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特開2024-100079位置情報推定プログラム、位置情報推定装置、及び位置情報推定方法
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  • 特開-位置情報推定プログラム、位置情報推定装置、及び位置情報推定方法 図1
  • 特開-位置情報推定プログラム、位置情報推定装置、及び位置情報推定方法 図2
  • 特開-位置情報推定プログラム、位置情報推定装置、及び位置情報推定方法 図3
  • 特開-位置情報推定プログラム、位置情報推定装置、及び位置情報推定方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100079
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】位置情報推定プログラム、位置情報推定装置、及び位置情報推定方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/18 20060101AFI20240719BHJP
   H04R 1/20 20060101ALI20240719BHJP
   H04R 3/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G01S5/18
H04R1/20 330
H04R3/00 330
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003800
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 祥太
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
【テーマコード(参考)】
5D019
5J083
【Fターム(参考)】
5D019FF01
5J083AC07
5J083AD03
5J083AE08
5J083BA11
(57)【要約】
【課題】位置情報を適切に推定することができる位置情報推定プログラム、位置情報推定装置、及び位置情報推定方法を提供すること。
【解決手段】本開示に係る位置情報推定プログラムは、光出力装置から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、音出力装置の発信する音情報を取得する音情報取得ステップと、取得した光情報を、音情報から位置情報を推定するために必要な情報を示す処理情報に変換する変換ステップと、処理情報と音情報に基づいて、自装置の位置を推定する位置情報推定ステップと、推定した自装置の位置を示す位置情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光出力装置から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、
音出力装置の発信する音情報を取得する音情報取得ステップと、
取得した前記光情報を、音情報から位置情報を推定するために必要な情報を示す処理情報に変換する変換ステップと、
前記処理情報と前記音情報に基づいて、自装置の位置を推定する位置情報推定ステップと、
推定した自装置の位置を示す位置情報を出力する出力ステップと、
をコンピュータに実行させる位置情報推定プログラム。
【請求項2】
前記処理情報は、前記音出力装置の位置と、前記音出力装置が出力する音の周波数と、音情報に与えるノイズに影響する構造物に関する情報を含む、
請求項1に記載の位置情報推定プログラム。
【請求項3】
前記変換ステップにおいては、光情報を電気信号に変換する撮像部のデータに基づいて、前記処理情報に変換する、
請求項1または請求項2に記載の位置情報推定プログラム。
【請求項4】
光出力装置から発信される光情報を取得する光情報取得部と、
音出力装置の発信する音情報を取得する音情報取得部と、
取得した前記光情報を、音情報から位置情報を推定するために必要な情報を示す処理情報に変換する変換部と、
前記処理情報と前記音情報に基づいて、自装置の位置を推定する位置情報推定部と、
推定した自装置の位置を示す位置情報を出力する出力部と、
を備える位置情報推定装置。
【請求項5】
光出力装置から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、
音出力装置の発信する音情報を取得する音情報取得ステップと、
取得した前記光情報を、音情報から位置情報を推定するために必要な情報を示す処理情報に変換する変換ステップと、
前記処理情報と前記音情報に基づいて、自装置の位置を推定する位置情報推定ステップと、
推定した自装置の位置を示す位置情報を出力する出力ステップと、
