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特開2024-100237熱音響通信プログラム、熱音響通信装置、及び熱音響通信方法
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  • 特開-熱音響通信プログラム、熱音響通信装置、及び熱音響通信方法 図1
  • 特開-熱音響通信プログラム、熱音響通信装置、及び熱音響通信方法 図2
  • 特開-熱音響通信プログラム、熱音響通信装置、及び熱音響通信方法 図3
  • 特開-熱音響通信プログラム、熱音響通信装置、及び熱音響通信方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100237
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】熱音響通信プログラム、熱音響通信装置、及び熱音響通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 11/00 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
H04B11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004081
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 祥太
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
(57)【要約】
【課題】適切に通信することができる熱音響通信プログラム、熱音響通信装置、及び熱音響通信方法を提供すること。
【解決手段】本開示に係る熱音響通信プログラムは、音出力装置から発信される音信号を示す第一音信号を取得する第一音信号取得ステップと、光出力装置から発信された光信号によって空気を加熱させて、音出力装置から発信された第一音信号の周波数を変更する共鳴部によって、周波数が変更された後の音信号を示す第二音信号を取得する第二音信号取得ステップと、第一音信号と、第二音信号の周波数の差に基づいて、第一音信号を復号された信号を示す復号信号に変換する変換ステップと、をコンピュータに実行させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音出力装置から発信される音信号を示す第一音信号を取得する第一音信号取得ステップと、
光出力装置から発信された光信号によって空気を加熱させて、前記音出力装置から発信された前記第一音信号の周波数を変更する共鳴部によって、周波数が変更された後の音信号を示す第二音信号を取得する第二音信号取得ステップと、
前記第一音信号と、前記第二音信号の周波数の差に基づいて、前記第一音信号を復号された信号を示す復号信号に変換する変換ステップと、
をコンピュータに実行させる熱音響通信プログラム。
【請求項2】
前記第二音信号取得ステップにおいては、複数の相互に異なる共鳴部によって、それぞれ異なる周波数に変更された複数の第二音信号を取得し、
前記変換ステップにおいては、複数の第二音信号と、前記第一音信号の周波数の差に基づいて、前記第一音信号を複合された複数の復号信号に変換する、
請求項1に記載の熱音響通信プログラム。
【請求項3】
前記第二音信号取得ステップと、前記変換ステップとの間に、前記第一音信号と、前記第二音信号の周波数の差を検知する周波数変動検知ステップと、をさらに含む、
請求項1または請求項2に記載の熱音響通信プログラム。
【請求項4】
音出力装置から発信される音信号を示す第一音信号を取得する第一音信号取得部と、
光出力装置から発信された光信号によって空気を加熱させて、前記音出力装置から発信された前記第一音信号の周波数を変更された後の音信号を示す第二音信号を取得する第二音信号取得部と、
前記第一音信号と、前記第二音信号の周波数の差に基づいて、前記第一音信号を復号された信号を示す復号信号に変換する変換部と、
を備える熱音響通信装置。
【請求項5】
音出力装置から発信される音信号を示す第一音信号を取得する第一音信号取得ステップと、
光出力装置から発信された光信号によって空気を加熱させて、前記音出力装置から発信された前記第一音信号の周波数を変更された後の音信号を示す第二音信号を取得する第二音信号取得ステップと、
前記第一音信号と、前記第二音信号の周波数の差に基づいて、前記第一音信号を復号された信号を示す復号信号に変換する変換ステップと、
