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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100073
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/109 20230101AFI20240719BHJP
【FI】
G06Q10/109
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003788
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新地 俊幹
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA13
5L049AA13
(57)【要約】
【課題】利用者が施設内のスペースを利用する際の負担を軽減しつつ、当該スペースの利用状況を精度よく把握することが可能な情報処理装置を提供することである。
【解決手段】情報処理装置は、第1スペースの第1利用予定者の第1端末装置から、第1スペースの利用を開始する第1利用開始申請の入力を受け付ける申請入力部と、第1利用開始申請が受け付けられた場合、第1利用予定者が第1スペースの利用者であるとして利用者情報を更新する更新部と、第1スペースの第2利用予定者の第2端末装置と、第1スペースとの位置関係に基づいて、第2利用予定者が第1スペースの利用を開始したか否かを判断する第1判断部とを備える。更新部は、第2利用予定者が第1スペースの利用を開始したとの判断結果に基づいて、第2利用予定者が第1スペースの利用者であるとして利用者情報をさらに更新する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内の1以上のスペースの利用予定者の予約情報を記憶する予約情報記憶部と、
前記1以上のスペースの利用者を示す利用者情報を含む利用状況情報を記憶する状況情報記憶部と、
第1スペースの複数の利用予定者のうちの第1利用予定者の第1端末装置から、前記第1スペースの利用を開始する第1利用開始申請の入力を受け付ける申請入力部と、
前記第1利用開始申請が受け付けられた場合、前記第1利用予定者が前記第1スペースの利用者であるとして前記利用者情報を更新する更新部と、
前記複数の利用予定者のうちの第2利用予定者の第2端末装置と、前記第1スペースとの位置関係に基づいて、前記第2利用予定者が前記第1スペースの利用を開始したか否かを判断する第1判断部とを備え、
前記更新部は、前記第2利用予定者が前記第1スペースの利用を開始したとの判断結果に基づいて、前記第2利用予定者が前記第1スペースの利用者であるとして前記利用者情報をさらに更新する、情報処理装置。
【請求項2】
前記第1判断部は、前記第2端末装置が前記第1スペースの近傍に存在する場合に、前記第2利用予定者が前記第1スペースの利用を開始したと判断する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予約情報に基づいて、前記第2利用予定者による前記第1スペースの第1利用予定時間帯と、前記第2利用予定者による第2スペースの第2利用予定時間帯とが重複しているか否かを判断する第2判断部と、
前記第1利用予定時間帯と、前記第2利用予定時間帯とが重複している場合、前記第1スペースおよび前記第2スペースのうちのいずれのスペースを利用するのかを選択させる選択画面を表示するための表示情報を前記第2端末装置に送信する表示情報送信部とをさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2端末装置が前記第1スペースの近傍に存在する場合であって、かつ、前記選択画面において前記第1スペースが選択された場合、前記第1判断部は、前記第2利用予定者が前記第1スペースの利用を開始したと判断する、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記申請入力部は、前記複数の利用予定者のうちの第3利用予定者の第3端末装置から、第3スペースの利用を開始する第2利用開始申請の入力を受け付け、
前記第2利用開始申請が受け付けられた場合、前記更新部は、前記第3利用予定者が前記第1スペースの利用者ではなく前記第3スペースの利用者であるとして前記利用者情報を更新する、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記利用状況情報は、前記1以上のスペースの利用が開始された利用開始時刻と、前記1以上のスペースの利用が終了した利用終了時刻とをさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記利用状況情報に基づいて、前記1以上のスペースの利用者数をディスプレイに表示する表示制御部をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1利用予定者が前記第1スペースを必ず利用する利用予定者として設定されている場合、前記更新部は、前記第1スペースの利用予定開始時刻に到達したときに、前記第1利用予定者が前記第1スペースの利用者であるとして前記利用者情報を更新する、請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、従業員のワークスタイルとして、オフィス内に従業員に固定のスペース(例えば、座席等)を提供せず、任意のスペースで業務を行なうことを許容するフリーアドレス制が導入されている。オフィスの管理者はスペースの利用状況を把握することにより、スペースの利用方法等の改善に役立てている。
【0003】
