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特開2024-100123コイルユニット、送電装置、受電装置、電力伝送システム及び移動体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100123
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】コイルユニット、送電装置、受電装置、電力伝送システム及び移動体
(51)【国際特許分類】
   H01F 38/14 20060101AFI20240719BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240719BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240719BHJP
   B60M 7/00 20060101ALI20240719BHJP
   B60L 5/00 20060101ALI20240719BHJP
   B60L 53/12 20190101ALI20240719BHJP
【FI】
H01F38/14
H02J50/10
H02J7/00 301D
B60M7/00 X
B60L5/00 B
B60L53/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003872
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【弁理士】
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】大槻 純也
【テーマコード(参考)】
5G503
5H105
5H125
【Fターム(参考)】
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA06
5G503GB08
5H105BA09
5H105BB05
5H105CC04
5H105CC07
5H105DD10
5H105EE15
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC27
5H125DD02
5H125FF15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コイルの発熱による、磁性体部材の変形を抑制したコイルユニット、送電装置、受電装置、電力伝送システム及び移動体を提供する。
【解決手段】ワイヤレス電力伝送システムの送電装置及び受電装置で用いるコイルユニット5は、コイル10と、第1磁性体部材20と、熱伝導層50と、を備えている。コイル10は、任意の中心軸線Cの周りで渦巻形状に形成されている。第1磁性体部材20は、コイル10に対向する第1面20aと、第1面20aとは反対側の第2面20bと、を有する。熱伝導層50は、第1面20aまたは第2面20bに対面して配置され、軸方向に見てコイル10の最内周部から最外周部に亘って広がる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の中心軸線の周りで渦巻形状に形成されたコイルと、
前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有する第1磁性体部材と、
前記第1面または前記第2面に対面して配置され、軸方向に見て前記コイルの最内周部から最外周部に亘って広がる熱伝導層と、
を備えたコイルユニット。
【請求項2】
前記熱伝導層は、絶縁性を有する材料で形成されている、請求項1に記載のコイルユニット。
【請求項3】
前記第1面に対面して配置され、軸方向に見て前記コイルの最内周部から最外周部に亘って広がる第1熱伝導層と、
前記第2面に対面して配置され、軸方向に見て前記コイルの最内周部から最外周部に亘って広がる第2熱伝導層と、
を備えた請求項1に記載のコイルユニット。
【請求項4】
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されている、請求項1に記載のコイルユニット。
【請求項5】
隣り合う前記第1小片が互いから離間している、請求項4に記載のコイルユニット。
【請求項6】
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
隣り合う前記第1小片間に、前記第1熱伝導層及び前記第2熱伝導層と接触又は接続する第1熱伝導部が配置されている、請求項3に記載のコイルユニット。
【請求項7】
隣り合う前記第1小片が互いに密着している、請求項4に記載のコイルユニット。
【請求項8】
前記第2面に対向して配置された第2磁性体部材を更に備え、
前記第1磁性体部材と前記第2磁性体部材との間に、前記熱伝導層が配置されている、請求項1に記載のコイルユニット。
【請求項9】
前記第2磁性体部材は、複数の第2小片に分割されており、
隣り合う前記第2小片が互いから離間している、請求項8に記載のコイルユニット。
【請求項10】
前記第2面に対向する第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有する第2磁性体部材と、
前記第4面に対面して配置された第3熱伝導層と、
を更に備え、
前記第2磁性体部材は、複数の第2小片に分割されており、
前記第2小片の間に、前記第2熱伝導層及び前記第3熱伝導層と接触又は接続する第2熱伝導部が配置されている、請求項6に記載のコイルユニット。
【請求項11】
任意の中心軸線の周りで渦巻形状に形成されたコイルと、
前記コイルに対向して配置された第1磁性体部材と、
を備え、
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
前記第1小片の間に第1熱伝導部が配置されている、コイルユニット。
【請求項12】
前記第1磁性体部材は、前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、
前記コイルユニットは、前記第2面に対向して配置された第2磁性体部材を更に備え、
前記第2磁性体部材は、複数の第2小片に分割されており、
前記第2小片の間に第2熱伝導部が配置されている、請求項11に記載のコイルユニット。
【請求項13】
前記第1熱伝導部は、絶縁性を有する材料で形成されている、請求項6又は11に記載のコイルユニット。
【請求項14】
前記第2熱伝導部は、絶縁性を有する材料で形成されている、請求項10又は12に記載のコイルユニット。
【請求項15】
任意の中心軸線の周りで渦巻形状に形成されたコイルと、
前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有する第1磁性体部材と、
を備え、
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
各第1小片は、前記第1面と前記第2面を接続する第1側面を有し、
各第1小片の前記第1面、前記第2面及び前記第1側面は、第1熱伝導被覆層によって被覆されている、コイルユニット。
【請求項16】
前記第2面に対向する第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有する第2磁性体部材を更に備え、
前記第2磁性体部材は、複数の第2小片に分割されており、
各第2小片は、前記第3面と前記第4面を接続する第2側面を有し、
各第2小片の前記第3面、前記第4面及び前記第2側面は、第2熱伝導被覆層によって被覆されている、請求項15に記載のコイルユニット。
【請求項17】
前記第1熱伝導被覆層と前記第2熱伝導被覆層とは、互いに接触又は接続している、請求項16に記載のコイルユニット。
【請求項18】
前記第1熱伝導被覆層は、絶縁性を有する材料で形成されている、請求項15に記載のコイルユニット。
【請求項19】
前記第2熱伝導被覆層は、絶縁性を有する材料で形成されている、請求項16に記載のコイルユニット。
【請求項20】
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
軸方向に見て、前記複数の第1小片の少なくとも1つは、前記コイルの最内周部から最外周部に亘って延びている、請求項1、11又は15に記載のコイルユニット。
【請求項21】
前記第1磁性体部材は、前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、
前記コイルユニットは、前記第2面に対向して配置された第2磁性体部材を更に備え、
前記第1磁性体部材は前記第2磁性体部材より厚い、請求項1、11又は15に記載のコイルユニット。
【請求項22】
前記第1磁性体部材は、前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、
前記コイルユニットは、前記第2面に対向して配置された第2磁性体部材を更に備え、
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
前記第2磁性体部材は、複数の第2小片に分割されており、
隣り合う前記第1小片間及び隣り合う前記第2小片間に直線状に延びる間隙が形成されており、
軸方向に見て、前記第1小片間の間隙と前記第2小片間の間隙とが、互いに重なって平行に延びていない、請求項1、11又は15に記載のコイルユニット。
【請求項23】
前記コイルは、径方向に配列され且つ一方向に延びる複数の直線部から成る直線部群を含み、
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
軸方向に見て、前記複数の第1小片の少なくとも1つは、前記コイルの最内周部から最外周部に亘って延びており、
前記コイルの最内周部から最外周部に亘って延びる第1小片と当該第1小片に隣接する第1小片との間には、直線状に延びる第1間隙であって、軸方向に見て前記直線部群を横断する第1間隙が形成されている、請求項1、11又は15に記載のコイルユニット。
【請求項24】
任意の中心軸線の周りで渦巻形状に形成されたコイルと、
前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有する第1磁性体部材と、
前記第2面に対向して配置された第2磁性体部材と、
を備え、
前記第1磁性体部材は前記第2磁性体部材より厚い、コイルユニット。
【請求項25】
請求項1、11、15又は24に記載のコイルユニットを備える、送電装置。
【請求項26】
請求項1、11、15又は24に記載のコイルユニットを備える、受電装置。
【請求項27】
送電装置と、受電装置とを備え、
前記送電装置及び前記受電装置のうちの少なくともいずれかが、請求項1、11、15又は24に記載のコイルユニットを備える、電力伝送システム。
【請求項28】
請求項26に記載の受電装置を備える、移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コイルユニット、送電装置、受電装置、電力伝送システム及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、送電装置から受電装置へ非接触で電力を伝送するワイヤレス電力伝送システムが普及しつつある。特許文献1には、ワイヤレス電力伝送システムの送電装置及び受電装置で用いられるコイルユニットが開示されている。コイルユニットは、渦巻き状に形成されたコイルを備えている。送電装置のコイルに電力を供給すると、当該コイルに磁界が生じる。この磁界の影響により、受電装置のコイルに電流が流れる。
【0003】
ワイヤレス電力伝送システムで用いられるコイルユニットは、電力伝送効率の向上を目的として、磁性体部材を含んでいる。磁性体部材はコイルに隣接して配置され、コイルに発生した磁界を受電装置へ向ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-27112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コイルに電流が流れると、コイルが発熱する。特にコイルの内周部が高温になる。コイルの一部が高温になると、磁性体部材の一部が変形し、コイルユニットに不具合を生じさせる虞がある。
【0006】
本開示の実施形態は、磁性体部材の変形を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施の形態は、以下の[1]~[28]に関連する。
【0008】
[1]
任意の中心軸線の周りで渦巻形状に形成されたコイルと、
