReb.DとReb.Mの両方が含まれている甘味物質を飲料に添加する場合や、Reb.DとReb.Mそれぞれの精製物を混合した甘味組成物を飲料に添加する場合や、該精製物を別々に飲料に添加する場合が挙げられる。
【0017】
本発明の一態様による発泡性飲料中のReb.Dの含有量は、60~600ppmである。本発明の他の態様において、発泡性飲料中のReb.Dの含有量は、70~600ppm、80~600ppm、90~600ppm、100~600ppm、110~590ppm、120~580ppm、130~570ppm、140~560ppm、150~550ppm、160~540ppm、170~530ppm、180~520ppm、190~510ppm、200~500ppm、210~490ppm、220~480ppm、230~470ppm、240~460ppm、250~450ppm、260~440ppm、270~430ppm、280~420ppm、290~410ppm、300~400ppm、300~350ppm、300~600ppm、310~590ppm、320~580ppm、330~570ppm、340~560ppm、350~550ppm、360~540ppm、370~530ppm、380~520ppm、390~510ppm、400~500ppm、380~520ppm、115~500ppm、120~470ppm、150~450ppm、180~420ppm、200~400ppm、220~380ppm、250~350ppm、250~500ppm、280~480ppmまたは300~450ppmであってもよい。Reb.Dはスクロース(ショ糖)に近い自然な甘みを有し、上記範囲内であれば、泡保持効果をもたらしつつ、飲料に好ましい甘味を付与することができる。飲料中のReb.Dの含有量は原料の添加量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよい。
【0018】
本発明の一態様による発泡性飲料中のReb.Mの含有量は、50~600ppmである。本発明の他の態様において、発泡性飲料中のReb.Mの含有量は、60~600ppm、70~600ppm、80~600ppm、90~600ppm、100~600ppm、110~590ppm、120~580ppm、130~570ppm、140~560ppm、150~550ppm、160~540ppm、170~530ppm、180~520ppm、190~510ppm、200~500ppm、210~490ppm、220~480ppm、230~470ppm、240~460ppm、250~450ppm、260~440ppm、270~430ppm、280~420ppm、290~410ppm、300~400ppm、300~350ppm、300~600ppm、310~590ppm、320~580ppm、330~570ppm、340~560ppm、350~550ppm、360~540ppm、370~530ppm、380~520ppm、60~300ppm、100~600ppm、120~570ppm、150~550ppm、180~520ppm、200~600ppm、220~480ppm、250~450ppm、250~600ppm、280~580ppmまたは300~550ppmであってもよい。Reb.Mはスクロース(ショ糖)に近い自然な甘みを有し、上記範囲内であれば、泡保持効果をもたらしつつ、飲料に好ましい甘味を付与することができる。飲料中のReb.Mの含有量は原料の添加量から算出してもよく、液体クロマトグラフィー等の公知の分析方法を用いて測定してもよい。
【0019】
本発明の一態様による発泡性飲料中のReb.DとReb.Mの合計含有量は、110~700ppmである。本発明の他の態様において、発泡性飲料中のReb.DとReb.Mの合計含有量は、110~680ppm、110~660ppm、110~640ppm、110~620ppm、110~600ppm、110~590ppm、120~580ppm、120~600ppm、130~570ppm、140~560ppm、150~550ppm、160~540ppm、170~530ppm、180~520ppm、190~510ppm、200~500ppm、210~490ppm、220~480ppm、230~470ppm、240~460ppm、250~450ppm、260~440ppm、270~430ppm、280~420ppm、290~410ppm、300~400ppm、300~400ppm、300~600ppm、310~590ppm、320~580ppm、330~570ppm、340~560ppm、350~550ppm、360~540ppm、370~530ppm、380~520ppm、390~510ppm、400~500ppmまたは380~520ppmであってもよい。
【0020】
本発明の一態様による発泡性飲料中の(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)、すなわちReb.D含有量とReb.M含有量の比率は、2.50以下である。これは、本発明の発泡性飲料中にReb.DがReb.Mの2.50倍またはそれよりも少ない量で含まれていることを意味する。例えば、Reb.M含有量が100ppmの場合、Reb.D含有量は250ppm以下であることを意味する。本発明の他の態様において、発泡性飲料中の(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)は、2.40以下、2.30以下、2.20以下、2.10以下、2.00以下、1.90以下、1.80以下、1.70以下、1.60以下、1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.20以下、1.10以下、1.00以下、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.10以下、であってもよく、下限値は、0.01以上、0.05以上、0.10以上、0.20以上、0.30以上、0.40以上、0.50以上、0.60以上、0.70以上、0.80以上、0.90以上、1.10以上、1.20以上、1.30以上、1.40以上、1.50以上、1.60以上、1.70以上、1.80以上、1.90以上でってもよく、数値範囲は、0.01~2.50、0.05~2.40、0.10~2.20、0.20~2.10、0.30~2.00、0.40~1.90、0.50~1.80であってもよい。。
