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特開2024-100063医用情報処理装置、医用情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100063
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】医用情報処理装置、医用情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20240719BHJP
【FI】
G16H40/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003774
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 良照
(72)【発明者】
【氏名】小澤 慎也
(72)【発明者】
【氏名】石本 剛
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA03
(57)【要約】
【課題】適切な技師等が対応できるようにする。
【解決手段】実施形態の医用情報処理装置は、取得部と、算出部と、送信部と、を持つ。取得部は、医用画像診断装置にユーザを呼び出す呼出要求を取得する。算出部は、複数の前記ユーザがそれぞれ管理する複数の端末の使用状況または前記ユーザの作業内容のうち少なくともいずれかに基づいて、複数の前記ユーザのそれぞれに対する通知優先度を算出する。送信部は、前記通知優先度に応じた呼出通知を前記端末に出力させる通知情報を複数の前記端末に送信する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像診断装置にユーザを呼び出す呼出要求を取得する取得部と、
複数の前記ユーザがそれぞれ管理する複数の端末の使用状況または前記ユーザの作業内容のうち少なくともいずれかに基づいて、複数の前記ユーザのそれぞれに対する通知優先度を算出する算出部と、
前記通知優先度に応じた呼出通知を前記端末に出力させる通知情報を複数の前記端末に送信する送信部と、を備える、
医用情報処理装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記算出部が前記通知優先度を算出する際に前記ユーザが行っている作業の内容を前記ユーザの作業内容に含めて、前記通知優先度を算出する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記ユーザが将来行う予定の作業の内容を前記ユーザの作業内容に含めて、前記通知優先度を算出する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項4】
前記送信部は、前記通知優先度が高くなるほど前記ユーザに与える刺激が大きくなる呼出通知を前記端末に行わせる、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項5】
算出部は、複数の前記ユーザに対する前記通知優先度が共通である場合に、選択対象となる複数の通知レベルの中から、前記ユーザに与えられる刺激が最も強くなる通知レベルの呼出通知を前記端末に行わせる、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項6】
前記呼出通知は、前記端末により出力される音声、振動、または発光のうち少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項7】
前記算出部は、前記医用画像診断装置による検査内容に応じて、前記通知優先度を調整する、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項8】
前記医用画像診断装置に内蔵されている、
請求項1に記載の医用情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
医用画像診断装置による呼出要求を取得し、
複数のユーザがそれぞれ管理する複数の端末の使用状況または前記ユーザの作業内容のうち少なくともいずれかに基づいて、複数の前記ユーザのそれぞれに対する通知優先度を算出す算出し、
前記通知優先度に応じた呼出通知を前記端末に出力させる通知情報を複数の前記端末に送信する、
医用情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
医用画像診断装置による呼出要求を取得させ、
複数のユーザがそれぞれ管理する複数の端末の使用状況または前記ユーザの作業内容のうち少なくともいずれかに基づいて、複数の前記ユーザのそれぞれに対する通知優先度を算出させ、
前記通知優先度に応じた呼出通知を前記端末に出力させる通知情報を複数の前記端末に送信することを行わせる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理装置、医用情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医用画像診断装置(以下、モダリティ)の操作を技師等がモダリティから離れた位置で携帯端末(タブレット端末)を利用した遠隔操作できる技術がある。従来、タブレット端末は、1台のモダリティに対して1台対応付けられており、対応付けられたタブレット端末でなければモダリティを操作できなかった。これに対して、複数のタブレット端末によりモダリティを操作できる技術が開発されている。この技術を用いることにより、複数の技師等がそれぞれタブレット端末を所持して、それぞれの技師等が複数のモダリティを操作できるようになる。
【0003】
このような状況下において、近傍に技師等がいないモダリティによる作業を行っているときに、モダリティに技師等が対応する必要が生じることがある。この場合、モダリティは、複数の携帯端末のそれぞれに対して、対応を求める通知を行うことができる。しかし、複数の技師等が対応可能であったとしても、対応しやすい技師等が適切に対応せず、対応しにくい技師等が対応することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-147608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題は、適切な技師等が対応できるようにすることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の医用情報処理装置は、取得部と、算出部と、送信部と、を持つ。取得部は、医用画像診断装置にユーザを呼び出す呼出要求を取得する。算出部は、複数の前記ユーザがそれぞれ管理する複数の端末の使用状況または前記ユーザの作業内容のうち少なくともいずれかに基づいて、複数の前記ユーザのそれぞれに対する通知優先度を算出する。送信部は、前記通知優先度に応じた呼出通知を前記端末に出力させる通知情報を複数の前記端末に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の病院内システム1の構成の一例を示すブロック図。
