(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100178
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
F04B 45/02 20060101AFI20240719BHJP
F04B 33/00 20060101ALI20240719BHJP
F04B 41/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
F04B45/02
F04B33/00
F04B41/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023003979
(22)【出願日】2023-01-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 展示会名 アウトドア/アスレチック総合展示会 展示日 令和4年12月5日
(71)【出願人】
【識別番号】594137960
【氏名又は名称】株式会社ゴールドウイン
(74)【代理人】
【識別番号】100095430
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 勲
(72)【発明者】
【氏名】松山 航大
(72)【発明者】
【氏名】金田 次弘
(72)【発明者】
【氏名】原 直生
【テーマコード(参考)】
3H076
3H077
【Fターム(参考)】
3H076AA14
3H076AA32
3H076AA34
3H076BB38
3H076BB41
3H076CC09
3H076CC35
3H077AA12
3H077CC03
3H077CC07
3H077DD04
3H077EE36
3H077EE37
3H077FF07
(57)【要約】
【課題】シンプルな構造で使いやすく、未使用時の外形がコンパクトで携行しやすいポンプ装置を提供する。
【解決手段】環状に形成され柔軟な布材であって、両端部に閉鎖部16と底部材18とが取り付けられた伸縮用布部材22を備える。底部材18はエアノズルを有する。伸縮用布部材22の、軸方向と直角な断面の形状を保持させるため、伸縮用布部材22の軸方向の途中に固定された環状骨部材24を備える。伸縮用布部材22の、環状骨部材24との境界部に設けたスリット状の開閉口26を備える。伸縮用布部材22の内面側の、開閉口26を覆う位置に重なり、両端部が伸縮用布部材22に固定された弁体用布部材32を備える。PUSH操作/PULL操作が行われると、筒形伸縮部材12の内部が正圧/負圧になって弁体用布部材30が外向き/内向きに移動し、弁体用布部材30によって開閉口26が開/閉される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛇腹状に形成されて軸方向に伸縮する筒形伸縮部材と、前記筒形伸縮部材の一方の端部を閉鎖した閉鎖部と、前記筒形伸縮部材の反対側の開口端を閉鎖する底部材と、前記底部材に取り付けられて、前記筒形伸縮部材の中の空気を外へ送り出すエアノズルとを備え、
前記筒形伸縮部材は、環状に形成され柔軟な布材であって、両端部に前記閉鎖部と前記底部材とが各々取り付けられた伸縮用布部材と、前記伸縮用布部材の前記軸方向と直角な断面の形状を保持させるため、前記軸方向の途中の前記伸縮用布部材に固定された環状骨部材と、前記伸縮用布部材の、前記環状骨部材との境界部に設けられたスリット状の開閉口と、前記開閉口よりも大きいサイズの柔軟な布材であって、前記伸縮用布部材の内面側の、前記開閉口を覆う位置に重なり、前記軸方向の両端部が前記伸縮用布部材に固定された弁体用布部材とで構成され、
前記筒形伸縮部材の閉鎖部を前記底部材に近づける操作が行われると、前記筒形伸縮部材の内部が正圧になって前記弁体用布部材が外向きに移動し、前記弁体用布部材によって前記開閉口が気密に閉鎖され、前記閉鎖部を前記底部材から引き離す操作が行われると、前記筒形伸縮部材の内部が負圧になって前記弁体用布部材が内向きに移動し、前記開閉口を通じて外部の空気が流れ込むことを特徴とするポンプ装置。
【請求項2】
複数組の前記開閉口及び前記弁体用布部材が設けられ、これらが前記伸縮用布部材の周方向に等間隔又は任意の所定間隔に配置されている請求項1記載のポンプ装置。
