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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100045
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】動物管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240719BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003748
(22)【出願日】2023-01-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】520030877
【氏名又は名称】レモン・テクノロジーズ合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082658
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 儀一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221615
【弁理士】
【氏名又は名称】竹本 祐子
(72)【発明者】
【氏名】荒巻 慶一
(72)【発明者】
【氏名】小川 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】岩下 英保
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】所定動物に装着されたマイクロチップにより、所定動物が所有者のもとで所有されていることを証明できる動物管理システムを提供する。
【解決手段】動物管理システムは、所定動物に装着され、該所定動物の動物生体情報を引き出すデータが格納された動物生体情報引き出し用チップ13と、動物生体情報引き出し用チップ13が装着された所定動物の動物生体情報が登録され、登録された情報が更新され、保存される動物生体情報蓄積コンピュータ3と、動物生体情報蓄積コンピュータ3が保存した所定動物の動物生体情報を受け取り、保存する動物基本情報コンピュータ14と、動物生体情報引き出し用チップ13内のデータを読み取る読取り端末15と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定動物に装着されて、該所定動物の動物生体情報を引き出すデータが格納された動物生体情報引き出し用チップと、
動物生体情報引き出し用チップが装着された所定動物の動物生体情報が登録され、登録された情報が更新され、保存される動物生体情報蓄積コンピュータと、
前記動物生体情報蓄積コンピュータから保存された所定動物の動物生体情報を受け取り、保存する動物基本情報コンピュータと、
前記所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ内のデータを読み取る読取り端末と、を有し、
該読取り端末で読み取ったデータは動物基本情報コンピュータ及び/または動物生体情報蓄積コンピュータに送信され、送信されたデータによって、動物生体情報引き出し用チップが装着された所定動物と動物基本情報コンピュータに保存された所定動物の動物生体情報とが一致するか否かが確認できる、
ことを特徴とする動物管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばマイクロチップリーダーなどの読取り端末を活用した動物管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫などの愛玩動物にはマイクロチップの装着が義務付けられている。愛玩動物に装着されるマイクロチップは、例えば15桁の数字(ISO規格の個体識別番号)などの情報が記録されており、この個体識別番号に基づいて環境大臣が指定した指定登録機関のデータベースに所有者情報を登録することとなっている。
【0003】
そのため、マイクロチップが装着された犬や猫などの愛玩動物をブリーダーやペットショップ等から購入した場合や動物保護団体等から譲り受けた場合に、装着されたマイクロチップに基づいて指定登録機関のデータベースを購入者あるいは譲受人の新たな所有者の登録情報に変更する手続きが必要となる。
【0004】
ところで、愛玩動物に装着されたマイクロチップを読み取るためには、専用のマイクロチップリーダーが必要となる。すなわち、専用のマイクロチップリーダーがなければマイクロチップに記録された情報(個体識別番号)を読み取ることができない。マイクロチップは、それ自体がごく小さな細いカプセル状をしているため、愛玩動物を一見しただけではマイクロチップの装着の有無が判断できず、この場合もマイクロチップリーダーで読み取って初めて装着の有無が判断できるのである。
【0005】
そのため、引き渡しにおいて、マイクロチップリーダーによる個体識別番号の確認がなされなければ、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫などの愛玩動物にマイクロチップの装着が義務付けられているにもかかわらず、マイクロチップが装着されないまま販売されてしまったり、所有者のもとに所定の愛玩動物が居ないにもかかわらず、マイクロチップ登録証が偽造されて指定登録機関のデータベースに架空の登録されてしまうなどの問題が懸念されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-224640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かくして、本発明は、上記の課題に対処すべく創案されたものであって、所定動物ごとに装着されるマイクロチップに記録された情報をオンライン上で適切に管理すると共に、前記所定動物に装着されたマイクロチップに記録された情報を読取り端末で読み取り、該読み取った情報と前記オンライン上で管理された情報とを照合することで前記所定動物が所有者のもとで所有されていることを証明でき、また、前記読取り端末の活用により錯誤あるいは故意により間違った情報の入力操作をすることがなく、もって照合作業の正確性を確実に担保でき、さらには、前記読取り端末で読み取るだけで事前に登録された所定動物と同一か否かを即座に確認することができ、もって動物関連施設、イベント業者、自治体などでマイクロチップに記録された情報(個体識別番号)に紐づいた情報に関する業務に取られる時間を短縮し、作業効率が向上し、様々な動物関連サービスに用いることができる動物管理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
所定動物に装着されて、該所定動物の動物生体情報を引き出すデータが格納された動物生体情報引き出し用チップと、
動物生体情報引き出し用チップが装着された所定動物の動物生体情報が登録され、登録された情報が更新され、保存される動物生体情報蓄積コンピュータと、
前記動物生体情報蓄積コンピュータから保存された所定動物の動物生体情報を受け取り、保存する動物基本情報コンピュータと、
前記所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ内のデータを読み取る読取り端末と、を有し、
該読取り端末で読み取ったデータは動物基本情報コンピュータ及び/または動物生体情報蓄積コンピュータに送信され、送信されたデータによって、動物生体情報引き出し用チップが装着された所定動物と動物基本情報コンピュータに保存された所定動物の動物生体情報とが一致するか否かが確認できる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明による動物管理システムは、所定動物ごとに装着されるマイクロチップに記録された情報をオンライン上で適切に管理すると共に、前記所定動物に装着されたマイクロチップに記録された情報を読取り端末で読み取り、該読み取った情報と前記オンライン上で管理された情報とを照合することで前記所定動物が所有者のもとで所有されていることを証明でき、また、前記読取り端末の活用により錯誤あるいは故意により間違った情報の入力操作をすることがなく、もって照合作業の正確性を確実に担保でき、さらには、前記読取り端末で読み取るだけで事前に登録された所定動物と同一か否かを即座に確認することができ、もって動物関連施設、イベント業者、自治体などでマイクロチップに記録された情報(個体識別番号)に紐づいた情報に関する業務に取られる時間を短縮し、作業効率が向上し、様々な動物関連サービスに用いることができるとの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の概略構成を説明する説明図である。
図2】動物生体情報蓄積コンピュータの構成を説明する説明図である。
図3】本発明の認証方法の内容を示すフローチャート(1)である。
図4】本発明の認証方法の内容を示すフローチャート(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の構成を図面に基づいて説明する。
まず、図1は本発明の基本的な構成を示した図である。符号1は、顧客の通信端末を示しており、該通信端末1を利用して所定動物の動物生体情報はインターネットなどの通信回線2を介して動物生体情報蓄積コンピュータ3に登録される。なお、前記通信端末1は、例えばPC、タブレットあるいは携帯電話などの通信機能を備えた端末である。また、顧客とは、本システムの利用者のことであり、動物の飼い主や動物関連施設、自治体などである。
【0012】
ここで、動物の動物生体情報(ライフログ情報)とは、例えば狂犬病注射、ワクチン注射、血液検査、遺伝子検査、その他検査、手術、処方箋、入院、退院、出産、誕生、鑑札、保険、フード・サプリ、マイクロチップ装着、所有者登録、所有者変更、各種証明書、病歴、死亡などのペット・動物の生体に重要な出来事や情報の記録をいう。
【0013】
そして、前記したように通信端末1が通信回線2を介して動物生体情報蓄積コンピュータ3にアクセスし、前記動物生体情報蓄積コンピュータ3に所定動物の動物生体情報が登録される。
【0014】
ここで、前記動物生体情報蓄積コンピュータ3は、ウェブ用制御処理部4、アプリ用制御処理部5及びデータ格納部6を有して構成されている(図1参照)。前記ウェブ用制御処理部4あるいはアプリ用制御処理部5は、動物生体情報引き出し用チップ13が装着された所定動物の動物生体情報を登録すると共に、更新制御する制御処理部である。
【0015】
図1において符号14は、動物生体情報引き出し用チップ13と紐付けられた所有者情報や動物情報など動物基本情報が登録され、格納されている動物基本情報コンピュータである。前記動物基本情報コンピュータ14は、通信回線2を介して、例えば所有者情報や動物情報など動物基本情報を通信端末1あるいは動物生体情報蓄積コンピュータ3などと送受信出来るよう構成されており、該送受信により前記情報の保存や閲覧など出来るいわゆるデータサーバとして構成される。よって、前記動物生体情報引き出し用チップ13が装着された所定動物の動物基本情報が初期登録されるのみならず、その後、更新する事情が生じた場合には、前記通信回線2を介して更新後の動物基本情報が前記動物基本情報コンピュータ14に反映され、保存、格納される様構成される。
【0016】
ここで、動物基本情報とは、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップのID番号(例えばマイクロチップID番号)、動物種、性別、生年月日、動物生体情報引き出し用チップ(例えばマイクロチップ)の埋込日、所有日、動物の名前などが挙げられる。
【0017】
次に、符号15は読取り端末を示す。前記読取り端末15は、前記所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取る端末として構成される。前記読取り端末15としては、例えばマイクロチップリーダーなどが用いられる。
【0018】
ところで、本発明において、前記読取り端末15が所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取ると、その読み取った情報、例えば15桁の数字(ISO規格の個体識別番号(ID))が無線通信機能(例えばbluetooth(登録商標)など)を通じて顧客の通信端末1に送信できる様構成されている。そして通信端末1に送信された前記データは通信端末1に搭載されているアプリを用いて動物基本情報コンピュータ14及び/または動物生体情報蓄積コンピュータ3に送信されるよう構成されている。