図2】第1実施形態のタブレット端末50の構成の一例を示すブロック図。
図3】第1実施形態の通知方法リスト59の一例を示す図。
図4】第1実施形態の医用情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図。
図5】第1実施形態の第1優先順位リスト151の一例を示す図。
図6】第1実施形態の第2優先順位リスト152の一例を示す図。
図7】第1実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャート。
図8】第1実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャート。
図9】変形例の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャート。
図10】第2実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャート。
図11】第3実施形態の病院内システム1の構成の一例を示すブロック図。
図12】第4実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、実施形態の医用情報処理装置、医用情報処理方法、及びプログラムについて説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の病院内システム1の構成の一例を示すブロック図である。第1実施形態の病院内システム1は、例えば、病院情報システム(Hospital Information System:以下、HIS)10と、放射線科情報システム(Radiology Information System:以下、RIS)20と、画像保存通信システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)30と、複数の医用画像診断装置(モダリティ)40と、複数のタブレット端末50と、医用情報処理装置100とを備える。
【0010】
HIS10は、病院内での業務支援を行うコンピュータシステムである。具体的には、HIS10は、各種サブシステムを有する。各種サブシステムとしては、例えば、電子カルテシステム、医療会計システム、診療予約システム、来院受付システム、入退院管理システムが含まれる。
【0011】
HIS10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ、ディスプレイ、入力インターフェース及び通信インターフェースを備えるサーバ装置やクライアント端末等のコンピュータを含む。
【0012】
技師等(以下、ユーザ)Uは、HIS10に含まれる電子カルテシステムを用いて、患者に関する情報を入力したり参照したりする。ユーザUは、HIS10に対して画像検査オーダーを発行する。HIS10は、画像検査オーダーに応じたオーダー情報をRIS20などの他のシステムに転送する。
【0013】
HIS10は、ユーザU及びモダリティ40の作業スケジュールを管理する。HIS10は、発行した画像検査オーダーに基づいて、画像検査を担当するユーザUや画像検査に使用するモダリティ40を決定する。HIS10は、決定した内容を含めてユーザU及びモダリティ40のスケジュールを管理する。HIS10は、医用情報処理装置100の要求に応じて、ユーザU及びモダリティ40のスケジュールを、ネットワークNWを介して医用情報処理装置100に送信する。
【0014】
RIS20は、画像診断部門での業務支援を行うコンピュータシステムである。RIS20は、HIS10と連携した画像検査オーダーの予約管理のほか、検査機器への予約情報連携、検査情報の管理などを行う。RIS20は、例えば、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリ、ディスプレイ、入力インターフェース及び通信インターフェースを備えるサーバ装置やクライアント端末等のコンピュータを含む。
【0015】
PACS30は、モダリティ40により送信された医用画像を受信してデータベースに保存するコンピュータシステムである。PACS30は、クライアントからのリクエストに応じて、データベースに保存された医用画像を送信(転送)する。PACS30は、CPU等のプロセッサ、ROMやRAM等のメモリ、ディスプレイ、入力インターフェース、通信インターフェースを含むサーバ・コンピュータを含む。PACS30に記憶された医用画像には、撮影対象の患者や撮影に関する情報が付帯情報として付帯されている。付帯情報には、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)規格に準拠した形式で、患者ID、検査ID、撮影条件(撮影プロトコル)等の情報が含まれる。
【0016】
モダリティ40は、例えば、画像検査指示等に基づき決定される撮影条件(撮影プロトコル)に従い撮像(撮影)を実行する。モダリティ40としては、例えば、X線コンピュータ断層撮影装置、X線診断装置、磁気共鳴イメージング装置、超音波診断装置、核医学診断装置等が挙げられる。
【0017】
モダリティ40は、例えば、架台と、寝台と、コンソールと、を備える。架台は、ガントリとも称される。架台には、被検体の画像を撮影するための装置、X線断層撮影装置であれば、例えば、X線を照射する管球と、X線を検出するX線検出器などが設けられる。寝台は、被検体を搭載する。コンソールは、架台に設けられた各種装置を制御したり、架台に設けられた機器の出力を指定したり、架台に設けられた機器により提供される情報に基づいて画像を生成したりする。ユーザUは、コンソールによってモダリティ40を操作することができる。ユーザUは、コンソールによるほか、自身が管理するタブレット端末50によってもモダリティ40を操作することができる。モダリティ40の撮像により生成された医用画像(画像データ)はPACS30に送信される。
【0018】
モダリティ40は、被検体の画像の撮影を伴う検査を行う。モダリティ40により行われている検査の内容(以下、モダリティ40の検査内容)には、例えば、「ドックまたは軽症患者の検査」「非造影検査(頭部)」「非造影検査(頭部以外)」「造影検査」が含まれる。