【0021】
本発明の他の態様による発泡性飲料は、Reb.Dを100~600ppm含み、pHが2.5~6.0である。Reb.Dの含有量は、110~590ppm、120~580ppm、130~570ppm、140~560ppm、150~550ppm、160~540ppm、170~530ppm、180~520ppm、190~510ppm、200~500ppm、210~490ppm、220~480ppm、230~470ppm、240~460ppm、250~450ppm、260~440ppm、270~430ppm、280~420ppm、290~410ppm、300~400ppm、300~350ppm、300~600ppm、310~590ppm、320~580ppm、330~570ppm、340~560ppm、350~550ppm、360~540ppm、370~530ppm、380~520ppm、390~510ppm、400~500ppmまたは、380~520ppm、115~500ppm、120~470ppm、150~450ppm、180~420ppm、200~400ppm、220~380ppm、250~350ppm、250~500ppm、280~480ppmまたは300~450ppmであってもよい。本発明の一態様による発泡性飲料は、Reb.Dを100~600ppm含み、pHが2.5~6.0であり、さらにReb.Mを0.1~100ppm、0.2~100ppm、0.4~100ppm、0.6~100ppm、0.8~100ppm、1.0~90ppm、2.0~80ppm、5.0~70ppm、または10~60ppm含んでいてもよい。
【0022】
本発明のさらに他の態様による発泡性飲料は、Reb.DとReb.Mを含み、Reb.Mの含有量が100~600ppmであり、Reb.Dの含有量が0.1~55ppmであり、pHが2.5~6.0である。Reb.Mの含有量は、110~590ppm、120~580ppm、130~570ppm、140~560ppm、150~550ppm、160~540ppm、170~530ppm、180~520ppm、190~510ppm、200~500ppm、210~490ppm、220~480ppm、230~470ppm、240~460ppm、250~450ppm、260~440ppm、270~430ppm、280~420ppm、290~410ppm、300~400ppm、300~350ppm、300~600ppm、310~590ppm、320~580ppm、330~570ppm、340~560ppm、350~550ppm、360~540ppm、370~530ppm、380~520ppm、390~510ppm、400~500ppmまたは、380~520ppm、115~500ppm、120~470ppm、150~450ppm、180~420ppm、200~400ppm、220~380ppm、250~350ppm、250~500ppm、280~480ppmまたは300~450ppmであってもよく、Reb.Dの含有量は、0.1~50ppm、0.2~50ppm、0.4~50ppm、0.6~50ppm、0.8~50ppm、1.0~50ppm、2.0~45ppm、5.0~40ppm、または10~40ppmであってもよい。
【0023】
本発明の発泡性飲料に用いるReb.Dは、特に限定されないが、植物由来物、化学合成物、または生合成物であってもよい。例えば、Reb.Dを多く含む植物体から単離、精製してもよいが、化学合成や生合成によって得てもよい。また、本発明の発泡性飲料に用いるReb.Dは100%純粋なものでなくてもよく、他のステビオール配糖体との混合物であってもよい。本発明の一態様において、Reb.Dはステビア抽出物を精製したものであり、Reb.D以外のステビオール配糖体もその精製物中に含有されていてもよい。あるいは、Reb.DはReb.Mを分解することで得たものであってもよい。
【0024】
本発明の発泡性飲料に用いるReb.Mは、特に限定されないが、植物由来物、化学合成物、または生合成物であってもよい。例えば、Reb.Mを多く含む植物体から単離、精製してもよいが、化学合成や生合成によって得てもよい。また、本発明の発泡性飲料に用いるReb.Mは100%純粋なものでなくてもよく、他のステビオール配糖体との混合物であってもよい。本発明の一態様において、Reb.Mはステビア抽出物を精製したものであり、Reb.M以外のステビオール配糖体もその精製物中に含有されていてもよい。
【0025】
本発明の一態様による発泡性飲料のpHは2.5~6.0である。この範囲とすることで、泡保持性が良好に維持される。pHが2.0以下となると飲料としては酸味が強すぎる場合があり、pHが6.0を超えるとスッキリとした後味を損なう場合がある。本発明の他の態様の発泡性飲料のpHは、2.5~4.0である。pHをこの範囲とすることで、保存時の微生物等の発生を抑え、かつ、スッキリとした味わいを提供することができる。また本発明の他の態様において、発泡性飲料のpHは、3.0~4.5、2.6~3.9、2.7~3.8、2.8~3.7、2.9~3.6または3.0~3.5であってもよい。なお、pHが4.0を超える飲料の場合は、無菌環境下での充填・密封工程を実施することなどによって、保存時の微生物変敗を抑えることができる。
【0026】
