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特開2024-100066タスクスケジューリング支援方法及びタスクスケジューリング支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100066
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】タスクスケジューリング支援方法及びタスクスケジューリング支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20240719BHJP
   G06Q 10/0631 20230101ALI20240719BHJP
【FI】
G16H40/20
G06Q10/0631
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003780
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 邦将
(72)【発明者】
【氏名】楠嶺 生宏
(72)【発明者】
【氏名】谷中 聖志
(72)【発明者】
【氏名】大塚 浩
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L049AA09
5L099AA02
(57)【要約】
【課題】タスクスケジューリングを支援する。
【解決手段】タスク(手術)の内容を示すタスク情報と、タスクに対して過去に割り当てられた医療機関のリソースを示すリソース情報と、を関連付けた過去データから、タスクに対してリソースを割り当てる際の制約条件を生成し(矢印G)、生成した制約条件それぞれについて、当該制約条件を適用できるタスク情報が過去データに存在する割合を示す使用率と、過去データにおいて当該制約条件を適用できるタスク情報に割当てられたリソースが当該制約条件を充足している割合を示す充足率と、を算出し(矢印H)、充足率と使用率とに基づいて制約条件のリストを作成し(矢印I、矢印J)、表示する。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タスクの内容を示すタスク情報と、前記タスクに対して過去に割り当てられたリソースを示すリソース情報と、を関連付けた過去データから、タスクに対してリソースを割り当てる際の制約条件を生成し、
生成した前記制約条件それぞれについて、当該制約条件を適用できるタスク情報が前記過去データに存在する割合を示す使用率と、前記過去データにおいて当該制約条件を適用できるタスク情報に割当てられたリソースが当該制約条件を充足している割合を示す充足率と、を算出し、
前記使用率と前記充足率とに基づいて前記制約条件のリストを作成し、表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするタスクスケジューリング支援方法。
【請求項2】
前記使用率は、前記過去データに含まれるタスク情報をリソースの割当タイミング又はタスクの実施タイミングごとに分けた複数グループのうち、前記制約条件を適用できるタスク情報が含まれているグループの割合である、ことを特徴とする請求項1に記載のタスクスケジューリング支援方法。
【請求項3】
前記リストを作成する際に、前記使用率と前記充足率から算出される値に基づく順番で前記制約条件を並べたリストを作成する、ことを特徴とする請求項1に記載のタスクスケジューリング支援方法。
【請求項4】
前記過去データを用いて、既存の制約条件それぞれの前記使用率と前記充足率と、を算出するとともに、算出した前記既存の制約条件それぞれの前記使用率と前記充足率に基づいて前記使用率と前記充足率それぞれの閾値を決定する処理を前記コンピュータが実行し、
前記リストを作成する際に、生成した前記制約条件のうち、前記使用率と前記充足率が前記閾値以上の制約条件を含むリストを作成する、ことを特徴とする請求項1に記載のタスクスケジューリング支援方法。
【請求項5】
前記閾値を決定する処理において、算出した前記既存の制約条件それぞれの前記充足率のうち最も小さい値を前記充足率の閾値として決定し、算出した前記既存の制約条件それぞれの前記使用率のうち最も小さい値を前記使用率の閾値として決定する、ことを特徴とする請求項4に記載のタスクスケジューリング支援方法。
【請求項6】
新たなタスク情報の入力を受け付ける処理を前記コンピュータが実行し、
前記リストを作成する際に、前記新たなタスク情報に対応する制約条件以外の制約条件を除外したリストを作成する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のタスクスケジューリング支援方法。
【請求項7】
前記制約条件を生成する際に、アソシエーション分析により、前記過去データから前記制約条件を生成する、ことを特徴とする請求項1に記載のタスクスケジューリング支援方法。
【請求項8】
前記タスクは手術であり、前記リソースは医療機関のリソースである、ことを特徴とする請求項1に記載のタスクスケジューリング支援方法。
【請求項9】
タスクの内容を示すタスク情報と、前記タスクに対して過去に割り当てられたリソースを示すリソース情報と、を関連付けた過去データから、タスクに対してリソースを割り当てる際の制約条件を生成し、
生成した前記制約条件それぞれについて、当該制約条件を適用できるタスク情報が前記過去データに存在する割合を示す使用率と、前記過去データにおいて当該制約条件を適用できるタスク情報に割当てられたリソースが当該制約条件を充足している割合を示す充足率と、を算出し、