【0019】
モダリティ40は、被検体に関する情報や撮影に関する情報(以下、検査関連情報)を入力する入力インターフェースと、LAN(Local Area Network)などのネットワークNWを介して複数のタブレット端末50と通信する通信インターフェースを備える。通信インターフェースは、例えば、NIC(Network Interface Card)等の通信インターフェースを含む。ネットワークNWは、LANに代えてまたは加えて、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、WAN(Wide Area Network)等を含んでもよい。モダリティ40は、タブレット端末50により送信される検査関連情報を通信インターフェースにより受信する。
【0020】
モダリティ40は、検査中にユーザUによる処置が必要となった場合に、呼出要求を医用情報処理装置100に送信する。検査中にユーザUによる処置が必要となる場合には、例えば、検査中のモダリティ40が故障したり停止したりした場合や、被検体に異変が生じた場合が含まれる。
【0021】
病院内システム1の構成は上記に限定されない。病院内システム1は、例えば、読影レポート作成装置等を含んでいてもよい。また、病院内システム1のいくつかの要素が統合されていてもよい。例えば、HIS10とRIS20とが1個のシステムに統合されていてもよい。
【0022】
図2は、第1実施形態のタブレット端末50の構成の一例を示すブロック図である。タブレット端末50は、複数のユーザUに対してそれぞれ配布されている。各ユーザUは、配布されたタブレット端末50をそれぞれ管理する。タブレット端末50は、各ユーザUが所持するモバイル端末である。
【0023】
ユーザUが管理するタブレット端末50は1台であり、1人のユーザUに対して1つのタブレット端末50が割り当てられる。タブレット端末50は、複数のユーザUに割り当てられてもよいし、複数のユーザUに対して1台のタブレット端末50が割り当てられてもよい。タブレット端末50を配布されたユーザUの情報は、例えば、医用情報処理装置100により管理されている。
【0024】
タブレット端末50は、例えば、通信インターフェース51と、タッチパネル52と、制御回路53と、通知装置54と、メモリ55とを備える。通知装置54は、例えば、スピーカ56と、バイブレータ57と、発光装置58とを備える。通信インターフェース51は、例えば、LANなどのネットワークNWを介して、医用情報処理装置100や複数のモダリティ40と通信する。通信インターフェース51は、例えば、医用情報処理装置100により送信される通知情報を受信する。
【0025】
タッチパネル52は、ユーザUが情報を入力する入力インターフェースと、入力された情報等を表示する出力インターフェースとして機能する。タッチパネル52は、例えば、ユーザUからの各種の入力操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する。GUIには、例えば、ユーザUがモダリティ40を遠隔で操作するためのものが含まれる。タッチパネル52は、受け付けた入力操作に応じた情報を制御回路53に送信する。
【0026】
制御回路53は、タブレット端末50における各部を制御する。制御回路53は、例えば、タッチパネル52にGUIを表示する表示制御を行う。制御回路53は、タッチパネル52により受け付けられた入力操作に応じた入力情報に基づいて、タブレット端末50における各部を制御したり、入力情報に基づいてモダリティ40等の外部装置に送信する送信情報を生成したりする。送信情報には、モダリティ40の検査関連情報などが含まれる。ユーザUは、タッチパネル52に対して入力操作することにより、複数のモダリティ40を遠隔で操作することができる。
【0027】
制御回路53は、タブレット端末50の使用状況を取得する。タブレット端末50の使用状況には、例えば、タブレット端末50により操作するモダリティ40及び操作しているモダリティ40に対する操作内容などが含まれる。タブレット端末50の使用状況は、具体的には、「コンソールの操作」「非操作」「撮像画面の操作」「医師との通話」「患者登録」などがある。
【0028】
「コンソールの操作」は、モダリティ40に設けられたコンソールを操作するためにタブレット端末50を使用する状態である。ユーザUは、タブレット端末50を操作することにより、複数のモダリティ40のいずれかに向けた検査関連情報をタブレット端末50に送信させることができる。「非操作」は、タブレット端末50の操作が行っていない(使用していない)状態である。「撮像画面の操作」は、例えば、被検体を撮影するために架台に設けられた各機器の設定などを指定するためにタブレット端末50を使用する状態である。
【0029】
「医師との通話」は、ユーザUが医師と通話するためにタブレット端末50を使用する状態である。タブレット端末50には、不図示のマイクが設けられており、ユーザUは、自らの発声音をマイクに収集させ、医師の発声音をスピーカ56から受け取ることにより、医師との通話を実現する。
【0030】
「患者登録」は、ユーザUが新たな患者(被検体)をHIS10に登録するためにタブレット端末50を使用する状態である。使用状況は、その他の状況が含まれてもよい。制御回路53は、医用情報処理装置100の要求に応じて、タブレット端末50の使用状況を、通信インターフェース51を用いて、ネットワークNWを介して医用情報処理装置100に送信する。
【0031】
通知装置54は、制御回路53の制御に従って作動する。通知装置54は、医用情報処理装置100により送信される通知情報に応じた呼出通知を行う。通知装置54に含まれるスピーカ56は、呼出通知として音声を出力する。バイブレータ57は、呼出通知として、タブレット端末50を全体的に振動させる。発光装置58は、呼出通知として、ランプを点灯させたり点滅させたり消灯させたりする。
【0032】
メモリ55は、例えば、呼出通知の通知方法を含む通知方法リスト59を記憶する。通知方法リスト59は、医用情報処理装置100により送信される通知情報に含まれる通知レベルに対応付けられた呼出通知の通知方法を示す情報である。通知方法が異なると、通知装置54によるユーザUを呼び出すための通知の強度が変化する。通知装置54は、通知レベルが高いほどユーザUに対して強い刺激を与えてユーザUが呼び出されていることを通知する。
【0033】
