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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100048
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】間仕切りユニット
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20240719BHJP
   A61G 10/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
E04B2/74 561A
A61G10/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003754
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000107929
【氏名又は名称】セイキ総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 真人
(72)【発明者】
【氏名】竹村 和晃
(72)【発明者】
【氏名】根岸 亨
(72)【発明者】
【氏名】小竹 正寿
(72)【発明者】
【氏名】黒瀬 義機
(72)【発明者】
【氏名】村江 行忠
(72)【発明者】
【氏名】栗木 茂
(72)【発明者】
【氏名】秋元 俊紀
(72)【発明者】
【氏名】守谷 崇
(72)【発明者】
【氏名】茅野 充彦
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341JJ01
4C341KK10
4C341LL05
4C341MN20
(57)【要約】
【課題】使用しないとき保管するのに必要なスペースを小さくする。
【解決手段】前壁部21は、扉211を有する略長方形板状である。後壁部22は、扉221を有する略長方形板状である。左壁部24は、前壁部21の左端と後壁部22の左端との間を接続する。右壁部25は、前壁部21の右端と後壁部22の右端との間を接続する。左壁部24及び右壁部25は、それぞれ、前壁部21に折り畳み可能に接続された側壁前部(左壁前部241及び右壁前部251)と、後壁部22及び側壁前部に折り畳み可能に接続された側壁後部(左壁後部242及び右壁後部252)とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉を有する略長方形板状の前壁部と、扉を有する略長方形板状の後壁部と、前記前壁部の左端と前記後壁部の左端との間を接続する左壁部と、前記前壁部の右端と前記後壁部の右端との間を接続する右壁部とを有し、室内に設置されるユニット本体と、
前記ユニット本体の前記前壁部と、前記室内の天井との間を塞ぐ上方閉鎖部と、
前記ユニット本体の前記前壁部と、前記室内の左側の壁との間を塞ぐ左方閉鎖部と、
前記ユニット本体の前記前壁部と、前記室内の右側の壁との間を塞ぐ右方閉鎖部と
を備え、
前記左壁部及び前記右壁部は、それぞれ、
前記前壁部に折り畳み可能に接続された側壁前部と、
前記後壁部及び前記側壁前部に折り畳み可能に接続された側壁後部と
を有する、間仕切りユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空間を仕切るための間仕切りユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、医療施設に設置され、感染症に感染した患者を一般病棟の患者及び医療スタッフから隔離して感染症の拡大を防ぐ間仕切りユニットを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-120856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された間仕切りユニットは、平時での利用も想定されているが、利用せず保管する場合には、比較的大きなスペースが必要になる。
この発明は、例えばこのような課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
間仕切りユニットは、扉を有する略長方形板状の前壁部と、扉を有する略長方形板状の後壁部と、前記前壁部の左端と前記後壁部の左端との間を接続する左壁部と、前記前壁部の右端と前記後壁部の右端との間を接続する右壁部とを有し、室内に設置されるユニット本体と、前記ユニット本体の前記前壁部と、前記室内の天井との間を塞ぐ上方閉鎖部と、前記ユニット本体の前記前壁部と、前記室内の左側の壁との間を塞ぐ左方閉鎖部と、前記ユニット本体の前記前壁部と、前記室内の右側の壁との間を塞ぐ右方閉鎖部とを備える。前記左壁部及び前記右壁部は、それぞれ、前記前壁部に折り畳み可能に接続された側壁前部と、前記後壁部及び前記側壁前部に折り畳み可能に接続された側壁後部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
左壁部及び右壁部を折り畳むことにより、間仕切りユニットの奥行を小さくすることができるので、使用しないとき保管するのに必要なスペースを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】間仕切りユニットの一例を示す図。
図2】ユニット本体の一例を示す斜視図。
図3】前記ユニット本体を折り畳んだ状態の一例を示す斜視図。
図4】右壁部の折り畳み防止機構の一例を示す平面視断面図。
図5】前記折り畳み防止機構の一例を示す平面視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1を参照して、間仕切りユニット10について説明する。