本発明の一態様による発泡性飲料は、Reb.DおよびM以外の他のステビオール配糖体を含んでいてもよい。他のステビオール配糖体は特に限定されないが、本発明の一態様において、本発明の発泡性飲料はReb.A、Reb.B、Reb.C、Reb.E、Reb.F、Reb.G、Reb.I、Reb.J、Reb.K、Reb.N、Reb.O、Reb.Q、Reb.R、ズルコサイドA、ルブソシド、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびステビオシドからなる群から選択される一種以上のステビオール配糖体をさらに含む。
【0027】
本発明の一態様において、Reb.Aの含有量は、0~100ppm、1~100ppm、1~60ppm、1~50ppm、1~40ppm、1~30ppm、1~20ppm、1~10ppmまたは1~5ppmである。
【0028】
本発明の一態様において、Reb.Bの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppm、1~30ppmまたは1~10ppmである。
【0029】
本発明の一態様において、Reb.Cの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppm、1~30ppmまたは1~10ppmである。
【0030】
本発明の一態様において、Reb.Eの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0031】
本発明の一態様において、Reb.Fの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0032】
本発明の一態様において、Reb.Gの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0033】
本発明の一態様において、Reb.Iの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0034】
本発明の一態様において、Reb.Jの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0035】
本発明の一態様において、Reb.Kの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0036】
本発明の一態様において、Reb.Nの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0037】
本発明の一態様において、Reb.Oの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0038】
本発明の一態様において、Reb.Qの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0039】
本発明の一態様において、Reb.Rの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0040】
本発明の一態様において、ズルコサイドAの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0041】
本発明の一態様において、ルブソシドの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0042】
本発明の一態様において、ステビオールモノシドの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0043】
本発明の一態様において、ステビオールビオシドの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0044】
本発明の一態様において、ステビオシドの含有量は、0~300ppm、1~300ppm、1~200ppm、1~150ppm、1~100ppm、1~80ppm、1~50ppmまたは1~30ppmである。
【0045】
本発明の他の態様において、本発明の発泡性飲料はReb.Nをさらに含み、そのReb.Nの含有量が50ppm以下である。この態様において、Reb.Nの含有量は0ppmを超え、50ppm以下である。Reb.Nの含有量は0.1~50ppm、0.5~40ppm、1.0~30ppm、1.5~25ppm、2.0~20ppm、2.5~15ppmまたは3.0~10ppmであってもよい。
【0046】
本発明の他の態様において、本発明の発泡性飲料のReb.Aの含有量は0~100ppmである。Reb.Aの含有量をこの範囲に制限することで、泡保持性を改善しつつ、Reb.Aの苦味の影響を抑えることができる。Reb.Aの含有量は、0.01ppm~95ppm、0.1ppm~90ppm、1ppm~85ppm、2ppm~80ppm、4ppm~75ppm、6ppm~70ppm、8ppm~65ppm、10ppm~60ppm、12ppm~55ppmまたは14ppm~50ppmであってもよい。
【0047】
本発明の他の態様において、本発明の発泡性飲料は、ステビオール配糖体以外の甘味料を含んでいてもよい。そのような甘味料としては特に限定されないが、例えば、スクロース、果糖ぶどう糖液糖、エリスリトール、モグロシドV、コーンシロップ、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物とも称される)、スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびキシリトールからなる群から選択される一種以上の甘味料をさらに含んでいてもよい。中でもすっきりさ、飲みやすさ、自然な味わい、適度なコク味の付与の観点から、天然甘味料を用いることが好ましく、特に、果糖ぶどう糖液糖、スクロース、コーンシロップが好適に用いられる。これら甘味成分は一種類のみ用いてもよく、また複数種類を用いてもよい。これらの甘味料は、飲料中にBrix換算で5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下または0.5以下の量で含まれていてもよく、下限値は0.1以上であってもよい。
【0048】