前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有する第1磁性体部材と、
前記第1面または前記第2面に対面して配置され、軸方向に見て前記コイルの最内周部から最外周部に亘って広がる熱伝導層と、
を備えたコイルユニット。
【0009】
[2]
前記熱伝導層は、絶縁性を有する材料で形成されている、[1]に記載のコイルユニット。
【0010】
[3]
前記第1面に対面して配置され、軸方向に見て前記コイルの最内周部から最外周部に亘って広がる第1熱伝導層と、
前記第2面に対面して配置され、軸方向に見て前記コイルの最内周部から最外周部に亘って広がる第2熱伝導層と、
を備えた、[1]又は[2]に記載のコイルユニット。
【0011】
[4]
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されている、[1]~[3]のいずれかに記載のコイルユニット。
【0012】
[5]
隣り合う前記第1小片が互いから離間している、[4]に記載のコイルユニット。
【0013】
[6]
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
隣り合う前記第1小片間に、前記第1熱伝導層及び前記第2熱伝導層と接触又は接続する第1熱伝導部が配置されている、[3]に記載のコイルユニット。
【0014】
[7]
隣り合う前記第1小片が互いに密着している、[4]に記載のコイルユニット。
【0015】
[8]
前記第2面に対向して配置された第2磁性体部材を更に備え、
前記第1磁性体部材と前記第2磁性体部材との間に、前記熱伝導層が配置されている、[1]~[7]のいずれかに記載のコイルユニット。
【0016】
[9]
前記第2磁性体部材は、複数の第2小片に分割されており、
隣り合う前記第2小片が互いから離間している、[8]に記載のコイルユニット。
【0017】
[10]
前記第2面に対向する第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有する第2磁性体部材と、
前記第4面に対面して配置された第3熱伝導層と、
を更に備え、
前記第2磁性体部材は、複数の第2小片に分割されており、
前記第2小片の間に、前記第2熱伝導層及び前記第3熱伝導層と接触又は接続する第2熱伝導部が配置されている、[6]に記載のコイルユニット。
【0018】
[11]
任意の中心軸線の周りで渦巻形状に形成されたコイルと、
前記コイルに対向して配置された第1磁性体部材と、
を備え、
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
前記第1小片の間に第1熱伝導部が配置されている、コイルユニット。
【0019】
[12]
前記第1磁性体部材は、前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、
前記コイルユニットは、前記第2面に対向して配置された第2磁性体部材を更に備え、
前記第2磁性体部材は、複数の第2小片に分割されており、
前記第2小片の間に第2熱伝導部が配置されている、[11]に記載のコイルユニット。
【0020】
[13]
前記第1熱伝導部は、絶縁性を有する材料で形成されている、[6]、[10]、[11]又は[12]に記載のコイルユニット。
【0021】
[14]
前記第2熱伝導部は、絶縁性を有する材料で形成されている、[10]又は[12]に記載のコイルユニット。
【0022】
[15]
任意の中心軸線の周りで渦巻形状に形成されたコイルと、
前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有する第1磁性体部材と、
を備え、
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
各第1小片は、前記第1面と前記第2面を接続する第1側面を有し、
各第1小片の前記第1面、前記第2面及び前記第1側面は、第1熱伝導被覆層によって被覆されている、コイルユニット。
【0023】
[16]
前記第2面に対向する第3面と、前記第3面とは反対側の第4面とを有する第2磁性体部材を更に備え、
前記第2磁性体部材は、複数の第2小片に分割されており、
各第2小片は、前記第3面と前記第4面を接続する第2側面を有し、
各第2小片の前記第3面、前記第4面及び前記第2側面は、第2熱伝導被覆層によって被覆されている、[15]コイルユニット。
【0024】
[17]
前記第1熱伝導被覆層と前記第2熱伝導被覆層とは、互いに接触又は接続している、[16]に記載のコイルユニット。
【0025】
[18]
前記第1熱伝導被覆層は、絶縁性を有する材料で形成されている、[15]~[17]のいずれかに記載のコイルユニット。
【0026】
[19]
前記第2熱伝導被覆層は、絶縁性を有する材料で形成されている、[16]又は[17]に記載のコイルユニット。
【0027】
[20]
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
軸方向に見て、前記複数の第1小片の少なくとも1つは、前記コイルの最内周部から最外周部に亘って延びている、[1]~[19]のいずれかに記載のコイルユニット。
【0028】
[21]
前記第1磁性体部材は、前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、
前記コイルユニットは、前記第2面に対向して配置された第2磁性体部材を更に備え、
前記第1磁性体部材は前記第2磁性体部材より厚い、[1]~[20]のいずれかに記載のコイルユニット。
【0029】
[22]
前記第1磁性体部材は、前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有し、
前記コイルユニットは、前記第2面に対向して配置された第2磁性体部材を更に備え、
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
前記第2磁性体部材は、複数の第2小片に分割されており、
隣り合う前記第1小片間及び隣り合う前記第2小片間に直線状に延びる間隙が形成されており、
軸方向に見て、前記第1小片間の間隙と前記第2小片間の間隙とが、互いに重なって平行に延びていない、[1]~[21]のいずれかに記載のコイルユニット。
【0030】
[23]
前記コイルは、径方向に配列され且つ一方向に延びる複数の直線部から成る直線部群を含み、
前記第1磁性体部材は、複数の第1小片に分割されており、
軸方向に見て、前記複数の第1小片の少なくとも1つは、前記コイルの最内周部から最外周部に亘って延びており、
前記コイルの最内周部から最外周部に亘って延びる第1小片と当該第1小片に隣接する第1小片との間には、直線状に延びる第1間隙であって、軸方向に見て前記直線部群を横断する第1間隙が形成されている、[1]~[22]のいずれかに記載のコイルユニット。
【0031】
[24]
任意の中心軸線の周りで渦巻形状に形成されたコイルと、
前記コイルに対向する第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有する第1磁性体部材と、
前記第2面に対向して配置された第2磁性体部材と、
を備え、
前記第1磁性体部材は前記第2磁性体部材より厚い、コイルユニット。
【0032】
[25]
[1]~[24]のいずれかに記載のコイルユニットを備える、送電装置。
【0033】
[26]
[1]~[24]のいずれかに記載のコイルユニットを備える、受電装置。
【0034】
[27]
送電装置と、受電装置とを備え、
前記送電装置及び前記受電装置のうちの少なくともいずれかが、[1]~[24]のいずれかに記載のコイルユニットを備える、電力伝送システム。
【0035】
[28]
[26]に記載の受電装置を備える、移動体。
【発明の効果】
【0036】
本開示の実施形態によれば、磁性体部材の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、本開示の実施形態に係るコイルユニットが適用され得るワイヤレス電力伝送システムを概略的に示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るコイルユニットの平面図である。
図3図3は、図2に示すコイルユニットの分解斜視図である。
図4図4は、図2のIV-IV線に沿ったコイルユニットの断面図である。
図5図5は、図4に対応する図であって、第2実施形態に係るコイルユニットの断面図である。
図6図6は、図4に対応する図であって、コイルユニットの変形例を説明するための図である。
図7図7は、図5に対応する図であって、第3実施形態に係るコイルユニットの断面図である。
図8図8は、図4に対応する図であって、第4実施形態に係るコイルユニットの断面図である。
図9図9は、図8に示すコイルユニットの第1磁性体部材の平面図である。
図10図10は、図9に対応する図であって、コイルユニットの変形例を説明するための図である。
図11図11は、図9に対応する図であって、コイルユニットの他の変形例を説明するための図である。
図12図12は、図4に対応する図であって、第5実施形態に係るコイルユニットの断面図である。
図13図13は、図9に対応する図であって、第5実施形態に係るコイルユニットの第1磁性体部材の平面図である。
図14図14は、図4に対応する図であって、コイルユニットの変形例を説明するための図である。
図15図15は、図9に対応する図であって、図14に示すコイルユニットの第1磁性体部材の平面図である。
図16図16は、図3に対応する図であって、第6実施形態に係るコイルユニットの分解斜視図である。
図17図17は、図4に対応する図であって、図16に示すコイルユニットの断面図である。
図18図18は、図16に示すコイルユニットの第1磁性体部材及び第2磁性体部材の平面図である。
図19図19は、図18に示す第1磁性体部材及び第2磁性体部材を重ねた状態で示す図である。
図20図20は、図4に対応する図であって、第7実施形態に係るコイルユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して各実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0039】
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」などの用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば「シート」は、フィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
【0040】
図1は、本開示の実施形態に係るコイルユニット5が適用されるワイヤレス電力伝送システムSを概略的に示す。まず、ワイヤレス電力伝送システムS(以下、電力伝送システムSと略す。)について図1を参照しつつ説明する。なお、電力伝送システムSに本開示の実施形態に係るコイルユニット5とは異なるコイルユニットが適用され得ることは、言うまでもない。
【0041】
<ワイヤレス電力伝送システム>
電力伝送システムSは、送電装置1と、受電装置2とを備える。送電装置1は、コイルユニット5と、高周波電流供給部1Aとを含む。送電装置1におけるコイルユニット5は、送電コイルユニットとして機能する。高周波電流供給部1Aは、送電コイルユニットとしてのコイルユニット5に高周波電流を供給する。
【0042】
受電装置2は、コイルユニット5と、変換部2Aとを含む。受電装置2におけるコイルユニット5は、受電コイルユニットとして機能する。変換部2Aは、コイルユニット5で生じる高周波電流を整形する。変換部2Aは、高周波電流を直流電流に変換する整流回路などを有する。変換部2Aは、例えば複数のダイオードを含む全波整流回路と、平滑化コンデンサーと、を備えてもよい。
【0043】
本開示の実施形態では、送電装置1及び受電装置2のそれぞれがコイルユニット5を含む。ただし、送電装置1及び受電装置2のうちの一方のみにコイルユニット5が用いられ、他方には異なる形式のコイルユニットが用いられてもよい。
【0044】
送電装置1から受電装置2にワイヤレス(非接触)で電力を伝送する際には、送電装置1が、高周波電流供給部1Aから送電コイルユニットとしてのコイルユニット5に所定の周波数の高周波電流を供給する。この際、コイルユニット5には、電磁誘導により磁界が生じる。そして、この磁界の影響で、受電装置2では、受電コイルユニットとしてのコイルユニット5に高周波電流が生じる。すなわち、受電装置2は、送電装置1から磁界を受信して又は送電装置1での磁界の影響を受けて、電磁誘導により高周波電流を通流させる。変換部2Aは、この高周波電流を直流電流に変換し、変換した直流電流を例えば図示しないバッテリに供給する。