間仕切りユニット10は、例えば、病院の廊下などに設置され、感染症対策用のレッドゾーンと一般用のグリーンゾーンとの間を仕切る。
間仕切りユニット10は、例えば、ユニット本体12と、上方閉鎖部13と、左方閉鎖部14と、右方閉鎖部15と、棚板17(図2参照)とを有する。
【0009】
ユニット本体12は、廊下などの床86の上に設置され、間仕切りユニット10によって仕切られた2つのゾーンの間を行き来するための二重扉となる部分である。
上方閉鎖部13は、廊下などの天井83と、ユニット本体12との間を塞ぐ。
左方閉鎖部14は、廊下などの左側(-X側)の壁84と、ユニット本体12及び上方閉鎖部13との間を塞ぐ。
右方閉鎖部15は、廊下などの右側(+X側)の壁85と、ユニット本体12及び上方閉鎖部13との間を塞ぐ。
これにより、ユニット本体12の扉を閉めておけば、間仕切りユニット10によって仕切られた2つのゾーンを完全に分離することができる。
【0010】
図2を参照して、ユニット本体12について詳しく説明する。
ユニット本体12は、例えば、四方を略長方形板状の壁に囲まれた小部屋であり、上述したとおり、病院の廊下などに設置される。また、平時など、間仕切りユニット10として使用しないときには、ユニット本体12を単独で設置することにより、相談ブースなどの個室としても使用することができる。
ユニット本体12は、例えば、前壁部21と、後壁部22と、左壁部24と、右壁部25と、キャスター261~264とを有する。
【0011】
前壁部21は、例えば、略長方形板状であり、開閉可能な扉211と、扉211の左側(-X側)に配置された前壁左部214と、扉211の右側(+X側)に配置された前壁右部215とを有する。
後壁部22は、例えば、前壁部21と同じ大きさの略長方形板状であり、開閉可能な扉221と、扉221の左側(-X側)に配置された後壁左部224と、扉221の右側(+X側)に配置された後壁右部225とを有する。
【0012】
左壁部24は、例えば、略長方形板状であり、左壁前部241と、左壁後部242とを有する。
左壁前部241は、例えば、略長方形板状であり、前側(-Y側)の辺が前壁部21の左側(-X側)の辺に接続されている。左壁前部241と前壁部21との間は、例えば蝶番などにより、折り畳み可能に接続されている。
左壁後部242は、例えば、略長方形板状であり、前側(-Y側)の辺が左壁前部241の後側(+Y側)の辺に接続され、後側(+Y側)の辺が後壁部22の左側(-X側)の辺に接続されている。左壁後部242と左壁前部241及び後壁部22との間は、例えば蝶番などにより、折り畳み可能に接続されている。
【0013】
右壁部25は、例えば、左壁部24と同じ大きさの略長方形板状であり、右壁前部251と、右壁後部252とを有する。
右壁前部251は、例えば、略長方形板状であり、前側(-Y側)の辺が前壁部21の右側(+X側)の辺に接続されている。右壁前部251と前壁部21との間は、例えば蝶番などにより、折り畳み可能に接続されている。
右壁後部252は、例えば、略長方形板状であり、前側(-Y側)の辺が右壁前部251の後側(+Y側)の辺に接続され、後側(+Y側)の辺が後壁部22の右側(+X側)の辺に接続されている。右壁後部252と右壁前部251及び後壁部22との間は、例えば蝶番253(図4参照)などにより、折り畳み可能に接続されている。
【0014】
キャスター261は、前壁部21の左側(-X側)の側面の下方(-Z側)に取り付けられている。キャスター262は、前壁部21の右側(+X側)の側面の下方(-Z側)に取り付けられている。キャスター263(不図示)は、後壁部22の左側(-X側)の側面の下方(-Z側)に取り付けられている。キャスター264は、後壁部22の右側(-X側)の側面の下方(-Z側)に取り付けられている。
キャスター261~264は、例えば足踏みレバーを操作することにより、前壁部21及び後壁部22に対して上下方向(±Z方向)に移動可能であり、キャスター261~264を前壁部21及び後壁部22に対して下(-Z方向)に下げると、ユニット本体12全体をキャスター261~264で支えることができ、ユニット本体12を容易に移動させることができる。また、キャスター261~264を前壁部21及び後壁部22に対して上(+Z方向)に上げると、キャスター261~264が床から離れ、ユニット本体12を床の上に安定して設置することができる。
【0015】
棚板17は、ユニット本体12の内側に取り外し可能に取り付けられた板であり、ちょっとした物を置く作業台として使用される。棚板17は、例えば、高さ調整可能にユニット本体12に取り付けられる。
【0016】
図3を参照して、ユニット本体12について更に説明する。
左壁前部241は、図2に示した前壁部21に対して略垂直な状態から、前壁部21に対して内側の面を互いに対向させて略平行な状態に折り畳むことができる。
左壁後部242も同様に、図2に示した後壁部22に対して略垂直な状態から、左壁前部241に対して外側の面を互いに対向させ、後壁部22に対して内側の面を互いに対向させて略平行な状態に折り畳むことができる。
また、右壁前部251は、図2に示した前壁部21に対して略垂直な状態から、前壁部21に対して内側の面を互いに対向させて略平行な状態に折り畳むことができる。
右壁後部252も同様に、図2に示した後壁部22に対して略垂直な状態から、右壁前部251に対して外側の面を互いに対向させ、後壁部22に対して内側の面を互いに対向させて略平行な状態に折り畳むことができる。
