(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010015
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/85 20140101AFI20240116BHJP
B42D 15/00 20060101ALI20240116BHJP
G09F 1/10 20060101ALI20240116BHJP
B65D 33/00 20060101ALN20240116BHJP
【FI】
A63F13/85
B42D15/00 341D
G09F1/10 Z
B65D33/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179942
(22)【出願日】2023-10-19
(62)【分割の表示】P 2021149644の分割
【原出願日】2021-09-14
(71)【出願人】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】吉村 勇人
(57)【要約】
【課題】プレイヤーが自由にデザインを作成する自由度を許容しつつ、不正行為に利用させることを防止したカードスリーブを作成するシステムを提供する。
【解決手段】プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。プログラムは、プロセッサに、一辺に開口部が形成された矩形状のカードスリーブの、少なくとも1方の表面の第1領域におけるデザインを受け付けるステップと、受け付けたデザインに基づき、少なくとも1方の表面の、デザインを決めることが不可能な第2領域の内容を決定するステップとを実行させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、前記プロセッサに、
一辺に開口部が形成された矩形状のカードスリーブの、少なくとも1方の表面の第1領域におけるデザインを受け付けるステップと、
受け付けたデザインに基づき、少なくとも1方の表面の、ユーザがデザインを決めることが不可能な第2領域の内容を決定するステップと、を実行させる、プログラム。
【請求項2】
前記第2領域の内容を決定するステップにおいて、
前記第1領域のデザインに応じて、前記第2領域の色を決定する、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2領域の内容を決定するステップにおいて、
ユーザから指定される色を受け付け、当該受け付けた色を参照して前記第2領域の色を決定する、請求項1又は請求項2記載のプログラム。
【請求項4】
前記第2領域の内容を決定するステップにおいて、
前記第1領域のデザインに応じて、前記第2領域において色を付す位置を決定する、請求項2又は3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2領域の内容を決定するステップにおいて、
前記第1領域のデザインに応じた識別子を決定し、第2領域に記載する、請求項1乃至4のいずれかに記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2領域の内容を決定するステップにおいて、
複数のキャラクターをランダムに配列したシルエットアートを前記識別子として決定する、請求項5記載のプログラム。
【請求項7】
前記第2領域は、前記表面の周縁部に位置する、請求項1乃至6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記第1領域に印刷される記載であって、当該第1領域におけるデザインが受け付けられたデザインであることが視認可能な記載を決定するステップを、前記プロセッサに実行させる、請求項1乃至7のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2領域の内容を決定するステップにおいて、
前記受け付けた第1領域におけるデザインと、既存のカードスリーブの第1領域のデザインとの差分が所定の閾値よりも小さいか否かを判定し、前記差分が所定の閾値よりも小さい場合、前記第1領域のデザインを変更したカードスリーブの第2領域の内容を、前記既存のデザインのカードスリーブの第2領域の内容と異なるように決定する、請求項1乃至8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記第1領域におけるデザインを受け付けるステップにおいて、既存のデザインに対する変更を受け付け、
前記第2領域の内容を決定するステップにおいて、前記受け付けた変更が、所定の変更の程度よりも小さいか否かを判定し、前記受け付けた変更が、所定の変更の程度よりも小さい場合、前記第1領域のデザインを変更したカードスリーブの第2領域の内容を、前記既存のデザインのカードスリーブの第2領域の内容と異なるように決定する、請求項1乃至9のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
過去に作成されたカードスリーブの複数のデザインをユーザに提示するステップを前記プロセッサに実行させ、
前記第1領域のデザインを受け付けるステップにおいて、前記提示したデザインに対するユーザの選択を受け付ける、請求項1乃至10のいずれかに記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1領域のデザインを受け付けるステップにおいて、前記ユーザが選択したデザインに対する変更を受け付ける、請求項11記載のプログラム。
【請求項13】
前記作成されたデザインについての権利がサービスの提供主体へ帰属することに対する承諾を受け付けるステップを、前記プロセッサに実行させる、請求項1乃至12のいずれかに記載のプログラム。
【請求項14】
前記作成されたデザインの識別番号を作成するステップと、
前記作成されたデザインと前記識別番号とを関連付けて記憶するステップと
を前記プロセッサに実行させる、請求項1乃至13のいずれかにプログラム。
【請求項15】
前記識別番号を受け付けるステップと、
前記受け付けた識別番号に基づいて、前記識別番号と関連付けられているデザインを出力するステップと
を前記プロセッサに実行させる、請求項14記載のプログラム。
【請求項16】
同形同大の矩形状の2枚のフィルムが重ね合わされ、一辺に開口部が形成されるように他の3辺がシールされており、
少なくとも1枚のフィルムの表面には、任意にデザインを決めることが可能な第1領域と、デザインを決めることが不可能な第2領域とが設定され、
前記第2領域には、前記第1領域のデザインに応じて設定される内容が印刷されている、カードスリーブ。
【請求項17】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、
一辺に開口部が形成された矩形状のカードスリーブの、少なくとも1方の表面の第1領域におけるデザインを受け付けるステップと、
受け付けたデザインに基づき、少なくとも1方の表面の、デザインを決めることが不可能な第2領域の内容を決定するステップと、を実行する、方法。
【請求項18】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部は、