を含む熱音響通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱音響通信プログラム、熱音響通信装置、及び熱音響通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロフォンとスピーカを用いて、情報を音波で伝送する音響通信が知られている。このような音響通信は、特別な機器は必要なく、市販のスピーカや既設のスピーカを用いて、スマートフォンに設けられたスピーカで受信することができるといった既存の機器を有向に用いた通信が可能というメリットがある。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、端末装置と接続される音波受信装置であって、音波受信装置の周辺の音波を取得する音波取得部と、音波取得部が取得した音波を解析して、音波が表す識別情報を抽出する音波解析部と、音波解析部が抽出した識別情報を端末装置に通知する通知部と、通知部が端末装置に通知する識別情報、又は端末装置に識別情報を通知する通知タイミングを設定する設定部と、を有する音波受信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-108490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、音波を用いた通信であることから、通信が容易に傍受される恐れがあった。また、通信を傍受される恐れがなく、安全に情報を伝送したいというニーズが存在していた。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、適切に通信することができる熱音響通信プログラム、熱音響通信装置、及び熱音響通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る熱音響通信プログラムは、音出力装置から発信される音信号を示す第一音信号を取得する第一音信号取得ステップと、光出力装置から発信された光信号によって空気を加熱させて、前記音出力装置から発信された前記第一音信号の周波数を変更する共鳴部によって、周波数が変更された後の音信号を示す第二音信号を取得する第二音信号取得ステップと、前記第一音信号と、前記第二音信号の周波数の差に基づいて、前記第一音信号を復号された信号を示す復号信号に変換する変換ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、適切に通信することができる熱音響通信プログラム、熱音響通信装置、及び熱音響通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本開示に係る熱音響通信システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、本開示に係る熱音響通信装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、本開示に係る熱音響通信装置の復号情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
図4図4は、本開示に係る熱音響通信方法のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
(熱音響通信システムの構成)
まず、図1を用いて本開示に係る熱音響通信システム1の構成について説明する。図1は、本開示に係る熱音響通信システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、本開示に係る熱音響通信システム1は、熱音響通信装置100と、光出力装置200と、音出力装置300を含む。以下、熱音響通信システム1の構成について順を追って説明する。
【0012】
熱音響通信装置100は、熱音響通信を実行する情報処理装置である。熱音響通信装置100は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブル端末等の情報処理装置によって実現されてよい。
【0013】
光出力装置200は、光信号、すなわち光情報を出力する装置である。つまり、光情報は、光信号であるということができる。光出力装置200は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を備えて、LEDから所定の周波数の光信号を出力する。光出力装置200は、変調器を備えて、出力する光信号を人に見えない速度で変調して出力してもよい。光出力装置200は、指向性が非常に高い近赤外線を用いて通信を行う光ビーコンにより実現されてもよい。図1においては、光出力装置200から光情報Lが出力されている様子が描かれている。なお、図1においては、光出力装置200が一つ配置されている例が示されているが、熱音響通信システム1には、これ以上の数の光出力装置200が含まれていてもよい。
【0014】
音出力装置300は、音信号、すなわち音情報を出力する装置である。つまり、音情報は、音信号であるということができる。音信号は、例えば、超音波であってよい。超音波は、周波数が20kHz以上の音波であり、音として人間の耳に感じられない音波である。音出力装置300は、例えば、超音波ビーコンや、スピーカなどにより実現されてよい。なお、音出力装置300が出力する音信号は、特定のスポットに向けて指向性を持って発信されてよい、すなわち、音出力装置300は、指向性スピーカであってもよい。これにより、特定のスポットだけで本開示に係る熱音響通信が可能となる。図1においては、音出力装置300(300A,300B,300C,300D)から、それぞれの音情報SA,SB,SC,SDが出力されている様子が描かれている。図1においては、四つの音出力装置300(300A,300B,300C,300D)が図示されているが、熱音響通信システム1は、これ以上の数の音出力装置300を含んでもよい。なお、熱音響通信システム1は、音出力装置300を一つ以上含まれる構成であればよい。