このように左壁部24及び右壁部25を折り畳むことにより、ユニット本体12の(±Y方向の)厚さを小さくすることができる。
【0017】
図4及び5を参照して、右壁部25の折り畳み防止機構について説明する。なお、左壁部24の折り畳み防止機構も同様である。
右壁部25は、上述した右壁前部251及び右壁後部252に加えて、例えば、蝶番253と、固定板254と、化粧ビス255とを有する。
蝶番253は、右壁前部251及び右壁後部252の外側に固定され、右壁前部251と右壁後部252との間を折り畳み可能に接続している。
固定板254は、例えばねじなどにより右壁後部252の内側に固定されている。
化粧ビス255は、固定板254に設けられた貫通穴に挿通され、右壁前部251に設けられたねじ穴に螺合されることにより、固定板254を右壁前部251に固定し、これにより、右壁部25が意図せず折り畳まれるのを防ぐ。
【0018】
ユニット本体12の折り畳み作業は、例えば、図2に示した状態から、キャスター261~264を下げてユニット本体12を移動可能にし、ユニット本体12に取り付けた棚板17を取り外すとともに、化粧ビスを取り外してユニット本体12を折り畳み可能な状態にしてから、ユニット本体12を折り畳んで、図3に示した状態にする。
逆に、ユニット本体12の組立作業は、例えば、図3に示した状態から、キャスター261~264を下げてユニット本体12を移動可能にし、ユニット本体12を広げてから、化粧ビスを取り付けてユニット本体12を折り畳めない状態にし、ユニット本体12に棚板17を取り付ける。
【0019】
間仕切りユニット10は、平時にも使用できるよう設計されているが、まったく使用せずに倉庫などに保管する場合には、このように、ユニット本体12を折り畳んで厚さを小さくする。これにより、ユニット本体12を保管するときに必要なスペースを小さくすることができる。
また、ユニット本体12を設置したり撤去したりするために運搬する際にも、ユニット本体12を折り畳んで厚さを小さくすれば、狭い場所でも容易に移動させることができ、例えば狭いエレベーターにも容易に載せることができる。
【0020】
なお、間仕切りユニット10について上述しなかった部分については、特許文献1に記載されたものと同様に構成される。しかし、特許文献1に記載された構成に限らず、他の構成であってもよい。
【0021】
例えば、前壁左部214又は前壁右部215、及び、後壁左部224又は後壁右部225は、扉であってもよい。扉211及び221と組み合わせて親子扉とすることにより、ストレッチャーなど幅の広い物を通すことができる。
左壁部24及び右壁部25の折り畳み防止機構は、例えばパチン錠であってもよいし、その他の機構であってもよい。
扉211及び221や左壁部24及び右壁部25に指が挟み込まれるのを防ぐため、指挟み込み防止機構を設けてもよい。
ユニット本体12は、天井を有してもよい。ユニット本体12のなかを陰圧に保つため、排気機構を設けてもよい。また、ユニット本体12を単独で病室の入り口などに設置して、病室の内部と外部との間を仕切る間仕切りとして使用してもよい。また、後壁部22に扉221や後壁左部224及び後壁右部225を設けず開口としてもよい。
扉211及び221に敷居がある場合、その前後にスロープを設けてもよい。
【0022】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例である。本発明は、これに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される範囲から逸脱することなく様々に修正し、変更し、追加し、又は除去したものを含む。これは、以上の説明から当業者に容易に理解することができる。
【0023】
扉のタイプは、病院の要望により引き戸、開き戸のどちらも可能である。正面側面素材は、透明・半透明・不透明も可能である。正面側面素材は、マグネットを使うことが可能である。壁との隙間塞ぎについては、パネル方式、カーテン方式、塩ビシート方式等が考えられる。奥行きは、サイズの調整が可能である。
医療者自ら設置することにより、スピーディに医療体制が構築でき、かつ患者の増減への対応が早くなり、経営の圧迫を避けることが可能となる。
台車がついており、新型コロナ入院者の増減に合わせ、ユニットを可動することができ、レッドゾーンの範囲を変えることができる。狭いエレベーターでも折りたたみ機構によって容易に載せることができるだけでなく、狭い箇所などを移動させる場合でも容易である。
病院により、廊下幅や天井高が異なるが、このユニットを使用することにより、容易に天井・壁間の隙間を塞ぐことができるだけでなく、奥行きの調整も可能である。
このユニットを設置することにより、レッドゾーンとグリーンゾーン間において、差圧をつけることが容易になる。
このユニットは、新型コロナウイルスが蔓延していない平時においても、発熱外来用ブースや相談ブース、病院内で外部へ連絡するためのブース(最近駅やオフィスビルにも設置)として利用することができる。
このユニットは、平時での利用も想定しているが、折りたたみ機構によって保管時もスペースを大きくとることなく対応が可能である。
【符号の説明】
【0024】
10 間仕切りユニット、12 ユニット本体、13 上方閉鎖部、14 左方閉鎖部、15 右方閉鎖部、17 棚板、21 前壁部、211,221 扉、214 前壁左部、215 前壁右部、22 後壁部、224 後壁左部、225 後壁右部、24 左壁部、241 左壁前部、242 左壁後部、25 右壁部、251 右壁前部、252 右壁後部、253 蝶番、254 固定板、255 化粧ビス、261~264 キャスター、83 天井、84,85 壁、86 床。
図1
図2
図3
図4
図5