【0045】
図1に示す電力伝送システムSは、電力伝送方式として、磁界共鳴方式を採用している。ただし、本実施の形態に係るコイルユニット5は、電磁誘導方式の電力伝送システムで用いられてもよい。また、電力伝送システムSは、電気自動車にワイヤレスで電力を伝送するシステムとして構成される。この場合、送電装置1は、道路、駐車場などに設置される。受電装置2は、電気自動車に設置される。
【0046】
ただし、電力伝送システムSの用途は、電気自動車への電力伝送に限られるものではない。例えば、電力伝送システムSは、ドローンなどの飛行体、ロボットへの電力伝送に用いられてもよい。また、電力伝送システムSは、海中における潜水艇や、探査ロボットへの電力伝送に用いられてもよい。このように、電力伝送システムSは、電気自動車、飛行体、ロボット、潜水艇等、様々な移動体への電力伝送に用いられ得る。また、コイルユニット5の用途は、ワイヤレス電力伝送システムに限られない。例えば、コイルユニット5は、トランス、DC-DCコンバータ、アンテナなどに用いられてもよい。
【0047】
<<第1実施形態>>
<コイルユニット>
以下、第1実施形態に係るコイルユニット5について説明する。図2は、コイルユニット5の平面図である。図3は、図2に示すコイルユニット5の分解斜視図である。図4は、図2に示すコイルユニット5のIV-IV線に沿った断面図である。
【0048】
図2に示すように、コイルユニット5は、コイル10と、第1磁性体部材20と、第1接続端子41と、第2接続端子42と、を備えている。図示された例では、コイルユニット5は、更に、シールド板30を備えている。図3に示すように、コイル10は、第1磁性体部材20に対面する裏側面10bと、裏側面10bとは反対側の表側面10aと、を含む。コイル10、第1磁性体部材20及びシールド板30は、表側面10aから裏側面10bに向かう方向に、この順で配置されている。コイルユニット5及びその構成要素について用いる「表側」及び「裏側」の用語は、それぞれ、表側面10aが向く方向と同じ方向を向く面に対向する側、及び、裏側面10bが向く方向と同じ方向を向く面に対向する側、を意味するものとする。したがって、図2乃至図4に示す例では、コイル10がコイルユニット5の表側面を形成し、シールド板30がコイルユニット5の裏側面を形成している。
【0049】
(コイル)
コイル10は、図2及び図3に示すように渦巻形状である。コイル10は、導電材料から形成される。図示された例では、コイル10は銅を含む。具体的には、コイル10は、銅から形成される。ただし、コイル10は、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等で形成されてもよい。
【0050】
コイル10は、図3及び図4に示すように、板状である。図4に示すように、コイル10が渦巻形状に周回する方向に直交する方向でのコイル10の断面形状は、矩形状である。
【0051】
図2乃至図4に示す符号Cは、コイル10の中心軸線を示している。中心軸線Cは、コイル10の渦巻形状の中心を通る。言い換えると、コイル10は、中心軸線Cの周りで渦巻形状をなすように形成されている。なお、本開示で言う渦巻形状とは、螺旋状に巻いた平面曲線の形を意味する。ここで言う平面曲線には、図示のような折れ線状に曲がりつつ繰り返し周回する平面パターンも含む。また、言い換えると、渦巻形状とは、旋回するにつれて中心から遠ざかる(あるいは旋回するにつれて中心に近づく)平面曲線の形を意味する。
【0052】
以下、「軸方向」とは、中心軸線C上を延びる方向又は中心軸線Cと平行な方向を意味する。また、「径方向」とは、中心軸線C上の任意の点を中心として中心軸線Cと直交する平面上に描かれた円の半径方向を意味する。また、コイル10及びこれを構成するターン部10nの径方向の内方とは、当該径方向において中心軸線Cに近づく方向を意味する。また、コイル10及びターン部10nの径方向の外方とは、当該径方向において中心軸線Cから離れる方向を意味する。
【0053】
コイル10は、複数のターン部10nにより渦巻形状をなす導電体10Eを有する。コイル10の複数のターン部10nは、渦巻形状の中心軸線Cに直交する方向に配列される。詳しくは、当該複数のターン部10nは、渦巻形状の中心軸線Cから径方向の外方に向かって中心軸線Cから次第に離れるように接続される。そして、これにより渦巻形状が形成される。
【0054】
ターン部10nは、基本的には線状の導体部分が環状をなさずに中心軸線Cの周りを360度周回する形状である。いわゆる平面コイルである場合には、ターン部10nの両端部は、径方向にずれる。複数のターン部10nでは、或るターン部10nの径方向の外方の端部に他のターン部10nの径方向の内方の端部が接続し、他のターン部10nが中心軸線Cから離れるように延びていく。図示された例では、コイル10は、ターン部101~108を有する。複数のターン部10nのうちの中心軸線Cに最も近いものが、ターン部101である。複数のターン部10nのうちの中心軸線Cから最も遠いものが、ターン部108である。以下において複数のターン部10nのそれぞれに共通となる事項を説明する際には、基本的に、ターン部10nと称す。
【0055】
図示された例では、ターン部10nが矩形状をなすように周回する。ただし、ターン部10nは、円形をなすように周回する形状でもよい。
【0056】
ここで、中心軸線Cは、本開示では次のようにして定められる。まず、最内周のターン部101の径方向の内方の端部から最内周のターン部101と相似の形状の線状の仮想ターン部を径方向の内方に渦巻形状をなすように順次描画していく。そして、直径1cm内に収まる仮想ターン部が描画できるまで描画を継続する。そして、直径1cm内に収まる仮想ターン部の径方向の内方の領域を、渦巻形状の周方向及び径方向に直交する方向に通過する線が、中心軸線Cとして定められる。
【0057】
上述したように、図示された例では、ターン部10nが矩形状をなすように周回する。言い換えると、各ターン部10nは、第1方向D1に沿って延びる第1直線部11及び第3直線部13と、第2方向D2に沿って延びる第2直線部12及び第4直線部14と、を有する。第2方向D2は、第1方向D1と交差する方向である。図示された例では、第2方向D2は第1方向D1と直行しているが、これに限られない。
【0058】
第1直線部11と第3直線部13との間に中心軸線Cが位置している。また、第2直線部12と第4直線部14との間に中心軸線Cが位置している。第2直線部12は、第1直線部11及び第3直線部の一方の端部の間に位置している。第4直線部14は、第1直線部11及び第3直線部の他方の端部の間に位置している。複数のターン部101~108の第1直線部11が第1直線部群11Fを形成する。また、複数のターン部101~108の第2直線部12が第2直線部群12Fを形成する。また、複数のターン部101~108の第3直線部13が第3直線部群13Fを形成する。また、複数のターン部101~108の第4直線部14が第4直線部群14Fを形成する。
【0059】
第1直線部群11Fと第3直線部群13Fとの間には、中心軸線Cが位置している。第2直線部群12Fと第4直線部群14Fとの間には、中心軸線Cが位置している。第2直線部群12Fは、第1直線部群11Fの一端と第3直線部群13Fの一端との間に位置している。第4直線部群14Fは、第1直線部群11Fの他端と第3直線部群13Fの他端との間に位置している。
【0060】
コイル10は、一例として銅板やアルミ板等の金属板から渦巻形状に打ち抜かれて形成される。ただし、コイル10は、銅箔やアルミ箔等の金属箔を渦巻形状にエッチングすることでも形成され得る。
【0061】
コイル10の厚さ(導電体10Eの厚さ)は、コイル10の軸方向に沿って測定される。コイル10の厚さ(導電体10Eの厚さ)は、例えば0.1mm以上1.0mm以下でもよく、0.2mm以上0.7mm以下でもよく、0.3mm以上0.4mm以下でもよい。
【0062】
また、コイル10の半径(中心軸線Cから径方向で最も離れた部分までの距離)は80mm以上でもよく、80mm以上450mm以下でもよい。また、断面形状が矩形となるコイル10(導電体10E)のアスペクト比は、コイル10(導電体10E)の線幅(径方向での幅)をコイル10(導電体10E)の厚さで割ることにより定められる。コイル10(導電体10E)のアスペクト比は、2以上12以下でもよいし、3以上10以下でもよい。
【0063】
導電体10Eの厚さの測定は、コイルユニット5を軸方向に切断して導電体11Eを露出させた断面において、導電体11Eの各部を定規などで測定することにより行ってもよいし、断面画像の解析で行ってもよい。また、コイルユニット5からコイル10を取り出して、導電体10Eの厚さを、定規、ノギス等で測定してもよい。
【0064】
(第1磁性体部材)
第1磁性体部材20は、磁気の透過及び/又は漏れ磁界の抑制のために設けられる。第1磁性体部材20は、コイル10の裏側に配置されている。第1磁性体部材20は、シールド板30と、コイル10との間に設けられている。
【0065】
第1磁性体部材20は、全体として平板状に形成され、コイル10の軸方向に垂直な面に沿って拡がっている。第1磁性体部材20は、軸方向に見て、その外縁20eがコイル10の外側に位置する大きさを有している。第1磁性体部材20は、コイル10に対向する第1面20aと、第1面20aとは反対側の第2面20bと、を有する。第1面20aは表側を向き、第2面20bは裏側を向く。
【0066】
第1磁性体部材20は磁性体を含む。これにより、第1磁性体部材20は、コイル10において中心軸線Cに対して全方向に広がるように生じる磁界(磁力線)を、中心軸線C側に配向することができる。これにより、コイルユニット5の磁気効率を高めることができる。また、第1磁性体部材20によって、磁力線の周辺部品への到達を抑制することができる。言い換えると、第1磁性体部材20によって、電流の発生に寄与しない漏れ磁界が抑制される。
【0067】
第1磁性体部材20は好ましくは軟磁性体を含む。より具体的には、第1磁性体部材20はフェライトを含む、好ましくはソフトフェライトを含む。また、第1磁性体部材20は、ナノ結晶磁性体を含んでもよい。
【0068】
第1磁性体部材20の比透磁率は、500以上でもよく、1000以上でもよい。第1磁性体部材20の比透磁率は、500以上3000以下でもよいし、1000以上3000以下でもよい。なお、本開示における比透磁率は、周波数85kHzで、環境温度23度で測定した際の値である。
【0069】
図示された例では、第1磁性体部材20は、複数の第1小片Pに分割されている。言い換えると、第1磁性体部材20は、同一平面内に配置された複数の第1小片Pを含む。軸方向に見た各第1小片Pの寸法は、150mm以下×150mm以下であってよい。第1磁性体部材20を複数の第1小片Pで構成することにより、寸法の大きな第1磁性体部材20の形成が容易になる。
【0070】
図示された例では、各第1小片Pは、四角形の平面形状を有するが、これに限られない。第1小片Pの平面形状としては、四角形以外の多角形や円形など、任意の形状を採用可能である。図示された例では、第1小片Pは磁性体を含む。より具体的には、第1小片Pはフェライトを含む、好ましくはソフトフェライトを含む。また、第1小片Pは、ナノ結晶磁性体を含んでもよい。
【0071】
隣り合う第1小片P,Pの間には、間隙G1が形成されている。隣り合う第1小片P,Pが互いから離間していることにより、コイル10で発生した磁界の影響により渦電流が生じた状態で第1小片P,Pが短絡する、という虞が低減される。間隙G1の幅は任意であるが、第1小片Pの製造公差を考慮すると、間隙G1の幅は1mm以上であることが好ましい。また、間隙G1を通じた磁力線の透過を抑制する観点から、間隙G1の幅は6mm以下であることが好ましい。
【0072】
第1磁性体部材20の厚さは、任意であるが、例えば0.01mm以上であり、1mm以上であることが好ましく、3mm以上であることが更に好ましい。第1磁性体部材20の厚さが0.01mm以上であることにより、コイル10の熱による第1磁性体部材20の熱変形が抑制される。
【0073】
(シールド板)
