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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100191
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】歯ブラシ
(51)【国際特許分類】
   A46B 5/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
A46B5/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004005
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】523015943
【氏名又は名称】新実 良子
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】新実 良子
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA06
3B202AB15
3B202DA03
3B202DB09
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、利便性の向上を図った歯ブラシを提供することにある。
【解決手段】
歯ブラシ1は、使用者に把持されるハンドル部2と、ブラシ毛31が植毛されたヘッド部3と、を備え、ハンドル部2が把持された状態で、ヘッド部3が口腔内に挿入されるものであって、ハンドル部2とヘッド部3とを連結する板状の連結部4を有し、連結部4の基端部分4Bおよびハンドル部2は、第1回転軸61を有して回転可能に設けられ、連結部4の先端部分4Fおよびヘッド部3は、第2回転軸71を有して回転可能に設けられ、第1回転軸61および第2回転軸71は、同じ方向に延びて形成され、ハンドル部2およびヘッド部3が直線上に位置する基準状態から第1回転軸61が第1方向に90度回転され、第2回転軸71が第1方向とは逆方向の第2方向に90度回転された第1状態1Aと、基準状態から第2回転軸71が90度回転された第2状態1Bと、に少なくとも変位可能に構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に把持されるハンドル部と、ブラシ毛が植毛されたヘッド部と、を備え、前記ハンドル部が把持された状態で、前記ヘッド部が口腔内に挿入される歯ブラシであって、
前記ハンドル部と前記ヘッド部とを連結する板状の連結部を有し、
前記連結部の基端部分および前記ハンドル部は、第1回転軸を有して回転可能に設けられ、
前記連結部の先端部分および前記ヘッド部は、第2回転軸を有して回転可能に設けられ、
前記第1回転軸および前記第2回転軸は、同じ方向に延びて形成され、
前記ハンドル部および前記ヘッド部が直線上に位置する基準状態から前記第1回転軸が第1方向に90度回転され、前記第2回転軸が前記第1方向とは逆方向の第2方向に90度回転された第1状態と、前記基準状態から前記第2回転軸が90度回転された第2状態と、に少なくとも変位可能に構成されていることを特徴とする歯ブラシ。
【請求項2】
前記ハンドル部は、前記連結部の基端部分を挟む一対のハンドル板と、前記第1回転軸の両側に設けられた一対の第1ストッパーと、を備え、
前記一対の第1ストッパーのうち一方は、前記第1回転軸が前記基準状態から前記第1方向に90度回転した第1位置で、前記連結部に当接して前記第1回転軸の回転を停止させ、
前記一対の第1ストッパーのうち他方は、前記第1回転軸が前記基準状態から前記第2方向に90度回転した第2位置で、前記連結部に当接して前記第1回転軸の回転を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
【請求項3】
前記ヘッド部は、前記連結部の先端部分を挟む一対のヘッド板と、前記第2回転軸の両側に設けられた一対の第2ストッパーと、を備え、
前記一対の第2ストッパーのうち一方は、前記第2回転軸が前記基準状態から前記第1方向に90度回転した第3位置で、前記連結部に当接して前記第2回転軸の回転を停止させ、