前記使用率と前記充足率とに基づいて前記制約条件のリストを作成し、表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするタスクスケジューリング支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タスクスケジューリング支援方法及びタスクスケジューリング支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療機関(病院等)において手術スケジューリングを行う場合、例えば、担当者が手術情報を確認し、当該手術情報に対して医療機関のリソース(手術室、手術機器、医師、看護師等)を割り当てる作業を行うことがある。
【0003】
この作業を実施する担当者は、手術を適切に行うために必須となるリソースを割り当てるための制約条件(必須制約条件)を漏れなく考慮する必要がある。この必須制約条件には、予め定められたルールなどに関する制約条件や、熟練担当者の知識や経験から得られた制約条件が含まれるため、各担当者が必須制約条件を全て漏らさずに把握することは難しい。
【0004】
従来、制約を列挙した制約リストにおいて、制約ごとに分類(優先度)を付与する技術が知られている(例えば特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014-86022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1には、制約を評価する方法として、制約を充足する割合(制約充足度)を評価する方法が開示されている。しかしながら、充足度が高い制約条件であっても、上記手術スケジューリングにおける必須制約条件とはならない可能性がある。
【0007】
1つの側面では、本発明は、タスクスケジューリングにおいて有用な情報を提示することが可能なタスクスケジューリング支援方法及びタスクスケジューリング支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの態様では、タスクスケジューリング支援方法は、タスクの内容を示すタスク情報と、前記タスクに対して過去に割り当てられたリソースを示すリソース情報と、を関連付けた過去データから、タスクに対してリソースを割り当てる際の制約条件を生成し、生成した前記制約条件それぞれについて、当該制約条件を適用できるタスク情報が前記過去データに存在する割合を示す使用率と、前記過去データにおいて当該制約条件を適用できるタスク情報に割当てられたリソースが当該制約条件を充足している割合を示す充足率と、を算出し、前記使用率と前記充足率とに基づいて前記制約条件のリストを作成し、表示する、処理をコンピュータが実行するタスクスケジューリング支援方法である。
【発明の効果】
【0009】
タスクスケジューリングにおいて有用な情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1、第2の実施形態に係る医療システムの構成を概略的に示す図である。
図2図2(a)は、サーバのハードウェア構成の一例を示す図であり、図2(b)は、利用者端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る利用者端末及びサーバの機能ブロック図である。
図4図4(a)は、手術情報DBのデータ構造を示す図であり、図4(b)は、過去データDBのデータ構造を示す図であり、図4(c)は、分析結果DBのデータ構造を示す図である。
図5図5(a)は、新規制約条件DBのデータ構造を示す図であり、図5(b)は、基準値DBのデータ構造を示す図であり、図5(c)は、必須制約条件リストを示す図である。
図6】第1の実施形態に係るサーバの処理を示すフローチャートである。
図7】第1の実施形態の処理の概要を示す図である。
図8】第2の実施形態に係る利用者端末及びサーバの機能ブロック図である。
図9図9(a)は、既知条件DBのデータ構造を示す図であり、図9(b)は、既知の制約条件の使用率と充足率を算出した結果を示す図であり、図9(c)は、必須閾値DBを示す図である。
図10図10(a)は、新規制約条件DBのデータ構造を示す図であり、図10(b)及び図10(c)は、基準値DBのデータ構造を示す図であり、図10(d)は、必須制約条件リストを示す図である。
図11】第2の実施形態に係るサーバの処理を示すフローチャートである。
図12】第2の実施形態の処理の概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
《第1の実施形態》
以下、医療システムの第1の実施形態について、図1図7に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1には、第1の実施形態に係る医療システム100の構成が示されている。医療システム100は、医療機関(病院等)において利用されるシステムである。医療システム100は、図1に示すように、サーバ10と、複数の利用者端末70と、を備える。サーバ10と、利用者端末70の間は、インターネットやLAN(Local Area Network)などのネットワーク80に接続されている。
【0013】
サーバ10は、利用者端末70において行われるタスクスケジューリング(本実施形態では手術スケジューリング)処理を支援する情報処理装置である。より具体的には、サーバ10は、利用者端末70に対して、手術スケジューリング処理において用いる制約条件(必須制約条件)のリストを作成し、出力する処理を実行する。
【0014】