例えば、特許第6489385号公報(特許文献1)には、施設に設置されたカメラにより撮影される映像に基づいて、対象エリアにおける人物の滞在状況に関する表示情報を生成する滞在状況表示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6489385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、管理者がスペースの利用時間帯等の利用状況を把握できるように、利用者はスペースの利用開始申請および利用終了申請が行なう必要がある。ここで、会議室等のスペースを複数人で利用する場合には、当該申請の負担軽減のために、利用予定者の一人が利用開始申請(あるいは利用終了申請)を行なった場合には他の利用予定者についても自動的に利用を開始した(あるいは利用を終了した)とみなすことも考えられる。しかし、この場合、他の利用予定者が実際に会議室を利用したか否かは不明であり、利用状況を精度よく把握できないという課題がある。
【0006】
特許文献1では、カメラを用いて、施設内のスペースの人物の滞在状況を確認しているが、施設内の至る所にカメラを設置する必要があると考えられる。また、特許文献1は、上述の課題に対する解決手段を何ら教示ないし示唆するものでもない。
【0007】
本開示のある局面における目的は、利用者が施設内のスペースを利用する際の負担を軽減しつつ、当該スペースの利用状況を精度よく把握することが可能な情報処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある実施の形態に従う情報処理装置は、施設内の1以上のスペースの利用予定者の予約情報を記憶する予約情報記憶部と、1以上のスペースの利用者を示す利用者情報を含む利用状況情報を記憶する状況情報記憶部と、第1スペースの複数の利用予定者のうちの第1利用予定者の第1端末装置から、第1スペースの利用を開始する第1利用開始申請の入力を受け付ける申請入力部と、第1利用開始申請が受け付けられた場合、第1利用予定者が第1スペースの利用者であるとして利用者情報を更新する更新部と、複数の利用予定者のうちの第2利用予定者の第2端末装置と、第1スペースとの位置関係に基づいて、第2利用予定者が第1スペースの利用を開始したか否かを判断する第1判断部とを備える。更新部は、第2利用予定者が第1スペースの利用を開始したとの判断結果に基づいて、第2利用予定者が第1スペースの利用者であるとして利用者情報をさらに更新する。
【0009】
好ましくは、第1判断部は、第2端末装置が第1スペースの近傍に存在する場合に、第2利用予定者が第1スペースの利用を開始したと判断する。
【0010】
好ましくは、情報処理装置は、予約情報に基づいて、第2利用予定者による第1スペースの第1利用予定時間帯と、第2利用予定者による第2スペースの第2利用予定時間帯とが重複しているか否かを判断する第2判断部と、第1利用予定時間帯と、第2利用予定時間帯とが重複している場合、第1スペースおよび第2スペースのうちのいずれのスペースを利用するのかを選択させる選択画面を表示するための表示情報を第2端末装置に送信する表示情報送信部とをさらに備える。
【0011】
好ましくは、第2端末装置が第1スペースの近傍に存在する場合であって、かつ、選択画面において第1スペースが選択された場合、第1判断部は、第2利用予定者が第1スペースの利用を開始したと判断する。
【0012】
好ましくは、申請入力部は、複数の利用予定者のうちの第3利用予定者の第3端末装置から、第3スペースの利用を開始する第2利用開始申請の入力を受け付ける。第2利用開始申請が受け付けられた場合、更新部は、第3利用予定者が第1スペースの利用者ではなく第3スペースの利用者であるとして利用者情報を更新する。
【0013】
好ましくは、利用状況情報は、1以上のスペースの利用が開始された利用開始時刻と、1以上のスペースの利用が終了した利用終了時刻とをさらに含む。
【0014】
好ましくは、情報処理装置は、利用状況情報に基づいて、1以上のスペースの利用者数をディスプレイに表示する表示制御部をさらに備える。
【0015】
好ましくは、第1利用予定者が第1スペースを必ず利用する利用予定者として設定されている場合、更新部は、第1スペースの利用予定開始時刻に到達したときに、第1利用予定者が第1スペースの利用者であるとして利用者情報を更新する。
【発明の効果】
【0016】
本開示によると、利用者が施設内のスペースを利用する際の負担を軽減しつつ、当該スペースの利用状況を精度よく把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】情報処理システムの全体構成を説明するための図である。
図2】端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】端末情報の一例を示す図である。
図5】予約情報の一例を示す図である。
図6】無線アクセスポイント情報の一例を示す図である。
図7】無線アクセスポイント接続情報の一例を示す図である。
図8】利用状況情報の一例を示す図である。
図9】情報処理システムの動作概要の一例を説明するための図である。
図10】情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図11】スペースの利用開始申請の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】スペースの利用者更新の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図13】スペース選択画面の一例を示す図である。
図14】スペースの利用者数の画面例を示す図である。
図15】予約情報の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0019】
<システム構成>
図1は、情報処理システム1000の全体構成を説明するための図である。図1を参照して、情報処理システム1000は、施設内のスペースの利用状況を適切に把握するためのシステムである。具体的には、情報処理システム1000は、複数の端末装置10A~10C(以下、「端末装置10」とも総称する。)と、情報処理装置20とを含む。