前記一対の第2ストッパーのうち他方は、前記第2回転軸が前記基準状態から前記第1方向とは反対方向の第2方向に90度回転した第4位置で、前記連結部に当接して前記第2回転軸の回転を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の歯ブラシ。
【請求項4】
前記連結部に着脱可能な第3ストッパーを備え、
前記第3ストッパーは、前記基準状態にある状態で、前記連結部に装着され、
前記第3ストッパーは、前記ハンドル部および前記ヘッド部に当接して、前記ハンドル部および前記ヘッド部の前記連結部に対する変位を規制することを特徴とする請求項3に記載の歯ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般に使われる歯ブラシは、棒状に形成されたつまみ部と、ブラシ毛が植毛されたヘッド部と、を有して構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-182197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された歯ブラシを用いて口腔内の歯を磨く場合において、従来の歯ブラシは、ヘッド部が口腔内に位置した状態で、上下に動かし難い。このため例えば、隣接する大臼歯の間にヘッド部のブラシ毛の先端を押し当て、この状態のまま歯ブラシを上下に小刻みに動かして、大臼歯の間に挟まった汚れを除去することや、大臼歯の付け根にヘッド部のブラシ毛の先端を押し当て、この状態のまま歯ブラシを上下に小刻みに動かすことが特に難しかった。
【0005】
本発明の目的は、利便性の向上を図った歯ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、以下の本発明によって解決される。
即ち、本発明は、使用者に把持されるハンドル部と、ブラシ毛が植毛されたヘッド部と、を備え、前記ハンドル部が把持された状態で、前記ヘッド部が口腔内に挿入される歯ブラシであって、前記ハンドル部と前記ヘッド部とを連結する板状の連結部を有し、前記連結部の基端部分および前記ハンドル部は、第1回転軸を有して回転可能に設けられ、前記連結部の先端部分および前記ヘッド部は、第2回転軸を有して回転可能に設けられ、前記第1回転軸および前記第2回転軸は、同じ方向に延びて形成され、前記ハンドル部および前記ヘッド部が直線上に位置する基準状態から前記第2回転軸が90度回転された第1状態と、前記基準状態から前記第1回転軸が第1方向に90度回転され、前記第2回転軸が前記第1方向と逆方向の第2方向に90度回転された第2状態と、に少なくとも変位可能に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態にかかる歯ブラシが第1状態で、口腔内の汚れを除去する様子を示す斜視図である。
図2】前記歯ブラシが第2状態で、口腔内の汚れを除去する様子を示す斜視図である。
図3】前記歯ブラシを示す分解斜視図である。
図4】(A)は前記歯ブラシを構成する第1回転軸が第1位置にある状態を示す概念図であり、(B)は前記第1回転軸が基準状態にある状態を示す概念図であり、(C)は前記第1回転軸が第2位置にある状態を示す概念図である。
図5】(A)は前記歯ブラシを構成する第2回転軸が第3位置にある状態を示す概念図であり、(B)は前記第2回転軸が基準状態にある状態を示す概念図であり、(C)は前記第2回転軸が第4位置にある状態を示す概念図である。
図6】前記歯ブラシの基準状態を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態にかかる歯ブラシ1を図1~6を参照して説明する。
【0010】
歯ブラシ1は、図1、4、5、6に示すように、使用者に把持される棒状のハンドル部2と、ブラシ毛31が植毛されたヘッド部3と、ハンドル部2およびヘッド部3を連結する連結部4と、ハンドル部2およびヘッド部3それぞれを回転させる連結機構5と、一対の第1ストッパー6R、6L(図4参照)と、一対の第2ストッパー7R、7L(図5参照)と、第3ストッパー8(図6参照)と、を備える。また本実施形態では、図6に示すように、ハンドル部2およびヘッド部3が直線上に位置した状態を「基準状態1C」と記す場合がある。