図2(a)には、サーバ10のハードウェア構成が示されている。図2(a)に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、ストレージ(例えば、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)など)96、ネットワークインタフェース97、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これらサーバ10の構成各部は、バス98に接続されている。サーバ10では、ROM92或いはストレージ96に格納されているプログラム(手術スケジューリング支援プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラムをCPU90が実行することにより、図3に示す各部の機能が実現されている。なお、図3の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0015】
利用者端末70は、医療機関において手術スケジューリングを行う担当者が利用する端末(PCやスマートフォンなど)である。担当者は、利用者端末70を用いて、所定期間ごと(例えば1日ごとや1週間ごと)に、実施予定の手術情報に対して医療機関のリソース(手術室や手術器機、看護師など)を割り当てる処理を実行する。
【0016】
図2(b)には、利用者端末70のハードウェア構成が示されている。図2(b)に示すように、利用者端末70は、CPU190、ROM192、RAM194、ストレージ196、ネットワークインタフェース197、表示部193、入力部195、及び可搬型記憶媒体用ドライブ199等を備えている。表示部193は液晶ディスプレイ等を含み、入力部195はキーボードやマウス、タッチパネル等を含む。これら利用者端末70の構成各部は、バス198に接続されている。利用者端末70では、ROM192あるいはストレージ196に格納されているプログラム、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ199が可搬型記憶媒体191から読み取ったプログラムをCPU190が実行することにより、図3に示す各部の機能が実現されている。
【0017】
(利用者端末70及びサーバ10それぞれの機能について)
図3には、利用者端末70とサーバ10の機能ブロック図が示されている。
【0018】
(利用者端末70)
利用者端末70においては、CPU190(図2(b))がプログラムを実行することにより、入力受付部72、リスト依頼部74、及びリスト表示処理部76、としての機能が実現されている。
【0019】
入力受付部72は、担当者によって入力される手術情報(例えば当日に予定されている手術情報)を取得し、サーバ10に送信する処理を実行する。入力受付部72が取得した手術情報は、サーバ10が有する手術情報DB20に格納される。手術情報DB20には、例えば、図4(a)に示すようなデータが格納される。具体的には、手術情報DB20には、図4(a)に示すように、「ID」、「手術日時」、「手術情報」の各情報が関連付けて格納される。「ID」には、手術の識別情報が格納され、「手術日時」には手術の実施予定日時が格納される。また、「手術情報」には、手術の内容を示す情報、例えば手術を実施する診療科や手術の術式などが格納される。
【0020】
図3に戻り、リスト依頼部74は、入力受付部72が手術情報を取得すると、サーバ10に対して必須制約条件リストの作成を依頼する。
【0021】
リスト表示処理部76は、サーバ10において作成された必須制約条件リストを取得し、表示部193上に表示する。担当者は、表示部193に表示された必須制約条件リストを確認しながら、実施予定の手術に対して医療機関のリソースを割り当てる作業を行うことができる。
【0022】
(サーバ10)
サーバ10においては、CPU90(図2(a))がプログラムを実行することにより、新規制約条件生成部12、基準値算出部14、必須制約条件リスト作成部16、としての機能が実現されている。
【0023】
新規制約条件生成部12は、過去データDB22に格納されているデータを用いて新規制約条件を生成する。ここで、過去データDB22には、図4(b)に示すように、過去に実施された手術情報と、各手術情報に割り当てられたリソースの情報(手術室番号や看護師数など)とが格納されている。具体的には、過去データDB22には、「ID」、「手術日時」、「手術情報」、「手術室番号」、「看護師数」、…の各情報が関連付けて格納される。「ID」には、手術の識別情報が格納され、「手術日時」には、手術の実施日時が格納され、「手術情報」には、手術の内容を示す情報が格納される。また、「手術室番号」には、手術情報に対して割り当てられた手術室の識別番号が格納され、「看護師数」には、手術情報に対して割り当てられた看護師の数が格納される。なお、過去データDB22には、一例として過去1か月分のデータが格納されているものとする。
【0024】
新規制約条件生成部12は、図4(b)に示すような過去データに含まれる手術情報と、リソースの情報(手術室番号や看護師数など)との関係性をアソシエーション分析等を用いて分析する。この分析結果は、図4(c)に示すような分析結果DB24に格納される。分析結果DB24には、「ID」、「手術情報」、「リソース」、「リフト値」が関連付けて格納される。「ID」には関係性の識別情報が格納され、「手術情報」及び「リソース」には関係性のある手術情報とリソース情報とが格納される。また、「リフト値」には、アソシエーション分析により得られたリフト値が格納される。リフト値は、2事象(本実施形態では、手術情報とリソース)の関連性の強さを示す指標であり、一方の事象生起がもう一方の事象生起をどれだけ促進させるかを示す値である。なお、リフト値が所定値(本実施形態では1.0とする)以上である場合には、手術情報とリソース情報との間に相関があると考えられる。