【請求項3】
複数個の前記環状骨部材が設けられ、これらが前記伸縮用布部材の前記軸方向に間隔を空けて配置されている請求項1記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記閉鎖部は、前記筒形伸縮部材の開口端に沿って取り付けられた柔軟な環状ベルトと、前記環状ベルトの、互いに対向する2箇所に取り付けられた一対の連結部材とを備える請求項1乃至3のいずれか記載のポンプ装置。
【請求項5】
前記閉鎖部は、前記筒形伸縮部材の一方の開口した端部を開閉可能に閉鎖する請求項4記載のポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱用の空気室を備えた防寒衣服、エアーマット、浮き袋等の対象物に空気を供給するためのポンプ装置に関し、特に、人の力により空気を送り出すタイプのポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されているように、足踏み式の空気圧縮装置があった。この空気圧縮装置は、枢支部により枢支され且つ弾性体にて各々が反発しあう状態にある2つの係止部と、吸気用逆止弁、排気用逆止弁及び蛇腹部を有し、蛇腹部は側面視で略三角状で、蛇腹部の両端が2つの前記係止部に各々係止された空気圧縮部とで構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の空気圧縮装置は、弾性体を備えており構造が複雑で比較的重量があり、未使用時の外形もコンパクトとは言えないので、日常的な使用や常時携行して使用するには不便である。
【0005】
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、シンプルな構造で使いやすく、未使用時の外形がコンパクトで携行しやすいポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、蛇腹状に形成されて軸方向に伸縮する筒形伸縮部材と、前記筒形伸縮部材の一方の端部を閉鎖した閉鎖部と、前記筒形伸縮部材の反対側の開口端を閉鎖する底部材と、前記底部材に取り付けられて、前記筒形伸縮部材の中の空気を外へ送り出すエアノズルとを備え、
前記筒形伸縮部材は、環状に形成され柔軟な布材であって、両端部に前記閉鎖部と前記底部材とが各々取り付けられた伸縮用布部材と、前記伸縮用布部材の、前記軸方向と直角な断面の形状を保持させるため、前記軸方向の途中の前記伸縮用布部材に固定された環状骨部材と、前記伸縮用布部材の、前記環状骨部材との境界部に設けられたスリット状の開閉口と、前記開閉口よりも大きいサイズの柔軟な布材であって、前記伸縮用布部材の内面側の、前記開閉口を覆う位置に重なり、前記軸方向の両端部が前記伸縮用布部材に固定された弁体用布部材とで構成され、
前記筒形伸縮部材の閉鎖部を前記底部材に近づける操作が行われると、前記筒形伸縮部材の内部が正圧になって前記弁体用布部材が外向きに移動し、前記弁体用布部材によって前記開閉口が気密に閉鎖され、前記閉鎖部を前記底部材から引き離す操作が行われると、前記筒形伸縮部材の内部が負圧になって前記弁体用布部材が内向きに移動し、前記開閉口を通じて外部の空気が流れ込むポンプ装置である。
【0007】
複数組の前記開閉口及び前記弁体用布部材が設けられ、これらが前記伸縮用布部材の周方向に等間隔又は任意の所定間隔に配置されている構成にすることができる。また、複数個の前記環状骨部材が設けられ、これらが前記伸縮用布部材の前記軸方向に間隔を空けて配置されている構成にすることができる。
【0008】
前記閉鎖部は、前記筒形伸縮部材の開口端に沿って取り付けられた柔軟な環状ベルトと、前記環状ベルトの、互いに対向する2箇所に取り付けられた一対の連結部材とで構成しても良い。前記閉鎖部は、前記筒形伸縮部材の一方の開口した端部を開閉可能に閉鎖するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のポンプ装置は、シンプルな構造で非常に操作しやすく、空気を効率よく送り出すことができる。また、小型化と軽量化が容易で、未使用時は極低背でコンパクトな外形になるので、常時携帯する際も邪魔にならず、日常的に使用可能であり非常に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のポンプ装置の一実施形態の使用状況を示す図であって、筒形伸縮部材を軸方向に伸ばした状態を示す斜視図(a)、軸方向に縮めた状態を示す斜視図(b)である。
