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特開2024-100210非接触リーダライタ、非接触リーダライタの制御方法及び非接触リーダライタの制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100210
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】非接触リーダライタ、非接触リーダライタの制御方法及び非接触リーダライタの制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
G06K7/10 144
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004029
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】508195497
【氏名又は名称】株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス
(74)【代理人】
【識別番号】100097102
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 敬夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 守
(57)【要約】
【課題】通信限界付近でのコマンドの通信エラーを防止できる非接触リーダライタ等を提供すること。
【解決手段】データ処理部11を有し、カード100と非接触で通信可能であって、データ処理部で生成され、変調され、搬送波に重畳されるコマンドCMをカードに対して送信データとして出力するアンテナ部40と、送信データに応じてカードから得られるコマンドに応じた受信データの搬送波の受信レベルを測定する搬送波受信レベル測定回路20と、を備え、搬送波受信レベル測定回路は、搬送波の受信レベルVの値が、予め定められているカードの通信限界情報TSを超えたときに、データ処理部からのコマンドの送信を停止する非接触リーダライタ10。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理部を有し、カードと非接触で通信可能な非接触リーダライタであって、
前記データ処理部で生成され、変調され、搬送波に重畳されるコマンドを前記カードに対して送信データとして出力するアンテナ部と、
前記送信データに応じて前記カードから得られる前記コマンドに応じた受信データの前記搬送波の受信レベルを測定する搬送波受信レベル測定回路と、を備え、
前記搬送波受信レベル測定回路は、前記搬送波の前記受信レベルの値が、予め定められている前記カードの通信限界情報を超えたときに、前記データ処理部からの前記コマンドの送信を停止する構成となっていることを特徴とする非接触リーダライタ。
【請求項2】
前記搬送波の負荷変調強度レベルを測定する負荷変調強度レベル測定回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の非接触リーダライタ。
【請求項3】
前記搬送波の前記受信レベルの値が、予め定められている前記カードの前記通信限界情報を超えるときに前記データ処理部からの送信が停止される前記コマンドが、データ書き込みを含む特定の前記コマンドであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非接触リーダライタ。
【請求項4】
前記カードの前記通信限界情報は、前記カードの種類毎に設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の非接触リーダライタ。
【請求項5】
予め定められている前記カードの通信限界情報と、実際に前記非接触リーダライタが配置される実環境下において測定して得られる前記実環境下の前記カードの前記通信限界情報と、を取得する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の非接触リーダライタ。
【請求項6】
予め定められている前記カードの通信限界情報以外の特定の位置で前記カードに対する通信が不可の領域がある場合、前記特定の位置での前記データ処理部からの前記コマンドの送信を停止する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の非接触リーダライタ。
【請求項7】
前記カードを近づけていないときの前記搬送波の受信レベルを記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の非接触リーダライタ。
【請求項8】
データ処理部を有し、カードと非接触で通信可能な非接触リーダライタの制御方法であって、
前記データ処理部で生成され、変調され、搬送波に重畳されるコマンドを前記カードに対して送信データとしてアンテナ部が出力し、
前記送信データに応じて前記カードから得られる前記コマンドに応じた受信データの前記搬送波の受信レベルを搬送波受信レベル測定回路が測定し、
