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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100154
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】探傷装置及び探傷方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/91 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
G01N21/91 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003934
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】390002808
【氏名又は名称】マークテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100125313
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】松本 謙二
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AB02
2G051AC12
2G051BA01
2G051CA04
2G051EA11
2G051EA16
(57)【要約】
【課題】疑似模様の影響を低減して欠陥指示模様を抽出することが可能な探傷装置及び探傷方法を提供すること。
【解決手段】実施形態の探傷装置は、取得部及び生成部を備える。取得部は、浸透探傷試験の被検査物を浸透液の付着及び除去より後に撮像した第1の画像、及び前記第1の画像よりも後に前記被検査物を撮像した第2の画像を取得する。生成部は、前記第1の画像と前記第2の画像との差の絶対値をとった第3の画像、前記第1の画像を前記第2の画像で減算した第3の画像、及び前記第2の画像を前記第1の画像で除算した第3の画像の少なくともいずれかを生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浸透探傷試験の被検査物を浸透液の付着及び除去より後に撮像した第1の画像、及び前記第1の画像よりも後に前記被検査物を撮像した第2の画像を取得する取得部と、
前記第1の画像と前記第2の画像との差の絶対値をとった第3の画像、前記第1の画像を前記第2の画像で減算した第3の画像、及び前記第2の画像を前記第1の画像で除算した第3の画像の少なくともいずれかを生成する生成部と、を備える探傷装置。
【請求項2】
前記第3の画像中の欠陥指示模様を明瞭にする色調補正を行う補正部をさらに備える、請求項1に記載の探傷装置。
【請求項3】
前記第3の画像を二値化する二値化部をさらに備える、請求項1又は請求項2に記載の探傷装置。
【請求項4】
浸透探傷試験の被検査物を浸透液の付着及び除去より後に撮像した第1の画像と、前記第1の画像よりも後に前記被検査物を撮像した第2の画像を取得する取得部との差の絶対値をとった第3の画像、前記第1の画像を前記第2の画像で減算した第3の画像、及び前記第2の画像を前記第1の画像で除算した第3の画像の少なくともいずれかを生成する、探傷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、浸透探傷試験において欠陥を検出するための探傷装置及び探傷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
浸透探傷試験と呼ばれる検査方法が知られている。浸透探傷試験は、非破壊検査方法の一種である。浸透探傷試験は、JIS(Japanese Industrial Standards) Z 2343-1~6などに規格化されている。浸透探傷試験の基本的な手順の一例を以下1)~5)に示す。
1)浸透性の強い浸透液を被検査物表面に付着させる。これにより浸透液を被検査物表面の開口欠陥部に浸透させる。浸透液は、例えば、赤色染料を溶解させた染色浸透液又は蛍光浸透液である。
2)開口欠陥部内に浸透せずに被検査物表面に残留している余剰浸透液を除去する。
3)被検査物表面に炭酸マグネシウム粉末又は炭酸カルシウム粉末などの無機質白色粉末(当業者間では「現像剤」と呼ばれている。)の薄層を形成する。
4)現像剤層によって開口欠陥部内に浸透している浸透液を現像剤層表面に吸い出させること(以下「現像処理」という。)によって欠陥指示模様を現出させる。
5)被検査物を観察して開口欠陥部の存在及び位置を検出する。染色浸透液の場合は自然光又は白色光の下、肉眼又はデジタルカメラ等で撮影した画像により観察する。また、蛍光浸透液の場合はブラックライト等の照射の下、デジタルカメラ等で撮影した画像により観察する。
【0003】
蛍光浸透液を用いる場合には、無現像法を用いることもできる。無現像法では、開口欠陥部に浸透させて余剰浸透液を除去した後、現像処理を行わずに直接被検査物表面にブラックライト等を照射してデジタルカメラ等で撮影した画像を観察することで開口欠陥部の存在・位置を検出する。
