(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100056
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】吐出装置、樹脂成形品の製造装置および樹脂成形品の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 43/34 20060101AFI20240719BHJP
B29C 43/18 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B29C43/34
B29C43/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003767
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北 一平
【テーマコード(参考)】
4F204
【Fターム(参考)】
4F204AC05
4F204AD19
4F204AH37
4F204FA01
4F204FA15
4F204FB01
4F204FB17
4F204FF23
4F204FN11
4F204FN15
4F204FN17
4F204FQ40
(57)【要約】
【課題】液状樹脂の吐出量を高精度で制御することが可能な吐出装置、樹脂成形品の製造装置および樹脂成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】吐出装置(100)は、カートリッジ(10)の内部において第1の方向および第2の方向に移動可能に構成されているプランジャ(20)を備えている。プランジャ(20)には、液状樹脂(13)が位置する第1の側とその反対側の第2の側との間で気体の流通を可能にする流路(23)が設けられている。プランジャ(20)が第1の方向へ移動した場合には第1の側から第2の側への気体の流通を可能とし、プランジャ(20)が第2の方向へ移動した場合には第2の側から第1の側への気体の流通を防止することを可能とする逆止弁(50)が備えられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液状樹脂が収容され、前記液状樹脂が吐出される吐出口を備えるカートリッジを保持可能に構成されているカートリッジ保持部と、
前記カートリッジの前記内部において第1の方向および第2の方向に移動可能に構成されているプランジャと、
前記プランジャと前記カートリッジとの間を気密にするように設けられているシール部材とを備え、
前記プランジャの前記第1の方向への移動により前記カートリッジの前記吐出口から前記液状樹脂を吐出可能に構成されており、
前記プランジャには、前記液状樹脂が位置する側である第1の側と前記第1の側とは反対側の第2の側との間で気体の流通を可能にする流路が設けられており、
前記プランジャは、前記プランジャが前記第1の方向へ移動した場合には前記第1の側から前記第2の側への気体の流通を可能とし、前記プランジャが前記第2の方向へ移動した場合には前記第2の側から前記第1の側への気体の流通を防止することを可能とする逆止弁を備えている、吐出装置。
【請求項2】
前記カートリッジは、前記液状樹脂の表面上に配置される蓋体を備え、
前記プランジャは、前記蓋体を介して前記液状樹脂を押圧可能に構成されている、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記プランジャは、前記第1の方向および前記第2の方向に移動可能に構成されている移動体を備え、
前記逆止弁は、前記移動体の前記第2の側に取り付けられている、請求項1または請求項2に記載の吐出装置。
【請求項4】
前記逆止弁は、螺合により前記移動体に取り付けられている、請求項3に記載の吐出装置。
【請求項5】
前記流路は、前記第1の側の前記プランジャの開口に連絡する第1の流路と、前記第2の側の前記プランジャの開口に連絡する第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路との間の第3の流路とを備え、
前記第3の流路に前記逆止弁が設けられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吐出装置。
【請求項6】
前記逆止弁は、前記プランジャが前記第2の方向に移動した場合に前記第3の流路の前記第1の流路の側の開口を閉鎖し、前記プランジャが前記第1の方向に移動した場合に前記開口の閉鎖を解除するように構成されている閉鎖部材とを備える、請求項5に記載の吐出装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吐出装置を備える吐出モジュールと、
上型と下型とを備えるプレスモジュールと、
前記上型に基板を搬送可能に構成されている第1の搬送機構と、
前記下型に前記吐出モジュールで前記液状樹脂が吐出されたフィルムを搬送可能に構成されている第2の搬送機構と、を備え、
前記プレスモジュールは、前記上型と前記下型とを用いて型締めを行うことにより、前記基板を含む樹脂成形品を製造可能に構成されている、樹脂成形品の製造装置。
【請求項8】
請求項7に記載の樹脂成形品の製造装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、
前記吐出装置が前記液状樹脂を前記フィルムに吐出する工程と、
前記上型に前記基板を設置する工程と、
前記下型に前記液状樹脂が載っている前記フィルムを設置する工程と、