前記搬送波受信レベル測定回路は、前記搬送波の前記受信レベルの値が、予め定められている前記カードの通信限界情報を超えたときに、前記データ処理部からの前記コマンドの送信を停止する構成となっていることを特徴とする非接触リーダライタの制御方法。
【請求項9】
データ処理部を有し、カードと非接触で通信可能な非接触リーダライタに、
前記データ処理部で生成され、変調され、搬送波に重畳されるコマンドを前記カードに対して送信データとしてアンテナ部が出力する機能

前記送信データに応じて前記カードから得られる前記コマンドに応じた受信データの前記搬送波の受信レベルを搬送波受信レベル測定回路が測定する機能

前記搬送波受信レベル測定回路は、前記搬送波の前記受信レベルの値が、予め定められている前記カードの通信限界情報を超えたときに、前記データ処理部からの前記コマンドの送信を停止する機能、を実現させるための非接触リーダライタの制御プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば非接触でカードに対してデータを書き込み、カードからのデータを読み出す非接触リーダライタ、非接触リーダライタの制御方法及び非接触リーダライタの制御プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より非接触リーダライタは、データを書き込もうとするカードに対してデータを送信するアンテナ部分を有している。
この種の非接触リーダライタは、アンテナ部分とカードとの間の距離を認識できない状態で、カードに対してコマンドを送信する構成となっている。
その結果、非接触リーダライタ側がカードからのレスポンスの受信に成功すれば、次のステップに進む、という方式で、データ送信処理を進める。
【0003】
このため、従来からカードへのデータの書き込みやカードからのデータの読み出しを行う無線のリーダライタの提案がなされている(例えば、特許文献1等)
このような無線のリーダライタでは、カードに対してデータの書き込みを行う前に、コマンドでカードが存在していることを確認する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-305097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の非接触リーダライタや特許文献1に記載の無線のリーダライタでは、カードが、アンテナ部分の通信限界の付近から離れている位置で、アンテナ部分との間で通信を行うと、コマンドを書き込む際に通信エラーを起こすことがある。
このように、アンテナ部分からのカードへのコマンドの通信エラーを起こすと、カードへのデータの書き込み処理に失敗して、リーダライタ側は、カード内のデータが更新されたかどうかが分らなくなる。
このため、カード内のデータと、リーダライタ内のデータやサーバ内のデータと、の間で不整合が起こってしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、通信限界付近等でのコマンドの通信エラーを防止することができる非接触リーダライタ、非接触リーダライタの制御方法及び非接触リーダライタの制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的は、本発明によれば、データ処理部を有し、カードと非接触で通信可能な非接触リーダライタであって、前記データ処理部で生成され、変調され
、搬送波に重畳されるコマンドを前記カードに対して送信データとして出力するアンテナ部と、前記送信データに応じて前記カードから得られる前記コマンドに応じた受信データの前記搬送波の受信レベルを測定する搬送波受信レベル測定回路と、を備え、前記搬送波受信レベル測定回路は、前記搬送波の前記受信レベルの値が、予め定められている前記カードの通信限界情報を超えたときに、前記データ処理部からの前記コマンドの送信を停止する構成となっていることを特徴とする非接触リーダライタにより達成される。
【0008】
前記構成によれば、非接触リーダライタは、搬送波受信レベル測定回路が設けられていることで、カードからの搬送波の受信レベルの値が、予め定められているカードの通信限界情報を超えるときは、データ処理部からのコマンドの送信を停止する。
すなわち、カードが非接触リーダライタに近づくと、搬送波受信レベル測定回路が測定する搬送波のレベルが変動することから、この変動を利用して、非接触リーダライタからのカードの位置を推定できる。
そして、カードから搬送波の受信レベルの値が、予め定められているカードの通信限界情報を超えるときには、データ処理部からのコマンドの送信を停止することから、カードの通信限界情報付近での通信エラーを防止することができる。
したがって、非接触リーダライタがカードへのコマンドの書き込みに失敗することがなくなり、カード内のデータと、データ処理部のデータや上位システムである例えばサーバ内のデータとの間で不整合が生じるのを未然に防止することできる。
また、通信限界情報は、実際に通信が可能な位置よりも近い位置にして、コマンド送信時にカードが少し移動したとしても通信が確実に成功するようにすることもできる。
【0009】
好ましくは、前記非接触リーダライタは、前記搬送波の負荷変調強度レベルを測定する負荷変調強度レベル測定回路を備えることを特徴とする。
【0010】