シールド板30は、第1磁性体部材20の裏側に配置されている。言い換えると、シールド板30は、第1磁性体部材20の第2面20bに対向して配置されている。シールド板30は、コイル10で発生した電磁波を、裏側から遮蔽する。コイル10で発生した電磁波がシールド板30によって遮断されることにより、当該電磁波が他の電子部品や人体等に影響を与えることを抑制することができる。シールド板30を形成する材料としては、例えばアルミニウム等の金属を採用可能である。コイルユニット5が自動車に取り付けられる場合、シールド板30は自動車の車体(ボディ)を構成する金属板であってよい。
【0074】
図4に示すように、シールド板30は、第1磁性体部材20から離間して配置されている。シールド板30と第1磁性体部材20との間には、スペーサ35が配置されていてよい。これにより、シールド板30と第1磁性体部材20との距離を、所定の距離に維持することができる。スペーサ35は、絶縁性の部材であれば特に限定されないが、熱伝導部材であることが好ましい。これにより、スペーサ35によってコイルユニット5からの放熱を促すことができる。第1磁性体部材20とシールド板30とは、スペーサ35としての熱伝導部材を介して接合されていてもよい。
【0075】
(接続端子)
図2に示すように、第1接続端子41及び第2接続端子42は、それぞれ、コイル10の径方向の外方の端部及び内方の端部に接続されている。より具体的には、第1接続端子41は、ターン部108に接続され、第2接続端子42は、ターン部101に接続されている。第1接続端子41及び第2接続端子42は、例えば高周波電流供給部1A又は変換部2Aとの接続の際に用いられ得る。第1接続端子41とターン部108との接続及び第2接続端子42とターン部101との接続は、超音波接合で行われてもよい。ただし、その接続手法は限られず、例えば導電性接着剤による接続が採用されてもよい。
【0076】
送電コイルユニットとしてコイルユニット5を用いる場合、第1接続端子41及び第2接続端子42は、図1で示したような高周波電流供給部1A又は交流電源に接続される。高周波電流供給部1A又は交流電源からコイル10に電流が供給されることで、コイル10に中心軸線Cに沿う磁力線を含む磁界が発生する。
【0077】
一方で、受電コイルユニットとしてコイルユニット5を用いる場合、第1接続端子41及び第2接続端子42は、図1で示したような変換部2Aに接続される。コイル10が中心軸線Cに沿う磁力線を含む磁界を受けると、コイル10に高周波電流が発生する。そして、この高周波電流を、第1接続端子41又は第2接続端子42から変換部2Aやバッテリに供給できる。
【0078】
(熱伝導層)
ところで、コイル10に高周波電流が流れるとコイル10が発熱する。コイル10の温度は、径方向内方に近づくほど高くなる。コイル10が板状コイルの場合、コイル10の最内周部の温度は75℃以上になり得る。コイル10が板状コイルの場合、コイル10の最内周部の温度と最外周部の温度との差は、25℃以上になり得る。コイル10の一部が高温になると、コイル10の熱によって第1磁性体部材20の一部が変形し、コイルユニット5に不具合が生じる虞がある。例えば、図示された例では、第1磁性体部材20は、複数の第1小片Pに分割されている。コイル10の熱で第1小片Pが変形すると、隣り合う第1小片P,Pが短絡し、火花が生じる虞がある。第1磁性体部材20が互いから離間した複数の第1小片Pからなる場合、熱が第1小片P間を伝達しないため、一部の第1小片Pの温度が高温に維持される。この結果、当該第1小片Pが大きく熱変形する虞がある。また、一部の第1小片Pが高温に維持されることにより、コイル10の放熱が阻害される。
【0079】
このような問題を解決するため、コイルユニット5は、熱伝導層50を更に備えている。熱伝導層50は、第1磁性体部材20と隣り合って配置されている。図示された例では、熱伝導層50は、第1磁性体部材20と接触している。図示された例では、コイルユニット5は、第1磁性体部材20の表側と裏側に熱伝導層50を有している。以下では、第1磁性体部材20の第1面20aに対面して配置された熱伝導層50を、「第1熱伝導層51」とも称する。第1熱伝導層51は、コイル10と第1磁性体部材20との間に配置されている。また、以下では、第1磁性体部材20の第2面20bに対面して配置された熱伝導層50を、「第2熱伝導層52」とも称する。第2熱伝導層52は、第1磁性体部材20とシールド板30との間に配置されている。
【0080】
各熱伝導層51,52はシート状に形成されている。各熱伝導層51,52は、軸方向に見て、コイル10の最内周部から最外周部に亘って連続して広がっている。図示された例では、各熱伝導層51,52は、軸方向に見て、その外縁51e,52eがコイル10の外側に位置する大きさを有している。このような熱伝導層51,52が第1磁性体部材20と隣り合って配置されていることにより(図示された例では、熱伝導層51,52が第1磁性体部材20と接触していることにより)、第1磁性体部材20の熱を熱伝導層51,52に移動させて、熱伝導層51,52の面方向に分散させることができる。このため、第1磁性体部材20の面方向の温度勾配を小さくすることができる。とりわけ図示された例では、第1磁性体部材20は複数の第1小片Pに分割されているが、第1小片Pの熱を、熱伝導層50に移動させて、熱伝導層50の面方向に沿って移動させることができる。より具体的には、第1磁性体部材20の中央部の熱を、熱伝導層50の外縁50eへ向けて移動させることができる。これにより、第1磁性体部材20の中央部が熱変形する虞が抑制される。なお、コイルユニット5は、第1熱伝導層51及び第2熱伝導層52の一方のみを備えていてもよい。
【0081】
熱伝導層50の熱伝導率は、例えば0.5W/m・K以上であってよく、1W/m・K以上であることが好ましく、3W/m・K以上であることがより好ましく、5W/m・K以上であることが更に好ましい。熱伝導層50の熱伝導率が0.5W/m・K以上である場合、第1磁性体部材20からの熱が熱伝導層50中を移動する速さは、当該熱が空気中を移動する速さよりも速い。このため、熱伝導層50は、第1磁性体部材20からの放熱を促進することができる。第1磁性体部材20が複数の第1小片Pに分割されていない場合、熱伝導層50の熱伝導率は、第1磁性体部材20の熱伝導率よりも高いことが好ましい。この場合、熱伝導層50は、第1磁性体部材20よりも速く熱を移動させることができるため、第1磁性体部材20に温度勾配が生じることを抑制することができる。
【0082】
なお、熱伝導層50及び第1磁性体部材20の熱伝導率は、次のようにして測定される。すなわち、コイルユニット5を分解して、熱伝導層50と第1磁性体部材20とから成る積層体を得る。さらに、熱伝導層50から第1磁性体部材20を剥がす。このようにして、コイルユニット5から熱伝導層50及び第1磁性体部材20を、それぞれ採取する。
次に、樹脂系材料の熱伝導率や熱拡散率を測定するためのJIS規格が存在しないため、JIS R1611:2010(ファインセラミックスのフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導率の測定方法)に準拠して、レーザーフラッシュ法により、測定温度25℃での熱伝導層50及び第1磁性体部材20の熱拡散率a(mm/秒)を測定する。このとき、採取された熱伝導層50及び第1磁性体部材20の厚さが0.5mm未満又は5mmより大きい場合には、JIS R1611:2010に規定された測定方法に適合するよう、熱伝導層50及び第1磁性体部材20の厚さを0.5mm以上5mm以下に調整した後に、測定する。例えば採取された熱伝導層50の厚さが0.5mm未満の場合には、当該熱伝導層50を複数の熱伝導層片に分割し、複数の熱伝導層片を重ねることによって、厚さが0.5mm以上の熱伝導層を作製してもよい。また、採取された熱伝導層50の厚さが5mmより大きい場合には、当該熱伝導層50を削ることによって、厚さが5mm以下の熱伝導層を作製してもよい。
次に、JIS K6268に準拠して、アルキメデス法により熱伝導層50及び第1磁性体部材20の密度ρ(g/m)を測定する。
また、JIS K7123に準拠して、DSC測定装置を用いて、測定温度25℃での比熱容量c(J/(g・K))を測定する。
得られた熱拡散率a(mm/秒)、密度ρ(g/m)及び比熱容量c(J/(g・K))から、測定温度25℃での熱伝導層50及び第1磁性体部材20の熱伝導率H(W/m・K)を計算する。具体的には、熱拡散率a、密度ρ及び比熱容量cを、式H=a×ρ×cに代入することにより、熱伝導率Hを計算する。
【0083】
熱伝導層50は、絶縁性を有する材料で形成されていることが好ましい。これにより、第1磁性体部材20と他の部材(例えば、コイル10やシールド板30)との電気的接続を防止することができる。熱伝導層50の体積抵抗率は、例えば、1.0×10Ω・cm以上であってよく、1.0×1010Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×1011Ω・cm以上であることが更に好ましい。なお、熱伝導層50の体積抵抗率は、JIS K6911に規定された方法に準拠して測定した体積抵抗率である。具体的には、熱伝導層50の体積抵抗率は、次のようにして測定される。すなわち、上述した方法と同様の方法により、コイルユニット5から熱伝導層50を採取する。採取された熱伝導層50の体積抵抗率を測定する。
【0084】
上述した熱伝導率及び体積抵抗率を有する熱伝導層を形成する材料としては、例えば、北川工業株式会社製の「クールプロバイド(登録商標)CPSH」や、「クールプロバイド(登録商標)CPVG-2」を採用することができる。あるいは、熱伝導層50は、例えば、絶縁性の樹脂に熱伝導フィラーを分散させることにより作製された絶縁性放熱材料を用いて形成することができる。この場合、絶縁性の樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スチレン樹脂、フェノキシ樹脂、オキセタン樹脂、エポキシ樹脂、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、又はこれらの組み合わせを採用可能である。絶縁性の樹脂は、1種類の樹脂から形成されてもよいし、2種類以上の樹脂から形成されてもよい。また、絶縁性の樹脂は、アウトガスによる汚染を抑制する観点から、シリコーン樹脂以外が好ましい。また、熱伝導フィラーは、絶縁性の樹脂に、熱伝導性を付与等する目的で使用される。熱伝導フィラーを構成する材料としては、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、酸化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ホウ素、黒鉛、炭素繊維、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、又はこれらの組み合わせを採用可能である。熱伝導フィラーは、1種類の材料から形成されてもよいし、2種類以上の材料で形成されてもよい。また、絶縁性放熱材料は、互いに異なる材料で形成された2種類以上の熱伝導フィラーを含んでいてもよい。
【0085】
また、熱伝導層50に高い熱伝導性が要求される場合には、熱伝導層50は、上記絶縁性放熱材料と金属製の部材とを用いて作製されてもよい。例えば、アルミニウムなどで作製された金属板を上記絶縁性放熱材料で被覆することにより、高い熱伝導性を有する熱伝導層50を作製することができる。なお、スペーサ35も、熱伝導層50と同様の材料を用いて作製されてよい。
【0086】
熱伝導層50の厚さは、上述した熱伝導率及び体積抵抗率を考慮して、適宜決定可能である。
【0087】
図示された例では、熱伝導層50(より具体的には、第2熱伝導層52)は、スペーサ35に接触している。これにより、第1磁性体部材20の熱を、熱伝導層50及びスペーサ35を介して、シールド板30に移動させることができる。これにより、第1磁性体部材20からの放熱を促進することができ、第1磁性体部材20に温度勾配が生じることを抑制することができる。
【0088】
なお、第1磁性体部材20からの放熱が促進されることで、コイル10からの放熱も促進される。このことは、コイルユニット5の電力損失の低減に寄与する。
【0089】
<<第2実施形態>>
次に、図5及び図6を参照して、第2実施形態に係るコイルユニット5について説明する。図5及び図6は、第2実施形態に係るコイルユニット5の断面図である。本実施形態における構成部分のうちの第1実施形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
【0090】
第2実施形態では、隣り合う第1小片P間に第1熱伝導部55が配置されている。各第1小片Pは、第1面20aと第2面20bとを接続する第1側面20cを有する。熱伝導部55は、隣り合う第1小片Pの互いに対向する第1側面20cの間に配置されている。