前記上型と前記下型とを用いて型締めを行う工程と、を含む、樹脂成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、吐出装置、樹脂成形品の製造装置および樹脂成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば特許文献1には、シリンジ内に貯留されている液状樹脂をプランジャで押し付けることによって、ノズルから液状樹脂をワークに吐出し、ワークの樹脂成形を行うことが可能な樹脂供給装置が記載されている。特許文献1に記載の樹脂供給装置においては、プランジャの下動が停止すると共にピンチバルブが閉じることによって、ノズルからの液状樹脂の吐出を停止させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の樹脂供給装置においては、プランジャの下動が停止した際にノズルの先端で液状樹脂の液だれが発生し、ピンチバルブを閉じることによってノズルの先端で液だれした液状樹脂がワーク上に落下する。ここで、ワーク上に落下する液状樹脂の量が不安定であるため、液状樹脂の吐出量を高精度で制御することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、内部に液状樹脂が収容され、液状樹脂が吐出される吐出口を備えるカートリッジを保持可能に構成されているカートリッジ保持部と、カートリッジの内部において第1の方向および第2の方向に移動可能に構成されているプランジャと、プランジャとカートリッジとの間を気密にするように設けられているシール部材とを備え、プランジャの第1の方向への移動によりカートリッジの吐出口から液状樹脂を吐出可能に構成されており、プランジャには、液状樹脂が位置する側である第1の側と第1の側とは反対側の第2の側との間で気体の流通を可能にする流路が設けられており、プランジャは、プランジャが第1の方向へ移動した場合には第1の側から第2の側への気体の流通を可能とし、プランジャが第2の方向へ移動した場合には第2の側から第1の側への気体の流通を防止することを可能とする逆止弁を備えている吐出装置を提供することができる。
【0006】
本開示によれば、上記の吐出装置を備える吐出モジュールと、上型と下型とを備えるプレスモジュールと、上型に基板を搬送可能に構成されている第1の搬送機構と、下型に吐出モジュールで液状樹脂が吐出されたフィルムを搬送可能に構成されている第2の搬送機構とを備え、プレスモジュールは、上型と下型とを用いて型締めを行うことにより、基板を含む樹脂成形品を製造可能に構成されている樹脂成形品の製造装置を提供することができる。
【0007】
本開示によれば、上記の樹脂成形品の製造装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、吐出装置が液状樹脂をフィルムに吐出する工程と、上型に基板を設置する工程と、下型に液状樹脂が載っているフィルムを設置する工程と、上型と下型とを用いて型締めを行う工程とを含む樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施形態によれば、液状樹脂の吐出量を高精度で制御することが可能な吐出装置、樹脂成形品の製造装置および樹脂成形品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態の樹脂成形品の製造装置の一例の模式的な構成を示す図である。
【
図2】
図1に示す吐出モジュールに備えられる吐出装置の一例の模式的な部分断面図である。
【
図3】プランジャの押圧部が下方向へ移動した場合の逆止弁の機能の一例を図解する模式的な拡大部分断面図である。
【
図4】プランジャの押圧部が上方向へ移動した場合の逆止弁の機能の一例を図解する模式的な拡大部分断面図である。
【
図5】逆止弁を備えたプランジャの他の一例の模式的な拡大部分断面図である。
【
図6】(a)~(c)は、実施形態の吐出装置の作用効果の一例を図解する模式的な部分断面図である。
【
図7】実施形態の樹脂成形品の製造方法の一例のフローチャートである。
【
図8】樹脂成形装置の一例の模式的な断面図である。
【
図9】樹脂成形装置の一例の模式的な他の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について説明する。なお、実施形態の説明に用いられる図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
【0011】
<樹脂成形品の製造装置>
図1に、実施形態の樹脂成形品の製造装置の一例の模式的な構成を示す。
図1に示すように、樹脂成形品の製造装置1000は、基板モジュール1001と、プレスモジュール1002と、吐出モジュール1003と、フィルムモジュール1004とを備えている。基板モジュール1001は、樹脂成形される基板90(
図8参照)を搬出可能に構成されている。フィルムモジュール1004は、フィルム70a(
図6参照)を搬出可能に構成されている。吐出モジュール1003は、フィルムモジュール1004から搬送されてきたフィルム70a上に熱硬化性の液状樹脂13(
図2参照)を吐出可能に構成されている。プレスモジュール1002は、吐出モジュール1003から搬送されてきたフィルム70a上に載っている液状樹脂13を用いて基板モジュール1001から搬送されてきた基板90を樹脂成形可能に構成されている。たとえば、基板90の一面には電子部品が配置されており、電子部品が配置されている基板90の一面が樹脂で封止される。液状樹脂13としては、たとえば、半導体パッケージ分野で用いられている液状樹脂13を用いることができる。