前記構成によれば、非接触リーダライタは、カードからの搬送波の受信レベルの測定だけでなく、カードからの搬送波の負荷変調強度レベルの測定をする。
これにより、非接触リーダライタは、搬送波の受信レベルの値と負荷変調強度レベルとの合計2つの測定結果から非接触リーダライタに対するカードの位置をより正確に推定でき、カードへのコマンドの書き込みに失敗することがなくなり、カード内のデータと、データ処理部のデータや上位システムである例えばサーバ内のデータと、の間で不整合が生じるのを、さらに確実に防止できる。
【0011】
好ましくは、前記非接触リーダライタは、前記搬送波の前記受信レベルの値が、予め定められている前記カードの通信限界情報を超えるときに前記データ処理部からの送信が停止される前記コマンドが、データ書き込みを含む特定の前記コマンドであることを特徴とする。
【0012】
前記構成によれば、非接触リーダライタは、カードからの搬送波の受信レベルの値が、予め定められているカードの通信限界情報を超えるときには、通信限界付近でのデータ書き込みを含む特定のコマンドを送信するのを停止することで、データの通信エラーを防止することができる。
【0013】
好ましくは、前記非接触リーダライタは、前記カードの前記通信限界情報は、前記カードの種類毎に設定されることを特徴とする。
【0014】
前記構成によれば、非接触リーダライタのカードの通信限界情報は、カードの種類毎に設定されるので、カードの種類が異なっても、各種のカードについて、カードへのコマンドの書き込みに失敗することがなくなり、各種のカード内のデータと、データ処理部のデータや上位システムである例えばサーバ内のデータと、の間で不整合が生じるのを防止することができる。
【0015】
好ましくは、前記非接触リーダライタは、予め定められている前記カードの通信限界情報と、実際に前記非接触リーダライタが配置される実環境下において測定して得られる前記実環境下の前記カードの通信限界情報と、を取得する構成となっていることを特徴とする。
【0016】
前記構成によれば、非接触リーダライタは、予め定められているカードの通信限界情報だけでなく、非接触リーダライタが配置される実環境下でのカードの通信限界情報をも取得することで、実環境下において、より精度良く、通信限界情報付近での通信エラーを防止できる。
これにより、カードへのコマンドの書き込みに失敗することがなくなり、カード内のデータと、データ処理部のデータや上位システムである例えばサーバ内のデータと、の間で不整合が生じるのを防止することができる。
【0017】
好ましくは、前記非接触リーダライタは、予め定められている前記カードの通信限界情報以外の特定の位置で前記カードに対する通信が不可の領域がある場合には、前記特定の位置での前記データ処理部からの前記コマンドの送信を停止することを特徴とする。
【0018】
前記構成によれば、非接触リーダライタは、特定の位置でカードに対する通信が不可の領域がある場合には、特定の位置でのデータ処理部からのコマンドの送信を停止する。
これにより、予め定められているカードの通信限界情報以外にもカードに対する通信が不可の領域がある場合には、特定の位置でのデータ処理部からのコマンドの送信を停止することで、通信性能を改善でき、カード内のデータと、データ処理部のデータや上位システムである例えばサーバ内のデータと、の間で不整合が生じるのを防止することができる。
【0019】
好ましくは、前記非接触リーダライタは、前記カードを近づけていないときの前記搬送波の受信レベルを記憶することを特徴とする。
【0020】
前記構成によれば、非接触リーダライタは、カードを近づけていないときの搬送波の受信レベルを記憶することで、搬送波の受信レベルに異常があるかどうかを識別して、実環境下において、非接触リーダライタの付近に、搬送波に影響を与える金属体等の物体が存在しているか否かを確認することができる。
【0021】
前記目的は、本発明によれば、データ処理部を有し、カードと非接触で通信可能な非接触リーダライタの制御方法であって、前記データ処理部で生成され、変調され、搬送波に重畳されるコマンドを前記カードに対して送信データとしてアンテナ部が出力し、前記送信データに応じて前記カードから得られる前記コマンドに応じた受信データの前記搬送波の受信レベルを搬送波受信レベル測定回路が測定し、前記搬送波受信レベル測定回路は、前記搬送波の前記受信レベルの値が、予め定められている前記カードの通信限界情報を超えたときに、前記データ処理部からの前記コマンドの送信を停止する構成となっていることを特徴とする非接触リーダライタの制御方法により達成される。
【0022】
前記目的は、本発明によれば、データ処理部を有し、カードと非接触で通信可能な非接触リーダライタに、前記データ処理部で生成され、変調され、搬送波に重畳されるコマンドを前記カードに対して送信データとしてアンテナ部が出力する機能、前記送信データに応じて前記カードから得られる前記コマンドに応じた受信データの前記搬送波の受信レベルを搬送波受信レベル測定回路が測定する機能、前記搬送波受信レベル測定回路は、前記搬送波の前記受信レベルの値が、予め定められている前記カードの通信限界情報を超えたときに、前記データ処理部からの前記コマンドの送信を停止する機能、を実現させるための非接触リーダライタの制御プログラムにより達成される。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、通信限界付近でのコマンドの通信エラーを防止できる非接触リーダライタ、非接触リーダライタの制御方法及び非接触リーダライタの制御プログラムを提供することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る非接触リーダライタの構成例を示すブロック図である。