【0025】
したがって、新規制約条件生成部12は、リフト値が1.0以上の手術情報とリソース情報に基づいて、新規制約条件を生成し、図5(a)に示す新規制約条件DB26に格納する。例えば、図4(c)の1行目の関係性Aのリフト値は、1.0以上であることから、新規制約条件生成部12は、手術情報「診療科B」とリソース「手術室4」を用いて、図5(a)に示すように「診療科Bは手術室4を割り当てる」を生成する。同様に、新規制約条件生成部12は、図4(c)の2、3行目の関係性B、Cに基づいて、図5(a)の「新規制約条件B」、「新規制約条件C」のように、「術式fは手術室3を割り当てる」、「術式eは看護師を3人割り当てる」を生成する。なお、図4(c)の4行目の関係性Dは、リフト値が0.8であり1.0未満であるため、この関係性Dからは新規制約条件は生成されない。
【0026】
図3に戻り、基準値算出部14は、図5(a)の新規制約条件DB26に格納された新規制約条件それぞれについての基準値(使用率と充足率)を、過去データDB22に格納されている過去データに基づいて算出する。
【0027】
ここで、使用率は、過去データDB22において、生成された新規制約条件を適用できる手術が存在していた日が、全日数に対して占める割合を意味する。ある新規制約条件を適用可能な手術が毎日存在している場合には、使用率は100%であり、1日おきにしか適用可能な手術が存在していない場合には、使用率は50%である。すなわち、使用率は、新規制約条件を将来の各日において使用するであろう可能性を示す値であるともいえる。なお、本実施形態においては、過去データDB22に含まれる手術情報を手術の実施日ごとに複数グループに分け、その複数グループのうち、新規制約条件を適用できる手術が含まれているグループの割合を使用率とすることとしている。
【0028】
なお、使用率を計算する際に使用有無(新規制約条件を適用可能な手術の有無)を判断する単位(グループを生成する単位)は、日毎でなくてもよい。例えば、週ごとに手術スケジューリングを実施する場合には、週単位で使用有無を判断してもよい。また、手術スケジューリングの実施間隔とは関係なく、使用有無を判断する期間を設定してもよい。例えば、1日ごとに手術スケジューリングを実施する場合において、使用有無を判断する期間(グループを生成する単位)を2日や3日などとしてもよいし、半日などとしてもよい。
【0029】
一方、充足率は、過去データDB22において、生成された新規制約条件を適用できる手術と、当該手術に対して割当てられたリソースとの関係が、当該新規制約条件を充足している割合を意味する。例えば、図5(a)の新規制約条件Aの場合、診療科Bの手術に対して、毎回手術室4が割り当てられていれば、充足率は100%となる。また、診療科Bの手術に対して、手術室3,4が交互に割当てられているような場合には、充足率は50%となる。
【0030】
基準値算出部14は、各新規制約条件の基準値(使用率、充足率)の算出結果を基準値DB28(図5(b))に格納する。図5(b)の基準値DB28には、新規制約条件DB26の「ID」及び「内容」と対応付けて、「使用率」及び「充足率」が格納される。
【0031】
必須制約条件リスト作成部16は、利用者端末70に入力され、手術情報DB20に格納された手術内容に対して使用可能な新規制約条件を基準値DB28から抽出する。そして、必須制約条件リスト作成部16は、抽出した新規制約条件を表示する必須制約条件リストを作成する。例えば、図5(b)の基準値DB28の新規制約条件Bで規定されている「術式f」が、図4(a)の手術情報DB20の「手術情報」の中に存在しなかった場合、必須制約条件リスト作成部16は、新規制約条件B以外の新規制約条件を抽出する。そして、必須制約条件リスト作成部16は、抽出した新規制約条件を並べた必須制約条件リスト(図5(c)参照)を作成する。このとき、必須制約条件リスト作成部16は、各新規制約条件の基準値に基づく順番に沿って、新規制約条件を並べ替える。例えば、必須制約条件リスト作成部16は、新規制約条件それぞれについて、使用率と充足率を合算し、その値が大きい順に新規制約条件を並べ替える。ただし、使用率と充足率から得られるその他の値を算出し、その値に基づいて新規制約条件を並べ替えてもよい。例えば、使用率と充足率の積を用いてもよいし、使用率と充足率それぞれに所定の重み係数を掛け、それらを合算した値を用いてもよい。
【0032】
必須制約条件リスト作成部16は、作成した必須制約条件リストを利用者端末70のリスト表示処理部76に対して送信する。
【0033】
(サーバ10の処理について)
次に、サーバ10の処理について、図6のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。なお、図7には、サーバ10の処理の概要が示されている。
【0034】
図6の処理が開始されると、まず、ステップS10において、新規制約条件生成部12は、利用者端末70のリスト依頼部74から、必須制約条件リストの作成依頼があるまで待機する。なお、リスト依頼部74から必須制約条件リストの作成依頼がある段階では、入力受付部72は実施予定の手術情報を既に取得しており、当該手術情報は手術情報DB20に格納されている。
【0035】