【0012】
図1に示す例においては、基板モジュール1001、プレスモジュール1002、吐出モジュール1003およびフィルムモジュール1004は、それぞれ分離した別のモジュールとして記載されているが、各モジュールは、他のモジュールと互いに着脱可能であるとともに、モジュール数を増減可能に構成されていてもよい。たとえば、プレスモジュール1002とフィルムモジュール1004との間に2つまたは3つの吐出モジュール1003を配置した構成とすることができる。
【0013】
樹脂成形品の製造装置1000は、第1の搬送機構501および第2の搬送機構502をさらに備えている。第1の搬送機構501は、基板モジュール1001から搬出された基板90をプレスモジュール1002の後述する樹脂成形装置80(
図8参照)の成形型の上型81(
図8参照)に搬送可能に構成されている。第2の搬送機構502は、吐出モジュール1003で液状樹脂13が吐出されたフィルム70aをプレスモジュール1002の後述する樹脂成形装置の成形型の下型87(
図8参照)に搬送可能に構成されている。第2の搬送機構502は、さらに、フィルムモジュール1004から搬出され、液状樹脂13が載っていないフィルム70aを吐出モジュール1003に搬送可能に構成されている。
【0014】
<吐出装置>
図2に、
図1に示す吐出モジュール1003に備えられる吐出装置の一例の模式的な部分断面図を示す。
図2に示すように、吐出装置100は、カートリッジ10を保持可能に構成されているカートリッジ保持部としての複数の係止部16と、カートリッジ10の内部において上方向および下方向に移動可能に構成されているプランジャ20と、プランジャ20とカートリッジ10との間を気密にするように設けられているシール部材30とを備えている。
【0015】
<カートリッジ保持部>
カートリッジ保持部としての複数の係止部16は、吐出装置100において、上下方向に延びるように構成されている。複数の係止部16のそれぞれの下端部は、後述する金属筒12が設置される側に向かって突出する突条部16aを構成している。複数の係止部16のそれぞれの突条部16aの間には、後述するカートリッジ10を設置するための開口16bが設けられている。複数の係止部16のそれぞれは、後述する金属筒12の側面より外側に位置している。複数の係止部16は、図示しない駆動機構によって、上下方向と左右方向とに移動可能に構成されている。ここで、「上下方向」は、
図2の紙面の上下方向を意味する。「左右方向」は、
図2の紙面の上下方向と垂直であって、
図2の紙面に平行な方向を意味する。複数の係止部16のそれぞれの突条部16aは金属筒12の突条部12aと係止する。このとき、複数の係止部16のそれぞれの突条部16aの上面は、金属筒12の突条部12aの下面と接触している。複数の係止部16の突条部16aは、金属筒12、すなわち、カートリッジ10の下方向への移動を防止している。複数の係止部16の突条部16aが金属筒12の突条部12aと係止することにより、金属筒12内に収容されているカートリッジ10を保持可能としている。なお、金属筒12の外側の一面には、図示しない取っ手が取り付けられてもよい。
【0016】
<プランジャ>
プランジャ20は、複数の係止部16で取り囲まれた空間に、複数の係止部16に接しないように位置している。プランジャ20は、プランジャ押圧部22と、プランジャ押圧部22に取り付けられたプランジャ軸部21とを備えている。プランジャ押圧部22は、上下方向に延びる柱状に構成されている。プランジャ押圧部22の下端面の角部は、下方向が先細となるように面取りが行われている。プランジャ軸部21はプランジャ押圧部22の上端面の中央部から上方向に突出する柱状に構成されている。プランジャ軸部21の横断面の断面積はプランジャ押圧部22の上端面の面積よりも小さい。「横断面の断面積」とは、左右方向に切断した断面の断面積を意味する。プランジャ軸部21の上方向の一部はサーボモータ40内に収容されている。サーボモータ40の動作を制御することにより、プランジャ軸部21の下側に取り付けられているプランジャ押圧部22を上下方向に移動させることが可能である。プランジャ押圧部22は移動体として機能する。
【0017】
プランジャ押圧部22の上端面および下端面のそれぞれには開口が設けられている。プランジャ押圧部22には、プランジャ押圧部22の上端面の開口22b(
図3および
図4参照)と、プランジャ押圧部22の下端面の開口22a(
図3および
図4参照)とを連絡する流路23が設けられている。プランジャ20の下側は、液状樹脂13が位置する側である第1の側であり、
図2の破線62(プランジャ押圧部22の下面と平行な仮想線)から第1の方向(矢印64で示される方向(下方向))の側である。プランジャ20の上側は、第1の側とは反対側の第2の側であり、
図2の破線61(プランジャ押圧部22の上面と平行な仮想線)から第2の方向(矢印63で示される方向(上方向))の側である。流路23は、第1の側と第2の側との間で気体の流通を可能にする。
【0018】
プランジャ20は、逆止弁50(
図3および
図4参照)を備えている。
図2では逆止弁50の記載を省略している。逆止弁50は、カートリッジ10の液状樹脂収容部14内に挿入されているプランジャ押圧部22が第1の方向(下方向)に移動した場合に、プランジャ20の第1の側(下側)から第2の側(上側)への気体の流通を可能とする。また、逆止弁50は、カートリッジ10の液状樹脂収容部14内に挿入されているプランジャ押圧部22が第2の方向(上方向)に移動した場合に、プランジャ20の第2の側(上側)から第2の側(下側)への気体の流通を防止することを可能とする。逆止弁50の機能の詳細については後述する。