図3は、第1実施形態の通知方法リスト59の一例を示す図である。通知方法リスト59に含まれる通知方法は、例えば、スピーカ56による通知(以下、音通知)、バイブレータ57による通知(以下、振動通知)、及び発光装置58による通知(以下、光通知)を含む。振動通知には、例えば、「強」「中」「弱」の3段階が設定されている。第1実施形態において、通知レベルは3段階に設定されており、通知レベルにより表される数値が大きくなるほど(通知優先度が高くなるほど)通知レベルが高くなり、ユーザUに与える刺激が大きくなる。
【0034】
例えば、通知レベル3は、ユーザUに与える刺激が最も大きい通知である。通知レベル3のときには、音通知、振動通知、及び光通知の全てが実行され、振動通知の強度は「強」とされる。通知レベル2は、ユーザUに与える刺激が最も中ほどの通知である。通知レベル2のときには、音通知、及び振動通知が実行され、振動通知は「中」でとされる。通知レベル1のときには、ユーザUに与える刺激が最も小さい通知である。通知レベル1では、振動通知が実行され、振動通知は「弱」で実行される。
【0035】
振動通知は、「強」「中」「弱」の強度で実行されることで、ユーザUに与える刺激を変化させるが、音通知及び光通知も態様を変えてユーザUに与える刺激を変化させてもよい。例えば、音通知では、音量や音質を変えたり、通知レベルに応じたメッセージを流したりすることによりユーザUに対する刺激を変化させてもよい。光通知では、光量や光源の色、点滅、点灯、点滅時の点滅速度などによりユーザUに対する刺激を変化させてもよい。
【0036】
図4は、第1実施形態の医用情報処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。医用情報処理装置100は、例えば、通信インターフェース110と、入力インターフェース120と、ディスプレイ130と、処理回路140と、メモリ150と、を備える。医用情報処理装置100における通信インターフェース110、入力インターフェース120、及びディスプレイ130は、HIS10が備える通信インターフェース、入力インターフェース及びディスプレイとは別個に設けられているが、これらが共通していてもよい。
【0037】
通信インターフェース110は、例えば、LANなどのネットワークNWを介してHIS10、RIS20、PACS30、モダリティ40等の外部装置と通信する。通信インターフェース110は、例えば、NIC等の通信インターフェースを含む。
【0038】
入力インターフェース120は、診療医等からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路140に出力する。入力インターフェース120は、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパネル等を含む。入力インターフェース120は、例えば、マイク等の音声入力を受け付けるユーザインターフェースであってもよい。入力インターフェース120がタッチパネルである場合、入力インターフェース120は、ディスプレイ130の表示機能を兼ね備えるものであってもよい。
【0039】
なお、本明細書において入力インターフェースはマウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
【0040】
ディスプレイ130は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ130は、処理回路140によって生成された画像や、ユーザU等の操作者からの各種の入力操作を受け付けるためのGUI等を表示する。例えば、ディスプレイ130は、LCD(Liquid Crystal Display)や、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。
【0041】
処理回路140は、例えば、取得機能141と、算出機能142と、送信機能143とを備える。処理回路140は、例えば、ハードウェアプロセッサ(コンピュータ)がメモリ(記憶回路)150に記憶されたプログラムを実行することにより、これらの機能を実現するものである。
【0042】
ハードウェアプロセッサとは、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit; ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device; SPLD)または複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device; CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array; FPGA)などの回路(circuitry)を意味する。
【0043】
メモリ150にプログラムを記憶させる代わりに、ハードウェアプロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、ハードウェアプロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。上記のプログラムは、予めメモリ150に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の非一時的記憶媒体に格納されており、非一時的記憶媒体が医用情報処理装置100のドライブ装置(不図示)に装着されることで非一時的記憶媒体からメモリ150にインストールされてもよい。
【0044】
ハードウェアプロセッサは、単一の回路として構成されるものに限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのハードウェアプロセッサとして構成され、各機能を実現するようにしてもよい。また、複数の構成要素を1つのハードウェアプロセッサに統合して各機能を実現するようにしてもよい。医用情報処理装置100におけるハードウェアプロセッサやメモリ等は、HIS10のハードウェアプロセッサやメモリ等とは別個に設けられているが、これらが共通していてもよい。
【0045】
取得機能141は、HIS10、RIS20、PACS30、モダリティ40、及びタブレット端末50により送信される情報を取得する。取得機能141は、例えば、モダリティ40により送信され、通信インターフェース110により受信される呼出要求を取得する。取得機能141は、呼出要求を取得した場合に、ユーザU及びモダリティ40のスケジュールの提供をHIS10に要求し、タブレット端末50の使用状況の提供をタブレット端末50に要求する。
【0046】