【0011】
ハンドル部2は、図1に示すように、一対のハンドル板2A、2Aを有して構成されている。各ハンドル板2Aは帯板状に形成されている。一対のハンドル板2A、2Aそれぞれの先端部分2Fには、後述する連結部4の基端部分4Bが挟まれている。また、各ハンドル板2Aの先端部分2Fには、図3に示すように、後述する連結機構5の第1軸受け60が挿入される第1孔部20が設けられている。
【0012】
また、ハンドル部2には、図6に示すように、後述する第3ストッパー8を保持可能なストッパー保持部21が設けられている。ストッパー保持部21はハンドル部2における他の部位よりも小径の円柱状に形成されているとともに、後述する第3ストッパー8の内部に挿入されるような径寸法を有して構成されている。また、ストッパー保持部21は、その軸寸法が第3ストッパー8の軸寸法より僅かに大きい寸法となるように形成されている。このようなストッパー保持部21は、第1状態1A(図1参照)や第2状態1B(図2参照)である際に、第3ストッパー8を保持することにより、第3ストッパー8の紛失を抑制する。
【0013】
ヘッド部3は、図1に示すように、一対のヘッド板3A、3Aを有して構成されている。各ヘッド板3Aは帯板状に形成されている。一対のヘッド板3A、3Aそれぞれの基端部分3Bには、連結部4の先端部分4Fが挟まれている。また、各ヘッド板3Aの基端部分3Bには、図3に示すように、後述する連結機構5の第2軸受け70が挿入される第2孔部30が設けられている。
【0014】
連結機構5は、図3に示すように、帯板状の連結部4と、連結部4の基端部分4Bおよびハンドル部2を、第1ボルト61(第1回転軸)を回転軸として回転させる第1回転機構6と、連結部4の先端部分4Fおよびヘッド部3を、第2ボルト71(第2回転軸)を回転軸として回転させる第2回転機構7と、を備える。
【0015】
図3に示すように、連結部4の基端部分4Bには、後述する第1軸受け60が挿入される基端側孔部41が設けられ、連結部4の先端部分4Fには、後述する第2軸受け70が挿入される先端側孔部42が設けられている。連結部4において、基端側孔部41を含む部分を「基端部分4B」と記し、先端側孔部42を含む部分を「先端部分4F」と記す場合がある。
【0016】
第1回転機構6は、図3に示すように、円筒状に形成された第1軸受け60と、該第1軸受け60に挿入される第1ボルト61と、該第1ボルト61の先端に螺合される第1ナット62と、を備える。第1ボルト61は第1回転軸(符号61を付与する)として機能する。
【0017】
第1軸受け60は、図3に示すように、連結部4の基端部分4Bが一対のハンドル板2A、2Aの間に挟まった状態で、連結部4の基端側孔部41および一対のハンドル板2A、2Aに形成された各第1孔部20に挿入されるように構成されている。
【0018】
このような第1回転機構6を組み立てる場合には、図3に示すように、連結部4の基端部分4Bにおける表面および裏面に一対のハンドル板2A、2Aを近付けて、一対のハンドル板2A、2Aで連結部4の基端部分4Bを挟み込む。そして、第1軸受け60を、連結部4の基端部分4Bにある基端側孔部41の内部、及び一対のハンドル板2A、2Aそれぞれに形成された第1孔部20の内部に挿入させる。この後、第1軸受け60に第1ボルト61を挿入し、第1ボルト61の先端に第1ナット62を螺合する。このようにして、連結部4の基端部分4Bおよびハンドル部2は、第1ボルト61を回転軸として回転可能に構成される。
【0019】
第2回転機構7は、図3に示すように、円筒状に形成された第2軸受け70と、該第2軸受け70に挿入される第2ボルト71と、該第2ボルト71の先端に螺合される第2ナット72と、を備える。第2ボルト71は第2回転軸(符号71を付与する)として機能する。
【0020】
第2軸受け70は、図3に示すように、連結部4の先端部分4Fが一対のヘッド板3A、3Aの間に挟まった状態で、連結部4の先端側孔部42および一対のヘッド板3A、3Aに形成された各第2孔部30に挿入されるように構成されている。
