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  • 特開-燃料供給装置 図1
  • 特開-燃料供給装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100164
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】燃料供給装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/00 20060101AFI20240719BHJP
   F23K 5/08 20060101ALI20240719BHJP
   B67D 7/04 20100101ALI20240719BHJP
   C01B 3/04 20060101ALI20240719BHJP
   F02D 19/06 20060101ALI20240719BHJP
   F02M 21/02 20060101ALI20240719BHJP
   F02M 21/06 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B60P3/00 Z
F23K5/08 Z
B67D7/04 Z
C01B3/04 B
F02D19/06 Z
F02M21/02 U
F02M21/06 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003951
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓太
(72)【発明者】
【氏名】大坪 尚充
(72)【発明者】
【氏名】武関 尚人
(72)【発明者】
【氏名】中尾 洋一
(72)【発明者】
【氏名】大谷 元希
(72)【発明者】
【氏名】藤村 修
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雅敦
【テーマコード(参考)】
3E083
3G092
3K068
【Fターム(参考)】
3E083AA07
3G092AB09
3G092AB19
3K068AA05
3K068AA11
3K068AB04
3K068AB23
3K068AB35
(57)【要約】
【課題】様々な供給先で様々な態様の燃料を供給することができる技術を提供する。
【解決手段】燃料供給装置は、移動体と、移動体に搭載されたアンモニア処理装置であって、原料のアンモニアを処理して複数の態様の燃料を生成するアンモニア処理装置と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と、
前記移動体に搭載されたアンモニア処理装置であって、原料のアンモニアを処理して複数の態様の燃料を生成するアンモニア処理装置と、を備える燃料供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料供給装置であって、
前記移動体は、車両、船舶、航空機、又はロケットである、燃料供給装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の燃料供給装置であって、
前記複数の態様の燃料は、液体アンモニア、気体アンモニア、水素ガス、気体アンモニアと水素ガスの混合気体、及び電気のうちの少なくとも2つを含む、燃料供給装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の燃料供給装置であって、
前記移動体は、前記アンモニア処理装置により生成される燃料をエネルギー源として移動する、燃料供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料供給スタンドにおいて、アンモニアを水素に変換し、この水素を自動車へ供給する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2009-542568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、燃料供給スタンドにおいて水素を供給するだけなので、特定の供給先において特定の燃料だけしか供給することができない。そこで本明細書は、様々な供給先で様々な態様の燃料を供給することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術の第1の態様では、燃料供給装置が、移動体と、前記移動体に搭載されたアンモニア処理装置であって、原料のアンモニアを処理して複数の態様の燃料を生成するアンモニア処理装置と、を備える。
【0006】