図2】搬送波受信レベルの値に対する、非接触リーダライタとカードとの間の距離の関係例を示す図である。
図3】カードの種類による搬送波受信レベルの値の違いの例を示す図である。
図4】非接触リーダライタのコマンドの送信時の搬送波の波形例と、カードからのレスポンスの送信時の搬送波の波形例と、を示す図である。
図5】負荷変調強度の値に対する、非接触リーダライタとカードとの距離の関係例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0026】
(非接触リーダライタ10の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る非接触リーダライタの構成例を示している。
図1に示す非接触リーダライタ10は、概略的には、カード100と非接触で通信可能な構成となっている。
具体的には、非接触リーダライタ10から発信され、カード100で反射した搬送波を受信し、その平均的な受信レベルを測定する機能を実装しており、この搬送波の平均的な受信レベルを受信した結果に基づいて、非接触リーダライタ10に対するカード100の位置を推定する構成となっている。
【0027】
これにより、非接触リーダライタ10は、非接触リーダライタ10からのカード100の位置を推定して、カード100に対する通信限界情報である例えば、通信限界付近での通信エラーを低減もしくは無くすことができる。
これにより、非接触リーダライタ10がカード100へのコマンドの書き込みに失敗することがなくなり、カード100内のデータと、例えばデータ処理部11やサーバ等の上位システム1内のデータと、の間で不整合が生じるのを防止することできる。
【0028】
図1に示す非接触リーダライタ10は、データ処理部11と、変調回路12と、復調回路13と、搬送波生成部14と、搬送波受信レベル測定回路20と、負荷変調強度レベル測定回路30と、アンテナ部40と、を備えている。
【0029】
この非接触リーダライタ10では、データ処理部11で生成されたコマンドCMは、変調回路12に送られて変調回路12において変調する。この変調したコマンドCMは、搬送波生成部14で生成された搬送波CRに対して重畳する。
そして、コマンドCMを重畳した搬送波CRは、アンテナ部40からカード100に対して、予め定めた周波数の電波で送信するようになっている。
【0030】
次に、非接触リーダライタ10の各構成要素について、順に説明する。
(データ処理部11)
まず、データ処理部11について、図1を参照して説明する。
図1に示すデータ処理部11では、変調回路12と、復調回路13と、搬送波生成部14と、搬送波受信レベル測定回路20と、負荷変調強度レベル測定回路30と、に電気的に接続されており、データ処理部11は、各回路の各動作を制御する。
【0031】
データ処理部11は、好ましくは、記憶部15を備えている。
この記憶部15は、対象となる各種のカード100(100A~100Gで示す)について、各カード100の種類に応じた通信限界(通信限界距離)における各カード100からの搬送波の受信レベルV(図1では、VA~VGで示す)を、予め準備情報として記憶することができる。
また、データ処理部11は、好ましくは、ホストコンピュータやサーバ等の上位システム1に接続可能であり、データ処理部11は、上位システム1との間で、各種のデータのやり取りが可能である。
【0032】
(変調回路12)
図1に示す変調回路12は、データ処理部11で生成されて送られてくるコマンドCMを変調する。
その後、変調したコマンドCMは、搬送波生成部14で生成されて送られてくる搬送波CRに対して重畳される。
生成されたコマンドCMを含む搬送波CRは、アンテナ部40から送信データSDとして、カード100に対して出力される。
【0033】
(復調回路13)
復調回路13は、アンテナ部40で受信した、カード100から得られるコマンドCMに応じた受信データRD(レスポンス)を復調して、データ処理部11に送る。
【0034】
(搬送波生成部14)
上述したように、搬送波生成部14は、搬送波CRを生成して、この搬送波CRを、変調回路12で変調したコマンドCMを重畳する。
【0035】
(搬送波受信レベル測定回路20)
次に、図1に示す搬送波受信レベル測定回路20を説明する。
従来用いられているリーダライタでは、データ処理部で生成されたコマンドを変調して、このコマンドが搬送波に重畳した状態でアンテナ部から出力される。
【0036】
このコマンドに対するカードからのレスポンスは、復調回路で受信データとして生成されて、データ処理部でそのレスポンスに応じた処理がされる。
この従来用いられているリーダライタの場合には、カードは、リーダライタのアンテナ部に近づくことで起動して動作可能になるが、リーダライタ側は、どのタイミングでどのような距離でカードが近づいてくるかどうかが全く分からない。
