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特開2024-100062医用情報管理装置、端末装置、医用情報管理システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100062
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】医用情報管理装置、端末装置、医用情報管理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/60 20180101AFI20240719BHJP
【FI】
G16H40/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003773
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 良照
(72)【発明者】
【氏名】小澤 慎也
(72)【発明者】
【氏名】石本 剛
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】操作するモダリティの取り違えを防止することができるようにする。
【解決手段】実施形態の医用情報管理装置は、取得部と、認証部と、権限付与部と、を持つ。取得部は、ユーザが管理する端末装置により提供され、患者を特定する患者認証データを取得する。認証部は、前記患者認証データに基づいて、前記患者が医用画像診断装置の利用者であることを認証する。権限付与部は、前記認証の結果に基づいて、前記医用画像診断装置により前記患者を検査するために設定される前記患者の設定情報を編集する編集権限を前記端末装置に付与する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが管理する端末装置により提供され、患者を特定する患者認証データを取得する取得部と、
前記患者認証データに基づいて、前記患者が医用画像診断装置の利用者であることを認証する認証部と、
前記認証の結果に基づいて、前記医用画像診断装置により前記患者を検査するために設定される前記患者の設定情報を編集する編集権限を前記端末装置に付与する権限付与部と、を備える、
医用情報管理装置。
【請求項2】
前記患者の検査に利用する医用画像診断装置を複数の医用画像診断装置の中から選択する選択部を更に備える、
請求項1に記載の医用情報管理装置。
【請求項3】
前記権限付与部は、前記医用画像診断装置に設定された前記患者の設定情報を読み取る読取権限を前記端末装置に更に付与する、
請求項1に記載の医用情報管理装置。
【請求項4】
前記権限付与部は、前記端末装置の要求に応じて、前記読取権限を前記端末装置に付与する、
請求項3に記載の医用情報管理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記編集権限が前記端末装置から他の端末装置に移譲された移譲情報を取得する、
請求項1に記載の医用情報管理装置。
【請求項6】
前記権限付与部は、前記端末装置に付与した前記編集権限を他の端末装置に移譲させる、
請求項1に記載の医用情報管理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の医用情報管理装置と、
複数の前記端末装置と、
複数の前記医用画像診断装置と、を含む、
医用情報管理システム。
【請求項8】
前記ユーザ及び前記医用画像診断装置の作業スケジュールを管理するスケジュール管理装置を更に備える、
請求項7に記載の医用情報管理システム。
【請求項9】
前記医用情報管理装置は、前記患者の検査に利用する医用画像診断装置を複数の医用画像診断装置の中から選択する選択部を更に備え、
前記スケジュール管理装置は、前記選択部により選択された前記医用画像診断装置の要求に応じて、前記作業スケジュールを前記医用画像診断装置に送信する、
請求項8に記載の医用情報管理システム。
【請求項10】
患者を特定する患者認証データを読み取る読取装置と、
前記患者認証データを、請求項1に記載の医用情報管理装置に送信する送信部と、
前記医用情報管理装置により送信され、医用画像診断装置に設定される前記患者の設定情報を編集する編集権限を付与することを通知する編集権限情報を受信する受信部と、
前記医用画像診断装置に設定された前記設定情報を編集する編集情報を生成して前記医用画像診断装置に送信する制御部と、を備える、
端末装置。
【請求項11】
コンピュータに、
ユーザが管理する端末装置により提供され、患者を特定する患者認証データを取得し、
前記患者認証データに基づいて、前記患者が医用画像診断装置の利用者であることを認証し、
前記認証の結果に基づいて、前記医用画像診断装置により前記患者を検査するために設定される前記患者の設定情報を編集する編集権限を前記端末装置に付与する、ことを行わせる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報管理装置、端末装置、医用情報管理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医用画像診断装置(以下、モダリティ)の操作を技師やアシスタント(以下、技師等)がモダリティから離れた位置で携帯端末(タブレット端末)を利用した遠隔操作できる技術がある。従来、タブレット端末は、1台のモダリティに対して1台対応付けられており、対応付けられたタブレット端末でなければモダリティを操作できなかった。これに対して、複数のタブレット端末によりモダリティを操作できる技術が開発されている。この技術を用いることにより、複数の技師等がそれぞれタブレット端末を所持して、それぞれの技師等が複数のモダリティを操作できるようになる。
【0003】
このような状況下では、複数の技師等が複数のモダリティに関する操作、例えば、検査の対象となる患者に関する情報を登録する操作をそれぞれが所持するタブレット端末で行うことができる。このため、患者の検査を予定していたモダリティと異なるモダリティを操作することなどを防止するため、操作するモダリティの取り違えが生じないようする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-147608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題は、操作するモダリティの取り違えを防止することができるようにすることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の医用情報管理装置は、取得部と、認証部と、権限付与部と、を持つ。取得部は、ユーザが管理する端末装置により提供され、患者を特定する患者認証データを取得する。認証部は、前記患者認証データに基づいて、前記患者が医用画像診断装置の利用者であることを認証する。権限付与部は、前記認証の結果に基づいて、前記医用画像診断装置により前記患者を検査するために設定される前記患者の設定情報を編集する編集権限を前記端末装置に付与する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の医用情報管理システム1の構成の一例を示すブロック図。
図2】第1実施形態のタブレット端末10の構成の一例を示すブロック図。
図3】第1実施形態のモダリティ20の構成の一例を示すブロック図。
