(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100163
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】サーボモータのゲイン調整方法
(51)【国際特許分類】
G05B 13/02 20060101AFI20240719BHJP
G05D 3/12 20060101ALI20240719BHJP
H02P 5/46 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G05B13/02 B
G05D3/12 304
H02P5/46 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003950
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 健治
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩行
【テーマコード(参考)】
5H004
5H303
5H572
【Fターム(参考)】
5H004HA07
5H004HA10
5H004HB07
5H004HB10
5H004KC48
5H303BB08
5H303CC01
5H303DD01
5H303KK14
5H303KK24
5H572AA14
5H572BB10
5H572DD01
5H572EE04
5H572GG01
5H572GG02
5H572GG08
5H572HC07
5H572JJ03
5H572JJ17
5H572JJ25
5H572KK05
5H572LL01
5H572LL29
5H572LL32
5H572MM09
(57)【要約】
【課題】軸干渉する複数のサーボモータが連携する装置において、軸間の位置ずれを抑制しつつゲイン調整を実施する。
【解決手段】本サーボモータのゲイン調整方法は、第1のサーボモータと第2のサーボモータのゲインの調整時に、上記第1のサーボモータからの第1のフィードバック信号から第1の移動量に係るパラメータと、上記第2のサーボモータからの第2のフィードバック信号から第2の移動量に係るパラメータと、を取得し、上記ゲインの調整時に、上記第1のフィードバック信号が示す第1のトルクと、上記第2のフィードバック信号が示す第2のトルクと、を取得し、上記第1の移動量に係るパラメータと上記第2の移動量に係るパラメータの差及び上記第1のトルク及び上記第2のトルクのトルク偏差の少なくとも一方が記憶部に予め記憶された閾値以上となった場合、上記調整ステップを終了する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配置された第1の軸と第2の軸と、前記第1の軸と前記第2の軸に跨って架設される第3の軸と、前記第1の軸を駆動する第1のサーボモータと、前記第2の軸を駆動する第2のサーボモータと、前記第3の軸を駆動する第3のサーボモータと、を含むサーボシステムのゲインを調整する方法であって、
前記第1のサーボモータ及び前記第2のサーボモータを駆動して、前記第3の軸を前記第1の軸及び前記第2の軸の軸方向に移動させて前記第1のサーボモータと前記第2のサーボモータのゲインを調整する調整ステップと、
前記ゲインの調整時に、前記第1のサーボモータからの第1のフィードバック信号から第1の移動量に係るパラメータと、前記第2のサーボモータからの第2のフィードバック信号から第2の移動量に係るパラメータと、を取得する第1の取得ステップと、
前記ゲインの調整時に、前記第1のフィードバック信号が示す第1のトルクと、前記第2のフィードバック信号が示す第2のトルクと、を取得する第2の取得ステップと、
前記第1の移動量に係るパラメータと前記第2の移動量に係るパラメータの差及び前記第1のトルク及び前記第2のトルクのトルク偏差の少なくとも一方が記憶部に予め記憶された閾値以上となった場合、前記調整ステップを終了する制御ステップと、を含む、
サーボモータのゲイン調整方法。
【請求項2】
前記調整ステップにおいて、前記第1のサーボモータ及び前記第2のサーボモータは、位置制御で駆動され、
前記第1の取得ステップでは、前記第1のフィードバック信号が示す第1の位置を取得するとともに、前記第2のフィードバック信号が示す第2の位置を取得する、
請求項1に記載のサーボモータのゲイン調整方法。
【請求項3】
前記調整ステップは、前記第1の位置及び前記第2の位置の差に応じた位置補正指令を前記第2のサーボモータに出力する処理をさらに含む、
請求項2に記載のサーボモータのゲイン調整方法。
【請求項4】
前記調整ステップは、前記第1のサーボモータと前記第2のサーボモータに対して同一の速度比例ゲインが設定され、かつ、前記第1のサーボモータと前記第2のサーボモータに対して同一の位置比例ゲインが設定されている場合に、前記第1のサーボモータのトルクと前記第2のサーボモータのトルクとの差、前記第2のサーボモータの総イナーシャ、前記速度比例ゲイン、及び、前記位置比例ゲインに応じた位置補正指令を前記第2のサーボモータに出力する処理をさらに含む、