一辺に開口部が形成された矩形状のカードスリーブの、少なくとも1方の表面の第1領域におけるデザインを受け付けるステップと、
受け付けたデザインに基づき、少なくとも1方の表面の、デザインを決めることが不可能な第2領域の内容を決定するステップと、を実行する、情報処理装置。
【請求項19】
、一辺に開口部が形成された矩形状のカードスリーブの、少なくとも1方の表面の第1領域におけるデザインを受け付ける手段と、
受け付けたデザインに基づき、少なくとも1方の表面の、デザインを決めることが不可能な第2領域の内容を決定する手段と、を具備する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤーが対戦してプレイするトレーディングカードゲームにおいて、カード類を保護するための保護袋(以下、カードスリーブともいう)が普及している。例えば特許文献1には、保護袋内の四隅の内縁とカード類の円弧状の四隅の外縁とがフィットしており、かつ手に痛みを感ずることもなく、保護袋の隅が破れたりせずカード類を汚さずに保護できるカード類用保護袋が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カードスリーブの一方の面には、キャラクターなどの様々なデザインが施されており、プレイヤーとしては独自のデザインのカードスリーブを使ってプレイしたいというニーズがある。しかし、デザインの自由度を許容しすぎると、1組のデッキの中で、カードスリーブのデザインの一部にプレイヤー本人にしか気づかない程度の微小なデザイン上の差のあるカードスリーブを混在させて、裏返したカードの内容を認識するといった不正行為に利用されてしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本開示の目的は、プレイヤーが自由にデザインを作成する自由度を許容しつつ、不正行為に利用させることを防止したカードスリーブを作成するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。
プログラムは、プロセッサに、一辺に開口部が形成された矩形状のカードスリーブの、少なくとも1方の表面の第1領域におけるデザインを受け付けるステップと、受け付けたデザインに基づき、少なくとも1方の表面の、デザインを決めることが不可能な第2領域の内容を決定するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、プレイヤーが自由にデザインを作成する自由度を許容しつつ、不正行為に利用させることを防止したカードスリーブを作成するシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバの記憶部に記憶されるデータベースの構造を示す図である。
【
図6】カードスリーブにトレーディングカードが挿入された状態を示す図である。
【
図7】カードスリーブのデザインの詳細を説明する図である。
【
図8】カードスリーブのデザイン作成の処理の流れを説明する図である。
【
図9】
図8におけるデザイン決定処理の流れを説明する図である。
【
図10】端末装置に表示される権利帰属表示画面を示す図である。
【
図11】端末装置に表示される作成方法選択画面を示す図である。
【
図12】端末装置に表示されるデザイン選択画面を示す図である。
【
図13】端末装置に表示される選択決定画面を示す図である。
【
図14】端末装置に表示されるデザイン作成画面を示す図である。
【
図15】端末装置に表示されるコンテンツ選択画面を示す図である。
【
図16】端末装置に表示されるデザイン登録画面の一例を示す図である。
【
図17】端末装置に表示されるデザイン登録画面の他の例を示す図である。
【
図18】変形例1におけるカードスリーブの外観を示す図である。
【
図19】変形例2におけるカードスリーブの外観を示す図である。
【
図20】変形例3におけるカードスリーブの外観を示す図である。
【
図21】変形例4におけるデザイン決定処理の流れを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ、本開示の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0010】
<概略>
本実施形態に係るシステム1は、トレーディングカードをプレイするユーザに、カードスリーブのデザインを作成するサービスを提供する。以下、各構成を順に説明する。
【0011】
<1 システム全体の構成図>
図1は、システム1の全体構成の例を示すブロック図である。
図1に示すシステム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを含む。端末装置10、及びサーバ20は、例えば、ネットワーク30を介して通信接続する。ネットワーク30は、例えば、インターネット、及び/又は通信事業者が提供する通信網等により実現される。
【0012】
図1において、システム1が端末装置10を3台ずつ含む例を示しているが、システム1に含まれる端末装置10の数は、3台に限定されない。端末装置10が3台未満であってもよいし、3台以上であってもよい。
【0013】
本実施形態において、複数の装置の集合体を1つのサーバとしてもよい。1つ又は複数のハードウェアに対して本実施形態に係るサーバ20を実現することに要する複数の機能の配分の仕方は、各ハードウェアの処理能力及び/又はサーバ20に求められる仕様等に鑑みて適宜決定することができる。
【0014】
端末装置10は、例えば、トレーディングカードを収容するためのカードスリーブのデザインを作成するユーザが操作する装置である。ユーザは、端末装置10を操作し、例えば、サーバ20から提供されるサービスを利用してカードスリーブのデザインを作成することができる。端末装置10は、例えば、スマートフォン、又はタブレット等の携帯端末により実現される。また、端末装置10は、据え置き型のPC(Personal Computer)、又はラップトップPC等により実現されてもよい。
【0015】
端末装置10は、通信IF(Interface)12と、入力装置13と、出力装置14と、メモリ15と、ストレージ16と、プロセッサ19とを備える。
【0016】
通信IF12は、端末装置10が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0017】
入力装置13は、ユーザからの入力操作を受け付けるための装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等)である。
【0018】
出力装置14は、ユーザに対して情報を提示するための装置(ディスプレイ、スピーカ等)である。
【0019】
メモリ15は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0020】
ストレージ16は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)である。
【0021】
プロセッサ19は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0022】