【0019】
従来の読取り端末15では、読取り端末15のディスプレイに読み取った情報が表示されるだけの構成である。従って、この表示された情報については、さらに必要箇所、例えば動物基本情報コンピュータ14あるいは動物生体情報蓄積コンピュータ3などに送信して、チップが装着された動物の照合作業を行う場合には顧客の通信端末1などを使用し、前記データを再度手動で入力しなければならないのである。
【0020】
よって、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報と動物基本情報コンピュータ14、動物生体情報蓄積コンピュータ3に格納されたデータと照合する場合では一つ一つ数字を確かめながら人力で正確に入力する必要がある。
【0021】
すると、動物生体情報引き出し用チップ13が装着された所定動物とは異なる例えば15桁の数字(ISO規格の個体識別番号(ID))を錯誤によりあるいは故意的に入力する事態が生じる恐れがある。
【0022】
しかるに、前述したような手作業による入力作業及び照合作業であると手間と時間が掛かるばかりでなく、錯誤によってあるいは場合によっては故意によって入力ミスをもたらす恐れがあり、チップを装着した動物との正確な照合作業が行えないとの懸念が生じることとなる。
【0023】
そこで、本発明の動物管理システムでは、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読取り端末15が読み取り、該読み取った情報は例えば顧客の通信端末1に無線通信機能を通じてダイレクトに送信され、送信されたデータは通信端末1から送信アプリを介して、動物基本情報コンピュータ14及び/または動物生体情報蓄積コンピュータ3に送られる様構成されている。
【0024】
従って、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13のデータは、そのまま動物生体情報蓄積コンピュータ3に格納されたデータ、ひいては動物基本情報コンピュータ14に格納されたデータと照合することが出来るのである。
すると、錯誤あるいは故意により間違った情報の入力操作をすることがなくなり、照合作業の正確性を確実に担保できるものとなる。
【0025】
次に、図2に基づいて動物生体情報蓄積コンピュータ3内のアプリ用制御処理装置5について説明する。なお、ウェブ用制御処理装置4の構成は、前記アプリ用制御処理装置5の構成と同様の制御処理が行われている。
【0026】
前記アプリ用制御処理装置5は、受信部7b、送信部8b、制御部9b、表示部10b、入力部11bを有して構成されている。すなわち、顧客が専用のアプリケーションからインターネットなどの通信回線2を介してログインした場合は、アプリ用制御処理部5の受信部7bが受信し、制御部9bに制御処理されるのである。
【0027】
そして、顧客の操作は入力部11bを通じて入力され、該顧客の入力が表示部10bに反映され、該表示部10bに表示された情報は送信部8bを介して顧客の通信端末1に送信され、該顧客の通信端末1の画面上に表示されることとなる。
【0028】
さらに、前記制御部9bはチェック部12bを有して構成されている。このチェック部12bは、顧客が所定動物の動物生体情報を入力し、該入力した動物生体情報の入力内容に間違いがないかをチェックする部分である。
【0029】
前記チェック部12bでは、後述するデータ格納部6に格納されている動物基本情報格納チップ13が装着された所定動物の動物生体情報が新たに追加等されると、動物基本情報コンピュータ14に格納されている前記動物生体情報引き出し用チップ13が装着された動物の動物基本情報と前記データ格納部6に格納された前記所定動物の新たに追加された動物生体情報とを照合し、適否をチェックする部分でもある。
【0030】
またチェック部12bは、前記動物基本情報コンピュータ14に格納されている前記所定動物の動物基本情報が追加され、あるいは所有者情報が更新されると、前記追加された動物基本情報あるいは更新された所有者情報と、前記データ格納部6に格納された前記所定動物の動物生体情報とを照合し、適否をチェックするよう構成することもできる。
【0031】
このチェック部12bでの適否のチェックにより、前記動物生体情報引き出し用チップ13が装着された所定動物に関する動物生体情報の適合性を例えば通信回線2を介して審査し、確認することができる。なお、チェック部12bで行われる入力内容のチェック方法は、上記内容に限定されるものではない。
【0032】
ところで、図1及び図2に示されるとおり、動物生体情報蓄積コンピュータ3にはデータ格納部6を有している。
前記データ格納部6には、既に説明した顧客自身の情報や所定動物ごとの動物生体情報(ライフログ情報)などのデータが一括して格納されている。つまり、顧客がウェブ用制御処理部4あるいはアプリ用制御処理部5を通じて、例えば動物のワクチン接種情報などの動物の動物生体情報(ライフログ情報)を追加登録すると、その情報は動物の所有者である顧客に紐づけされた状態で前記データ格納部6に格納されることなる。
【0033】
そして、顧客が例えばメールアドレス及びパスワードを設定し、所定の登録事項を登録することにより作成されたアカウントでアクセスあるいはログインするとデータ格納部6に格納されている動物の動物生体情報(ライフログ情報)が取り出され、閲覧することができるのである。
【0034】
ここで、所定動物の新規登録や動物生体情報の登録については、チェック部12a又は12bを介して登録内容を確認・審査し、入力情報の内容に間違いや問題がなければ承認され、承認された動物生体情報だけが正式に本システムの台帳に登録されることとなる。すなわち、前記チェック部12a又は12bを介して登録内容を確認・審査される情報(データ)は、本システムの不正防止用サーバー群17の複数の不正防止用サーバー18、いわゆる複数の台帳に登録されるのである。
【0035】
この際、前記チェック部12a又は12bにおいて例えば本システムを運営する事務局が有するコンピュータなどを介してデータ格納部6に格納された動物生体情報を審査することになる。そして、審査の結果、問題なしと判断された動物生体情報は、データ管理システム部16を通じて、不正防止用サーバー群17の複数の不正防止用サーバー18それぞれに書き込まれる。この複数の不正防止用サーバー18に書き込まれること、すなわち本システムの台帳に登録されることとなる。
【0036】
したがって、本システムの台帳に登録されている動物生体情報(ライフログ情報)は、前記チェック部12a又は12bによってチェック(審査)され、該チェックの結果、入力内容に問題がないと判断されたライフログ情報(動物生体情報)だけが登録されており、前記チェック部12a又は12bが問題ありと判断した情報は本システムの台帳に一切登録されていないこととなる。
【0037】
ここで、前記不正防止用サーバー群17には不正防止用サーバー18が複数台設置され、それぞれの不正防止用サーバー18ごとに暗号化された情報(データ)が書き込まれるよう構成されている。つまり、複数の不正防止用サーバー18は、常に同じ暗号化された情報(データ)が格納された状態となっている。
【0038】
例えば、図1及び図2では3台の不正防止用サーバー18が設置されているが、すべての不正防止用サーバー18には全く同じ暗号化された情報(データ)が格納されている。なお、本実施例においては不正防止用サーバー18が3台設置されているが、3台に限定されるものではなく、状況に応じて設置台数は増減してもよい。また、場合によっては前記情報(データ)が暗号化されていない状態で不正防止用サーバー18に格納されることとしてもよい。
【0039】
本システムの特徴の一つとして、本システムの台帳に登録された動物生体情報、すなわち不正防止用サーバー18に書き込まれた動物生体情報は登録だけすることができ、更新などの上書き登録や削除をすることはできないようプログラムされている。
【0040】
また本システムは、データ格納部6に格納された内容と不正防止用サーバー群17の不正防止用サーバー18のいずれかに書き込まれた内容とが一致するか否かを照らし合わせて、データ格納部6内の情報が不正アクセス又は改ざん等されていないかをチェックする機能を有している。さらに、不正防止用サーバー群17はインターネットなどの通信回線2に直接接続されていないため、外部からの進入を防ぎ、セキュリティ上の安全性が非常に高く、不正防止用サーバー群17内に登録保存されている情報の漏洩を防止することにつながっている。さらには、前記不正防止用サーバー群17の不正防止用サーバー18に格納される情報(データ)は、暗号化されており、万が一、前記不正防止用サーバー18に格納された情報(データ)を第三者が入手したとしても、暗号化された該情報(データ)を解読することはできないようになっている。
【0041】
ところで、本発明は前記読取り端末15が読み取った前記動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報によって、動物生体情報蓄積コンピュータ14に保存された所定動物の動物生体情報が引き出せるか否かを確認するための確認手段を有している。
【0042】
すなわち、例えば前述のように通信端末1に搭載された専用アプリケーションを起動し、ログインした状態で、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13を読取り端末15で読み取ると、予め動物生体情報蓄積コンピュータ3に保存されている前記所定動物ごとの動物生体情報引き出し用チップ13の情報、ここでは15桁の数字と、前記読取り端末15によって読み取られた情報とが一致するか否かが前記確認手段によって確認される。確認の結果、一致すると判断された場合は、所有者情報、所定動物の動物基本情報や動物生体情報が引き出され、顧客の通信端末1に表示されることとなる。
【0043】
この確認手段による確認システムを利用すると、前記所定動物の所有者であれば、該所有者が現に所有する通信端末1に、所定動物の動物生体情報を含む全ての情報を所有者自ら選択して閲覧できる画面が表示され、その画面の中で所有者が必要とする情報を選択して表示することが可能となる。
【0044】
しかしながら、例えば所定動物の所有者ではない他者が、通信端末1に搭載された専用アプリケーションを起動し、ログインした状態で、読取り端末15を利用して前記所定動物の動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報読み取ったとしても、該通信端末1には動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(15桁の数字)のみが表示されるだけで、所定動物の動物生体情報を含む全ての情報を選択できる画面に進むことはできないのである。
【0045】
これは、前述したとおり、所定動物の動物生体情報を含む全ての情報が、前記所定動物の所有者に紐づけされた状態で、動物生体情報蓄積コンピュータ3のデータ格納部6に格納されており、通信端末1で読取り端末15を利用して前記自己の所有ではない所定動物の動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取ったとしても、その情報と動物生体情報蓄積コンピュータ3のデータ格納部6に格納された情報とは紐づけされた状態ではないとして情報引き出し出来ないからである。
【0046】
すなわち、例えば所有者のアカウント(設定登録したメールアドレス及びパスワード)でログインするときに前記データ格納部6に格納された所定動物の動物生体情報を含む全ての情報を取り出すことができるよう構成したのである。
【0047】
その一方で、所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有する者(例えば、動物関連施設や自治体などの関係者)は、権限保有者のアカウントで専用アプリケーションにログインした状態で、読取り端末15によって所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13を読み取る構成とすることも出来る。