【0004】
浸透探傷試験の上記手順で述べた、現像剤を使用した染色浸透探傷法及び暗室でブラックライトによる紫外線照射下で行われる蛍光浸透探傷試験では、浸透液による欠陥指示模様と背景のコントラストが高く画像処理により比較的欠陥を抽出しやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-351910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、実際の浸透探傷試験においては、例えば表面粗さの問題などにより検査体表面の浸透液を完全に除去することができない場合がある。このような場合、除去できなかった浸透液が疑似模様として残ることとなる。
【0007】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、疑似模様の影響を低減して欠陥指示模様を抽出することが可能な探傷装置及び探傷方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の探傷装置は、取得部及び生成部を備える。取得部は、浸透探傷試験の被検査物を浸透液の付着及び除去より後に撮像した第1の画像、及び前記第1の画像よりも後に前記被検査物を撮像した第2の画像を取得する。生成部は、前記第1の画像と前記第2の画像との差の絶対値をとった第3の画像、前記第1の画像を前記第2の画像で減算した第3の画像、及び前記第2の画像を前記第1の画像で除算した第3の画像の少なくともいずれかを生成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、疑似模様の影響を低減して欠陥指示模様を抽出する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る浸透探傷装置の要部構成の一例を示すブロック図。
図2図1中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図3】洗浄直後に試験片1を撮影した画像。
図4図3の画像の撮影から1分後に試験片1を撮影した画像。
図5図3の画像と図4の画像について差の絶対値をとった画像。
図6図5の画像の明るさとコントラストを上げた画像。
図7図4の画像を二値化した画像。
図8図6の画像を二値化した画像。
図9】洗浄直後に試験片2を撮影した画像。
図10図9の画像の撮影から1分後に試験片2を撮影した画像。
図11図9の画像と図10の画像について差の絶対値をとった画像。
図12図11の画像の明るさとコントラストを上げた画像。
図13図10の画像を二値化した画像。
図14図12の画像を二値化した画像。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る浸透探傷装置について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
図1は、実施形態に係る浸透探傷装置100の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
浸透探傷装置100は、被検査物に対する浸透探傷試験の一部又は全部を自動で行う装置である。浸透探傷試験の一部の工程は、人間が行っても良い。浸透探傷装置100は、一例として、制御部110、浸透部120、表示デバイス130、入力デバイス140及び撮像デバイス150を含む。なお、浸透探傷装置100は、探傷装置の一例である。
【0013】
制御部110は、浸透探傷装置100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターである。制御部110は、一例として、プロセッサー111、ROM(read-only memory)112、RAM(random-access memory)113、補助記憶装置114及び制御インターフェース115を含む。そして、バス116などが、これら各部を接続する。なお、制御部110は、探傷装置の一例である。
【0014】
プロセッサー111は、浸透探傷装置100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー111は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー111は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー111は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー111は、ROM112又は補助記憶装置114などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、浸透探傷装置100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー111は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー111の回路内に組み込まれていても良い。
【0015】