を含む位置情報推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位置情報推定プログラム、位置情報推定装置、及び位置情報推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンや、タブレット型端末で利用できる位置測位の手法としてGPS(Global Positioning System)信号を用いた位置測位が行われている。一方、ビルや地下など屋内においては、GPS信号が取得できないため、その他の手法が必要となる。その他の手法としては、スマートフォンやタブレットで受信可能な各種の電波を利用した電波ビーコンを用いた手法がある。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、ビーコンIDを含むビーコン信号を発生する複数の屋内ビーコン信号発生器と、移動体の位置を測位できない屋外不感帯領域の予め定めた複数の屋外設置位置にそれぞれ設置されて、ビーコンIDを含むビーコン信号を発生する複数の屋外ビーコン信号発生器と、一以上の移動体に装着されて一以上のビーコン信号を受信して位置決定用のビーコンIDを決定する一以上のビーコン受信部と、少なくともビーコンIDと、屋内の予め定めた複数の屋内設置位置の情報及び屋外の予め定めた複数の屋外設置位置の情報に基づいて、一以上の移動体の屋内または屋外における位置を決定する位置決定部を備えてなるビーコン測位システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-132627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のビーコン測位システムでは、あらかじめ定められた複数の屋内設備の位置情報や、屋外設備の位置情報などをあらかじめ記憶しておく必要があり、適切に位置情報を推定することができなかった。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、位置情報を適切に推定することができる位置情報推定プログラム、位置情報推定装置、及び位置情報推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る位置情報推定プログラムは、光出力装置から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、音出力装置の発信する音情報を取得する音情報取得ステップと、取得した前記光情報を、音情報から位置情報を推定するために必要な情報を示す処理情報に変換する変換ステップと、前記処理情報と前記音情報に基づいて、自装置の位置を推定する位置情報推定ステップと、推定した自装置の位置を示す位置情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、位置情報を適切に推定することができる位置情報推定プログラム、位置情報推定装置、及び位置情報推定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示に係る位置情報推定システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、本開示に係る位置情報推定装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、本開示に係る位置情報推定装置の光情報変換用情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図4図4は、本開示に係る位置情報推定方法のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
(位置情報推定システムの構成)
まず、図1を用いて本開示に係る位置情報推定システム1の構成について説明する。図1は、本開示に係る位置情報推定システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本開示に係る位置情報推定システム1は、位置情報推定装置100と、光出力装置200と、音出力装置300を含む。なお、位置情報推定システム1は、屋内に設けられてもよいし、屋外に設けられてもよい。以下、位置情報推定システム1の構成について順を追って説明する。
【0012】
位置情報推定装置100は、位置情報を推定する情報処理装置である。位置情報推定装置100は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブル端末等の情報処理装置によって実現されてよい。
【0013】
光出力装置200は、光信号、すなわち光情報を出力する装置である。つまり、光情報は、光信号であるということができる。光出力装置200は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を備えて、LEDから所定の周波数の光信号を出力する。光出力装置200は、変調器を備えて、出力する光信号を人に見えない速度で変調して出力してもよい。光出力装置200は、指向性が非常に高い近赤外線を用いて通信を行う光ビーコンにより実現されてもよい。図1においては、光出力装置200から光情報Lが出力されている様子が描かれている。なお、図1においては、光出力装置200が一つ配置されている例が示されているが、位置情報推定システム1には、光出力装置200が複数含まれていてよく、複数の光出力装置200が配置されてよい。
【0014】
音出力装置300は、音信号、すなわち音情報を出力する装置である。つまり、音情報は、音信号であるということができる。音信号は、例えば、超音波であってよい。超音波は、周波数が20kHz以上の音波であり、音として人間の耳に感じられない音波である。音出力装置300は、例えば、超音波ビーコンや、スピーカなどにより実現されてよい。図1においては、音出力装置300(300A,300B,300C,300D)から、それぞれの音情報SDA,SDB,SDC,SDDが出力されている様子が描かれている。図1においては、四つの音出力装置300(300A,300B,300C,300D)が図示されているが、位置情報推定システム1は、これ以上の数の音出力装置300を含んでもよい。
【0015】
