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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100234
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】動力機関システム
(51)【国際特許分類】
   F04D 25/16 20060101AFI20240719BHJP
   F01D 15/10 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
F04D25/16
F01D15/10 A
F01D15/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004077
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】522163735
【氏名又は名称】大電爾晃一製作所合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【弁理士】
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100175271
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 宣圭
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 捷雄
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB12
3H130AB27
3H130AB42
3H130AB52
3H130AC17
3H130BA66C
3H130CB01
3H130DA02Z
3H130DD01
3H130EA02C
3H130ED05C
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素の排出を抑制できると共に高い圧力の空気流を動力として排出できる動力機関システムを提供する。
【解決手段】動力機関システムは、吸引ファン部3と、複数のインペラ部34と、複数のディフューザー部11と、複数のマニフォールド排出管14と、空気流管8と、焼玉付き熱線ヒータ13と、空気流排出部25と、発電部60を備える。吸引ファン部3が発生させた空気流は、インペラ部34と空気流管8へ流れ、インペラ部34とディフューザー部11を通過し、マニフォールド排出管14へ送られる。ディフューザー部11を通過するごとに空気流の圧力が増大する。空気流管8内の焼玉付き熱線ヒータ13が、空気流管8内の空気流を加熱して圧力を増大させる。空気流排出部25は、ディフューザー部11を通過した空気流と空気流管8を通過した空気流を含む混合空気流を動力として排出し、混合空気流の一部を発電部60へ排出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転して一定方向へ空気流を発生可能なファン部と、
該ファン部が発生させた空気流を、同空気流の方向に対して略直交する方向である遠心方向へ、回転して送出可能なインペラ部と、
該インペラ部の回転中心に対して略直交する方向上に配置されており、同インペラ部が送出した空気流が通過可能であり、同空気流の入口から出口へ向けて通過面積が増大したディフューザー部と、
前記インペラ部の回転中心に対して略直交する方向上において前記ディフューザー部よりも同インペラ部から遠い位置に配置されており、同ディフューザー部の出口に連通した排出管と、
前記ファン部が発生させた空気流が通過可能であり、前記インペラ部の回転中心に対して略直交する方向上において排出管よりも同インペラ部から遠い位置に配置された空気流管と、
該空気流管の内部に配置されており、同空気流管を通過する空気流を加熱可能な加熱部と、
前記排出管を通過した空気流と前記空気流管を通過した空気流とを含む混合空気流を排出可能な空気流排出部とを備える
動力機関システム。
【請求項2】
前記空気流管は、前記排出管から分岐した分岐管に連通した
請求項1に記載の動力機関システム。
【請求項3】
前記空気流管の一部に空気流の通過面積が小さい区間である狭区間が設けられており、前記加熱部が少なくとも同狭区間に配置された
請求項1に記載の動力機関システム。
【請求項4】
前記インペラ部に磁気体が取付けられており、
前記排出管は前記インペラ部の回転方向へ環状に配置されており、
前記排出管の外側面台に磁性体コイルが巻き付けられており、
前記加熱部と前記磁性体コイルとが電気的に接続された
請求項1に記載の動力機関システム。
【請求項5】
前記インペラ部と前記ディフューザー部と前記排出管とを一つの遠心圧縮部とした場合に、前記ファン部から離れる方向へ同遠心圧縮部が直列に複数配置されており、
各遠心圧縮部の排出管は、前記ファン部とは反対側へ向けて開口した
請求項1に記載の動力機関システム。
【請求項6】
前記空気流排出部と前記ファン部とを連通しており、前記混合空気流の一部が通過可能な循環空気流管を備える
請求項1に記載の動力機関システム。
【請求項7】
直線状に延びた中心軸体を中心に回転可能な円盤状の回転体と、該回転体の外周面に取付けられた磁気体と、該磁気体を囲む環状体と、該環状体に取付けられた磁性体コイルとを有する発電部を備え、
前記空気流排出部は、さらに、前記混合空気流の一部を前記発電部の前記回転体の外周面へ向けて排出可能である
請求項1に記載の動力機関システム。
【請求項8】
前記発電部の前記回転体と前記環状体はそれぞれ、互いに所定の距離を空けて一対に配置されており、
前記発電部は、
前記回転体同士の間に配置されており、同回転体の中心軸体を中心に回転可能な円盤状の中間回転体と、
該中間回転体の一方の外側面と該一方の外側面の反対側である他方の外側面とに取付けられた中間磁気体と、
前記中間回転体の前記一方の外側面と前記他方の外側面とに対向して配置された中間磁性体コイルと、
前記中間回転体の外周面に取付けられた風受部と、を有し、
前記空気流排出部は、さらに、前記混合空気流の一部を前記発電部の前記中間回転体の外周面へ向けて排出可能であり、
前記回転体にはそれぞれ、前記中間磁気体へ向いた同回転体の面と同中間磁気体とは反対側の同回転体の面との間を貫通した貫通穴が形成されており、
前記発電部は、前記磁気体へ向けて排出された一部の混合空気流のさらに一部を、前記回転体の前記貫通穴へ導入可能な冷却部を有する
請求項7に記載の動力機関システム。
【請求項9】
前記空気流管の内部に前記分岐管の先端が位置しており、同分岐管の先端が向けられた同空気流管の内側部分における空気流の通過面積が小さくなっており、空気流の通過面積が小さくなった同内側部分に螺旋状の溝が設けられた