リスト依頼部74からの依頼があると、ステップS14に移行し、新規制約条件生成部12は、新規制約条件を生成する(図7の矢印A参照)。この場合、新規制約条件生成部12は、図7において太線枠αで示す手術情報と、太線枠βで示すリソースの情報とをアソシエーション分析して関係性を分析し、各関係性のリフト値を算出する(図7の分析結果DB24参照)。そして、新規制約条件生成部12は、図7の太線枠γで示すリフト値を参照して、リフト値が所定値(例えば1.0)以上である関係性を抽出して、新規制約条件を生成し、新規制約条件DB26に格納する(図7の矢印B参照)。
【0036】
次いで、ステップS16において、基準値算出部14は、過去データDB22を参照して、生成した新規制約条件の使用率及び充足率を算出する(図7の矢印C参照)。基準値算出部14は、新規制約条件DB26の各新規制約条件に使用率及び充足率(図7の太線枠δ及びε)を対応付けて、基準値DB28に格納する。
【0037】
次いで、ステップS18において、必須制約条件リスト作成部16は、必須制約条件リストの作成及び提示を行う。この場合、必須制約条件リスト作成部16は、基準値DB28の「内容」において、主語を形成している名詞(診療科B、術式f、術式e)を抽出し(太破線枠参照)、抽出した名詞が手術情報DB20の「手術情報」に含まれているかを確認する。そして、必須制約条件リスト作成部16は、新規制約条件の「内容」から抽出した名詞が手術情報DB20に含まれていれば、その新規制約条件を必須制約条件リストに掲載する。一方、必須制約条件リスト作成部16は、新規制約条件の「内容」から抽出した名詞が手術情報DB20に含まれていなければ、その新規制約条件を必須制約条件リストに掲載しないようにする(図7の矢印D参照)。図7の例では、新規制約条件Bから抽出される主語を形成する名詞「術式f」が手術情報DB20に無かったとして、新規制約条件Bを必須制約条件リストに掲載しないこととしている。
【0038】
また、必須制約条件リスト作成部16は、必須制約条件リストに掲載する新規制約条件を、使用率と充足率から求まる値(例えば使用率と充足率の和)が大きい順に並べ替えて、必須制約条件リストを作成する。
【0039】
そして、必須制約条件リスト作成部16は、作成した必須制約条件リストを利用者端末70に送信する。利用者端末70のリスト表示処理部76は、必須制約条件リストを受信すると、表示部193上に必須制約条件リストを表示する。
【0040】
以上説明したように、本第1の実施形態によると、新規制約条件生成部12は、手術の内容を示す手術情報と、手術に対して過去に割り当てられた医療機関のリソースを示すリソース情報と、を関連付けた過去データDB22から、新規制約条件を生成する。また、基準値算出部14は、生成した新規制約条件それぞれの使用率と充足率を算出する。そして、必須制約条件リスト作成部16は、使用率と充足率とに基づく順番で新規制約条件を並べ替えて、必須制約条件リストを作成し、利用者端末70に出力する。これにより、過去データDB22に格納されている過去データから新規制約条件を生成し、新規制約条件が使用率と充足率を考慮した順番に並べられたリストを手術スケジューリングを実施する担当者に提示することができる。この場合、使用率と充足率の合計が大きい順に新規制約条件を上から並べれば、充足すべき重要度の高い条件ほどリストの上に表示することができる。
【0041】
ここで、本第1の実施形態では、充足率だけでなく、使用率も考慮して新規制約条件を並べ替えている。仮に、充足率のみに着目し、充足率が大きい順に新規制約条件を並べるとすると、ほとんど使用されない新規制約条件(然程必須とは言えない制約条件)が上位に表示される可能性があるため、使い勝手が悪い。これに対し、本第1の実施形態では、頻繁に使用され、かつ遵守しなければならない制約条件から順に表示できるため、担当者の使い勝手を向上することができる。
【0042】
また、本第1の実施形態では、利用者端末70の入力受付部72が取得した手術情報が手術情報DB20に格納される。そして、必須制約条件リスト作成部16が必須制約条件リストを作成する際に、手術情報DB20を参照して、今回の手術スケジューリングに使用しない新規制約条件を除外したリストを作成する。これにより、今回の手術スケジューリングに適した必須制約条件リストを担当者に提示することができる。
【0043】
なお、上記第1の実施形態では、過去データDB22から新規制約条件を生成する際にアソシエーション分析を用いる場合について説明したが、これに限らず、回帰分析や統計分析などのデータマイニング手法を用いることとしてもよい。
【0044】
なお、上記第1の実施形態では、担当者から手術情報が入力されたタイミングで、新規制約条件を生成したり、必須制約条件リストを作成する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、予め新規制約条件を生成しておき、担当者から手術情報が入力されたタイミングで、予め生成しておいた新規制約条件から必須制約条件リストを作成することとしてもよい。
【0045】
なお、上記第1の実施形態では、必須制約条件リストにおいて、新規制約条件を使用率と充足率の合計が大きい順に並べる場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、使用率と充足率の合計が小さい順に新規制約条件を並べてもよい。
【0046】
《第2の実施形態》
次に、第2の実施形態について、図8図12に基づいて詳細に説明する。なお、本第2の実施形態の医療システム100の構成は、図1と同様であり、サーバ10及び利用者端末70のハードウェア構成は、図2(a)、図2(b)と同様である。
【0047】
図8には、第2の実施形態に係る利用者端末70とサーバ10の機能ブロック図が示されている。利用者端末70の機能は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0048】