この構成によれば、移動体により様々な供給先に移動することにより様々な供給先で燃料を供給することができる。また、アンモニア処理装置により複数の態様の燃料を生成することにより様々な態様の燃料を供給先に供給することができる。また、1つの移動体により様々な態様の燃料を供給先に供給することができるので、燃料に応じた運搬手段を製造する必要がない。
【0007】
第2の態様では、上記第1の態様において、前記移動体は、車両、船舶、航空機、又はロケットであってもよい。この構成によれば、供給先に応じた最適な移動体により燃料を供給することができる。
【0008】
第3の態様では、上記第1又は第2の態様において、前記複数の態様の燃料は、液体アンモニア、気体アンモニア、水素ガス、気体アンモニアと水素ガスの混合気体、及び電気のうちの少なくとも2つを含んでもよい。この構成によれば、アンモニア由来の複数の態様の燃料を供給することができる。
【0009】
第4の態様では、上記第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記移動体は、前記アンモニア処理装置により生成される燃料をエネルギー源として移動してもよい。この構成によれば、移動体に燃料を供給する必要がなく、移動体が長時間移動し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例の燃料供給装置の概略構成を示す図。
図2】実施例のアンモニア処理装置の概略構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施例の燃料供給装置2について図面を参照して説明する。図1に示すように、燃料供給装置2は、移動体4(例えばトラック)と、移動体4に搭載されたアンモニア処理装置10とを備えている。アンモニア処理装置10が搭載される移動体4は、例えば、車両、船舶、航空機、又はロケット等である。移動体4の種類は特に限定されない。
【0012】
アンモニア処理装置10について説明する。図2に示すように、アンモニア処理装置10は、原料タンク12と、複数の流体通路(14、16、18、・・・)とを備えている。原料タンク12は、燃料を生成するための原料である液体アンモニアを貯蔵している。原料タンク12には、液体アンモニア通路14の上流端が接続されている。原料タンク12に貯蔵されている液体アンモニアが液体アンモニア通路14を流れる。液体アンモニア通路14の下流端は、第1供給通路24と、第2供給通路26と、第3供給通路28に分岐している。液体アンモニア通路14は、原料タンク12内の液体アンモニアを第1供給通路24と、第2供給通路26と、第3供給通路28に供給する。
【0013】
液体アンモニア通路14には、上流側から順に、第1遮断弁50と、ポンプ52と、第2遮断弁54と、第1調圧弁56が設けられている。第1遮断弁50とポンプ52の間の液体アンモニア通路14には、第1分岐通路16の上流端と、リターン通路18の下流端が接続されている。第1分岐通路16の下流端は、第1気化器58に接続されている。第1分岐通路16は、液体アンモニア通路14を流れる液体アンモニアの一部を第1気化器58へ供給する。
【0014】
第1遮断弁50は、液体アンモニア通路14と第1分岐通路16との接続部分16aよりも上流側の液体アンモニア通路14を開閉する。ポンプ52は、液体アンモニア通路14の上流側から下流側へ液体アンモニアを圧送する。第2遮断弁54は、ポンプ52と第1調圧弁56の間の液体アンモニア通路14を開閉する。
【0015】
第1調圧弁56は、液体アンモニア通路14を流れる液体アンモニアの圧力を調整する。第1調圧弁56は、第1調圧弁56よりも下流側へ送られる液体アンモニアの圧力を調整する。第1調圧弁56は、例えば三方弁から構成されおり、リターン通路18の上流端が第1調圧弁56に接続されている。第1調圧弁56は、液体アンモニア通路14を流れる液体アンモニアの一部をリターン通路18へ送ることにより液体アンモニアの圧力を調整する。
【0016】
リターン通路18の下流端は、ポンプ52よりも上流側かつ第1遮断弁50よりも下流側の液体アンモニア通路14に接続されている。リターン通路18は、第1調圧弁56を介して液体アンモニア通路14から流入する液体アンモニアを、ポンプ52よりも上流側かつ第1遮断弁50よりも下流側の液体アンモニア通路14へ還流する。
【0017】
液体アンモニア通路14を流れた液体アンモニアは、第1供給通路24と、第2供給通路26と、第3供給通路28に供給される。第1供給通路24は、燃料の供給先(例えば第1供給先24x)に液体アンモニアを供給するための通路である。第1供給通路24には、上流側から順に、第1調量弁68と、第3遮断弁70が設けられている。第1供給通路24の下流端は、例えば第1供給具24tを介して第1供給先24xに接続される。