請求項2に記載の動力機関システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は動力機関システムに関する。詳しくは、例えば自動車やジェット機のエンジンに適用される動力機関システムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
動力は、機械を駆動させるために必要なエネルギーである。
また、自動車のエンジンまたはモータは、このような動力(エネルギー)を力学的運動に変換するために設計された機械に相当する動力機関である。
【0003】
また、エンジンには、ガソリンエンジン、ジェットエンジン、ガスタービンエンジンなど様々な種類がある。
例えば、ガソリンエンジンは、燃料であるガソリンと空気の混合気を圧縮したあと点火し、燃焼そして膨張させて運動エネルギーを出力する。
また、ジェットエンジンは、外部から取り入れた空気を燃料で燃焼させることで大量の噴流(ジェット)を生成する。
また、ガスタービンエンジンは、燃料の燃焼などで生成された高温のガスでタービンを回して回転運動エネルギーを出力する。
【0004】
そして、エンジンの熱効率などの性能を向上させるための様々な技術が提案されている。
【0005】
例えば特許文献1には、ガスエンジンと、過給機と、ジェットアシスト装置と、燃料供給装置と、給気圧検出器と、電力計と、制御装置とを備えるガスエンジンシステムが記載されている。
【0006】
ここで、ガスエンジンは、空気及びガス燃料の混合気を吸入して燃焼させる燃焼室を有し、一定の回転数で発電機を駆動する。
また、過給機は、燃焼室と給気路を介して接続された圧縮機及び燃焼室と排気路を介して接続されたタービンを有し、燃焼室へ給気する。
また、ジェットアシスト装置は、圧縮機へ高圧空気を吹き付けて圧縮機の回転を助勢する。
【0007】
また、燃料供給装置は、燃焼室へのガス燃料の供給量を調整し、給気圧検出器は、燃焼室への実給気圧を検出し、電力計は、発電機の電力量を検出する。
また、制御装置は、実給気圧及び電力量を取得して、電力量を所定の目標電力量に調節するように、電力量に基づいて算出されるエンジン負荷に応じて実給気圧を制御する。
さらに制御装置は、エンジン負荷またはエンジン負荷に基づいて設定された目標エンジン負荷に対応する給気圧を目標給気圧として、実給気圧が目標給気圧に満たないときにジェットアシスト装置を作動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2020-125719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、燃料油よりは二酸化炭素排出量が少ないもののガス燃料を燃焼させるので、二酸化炭素の排出抑制という点では不充分であった。
また、特許文献1に記載のシステムは高圧空気を使用するものであるが、高圧空気を圧縮機へ吹き付けて圧縮機の回転を助勢するために使用されており、駆動力源と成り得るほど高い圧力の空気排出を意図するものではなかった。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、二酸化炭素の排出を抑制できると共に高い圧力の空気流を動力として排出できる動力機関システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明の動力機関システムは、回転して一定方向へ空気流を発生可能なファン部と、該ファン部が発生させた空気流を、同空気流の方向に対して略直交する方向である遠心方向へ、回転して送出可能なインペラ部と、該インペラ部の回転中心に対して略直交する方向上に配置されており、同インペラ部が送出した空気流が通過可能であり、同空気流の入口から出口へ向けて通過面積が増大したディフューザー部と、前記インペラ部の回転中心に対して略直交する方向上において前記ディフューザー部よりも同インペラ部から遠い位置に配置されており、同ディフューザー部の出口に連通した排出管と、前記ファン部が発生させた空気流が通過可能であり、前記インペラ部の回転中心に対して略直交する方向上において排出管よりも同インペラ部から遠い位置に配置された空気流管と、該空気流管の内部に配置されており、同空気流管を通過する空気流を加熱可能な加熱部と、前記排出管を通過した空気流と前記空気流管を通過した空気流とを含む混合空気流を排出可能な空気流排出部とを備える。
【0012】
ここで、インペラ部の回転中心に対して略直交する方向上に配置されており、インペラ部が送出した空気流が通過可能であり、空気流の入口から出口へ向けて通過面積が増大したディフューザー部によって、インペラ部が送出した空気流の圧力を増大させることができる。
【0013】
また、空気流管の内部に配置されており、空気流管を通過する空気流を加熱可能な加熱部によって、空気流管を通過した空気流の温度を上昇させて、空気流の圧力を増大させることができる。
【0014】
また、排出管を通過した空気流と空気流管を通過した空気流とを含む混合空気流を排出可能な空気流排出部によって、互いに異なる手段で圧力が増大した2つの空気流を混合して一緒に排出できる。
【0015】
また、本発明の動力機関システムにおいて、空気流管は、排出管から分岐した分岐管に連通した構成とすることができる。
この場合、排出管を通る空気流の一部を、空気流管へ送ることができる。
【0016】
また、本発明の動力機関システムにおいて、空気流管の一部に空気流の通過面積が小さい区間である狭区間が設けられており、加熱部が少なくとも狭区間に配置された構成とすることができる。
【0017】
この場合、狭区間において、空気流管の他の区間よりも空気流の温度を上昇させ易い。
【0018】
また、本発明の動力機関システムにおいて、インペラ部に磁気体が取付けられており、排出管はインペラ部の回転方向へ環状に配置されており、排出管の外側面台に磁性体コイルが巻き付けられており、加熱部と磁性体コイルとが電気的に接続された構成とすることができる。
【0019】
この場合、インペラ部と磁気体が排出管に囲まれており、この排出管に磁性体コイルが巻き付けられているので、インペラ部の回転によって磁気体も回転し、電磁誘導によって発電することができる。そして、発電によって得られた電力を、加熱部の発熱に必要な電力として利用できる。
【0020】
また、本発明の動力機関システムにおいて、インペラ部とディフューザー部と排出管とを一つの遠心圧縮部とした場合に、ファン部から離れる方向へ遠心圧縮部が直列に複数配置されており、各遠心圧縮部の排出管は、ファン部とは反対側へ向けて開口した構成とすることができる。
【0021】
この場合、インペラ部とディフューザー部を空気流が通過するごとに空気流の圧力を増大させることができる。
【0022】