請求項2に記載のサーボモータのゲイン調整方法。
【請求項5】
前記調整ステップは、前記第1のサーボモータの第1のエンコーダが示す位置と前記第2のサーボモータの第2のエンコーダが示す位置との差に応じて、前記第2のサーボモータに設定するゲインを調整する処理をさらに含む、
請求項1に記載のサーボモータのゲイン調整方法。
【請求項6】
前記調整ステップは、前記第1のサーボモータのトルクと前記第2のサーボモータのトルクとの差、前記第2のサーボモータの総イナーシャ、前記速度比例ゲイン、及び、前記位置比例ゲインに応じて前記第2のサーボモータに設定するゲインを調整する処理をさらに含む、
請求項1に記載のサーボモータのゲイン調整方法。
【請求項7】
前記調整ステップにおいて、前記第1のサーボモータ及び前記第2のサーボモータは、速度制御駆動され、
前記第1の取得ステップでは、前記第1のフィードバック信号が示す第1の速度を取得するとともに、前記第2のフィードバック信号が示す第2の速度を取得する、
請求項1に記載のサーボモータのゲイン調整方法。
【請求項8】
前記第1の移動量に係るパラメータ及び前記第2の移動量に係るパラメータの差を出力する出力ステップをさらに含む、
請求項1に記載のサーボモータのゲイン調整方法。
【請求項9】
前記制御ステップは、前記第1の移動量に係るパラメータと前記第2の移動量に係るパラメータの差及び前記第1のトルク及び前記第2のトルクのトルク偏差の少なくとも一方が前記閾値以上となったことを出力部に出力する処理をさらに含む、
請求項1から8のいずれか一項に記載のサーボモータのゲイン調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーボモータのゲイン調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガントリ機構やタンデム機構のように複数のサーボモータが協調動作するサーボシステムが利用されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-014719号公報
【特許文献2】特開2007-018439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サーボモータでは、実運用の開始前等にゲインの調整が行われる。複数のサーボモータが協調して動作するサーボシステムの場合、ゲイン調整中に軸間に位置ずれが生じる場合がある。軸間に位置ずれが生じた状態でゲインを高くし続けると、サーボシステムに大きな負担を与える虞がある。
【0005】
開示の技術の1つの側面は、軸干渉する複数のサーボモータが連携する装置において、軸間の位置ずれを抑制しつつゲイン調整を実施できるサーボモータのゲイン調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術の1つの側面は、次のようなサーボモータのゲイン調整方法によって例示される。本サーボモータのゲイン調整方法は、平行に配置された第1の軸と第2の軸と、上記第1の軸と上記第2の軸に跨って架設される第3の軸と、上記第1の軸を駆動する第1のサーボモータと、上記第2の軸を駆動する第2のサーボモータと、上記第3の軸を駆動する第3のサーボモータと、を含むサーボシステムのゲインを調整する方法であって、上記第1のサーボモータ及び上記第2のサーボモータを駆動して、上記第3の軸を上記第1の軸及び上記第2の軸の軸方向に移動させて上記第1のサーボモータと上記第2のサーボモータのゲインを調整する調整ステップと、上記ゲインの調整時に、上記第1のサーボモータからの第1のフィードバック信号から第1の移動量に係るパラメータと、上記第2のサーボモータからの第2のフィードバック信号から第2の移動量に係るパラメータと、を取得する第1の取得ステップと、上記ゲインの調整時に、上記第1のフィードバック信号が示す第1のトルクと、上記第2のフィードバック信号が示す第2のトルクと、を取得する第2の取得ステップと、上記第1の移動量に係るパラメータと上記第2の移動量に係るパラメータの差及び上記第1のトルク及び上記第2のトルクのトルク偏差の少なくとも一方が記憶部に予め記憶された閾値以上となった場合、上記調整ステップを終了する制御ステップと、を含む。
【0007】
上記サーボモータのゲイン調整方法では、ゲインの調整時において、上記第1の移動量に係るパラメータと上記第2の移動量に係るパラメータの差及び上記第1のトルク及び上記第2のトルクのトルク偏差が監視される。上記第1の軸上における上記第3の軸の位置と、上記第2の軸上における上記第3の軸の位置がずれると、位置偏差や速度偏差によって例示される上記第1の移動量に係るパラメータと上記第2の移動量に係るパラメータの差が大きくなる。ここで、サーボシステムの制御ループは、上記移動量に係るパラメータ
