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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100041
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240719BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20240719BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
G01C21/26 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003740
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】加藤 英明
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD19
2F129DD21
2F129DD40
2F129DD46
2F129EE02
2F129EE28
2F129EE29
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE81
2F129EE92
2F129FF02
2F129FF20
2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF38
5H181MB03
(57)【要約】
【課題】目的地に到達するために必要な電力量および経由地に設定された各充電施設において充電される電力量に関する情報を可視化することができる車両を提供する。
【解決手段】車両1は、充電を行わないと運転者が設定した目的地に到達できないと判定した場合には、車両1を停車させて充電を行う充電スタンドあるいは車両1を走行させて充電を行う非接触式充電路を経由地に設定した走行ルートを設定し、目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させる。車両1は、目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させるときに、充電スタンドにおいて充電される電力量と、非接触式充電路において充電される電力量とを区別して表示させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地と自車両の航続可能距離とに基づいて、前記自車両を停車させて充電を行う充電スタンドあるいは前記自車両を走行させて充電を行う非接触式充電路を経由地に設定した走行ルートを算出するルート算出部と、
前記走行ルートにおいて、前記目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させるときに、前記充電スタンドにおいて充電される電力量と、前記非接触式充電路において充電される電力量とを区別して表示させる制御部と、
を備えることを特徴とする車両。
【請求項2】
前記制御部が、前記目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させるときに、前記走行ルートにおける前記経由地の位置情報を合わせて表示させることを特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記制御部が、前記目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させるときに、前記走行ルートにおいて前記自車両が立ち寄る前記経由地の順番に、該経由地において充電される電力量を順次表示させることを特徴とする請求項1または2に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境保護の観点から、外部電源より充電可能な蓄電池を備えた電気自動車やプラグインハイブリッド車が普及している。
電気自動車等によりロングドライブを行う場合には、目的地に到達できるように、目的地までの走行ルートの途中にある充電施設に立ち寄り、充電を行う必要がある。
【0003】
例えば、電気自動車等の充電に関する技術として、目的地、電気自動車の現在位置情報、蓄電池の充電残量等の情報に基づいて、充電施設を経由地に設定した走行ルートを算出し、電気自動車を目的地まで誘導する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-167460号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、経由地に設定された充電施設における充電の必要性に関する情報が運転者に対して提供されないため、例えば、案内された充電施設が非常に混雑している場合に、運転者がその充電施設において充電せずに走行を継続し、走行ルートの途中で目的地に到達するための電力がなくなってしまうという課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、目的地に到達するために必要な電力量および経由地に設定された各充電施設において充電される電力量に関する情報を可視化する車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、目的地と自車両の航続可能距離とに基づいて、前記自車両を停車させて充電を行う充電スタンドあるいは前記自車両を走行させて充電を行う非接触式充電路を経由地に設定した走行ルートを算出するルート算出部と、前記走行ルートにおいて、前記目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させるときに、前記充電スタンドにおいて充電される電力量と、前記非接触式充電路において充電される電力量とを区別して表示させる制御部と、を備えることを特徴とする車両を提案している。