本発明の発泡性飲料のガス圧は特に限定されないが、2.2kgf/cm2~4.0kgf/cm2であってもよい。本発明の他の態様において、発泡性飲料のガス圧は、2.2kgf/cm2~3.5kgf/cm2、2.2kgf/cm2~3.3kgf/cm2、2.2kgf/cm2~3.2kgf/cm2、2.3kgf/cm2~4.0kgf/cm2、2.3kgf/cm2~3.5kgf/cm2、2.3kgf/cm2~3.2kgf/cm2、3.0kgf/cm2~4.0kgf/cm2、3.0kgf/cm2~3.5kgf/cm2である。発泡性飲料におけるガスの含量は、ガス圧で規定することができる。本明細書において「ガス圧」とは、特に記載がなければ、容器内の発泡性飲料の液温を20℃にし、その後一度ヘッドスペースのエアを大気開放(スニフト)した後の飲料における炭酸ガスのガス圧をいう。したがって、本発明の発泡性飲料は、容器詰めとすることができる。容器は、いずれの形態・材質の容器を使用することができ、例えば、ガラスビン、缶、樽、又はペットボトル等の容器であってもよい。ガス圧の測定は、液温20℃にした飲料をガス内圧計に固定し、一度ガス内圧計活栓を開いて大気開放することでヘッドスペース内の炭酸ガスを抜いた後、再度活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達した時の値を読み取ることにより行うことができる。本明細書においては、特に記載がなければ、当該方法を用いて発泡性飲料のガス圧を測定する。
本発明の一態様において、本発明の発泡性飲料のpHは2.5~3.0であり、ガス圧は2.3kgf/cm2~3.2kgf/cm2である。
【0049】
本発明の発泡性飲料のショ糖換算のBrixは特に限定されないが、好ましくは3~15、より好ましくは5~13、さらに好ましくは7~11である。ここで、Brixは、ショ糖(スクロース)に対するステビオール配糖体等の各甘味料の甘味度と、各甘味料の含有量から計算することができる。ショ糖に対して、Reb.Aは300倍、Reb.Dは250倍、Reb.Mは250倍、Reb.Nは230~240倍の甘味を有する。従って、Brix1に相当するステビオール配糖体の量は、Reb.Aについては33.3ppm、Reb.D(Reb.Mも同様)については40.0ppm、Reb.Nについては41.7~43.5ppmと計算することができる。同様にして、他のステビオール配糖体や、ステビオール配糖体以外の甘味料についてもBrixを算出することができる。例えば、ショ糖に対してアセスルファムカリウムは約200倍、スクラロースは約600、アスパルテームは約180倍の甘味を有する。なお、ショ糖の甘味1に対する各種甘味料の甘味の相対比は、公知の砂糖甘味換算表(例えば、ビバレッジジャパン社「飲料用語辞典」資料11頁)等から求めることができる。
【0050】
本発明の発泡性飲料は、アルコールを含有してもよい。アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料のことであるが、ここでいうアルコールとは、特に断らない限り、エチルアルコール(エタノール)を意味する。本発明に係るアルコール飲料は、アルコールを含有していれば特に種類は問わない。ビール、発泡酒、チューハイやカクテルのようなアルコール含有量が0.05~40v/v%の飲料であってもよく、ノンアルコールビール、チューハイテイスト飲料や清涼飲料水のようなアルコール含有量が0.05v/v%未満の飲料であってもよい。本発明の発泡性飲料はアルコール含有量が0.05v/v%未満であることが好ましく、さらに0.00v/v%であることが好ましい。なお本明細書において、アルコール含有量は体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。
【0051】
本発明の発泡性飲料の風味(フレーバー)は特に限定されず、種々の風味に調整することができる。例えば、本発明の発泡性飲料は、オレンジ風味、レモン風味、ライム風味、グレープ風味、ジンジャーエール風味、カシス風味またはコーラ風味の飲料であってもよい。本発明の発泡性飲料の風味は、果汁、酸味料、香料、植物の抽出物、乳製品、その他のフレーバー等、食品添加物として認可されている成分、又は認可されていなくても古くから食経験があり、一般的に安全であると認識されている成分を添加することで調整することができる。本発明の一態様において、本発明の発泡性飲料はビールテイスト飲料ではない。
【0052】
本発明の発泡性飲料はさらに、カラメル、桂皮アルデヒド(シンナムアルデヒド)、リン酸、バニラおよびカフェインからなる群から選択される一種以上を含んでいてもよい。これらの成分を含むことで泡保持性をさらに改善し得る。ここで、カフェインは、食品添加物として使用できる精製品(カフェイン含量98.5%以上の精製品)や、食品として使用できる粗精製品(カフェイン含量50~98.5%)の他、カフェインを含有する植物(茶葉、コーラの実、コーヒー豆、ガラナ等)の抽出物又はその濃縮物の形態であってもよい。本発明の一態様において、発泡性飲料のカフェインの含量は、1~200ppmとすることができる。カフェインの定量はいずれの方法を用いて行ってもよいが、例えば、発泡性飲料をメンブランフィルター(ADVANTEC製 酢酸セルロース膜0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に試料を供すことにより行うことができる。
【0053】
別の態様として、本発明の発泡性飲料は桂皮アルデヒド(シンナムアルデヒド)を含有することができる。ここで、シンナムアルデヒド(cinnamaldehyde、C6H5CH=CH-CHO、分子量132.16)は、シナモンの香り成分として知られる芳香族アルデヒドの一種であり、香料製剤として入手可能である。本発明の一態様において、発泡性飲料は、シンナムアルデヒドを特定範囲の量で含有することができる。例えば、本発明の発泡性飲料中のシンナムアルデヒドの含量は、0.5~50ppm、好ましくは0.5~32ppm、1.0~20ppmにすることができる。シンナムアルデヒドの定量は、例えば、ガスクロマトグラフィー、質量分析計等を用いる方法により定量することができる。
