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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100092
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20240719BHJP
   A47J 41/02 20060101ALI20240719BHJP
   A47J 41/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B65D41/04 100
A47J41/02 102Z
A47J41/00 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003819
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】並河 佑治
【テーマコード(参考)】
3E084
4B002
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA22
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084DA01
3E084EA04
3E084EB02
3E084EB03
3E084FA09
3E084FB03
3E084FB04
3E084GA01
3E084GB01
3E084JA15
3E084KA04
3E084KB01
3E084LA17
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD01
4B002AA02
4B002BA23
4B002CA02
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合であっても栓体や蓋体がより飛び抜けにくい容器を提供することにある。
【解決手段】本発明に係る容器は、第1ネジ部111C,211C,311Cを有する口部111o,211o,311oを有する金属製の容器本体111,211,311と、前記第1ネジ部と螺合可能である第2ネジ部122hを有すると共に前記第1ネジ部に対して前記第2ネジ部が螺着された螺着状態において前記口部の開口OPを閉塞する閉塞部材120とを備え、前記第1ネジ部に対する前記第2ネジ部の螺合方向Dsを含む面で切られた断面視において、前記第2ネジ部の上側の稜線Lumに対向する前記第1ネジ部の下側の稜線Llf,Llm’には、前記螺合方向に対して略直交する第1稜線L1が含まれている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ネジ部を含む口部を有する金属製の容器本体と、
前記第1ネジ部と螺合可能である第2ネジ部を有し、前記第1ネジ部に対して前記第2ネジ部が螺着された螺着状態において前記口部の開口を閉塞する閉塞部材とを備え、
前記第1ネジ部に対する前記第2ネジ部の螺合方向を含む面で切られた断面視において、前記第2ネジ部の上側の稜線に対向する前記第1ネジ部の下側の稜線には、前記螺合方向に対して略直交する第1稜線が含まれている、容器。
【請求項2】
前記容器本体は、板金の曲げ加工で形成されており、
前記螺着状態における前記断面視において、前記螺合方向に対する前記第1ネジ部の上側の稜線の角度は、前記螺合方向に対する前記第1稜線の角度より小さい、請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記第2ネジ部は、前記第1ネジ部の形状に沿った形状とされている、請求項1に記載の容器。
【請求項4】
前記断面視において、前記第1ネジ部の下側の稜線には、前記第1稜線もよりも切り上がる稜線が含まれている、請求項1に記載の容器。
【請求項5】
前記第1ネジ部は、雌ネジ部であり、前記口部の内側に形成されており、
前記第2ネジ部は、雄ネジ部であり、前記閉塞部材の外側に形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の容器。
【請求項6】
前記第1ネジ部は、雄ネジ部であり、前記口部の外側に形成されており、
