(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100227
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】非破壊検査装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 29/06 20060101AFI20240719BHJP
G01N 29/11 20060101ALI20240719BHJP
G01N 29/48 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G01N29/06
G01N29/11
G01N29/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004064
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千星 淳
(72)【発明者】
【氏名】中島 弘達
(72)【発明者】
【氏名】牧野 駿介
(72)【発明者】
【氏名】古川 克智
(72)【発明者】
【氏名】池内 洋治
(72)【発明者】
【氏名】吉光 祐樹
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA08
2G047BA03
2G047BC03
2G047BC09
2G047CA01
2G047DB02
2G047DB03
2G047GB02
2G047GG24
2G047GG28
2G047GH06
2G047GH07
(57)【要約】
【課題】超音波探傷試験により、樹脂コーティング部の内部欠陥を簡便に検出することができる非破壊検査技術を提供する。
【解決手段】非破壊検査装置10は、プローブ27に設けられた振動子25を発振させ超音波ビーム26を送信させる送信部17と、規則的な凹凸構造31にコーティングされた樹脂層30に入射させた超音波ビーム26のエコー波形20を受信する受信部18と、エコー波形20のうち樹脂層30の入射面32に由来するものを第1基準信号21に認定する第1認定部11と、エコー波形20のうち樹脂層30の深さ位置が共通し面方向において規則的に受信されたものを凹凸構造31に由来する第2基準信号22に認定する第2認定部12と、エコー波形20のうち第1基準信号21から第2基準信号22に挟まれるビーム路程28で受信されたものを欠陥信号23として抽出する抽出部13と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブに設けられた振動子を発振させ超音波ビームを送信させる送信部と、
規則的な凹凸構造にコーティングされた樹脂層に入射させた前記超音波ビームのエコー波形を受信する受信部と、
前記エコー波形のうち、前記樹脂層の入射面に由来するものを第1基準信号に認定する第1認定部と、
前記エコー波形のうち、前記樹脂層の深さ位置が共通し面方向において規則的に受信されたものを前記凹凸構造に由来する第2基準信号に認定する第2認定部と、
前記エコー波形のうち、前記第1基準信号から前記第2基準信号に挟まれるビーム路程で受信されたものを欠陥信号として抽出する抽出部と、を備える非破壊検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の非破壊検査装置において、
アレイ状に配置した複数の前記振動子の各々の発振タイミングを調整することで前記超音波ビームを走査させる電子走査部を備える非破壊検査装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の非破壊検査装置において、
前記プローブを移動することで前記超音波ビームを走査させる機械走査部を備える非破壊検査装置。
【請求項4】
請求項3に記載の非破壊検査装置において、
前記欠陥信号に基づいて前記樹脂層の深さ方向に沿う断面像又は前記入射面からの透視像を画像化する画像化部を備える非破壊検査装置。
【請求項5】
プローブに設けられた振動子を発振させ超音波ビームを送信させるステップと、
規則的な凹凸構造にコーティングされた樹脂層に入射させた前記超音波ビームのエコー波形を受信するステップと、
前記エコー波形のうち、前記樹脂層の入射面に由来するものを第1基準信号に認定するステップと、
前記エコー波形のうち、前記樹脂層の深さ位置が共通し面方向において規則的に受信されたものを前記凹凸構造に由来する第2基準信号に認定するステップと、
前記エコー波形のうち、前記第1基準信号から前記第2基準信号に挟まれるビーム路程で受信されたものを欠陥信号として抽出するステップと、を含む非破壊検査方法。
【請求項6】
請求項5に記載の非破壊検査方法において、
前記規則的な凹凸構造は車軸摺動面に形成されたものである非破壊検査方法。
【請求項7】
コンピュータに、
プローブに設けられた振動子を発振させ超音波ビームを送信させるステップ、
規則的な凹凸構造にコーティングされた樹脂層に入射させた前記超音波ビームのエコー波形を受信するステップ、
前記エコー波形のうち、前記樹脂層の入射面に由来するものを第1基準信号に認定するステップ、
前記エコー波形のうち、前記樹脂層の深さ位置が共通し面方向において規則的に受信されたものを前記凹凸構造に由来する第2基準信号に認定するステップ、