【0054】
更に別の態様として、本発明の発泡性飲料はカラメル(またはカラメル色素)を含有することができる。ここで、カラメルとしては、食用に適する公知のカラメル色素を使用することができる。例えば、砂糖又はブドウ糖に代表される食用炭水化物を熱処理して得られた物、酸もしくはアルカリを加えて食用炭水化物を熱処理したものなどを用いることができる。また、果汁や野菜汁に含まれる糖分をカラメル化して使用することもでき、この場合、加熱処理、酸やアルカリによる処理などによって糖分をカラメル化することができる。本発明の発泡性飲料は、カラメル色素を特定範囲の含量で含有することができる。
【0055】
本発明の他の態様において、本発明の発泡性飲料はカラメル(またはカラメル色素)を実質的に含まない。カラメルを実質的に含まないことで、飲料への着色を抑えることができる。本明細書において、「実質的にカラメルを含まない」とは発泡性飲料の色に影響しない程度の少量のカラメルを不純物として含む場合を包含する。
【0056】
本発明の発泡性飲料は、泡が安定化している。例えば、本発明の発泡性飲料を容器に注いだ際に発生する泡が、一般的な発泡性飲料よりも長い間維持される。発泡性飲料の泡保持性は次のように評価することができる。リン酸でpHを調製した試験溶液にReb.DおよびReb.Mならびにこれらの組合せからなる群から選択される甘味物質と任意の添加物とを添加し、二酸化炭素ガスを用いてガス圧を調整する。得られた試料を入れた容器(例えば100mlのガラス瓶)を密閉した後に容器を開栓し、上端に漏斗を載せた500mLのメスシリンダーに、容器に入った試料を、漏斗壁を伝わすように100ml/2秒の速度で流し込む。泡の立ち上がり面の目盛を読み取り、試験開始時の液面高さ(ml)とする。試験に用いる器具と試験の概要を
図1と
図2にそれぞれ示す。液面の高さを所定の時間毎に確認し、液面高さが100mlになるまで(すなわち、液面上の泡(フォーム)が全て消失するまで)の時間を測定して記録する。泡の消失速度が速い場合は、500mLのメスシリンダーの代わりに200mLのメスシリンダーを用いて試験してもよい。
【0057】
本発明の発泡性飲料の泡保持時間は、上記の方法で測定した場合に、20秒以上であることが好ましい。本発明の一態様において、発泡性飲料の泡保持時間は、20秒~80秒であり、好ましくは、30~80秒であり、より好ましくは35~80秒である。
【0058】
本発明の発泡性飲料は、加熱殺菌をされ、容器に詰められた状態の容器詰飲料として調製してもよい。容器としては、特に限定されず、例えば、PETボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶などを挙げることができる。加熱殺菌を行う場合、その種類は特に限定されず、例えばUHT殺菌及びレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌工程の温度は特に限定されないが、例えば65~130℃、好ましくは85~120℃で、10~40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5~30秒での殺菌でも問題はない。
【0059】
本発明の飲料のエネルギー(総エネルギー量)は、特に限定されないが、0~50Kcal/100ml、0~45Kcal/100ml、0~40Kcal/100ml、0~35Kcal/100ml、0~30Kcal/100ml、0~24Kcal/100ml、0~22Kcal/100ml、0~20Kcal/100ml、0~15Kcal/100ml、0~10Kcal/100ml、0~5Kcal/100ml、0.1~50Kcal/100ml、0.1~45Kcal/100ml、0.1~40Kcal/100ml、0.1~35Kcal/100ml、0.1~30Kcal/100ml、0.1~24Kcal/100ml、0.1~22Kcal/100ml、0.1~20Kcal/100ml、0.1~15Kcal/100ml、0.1~10Kcal/100ml、0.1~5Kcal/100ml、1~50Kcal/100ml、1~45Kcal/100ml、1~40Kcal/100ml、1~35Kcal/100ml、1~30Kcal/100ml、1~24Kcal/100ml、1~22Kcal/100ml、1~20Kcal/100ml、1~15Kcal/100ml、1~10Kcal/100ml、1~5Kcal/100ml、5~50Kcal/100ml、5~45Kcal/100ml、5~40Kcal/100ml、5~35Kcal/100ml、5~30Kcal/100ml、5~24Kcal/100ml、5~20Kcal/100ml、5~15Kcal/100ml、5~10Kcal/100ml、10~50Kcal/100ml、10~45Kcal/100ml、10~40Kcal/100ml、10~35Kcal/100ml、10~30Kcal/100ml、10~24Kcal/100ml、10~20Kcal/100ml、10~15Kcal/100ml、15~50Kcal/100ml、15~45Kcal/100ml、15~40Kcal/100ml、15~35Kcal/100ml、15~30Kcal/100ml、15~24Kcal/100ml、15~20Kcal/100ml、20~50Kcal/100ml、20~45Kcal/100ml、20~40Kcal/100ml、20~35Kcal/100ml、20~30Kcal/100ml、20~24Kcal/100ml、24~50Kcal/100ml、24~45Kcal/100ml、24~40Kcal/100ml、24~35Kcal/100ml、24~30Kcal/100mlとなり得る。
【0060】