図4】第1実施形態の医用情報管理装置100の構成の一例を示すブロック図。
図5】第1実施形態の医用情報管理システム1における処理の一例を示すシーケンス図。
図6】第1実施形態の医用情報管理装置100における処理の一例を示すフローチャート。
図7】第2実施形態の医用情報管理システム2を含む病院内システム8の構成の一例を示すブロック図。
図8】第2実施形態の医用情報管理装置200の構成の一例を示すブロック図。
図9】第2実施形態の医用情報管理システム2における処理の一例を示すシーケンス図。
図10】第3実施形態の医用情報管理システムにおける処理の一例を示すシーケンス図。
図11】権限管理テーブルの内容の一例を示す図。
図12】第4実施形態の医用情報管理システムにおける処理の一例を示すシーケンス図。
図13】権限管理テーブルの更新を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、実施形態の医用情報管理装置、端末装置、医用情報管理システム、及びプログラムについて説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の医用情報管理システム1の構成の一例を示すブロック図である。第1実施形態の医用情報管理システム1は、例えば、複数のタブレット端末10と、複数のモダリティ20と、医用情報管理装置100と、を備える。複数のタブレット端末10、複数のモダリティ20、及び医用情報管理装置100は、ネットワークNWを介して互いに通信可能とされている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、WAN(Wide Area Network)を含む。複数のタブレット端末10には、それぞれ端末IDが付与されている。同様に、複数のモダリティ20には、それぞれ装置IDが付与されている。
【0010】
次に、タブレット端末10について説明する。タブレット端末10は、複数のユーザUに対してそれぞれ配布されている。各ユーザUは、配布されたタブレット端末10をそれぞれ管理する。タブレット端末10は、各ユーザUが所持するモバイル端末である。ユーザUには、それぞれユーザIDが付与されている。タブレット端末10は、端末装置の一例である。
【0011】
タブレット端末10は、医用情報管理システム1に専用で利用するものでもよいし、汎用のタブレット端末に、医用情報管理システム1に利用するアプリケーションプログラムがインストールされたものでもよい。端末装置は、タブレット端末以外の端末、例えば、スマートフォンなどでもよい。
【0012】
タブレット端末10は、一人のユーザUに対して1台で割り当てられており、ユーザUは、割り当てられたタブレット端末10をそれぞれ管理する。タブレット端末10とユーザUとの関係として、1台のタブレット端末10が複数のユーザUに割り当てられてもよいし、複数台のタブレット端末10が一人のユーザUに対して割り当てられてもよい。
【0013】
図2は、第1実施形態のタブレット端末10の構成の一例を示すブロック図である。タブレット端末10は、例えば、通信インターフェース11と、タッチパネル12と、読取装置13と、制御回路14とを備える。通信インターフェース11は、例えば、LAN(Local Area Network)などのネットワークNWを介して、複数のモダリティ20や医用情報管理装置100と通信する。
【0014】
タッチパネル12は、ユーザUが情報を入力する入力インターフェースと、入力された情報等を表示する出力インターフェースとして機能する。タッチパネル12は、例えば、ユーザUからの各種の入力操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する。GUIには、例えば、ユーザUがモダリティ20を遠隔で操作するためのものが含まれる。タッチパネル12は、受け付けた入力操作に応じた情報を制御回路14に送信する。
【0015】
読取装置13は、例えば、患者を特定する患者認証データを読み取る。患者認証データは、例えば、患者が保持するカードなどに印刷されたバーコードやQRコード(登録商標)などの二次元コード、患者の指紋、静脈、顔写真、虹彩の情報などを含む。読取装置13は、読み取った患者認証データを制御回路14に出力する。二次元コードは、患者IDを示すものでもよい。
【0016】
制御回路14は、タブレット端末10における各部を制御する。制御回路14は、例えば、タッチパネル12にGUIを表示する表示制御を行う。制御回路14は、タッチパネル12により受け付けられた入力操作に応じた入力情報に基づいて、タブレット端末10における各部を制御したり、入力情報に基づいてモダリティ20や医用情報管理装置100等の外部装置に通信インターフェース11を利用して送信する送信情報を生成したりする。制御回路14は、制御部の一例である。
【0017】
通信インターフェース11は、読取装置13により読み取られた患者認証データを医用情報管理装置100に送信する。通信インターフェース11は、医用情報管理装置100により送信され、医用情報管理装置100に設定される対象患者の設定情報を編集する編集権限を付与することを通知する編集権限情報を受信する。通信インターフェース11は、送信部及び受信部の一例である。
【0018】
モダリティ20に送信する送信情報には、例えば、登録情報、照合情報、及び編集情報が含まれる。登録情報は、モダリティ20における検査の対象となる患者(以下、対象患者)を登録するための情報である。モダリティ20は、登録情報を取得することにより、対象患者に関して、モダリティ20に設定される情報(以下、設定情報)を生成する。
【0019】
設定情報は対象患者ごとに生成され、患者IDを含む。設定情報は、患者IDのほか、例えば、対象患者の特性(性別、年齢、身長、体重等の身体特性、血液型、既往歴等)、モダリティ20による撮影条件などの情報を含む。対象患者は、医用画像診断装置の利用者の一例である。
【0020】
照合情報は、モダリティ20に設定された設定情報を編集する権限(以下、編集権限)がタブレット端末10に付与されているか否かを判定する際に、患者IDをモダリティ20に照合させるための情報である。照合情報は、患者IDを含む。モダリティ20は、送信された照合情報に含まれる患者IDを、モダリティ20に設定された設定情報に含まれる患者IDに照合し、タブレット端末10の編集権限の有無を判定する。
【0021】
編集情報は、モダリティ20により生成された設定情報を編集するための情報である。モダリティ20は、編集情報を取得することにより、編集情報に基づいて、設定情報を編集する。編集情報には、例えば、設定情報における編集項目及び編集後の内容が含まれる。設定情報及び編集情報には、さらに、それぞれ対象患者の患者IDが含まれる。ユーザUは、タッチパネル12に対して入力操作することにより、複数のモダリティ20を遠隔で操作することができる。
【0022】
制御回路14は、読取装置13により出力される患者認証データを取得する。制御回路14は、取得した患者認証データを、通信インターフェース11を利用して医用情報管理装置100に送信情報として送信することにより提供し、患者認証データに対応する対象患者の認証を要求する。
【0023】