【0021】
このような第2回転機構7を組み立てる場合には、図3に示すように、連結部4の先端部分4Fにおける表面および裏面に一対のヘッド板3A、3Aを近付けて、一対のヘッド板3A、3Aで連結部4の先端部分4Fを挟み込む。そして、第2軸受け70を、連結部4の先端部分4Fにある先端側孔部42の内部、及び一対のヘッド板3A、3Aそれぞれに形成された第2孔部30の内部に挿入させる。この後、第2軸受け70に第2ボルト71を挿入し、第2ボルト71の先端に第2ナット72を螺合する。このようにして、連結部4の先端部分4Fおよびヘッド部3は、第2ボルト71を回転軸として回転可能に構成される。
【0022】
一対の第1ストッパー6R、6Lは、図4(A)(B)(C)に示すように、ハンドル部2において第1回転軸61より基端側に設けられているとともに、ハンドル部2から幅方向の両側に突出して設けられている。各第1ストッパー6R、6Lは、一対のハンドル板2A、2Aの間(一対のハンドル板2A、2A間にある板厚方向の隙間)を埋めるように構成されているとともに、第1回転軸61を中心とした連結部4の回転軌跡上に位置している。本実施形態では、一対の第1ストッパー6R、6Lは、ハンドル部2から幅方向の両側に突出して設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。各第1ストッパー6R、6Lは、一対のハンドル板2A、2Aの間(一対のハンドル板2A、2A間にある板厚方向の隙間)を埋めるように構成されているとともに、ハンドル部2から幅方向の両側に突出しないように構成されていてもよい。
【0023】
このような一対の第1ストッパー6R、6Lの一方6Lは、図4(B)に示す基準状態1Cから、図4(A)に示すように、連結部4が第1回転軸61で反時計回りに90度回転した際に、連結部4の一方の側面に当接して、第1回転軸61の回転を停止するように構成されている。また、一対の第1ストッパー6R、6Lの他方6Rは、図4(B)に示す基準状態1Cから、図4(C)に示すように、連結部4が第1回転軸61で時計回りに90度回転した際に、連結部4の他方の側面に当接して、第1回転軸61の回転を停止するように構成されている。
【0024】
一対の第2ストッパー7R、7Lは、図5(A)(B)(C)に示すように、ヘッド部3において第2回転軸71より先端側に設けられているとともに、ヘッド部3から幅方向の両側に突出して設けられている。各第2ストッパー7R、7Lは、一対のヘッド板3A、3Aの間(一対のヘッド板3A、3A間にある板厚方向の隙間)を埋めるように構成されているとともに、第2回転軸71を中心とした連結部4の回転軌跡上に位置している。本実施形態では、一対の第2ストッパー7R、7Lは、ヘッド部3から幅方向の両側に突出して設けられているが、本発明はこれに限定されるものではない。各第2ストッパー7R、7Lは、一対のヘッド板3A、3Aの間(一対のヘッド板3A、3A間にある板厚方向の隙間)を埋めるように構成されているとともに、ヘッド部3から幅方向の両側に突出しないように構成されていてもよい。
【0025】
このような一対の第2ストッパー7R、7Lの一方7Lは、図5(B)に示す基準状態1Cから、図5(A)に示すように、ヘッド部3が第2回転軸71で反時計回りに90度回転した際に、連結部4の一方の側面に当接して、第2回転軸71の回転を停止するように構成されている。また、一対の第2ストッパー7R、7Lの他方7Rは、図4(B)に示す基準状態1Cから、図5(C)に示すように、ヘッド部3が第2回転軸71で時計回りに90度回転した際に、連結部4の他方の側面に当接して、第2回転軸71の回転を停止するように構成されている。
【0026】
第3ストッパー8は、図6に示すように、断面C字状の湾曲面を有して構成されている。この第3ストッパー8は、基準状態1Cで連結部4に装着され、ハンドル部2の端面およびヘッド部3の端面に当接して、ハンドル部2およびヘッド部3の連結部4に対する変位を規制して、基準状態1Cを維持するように構成されている。
【0027】