また、本発明の動力機関システムは、空気流排出部とファン部とを連通しており、空気流排出部が排出する混合空気流の一部が通過可能な循環空気流管を備える構成とすることができる。
【0023】
この場合、外気だけをファン部で取込んで空気流の圧力を増大させる構成よりも、圧力が増大した混合空気流を利用するので、空気流の圧力を増大させ易い。
また、この場合、作動音を下げることができる。
【0024】
また、本発明の動力機関システムは、直線状に延びた中心軸体を中心に回転可能な円盤状の回転体と、回転体の外周面に取付けられた磁気体と、磁気体を囲む環状体と、環状体に取付けられた磁性体コイルとを有する発電部を備え、空気流排出部は、さらに、混合空気流の一部を発電部の回転体の外周面へ向けて排出可能である構成とすることができる。
【0025】
この場合、さらに磁気体に混合空気流が当てられるので、回転体と一緒に磁気体も中心軸体を中心に回転し、電磁誘導によって発電を行うことができる。
【0026】
また、本発明の動力機関システムにおいて、発電部の回転体と環状体はそれぞれ、互いに所定の距離を空けて一対に配置されており、発電部は、回転体同士の間に配置されており、回転体の中心軸体を中心に回転可能な円盤状の中間回転体と、中間回転体の一方の外側面と一方の外側面の反対側である他方の外側面とに取付けられた中間磁気体と、中間回転体の一方の外側面と他方の外側面とに対向して配置された中間磁性体コイルと、中間回転体の外周面に取付けられた風受部と、を有し、空気流排出部は、さらに、混合空気流の一部を発電部の中間回転体の外周面へ向けて排出可能であり、回転体にはそれぞれ、中間磁気体へ向いた回転体の面と中間磁気体とは反対側の同回転体の面との間を貫通した貫通穴が形成されており、発電部は、磁気体へ向けて排出された一部の混合空気流のさらに一部を、回転体の貫通穴へ導入可能な冷却部を有する構成とすることができる。
【0027】
この場合、発電に利用された混合空気流の一部を、さらに発電部の冷却に利用でき、発電部の耐久性を向上できる。
【0028】
また、本発明の動力機関システムにおいて、空気流管の内部に分岐管の先端が位置しており、分岐管の先端が向けられた空気流管の内側部分における空気流の通過面積が小さくなっており、空気流の通過面積が小さくなった内側部分に螺旋状の溝が設けられた構成とすることができる。
【0029】
この場合、空気流管を通る空気流が、螺旋状の溝によって旋回し、旋回した空気流には遠心力が加わって空気流の圧力を上昇させることができ、また、空気流管において、空気流の通過面積が小さくなった内側部分を空気流が通過して、再び通過面積が元の大きさの内側部分へと到達したときにも、空気流の圧力を上昇させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る動力機関システムは、二酸化炭素の排出を抑制できると共に高い圧力の空気流を動力として排出できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明を適用した動力機関システムの第1の実施形態を示す概略断面図である。
図2】本発明を適用した動力機関システムの遠心圧縮部と空気流管との位置関係の一例を示す概略断面図である。
図3】本発明を適用した動力機関システムの空気流管と加熱部の一例を示す概略断面図である。
図4】本発明を適用した動力機関システムの回転式の発電部の一例を示す概略断面図である。
図5図4に示した発電部の概略正面図である。
図6】本発明を適用した動力機関システムの第2の実施形態を示す概略断面図である。
図7】本発明を適用した動力機関システムの第3の実施形態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1は、本発明を適用した動力機関システムの第1の実施形態を示す概略断面図である。
また、図2は、本発明を適用した動力機関システムの遠心圧縮部と空気流管との位置関係の一例を示す概略断面図である。
また、図3は、本発明を適用した動力機関システムの空気流管と加熱部の一例を示す概略断面図である。
【0033】
図4は、本発明を適用した動力機関システムの回転式の発電部の一例を示す概略断面図である。
また、図5は、図4に示した発電部の概略正面図である。
【0034】
図1に示す本発明の動力機関システムは、吸引ファン部3を備える。
ここで、吸引ファン部3は、回転可能であり、回転して一定方向へ空気流を発生させる。
また、吸引ファン部3はファン部の一例である。
【0035】
また、本発明の動力機関システムは、駆動モータ4を備える
ここで、駆動モータ4は、吸引ファン部3と連結しており、吸引ファン部3を回転させる。
【0036】
また、本発明の動力機関システムは、発電モータ5を備える。
ここで、発電モータ5は、吸引ファン部3と連結しており、吸引ファン部3の回転によって発電する。
また、発電モータ5は、駆動モータ4と電気的に接続しており、駆動モータ4に電力を供給する。
【0037】
また、本発明の動力機関システムは、インペラ部34を備える。
ここで、インペラ部34は、吸引ファン部3が発生させた空気流を、空気流の方向に対して略直交する方向である遠心方向へ、回転して送出可能である。
また、インペラ部34の回転中心の軸体は吸引ファン部3の回転中心の軸体と共通である。
【0038】
また、インペラ部34には、磁気を帯びた複数の磁気体12が円形に取付けられている。
【0039】
また、本発明の動力機関システムは、ディフューザー部11を備える。
ここで、ディフューザー部11は、インペラ部34の回転中心に対して略直交する方向上に配置されている。
また、インペラ部34が送出した空気流が、ディフューザー部11を通過可能である。
また、ディフューザー部11において、インペラ部34が送出した空気流の入口から出口へ向けて通過面積が増大している。
【0040】
また、本発明の動力機関システムは、マニフォールド排出管14を備える。
ここで、マニフォールド排出管14は、インペラ部34の回転中心に対して略直交する方向上においてディフューザー部11よりもインペラ部34から遠い位置に配置されており、ディフューザー部11の出口に連通している。
マニフォールド排出管14は排出管の一例である。
【0041】
また、マニフォールド排出管14は、インペラ部34の回転方向へ環状に配置されている。
また、マニフォールド排出管14の外側面台に、磁性体コイル10が巻き付けられている。
【0042】
また、磁気体12が取付けられたインペラ部34の裏の面とは反対側のインペラ部34の面にも、磁性体コイル23が取付けられている。
【0043】
また、インペラ部34とディフューザー部11とマニフォールド排出管14とで構成されたものを、「遠心圧縮部7」とする。
図1に示すように、インペラ部34とディフューザー部11とマニフォールド排出管14とで構成された遠心圧縮部7は、吸引ファン部3から離れる方向へ直列に複数配置されている。