前記第2ネジ部は、雌ネジ部であり、前記閉塞部材の内側に形成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸飲料携帯容器等の容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特開2022-152819号公報等に示されるような炭酸飲料携帯容器が上市されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-152819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の炭酸飲料携帯容器の中には容器本体に対して栓体や蓋体を螺着するものが多い。そのような炭酸飲料携帯容器では、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合であっても栓体や蓋体が飛び抜けないようにそのネジ構造が設計されている。
【0005】
本発明の課題は、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合であっても栓体や蓋体がより飛び抜けにくい容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る容器は、
第1ネジ部を含む口部を有する金属製の容器本体と、
前記第1ネジ部と螺合可能である第2ネジ部を有し、前記第1ネジ部に対して前記第2ネジ部が螺着された螺着状態において前記口部の開口を閉塞する閉塞部材とを備え、
前記第2ネジ部の上側の稜線に対向する前記第1ネジ部に対する前記第2ネジ部の螺合方向を含む面で切られた断面視において、前記第1ネジ部の下側の稜線には、前記螺合方向に対して略直交する第1稜線が含まれている。
【0007】
上記構成によれば、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合、従前の容器に比べて、容器本体に閉塞部材がより掛かった状態となる。このため、この容器は、従前の容器に比べて、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合であっても栓体や蓋体がより飛び抜けにくい。
【0008】
本発明では、
前記容器本体は、板金の曲げ加工で形成されており、
前記螺着状態における前記断面視において、前記螺合方向に対する前記第1ネジ部の上側の稜線の角度は、前記螺合方向に対する前記第1稜線の角度より小さいと好適である。
【0009】
上記構成によれば、容器本体の口部に第1ネジ部を形成する際に、口部周辺に過度な応力集中が発生することが抑制される。このため、第1ネジ部の形成時に口部周辺が破断する等の懸念を低減することができる。
【0010】
本発明では、
前記第2ネジ部は、前記第1ネジ部の形状に沿った形状とされていると好適である。
【0011】
上記構成によれば、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合に第1ネジ部に対して第2ネジ部が接触する面積が広くなる。このため、この容器では、第1ネジ部に対する第2ネジ部の摩擦保持力を高くすることができ、延いては栓体や蓋体の飛び抜けをより有効に抑制することができる。
【0012】
本発明では、
前記断面視において、前記第1ネジ部の下側の稜線には、前記第1稜線もよりも切り上がる稜線が含まれていると好適である。
【0013】
上記構成によれば、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合、第2ネジ部が第1ネジ部に噛み込むことになる。このため、この容器は、従前の容器に比べて、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合であっても栓体や蓋体がさらに飛び抜けにくい。
【0014】
本発明では、
前記第1ネジ部は、雌ネジ部であり、前記口部の内側に形成されており、
前記第2ネジ部は、雄ネジ部であり、前記閉塞部材の外側に形成されていると好適である。
【0015】
上記構成によれば、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合であっても栓体や蓋体が飛び抜けにくい内ネジ容器を得ることができる。
【0016】
本発明では、
前記第1ネジ部は、雄ネジ部であり、前記口部の外側に形成されており、
前記第2ネジ部は、雌ネジ部であり、前記閉塞部材の内側に形成されていると好適である。
【0017】