前記エコー波形のうち、前記第1基準信号から前記第2基準信号に挟まれるビーム路程で受信されたものを欠陥信号として抽出するステップ、を実行させる非破壊検査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、超音波探傷試験による非破壊検査技術に関する。
【背景技術】
【0002】
発電プラントの車軸摺動面には、摩擦低減のためホワイトメタル、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の材料が金属面にコーティングされている。この車軸摺動面における異常検知は、軸振動に伴い発生する“異音”の有無で判断するのが一般的である。
【0003】
そして、車軸摺動面に異常が発生した場合は、異音などが検知されて初めて、プラントの運転を停止し対処することになる。このため、発電プラントの信頼性向上、及び稼働率向上のためには、コーティング部を定期的に検査し健全性を担保することは重要である。
【0004】
ところで、車軸摺動面のコーティング部に対する検査は、現状においては、表面観察にとどまっており、内部観察までは一般的に実施されていない。その理由は、コーティング部の内部に欠陥が発生する確率は低いと考えられているためである。その一方で、コーティング部を観察する公知技術として、走査型超音波プローブを適用し、大型回転機器のボスとブッシュの接合面における摩耗を、超音波の反射から異常状態となる前に予知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
車軸摺動面のコーティング部の全体を検査するためには超音波探傷試験あるいは放射線透過試験が考えられる。構造上の制約や形状の観点から、放射線透過試験を適用することは困難で、超音波探傷試験の適用が検討されている。
【0007】
ところで、コーティング部に超音波探傷試験を適用する場合には、次のような課題がある。すなわち、(1)コーティング部の厚さは数mm程度であるため、多重エコーの影響が大きい。(2)斜角探傷を適用する場合は、樹脂材料の音速は金属材料と比較して遅いため、探傷試験が困難である。(3)コーティング部は、金属面に接合されているため、複雑な構造を持つ。
【0008】
上述の走査型超音波プローブを用いた公知技術では、超音波の反射強度から、ボスとブッシュの接合面の剥離状態を判断している。しかしながら、この公知技術は、コーティング部の接触面の状態のみを判断するもので、その内部欠陥を検出することは困難である。
【0009】
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、超音波探傷試験により、樹脂コーティング部の内部欠陥を簡便に検出することができる非破壊検査技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係る非破壊検査装置において、プローブに設けられた振動子を発振させ超音波ビームを送信させる送信部と、規則的な凹凸構造にコーティングされた樹脂層に入射させた前記超音波ビームのエコー波形を受信する受信部と、前記エコー波形のうち前記樹脂層の入射面に由来するものを第1基準信号に認定する第1認定部と、前記エコー波形のうち前記樹脂層の深さ位置が共通し面方向において規則的に受信されたものを前記凹凸構造に由来する第2基準信号に認定する第2認定部と、前記エコー波形のうち前記第1基準信号から前記第2基準信号に挟まれるビーム路程で受信されたものを欠陥信号として抽出する抽出部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態により、超音波探傷試験により、樹脂コーティング部の内部欠陥を簡便に検出することができる非破壊検査技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態において規則的な凹凸構造にコーティングされた樹脂層を超音波探傷試験する非破壊検査装置のブロック図。
【
図3】横軸をビーム路程の伝搬時間とし縦軸を強度として超音波ビームのエコー波形を示したグラフ。
【
図4】車軸摺動面の規則的な凹凸構造を形成するパンチングメタルの斜視図。
【
図5】第2実施形態において規則的な凹凸構造にコーティングされた樹脂層を超音波探傷試験する非破壊検査装置のブロック図。
【
図6】実施形態に係る非破壊検査方法の工程及び非破壊検査プログラムのアルゴリズムを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態において、規則的な凹凸構造31にコーティングされた樹脂層30を超音波探傷試験する非破壊検査装置10A(10)のブロック図である。
図2は樹脂層30の超音波探傷結果を示す断面画像である。
図3は横軸をビーム路程35(A)~(I)の伝搬時間とし縦軸を強度として超音波ビーム26のエコー波形20を示したグラフである。
【0014】
図1に示すように非破壊検査装置10は、プローブ27に設けられた振動子25を発振させ超音波ビーム26を送信させる送信部17と、規則的な凹凸構造31にコーティングされた樹脂層30に入射させた超音波ビーム26のエコー波形20を受信する受信部18と、エコー波形20のうち樹脂層30の入射面32に由来するものを第1基準信号21に認定する第1認定部11と、エコー波形20のうち樹脂層30の深さ位置が共通し面方向において規則的に受信されたものを凹凸構造31に由来する第2基準信号22に認定する第2認定部12と、エコー波形20のうち第1基準信号21から第2基準信号22に挟まれるビーム路程28で受信されたものを欠陥信号23として抽出する抽出部13と、を備えている。