(サーバ10の機能について)
図8においては、第2の実施形態で新たに追加した機能を太線にて示している。すなわち、本第2の実施形態のサーバ10は、第1の実施形態の機能に加え、必須閾値算出部102と、分類部104の機能を有する。また、サーバ10は、既知条件DB120と、必須閾値DB122を有する。
【0049】
必須閾値算出部102は、利用者端末70のリスト依頼部74から必須制約条件リストの作成依頼を受けると、既知条件DB120に格納されている情報と、過去データDB22に格納されている過去データとを用いて、必須閾値を算出する。ここで、既知条件DB120には、過去の必須制約条件(例えば、過去に担当者が指定した必須制約条件であり、例えば生命に影響するなど必ず遵守すべき制約条件)が格納されている。図9(a)に示すように、既知条件DB120には、「ID」と「内容」が関連付けて格納されている。「ID」には既知の制約条件の識別情報が格納され、「内容」には、既知の制約条件の内容が格納されている。
【0050】
必須閾値算出部102は、第1の実施形態のステップS16(図6)と同様に、図4(b)の過去データDB22を用いて、図9(a)の既知の制約条件それぞれの使用率と充足率を算出する。その結果、図9(b)に示すような使用率と充足率が算出されたとする。この場合、必須閾値算出部102は、図9(b)に基づいて、必須閾値(必須制約条件であるか否かを判断するための使用率と充足率の閾値)を決定する。ここでは、一例として、必須閾値算出部102は、図9(b)における使用率の最小値と、充足率の最小値を必須閾値とする。必須閾値算出部102は、決定した必須閾値を図9(c)に示す必須閾値DB122に格納する。
【0051】
新規制約条件生成部12は、第1の実施形態と同様、過去データDB22に基づいて新規制約条件を生成する。具体的には、新規制約条件生成部12は、図4(b)の過去データDB22からアソシエーション分析等を用いて、図10(a)に示すような新規制約条件を生成し、新規制約条件DB26に格納する。
【0052】
基準値算出部14は、第1の実施形態と同様、過去データDB22に基づいて新規制約条件それぞれの使用率と充足率を算出し、基準値DB28に格納する(図10(b)参照)。
【0053】
分類部104は、基準値DB28に含まれる新規制約条件の中から必須制約条件とすべきものを分類する。具体的には、分類部104は、基準値DB28に含まれる新規制約条件のうち、使用率と充足率の両方が必須閾値DB122に格納されている必須閾値以上の新規制約条件を必須制約条件に分類する。また、分類部104は、使用率と充足率の少なくとも一方が必須閾値未満の新規制約条件を必須制約条件から除外する。図10(b)の例では、新規制約条件Cの使用率が図9(c)の必須閾値未満であるので、新規制約条件Cは基準値DB28から除外される(図10(c)参照)。
【0054】
必須制約条件リスト作成部16は、手術情報DB20に格納されている手術内容(図4(a))に対して使用可能な新規制約条件を基準値DB28から抽出する。この結果、図10(c)の基準値DB28のうち、新規制約条件B以外の新規制約条件が抽出されたとすると、必須制約条件リスト作成部16は、抽出した新規制約条件を並べた図10(d)のような必須制約条件リストを作成する。このとき、必須制約条件リスト作成部16は、第1の実施形態と同様、各新規制約条件の基準値(使用率及び充足率)に基づく順番に沿って、新規制約条件を並べ替えてもよい。
【0055】
必須制約条件リスト作成部16は、作成した必須制約条件リスト(図10(d))を利用者端末70のリスト表示処理部76に対して送信する。
【0056】
(サーバ10の処理について)
次に、第2の実施形態におけるサーバ10の処理について、図11のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。図11においては、第1の実施形態と異なる処理を太線枠にて示している。なお、図12には、サーバ10の処理の概要が示されている。
【0057】
図11の処理が開始されると、まず、ステップS10において、必須閾値算出部102は、利用者端末70のリスト依頼部74から、必須制約条件リストの作成依頼があるまで待機する。なお、リスト依頼部74から必須制約条件リストの作成依頼がある段階では、入力受付部72は実施予定の手術情報を既に取得しており、当該手術情報は手術情報DB20に格納されている。
【0058】
リスト依頼部74からの依頼があると、ステップS11に移行し、必須閾値算出部102は、必須閾値の算出処理を実行する。具体的には、必須閾値算出部102は、既知条件DB120に格納されている既知の制約条件の使用率と充足率を、過去データDB22に基づいて算出する(図12の矢印E)。そして、必須閾値算出部102は、算出した使用率と充足率それぞれの最小値を、使用率と充足率それぞれの必須閾値とする(図12の矢印F参照)。
【0059】
次いで、ステップS14において、新規制約条件生成部12は、新規制約条件を生成する(図12の矢印G参照)。この処理については、第1の実施形態のステップS14と同様である。
【0060】
次いで、ステップS16において、基準値算出部14は、過去データDB22を参照して、生成した新規制約条件の使用率及び充足率を算出する(図12の矢印H参照)。
【0061】
次いで、ステップS17において、分類部104は、新規制約条件を必須制約条件とそれ以外に分類する処理を実行する。具体的には、分類部104は、基準値DB28のうち、使用率と充足率の両方が必須閾値DB122に格納されている必須閾値以上の新規制約条件を必須制約条件に分類する。また、分類部104は、使用率と充足率の少なくとも一方が必須閾値未満の新規制約条件(図12の新規制約条件C)を必須制約条件から除外する(図12の矢印I参照)。