ROM112及びRAM113は、プロセッサー111を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM112は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM112は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM112は、プロセッサー111が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM113は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM113は、プロセッサー111が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM113は、典型的には揮発性メモリである。
【0016】
補助記憶装置114は、プロセッサー111を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置114は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置114は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置114は、プロセッサー111が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー111での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0017】
制御インターフェース115は、制御部110が浸透探傷装置100の各部と通信するためのインターフェースである。制御部110は、制御インターフェース115を介して当該各部を制御する。当該各部は、浸透部120、表示デバイス130、入力デバイス140及び撮像デバイス150などである。
【0018】
バス116は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、制御部110の各部で授受される信号を伝送する。
【0019】
浸透部120は、被検査物に対して浸透探傷試験における各工程を行う装置である。浸透部120が行う工程は、例えば、被検査物の洗浄、被検査物表面への浸透液の付着、余剰浸透液の除去及び浸透液の乾燥である。
【0020】
表示デバイス130は、浸透探傷装置100の操作者などに各種情報を通知するための画面を表示する。表示デバイス130は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイである。
【0021】
入力デバイス140は、浸透探傷装置100の操作者による操作を受け付ける。入力デバイス140は、例えば、押しボタン、キーボード、キーパッド、タッチパッド、マウス又はコントローラーなどである。また、入力デバイス140は、音声入力用のデバイスであっても良い。また、表示デバイス130及び入力デバイス140としては、タッチパネルを用いることもできる。この場合、タッチパネルが備える表示パネルは、表示デバイス130として機能する。そして、タッチパネルが備える、タッチ入力によるポインティングデバイスは、入力デバイス140として機能する。
【0022】
撮像デバイス150は、画像を撮影する。また、撮像デバイス150は、撮影した画像データを出力する。なお、動画像は、画像の一種である。撮像デバイス150は、例えば、デジタルカメラである。撮像デバイス150は、ラインセンサーカメラであっても良い。撮像デバイス150は、一例としてイメージセンサー151及び光源152を含む。
【0023】
イメージセンサー151は、例えば、通常のデジタルカメラと同様に赤、緑及び青(RGB(red, green, and blue))の3色のカラーフィルターを用い、当該3色それぞれの光の強さを検知可能なイメージセンサーである。しかしながら、イメージセンサー151は、赤及び緑、又は赤及び青などの2色のカラーフィルターを用い、当該2色それぞれの光の強さを検知可能なイメージセンサーであっても良い。また、イメージセンサー151は、シアン、マゼンタ、黄色及び緑(CMYG(cyan, magenta, yellow ang green))の4色のカラーフィルターを用い、当該4色それぞれの光の強さを検知可能なイメージセンサーであっても良い。また、イメージセンサー151は、CMYGのうちのいずれか2色又は3色のカラーフィルターを用い、当該2色又は3色それぞれの光の強さを検知可能なイメージセンサーであっても良い。
【0024】
光源152は、撮像時に使用するライトである。撮像デバイス150は、例えば、染色浸透液用と蛍光浸透液用の2種類の光源152を備える。あるいは、撮像デバイス150は、どちらか一方のみを備えていても良い。染色浸透液用の光源152の発光色は、例えば白色光である。蛍光浸透液用の光源152は、例えばブラックライトである。
【0025】