上記構成によれば、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合であっても栓体や蓋体が飛び抜けにくい外ネジ容器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係る飲料容器の真空二重容器の内筒の上側部位をその筒軸を含む面で切ったときの断面図である。
図2図1において符号Paで示される部位の拡大図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る飲料容器の栓体の縦断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る真空二重容器の内筒に雌ネジ部を形成する方法を示す図である。
図5】本発明の第1実施形態の変形例(B)に係る真空二重容器の内筒の上側部位をその筒軸を含む面で切ったときの断面図である。
図6図5において符号Pbで示される部位の拡大図である。
図7】本発明の第1実施形態の変形例(B)に係る真空二重容器の内筒に雌ネジ部を形成する方法を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る飲料容器の真空二重容器の外筒の上側部位をその筒軸を含む面で切ったときの断面図である。
図9図8において符号Pcで示される部位の拡大図である。
図10】本発明とは別の発明の第3実施形態に係る飲料容器の真空二重容器の内筒の上側部位をその筒軸を含む面で切ったときの断面図である。
図11図10において符号Pdで示される部位の拡大図である。
図12】本発明とは別の発明の第4実施形態に係る飲料容器の真空二重容器の外筒の上側部位をその筒軸を含む面で切ったときの断面図である。
図13図12において符号Peで示される部位の拡大図である。
図14】従前の飲料容器の真空二重容器の内筒の上側部位をその筒軸を含む面で切ったときの断面図である。
図15図14において符号Pfで示される部位の拡大図である。
図16】従前の真空二重容器の内筒および外筒に雌ネジ部を形成する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
-第1実施形態-
<本発明の第1実施形態に係る飲料容器の構成>
本発明の第1実施形態に係る飲料容器(図示せず)は、炭酸飲料等、容器の内圧を大気圧よりも大きくし得る飲料を入れるための容器であって、主に、真空二重容器(図示せず)および栓体120から構成されている。なお、この飲料容器は、真空二重容器に栓体120が装着されることによって組み立てられている。以下、これらの構成要素についてそれぞれ詳述する。
【0020】
1.真空二重容器
真空二重容器は、ステンレス鋼(例えば、SS304等)等の金属製の略円筒状の容器であって、上方に開口しており、主に、有底の内筒111および有底の外筒(図示せず)から形成されている。具体的には、内筒111と外筒との間に空間が形成されるように内筒111の内筒側壁部111Aの上端と外筒の外筒側壁部の上端とが接合された後、前述の空間が真空状態とされることにより真空二重容器が形成されている。
【0021】
内筒111は、図1および図2に示されるように、主に、内筒側壁部111A、内筒底壁部(図示せず)および雌ネジ部111C等から形成されている。内筒側壁部111Aは、板金の曲げ加工で形成される金属製の筒体であって、略円筒形状を呈している。内筒底壁部は、内筒の底壁を構成する部位であって、内筒側壁部111Aの下端から内方に向かって、すなわち、内筒側壁部111Aの筒軸側に向かって延びている。なお、この内筒底壁部においてその中央部は上側に向かって略半球状に盛り上がっている。雌ネジ部111Cは、螺旋状に形成されており、図1および図2に示されるように、内筒側壁部111Aの口部111oの内周側に形成されている。そして、真空二重容器に栓体120が螺着された状態の縦断面視(図2参照)において、栓体120の雄ネジ部122hの上側の稜線Lum(図3参照)に対向する内筒111の雌ネジ部111Cの下側の稜線Llfには、螺合方向Dsに対して略直交する第1稜線L1が含まれている。なお、ここで、「螺合方向Dsに対して略直交する」とは、螺合方向Dsに対して70°以上90°以下の範囲内の角度で交差していることを指す。なお、この角度は75°以上90°以下の範囲内の角度であることが好ましく、80°以上90°以下の範囲内の角度であることがより好ましく、85°以上90°以下の範囲内の角度であることがさらに好ましく、88°以上90°以下の範囲内の角度であることが特に好ましい。なお、この角度が90°である場合、その螺旋面には常螺旋面が含まれていることになる。