【0091】
図示された例では、第1熱伝導部55は、互いに対向する第1側面20cに接触している。言い換えると、複数の第1小片Pは、第1熱伝導部55を介して接続されている。このため、第1小片Pの熱が、第1熱伝導部55を通じて他の第1小片Pに伝えられる。この結果、第1磁性体部材20の熱を、第1熱伝導部55を通じて第1磁性体部材20の面方向に、第1磁性体部材20の外縁20eへ向けて移動させることができる。これにより、第1磁性体部材20の面方向の温度勾配を小さくすることができる。
【0092】
また、第1小片P間に第1熱伝導部55が配置されていることにより、複数の第1小片Pの相対位置が変化することが抑制される。この結果、隣り合う第1小片Pが短絡する虞が抑制される。
【0093】
第1熱伝導部55の熱伝導率は、例えば0.5W/m・K以上であってよく、1W/m・K以上であることが好ましく、3W/m・K以上であることがより好ましく、5W/m・K以上であることが更に好ましい。第1熱伝導部55の熱伝導率が0.5W/m・K以上である場合、第1小片Pからの熱が第1熱伝導部55中を移動する速さは、当該熱が空気中を移動する速さよりも速い。このため、第1熱伝導部55は、第1小片P間の熱の伝搬を促進することができる。第1熱伝導部55は、熱伝導層50と同じ材料または同様の材料により作製されてよい。第1熱伝導部55の熱伝導率は、上述した熱伝導層50及び第1磁性体部材20の熱伝導率の測定方法と同様の方法により、測定される。
【0094】
第1熱伝導部55は、絶縁性を有する材料で形成されていることが好ましい。これにより、隣り合う第1小片P間の電気的接続を防止することができる。第1熱伝導部55の体積抵抗率は、例えば、1.0×10Ω・cm以上であってよく、1.0×1010Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×1011Ω・cm以上であることが更に好ましい。第1熱伝導部55の体積抵抗率は、上述した熱伝導層50の体積抵抗率の測定方法と同様の方法により、測定される。
【0095】
図示された例では、第1熱伝導部55は、第1熱伝導層51及び第2熱伝導層52に接触又は接続している。これにより、第1熱伝導層51の熱を、第1熱伝導部55を通じて第2熱伝導層52に移動させることができる。これにより、第1熱伝導層51の放熱が促進され、第1磁性体部材20の放熱が促進される。
【0096】
図5に示す例では、第1熱伝導部55は、熱伝導層50と別体の部材として形成されているが、これに限られない。図6に示すように、熱伝導部55は、熱伝導層50と一体に形成されてよい。
【0097】
<<第3実施形態>>
次に、図7を参照して、第3実施形態に係るコイルユニット5について説明する。図7は、第3実施形態に係るコイルユニット5の断面図である。本実施形態における構成部分のうちの第1実施形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
【0098】
第3実施形態では、各第1小片Pの第1面20a、第2面20b及び第1側面20cは、第1熱伝導被覆層60で被覆されている。図示された例では、第1熱伝導被覆層60は第1小片Pに接触している。第1熱伝導被覆層60は、熱伝導層50と同じ材料又は同様の材料により作製されてよい。この場合、各第1熱伝導被覆層60によって、対応する第1小片Pの放熱を促すことができる。
【0099】
図示された例では、第1熱伝導被覆層60は、スペーサ35に接触している。これにより、第1磁性体部材20の熱を、第1熱伝導被覆層60及びスペーサ35を介して、シールド板30に移動させることができる。これにより、第1磁性体部材20からの放熱を促進することができ、第1磁性体部材20に温度勾配が生じることを抑制することができる。
【0100】
図示された例では、隣り合う第1小片Pを被覆する第1熱伝導被覆層60,60は、互いに接触している。この場合、第1磁性体部材20の熱を、第1熱伝導被覆層60を通じて第1磁性体部材20の面方向に沿って移動させることができる。これにより、第1磁性体部材20に温度勾配が生じることを効果的に抑制することができる。また、複数の第1小片Pの相対位置が変化することが抑制される。
【0101】
第1熱伝導被覆層60の熱伝導率は、例えば0.5W/m・K以上であってよく、1W/m・K以上であることが好ましく、3W/m・K以上であることがより好ましく、5W/m・K以上であることが更に好ましい。第1熱伝導被覆層60の熱伝導率が0.5W/m・K以上である場合、第1小片Pからの熱が第1熱伝導被覆層60中を移動する速さは、当該熱が空気中を移動する速さよりも速い。このため、第1熱伝導被覆層60は、第1小片Pからの放熱を促進することができる。第1熱伝導被覆層60は、熱伝導層50と同じ材料または同様の材料により作製されてよい。第1熱伝導被覆層60の熱伝導率は、上述した熱伝導層50及び第1磁性体部材20の熱伝導率の測定方法と同様の方法により、測定される。
【0102】
第1熱伝導被覆層60は、絶縁性を有する材料で形成されていることが好ましい。これにより、隣り合う第1小片P間の電気的接続を防止することができる。また、第1磁性体部材20と他の部材(例えば、コイル10やシールド板30)との電気的接続を防止することができる。第1熱伝導被覆層60の体積抵抗率は、例えば、1.0×10Ω・cm以上であってよく、1.0×1010Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×1011Ω・cm以上であることが更に好ましい。第1熱伝導被覆層60の体積抵抗率は、上述した熱伝導層50の体積抵抗率の測定方法と同様の方法により、測定される。
【0103】
<<第4実施形態>>
次に、図8乃至図11を参照して、第4実施形態に係るコイルユニット5について説明する。図8は、第4実施形態に係るコイルユニット5の断面図である。図9は、図8に示すコイルユニット5の第1磁性体部材20の平面図である。図10及び図11は、図9に対応する図であって、第4実施形態の変形例を説明するための図である。図9乃至図11において、コイル10が二点鎖線で示されている。本実施形態における構成部分のうちの第1実施形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
【0104】
第4実施形態では、軸方向に見て、第1磁性体部材20の複数の第1小片Pの少なくとも1つが、コイル10の最内周部から最外周部に亘って連続して延びている。図9に示す例では、第1磁性体部材20は、軸方向に見てコイル10の最内周部から最外周部に亘って連続して延びる第1小片P91~P98を含む。この場合、第1小片P91~P98において、第1磁性体部材20の中央部の熱を、外縁20eに向けて移動させることができる。第1小片P91~P98が高温に維持されることを抑制することができる。図9に示す例では、軸方向に見てコイル10の最内周部と重なる全ての第1小片P91~P98が、コイル10の最外周部まで連続して延びている。このため、複数の第1小片Pの一部が高温に維持される虞が抑制される。
【0105】
なお、第1磁性体部材20の分割態様は、図9に示す分割態様に限られない。例えば、第1磁性体部材20は、図10及び図11に示す分割態様で分割されていてもよい。
【0106】
図10に示す例では、第1磁性体部材20は、軸方向に見てコイル10の最内周部から最外周部に亘って連続して延びる第1小片P101~P106を含む。この場合、第1小片P101~P106において、第1磁性体部材20の中央部の熱を、外縁20eに向けて移動させることができる。図10に示す例でも、軸方向に見てコイル10の最内周部と重なる全ての第1小片P101~P106が、コイル10の最外周部まで連続して延びている。このため、複数の第1小片Pの一部が高温に維持される虞が抑制される。
【0107】
図11に示す例では、第1磁性体部材20は、軸方向に見てコイル10の最内周部から最外周部に亘って連続して延びる第1小片P111及びP112を含む。この場合、第1小片P111及びP112において、第1磁性体部材20の中央部の熱を、外縁20eに向けて移動させることができる。
【0108】
さらに、図9に示す例では、第1小片P91と、当該第1小片P91に隣接する第1小片Pとの間に、直線状に延びる第1間隙G11が形成されている。軸方向に見て、第1間隙G11は第1直線部群11Fを横断している。軸方向に見て第1直線部群11Fと重なる第1間隙G11を、第1直線部群11Fを横断するように形成することにより、第1直線部群11Fで生じた磁力線が第1間隙G11を通じて第1磁性体部材20を透過することを、抑制することができる。
【0109】
また、第1小片P93と、当該第1小片P93に隣接する第1小片P92,P94との間に、直線状に延びる第1間隙G13が形成されている。軸方向に見て、第1間隙G13は第2直線部群12Fを横断している。軸方向に見て第2直線部群12Fと重なる第1間隙G13を、第2直線部群12Fを横断するように形成することにより、第2直線部群12Fで生じた磁力線が第1間隙G13を通じて第1磁性体部材20を透過することを、抑制することができる。
【0110】
また、第1小片P95と、当該第1小片P95に隣接する第1小片Pとの間に、直線状に延びる第1間隙G15が形成されている。軸方向に見て、第1間隙G15は第3直線部群13Fを横断している。軸方向に見て第3直線部群13Fと重なる第1間隙G15を、第3直線部群13Fを横断するように形成することにより、第3直線部群13Fで生じた磁力線が第1間隙G15を通じて第1磁性体部材20を透過することを、抑制することができる。
【0111】
また、第1小片P97と、当該第1小片P97に隣接する第1小片P96,P98との間に、直線状に延びる第1間隙G17が形成されている。軸方向に見て、第1間隙G17は第4直線部群14Fを横断している。軸方向に見て第4直線部群14Fと重なる第1間隙G17を、第4直線部群14Fを横断するように形成することにより、第4直線部群14Fで生じた磁力線が第1間隙G15を通じて第1磁性体部材20を透過することを、抑制することができる。
【0112】
なお、第1間隙G1を通じて第1磁性体部材20する磁力線を低減することにより、シールド板30に渦電流が発生することを抑制することができる。このことは、コイルユニット5の電力損失の低減に寄与する。
【0113】
図示された例では、軸方向に見て第1間隙G11と第1直線部11とがなす角度は90°であるが、これに限られない。軸方向に見て第1間隙G11と第1直線部11とがなす角度は、例えば80°以上100°以下であってよい。
【0114】
また、図示された例では、軸方向に見て第1間隙G13と第2直線部12とがなす角度は90°であるが、これに限られない。軸方向に見て第1間隙G13と第2直線部12とがなす角度は、例えば80°以上100°以下であってよい。
【0115】
また、図示された例では、軸方向に見て第1間隙G15と第3直線部13とがなす角度は90°であるが、これに限られない。軸方向に見て第1間隙G15と第3直線部13とがなす角度は、例えば80°以上100°以下であってよい。
【0116】
また、図示された例では、軸方向に見て第1間隙G17と第4直線部14とがなす角度は90°であるが、これに限られない。軸方向に見て第1間隙G17と第4直線部14とがなす角度は、例えば80°以上100°以下であってよい。
【0117】
<<第5実施形態>>
次に、図12乃至図15を参照して、第5実施形態に係るコイルユニット5について説明する。図12は、第5実施形態に係るコイルユニット5の断面図である。図13は、図12に示すコイルユニット5の第1磁性体部材20の平面図である。図14及び図15は、それぞれ図12及び図13に対応する図であって、第5実施形態の変形例を説明するための図である。図13及び図15において、コイル10が二点鎖線で示されている。本実施形態における構成部分のうちの第1実施形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
【0118】
第5実施形態では、軸方向に見て、第1磁性体部材20の隣り合う第1小片Pが互いに密着している。より具体的には、隣り合う第1小片Pの縁部が、軸方向に重なり合っている。この場合、第1小片P間で熱を移動させることができ、第1磁性体部材20の中央部の熱を外縁20eに向けて移動させることができる。また、隣り合う第1小片P間に間隙が形成されていないため、コイル10で生じた磁力線が第1磁性体部材20を透過することを、抑制することができる。
【0119】