このため、通常のリーダライタは、カードの距離に関係なく、コマンドを連続的にカードに対して送り続け、カードが近づいてカードからレスポンスが返ってきて初めてカードの存在を知る構成となっている。
【0037】
また、従来用いられているリーダライタは、カードの補捉、相互認証、データの読み出し、データの書き込みで1つの処理を完了するが、カード自体は、所有者が手で持ってリーダライタに対してかざしているために、カードが予期せぬタイミングでリーダライタから離れて通信ができなくなることがある。
【0038】
特に、データ書き込みを行ったタイミングで、カードがリーダライタから離れてしまうと、リーダライタは、カード内のデータが正しく更新されたかどうかが分からなくなり、カード内のデータと、サーバ内のデータとが不整合になってしまうという問題が発生する。
【0039】
そこで、図1に示す本発明の実施の形態の非接触リーダライタ10では、このようなカード100内のデータと、データ処理部11内のデータや上位システム1内のデータと、の間に不整合が発生しないようにするために、搬送波受信レベル測定回路20が、カード100からの受信データRDの搬送波CRの受信データRDの搬送波受信レベルVを測定する。
【0040】
図1に示す搬送波受信レベル測定回路20の受信レベル測定機能は、搬送波CRを、例えばダイオード検波する等の方式で得ている。
具体的には、搬送波受信レベル測定回路20は、アンテナ部40で受信したカード100から得られる受信データRDにおける搬送波CR(非接触リーダライタ10で発信した後、カード100で反射した搬送波)の搬送波受信レベルVを測定する。
【0041】
この受信データRDは、アンテナ部40から送られたコマンドCMに応じたカード100からのレスポンスである。
そして、搬送波受信レベル測定回路20は、搬送波CRの搬送波受信レベルV(記憶部15では、各カード100の種類に応じた搬送波受信レベルVA~VGで示す)を、カード100の種類毎にデータ処理部11に送る。
【0042】
搬送波受信レベル測定回路20は、受信データRDにおける搬送波CRの搬送波受信レベルVを測定する際には、カード100からの受信データRDの搬送波CRに存在するカード100からの非常に微弱な負荷変調信号Hを大きく取り出せるように、外部からの外乱等によって出力レベルが大きく変化するように作られている。
【0043】
図2は、搬送波受信レベルVの値に対する、非接触リーダライタ10とカード100との間の距離Tの関係例を示している。
図2において、縦軸は、搬送波受信レベルVを示し、横軸は、非接触リーダライタ10とカード100との間の距離Tを示している。
【0044】
図2に示すように、本発明者が研究した結果、搬送波受信レベルVの値は、カード100が密着した位置からカード100との距離Tが大きくなるに従って低下していくが、途中から上昇していき、搬送波受信レベルVが、通信可能距離DDまでの間で、大きく変動することが判明した。
【0045】
このように、図1のカード100が非接触リーダライタ10に近づくと、搬送波CRの図2に示す搬送波受信レベルVが、大きく変動するが、この大きく変動する搬送波CRの搬送波受信レベルVの変動の特徴を利用して、非接触リーダライタ10のデータ処理部11は、カード100の位置の推定を行う。
【0046】
図2に示すように、図1に示すカード100が、非接触リーダライタ10に近づくにつれて、搬送波受信レベルVは、低くなっていく距離の区間がある。
そこで、データ処理部11は、予めカード100の通信限界距離(通信限界情報)TSでの搬送波受信レベルVlimitを測定しておく。
【0047】
そして、実際に受信する搬送波受信レベルV(例えばVmax)の値が、このカード100の通信限界距離TSでの搬送波受信レベルVlimit以上(「通信限界情報を超える」一例)であれば、カード100とアンテナ部40との間の距離は、通信可能距離DDから逸脱しているので、アンテナ部40は、受信データRDの受信に失敗するおそれがある。
【0048】
このように実際に受信する搬送波受信レベルV(例えばVmax)の値が、このカード100の通信限界距離TSでの搬送波受信レベルVlimit以上であれば、図1に示す非接触リーダライタ10は、データ処理部11からのコマンドCMの送出を直ちに停止する。
また、カード100は、常に移動してしまう可能性があるため、コマンドCMの送出の停止は、Vlimitよりも低い電圧で停止させることでより通信の成功率を高めることができる。
【0049】
非接触リーダライタ10のデータ処理部11が、カード100の通信限界距離TSのときには、このようなコマンドCMの送出停止の制御を行うことで、従来生じていたカード100に対してデータを書き込むときにデータ更新ができず、このため、カード100内のデータと、データ処理部内のデータや上位システム1におけるサーバ内のデータと、の間に不整合が発生するのを未然に防止することができる。
【0050】
(データ処理部11の記憶部15)
ところで、図2に示すカード100からの搬送波受信レベルVの値は、図1に示すカード100の種類(100A~100Gで示す)によって異なる。