一方、真空二重容器に栓体120が螺着された状態の縦断面視(図2参照)において、栓体120の雄ネジ部122hの下側の稜線Llm(図3参照)に対向する内筒111の雌ネジ部111Cの上側の稜線Lufの螺合方向Dsに対する角度θfは、螺合方向Dsに対する第1稜線L1の角度θeよりも小さい(図2参照)。なお、このような雌ネジ部111Cは、例えば、図4に示されるようなプレス成形方法によって形成される。図4において符号Mmは雄側の金型を示し、符号Mfは雌側の金型を示し、符号Moはプレス加工前の内筒を示している。そして、栓体120が真空二重容器110に螺着される際に、雌ネジ部111Cには、栓体120の雄ネジ部122hが螺合される。そして、栓体120が真空二重容器110に完全に螺着されると、内筒111の口部111oの開口OPが閉塞される。なお、第1実施形態に係る飲料容器において雌ネジ部111Cに対する雄ネジ部122hの螺合方向Dsは真空二重容器の筒軸Axに沿っているか平行である。また、ここで、真空二重容器の筒軸Axは、内筒111の筒軸および外筒の筒軸と一致している。
【0022】
外筒は、主に、外筒側壁部および外筒底壁部等から形成されている。外筒側壁部は、板金の曲げ加工で形成される金属製の筒体であって、略円筒形状を呈している。外筒底壁部は、外筒の底壁を構成する略円盤形状の部位であって、外筒側壁部の下端部に接合されている。
【0023】
2.栓体
栓体120は、図3に示されるように、主に、肩部材121、円筒壁部122、圧力調整機構123、栓124およびストラップ125から構成されている。そして、図3に示されるように、この円筒壁部122の下側側壁部122aには、下部から中間部の外周側に雄ネジ部122hが形成されている。この雄ネジ部122hは、上述の内筒111の雌ネジ部111Cに沿った形状とされており、雌ネジ部111Cと螺合可能である。
【0024】
<本発明の第1実施形態に係る飲料容器の特徴>
(1)
本発明の第1実施形態に係る飲料容器では、内部圧力が大気圧よりも高くなった場合、従前の飲料容器(第5実施形態に係る飲料容器を参照されたい。)に比べて、真空二重容器の雌ネジ部111Cに栓体の雄ネジ部122hがより掛かった状態となる。このため、この飲料容器は、従前の飲料容器に比べて、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合であっても栓体120がより飛び抜けにくい。
【0025】
(2)
本発明の第1実施形態に係る飲料容器では、内筒111が板金の曲げ加工で形成されており、真空二重容器に栓体120が螺着された状態の断面視において、栓体120の雄ネジ部122hの下側の稜線Llmに対向する内筒111の雌ネジ部111Cの上側の稜線Lufの螺合方向Dsに対する角度θfは、螺合方向Dsに対する第1稜線L1の角度θeよりも小さい。このため、内筒111の口部111oに雌ネジ部111Cを形成する際に、口部111oの周辺に過度な応力集中が発生することを抑制することができる。このため、雌ネジ部111Cの形成時に口部111oの周辺が破断する等の懸念を低減することができる。
【0026】
(3)
本発明の第1実施形態に係る飲料容器では、栓体120の雄ネジ部122hが、真空二重容器の内筒111の雌ネジ部111Cに沿った形状とされている。このため、この飲料容器では、内部圧力が大気圧よりも高くなった場合に雌ネジ部111Cに対して雄ネジ部122hが接触する面積が広くなる。このため、この飲料容器では、雌ネジ部111Cに対する雄ネジ部122hの摩擦保持力を高くすることができ、延いては栓体120の飛び抜けを有効に抑制することができる。
【0027】
<変形例>
(A)
本発明の第1実施形態にかかる飲料容器において容器本体として真空二重容器が採用されていたが、容器本体として一重容器すなわち内筒111が採用されてもよい。
【0028】
(B)