の差が縮小するように構築されることが多い。そのため、上記第1の移動量に係るパラメータと上記第2の移動量に係るパラメータの差のみを監視していると、上記第1の軸上における第3の軸の位置と上記第2の軸上における上記第3の位置の位置ずれを検出できない虞がある。そこで、上記サーボモータのゲイン調整方法では、さらに、トルク偏差が監視される。トルク偏差も監視されることで、上記位置ずれを高精度に検知できるようになる。そして、上記第1の移動量に係るパラメータと上記第2の移動量に係るパラメータの差及び上記第1のトルク及び上記第2のトルクのトルク偏差の少なくとも一方が記憶部に予め記憶された閾値以上となった場合、上記調整ステップが終了されることで、軸干渉する複数のサーボモータが連携する装置において、軸間の位置ずれを抑制しつつゲイン調整を実施できる。
【0008】
上記サーボモータのゲイン調整方法は、次の特徴を含んでもよい。上記調整ステップにおいて、上記第1のサーボモータ及び上記第2のサーボモータは、位置制御で駆動され、上記第1の取得ステップでは、上記第1のフィードバック信号が示す第1の位置を取得するとともに、上記第2のフィードバック信号が示す第2の位置を取得する。また、上記調整ステップにおいて、上記第1のサーボモータ及び上記第2のサーボモータは、速度制御駆動され、上記第1の取得ステップでは、上記第1のフィードバック信号が示す第1の速度を取得するとともに、上記第2のフィードバック信号が示す第2の速度を取得する。位置制御で上記第1のサーボモータ及び上記第2のサーボモータが駆動されている場合に上記第3の軸の位置がずれると、位置偏差が大きくなる。また、速度制御で上記第1のサーボモータ及び上記第2のサーボモータが駆動されている場合に上記第3の軸の位置がずれると、速度偏差が大きくなる。本サーボモータのゲイン調整方法は、位置制御のときには位置偏差を用い、速度制御のときには速度偏差を用いることで、上記調整ステップの終了を好適に判定できる。
【0009】
ここで、上記調整ステップは、上記第1の位置及び上記第2の位置の差に応じた位置補正指令を上記第2のサーボモータに出力する処理をさらに含んでもよい。また、上記調整ステップは、上記第1のサーボモータと上記第2のサーボモータに対して同一の速度比例ゲインが設定され、かつ、上記第1のサーボモータと上記第2のサーボモータに対して同一の位置比例ゲインが設定されている場合に、上記第1のサーボモータのトルクと上記第2のサーボモータのトルクとの差、上記第2のサーボモータの総イナーシャ、上記速度比例ゲイン、及び、上記位置比例ゲインに応じた位置補正指令を前記第2のサーボモータに出力する処理をさらに含んでもよい。上記調整ステップにこのような処理が含まれることで、第1のサーボモータと第2のサーボモータの位置偏差が縮小される。
【0010】
また、上記調整ステップは、上記第1のサーボモータの第1のエンコーダが示す位置と上記第2のサーボモータの第2のエンコーダが示す位置との差に応じて、上記第2のサーボモータに設定するゲインを調整する処理をさらに含んでもよい。また、上記調整ステップは、上記第1のサーボモータのトルクと上記第2のサーボモータのトルクとの差、上記第2のサーボモータの総イナーシャ、上記速度比例ゲイン、及び、上記位置比例ゲインに応じて上記第2のサーボモータに設定するゲインを調整する処理をさらに含んでもよい。上記調整ステップにこのような処理が含まれることで、第1のサーボモータ及び第2のサーボモータのゲインが異なる場合でも、位置ずれが大きい状態でゲインが高くされることが抑制される。
【0011】
上記サーボモータのゲイン調整方法は、上記第1の移動量に係るパラメータ及び上記第2の移動量に係るパラメータの差を出力する出力ステップをさらに含んでもよい。本サーボモータのゲイン調整方法は、このような特徴を備えることで、ゲイン調整時における上記第1の移動量に係るパラメータ及び上記第2の移動量に係るパラメータの差及びトルク偏差の変動をユーザに確認させることができる。
【0012】
上記サーボモータのゲイン調整方法は、次の特徴をさらに備えてもよい。上記制御ステップは、上記第1の移動量に係るパラメータと上記第2の移動量に係るパラメータの差及び上記第1のトルク及び上記第2のトルクのトルク偏差の少なくとも一方が上記閾値以上となったことを出力部に出力する処理をさらに含む。本サーボモータのゲイン調整方法は、このような特徴を備えることで、ゲイン調整が終了した理由をユーザに確認させることができる。
【発明の効果】
【0013】