以下、実施形態に係る浸透探傷装置100の動作を図2などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。図2は、制御部110のプロセッサー111による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー111は、例えば、ROM112又は補助記憶装置114などに記憶されたプログラムに基づいて図2の処理を実行する。
【0026】
プロセッサー111は、例えば、浸透探傷装置100の起動にともない図2に示す処理を開始する。
【0027】
図2のステップST11において浸透探傷装置100のプロセッサー111は、浸透探傷装置100の設定(以下「探傷設定」という。)を変更するか否かを判定する。プロセッサー111は、探傷設定を変更すると判定しないならば、ステップST11においてNoと判定してステップST12へと進む。
【0028】
ステップST12においてプロセッサー111は、浸透探傷試験を開始するか否かを判定する。プロセッサー111は、浸透探傷試験を開始すると判定しないならば、ステップST12においてNoと判定してステップST11へと戻る。かくして、プロセッサー111は、探傷設定を変更するか、浸透探傷試験を開始すると判定するまでステップST11及びステップST12を繰り返す待受状態となる。
【0029】
プロセッサー111は、例えば、探傷設定の変更を指示する操作が行われたことに応じて、設定を変更すると判定する。
プロセッサー111は、ステップST11及びステップST12を繰り返す待受状態にあるときに探傷設定を変更すると判定するならば、ステップST11においてYesと判定してステップST13へと進む。
【0030】
ステップST13においてプロセッサー111は、例えば、探傷設定の変更内容を入力する操作に基づき設定を変更する。プロセッサー111は、変更した探傷設定の内容を補助記憶装置114などに記憶する。探傷設定は、例えば、使用する浸透液についての設定、後述の待機時間についての設定、色調補正に関する設定、二値化の閾値の設定及びk1の値などを含む。なお、探傷設定は、デフォルトの値が定められていても良い。デフォルトの値は、例えば、浸透探傷装置100の設計者又は販売者などによって定められる。プロセッサー111は、ステップST13の処理の後、ステップST11へと戻る。
【0031】
浸透探傷装置100の操作者などは、例えば、被検査物を浸透探傷装置100の所定の位置に設置する。そして、操作者は、例えば、入力デバイス140を用いて、浸透探傷装置100に対して浸透探傷試験の開始を指示する操作を行う。プロセッサー111は、例えば、当該操作に応じて、浸透探傷試験を開始すると判定する。
プロセッサー111は、ステップST11及びステップST12を繰り返す待受状態にあるときに浸透探傷試験を開始すると判定するならば、ステップST12においてYesと判定してステップST14へと進む。
【0032】
ステップST14においてプロセッサー111は、浸透部120を制御して、被検査物の表面に浸透液を付着させる。浸透部120は、例えば、被検査物に浸透液を噴射することで被検査物に浸透液を付着させる。あるいは、浸透部120は、その他の公知の方法を用いて被検査物に浸透液を付着させる。なお、使用する浸透液は、例えば、探傷設定によって定められた浸透液である。
【0033】
被検査物に付着させる浸透液は、例えば、染色浸透液又は蛍光浸透液である。また、染色浸透液の色は、通常赤色である。蛍光浸透液の色は、通常黄緑色の蛍光色である。浸透探傷装置100が使用できる、浸透液の色はこれらの色に限る。あるいは、浸透探傷装置100は、他の色の浸透液が使用できても良い。また、浸透探傷装置100は、染色浸透液又は蛍光浸透液のいずれかのみ使用でき、もう一方は使用できないものであっても良い。
【0034】
ステップST15においてプロセッサー111は、浸透液を浸透させるため、予め設定された時間待機する。
【0035】
ステップST16においてプロセッサー111は、浸透部120を制御して被検査物から余剰浸透液を除去する。浸透部120は、例えば、水洗、溶剤又は後乳化などによって余剰浸透液を除去する。あるいは、浸透部120は、その他の公知の方法を用いて余剰浸透液を除去する。
【0036】
ステップST17においてプロセッサー111は、撮像デバイス150を制御して、被検査物の1回目の撮影を行う。撮像デバイス150は、撮像した画像を出力する。制御部110は、制御インターフェース115を介して当該画像の入力を受ける。撮像デバイス150が出力する画像は、例えば、JPEG画像又はTIFF画像などの、画像の各画素の色を記録した現像済みの画像データ(以下「現像済み画像」という。)である。あるいは、撮像デバイス150が出力する画像は、RAW画像などの、イメージセンサー151の各画素が検知した光の強度を記録した未現像の画像データ(以下「未現像画像」という。)であっても良い。なお、ここでの現像は、RAW画像などをJPEG画像などに変換することを示す。現像済み画像の色空間は、RGBであることが好ましい。しかしながら、現像済み画像の色空間は、CMYK(cyan, magenta, yellow, and key(black))などの、RGB以外の色の組み合わせの色空間であっても良い。また、未現像画像は、色成分が1色又は2色の画像であっても良い。現像済み画像は、色成分が1色又は2色の画像であっても良い。色成分が1色の画像は、例えばモノクロ又はグレースケールの画像である。なお、ステップST17で制御部110に入力された画像を以下「第1画像」というものとする。また、被検査物を撮像した画像は、動画から切り出した静止画像であっても良い。第1画像に限らず、被検査物を撮像した画像は、動画から切り出した静止画像であっても良い。