【0008】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記制御部が、前記目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させるときに、前記走行ルートにおける前記経由地の位置情報を合わせて表示させることを特徴とする車両を提案している。
【0009】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記制御部が、前記目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させるときに、前記走行ルートにおいて前記自車両が立ち寄る前記経由地の順番に該経由地において充電される電力量を順次表示させることを特徴とする車両を提案している。
【発明の効果】
【0010】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、目的地に到達するために必要な電力量および経由地に設定された各充電施設において充電される電力量に関する情報を可視化することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る車両の構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る車両の処理のフローを示した図である。
図3】本発明の実施形態に係る車両の表示例を示した図である。
図4】本発明の変形例1に係る車両の表示例を示した図である。
図5】本発明の変形例1に係る車両の表示例を示した図である。
図6】本発明の変形例1に係る車両の表示例を示した図である。
図7】本発明の変形例2に係る車両の表示例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
図1から図3を用いて、本実施形態に係る車両1について説明する。
【0013】
<車両1の構成>
図1に示すように、自車両としての車両1は、航続可能距離算出部110と、現在位置取得部120と、ルート算出部130と、制御部140と、表示部150と、を含んで構成されている。
なお、車両1は、4輪車に限定されるものではなく、蓄電池の電力により走行する2輪車等も含まれる。
【0014】
航続可能距離算出部110は、車両1の蓄電池の充電残量に基づいて航続可能距離を算出する。
具体的には、航続可能距離算出部110は、例えば、車両1の蓄電池の充電残量と、交流電力量消費率(外部充電1kwhあたりの航続可能距離)の実績値とに基づいて航続可能距離を算出し、その算出結果および蓄電池の充電残量に関する情報を後述するルート算出部130および制御部140に送信する。
なお、航続可能距離算出部110は、車両1の航続可能距離が算出できればよいため、上述した算出方法に限定されるものではない。
【0015】
現在位置取得部120は、車両1の現在位置を取得する。
具体的には、現在位置取得部120は、例えば、GPS受信装置であって、車両1の現在位置を取得し、取得した現在位置情報を後述するルート算出部130および制御部140に送信する。
【0016】
ルート算出部130は、目的地と車両1の航続可能距離とに基づいて、車両1を停車させて充電を行う充電スタンドあるいは車両1を走行させて充電を行う非接触式充電路(以下、充電スタンドおよび非接触充電路を総称して「充電施設」と呼ぶ)を経由地に設定した走行ルートを算出する。
ルート算出部130は、例えば、図示しないメモリから取得した地図情報および充電施設情報(充電施設の種類/位置情報等)を参照して、充電施設を経由地に設定した走行ルートを算出する。
具体的には、ルート算出部130は、現在位置から航続可能距離内にある非接触式充電路を優先して経由地に設定し、非接触式充電路がない場合には、充電スタンドを経由地に設定する。
つまり、ルート算出部130は、運転者が最短時間で目的地に到着できるように、走行しながら充電を行うことができる非接触式充電路を優先して経由地に設定し、設定した非接触式充電路において充電される充電量のみでは、目的地に到達できないと判定した場合には、さらに充電施設を経由地に追加し、走行ルートを算出する。
ルート算出部130は、算出した走行ルートの情報および経由地に設定された充電施設に関する情報(充電施設の種類、位置情報、充電される電力量等)を後述する制御部140に送信する。
なお、ルート算出部130は、運転者が設定した目的地に車両1が到達できるように、充電施設を経由地に設定した走行ルートが算出できればよいため、上述した算出方法に限定されるものではない。
【0017】
制御部140は、図示しないROM等に格納された制御プログラムに従って、車両1の全体の動作を制御する。
本実施形態においては、制御部140は、ルート算出部130が算出した走行ルートにおいて目的地に到達するために必要な電力量の内訳を後述する表示部150に表示させる。
制御部140は、ルート算出部130が算出した走行ルートにおいて、目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示部150に表示させるときに、充電スタンドにおいて充電される電力量と、非接触式充電路において充電される電力量とを区別して表示させる。
つまり、制御部140は、目的地に到達するために必要な電力量および各充電施設において充電される電力量の情報を可視化した表示画像を生成し、後述する表示部150に送信する。
なお、制御部140が後述する表示部150に表示させる情報については、後述する。