【0019】
<シール部材>
プランジャ押圧部22の側面には環状のシール部材30が嵌め込まれている。プランジャ押圧部22の側面には、周方向に沿って凹部が設けられている。プランジャ押圧部22の側面の凹部に嵌め込まれている。シール部材30の外側の一部分は、プランジャ押圧部22の側面の凹部から露出している。シール部材30としては、たとえばOリング等を用いることができる。プランジャ20が上下方向に移動する場合には、プランジャ押圧部22の側面に配置されたシール部材30は液状樹脂収容部14の内面15(
図3および
図4参照)に接しながら移動する。そのため、プランジャ押圧部22が上下方向に移動している期間中も、プランジャ押圧部22とカートリッジ10の液状樹脂収容部14の内面15との間の気密を保つことが可能である。
【0020】
<カートリッジ>
上記に示す構成を有する吐出装置100は、上述したように、カートリッジ保持部としての複数の係止部16の突条部16a上にカートリッジ10の後述する金属筒12の外側に突出する環状の突条部12aを設置して用いられる。カートリッジ10は、内部に液状樹脂13が収容され、液状樹脂13が吐出される吐出口14aを備えている。カートリッジ10は、カートリッジ10の上下方向に延びる側面を構成する略円筒形状の金属筒12と、金属筒12の内側に嵌め込まれるように設置されたプラスチック製の略円筒形状の液状樹脂収容部14とを備えている。略円筒形状の金属筒12は、金属筒12の側面の上端部から金属筒12の外側に突出する環状の突条部12aを備えている。金属筒12の上側の環状の突条部12aは、金属筒12の上側の開口12bを取り囲んでいる。金属筒12は、金属筒12の側面の下端部から金属筒12の内側に突出する環状の突条部12cを備えている。金属筒12の下側の環状の突条部12cは、金属筒12の下側の開口12dを取り囲んでいる。
【0021】
液状樹脂収容部14は、液状樹脂13を収容可能に構成されている。液状樹脂収容部14は、たとえばシリンジである。略円筒形状の液状樹脂収容部14は、上下方向に延びる側面を有している。液状樹脂収容部14の上側の一部が、金属筒12の上側の開口12bから上方向にはみ出している。液状樹脂収容部14は、液状樹脂収容部14の側面の上端部から液状樹脂収容部14の外側に突出する環状の突条部14bを備えている。液状樹脂収容部14の側面の上端部から液状樹脂収容部14の内側には開口14cが設けられている。液状樹脂収容部14の下端部14dは、金属筒12の下側の突条部12cに沿って液状樹脂収容部14の内側に進行した後に金属筒12の下側の開口12dから下方向に突出するように構成されている。液状樹脂収容部14の下端部14dの金属筒12の下側の開口12dから下方向に突出している部分がカートリッジ10の吐出口14aに相当する。
【0022】
カートリッジ10は、液状樹脂13の表面上に配置される蓋体11を備えている。蓋体11は、液状樹脂13が液状樹脂収容部14から漏れ出さないように液状樹脂13を封止するように構成されている。上述したプランジャ20のプランジャ押圧部22が蓋体11の上面に設置され、プランジャ押圧部22が下方向に移動する。これにより、プランジャ押圧部22が蓋体11を介して液状樹脂13を押圧し、カートリッジ10の吐出口14aから下方向に液状樹脂13が吐出される。なお、古いカートリッジ10を新たなカートリッジ10に交換する場合には以下のように行うことができる。まず、古いカートリッジ10の金属筒12の突条部12aを複数の係止部16のそれぞれの突条部16aから取り外す。次に、新たなカートリッジ10の金属筒12の突条部12aを複数の係止部16のそれぞれの突条部16aに係止する。
【0023】
<流路>
図3に、プランジャ押圧部22が下方向へ移動した場合の逆止弁50の機能の一例を図解する模式的な拡大部分断面図を示す。
図4に、プランジャ押圧部22が上方向へ移動した場合の逆止弁50の機能の一例を図解する模式的な拡大部分断面図を示す。
図3および
図4に示すように、プランジャ20のプランジャ押圧部22に設けられた流路23は、プランジャ押圧部22の内部の上下方向に延びている。流路23は、プランジャ押圧部22の内部の上下方向に延びる第1の流路23a、第2の流路23bおよび第3の流路23cを備えている。第1の流路23aの下側は、プランジャ押圧部22の下端面に設けられた開口22aに連絡している。第2の流路23bの上側は、プランジャ押圧部22の上端面に設けられた開口22bに連絡している。第1の流路23aの上側は第3の流路23cの下側に連絡している。第2の流路23bの下側は第3の流路23cの上側に連絡している。第1の流路23aの横断面の断面積は、第3の流路23cの横断面の断面積よりも小さい。第2の流路23bの横断面の断面積は、第3の流路23cの横断面の断面積よりも小さい。
図3および
図4に示す例において、逆止弁50は、第3の流路23c内に設けられている。
【0024】
<逆止弁>
図3および
図4に示す例においては、逆止弁50は、閉鎖部材51および弾性体52を備えている。閉鎖部材51は、第3の流路23c内を上下方向に移動する。閉鎖部材51は、第3の流路23cにおいて、第1の流路23aに連絡する開口24aを閉鎖可能に構成されている。弾性体52は、第3の流路23c内に配置されており、上下方向に伸縮可能に構成されている。弾性体52の下端部は、閉鎖部材51の上端部に連結されている。弾性体52の上側は、第3の流路23cにおいて、第2の流路23bに連絡する開口24b側の面に連結されている。
【0025】