第1実施形態では特に言及しなかったが、真空二重容器の内筒111に代えて図5に示される真空二重容器の内筒211が採用されてもかまわない。図5に示されるように、この内筒211の内筒側壁部211Aには、その口部211oに雌ネジ部211Cが形成されている。この雌ネジ部211Cは、断面視(図6参照)において第1稜線L1の外側に切上り稜線Lh1,Lh2が存在する点を除き第1実施形態に係る雌ネジ部111Cと同一である(図6および図2参照)。なお、本変形例では、図6の断面図に示されるように切上り稜線Lh2は、切上り稜線Lh1よりも切上り度合いが大きくなるように設計されているが、切上り稜線Lh2および切上り稜線Lh1の切上り度合いが同程度とされてもかまわない。このように雌ネジ部211Cにおいて切上り稜線Lh1,Lh2を設けることによって、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合、雄ネジ部122hが雌ネジ部111Cに噛み込むことになる。このため、この飲料容器は、従前の飲料容器に比べて、容器内部の圧力が大気圧よりも高くなった場合であっても栓体をさらに飛び抜けにくくすることができる。なお、このような雌ネジ部211Cは、例えば、図7に示されるプレス成形方法によって形成され得る。図7において符号Mm’は雄側の金型を示し、符号Mf’は雌側の金型を示し、符号Mo’はプレス加工前の内筒を示している。
【0029】
(C)
第1実施形態に係る真空二重容器の内筒111の雌ネジ部111Cでは螺合方向Dsに対する第1稜線L1の角度が70°以上90°以下の範囲内の角度とされていたが、同角度は45°超90°以下の範囲内であってもよい。なお、同角度は50°以上90°以下の範囲内の角度であることがより好ましく、55°以上90°以下の範囲内の角度であることがさらに好ましく、60°以上90°以下の範囲内の角度であることがさらに好ましく、65°以上90°以下の範囲内の角度であることがさらに好ましい。
【0030】
(D)
第1実施形態に係る飲料容器では、栓体120の雄ネジ部122hが真空二重容器の内筒111の雌ネジ部111Cに沿った形状とされていたが、栓体120の雄ネジ部122hは、真空二重容器の内筒111の雌ネジ部111Cと螺合可能な形状であればその形状は特に限定されることなく、任意の形状とされてもかまわない。ただし、かかる場合であっても、栓体120の雄ネジ部122hの上側の面は、内筒111の雌ネジ部111Cの下側の面に沿った形状であることが好ましい。
【0031】
なお、上記変形例は各例単独で適用されてもよいし、複数の例が組み合わされて適用されてもよい。
【0032】
-第2実施形態-
<本発明の第2実施形態に係る飲料容器の構成>
本発明の第2実施形態に係る飲料容器では、図8および図9に示されるように、主に、真空二重容器の外筒312の外筒側壁部312Aの口部312oの外周側に雄ネジ部312C形成されていると共に、その雄ネジ部312Cの形状に沿う雌ネジ部が栓体側に形成されている点で、第1実施形態に係る飲料容器と相違する。なお、ここで、栓体の代わりに蓋体が採用されてもよい。この飲料容器では、真空二重容器に栓体が螺着された状態の断面視(図9参照)において、栓体の雌ネジ部の上側の稜線に対向する外筒312の雄ネジ部312Cの下側の稜線Llm’には、螺合方向Dsに対して略直交する第1稜線L1’が含まれている。なお、ここで、「螺合方向Dsに対して略直交する」の定義は上述の通りであり、好ましい角度も上述の通りである。一方、真空二重容器に栓体が螺着された状態の断面視(図9参照)において、栓体の雌ネジ部の下側の稜線に対向する外筒312の雄ネジ部312Cの上側の稜線Lum’の螺合方向Dsに対する角度θf’は、螺合方向Dsに対する第1稜線L1の角度θe’よりも小さい。
【0033】
上述の構成を採用することによって、第1実施形態に係る飲料容器と同様の効果を奏する外ネジ容器を得ることができる。なお、この第2実施形態に係る飲料容器には、本発明の主旨を損ねない範囲で、第1実施形態に係る飲料容器の変形例が適用されてもよい。
【0034】
-第3実施形態-
<本発明とは別の発明の第3実施形態に係る飲料容器の構成>
本発明とは別の発明の第3実施形態に係る飲料容器は、ホット飲料等、容器の内圧を大気圧よりも小さくし得る飲料を入れるための容器であって、図10および図11に示されるように、雌ネジ部411Cの稜線の形状が上下逆となる点で、第1実施形態に係る飲料容器と相違する。図10において符号411Aは内筒側壁部を示し、符号411oは内筒側壁部411Aの口部を示している。この飲料容器では、真空二重容器に栓体が螺着された状態の断面視(図11参照)において、栓体の雄ネジ部の下側の稜線に対向する内筒411の雌ネジ部411Cの上側の稜線Lum’’には、螺合方向Dsに対して略直交する第1稜線L1’’が含まれている。なお、ここで、「螺合方向Dsに対して略直交する」の定義は上述の通りであり、好ましい角度も上述の通りである。一方、真空二重容器に栓体が螺着された状態の断面視(図11参照)において、栓体の雄ネジ部の上側の稜線に対向する内筒411の雌ネジ部411Cの下側の稜線Llf’’の螺合方向Dsに対する角度θf’’は、螺合方向Dsに対する第1稜線L1’’の角度θe’’よりも小さい。