【0015】
以上説明した構成によって、熱音響通信装置100は、光出力装置200から発信された光信号によって熱音響効果を発生させて、音出力装置300の出力する音信号の周波数を変更させて、周波数の変動に基づいて、音出力装置300の出力する音信号を復号する。このように、熱音響通信システム1は、その構成の間において情報の伝達が行われて、一つのシステムとして機能する。
【0016】
(熱音響通信装置の構成)
次に、図2を用いて、本開示に係る熱音響通信装置の構成について説明する。図2は、本開示に係る熱音響通信装置の構成の一例を示す図である。図2に示すように、本開示に係る熱音響通信装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、共鳴部140と、マイクロフォン150(150A、150B)を含む。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0017】
(通信部110について)
通信部110は、熱音響通信装置100とその他の装置の間において、相互に情報の送受信を行う。通信部110は、例えば、無線LAN(Local Area Network)カード、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、アンテナ、可視光通信デバイス、音響通信デバイス等によって実現されてよい。
【0018】
(記憶部120について)
記憶部120は、各種の情報を記憶する記憶装置である。記憶部120は、主記憶装置と補助記憶装置により実現されてよい。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。
【0019】
図2に示すように、記憶部120は、復号情報記憶部121を含む。以下、復号情報記憶部121に記憶される情報の一例について説明する。
【0020】
(復号情報記憶部121について)
復号情報記憶部121は、第一音信号を復号後の信号を示す復号信号に変換するための情報を記憶する。ここで、図3を用いて、復号情報記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。図3は、本開示に係る熱音響通信装置の復号情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0021】
図3に示す例において、復号情報記憶部121は、「周波数変動」、「復号信号」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0022】
「周波数変動」は、第一音信号と第二音信号の差を示す情報である。「復号信号」は、第一音信号を復号した信号である。
【0023】
すなわち、図3においては、周波数変動「FRQVR#1」が示す周波数変動に対して、復号信号「DCSG#1」が示す復号信号が対応付けられている例が示されている。
【0024】
なお、復号情報記憶部121に記憶される情報は、「周波数変動」、「復号信号」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の第一音信号を復号信号に変換するための情報が記憶されてよい。
【0025】
(制御部130について)
制御部130は、熱音響通信装置100を司り、制御するコントローラである。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部120に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0026】
図3に示すように、制御部130は、第一音情報取得部131と、第二音情報取得部132と、周波数変動検知部133と、変換部134と、出力部135を備える。制御部130は、記憶部120からプログラムを読み出して実行することで、これらの構成を実現して、これらの処理を実行する。なお、制御部130は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0027】
(第一音情報取得部131について)
第一音情報取得部131は、音出力装置300から発信される音信号を示す第一音信号を取得する。すなわち、第一音情報取得部131は、共鳴部140の内部とは異なる箇所に設けられたマイクロフォン150Bが収音した音信号を第一音信号として取得する。
【0028】
(第二音情報取得部132について)
第二音情報取得部132は、光出力装置200から発信された光信号によって空気を加熱させて、音出力装置300から発信された第一音信号の周波数を変更する共鳴部140によって、周波数が変更された後の音信号を示す第二音信号を取得する。すなわち、第二音情報取得部132は、共鳴部140の内部に設けられたマイクロフォン150Aによって収音された第二音信号を取得する。
【0029】