【0020】
端末装置10は、施設内のスペースを利用するユーザーが所有する装置である。端末装置10A~10Cは、それぞれユーザーA~Cの端末装置である。端末装置10は、典型的には、スマートフォンであるが、これに限られず、例えば、タブレット端末装置、パーソナルコンピューター等であってもよい。
【0021】
情報処理装置20は、施設内のスペースの利用状況を管理するための装置(例えば、サーバー)である。情報処理装置20は、各ユーザーからスペースの予約申請、スペースの利用開始申請および利用終了申請等を受け付けて、施設内のどのスペース(例えば、会議室、座席等)を、いつ(例えば、どの時間帯に)、誰が(例えば、どのユーザー)が利用したのか(あるいは、利用する予定なのか)を管理する。
【0022】
情報処理装置20は、典型的には、汎用的なコンピューターキテクチャに従う構造を有しており、予めインストールされたプログラムをプロセッサーが実行することで、後述する各種の処理を実現する。情報処理装置20は、典型的には、パーソナルコンピューターであるが、これに限られず、例えば、タブレット端末装置、スマートフォン等であってもよい。
【0023】
<ハードウェア構成>
図2は、端末装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、端末装置10は、プロセッサー102と、入力インターフェイス(IF)104と、通信インターフェイス106と、ディスプレイ108と、記憶装置110とを含む。これらの各部は、互いにデータ通信可能に接続される。
【0024】
プロセッサー102は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Multi Processing Unit)等といった演算処理部である。プロセッサー102は、記憶装置110に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、端末装置10の各部の動作を制御する。プロセッサー102は、当該プログラムを実行することによって、端末装置10の各機能を実現する。
【0025】
入力インターフェイス104は、端末装置10に対する操作入力を受け付ける。入力インターフェイス104は、例えば、ボタン、タッチパネルなどによって実現される。
【0026】
通信インターフェイス106は、プロセッサー102と情報処理装置20等との間のデータ伝送を仲介する。通信インターフェイス106を介した通信は、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、イーサネット(登録商標)ネットワーク、有線ネットワークまたは無線ネットワーク等、あるいは、これらの組み合わせを用いて行なわれる。
【0027】
ディスプレイ108は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等である。
【0028】
記憶装置110は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read-Only Memory)、フラッシュメモリー等によって実現される。記憶装置110は、プロセッサー102によって実行されるプログラム等を記憶する。
【0029】
図3は、情報処理装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、情報処理装置20は、プロセッサー202と、入力インターフェイス204と、通信インターフェイス206と、ディスプレイ208と、記憶装置210とを含む。これらの各部は、互いにデータ通信可能に接続される。
【0030】
プロセッサー202は、記憶装置210に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、情報処理装置20の各部の動作を制御する。プロセッサー202は、当該プログラムを実行することによって、情報処理装置20の各機能を実現する。
【0031】
入力インターフェイス204は、情報処理装置20に対する操作入力を受け付ける。入力インターフェイス204は、例えば、キーボード、ボタン、マウスなどによって実現される。
【0032】
通信インターフェイス206は、プロセッサー202と端末装置10等との間のデータ伝送を仲介する。ディスプレイ208は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
【0033】
記憶装置210は、RAM、ROM、ハードディスク等によって実現される。記憶装置210は、プロセッサー202によって実行されるプログラム等に加えて、端末情報310と、予約情報320と、アクセスポイント(AP)情報330と、AP接続情報340と、利用状況情報350とを格納している。
【0034】
<各種情報について>
図4は、端末情報の一例を示す図である。図4を参照して、端末情報310は、端末IDと、ユーザーIDとを含む情報である。端末情報310は、予め記憶装置210に記憶されている。
【0035】
端末ID“T_10A”~“T10C”は、それぞれユーザーID“U_A”~“U_C”と関連付けられている。端末ID“T_10A”~“T_10C”は、それぞれ端末装置10A~10Cの端末IDである。ユーザーID“U_A”~“U_C”は、それぞれユーザーA~CのユーザーIDである。情報処理装置20は、端末情報310を参照することにより、アクセスしてきた端末装置10から受信した端末IDに関連付けられたユーザーIDを特定できる。これにより、情報処理装置20は、アクセスしてきた端末装置10を所有するユーザーを判断できる。
【0036】