【0044】
すなわち、インペラ部34が、吸引ファン部3から離れる方向へ直列に複数配置されており、ディフューザー部11が、吸引ファン部3から離れる方向へ直列に複数配置されており、マニフォールド排出管14が、吸引ファン部3から離れる方向へ直列に複数配置されている。
【0045】
具体的には例えば、インペラ部34は、直列に7個配置されており、これに対応するようにマニフォールド排出管14も、直列に7個配置されているが、このような数に限定されないことは勿論である。
そして、吸引ファン部3に近い方から数えて1番目~3番目のマニフォールド排出管14の直径よりも、4番目~7番目のマニフォールド排出管14の直径の方が大きい。
また、マニフォールド排出管の直径が大きい方が排出量も多く、また、空気流の圧力も高い。従って、1番目~3番目のマニフォールド排出管14を通過して圧力が増大した空気流が、さらに4番目~7番目のマニフォールド排出管14を通過するので、さらに空気流の圧力が増大する。
【0046】
また、マニフォールド排出管14は、吸引ファン部3とは反対側へ向けて開口している。
すなわち、マニフォールド排出管14それぞれは、隣のインペラ部34側へ向けて開口している。
また、一のインペラ部34と、一のディフューザー部11と、一のマニフォールド排出管14が配置された空間と、隣の他のインペラ部34と、隣の他のディフューザー部11と、隣の他のマニフォールド排出管14が配置された空間は互いに連通している。
従って、一のインペラ部34に対応したマニフォールド排出管14から排出された空気流は、隣の他のインペラ部34へ流入できるようになっている。
【0047】
また、本発明の動力機関システムは、空気流管8を備える。
ここで、吸引ファン部3が発生させた空気流が、空気流管8を通過可能である。
また、空気流管8は、インペラ部34の回転中心に対して略直交する方向上においてマニフォールド排出管14よりもインペラ部24から遠い位置に配置されている。
【0048】
また、空気流管8は、複数のインペラ部34が直列に配置された方向と同じ方向へ延びている。
また、空気流管8は、マニフォールド排出管14それぞれから分岐した分岐管40に連通している。
また、マニフォールド排出管14の一部に複数の小さい穴が網目状に形成されており、この小さい穴を介して、マニフォールド排出管14の内部と分岐管40の内部とが連通している。
【0049】
また、図2に示すように、分岐管40の一部すなわち先端から所定の範囲の分岐管40が空気流管8の内部に位置している。
また、分岐管40の先端が向けられた空気流管8の内側部分には隆起部8Bが設けられて、空気流の通過面積が小さくなっている。また、隆起部8Bが設けられて空気流の通過面積が小さくなった内側部分には、図2に示すように螺旋状の溝8Aが設けられている。
従って、ディフューザー部11を通過し、マニフォールド排出管14へ送られた空気流の一部は、分岐管40を通って空気流管8へ送られ、分岐管40から放出された空気流は、螺旋状の溝8Aによって旋回しながら空気流管8を通ることが可能である。
また、吸引ファン部3が発生させた空気流も、螺旋状の溝8Aによって旋回しながら空気流管8を通ることが可能である。
【0050】
そして、旋回した空気流には遠心力が加わり、空気流の圧力を上昇させることができる。
また、空気流管8において、空気流の通過面積が小さくなった内側部分を空気流が通過して、再び通過面積が元の大きさの内側部分へと到達したときにも、空気流の圧力を上昇させることができる。
【0051】
ここで、空気流の通過面積が小さくなった内側部分の断面形状は漏斗形状であり、図2に示すように螺旋状の溝8Aは、漏斗の足に相当する部分に設けられているが、空気流の通過面積が小さくなっていれば必ずしも断面形状は漏斗形状でなくてもよく、例えばテーパー形状とすることもできる。
また、図2に示すように分岐管40の先端は、漏斗の本体に相当する部分の略中央領域に位置する。
また、空気流の通過面積を小さくできるのであれば、必ずしも隆起部8Bが設けられていなくてもよく、例えば漏斗が空気流管8の内部に取付けられたりテーパー形状の管体が空気流管8の内部に取付けられたりすることができる。
【0052】
また、分岐管40は複数のマニフォールド排出管14それぞれから分岐しているので、複数の分岐管40それぞれに対応して、空気流管8の螺旋状の溝8Aが設けられた部分は複数箇所に存在する。
従って、空気流管8を通る空気流は螺旋状の溝8Aを通るたびに、その圧力を上昇させることができる。
【0053】
また、空気流管8の数は少なくとも1つであれば特に制限はなく、例えば4つが挙げられる。
すなわち、例えば図2に示すように、4つの空気流管8が、インペラ部34の外側に略等間隔で円形に配置されている。
【0054】
また、吸引ファン部3は、インペラ部34や空気流管8が配置された側へ向けて空気流を発生させる。
【0055】
また、本発明の動力機関システムは、複数の焼玉付き熱線ヒータ13を備える。
ここで、焼玉付き熱線ヒータ13は、空気流管8の内部に配置されており、空気流管8を通過する空気流を加熱可能である。
【0056】
また、複数の焼玉付き熱線ヒータ13はそれぞれ、複数の遠心圧縮部7それぞれの位置に対応して配置されている。
すなわち、焼玉付き熱線ヒータ13は、吸引ファン部3から離れる方向へ直列に、空気流管8の内部において複数配置されている。
【0057】
また、焼玉付き熱線ヒータ13と磁性体コイル10が、電気的に接続されている。
また、焼玉付き熱線ヒータ13と磁性体コイル23も、電気的に接続されている。
また、焼玉付き熱線ヒータ13は加熱部の一例である。
【0058】
インペラ部34が回転することで、インペラ部34に取付けられた磁気体12も一緒に回転し、電磁誘導によって発電できる。その結果、磁性体コイル10や磁性体コイル23に電流が流れ、そして、磁性体コイル10や磁性体コイル23と電気的に接続された焼玉付き熱線ヒータ13に電流が流れる。
従って、焼玉付き熱線ヒータ13は、供給された電流によって発熱できる。
【0059】
また、焼玉付き熱線ヒータ13は、焼玉47と、ニクロム線などの発熱線48とを有する。
ここで、焼玉47はセラミックス製の球体であり、発熱線48が焼玉47を囲むように配置されている。
発熱線48の発熱によって焼玉47の表面温度が高くなり、表面温度が高くなった焼玉47によって周囲の空気流の温度を上昇させる。
【0060】
また、図3に示すように、焼玉47と焼玉47を囲んだ発熱線48は空気流管8の内部に位置しており、発熱線48の他の部分は空気流管8の外部に並んで位置している。
従って、マニフォールド排出管14の外側面台に取付けられた磁性体コイル10は、空気流管8の外部に位置する発熱線48と電気的に接続されて発熱線48に電流を流し、インペラ部34に取付けられた磁性体コイル23は、分岐管40を通る磁性体コイル線53を介して空気流管8の内部に位置する発熱線48と電気的に接続されて発熱線48に電流を流す。