図3に示すように、プランジャ押圧部22が下方向に移動する場合には、液状樹脂収容部14内において、プランジャ押圧部22と蓋体11との間の気体は閉鎖部材51を上方向に押す。これにより、弾性体52は縮み、閉鎖部材51は、開口24aから上方向に離れる。その結果、第3の流路23c内において、開口24aから開口24bまでの気体の通路が形成され、プランジャ20の第1の側(下側:破線62から矢印64で示される方向(下方向))の側)の気体は、流路23を通って、プランジャ20の第2の側(上側:破線61から矢印63で示される方向(上方向))の側)に流出する。
【0026】
一方、
図4に示すように、プランジャ押圧部22が上方向に移動する場合には、第3の流路23c内において、プランジャ20の第2の側(上側)の気体は閉鎖部材51を下方向に押す。これにより、弾性体52は伸び、閉鎖部材51は開口24aを閉鎖する。したがって、液状樹脂収容部14内において、プランジャ20の第2の側(上側)の気体は、流路23を通って、プランジャ20の第1の側(下側)へ流出することが防止される。その結果、プランジャ20の第1の側(下側)のプランジャ押圧部22と蓋体11と間の空間に、プランジャ20の第2の側(上側)の気体が流入することが防止される。
【0027】
以上のように、逆止弁50は、プランジャ押圧部22が下方向(第1の方向)へ移動した場合には、プランジャ押圧部22において下側(第1の側)から上側(第2の側)への気体の流通を可能とする。また、逆止弁50は、プランジャ押圧部22が上方向(第2の方向)へ移動した場合には、プランジャ押圧部22において上側(第2の側)から下側(第1の側)への気体の流通を防止することが可能となる。
【0028】
逆止弁50の構成は、閉鎖部材51および弾性体52を用いた構成に限定されない。逆止弁50の構成は、プランジャ押圧部22が上方向へ移動した場合に開口24aが閉鎖され、プランジャ押圧部22が下方向へ移動した場合に開口24aの閉鎖が解除される構成であればよい。
【0029】
図5に、逆止弁を備えたプランジャの他の一例の模式的な拡大部分断面図を示す。プランジャ20は、上下方向に延びる柱状の取り付け部材50aをさらに備えている。
図5に示すように、プランジャ押圧部22の上端面には、プランジャ押圧部22の上端面から下方向に延びる螺子孔が設けられている。取り付け部材50aの下側には螺子溝が設けられている。取り付け部材50aの下側の螺子溝をプランジャ押圧部22の螺子孔と螺合することによって、取り付け部材50aはプランジャ押圧部22に取り付けられる。
【0030】
取り付け部材50aの上端面および下端面のそれぞれに開口(図示せず)が設けられている。取り付け部材50aの内部には、取り付け部材50aの上端面および下端面のそれぞれの開口を連絡する流路(図示せず)が設けられている。プランジャ押圧部22には、取り付け部材50aの下端面に設けられた開口と連絡する流路23が設けられている。プランジャ押圧部22の流路23は、取り付け部材50aの下端面に設けられた開口と連絡する。プランジャ押圧部22の流路23と取り付け部材50aの内部に設けられた流路とによって、プランジャ20の第1の側と第2の側との間で気体の流通を可能にする流路が形成されている。
【0031】
図5に示す例においては、取り付け部材50aの内部に
図3および
図4に示す機能を有する逆止弁50が設けられている。たとえば、取り付け部材50aの内部には、
図3および
図4に示される上下方向に延びる第1の流路23aに相当する流路として、取り付け部材50aの下端面の開口と連絡する流路(以下、「A流路」という。)が形成されている。また、取り付け部材50aの内部には、
図3および
図4に示される上下方向に延びる第2の流路23bに相当する流路として、取り付け部材50aの上端面の開口と連絡する流路(以下、「B流路」という。)が形成されている。また、取り付け部材50aの内部には、
図3および
図4に示される上下方向に延びる第3の流路23cに相当する流路としてA流路とB流路とを連絡するC流路が形成されている。A流路の上側はC流路の下側と連絡している。B流路の下側はC流路の上側と連絡している。A流路の横断面の断面積は、C流路の横断面の断面積よりも小さい。B流路の横断面の断面積は、C流路の横断面の断面積よりも小さい。
図3および
図4と同様に、取り付け部材50aの逆止弁50は、C流路内に設けられている。
【0032】
なお、取り付け部材50aの下端面から下方向に延びる螺子孔が設けられる構成であってもよい。この場合、プランジャ押圧部22の上端面には、プランジャ押圧部22の上端面から上方向に突出する柱体であって、その外表面に螺子溝が設けられた柱体が設けられる。当該柱体の上側の螺子溝が取り付け部材50aの下端面の螺子孔に螺合することによって、取り付け部材50はプランジャ押圧部22に取り付けられる。この場合にも、プランジャ押圧部22の上端面から上方向に突出する柱体と取り付け部材50の内部に上記と同様の流路(A流路、B流路およびC流路)が形成される。
【0033】
<吐出装置の作用効果>
図6(a)~
図6(c)に、実施形態の吐出装置100の作用効果の一例を図解する模式的な部分断面図を示す。
図6(a)~
図6(c)では、金属筒12の突条部12aと複数の係止部16の記載を省略している。まず、
図6(a)に示すように、プランジャ押圧部22がカートリッジ10の蓋体11の上側に位置している状態で、サーボモータ40の動作を制御することによって、プランジャ押圧部22を下方向に移動させる。これにより、プランジャ押圧部22がカートリッジ10の蓋体11を下方向に押圧する。その結果、液状樹脂収容部14の内部に収容された液状樹脂13が押圧され、カートリッジ10の吐出口14aから液状樹脂13が下方向に吐出される。プランジャ押圧部22が下方向に移動した場合、