【
図2】この実施形態のポンプ装置の、筒形伸縮部材を軸方向に伸ばして第一開口端を開放した状態を示す斜視図(a)、平面図(b)である。
【
図3】伸縮用布部材、環状骨部材、弁体用布部材及び環状ベルトの接続構造の一例を示す図であって、縫製により接続した場合のA-A断面の接続構造を示す模式図(a)、B1-B1及びB2-B2断面の接続構造を示す模式図(b)である。
【
図4】この実施形態のポンプ装置が使用された時の筒形伸縮部材の動作を示すA-A断面図(a)と、B1-B1及びB2-B2断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のポンプ装置の一実施形態について、図面に基づいて説明する。この実施形態のポンプ装置10は、人が手で操作するタイプのポンプ装置であり、
図1(a)、(b)に示すように、蛇腹状に形成されて軸方向に伸縮する筒形伸縮部材12と、筒形伸縮部材12の一方の開口端である第一開口端14(1)を開閉可能に閉鎖する閉鎖部16と、筒形伸縮部材12の反対側の開口端である第二開口端14(2)を閉鎖する略円形の底部材18と、底部材18の中央部に取り付けられたエアノズル20とで構成される。
【0012】
筒形伸縮部材12は、
図2(a)、(b)に示すように、環状に形成され柔軟な布材である伸縮用布部材22を有し、伸縮用布部材22の両端である第一開口端14(1)及び第二開口端14(2)に、閉鎖部16及び底部材18が各々取り付けられている。伸縮用布部材22は、非通気性又は難通気性の素材により形成されている。
【0013】
伸縮用布部材22の、軸方向の途中の位置には、3つの環状骨部材24が所定の間隔を空けて固定されている。環状骨部材24は、一定の形状安定性を備えた部材で、伸縮用布部材22の軸方向と直角な断面の形状を保持する。以下、3つの環状骨部材24を、第一開口端14(1)の側から順に24(1)、24(2)、24(3)の符号を付して区別する。
【0014】
伸縮用布部材22の、環状骨部材24(2)との境界部には、4つの開閉口26が設けられている。開閉口26は短いスリット状の孔で、伸縮用布部材22の周方向にほぼ等間隔に配置されている。同様に、環状骨部材24(3)との境界部にも、4つの開閉口28が設けられている。
【0015】
さらに、伸縮用布部材22の内面側には、4つの弁体用布部材30と、4つの弁体用布部材32とが設けられている。弁体用布部材30は、開閉口26よりも大きいサイズの略長方形の柔軟な布材で、伸縮用布部材22の内面側の、開閉口26を覆う位置に各々重なり、軸方向の両端部が伸縮用布部材22に固定されている。同様に、弁体用布部材32は、開閉口28よりも大きいサイズの略長方形の柔軟な布材で、伸縮用布部材22の内面側の、開閉口28を覆う位置に各々重なり、軸方向の両端部が伸縮用布部材22に固定されている。弁体用布部材30,32は、非通気性又は難通気性の素材により形成されている。
【0016】
閉鎖部16は、筒形伸縮部材12(伸縮用布部材22)の第一開口端14(1)に沿って取り付けられた柔軟な環状ベルト34と、環状ベルト34の、直径方向に対向する2箇所に一対に取り付けられた連結部材である雄側及び雌側バックル36a,36bとを備えている。
【0017】
底部材18は、硬質な板材を用いてもよいが、より軽量化を図るため、上記環状骨部材24と同じ構造の底部骨部材18aの内側に円形の底部布材18bを張架した構造にしている。エアノズル20は、布材18bの中央部の透孔の周縁部に取り付けられ、筒形伸縮部材12の中の空気を外へ送り出すためのである。
【0018】
伸縮用布部材22、環状骨部材24(1)~24(3)、弁体用布部材30,32及び環状ベルト34は、例えば
図3(a)、(b)に示すように、縫製により接続される。この例では、伸縮当布部材22を4つの布材22(1)~22(4)で形成する。各布材は、外形が略長方形で、短辺同士が縫合されて環状になっており、軸方向の長さは布材22(1)が少し長く、布材22(2)~22(4)は少し短くて互いにほぼ等しい。
【0019】
まず、