以上説明した構成によって、位置情報推定装置100は、光出力装置200から発信された光信号を受信し、音出力装置300から発信された音信号を受信する。位置情報推定装置100は、受信した光信号と、音信号に基づいて、自装置の位置を示す位置情報を推定する。このように、位置情報推定システム1は、その構成の間において情報の伝達が行われて、一つのシステムとして機能する。
【0016】
(位置情報推定装置の構成)
次に、図2を用いて、本開示に係る位置情報推定装置の構成について説明する。図2は、本開示に係る位置情報推定装置の構成の一例を示す図である。図2に示すように、本開示に係る位置情報推定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、撮像部140と、マイクロフォン150を含む。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0017】
(通信部110について)
通信部110は、位置情報推定装置100とその他の装置の間において、相互に情報の送受信を行う。通信部110は、例えば、無線LAN(Local Area Network)カード、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、アンテナ等によって実現されてよい。
【0018】
(記憶部120について)
記憶部120は、各種の情報を記憶する記憶装置である。記憶部120は、主記憶装置と補助記憶装置により実現されてよい。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。
【0019】
図2に示すように、記憶部120は、光情報変換用情報記憶部121を含む。以下、光情報変換用情報記憶部121に記憶される情報の一例について説明する。
【0020】
(光情報変換用情報記憶部121について)
光情報変換用情報記憶部121は、光情報を処理情報に変換するための情報を記憶する。ここで、図3を用いて、光情報変換用情報記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。図3は、本開示に係る位置情報推定装置の光情報変換用情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0021】
図3に示す例において、光情報変換用情報記憶部121は、「光情報周波数」、「音出力装置位置情報」、「音出力装置出力周波数」、「構造物情報」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0022】
「光情報周波数」は、光情報の周波数を示す情報である。「音出力装置位置情報」は、音出力装置300の位置を示す位置情報であり、複数の音出力装置300を含む場合であれば、音出力装置300ごとの位置を含む情報である。「音出力装置出力周波数」は、音出力装置300が出力する音の周波数を示す情報であり、複数の音出力装置300を含む場合であれば、音出力装置300ごとの周波数を含む情報である。「構造物情報」は、音情報にノイズの影響を与える構造物に関する情報であり、例えば、構造物の位置、構造物の寸法、構造物の材質などの情報が含まれてよい。
【0023】
すなわち、図3においては、光情報周波数「LFRQ#1」により示される周波数の光情報に対して、音出力装置位置情報「SDLC#1」と、音出力装置出力周波数「SDFRQ#1」と、構造物情報「STC#1」が対応付けられている例が示されている。
【0024】
なお、光情報変換用情報記憶部121に記憶される情報は、「光情報周波数」、「音出力装置位置情報」、「音出力装置出力周波数」、「構造物情報」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の光情報を処理情報に変換するために用いる情報が記憶されてよい。
【0025】
(制御部130について)
制御部130は、位置情報推定装置100を司り、制御するコントローラである。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部120に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0026】
図3に示すように、制御部130は、光情報取得部131と、音情報取得部132と、変換部133と、位置情報推定部134と、出力部135を備える。制御部130は、記憶部120からプログラムを読み出して実行することで、これらの構成を実現して、これらの処理を実行する。なお、制御部130は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0027】
(光情報取得部131について)
光情報取得部131は、光出力装置200から発信される光情報を取得する。すなわち、光情報取得部131は、撮像部140によって撮像された撮像データやフォトダイオードの検出した光信号に基づいて、光出力装置200から発信された光情報を取得する。なお、撮像データは、撮像部140の撮像素子が光信号を電気信号に変換した後に、一つのフレームにおける各画素の輝度や色の情報、画素毎の階調が割り当てられたデータである。
【0028】
(音情報取得部132について)
音情報取得部132は、音出力装置300の発信する音情報を取得する。すなわち、音情報取得部132は、マイクロフォン150によって収音された音出力装置300から発信された音情報を取得する。なお、図1に示すように、音出力装置300が複数配置されている場合は、音情報取得部132が取得する音情報には、複数の音出力装置300から発信された音声が混在している。
【0029】
(変換部133について)