【0048】
この場合、権限保有者の通信端末1の画面上には、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(15桁の数字)が表示され、この表示された情報(15桁の数字)を例えば画面上でタップすると次の画面、すなわち前記15桁の数字に紐づけられた所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報が表示された画面が表示される。
【0049】
これは、読取り端末15が無線通信機能によって、顧客の通信端末1に接続されることは既に説明した通りであるが、前記読取り端末15が接続されている通信端末1によって、所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報が取得できるか否かが異なるからである。
【0050】
すなわち、前記所定動物の所有者でなく、かつ権限保有者でもない他者が、自身のアカウント(他者が設定登録したメールアドレス及びパスワード)で専用アプリケーションにログインした状態で、該ログインされた通信端末1に前記読取り端末15を接続し、接続した読取り端末15によって動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(15桁の数字)を読み取ったとしても、所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報を取得することはできないからである。この場合、他者の通信端末1には、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(15桁の数字)だけが表示され、この表示から次の所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報が表示された画面には進まないのである。
【0051】
つまり、前記所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報を取得するためには、所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有していることが重要なのである。
【0052】
しかるに、この所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有するためには、動物関連施設や自治体などの団体が別途本システムを運営する事務局に申請し、審査を受けた上で登録することなどを要件とすることが考えられる。
【0053】
前記の要件を満たせば、その後、権限保有者の通信端末1の画面上に表示された所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報を、必要に応じて権限保有者のアカウントに紐づけた状態でデータ格納部6に保存することができることになる。
【0054】
これにより、権限保有者、例えば動物関連施設や自治体などの関係者は、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(15桁の数字)を各サービスのIDとして活用し、前記データ格納部6に保存された情報に基づいてアプリケーション内で会員証を発行することができ、所有者は発行された会員証を利用することで動物関連施設や自治体などを利用する際に求められる各種手続を省略することが可能となるのである。
【0055】
もっとも、権限保有者が取得保存できる情報は、前記所定動物を所有する所有者が許可した範囲の情報だけに限定され、権限保有者のアカウントに紐づけられた状態でデータ格納部6に保存される。すなわち、所有者は権限保有者、例えば動物関連施設や自治体などの関係者に対し、所有者自身が許諾した範囲の情報のみを提供し、その許諾範囲は所有者自身がアプリケーション上あるいはウェブサイト上で自由に設定することができるものである。
【0056】
ここで、前記確認手段は、ウェブ用制御処理装置4内あるいはアプリ用制御処理装置5内の制御部9a(又は9b)において処理される手段である。つまり、図2に基づき説明すると、読取り端末15によって読み取られた情報は受信部7a(又は7b)で受信され、前記制御部9a(又は9b)内において、データ格納部6に保存された所定動物ごとの動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報と前記受信した情報とが一致するか否かが確認手段により確認される。
【0057】
そして、前記確認手段によって確認した結果、一致すると判断された場合は、所定動物の動物生体情報を含む情報が送信部8a(又は8b)によって顧客(上述では、所有者あるいは権限保有者)の通信端末1に通信回線2を介して送信され、表示部10a(又は10b)に表示された情報が当該通信端末1の画面上に表示される。なお、不一致と判断された場合であっても、前述のとおり、所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有している者(権限保有者)は、所定動物の所有者の許諾範囲の情報が送信部8a(又は8b)によって権限保有者の通信端末1に通信回線2を介して送信され、その通信端末1の画面上に表示されることとなる。
【0058】
ここで、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(記録情報)をマイクロチップリーダーなどの読取り端末15を活用して、本発明に認証させ、登録する登録時の方法につき図3のフローチャートを用いて簡単に説明する。
【0059】
まず、専用のアプリケーションを起動するとログイン画面が表示される。
ここで、本発明を初めて利用する顧客は、顧客自身の情報を予め登録してアカウントを作成しておく必要がある。顧客自身の情報とは、顧客に例えば個人あるいは法人などの分類を選択させ、顧客が選択した分類に応じて登録事項が要求される。例えば、顧客が個人の場合は、顧客自身の名前、メールアドレス、郵便番号、電話番号、ログイン時のパスワードやクレジットカード情報などの入力が要求され、顧客が法人の場合は、前述の登録事項に加えて、例えばサポーター区分(例えば、販売業者、医療機関、自治体など)、施設名・法人名、法人の住所・電話番号、代表者名、担当者名、動物取扱業表示事項や免許証・登録証などの情報が登録事項として要求される。
【0060】
そして、ログイン画面が表示された後、予め設定登録したメールアドレスおよびパスワードを入力してログインする。そうすると、アカウント(動物の所有者である顧客)に紐づけられた所定動物の動物基本情報が保存されているか確認される(ステップS101)。
【0061】
なお、動物基本情報とは、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップID(例えばマイクロチップID)、動物種、性別、生年月日、動物生体情報引き出し用チップ(例えばマイクロチップ)の埋込日、所有日、動物の名前などであることは既に説明したとおりである。
【0062】
所定動物の動物基本情報が保存されていない場合(ステップS101のNO)、動物基本情報の入力画面が表示される(ステップS102)。そして、動物基本情報の入力画面で入力した後、必要書類の添付を求める画像が表示される(ステップS103)。この画面では、例えば動物生体情報引き出し用チップ13の登録証の写真などが求められる。
【0063】
前記登録証など必要書類の画像を添付した後、動物生体情報引き出し用チップ13の読取り画面が表示される(ステップS104)。この画面では、例えば「読取り端末15を所定動物に近づけて、動物生体情報引き出し用チップ番号を読み取って生体認証を行ってください」と表示され、この表示に従って、顧客である所有者は読取り端末15を所定動物にかざす。そうすると、前記読取り端末15が動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(記録情報)を読み取り、該読み取った記録情報は無線通信機能を介して通信端末1に送信され、送信された記録情報は通信端末1内のアプリケーションを介して動物基本情報コンピュータ14及び/または動物生体情報蓄積コンピュータ3などへ送信される。
【0064】
その後、ステップS102において入力した動物生体情報引き出し用チップID(例えばマイクロチップID)と、前記読取り端末15を利用して読み取った動物生体情報引き出し用チップ13の記録情報とが一致するか否かを、前述した確認手段によって確認される(ステップS105)。
【0065】
前記確認手段によって一致すると判断された場合(ステップS105のYES)、生体認証が完了し動物基本情報の登録申請が終了する。
【0066】
一方で、前記確認手段によって一致しないと判断された場合(ステップS105のNO)、改めて動物基本情報の入力画面が表示され(ステップS102)、入力情報に誤りがないかの確認が要求される。
【0067】
なお、所定動物の動物基本情報が既に動物生体情報蓄積コンピュータ3に保存されている場合(ステップS101のYES)、動物生体情報引き出し用チップ13の読取り画面が表示される(ステップS104)。そして、上記同様、所定動物に読取り端末15をかざして動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取ることで、無線通信機能を介して読取り画面上に入力された状態で表示される。次いで、確認手段によって一致すると判断された場合(ステップS105のYES)、生体認証が完了し動物基本情報の登録申請が終了する。
【0068】
このように、読取り端末15を活用して動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取り、本発明の動物管理システムに生体認証を登録しておくことで、その所定動物の存在を確認でき、より信頼性の高い情報であることが証明できる。ひいては、動物生体情報引き出し用チップ13の未装着や、あるいは所有者のもとに所定動物が居ないにもかかわらず架空情報が登録されるなどの今後懸念されている課題についても解消することに繋がるのである。
【0069】
続いて、本発明に動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(記録情報)が登録された後の読取り端末15による生体認証の活用方法ついて、図4のフローチャート基づき簡単に説明する。なお、図4のフローチャートは例示に過ぎず、このフローチャートに限定されるものではない。
【0070】
まず、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取る前段階として、前述した専用のアプリケーションを起動し、メールアドレスおよびパスワードを入力して顧客自身のアカウントにログインした後、顧客自身の通信端末1と読取り端末15とを無線通信機能により接続させた状態にしておく。
【0071】
その状態にした上で、前記読取り端末15を所定動物にかざすと、前記読取り端末15が動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(記録情報)を読み取る(ステップS201)。
【0072】
そうすると、前記読み取った記録情報は無線通信機能を介して顧客自身の通信端末1の画面に表示される。この表示された記録情報、ここでは15桁の数字が、予め動物生体情報蓄積コンピュータ3に保存されている前記所定動物ごとの動物生体情報引き出し用チップ13の情報(15桁の数字)と一致するか否かが確認手段によって確認される(ステップS202)。
【0073】
前記確認手段による確認の結果、該当アカウントが所有する動物の動物生体情報引き出し用チップ13の情報と一致すると判断された場合(ステップS202のYES)、所有者情報、所定動物の動物基本情報や動物生体情報が動物生体情報蓄積コンピュータ3のデータ格納部6から引き出され、顧客の通信端末1に表示される(ステップS203)。
【0074】
一方で、確認手段によって確認された結果、不一致と判断された場合(ステップS202のNO)、所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有している者(権限保有者)に該当するか否かが確認される(ステップS204)。ここでは、前述したとおり、権限保有者として申請し、審査を受けた上で登録された団体であるかを確認する。
【0075】