制御回路14は、対象患者を認証した医用情報管理装置100により送信される患者IDを取得する。制御回路14は、認証された対象患者の患者IDを含む照合情報を生成し、モダリティ20に送信する。照合情報に含まれる患者IDは、モダリティ20に照合することにより、そのモダリティ20を利用する対象患者を特定するための情報である。
【0024】
次に、モダリティ20について説明する。図3は、第1実施形態のモダリティ20の構成の一例を示すブロック図である。モダリティ20は、例えば、画像検査指示等に基づき決定される撮影条件(撮影プロトコル)に従い撮像(撮影)を実行する。モダリティ20としては、例えば、X線コンピュータ断層撮影装置、X線診断装置、磁気共鳴イメージング装置、超音波診断装置、核医学診断装置等が挙げられる。
【0025】
モダリティ20は、例えば、架台装置21と、寝台22と、コンソール23とを備える。架台装置21は、ガントリとも称される。架台装置21には、患者の画像を撮影するための装置が設けられる。患者の画像を撮影するための撮影装置は、例えばモダリティ20がX線断層撮影装置であれば、X線を照射する照射装置(管球)と、X線を検出するX線検出器などを含む。架台装置21は、撮影装置により撮影された画像情報をコンソール23に出力する。
【0026】
寝台22は、例えば、患者を搭載する天板と、水平面に沿って天板を架台装置21から見て遠ざかったり近づいたりする方向(以下、進退方向)及び上下方向に移動させる駆動機構とを備える。寝台22は、制御装置の制御に従い、天板を進退方向及び上下方向に移動させることにより、患者を架台装置21に対して移動させる。
【0027】
コンソール23は、架台装置21に設けられた各種装置を制御したり、架台装置21に設けられた機器の出力を指定したり、架台装置21に設けられた機器により提供される情報に基づいて画像を生成したりする。コンソール23は、例えば通信インターフェース24と、入力インターフェース25と、ディスプレイ26と、処理回路27と、メモリ28とを備える。
【0028】
通信インターフェース24は、NIC(Network Interface Card)等を含み、LANを介してタブレット端末10、医用情報管理装置100等の外部装置と通信するネットワークNWは、LANに代えてまたは加えて、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、WAN等を含んでもよい。モダリティ20は、タブレット端末10により送信される登録情報、照合情報、編集情報などの情報を通信インターフェースにより受信する。通信インターフェース24は、受信した情報を電気信号に変換して処理回路27に出力する。
【0029】
入力インターフェース25は、ユーザUや医師(放射線医)等の操作者からの各種の入力操作を受け付ける。入力インターフェース25は、受け付けた入力操作に基づく情報、例えば登録情報や編集情報を電気信号に変換して処理回路27に出力する。ユーザUは、コンソール23の入力インターフェース25に各種の入力操作を行うことにより、モダリティ20により対象患者を検査する際の検査登録を行うことで設定情報を生成したり、設定情報の内容を編集したりすることができる。ユーザUは、コンソール23によるほか、ユーザUが管理するタブレット端末10によってもモダリティ20の設定情報を生成したり編集したりすることができる。
【0030】
ディスプレイ26は、LCD(Liquid Crystal Display)や、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。ディスプレイ26は、各種の情報を表示する。ディスプレイ26は、例えば、処理回路27によって生成された情報や、ユーザU等の操作者からの各種の入力操作を受け付けるためのGUI等を表示する。GUIを表示する場合のディスプレイ26は、入力インターフェース25としても機能する。
【0031】
処理回路27は、通信インターフェース24及び入力インターフェース25により出力される電気信号に基づいて、各種の情報を処理する。処理回路27は、例えば、通信インターフェース24または入力インターフェース25により出力された登録情報に基づいて、対象患者の検査登録を行って設定情報を生成する。
【0032】
処理回路27は、例えば、通信インターフェース24により出力される照合情報に含まれる患者IDと一致する患者IDを含む設定情報のモダリティ20における有無を判定する。処理回路27は、判定結果を、通信インターフェース24を利用して、編集情報を送信したタブレット端末10に送信する。処理回路27は、例えば、通信インターフェース24により出力された編集情報に基づいて、編集情報に付与された患者IDが一致する設定情報を編集する。
【0033】
処理回路27は、入力インターフェース25により出力された編集情報に基づいて、編集情報に付与された患者IDが一致する設定情報を編集するようにしてもよい。処理回路27は、例えば、ハードウェアプロセッサ(コンピュータ)がメモリ(記憶回路)28に記憶されたプログラムを実行することにより、これらの機能を実現する。
【0034】
処理回路27は、架台装置21により出力される画像情報を再構成するなどして、再構成画像を生成する。処理回路27は、生成した再構成画像を、例えば、ディスプレイ26に表示させたり、通信インターフェース24を利用して他の外部装置などに送信したりする。
【0035】
メモリ28は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。メモリ28は、例えば、設定情報等を記憶する。これらのデータは、メモリ28に代えてまたは加えて、モダリティ20が通信可能な外部メモリに記憶されてもよい。外部メモリは、例えば、外部メモリを管理するクラウドサーバが読み書きの要求を受け付けることで、クラウドサーバによって制御されるものである。
【0036】
次に、医用情報管理装置100について説明する。図4は、第1実施形態の医用情報管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。医用情報管理装置100は、例えば、通信インターフェース110と、入力インターフェース120と、ディスプレイ130と、処理回路140と、メモリ150とを備える。通信インターフェース110は、例えば、ネットワークNWを介してタブレット端末10やモダリティ20と通信する。通信インターフェース110は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。
【0037】
入力インターフェース120は、ユーザUや診療医等からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路140に出力する。入力インターフェース120は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパネル等を含む。入力インターフェース120は、例えば、マイク等の音声入力を受け付けるユーザインターフェースであってもよい。入力インターフェース120がタッチパネルである場合、入力インターフェース120は、ディスプレイ130の表示機能を兼ね備えるものであってもよい。
【0038】
なお、本明細書において入力インターフェースはマウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
【0039】