【0037】
ステップST18においてプロセッサー111は、欠陥指示模様の表出及び成長を待つために、予め設定された時間待機する。
【0038】
ステップST19においてプロセッサー111は、撮像デバイス150を制御して、被検査物の2回目の撮影を行う。撮像デバイス150は、撮像した画像を出力する。制御部110は、制御インターフェース115を介して当該画像の入力を受ける。2回目の撮影で撮像デバイス150が出力する画像の画像形式は、例えば、1回目の撮影と同様である。なお、ステップST19で制御部110に入力された画像を以下「第2画像」というものとする。
【0039】
なお、1回目の撮影と2回目の撮影の、撮影に関する設定は同一であることが好ましい。当該設定は、例えば、ISO感度、シャッタースピード及び絞り値(f値)などを含む。撮影に関する設定を同一とすることで、時間経過で変化する部分以外の部分について、1回目の撮影と2回目の撮影で同じように映りやすい。
【0040】
また、第1画像及び第2画像が現像済み画像である場合、第1画像の現像における各種パラメーターと第2画像の現像における各種パラメーターは同一であることが好ましい。現像における各種パラメーターを同一にすることで、時間経過で変化する部分以外の部分について、第1画像と第2画像が同一となりやすい。
【0041】
なお、第1画像は、第1の画像の一例である。第2画像は、第2の画像の一例である。
以上より、プロセッサー111は、ステップST17~ステップST19の処理を行うことで、浸透探傷試験の被検査物を浸透液の付着及び除去より後に撮像した第1の画像、及び第1の画像よりも後に被検査物を撮像した第2の画像を取得する取得部の一例として機能する。あるいは、プロセッサー111は、撮像デバイス150と協働して、ステップST17~ステップST19の処理を行うことで、取得部の一例として機能する。
【0042】
ステップST20においてプロセッサー111は、第1画像と第2画像を合成する。プロセッサー111は、例えば以下の(A1)~(A3)の方法により第1画像と第2画像を合成する。
【0043】
(A1)プロセッサー111は、第1画像と第2画像との差の絶対値をとった第3画像を生成する。すなわち、プロセッサー111は、下式により第3画像の各画素の各色成分の明暗の値を求める。
P3=|P1-P2| (1)
ここで、P1は、第1画像の画素の色成分の明暗を示す値である。P2は、第2画像の画素の色成分の明暗を示す値である。P3は、第3画像の画素の色成分の明暗を示す値である。したがって、例えば第1画像~第3画像がRGB画像であるならば、各画素について、赤色成分をP3R=|P1R-P2R|、緑色成分をP3G=|P1G-P2G|、青色成分をP3B=|P1B-P2B|によって求める。なお、P1~P3の末尾にRがついているものは赤色成分の明暗を示す。同様に、Gは緑色成分を示し、Bは、青色成分を示す。また、例えば、第1画像~第3画像がグレースケールの画像であるならば、P1~P3はいずれも白黒の明暗を示す。なお、P1~P3のそれぞれは、例えば、0~255の256階調の数値により明暗を示す。なお、通常、数値が大きいほど明るいことを示す。0が最も暗く255が最も明るい。グレースケール画像であれば、0は最も黒く255は最も白い。あるいは、P1~P3のそれぞれは、0~100などのその他の範囲の数値により明暗を示しても良い。0~100で表す場合には通常数値が大きいほど暗いことを示す。
【0044】
(A2)プロセッサー111は、第1画像を第2画像で減算した第3画像を生成する。すなわち、プロセッサー111は、下式により第3画像の各画素の各色成分の明暗の値を求める。
P3=P1-P2 (2)
ただし、P3が0未満になる場合は、P3=0とする。
【0045】
(A3)プロセッサー111は、第2画像を第1画像で除算した第3画像を生成する。すなわち、プロセッサー111は、下式(3-1)又は(3-2)により第3画像の各画素の各色成分の明暗の値を求める。
P3=P2÷P1×255 (3-1)
P3=(P2+k1)÷(P1+k1)×255 (3-2)
ただし、P3が255を超える場合にはP3=255とする。また、P1=0である場合には、P3=255とする。また、少数以下は四捨五入などによって丸める。k1は、予め定められた数である。k1は、例えば1などである。(3-2)を用いることで0除算が発生しなくなる。
【0046】
なお、プロセッサー111は、(1)式~(3)式に代えて同じ結果を得ることができる他の式によってP3を求めても良い。例えば、プロセッサー111は、(1)式に代えて、下式によりP3を求めても良い。
P3=Pb-Ps (4)