そして、権限保有者であると確認された場合(ステップS204のYES)、次に前記所定動物の所有者がその権限保有者に対し、所有者が管理する所有者情報及び動物生体情報を含む情報を提供することに同意するか否かを確認する画面(同意確認画面)が、所有者の通信端末1に表示される(ステップS205)。なお、所有者は、同意確認画面の設定を例えば「常に同意」あるいは「常に拒否」などと設定することで、同意確認画面を省略することもできる。
【0076】
次いで、前記所有者が情報の提供に同意すると(ステップS205のYES)、権限保有者は所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得することができることとなる(ステップS206)。もっとも、既に説明したとおり、権限保有者が取得保存できる情報は、前記所定動物を所有する所有者が許可した範囲の情報だけに限定される。なお、所有者は提供する情報の範囲を所有者自身で決定し、設定することができる。
【0077】
一方で、権限保有者に該当しないと判断された場合(ステップS204のNO)、その読取り端末15で読み取った顧客の通信端末1の画面には、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報、ここでは15桁の数字が表示されるだけである(ステップS207)。なお、前記同意確認画面で、所定動物の所有者が権限保有者に対し情報の提供を拒否した場合(ステップS205のNO)も、権限保有者の通信端末1の画面上には、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報だけが表示される(ステップS207)。
【0078】
そして、この動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報だけが表示された画面には、その動物生体情報引き出し用チップ13を読み取った所定動物が迷子動物か否かを確認する表示(迷子動物確認表示)が併せて表示される(ステップS208)。
【0079】
この迷子動物確認表示でその所定動物が迷子である場合(ステップS208のYES)、すなわち、その所定動物を保護した顧客が、顧客の通信端末1の画面に表示された迷子動物確認表示をタップすると、その読み取った動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報が事務局に通報されるのである(ステップS209)。
【0080】
ここで、この迷子動物確認表示は、読み取った動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報、ここでは15桁の数字を事務局に通報することで、迷子動物を所有者のもとに返すことができる機能である。本発明は、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報など動物基本情報を含む全ての情報が、所定動物の所有者情報に紐づけされた状態で、動物生体情報蓄積コンピュータ3のデータ格納部6に格納されていることは既に説明したとおりである。そのため、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報が判明すれば、迷子動物の所有者を簡単に探し出し、事務局からスムーズに迷子動物の所有者に連絡することが可能となるのである。
【0081】
なお、迷子動物を保護した際、その保護動物(例えば、保護犬や保護猫)の所有者を探す方法は、前記迷子動物確認表示による場合の他に、アプリケーション内に設けられた保護動物検索サービスを利用して検索することもできる。この場合においても、読取り端末15によって前記動物生体情報引き出し用チップ13(例えばマイクロチップID)を読み取り、生体認証を活用することで簡単に検索することができるよう構成されている。
【0082】
検索の結果、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報が登録されている場合は、前記迷子動物確認表示の場合と同様にその読み取った動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報が事務局に通報される。そうすると、事務局から動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報に紐づけられた所有者情報により所有者を特定し、その所有者に事務局から連絡することで、保護動物を所有者のもとに返すことがスムーズに行えるのである。
【0083】
このように、事務局から所有者に連絡するため、他者や保護した者には所有者の個人情報が一切公開されず、プライバシー保護の観点で安全安心に利用することができるのである。
【0084】
ところで、その所定動物が迷子動物ではない場合(ステップS208のNO)は、例えば一定時間を過ぎるとログイン画面に戻るように構成されている(ステップS210)。
【0085】
以上のように、登録された後、読取り端末15による生体認証を活用することにより、その所定動物の存在を確認するとともに、権限保有者、例えば動物関連施設や自治体などの関係者は、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報をIDとして活用し、会員証を発行することもできる。これにより、前記所定動物の所有者は発行された会員証を利用することで動物関連施設や自治体などを利用する際に求められる各種手続を省略することにつながる。
【0086】
次に、本発明を用いて、読取り端末15による生体認証を活用した実施例を説明する。なお、下記に示す第一実施例および第二実施例の活用に限定されるものではなく、利用される状況に応じて適宜判断されるものである。
【0087】
第一実施例として、ドッグラン施設の利用における本発明の活用につき説明する。まず、顧客は上記認証方法により所定動物の生体認証を事前に登録しておく。またドッグラン施設の運営者側も運営者自身の情報を予め本発明の動物管理システムに登録し、本システムを利用できる環境にしておく必要がある。
【0088】
そして、ドッグラン施設を利用しようとする顧客がその施設を初めて利用する場合、上記図4のフローチャート基づき説明したとおり、ドッグラン施設の運営者(関係者)は、本発明の動物管理システムを起動した上で、顧客が所有する所定動物に動物生体情報引き出し用チップ13が装着された付近に読取り端末15をかざして、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取る。
【0089】
そうすると、前記読取り端末15が所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取り、当該読み取った情報は、運営者(関係者)側の通信端末1上に表示される。
【0090】
ここで、ドッグラン施設の運営者(関係者)は、所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有している者に該当するため、前記顧客がドッグラン施設の運営者(関係者)に対し、許諾した範囲の情報を提供することに同意すると、ドッグラン施設の運営者(関係者)は必要事項情報を取得することができる。
【0091】
これにより、その施設の規定に従って、利用するにあたり必要事項情報(例えばワクチン接種証明書や病気の有無など)が動物生体情報引き出し用チップ13に紐づけた状態で運営者側が取得でき、この取得した情報を基に会員証を発行することができる。
【0092】
2回目以降の利用は、この会員証を活用することにより、再度の必要事項情報の登録などの各種手続を省略することが可能となり、施設をスムーズに利用することにつながる。
【0093】
これにより、従来は会員証やワクチン接種証明書などを対面で提示し、運営者側が必要事項を一つ一つ確認する必要があったが、本システムを利用することにより容易に受付を済ませることができるのである。また、複数の動物が一度に利用する場合であっても、読取り端末15をかざすだけで受付が完了するため、犬毎のワクチン接種証明書を間違えることがなく、例えば同じ犬種で外見が似ている犬であっても確実に必要事項を確認することが可能となる。さらに、運営者側は本発明の動物管理システム上で当該ドッグラン施設を利用する全ての利用者やその利用者の所有動物を一括で管理することができる。
【0094】
第二実施例として、動物関連イベントにおける本発明の活用につき説明する。
動物関連イベントの企画者は、参加予約時に、当該動物関連イベントに参加を希望する参加希望者に、そのイベントの企画規定に従って、参加するにあたり必要事項情報(例えばワクチン接種証明書、病気の有無、動物種など)を動物生体情報引き出し用チップ13(例えば、マイクロチップID)に紐づけた状態で、予め登録するよう要求する。
【0095】
そして、参加希望者が入力し、登録した必要事項情報に不備がないかを企画者側が確認し、必要事項情報が充足していると企画者側が判断した場合は、参加希望者にその動物関連イベントの参加券を発券する。
その後、動物関連イベントの受付入口において、その参加券と共に、企画者側がイベント参加動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13付近に読取り端末15をかざし、該動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報、すなわち動物生体情報引き出し用チップIDを読み取り、確認する。
【0096】
この確認についても、企画者側は予め必要事項情報の登録内容に不備がないことを確認しているため、動物生体情報引き出し用チップIDの照合だけを確認すればよく、この照合確認も、読取り端末15を参加動物にかざすだけで本システムの確認手段が事前に登録された動物生体情報引き出し用チップIDと照合するため、運営者側が必要事項を一つ一つ確認する必要はないのである。
【0097】
本システムの確認手段は、前記読取り端末15によって読み取った情報と、参加希望者が企画者側に事前に入力し登録した動物生体情報引き出し用チップIDとが一致するか否かを、確認する。そして、一致する判断された場合は動物関連イベントの参加が可能となる。なお、不一致の場合は、例えばブザーを鳴らしたり、色などの視覚で知らせたりすることもできる。
【0098】
これにより、企画者側は参加希望者の参加券を確認した後、参加動物の確認については、前記読取り端末15で読み取るだけで、事前に登録された参加動物か否かを確認することができ、従来よりもスピーディーに受付を完了することできる。また、従来のようにイベント参加動物の必要事項情報を一つ一つ確認する必要がなく、また受付時の間違いを極力減らすことにもつながる。
【0099】
その結果、大型イベントなどで沢山のイベント参加動物について受付をしなければならない場合であっても、大幅な受付時間の短縮となり、また受付時の人為的な間違いを最小限に抑えることができる。そして、イベント参加に必要なワクチン接種なども一貫して管理することができるため、参加希望者も安全でかつ安心して参加することができるのである。
【0100】
上記のように、読取り端末15による生体認証を活用した実施例を説明したが、本発明は他にも例えばペット保険の加入時や、動物病院での保険による治療時にも本発明の生体認証を活用することが考えられ、また、本発明のアプリケーションを介して決済サービスなどの利用に際しても活用が考えられている。
【符号の説明】
【0101】
1 通信端末
2 通信回線
3 動物生体情報蓄積コンピュータ
4 ウェブ用制御処理装置
5 アプリ用制御処理装置
6 データ格納部
7a、7b 受信部
8a、8b 送信部
9a、9b 制御部
10a、10b 入力部
11a、11b 表示部
12a、12b チェック部
13 動物生体情報引き出し用チップ
14 動物基本情報コンピュータ
15 読取り端末
16 データ管理システム部
17 不正防止用サーバー群
18 不正防止用サーバー

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定動物に装着されて、該所定動物の動物基本情報であるデータが格納された動物生体情報引き出し用チップと、
動物生体情報引き出し用チップが装着された所定動物の動物基本情報及び動物生体情報が登録され、登録された情報が更新され、保存される動物生体情報蓄積コンピュータと、