取得機能141は、例えば、HIS10により送信され、通信インターフェース110により受信されるユーザU及びモダリティ40のスケジュールを取得する。取得機能141は、例えば、タブレット端末50により送信され、通信インターフェース110により受信されるタブレット端末50の使用状況を取得する。取得機能141は、取得したタブレット端末50の使用状況に基づいて、ユーザUが行っている作業の作業内容(以下、ユーザUの実行作業内容)を確認して取得する。取得機能141は、取得部の一例である。ユーザUの実行作業内容は、ユーザの作業内容の一例である。
【0047】
算出機能142は、取得機能141により取得されたユーザU及びモダリティ40のスケジュールに基づいて、ユーザUがモダリティ40を利用して実行する検査の検査内容(以下、モダリティ40の検査内容)を確認する。モダリティ40の検査内容は、モダリティ40の稼働状態などにより確認してもよい。この場合、例えば、ユーザU及びモダリティ40のスケジュールに基づいて、ユーザUが利用しているモダリティ40との関係を確認してよい。
【0048】
モダリティ40の検査内容には、ユーザUがモダリティ40を利用している検査を行っているか否か、ユーザUが複数のモダリティ40のうちどのモダリティ40を利用しているか、などの内容も含まれる。算出機能142は、取得機能141により取得されたユーザUの実行作業内容及び確認したモダリティ40の検査内容に基づいて、複数のユーザUのそれぞれに対する通知優先度を算出する。算出機能142は、例えば、算出機能142が通知優先度を算出する際にユーザが行っている作業の内容を前記ユーザの作業内容に含めて、通知優先度を算出する。算出機能142は、算出部の一例である。
【0049】
送信機能143は、算出機能142により算出された通知優先度に基づいて、各ユーザUに通知を発する際の通知レベルを設定する。送信機能143は、設定した通知レベルの情報を含む通知情報を作成する。送信機能143は、作成した通知情報を各ユーザがそれぞれ管理するタブレット端末50に通信インターフェース110を用いて送信する。送信機能143が送信部の一例である。
【0050】
メモリ150は、例えば、第1優先順位リスト151及び第2優先順位リスト152を記憶する。第1優先順位リスト151は、ユーザUの実行作業内容に対応付けられた第1優先順位を示す情報である。第2優先順位リスト152は、モダリティ40の検査内容に対応付けられた第2優先順位を示す情報である。
【0051】
図5は、第1実施形態の第1優先順位リスト151の一例を示す図である。「通知元のコンソールの操作」に優先順位「1」が対応付けられている。また、「非操作」に優先順位「2」、「撮像画面の操作」に優先順位「3」、「医師との通話」に優先順位「4」、「患者登録」に優先順位「5」がそれぞれ対応付けられている。第1実施形態において、第1優先順位リスト151の優先順位は5段階に設定されている。優先順位により表される数値が小さくなるほど優先順位が高くなり、優先順位が高いほど、通知レベルが高くなりやすくなる。
【0052】
例えば、「通知元のコンソールの操作」を行っているユーザUは、通知元のモダリティ40に関与しているため、優先的に通知することが好適となることから、優先順位は「1」と高くされている。また、「患者登録」など、タブレット端末50から通知元以外のモダリティ40に情報を送信している場合には、重要な作業をしている可能性が高いので、優先順位は「5」と低くされている。さらに、「撮像画面操作」など、ユーザUがタブレット端末50の中だけで操作している場合には、ユーザUの作業の重要度はさほど高くない可能性が高いので、優先順位は「3」と中程度とされている。
【0053】
図6は、第1実施形態の第2優先順位リスト152の一例を示す図である。第2優先順位リスト152においては、ユーザUによる検査が「通知元のモダリティ40による検査または検査非実行」である場合に優先順位「1」が対応付けられている。また、「ドックまたは軽症患者の検査」に優先順位「2」が対応付けられている。また、「非造影検査(頭部)」に優先順位「3」、「非造影検査(頭部以外)」に優先順位「4」、「造影検査」に優先順位「4」がそれぞれ対応付けられている。第1実施形態において、第2優先順位リスト152の優先順位は5段階に設定されている。優先順位により表される数値が小さくなるほど優先順位が高くなり、優先順位が高いほど、通知レベルが高くなりやすくなる。
【0054】
例えば、「造影検査」の検査中のユーザUは、現場を離れることは難しいことから、優先順位は「4」と低くされている。なお、「造影検査」に代えてまたは加えて「息止めを伴う検査」を優先順位の低い(=「4」)の検査としてもよい。なお、「造影検査」など、ユーザUがその場を離れることが実質的に不可能である場合には、ユーザUへの通知を行わないようにしてもよい。また、「非造影検査」であれば、「造影検査」ほど、ユーザUが現場を離れにくくなることはないので、優先順位を「2」または「3」と高く設定してよい。
【0055】
「非造影検査」のうち、頭部の検査については、撮影のプランを検査の冒頭に実行した後は、ユーザUが検査に立ち会う必要性は低くなる時間帯が続くので、頭部以外の検査よりもユーザUが現場を離れに易い状況が生じ得る。このため、「非造影検査(頭部)」の優先順位を「2」、「非造影検査(頭部以外)」優先順位を「3」と設定する。さらに、「ドックや軽傷の患者」など患者の属性により、ユーザUが立ち会う必要性が高くない状況もある。このため、「ドックや軽傷の患者」の優先順位を「1」と高く設定する。
【0056】
次に、医用情報処理装置100における処理について説明する。図7は、第1実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャートである。医用情報処理装置100において、まず、取得機能141は、複数のモダリティ40のいずれかにより送信される呼出要求を取得したか否かを判定する(ステップS101)。
【0057】
呼出要求を取得していないと判定した場合、取得機能141は、ステップS101の処理を繰り返す。呼出要求を取得したと判定した場合、取得機能141は、タブレット端末50の使用状況の提供をタブレット端末50に要求し、タブレット端末50の使用状況を取得する(ステップS103)。続いて、取得機能141は、ユーザU及びモダリティ40のスケジュールの提供をHIS10に要求し、ユーザU及びモダリティ40のスケジュールを取得する(ステップS105)。
【0058】
続いて、算出機能142は、取得機能141により取得されたタブレット端末50の使用状況に基づいて、ユーザUの実行作業内容を確認する(ステップS107)。第1実施形態では、タブレット端末50の使用状況は、そのままユーザUの実行作業内容を意味することになる。続いて、算出機能142は、取得機能141により取得されたユーザU及びモダリティ40のスケジュールに基づいて、モダリティ40の検査内容を確認する(ステップS109)。