【0018】
第1調量弁68は、第1供給通路24を流れる液体アンモニアの流量を調整することにより、第1供給先24xに供給される液体アンモニアの流量を調整する。第3遮断弁70は、第1調量弁68よりも下流側の第1供給通路24を開閉する。第3遮断弁70が開弁すると第1供給先24xに液体アンモニアが供給される。第1供給具24tは、特に限定されないが、例えばノズルやホース等を備えている。第1供給通路24は、第1供給具24tを介して、液体アンモニアを第1供給先24xに供給する。第1供給通路24では、液体アンモニアを第1供給先24xに定常的に供給することができる。
【0019】
第2供給通路26は、燃料の供給先(例えば第2供給先26x)に液体アンモニアを供給するための通路である。第2供給通路26には、上流側から順に、第1インジェクタ72と、第4遮断弁74が設けられている。第2供給通路26の下流端は、例えば第2供給具26tを介して第2供給先26xに接続される。
【0020】
第1インジェクタ72は、第2供給通路26を流れる液体アンモニアを下流側へ噴射する装置である。第4遮断弁74は、第1インジェクタ72よりも下流側の第2供給通路26を開閉する。第4遮断弁74が開弁すると、第1インジェクタ72から噴射される液体アンモニアが第2供給先26xに供給される。第2供給具26tは、特に限定されないが、例えばノズルやホース等を備えている。第2供給通路26は、第2供給具26tを介して、液体アンモニアを第2供給先26xに供給する。第2供給通路26では、液体アンモニアを第2供給先26xに間欠的に供給することができる。
【0021】
第3供給通路28は、燃料の供給先(例えば第3供給先28x)に気体アンモニアを供給するための通路である。第3供給通路28には、上流側から順に、第2気化器76と、第5遮断弁77が設けられている。第3供給通路28の下流端は、例えば第3供給具28tを介して第3供給先28xに接続される。第2気化器76と第5遮断弁77の間の第3供給通路28には、第1連絡通路30の上流端が接続されている。
【0022】
第2気化器76は、第3供給通路28を流れる液体アンモニアを気化することにより気体アンモニアを生成する装置である。第5遮断弁77は、第3供給通路28と第1連絡通路30との接続部分30aよりも下流側の第3供給通路28を開閉する。第5遮断弁77が開弁すると、第2気化器76により生成された気体アンモニアが第3供給先28xに供給される。第3供給具28tは、特に限定されないが、例えばノズルやホース等を備えている。第3供給通路28は、第3供給具28tを介して、気体アンモニアを第3供給先28xに供給する。第3供給通路28では、気体アンモニアを第3供給先28xに定常的に供給することができる。
【0023】
次に、第1気化器58について説明する。第1気化器58は、第1分岐通路16から供給される液体アンモニアを気化することにより気体アンモニアを生成する装置である。第1気化器58には、気体アンモニア通路20の上流端が接続されている。気体アンモニア通路20の下流端は、第4供給通路32と、第5供給通路34と、第6供給通路36と、第2分岐通路21に分岐している。気体アンモニア通路20は、第1気化器58により生成された気体アンモニアを第4供給通路32と、第5供給通路34と、第6供給通路36と、第2分岐通路21に供給する。
【0024】
気体アンモニア通路20には、上流側から順に、第6遮断弁60と、第2調圧弁62が設けられている。第1気化器58と第6遮断弁60の間の気体アンモニア通路20には、第1連絡通路30の下流端が接続されている。第1連絡通路30は、上述した第3供給通路28を流れる気体アンモニアの一部を気体アンモニア通路20へ供給する。
【0025】
第6遮断弁60は、気体アンモニア通路20と第1連絡通路30との接続部分30bよりも下流側の気体アンモニア通路20を開閉する。第2調圧弁62は、第6遮断弁60よりも下流側の気体アンモニア通路20を流れる気体アンモニアの圧力を調整する。第2調圧弁62は、第2調圧弁62よりも下流側へ送られる気体アンモニアの圧力を調整する。
【0026】
第4供給通路32は、燃料の供給先(例えば第4供給先32x)に気体アンモニアを供給するための通路である。第4供給通路32には、第2調量弁78が設けられている。第4供給通路32の下流端は、例えば第4供給具32tを介して第4供給先32xに接続される。
【0027】