図5は、予約情報の一例を示す図である。図5を参照して、施設内の各スペースの予約情報320は、スペース名と、予約時間帯と、利用予定者とを含み、これらは互いに関連付けられている。図5の例では、ユーザーAが、10:00-11:00に座席X1を利用予定であり、ユーザーA~Cが、10:00-11:00に会議室Y1を利用予定であることがわかる。典型的には、ユーザーは、端末装置10を用いて、所定の予約申請フォームに従って、スペース名、予約時間帯、および利用予定者を入力することによりスペースの利用予約を行なう。情報処理装置20は、当該入力を受け付けることにより予約情報320を生成し、記憶装置210に記憶する。
【0037】
図6は、無線アクセスポイント情報の一例を示す図である。図6を参照して、無線AP情報330は、スペース名と、アクセスポイント(AP)IDとを含み、これらは互いに関連付けられている。無線AP情報330は、予め記憶装置210に記憶されている。
【0038】
APID“K_AP1”~“K_AP3”は、それぞれ無線AP1~AP3のAPIDである。図6の例では、座席X1がAPID“K_AP1”と関連付けられている。これは、無線AP1が座席X1周辺に設けられており、無線AP1が発する電波が座席X1周辺に存在する装置(例えば、端末装置10)に届くことを意味する。これにより、端末装置10が無線AP1に接続している場合には、端末装置10は座席X1周辺に存在するとみなすことができる。
【0039】
同様に、会議室Y1がAPID“K_AP2”および“K_AP3”と関連付けられており、会議室Y2がAPID“K_AP3”と関連付けられている。このことから、無線AP2は会議室Y1周辺に設けられており、無線AP3は会議室Y1周辺および会議室Y2周辺に設けられていることがわかる。
【0040】
図7は、無線アクセスポイント接続情報の一例を示す図である。図7を参照して、無線AP接続情報340は、APIDと、接続開始時刻と、接続終了時刻と、端末IDとを含み、これらは互いに関連付けられている。図7の例では、端末装置10Aが9:55-10:55に無線AP1に接続し、端末装置10Bが9:55-10:55に無線AP2に接続し、端末装置10Cが9:55-11:05に無線AP3に接続したことがわかる。
【0041】
一方、図6で説明したように、無線AP情報330によると、例えば、無線AP1が座席X1周辺に設けられていることがわかる。したがって、情報処理装置20は、端末情報310、無線AP情報330および無線AP接続情報340に基づいて、例えば、端末装置10AのユーザーAが、9:55-10:55に座席X1周辺に存在したと判断することができる。
【0042】
情報処理装置20は、無線AP接続情報340の取得方式についてはいずれの方式であってもよい。例えば、情報処理装置20は、無線APを管理する外部装置等から、無線AP接続情報340を取得する。情報処理装置20は、定期的に、外部装置から無線AP接続情報340を取得してもよい。また、無線AP接続情報340が更新された場合に外部装置から情報処理装置20へ、当該更新された無線AP接続情報340が送信される構成であってもよい。情報処理装置20は、取得した無線AP接続情報340を記憶装置210に記憶する。
【0043】
図8は、利用状況情報350の一例を示す図である。図8を参照して、利用状況情報350は、スペース名と、スペースの利用が開始された利用開始時刻と、スペースの利用が終了した利用終了時刻と、スペースの利用者を示す利用者情報とを含み、これらは互いに関連付けられている。利用状況情報350を確認することにより、施設内のどのスペースを、いつ、誰が実際に利用したのかを把握することができる。図8の例では、ユーザーAが10:00-11:00に座席X1を利用し、ユーザーB,Cが10:00-11:00に会議室Y1を利用したことがわかる。情報処理装置20は、スペースの利用開始時および利用終了時、スペースの利用者の確定時等に利用状況情報350を適宜更新して、記憶装置210に記憶する。
【0044】
<動作概要>
図9は、情報処理システムの動作概要の一例を説明するための図である。図9を参照して、情報処理装置20は、スペース名、予約時間帯、および利用予定者の入力を受け付けて、図9に示すような座席X1および会議室Y1に関する予約情報320を記憶する。予約情報320によると、10:00-11:00における座席X1の利用予定者はユーザーAであり、10:00-11:00における会議室Y1の利用予定者はユーザーA,B,Cである。
【0045】
次に、情報処理装置20は、利用予定者からスペースの利用開始申請を受け付ける。典型的には、情報処理装置20は、スペースを利用する予約時間帯の開始時刻または、開始時刻の所定時間(例えば、10分)前から当該スペースの利用開始申請の受け付けを開始する。
【0046】
例えば、情報処理装置20は、座席X1の利用予定者である端末装置10AのユーザーAから、9:55(予約時間帯の開始時刻の5分前)に座席X1の利用開始申請の入力を受け付ける。なお、情報処理装置20は、端末情報310を参照することにより、利用開始申請をしてきた(アクセスしてきた)端末装置10Aのユーザーが、座席X1の利用予定者“ユーザーA”であることを特定できる。情報処理装置20は、当該入力を受け付けると、利用状況情報350における座席X1の利用開始時刻を“9:55”に更新する。
【0047】
また、情報処理装置20は、会議室Y1の利用予定者の一人である端末装置10BのユーザーBから、9:55に会議室Y1の利用開始申請の入力を受け付ける。情報処理装置20は、当該入力を受け付けると、利用状況情報350における会議室Y1の利用開始時刻を“9:55”に更新する。
【0048】
次に、情報処理装置20は、利用開始申請のあった座席X1および会議室Y1の利用者を判断する。例えば、情報処理装置20は、端末装置10Aから座席X1の利用開始申請の入力を受け付けたため、端末情報310を参照して、端末装置10AのユーザーAが座席X1の利用者であると判断する。
【0049】
また、情報処理装置20は、端末装置10Bから会議室Y1の利用開始申請の入力を受け付けたため、端末情報310を参照して、端末装置10BのユーザーBが会議室Y1の利用者であると判断する。
【0050】