サーバ20は、例えば、端末装置10によりユーザがカードスリーブのデザインを作成するサービスを提供する装置である。サーバ20は、例えば、提供するサービスに関するデータ、及び提供するサービスを利用するユーザの情報等を管理する。なお、サーバ20は、所定の管理サーバを介して端末装置10へサービスを提供してもよい。
【0023】
サーバ20は、通信IF22と、入出力IF23と、メモリ25と、ストレージ26と、プロセッサ29とを備える。
【0024】
通信IF22は、サーバ20が外部の装置と通信するため、信号を入出力するためのインタフェースである。
【0025】
入出力IF23は、ユーザからの入力操作を受け付けるための入力装置、及び、ユーザに対し、情報を提示するための出力装置とのインタフェースとして機能する。
【0026】
メモリ25は、プログラム、及び、プログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものであり、例えばDRAM等の揮発性のメモリである。
【0027】
ストレージ26は、データを保存するためのものであり、例えばフラッシュメモリ、HDDである。
【0028】
プロセッサ29は、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、レジスタ、周辺回路等により構成される。
【0029】
<1.1 端末装置の構成>
図2は、
図1に示す端末装置10の構成例を表すブロック図である。
図2に示すように、端末装置10は、通信部150と、入力装置13と、出力装置14と、音声処理部17と、マイク171と、スピーカ172と、カメラ160と、記憶部180と、制御部190とを備える。端末装置10に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0030】
通信部150は、端末装置10が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部150は、制御部190で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、サーバ20)へ送信する。通信部150は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部190へ出力する。
【0031】
入力装置13は、端末装置10を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置13は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス131等により実現される。入力装置13は、キーボードを含んでいてもよい。入力装置13は、ユーザから入力される指示、又は情報を電気信号へ変換し、電気信号を制御部190へ出力する。なお、入力装置13には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0032】
出力装置14は、端末装置10を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置14は、例えば、ディスプレイ141等により実現される。ディスプレイ141は、制御部190の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ141は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0033】
音声処理部17は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部17は、マイク171から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部190へ与える。また、音声処理部17は、音声信号をスピーカ172へ与える。音声処理部17は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク171は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部17へ与える。スピーカ172は、音声処理部17から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を端末装置10の外部へ出力する。
【0034】
カメラ160は、受光素子により光を受光し、撮影信号として出力するためのデバイスである。
【0035】
記憶部180は、例えば、メモリ15、及びストレージ16等により実現され、端末装置10が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。
【0036】
制御部190は、プロセッサ19が記憶部180に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部190は、端末装置10の動作を制御する。制御部190は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部191と、送受信部192と、表示制御部193としての機能を発揮する。
【0037】
操作受付部191は、入力装置13から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部191は、タッチ・センシティブ・デバイス131等から入力される指示に基づく情報を受け付ける。
【0038】
送受信部192は、端末装置10が、サーバ20等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。
【0039】
表示制御部193は、ユーザに対する情報の提示を制御する。具体的には、例えば、表示制御部193は、カードスリーブの作成に関する画像をディスプレイ141に表示させる。
【0040】
<1.2 サーバの機能的な構成>
図3は、サーバ20の機能的な構成を示す図である。
図3に示すように、サーバ20は、通信部201と、記憶部202と、制御部203としての機能を発揮する。
【0041】
通信部201は、サーバ20が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0042】
記憶部202は、例えば、メモリ25、及びストレージ26等により実現され、サーバ20が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部202は、例えば、ユーザデータベース2021、デザインデータベース2022、コンテンツデータベース2023を有する。
【0043】
ユーザデータベース2021は、カードスリーブのデザインを作成するサービスを利用するユーザの情報を保持するためのデータベースである。
【0044】
デザインデータベース2022は、既存のカードスリーブのデザインの情報を保持するためのデータベースである。デザインの詳細については後述する。
【0045】
コンテンツデータベース2023は、カードスリーブのデザインに利用されるコンテンツの情報を保持するデータベースである。コンテンツの詳細については後述する。
【0046】