ディスプレイ130は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ130は、処理回路140によって生成された画像や、操作者からの各種の入力操作を受け付けるためのGUI等を表示する。例えば、ディスプレイ130は、LCDや、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
【0040】
処理回路140は、例えば、取得機能141と、認証機能142と、権限付与機能143とを備える。処理回路140は、例えば、ハードウェアプロセッサ(コンピュータ)がメモリ(記憶回路)150に記憶されたプログラムを実行することにより、これらの機能を実現するものである。
【0041】
ハードウェアプロセッサとは、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)または複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA)などの回路(circuitry)を意味する。
【0042】
メモリ150にプログラムを記憶させる代わりに、ハードウェアプロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、ハードウェアプロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。上記のプログラムは、予めメモリ150に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の非一時的記憶媒体に格納されており、非一時的記憶媒体が医用情報管理装置100のドライブ装置(不図示)に装着されることで非一時的記憶媒体からメモリ150にインストールされてもよい。
【0043】
ハードウェアプロセッサは、単一の回路として構成されるものに限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのハードウェアプロセッサとして構成され、各機能を実現するようにしてもよい。また、複数の構成要素を1つのハードウェアプロセッサに統合して各機能を実現するようにしてもよい。医用情報管理装置100におけるハードウェアプロセッサやメモリ等は、HIS30のハードウェアプロセッサやメモリ等とは別個に設けられているが、これらが共通していてもよい。
【0044】
メモリ150は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)、光ディスクなどにより実現される。メモリ150は、認証リスト151を記憶している。認証リスト151は、例えば、登録された複数の患者の患者認証データと患者IDの関係をリスト化したものである。
【0045】
取得機能141は、タブレット端末10及びモダリティ20により送信される各種の情報を取得する。取得機能141は、例えば、ユーザUが管理するタブレット端末10により送信されることにより提供される患者認証データを取得する。取得機能141は、取得部の一例である。
【0046】
認証機能142は、取得機能141により取得された患者認証データをメモリ150に記憶された認証リスト151に参照する。これにより、認証機能142は、取得機能141により取得された患者認証データに基づいて、タブレット端末10により認証が求められた対象患者に対する認証処理を行う。認証機能142は、認証部の一例である。
【0047】
権限付与機能143は、認証機能142による認証の結果に基づいて、認証した患者IDに対応する対象患者の設定情報を編集する編集権限をタブレット端末10に付与する。権限付与機能143は、患者IDを含まない患者認証データに基づいて認証機能142が対象患者を認証した場合に、認証した患者に対応する患者IDを発行し、編集権限情報に付加する。編集権限情報には、患者IDに代えてまたは加えて、対象患者に対する検査ごとに付与される検査IDが付加されてもよい。
【0048】
権限付与機能143は、認証機能142により対象患者が認証された場合に、患者認証データを送信したタブレット端末10に編集権限を付与する。この場合、権限付与機能143は、編集権限情報をタブレット端末10に、通信インターフェース110を利用して送信する。
【0049】
権限付与機能143は、認証機能142により対象患者が認証されなかった場合に、否認情報をタブレット端末10に、通信インターフェース110を利用して送信する。モダリティ20は、編集権限が付与されたタブレット端末10により送信される編集情報に基づいて、患者IDが一致する対象患者の設定情報を編集する。権限付与機能143は、権限付与部の一例である。
【0050】
次に、第1実施形態の医用情報管理システム1における処理について説明する。図5は、第1実施形態の医用情報管理システム1における処理の一例を示すシーケンス図である。この例では、第1モダリティ20A及び第2モダリティ20Bにより患者の検査が可能であり、このうちの第1モダリティ20Aにより対象患者の検査を行うものとする。第2モダリティ20Bにより検査が行われる患者は、第2モダリティ20Bから見ると対象患者であるが、ここでは、他の患者として説明を続ける。
【0051】
第1実施形態の医用情報管理システム1においては、まず、タブレット端末10により、対象患者の登録情報を第1モダリティ20Aに送信し(ステップS101)、他の患者の登録情報を第2モダリティ20Bに送信する(ステップS103)。第1モダリティ20Aでは、対象患者の登録情報を取得し(ステップS105)、対象患者の検査登録を行い(ステップS107)、対象患者を検査する際の設定情報を生成する(ステップS109)。
【0052】
第2モダリティ20Bでは、他の患者の登録情報を取得し(ステップS111)、他の患者の検査登録を行い(ステップS113)、他の患者を検査する際の設定情報を生成する(ステップS115)。第1モダリティ20A及び第2モダリティ20Bにより取得される登録情報は、いずれもタブレット端末10により送信されるが、登録情報は、第1モダリティ20A及び第2モダリティ20Bのそれぞれにおける入力インターフェース25により入力されてもよい。この場合、ステップS101、ステップS103の処理はそれぞれ省略される。
【0053】
第1モダリティ20A及び第2モダリティ20Bで設定情報を生成するまでの間、タブレット端末10は、読取装置13により患者認証データを読み取り(ステップS117)、読み取った患者認証データを医用情報管理装置100に送信する(ステップS119)。患者認証データを受信した医用情報管理装置100は、認証処理及び権限付与処理を行う(ステップS121)。以下、医用情報管理装置100における認証処理及び権限付与処理の手順について説明する。
【0054】
図6は、第1実施形態の医用情報管理装置100における処理の一例を示すフローチャートである。医用情報管理装置100において、取得機能141は、タブレット端末10により送信される患者認証データを取得する(ステップS151)。続いて、認証機能142は、取得機能141により取得された患者認証データを、メモリ150に記憶された認証リスト151に参照し(ステップS153)、患者認証データが認証リスト151に登録された患者のものであるか否かを判定する(ステップS155)。
【0055】