ここで、Pbは、P1及びP2のうちの数値が大きい方である。Psは、P1及びP2のうちの数値が小さい方である。
【0047】
また、プロセッサー111は、(1)式~(3)式において、P1に代えてa1・P1を用いても良い。また、プロセッサー111は、(1)式~(3)式において、P2に代えてa2・P2を用いても良い。P1に代えてa1・P1を用い、P2に代えてa2・P2を用いた場合、(1)式は(5)式、(2)式は(6)式、(3)式は(7)式のようになる。
P3=|a1・P1-a2・P2| (5)
P3=a1・P1-a2・P2 (6)
P3=(a2・P2)÷(a1・P1)×255 (7)
a1は、第1画像の明るさを補正する係数である。a2は、第2画像の明るさを補正する係数である。a1及びa2のいずれかは1であっても良い。
【0048】
なお、第1画像及び第2画像のそれぞれは、1つの画像ファイルに含まれるレイヤーであっても良い。
【0049】
第3画像は、第3の画像の一例である。以上より、プロセッサー111は、ステップST20の処理を行うことで、第1の画像と第2の画像との差の絶対値をとった第3の画像、第1の画像を第2の画像で減算した第3の画像、及び第2の画像を第1の画像で除算した第3の画像の少なくともいずれかを生成する生成部の一例として機能する。
【0050】
ステップST21においてプロセッサー111は、欠陥指示模様を明瞭にするために第3画像を色調補正する。当該色調補正は、例えば、明るさ及びコントラストの少なくともいずれかの補正、レベル補正、トーンカーブの補正及び露光量の補正などである。なお、プロセッサー111は、複数種類の色調補正を行っても良い。なお、明るさ及びコントラストの少なくともいずれかの補正より明るさ及びコントラストを両方補正することが好ましい。
【0051】
第3画像は、欠陥指示模様以外の部分は黒く、欠陥指示模様は暗い色となっている場合がある。したがって、プロセッサー111は、例えば、明るさを増加させ、コントラストを増加させる色調補正を行うことで欠陥指示模様を明瞭にする。プロセッサー111は、どの程度の色調補正を行うかを、第3画像を画像解析することなどにより自動で判定する。あるいは、プロセッサー111は、探傷設定によって定められた値により色調補正を行う。なお、プロセッサー111は、色調補正の前に第3画像を階調反転(明暗反転)しても良い。
【0052】
以上より、プロセッサー111は、ステップST21の処理を行うことで、第3の画像中の欠陥指示模様を明瞭にする色調補正を行う補正部の一例として機能する。
【0053】
ステップST22においてプロセッサー111は、ステップST21で色調補正された第3画像を設定された所定の閾値により二値化する。あるいは、プロセッサー111は、第3画像を画像解析することなどにより、最適な閾値を自動で判定しても良い。すなわち、プロセッサー111は、例えば、明暗の値が閾値以上の画素を白にし、当該値が閾値未満の画素を黒にする。なお、プロセッサー111は、二値化の前に第3画像を階調反転しても良い。また、プロセッサー111は、二値化後に階調反転、すなわち白と黒を入れ替えても良い。また、プロセッサー111は、第3画像を色調補正せずに二値化しても良い。
【0054】
以上より、プロセッサー111は、ステップS22の処理を行うことで、第3の画像を二値化する二値化部の一例として機能する。
【0055】
ステップST23においてプロセッサー111は、被試験体の欠陥の位置を判定する。プロセッサー111は、例えば、二値化された第3画像における、白色の部分を欠陥であると判定する。
【0056】
ステップST24においてプロセッサー111は、第3画像を出力する。例えば、プロセッサー111は、第3画像を含む画像を表示するように表示デバイス130に対して指示する。表示の指示を受けて表示デバイス130は、当該画像を表示する。表示デバイス130が表示する画像は、例えば、第1画像、第2画像、ステップST20において合成された第3画像、ステップST21において色調補正が行われた第3画像、及びステップST22において二値化された第3画像を含む。また、プロセッサー111は、通信インターフェースなどを介して第3画像を他の装置に送信しても良い。プロセッサー111は、ステップST24の処理の後、ステップST11へと戻る。
【実施例0057】
試験片1及び試験片2の2種類の試験片を用いて下記の手順で浸透探傷試験を行った。
(B1)試験片に浸透液をスプレー塗布し、5分間放置した。
(B2)三脚に設置したカメラ前に試験片を置き動画撮影開始。
(B3)紙ウエスにより余剰浸透液をふき取った後、洗浄液を吹き付けることで試験片を洗浄した。
(B4)動画撮影を継続したまま試験片を所定時間放置した。
【0058】
なお、本試験では、以下のものを使用した。
水洗性染色浸透液: RP-2000C(マークテック株式会社製)
洗浄液: UR-ST(マークテック株式会社製)
試験片1: タイプ2対比試験片(JIS Z 2343-3)
試験片2: アルミ焼き割れ試験片
【0059】
試験片1は、表面粗さによる疑似模様の様子を確認するために用いた。試験片2は、欠陥による指示模様の様子を確認するために用いた。
【0060】