制御部203は、プロセッサ29が記憶部202に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部203は、プログラムに従って動作することにより、受信制御モジュール2031、送信制御モジュール2032、管理モジュール2033、第1決定モジュール2034、第2決定モジュール2035、判定モジュール2036として示す機能を発揮する。
【0047】
受信制御モジュール2031は、サーバ20が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を受信する処理を制御する。
【0048】
送信制御モジュール2032は、サーバ20が外部の装置に対し通信プロトコルに従って信号を送信する処理を制御する。
【0049】
管理モジュール2033は、記憶部202内の各種データベースを管理する。例えば、管理モジュール2033は、端末装置10から、ユーザの新規登録を受け付けると、ユーザデータベース2021を更新する。また、ユーザが新たなデザインを受け付けると、受け付けたデザインの識別番号を作成し、受け付けたデザインと識別番号とを関連付けてデザインデータベース2022に記憶させる。
【0050】
第1決定モジュール2034は、ユーザからカードスリーブに設定された第1領域のデザインを受け付けて決定する。第1領域の詳細については後述する。
【0051】
第2決定モジュール2035は、ユーザから受け付けた第1領域のデザインに基づいて、
カードスリーブに設定された第2領域のデザインを決定する。第2領域の詳細については後述する。
【0052】
判定モジュール2036は、ユーザから受け付けた第1領域のデザインと、既存のデザインとの変更量を判定する。判定モジュール2036の処理の詳細は後述する。
【0053】
<2 データ構造>
図4は、サーバ20の記憶部202が記憶するユーザデータベース2021、デザインデータベース2022、コンテンツデータベース2023のデータ構造の一例を示す図である。なお、
図4はあくまでも一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。
【0054】
図4に示すように、ユーザデータベース2021のレコードそれぞれは、項目「ユーザID」と、項目「ユーザ名」と、項目「属性情報」と、項目「登録日」等を含む。
【0055】
項目「ユーザID」は、ユーザそれぞれを識別する識別子としての情報である。
【0056】
項目「ユーザ名」は、ユーザの名称についての情報である。
【0057】
項目「属性情報」は、ユーザの基本情報を示す情報であり、具体的には、項目「年齢」、「性別」、「住所」等を含む。例えば、ユーザがシステム1の提供するサービスに会員登録する際に、任意に、これらユーザの情報の入力をユーザから受け付けることとしてもよい。また、サーバ20が、ユーザのSNSアカウントと連動することにより、当該SNSからユーザの基本情報を取得することとしてもよい。
【0058】
項目「登録日」は、各ユーザがシステム1の提供するサービスに登録した日付の情報である。
【0059】
デザインデータベース2022のレコードそれぞれは、項目「デザインID」と、項目「ユーザID」と、項目「デザイン画像」と、項目「作成日」等を含む。
【0060】
項目「デザインID」は、デザインそれぞれを識別する識別子としての情報である。
【0061】
項目「ユーザID」は、当該デザインを作成したユーザを特定する情報であり、ユーザデータベース2021の項目「ユーザID」を外部キーとして保持する。
【0062】
項目「デザイン画像」は、当該デザインの画像を示す情報であり、具体的には、項目「第1領域」と項目「第2領域」を含み、カードスリーブの第1領域および第2領域に使用されるデザインの画像データを保持する。項目「第1領域」は、項目「第1区画」、「第2区画」、「第3区画」、項目「第4区画」を有し、第1領域内の各区画に使用されるコンテンツを指定するデータを保持する。カードスリーブの第1領域、第2領域およびコンテンツについての詳細は後述する。
【0063】
項目「作成日」は、当該デザインをユーザが作成した日付の情報である。
【0064】
コンテンツデータベース2023のレコードそれぞれは、項目「コンテンツID」と、項目「キーワード」と、項目「画像データ」等を含む。
【0065】
項目「コンテンツID」は、コンテンツそれぞれを識別する識別子としての情報である。
【0066】
項目「キーワード」は、コンテンツを特定するための情報であり、当該コンテンツが示すキャラクターまたは物の名称などの情報を保持する。
【0067】
項目「画像データ」は、当該コンテンツの画像データの情報を保持する。
【0068】
<3 カードスリーブの概要>
図5~
図7を参照して、システム1によってデザインが作成されるカードスリーブ50について説明する。
【0069】
図5に示すように、カードスリーブ50は、同形同大の矩形状の2枚のフィルム51,52が重ね合わされ、一辺に開口部53が形成されるように他の3辺がシールされて形成されている。一方のフィルム52の表面には、ユーザが任意にデザインを決めることが可能な第1領域52aと、ユーザがデザインを決めることが不可能な第2領域52bとが設定されている。第2領域52bには、第1領域のデザインに応じて設定される内容が印刷されている。
【0070】
図5および
図6に示す例では、第2領域52b(ハッチングで示す領域)は、フィルム52の表面の周縁部に位置するように設定されている。第2領域52bのデザイン(すなわち、模様、色、色を付す位置)およびフィルム52内における位置は、ユーザが決めた第1領域52aのデザインに応じて、サーバ20の第2決定モジュール2035によって決定される。
【0071】
図6に示すように、トレーディングカードCは、開口部53を挿通するようにカードスリーブ50内に収容される。トレーディングカードCのイラストが視認できるように、フィルム51は透明であることが好ましい。
【0072】
図7を参照して、第1領域52aについて詳細に説明する。
図7に示すように、本実施形態では、第1領域52aは、第1区画52a1,第2区画52a2,第3区画52a3,第4区画52a4を含む。それぞれの区画は、1つ以上のコンテンツを含むことができる。コンテンツとは、キャラクターなどのイラスト、文字(テキストまたはロゴ)、写真(画像)、模様などであって、ユーザが選択できるようにコンテンツデータベース2023に予め登録されている。ユーザは、コンテンツデータベース2023内のコンテンツを選択して、第1区画52a1~第4区画52a4のそれぞれのデザインを自由に設定することが可能となっている。
【0073】
<4 処理の流れ>
以下、
図8および
図9を参照して、システム1の処理の流れの一例を説明する。まず、
図8を参照して、処理の流れの概要を説明する。なお、本説明では、ユーザがコンテンツデータベース2023に予め登録されているコンテンツを使用して第1領域のデザインを作成する場合を説明する。
【0074】
ステップS10において、端末装置10は、ユーザの入力に基づいて、デザインデータベース2022に登録されているデザインの検索のリクエストをサーバ20へ送信する。ステップS20において、サーバ20は、検索結果としてデザインデータベース2022に登録されているデザインを端末装置10に表示させる。
【0075】
ステップS30において、端末装置10は、ユーザの入力に基づいて、変更するデザインの選択を受け付ける。ステップS40において、サーバ20は、選択されたデザインを端末装置10に表示させる。