図12及び図13に示す例では、第1磁性体部材20は、第1-1小片P1~第1-5P5を有する。第1-1小片P1~第1-5P5は、第2方向D2に沿ってこの順で並んでいる。各第1小片Pは、第1方向D1に沿って延びる一対の第1縁部Pa及び第2縁部Pbを有する。第1-1小片P1、第1-3小片P3及び第1-5小片P5は、第1-2小片P2及び第1-4小片P4に裏側から接触している。より具体的には、第1-1小片P1の第2縁部Pbは、第1-2小片P2の第1縁部Paと軸方向に重なっている。第1-3小片P3の第1縁部Paは、第1-2小片P2の第2縁部Pbと軸方向に重なっている。第1-3小片P3の第2縁部Pbは、第1-4小片P4の第1縁部Paと軸方向に重なっている。第1-5小片P5の第1縁部Paは、第1-4小片P4の第2縁部Pbと軸方向に重なっている。
【0120】
もちろん、複数の第1小片Pの配置は、図12及び図13に示す配置に限られない。例えば、複数の第1小片Pは、図14及び図15に示すように配置されていてもよい。図14及び図15に示す例では、第1磁性体部材20は、第1-1小片P1~第1-5P5を有する。第1-1小片P1~第1-5P5は、第2方向D2に沿ってこの順で並んでいる。第1-1小片P1の第2縁部Pbは、第1-2小片P2の第1縁部Paに裏側から接触している。第1-2小片P2の第2縁部Pbは、第1-3小片P3の第1縁部Paに裏側から接触している。第1-3小片P3の第2縁部Pbは、第1-4小片P4の第1縁部Paに裏側から接触している。第1-4小片P4の第2縁部Pbは、第1-5小片P5の第1縁部Paに裏側から接触している。
【0121】
<<第6実施形態>>
次に、図16乃至図19を参照して、第6実施形態に係るコイルユニット5について説明する。図16は、第6実施形態に係るコイルユニット5の分解斜視図である。図17は、図16に示すコイルユニット5の断面図である。図18は、図16に示すコイルユニット5の第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25の平面図である。図19は、図18に示す第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25を重ねた状態で示す平面図である。本実施形態における構成部分のうちの第2実施形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
【0122】
第6実施形態では、コイルユニット5は、第2磁性体部材25を含む。第2磁性体部材25は、第1磁性体部材20とシールド板30との間に配置されている。言い換えると、第2磁性体部材25は、第1磁性体部材20の第2面20bに対向している。さらに言い換えると、コイル10と第1磁性体部材20と第2磁性体部材25とは、第1磁性体部材20の第1面20aから第2面20bに向かう方向に沿って(言い換えると、表側から裏側へ向かって)この順で配置されている。
【0123】
(第2磁性体部材)
第2磁性体部材25は、第1磁性体部材20と同様に、磁気の透過及び/又は漏れ磁界の抑制のために設けられる。コイル10の裏側に第1磁性体部材20に加えて第2磁性体部材25が配置されていることにより、コイルユニット5の磁気効率をさらに高めることができる。
【0124】
第2磁性体部材25は、全体として平板状に形成され、コイル10の軸方向に垂直な面に沿って拡がっている。第2磁性体部材25は、軸方向で見て、その外縁25eがコイル10の外側に位置する大きさを有している。第2磁性体部材25は、第1磁性体部材20の側を向く第3面25aと、第3面25aとは反対側を向く第4面25bと、を有する。第3面25aは表側を向き、第4面25bは裏側を向く。
【0125】
第2磁性体部材25は、磁性体を含む。第2磁性体部材25は好ましくは軟磁性体を含む。より具体的には、第2磁性体部材25はフェライトを含む、好ましくはソフトフェライトを含む。また、第2磁性体部材25は、ナノ結晶磁性体を含んでもよい。第2磁性体部材25は、第1磁性体部材20と同じ材料又は同様の材料で形成されてよい。
【0126】
第2磁性体部材25の比透磁率は、500以上でもよく、1000以上でもよい。第2磁性体部材25の比透磁率は、500以上3000以下でもよいし、1000以上3000以下でもよい。
【0127】
第2磁性体部材25の厚さは任意であるが、図示された例では、第2磁性体部材25は、第1磁性体部材20よりも薄い。言い換えると、第1磁性体部材20は、第2磁性体部材25よりも厚い。第1磁性体部材20は、第2磁性体部材25よりもコイル10に近接している。したがって、第1磁性体部材20は、第2磁性体部材25よりもコイル10からの熱を吸収しやすい。このような第1磁性体部材20が十分な厚さを有していることにより、第1磁性体部材20の熱変形が抑制される。その一方で、第2磁性体部材25が第1磁性体部材20よりも薄いことで、第2磁性体部材25によるコイルユニット5の重量の増大を抑制することができる。第2磁性体部材25の厚さは、例えば0.001mm以上であり、0.1mm以上であることが好ましく、1.0mm以上であることが更に好ましい。
【0128】
図示された例では、第2磁性体部材25は、複数の第2小片Qに分割されている。言い換えると、第2磁性体部材25は、同一平面内に配置された複数の第2小片Qを含む。軸方向に見た各第2小片Qの寸法は、150mm以下×150mm以下であってよい。第2磁性体部材25を複数の第2小片Qで構成することにより、寸法の大きな第2磁性体部材25の形成が容易になる。
【0129】
図示された例では、各第2小片Qは、四角形の平面形状を有するが、これに限られない。第2小片Qの平面形状としては、四角形以外の多角形や円形など、任意の形状を採用可能である。図示された例では、第2小片Qは磁性体を含む。より具体的には、第2小片Qはフェライトを含む、好ましくはソフトフェライトを含む。また、第2小片Qは、ナノ結晶磁性体を含んでもよい。
【0130】
隣り合う第2小片Q,Qの間には、第2間隙G2が形成されている。隣り合う第2小片Q,Qが互いから離間していることにより、コイル10で発生した磁界の影響により渦電流が生じた状態で第2小片Q,Qが短絡する、という虞が低減される。第2間隙G2の幅は任意であるが、第2小片Qの製造公差を考慮すると、第2間隙G2の幅は1mm以上であることが好ましい。また、コイル10で発生した磁力線が第2間隙G2を通じて第2磁性体部材25を透過することを抑制する観点から、第2間隙G2の幅は6mm以下であることが好ましい。
【0131】
図18に示すように、第1磁性体部材20の第1間隙G1は、直線状に延びている。また、第2磁性体部材25の第2間隙G2は、直線状に延びている。図19に示すように、第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25の間隙G1,G2は、軸方向に見て、第1間隙G1と第2間隙G2とが互いに重なって平行に延びないように、形成されている。これにより、軸方向に見て第1間隙G1と第2間隙G2との重なりを小さくすることができ、コイル10で発生した磁力線が第1間隙G1と第2間隙G2を通じて第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25を透過することを抑制することができる。図19において、第1間隙G1と第2間隙G2とが重なる部分には黒丸が付されている。図19に示す例では、コイル10の裏側は、黒丸が付された点以外、第1磁性体部材20または第2磁性体部材25によって、覆われている。これにより、コイルユニット5の磁気効率をさらに高めることができる。
【0132】
図18に示す例では、第1磁性体部材20を中心軸線Cの周りで所定角度だけ回転させると、第2磁性体部材25に重なる。より詳しくは、第1磁性体部材20の第1間隙G1は、第1磁性体部材20を中心軸線Cの周りで所定角度だけ回転させると、第2磁性体部材25の第2間隙G2と完全に重なり合う。このように第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25を設計することにより、軸方向に見て第1間隙G1と第2間隙G2とが互いに重なって平行に延びていないコイルユニット5を作製することが容易である。
【0133】
(熱伝導層)
図17に示す例では、第1磁性体部材20と第2磁性体部材25との間に、熱伝導層50が配置されている。より具体的には、第1磁性体部材20と第2磁性体部材25との間に第2熱伝導層52が配置されている。図示された例では、第2熱伝導層52は、第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25に接触している。これにより、第1磁性体部材20の熱及び第2磁性体部材25の熱を、第2熱伝導層52に移動させて、第2熱伝導層52の面方向に移動させることができる。これにより、第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25の面方向の温度勾配を、小さくすることができる。とりわけ図示された例では、第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25は複数の第1小片P及び複数の第2小片Qに分割されているが、第1小片P及び第2小片Qの熱を第2熱伝導層52に移動させることにより、当該熱を、第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25の面方向に沿って移動させることができる。これにより、一部の第1小片P及び第2小片Qが高温に維持されて熱変形する虞が、抑制される。
【0134】
図示された例では、コイルユニット5は、第2磁性体部材25の第4面25bに対面して配置された熱伝導層50を更に有する。以下では、第2磁性体部材25の第4面25bに対面して配置された熱伝導層50を、「第3熱伝導層53」とも称する。第3熱伝導層53はシート状に形成されている。第3熱伝導層53は、軸方向に見て、コイル10の最内周部から最外周部に亘って連続して広がっている。図示された例では、第3熱伝導層53は、軸方向で見て、その外縁53eがコイル10の外側に位置する大きさを有している。このような第3熱伝導層53が第2磁性体部材25と隣り合って配置されていることにより、第2磁性体部材25の熱を第3熱伝導層53に移動させて、第3熱伝導層53の面方向に分散させることができる。このため、第2磁性体部材25の面方向の温度勾配を小さくすることができる。
【0135】
(熱伝導部)
図17に示す例では、隣り合う第2小片Q間に第2熱伝導部56が配置されている。各第2小片Qは、第3面25aと第4面25bとを接続する第2側面25cを有する。第2熱伝導部56は、隣り合う第2小片Qの互いに対向する第2側面25cの間に配置されている。
【0136】
図示された例では、第2熱伝導部56は、互いに対向する第2側面25cに接触している。言い換えると、複数の第2小片Qは、第2熱伝導部56を介して接続されている。このため、第2小片Qの熱が、第2熱伝導部56を通じて他の第2小片Qに伝えられる。この結果、第2磁性体部材25の熱を、第2熱伝導部56を通じて第2磁性体部材25の面方向に、第2磁性体部材25の外縁25eへ向けて移動させることができる。これにより、第2磁性体部材25の面方向の温度勾配を小さくすることができる。
【0137】
また、第2小片Q間に第2熱伝導部56が配置されていることにより、複数の第2小片Qの相対位置が変化することが抑制される。この結果、隣り合う第2小片Qが短絡する虞が抑制される。
【0138】
第2熱伝導部56の熱伝導率は、例えば0.5W/m・K以上であってよく、1W/m・K以上であることが好ましく、3W/m・K以上であることがより好ましく、5W/m・K以上であることが更に好ましい。第2熱伝導部56の熱伝導率が0.5W/m・K以上である場合、第2小片Qからの熱が第2熱伝導部56中を移動する速さは、当該熱が空気中を移動する速さよりも速い。このため、第2熱伝導部56は、第2小片Q間の熱の伝搬を促進することができる。第2熱伝導部56は、熱伝導層50と同じ材料または同様の材料により作製されてよい。第2熱伝導部56の熱伝導率は、上述した熱伝導層50及び第1磁性体部材20の熱伝導率の測定方法と同様の方法により、測定される。
【0139】
第2熱伝導部56は、絶縁性を有する材料で形成されていることが好ましい。これにより、隣り合う第2小片Q間の電気的接続を防止することができる。第2熱伝導部56の体積抵抗率は、例えば、1.0×10Ω・cm以上であってよく、1.0×1010Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×1011Ω・cm以上であることが更に好ましい。第2熱伝導部56の体積抵抗率は、上述した熱伝導層50の体積抵抗率の測定方法と同様の方法により、測定される。