開示の技術によれば、軸干渉する複数のサーボモータが連携する装置において、軸間の位置ずれを抑制しつつゲイン調整を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態に係るサーボシステムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、負荷機械の概略構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態におけるサーボドライバと調整支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、ゲイン調整時における位置偏差及びトルク偏差のデータの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、位置偏差の位置閾値とトルク偏差のトルク閾値によって区画される矩形領域を模式的に示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態におけるゲイン調整処理の処理フローの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1変形例におけるサーボドライバと調整支援装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<適用例>
本発明の適用例について説明する。本適用例に係るサーボシステム1は、
図1に例示するように、負荷機械2、サーボモータ3A、3B、3C、サーボドライバ4A、4B、4C、コントローラ7及び調整支援装置9を備える。サーボシステム1は、サーボドライバ4A、4B、4Cの協働によって負荷機械2を駆動するシステムである。
【0016】
負荷機械2は、例えば、ガントリ機構やタンデム機構によって例示される軸干渉を生じ得る複数の軸を有する多軸構成の機械である。
図2は、負荷機械2の概略構成の一例を示す図である。負荷機械2は、サーボモータ3Aによって駆動される第1軸21と、サーボモータ3Bによって駆動される第2軸22と、サーボモータ3Cによって駆動される第3軸23と、を含む。第1軸21と第2軸22とは、平行に並んで配置される。第3軸23は、平行に並んで配置された第1軸21と第2軸22に渡って架設される。第3軸23は、例えば、第1軸21及び第2軸22に対して機械的に接続される。第3軸23は、平行に配置された第1軸21と第2軸22とに直交するよう架設されてもよい。第3軸23には、精密ステージ24が配置される。
【0017】
負荷機械2では、第1軸21がサーボモータ3Aによって駆動され、第2軸22がサーボモータ3Bによって駆動されることで、第3軸23が第1軸21及び第2軸22の軸方向に沿って移動する。また、第3軸23がサーボモータ3Cによって駆動されることで、精密ステージ24が第3軸23の軸方向に沿って移動する。
【0018】
ここで、ゲイン調整時において、第1軸21と第2軸22とは、第3軸23によって連結されていることから、第3軸23の第1軸21上における位置と第2軸22上における
第3軸23の位置ずれが大きい状態でゲインを大きくし続けると、サーボシステム1に対して機械的な負担を与えることになる。このような位置ずれが生じると、サーボモータ3A、3Bが位置制御で駆動されている場合には位置偏差が大きくなり、サーボモータ3A、3Bが速度制御で駆動されている場合には速度偏差が大きくなる。そこで、本適用例では、ゲイン調整時において、サーボモータ3Aとサーボモータ3Bの移動量に係るパラメータの監視を行う。
【0019】
ところで、サーボシステム1では、サーボモータ3Aとサーボモータ3Bの位置偏差を解消するように、制御ループが組まれることが多い。そのため、サーボモータ3Aとサーボモータ3Bの位置偏差の監視のみでは、上記位置ずれの検知が遅れたり、検知できなかったりする虞がある。そこで、本適用例では、上記移動量に係るパラメータの監視に加えて、第1軸21を駆動するサーボモータ3Aのトルクと、第2軸22を駆動するサーボモータ3Bのトルクとの間におけるトルク偏差も監視する。
【0020】
すなわち、本適用例では、サーボモータ3Aとサーボモータ3Bの移動量に係るパラメータを監視するとともに、サーボモータ3Aとサーボモータ3Bとのトルク偏差を監視しながら、サーボモータ3A、3Bのゲイン調整が行われる。そして、本適用例では、調整支援装置9は、監視された移動量に係るパラメータ及びトルク偏差の少なくとも一方が、調整支援装置9の記憶部に記憶された閾値以上となった場合には、ゲインの調整を終了する。本適用例では、このような処理が実行されることで、位置ずれが大きい状態でゲインが高くされることが抑制され、ひいては、第1軸21、第2軸22間における精密ステージ24の位置ずれを抑制しつつサーボモータ3A、3Bに設定するゲインを可及的に高く設定することができる。
【0021】
<実施形態>
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係るサーボシステム1の一例を示す図である。サーボシステム1は、適用例でも説明したように、負荷機械2、サーボモータ3A、3B、3C、サーボドライバ4A、4B、4C、コントローラ7及び調整支援装置9を備える。第3軸23は、例えば、第1軸21と第2軸22とに直交するように機械的に接続される。本実施形態では、サーボモータ3A、3Bは位置制御で駆動されるものと仮定し、移動量に係るパラメータとして位置偏差が採用される。