【0018】
表示部150は、例えば、LCD(液晶表示装置)等であって、車両1に搭載されたナビゲーション装置の表示部を例示することができる。
表示部150は、制御部140から受信した表示画像を表示する。
【0019】
<車両1の処理>
図2を用いて、車両1の処理について説明する。
【0020】
制御部140は、車両1の乗員が目的地を設定したか否かを判定する(ステップS110)。
制御部140は、車両1の乗員が目的地を設定していないと判定する場合(ステップS110の「NO」)には、処理を戻し、待機状態に移行する。
【0021】
一方で、制御部140は、車両1の乗員が目的地を設定したと判定する場合(ステップS110の「YES」)には、目的地に到達するために、車両1の蓄電池の充電が必要であるか否かを判定する(ステップS120)。
制御部140は、車両1の蓄電池の充電が必要ないと判定する場合(ステップS120の「NO」)には、処理を終了させる。
【0022】
一方で、制御部140において、車両1の蓄電池の充電が必要であると判定された場合(ステップS120の「YES」)には、ルート算出部130は、充電施設を経由地に設定した走行ルートを算出する(ステップS130)。
【0023】
制御部140は、ステップS130において算出された走行ルートおよび経由地に設定された充電施設において充電される電力量の内訳を表示部150に表示し(ステップS140)、処理を終了させる。
【0024】
<制御部140が表示させる情報>
図3を用いて、上述したステップS140において、制御部140が表示部150に表示させる情報について説明する。
制御部140は、設定された充電施設における充電の必要性を運転者に認知させるように、ルート算出部130が算出した走行ルート情報と、各充電施設において充電される電力量の情報とを可視化して表示部150に表示させる。
【0025】
図3に示した表示画面は、充電施設を経由地に設定した走行ルート情報および各充電施設において充電される電力量の情報を表示した例(表示部150に表示された画面全体の表示例)である。
具体的には、制御部140は、地図表示エリア300および充電量表示エリア400を含んだ画面を表示部150に表示させる。
【0026】
制御部140は、目的地までの走行ルートおよび充電施設の位置と充電施設の種類(充電スタンド/非接触式充電路)に関する情報を地図表示エリア300に表示させる。
具体的には、制御部140は、地図表示エリア300に、自車両位置310と、周辺地図情報320と、目的地までの走行ルート330とを表示させる。
より具体的には、制御部140は、現在位置取得部120から受信した車両1の現在位置情報に基づいた自車両位置310と、図示しないメモリから取得した周辺地図情報320と、ルート算出部130から受信した走行ルート330とを地図表示エリア300に表示させる。
また、制御部140は、車両1が目的地に到達するためには、充電が必要であることを運転者に認知させるために、充電施設の位置(充電スタンドの位置情報340および非接触式充電路の位置情報350)を地図表示エリア300に表示させる。
このとき、制御部140は、経由地に設定された充電施設が充電スタンドであるか、または、非接触式充電路であるかを運転者が容易に認知できるように、充電施設ごとの表示形態を変更して表示させる。
例えば、図3に示すように、制御部140は、充電スタンドの位置情報340を、例えば、平行な縦線によりハッチングされた模様を用いて表示させ、非接触式充電路の位置情報350を、例えば、平行な横線によりハッチングされた模様を用いて表示させる。
なお、運転者が充電施設の種別(充電スタンド/非接触式充電路)を容易に区別できればよいため、色の種類、色の濃淡、ハッチング模様の種類、ピクトグラム等を組み合わせて、充電施設の種別を表示するようにしてもよい。
また、図3に示すように、制御部140は、地図表示エリア300に、「経由地1充電スタンド」、「経由地2非接触式充電路」等の文字情報を合わせて表示するようにしてもよい。
【0027】
制御部140は、充電量表示エリア400に、車両1の蓄電池に充電されている電力量と、各充電施設において充電される充電量とを表示し、車両1が目的地に到達するためには充電が必要であることを運転者に認知させる。
具体的には、制御部140は、図3に示すように、現在位置から目的地まで到達するために必要な電力量を100%とした棒グラフを充電量表示エリア400に表示させる。
より具体的には、制御部140は、走行ルートが算出されたときの車両1の蓄電池に充電されている電力量と、充電スタンドにおいて充電される電力量と、非接触式充電路において充電される電力量とを合計した電力量(現在位置から目的地まで到達するために必要な電力量)に対する各電力量の割合を算出し、その算出した割合に従って、車両1の蓄電池に充電されている電力量410、充電スタンドにおいて充電される電力量411および非接触式充電路において充電される電力量412を表示した棒グラフを充電量表示エリア400に表示させる。
【0028】
また、制御部140は、ルート算出部130が算出した走行ルートにおいて、目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させるときに、充電スタンドにおいて充電される電力量と、非接触式充電路において充電される電力量とを区別して表示させる。
つまり、制御部140は、経由地に設定された充電施設において充電を行わなかった場合の影響を運転者に認知させるため、各充電施設において充電される電力量を可視化し、充電量表示エリア400に表示させる。
具体的には、制御部140は、目的地に到達するために不足している電力量(車両1が充電施設において充電される電力量)を表示させるとき、表示形態が区別された、充電スタンドにおいて充電される電力量411と、非接触式充電路において充電される電力量412とを充電量表示エリア400に表示させる。