本発明の発泡性飲料の製造方法は特に限定されず、通常の発泡性飲料の製造方法によって製造することができる。例えば、本発明の発泡性飲料に含まれる成分を濃縮したシロップを調製し、発泡性の飲料水を添加して所定の濃度に調整してもよく、非発泡性の飲料水を添加した後に炭酸ガスを供給して発泡性飲料を調製してもよい。あるいは、上記のようなシロップを調製せずに、発泡性飲料に直接所定の成分を添加することで本発明の発泡性飲料を調製してもよい。
【0061】
2.発泡性飲料における泡保持を改善させる方法
本発明は、第2の態様として、発泡性飲料における泡保持を改善させる方法を提供する。本発明の発泡性飲料における泡保持を改善する方法は、Reb.DおよびReb.Mを含み、Reb.Dの含有量が60~600ppmであり、Reb.Mの含有量が50~600ppmであり、Reb.DとReb.Mの合計含有量が110ppm~700ppmであり、(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)が2.50以下である発泡性飲料を調製する工程を含む。本明細書において、「Reb.DおよびReb.Mを含み、Reb.Dの含有量が60~600ppmであり、Reb.Mの含有量が50~600ppmであり、Reb.DとReb.Mの合計含有量が110ppm~700ppmであり、(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)が2.50以下である発泡性飲料を調製する工程」とは、発泡性飲料にReb.DおよびReb.Mを含有させ、Reb.Dの含有量が60~600ppmであり、Reb.Mの含有量が50~600ppmであり、Reb.DとReb.Mの合計含有量が110ppm~700ppmであり、(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)が2.50以下となるように調整する工程であり、所定量の甘味物質を含有させる方法は特に限定されない。したがって、Reb.DおよびReb.Mは発泡性飲料の製造時に原料として予め配合していてもよく、発泡性飲料を製造後に別途添加してもよく、配合した原料から分解等によって発生してもよい。
【0062】
本発明の泡保持を改善させる方法は、上記工程以外に他の工程を含んでいてもよい。本発明の一態様において、発泡性飲料のpHを2.5~6.0または2.5~4.0に調整する工程や、ガス圧を調整する工程を、Reb.DおよびReb.Mを含み、Reb.Dの含有量が60~600ppmであり、Reb.Mの含有量が50~600ppmであり、Reb.DとReb.Mの合計含有量が110ppm~700ppmであり、(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)が2.50以下である発泡性飲料を調製する工程の前または後に含んでいてもよい。
【0063】
本発明の他の態様における泡保持を改善させる方法は、Reb.Dの含有量が、60~600ppm、70~600ppm、80~600ppm、90~600ppm、100~600ppm、110~590ppm、120~580ppm、130~570ppm、140~560ppm、150~550ppm、160~540ppm、170~530ppm、180~520ppm、190~510ppm、200~500ppm、210~490ppm、220~480ppm、230~470ppm、240~460ppm、250~450ppm、260~440ppm、270~430ppm、280~420ppm、290~410ppm、300~400ppm、300~350ppm、300~600ppm、310~590ppm、320~580ppm、330~570ppm、340~560ppm、350~550ppm、360~540ppm、370~530ppm、380~520ppm、390~510ppm、400~500ppm、380~520ppm、115~500ppm、120~470ppm、150~450ppm、180~420ppm、200~400ppm、220~380ppm、250~350ppm、250~500ppm、280~480ppmまたは300~450ppmである発泡性飲料を調製する工程を含んでいてもよい。
【0064】
また、「1.泡保持性を有する発泡性飲料」と同様に、本発明の泡保持を改善させる方法に用いる発泡性飲料は、Reb.DおよびReb.M以外のステビオール配糖体や、ステビオール配糖体以外の甘味料を含んでいてもよい。発泡性飲料のpHおよびガス圧も、「1.泡保持性を有する発泡性飲料」と同様であってもよい。
【0065】
3.発泡性飲料の泡保持性を改善するためのReb.DおよびReb.Mの組合せの使用
本発明は、第3の態様として、泡保持性を改善するためのReb.DおよびReb.Mの組合せの使用を提供する。本発明者らは、驚くべきことにステビオール配糖体の一種であるReb.DおよびReb.Mの組合せに発泡性飲料の泡保持性を改善させる効果を知得し、本発明に想到するに至った。
【0066】
本発明の発泡性飲料の泡保持性を改善するためのReb.DおよびReb.Mの組合せの使用において、Reb.DおよびReb.Mの組合せは発泡性飲料に対して、Reb.Dが、60~600ppm、70~600ppm、80~600ppm、90~600ppm、100~600ppm、110~590ppm、120~580ppm、130~570ppm、140~560ppm、150~550ppm、160~540ppm、170~530ppm、180~520ppm、190~510ppm、200~500ppm、210~490ppm、220~480ppm、230~470ppm、240~460ppm、250~450ppm、260~440ppm、270~430ppm、280~420ppm、290~410ppm、300~400ppm、300~350ppm、300~600ppm、310~590ppm、320~580ppm、330~570ppm、340~560ppm、350~550ppm、360~540ppm、370~530ppm、380~520ppm、390~510ppm、400~500ppm、380~520ppm、115~500ppm、120~470ppm、150~450