前記動物基本情報を保存すると共に、前記動物生体情報蓄積コンピュータから保存された所定動物の動物生体情報を受け取り、保存する動物基本情報コンピュータと、
前記所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ内のデータを読み取る読取り端末と、
前記読み取り端末で読み取られたデータがダイレクトに送信される通信端末と、を有し、
前記動物生体情報蓄積コンピュータは、前記所定動物の動物基本情報及び動物生体情報と所有者とを紐づけされた状態で格納するデータ格納部と、入力した動物生体情報の入力内容に間違いがないかをチェックするチェック部と、を有し、
前記通信端末は、搭載された専用アプリケーションが起動し、所有者のアカウントでログインしているときに前記読取り端末を所定動物にかざすと、前記読取り端末で読み取ったデータが通信端末にダイレクトに送信され、通信端末を介して動物基本情報コンピュータ及び/または動物生体情報蓄積コンピュータに送信され、
前記チェック部は、送信されたデータによって、データ格納部に格納されている所定動物の動物生体情報が新たに追加等されると、動物基本情報コンピュータに格納されている前記所定動物の動物基本情報と前記データ格納部に格納された前記所定動物の追加された動物生体情報とを照合し、適否をチェックし、前記動物基本情報コンピュータに格納されている前記所定動物の動物基本情報が追加され、あるいは所有者情報が更新されると、前記追加された動物基本情報あるいは更新された所有者情報と、前記データ格納部に格納された前記所定動物の動物生体情報とを照合し、適否をチェックして、動物生体情報引き出し用チップが装着された所定動物と動物基本情報コンピュータに保存された所定動物の動物生体情報とが一致するか否かが確認されてなり、
前記動物基本情報は、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップのID番号、動物種、性別、生年月日、動物生体情報引き出し用チップの埋込日、所有者情報、所有日、動物の名前であり、前記動物生体情報は、狂犬病注射、ワクチン注射、血液検査、遺伝子検査、その他検査、手術、処方箋、入院、退院、出産、誕生、鑑札、保険、フード・サプリ、マイクロチップ装着、所有者登録、所有者変更、各種証明書、病歴、死亡などのペット・動物の生体に重要な出来事や情報の記録である、
ことを特徴とする動物管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばマイクロチップリーダーなどの読取り端末を活用した動物管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫などの愛玩動物にはマイクロチップの装着が義務付けられている。愛玩動物に装着されるマイクロチップは、例えば15桁の数字(ISO規格の個体識別番号)などの情報が記録されており、この個体識別番号に基づいて環境大臣が指定した指定登録機関のデータベースに所有者情報を登録することとなっている。
【0003】
そのため、マイクロチップが装着された犬や猫などの愛玩動物をブリーダーやペットショップ等から購入した場合や動物保護団体等から譲り受けた場合に、装着されたマイクロチップに基づいて指定登録機関のデータベースを購入者あるいは譲受人の新たな所有者の登録情報に変更する手続きが必要となる。
【0004】
ところで、愛玩動物に装着されたマイクロチップを読み取るためには、専用のマイクロチップリーダーが必要となる。すなわち、専用のマイクロチップリーダーがなければマイクロチップに記録された情報(個体識別番号)を読み取ることができない。マイクロチップは、それ自体がごく小さな細いカプセル状をしているため、愛玩動物を一見しただけではマイクロチップの装着の有無が判断できず、この場合もマイクロチップリーダーで読み取って初めて装着の有無が判断できるのである。
【0005】
そのため、引き渡しにおいて、マイクロチップリーダーによる個体識別番号の確認がなされなければ、ブリーダーやペットショップ等で販売される犬や猫などの愛玩動物にマイクロチップの装着が義務付けられているにもかかわらず、マイクロチップが装着されないまま販売されてしまったり、所有者のもとに所定の愛玩動物が居ないにもかかわらず、マイクロチップ登録証が偽造されて指定登録機関のデータベースに架空の登録されてしまうなどの問題が懸念されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-224640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かくして、本発明は、上記の課題に対処すべく創案されたものであって、所定動物ごとに装着されるマイクロチップに記録された情報をオンライン上で適切に管理すると共に、前記所定動物に装着されたマイクロチップに記録された情報を読取り端末で読み取り、該読み取った情報と前記オンライン上で管理された情報とを照合することで前記所定動物が所有者のもとで所有されていることを証明でき、また、前記読取り端末の活用により錯誤あるいは故意により間違った情報の入力操作をすることがなく、もって照合作業の正確性を確実に担保でき、さらには、前記読取り端末で読み取るだけで事前に登録された所定動物と同一か否かを即座に確認することができ、もって動物関連施設、イベント業者、自治体などでマイクロチップに記録された情報(個体識別番号)に紐づいた情報に関する業務に取られる時間を短縮し、作業効率が向上し、様々な動物関連サービスに用いることができる動物管理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
所定動物に装着されて、該所定動物の動物基本情報であるデータが格納された動物生体情報引き出し用チップと、
動物生体情報引き出し用チップが装着された所定動物の動物基本情報及び動物生体情報が登録され、登録された情報が更新され、保存される動物生体情報蓄積コンピュータと、
前記動物基本情報を保存すると共に、前記動物生体情報蓄積コンピュータから保存された所定動物の動物生体情報を受け取り、保存する動物基本情報コンピュータと、
前記所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ内のデータを読み取る読取り端末と、
前記読み取り端末で読み取られたデータがダイレクトに送信される通信端末と、を有し、
前記動物生体情報蓄積コンピュータは、前記所定動物の動物基本情報及び動物生体情報と所有者とを紐づけされた状態で格納するデータ格納部と、入力した動物生体情報の入力内容に間違いがないかをチェックするチェック部と、を有し、
前記通信端末は、搭載された専用アプリケーションが起動し、所有者のアカウントでログインしているときに前記読取り端末を所定動物にかざすと、前記読取り端末で読み取ったデータが通信端末にダイレクトに送信され、通信端末を介して動物基本情報コンピュータ及び/または動物生体情報蓄積コンピュータに送信され、
前記チェック部は、送信されたデータによって、データ格納部に格納されている所定動物の動物生体情報が新たに追加等されると、動物基本情報コンピュータに格納されている前記所定動物の動物基本情報と前記データ格納部に格納された前記所定動物の追加された動物生体情報とを照合し、適否をチェックし、前記動物基本情報コンピュータに格納されている前記所定動物の動物基本情報が追加され、あるいは所有者情報が更新されると、前記追加された動物基本情報あるいは更新された所有者情報と、前記データ格納部に格納された前記所定動物の動物生体情報とを照合し、適否をチェックして、動物生体情報引き出し用チップが装着された所定動物と動物基本情報コンピュータに保存された所定動物の動物生体情報とが一致するか否かが確認されてなり、
前記動物基本情報は、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップのID番号、動物種、性別、生年月日、動物生体情報引き出し用チップの埋込日、所有者情報、所有日、動物の名前であり、前記動物生体情報は、狂犬病注射、ワクチン注射、血液検査、遺伝子検査、その他検査、手術、処方箋、入院、退院、出産、誕生、鑑札、保険、フード・サプリ、マイクロチップ装着、所有者登録、所有者変更、各種証明書、病歴、死亡などのペット・動物の生体に重要な出来事や情報の記録である、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明による動物管理システムは、所定動物ごとに装着されるマイクロチップに記録された情報をオンライン上で適切に管理すると共に、前記所定動物に装着されたマイクロチップに記録された情報を読取り端末で読み取り、該読み取った情報と前記オンライン上で管理された情報とを照合することで前記所定動物が所有者のもとで所有されていることを証明でき、また、前記読取り端末の活用により錯誤あるいは故意により間違った情報の入力操作をすることがなく、もって照合作業の正確性を確実に担保でき、さらには、前記読取り端末で読み取るだけで事前に登録された所定動物と同一か否かを即座に確認することができ、もって動物関連施設、イベント業者、自治体などでマイクロチップに記録された情報(個体識別番号)に紐づいた情報に関する業務に取られる時間を短縮し、作業効率が向上し、様々な動物関連サービスに用いることができるとの優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の概略構成を説明する説明図である。
図2】動物生体情報蓄積コンピュータの構成を説明する説明図である。
図3】本発明の認証方法の内容を示すフローチャート(1)である。
図4】本発明の認証方法の内容を示すフローチャート(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の構成を図面に基づいて説明する。
まず、図1は本発明の基本的な構成を示した図である。符号1は、顧客の通信端末を示しており、該通信端末1を利用して所定動物の動物生体情報はインターネットなどの通信回線2を介して動物生体情報蓄積コンピュータ3に登録される。なお、前記通信端末1は、例えばPC、タブレットあるいは携帯電話などの通信機能を備えた端末である。また、顧客とは、本システムの利用者のことであり、動物の飼い主や動物関連施設、自治体などである。
【0012】
ここで、動物の動物生体情報(ライフログ情報)とは、例えば狂犬病注射、ワクチン注射、血液検査、遺伝子検査、その他検査、手術、処方箋、入院、退院、出産、誕生、鑑札、保険、フード・サプリ、マイクロチップ装着、所有者登録、所有者変更、各種証明書、病歴、死亡などのペット・動物の生体に重要な出来事や情報の記録をいう。
【0013】
そして、前記したように通信端末1が通信回線2を介して動物生体情報蓄積コンピュータ3にアクセスし、前記動物生体情報蓄積コンピュータ3に所定動物の動物生体情報が登録される。
【0014】
ここで、前記動物生体情報蓄積コンピュータ3は、ウェブ用制御処理部4、アプリ用制御処理部5及びデータ格納部6を有して構成されている(図1参照)。前記ウェブ用制御処理部4あるいはアプリ用制御処理部5は、動物生体情報引き出し用チップ13が装着された所定動物の動物生体情報を登録すると共に、更新制御する制御処理部である。
【0015】
図1において符号14は、動物生体情報引き出し用チップ13と紐付けられた所有者情報や動物情報など動物基本情報が登録され、格納されている動物基本情報コンピュータである。前記動物基本情報コンピュータ14は、通信回線2を介して、例えば所有者情報や動物情報など動物基本情報を通信端末1あるいは動物生体情報蓄積コンピュータ3などと送受信出来るよう構成されており、該送受信により前記情報の保存や閲覧など出来るいわゆるデータサーバとして構成される。よって、前記動物生体情報引き出し用チップ13が装着された所定動物の動物基本情報が初期登録されるのみならず、その後、更新する事情が生じた場合には、前記通信回線2を介して更新後の動物基本情報が前記動物基本情報コンピュータ14に反映され、保存、格納される様構成される。
【0016】
ここで、動物基本情報とは、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップのID番号(例えばマイクロチップID番号)、動物種、性別、生年月日、動物生体情報引き出し用チップ(例えばマイクロチップ)の埋込日、所有日、動物の名前などが挙げられる。