続いて、図1、2を参照し、上述した構成の歯ブラシ1を用いて口腔内の汚れを除去する様子を説明する。図1、2では、第1ストッパー6L、6Rおよび第2ストッパー7L、7Rは省略されている。歯ブラシ1は、基準状態1Cと、大臼歯の付け根に付着した汚れを除去する第1状態1Aと、隣接する大臼歯の間にある汚れを除去する第2状態1Bと、に少なくとも変位可能に構成されている。
【0028】
歯ブラシ1が基準状態1Cにある際に、ハンドル部2およびヘッド部3が直線上に位置付けられる。この基準状態1Cでは、第3ストッパー8が連結部4に装着され、第3ストッパー8がハンドル部2の端面およびヘッド部3の端面に当接して、ハンドル部2およびヘッド部3の連結部4に対する変位が規制されている。ここで、歯ブラシ1が基準状態1Cにある際に、上下の前歯の裏側に付着した汚れを除去する場合には、ヘッド部3がその長手方向と歯の並び方向が同じ方向である格好で、ブラシ毛31の先端を前歯の裏側に押し付けて、前後に小刻みに動かして、前歯の裏側に付着した汚れを除去する。この際、第3ストッパー8が設けられていることにより、歯ブラシ1を前歯に強く押し付けたとしてもハンドル部2およびヘッド部3が連結部4に対してぐらつくことがない。これにより、第1回転軸61や第2回転軸71を有する歯ブラシ1であったとしても、使い勝手が損なわれることなく用いられることとなる。
【0029】
次に、図1に示すように、歯ブラシ1を第1状態1Aとする場合には、基準状態1Cから、第1回転軸61で連結部4の基端部分4Bを反時計回りに90度回転させる。連結部4の基端部分4Bが第1ストッパー6Lに当接して、連結部4の回転が停止される。さらに、第2回転軸71でヘッド部3を時計回りに90度回転させる。ヘッド部3の第2ストッパー7Rが連結部4に当接して、ヘッド部3の回転が停止される。このようにして歯ブラシ1を第1状態1Aとする。
【0030】
また、第1状態1Aとして、基準状態1Cから、第1回転軸61で連結部4の基端部分4Bを時計回りに90度回転させる。連結部4の基端部分4Bが第1ストッパー6Rに当接して、連結部4の回転が停止される。さらに、第2回転軸71でヘッド部3を反時計回りに90度回転させる。ヘッド部3の第2ストッパー7Lが連結部4に当接して、ヘッド部3の回転が停止された状態も、請求項中の第1状態に含むものとする。
【0031】
また、大臼歯の付け根に付着した汚れを除去する場合には、図1に示すように、第1状態1Aにある歯ブラシ1のヘッド部3を横に寝かせた状態(ヘッド部3の長手方向と歯の並び方向が同じ方向である状態)で、大臼歯の付け根にブラシ毛31の先端を押し当て、押し当てた状態のまま歯ブラシ1を上下または前後に小刻みに動かして、大臼歯の付け根に付着した汚れを除去する。このように歯ブラシ1を第1状態1Aとすることにより、従来技術の如く無理な姿勢にならずに、大臼歯の付け根にブラシ毛31の先端を押し当てることが可能となり、さらにこの状態のまま歯ブラシ1を上下または前後に小刻みに動かす動作を可能とすることができる。
【0032】
また図2に示すように、歯ブラシ1を第2状態1Bとする場合には、基準状態1Cから、第2回転軸71でヘッド部3を反時計回りに90度回転させる。ヘッド部3の第2ストッパー7Lが連結部4に当接して、ヘッド部3の回転が停止される。このようにして歯ブラシ1を第2状態1Bとする。
【0033】
また、第2状態1Bとして、基準状態1Cから、第2回転軸71でヘッド部3を時計回りに90度回転させる。ヘッド部3の第2ストッパー7Rが連結部4に当接して、ヘッド部3の回転が停止された状態も、請求項中の第2状態に含むものとする。
【0034】
また、隣接する大臼歯の間にある汚れを除去する場合には、図2に示すように、第2状態1Bにある歯ブラシ1のヘッド部3を縦にした状態(ヘッド部3の長手方向と歯の並び方向が交差した状態)で、隣接する大臼歯の間にブラシ毛31の先端を押し当て、押し当てた状態のまま歯ブラシ1を上下に小刻みに動かして、隣接する大臼歯の間に付着した汚れを除去する。このように歯ブラシ1を第2状態1Bとすることにより、従来技術の如く無理な姿勢を取らずとも、隣接する大臼歯の間にブラシ毛31の先端を押し当てることが可能となり、さらにこの状態のまま歯ブラシ1を上下に小刻みに動かす動作を可能とすることができる。