ここで、予約情報320を参照すると、会議室Y1の利用予定者はユーザーA,B,Cの3人である。そのため、情報処理装置20は、利用開始申請を行なったユーザーB以外の利用予定者であるユーザーA,Cを会議室Y1の利用者とするか否かを判断する。
【0051】
まず、ユーザーAについて説明する。ユーザーAは会議室Y1の利用予定者として記録されているが、上記のように端末装置10Aを介して座席X1の利用開始申請を行なっているため、座席X1の利用者であると判断される。したがって、情報処理装置20は、ユーザーAを会議室Y1の利用者ではないと判断する。
【0052】
続いて、ユーザーCについて説明する。情報処理装置20は、端末情報310、AP情報330およびAP接続情報340を参照して、ユーザーCの端末装置10Cが会議室Y1の近傍に存在しているか否かを判断する。具体的には、情報処理装置20は、会議室Y1の周辺に設けられた無線AP2および無線AP3に接続している装置を特定する。ここで、端末装置10Cは、9:55に無線AP3への接続を開始したとする。この場合、情報処理装置20は、端末装置10Cが無線AP3に接続していることを特定し、端末装置10CのユーザーCが会議室Y1の近傍に存在するとみなす。したがって、情報処理装置20は、ユーザーCが会議室Y1の利用者であると判断する。
【0053】
これにより、情報処理装置20は、利用状況情報350における座席X1の利用者を“ユーザーA”に更新し、会議室Y1の利用者を“ユーザーB”および“ユーザーC”に更新する。
【0054】
次に、情報処理装置20は、端末装置10AのユーザーAから、10:55に座席X1の利用終了申請の入力を受け付け、端末装置10BのユーザーBから、10:55に会議室Y1の利用終了申請の入力を受け付ける。情報処理装置20は、当該入力を受け付けると、利用状況情報350における座席X1および会議室Y1の利用終了時刻を“10:55”に更新する。なお、情報処理装置20は、ユーザーBにより会議室Y1の利用終了申請がなされたため、ユーザーCによる会議室Y1の利用も終了したと判断する。
【0055】
なお、情報処理装置20は、スペースの利用予定終了時刻が経過した後、当該スペースの周辺に設けられた無線APにユーザーの端末装置10が接続されなくなった時点で、当該スペースの利用が終了したと判断してもよい。例えば、座席X1の利用予定終了時刻である11:00を経過し、かつ、座席X1の利用者であるユーザーAの端末装置10Aと無線AP1との接続が遮断されたタイミングで、座席X1の利用が終了したとみなしてもよい。
【0056】
上記構成によると、複数人で施設内のスペースを利用する場合、利用開始申請を行なった利用予定者と、予約時間帯の開始時刻(または開始時刻よりも所定時間前)に当該スペースの近傍に存在する他の利用予定者とが、当該スペースの利用者として判断される。そのため、全員が利用開始申請を行なう必要がなく、利用者が施設内のスペースを利用する際の負担を軽減でき、ネットワークのトラフィックも低減できる。
【0057】
また、利用開始申請が受け付けられた後に、当該スペースの近傍に存在する他の利用予定者が当該スペースの利用者として記録される。そのため、実際の利用者を精度よく特定することができる。
【0058】
<機能構成>
図10は、情報処理装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。図10を参照して、情報処理装置20は、その主たる機能構成として、申請入力部250と、更新部252と、第1判断部254と、表示制御部256と、第2判断部258と、表示情報送信部260とを含む。これらの機能構成は、典型的には、情報処理装置20のプロセッサー202が記憶装置210に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0059】
なお、記憶装置210は、端末情報310を格納する端末情報格納部、予約情報320を格納する予約情報格納部、AP情報330を格納するAP情報格納部、AP接続情報340を格納するAP接続情報格納部、および利用状況情報350を格納する状況情報格納部として機能する。なお、これらの機能構成の一部または全部はハードウェアで実現されていてもよい。
【0060】
申請入力部250は、スペースの利用開始申請および利用終了申請の入力を受け付ける。具体的には、申請入力部250は、端末情報310を参照して、端末装置10の端末IDに関連付けられたユーザーIDのユーザーを、利用開始申請者および利用終了申請者として特定する。典型的には、申請入力部250は、予約情報320を参照して、スペースの予約時間帯の開始時刻(あるいは、開始時刻よりも所定時間前の時刻)から、当該スペースの利用開始申請の受け付けを開始する。
【0061】
例えば、申請入力部250は、第1スペース(例えば、会議室Y1)の複数の利用予定者(例えば、ユーザーA~C)のうちの第1利用予定者(例えば、ユーザーB)の第1端末装置(例えば、端末装置10B)から、第1スペースの利用を開始する第1利用開始申請の入力を受け付ける。
【0062】
更新部252は、申請入力部250が受け付けた利用申請内容に基づいて、利用状況情報350を更新する。例えば、更新部252は、第1利用開始申請が受け付けられた場合、第1利用予定者(例えば、ユーザーB)が第1スペース(例えば、会議室Y1)の利用者であるとして利用状況情報(具体的には、利用者情報)を更新する。
【0063】
第1判断部254は、予約情報320を参照してスペースの利用予定者が複数人であると判断した場合、利用開始申請を行なっていない他の利用予定者が当該スペースの利用を開始したか否かを判断する。
【0064】
ある局面では、第1判断部254は、第1スペースの複数の利用予定者(例えば、ユーザーA~C)のうちの第2利用予定者(例えば、ユーザーC)の第2端末装置(例えば、端末装置10C)と、第1スペース(例えば、会議室Y1)との位置関係に基づいて、第2利用予定者が第1スペースの利用を開始したか否かを判断する。
【0065】