患者認証データが認証リスト151に登録された患者のものであると判定した場合、認証機能142は、患者認証データに対応する患者を対象患者として認証する(ステップS157)。続いて、権限付与機能143は、患者認証データを送信したタブレット端末10に編集権限を付与し(ステップS159)、編集権限を付与することを通知する編集権限情報を生成する(ステップS161)。
【0056】
続いて、権限付与機能143は、患者認証データが患者IDを含むか否かを判定する(ステップS163)。患者認証データが患者IDを含まないと判定した場合、権限付与機能143は、認証リスト151を参照して患者IDを発行し、発行した患者IDを編集権限情報に付加する(ステップS165)。こうして、医用情報管理装置100は、図6に示す処理を終了する。
【0057】
患者認証データが患者IDを含むと権限付与機能143が判定した場合、医用情報管理装置100は、図6に示す処理を終了する。ステップS155において、認証機能142は、患者認証データが認証リスト151に登録された患者のものでないと判定した場合、否認情報を生成する(ステップS167)。こうして、医用情報管理装置100は、図6に示す処理を終了する。
【0058】
図5に戻り、医用情報管理装置100は、生成した編集権限情報または否認情報を、通信インターフェース110を利用して、患者認証データを送信したタブレット端末10に送信する(ステップS123)。タブレット端末10は、編集権限情報または否認情報を受信した場合に、受信した情報を、ディスプレイ26に表示するなどしてユーザUに通知する(ステップS125)。
【0059】
ユーザUは、タブレット端末10による通知を受けて、編集権限が付与されたか否かを認識する。受信した編集権限情報に患者IDが付加されていない場合には、読取装置13により患者IDが読み取られているので、この場合、タブレット端末10は、読取装置13により読み取った患者IDを編集権限情報に付加する。
【0060】
続いて、タブレット端末10は、ユーザUの操作にしたがい、患者IDを含む編集権限情報を複数のモダリティ20に順次送信し、対象患者が利用するモダリティ20に設定される対象患者の設定情報を編集する。そのため、タブレット端末10は、例えば、まず、第2モダリティ20Bに編集権限情報を送信する(ステップS127)。
【0061】
第2モダリティ20Bは、タブレット端末10により送信された編集権限情報に含まれる患者IDを、検査登録されている患者の患者IDに照合する(ステップS129)。第2モダリティ20Bでは、対象患者の検査登録が行われていないので、第2モダリティ20Bは、照合の結果、タブレット端末10に付与された編集権限は、第2モダリティ20Bの設定情報を編集する権限ではないと判定する。第2モダリティ20Bは、照合の結果として、編集権限がないことを示す編集権限無情報をタブレット端末10に送信する(ステップS131)。
【0062】
タブレット端末10は、受信した編集権限無情報をディスプレイ26に表示するなどしてユーザUに通知する(ステップS133)。ユーザUは、タブレット端末10による通知を受けて、他のモダリティ20、ここでは第1モダリティ20Aに編集権限情報を送信するように、タブレット端末10を操作する。
【0063】
タブレット端末10は、ユーザUの操作に従い、第1モダリティ20Aに編集権限情報を送信する(ステップS135)。第1モダリティ20Aは、タブレット端末10により送信された編集権限情報に含まれる患者IDを、検査登録されている患者の患者IDに照合する(ステップS137)。
【0064】
第1モダリティ20Aでは、対象患者の検査登録が行われているので、第1モダリティ20Aは、照合の結果、タブレット端末10に付与された編集権限は、第1モダリティ20Aの設定情報を編集する権限ではあると判定する。第1モダリティ20Aは、照合の結果として、編集権限があることを示す編集権限有情報をタブレット端末10に送信する(ステップS139)。
【0065】
タブレット端末10は、受信した編集権限有情報をディスプレイ26に表示するなどしてユーザUに通知する(ステップS141)。ユーザUは、タブレット端末10による通知を受けて、第1モダリティ20Aの設定情報を編集するようにタブレット端末10を操作する。
【0066】
タブレット端末10は、ユーザUの操作に応じて、編集情報を生成し(ステップS143)、生成した編集情報を第1モダリティ20Aに送信する(ステップS145)。第1モダリティ20Aでは、タブレット端末10により送信された編集情報に基づいて、対象患者の設定情報を編集する(ステップS147)。こうして、医用情報管理システム1は、図5に示すシーケンスを終了する。
【0067】
第1実施形態の医用情報管理システム1は、医用情報管理装置100において、ユーザUが管理するタブレット端末10により設定情報を編集する対象患者を認証する。検査登録されていない患者に対する設定情報を編集することはできなくなるので、操作するモダリティ20の取り違えを防止することができる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。図7は、第2実施形態の医用情報管理システム2を含む病院内システム8の構成の一例を示すブロック図である。第2実施形態の医用情報管理システム2は、病院内システム8の一部に組み込まれている。第2実施形態の医用情報管理システム2を含む病院内システム8は、例えば、複数のタブレット端末10と、複数のモダリティ20のほか、病院情報システム(Hospital Information System:以下、HIS)30と、放射線科情報システム(Radiology Information System:以下、RIS)40と、画像保存通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)50と、医用情報管理装置200とを備える点で、第1実施形態と異なる。また、医用情報管理装置200は、選択機能244を備える点で第1実施形態と異なる。以下の第2実施形態の説明において、第1実施形態と共通の要素について、同一の番号を付してその詳しい説明を省略することがある。
【0069】
HIS30は、病院内での業務支援を行うコンピュータシステムである。具体的には、HIS30は、各種サブシステムを有する。各種サブシステムとしては、例えば、電子カルテシステム、医療会計システム、診療予約システム、来院受付システム、入退院管理システムが含まれる。HIS30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリ、ディスプレイ、入力インターフェース及び通信インターフェースを備えるサーバ装置やクライアント端末等のコンピュータを含む。
【0070】
ユーザUは、HIS30に含まれる電子カルテシステムを用いて、患者に関する情報を入力したり参照したりする。ユーザUは、HIS30に対して画像検査オーダーを発行する。HIS30は、画像検査オーダーに応じたオーダー情報をRIS40などの他のシステムに転送する。
【0071】
RIS40は、画像診断部門での業務支援を行うコンピュータシステムである。RIS40は、ユーザU及びモダリティ20の作業スケジュールを管理する。作業スケジュールには、患者ID及び装置IDを含む。RIS40は、発行した画像検査オーダーに基づいて、画像検査を担当するユーザUや画像検査に使用するモダリティ20を決定する。RIS40は、決定した内容を含めてユーザU及びモダリティ20の作業スケジュールを管理する。HIS30は、医用情報管理装置200の要求に応じて、ユーザU及びモダリティ20の作業スケジュールを、ネットワークNWを介して医用情報管理装置200に送信する。RIS40は、スケジュール管理装置の一例である。