【0062】
次いで、ステップS18において、必須制約条件リスト作成部16は、必須制約条件リストの作成及び提示を行う(図12の矢印J参照)。このステップS18の処理は、第1の実施形態のステップS18(図6)と同様である。
【0063】
以上説明したように、本第2の実施形態によると、必須閾値算出部102は、既知の制約条件それぞれの使用率と充足率を過去データDB22に基づいて算出し、算出結果に基づいて使用率と充足率それぞれの必須閾値を決定する。一方、新規制約条件生成部12は、手術の内容を示す手術情報と、手術に対して過去に割り当てられた医療機関のリソースを示すリソース情報と、を関連付けた過去データDB22から、新規制約条件を生成する。また、基準値算出部14は、生成した新規制約条件それぞれの使用率と充足率を算出する。そして、分類部104は、基準値算出部14が算出した使用率と充足率の両方が必須閾値以上である新規制約条件を必須制約条件に分類し、必須制約条件リスト作成部16は、必須制約条件を並べた必須制約条件リストを作成する。これにより、既知の制約条件の使用率と充足率から得られる必須閾値に基づいて、新規制約条件の中から必須制約条件を分類することができる。このように必須閾値を既知の制約条件の使用率と充足率から得ることで、必須閾値を適切な値とすることができる。また、適切な必須閾値に基づいて、新規制約条件の中から必須制約条件を分類することで、必須制約条件として適切な制約条件を担当者に対して提示することができる。
【0064】
ここで、本第2の実施形態においても、充足率だけでなく、使用率も考慮して新規制約条件の中から必須制約条件を分類することとしている。仮に、充足率だけで分類することとすると、ほとんど使用されない新規制約条件(然程必須とは言えない制約条件)も必須制約条件に分類される可能性があるため、使い勝手が悪い。これに対し、本第2の実施形態では、頻繁に使用され、かつ遵守しなければならない制約条件のみを必須制約条件リストに載せることができるので、担当者の使い勝手を向上することができる。
【0065】
また、本第2の実施形態では、利用者端末70の入力受付部72が取得した手術情報が手術情報DB20に格納される。そして、必須制約条件リスト作成部16が必須制約条件リストを作成する際に、手術情報DB20を参照して、今回の手術スケジューリングに使用しない新規制約条件を除外したリストを作成する。これにより、今回の手術スケジューリングに適した必須制約条件リストを担当者に提示することができる。
【0066】
なお、上記第2の実施形態では、使用率と充足率の少なくとも一方が必須閾値未満である新規制約条件は、必須制約条件リストに載せない場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、使用率と充足率が必須閾値以上である新規制約条件を、その他の新規制約条件よりも強調表示することとしてもよい。
【0067】
なお、上記第2の実施形態では、必須閾値算出部102は、既知の制約条件の使用率のうち最小の値を必須閾値とし、既知の制約条件の充足率のうち最小の値を必須閾値とする場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、既知の制約条件の使用率それぞれから求められるその他の値を必須閾値としたり、既知の制約条件の充足率それぞれから求められるその他の値を必須閾値としてもよい。
【0068】
なお、上記第1、第2の実施形態では、必須制約条件リストを利用者端末70の表示部193上に表示することで、担当者に提示する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、サーバ10において自動的に手術スケジューリングを行う場合には、作成した必須制約条件リストを手術スケジューリングの制約条件として利用してもよい。
【0069】
なお、上記第1、第2の実施形態では、手術スケジューリングにおいて本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、手術以外のタスクに対してリソースを割り当てる他のタスクスケジューリングにも適用可能である。
【0070】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0071】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0072】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0073】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0074】
なお、以上の第1、第2の実施形態の説明に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1) タスクの内容を示すタスク情報と、前記タスクに対して過去に割り当てられたリソースを示すリソース情報と、を関連付けた過去データから、タスクに対してリソースを割り当てる際の制約条件を生成し、
生成した前記制約条件それぞれについて、当該制約条件を適用できるタスク情報が前記過去データに存在する割合を示す使用率と、前記過去データにおいて当該制約条件を適用できるタスク情報に割当てられたリソースが当該制約条件を充足している割合を示す充足率と、を算出し、