なお、制御部140は、地図表示エリア300に充電施設を表示させるときに使用したハッチング模様と同じハッチング模様を用いて、充電スタンドにおいて充電される電力量411および非接触式充電路において充電される電力量412を表示させる。
ここで、制御部140は、車両1の蓄電池に充電されている電力量410、充電スタンドにおいて充電される電力量411および非接触式充電路において充電される電力量412を充電量表示エリア400に表示させるとき、電力量の数値を合わせて表示するようにしてもよい。
【0029】
制御部140は、目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させるときに、走行ルートにおける経由地(充電施設)の位置情報を合わせて表示させる。
つまり、制御部140は、充電施設において充電を行わなかった場合には、どこまで走行可能であるか、また、充電を行った場合には、どこまで走行可能であるかを運転者に認知させるために、出発地から目的地までの走行距離を100%にした棒グラフを充電量表示エリア400に表示させる。
具体的には、制御部140は、充電スタンドの位置413および非接触式充電路の位置414を示した棒グラフを、上述した蓄電池の充電量を示した棒グラフの右側に表示させる。
なお、制御部140は、充電スタンドの位置413および非接触式充電路の位置414を表示させるときに、充電スタンドにおいて充電される電力量411と、非接触式充電路において充電される電力量412とを区別して表示するために用いたハッチング模様と同じハッチング模様を用いて、表示させる。
ここで、制御部140は、図3に示すように、充電スタンドにおける充電時間(例えば、「30min」)、非接触式充電路の走行距離(例えば、「5km」)等の情報を合わせて表示するようにしてもよい。
また、制御部140は、地図表示エリア300の表示および充電量表示エリア400の表示を、ナビゲーション装置の表示部に情報を表示させることを例示したが、さらに、地図表示エリア300の表示および充電量表示エリア400の表示の少なくとも一方を、運転者がより確認しやすい位置に配設されたメーターパネル等に表示させるようにしてもよい。
【0030】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る車両1は、充電施設において充電を行わないと、運転者が設定した目的地に到達できないと判定した場合には、車両1を停車させて充電を行う充電スタンドあるいは車両1を走行させて充電を行う非接触式充電路を経由地に設定した走行ルートを算出し、その走行ルートにおいて、目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示する。
制御部140は、走行ルートを算出したときの蓄電池の電力量410(充電残量)、目的地に到達するために不足している電力量(充電スタンドにおいて充電される電力量411および非接触式充電路において充電される電力量412)、走行ルート330、各充電施設の位置(充電スタンドの位置情報340および非接触式充電路の位置情報350)、充電施設の種類(充電スタンド/非接触式充電路)、充電スタンドにける充電時間、非接触式充電路の走行距離等の情報を可視化して、地図表示エリア300に表示させる。
また、制御部140は、経由地に設定された充電施設において充電を行わなかった場合の影響を運転者に認知させるために、各充電施設において充電される電力量(充電スタンドにおいて充電される電力量411と、非接触式充電路において充電される電力量412)を区別して、充電量表示エリア400に表示させる。
つまり、制御部140は、目的地に到達するために必要な電力量および経由地に設定された各充電施設において充電される電力量に関する情報を可視化して表示させるため、経由地に設定された充電施設における充電の必要性を運転者に認知させることができる。
これにより、案内された充電施設が非常に混雑している場合であっても、運転者がその充電施設において充電せずに走行を継続してしまうことを抑制する効果が期待できる。
また、車両1の蓄電池の電力量および各充電施設において充電される電力量の情報が、数値のみではなく、棒グラフとして可視化されて表示されるため、運転者は、その表示を見るだけで、充電量に余裕があるか否かを判断することができる。
【0031】
本実施形態に係る車両1は、目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させるときに、走行ルートにおける経由地(充電施設)の位置情報を合わせて表示させる。
車両1は、充電量表示エリア400に、経由地に設定された充電スタンドの位置、非接触式充電路の位置を示す棒グラフを、充電量に関する情報を示す棒グラフの横に合わせて表示する。
これにより、充電施設において充電を行わなかった場合には、どこまで走行可能であるか(例えば、図3に示すように、現在の蓄電池の電力量410では、非接触式充電路までは走行することができることが可視化されている)、また、充電を行った場合には、どこまで走行可能であるかが可視化されるため、経由地に設定された充電施設において充電を行う必要性を運転者に認知させることができる。
【0032】
<変形例1>
制御部140は、目的地に到達するために必要な電力量の内訳を表示させるときに、走行ルートにおいて車両1が立ち寄る経由地(充電施設)の順番に、その経由地において充電される電力量を順次表示させる。
つまり、制御部140は、設定された充電施設における充電の必要性を運転者が容易に認知できるように、アニメーション表示を用いて、各充電施設に充電される電力量等の情報を充電量表示エリア400Aに順次表示させる。