具体的には、第1判断部254は、端末情報310、AP情報330およびAP接続情報340を参照して、第2端末装置が第1スペースの周辺に設けられた無線APに接続しているか否かを判断する。第1判断部254は、第2端末装置が当該無線APに接続している場合には、第2端末装置が第1スペースの近傍に存在すると判断し、第2端末装置が当該無線APに接続していない場合には、第2端末装置が第1スペースの近傍に存在しないと判断する。そして、第1判断部254は、第2端末装置が第1スペースの近傍に存在する場合に、第2利用予定者が第1スペースの利用を開始したと判断する。
【0066】
なお、第1判断部254は、端末装置10の位置とスペースの位置との位置関係を、他の方式により判断する構成であってもよい。例えば、第1判断部254は、GPS(Global Positioning System)技術を利用して、端末装置10の位置情報およびスペースの位置情報を取得して、当該位置関係を判断してもよい。第1判断部254は、スペースの位置と関連付けられているIPアドレス、ローカル5G等の情報を用いて、当該位置関係を判断してもよい。また、第1判断部254は、スペースへの入退場を管理するシステムの情報を用いて、当該位置関係を判断してもよい。
【0067】
更新部252は、第2利用予定者が第1スペースの利用を開始したとの第1判断部254の判断結果に基づいて、第2利用予定者が第1スペースの利用者であるとして利用状況情報350に含まれる利用者情報をさらに更新する。表示制御部256は、利用状況情報350に基づいて、各スペースの利用者数をディスプレイ208に表示する。
【0068】
他の局面では、第1判断部254は、第2利用予定者(例えば、ユーザーC)が同時間帯に複数のスペースを予約していた場合には、以下のような判断方式を適用する構成であってもよい。
【0069】
具体的には、第2判断部258は、予約情報320に基づいて、第2利用予定者による第1スペース(例えば、会議室Y1)の第1利用予定時間帯と、第2利用予定者による第2スペース(例えば、会議室Y2)の第2利用予定時間帯とが重複しているか否かを判断する。第1利用予定時間帯と第2利用予定時間帯とが重複するとは、これらが完全に重複している(すなわち、第1利用予定時間帯および第2利用予定時間帯の開始時刻および終了時刻が同一である)場合に限られず、これらが部分的に重複している場合であってもよい。
【0070】
表示情報送信部260は、第1利用予定時間帯と第2利用予定時間帯とが重複している場合、第1スペースおよび第2スペースのうちのいずれのスペースを利用するのかを選択させる選択画面を表示するための表示情報を第2端末装置(例えば、端末装置10C)に送信する。そして、第2端末装置が第1スペースの近傍に存在する場合であって、かつ、選択画面において第1スペースが選択された場合に、第1判断部254は、第2利用予定者が第1スペースの利用を開始したと判断する。
【0071】
次に、第1スペースの複数の利用予定者(例えば、ユーザーA~C)のうちの第3利用予定者(例えば、ユーザーA)から、第3スペース(例えば、座席X1)の利用を開始する第2利用開始申請がなされた場面を想定する。申請入力部250は、第3利用予定者の第3端末装置(例えば、端末装置10A)から、第2利用開始申請の入力を受け付ける。
【0072】
第2利用開始申請が受け付けられた場合、更新部252は、第3利用予定者が第1スペースの利用者ではなく第3スペースの利用者であるとして利用状況情報350の利用者情報を更新する。
【0073】
<処理手順>
(利用開始申請)
図11は、スペースの利用開始申請の処理手順の一例を示すフローチャートである。図11の各ステップの処理は、典型的には、スペースの利用予定開始時刻(または、利用予定開始時刻よりも所定時間前の時刻)以降に、情報処理装置20のプロセッサー202により実行される。これは、図12についても同様である。
【0074】
図11を参照して、情報処理装置20(プロセッサー202)は、スペースの利用開始申請を受け付けたか否かを判断する(ステップS10)。利用開始申請を受け付けていない場合(ステップS10においてNO)、プロセッサー202は、処理を終了する。利用開始申請を受け付けた場合(ステップS10においてYES)、プロセッサー202は、予約情報320を参照して、利用開始申請を行なった申請者が当該スペースの利用予定者であるか否かを判断する(ステップS12)。
【0075】
当該申請者が当該スペースの利用予定者である場合(ステップS12においてYES)、プロセッサー202は、当該スペースの利用が開始され、当該申請者が当該スペースの利用者であるとして利用状況情報350を更新する(ステップS14)。具体的には、利用状況情報350の利用開始時刻および利用者情報が更新される。当該申請者が当該スペースの利用予定者ではない場合(ステップS14においてNO)、プロセッサー202は処理を終了する。この場合、利用開始申請は拒否され、利用状況情報350の利用開始時刻および利用者情報は更新されない。
【0076】
なお、利用終了申請についても同様の流れで行われる。具体的には、プロセッサー202は、スペースの利用終了申請を受け付けたか否かを判断する。利用開始申請を受け付けた場合、プロセッサー202は、利用状況情報350を参照して、利用終了申請を行なった申請者が当該スペースの利用者であるか否かを判断する。当該申請者が当該スペースの利用者である場合、プロセッサー202は、当該スペースの利用が終了したとして利用状況情報350を更新する。
【0077】
(利用者更新)
図12は、スペースの利用者更新の処理手順の一例を示すフローチャートである。図12を参照して、プロセッサー202は、記憶装置210から各種情報(例えば、端末情報310、予約情報320、AP情報330、AP接続情報340、および利用状況情報350)を読み込む(ステップS50)。
【0078】