【0061】
また、空気流管8の一部に、空気流の通過面積が小さい区間である狭区間が設けられている。
また、複数の焼玉付き熱線ヒータ13が、空気流管8の狭区間に数個配置されており、この狭区間が電気炉15と成っていて、さらに空気流の温度を上昇させる。
【0062】
また、本発明の動力機関システムは、さらに、インペラ部34よりも大きい2つの補助インペラ部34Aを備える。
ここで、補助インペラ部34Aは、直列に複数配置されたインペラ部34と同じ軸線上に配置されており、インペラ部34よりも吸引ファン部3から遠い位置に配置されている。
また、補助インペラ部34Aが配置された空間とインペラ部34が配置された空間とは互いに連通している。
【0063】
また、インペラ部34と同様に、補助インペラ部34Aに対応して、ディフューザー部やマニフォールド排出管が配置されている。
また、補助インペラ部34Aの回転中心の軸体はインペラ部34の回転中心の軸体と共通である。
【0064】
また、空気流管8の一方の端部は2方向に分かれ、補助インペラ部34Aと補助インペラ部34Aの外側に設けられた電気炉15とへ向けられており、空気流管8の内部は、補助インペラ部34Aが配置された空間と電気炉15内の空間とに連通している。
従って、補助インペラ部34Aと電気炉15において、マニフォールド排出管14を通過した空気流と、空気流管8を通過した空気流とが混ざり合い、混合空気流となる。
【0065】
また、本発明の動力機関システムは、軸流式圧縮機18を備える。
ここで、軸流式圧縮機18は、補助インペラ部34Aと同じ軸線上に配置されており、補助インペラ部34Aよりも吸引ファン部3から遠い位置に配置されている。
【0066】
また、補助インペラ部34Aに対応したマニフォールド排出管は、吸引ファン部3とは反対側へ向けて、すなわち軸流式圧縮機18へ向けて開口している。
また、補助インペラ部34Aの外側に設けられた電気炉15は、軸流式圧縮機18に連通している。
【0067】
また、軸流式圧縮機18の、補助インペラ部34Aとは反対側の面に、空気流拡散器33が取付けられている。なお、空気流拡散器33は1つしか図示されていないが、2つ取付けられている。
また、軸流式圧縮機18の回転中心の軸体は補助インペラ部34Aの回転中心の軸体と共通である。
【0068】
また、本発明の動力機関システムは、空気流排出部25を備える。
ここで、空気流排出部25は、軸流式圧縮機18と同じ軸線上に配置されており、軸流式圧縮機18よりも吸引ファン部3から遠い位置に配置されている。
【0069】
また、空気流排出部25は、軸流式圧縮機18と連通している。
【0070】
また、空気流排出部25は、軸流式圧縮機18を通過した混合空気流、すなわちマニフォールド排出管14を通過した空気流と、空気流管8を通過した空気流(電気炉15による高熱流と、焼玉付き熱線ヒータ13による熱線流と、螺旋状の溝8Aによる旋回流)とを含む混合空気流を、排出可能である。
【0071】
また、本発明の動力機関システムは、空気タンク29を備える。
ここで、空気タンク29の内部は、補助インペラ部34Aと連通している。
また、補助インペラ部34Aは、補助インペラ部34Aの外側に設けられた電気炉15と連通している。
すなわち、補助インペラ部34Aに対応したマニフォールド排出管は、空気タンク29と、補助インペラ部34Aの外側に設けられた電気炉15とへ向けて開口している。
従って、空気タンク29は、補助インペラ部34Aに対応したマニフォールド排出管から排出された混合空気流の一部を溜めておくことができる。
【0072】
また、空気タンク29と空気流排出部25は互いに連通しており、空気流排出部25は、空気タンク29に溜められた混合空気流の一部を、発電部の回転体に使用できる。
【0073】
本発明の動力機関システムは、発電部60を備える。
ここで、発電部60は、前後に円盤状の回転体56を有し、回転体56は、中心軸体54を中心に回転可能である。
また、発電部60は、複数の磁気体22を有し、磁気体22は回転体56の外周面に取付けられ、回転を補助している。
【0074】
また、発電部60は、環状体57を有し、環状体57は磁気体22を囲んでいる。
また、発電部60は、磁性体コイル23を有する。
ここで、磁性体コイル23と増幅トランスは環状体57に取付けられている。
【0075】
また、回転体56と、磁気体22と、環状体57と、磁性体コイル23と、増幅トランスとが、補助けん引回転機19を構成する。
すなわち、発電部60は、前後に補助けん引回転機19を有する。
【0076】
また、発電部60の回転体56と環状体57はそれぞれ、互いに所定の距離を空けて一対に配置されている。
すなわち、一対の回転体56は、共通の中心軸体54を中心に回転する。
【0077】
また、発電部60は、円盤状の中間回転体56Aを有する。
ここで、中間回転体56Aは、回転体56同士の間に、互いに所定の距離を空けて一対に配置されている。
【0078】
また、中間回転体56Aは、回転体56の中心軸体54を中心に回転可能である。
すなわち、中心軸体54は一対の中間回転体56Aを貫いて延びている。
また、中間回転体56Aには、遊星装置6が取付けられている。
また、中間回転体56Aは、回転体56の回転を補助することができる。
また、中間回転体56Aの数に制限は無く、単数でも複数でもよく、例えば4個の中間回転体56Aが、互いに所定の距離を空けて配置されることも可能である。
【0079】
また、発電部60は、中間磁気体58を有する。
ここで、中間磁気体58は、円盤状の中間回転体56Aの一方の外側面と該一方の外側面の反対側である他方の外側面とに、中間回転体56Aの外形に沿って円形に取付けられている。
また、8個の中間磁気体58が、中間回転体56Aの一方の外側面に取付けられている。また、8個の中間磁気体58が、中間回転体56Aの他方の外側面に取付けられている。
【0080】
なお、図5では、中間回転体56Aの一方の外側面に取付けられた4個の中間磁気体58と、中間回転体56Aの他方の外側面に取付けられた4個の中間磁気体58を示しており、残りの中間磁気体58は図示されていない。
【0081】
また、発電部60は、中間磁性体コイル59を有する。
ここで、中間磁性体コイル59は、中間回転体56Aの一方の外側面と他方の外側面とに対向して、円形に配置されている。
また、中間磁性体コイル59は、コイル用磁気体58Aを囲んでいる。
【0082】
また、発電部60の中間部分は、次のような四層式の発電構造となっている。