【0076】
ステップS50において、端末装置10は、ユーザの入力に基づいて、変更内容をサーバ20へ送信する。ステップS60において、デザイン決定処理を実行する。デザイン決定処理の詳細は後述する。
【0077】
ステップS70において、サーバ20は、デザイン決定処理(ステップS60)で決定したデザインを端末装置10に表示させる。ステップS80において、端末装置10は、ユーザの入力に基づいて、決定したデザインをデザインデータベース2022に登録させる指示をサーバ20へ送信する。
【0078】
ステップS90において、サーバ20は、作成されたデザインをデザインデータベース2022に登録する。具体的には、サーバ20は、作成デザインの識別番号を作成し、受け付けたデザインと識別番号とを関連付けて、デザインデータベース2022に登録する。
【0079】
次に、
図9を参照して、ステップS60のデザイン決定処理の流れを説明する。ステップS61において、第1決定モジュール2034は、ユーザから受け付けたデザインを第1領域のデザインとして決定する。
【0080】
ステップS62において、判定モジュール2036は、ユーザによって作成されたデザインと第1区画内のコンテンツが一致するデザインが既にデザインデータベース2022に登録されているか否かを判定する。既に登録されている場合(ステップS62においてYes)、ステップS63が行われる。登録されていない場合(ステップS62においてNо)、ステップS68が行われる。
【0081】
ステップS63において、判定モジュール2036は、ユーザによって作成されたデザインと、当該デザインと第1区画のコンテンツが一致するデザインとについて、第2区画内のコンテンツが一致するか否かを判定する。一致する場合(ステップS63においてYes)、ステップS64が行われる。一致しない場合(ステップS63においてNо)、ステップS68が行われる。
【0082】
ステップS64において、判定モジュール2036は、ユーザによって作成されたデザインと、当該デザインと第1区画および第2区画のコンテンツが一致するデザインとについて、第3区画内のコンテンツが一致するか否かを判定する。一致する場合(ステップS64においてYes)、ステップS65が行われる。一致しない場合(ステップS64においてNо)、ステップS68が行われる。
【0083】
ステップS65において、判定モジュール2036は、ユーザによって作成されたデザインと、当該デザインと第1区画~第3区画のコンテンツがすべて一致するデザインとについて、第4区画内のコンテンツが一致するか否かを判定する。一致する場合(ステップS65においてYes)、ステップS66が行われる。一致しない場合(ステップS65においてNо)、ステップS68が行われる。
【0084】
ステップS66において、判定モジュール2036は、ユーザによって作成されたデザインと、当該デザインと第1区画~第4区画のコンテンツがすべて一致するデザインとを比較して、両者のデザインの差分を検出する。差分の検出は、例えば両者のデザインの画像データに対して特徴点マッチングなどの既存の画像解析技術を適用して行うことができる。差分が所定の閾値より小さい場合(ステップS66においてYes)、ステップS67が行われる。差分が所定の閾値より大きい場合(ステップS66においてNо)、ステップS68が行われる。
【0085】
ステップS67において、第2決定モジュール2035は、ステップS66においてユーザによって作成されたデザインとの差分が所定の閾値より小さいと判定されたデザインの第2領域と異なるデザインとなるように、ユーザによって作成されたデザインに付加される第2領域のデザインを決定する。具体的には、第2決定モジュール2035は、ユーザによって作成された第1領域のデザインに応じて、第2領域の模様、色、色を付す位置を決定する。
【0086】
ステップS68において、第2決定モジュール2035は、選択されたデザインの第2領域をユーザが作成したデザインの第2領域に決定する。
【0087】
<5 画面例>
図10~
図17を参照して、端末装置10に表示される表示画面を説明する。
図10は、権利帰属表示画面60を示す。権利帰属表示画面60は、システム1が提供するソフトウェア(いわゆるアプリ)をユーザが端末装置10にインストールする際に表示される画面である。権利帰属表示画面60はメッセージエリア61を備える。
【0088】
メッセージエリア61には、ユーザによって作成されたカードスリーブのデザインについての権利が、サービス提供者に帰属することが表示されている。ユーザが承諾ボタン62を押下すると、端末装置10は、ユーザから受け付けたデザインについての権利がサービスの提供主体へ帰属することに対する承諾を受け付け、カードスリーブのデザインを作成するサービスが利用可能となる。
【0089】
図11は、作成方法選択画面70を示す。作成方法選択画面70は、デザイン変更ボタン71とデザイン作成ボタン72を備える。ユーザがデザイン変更ボタン71を押下すると、デザイン選択画面80が表示される。
【0090】
図12は、デザイン選択画面80を示す。デザイン選択画面80は、デザインデータベース2022に記憶されているデザインのリスト81を備える。リスト81は、デザインの見本画像であるサムネイル82と、当該デザインの識別番号を含む。
【0091】
ユーザが検索ボックス83に識別番号またはキーワード(例えば、デザインに使用されているキャラクターの名称)を入力して検索することにより、受け付けた識別番号またはキーワードに該当するデザインが出力される。なお、デザイン選択画面80に表示されるデザインのリスト81は、識別番号順に表示されてもよいし、デザインの人気順、デザインを作成したユーザ(以下、デザイナーともいう)の人気順、デザインに含まれているキャラクターの人気順などで表示されてもよい。ユーザが変更したいデザインのリスト81を選択して押下することにより、選択決定画面90が表示される。
【0092】
図13は、選択決定画面90を示す。選択決定画面90は、ユーザによって選択されたデザインの識別番号とデザイン表示エリア91を備える。ユーザが承諾ボタン92を押下することにより、デザイン作成画面100が表示される。ユーザが拒否ボタン93を押下すると、デザイン選択画面80が再度表示される。
【0093】
図14は、デザイン作成画面100を示す。デザイン作成画面100はデザイン作成エリア101を備える。デザイン作成エリア101は、第1領域エリア101aと第2領域エリア101bを含む。第1領域エリア101aは、カードスリーブ50の第1領域52aに対応しており、ユーザが自由にデザインを設定することができる。第2領域エリア101bは、カードスリーブ50の第2領域52bに対応しており、ユーザはデザインを決定することができない。第2領域エリア101bのデザインは、ユーザから受け付けた第1領域エリア101aのデザインに基づいて、サーバ20の第2決定モジュール2035によって決定される。
【0094】
第1領域エリア101aは、第1区画エリア101a1と第2区画エリア101a2と第3区画エリア101a3と第4区画エリア101a4を含む。第1区画エリア101a1~第4区画エリア101a4は、カードスリーブ50の第1区画52a1~第4区画52a4にそれぞれ対応している。ユーザは、第1区画エリア101a1~第4区画エリア101a4のそれぞれに対して、1つ以上のコンテンツを配置することができる。