第二音情報取得部132は、複数の相互に異なる共鳴部140によって、それぞれ異なる周波数に変更された複数の第二音信号を取得する。すなわち、共鳴部140が複数設けられる場合は、第二音情報取得部132は、複数の共鳴部140毎に設けられたマイクロフォン150Aが収音した第二音信号を取得する。すなわち、第二音情報取得部132は、複数の共鳴部140毎に設けられたマイクロフォン150A毎に取得した第二音信号を、それぞれ異なる第二音信号として取得するといえる。
【0030】
(周波数変動検知部133について)
周波数変動検知部133は、第一音信号と、第二音信号の周波数の差を検知する。すなわち、周波数変動検知部133は、第一音信号と、第二音信号の周波数の差の絶対値を算出する。周波数変動検知部133は、第一音信号と、第二音信号の差の絶対値を算出したら、算出した第一音信号と、第二音信号の周波数の差の絶対値を、変換部134に対して出力する。
【0031】
周波数変動検知部133は、複数の第二音信号ごとに、第一音信号と、第二音信号の周波数の差を、それぞれ算出する。すなわち、周波数変動検知部133は、複数の第二音信号の周波数に対して、第一音信号の周波数を差し引いて、複数の第二音信号ごとに、第二音信号と、第一音信号の周波数の差を絶対値を算出する。周波数変動検知部133は、複数の第二音信号ごとに、第二音信号と、第一音信号の周波数の差を算出したら、算出した
複数の第二音信号ごとの第二音信号と、第一音信号の周波数の差の絶対値を、変換部134に対して出力する。
【0032】
(変換部134について)
変換部134は、第一音信号と、第二音信号の周波数の差に基づいて、第一音信号を復号された信号を示す復号信号に変換する。前述したように、復号情報記憶部121には、第一音信号と第二音信号の周波数の差の絶対値を示す周波数変動に対して、復号信号が対応付けられて記憶されている。そのため、変換部134は、周波数変動検知部133から出力された第二音信号と、第一音信号の周波数の差の絶対値に対応する復号信号を、復号情報記憶部121から読み出すことにより、第一音信号を復号信号に変換する。
【0033】
変換部134は、複数の第二音信号と、第一音信号の周波数の差に基づいて、第一音信号を復号された複数の復号信号に変換する。すなわち、変換部134は、複数の第二音信号ごとに検知された、複数の第二音信号ごとの第二音信号と、第一音信号の周波数の差の絶対値に対応する復号信号を復号情報記憶部121から読み出して、第一音信号を複数の復号信号に変換する。すなわち、変換部134は、複数の第二音信号ごとの第二音信号と、第一音信号の周波数の差の絶対値に基づいて、一つの第一音信号から複数の復号信号に変換する。
【0034】
(出力部135について)
出力部135は、変換部134が変換した復号信号を出力する。例えば、出力部135は、通信部110を介して、変換部134が変換した復号信号を、外部の装置に対して出力してもよい。
【0035】
(共鳴部140について)
共鳴部140は、光出力装置200から発信された光信号によって空気を加熱させて、音出力装置300から発信された第一音信号の周波数を変更する。具体的には、共鳴部140は、熱音響効果によって、第一音信号の周波数を変更する。熱音響効果は、熱と音波の相互作用のことを指しており、例えば、円筒形状の管の一端を加熱すると、管の内部に音が発生したり、管内に音波を入れると管内において冷凍作用が発生したりすることをいう。すなわち、共鳴部140は、光出力装置200から発信された光信号によって、共鳴部140の内部の空気を加熱して、共鳴部140の内部に届けられた第一音信号の周波数を変更する。なお、共鳴部140は、両端が解放された円筒形状の管によって実現されてよい。また、共鳴部140は、円筒形状に限定されることなく、ヘルムホルツ共鳴器のように開口部を広い空洞に繋げた形状に形成されてもよい。共鳴部140は、一つに限定されることなく複数の共鳴部140が設けられてよい。
【0036】
(マイクロフォン150について)
マイクロフォン150は、自装置の周囲の音声を収音する。マイクロフォン150は、ダイヤフラムによって空気の振動を受け止めて、ダイヤフラムの振動を電気信号に変換する。マイクロフォン150は、複数のマイクロフォンによって構成されるステレオマイクやマイクロフォンアレイであってもよい。マイクロフォンアレイは、マイクロフォンの構成要素をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により超小型に実現したMEMSマイクロフォンを複数並べて配置したMEMSマイクロフォンアレイであってよい。
【0037】
図2に示すように、マイクロフォン150は複数設けられてよい。また、マイクロフォン150は、共鳴部140の内部に設けられるマイクロフォン150Aと、共鳴部140の内部とは異なる箇所に設けられるマイクロフォン150Bが混在していてよい。共鳴部140が複数設けられる場合は、複数の共鳴部140ごとに内部にマイクロフォン150Aが設けられる。
【0038】
(熱音響通信方法、及び熱音響通信プログラムについて)
次に、本開示に係る熱音響通信方法、及び熱音響通信プログラムについて、図4を用いて説明する。図4は、本開示に係る熱音響通信方法のフローを示すフローチャートである。図4に示すフローチャートのフローに沿って、本開示に係る熱音響通信方法、及び熱音響通信プログラムについて説明する。