つまり、カード100の種類ごとに、図2に示す搬送波受信レベルVの値、すなわち通信可能距離DDの値が異なる。
【0051】
図3は、実線、破線、一点鎖線により、カード100(例えば、カード100A、100B、100C)の種類による搬送波受信レベルVの違いの例を示している。
図1に示すデータ処理部11の記憶部15は、好ましくは、必要に応じて、対象となる各種のカード100(100A~100Gで示す)について、各カード100の種類に応じた図2に示す通信限界距離TSでの搬送波受信レベルVA~LGの値を、予め記憶しておくことができる。
【0052】
これにより、データ処理部11は、カード100の種類の搬送波受信レベルVの値の違いに応じて、適切なタイミングでコマンドCMを送出することができる。
このため、非接触リーダライタ10は、カード100を捕捉した時に、カード100からの受信データ(レスポンス)RDに基づいて、カード100の種類(100Aから100Gで示す)の種類を特定できる。
【0053】
非接触リーダライタ10は、かざされたカード100の種類毎の図2に示す通信可能距離DDに合わせた搬送波受信レベルVlimitを基にして、データの送受信処理を迅速にできる。
しかも、図2に示す搬送波受信レベルVlimitについては、非接触リーダライタ10を運用中にも、データ処理部11は、通信の成功時と通信の失敗時の搬送波受信レベルVlimitをリアルタイムで取り込んで改善し、非接触リーダライタ10を使用する回数が増えることで、より正確なカード100に対するデータの読み取りと書き込み処理が行える構成となっている。
【0054】
(負荷変調強度レベル測定回路30)
次に、図1に示す負荷変調強度レベル測定回路30を説明する。
図4は、図1に示す送信データSDと、受信データRDの一例を示している。
【0055】
図4(A)に示すように、非接触リーダライタ10のコマンドCMの送信時の搬送波CRが、図1に示すアンテナ部40からカード100側に送信される。
コマンドCMの送信時の搬送波CRには、小さい波形高のコマンドCMが含まれている。
一方、カード100からの受信データ(レスポンス)RDの搬送波CRには、小さい波形高の受信データ(レスポンス)のコマンドMLが含まれていて、受信データRDは、カード100からアンテナ部40に受信される。
【0056】
図4(B)には、一例として、図4(A)の受信データ(レスポンス)RDの搬送波CRの一部を拡大して示しており、搬送波CRの最大レベルを「A」で表示し、レスポンスのコマンドMLを除いた搬送波CRのレベルを「B」で示し、そして搬送波CRに含まれるレスポンスの負荷変調信号Hの負荷変調強度を「α」で示すと、負荷変調強度αは、次式で表される。
負荷変調強度α=(A-B)/(A+B)×100(%)
【0057】
図5は、負荷変調強度αの値に対する、非接触リーダライタ10とカード100との距離Tの関係例を示している。
図5に示すように、本発明者が研究した結果、この負荷変調強度αは、カード100との間の距離Tが小さいと最大になり最も強いが、カード100との距離Tが増加すると、急激に低下して、カード100の通信限界距離TSに達すると最も小さくなることが判明した。
【0058】
そこで、図1に示す負荷変調強度レベル測定回路30は、搬送波CRの負荷変調信号Hの負荷変調強度αを測定することにより、非接触リーダライタ10のデータ処理部11は、図2に示す搬送波CRの搬送波受信レベルVの測定だけでなく、必要に応じて好ましくは、図5に示す負荷変調強度αのレベルを負荷変調強度レベル測定回路30により同時に測定して、負荷変調強度αのレベルを得る。
【0059】
このように、非接触リーダライタ10は、上述した搬送波受信レベルVだけではなく、状況に応じて、搬送波CRの負荷変調強度αを、同時に測定できることから、合計2つの測定結果からカード100の位置を、より正確に推定できることになる。
【0060】
従って、本発明の実施の形態の非接触リーダライタ10は、カード100への書き込み用のコマンドCMの書き込みに失敗することがなくなり、カード100内のデータ(情報)と、データ処理部11内のデータ(情報)や例えばサーバのような上位システム1内のデータ(情報)との間で不整合が生じるのを、さらに確実に防止できる。
【0061】
(カード100)
ここで、図1に示すカード100について、説明する。
カード100は、アンテナ部40との間での無線通信により、非接触リーダライタ10側から搬送波CRとコマンドCMを含む送信データSDを受信する。
しかも、カード100は、非接触リーダライタ10側へは、搬送波CRとコマンドCMに応じた受信データRDをアンテナ部40へ送信する。
カード100の用途としては、例えば交通系のICカードや社員証等として個人認証や電子マネー等としても用いることができるが、カード100の用途はこれらの用途に特に限定されない。
【0062】
カード100は、ICタグ、RFタグ、RFIDタグ、電子タグ、無線タグ等とも呼ぶことができるが、特に限定されない。本発明では、カードは、例えば交通系のICカードや社員証等として個人認証や電子マネー等に用いられる媒体を含む概念であり、カードは例えばプラスチック板等で携帯情報端末に組み込まれている回路基板である。
【0063】