前記使用率と前記充足率とに基づいて前記制約条件のリストを作成し、表示する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とするタスクスケジューリング支援方法。
(付記2) 前記使用率は、前記過去データに含まれるタスク情報をリソースの割当タイミング又はタスクの実施タイミングごとに分けた複数グループのうち、前記制約条件を適用できるタスク情報が含まれているグループの割合である、ことを特徴とする付記1に記載のタスクスケジューリング支援方法。
(付記3) 前記リストを作成する際に、前記使用率と前記充足率から算出される値に基づく順番で前記制約条件を並べたリストを作成する、ことを特徴とする付記1に記載のタスクスケジューリング支援方法。
(付記4) 前記過去データを用いて、既存の制約条件それぞれの前記使用率と前記充足率と、を算出するとともに、算出した前記既存の制約条件それぞれの前記使用率と前記充足率に基づいて前記使用率と前記充足率それぞれの閾値を決定する処理を前記コンピュータが実行し、
前記リストを作成する際に、生成した前記制約条件のうち、前記使用率と前記充足率が前記閾値以上の制約条件を含むリストを作成する、ことを特徴とする付記1に記載のタスクスケジューリング支援方法。
(付記5) 前記閾値を決定する処理において、算出した前記既存の制約条件それぞれの前記充足率のうち最も小さい値を前記充足率の閾値として決定し、算出した前記既存の制約条件それぞれの前記使用率のうち最も小さい値を前記使用率の閾値として決定する、ことを特徴とする付記4に記載のタスクスケジューリング支援方法。
(付記6) 新たなタスク情報の入力を受け付ける処理を前記コンピュータが実行し、
前記リストを作成する際に、前記新たなタスク情報に対応する制約条件以外の制約条件を除外したリストを作成する、ことを特徴とする付記1~5のいずれかに記載のタスクスケジューリング支援方法。
(付記7) 前記制約条件を生成する際に、アソシエーション分析により、前記過去データから前記制約条件を生成する、ことを特徴とする付記1~6のいずれかに記載のタスクスケジューリング支援方法。
(付記8) 前記タスクは手術であり、前記リソースは医療機関のリソースである、ことを特徴とする付記1~7のいずれかに記載のタスクスケジューリング支援方法。
(付記9) タスクの内容を示すタスク情報と、前記タスクに対して過去に割り当てられたリソースを示すリソース情報と、を関連付けた過去データから、タスクに対してリソースを割り当てる際の制約条件を生成し、
生成した前記制約条件それぞれについて、当該制約条件を適用できるタスク情報が前記過去データに存在する割合を示す使用率と、前記過去データにおいて当該制約条件を適用できるタスク情報に割当てられたリソースが当該制約条件を充足している割合を示す充足率と、を算出し、
前記使用率と前記充足率とに基づいて前記制約条件のリストを作成し、表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とするタスクスケジューリング支援プログラム。
(付記10) 前記使用率は、前記過去データに含まれるタスク情報をリソースの割当タイミング又はタスクの実施タイミングごとに分けた複数グループのうち、前記制約条件を適用できるタスク情報が含まれているグループの割合である、ことを特徴とする付記9に記載のタスクスケジューリングプログラム。
(付記11) 前記リストを作成する際に、前記使用率と前記充足率から算出される値に基づく順番で前記制約条件を並べたリストを作成する、ことを特徴とする付記9に記載のタスクスケジューリング支援プログラム。
(付記12) 前記過去データを用いて、既存の制約条件それぞれの前記使用率と前記充足率と、を算出するとともに、算出した前記既存の制約条件それぞれの前記使用率と前記充足率に基づいて前記使用率と前記充足率それぞれの閾値を決定する処理を前記コンピュータに実行させ、
前記リストを作成する際に、生成した前記制約条件のうち、前記使用率と前記充足率が前記閾値以上の制約条件を含むリストを作成する、ことを特徴とする付記9に記載のタスクスケジューリング支援プログラム。
(付記13) 前記閾値を決定する処理において、算出した前記既存の制約条件それぞれの前記充足率のうち最も小さい値を前記充足率の閾値として決定し、算出した前記既存の制約条件それぞれの前記使用率のうち最も小さい値を前記使用率の閾値として決定する、ことを特徴とする付記12に記載のタスクスケジューリング支援プログラム。
(付記14) 新たなタスク情報の入力を受け付ける処理を前記コンピュータに実行させ、
前記リストを作成する際に、前記新たなタスク情報に対応する制約条件以外の制約条件を除外したリストを作成する、ことを特徴とする付記9~13のいずれかに記載のタスクスケジューリング支援プログラム。
(付記15) 前記制約条件を生成する際に、アソシエーション分析により、前記過去データから前記制約条件を生成する、ことを特徴とする付記9~14のいずれかに記載のタスクスケジューリング支援プログラム。
(付記16) 前記タスクは手術であり、前記リソースは医療機関のリソースである、ことを特徴とする付記9~15のいずれかに記載のタスクスケジューリング支援プログラム。
【符号の説明】
【0075】
10 サーバ
12 新規制約条件生成部
14 基準値算出部
16 必須制約条件リスト作成部
22 過去データDB
24 分析結果DB
26 新規制約条件DB
28 基準値DB
70 利用者端末
100 医療システム
102 必須閾値算出部
104 分類部
120 既知条件DB
122 必須閾値DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12