【0022】
サーボモータ3A、3B、3Cには、サーボドライバ4A、4B、4Cが夫々接続される。サーボドライバ4A、4B、4Cは、コントローラ7からの指令信号にしたがってサーボモータ3A、3B、3Cの駆動信号を出力する。サーボドライバ4A、4B、4Cには、ユーザ又は外部装置からの入力に応じて指令信号を出力するコントローラ7が接続される。また、コントローラ7には、サーボドライバ4A、4Bによるゲインの調整を支援する調整支援装置9が設けられる。調整支援装置9は、例えば、所定のプログラムを実行するパーソナルコンピュータやPLCによって実現することができる。
【0023】
なお、
図1では、軸干渉を生じ得る軸を第1軸21、第2軸22の二軸とし、軸干渉を生じない軸を第3軸23の一軸として構成を例示しているが、軸干渉を生じ得る軸が三軸以上である負荷機械が採用されてもよい。軸干渉を生じ得る軸が三軸以上である負荷機械が採用される場合、各軸に対してサーボモータ、サーボドライバ及びコントローラが設けられ、各サーボドライバに調整支援装置9が接続されればよい。
【0024】
図3は、実施形態におけるサーボドライバ4A、4Bと調整支援装置9の概略構成を示すブロック図である。
図3では、軸干渉が生じ得る第1軸21及び第2軸22を制御するサーボドライバ4A、4Bが記載されている。また、
図3では、コントローラ7についても記載されている。以下、
図3を参照して、サーボドライバ4A、4Bと調整支援装置9
の概略構成について説明する。
【0025】
サーボドライバ4Aは、コントローラ7から入力される指令に基づいてサーボモータ3Aに駆動電流を出力する制御部41Aを備える。制御部41Aは、位置制御器、速度制御器、トルク制御器等を含むが、これらは公知の構成を適宜採用することができるので詳細な説明は省略する。
【0026】
サーボドライバ4Aは、サーボモータ3Aの位置を取得する第1取得部42A及びサーボモータ3Aのトルクを取得する第2取得部43Aを備える。サーボモータ3Aの位置及びトルクは、例えば、サーボモータ3Aから受けるフィードバック信号を基に取得される。サーボドライバ4Aは、各種情報を記憶する記憶部44A及び外部と通信するための通信部45Aを有する。サーボドライバ4Bも同様に、制御部41B、第1取得部42B、第2取得部43B、記憶部44B及び通信部45Bを備えるが、各部の構成はサーボドライバ4Aと同様であるので説明を省略する。
【0027】
コントローラ7は、サーボドライバ4A、4Bと調整支援装置9との間での信号の送受信を中継する信号中継部71を含む。コントローラ7は、数値制御プログラム等を実行するCPUからなるプロセッサ、メモリ、通信部等を有するが、これらは公知の構成を適宜採用することができるので詳細な説明は省略する。
【0028】
調整支援装置9は、例えば、後述するゲインを調整するためのプログラムを実行するCPUや当該プログラムやデータを記憶する記憶装置を有するコンピュータにより構成される。調整支援装置9は、第1取得部91、第2取得部92、設定制御部93、記憶部94及び出力部95を備える。
【0029】
第1取得部91は、第1取得部42A、42Bによって取得されたサーボモータ3A、3Bの位置を、通信部45A、44b及び信号中継部71を介して、サーボドライバ4A、4Bから取得する。第2取得部92は、第2取得部43A、43Bによって取得されたサーボモータ3A、3Bのトルクを、通信部45A、45B及び信号中継部71を介して、サーボドライバ4A、4Bから取得する。記憶部94は、例えば、サーボドライバ4A、4Bの位置偏差に対する位置閾値やトルク偏差に対するトルク閾値を記憶する。出力部95は、設定制御部93による処理の結果等を出力する。出力部95は、例えば、ディスプレイ、スピーカー、警告灯等である。
【0030】
サーボモータ3A、3Bを駆動してゲイン調整を行うと、サーボモータ3A、3B間において、位置偏差、トルク偏差が生じ得る。例えば、相互に干渉する軸に接続されたサーボモータ3A、3Bにおいては、第1軸21及び第2軸22に対して第3軸23が架設されたことによる機械剛性の影響で、サーボモータ3A、3Bのフィードバック信号が示す位置と、実際の精密ステージ24の第1軸21、22の長手方向に沿った位置とにずれが生じ得る。
【0031】
図4は、ゲイン調整時における位置偏差及びトルク偏差のデータの一例を示す図である。
図4Aは、サーボモータ3A、3Bのゲイン調整時における動作速度の変動を例示する。
図4B及び
図4Cは、
図4Aに例示される速度でサーボモータ3A、3Bが駆動されたときに生じる位置偏差の変動及びトルク偏差の変動を夫々例示する。
図4Aの縦軸は動作速度を例示する。
図4Bの縦軸は位置偏差を例示する。
図4Cの縦軸はトルク偏差を例示する。
図4A、
図4B及び
図4Cの横軸は、時間を例示する。なお、