【0017】
次に、符号15は読取り端末を示す。前記読取り端末15は、前記所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取る端末として構成される。前記読取り端末15としては、例えばマイクロチップリーダーなどが用いられる。
【0018】
ところで、本発明において、前記読取り端末15が所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取ると、その読み取った情報、例えば15桁の数字(ISO規格の個体識別番号(ID))が無線通信機能(例えばbluetooth(登録商標)など)を通じて顧客の通信端末1に送信できる様構成されている。そして通信端末1に送信された前記データは通信端末1に搭載されているアプリを用いて動物基本情報コンピュータ14及び/または動物生体情報蓄積コンピュータ3に送信されるよう構成されている。
【0019】
従来の読取り端末15では、読取り端末15のディスプレイに読み取った情報が表示されるだけの構成である。従って、この表示された情報については、さらに必要箇所、例えば動物基本情報コンピュータ14あるいは動物生体情報蓄積コンピュータ3などに送信して、チップが装着された動物の照合作業を行う場合には顧客の通信端末1などを使用し、前記データを再度手動で入力しなければならないのである。
【0020】
よって、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報と動物基本情報コンピュータ14、動物生体情報蓄積コンピュータ3に格納されたデータと照合する場合では一つ一つ数字を確かめながら人力で正確に入力する必要がある。
【0021】
すると、動物生体情報引き出し用チップ13が装着された所定動物とは異なる例えば15桁の数字(ISO規格の個体識別番号(ID))を錯誤によりあるいは故意的に入力する事態が生じる恐れがある。
【0022】
しかるに、前述したような手作業による入力作業及び照合作業であると手間と時間が掛かるばかりでなく、錯誤によってあるいは場合によっては故意によって入力ミスをもたらす恐れがあり、チップを装着した動物との正確な照合作業が行えないとの懸念が生じることとなる。
【0023】
そこで、本発明の動物管理システムでは、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読取り端末15が読み取り、該読み取った情報は例えば顧客の通信端末1に無線通信機能を通じてダイレクトに送信され、送信されたデータは通信端末1から送信アプリを介して、動物基本情報コンピュータ14及び/または動物生体情報蓄積コンピュータ3に送られる様構成されている。
【0024】
従って、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13のデータは、そのまま動物生体情報蓄積コンピュータ3に格納されたデータ、ひいては動物基本情報コンピュータ14に格納されたデータと照合することが出来るのである。
すると、錯誤あるいは故意により間違った情報の入力操作をすることがなくなり、照合作業の正確性を確実に担保できるものとなる。
【0025】
次に、図2に基づいて動物生体情報蓄積コンピュータ3内のアプリ用制御処理装置5について説明する。なお、ウェブ用制御処理装置4の構成は、前記アプリ用制御処理装置5の構成と同様の制御処理が行われている。
【0026】
前記アプリ用制御処理装置5は、受信部7b、送信部8b、制御部9b、表示部10b、入力部11bを有して構成されている。すなわち、顧客が専用のアプリケーションからインターネットなどの通信回線2を介してログインした場合は、アプリ用制御処理部5の受信部7bが受信し、制御部9bに制御処理されるのである。
【0027】
そして、顧客の操作は入力部11bを通じて入力され、該顧客の入力が表示部10bに反映され、該表示部10bに表示された情報は送信部8bを介して顧客の通信端末1に送信され、該顧客の通信端末1の画面上に表示されることとなる。
【0028】
さらに、前記制御部9bはチェック部12bを有して構成されている。このチェック部12bは、顧客が所定動物の動物生体情報を入力し、該入力した動物生体情報の入力内容に間違いがないかをチェックする部分である。
【0029】
前記チェック部12bでは、後述するデータ格納部6に格納されている動物基本情報格納チップ13が装着された所定動物の動物生体情報が新たに追加等されると、動物基本情報コンピュータ14に格納されている前記動物生体情報引き出し用チップ13が装着された動物の動物基本情報と前記データ格納部6に格納された前記所定動物の新たに追加された動物生体情報とを照合し、適否をチェックする部分でもある。
【0030】
またチェック部12bは、前記動物基本情報コンピュータ14に格納されている前記所定動物の動物基本情報が追加され、あるいは所有者情報が更新されると、前記追加された動物基本情報あるいは更新された所有者情報と、前記データ格納部6に格納された前記所定動物の動物生体情報とを照合し、適否をチェックするよう構成することもできる。
【0031】
このチェック部12bでの適否のチェックにより、前記動物生体情報引き出し用チップ13が装着された所定動物に関する動物生体情報の適合性を例えば通信回線2を介して審査し、確認することができる。なお、チェック部12bで行われる入力内容のチェック方法は、上記内容に限定されるものではない。
【0032】
ところで、図1及び図2に示されるとおり、動物生体情報蓄積コンピュータ3にはデータ格納部6を有している。
前記データ格納部6には、既に説明した顧客自身の情報や所定動物ごとの動物生体情報(ライフログ情報)などのデータが一括して格納されている。つまり、顧客がウェブ用制御処理部4あるいはアプリ用制御処理部5を通じて、例えば動物のワクチン接種情報などの動物の動物生体情報(ライフログ情報)を追加登録すると、その情報は動物の所有者である顧客に紐づけされた状態で前記データ格納部6に格納されることなる。
【0033】
そして、顧客が例えばメールアドレス及びパスワードを設定し、所定の登録事項を登録することにより作成されたアカウントでアクセスあるいはログインするとデータ格納部6に格納されている動物の動物生体情報(ライフログ情報)が取り出され、閲覧することができるのである。
【0034】
ここで、所定動物の新規登録や動物生体情報の登録については、チェック部12a又は12bを介して登録内容を確認・審査し、入力情報の内容に間違いや問題がなければ承認され、承認された動物生体情報だけが正式に本システムの台帳に登録されることとなる。すなわち、前記チェック部12a又は12bを介して登録内容を確認・審査される情報(データ)は、本システムの不正防止用サーバー群17の複数の不正防止用サーバー18、いわゆる複数の台帳に登録されるのである。
【0035】
この際、前記チェック部12a又は12bにおいて例えば本システムを運営する事務局が有するコンピュータなどを介してデータ格納部6に格納された動物生体情報を審査することになる。そして、審査の結果、問題なしと判断された動物生体情報は、データ管理システム部16を通じて、不正防止用サーバー群17の複数の不正防止用サーバー18それぞれに書き込まれる。この複数の不正防止用サーバー18に書き込まれること、すなわち本システムの台帳に登録されることとなる。
【0036】
したがって、本システムの台帳に登録されている動物生体情報(ライフログ情報)は、前記チェック部12a又は12bによってチェック(審査)され、該チェックの結果、入力内容に問題がないと判断されたライフログ情報(動物生体情報)だけが登録されており、前記チェック部12a又は12bが問題ありと判断した情報は本システムの台帳に一切登録されていないこととなる。
【0037】
ここで、前記不正防止用サーバー群17には不正防止用サーバー18が複数台設置され、それぞれの不正防止用サーバー18ごとに暗号化された情報(データ)が書き込まれるよう構成されている。つまり、複数の不正防止用サーバー18は、常に同じ暗号化された情報(データ)が格納された状態となっている。
【0038】
例えば、図1及び図2では3台の不正防止用サーバー18が設置されているが、すべての不正防止用サーバー18には全く同じ暗号化された情報(データ)が格納されている。なお、本実施例においては不正防止用サーバー18が3台設置されているが、3台に限定されるものではなく、状況に応じて設置台数は増減してもよい。また、場合によっては前記情報(データ)が暗号化されていない状態で不正防止用サーバー18に格納されることとしてもよい。
【0039】
本システムの特徴の一つとして、本システムの台帳に登録された動物生体情報、すなわち不正防止用サーバー18に書き込まれた動物生体情報は登録だけすることができ、更新などの上書き登録や削除をすることはできないようプログラムされている。
【0040】
また本システムは、データ格納部6に格納された内容と不正防止用サーバー群17の不正防止用サーバー18のいずれかに書き込まれた内容とが一致するか否かを照らし合わせて、データ格納部6内の情報が不正アクセス又は改ざん等されていないかをチェックする機能を有している。さらに、不正防止用サーバー群17はインターネットなどの通信回線2に直接接続されていないため、外部からの進入を防ぎ、セキュリティ上の安全性が非常に高く、不正防止用サーバー群17内に登録保存されている情報の漏洩を防止することにつながっている。さらには、前記不正防止用サーバー群17の不正防止用サーバー18に格納される情報(データ)は、暗号化されており、万が一、前記不正防止用サーバー18に格納された情報(データ)を第三者が入手したとしても、暗号化された該情報(データ)を解読することはできないようになっている。
【0041】
ところで、本発明は前記読取り端末15が読み取った前記動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報によって、動物生体情報蓄積コンピュータ14に保存された所定動物の動物生体情報が引き出せるか否かを確認するための確認手段を有している。
【0042】
すなわち、例えば前述のように通信端末1に搭載された専用アプリケーションを起動し、ログインした状態で、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13を読取り端末15で読み取ると、予め動物生体情報蓄積コンピュータ3に保存されている前記所定動物ごとの動物生体情報引き出し用チップ13の情報、ここでは15桁の数字と、前記読取り端末15によって読み取られた情報とが一致するか否かが前記確認手段によって確認される。確認の結果、一致すると判断された場合は、所有者情報、所定動物の動物基本情報や動物生体情報が引き出され、顧客の通信端末1に表示されることとなる。
【0043】
この確認手段による確認システムを利用すると、前記所定動物の所有者であれば、該所有者が現に所有する通信端末1に、所定動物の動物生体情報を含む全ての情報を所有者自ら選択して閲覧できる画面が表示され、その画面の中で所有者が必要とする情報を選択して表示することが可能となる。
【0044】
しかしながら、例えば所定動物の所有者ではない他者が、通信端末1に搭載された専用アプリケーションを起動し、ログインした状態で、読取り端末15を利用して前記所定動物の動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報読み取ったとしても、該通信端末1には動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(15桁の数字)のみが表示されるだけで、所定動物の動物生体情報を含む全ての情報を選択できる画面に進むことはできないのである。
【0045】
これは、前述したとおり、所定動物の動物生体情報を含む全ての情報が、前記所定動物の所有者に紐づけされた状態で、動物生体情報蓄積コンピュータ3のデータ格納部6に格納されており、通信端末1で読取り端末15を利用して前記自己の所有ではない所定動物の動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取ったとしても、その情報と動物生体情報蓄積コンピュータ3のデータ格納部6に格納された情報とは紐づけされた状態ではないとして情報引き出し出来ないからである。
【0046】