すなわち、第一層は、一方の中間回転体56Aの一方の外側面に取付けられた中間磁気体58と、この外側面に対向して配置された中間磁性体コイル59との組み合わせであり、第二層は、一方の中間回転体56Aの他方の外側面に取付けられた中間磁気体58と、この外側面に対向して配置された中間磁性体コイル59との組み合わせであり、第三層は、他方の中間回転体56Aの一方の外側面に取付けられた中間磁気体58と、この外側面に対向して配置された中間磁性体コイル59との組み合わせであり、そして第四層は、他方の中間回転体56Aの他方の外側面に取付けられた中間磁気体58と、この外側面に対向して配置された中間磁性体コイル59との組み合わせである。
【0083】
また、発電部60は、風受部31Aを有する。
ここで、風受部31Aは、中間回転体56Aの外周面に取付けられている。
また、風受部31Aが取付けられた外周面は、中間磁気体58が取付けられた一方の外側面と他方の外側面それぞれに対して略直交する面である。
【0084】
また、中間回転体56A同士の間の位置の外側に、複数の循環用空気取り出し口26が中間回転体56Aの外周方向と同じ方向へ並んで配置され、冷却循環回路21を形成している。
【0085】
また、回転体56にはそれぞれ、複数の貫通穴55が形成されている。
ここで、貫通穴55は中間磁気体58へ向いた回転体56の面と中間磁気体58とは反対側の回転体56の面との間を貫通している。
【0086】
また、発電部60は、軸流式圧縮機18と同じ軸線上に配置されている。
すなわち、発電部60の中心軸体54は、軸流式圧縮機18の軸線と同じ方向へ延びており、軸流式圧縮機18の軸線と同じ直線上に位置している。
【0087】
また、空気流排出部25は、その端部から混合空気流を動力として排出可能であるが、混合空気流の一部を発電部60の回転体56の外周面へ向けて、すなわち磁気体22へ向けて、回転体56の接線方向へ排出可能である。
すなわち、発電部60は、空気流排出部25に挟まれるように配置されており、空気流排出部25は、混合空気流排出管39を介して混合空気流の一部を発電部60の磁気体22へ向けて排出する。
このとき、空気タンク29に溜められた混合空気流の空気を使用するが、これに限定されないことは勿論である。
【0088】
また、空気流排出部25は、さらに、混合空気流の一部を発電部60の中間回転体56Aの外周面へ向けて、すなわち風受部31Aへ向けて、中間回転体56Aの接線方向へ排出可能である。
【0089】
また、発電部60は、冷却コンデンサー41を有する。
ここで、冷却コンデンサー41は、磁気体22へ向けて排出された一部の混合空気流のさらに一部を、回転体56の貫通穴55へ導入可能である。
また、冷却コンデンサー41は冷却部の一例である。
【0090】
すなわち、磁気体22へ向けて排出された一部の混合空気流のさらに一部は、冷却用空気取り出し口41Aを通って冷却部41へ送られ、冷却部41は、送られてきた一部の混合空気流に高い圧力を掛け、冷却用空気として冷却用空気導入管41Bを通して、回転体56の貫通穴55へ導入する。
また、磁気体22へ向けて排出された一部の混合空気流のさらに別の一部は、循環用空気取り出し口26を通って空気タンク29へ戻される。
【0091】
また、貫通穴55へ導入された冷却用空気は、中間磁気体58へと送られ、中間磁気体58や中間磁性体コイル59が冷却用空気によって冷却される。
そして、冷却用空気は、循環用空気取り出し口26を通って空気タンク29へ戻される。
このような冷却用空気によって、発電部60が長時間稼働し易くなる。
【0092】
また、本発明の動力機関システムは、2つの循環空気流管1を備える。
ここで、循環空気流管1は、空気流排出部25と吸引ファン部3とを連通しており、混合空気流の一部が通過可能である。
また、循環空気流管1の数が2つに限定されないことは勿論である。
【0093】
また、循環空気流管1には、外気導入濾過器2が設けられている。
ここで、外気導入濾過器2は、循環空気流管1の内部と外部とを連通しており、外気導入濾過器2を通して循環空気流管1内に外気を取り込むことができる。
また、循環空気流管1内を通過する混合空気流の量と取り込まれる外気の量の比率は、9:1であるが、この比率に限定されないことは勿論である。
【0094】
また、循環空気流管1の、吸引ファン部3に対向した箇所にも外気導入濾過器2が設けられている。
また、フィルター付きシャッター37が、外気導入濾過器2に併設されている。
【0095】
また、本発明の動力機関システムにおいて、空気流管8は、必ずしもマニフォールド排出管14それぞれから分岐した分岐管40に連通していなくてもよい。
また、本発明の動力機関システムにおいて、必ずしも空気流管8の内側部分に隆起部8Bが設けられて、空気流の通過面積が小さくなっていなくてもよく、また、隆起部8Bが設けられて空気流の通過面積が小さくなった内側部分には、必ずしも螺旋状の溝8Aが設けられていなくてもよい。
【0096】
しかし、空気流管8の内側部分に隆起部8Bが設けられて、空気流の通過面積が小さくなっており、空気流の通過面積が小さくなった内側部分に螺旋状の溝8Aが設けられていれば、空気流管8を通る空気流が、螺旋状の溝8Aによって旋回し、旋回した空気流には遠心力が加わって空気流の圧力を上昇させることができ、また、空気流管8において、空気流の通過面積が小さくなった内側部分を空気流が通過して、再び通過面積が元の大きさの内側部分へと到達したときにも、空気流の圧力を上昇させることができるので好ましい。
【0097】
また、本発明の動力機関システムは、必ずしも循環空気流管1を備えていなくてもよいが、循環空気流管1を備えていれば、外気だけをファン部で取込んで空気流の圧力を増大させる構成よりも、圧力が増大した混合空気流を利用するので、空気流の圧力を増大させ易く好ましい。
【0098】
また、本発明の動力機関システムは、必ずしも発電部60を備えていなくてもよいが、発電部60を備えていれば、混合空気流を利用して電磁誘導によって発電を行うことができるので好ましい。
【0099】
次に、図1に示す本発明の動力機関システムの動作について説明する。
【0100】
フィルター付きシャッター37を開き、吸引ファン部3を回転させて、外気導入濾過器2を通して外気を取り込み、インペラ部34と空気流管8へ向かう空気流を発生させる。
ここで、フィルター付きシャッター37によって、外気の取り込み量を調整できる。
また、外気導入濾過器2やフィルター付きシャッター37によって、害虫やゴミを吸い込むことを防ぐことができる。
【0101】
吸引ファン部3が発生させた空気流は、インペラ部34と空気流管8へと流れ込む。
【0102】
また、インペラ部34も回転しており、インペラ部34は遠心方向へ空気流を送出する。
そして、インペラ部34が送出した空気流はディフューザー部11を通過し、マニフォールド排出管14へ送られる。
【0103】