ppm、180~420ppm、200~400ppm、220~380ppm、250~350ppm、250~500ppm、280~480ppmまたは300~450ppmの量、かつ、Reb.Mが、70~600ppm、80~600ppm、90~600ppm、100~600ppm、110~590ppm、120~580ppm、130~570ppm、140~560ppm、150~550ppm、160~540ppm、170~530ppm、180~520ppm、190~510ppm、200~500ppm、210~490ppm、220~480ppm、230~470ppm、240~460ppm、250~450ppm、260~440ppm、270~430ppm、280~420ppm、290~410ppm、300~400ppm、300~350ppm、300~600ppm、310~590ppm、320~580ppm、330~570ppm、340~560ppm、350~550ppm、360~540ppm、370~530ppm、380~520ppm、60~300ppm、100~600ppm、120~570ppm、150~550ppm、180~520ppm、200~500ppm、220~480ppm、250~450ppm、250~600ppm、280~580ppmまたは300~550ppmの量で用いられ得る。
【0067】
本発明の発泡性飲料の泡保持性を改善するためのReb.DおよびReb.Mならびにこれらの組合せからなる群から選択される甘味物質の使用において、当該甘味物質を使用する発泡性飲料としては、特に限定されず、一般的な炭酸飲料などを選択することができる。炭酸飲料としては、特に限定されないが、清涼飲料水、非アルコール飲料、アルコール飲料等が挙げられる。具体的には、スパークリング飲料、コーラ、ダイエットコーラ、ジンジャーエール、サイダー、果汁フレーバー炭酸飲料及び果汁風味が付与された炭酸水等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0068】
発泡性飲料のpHおよびガス圧は、「1.泡保持性を有する発泡性飲料」と同様であってもよい。
【0069】
本発明の発泡性飲料の泡保持性を改善するためのReb.DおよびReb.Mならびにこれらの組合せからなる群から選択される甘味物質の使用により改善される泡保持時間は、「1.泡保持性を有する発泡性飲料」に記載の方法で測定した場合に、20秒以上であることが好ましい。
【0070】
4.泡保持性改善剤
本発明は、第4の態様として、泡保持改善剤を提供する。本明細書において、「泡保持改善剤」とは、発泡性飲料に添加された場合に、その発泡性飲料の泡保持性を改善する物質のことをいう。本発明の泡保持改善剤は、好ましくは、発泡性飲料に添加された際に、泡保持改善剤自体の味を消費者が認識することなく、その発泡性飲料自体の泡保持性を改善することができる。
【0071】
本発明の泡保持改善剤は、Reb.DおよびReb.Mの組合せを含む。また、「1.泡保持性を有する発泡性飲料」と同様に、本発明の泡保持改善剤は、本発明の効果を妨げない限りにおいて、Reb.DおよびReb.M以外のステビオール配糖体や、ステビオール配糖体以外の甘味料を含んでいてもよい。
【0072】
本発明の泡保持改善剤に含まれるReb.DおよびReb.Mの量は特に限定されないが、泡保持改善剤の全重量に対して、30~100重量%、40~99重量%、50~98重量%、60~97重量%、70~96重量%または80~95重量%であってもよい。本発明の泡保持改善剤は実質的にReb.DおよびReb.Mのみからなっていてもよい。本明細書において、「実質的にReb.DおよびReb.Mのみからなる」とはReb.DおよびReb.Mの調製(ステビア抽出物の精製や生合成など)過程において不可避的に含まれる他のステビオール配糖体等の不純物は包含されていてもよいことを意味する。例えば、泡保持改善剤の全重量に対して、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1.5重量%以下、1.0重量%以下または0.5重量%以下のReb.DおよびReb.M以外のステビオール配糖体や他の不純物を含んでいてもよい。
【0073】
本発明の一態様における泡保持改善剤中の(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)、すなわちReb.D含有量とReb.M含有量の比率は、2.50以下であってもよい。これは、本発明の泡保持改善剤中にReb.DがReb.Mの2.50倍よりも少ない量で含まれていることを意味する。例えば、Reb.M含有量が10重量%の場合、Reb.D含有量は25重量%以下であることを意味する。本発明の他の態様において、発泡性飲料中の(Reb.D含有量)/(Reb.M含有量)は、2.40以下、2.30以下、2.20以下、2.10以下、2.00以下、1.90以下、1.80以下、1.70以下、1.60以下、1.50以下、1.40以下、1.30以下、1.20以下、1.10以下、1.00以下、0.90以下、0.80以下、0.70以下、0.60以下、0.50以下、0.40以下、0.30以下、0.20以下、0.10以下、であってもよく、下限値は、0.01以上、0.05以上、0.10以上、0.20以上、0.30以上、0.40以上、0.50以上、0.60以上、0.70以上、0.80以上、0.90以上、1.10以上、1.20以上、1.30以上、1.40以上、1.50以上、1.60以上、1.70以上、1.80以上、1.90以上でってもよく、数値範囲は、0.01~2.50、0.05~2.40、0.10~2.20、0.20~2.10、0.30~2.00、0.40~1.90、0.50~1.80であってもよい。
【0074】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によっては制限されない。
【実施例0075】
[実施例A]Reb.DおよびReb.M含有量とpHの検討
[発泡性飲料の調製]