【0035】
上述の構成を採用することによって、容器内部の圧力が大気圧よりも小さくなった場合でも、従前の飲料容器に比べて、真空二重容器の雌ネジ部411Cに栓体の雄ネジ部がより掛かった状態となる。このため、この飲料容器は、従前の飲料容器に比べて、容器内部の圧力が大気圧よりも低くなった場合であっても栓体120を容器内部に引き込まれにくくすることができる。なお、この第3実施形態に係る飲料容器には、本発明の主旨を損ねない範囲で、第1実施形態に係る飲料容器の変形例が適用されてもよい。なお、かかる場合、その上下関係が逆になることを留意すべきである。
【0036】
-第4実施形態-
<本発明とは別の発明の第4実施形態に係る飲料容器の構成>
本発明とは別の発明の第3実施形態に係る飲料容器は、図12および図13に示されるように、主に、真空二重容器の外筒512の外筒側壁部512Aの口部512oの外周側に雄ネジ部512C形成されていると共に、その雄ネジ部512Cの形状に沿う雌ネジ部が栓体側に形成されている点で、第3実施形態に係る飲料容器と相違する。なお、ここで、栓体の代わりに蓋体が採用されてもよい。また、この飲料容器では、真空二重容器に栓体が螺着された状態の断面視(図13参照)において、栓体の雌ネジ部の下側の稜線に対向する外筒512の雄ネジ部512Cの上側の稜線Lum’’’には、螺合方向Dsに対して略直交する第1稜線L1’’’が含まれている。なお、ここで、「螺合方向Dsに対して略直交する」の定義は上述の通りであり、好ましい角度も上述の通りである。一方、真空二重容器に栓体が螺着された状態の断面視(図13参照)において、栓体の雌ネジ部の上側の稜線に対向する外筒512の雄ネジ部512Cの下側の稜線Llm’’’の螺合方向Dsに対する角度θf’’’は、螺合方向Dsに対する第1稜線L1’’’の角度θe’’’よりも小さい。
【0037】
上述の構成を採用することによって、第3実施形態に係る飲料容器と同様の効果を奏する外ネジ容器を得ることができる。なお、この第3実施形態に係る飲料容器には、本発明の主旨を損ねない範囲で、第1実施形態に係る飲料容器の変形例が適用されてもよい。なお、かかる場合、その上下関係が逆になることを留意すべきである。
【0038】
-従前の例-
<従前の飲料容器の構成>
従前の飲料容器は、図14および図15に示されるように、真空二重容器に栓体が螺着された状態の断面視(図15参照)において、雌ネジ部611Cの稜線が上下対称となる点で、第1実施形態に係る飲料容器と相違する。図14において符号611Aは内筒側壁部を示し、符号611oは内筒側壁部611Aの口部を示している。この飲料容器では、真空二重容器に栓体が螺着された状態の断面視(図15参照)において、栓体の雄ネジ部の上側の稜線に対向する内筒611の雌ネジ部611Cの下側の稜線Llcの螺合方向Dsに対する角度θcと、栓体の雄ネジ部の下側の稜線に対向する内筒611の雌ネジ部611Cの上側の稜線Lucの螺合方向Dsに対する角度θdとが等しくされている。すなわち、この飲料容器の雌ネジ部611Cには、第1実施形態に係る真空二重容器の内筒111の雌ネジ部111Cの断面視において存在していた第1稜線L1は存在しない。なお、このような雌ネジ部611Cは、例えば、図16に示されるようなプレス成形方法によって形成される。図16において符号Mm’’は雄側の金型を示し、符号Mf’’は雌側の金型を示し、符号Mo’’はプレス加工前の内筒を示している。そして、栓体が真空二重容器に螺着される際に、雌ネジ部611Cには、栓体の雄ネジ部が螺合される。
【符号の説明】
【0039】
111,211,311 内筒(容器本体)
111C,211C 雌ネジ部(第1ネジ部)
311C 雄ネジ部(第1ネジ部)
111o,211o,311o 口部
120 栓体(閉塞部材,栓体)
122h 雄ネジ部(第2ネジ部)
Ds 螺合方向
Llf 雌ネジ部の下側の稜線(第1ネジ部の下側の稜線)
Llm 雄ネジ部の下側の稜線(第2ネジ部の下側の稜線)
Lh1,Lh2 第1稜線もよりも切り上がる稜線
Luf 雌ネジ部の上側の稜線(第1ネジ部の上側の稜線)
Lum 雄ネジ部の上側の稜線(第2ネジ部の上側の稜線)
L1 第1稜線
OP 開口
θf (第1ネジ部の上側の稜線の角度)
θe (螺合方向に対する第1稜線の角度)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図16