【0035】
上述した実施形態によれば、ハンドル部2およびヘッド部3が直線上に位置する基準状態1Cから第1回転軸61が第1方向に90度回転され、第2回転軸71が第1方向と逆方向の第2方向に90度回転された第1状態1Aと、基準状態1Cから第2回転軸71が90度回転された第2状態1Bと、に少なくとも変位可能に構成されている。これによれば、従来の歯ブラシ1では構造的に困難であった大臼歯の付け根や、隣接する大臼歯の間に、ブラシ毛31の先端を押し当て、さらに押し当てた状態のまま上下または前後に移動させることができる。これによれば、利便性の向上を図ることができる。
【0036】
またハンドル部2は、連結部4の基端部分4Bを挟む一対のハンドル板2A、2Aと、第1回転軸61の両側に設けられた一対の第1ストッパー6R、6Lと、を備え、一対の第1ストッパー6R、6Lのうち一方6Lは、基準状態1Cから、第1回転軸61が第1方向に90度回転した第1位置(図4(A)に示す)で、連結部4に当接して第1回転軸61の回転を停止させ、一対の第1ストッパー6R、6Lのうち他方6Rは、基準状態1Cから、第1回転軸61が第2方向に90度回転した第2位置(図4(C)に示す)で、連結部4に当接して第1回転軸61の回転を停止させるように構成されている。これによれば、一対の第1ストッパー6R、6Lが設けられていることにより、連結部4のハンドル部2に対する回動範囲が規定される。即ち、連結部4がハンドル部2に対して基準位置から第1方向および第2方向に90度回転した位置で、それ以上の回転が規制される構成を実現できる。
【0037】
またヘッド部3は、連結部4の先端部分4Fを挟む一対のヘッド板3A、3Aと、第2回転軸71の両側に設けられた一対の第2ストッパー7R、7Lと、を備え、一対の第2ストッパー7R、7Lのうち一方7Lは、基準状態1Cから、第2回転軸71が第1方向に90度回転した第3位置(図5(A)に示す)で、連結部4に当接して第2回転軸71の回転を停止させ、一対の第2ストッパー7R、7Lのうち他方7Rは、基準状態1Cから、第2回転軸71が第1方向とは反対方向の第2方向に90度回転した第4位置(図5(C)に示す)で、連結部4に当接して第2回転軸71の回転を停止させるように構成されている。これによれば、一対の第2ストッパー7R、7Lが設けられていることにより、ヘッド部3の連結部4に対する回動範囲が規定される。即ち、ヘッド部3が連結部4に対して基準位置から第1方向および第2方向に90度回転した位置で、それ以上の回転が規制される構成を実現できる。
【0038】
また連結部4に着脱可能な第3ストッパー8を備え、第3ストッパー8は、基準状態1Cにある状態で、連結部4に装着され、第3ストッパー8は、ハンドル部2およびヘッド部3に当接して、ハンドル部2およびヘッド部3の連結部4に対する変位を規制する。これによれば、第3ストッパー8が設けられていることにより、ハンドル部2およびヘッド部3が直線上に位置する基準状態1Cが維持される。基準状態1Cは、例えば上下の前歯に付着した汚れを除去するのに適しているが、第3ストッパー8が設けられていることにより、歯ブラシ1を前歯に強く押し付けたとしてもハンドル部2およびヘッド部3が連結部4に対してぐらつかない構成を実現できる。
【0039】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想及び、目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0040】
1 歯ブラシ
1A 第1状態
1B 第2状態
1C 基準状態
2 ハンドル部
2A、2A 一対のハンドル板
3 ヘッド部
3A、3A 一対のヘッド板
31 ブラシ毛
4 連結部
4B 連結部の基端部分
4F 連結部の先端部分
61 第1回転軸
6R、6L 一対の第1ストッパー
6L 一対の第1ストッパーのうち一方
6R 一対の第1ストッパーのうち他方
71 第2回転軸
7R、7L 一対の第2ストッパー
7L 一対の第2ストッパーのうち一方
7R 一対の第2ストッパーのうち他方
8 第3ストッパー
図1
図2
図3
図4
図5
図6