【0039】
まず、熱音響通信装置100は、音出力装置300から発信される音信号を示す第一音信号を取得する(ステップS101)。次に、熱音響通信装置100は、周波数を変更された後の音信号を示す第二音信号を取得する(ステップS102)。次に、熱音響通信装置100は、第一音信号と、第二音信号の周波数の差を検知する(ステップS103)。次に、熱音響通信装置100は、第一音信号と、第二音信号の周波数の差に基づいて、第一音信号を復号された信号を示す復号信号に変換する(ステップS104)。
【0040】
なお、上述した熱音響通信方法は、熱音響通信装置100を用いて実行されてもよいし、その他の任意の手段によって実行されてもよい。また、上述した熱音響通信方法を、熱音響通信装置100の制御部130が備えるコンピュータに処理を実行させるプログラムによって実行させることもできる。
【0041】
この構成によれば、符号化された第一音信号を、熱音響効果による周波数変動に基づいて、的確に復号信号に復号することができる。そのため、適切に通信することができる熱音響通信プログラム、熱音響通信装置、及び熱音響通信方法を提供することができる。
【0042】
(構成と効果)
本開示に係る熱音響通信プログラムは、音出力装置300から発信される音信号を示す第一音信号を取得する第一音信号取得ステップと、光出力装置200から発信された光信号によって空気を加熱させて、音出力装置300から発信された第一音信号の周波数を変更する共鳴部140によって、周波数が変更された後の音信号を示す第二音信号を取得する第二音信号取得ステップと、第一音信号と、第二音信号の周波数の差に基づいて、第一音信号を復号された信号を示す復号信号に変換する変換ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0043】
この構成によれば、符号化された第一音信号を、熱音響効果による周波数変動に基づいて、的確に復号信号に復号することができる。そのため、適切に通信することができる熱音響通信プログラムを提供することができる。
【0044】
本開示に係る熱音響通信プログラムの第二音信号取得ステップにおいては、複数の相互に異なる共鳴部140によって、それぞれ異なる周波数に変更された複数の第二音信号を取得し、変換ステップにおいては、複数の第二音信号と、第一音信号の周波数の差に基づいて、第一音信号を複合された複数の復号信号に変換する。
【0045】
この構成によれば、複数の符号化された第一音信号を、熱音響効果による周波数変動に基づいて、的確に復号信号に復号することができる。そのため、適切に通信することができる熱音響通信プログラムを提供することができる。
【0046】
本開示に係る熱音響通信プログラムは、第二音信号取得ステップと、変換ステップとの間に、第一音信号と、第二音信号の周波数の差を検知する周波数変動検知ステップと、をさらに含む。
【0047】
この構成によれば、第一音信号と、第二音信号の周波数の差を検知して、符号化された第一音信号を、熱音響効果による周波数変動に基づいて、的確に復号信号に復号することができる。そのため、適切に通信することができる熱音響通信プログラムを提供することができる。
【0048】
本開示に係る熱音響通信装置100は、音出力装置300から発信される音信号を示す第一音信号を取得する第一音情報取得部131と、光出力装置200から発信された光信号によって空気を加熱させて、音出力装置300から発信された第一音信号の周波数を変更された後の音信号を示す第二音信号を取得する第二音情報取得部132と、第一音信号と、第二音信号の周波数の差に基づいて、第一音信号を復号された信号を示す復号信号に変換する変換部134と、を備える。
【0049】
この構成によれば、符号化された第一音信号を、熱音響効果による周波数変動に基づいて、的確に復号信号に復号することができる。そのため、適切に通信することができる熱音響通信装置100を提供することができる。
【0050】
本開示に係る熱音響通信方法は、音出力装置300から発信される音信号を示す第一音信号を取得する第一音信号取得ステップと、光出力装置200から発信された光信号によって空気を加熱させて、音出力装置300から発信された第一音信号の周波数を変更された後の音信号を示す第二音信号を取得する第二音信号取得ステップと、第一音信号と、第二音信号の周波数の差に基づいて、第一音信号を復号された信号を示す復号信号に変換する変換ステップと、を含む。
【0051】
この構成によれば、符号化された第一音信号を、熱音響効果による周波数変動に基づいて、的確に復号信号に復号することができる。そのため、適切に通信することができる熱音響通信方法を提供することができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0053】
1 熱音響通信システム
100 熱音響通信装置
110 通信部
120 記憶部
121 復号情報記憶部
130 制御部
131 第一音情報取得部
132 第二音情報取得部
133 周波数変動検知部
134 変換部
135 出力部
140 共鳴部
150 マイクロフォン
200 光出力装置
300 音出力装置
図1
図2
図3
図4