【0059】
続いて、算出機能142は、確認したユーザUの実行作業内容及びモダリティ40の検査内容に基づいて、ユーザUごとの通知優先度を算出する(ステップS111)。算出機能142は、例えば、ユーザUの実行作業内容及びモダリティ40の検査内容にそれぞれ第1優先順位及び第2優先順位を設定し、設定した第1優先順位及び第2優先順位を利用して通知優先度を算出する。算出機能142は、例えば、以下の手順で通知優先度を算出する。
【0060】
図8は、第1実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャートである。図8は、通知優先度を算出する処理を示している。まず、算出機能142は、ステップS107で確認したユーザUの実行作業内容を第1優先順位リスト151に参照する。算出機能142は、第1優先順位リスト151にユーザUの実行作業内容を参照した結果に基づいて、ユーザUの実行作業内容に応じた第1優先順位を取得する(ステップS201)。
【0061】
続いて、算出機能142は、ステップS109で確認したモダリティ40の検査内容を第2優先順位リスト152に参照する。算出機能142は、第2優先順位リスト152にモダリティ40の参照した結果に基づいて、モダリティ40の検査内容に応じた第2優先順位を取得する(ステップS203)。
【0062】
続いて、算出機能142は、取得した第1優先順位リスト151及び第2優先順位リスト152に基づいて、通知優先度を算出する(ステップS205)。算出機能142は、例えば、第1優先順位が示す数値と、第2優先順位が示す順位を加算することにより、通知優先度を算出する。こうして、医用情報処理装置100は、図8に示す処理を終了する。
【0063】
算出機能142は、他の算出方法で通知優先度を算出してもよい。算出機能142は、例えば。第1優先順位と第2優先順位を乗じて通知優先度を算出してもよいし、所定の係数を乗じた第1優先順位及び第2優先順位加算または乗算して通知優先度を算出してもよい。
【0064】
図7に示すフローに戻り、算出機能142がユーザUごとの通知優先度を算出した後、送信機能143は、算出機能142により算出された通知優先度に基づいて、複数のユーザUに対して、それぞれ通知レベルを設定する。送信機能143は、通知優先度が高いほど、高い通知レベルを設定する。送信機能143は、算出機能142により算出された通知優先度を相対的に評価した結果に基づいて通知レベルを設定する。
【0065】
例えば、第1ユーザの通知優先度が「1」、第2ユーザの通知優先度が「4」、第3ユーザの通知優先度が「6」である場合、第1ユーザの通知レベルを「3」、第2ユーザの通知レベルを「2」、第3ユーザの通知レベルを「1」に設定する。送信機能143は、どのように通知レベルを設定してもよい。送信機能143は、例えば、ユーザUの数と通知レベルの数が例えば「3」で同数であり、それぞれの通知優先度が異なる場合に、通知優先度が高い順に通知レベルを「3」「2」「1」と設定してよい。
【0066】
送信機能143は、ユーザUの通知優先度の並びに対して通知レベルの並びが合致していれば、通知レベルをどのように設定してもよい。例えば、送信機能143は、通知優先度が異なるユーザUが二人である場合に、通知レベルをそれぞれ「3」「2」と設定したり、「3」「1」と設定したり、「2」「1」と設定したりしてよい。
【0067】
続いて、送信機能143は、設定した通知レベルの情報を含む通知情報を生成する。送信機能143は、生成した通知情報を、複数のユーザUのそれぞれが管理するタブレット端末50に送信する(ステップS115)。その後、医用情報処理装置100は、図7に示す処理を終了する。
【0068】
送信機能143により送信されて通知情報を受信したタブレット端末50は、送信された通知情報に含まれる通知レベルに応じた通知を実行する。タブレット端末50は、通知情報に含まれる通知レベルが「3」の場合には、スピーカ56の音声、バイブレータ57の強い振動、及び発光装置58の発光による通知を行う。タブレット端末50は、通知情報に含まれる通知レベルが「2」の場合には、スピーカ56の音声及びバイブレータ57の中程度の振動による通知を行う。タブレット端末50は、通知情報に含まれる通知レベルが「1」の場合には、バイブレータ57の弱い振動による通知を行う。
【0069】
第1実施形態の医用情報処理装置100は、モダリティ40がユーザUを呼び出す呼出要求を送信した場合に、複数のユーザUに対して呼出通知を行う。このため、モダリティ40に異変が生じるなどしてユーザUがモダリティ40に対応する必要が生じた場合に、早急にユーザUがモダリティ40の対応をできるようにすることができる。
【0070】
さらに、第1実施形態の医用情報処理装置100は、複数のユーザUに呼出通知を送信する際に、呼出通知に通知レベルを設定した、通知レベルに応じた態様で通知を行う。このため、呼出通知を受けたユーザUは、自分がどの程度必要とされているかを認識することができる。したがって、モダリティ40の対応に適切であるユーザUが対応できるようにすることができる。
【0071】
タブレット端末50には、当該タブレット端末50を操作するユーザUや他のユーザUが管理するタブレット端末50に対する通知を終了させる終了ボタンが設けられていてもよい。呼出要求を出力したモダリティ40に到達したユーザUが終了ボタンを操作することにより、過度にユーザUが呼出要求を出力したモダリティ40に集結する事態を抑制することができる。
【0072】
(第1実施形態の変形例)
次に、第1実施形態の変形例について説明する。変形例では、通知優先度を算出する手順が第1実施形態と主に異なる。変形例では、モダリティ40による検査内容に応じて、通知優先度を調整する。例えば、具体的に、変形例では、モダリティ40で行われている検査がマンモグラフィ検査(以下、マンモ検査)である場合に、女性技師のユーザUの通知優先度を高く調整する。あるいは、モダリティ40が子供などの低年齢者や高齢者の検査を行う場合に、その年齢の被検体に適した技師のユーザUの通知優先度を高く調整するようにしてもよい。
【0073】
モダリティ40は、マンモ検査を行っている場合に呼出要求を送信する場合には、その旨を呼出要求に付加する。さらに、医用情報処理装置100により管理されるユーザUの情報には、ユーザUの属性として、ユーザUの性別が含まれている。以下、第1実施形態との相違点を中心として変形例について説明する。
【0074】
図9は、変形例の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャートである。変形例において、医用情報処理装置100は、まず、算出機能142において、ユーザUの実行作業内容に応じた第1優先順位を取得する(ステップS301)。算出機能142は、続いて、モダリティ40の検査内容に応じた第2優先順位を取得する(ステップS303)。ここまでは、第1実施形態と同様である。