すなわち、例えば所有者のアカウント(設定登録したメールアドレス及びパスワード)でログインするときに前記データ格納部6に格納された所定動物の動物生体情報を含む全ての情報を取り出すことができるよう構成したのである。
【0047】
その一方で、所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有する者(例えば、動物関連施設や自治体などの関係者)は、権限保有者のアカウントで専用アプリケーションにログインした状態で、読取り端末15によって所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13を読み取る構成とすることも出来る。
【0048】
この場合、権限保有者の通信端末1の画面上には、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(15桁の数字)が表示され、この表示された情報(15桁の数字)を例えば画面上でタップすると次の画面、すなわち前記15桁の数字に紐づけられた所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報が表示された画面が表示される。
【0049】
これは、読取り端末15が無線通信機能によって、顧客の通信端末1に接続されることは既に説明した通りであるが、前記読取り端末15が接続されている通信端末1によって、所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報が取得できるか否かが異なるからである。
【0050】
すなわち、前記所定動物の所有者でなく、かつ権限保有者でもない他者が、自身のアカウント(他者が設定登録したメールアドレス及びパスワード)で専用アプリケーションにログインした状態で、該ログインされた通信端末1に前記読取り端末15を接続し、接続した読取り端末15によって動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(15桁の数字)を読み取ったとしても、所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報を取得することはできないからである。この場合、他者の通信端末1には、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(15桁の数字)だけが表示され、この表示から次の所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報が表示された画面には進まないのである。
【0051】
つまり、前記所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報を取得するためには、所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有していることが重要なのである。
【0052】
しかるに、この所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有するためには、動物関連施設や自治体などの団体が別途本システムを運営する事務局に申請し、審査を受けた上で登録することなどを要件とすることが考えられる。
【0053】
前記の要件を満たせば、その後、権限保有者の通信端末1の画面上に表示された所有者情報や前記所定動物の動物生体情報を含む情報を、必要に応じて権限保有者のアカウントに紐づけた状態でデータ格納部6に保存することができることになる。
【0054】
これにより、権限保有者、例えば動物関連施設や自治体などの関係者は、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(15桁の数字)を各サービスのIDとして活用し、前記データ格納部6に保存された情報に基づいてアプリケーション内で会員証を発行することができ、所有者は発行された会員証を利用することで動物関連施設や自治体などを利用する際に求められる各種手続を省略することが可能となるのである。
【0055】
もっとも、権限保有者が取得保存できる情報は、前記所定動物を所有する所有者が許可した範囲の情報だけに限定され、権限保有者のアカウントに紐づけられた状態でデータ格納部6に保存される。すなわち、所有者は権限保有者、例えば動物関連施設や自治体などの関係者に対し、所有者自身が許諾した範囲の情報のみを提供し、その許諾範囲は所有者自身がアプリケーション上あるいはウェブサイト上で自由に設定することができるものである。
【0056】
ここで、前記確認手段は、ウェブ用制御処理装置4内あるいはアプリ用制御処理装置5内の制御部9a(又は9b)において処理される手段である。つまり、図2に基づき説明すると、読取り端末15によって読み取られた情報は受信部7a(又は7b)で受信され、前記制御部9a(又は9b)内において、データ格納部6に保存された所定動物ごとの動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報と前記受信した情報とが一致するか否かが確認手段により確認される。
【0057】
そして、前記確認手段によって確認した結果、一致すると判断された場合は、所定動物の動物生体情報を含む情報が送信部8a(又は8b)によって顧客(上述では、所有者あるいは権限保有者)の通信端末1に通信回線2を介して送信され、表示部10a(又は10b)に表示された情報が当該通信端末1の画面上に表示される。なお、不一致と判断された場合であっても、前述のとおり、所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有している者(権限保有者)は、所定動物の所有者の許諾範囲の情報が送信部8a(又は8b)によって権限保有者の通信端末1に通信回線2を介して送信され、その通信端末1の画面上に表示されることとなる。
【0058】
ここで、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(記録情報)をマイクロチップリーダーなどの読取り端末15を活用して、本発明に認証させ、登録する登録時の方法につき図3のフローチャートを用いて簡単に説明する。
【0059】
まず、専用のアプリケーションを起動するとログイン画面が表示される。
ここで、本発明を初めて利用する顧客は、顧客自身の情報を予め登録してアカウントを作成しておく必要がある。顧客自身の情報とは、顧客に例えば個人あるいは法人などの分類を選択させ、顧客が選択した分類に応じて登録事項が要求される。例えば、顧客が個人の場合は、顧客自身の名前、メールアドレス、郵便番号、電話番号、ログイン時のパスワードやクレジットカード情報などの入力が要求され、顧客が法人の場合は、前述の登録事項に加えて、例えばサポーター区分(例えば、販売業者、医療機関、自治体など)、施設名・法人名、法人の住所・電話番号、代表者名、担当者名、動物取扱業表示事項や免許証・登録証などの情報が登録事項として要求される。
【0060】
そして、ログイン画面が表示された後、予め設定登録したメールアドレスおよびパスワードを入力してログインする。そうすると、アカウント(動物の所有者である顧客)に紐づけられた所定動物の動物基本情報が保存されているか確認される(ステップS101)。
【0061】
なお、動物基本情報とは、所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップID(例えばマイクロチップID)、動物種、性別、生年月日、動物生体情報引き出し用チップ(例えばマイクロチップ)の埋込日、所有日、動物の名前などであることは既に説明したとおりである。
【0062】
所定動物の動物基本情報が保存されていない場合(ステップS101のNO)、動物基本情報の入力画面が表示される(ステップS102)。そして、動物基本情報の入力画面で入力した後、必要書類の添付を求める画像が表示される(ステップS103)。この画面では、例えば動物生体情報引き出し用チップ13の登録証の写真などが求められる。
【0063】
前記登録証など必要書類の画像を添付した後、動物生体情報引き出し用チップ13の読取り画面が表示される(ステップS104)。この画面では、例えば「読取り端末15を所定動物に近づけて、動物生体情報引き出し用チップ番号を読み取って生体認証を行ってください」と表示され、この表示に従って、顧客である所有者は読取り端末15を所定動物にかざす。そうすると、前記読取り端末15が動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(記録情報)を読み取り、該読み取った記録情報は無線通信機能を介して通信端末1に送信され、送信された記録情報は通信端末1内のアプリケーションを介して動物基本情報コンピュータ14及び/または動物生体情報蓄積コンピュータ3などへ送信される。
【0064】
その後、ステップS102において入力した動物生体情報引き出し用チップID(例えばマイクロチップID)と、前記読取り端末15を利用して読み取った動物生体情報引き出し用チップ13の記録情報とが一致するか否かを、前述した確認手段によって確認される(ステップS105)。
【0065】
前記確認手段によって一致すると判断された場合(ステップS105のYES)、生体認証が完了し動物基本情報の登録申請が終了する。
【0066】
一方で、前記確認手段によって一致しないと判断された場合(ステップS105のNO)、改めて動物基本情報の入力画面が表示され(ステップS102)、入力情報に誤りがないかの確認が要求される。
【0067】
なお、所定動物の動物基本情報が既に動物生体情報蓄積コンピュータ3に保存されている場合(ステップS101のYES)、動物生体情報引き出し用チップ13の読取り画面が表示される(ステップS104)。そして、上記同様、所定動物に読取り端末15をかざして動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取ることで、無線通信機能を介して読取り画面上に入力された状態で表示される。次いで、確認手段によって一致すると判断された場合(ステップS105のYES)、生体認証が完了し動物基本情報の登録申請が終了する。
【0068】
このように、読取り端末15を活用して動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取り、本発明の動物管理システムに生体認証を登録しておくことで、その所定動物の存在を確認でき、より信頼性の高い情報であることが証明できる。ひいては、動物生体情報引き出し用チップ13の未装着や、あるいは所有者のもとに所定動物が居ないにもかかわらず架空情報が登録されるなどの今後懸念されている課題についても解消することに繋がるのである。
【0069】
続いて、本発明に動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(記録情報)が登録された後の読取り端末15による生体認証の活用方法ついて、図4のフローチャート基づき簡単に説明する。なお、図4のフローチャートは例示に過ぎず、このフローチャートに限定されるものではない。
【0070】
まず、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取る前段階として、前述した専用のアプリケーションを起動し、メールアドレスおよびパスワードを入力して顧客自身のアカウントにログインした後、顧客自身の通信端末1と読取り端末15とを無線通信機能により接続させた状態にしておく。
【0071】
その状態にした上で、前記読取り端末15を所定動物にかざすと、前記読取り端末15が動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報(記録情報)を読み取る(ステップS201)。
【0072】
そうすると、前記読み取った記録情報は無線通信機能を介して顧客自身の通信端末1の画面に表示される。この表示された記録情報、ここでは15桁の数字が、予め動物生体情報蓄積コンピュータ3に保存されている前記所定動物ごとの動物生体情報引き出し用チップ13の情報(15桁の数字)と一致するか否かが確認手段によって確認される(ステップS202)。
【0073】
前記確認手段による確認の結果、該当アカウントが所有する動物の動物生体情報引き出し用チップ13の情報と一致すると判断された場合(ステップS202のYES)、所有者情報、所定動物の動物基本情報や動物生体情報が動物生体情報蓄積コンピュータ3のデータ格納部6から引き出され、顧客の通信端末1に表示される(ステップS203)。