図4B及び
図4Cにおいて、実線はゲインが高いときの変動を例示し、点線はゲインが低いときの変動を例示する。
図4に例示するように、ゲイン調整時において、サーボモータ3A、3Bの動作速度の変動に応じて、位置偏差及びトルク偏差は様々な値に変動する。
【0032】
図3に戻り、設定制御部93は、サーボドライバ4A、4Bによるゲイン調整時において、第1取得部91によって取得されたサーボモータ3A、3B間の位置偏差、及び、第2取得部92によって取得されたサーボモータ3A、3B間のトルク偏差の少なくとも一方が、記憶部94に記憶された閾値以上であるか否かを判定する。設定制御部93は、閾値以上である場合には、サーボドライバ4A、4Bによるゲイン調整を終了させる調整終了指令を、信号中継部71及び通信部45A、45Bを介して、サーボドライバ4A、4Bに送信する。
【0033】
ここで、設定制御部93は、位置偏差とトルク偏差を縦軸及び横軸に夫々取った二次元座標空間上において、位置偏差の位置閾値とトルク偏差のトルク閾値によって形成される矩形領域内であるか否かによって、調整終了指令を送信するか否かを判定することができる。
【0034】
図5は、位置偏差の位置閾値T
Pとトルク偏差のトルク閾値T
Tによって区画される矩形領域R1を模式的に示す図である。
図5では、縦軸は位置偏差を例示し、横軸がトルク偏差を例示する。そして、位置閾値T
Pとトルク閾値T
Tによって矩形領域R1が形成される。例えば、位置偏差が位置閾値T
P未満のP1であり、トルク偏差がトルク閾値T
T未満のT2である場合は座標空間上の点C1に対応する。点C1は、矩形領域R1内に位置するため、設定制御部93は、サーボドライバ4A、4Bに対して調整終了指令を送信しない。一方、位置偏差が位置閾値T
P以上のT2となっている点C2や、トルク偏差がトルク閾値T
T以上のT2となっている点C3、位置偏差及びトルク偏差がいずれも閾値以上となっている点C4は、矩形領域R1外に位置するため、設定制御部93は、サーボドライバ4A、4Bに対して調整終了指令を送信することでゲイン調整を終了させる。
【0035】
<処理フロー>
図6は、実施形態におけるゲイン調整処理の処理フローの一例を示す図である。以下、
図6を参照して、実施形態におけるゲイン調整処理の処理フローの一例について説明する。
【0036】
ステップS1では、サーボドライバ4A、4Bは、サーボモータ3A、3Bのゲイン調整を行う。ゲイン調整としては、例えば、サーボモータ3A、3Bのゲインを高くすることが行われる。ゲイン調整の対象としては、速度比例ゲインや位置比例ゲインが挙げられる。なお、本実施形態では、サーボモータ3A、3Bに対して等しいゲインが設定される。
【0037】
ステップS2では、サーボドライバ4A、4Bは、サーボモータ3A、3Bからフィードバック信号を受ける。第1取得部42A、42Bは、フィードバック信号を基に、サーボモータ3A、3Bの位置を取得する。第1取得部91は、信号中継部71及び通信部45A、45Bを介して、サーボモータ3A、3Bの位置を取得する。
【0038】
ステップS3では、第2取得部43A、43Bは、ステップS2で受けたフィードバック信号を基に、サーボモータ3A、3Bのトルクを取得する。第2取得部92は、信号中継部71及び通信部45A、45Bを介して、サーボモータ3A、3Bのトルクを取得する。
【0039】
ステップS4では、設定制御部93は、ステップS2で取得したサーボモータ3A、3Bの位置の差を算出する。また、設定制御部93は、ステップS3で取得したサーボモータ3A、3Bのトルク偏差を算出する。設定制御部93は、算出した位置偏差及びトルク偏差を、例えばディスプレイである出力部95に表示させる。
【0040】
ステップS5では、設定制御部93は、ステップS4で算出した位置偏差が、記憶部94に記憶された位置閾値TP以上であるか否かを判定する。位置閾値TP以上である場合(ステップS5でYES)、処理はステップS7に進められる。位置閾値TP未満である場合(ステップS5でNO)、処理はステップS6に進められる。
【0041】
ステップS6では、設定制御部93は、ステップS4で算出したトルク偏差が、記憶部94に記憶されたトルク閾値TT以上であるか否かを判定する。トルク閾値TT以上である場合(ステップS6でYES)、処理はステップS7に進められる。トルク閾値TT未満である場合(ステップS6でNO)、処理はステップS1に進められて、ゲイン調整が継続される。
【0042】
ステップS7では、設定制御部93は、サーボドライバ4A、4Bによるゲイン調整を終了させる終了指令を、信号中継部71及び通信部45A、45Bを介して、サーボドライバ4A、4Bに送信する。設定制御部93は、例えば、出力部95に位置偏差及びトルク偏差の少なくとも一方が閾値を超えたことを出力部95に出力させてもよい。
【0043】
<実施形態の作用効果>