変換部133は、光情報取得部131が取得した光情報を、音情報から位置情報を推定するために必要な情報を示す処理情報に変換する。すなわち、変換部133は、光情報取得部131が取得した光情報、すなわち、撮像データやフォトダイオードの検出した光信号のデータに基づいて処理情報を導き出す。具体的には、光情報の周波数に対して処理情報が対応付けられたテーブルを光情報変換用情報記憶部121から読み出して、光情報の周波数に基づいて、光情報を処理情報に変換する。
【0030】
なお、処理情報は、音出力装置300の位置と、音出力装置300が出力する音の周波数と、音情報に与えるノイズに影響する構造物に関する情報のうち少なくとも一つを含む。図3に示すように、光情報変換用情報記憶部121には、光情報を処理情報に変換するため情報として、「音出力装置位置情報」、「音出力装置出力周波数」、「構造物情報」という情報が記憶されている。変換部133は、光情報の周波数に基づいて、これらのうちの少なくとも一つを含む処理情報に変換してよい。
【0031】
(位置情報推定部134について)
位置情報推定部134は、処理情報と音情報に基づいて、自装置の位置を推定する。まず、位置情報推定部134は、音情報取得部132が取得した音情報に基づいて、自装置の大まかな位置を推定する。つまり、位置情報推定部134は、自装置が大まかにどの辺りの音出力装置300の近くに位置するのかを推定する。このような情報があれば、音情報に基づいてより正確な自装置の位置推定ができる。この場合、位置情報推定部134は、音情報に含まれる複数の音出力装置300が発信した音を区別して、それぞれの音の強弱や伝達時間、伝達角度などの音の特性に基づいて、自装置の位置を推定する。例えば、位置情報推定部134は、送信機から離れるほど受信信号が弱くなる性質を用いて、受信位置で各送信機の信号強度を比較して位置を求める受信信号強度法(RSS:Received Signal Strength)や、ターゲットから見たアンカの角度を測ることにより測位する到来角度法(AoA:Angle of Arrival)、各アンカから発信される信号がターゲットに到達する時間の差を用いて測位する到来時間差法(TDoA:Time Difference of Arrival)などを用いて、音情報に基づいて、自装置の位置を推定してよい。
【0032】
次に、位置情報推定部134は、処理情報に基づいて、音情報に基づいて推定された位置情報を補正する。例えば、処理情報が音出力装置300の位置が含まれる場合は、位置情報推定部134は、音出力装置300の位置に基づいて、音情報に基づいて推定された位置情報を補正して、より正確な自装置の位置を推定する。また、処理情報に音出力装置300が出力する音の周波数や強度の情報が含まれる場合は、音出力装置300の出力する音の周波数や強度に基づいて、音情報に基づいて推定された位置情報を補正して、より正確な自装置の位置を推定する。また、処理情報に音出力装置300に音情報にノイズの影響を与える構造物の情報が含まれる場合は、音情報にノイズの影響を与える構造物の情報に基づいて、音情報に基づいて推定された位置情報を補正して、より正確な自装置の位置を推定する。
【0033】
(出力部135について)
出力部135は、推定した自装置の位置を示す位置情報を出力する。例えば、出力部135は、位置情報推定装置100の表示部に位置情報推定部134が推定した自装置の位置を示す位置情報を表示させてよい。また、出力部135は、通信部110を介して、位置情報推定部134が推定した自装置の位置を示す位置情報を、外部の装置に対して出力してもよい。
【0034】
(撮像部140について)
撮像部140は、光信号を電気信号に変換する。撮像部140は、例えばカメラであり、カメラは、光学素子と撮像素子を含む。光学素子は、例えばレンズ、ミラー、プリズム、フィルタなどの光学系を構成する素子である。撮像素子は、光学素子を通して入射した光を電気信号である画像信号に変換する素子である。なお、撮像素子は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサであってよい。
【0035】
撮像部140は、フォトダイオードであってもよい。フォトダイオードは、PN接合した半導体に電極を付けた構造をしており、PN接合付近の空乏層に内部電界が発生するため、光が当たると出力電流が流れる。フォトダイオードは、この出力電流を検出することで光信号を検出することができる。
【0036】
(マイクロフォン150について)
マイクロフォン150は、自装置の周囲の音声を収音する。マイクロフォン150は、ダイヤフラムによって空気の振動を受け止めて、ダイヤフラムの振動を電気信号に変換する。マイクロフォン150は、複数のマイクロフォンによって構成されるステレオマイクやマイクロフォンアレイであってもよい。マイクロフォンアレイは、マイクロフォンの構成要素をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により超小型に実現したMEMSマイクロフォンを複数並べて配置したMEMSマイクロフォンアレイであってよい。
【0037】
(位置情報推定方法、及び位置情報推定プログラムについて)
次に、本開示に係る位置情報推定方法、及び位置情報推定プログラムについて、図4を用いて説明する。図4は、本開示に係る位置情報推定方法のフローを示すフローチャートである。図4に示すフローチャートのフローに沿って、本開示に係る位置情報推定方法、及び位置情報推定プログラムについて説明する。
【0038】