【0072】
RIS40は、HIS30と連携した画像検査オーダーの予約管理のほか、検査機器(モダリティ20)への予約情報連携、検査情報の管理などを行う。RIS40は、例えば、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリ、ディスプレイ、入力インターフェース及び通信インターフェースを備えるサーバ装置やクライアント端末等のコンピュータを含む。
【0073】
PACS50は、モダリティ20により送信された医用画像を受信してデータベースに保存するコンピュータシステムである。PACS50は、クライアントからのリクエストに応じて、データベースに保存された医用画像を送信(転送)する。PACS50は、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリ、ディスプレイ、入力インターフェース、通信インターフェースを含むサーバ・コンピュータを含む。PACS50に記憶された医用画像には、撮影対象の患者や撮影に関する情報が付帯情報として付帯されている。付帯情報には、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠した形式で、患者ID、検査ID、撮影条件(撮影プロトコル)等の情報が含まれる。
【0074】
病院内システム8の構成は上記に限定されない。病院内システム8は、例えば、読影レポート作成装置等を含んでいてもよい。また、病院内システム8のいくつかの要素が統合されていてもよい。例えば、HIS30とRIS40とが1個のシステムに統合されていてもよい。
【0075】
図8は、第2実施形態の医用情報管理装置200の構成の一例を示すブロック図である。第2実施形態の医用情報管理装置200における処理回路240は、選択機能244を備える。医用情報管理装置200におけるその他の構成は、第1実施形態の医用情報管理装置100と共通する。
【0076】
選択機能244は、特定患者の検査に利用するモダリティ20を複数のモダリティ20の中から選択する。選択機能244は、例えば、対象患者の特性及びスケジュール並びにモダリティ20の性能及び作業スケジュールに基づいて、対象患者の検査に利用するモダリティ20を選択する。選択機能244は、選択部の一例である。
【0077】
次に、第2実施形態の医用情報管理システム2の処理について説明する。図9は、第2実施形態の医用情報管理システム2における処理の一例を示すシーケンス図である。第2実施形態の医用情報管理システム2では、まず、タブレット端末10は、読取装置13により患者認証データを読み取り(ステップS201)、読み取った患者認証データを医用情報管理装置100に送信する(ステップS203)。患者認証データを受信した医用情報管理装置200は、認証処理及び権限付与処理を行う(ステップS205)。認証処理及び権限付与処理は、第1実施形態と共通である。
【0078】
続いて、医用情報管理装置100は、生成した編集権限情報または否認情報を、通信インターフェース110を利用して、患者認証データを送信したタブレット端末10に送信する(ステップS207)。タブレット端末10は、受信した編集権限情報または否認情報をユーザUに通知し(ステップS209)、ユーザUは、タブレット端末10による通知を受けて、編集権限が付与されたか否かを認識する。ここでのタブレット端末10の処理も第1実施形態と共通である。
【0079】
続いて、タブレット端末10は、対象患者の検査を予約する予約情報を生成する(ステップS211)。タブレット端末10は、例えば、ユーザUによる入力インターフェース25の操作に基づいて、予約情報を生成する。予約情報には、登録情報、照合情報(患者ID)、及び設定情報が含まれる。タブレット端末10は、生成した予約情報をRIS40に送信する(ステップS213)。
【0080】
RIS40は、タブレット端末10により送信された予約情報に基づいて、対象患者の登録情報を取得し(ステップS215)、続いて、対象患者の検査登録を行う(ステップS217)。RIS40は、対象患者を検査する際の設定情報を含むワークリストを生成する(ステップS219)。RIS40は、選択機能244において、複数のモダリティ20の性能や作業スケジュールに基づいて、生成したワークフローを実行可能となるモダリティ20を選択する(ステップS221)。RIS40は、選択したモダリティ20に基づく選択情報を生成して、タブレット端末10に送信する(ステップS223)。選択情報には、選択したモダリティ20の装置IDが含まれる。
【0081】
タブレット端末10は、受信した選択情報をディスプレイ26に表示するなどしてユーザUに通知する(ステップS225)。ユーザUは、タブレット端末10による通知を受けて、検査に利用するモダリティ20の装置IDを確認する。続いて、タブレット端末10は、ユーザUが確認した装置IDが付されたモダリティ20に編集権限情報を送信する(ステップS227)。
【0082】
編集権限情報を受信したモダリティ20は、編集権限情報に付加される患者ID(または検査ID)の検査を実行するワークリストを要求する要求情報をRIS40に送信する(ステップS229)。続いて、RIS40は、患者IDに対応するワークリストを特定し(ステップS231)、要求情報を送信したモダリティ20に特定したワークリストを送信する(ステップS233)。モダリティ20は、RIS40により送信されたワークリストを設定する(ステップS235)。
【0083】
続いて、モダリティ20は、ワークリストの設定が完了したことを知らせる設定完了情報を生成し、タブレット端末10に送信する(ステップS237)。タブレット端末10は、受信した設定完了情報を、ディスプレイ26に表示するなどしてユーザUに通知するステップS239)。ユーザUは、タブレット端末10による通知を受けて、モダリティ20の設定情報を編集するようにタブレット端末10を操作する。
【0084】
タブレット端末10は、ユーザUの操作に応じて、編集情報を生成し(ステップS241)、生成した編集情報をモダリティ20に送信する(ステップS243)。モダリティ20では、タブレット端末10により送信された編集情報に基づいて、対象患者の設定情報を編集する(ステップS245)。こうして、医用情報管理システム2は、図9に示すシーケンスを終了する。
【0085】
第2実施形態の医用情報管理システム2は、第1実施形態の医用情報管理システム1と同様の作用効果を奏する。さらに、第2実施形態の医用情報管理システム2は、RIS40において、タブレット端末10により送信され予約情報に基づいて、ワークフローを実行可能となるモダリティ20を選択する。このため、患者が利用可能となるモダリティ20の選択を容易に行うことができ、複数の患者及びモダリティ20の作業スケジュールを管理しやすくすることができる。また、モダリティ20は、ワークリストをRIS40に要求できるので、モダリティ20のおける検査登録の作業を簡素に済ませることができる。
【0086】