第2調量弁78は、第4供給通路32を流れる気体アンモニアの流量を調整することにより、第4供給先32xに供給される液体アンモニアの流量を調整する。第4供給具32tは、特に限定されないが、例えばノズルやホース等を備えている。第4供給通路32は、第4供給具32tを介して、気体アンモニアを第4供給先32xに供給する。第4供給通路32では、気体アンモニアを第4供給先32xに定常的に供給することができる。なお、第2調量弁78よりも下流側の第4供給通路32に遮断弁(不図示)が設けられていてもよい。
【0028】
第5供給通路34は、燃料の供給先(例えば第5供給先34x)に気体アンモニアを供給するための通路である。第5供給通路34には、第2インジェクタ80が設けられている。第5供給通路34の下流端は、例えば第5供給具34tを介して第5供給先34xに接続される。
【0029】
第2インジェクタ80は、第5供給通路34を流れる気体アンモニアを下流側へ噴射する装置である。第2インジェクタ80から噴射される気体アンモニアが第5供給先34xに供給される。第5供給具34tは、特に限定されないが、例えばノズルやホース等を備えている。第5供給通路34は、第5供給具34tを介して、気体アンモニアを第5供給先34xに供給する。第5供給通路34では、気体アンモニアを第5供給先34xに間欠的に供給することができる。なお、第2インジェクタ80よりも下流側の第5供給通路34に遮断弁(不図示)が設けられていてもよい。
【0030】
第6供給通路36は、燃料の供給先(例えば第6供給先36x)に気体アンモニアを供給するための通路である。また、第6供給通路36は、後述する第2連絡通路40から供給される水素ガスを気体アンモニアと共に燃料の供給先(例えば第6供給先36x)に供給するための通路である。第6供給通路36には、第7遮断弁82が設けられている。第7遮断弁82よりも上流側の第6供給通路36に第2連絡通路40の下流端が接続されている。第6供給通路36の下流端は、例えば第6供給具36tを介して第6供給先36xに接続される。
【0031】
第7遮断弁82は、第6供給通路36と第2連絡通路40との接続部分40aよりも下流側の第6供給通路36を開閉する。第7遮断弁82が開弁すると、気体アンモニアと水素ガスとの混合ガスが第6供給先36xに供給される。第6供給具36tは、特に限定されないが、例えばノズルやホース等を備えている。第6供給通路36は、第6供給具36tを介して、気体アンモニアと水素ガスの混合ガスを第6供給先36xに供給する。第6供給通路36では、気体アンモニアと水素ガスの混合ガスを第6供給先36xに定常的に供給することができる。
【0032】
次に、第2分岐通路21について説明する。第2分岐通路21は、気体アンモニア通路20の下流端から分岐している。第2分岐通路21の下流端は、改質器64に接続されている。第2分岐通路21は、気体アンモニア通路20を流れる気体アンモニアの一部を改質器64へ供給する。改質器64は、第2分岐通路21から供給される気体アンモニアを改質することにより水素ガスを生成する装置である。
【0033】
改質器64には、水素ガス通路22の上流端が接続されている。水素ガス通路22の下流端は、第7供給通路38と第8供給通路42に分岐している。水素ガス通路22は、改質器64により生成された水素ガスを第7供給通路38と第8供給通路42に供給する。水素ガス通路22には第8遮断弁66が設けられている。第8遮断弁66は、水素ガス通路22を開閉する。
【0034】
第7供給通路38は、燃料の供給先(例えば第7供給先38x)に水素ガスを供給するための通路である。第7供給通路38には、第3調量弁84が設けられている。第7供給通路38の下流端は、例えば第7供給具38tを介して第7供給先38xに接続される。第3調量弁84よりも下流側の第7供給通路38には、第2連絡通路40の上流端が接続されている。第2連絡通路40は、第7供給通路38を流れる水素ガスの一部を第6供給通路36へ供給する。
【0035】
第3調量弁84は、第7供給通路38を流れる水素ガスの流量を調整することにより、第7供給先38x及び第6供給先36xに供給される水素ガスの流量を調整する。第7供給具38tは、特に限定されないが、例えばノズルやホース等を備えている。第7供給通路38は、第7供給具38tを介して、水素ガスを第7供給先38xに供給する。第7供給通路38では、水素ガスを第7供給先38xに定常的に供給することができる。なお、第7供給通路38と第2連絡通路40との接続部分40bよりも下流側の第7供給通路38に遮断弁(不図示)が設けられていてもよい。
【0036】
第8供給通路42は、燃料の供給先(例えば第8供給先42x)に水素ガスを供給するための通路である。第8供給通路42には、第3インジェクタ86が設けられている。第8供給通路42の下流端は、例えば第8供給具42tを介して第8供給先42xに接続される。