【0015】
超音波ビーム26を用いた非破壊検査は、検査対象である構造物や部品内の、欠陥、ボイド及び接合部の剥がれ等の状態を評価することが広く実施されている。検査対象である樹脂層30に入射させた超音波ビーム26の反射であるエコー波形20は、樹脂層30の表面(入射面32)、欠陥33、界面(凹凸構造31)の三つに由来している。そして、欠陥33を検出するためにはエコー波形20のなかから欠陥信号23に着目し抽出する処理が必要になる。そして、この欠陥由来の欠陥信号23の強度およびタイミングを検出することにより、検査対象である樹脂層30における欠陥33の位置、大きさ等の情報を可視化する。
【0016】
プローブ27は、圧電素子からなる振動子25と楔型のシュー29とから成り、液体音響媒体である音響カップラント(図示略)を介し、検査対象である樹脂層30の表面(入射面32)に密着配置される。なお、樹脂層30は、一般的な金属と比較して超音波ビーム26の伝播速度が小さい。このため、楔型のシュー29を構成する材質は、液状又はゲル状の音響媒体をケースに封入したものや、樹脂成型体(樹脂層30と同材質であるか否かは問わない)であることが望ましい。
【0017】
樹脂層30の音速と同程度の音速を持つ材料を楔型のシュー29に用いることで、斜角探傷による高精度な非破壊検査を実現できる。樹脂層30としてPTFE(ポリテトラフルオロエチレン;縦波音速1490m/s)を用いる場合は、シュー29としてゲル状の音響媒体(音速:1410m/s)を用いるのが好適である。また第1実施形態においてプローブ27は、入射面32を手動走査させることで、広範にわたる樹脂層30の探傷を実施することを想定している。
【0018】
送信部17は、プローブ27に設けられた振動子25を発振させ超音波ビーム26を送信させる。このように超音波ビーム26が樹脂層30に入射すると、入射面32において第1基準信号21を反射し凹凸構造31において第2基準信号22を反射する。そして、ビーム路程35に欠陥33が存在するとそこで反射し、欠陥信号23として振動子25に検出される。
【0019】
受信部18(
図1)では、そのような超音波ビーム26の反射を振動子25が検出し出力したエコー波形20を受信する。この振動子25から微弱なアナログ信号として出力されるエコー波形20は、受信部18に受信され増幅された後にデジタル信号に変換される。
【0020】
第1認定部11は、エコー波形20のうち樹脂層30の入射面32に由来するものを第1基準信号21に認定する。具体的には、振動子25を発振させた後、エコー波形20に最初に検出されるものを第1基準信号21として認定する。
【0021】
第2認定部12は、エコー波形20のうち樹脂層30の深さ位置が共通し面方向において規則的に受信されたものを凹凸構造31に由来する第2基準信号22に認定する。パンチングメタル(
図4)のような凹凸構造31で観測される第2基準信号22は、上面角部からの反射と下面角部からの反射の微小時間ずれにより、図示するようエコー波形20においてダブルピークを持つ。このようなダブルピークに基づいて第2基準信号22を認定することもできる。
【0022】
抽出部13は、エコー波形20のうち第1基準信号21を樹脂層30の入射面32と境界設定し、第2基準信号22を凹凸構造31との界面と境界設定する。そして、ビーム路程28に設定した境界の両端に挟まれる領域で検出された欠陥信号23を抽出する。これにより、凹凸構造31からの反射などのノイズの影響を受けず樹脂層30から欠陥33を高感度で検出できる。
【0023】
画像化部19は、欠陥信号23に基づいて樹脂層30の深さ方向に沿う断面像又は入射面32からの透視像を画像化する。つまり、一般にAスコープと呼ばれるエコー波形20(
図3)、Bスコープと呼ばれる樹脂層30の断面画像(
図2)、Cスコープと呼ばれる樹脂層30の平面透視像(図示略)を表示する。
図2及び
図3の画像を得る場合、プローブ27の走査手段(図示略)と、それぞれのビーム路程35(A)~(I)の始点の位置認識手段(図示略)と、が必要となる。
【0024】
図4は、車軸摺動面の規則的な凹凸構造31を形成するパンチングメタルの斜視図である。車軸摺動面では、鋼材の上にパンチングメタルあるいはワイヤなどを接着し、さらにその上に樹脂層30がコーティングされている。このような規則的な凹凸構造31の上にコーティングされることで、摺動による樹脂層30の剥離等が抑制される。
【0025】
なお、樹脂層30をコーティングするための規則的な凹凸構造31としてパンチングメタルを例示したがこれに限定されるものではない。コーティング材料との接合面が規則正しい凹凸などの形状が形成されていればよく、ワイヤが規則正しく並んだ構造なども含めて適用可能である。また、樹脂層30の材料としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)が挙げられるが、これも特に限定されない。
【0026】
(第2実施形態)
次に