図3は、洗浄直後に試験片1を撮影した画像である。なお、本試験において洗浄直後とは、洗浄後に動画中で試験片の移動が収まった時点である。また、本試験において用いる各画像は、動画から切り出した静止画像又は当該静止画像を加工した画像である。なお、図3図6及び図9図12は、特許出願に使用可能なイメージファイルの規定によりグレースケール画像となっているが、実際にはフルカラーの画像である。なお、本試験において用いる各画像は、動画から切り出した静止画像又は当該静止画像を加工した画像である。
図4は、図3の画像の撮影から1分後に試験片1を撮影した画像である。
【0061】
図5は、図3の画像と図4の画像について差の絶対値をとった画像である。なお、ここでは、(4)式を用いて差の絶対値をとった。
図6は、図5の画像の明るさとコントラストを上げた画像である。すなわち、図6の画像は、図5の画像を画像編集ソフト(GIMP)を用いて明るさ+100、コントラスト+80した画像である。
【0062】
図7は、図4の画像を閾値100で二値化した画像である。
図8は、図6の画像を閾値100で二値化した画像である。
【0063】
図9は、洗浄直後に試験片2を撮影した画像である。
図10は、図9の画像の撮影から1分後に試験片2を撮影した画像である。
【0064】
図11は、図9の画像と図10の画像について差の絶対値をとった画像である。なお、ここでは、図5と同様に、値が大きい方から小さい方を引くことで差を求め、当該差の絶対値をとった。
図12は、図11の画像の明るさとコントラストを上げた画像である。すなわち、図12の画像は、図11の画像を画像編集ソフトを用いて明るさ+100、コントラスト+80した画像である。
【0065】
図13は、図10の画像を閾値100で二値化した画像である。
図14は、図12の画像を閾値100で二値化した画像である。
【0066】
図5及び図6から、表面粗さによる疑似模様は差の絶対値を取ることによって大幅に低減されることが分かる。また、図11及び図12から、欠陥による指示模様は疑似模様と比べて低減されずに残ることが分かる。これは、疑似模様は時間経過による変化が少なく、欠陥指示模様は時間経過による変化が大きいためである。
【0067】
また、図5及び図6図11及び図12とから、明るさ及びコントラストを補正することで欠陥指示模様と疑似模様の差がさらに明確になり、欠陥指示模様が明瞭となることが分かる。また、明るさ及びコントラストの補正により、二値化により指示模様を取り出しやすくなる。
【0068】
図7及び図13から、差の絶対値をとっていない画像には疑似模様が大きく残っていることが分かる。これに対し、図8及び図14によれば、疑似模様が大きく減少していることが分かる。特に、図3図7及び図8に示す領域ARで顕著である。領域ARは、試験片1の左上部の領域である。なお、図3中の領域ARを領域ARa、図7中の領域ARを領域ARb、図8中の領域ARを領域ARcとして示している。図3の領域ARaには、浸透液の洗い残しが特に多く残っている。図7の領域ARbを見ると、疑似模様が大きく残っていることが分かる。図8の領域ARcを見ると、疑似模様が大きく減少していることが分かる。
【0069】
実施形態の浸透探傷装置100は、被検査物に対して、浸透探傷試験を行った際、余剰浸透液の除去後に被検査物を撮影する。その後、浸透探傷装置100は、再度被検査物を撮影する。これにより、浸透探傷装置100は、欠陥指示模様の表出及び成長の前後の画像である第1画像及び第2画像の取得が可能である。
【0070】
また、実施形態の浸透探傷装置100は、余剰浸透液の除去後に被検査物を2回撮影して取得した第1画像及び第2画像の差の絶対値をとった第3画像を生成する。当該画像は、実施例からも分かる通り、欠陥指示模様は疑似模様と比べて低減されずに残った画像である。したがって、実施形態の浸透探傷装置100は、第3画像を生成することにより、疑似模様の影響を低減して欠陥指示模様を抽出することが可能である。浸透探傷試験では、欠陥に浸透した浸透液が洗浄後に表面に漏れ出してくることで欠陥の指示模様を形成する。この指示模様形成のためにはある程度の時間が必要なため、指示模様形成段階では、時間とともに欠陥の指示模様が変化していく。これに対し、表面粗さの問題で除去できなかった浸透液による疑似模様はもともと表面に付着しているものであり、時間的な変化が少ない。
また、疑似模様は、画像処理により欠陥を自動判定する場合に誤判定の要因となっていたため、実施形態の浸透探傷装置100は、従来よりも高精度の自動判定が可能である。
【0071】
また、実施形態の浸透探傷装置100は、第3画像に対して、欠陥指示模様を明瞭にする色調補正を行う。これにより、第3画像中の欠陥指示模様がより分かりやすくなる。
【0072】
当該色調補正は、例えば明るさ及びコントラストを増加する補正である。このような補正を行うことにより、実施例からも分かるように欠陥指示模様がより分かりやすくなる。
【0073】
また、実施形態の浸透探傷装置100は、第3画像を二値化する。これにより、指示模様と指示模様でない部分が白と黒の2色に塗り分けられるので、どの部分が指示模様であるか分かりやすくなる。
【0074】