ここで、インペラ部34と、ディフューザー部11と、マニフォールド排出管14は、互いに同じ方向へ直列に複数配置されており、マニフォールド排出管14それぞれは、隣のインペラ部34側へ向けて開口しているので、一のインペラ部34に対応したマニフォールド排出管14から排出された空気流は、隣の他のインペラ部34へ送られる。
【0104】
すなわち、空気流は複数のディフューザー部11を通過していくことになり、ディフューザー部11を通過するごとに空気流の圧力が増大する。
【0105】
一方、ディフューザー部11を通過し、マニフォールド排出管14へ送られた空気流の一部は、分岐管40を通って空気流管8へと送られる。
【0106】
また、空気流管8の内部に配置された複数の焼玉付き熱線ヒータ13が、空気流管8を通過する空気流を加熱する。
【0107】
そして、複数のディフューザー部11を通過した空気流と、空気流管8を通過した空気流が、補助インペラ部34Aへ送られ、混合空気流となる。
【0108】
次に、補助インペラ部34Aに対応する、ディフューザー部とマニフォールド排出管を、混合空気流が通過し、軸流式圧縮機18へ送られるが、混合空気流の一部は、空気タンク29へ送られる。
また、補助インペラ部34Aの外側に設けられた電気炉15を通過した空気流も、軸流式圧縮機18へ送られる。
【0109】
さらに、軸流式圧縮機18の空気流拡散器33で混合空気流が拡散されて混合空気流の圧力がさらに増大し、この混合空気流が空気流排出部25へ送られる。
また、この混合空気流の一部が循環空気流管1へ送られる。
【0110】
そして、空気流排出部25は、その端部から混合空気流を動力として排出する。
また、空気流排出部25は、空気タンク29に溜められた一部の混合空気流を、発電部60の回転体56の外周面へ向けて、すなわち磁気体22へ向けて、回転体56の接線方向へ排出する。
【0111】
すると、一部の混合空気流が磁気体22に当たり、その結果、回転体56が中心軸体54を中心に回転し、回転体56と一緒に磁気体22も中心軸体54を中心に回転する。
また、磁気体22を囲んだ環状体57には磁性体コイル23が取付けられているので、磁気体22の回転によって電磁誘導に基づき発電する。
【0112】
また、一対の回転体56が回転することで一対の中間回転体56Aも回転し、中間磁性体コイル59は、中間磁気体58が取付けられた中間回転体56Aの一方の外側面と他方の外側面とに対向して配置されているので、中間回転体56Aの回転によって電磁誘導に基づき発電する。
【0113】
このとき、空気流排出部25は、さらに、混合空気流の一部を発電部60の中間回転体56Aの外周面へ向けて、すなわち風受部31Aへ向けて、中間回転体56Aの接線方向へ排出する。
【0114】
また、磁気体22へ向けて排出された一部の混合空気流のさらに一部は、冷却用空気取り出し口41Aを通って冷却コンデンサー41へ送られ、冷却コンデンサー41は、送られてきた混合空気流の一部に高い圧力を掛け、冷却用空気として冷却用空気導入管41Bを通して、回転体56の貫通穴55へ導入する。
【0115】
前後の回転体56の貫通穴55へ導入された冷却用空気は、中間磁気体58へと送られ、中間磁気体58や中間磁性体コイル59が冷却用空気によって冷却される。
【0116】
また、磁気体22へ向けて排出された一部の混合空気流のさらに別の一部が、循環用空気取り出し口26を通って空気タンク29へ戻される。
また、冷却用空気が、冷却循環回路21に集まって、循環用空気取り出し口26を通って空気タンク29へ戻される。
【0117】
一方、循環空気流管1へ送られた一部の混合空気流は、循環空気流として吸引ファン部3の吸引力によって循環空気流管1を通過して吸引ファン部3にまで送られる。
そして、循環空気流は、外気導入濾過器2を通して取り込まれた外気と混ざり、吸引ファン部3が発生させる空気流となり、この空気流がインペラ部34と空気流管8へ流れ込む。
【0118】
図6は、本発明を適用した動力機関システムの第2の実施形態を示す概略断面図である。
図6に示す本発明の第2の実施形態の動力機関システムは、2つのインペラ部と2つの発電部とが加えられた点、空気タンク29から軸流式圧縮機18へ空気供給管16を介して空気を供給するようにした点、及び加えられた2つのインペラ部と2つの発電部が、2つの循環空気流管1の中の一方の内部に配置されている点で、図1に示す本発明の第1の実施形態の動力機関システムと相違する。
【0119】
ここで、第2の実施形態において加えられた2つのインペラ部と2つの発電部は、互いに同じ軸線上に直列に配置されている。
また、発電部は、図5に示された発電部と同じである。
【0120】
また、加えられた2つのインペラ部の回転中心の軸体は、加えられた2つの発電部の回転中心の軸体と共通である。
また、加えられた2つのインペラ部が配置された空間と空気タンク29は、空気供給管38及び混合空気流排出管39を介して互いに連通している。
すなわち、空気供給管38を介して空気タンク29へ、2つのインペラ部が配置された空間内の空気の一部を供給でき、また、混合空気流排出管39を介して2つのインペラ部が配置された空間内へ、空気タンク29内の空気の一部を供給できる。
【0121】
また、第2の実施形態の直列配置は、第1の実施形態と同様の吸引ファン部3から軸流式圧縮機18までの直列配置に対して略平行に延びている。すなわち、本発明の第2の実施形態の動力機関システムは、第1の実施形態と同様の直列配置も備える。
【0122】
また、2つのインペラ部の回転中心の軸体と2つの発電部の回転中心の軸体を回転させるため、外部動力機取付部50が軸体の端部に取付けられている。
【0123】
また、第1の実施形態と同様の直列配置である吸引ファン部3から軸流式圧縮機18までの直列配置を通過した空気の流れで生成した混合空気流の一部が、循環空気流として、2つの循環空気流管1へ送られる。
一方の循環空気流管1へ送られた循環空気流は、2つのインペラ部と、2つのインペラ部それぞれに対応するディフューザー部と、2つのインペラ部それぞれに対応するマニフォールド排出管を通過し、さらに発電部の周囲を通過して、吸引ファン部3にまで送られる。
また、他方の循環空気流管1へ送られた循環空気流は、このようなインペラ部を通過せずに吸引ファン部3にまで送られる。
【0124】
また、第1の実施形態と同様に、空気タンク29の空気を発電部の補助けん引回転機19へ導入して回転体を回転させ、さらには中間磁気体58も回転させて電磁誘導に基づき発電できる。
【0125】
第2の実施形態で加えられたインペラ部と発電部の構造は、第1の実施形態のインペラ部と発電部の構造と同じであるので、説明を省略する。
【0126】
図7は、本発明を適用した動力機関システムの第3の実施形態を示す概略断面図である。
【0127】
図7に示す本発明の動力機関システムは、図1に示された吸引ファン部3から2つの補助インペラ部34Aまでの直列配置を2つ備える。
ここで、2つの直列配置は、互いに略平行に延びている。