図3に示すように、逆止弁50の閉鎖部材51は、第3の流路23c内に設けられた開口24aを開放している。
【0034】
なお、カートリッジ10の下側には載置台70が配置されている。載置台70には、フィルム70aが載置される。フィルム70a上には、枠状のトレイカバー71が配置される。カートリッジ10の吐出口14aは、トレイカバー71内のフィルム70aの上側に位置している。したがって、吐出口14aから吐出された液状樹脂13は、トレイカバー71内のフィルム70a上に落下する。
【0035】
次に、吐出装置100が液状樹脂13の吐出を完了させる場合、サーボモータ40の動作を制御することによって、プランジャ押圧部22の下方向への移動を停止させる。このとき、吐出口14a近傍において、液状樹脂13の液だれが発生する。プランジャ押圧部22の下方向への移動を停止させた後、
図6(b)に示すように、プランジャ押圧部22を上方向に移動させる。プランジャ押圧部22が上方向に移動した場合、
図4に示すように、逆止弁50の閉鎖部材51は、第3の流路23c内に設けられた開口24aを閉鎖している。また、シール部材30は、プランジャ押圧部22と、カートリッジ10の液状樹脂収容部14の内面15との間を気密にしている。したがって、プランジャ押圧部22が上方向に移動した場合、プランジャ押圧部22と蓋体11との間の空間の状態は、真空の状態、または、真空に近い状態である。このため、プランジャ押圧部22と蓋体11との間の空間24の気圧が、大気圧よりも低い負圧となる。
【0036】
その結果、液状樹脂13の液だれは、大気圧によって、上方向に押される。これにより、
図6(c)に示すように、液状樹脂13の上側の表面および蓋体11が、たとえば高さhだけ上方向に移動する。その結果、蓋体11がプランジャ押圧部22と再び接触する。以上のように、プランジャ押圧部22を上方向に移動させることにより、吐出口14aの近傍で発生している液状樹脂13の液だれを、液状樹脂収容部14の内部に戻すことができる(以下、この現象を「サックバック」という)。特許文献1に記載の樹脂供給装置では、液状樹脂の吐出を完了させる場合、ピンチバルブがノズルの流路を塞ぐため、ノズルの先端で液だれが発生する。実施形態の吐出装置100においてはサックバックが実現されるため、液状樹脂13の落下の発生を抑制することができる。これにより、実施形態の吐出装置100と実施形態の吐出装置100を備える樹脂成形品の製造装置とは、特許文献1に記載の樹脂供給装置と比べて液状樹脂13の吐出量を高精度に制御することができる。
【0037】
<樹脂成形品の製造方法>
図7に、実施形態の樹脂成形品の製造方法の一例のフローチャートを示す。
図7に示すように、実施形態の樹脂成形品の製造方法では、まず、吐出装置100が液状樹脂13をフィルム70a上に吐出する(工程S101)。次に、第1の搬送機構501は、成形型の上型81(
図8参照)の下面に基板90を設置する(工程S102)。このとき、基板90の下面に電子部品が位置している。なお、工程S102は、工程S101よりも先に実行されてもよい。工程S101および工程S102が同時に実行されてもよい。工程S101は、工程S102が実行されている間に実行されてもよい。成形型は、上型81および下型87を備えている。
【0038】
工程S101が実施された後、第2の搬送機構501は、成形型の下型87の上面に、液状樹脂13が載っているフィルム70aを設置する(工程S103)。工程S103が実行された後、下型87を上型81に上方向に移動させることにより、型締めを行う(工程S104)。下型87の上方向への移動が停止することにより、型締めが行われた後、成形型の温度を上昇させる(工程S105)。工程S105が実施された後、液状樹脂13が硬化するまで待機する(工程S106)。工程S106が実施された後、下型87を下方向に移動させることにより、型開きを行う(工程S107)。これにより、基板90の下面が樹脂で封止された樹脂成形品が製造される。
【0039】
工程S101は、たとえば、以下のように行われる。まず、第2の搬送機構502は、
図1に示すフィルムモジュール1004から、フィルム70aと、フィルム70a上に配置されている枠状のトレイカバー71とを吐出モジュール1003に搬送する。次に、吐出モジュール1003の吐出装置100は、カートリッジ10の吐出口14aから、トレイカバー71内のフィルム70a上に液状樹脂13を吐出する。吐出装置100が行う液状樹脂13の吐出は、たとえば
図6(a)~
図6(c)に示される態様で行われる。
【0040】
工程S102では、たとえば、第1の搬送機構501は、
図1に示す基板モジュール1001から基板90をプレスモジュール1002に搬送し、プレスモジュール1002の成形型の上型81の下面に設置する。
【0041】
工程S103では、たとえば、第2の搬送機構502は、
図1に示す吐出モジュール1003から、液状樹脂13が吐出されたフィルム70aをトレイカバー71とともにプレスモジュール1002に搬送し、プレスモジュール1002の成形型の下型87の上面に、液状樹脂13が載っているフィルム70aを設置する。第2の搬送機構502は、トレイカバー71をプレスモジュール1002内に設置することなく、トレイカバー71をフィルムモジュール1004に搬送する。
【0042】
図8に、工程S101~工程S103が終了した後の樹脂成形装置の一例の模式的な断面図を示す。