図5を参照して本発明における第2実施形態について説明する。
図5は第2実施形態において規則的な凹凸構造31にコーティングされた樹脂層30を超音波探傷試験する非破壊検査装置10B(10)のブロック図である。
【0027】
第2実施形態の非破壊検査装置10Bは、上述した第1実施形態の構成に、電子走査部16及び機械走査部14の少なくとも一方をさらに追加した構成をとる。第2実施形態においてプローブ27は、入射面32を電子的及び機械的に走査させることで、広範にわたる樹脂層30の探傷が自動的に実施される。なお、
図5において
図1と共通の構成又は機能を有する部分は、同一符号で示し、重複する説明を省略する。
【0028】
第2実施形態のプローブ27は、複数の振動子25が、リニアまたはマトリックスといったアレイ状に配列している。これら隣接する振動子25において発振タイミングの遅延時間を調節することで、超音波ビーム26の入射方向及び焦点距離を任意に設定することができる。そして設定部15において、入射方向等の走査条件が設定される。
【0029】
電子走査部16は、そのような発振タイミングを調整することでアレイ状の振動子25から照射する超音波ビーム26を走査させる。また電子走査部16は、設定部15の入力に基づいて、振動子25の発振タイミングの遅延時間を演算する。送信部17は、電子走査部16で演算された遅延時間に基づいて、パルス信号36をそれぞれの振動子25に送信し発振させる。
【0030】
機械走査部14は、プローブ27を機械的に移動させることで超音波ビーム26を走査させるものである。プローブ27は、入射面32に沿って機械的に移動する駆動部37に連結している。駆動部37は、機械走査部14から送信される駆動信号38に基づいて、入射面32上でプローブ27を走査する。また、図示はプローブ27を一次元的にのみ移動させているが、二次元的に移動させることもできる。
【0031】
なお第2実施形態における超音波ビーム26はアレイ状ではなく単一の振動子25が設けられたプローブ27を機械的に移動させて超音波ビーム26を走査することもできる。
【0032】
図6のフローチャートに基づいて実施形態に係る非破壊検査方法の工程及び非破壊検査プログラムのアルゴリズムを説明する(適宜、
図1及び
図5参照)。まず入射面32に当接させたプローブ27に設けられた振動子25を発振させ(S11)、超音波ビーム26を送信させる(S12)。そして、樹脂層30に入射した超音波ビーム26が反射したエコー波形20を受信する(S13)。
【0033】
次に、エコー波形20のうち樹脂層30の入射面32に由来するものを第1基準信号21に認定する(S14)。そして、エコー波形20のうち樹脂層30の深さ位置が共通し面方向において規則的に受信されたものを凹凸構造31に由来する第2基準信号22に認定する(S15)。さらに、エコー波形20のうち第1基準信号21から第2基準信号22に挟まれるビーム路程28で受信されたものを欠陥信号23として抽出する(S16)。そして、欠陥信号23に基づいて樹脂層30の縦断面像又は平面透視像を画像化する(S17、END)。
【0034】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の非破壊検査装置によれば、超音波探傷試験によるエコー波形のうち深さ位置が共通し面方向において規則的に受信された信号を界面の凹凸構造に由来するに認定することにより、樹脂コーティング部の内部欠陥を簡便に検出することが可能となる。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0036】
以上説明した非破壊検査装置は、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスやキーボードなどの入力装置と、通信I/Fとを、備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。このため非破壊検査装置の構成要素は、コンピュータのプロセッサで実現することも可能であり、非破壊検査プログラムにより動作させることが可能である
【0037】
また非破壊検査プログラムは、ROM等に予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供するようにしてもよい。
【0038】
また、本実施形態に係る非破壊検査プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしてもよい。また、非破壊検査装置は、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワーク又は専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
【符号の説明】
【0039】
10…非破壊検査装置、11…第1認定部、12…第2認定部、13…抽出部、14…機械走査部、15…設定部、16…電子走査部、17…送信部、18…受信部、19…画像化部、20…エコー波形、21…第1基準信号、22…第2基準信号、23…欠陥信号、25…振動子、26…超音波ビーム、27…プローブ、28…ビーム路程、29…シュー、30…樹脂層、31…凹凸構造、32…入射面、33…欠陥、35…ビーム路程、36…パルス信号、37…駆動部、38…駆動信号。