カード100は、例えば、いわゆる「パッシブタグ」であり、アンテナ部40から送信された電波である搬送波CRとコマンドCMを含む送信データSDを受信することで動作させるもので、アンテナ部40からの電波をエネルギーとして動作することができる。
カード100は、カードアンテナ部101と、ICチップ102を備えている。しかし、カード100は、いわゆる「パッシブタグ」の他に、「アクティブタグ」であっても良い。「アクティブタグ」は、電池を内蔵している。
【0064】
(アンテナ部40の例)
ここで、アンテナ部40について説明する。非接触リーダライタ10のアンテナ部40は、コイル41とコンデンサ42から成る。扱える送信データSDの周波数帯は、用途に応じて、例えばHF帯(13.56MHz帯)、LF帯、UHF帯を使用できる。
【0065】
(非接触リーダライタ10の使用状況下での動作例)
次に、非接触リーダライタ10の動作例を、図面を参照して説明する。
図3に例示したように、カード100の種類により、カード100の通信限界距離TSが異なることがほとんどである。
非接触リーダライタ10に対する各種のカード100の位置が、それ自身の特有のカード100の通信限界距離TSよりも近くにある場合には、図1に示す非接触リーダライタ10はカード100との通信を成功できる。
しかし、カード100の位置がカード100の通信限界距離TS以上遠くの位置にあると、非接触リーダライタ10は通信を失敗する。
【0066】
そこで、非接触リーダライタ10のデータ処理部11は、各カード100の種類毎に、通信できない距離の範囲を特定して、その通信できない距離の範囲では、データ処理部11は、コマンドCMの送出を行わない。
これにより、非接触リーダライタ10の通信の信頼性の向上を図ることと、非接触リーダライタ10の節電効果を発揮することができる。
【0067】
非接触リーダライタ10は、カード100の種類が異なっても、各種のカード100について、カード100へのコマンドCMの書き込みに失敗することがなくなり、カード100内のデータと、データ処理部11内のデータやサーバ等の上位システム1内のデータと、の間で不整合が生じることを未然に防止することができる。
【0068】
また、図1に示す非接触リーダライタ10は、近くに金属体があると、その金属体の影響を受けて、カード100との通信特性が悪くなり、図2図3に示すカード100を密着した位置に近づけた時と同様に、カード100の通信限界距離TSが疑似的に近くなってしまう現象を発生することがある。
金属体としては、例えば腕時計や、持っているカバンの金属部分、近くにあるPOSシステム等であるが、特に限定されない。
【0069】
そこで、非接触リーダライタ10に対してカード100を近づけていない場合に、搬送波受信レベルVの値が図2に示す搬送波受信レベルの最大値Vmaxの値であれば、非接触リーダライタ10は正常動作である。
しかし、カード100を近づけていないのに、搬送波受信レベルVの値が、搬送波受信レベルの最大値Vmaxの値よりも低くなっている場合には、データ処理部11は、非接触リーダライタ10の周辺に金属体が存在している等の非接触リーダライタ10の設置環境に悪影響があることを、検知できる。
このようにして、データ処理部11は、非接触リーダライタ10の近くに金属体があるかどうかを判断することができる。
【0070】
また、図1に示す非接触リーダライタ10には搬送波受信レベル測定回路20が設けられている。
これにより、図2に示す搬送波受信レベルVの値が、予め定められているカード100の通信限界距離TS以上の時には、図1に示すデータ処理部11からのコマンドCMの送信を停止する。
このように、本実施の形態では、カード100が非接触リーダライタ10に近づくと、搬送波受信レベル測定回路20が測定する搬送波レベルVが図2に示すように変動することから、データ処理部11はこの変動を利用して、非接触リーダライタ10からのカード100の位置を推定する。
【0071】
そして、図2に示す搬送波受信レベルVの値が、予め定められているカード100の通信限界距離TS以上の時には、図1に示すデータ処理部11からのコマンドCMの送信を停止する。
これにより、通信限界距離TS付近での通信エラーを防止することができる。
【0072】
したがって、本実施の形態によれば、非接触リーダライタ10は、カード100への書き込みコマンドCM1の書き込み動作に失敗することがなくなり、データ(情報)の通信エラーを防止することができる。
また、カード100内のデータと、データ処理部11内のデータやサーバ等の上位システム1のデータと、の間での不整合を確実に防止することができる。
【0073】
図1に示す非接触リーダライタ10は、搬送波受信レベル測定回路20に加えて、さらに搬送波の負荷変調強度レベルを測定する負荷変調強度レベル測定回路30を備えている。
これにより、非接触リーダライタ10は、図2図3に示す搬送波受信レベルVの測定だけでなく、図1に示すアンテナ部40がカード100からの図4に示す搬送波CRの負荷変調強度αのレベル測定も同時に行う構成となっている。
【0074】
このため、搬送波受信レベルVの測定と搬送波CRの負荷変調強度αのレベル測定の合計2つの測定結果から、データ処理部11はカード100位置を、より正確に推定できる。