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態について説明する。第3実施形態の医用情報管理システムは、第2実施形態の医用情報管理システム2と同様の構成を有し、医用情報管理システム2と同様の処理を実行可能である。第3実施形態の医用情報管理システムは、第2実施形態の医用情報管理システム2の処理に加えて、以下に示す処理を実行可能である。以下、第2実施形態の医用情報管理システム2の処理に加えた第3実施形態の医用情報管理システムの処理を中心として、第3実施形態について説明する。
【0087】
図10は、第3実施形態の医用情報管理システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。第3実施形態の医用情報管理システムは、タブレット端末10として、第1タブレット端末10A及び第2タブレット端末10Bを備えるとともに、医用情報管理装置200、RIS40、及びモダリティ20を備える。第1タブレット端末10Aは、第1ユーザU1により管理され、第2タブレット端末10Bは、第2ユーザU2により管理される。図10に示すシーケンス図において、第2タブレット端末10Bは、図9に示すシーケンス図におけるタブレット端末10に相当する。
【0088】
第2タブレット端末10Bと異なる第1タブレット端末10Aを管理する第1ユーザU1は、対象患者の設定情報を編集する権限がない場合でも、対象患者の設定情報を読み取って閲覧したい場合などがある。この場合、第1タブレット端末10Aは、第1ユーザU1の操作にしたがい、モダリティ20に設定された対象患者の設定情報を読み取る権限(以下、読取権限)を要求する情報(以下、読取権限要求情報)を医用情報管理装置200に生成する(ステップS301)。第1タブレット端末10Aは、生成した読取権限要求情報を医用情報管理装置200に送信する(ステップS303)。
【0089】
第1タブレット端末10Aにより読取権限要求情報を送信された医用情報管理装置200は、読取権限を付与するか否かを判定する(ステップS305)。読取権限を付与するか否かを判定は、どのように行われてもよい。読取権限を付与するか否かを判定は、例えば、医師のみに読取権限を付与する場合には、第1ユーザU1が医師等であるか否かに基づいて読取権限を付与するか否かを判定してよい。
【0090】
医用情報管理装置200は、読取権限を付与するか否かの判定を行った結果、読取権限を付与する場合に、読取権限情報を、付与しない場合に否認情報をそれぞれ第1タブレット端末10Aに送信する(ステップS307)。医用情報管理装置200におけるメモリ150は、権限管理テーブルを記憶している。権限管理テーブルは、複数のタブレット端末10における対象患者の設定情報に対する編集権限及び読取権限を記憶するテーブルである。編集権限は、読取権限を含んでおり、編集権限を有するユーザUは、読取権限も有する。
【0091】
図11は、権限管理テーブルの内容の一例を示す図である。権限管理テーブルは、端末ID及び患者IDに対応付けられた編集権限及び読取権限の情報を含む。例えば、権限管理テーブルは、端末ID「0001」のタブレット端末10が、患者ID「000A」の読取権限を有し、「000B」「000C」の患者の編集権限及び読取権限のいずれも有していない情報を含む。1台のタブレット端末10が1人のユーザUに管理されているので、端末IDに代えてまたは加えて、ユーザIDを利用してもよい。
【0092】
権限管理テーブルは、端末ID「0002」のタブレット端末10が、患者ID「000A」「000B」の患者の読取権限を有し、「000C」の患者の編集権限及び読取権限のいずれも有していない情報を含む。各患者IDに対する編集権限は、1台のタブレット端末10にのみ付与される。各患者IDに対する読取権限は、複数のタブレット端末10に付与可能である。
【0093】
図10に戻り、読取権限情報または否認情報を受信した第1タブレット端末10Aは、受信した情報を、ディスプレイ26に表示するなどして第1ユーザU1に通知する(ステップS309)。第1ユーザU1は、第1タブレット端末10Aによる通知を受けて、読取権限が付与されたか否かを認識する。
【0094】
続いて、第1タブレット端末10Aは、第1ユーザU1の操作にしたがい、対象患者の設定情報が設定されたモダリティ(以下、読取先)を確認するための読取先確認要求を医用情報管理装置200に送信する(ステップS311)。読取先確認要求を受信した医用情報管理装置200は、読取先を確認し(ステップS313)、確認した読取先の情報を含む読取先情報を生成して第1タブレット端末10Aに送信する(ステップS315)。
【0095】
続いて、第1タブレット端末10Aは、受信した読取先情報に含まれる読取先を、ディスプレイ26に表示するなどして第1ユーザU1に通知する(ステップS317)。第1ユーザU1は、第1タブレット端末10Aによる通知を受けて、対象患者の設定情報を読み取る読取先を認識する。
【0096】
続いて、第1タブレット端末10Aは、第1ユーザU1の操作にしたがい、読取先となるモダリティ20に、対象患者の設定情報を読み取るための要求(以下、読取要求)を送信する(ステップS319)。モダリティ20は、送信された読取要求に応じて、対象患者の設定情報を提供し(ステップS321)、第1タブレット端末10Aに送信する(ステップS323)。
【0097】
第1タブレット端末10Aは、受信した設定完了情報を、ディスプレイ26に表示するなどして第1ユーザU1に通知する(ステップS325)。第1ユーザU1は、第1タブレット端末10Aによる通知を受けて、モダリティ20の設定情報を編集するように第1タブレット端末10Aを操作する。
【0098】
第1タブレット端末10Aは、第1ユーザU1の操作に応じて、編集情報を生成し(ステップS327)、生成した編集情報をモダリティ20に送信する(ステップS329)。モダリティ20では、タブレット端末10により送信された編集情報に基づいて、対象患者の設定情報を編集する(ステップS331)。こうして、医用情報管理システム2は、図9に示すシーケンスを終了する。こうして、医用情報管理システムは、図10に示す処理を終了する。
【0099】
第3実施形態の医用情報管理システムは、第2実施形態の医用情報管理システム2と同様の作用効果を奏する。さらに、第3実施形態の医用情報管理システムは、タブレット端末10に読取権限を付与する。このため、編集権限のないタブレット端末10を管理するユーザUであっても、対象患者の設定情報を読み取って閲覧することができる。
【0100】
(第4実施形態)
続いて、第4実施形態について説明する。第4実施形態の医用情報管理システムは、第2実施形態の医用情報管理システム2と同様の構成を有し、医用情報管理システム2と同様の処理を実行可能である。第4実施形態の医用情報管理システムは、第2実施形態の医用情報管理システム2の処理に加えて、以下に示す処理を実行可能である。以下、第2実施形態の医用情報管理システム2の処理に加えた第4実施形態の医用情報管理システムの処理を中心として、第4実施形態について説明する。
【0101】
図12は、第4実施形態の医用情報管理システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。第4実施形態の医用情報管理システムは、タブレット端末10として、第1タブレット端末10A及び第2タブレット端末10Bを備えるとともに、医用情報管理装置200、RIS40、及びモダリティ20を備える。図12に示すシーケンス図において、第2タブレット端末10Bは、図9に示すシーケンス図におけるタブレット端末10に相当する。
【0102】