本実施形態では、サーボモータ3A、3Bの位置偏差を設定制御部93が監視するとともに、サーボモータ3A、3Bのトルク偏差を設定制御部93が監視しながら、サーボモータ3A及びサーボモータ3Bのゲイン調整が行われる。そして、本実施形態では、設定制御部93は、監視された位置偏差及びトルク偏差の少なくとも一方が、記憶部94に記憶された閾値以上となった場合には、ゲインの調整を終了させる指示をサーボドライバ4A、4Bに対して送信する。本実施形態では、このような処理が実行されることで、位置ずれが大きい状態でゲインが高くされることが抑制されるため、サーボシステム1への機械的な負荷が低減される。ひいては、第1軸21、第2軸22間の位置ずれを抑制しつつサーボモータ3A、3Bに設定するゲインを可及的に高く設定することができる。
【0044】
本実施形態では、算出された位置偏差及びトルク偏差が出力部95に出力される。そのため、本実施形態によれば、ゲイン調整時における位置偏差及びトルク偏差の変動をユーザが確認できる。
【0045】
本実施形態では、終了指令を送信する際に、位置偏差及びトルク偏差の少なくとも一方が閾値を超えたことが出力部95に出力される。そのため、本実施形態によれば、ゲイン調整が終了した理由をユーザが確認できる。
【0046】
<第1変形例>
以上説明した実施形態では、ゲイン調整中に位置偏差を縮小する(改善する)処理は行われなかった。第1変形例では、ゲイン調整中に位置偏差を縮小する処理をさらに実行する例について説明する。
【0047】
図7は、第1変形例におけるサーボドライバ14A、14Bと調整支援装置9の概略構成を示すブロック図である。サーボドライバ14Aは、制御部141Aを備える点でサーボドライバ4Aとは異なる。サーボドライバ14Bは、制御部141Bを備える点でサーボドライバ4Bとは異なる。調整支援装置19は、設定制御部93に代えて設定制御部193を備える点で、調整支援装置9とは異なる。第1変形例では、サーボドライバ14Aに接続されたサーボモータ3Aを主軸、サーボドライバ14Bに接続されたサーボモータ3Bを従軸と仮定する。
【0048】
調整支援装置19の記憶部94には、閾値TP及び閾値TTよりも小さい値に設定され
た閾値TP1がさらに記憶される。設定制御部193は、位置偏差がTP1以上閾値TP未満である場合に、位置調整指令をサーボドライバ14Aに送信する。
【0049】
位置調整指令を受けたサーボドライバ14Aでは、制御部141Aがサーボドライバ14Bに対して、通信部45A、信号中継部71、通信部45Bを介して、位置変更指令を送信する。位置変更指令では、サーボドライバ14Bの位置比例ゲインや速度比例ゲインの変更がサーボドライバ14Bに対して指示される。位置変更指令によるサーボドライバ14Bの位置の変更量Δposは、サーボモータ3Aのトルクとサーボモータ3Bのトルクとの差(トルク偏差)Δトルク、位置比例ゲイン、速度比例ゲイン及び総イナーシャを基に決定される。変更量Δposは、例えば、数式(1)「Δpos=Δトルク[Nm]/(総イナーシャ×速度比例ゲイン×位置比例ゲイン)」によって決定することができる。ここで、数式(1)における「総イナーシャ」は、例えば、位置変更指令の対象となるサーボモータ3Bのロータイナーシャと負荷イナーシャの和である。また、変更量Δposは、主軸と従軸の位置の差によって決定されてもよい。すなわち、変更量Δposは、数式(2)「Δpos=(サーボモータ3Aのエンコーダが示す主軸の位置)-(サーボモータ3Bのエンコーダが示す従軸の位置)」によって決定されてもよい。
【0050】
サーボドライバ14Bの制御部141Bは、位置変更指令で指示された変更量Δposだけサーボモータ3Bの第2軸22の位置を変更する位置補正指令をサーボドライバ14Bに出力する。また、制御部141Aは、位置変更指令で通知した変更量Δposを調整支援装置19に通知する。設定制御部193は、制御部141Aから受け取った変更量Δposを閾値TPに加算した値を新たな閾値TPとして、記憶部94に記憶させる。
【0051】
第1変形例によれば、変更量Δposだけサーボドライバ14Bに対する位置調整指令が補正されることで、サーボドライバ14A、14B間の位置偏差が縮小される。
【0052】
<第2変形例>
以上説明した実施形態では、サーボモータ3A、3Bに対して等しいゲインが設定された。しかしながら、サーボモータ3A、3Bに対しては、互いに異なるゲインが設定されてもよい。このような場合、サーボモータ3A、3Bの一方を主軸、他方を従軸とし、主軸に設定するゲインを基準として従軸のゲインが決定されればよい。例えば、サーボモータ3Aを主軸、サーボモータ3Bを従軸とする場合、サーボモータ3Bに設定するゲインをサーボモータ3Aに設定するゲインのα倍(α>0)とすればよい。ここで、αは、サーボモータ3Bの指令に対する遅れ、サーボモータ3Bのトルク、位置比例ゲイン、速度比例ゲイン及び総イナーシャを用いて、決定することができる。ここで、αは、サーボモータ3Bの指令に対する遅れ(軸間位置偏差)を用いて決定する場合には、数式(3)「α=(1+Δpos)」によって決定されてもよい。ここで、Δposは、例えば、上記数式(1)または数式(2)によって決定される。