プロセッサー202は、利用状況情報350を参照して、スペースSP1(例えば、会議室Y1)の利用者が存在するか否かを判断する(ステップS52)。具体的には、プロセッサー202は、利用状況情報350の利用者情報にスペースSP1の利用者が記録されている場合には、利用者が存在すると判断する。
【0079】
当該利用者が存在しない場合には(ステップS52においてNO)、プロセッサー202は処理を終了する。当該利用者が存在する場合には(ステップS52においてYES)、プロセッサー202は、予約情報320を参照して、スペースSP1の他の利用予定者が存在するか否かを判断する(ステップS54)。
【0080】
他の利用予定者が存在しない場合(ステップS54においてNO)、プロセッサー202は処理を終了する。他の利用予定者が存在する場合(ステップS54においてYES)、プロセッサー202は、他の利用予定者を選択し、当該選択した他の利用予定者の端末装置10がスペースSP1の近傍に存在するか否かを判断する(ステップS56)。例えば、プロセッサー202は、端末情報310、AP情報330およびAP接続情報340を参照して、スペースSP1の周辺に設けられた無線APに当該端末装置10が接続している場合には、当該端末装置10がスペースSP1の近傍に存在すると判断する。なお、上述したように、プロセッサー202は、他の方式(例えば、GPS技術等)を利用して、端末装置10とスペースSP1との位置関係を確認する構成であってもよい。
【0081】
当該端末装置10がスペースSP1の近傍に存在しない場合(ステップS56においてNO)、プロセッサー202は後述するステップS68を実行する。当該端末装置10がスペースSP1の近傍に存在する場合(ステップS56においてYES)、プロセッサー202は、予約情報320を参照して、スペースSP1の予約時間帯と重複する予約時間帯において、他の利用予定者が他のスペース(例えば、座席X1)を利用予約している(すなわち、他の利用予定者が他のスペースの利用予定者でもある)か否かを判断する(ステップS58)。
【0082】
他の利用予定者が他のスペースを利用予約していない場合(ステップS58においてNO)、プロセッサー202は、他の利用予定者がスペースSP1の利用者であるとして利用状況情報350を更新して(ステップS60)、後述するステップS68を実行する。他の利用予定者が他のスペースを利用予約している場合(ステップS58においてYES)、プロセッサー202は、スペース選択画面の表示情報を他の利用予定者の端末装置10に送信する(ステップS62)。
【0083】
図13は、スペース選択画面の一例を示す図である。他の利用予定者の端末装置10(プロセッサー102)は、情報処理装置20から受信した表示情報に基づいて、スペース選択画面410をディスプレイ108に表示する。
【0084】
スペース選択画面410には、他の利用予定者が利用予約しているスペースSP1(例えば、会議室Y1)を利用する旨の選択を受け付けるボタン412と、他のスペース(例えば、座席X1)を利用する旨の選択を受け付けるボタン414と、どのスペースも利用しない旨の選択を受け付けるボタン416とを含む。他の利用予定者は、ボタン412~416のいずれかを選択することにより、どのスペースを利用するのか、あるいは、どのスペースも利用しないのかを選択できる。
【0085】
再び、図12を参照して、プロセッサー202は、端末装置10からスペースの選択結果を受信したか否かを判断する(ステップS64)。当該選択結果を受信していない場合(ステップS64においてNO)、プロセッサー202はステップS64を繰り返す。当該選択結果を受信した場合(ステップS64においてYES)、プロセッサー202は、選択結果に応じて利用状況情報350を更新する(ステップS66)。
【0086】
具体的には、他の利用予定者がスペースSP1を選択した場合には、プロセッサー202は、他の利用予定者がスペースSP1の利用者であるとして利用状況情報350を更新する。他の利用予定者が他のスペースを選択した場合には、プロセッサー202は、当該選択を他の利用予定者による他のスペースへの利用開始申請であるとみなし、他の利用予定者が他のスペースの利用者であるとして利用状況情報350を更新する。他の利用予定者がどのスペースも利用しないことを選択した場合には、プロセッサー202は、利用状況情報350を更新しない。すなわち、他の利用予定者は、スペースSP1および他のスペースの利用者として記録されない。
【0087】
続いて、プロセッサー202は、スペースSP1の他の利用予定者がすべて選択されたか否かを判断する(ステップS68)。他の利用予定者がすべて選択された場合(ステップS68においてYES)、プロセッサー202は処理を終了する。他の利用予定者がすべて選択されていない場合(ステップS68においてNO)、プロセッサー202は、ステップS56に戻って、処理を継続する。
【0088】
上記フローにより、各スペースの利用者が確定するため、プロセッサー202は、スペースの管理者の指示に基づいて(あるいは、予め定められたタイミングで)、スペースの利用者数を示す情報をディスプレイ208に表示してもよい。
【0089】
図14は、スペースの利用者数の画面例を示す図である。図14を参照して、画面430は、スペース名と、利用時間帯(利用開始時刻~利用終了時刻)と、スペースの利用者数とを含む。例えば、スペースの利用者数は、おおよその人数が表示される。図14の例では、スペースの利用予定者数をK1、スペースの実際の利用者数をK2として、“K1~K2”で表示されている。なお、スペースの実際の利用者数のみを表示してもよい。
【0090】
<その他の実施の形態>
(1)上述した実施の形態において、各スペースの利用予定者を、当該スペースを必ず利用する利用予定者(以下、便宜上「参加必須者」とも称する。)として設定できるように構成されていてもよい。図15は、予約情報の変形例を示す図である。
【0091】
図15を参照して、予約情報320Aは、スペース名と、予約時間帯と、利用予定者と、参加必須者とを含み、これらは互いに関連付けられている。図15の例では、ユーザーAが、座席X1を必ず利用する参加必須者として記録され、ユーザーBが、会議室Y1を必ず利用する参加必須者として記録されている。