【0075】
続いて、算出機能142は、通知元のモダリティ40により送信された呼出要求を参照し、通知元のモダリティ40により行われている検査がマンモ検査であるか否かを判定する(ステップS305)。その結果、通知元のモダリティ40により行われている検査がマンモ検査でないと判定した場合には、算出機能142は、処理をステップS309に進める。
【0076】
また、通知元のモダリティ40により行われている検査がマンモ検査である判定した場合、算出機能142は、女性技師であるユーザUの第1優先順位を高める(ステップS307)。この場合、算出機能142は、どのようにして女性技師であるユーザUの第1優先順位を高めてもよい。算出機能142は、例えば、女性技師であるユーザUの第1優先順位を1段階高めてもよい。
【0077】
その後、算出機能142は、第1実施形態と同様、ステップS301取得した第1優先順位リスト151及びステップS303またはステップS305で取得した第2優先順位リスト152に基づいて、通知優先度を算出する(ステップS309)。こうして、医用情報処理装置100は、図9に示す処理を終了する。
【0078】
変形例の医用情報処理装置100では、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。さらに、変形例の医用情報処理装置100では、通知元のモダリティ40で行われている検査がマンモ検査である場合に、女性技師の優先順位を高くしている。このため、マンモ検査に対して女性技師を優先して対応させるようにすることができるので、さらに、モダリティ40の対応に適切であるユーザUが対応できるようにすることができる。
【0079】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態の医用情報処理装置100は、第1実施形態の医用情報処理装置100と比較して、複数のユーザに対する通知優先度が同一である場合の処理が主に異なり、装置構成については共通する。以下、第1実施形態との相違点を中心に、第2実施形態について説明する。
【0080】
第2実施形態の医用情報処理装置100は、図7に示すフローチャートに沿って処理を実行し、通知レベルを設定する処理(ステップS113)が第1実施形態と異なる。ここでは、第2実施形態の医用情報処理装置100の処理、特に、図7のステップS113に相当する処理について説明する。
【0081】
図10は、第2実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャートである。図10は、第2実施形態の医用情報処理装置100における図7のステップS113に相当する処理を示している。算出機能142が、第1実施形態と同様に、複数のユーザUに対して、それぞれ第1優先順位と第2優先順位を設定した後、第1優先順位及び第2優先順位に基づいて、複数のユーザUのそれぞれに対する通知優先度を算出する。送信機能143は、算出機能142が通知優先度を算出した後、図10に示す処理を実行する。
【0082】
算出機能142により通知優先度が算出された後、送信機能143は、通知レベルが設定されていない複数のユーザUの中から、通知優先度が最も高いユーザUを選択する(ステップS401)。続いて、送信機能143は、選択したユーザUの通知優先度と同じ通知優先度のユーザUが存在するか否かを判定する(ステップS403)。
【0083】
送信機能143は、選択したユーザUの通知優先度と同じ通知優先度のユーザUが存在すると判定したとする。この場合、複数のユーザUに対する通知優先度が共通であることとなる。送信機能143は、選択したユーザU及びの通知優先度と同じ通知優先度のユーザUに対して、選択対象となる複数の通知レベル、ここでは、設定されていない通知レベルの中で最も高い通知レベルを設定する(ステップS405)。最も高い通知レベルは、ユーザに与えられる刺激が最も強くなる通知レベルである。
【0084】
一方、ステップS403において、送信機能143は、選択したユーザUの通知優先度と同じ通知優先度のユーザUが存在しないと判定したとする。この場合、送信機能143は、選択したユーザUに対して、設定されていない通知レベルの中で最も高い通知レベルを設定する(ステップS407)。
【0085】
続いて、送信機能143は、全てのユーザUに対する通知レベルの設定が完了したか否かを判定する(ステップS409)。全てのユーザUに対する通知レベルの設定が完了したと送信機能143が判定した場合、医用情報処理装置100は、図10に示す処理を終了する。全てのユーザUに対する通知レベルの設定が完了していないと判定した場合、送信機能143は、処理をステップS401に戻す。こうして、医用情報処理装置100は、図10に示す処理を終了する。
【0086】
第2実施形態の医用情報処理装置100は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。さらに、第2実施形態の医用情報処理装置100は、通知優先度が同一であるユーザUに対して、同一の通知レベルを設定する。このため、通知優先度が同一のユーザUに対して、優劣なく通知をすることができる。その結果、モダリティ40の対応により適切であるユーザUが対応できるようにすることができる。
【0087】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態の医用情報処理装置100は、第1実施形態の医用情報処理装置100がモダリティ40から独立して設けられているのに対して、モダリティ40に内蔵されている点で主に異なる。以下、第1実施形態との相違点を中心に第3実施形態について説明する。
【0088】
図11は、第3実施形態の病院内システム1の構成の一例を示すブロック図である。第3実施形態の病院内システム1は、モダリティ40として、医用情報処理装置100が内蔵された特定モダリティ41と、医用情報処理装置100を備えない通常モダリティ42と、を備える。医用情報処理装置100は、例えば、特定モダリティ41におけるコンソール内に設けられている。
【0089】
第3実施形態の病院内システム1は、1つの特定モダリティ41と、複数の通常モダリティ42を備える。特定モダリティ41は、医用情報処理装置100を備えるほかは、通常モダリティ42とほぼ同様の構成を備える。通常モダリティ42は、第1実施形態におけるモダリティ40と同様の構成を備える。
【0090】