第4実施形態の医用情報管理システムにおいて、第2タブレット端末10Bは、モダリティ20における対象患者の設定情報を編集する編集権限を有している(ステップS401)。編集権限のない第1タブレット端末10Aを管理する第1ユーザU1は、自らの状況などにより、編集権限を取得したい状況となることがある。
【0103】
この場合、第1タブレット端末10Aは、第1ユーザU1の操作にしたがい、対象患者が利用するモダリティ20に設定された設定情報をRIS40に問い合わせるための問合せ情報を生成し(ステップS403)、RIS40に送信する(ステップS405)。問合せ情報を受信したRIS40は、問合せ情報に応じた対象患者の設定情報を確認し(ステップS407)、対象患者の編集権限を保持するタブレット端末10を示す保持権限情報を第1タブレット端末10Aに送信する(ステップS409)。
【0104】
保持権限情報を受信した第1タブレット端末10Aは、保持権限情報が示すユーザU、ここでは第2タブレット端末10Bの第2ユーザU2を、ディスプレイ26に表示するなどして第1ユーザU1に通知する。第1ユーザU1は、第1タブレット端末10Aによる通知を受けて、編集権限の委譲を求める権限移譲依頼を生成し(ステップS411)、第2ユーザU2が管理する第2タブレット端末10Bに送信する(ステップS413)。
【0105】
権限移譲依頼を受信した第2タブレット端末10Bは、編集権限の委譲が可能であるか否かを判定する(ステップS415)。第2タブレット端末10Bは、編集権限の委譲が可能であるか否かの判定をどのように行ってもよい。第2タブレット端末10Bは、例えば、編集権限の委譲を許容するか否かをディスプレイ26に表示し、第2ユーザU2に選択させた結果により、編集権限の委譲が可能であるかを判定してよい。あるいは、第2タブレット端末10Bは、予め移譲権限を与えることを許可する条件をユーザUに付与しておき、第1ユーザU1がこの条件を満たすか否かにより編集権限の委譲が可能であるかを判定してもよい。
【0106】
その結果、編集権限の委譲が不可能である判定した場合、第2タブレット端末10Bは、否認情報を生成して第1タブレット端末10Aに送信する(ステップS417)。第1タブレット端末10Aは、受信した否認情報に基づいて、編集権限の委譲が認められなかったことを第1ユーザU1に通知する。
【0107】
第2タブレット端末10Bは、編集権限の委譲が可能であると判定した場合、移譲情報を医用情報管理装置200及び第1タブレット端末10Aに送信する(ステップS419)。その後、第2タブレット端末10Bは、保持していいた編集権限を喪失させる(ステップS421)。編集権限が複数のタブレット端末10に付与可能である場合には、第2タブレット端末10Bは、編集権限を喪失させないようにしてもよい。
【0108】
医用情報管理装置200における取得機能141は、第2タブレット端末10Bにより送信された移譲情報を取得する。取得機能141は、取得した移譲情報に基づいて、メモリ150に記憶された権限管理テーブルを更新する(ステップS423)。
【0109】
図13は、権限管理テーブルの更新を説明する図である。図13左図に示すように、更新前の権限管理テーブルでは、端末ID「0002」の第2タブレット端末10Bに、患者ID「000A」の対象患者に対する編集権限が設定されている。端末ID「0001」の第1タブレット端末10Aには、患者ID「000A」の対象患者に対する読取権限が設定されている。
【0110】
これに対して、図13右図に示すように、更新後の権限管理テーブルでは、編集権限が委譲されることにより、端末ID「0001」の第1タブレット端末10Aに、患者ID「000A」の対象患者に対する編集権限が設定される。端末ID「0001」の第1タブレット端末10Aに設定されていた読取権限は、編集権限に含まれるようになる。また、端末ID「0002」の第2タブレット端末10Bには、患者ID「000A」の対象患者に対する読取権限が設定された状態となる。端末ID「0002」の第2タブレット端末10Bにおける患者ID「000A」の対象患者に対する読取権限は消去されてもよい。
【0111】
図12に戻り、移譲情報を受信した第1タブレット端末10Aは、編集権限が移譲されたことを、ディスプレイ26に表示するなどして第1ユーザU1に通知する(ステップS425)。第2タブレット端末10Bは、第1ユーザU1の操作に応じて、編集情報を生成し(ステップS427)、生成した編集情報をモダリティ20に送信する(ステップS429)。モダリティ20では、第1タブレット端末10Aにより送信された編集情報に基づいて、対象患者の設定情報を編集する(ステップS431)。こうして、第4実施形態の医用情報管理システムは、図12に示すシーケンスを終了する。
【0112】
第4実施形態の医用情報管理システムは、第1実施形態の医用情報管理システム1と同様の作用効果を奏する。さらに、第4実施形態の医用情報管理システムは、設定情報を編集する編集権限を他のユーザUに委譲することができる。したがって、ユーザUの利便性を高めることができる。
【0113】
上記の実施形態において、タブレット端末10は、他のタブレット端末10に直接権限移譲依頼を送信するが、権限移譲依頼を医用情報管理装置200に送信し、医用情報管理装置200を介して他のタブレット端末10に送信するようにしてもよい。この場合、医用情報管理装置200における権限付与機能は、タブレット端末に付与した編集権限を他のタブレット端末に移譲させる。また、上記の実施形態において、医用情報管理装置200は、RIS40とは独立し設けられているが、医用情報管理装置は、RIS40内に設けられていてもよい。
【0114】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ユーザが管理する端末装置により提供され、患者を特定する患者認証データを取得する取得部と、前記患者認証データに基づいて、前記患者が医用画像診断装置の利用者であることを認証する認証部と、前記認証の結果に基づいて、前記医用画像診断装置により前記患者を検査するために設定される前記患者の設定情報を編集する編集権限を前記端末装置に付与する権限付与部と、を持つことにより、操作するモダリティの取り違えを防止することができる。
【0115】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0116】
1,2…医用情報管理システム
8…病院内システム
10…タブレット端末
10A…第1タブレット端末
10B…第2タブレット端末
11,24,110…通信インターフェース
12…タッチパネル
13…読取装置
14…制御回路
20…モダリティ
20A…第1モダリティ
20B…第2モダリティ
21…架台装置
22…寝台
23…コンソール
25,120…入力インターフェース
26,130…ディスプレイ
27…処理回路
28,150…メモリ
30…病院情報システム(HIS)
40…放射線科情報システム(RIS)
50…画像保存通信システム(PACS)
100,200…医用情報管理装置
140,240…処理回路
141…取得機能
142…認証機能
143…権限付与機能
151…認証リスト
244…選択機能
NW…ネットワーク
U…ユーザ
U1…第1ユーザ
U2…第2ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13