【0140】
図示された例では、第2熱伝導部56は、第2熱伝導層52及び第3熱伝導層53に接触又は接続している。これにより、第2熱伝導層52の熱を、第3熱伝導層53に移動させることができる。これにより、第2熱伝導層52の放熱が促進され、第1磁性体部材20及び第2熱伝導層52の放熱が促進される。図示された例では、さらに、第1熱伝導部55が、第1熱伝導層51及び第2熱伝導層52に接触又は接続している。これにより、第1熱伝導層51の熱を、第1熱伝導部55、第2熱伝導層52及び第2熱伝導部56を通じて、第3熱伝導層53に移動させることができる。これにより、第1熱伝導層51の放熱が促進され、第1磁性体部材20の放熱がさらに促進される。
【0141】
図17に示す例では、第2熱伝導部56は、熱伝導層50と別体の部材として形成されているが、これに限られない。第2熱伝導部56は、熱伝導層50と一体に形成されてよい。
【0142】
<<第7実施形態>>
次に、図20を参照して、第7実施形態に係るコイルユニット5について説明する。図20は、第7実施形態に係るコイルユニット5の断面図である。本実施形態における構成部分のうちの第3実施形態及び第6実施形態の構成部分と同じものには同一の符号が付され、重複する説明は省略する。
【0143】
第7実施形態では、各第1小片Pの第1面20a、第2面20b及び第1側面20cは、第1熱伝導被覆層60で被覆されている。図示された例では、第1熱伝導被覆層60は第1小片Pに接触している。この場合、各第1熱伝導被覆層60によって、対応する第1小片Pの放熱を促すことができる。
【0144】
また、第7実施形態では、各第2小片Qの第3面25a、第4面25b及び第2側面25cは、第2熱伝導被覆層65で被覆されている。図示された例では、第2熱伝導被覆層65は第2小片Qに接触している。この場合、各第2熱伝導被覆層65によって、対応する第2小片Qの放熱を促すことができる。
【0145】
第1熱伝導被覆層60の熱伝導率は、例えば0.5W/m・K以上であってよく、1W/m・K以上であることが好ましく、3W/m・K以上であることがより好ましく、5W/m・K以上であることが更に好ましい。第1熱伝導被覆層60の熱伝導率が0.5W/m・K以上である場合、第1小片Pからの熱が第1熱伝導被覆層60中を移動する速さは、当該熱が空気中を移動する速さよりも速い。このため、第1熱伝導被覆層60は、第1小片Pからの放熱を促進することができる。第1熱伝導被覆層60は、熱伝導層50と同じ材料または同様の材料により作製されてよい。
【0146】
第1熱伝導被覆層60は、絶縁性を有する材料で形成されていることが好ましい。これにより、隣り合う第1小片P間の電気的接続を防止することができる。また、第1磁性体部材20と他の部材(例えば、コイル10や第2磁性体部材25)との電気的接続を防止することができる。第1熱伝導被覆層60の体積抵抗率は、例えば、1.0×10Ω・cm以上であってよく、1.0×1010Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×1011Ω・cm以上であることが更に好ましい。
【0147】
第2熱伝導被覆層65の熱伝導率は、例えば0.5W/m・K以上であってよく、1W/m・K以上であることが好ましく、3W/m・K以上であることがより好ましく、5W/m・K以上であることが更に好ましい。第2熱伝導被覆層65の熱伝導率が0.5W/m・K以上である場合、第2小片Qからの熱が第2熱伝導被覆層65中を移動する速さは、当該熱が空気中を移動する速さよりも速い。このため、第2熱伝導被覆層65は、第2小片Qからの放熱を促進することができる。第2熱伝導被覆層65は、熱伝導層50と同じ材料または同様の材料により作製されてよい。
【0148】
第2熱伝導被覆層65は、絶縁性を有する材料で形成されていることが好ましい。これにより、隣り合う第2小片Q間の電気的接続を防止することができる。また、第2磁性体部材25と他の部材(例えば、第1磁性体部材20やシールド板30)との電気的接続を防止することができる。第2熱伝導被覆層65の体積抵抗率は、例えば、1.0×10Ω・cm以上であってよく、1.0×1010Ω・cm以上であることが好ましく、1.0×1011Ω・cm以上であることが更に好ましい。
【0149】
第1熱伝導被覆層60及び第2熱伝導被覆層65の熱伝導率は、上述した熱伝導層50及び第1磁性体部材20の熱伝導率の測定方法と同様の方法により、測定される。第1熱伝導被覆層60及び第2熱伝導被覆層65の体積抵抗率は、上述した熱伝導層50の体積抵抗率の測定方法と同様の方法により、測定される。
【0150】
図示された例では、第1熱伝導被覆層60は、第2熱伝導被覆層65に接触している。これにより、第1磁性体部材20の熱を、第1熱伝導被覆層60を介して第2熱伝導被覆層65に移動させることができる。これにより、第1磁性体部材20の放熱を促進することができる。
【0151】
図示された例では、第2熱伝導被覆層65は、スペーサ35に接触している。これにより、第2磁性体部材25の熱を、第2熱伝導被覆層65及びスペーサ35を介して、シールド板30に移動させることができる。これにより、第2磁性体部材25の放熱を促進することができる。とりわけ図示された例では、第1熱伝導被覆層60は、第2熱伝導被覆層65に接触している。したがって、第1磁性体部材20の熱を、第1熱伝導被覆層60、第2熱伝導被覆層65及びスペーサ35を介して、シールド板30に移動させることができる。これにより、第1磁性体部材20の放熱をさらに促進することができる。
【0152】
図示された例では、隣り合う第1小片Pを被覆する第1熱伝導被覆層60,60は、互いに接触している。この場合、第1小片Pの熱を、第1熱伝導被覆層60を通じて他の第1小片Pへ伝搬させることができる。これにより、第1磁性体部材20の面方向の温度勾配を小さくすることができる。また、複数の第2小片Qの相対位置が変化することが、抑制される。
【0153】
また、図示された例では、隣り合う第2小片Qを被覆する第2熱伝導被覆層65,65は、互いに接触している。この場合、第2小片Qの熱を、第2熱伝導被覆層65を通じて他の第2小片Qへ伝搬させることができる。これにより、第2磁性体部材25の面方向の温度勾配を小さくすることができる。また、複数の第2小片Qの相対位置が変化することが、抑制される。
【0154】
以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5は、コイル10と、第1磁性体部材20と、熱伝導層50と、を備えている。コイル10は、任意の中心軸線Cの周りで渦巻形状に形成されている。第1磁性体部材20は、コイル10に対向する第1面20aと、第1面20aとは反対側の第2面20bと、を有している。熱伝導層50は、第1面20aまたは第2面20bに対面して配置され、軸方向に見てコイル10の最内周部から最外周部に亘って広がっている。このようなコイルユニット5によれば、第1磁性体部材20はコイル10によって加熱されるが、第1磁性体部材20の熱を熱伝導層50によって熱伝導層50の面方向に移動させることができる。このため、第1磁性体部材20の放熱が促進され、第1磁性体部材20の熱変形が抑制される。また、コイル10の放熱も促進される。
【0155】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、熱伝導層50は、絶縁性を有する材料で形成されている。この場合、第1磁性体部材20と他の部材(例えば、コイル10やシールド板30)との電気的接続を防止することができる。
【0156】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5は、第1熱伝導層51と第2熱伝導層52とを備えている。第1熱伝導層51は、第1面20aに対面して配置され、軸方向に見てコイル10の最内周部から最外周部に亘って広がっている。第2熱伝導層52は、第2面20bに対面して配置され、軸方向に見てコイル10の最内周部から最外周部に亘って広がっている。この場合、第1磁性体部材20の放熱が効果的に促進され、第1磁性体部材20の熱変形が抑制される。また、コイル10の放熱も効果的に促進される。
【0157】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、第1磁性体部材20は、複数の第1小片Pに分割されている。この場合も、第1磁性体部材20の熱を熱伝導層50によって熱伝導層50の面方向に移動させることができる。このため、第1磁性体部材20の放熱が促進され、第1磁性体部材20(第1小片P)の熱変形が抑制される。また、コイル10の放熱も促進される。
【0158】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、隣り合う第1小片P,Pが互いから離間している。この場合も、第1磁性体部材20の熱を熱伝導層50によって熱伝導層50の面方向に移動させることができる。このため、第1磁性体部材20の放熱が促進され、第1磁性体部材20(第1小片P)の熱変形が抑制される。また、コイル10の放熱も促進される。
【0159】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、第1磁性体部材20は、複数の第1小片Pに分割されている。隣り合う第1小片P,P間に、第1熱伝導層51及び第2熱伝導層52と接触又は接続する第1熱伝導部55が配置されている。この場合、第1熱伝導部55を介して第1小片P,P間で熱を伝搬させることができるため、第1磁性体部材20の熱を、第1磁性体部材20内でその面方向に移動させることができる。このため、第1磁性体部材20の放熱が促進され、第1磁性体部材20(第1小片P)の熱変形が抑制される。また、コイル10の放熱も促進される。また、この場合、第1熱伝導部55を介して第1熱伝導層51の熱を、第2熱伝導層52に(言い換えると、コイル10から離れる方向に)移動させることができる。このため、コイル10の放熱が更に促進される。また、第1小片P,P間に第1熱伝導部55が配置されていることにより、複数の第1小片Pの相対位置が変化することが抑制される。
【0160】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、隣り合う第1小片P,Pが互いに密着している。この場合、第1小片P,P間で直接熱を伝搬させることができるため、第1磁性体部材20の熱を、第1磁性体部材20内でその面方向に移動させることができる。このため、第1磁性体部材20の放熱が促進され、第1磁性体部材20(第1小片P)の熱変形が抑制される。また、コイル10の放熱も促進される。
【0161】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5は、第2面20bに対向して配置された第2磁性体部材25を更に備えている。第1磁性体部材20と第2磁性体部材25との間に、熱伝導層50が配置されている。この場合、コイルユニット5は、第1磁性体部材20に加えて第2磁性体部材25を備えている。これにより、コイルユニット5の磁気効率を効果的に高めることができる。また、この場合、第1磁性体部材20だけでなく第2磁性体部材25もコイル10によって加熱されるが、第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25の熱を、熱伝導層50によって熱伝導層50の面方向に移動させることができる。このため、第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25の放熱が促進され、第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25の熱変形が抑制される。また、コイル10の放熱も促進される。
【0162】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、第2磁性体部材25は、複数の第2小片Qに分割されている。隣り合う第2小片Q,Qが互いから離間している。この場合も、第2磁性体部材25の熱を熱伝導層50によって熱伝導層50の面方向に移動させることができる。このため、第2磁性体部材25の放熱が促進され、第2磁性体部材25(第2小片Q)の熱変形が抑制される。また、コイル10の放熱も促進される。