【0095】
具体的には、ユーザが第1区画エリア101a1~第4区画エリア101a4のいずれかを選択すると、当該選択されたエリアが変更可能となる。
図14に示す例では、第1区画エリア101a1が変更可能となっており、他の区画エリアとは異なる態様で表示される。ユーザは、変更可能となった第1区画エリア101a1にすでに配置されているコンテンツ102の位置を移動させたり、コンテンツ102を削除して他のコンテンツを配置したりすることができる。
【0096】
他のコンテンツを配置させる場合、ユーザはコンテンツ選択ボタン103を押下する。ユーザがコンテンツ選択ボタン103を押下すると、コンテンツ選択画面110が表示される。
【0097】
図15は、コンテンツ選択画面110を示す。コンテンツ選択画面110は、コンテンツデータベース2023に記憶されているコンテンツのリスト111を備える。リスト111は、コンテンツの見本画像であるサムネイル112と、当該デザインの識別番号を含む。
【0098】
ユーザが検索ボックス113に識別番号またはキーワード(例えば、コンテンツに使用されているキャラクターの名称)を入力することにより、該当するコンテンツを検索することができる。なお、コンテンツ選択画面110に表示されるコンテンツのリスト111は、識別番号順に表示されてもよいし、コンテンツの人気順、コンテンツを作成したデザイナーの人気順、コンテンツに含まれているキャラクターの人気順などで表示されてもよい。ユーザが使用したいコンテンツのリスト111を選択して押下することにより、当該コンテンツを用いて選択した区画エリアのデザインを変更することが可能となる。
【0099】
図14に示すデザイン作成画面100において、ユーザが第1領域エリア101aのデザインを変更した後に、デザイン決定ボタン104を押下すると、既存のデザインに対する変更が受け付けられ、デザイン登録画面120が表示される。
【0100】
図16は、デザイン登録画面120の一例を示す。
図16に示す例では、
図14に示す例と比較して、第1区画エリア101a1~第4区画エリア101a4内のコンテンツは同一となっている。そのため、第2領域エリア101bのデザインが変更された態様でデザイン表示エリア121が表示される。ユーザが登録ボタン123を押下すると、デザイン表示エリア121に表示されたデザインが、識別番号を付与された形でデザインデータベース2022に登録される。
【0101】
図17は、デザイン登録画面120の他の例を示す。
図17に示す例では、
図14に示す例と比較して、第1区画エリア101a1内のコンテンツは異なっている。そのため、第2領域エリア101bのデザインが変更されない態様でデザイン表示エリア121が表示される。ユーザが登録ボタン123を押下すると、デザイン表示エリア121に表示されたデザインが、識別番号を付与された形でデザインデータベース2022に登録される。
【0102】
以上のように、上記実施形態では、システム1は、同形同大の矩形状の2枚のフィルムが重ね合わされ、一辺に開口部が形成されるように他の3辺がシールされてなるカードスリーブ50の、少なくとも1枚のフィルム表面の第1領域52aにおけるデザインを受け付けるステップと、受け付けたデザインに基づき、少なくとも1枚のフィルム表面の、デザインを決めることが不可能な第2領域52bの内容を決定するステップと、を実行する。
【0103】
したがって、本実施形態に係るシステム1によれば、プレイヤーが自由にデザインを作成する自由度を許容しつつ、不正行為に利用させることを防止したカードスリーブを提供することが可能となる。
【0104】
また、上記実施形態では、過去に作成されたカードスリーブの複数のデザインをユーザに提示するステップ(S20)を制御部203に実行させ、第1領域52aのデザインを受け付けるステップ(S30)において、提示したデザインに対するユーザの選択を受け付ける。これにより、ユーザは、過去に作成されたデザインに基づいて新たなデザインを作成することができるため、デザイン作成を容易に行うことが可能となる。
【0105】
また、上記実施形態では、第1領域52aのデザインを受け付けるステップにおいて、ユーザが選択したデザインに対する変更を受け付ける。これにより、ユーザは、自身のお気に入りのデザインに対して所望の変更を加えることが可能となる。
【0106】
<変形例1>
上記実施形態では、第2領域の記載は模様、色、色を付す位置で特定されていたが、この態様に限定されることはない。第2決定モジュール2035は、第2領域の内容を決定する際に、第1領域のデザインに応じた識別子を決定し、第2領域に記載してもよい。
【0107】
図18に示す例では、第2領域52bに、第1領域のデザインに応じた識別子54が記載されている。これにより、第1領域の一意性を表す識別子を視認することが可能となり、ユーザによる不正行為をより確実に発見することが可能となる。
【0108】
<変形例2>
また、第2決定モジュール2035は、第2領域の内容を決定する際に、複数のキャラクターをランダムに配列したシルエットアートを当該識別子として決定してもよい。
【0109】
図19に示す例では、第2領域52bに、複数のキャラクターをランダムに配列したシルエットアート55が記載されている。これにより、第2領域の意匠性を高めた上で、第1領域の一意性を容易に視認することが可能となる。
【0110】
<変形例3>
また、第1決定モジュール2034は、第1領域に印刷される記載であって、当該第1領域におけるデザインが受け付けられたデザインであることが視認可能な記載を決定してもよい。
【0111】
図20に示す例では、第1領域52aに、第1領域におけるデザインが受け付けられたデザインであることが視認可能な記載として、「Designed by User A」の文言56が記載されている。ここで、「User A」には特定のユーザの名称またはニックネームなどが記載される。これにより、当該第1領域52aがユーザによって作成されたことが明確となり、大会などの特典として作成された希少価値が高いデザインの希少性を保護することが可能となる。
【0112】
<変形例4>
また、デザイン決定処理(S60)の処理の内容は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0113】
図21には、変形例としてのデザイン決定処理(S60)の流れが記載されている。
図21に示す例では、判定モジュール2036は、既存のデザインに対する変更が所定の変更の程度よりも小さいか否かを、変更の履歴についての情報に基づいて判断する。変更の履歴についての情報(以下、変更履歴という)は、端末装置10が変更内容を送信するステップ(S50)において、サーバ20の記憶部202内の所定のデータベース(以下、変更履歴データベースという)に記憶される。
【0114】
図21のステップS61において、第1決定モジュール2034は第1領域を決定する。ステップS62において、判定モジュール2036は、端末装置10から送信された変更内容について、変更対象の区画内において使用されているコンテンツが変更前と同じか否かを判定する。同じコンテンツが使用されている場合(ステップS162においてYes)、ステップS163が行われる。異なるコンテンツが使用されている場合(ステップS162においてNо)、ステップS68が行われる。