上記の実施形態は、以下のような変形も可能である。
上記の実施形態では、浸透探傷装置100は、浸透探傷試験における現像処理を行わない。しかしながら、浸透探傷装置100は、余剰浸透液の除去の後、現像処理を行っても良い。この場合、例えば、浸透部120が現像処理を行う。また、この場合、浸透探傷装置100は、ステップST17~ステップST23の処理を、現像処理より後に行う。
【0075】
プロセッサー111は、ステップST20の処理の前に、第1画像及び第2画像の少なくともいずれかについて色調補正を行っても良い。プロセッサー111は、例えば、第1画像の明るさの平均と第2画像の明るさの平均が同じになるように色調補正を行う。
【0076】
また、プロセッサー111は、ステップST20の処理の前に、第1画像及び第2画像の少なくともいずれかについて、画像中の2つの色成分を用いて画像の調整を行っても良い。いずれかのみに画像の調整を行う場合、第1画像に行うことが好ましい。第1画像及び第2画像は、例えば、それぞれ赤、緑及び青の色成分を含む。画像の調整に用いる2つの色成分を第1成分及び第2成分というものとする。第1成分は、例えば赤色の色成分である。第2成分は、例えば緑色の色成分である。プロセッサー111は、色成分を用いて画像の補正を行う際、例えばチャンネル(カラーチャンネル)を用いる。1つの色成分のチャンネルを抜き出した画像は、当該色の濃淡(強弱)を明暗で示すグレースケール画像である。第1成分のチャンネルを第1チャンネル、第2成分のチャンネルを第2チャンネルというものとする。
【0077】
プロセッサー111は、例えば、画像の調整として、第1成分と第2成分を合成した画像を生成する。チャンネルを用いる場合には、プロセッサー111は、第1チャンネルと第2チャンネルを合成して画像を生成する。プロセッサー111は、例えば、以下(C1)~(C3)のいずれかの方法により第1成分と第2成分を合成した画像を生成する。
【0078】
(C1)プロセッサー111は、第1成分と第2成分の差の絶対値を取った画像を生成する。すなわち、プロセッサー111は、(1)式により各画素の明暗を求める。
【0079】
(C2)プロセッサー111は、第1成分を第2成分で減算した画像を生成する。すなわち、プロセッサー111は、(2)式により各画素の明暗を求める。
【0080】
(C3)プロセッサー111は、第2成分を第1成分で除算した画像を生成する。すなわち、プロセッサー111は、(3)式により各画素の明暗を求める。
【0081】
ただし、(C1)~(C3)におけるP1は、画素の第1成分の明暗を示す値である。P2は、画素の第2成分の明暗を示す値である。P3は、合成後の画像の画素の明暗を示す値である。
【0082】
なお、プロセッサー111は、(1)式~(3)式及びに代えて同じ結果を得ることができる他の式によってP3を求めても良い。
【0083】
ステップST20以降の処理において、第1画像の第1成分と第1画像の第2成分を合成した画像も第1画像として扱う。また、ステップST20以降の処理において、第2画像の第1成分と第2画像の第2成分を合成した画像も第2画像として扱う。
【0084】
現像を行う場合、特に第1画像において現像剤が乾燥しきっていない場合がある。現像剤が乾燥しきっていないと背景に色ムラができる。以上のような画像の調整を行うことで、このような色ムラによる影響を低減することができる。
【0085】
浸透探傷装置100は、被検査物を2回以上撮影し、そのうちの2回分の撮影によって得られた画像を用いて画像を合成しても良い。
【0086】
プロセッサー111は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0087】
実施形態の処理を実現するプログラムは、例えば装置内の非一時的な記憶媒体に記憶された状態で譲渡される。しかしながら、当該装置は、当該プログラムが記憶されない状態で譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に譲渡され、当該装置へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、リムーバブルで非一時的な記憶媒体に記録して、あるいはインターネット又はLAN(local area network)などのネットワークを介したダウンロードによって実現できる。
【0088】
以上、本発明の実施形態を説明したが、例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施可能である。
【符号の説明】
【0089】
100 浸透探傷装置
110 制御部
111 プロセッサー
112 ROM
113 RAM
114 補助記憶装置
115 制御インターフェース
116 バス
120 浸透部
130 表示デバイス
140 入力デバイス
150 撮像デバイス
151 イメージセンサー
152 光源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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