【0163】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5は、第2磁性体部材25と、第3熱伝導層53と、を更に備えている。第2磁性体部材25は、第2面20bに対向する第3面25aと、第3面25aとは反対側の第4面25bとを有する。第3熱伝導層53は、第4面25bに対面して配置されている。第2磁性体部材25は、複数の第2小片Qに分割されている。第2小片Q,Qの間に第2熱伝導部56が配置されている。第2熱伝導部56は、第2熱伝導層52及び第3熱伝導層53に接触又は接続している。この場合、第2磁性体部材25の熱を、第3熱伝導層53によって熱伝導層53の面方向に移動させることができる。このため、第2磁性体部材25の放熱が促進され、第2磁性体部材25の熱変形が抑制される。また、この場合、第2熱伝導部56を介して第2小片Q,Q間で熱を伝搬させることができるため、第2磁性体部材25の熱を、その面方向に移動させることができる。このことによっても、第2磁性体部材25の放熱が促進され、第2磁性体部材25(第2小片Q)の熱変形が抑制される。また、この場合、第2熱伝導層52の熱を、第2熱伝導部56を介して第3熱伝導層53に(言い換えると、コイル10から離れる方向に)移動させることができる。このため、コイル10の放熱が更に促進される。また、第2小片Q,Q間に第2熱伝導部56が配置されていることにより、複数の第2小片Qの相対位置が変化することが抑制される。
【0164】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5は、コイル10と、第1磁性体部材20と、を備えている。コイル10は、任意の中心軸線Cの周りで渦巻形状に形成されている。第1磁性体部材20は、コイル10に対向して配置されている。第1磁性体部材20は、複数の第1小片Pに分割されている。第1小片P,Pの間に第1熱伝導部55が配置されている。この場合、第1熱伝導部55を介して第1小片P,P間で熱を伝搬させることができるため、第1磁性体部材20の熱を、第1磁性体部材20内でその面方向に移動させることができる。このため、第1磁性体部材20の放熱が促進され、第1磁性体部材20(第1小片P)の熱変形が抑制される。また、コイル10の放熱も促進される。また、第1小片P,P間に第1熱伝導部55が配置されていることにより、複数の第1小片Pの相対位置が変化することが抑制される。
【0165】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、第1磁性体部材20は、コイル10に対向する第1面20aと、第1面20aとは反対側の第2面20bと、を有している。コイルユニット5は、第2面20bに対向して配置された第2磁性体部材25を更に備えている。第2磁性体部材25は、複数の第2小片Qに分割されている。第2小片Qの間に第2熱伝導部56が配置されている。この場合、第2熱伝導部56を介して第2小片Q,Q間で熱を伝搬させることができるため、第2磁性体部材25の熱を、第2磁性体部材25内でその面方向に移動させることができる。このため、第2磁性体部材25の放熱が促進され、第2磁性体部材25(第2小片Q)の熱変形が抑制される。また、コイル10の放熱も促進される。また、第2小片Q,Q間に第2熱伝導部56が配置されていることにより、複数の第2小片Qの相対位置が変化することが抑制される。
【0166】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、第1熱伝導部55は、絶縁性を有する材料で形成されている。この場合、第1小片P,P間の電気的接続を防止することができる。
【0167】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、第2熱伝導部56は、絶縁性を有する材料で形成されている。この場合、第2小片Q,Q間の電気的接続を防止することができる。
【0168】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5は、コイル10と、第1磁性体部材20と、を備えている。コイル10は、任意の中心軸線Cの周りで渦巻形状に形成されている。第1磁性体部材20は、コイル10に対向する第1面20aと、第1面20aとは反対側の第2面20bと、を有する。第1磁性体部材20は、複数の第1小片Pに分割されている。各第1小片Pは、第1面20aと第2面20bを接続する第1側面20cを有している。各第1小片Pの第1面20a、第2面20b及び第1側面20cは、第1熱伝導被覆層60によって被覆されている。この場合、各第1小片Pの放熱を第1熱伝導被覆層60によって促すことができる。このため、第1小片Pの熱変形を抑制することができる。また、コイル10の放熱も促進される。
【0169】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、 第1磁性体部材20は、コイル10に対向する第1面20aと、第1面20aとは反対側の第2面20bと、を有している。コイルユニット5は、第2磁性体部材25を更に備えている。第2磁性体部材25は、第2面20bに対向する第3面25aと、第3面25aとは反対側の第4面25bとを有する。第2磁性体部材25は、複数の第2小片Qに分割されている。各第2小片Qは、第3面25aと第4面25bを接続する第2側面25cを有している。各第2小片Qの第3面25a、第4面25b及び第2側面25cは、第2熱伝導被覆層65によって被覆されている、この場合、各第2小片Qの放熱を第2熱伝導被覆層65によって促すことができる。このため、第2小片Qの熱変形を抑制することができる。また、コイル10の放熱も促進される。
【0170】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、第1熱伝導被覆層60と第2熱伝導被覆層65とは、互いに接触又は接続している。この場合、第1熱伝導被覆層60の熱を第2熱伝導被覆層65に(言い換えると、コイル10から離れる方向に)移動させることができる。このため、コイル10の放熱が更に促進される。
【0171】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、第1熱伝導被覆層60は、絶縁性を有する材料で形成されている。この場合、第1小片P,P間の電気的接続を防止することができる。また、この場合、第1磁性体部材20と他の部材(例えば、コイル10やシールド板30)との電気的接続を防止することができる。
【0172】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、第2熱伝導被覆層65は、絶縁性を有する材料で形成されている。この場合、第2小片Q,Q間の電気的接続を防止することができる。また、この場合、第2磁性体部材25と他の部材(例えば、第1磁性体部材20やシールド板30)との電気的接続を防止することができる。
【0173】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、 第1磁性体部材20は、複数の第1小片Pに分割されている。軸方向に見て、複数の第1小片Pの少なくとも1つP91は、コイル10の最内周部から最外周部に亘って延びている。この場合、第1小片P91において、第1磁性体部材20の中央部の熱を、その外縁20eに向けて移動させることができる。このため、第1磁性体部材20の放熱が促進され、第1磁性体部材20の熱変形が抑制される。また、コイル10の放熱も促進される。
【0174】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5は、第2面20bに対向して配置された第2磁性体部材25を更に備えている。第1磁性体部材20は第2磁性体部材25より厚い。この場合、コイルユニット5は、第1磁性体部材20に加えて第2磁性体部材25を備えている。これにより、コイルユニット5の磁気効率を効果的に高めることができる。また、コイル10に近い第1磁性体部材20を第2磁性体部材25よりも厚くすることで、第1磁性体部材20の熱変形を抑制しつつ、第2磁性体部材25によるコイルユニット5の重量の増大を抑制することができる。
【0175】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、第1磁性体部材20は、コイル10に対向する第1面20aと、第1面20aとは反対側の第2面20bと、を有している。コイルユニット5は、第2面20bに対向して配置された第2磁性体部材25を更に備えている。第1磁性体部材20は、複数の第1小片Pに分割されている。第2磁性体部材25は、複数の第2小片Qに分割されている。隣り合う第1小片P,P間及び隣り合う第2小片Q,Q間に直線状に延びる間隙G1,G2が形成されている。軸方向に見て、第1小片P,P間の間隙G1と前記第2小片Q,Q間の間隙G2とが、互いに重なって平行に延びていない。この場合、軸方向に見て第1間隙G1と第2間隙G2との重なりを小さくすることができ、コイル10で発生した磁力線が第1間隙G1と第2間隙G2を通じて第1磁性体部材20及び第2磁性体部材25を透過することを抑制することができる。
【0176】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5において、コイル10は、径方向に配列され且つ一方向に延びる複数の直線部11から成る直線部群11Fを含んでいる。第1磁性体部材20は、複数の第1小片Pに分割されている。軸方向に見て、複数の第1小片Pの少なくとも1つP91は、コイル10の最内周部から最外周部に亘って延びている。コイル10の最内周部から最外周部に亘って延びる第1小片P91と当該第1小片P91に隣接する第1小片Pとの間には、直線状に延びる第1間隙G11であって、軸方向に見て上記直線部群11Fを横断する第1間隙G11が形成されている。この場合、直線部群11Fで生じた磁力線が第1間隙G11を通じて第1磁性体部材20を透過することを、抑制することができる。
【0177】
また、以上に説明してきた実施形態及びその変形例によるコイルユニット5は、コイル10と、第1磁性体部材20と、第2磁性体部材25と、を備えている。コイル10は、任意の中心軸線Cの周りで渦巻形状に形成されている。第1磁性体部材20は、コイル10に対向する第1面20aと、第1面20aとは反対側の第2面20bと、を有する。第2磁性体部材25は、第2面20bに対向して配置されている。第1磁性体部材20は第2磁性体部材25より厚い。この場合、コイルユニット5は、第1磁性体部材20に加えて第2磁性体部材25を備えている。これにより、コイルユニット5の磁気効率を効果的に高めることができる。また、コイル10に近い第1磁性体部材20を第2磁性体部材25よりも厚くすることで、第1磁性体部材20の熱変形を抑制しつつ、第2磁性体部材25によるコイルユニット5の重量の増大を抑制することができる。
【0178】
以上に説明してきた実施形態及びその変形例による送電装置1及び/又は受電装置2は、上述したコイルユニット5を備えている。
【0179】
以上に説明してきた実施形態及びその変形例による電力伝送システムSは、送電装置1と、受電装置2とを備えている。送電装置1及び受電装置2のうちの少なくともいずれかが、上述したコイルユニット5を備えている。
【0180】
以上に説明してきた実施形態及びその変形例による移動体は、上述したコイルユニット5を有する受電装置2を備えている。
【0181】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【符号の説明】
【0182】
1 送電装置
2 受電装置
5 コイルユニット
10 コイル
10n ターン部
11 第1直線部
11F 第1直線部群
12 第2直線部
12F 第2直線部群
13 第3直線部
13F 第3直線部群
14 第4直線部
14F 第4直線部群
20 第1磁性体部材
20a 第1面
20b 第2面
20c 第1側面
25 第2磁性体部材
25a 第3面
25b 第4面
25c 第2側面
30 シールド板
35 スペーサ
41 第1接続端子
42 第2接続端子
50 熱伝導層
51 第1熱伝導層
52 第2熱伝導層
53 第3熱伝導層
55 第1熱伝導部
56 第2熱伝導部
60 第1熱伝導被覆層
65 第2熱伝導被覆層
C 中心軸線
G1 第1間隙
G2 第2間隙
P 第1小片
Q 第2小片
S ワイヤレス電力伝送システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図9
図10
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図19
図20