【0115】
ステップS163において、判定モジュール2036は、変更履歴データベースを参照して、変更内容と変更履歴との差分が閾値より小さいか否かを判定する。具体的には、判定モジュール2036は、第1領域の変更対象の区画において、コンテンツの移動、回転、拡大、縮小などの幾何学的な変更について、変更内容と変更履歴の差分が予め定められた閾値より小さいか否かを判定する。差分が閾値より小さい場合(ステップS163においてYes)、ステップS67が行われる。差分が閾値よりも大きい場合(ステップS163においてNо)、ステップS68が行われる。このような処理によっても、上記実施形態と同様の作用を実現することが可能となる。
【0116】
このように、第1領域52aにおけるデザインを受け付けるステップ(S50)において、既存のデザインに対する変更を受け付け、第2領域の内容を決定するステップ(S60)において、受け付けた変更が、所定の変更の程度よりも小さいか否かを判断し、受け付けた変更が、所定の変更の程度よりも小さい場合、第1領域52aのデザインを変更したカードスリーブの第2領域52bの内容を、既存のデザインのカードスリーブの第2領域の内容と異なるように決定する。これにより、第1領域52aに微小な変更を加えた場合に第2領域のデザインが変更されることとなり、ユーザが一部のカードの第1領域を微小に変更して不正行為に利用することを防止できる。
【0117】
<6 他の実施形態>
以上、本発明における実施形態およびその変形例について説明したが、本開示の適用は上述の内容に限定されるものではない。
【0118】
例えば、第2決定モジュール2035は、第2領域の内容を決定するステップにおいて、ユーザから指定される色を受け付け、当該受け付けた色を参照して第2領域の色を決定してもよい。具体的には、第2決定モジュール2035は、ユーザから第2領域の色味(赤系、緑系、青系等)を受け付け、当該色味となるように第2領域の模様、又は色を付す位置を決定する仕様としてもよい。これにより、第1領域のデザインに合った色合いの第2領域を作成することができるため、よりユーザのニーズに沿ったデザインのカードスリーブを作成することが可能となる。
【0119】
また、たとえば、第1領域および第2領域は、フィルムの両面に形成されていてもよい。この場合、一方のフィルムの第1および第2領域は、収納したトレーディングカードのデザインが視認できるように形成されていることが好ましい。
【0120】
また、上記実施形態では、第2領域はカードスリーブ50の周縁部に形成されていたが、この態様に限定されるわけではない。例えば、カードスリーブ50の周縁部の一部に第2領域を設定してもよいし、カードスリーブ50の周縁部以外の箇所に第2領域を設定してもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、第1領域は4つの区画を有していたが、この態様に限定されるわけではない。例えば、第1領域は2つの区画を有していてもよいし、1つのみの区画を有する態様であってもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、ユーザが作成した第1領域のデザインと既に登録されているデザインとの差分が所定の閾値以外の場合に第2領域を変更する仕様としているが、この態様に限定されることはない。例えば、既に登録されているデザインと差分が少ない第1領域のデザインは受け付けないようにエラー表示して、デザインの変更を促す仕様としてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、ユーザはコンテンツデータベース2023に予め登録されているコンテンツを使用して第1領域のデザインを作成していたが、この態様に限定されることはない。例えば、ユーザが作成したイラストのデータを、コンテンツデータベース2023に新たに登録できる仕様としてもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、既存のデザインを変更する場合について説明しているが、この態様に限定されるわけではなく、新規にデザインを作成することもできる。例えば、
図11に示す作成方法選択画面70において、ユーザがデザイン作成ボタン72を押下すると、サーバ20は、デザイン作成画面100を表示する。第1決定モジュール2034は、デザイン作成画面100においてユーザからの入力を受け付け、受け付けたデザインを第1領域のデザインとして決定する。
【0125】
また、上記実施形態では、システム1はカードスリーブのデザインを作成するサービスを提供していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、システム1は、カードスリーブの注文を受け付けるサービスをさらに提供してもよい。この場合、ユーザは自身が既に所有しているカードスリーブのデザインを選択して注文できる仕様としてもよい。このようにすることで、カードスリーブの一部が損傷または摩耗した場合などに、同じデザインのカードスリーブを注文して入手することが可能となる。
【0126】
また、上記実施形態では、端末装置10は、スマートフォンなどで実現される端末として説明したが、この例に限定されることはない。家庭用のPCなどにソフトウェアをインストールすることにより、端末装置10を実現し、マウスなどの操作を受け付けるようにしてもよい。
【0127】
また、通信回線を介した所定情報の共有は、主にインターネットなどのWANを介して行われるが、情報処理装置間では、WANを介さずにBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等のみを介して行われてもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、各機能を端末装置10またはサーバ20が備える態様の一例について説明したが、この形態に限定されることはなく、一部または全部の機能について上記実施形態と異なる態様で端末装置10、サーバ20、又は端末装置10とサーバ20の両方が備える構成としてもよい。
【0129】
また、上記実施形態において端末装置10に実行させるものとして記載されていた各ステップをサーバ20に実行させてもよく、サーバ20に実行させるものとして記載されていた各ステップをサーバ20に実行させてもよい。
【0130】
さらに、本発明は、上述した端末装置10またはサーバ20が備える機能を情報処理装置に実行させるプログラムとして実現してもよいし、当該プログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現してもよい。
【0131】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0132】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
【0133】
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
プログラムは、プロセッサに、