したがって、非接触リーダライタ10は、カード100への書き込みコマンドCM1の書き込み処理に失敗することがさらになくなり、カード100内のデータと、データ処理部11内のデータやサーバ等の上位システム1のデータと、の間での不整合を、さらに確実に防止することができる。
【0075】
また、本実施の形態に係る非接触リーダライタ10は、データ処理部11が、図2に示す予め定められているカード100の通信限界距離TSだけでなく、非接触リーダライタ10自体が配置される実環境下でのカード100の通信限界距離TSをもリアルタイムで取得することができる。
【0076】
これにより、実際の使用環境下において、非接触リーダライタ10は、より精度良く、カード100の通信限界距離TS付近での情報の送受信における通信エラーを防止することができる。
したがって、非接触リーダライタ10は、カード100へのコマンドCMの書き込みに失敗することがなくなり、カード100内のデータと、データ処理部11内のデータやサーバ等の上位システム1のデータと、の間での不整合を防止することができる。
【0077】
また、本実施の形態では、もし、非接触リーダライタ10のデータ処理部11が、特定の位置でカード100に対する通信が不可の領域があると判断した場合には、その特定の位置でのデータ処理部11からのコマンドCMの送信を停止する構成となっている。
これにより、非接触リーダライタ10は、予め定められているカード100の通信限界距離TS以外にもカード100に対する通信が成功できるかどうかを測定して、通信が不可の領域がある場合、その特定の位置でのコマンドCMの送信を制限することができ、非接触リーダライタ10における通信性能を改善できる。
【0078】
また、本実施の形態の非接触リーダライタ10は、データ処理部11がカード100を近づけていない時の実際の搬送波受信レベルVを記憶することができる構成となっている。
このため、データ処理部11は、搬送波受信レベルVに異常があるかどうかを実環境下で識別して、非接触リーダライタ10の付近に、搬送波に影響を与える金属体等の物体が存在しているか否かを確認することができる。
【0079】
以上説明した実施形態においては、装置として実現される場合を例に挙げて説明したが、本発明は、これに限定されず、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)光磁気ディスク(MO)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納され頒布されてもよい。
【0080】
また、記憶媒体は、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記憶媒体であればよい。記憶媒体の記憶形式は、特には限定されない。
【0081】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)や、データベース管理ソフト、ネットワークソフト等のMW(ミドルウエア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部を実行してもよい。
【0082】
さらに、本発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体には限定されず、LANやインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0083】
また、本発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づいて本実施形態における各処理を実行すればよく、1つのパソコン等からなる装置であってもよいし、複数の装置がネットワーク接続されたシステム等であってもよい。
【0084】
また、本発明におけるコンピュータとは、パソコンには限定されず、情報処理機器に含まれる演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本発明の機能を実現することが可能な機器、装置を総称している。
【0085】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
非接触リーダライタは、例えば、交通系の課金や認証用のシステムとして用いることができるが、これに限定されず、他の分野や領域で採用できる。例えば、非接触リーダライタは、会社における社員証の認証用のシステムや、商品の管理システム等に用いることができる。
【符号の説明】
【0086】
1・・・上位システム、10・・・非接触リーダライタ、11・・・データ処理部、12・・・変調回路、13・・・復調回路、14・・・搬送波生成部、15・・・記憶部、20・・・搬送波受信レベル測定回路、30・・・負荷変調強度レベル測定回路、40・・・アンテナ部、100(100A~100G)・・・カード、101・・・カードアンテナ部、102・・・ICチップ、CM・・・コマンド、CR・・・アンテナ部からの搬送波、DD・・・通信可能距離、H・・・負荷変調信号、ML・・・受信データ(レスポンス)のコマンド、SD・・・送信データ、RD・・・受信データ(レスポンス)、TS・・・カードの通信限界距離(通信限界)、V・・・搬送波受信レベル、α・・・負荷変調強度

図1
図2
図3
図4
図5