図8に示す樹脂成形装置80では、ブロック状の固定プラテン88が、タイバーまたはホールドフレームによって支持されている。固定プラテン88の下側には、上型81が設置されている。固定プラテン88の下側には、タイバーまたはホールドフレームに沿って上下方向に移動する板状の可動プラテン86が配置されている。可動プラテン86の上側には、下型87が設置されている。
【0043】
下型87は、直方体状の底面部材82と、枠状の側面部材83と、複数の弾性部材84と、ベースプレート85とを備えている。ベースプレート85は可動プラテン86の上側に設置されている。ベースプレート85の上側には、底面部材82が設置されている。底面部材82の側面は側面部材83によって覆われている。側面部材83の下面とベースプレート85との間に複数の弾性部材84が配置されている。複数の弾性部材84は上下方向に伸縮する。側面部材83の上面は、底面部材82の上面よりも上側に位置しており、下型87には、下側に凹む凹部が形成されている。第2の搬送機構502は、フィルム70a上の液状樹脂13が凹部の底面に位置するように、フィルム70aを下型87の上面に設置される。第1の搬送機構501は、
図8に示すように、基板90を上型81の下面に設置される。
【0044】
図9は、工程S104が終了した後の樹脂成形装置の一例の模式的な断面図を示す。工程S104では、図示しない型締め機構は、
図8に示す可動プラテン86を上方向に移動させる。これにより、下型87が上型81に向かって上方向に移動する。可動プラテン86が上方向に移動することによって、最初に、枠状の側面部材83がフィルム70aを介して基板90に当たる。その後、可動プラテン86の上方向への移動は継続される。その結果、側面部材83の上方向への移動が停止している状態で側面部材82が上方向に移動し、複数の弾性部材84は縮む。側面部材83の上面の位置が、予め定められている位置に到達した場合、可動プラテン86の上方向への移動は停止し、工程S104の型締めが終了する。工程S104が終了した後、工程S105では、成形型の温度を上昇させる。液状樹脂13は熱硬化性を有する。このため、液状樹脂13の温度が上昇した場合、液状樹脂13は硬化して硬化樹脂13aとなる。工程S106では、液状樹脂13が硬化するまで待機する。工程S106が実行された後、工程S107では、ベースプレート85を下方向に移動させることによって、下型87を下方向に移動させる。これにより、型開きが行われ、基板90の下面が樹脂で封止された樹脂成形品が製造される。
【0045】
実施形態の樹脂成形品の製造方法においては、上述した実施形態の吐出装置100が液状樹脂13を吐出していることから、特許文献1に記載の樹脂供給装置と比べて、液状樹脂13の吐出量を高精度で制御した樹脂成形品を製造することが可能となる。
【0046】
<付記>
(開示1)
開示1は、内部に液状樹脂が収容され、前記液状樹脂が吐出される吐出口を備えるカートリッジを保持可能に構成されているカートリッジ保持部と、前記カートリッジの前記内部において第1の方向および第2の方向に移動可能に構成されているプランジャと、前記プランジャと前記カートリッジとの間を気密にするように設けられているシール部材とを備え、前記プランジャの前記第1の方向への移動により前記カートリッジの前記吐出口から前記液状樹脂を吐出可能に構成されており、前記プランジャには、前記液状樹脂が位置する側である第1の側と前記第1の側とは反対側の第2の側との間で気体の流通を可能にする流路が設けられており、前記プランジャは、前記プランジャが前記第1の方向へ移動した場合には前記第1の側から前記第2の側への気体の流通を可能とし、前記プランジャが前記第2の方向へ移動した場合には前記第2の側から前記第1の側への気体の流通を防止することを可能とする逆止弁を備えている、吐出装置である。
【0047】
(開示2)
開示2は、前記カートリッジは、前記液状樹脂の表面上に配置される蓋体を備え、前記プランジャは、前記蓋体を介して前記液状樹脂を押圧可能に構成されている、開示1に記載の吐出装置である。
【0048】
(開示3)
開示3は、前記カートリッジは、前記液状樹脂を収容可能に構成されている液状樹脂収容部を備える、開示1または開示2に記載の吐出装置である。
【0049】
(開示4)
開示4は、前記プランジャは、前記第1の方向および前記第2の方向に移動可能に構成されている移動体を備え、前記逆止弁は、前記移動体の前記第2の側に取り付けられている、開示1から開示3のいずれか1つに記載の吐出装置である。
【0050】
(開示5)
開示5は、前記逆止弁は、螺合により前記移動体に取り付けられている、開示4に記載の吐出装置である。
【0051】
(開示6)
開示6は、前記流路は、前記第1の側の前記プランジャの開口に連絡する第1の流路と、前記第2の側の前記プランジャの開口に連絡する第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路との間の第3の流路とを備え、前記第3の流路に前記逆止弁が設けられている、開示1から開示3のいずれか1項に記載の吐出装置である。
【0052】
(開示7)
開示7は、前記逆止弁は、前記プランジャが前記第2の方向に移動した場合に前記第3の流路の前記第1の流路の側の開口を閉鎖し、前記プランジャが前記第1の方向に移動した場合に前記開口を開放するように構成されている閉鎖部材とを備える、開示6に記載の吐出装置である。
【0053】
(開示8)