第3実施形態の病院内システム1における医用情報処理装置100は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。また、第3実施形態の医用情報処理装置100は、モダリティ40(特定モダリティ41)に内蔵されている。このため、独立した医用情報処理装置100を設置するためのスペースを削減することができる。第3実施形態において、病院内システム1は、1つの特定モダリティ41と複数の通常モダリティ42を備えるが、特定モダリティ41と通常モダリティ42の数は適宜異なってもよい。例えば、病院内システム1は、複数の特定モダリティ41を備えてもよいし、単数の通常モダリティ42を備えてもよい。
【0091】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態の医用情報処理装置100は、第1実施形態の医用情報処理装置100と比較して、ユーザの実行作業内容を確認する態様が主に異なり、装置構成については共通する。以下、第1実施形態との相違点を中心に、第4実施形態について説明する。
【0092】
図12は、第4実施形態の医用情報処理装置100における処理の一例を示すフローチャートである。第4実施形態の医用情報処理装置100は、第1実施形態と同様、まず、取得機能141において、呼出要求を取得したか否かを判定し(ステップS501)、呼出要求を取得するまでステップS501の処理を繰り返す。
【0093】
続いて、第1実施形態では、取得機能141は、タブレット端末50の使用状況を取得する。これに対して、第4実施形態では、取得機能141は、タブレット端末50の使用状況を取得することなく、ユーザU及びモダリティ40のスケジュールの提供をHIS10に要求し、ユーザU及びモダリティ40のスケジュールを取得する(ステップS503)。
【0094】
続いて、算出機能142は、タブレット端末50の使用状況ではなく、取得機能141により取得されたユーザU及びモダリティ40のスケジュールに基づいて、ユーザUの実行作業内容を確認する(ステップS505)。算出機能142は、例えば、現在時刻をユーザU及びモダリティ40のスケジュールに参照することによりユーザUの実行作業内容を確認する。
【0095】
その後は、第1実施形態と同様、算出機能142は、モダリティ40の検査内容を確認し(ステップS507)、続いて、ユーザごとの通知優先度を算出する(ステップS509)。さらに、送信機能143は、通知優先度に基づいて通知レベルを設定し(ステップS511)、設定レベルを含む通知情報をタブレット端末50に送信する(ステップS513)。こうして、第4実施形態の医用情報処理装置100は、図12に示す処理を終了する。
【0096】
第4実施形態の医用情報処理装置100は、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏する。さらに、第4実施形態の医用情報処理装置100は、ユーザU及びモダリティ40のスケジュールに基づいて、ユーザUの実行作業内容を確認する。このため、タブレット端末50に使用状況の提供を要求したり、タブレット端末50により送信されるタブレット端末50の使用状況を受信したりする処理を省略することができる。したがって、第1実施形態と比較して、装置及び処理の簡素化を図ることができる。
【0097】
第4実施形態において、医用情報処理装置100は、ユーザU及びモダリティ40のスケジュールに基づいて、ユーザUの現在の実行作業内容を確認する。これに対して、医用情報処理装置100は、ユーザUの現在の実行作業内容に代えてまたは加えて、ユーザUの将来の実行作業内容を確認してもよい。この場合、算出機能142は、ユーザUが将来行う予定の作業の内容をユーザの作業内容に含めて、通知優先度を算出してよい。
【0098】
タブレット端末の使用状況だけでは、ユーザUの将来の実行作業内容を確認することが難しいが、ユーザU及びモダリティ40のスケジュールに基づくことにより、ユーザUの将来の実行作業内容を推定(確認)することができる。ユーザUが将来行う予定の作業の内容をユーザの作業内容に含めて、通知優先度を算出することにより、複数のユーザUの通知優先度をより適切に設定することができる。
【0099】
上記各実施形態において、ユーザUは技師としているが、ユーザUは技師以外のものでもよい。ユーザUは、例えば、医師でもよいし看護師でもよい。また、上記実施形態において、呼出要求は、モダリティ40により送信されるが、呼出要求は、モダリティ40以外のものにより送信されてもよい。呼出要求は、例えば、モダリティ40に対処するユーザがさらに多くの人員を必要とする場合に、モダリティ40に対処中のユーザUのタブレット端末50により送信されてもよい。
【0100】
上記各実施形態において、呼出要求は、検査中にユーザUによる処置が必要となった場合に送信されるが、検査中にユーザUによる処置が必要となった場合以外の場合に送信されてもよい。呼出要求は、例えば、被検体の検査の終了が近づき、検査の終了によりユーザUの対応が必要となる場合に送信されてもよい。
【0101】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、医用画像診断装置にユーザを呼び出す呼出要求を取得する取得部と、複数のユーザがそれぞれ管理する複数の端末の使用状況または前記ユーザの作業内容のうち少なくともいずれかに基づいて、複数の前記ユーザのそれぞれに対する通知優先度を算出する算出部と、前記通知優先度に応じた呼出通知を前記端末に出力させる通知情報を複数の前記端末に送信する送信部と、を持つことにより、適切な技師等が対応できるようにすることができる。
【0102】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0103】
1…病院内システム
10…病院情報システム(HIS)
20…放射線科情報システム(RIS)
30…画像保存通信システム(PACS)
40…医用画像診断装置(モダリティ)
40…モダリティ
41…特定モダリティ
42…通常モダリティ
50…タブレット端末
51…通信インターフェース
52…タッチパネル
53…制御回路
54…通知装置
55…メモリ
56…スピーカ
57…バイブレータ
58…発光装置
59…通知方法リスト
100…医用情報処理装置
110…通信インターフェース
120…入力インターフェース
130…ディスプレイ
140…処理回路
141…取得機能
142…算出機能
143…送信機能
150…メモリ
151…第1優先順位リスト
152…第2優先順位リスト
NW…ネットワーク
U…ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12