図3(a)に示すA-A断面の接続構造、すなわち、開閉口26,28及び弁体用布部材30,32が配置されていない箇所の接続構造を説明する。布材22(1)は、上側の開口端が第一開口端14(1)となる布材で、上端周縁部が環状ベルト34(34a,34b)の内面側に重なって縫合されている。布材22(2)は、上端周縁部に環状骨部材24(1)を巻き込んで一体に縫合され、さらに、環状骨部材24(1)とともに布材22(1)の下端周縁部の外面側に重ねて縫合されている。布材22(3)は、上端部に環状骨部材24(2)を巻き込んで一体に縫合され、さらに、環状骨部材24(2)とともに布材22(2)の下端周縁部の外面側に重ねて縫合されている。布材22(4)は、上端周縁部に環状骨部材24(3)を巻き込んで一体に縫合され、さらに、環状骨部材24(3)とともに布材22(3)の下端周縁部の外面側に重ねて縫合されている。そして、布材22(4)の、第二の開口端14(2)となる下端周縁部が、底部骨部材18aに巻いて縫合され、さらに、この部分に底部布材18bの周縁部を重ねて縫合されている。エアノズル20は、先端部を底部布材18bの透孔から外向きに突出させ、フランジ状の基部が底部布材18bの内面側に接着固定されている。
【0020】
図3(b)に示すB1-B1及びB2-B2断面の接続構造、すなわち、開閉口26,28及び弁体用布部材30,32が配置されている箇所の接続構造は、A-A断面とは異なる接続構造になっている。
【0021】
図3(a)と異なる点を中心に説明すると、布材22(3)の上端部は、環状骨部材24(2)を巻き込んで一体に縫合されているが、布材22(2)の下端部には縫合されていない。つまり、この縫合されていない部分がスリット状の開閉口26となる。そして、布材22(3)の内面側の、開閉口26を覆う位置に弁体用布部材布材30が重ねられ、弁体用布部材布材30の上端部が布材22(2)の下端部の外面側に重ねて縫合されている。弁体用布部材布材30の下端部は、布材24(4)の下端部とともに底部骨部材18aに巻き込んで一体に縫合されている。
【0022】
同様に、布材22(4)の上端部は、環状骨部材24(3)を巻き込んで一体に縫合されているが、布材22(3)の下端部には縫合されていない。つまり、この縫合されていない部分が、スリット状の開閉口28となる。そして、布材22(4)の内面側の、開閉口28を覆う位置に弁体用布部材布材32が重ねられ、弁体用布部材布材32の上端部が布材22(3)の下端部の外面側に重ねて縫合されている。弁体用布部材布材32の下端部は、布材24(4)の下端部とともに底部骨部材18aに巻き込んで一体に縫合されている。
【0023】
なお、環状骨部材24(1)~24(3)及び底部骨部材18aは、単体では環状ではない部材を使用してもよい。例えば、単体では真っすぐな細長い弾性板等を使用した場合、伸縮用布部材22に取り付けられて環状になり、真っすぐな形状に戻ろうとする自己の弾発力で伸縮用布部材22を支持することができる。また、可撓性の板材や棒材を使用してもよい。
【0024】
次に、ポンプ装置10の使用方法と動作について説明する。空気を供給する対象物は、例えば断熱用の空気室を備えた防寒衣服BIである。この防寒衣服BIの空気室には、逆止弁(図示せず)を内蔵した吸気バルブKBが取り付けられており、この吸気バルブKBを通じて空気室に空気を送り込む構造になっている。
【0025】
ポンプ装置10を使用する時は、まず、閉鎖部16で筒形伸縮部材12の第一開口端14(1)を閉鎖する。具体的には、環状ベルト34の部分34aと部分34bの内面同士を密に重ね、さらに長さ方向の中央部を折り曲げる操作を行い、雄側及び雌側バックル36a,36bを相互に係合させて
図1(a)に示す状態にする。そして、底部材18から突出しているエアノズル20の先端部を防寒衣服BIの吸気バルブKBに差し込むように装着し、
図4(a)、(b)に示す状態にする。
【0026】
この状態で、まず、閉鎖部16を底部材18に近づける操作[PUSH操作]を行う。PUSH操作を行うと、筒形伸縮部材12の内部が正圧になって弁体用布部材30,32が外向きに移動し、弁体用布部材30によって開閉口26が気密に閉鎖され、弁体用布部材32によって開閉口28が気密に閉鎖される。そして、筒形伸縮部材12の中の空気がエアノズル20から押し出され、吸気バルブKBを通じて防寒衣服BIの空気室に送られる。PUSH操作は、筒形伸縮部材12が縮んで