一辺に開口部が形成された矩形状のカードスリーブの、少なくとも1方の表面の第1領域におけるデザインを受け付けるステップ(S61)と、
受け付けたデザインに基づき、少なくとも1方の表面の、ユーザがデザインを決めることが不可能な第2領域の内容を決定するステップ(S62~S68)と、を実行させる、プログラム。
(付記2)
第2領域の内容を決定するステップにおいて、
第1領域のデザインに応じて、第2領域の色を決定する、付記1記載のプログラム。
(付記3)
第2領域の内容を決定するステップにおいて、
ユーザから指定される色を受け付け、当該受け付けた色を参照して第2領域の色を決定する、付記1又は付記2記載のプログラム。
(付記4)
第2領域の内容を決定するステップにおいて、
第1領域のデザインに応じて、第2領域において色を付す位置を決定する、付記2又は3に記載のプログラム。
(付記5)
第2領域の内容を決定するステップにおいて、
第1領域のデザインに応じた識別子を決定し、第2領域に記載する、付記1乃至4のいずれかに記載のプログラム。
(付記6)
第2領域の内容を決定するステップにおいて、
複数のキャラクターをランダムに配列したシルエットアートを識別子として決定する、付記5記載のプログラム。
(付記7)
第2領域は、表面の周縁部に位置する、付記1乃至6のいずれかに記載のプログラム。
(付記8)
第1領域に印刷される記載であって、当該第1領域におけるデザインが受け付けられたデザインであることが視認可能な記載を決定するステップを、プロセッサに実行させる、付記1乃至7のいずれかに記載のプログラム。
(付記9)
第2領域の内容を決定するステップにおいて、
受け付けた第1領域におけるデザインと、既存のカードスリーブの第1領域のデザインとの差分が所定の閾値よりも小さいか否かを判定し、差分が所定の閾値よりも小さい場合、第1領域のデザインを変更したカードスリーブの第2領域の内容を、既存のデザインのカードスリーブの第2領域の内容と異なるように決定する、付記1乃至8のいずれかに記載のプログラム。
(付記10)
第1領域におけるデザインを受け付けるステップにおいて、既存のデザインに対する変更を受け付け、
第2領域の内容を決定するステップにおいて、受け付けた変更が、所定の変更の程度よりも小さいか否かを判定し、受け付けた変更が、所定の変更の程度よりも小さい場合、第1領域のデザインを変更したカードスリーブの第2領域の内容を、既存のデザインのカードスリーブの第2領域の内容と異なるように決定する、付記1乃至9のいずれかに記載のプログラム。
(付記11)
過去に作成されたカードスリーブの複数のデザインをユーザに提示するステップをプロセッサに実行させ、
第1領域のデザインを受け付けるステップにおいて、提示したデザインに対するユーザの選択を受け付ける、付記1乃至10のいずれかに記載のプログラム。
(付記12)
第1領域のデザインを受け付けるステップにおいて、ユーザが選択したデザインに対する変更を受け付ける、付記11記載のプログラム。
(付記13)
作成されたデザインについての権利がサービスの提供主体へ帰属することに対する承諾を受け付けるステップを、プロセッサに実行させる、付記1乃至12のいずれかに記載のプログラム。
(付記14)
作成されたデザインの識別番号を作成するステップと、
作成されたデザインと識別番号とを関連付けて記憶するステップと
をプロセッサに実行させる、付記1乃至13のいずれかにプログラム。
(付記15)
識別番号を受け付けるステップと、
受け付けた識別番号に基づいて、識別番号と関連付けられているデザインを出力するステップと
をプロセッサに実行させる、付記14記載のプログラム。
(付記16)
同形同大の矩形状の2枚のフィルムが重ね合わされ、一辺に開口部が形成されるように他の3辺がシールされており、
少なくとも1枚のフィルムの表面には、任意にデザインを決めることが可能な第1領域と、デザインを決めることが不可能な第2領域とが設定され、
第2領域には、第1領域のデザインに応じて設定される内容が印刷されている、カードスリーブ。
(付記17)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、プロセッサが、
一辺に開口部が形成された矩形状のカードスリーブの、少なくとも1方の表面の第1領域におけるデザインを受け付けるステップと、
受け付けたデザインに基づき、少なくとも1方の表面の、デザインを決めることが不可能な第2領域の内容を決定するステップと、を実行する、方法。
(付記18)
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、制御部は、
一辺に開口部が形成された矩形状のカードスリーブの、少なくとも1方の表面の第1領域におけるデザインを受け付けるステップと、
受け付けたデザインに基づき、少なくとも1方の表面の、デザインを決めることが不可能な第2領域の内容を決定するステップと、を実行する、情報処理装置。
(付記19)
、一辺に開口部が形成された矩形状のカードスリーブの、少なくとも1方の表面の第1領域におけるデザインを受け付ける手段と、
受け付けたデザインに基づき、少なくとも1方の表面の、デザインを決めることが不可能な第2領域の内容を決定する手段と、を具備する、システム。
【符号の説明】
【0134】
1 :システム、10 :端末装置、13 :入力装置、14 :出力装置、15 :メモリ、16 :ストレージ、17 :音声処理部、19 :プロセッサ、20 :サーバ、25 :メモリ、26 :ストレージ、29 :プロセッサ、30 :ネットワーク、50 :カードスリーブ、51 :フィルム、52 :フィルム、52a:第1領域、52a1 :第1区画、52a2 :第2区画、52a3 :第3区画、52a4 :第4区画、52b:第2領域、53 :開口部、54 :識別子、55 :シルエットアート、56 :文言、60 :権利帰属表示画面、61 :メッセージエリア、62 :承諾ボタン、70 :作成方法選択画面、71 :デザイン変更ボタン、72 :デザイン作成ボタン、80 :デザイン選択画面、81 :リスト、82 :サムネイル、83 :検索ボックス、90 :選択決定画面、91 :デザイン表示エリア、92 :承諾ボタン、93 :拒否ボタン、100:デザイン作成画面、101:デザイン作成エリア、101a :第1領域エリア、101a1 :第1区画エリア、101a2 :第2区画エリア、101a3 :第3区画エリア、101a4 :第4区画エリア、101b :第2領域エリア、102:コンテンツ、103:コンテンツ選択ボタン、104:デザイン決定ボタン、110:コンテンツ選択画面、111:リスト、112:サムネイル、113:検索ボックス、120:デザイン登録画面、121:デザイン表示エリア、123:登録ボタン、131:デバイス、141:ディスプレイ、150:通信部、160:カメラ、171:マイク、172:スピーカ、180:記憶部、190:制御部、191:操作受付部、192:送受信部、193:表示制御部、201:通信部、202:記憶部、203:制御部、2021 :ユーザデータベース、2022 :デザインデータベース、2023 :コンテンツデータベース、2031 :受信制御モジュール、2032 :送信制御モジュール、2033 :管理モジュール、2034 :第1決定モジュール、2035 :第2決定モジュール、2036 :判定モジュール。