図4から図6を用いて、アニメーション表示を用いた充電量表示エリア400Aの表示例について説明する。
制御部140は、車両1の充電量に関する情報および走行ルート情報/充電施設情報を、充電量表示エリア400Aに表示させる。
具体的には、制御部140は、以下に説明する第1の画面、第2の画面、第3の画面を順番に表示し、運転者に対して、充電量に関する情報および走行ルート情報/充電施設情報を提供する。
【0033】
図4に示すように、制御部140は、走行ルート情報/充電施設情報である、出発地表示450と、運転者が設定した目的地表示451と、さらに、充電量に関する情報である、ルート算出部130が走行ルートを算出したときの車両1の蓄電池の電力量410と、目的地に到達するために不足している電力量420とを充電量表示エリア400Aに表示させる(第1の画面)。
【0034】
次に、図5に示すように、制御部140は、ルート算出部130が経由地1に設定した充電スタンドに関する情報を充電量表示エリア400Aに表示させる(第2の画面)。
具体的には、制御部140は、矢印表示452および充電施設情報表示453を表示させる。
より具体的には、制御部140は、例えば、矢印表示452の黒い矢印を徐々に上方向に延ばすアニメーション表示を行い、黒い矢印が全て表示されたときに、充電施設情報表示453をポップアップ表示させる。
制御部140は、充電施設情報表示453に、例えば、経由地1の充電スタンドの位置、充電装置の出力、充電時間等の情報を表示させる。
また、制御部140は、充電施設情報表示453をポップアップ表示させた後に、経由地1の充電スタンドにおいて充電される電力量411の情報を充電量表示エリア400Aに表示させる。
具体的には、制御部140は、経由地1の充電スタンドにおいて充電される電力量411の棒グラフを上方向に徐々に伸ばし、目的地に到達するために不足している電力量420の棒グラフの長さが徐々に短くなるアニメーション表示を用いて、充電量に関する情報を表示させる。
ここで、制御部140は、矢印表示452に、出発地から充電施設までの走行距離を同時に表示させてもよい。
【0035】
次に、図6に示すように、制御部140は、ルート算出部130が経由地2に設定した非接触式充電路に関する情報を充電量表示エリア400Aに表示させる(第3の画面)。
具体的には、制御部140は、矢印表示454と充電施設情報表示455とを表示させる。
より具体的には、制御部140は、例えば、矢印表示454の黒い矢印を徐々に上方向に延ばすアニメーション表示を行い、黒い矢印が全て表示されたときに、充電施設情報表示455をポップアップ表示させる。
なお、制御部140は、充電施設情報表示455に、経由地2の非接触式充電路の位置、非接触式充電路の走行距離等の情報を表示させる。
また、制御部140は、充電施設情報表示455をポップアップ表示させた後に、経由地2の非接触式充電路において充電される電力量412の情報を充電量表示エリア400Aに表示させる。
具体的には、制御部140は、経由地2の非接触式充電路において充電される電力量412の棒グラフを上方向に徐々に伸ばし、目的地に到達するために不足している電力量420の棒グラフの長さが徐々に短くなるアニメーション表示を用いて、充電量に関する情報を表示させる。
そして、制御部140は、上述したアニメーション表示を実行した後に、矢印表示456を充電量表示エリア400Aに表示させて処理を終了する。
なお、制御部140は、充電量表示エリア400Aに、上述したアニメーション表示を行うときに、走行ルートにおける経由地(充電施設)の位置情報も合わせてアニメーション表示させるようにしてもよい。
【0036】
以上、説明したように、制御部140は、充電量表示エリア400Aに、上述した第1の画面、第2の画面、第3の画面を順次表示させ、各充電施設における充電の必要性を運転者に認知させることができる。
【0037】
<変形例2>
図3に示した車両1の表示例において、さらに車両1の現在位置を示す情報を表示するようにしてもよい。
具体的には、図7に示すように、制御部140は、例えば、現在位置取得部120から取得した現在位置情報に基づいて自車両位置310の表示を移動させ、車両1の現在位置を示す現在位置マーカー415を表示させる。
つまり、充電量表示エリア400に現在位置マーカー415を表示させることにより、出発地から現在の走行位置までに車両1が消費した電力量と、車両1の現在の充電残量とが可視化されるため、運転者は、車両1の現在の充電状態を容易に把握することができる。
【0038】
なお、航続可能距離算出部110、現在位置取得部120、ルート算出部130および制御部140の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを航続可能距離算出部110、現在位置取得部120、ルート算出部130および制御部140に読み込ませ、実行することによって本発明の車両1を実現することができる。
ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0039】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0040】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0041】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1;車両
110;航続可能距離算出部
120;現在位置取得部
130;ルート算出部
140;制御部
150;表示部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7