【0053】
例えば、サーボモータ3Bの位置比例ゲインは、サーボモータ3Aの位置比例ゲインにαを乗じることで算出できる。また、サーボモータ3Bの速度比例ゲインは、サーボモータ3Aの速度比例ゲインにαを乗じることで算出できる。ただし、αを乗じた後のサーボモータ3Bの位置比例ゲイン及び速度比例ゲインは、主軸の速度比例ゲインの0.5倍未満であることが好ましい。主軸の速度比例ゲインの0.5倍未満であれば、位置制御の位相悪化が抑制される。
【0054】
第2変形例によれば、サーボモータ3A、3Bのゲインが異なる場合でも、位置ずれが大きい状態でゲインが高くされることが抑制される。
【0055】
<その他の変形>
以上説明した実施形態では、第1軸21及び第2軸22の2本の軸が互いに干渉するサーボシステム1が例示されたが、互いに干渉する軸は3本以上であってもよい。このような場合、互いに干渉する軸夫々の位置のうち、位置の最大値と最小値の差を位置偏差とすればよい。また、互いに干渉する軸夫々のトルクのうち、トルクの最大値と最小値の差をトルク偏差とすればよい。
【0056】
以上説明した実施形態では、サーボドライバ4A、4Bと調整支援装置9との間にコントローラ7が介在したが、サーボドライバ4A、4Bと調整支援装置9とが直接接続されてもよい。このような場合、調整支援装置9は、サーボドライバ4A、4Bの通信部45A、45Bを介して、サーボモータ3A、3Bの位置及びトルクを取得すればよい。
【0057】
また、調整支援装置9の機能をサーボドライバ4A、4Bの一方が担ってもよい。例えば、サーボドライバ4Aが調整支援装置9の機能を担う場合、サーボドライバ4Aは、通信部45A、45Bを介して、サーボモータ3Bの位置及びトルクを取得し、取得した位置及びトルクを基に位置偏差及びトルク偏差を算出する。そして、サーボドライバ4Aは、位置偏差及びトルク偏差と記憶部44Aに記憶された閾値(閾値TP及び閾値TT)とを基に、終了指令を送信するか否かを判定する。そして、終了指令を送信すると判定した場合、サーボドライバ4Aは、サーボモータ3Aのゲイン調整を終了するとともに、サーボドライバ4Bに対して終了指令を送信すればよい。
【0058】
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
【0059】
<付記1>
平行に配置された第1の軸(21)と第2の軸(22)と、前記第1の軸(21)と前記第2の軸(22)に跨って架設される第3の軸(23)と、前記第1の軸(21)を駆動する第1のサーボモータ(3A)と、前記第2の軸(22)を駆動する第2のサーボモータ(3B)と、前記第3の軸(23)を駆動する第3のサーボモータ(3C)と、を含むサーボシステム(1)のゲインを調整する方法であって、
前記第1のサーボモータ(3A)及び前記第2のサーボモータ(3B)を駆動して、前記第3の軸(23)を前記第1の軸(21)及び前記第2の軸(22)の軸方向に移動させて前記第1のサーボモータ(3A)と前記第2のサーボモータ(3B)のゲインを調整する調整ステップと(ステップS1)、
前記ゲインの調整時に、前記第1のサーボモータ(3A)からの第1のフィードバック信号から第1の移動量に係るパラメータと、前記第2のサーボモータ(3B)からの第2のフィードバック信号から第2の移動量に係るパラメータと、を取得する第1の取得ステップと(ステップS2)、
前記ゲインの調整時に、前記第1のフィードバック信号が示す第1のトルクと、前記第2のフィードバック信号が示す第2のトルクと、を取得する第2の取得ステップと(ステップS3)、
前記第1の移動量に係るパラメータと前記第2の移動量に係るパラメータの差及び前記第1のトルク及び前記第2のトルクのトルク偏差の少なくとも一方が記憶部(94)に予め記憶された閾値(T
P、T
T)以上となった場合、前記調整ステップを終了する制御ステップと(ステップS7)、を含む、
サーボモータのゲイン調整方法(
図6)。
【符号の説明】
【0060】
1・・サーボシステム
2・・負荷機械
3A・・サーボモータ
3B・・サーボモータ
3C・・サーボモータ
4A・・サーボドライバ
14A・・サーボドライバ
4B・・サーボドライバ
14B・・サーボドライバ
4C・・サーボモータ
7・・コントローラ
9・・調整支援装置
19・・調整支援装置
21・・第1軸
22・・第2軸
23・・第3軸
24・・精密ステージ
41A・・制御部
141A・・制御部
41B・・制御部
141B・・制御部
42A・・第1取得部
42B・・第1取得部
43A・・第2取得部
43B・・第2取得部
44A・・記憶部
44B・・記憶部
45A・・通信部
45B・・通信部
71・・信号中継部
91・・第1取得部
92・・第2取得部
93・・設定制御部
193・・設定制御部
94・・記憶部
95・・出力部