図1(b)に示す状態になるまで行う。
【0027】
PUSH操作の次に、閉鎖部16を底部材18から引き離す操作[PULL操作]を行う。PULL操作を行う際には、環状ベルト34を保持して行うと良い。PULL操作を行うと、筒形伸縮部材12の内部が負圧になるが、エアノズル20からの吸気はない。そのため、弁体用布部材30,32が内向きに移動し、閉鎖が解除された開閉口26,28を通じて外部の空気が流れ込む。PULL操作は、筒形伸縮部材12が伸びて
図1(a)に示す状態になるまで行う。
【0028】
PULL操作の次に再びPUSH操作を行う。そして、PUSH操作とPULL操作を何回か繰り返すことにより、必要量の空気が防寒衣服BIの空気室に供給され、防寒衣服BIが使用可能な状態になる。
【0029】
使用後のポンプ装置10は、
図1(b)に示すよりもさらに縮めて、極低背外形にすることができる。伸縮する部分が柔軟な伸縮用布部材22で形成されているためである。したがって、ポンプ装置10は、極低背外形にして防寒衣服BIのポケット等にコンパクトに収納することができる。
【0030】
以上説明したように、ポンプ装置10は、シンプルな構造で非常に操作しやすく、空気を効率よく送り出すことができる。また、小型化と軽量化が容易で、未使用時は極低背でコンパクトな外形になるので、日常的な使用や常時携行して使用すること容易に可能である。さらに、アウトドアや災害現場等で使用する際も便利である。
【0031】
なお、本発明のポンプ装置は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ポンプ装置10の場合、筒形伸縮部材12の断面形状及び底部材18の外形を略円形にしているが、上記の使用方法及び動作が可能であれば、略楕円形や略多角形等の他の形状に変更することができる。
【0032】
筒形伸縮部材12は、開閉口26及び弁体用布部材30を複数組設け、これらを伸縮用布部材の周方向に等間隔に配置している。これは、PULL操作が行われた時、筒形伸縮部材12が軸方向に真っすぐに伸びやすくするためである。その一方で、PUSH操作が行われた時に空気漏れを極力抑えるためには、開閉口26の数はできるだけ少ない方がよいので、PULL操作を行う時の操作に支障がなければ、開閉口26及び弁体用布部材30を1組まで減らすことができる。この点は、開閉口28及び弁体用布部材32についても同様である。
【0033】
筒形伸縮部材12は、3つの環状骨部材24(1)~24(3)を軸方向に間隔を空けて配置しているが、環状骨部材の数は自由に増減することができる。なお、開閉口及び弁体用布部材は、すべての環状骨部材の近傍に設ける必要はない。閉鎖部16(環状ベルト34、雄側及び雌側バックル36a,36b)は、筒形伸縮部材の端部をある程度の気密性をもって閉鎖するものであればよく、開閉不能の閉鎖構造でもよい。閉鎖部16を開閉する構成は、雄側及び雌側バックル36a,36bの他、面ファスナー、釦、マグネットなど互いに脱着できる構造から成る連結部材でもよい。また、上記ポンプ装置10の接続構造(
図3(a)、(b))は、ほとんどの部材を縫製によって接続するものであり、非常に製造しやすいが、本発明のポンプ装置は、縫製以外の接続構造にすることも可能である。
【0034】
エアノズル20は、空気が双方向に通過可能する透孔を設けたシンプルなものであるが、筒形伸縮部材12の外から中への通気を阻止する逆止弁を内蔵したものを使用してもよい。エアノズルの種類は、相手方の吸気ノズル等(空気を送る対象物が有する吸気ノズル等)の形態に合わせて適宜選択することができる。その他、各部材の形状、大きさ及び材質は、上記の使用方法及び動作が可能な範囲で自由に変更することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 ポンプ装置
12 筒形伸縮部材
14(1) 第一開口端
14(2) 第二開口端
16 閉鎖部
18 底部材
20 エアノズル
22 伸縮用布部材
24,24(1)~24(3) 環状骨部材
26,28 開閉口
30,32 弁体用布部材
34 環状ベルト
36a 雄側バックル(連結部材)
36b 雌側バックル(連結部材)