飲料水にリン酸(日本化学工業株式会社製)を加えてpHを調整した。pH調整後に表1~3に記載の含有量にしたがってReb.D製剤(純度95%以上)とReb.M製剤(純度95%以上)を飲料水に添加し、ガス圧を3.2kgf/cm2に調整することで例1~例65の試料を得た。ガス圧の調整は20℃で行った。
【0076】
[泡保持性の評価(泡保持試験)]
試験に用いた器具と試験の概要を
図1と
図2にそれぞれ示す。
図1に示すように、試験には500mlメスシリンダーおよび漏斗(
図1(b))を用いた。それぞれの器具の詳細を以下に示す。
<500mlメスシリンダー>
・メスシリンダー高さ: 373mm
・メスシリンダー直径: 47mm
・漏斗出口から底面までの高さ: 260mm
<漏斗>
・漏斗注ぎ口: 119mm
・漏斗高さ: 165mm
・漏斗出口直径: 15mm
・漏斗出口高さ: 78mm
【0077】
発泡性飲料の調製で得られた試料を入れた容器(100mlのガラス瓶)を密閉した。その後、容器を開栓し、上端に漏斗を載せた500mLのメスシリンダー(NALGENE CAT.No3663-0500)に、容器に入った試料を漏斗壁を伝わすように100ml/2秒の速度で流し込んだ。泡の立ち上がり面の目盛を読み取り、試験開始時の液面高さ(ml)とした。液面の高さを所定の時間毎に確認し、液面高さが100mlになるまで(すなわち、液面上の泡(フォーム)が全て消失するまで)の時間を測定して記録した。この評価を例1~例65の試料について行った。Reb.M製剤としては純度が95%以上のものを用いた。Reb.D製剤とReb.M製剤の含有量の合計が約600ppm、300ppmおよび120ppmとなるようにそれぞれ調整した。結果を表1と
図3(a)~(c)に示す。なお、表中のステビオール配糖体の含有量は原料の純度と配合量に基づいて計算したものである。
【0078】
【0079】
表1~3と
図3(a)~(c)の結果から、種々の甘味物質含有量とpHにおいて泡保持性が改善することが確認された。特にReb.DとReb.Mの合計含有量が約600ppmのもので泡保持性の改善効果が顕著にみられた。また、pHが2.5~4.0付近で特に泡保持性の改善効果が高い傾向が確認できた。
【0080】
[実施例B]甘味物質含有量とpHの泡保持性への影響の検討
甘味物質含有量とpHの泡保持性への影響を検討するために、表4に示すように種々の甘味物質含有量とpHに調整した試料(例66~例95)を実施例Aと同様に調製した。得られた試料の泡保持性を、500mlのメスシリンダーを用いて実施例Aと同様に評価した。結果を表4と
図4に示す。なお、表中のステビオール配糖体の含有量は原料の純度と配合量に基づいて計算したものである。
【表4】
【0081】
上記の結果から、Reb.D含有量が100ppmを超える試料において泡保持性の改善が観察された。また、pHが2.5以上で高い泡保持性が確認された。したがって、Reb.Dを100~600ppm含み、pHが2.5~6.0である、発泡性飲料において、泡保持性が改善されることがわかる。
泡保持時間として本実験系においては21~39秒の泡保持効果が見られた。グラス等の容器に注いだ場合の飲用を考えると、10秒以上の保持時間が好ましい。
【0082】
[実施例C]他のステビオール配糖体の味質への影響の検討
他のステビオール配糖体の味質への影響を検討するために、表4に示すようにReb.A(純度95%以上)またはReb.A+Reb.D(いずれも純度95%以上)を含有させた試料(例96~例98)を実施例Aと同様に調製した。pHは2.5に調整し、ガス圧は3.2kgf/cm2に調整した。なお、表中のReb.AとReb.Dの含有量は各原料の純度と配合量に基づいて計算したものである。
【0083】
例96~例98の試料について、官能試験を行い苦味を評価した。甘味料の官能に関して訓練を受けた者(5名)がパネラーとなって、下記の手順で評価を行った。
1)5℃にて保管したサンプルをプラスチックカップに注ぐ。
2)下記の2つの試料を20mlずつ口に含み、評価基準を擦りあわせる。
「1.苦味を全く感じないの基準」:甘味料を含まない炭酸水(pH2.5、ガス圧:3.2kgf/cm
2)
「5.苦味をとても強く感じるの基準」:300ppmのReb.Aを含む炭酸水(pH2.5、ガス圧:3.2kgf/cm
2)
3)各試料を20mlずつ口に含み、評価を実施する。
官能試験の際の評価基準は次の通りとした。苦味を全く感じない(1)、苦味を少し感じる(2)、苦みを感じる(3)、苦味を強く感じる(4)、苦味をとても強く感じる(5)。結果を表5に示す。
【表5】
【0084】
上記の結果から、Reb.Aを120ppm含む発泡性飲料において、Reb.A由来の苦味が有意に感じられた。さらにReb.Aの量を増やすと、苦味をより強く感じることが分かる。一方で、Reb.Aを100ppm以下含む発泡性飲料では、苦味を少し感じる程度であった。
Reb.A、Reb.B、Reb.C、Reb.E、Reb.F、Reb.G、Reb.I、Reb.J、Reb.K、Reb.N、Reb.O、Reb.Q、Reb.R、ズルコサイドA、ルブソシド、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびステビオシドからなる群から選択される一種以上のステビオール配糖体をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
スクロース、果糖ぶどう糖液糖、エリスリトール、モグロシドV、コーンシロップ、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびキシリトールからなる群から選択される一種以上の甘味料をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の発泡性飲料。
オレンジ風味、レモン風味、ライム風味、グレープ風味、ジンジャーエール風味、カシス風味またはコーラ風味の飲料である、請求項1~11のいずれか一項に記載の発泡性飲料。