【0074】
一方で、確認手段によって確認された結果、不一致と判断された場合(ステップS202のNO)、所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有している者(権限保有者)に該当するか否かが確認される(ステップS204)。ここでは、前述したとおり、権限保有者として申請し、審査を受けた上で登録された団体であるかを確認する。
【0075】
そして、権限保有者であると確認された場合(ステップS204のYES)、次に前記所定動物の所有者がその権限保有者に対し、所有者が管理する所有者情報及び動物生体情報を含む情報を提供することに同意するか否かを確認する画面(同意確認画面)が、所有者の通信端末1に表示される(ステップS205)。なお、所有者は、同意確認画面の設定を例えば「常に同意」あるいは「常に拒否」などと設定することで、同意確認画面を省略することもできる。
【0076】
次いで、前記所有者が情報の提供に同意すると(ステップS205のYES)、権限保有者は所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得することができることとなる(ステップS206)。もっとも、既に説明したとおり、権限保有者が取得保存できる情報は、前記所定動物を所有する所有者が許可した範囲の情報だけに限定される。なお、所有者は提供する情報の範囲を所有者自身で決定し、設定することができる。
【0077】
一方で、権限保有者に該当しないと判断された場合(ステップS204のNO)、その読取り端末15で読み取った顧客の通信端末1の画面には、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報、ここでは15桁の数字が表示されるだけである(ステップS207)。なお、前記同意確認画面で、所定動物の所有者が権限保有者に対し情報の提供を拒否した場合(ステップS205のNO)も、権限保有者の通信端末1の画面上には、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報だけが表示される(ステップS207)。
【0078】
そして、この動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報だけが表示された画面には、その動物生体情報引き出し用チップ13を読み取った所定動物が迷子動物か否かを確認する表示(迷子動物確認表示)が併せて表示される(ステップS208)。
【0079】
この迷子動物確認表示でその所定動物が迷子である場合(ステップS208のYES)、すなわち、その所定動物を保護した顧客が、顧客の通信端末1の画面に表示された迷子動物確認表示をタップすると、その読み取った動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報が事務局に通報されるのである(ステップS209)。
【0080】
ここで、この迷子動物確認表示は、読み取った動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報、ここでは15桁の数字を事務局に通報することで、迷子動物を所有者のもとに返すことができる機能である。本発明は、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報など動物基本情報を含む全ての情報が、所定動物の所有者情報に紐づけされた状態で、動物生体情報蓄積コンピュータ3のデータ格納部6に格納されていることは既に説明したとおりである。そのため、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報が判明すれば、迷子動物の所有者を簡単に探し出し、事務局からスムーズに迷子動物の所有者に連絡することが可能となるのである。
【0081】
なお、迷子動物を保護した際、その保護動物(例えば、保護犬や保護猫)の所有者を探す方法は、前記迷子動物確認表示による場合の他に、アプリケーション内に設けられた保護動物検索サービスを利用して検索することもできる。この場合においても、読取り端末15によって前記動物生体情報引き出し用チップ13(例えばマイクロチップID)を読み取り、生体認証を活用することで簡単に検索することができるよう構成されている。
【0082】
検索の結果、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報が登録されている場合は、前記迷子動物確認表示の場合と同様にその読み取った動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報が事務局に通報される。そうすると、事務局から動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報に紐づけられた所有者情報により所有者を特定し、その所有者に事務局から連絡することで、保護動物を所有者のもとに返すことがスムーズに行えるのである。
【0083】
このように、事務局から所有者に連絡するため、他者や保護した者には所有者の個人情報が一切公開されず、プライバシー保護の観点で安全安心に利用することができるのである。
【0084】
ところで、その所定動物が迷子動物ではない場合(ステップS208のNO)は、例えば一定時間を過ぎるとログイン画面に戻るように構成されている(ステップS210)。
【0085】
以上のように、登録された後、読取り端末15による生体認証を活用することにより、その所定動物の存在を確認するとともに、権限保有者、例えば動物関連施設や自治体などの関係者は、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報をIDとして活用し、会員証を発行することもできる。これにより、前記所定動物の所有者は発行された会員証を利用することで動物関連施設や自治体などを利用する際に求められる各種手続を省略することにつながる。
【0086】
次に、本発明を用いて、読取り端末15による生体認証を活用した実施例を説明する。なお、下記に示す第一実施例および第二実施例の活用に限定されるものではなく、利用される状況に応じて適宜判断されるものである。
【0087】
第一実施例として、ドッグラン施設の利用における本発明の活用につき説明する。まず、顧客は上記認証方法により所定動物の生体認証を事前に登録しておく。またドッグラン施設の運営者側も運営者自身の情報を予め本発明の動物管理システムに登録し、本システムを利用できる環境にしておく必要がある。
【0088】
そして、ドッグラン施設を利用しようとする顧客がその施設を初めて利用する場合、上記図4のフローチャート基づき説明したとおり、ドッグラン施設の運営者(関係者)は、本発明の動物管理システムを起動した上で、顧客が所有する所定動物に動物生体情報引き出し用チップ13が装着された付近に読取り端末15をかざして、動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取る。
【0089】
そうすると、前記読取り端末15が所定動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報を読み取り、当該読み取った情報は、運営者(関係者)側の通信端末1上に表示される。
【0090】
ここで、ドッグラン施設の運営者(関係者)は、所有者情報及び所定動物の動物生体情報を含む情報を取得する権限を保有している者に該当するため、前記顧客がドッグラン施設の運営者(関係者)に対し、許諾した範囲の情報を提供することに同意すると、ドッグラン施設の運営者(関係者)は必要事項情報を取得することができる。
【0091】
これにより、その施設の規定に従って、利用するにあたり必要事項情報(例えばワクチン接種証明書や病気の有無など)が動物生体情報引き出し用チップ13に紐づけた状態で運営者側が取得でき、この取得した情報を基に会員証を発行することができる。
【0092】
2回目以降の利用は、この会員証を活用することにより、再度の必要事項情報の登録などの各種手続を省略することが可能となり、施設をスムーズに利用することにつながる。
【0093】
これにより、従来は会員証やワクチン接種証明書などを対面で提示し、運営者側が必要事項を一つ一つ確認する必要があったが、本システムを利用することにより容易に受付を済ませることができるのである。また、複数の動物が一度に利用する場合であっても、読取り端末15をかざすだけで受付が完了するため、犬毎のワクチン接種証明書を間違えることがなく、例えば同じ犬種で外見が似ている犬であっても確実に必要事項を確認することが可能となる。さらに、運営者側は本発明の動物管理システム上で当該ドッグラン施設を利用する全ての利用者やその利用者の所有動物を一括で管理することができる。
【0094】
第二実施例として、動物関連イベントにおける本発明の活用につき説明する。
動物関連イベントの企画者は、参加予約時に、当該動物関連イベントに参加を希望する参加希望者に、そのイベントの企画規定に従って、参加するにあたり必要事項情報(例えばワクチン接種証明書、病気の有無、動物種など)を動物生体情報引き出し用チップ13(例えば、マイクロチップID)に紐づけた状態で、予め登録するよう要求する。
【0095】
そして、参加希望者が入力し、登録した必要事項情報に不備がないかを企画者側が確認し、必要事項情報が充足していると企画者側が判断した場合は、参加希望者にその動物関連イベントの参加券を発券する。
その後、動物関連イベントの受付入口において、その参加券と共に、企画者側がイベント参加動物に装着された動物生体情報引き出し用チップ13付近に読取り端末15をかざし、該動物生体情報引き出し用チップ13に記録された情報、すなわち動物生体情報引き出し用チップIDを読み取り、確認する。
【0096】
この確認についても、企画者側は予め必要事項情報の登録内容に不備がないことを確認しているため、動物生体情報引き出し用チップIDの照合だけを確認すればよく、この照合確認も、読取り端末15を参加動物にかざすだけで本システムの確認手段が事前に登録された動物生体情報引き出し用チップIDと照合するため、運営者側が必要事項を一つ一つ確認する必要はないのである。
【0097】
本システムの確認手段は、前記読取り端末15によって読み取った情報と、参加希望者が企画者側に事前に入力し登録した動物生体情報引き出し用チップIDとが一致するか否かを、確認する。そして、一致する判断された場合は動物関連イベントの参加が可能となる。なお、不一致の場合は、例えばブザーを鳴らしたり、色などの視覚で知らせたりすることもできる。
【0098】
これにより、企画者側は参加希望者の参加券を確認した後、参加動物の確認については、前記読取り端末15で読み取るだけで、事前に登録された参加動物か否かを確認することができ、従来よりもスピーディーに受付を完了することできる。また、従来のようにイベント参加動物の必要事項情報を一つ一つ確認する必要がなく、また受付時の間違いを極力減らすことにもつながる。
【0099】
その結果、大型イベントなどで沢山のイベント参加動物について受付をしなければならない場合であっても、大幅な受付時間の短縮となり、また受付時の人為的な間違いを最小限に抑えることができる。そして、イベント参加に必要なワクチン接種なども一貫して管理することができるため、参加希望者も安全でかつ安心して参加することができるのである。
【0100】
上記のように、読取り端末15による生体認証を活用した実施例を説明したが、本発明は他にも例えばペット保険の加入時や、動物病院での保険による治療時にも本発明の生体認証を活用することが考えられ、また、本発明のアプリケーションを介して決済サービスなどの利用に際しても活用が考えられている。
【符号の説明】
【0101】
1 通信端末
2 通信回線
3 動物生体情報蓄積コンピュータ
4 ウェブ用制御処理装置
5 アプリ用制御処理装置
6 データ格納部
7a、7b 受信部
8a、8b 送信部
9a、9b 制御部
10a、10b 入力部
11a、11b 表示部
12a、12b チェック部
13 動物生体情報引き出し用チップ
14 動物基本情報コンピュータ
15 読取り端末
16 データ管理システム部
17 不正防止用サーバー群
18 不正防止用サーバー