開示8は、開示1から開示7のいずれか1つに記載の吐出装置を備える吐出モジュールと、上型と下型とを備えるプレスモジュールと、前記上型に基板を搬送可能に構成されている第1の搬送機構と、前記下型に前記吐出モジュールで前記液状樹脂が吐出されたフィルムを搬送可能に構成されている第2の搬送機構と、を備え、前記プレスモジュールは、前記上型と前記下型とを用いて型締めを行うことにより、前記基板を含む樹脂成形品を製造可能に構成されている、樹脂成形品の製造装置である。
【0054】
(開示9)
開示9は、開示8に記載の樹脂成形品の製造装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、前記吐出装置が前記液状樹脂を前記フィルムに吐出する工程と、前記上型に前記基板を設置する工程と、前記下型に前記液状樹脂が載っている前記フィルムを設置する工程と、前記上型と前記下型とを用いて型締めを行う工程と、を含む、樹脂成形品の製造方法である。
【0055】
以上のように実施形態について説明を行なったが、上述の各実施形態および各実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
【0056】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0057】
10 カートリッジ、11 蓋体、12 金属筒、12a,12c,14b,16a 突条部、12b,12d,14c,22a,22b,24a,24b 開口、13 液状樹脂、13a 硬化樹脂、14 液状樹脂収容部、14a 吐出口、14d 下端部、15 内面、16 複数の係止部、20 プランジャ、21 プランジャ軸部、22 プランジャ押圧部、23 流路、23a 第1の流路、23b 第2の流路、23c 第3の流路、30 シール部材、40 サーボモータ、50 逆止弁、50a 取り付け部材50a、51 閉鎖部材、52 弾性体、61,62 破線、63,64 矢印、70 載置台、70a フィルム、71 トレイカバー、80 樹脂成形装置、81 上型、82 底面部材、83 側面部材、84 弾性部材、85 ベースプレート、86 可動プラテン、87 下型、88 固定プラテン、90 基板、100 吐出装置、501 第1の搬送機構、502 第2の搬送機構、1000 樹脂成形品の製造装置、1001 基板モジュール、1002 プレスモジュール、1003 吐出モジュール、1004 フィルムモジュール。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液状樹脂が収容され、前記液状樹脂が吐出される吐出口を備えるカートリッジを保持可能に構成されているカートリッジ保持部と、
前記カートリッジの前記内部において第1の方向および第2の方向に移動可能に構成されているプランジャと、
前記プランジャと前記カートリッジとの間を気密にするように設けられているシール部材とを備え、
前記プランジャの前記第1の方向への移動により前記カートリッジの前記吐出口から前記液状樹脂を吐出可能に構成されており、
前記プランジャには、前記液状樹脂が位置する側である第1の側と前記第1の側とは反対側の第2の側との間で気体の流通を可能にする流路が設けられており、
前記プランジャは、前記プランジャが前記第1の方向へ移動した場合には前記第1の側から前記第2の側への気体の流通を可能とし、前記プランジャが前記第2の方向へ移動した場合には前記第2の側から前記第1の側への気体の流通を防止することを可能とする逆止弁を備えている、吐出装置。
【請求項2】
前記カートリッジは、前記液状樹脂の表面上に配置される蓋体を備え、
前記プランジャは、前記蓋体を介して前記液状樹脂を押圧可能に構成されている、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項3】
前記プランジャは、前記第1の方向および前記第2の方向に移動可能に構成されている移動体を備え、
前記逆止弁は、前記移動体の前記第2の側に取り付けられている、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項4】
前記逆止弁は、螺合により前記移動体に取り付けられている、請求項3に記載の吐出装置。
【請求項5】
前記流路は、前記第1の側の前記プランジャの開口に連絡する第1の流路と、前記第2の側の前記プランジャの開口に連絡する第2の流路と、前記第1の流路と前記第2の流路との間の第3の流路とを備え、
前記第3の流路に前記逆止弁が設けられている、請求項1に記載の吐出装置。
【請求項6】
前記逆止弁は、前記プランジャが前記第2の方向に移動した場合に前記第3の流路の前記第1の流路の側の開口を閉鎖し、前記プランジャが前記第1の方向に移動した場合に前記開口の閉鎖を解除するように構成されている閉鎖部材とを備える、請求項5に記載の吐出装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の吐出装置を備える吐出モジュールと、
上型と下型とを備えるプレスモジュールと、
前記上型に基板を搬送可能に構成されている第1の搬送機構と、
前記下型に前記吐出モジュールで前記液状樹脂が吐出されたフィルムを搬送可能に構成されている第2の搬送機構と、を備え、
前記プレスモジュールは、前記上型と前記下型とを用いて型締めを行うことにより、前記基板を含む樹脂成形品を製造可能に構成されている、樹脂成形品の製造装置。
【請求項8】
請求項7に記載の樹脂成形品の製造装置を用いた樹脂成形品の製造方法であって、
前記吐出装置が前記液状樹脂を前記フィルムに吐出する工程と、
前記上型に前記基板を設置する工程と、
前記下型に前記液状樹脂が載っている前記フィルムを設置する工程と、
前記上型と前記下型とを用いて型締めを行う工程と、を含む、樹脂成形品の製造方法。