【0128】
また、2つの直列配置に及ぶ大きさの軸流式圧縮機18が、補助インペラ部34Aよりも吸引ファン部3から遠い位置に配置されている。
【0129】
また、軸流式圧縮機18の、補助インペラ部34Aとは反対側の面に、空気流拡散器43が取付けられている。
【0130】
また、空気流拡散器43は、空気流拡散用配管45内に配置されており、温度が上昇して高圧となった空気流を拡散して排出する。
また、空気流拡散用配管45の周囲には電気炉15が配置されており、空気流拡散用配管45内の混合空気流の温度を上昇させることができる。
また、電気炉15に接した状態で、空気流拡散用配管45の周囲にも空気流拡散器43が配置されている。
【0131】
図7に示す本発明の動力機関システムは、空気流排出部25を備える。
ここで、空気流排出部25は、軸流式圧縮機18と同じ軸線上に配置されており、軸流式圧縮機18よりも吸引ファン部3から遠い位置に配置されている。
【0132】
また、空気流排出部25は、遠心圧縮部7の直列配置を通過して、さらに軸流式圧縮機18を通過した混合空気流、すなわちマニフォールド排出管14を通過し、そして軸流式圧縮機18を通過した空気流と、空気流管8を通過した空気流とを含む混合空気流を、排出可能である。
【0133】
また、空気流排出部25は、空気流拡散用配管45と連通しており、空気流拡散用配管45は、空気流を圧縮して排出する。
【0134】
また、図7に示す本発明の動力機関システムは、2つの循環空気流管1を備える。
ここで、循環空気流管1は、空気流排出部25と、2つの直列配置に及ぶ大きさの2つの発電ファン部5Aとを連通している。
また、吸引ファン部3と発電ファン部5は、ファン部の一例である。
【0135】
2つの発電ファン部5Aは、回転可能であり、回転して一定方向へ空気流を発生させる。
すなわち、2つの発電ファン部5Aは、回転して2つの吸引ファン部3へ向かう空気流を発生させる。
【0136】
また、2つの発電ファン部5Aそれぞれの羽根部分の先端には、磁気体22が取付けられている。
また、2つの発電ファン部5Aそれぞれの羽根部分の先端に対向するように、磁性体コイル23が配置されている。
【0137】
また、2つの発電ファン部5Aは直列に配置されており、2つの発電ファン部5Aが配置された空間と、2つの吸引ファン部3が配置された空間は互いに連通している。
【0138】
また、循環空気流管1の、発電ファン部5Aに対向した箇所に、外気導入濾過器2が設けられている。
【0139】
2つの発電ファン部5Aが発生させた空気流は、2つの吸引ファン部3を通り、そして遠心圧縮部7の直列配置を通過して混合空気流となり、さらに混合空気流は軸流式圧縮機18を通過する。
【0140】
軸流式圧縮機18を通過した混合空気流は、空気流拡散器43によって空気流拡散用配管45内において拡散されて混合空気流の圧力がさらに増大する。
また、拡散された混合空気流は、空気流拡散用配管45の周囲に配置された複数の電気炉15によって加熱され、混合空気流の温度は上昇する。
そして、この混合空気流が空気流排出部25へ送られる。また、この混合空気流の一部が循環空気流管1へ送られる。
【0141】
空気流排出部25は、その端部から混合空気流を動力として排出する。
また、循環空気流管1へ送られた一部の混合空気流は、外気導入濾過器2を通って取り込まれた外部空気と混合して冷却され、循環空気流として発電ファン部5Aの吸引力によって循環空気流管1を通過して発電ファン部5Aまで送られる。
【0142】
以上のように、本発明の動力機関システムは、ディフューザー部11を備えるので、インペラ部34が送出した空気流の圧力を増大させることができる。
【0143】
また、本発明の動力機関システムは、焼玉付き熱線ヒータ13を備えるので、空気流管8を通過した空気流の温度を上昇させて、空気流の圧力を増大させることができる。
【0144】
また、本発明の動力機関システムは、空気流排出部25を備えるので、互いに異なる手段で圧力が増大した2つの空気流を混合して一緒に排出できる。
【0145】
また、本発明の動力機関システムは、発電部60と、混合空気流の一部を発電部60の磁気体22へ向けて排出可能な空気流排出部25とを備えるので、互いに異なる手段で圧力が増大した2つの空気流を混合して一緒に排出でき、さらに磁気体22に混合空気流が当てられることで回転体56と一緒に磁気体22も中心軸体54を中心に回転し、電磁誘導によって発電を行うことができる。
【0146】
従って、本発明の動力機関システムは、液体燃料を使用することなく大気中に無尽蔵にある空気を利用するので二酸化炭素の排出を抑制できると共に、高い圧力の空気流を動力として排出できる。
【0147】
また、図1に示す本発明の動力機関システムは、例えば自動車、バイク、トラクター、または商用車の動力源として使用されることが可能である。
また、図6に示す本発明の動力機関システムは、例えば鉄道車両、プロペラ機、または船舶の動力源として使用されることが可能である。
さらに、図7に示す本発明の動力機関システムは、例えばジェット機または宇宙船の動力源として使用されることが可能である。
【符号の説明】
【0148】
1 循環空気流管
2 外気導入濾過器
3 吸引ファン部
4 駆動モータ
5 発電モータ
5A 発電ファン部
6 遊星装置
7 遠心圧縮部
8 空気流管
8A 螺旋状の溝
8B 隆起部
9 ボディマウント
10 磁性体コイル
11 ディフューザー部
12 磁気体
13 焼玉付き熱線ヒータ
14 マニフォールド排出管
15 電気炉
16 空気供給管
17 空気入力管
18 軸流式圧縮機
19 補助けん引回転機
20 動力取り出し部
21 冷却循環回路
22 磁気体
23 磁性体コイル
24 増幅トランス
25 空気流排出部
26 循環用空気取り出し口
27 クラッチ
28 連結システム
29 空気タンク
31 混合空気流排出管
31A 風受部
32 空気圧調整バルブ
33 空気流拡散器
34 インペラ部
34A 補助インペラ部
36 可変排出調整機
37 フィルター付きシャッター
38 空気供給管
39 混合空気流排出管
40 分岐管
41 冷却コンデンサー
41A 冷却用空気取り出し口
41B 冷却用空気導入管
42 風量調整バルブ
43 空気流拡散器
44 オイルタンク電動ポンプ
45 空気流拡散用配管
46 オイルクーラー
47 焼玉
48 発熱線
49 ボルト
50 外部動力機取付部
51 アペックスシール
52 圧力空気メーター
53 磁性体コイル線
54 中心軸体
55 貫通穴
56 回転体
56A 中間回転体
57 環状体
58 中間磁気体
58A コイル用磁気体
59 中間磁性体コイル
60 発電部
61 オイルパイプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7