【0037】
第3インジェクタ86は、第8供給通路42を流れる水素ガスを下流側へ噴射する装置である。第3インジェクタ86から噴射される水素ガスが第8供給先42xに供給される。第8供給具42tは、特に限定されないが、例えばノズルやホース等を備えている。第8供給通路42は、第8供給具42tを介して、水素ガスを第8供給先42xに供給する。第8供給通路42では、水素ガスを第8供給先42xに間欠的に供給することができる。なお、第3インジェクタ86よりも下流側の第8供給通路42に遮断弁(不図示)が設けられていてもよい。
【0038】
上述した複数の燃料の供給先(第1供給先24x~第8供給先42x)のそれぞれは、特に限定されないが、例えば、他の移動体、発電設備、又はプラント等である。他の移動体は、例えば、車両、船舶、航空機、又はロケット等である。また、複数の供給先のそれぞれは、国内であっても国外であってもよい。また、複数の供給先のそれぞれは、異なる供給先であってもよい。また、複数の供給先のいくつかは、同じ供給先であってもよい。
【0039】
また、アンモニア処理装置10が搭載された移動体4は、自身が搭載するアンモニア処理装置10により生成される燃料をエネルギー源として移動してもよい。移動体4は、液体アンモニア、気体アンモニア、及び/又は水素ガスを燃料として移動可能である。
【0040】
(効果)
以上、実施例の燃料供給装置2について説明した。以上の説明から明らかなように、燃料供給装置2は、移動体4と、移動体4に搭載されたアンモニア処理装置10であって、原料のアンモニアを処理して複数の態様の燃料を生成するアンモニア処理装置10とを備えている。燃料供給装置2は、複数の態様の燃料を供給先に供給することができる。例えば、燃料供給装置2は、液体アンモニアを定常的又は間欠的に供給先に供給することができる。また、気体アンモニア及び水素ガスについても同様である。
【0041】
この構成によれば、移動体4により様々な供給先(例えば第1供給先24x~第8供給先42x)に移動することにより様々な供給先で燃料を供給することができる。また、アンモニア処理装置10により複数の態様の燃料を生成することにより様々な態様の燃料を供給先に供給することができる。また、1つの移動体4により様々な態様の燃料を供給先に供給することができるので、燃料に応じた運搬手段を製造する必要がない。
【0042】
移動体4は、例えば、車両、船舶、航空機、又はロケットである。この構成によれば、供給先に応じた最適な移動体4により燃料を供給することができる。
【0043】
移動体4は、アンモニア処理装置10により生成される燃料をエネルギー源として移動してもよい。この構成によれば、移動体4に燃料を供給する必要がなく、移動体4が長時間移動し続けることができる。
【0044】
(変形例)
(1)変形例では、上述した複数の流体通路のうちの1又は複数の流体通路を省略してもよい。例えば、燃料供給装置2は、第3供給通路28や第1連絡通路30を備えなくなくてもよい。
【0045】
(2)上述した実施例では、燃料供給装置2が、液体アンモニア、気体アンモニア、及び水素ガスを供給する構成であったが、この構成に限定されない。燃料供給装置2は、複数(即ち、少なくとも2つ)の態様の燃料を供給する構成であればよい。例えば、燃料供給装置2は、液体アンモニアと気体アンモニアを供給し、水素ガスを供給しない構成であってもよい。或いは、燃料供給装置2は、気体アンモニアと水素ガスとを供給し、液体アンモニアを供給しない構成であってもよい。
【0046】
(3)アンモニア処理装置10は、電気を生成する構成を含んでいてもよい。例えば、アンモニア処理装置10は、改質器64により生成される水素ガスを用いて発電する燃料電池を備えていてもよい。燃料供給装置2は、燃料電池により生成される電気を供給先に供給してもよい。
【0047】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0048】
2:燃料供給装置、4:移動体、10:アンモニア処理装置、12:原料タンク、14:液体アンモニア通路、16:第1分岐通路、18:リターン通路、20:気体アンモニア通路、21:第2分岐通路、22:水素ガス通路、24:第1供給通路、24x:第1供給先、26:第2供給通路、26x:第2供給先、28:第3供給通路、28x:第3供給先、30:第1連絡通路、32:第4供給通路、32x:第4供給先、34:第5供給通路、34x:第5供給先、36:第6供給通路、36x:第6供給先、38:第7供給通路、38x:第7供給先、40:第2連絡通路、42:第8供給通路、42x:第8供給先、52:ポンプ、58:第1気化器、64:改質器、76:第2気化器
図1
図2