まず、位置情報推定装置100は、光出力装置200から発信される光情報を取得する(ステップS101)。次に、位置情報推定装置100は、音出力装置300の発信する音情報を取得する(ステップS102)。次に、位置情報推定装置100は、取得した光情報を、音情報から位置情報を推定するために必要な情報を示す処理情報に変換する(ステップS103)。次に、位置情報推定装置100は、処理情報と音情報に基づいて、自装置の位置を推定する(ステップS104)。次に、位置情報推定装置100は、推定した自装置の位置を示す位置情報を出力する(ステップS105)。
【0039】
上述したステップS101、及びステップS102を実行する順番は順不同であり、逆の順番でもよく、あるいは同時に並行して実行されてもよい。また、上述したステップS102、及びS103を実行する順番も順不同であり、逆の順でもよく、あるいは同時に並行して実行されてもよい。
【0040】
なお、上述した位置情報推定方法は、位置情報推定装置100を用いて実行されてもよいし、その他の任意の手段によって実行されてもよい。また、上述した位置情報推定方法を、位置情報推定装置100の制御部130が備えるコンピュータに処理を実行させるプログラムによって実行させることもできる。
【0041】
この構成によれば、音出力装置300の位置を示す位置情報や、周波数、構造物の情報などを用いて、音情報によって推定される位置情報を補正することができる。そのため、より正確な自装置の位置を推定することができる。したがって、位置情報を適切に推定することができる位置情報推定プログラム、位置情報推定装置、及び位置情報推定方法を提供することができる。
【0042】
(構成と効果)
本開示に係る位置情報推定プログラムは、光出力装置200から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、音出力装置300の発信する音情報を取得する音情報取得ステップと、取得した光情報を、音情報から位置情報を推定するために必要な情報を示す処理情報に変換する変換ステップと、処理情報と前記音情報に基づいて、自装置の位置を推定する位置情報推定ステップと、推定した自装置の位置を示す位置情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0043】
この構成によれば、光情報を処理情報に変換して、音情報によって推定される位置情報を補正することができる。そのため、より正確な自装置の位置を推定することができる。したがって、位置情報を適切に推定することができる位置情報推定プログラムを提供することができる。
【0044】
本開示に係る位置情報推定プログラムが処理に用いる処理情報は、音出力装置300の位置と、音出力装置300が出力する音の周波数と、音情報に与えるノイズに影響する構造物に関する情報を含む。
【0045】
この構成によれば、光情報を音出力装置300が出力する音の周波数と、音情報に与えるノイズに影響する構造物に関する情報に変換して、これらの情報に基づいて、音情報によって推定される位置情報を補正することができる。そのため、より正確な自装置の位置を推定することができる。したがって、位置情報を適切に推定することができる位置情報推定プログラムを提供することができる。
【0046】
本開示に係る位置情報推定プログラムの変換ステップにおいては、光情報を電気信号に変換する撮像部140のデータに基づいて、処理情報に変換する。
【0047】
この構成によれば、撮像部140のデータに基づいて光情報を処理情報に変換することができる。したがって、位置情報を適切に推定することができる位置情報推定プログラムを提供することができる。
【0048】
本開示に係る位置情報推定装置100は、光出力装置200から発信される光情報を取得する光情報取得部131と、音出力装置300の発信する音情報を取得する音情報取得部132と、取得した光情報を、音情報から位置情報を推定するために必要な情報を示す処理情報に変換する変換部133と、処理情報と前記音情報に基づいて、自装置の位置を推定する位置情報推定部134と、推定した自装置の位置を示す位置情報を出力する出力部135と、を備える。
【0049】
この構成によれば、光情報を処理情報に変換して、音情報によって推定される位置情報を補正することができる。そのため、より正確な自装置の位置を推定することができる。したがって、位置情報を適切に推定することができる位置情報推定装置100を提供することができる。
【0050】
本開示に係る位置情報推定方法は、光出力装置200から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、音出力装置300の発信する音情報を取得する音情報取得ステップと、取得した光情報を、音情報から位置情報を推定するために必要な情報を示す処理情報に変換する変換ステップと、処理情報と音情報に基づいて、自装置の位置を推定する位置情報推定ステップと、推定した自装置の位置を示す位置情報を出力する出力ステップと、を含む。
【0051】
この構成によれば、光情報を処理情報に変換して、音情報によって推定される位置情報を補正することができる。そのため、より正確な自装置の位置を推定することができる。したがって、位置情報を適切に推定することができる位置情報推定方法を提供することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0053】
1 位置情報推定システム
100 位置情報推定装置
110 通信部
120 記憶部
121 光情報変換用情報記憶部
130 制御部
131 光情報取得部
132 音情報取得部
133 変換部
134 位置情報推定部
135 出力部
140 撮像部
150 マイクロフォン
200 光出力装置
300 音出力装置
図1
図2
図3
図4