【0092】
第1スペース(例えば、会議室Y1)の第1利用予定者(例えば、ユーザーB)が第1スペースを必ず利用する利用予定者(参加必須者)として設定されている場合、更新部252は、第1スペースの利用予定開始時刻(例えば、10:00)に到達したときに、第1利用予定者が第1スペースの利用者であるとして利用状況情報350の利用者情報を更新する。なお、第1利用予定者によって上記の利用開始申請が行なわれた場合には、更新部252は、当該利用開始申請に基づいて、利用状況情報350を更新してもよい。
【0093】
(2)上述した実施の形態において、コンピューターを機能させて、上述のフローチャートで説明したような制御を実行させるプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピューターに付属するフレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、二次記憶装置、主記憶装置およびメモリカードなどの一時的でないコンピューター読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピューターに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0094】
(3)上述の実施の形態として例示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能である。また、上述した実施の形態において、その他の実施の形態で説明した処理や構成を適宜採用して実施する場合であってもよい。
【0095】
<付記>
以上のように、本実施の形態は以下のような開示を含む。
【0096】
(構成1)
施設内の1以上のスペースの利用予定者の予約情報を記憶する予約情報記憶部と、前記1以上のスペースの利用者を示す利用者情報を含む利用状況情報を記憶する状況情報記憶部と、第1スペースの複数の利用予定者のうちの第1利用予定者の第1端末装置から、前記第1スペースの利用を開始する第1利用開始申請の入力を受け付ける申請入力部と、前記第1利用開始申請が受け付けられた場合、前記第1利用予定者が前記第1スペースの利用者であるとして前記利用者情報を更新する更新部と、前記複数の利用予定者のうちの第2利用予定者の第2端末装置と、前記第1スペースとの位置関係に基づいて、前記第2利用予定者が前記第1スペースの利用を開始したか否かを判断する第1判断部とを備え、前記更新部は、前記第2利用予定者が前記第1スペースの利用を開始したとの判断結果に基づいて、前記第2利用予定者が前記第1スペースの利用者であるとして前記利用者情報をさらに更新する、情報処理装置。
【0097】
(構成2)
前記第1判断部は、前記第2端末装置が前記第1スペースの近傍に存在する場合に、前記第2利用予定者が前記第1スペースの利用を開始したと判断する、構成1に記載の情報処理装置。
【0098】
(構成3)
前記予約情報に基づいて、前記第2利用予定者による前記第1スペースの第1利用予定時間帯と、前記第2利用予定者による第2スペースの第2利用予定時間帯とが重複しているか否かを判断する第2判断部と、前記第1利用予定時間帯と、前記第2利用予定時間帯とが重複している場合、前記第1スペースおよび前記第2スペースのうちのいずれのスペースを利用するのかを選択させる選択画面を表示するための表示情報を前記第2端末装置に送信する表示情報送信部とをさらに備える、構成1に記載の情報処理装置。
【0099】
(構成4)
前記第2端末装置が前記第1スペースの近傍に存在する場合であって、かつ、前記選択画面において前記第1スペースが選択された場合、前記第1判断部は、前記第2利用予定者が前記第1スペースの利用を開始したと判断する、構成3に記載の情報処理装置。
【0100】
(構成5)
前記申請入力部は、前記複数の利用予定者のうちの第3利用予定者の第3端末装置から、第3スペースの利用を開始する第2利用開始申請の入力を受け付け、前記第2利用開始申請が受け付けられた場合、前記更新部は、前記第3利用予定者が前記第1スペースの利用者ではなく前記第3スペースの利用者であるとして前記利用者情報を更新する、構成1~4のいずれかに記載の情報処理装置。
【0101】
(構成6)
前記利用状況情報は、前記1以上のスペースの利用が開始された利用開始時刻と、前記1以上のスペースの利用が終了した利用終了時刻とをさらに含む、構成1~5のいずれかに記載の情報処理装置。
【0102】
(構成7)
前記利用状況情報に基づいて、前記1以上のスペースの利用者数をディスプレイに表示する表示制御部をさらに備える、構成1~6のいずれかに記載の情報処理装置。
【0103】
(構成8)
前記第1利用予定者が前記第1スペースを必ず利用する利用予定者として設定されている場合、前記更新部は、前記第1スペースの利用予定開始時刻に到達したときに、前記第1利用予定者が前記第1スペースの利用者であるとして前記利用者情報を更新する、構成1~7のいずれかに記載の情報処理装置。
【0104】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0105】
10,10A,10B,10C 端末装置、20 情報処理装置、102,202 プロセッサー、104,204 入力インターフェイス、106,206 通信インターフェイス、108,208 ディスプレイ、110,210 記憶装置、250 申請入力部、252 更新部、254 第1判断部、256 表示制御部、258 第2判断部、260 表示情報送信部、310 端末情報、320,320A 予約情報、330 AP情報、340 AP接続情報、350 利用状況情報、410 スペース選択画面、1000 情報処理システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15