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特開2024-100244報知装置、報知システム、および、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100244
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】報知装置、報知システム、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   B62J 50/22 20200101AFI20240719BHJP
   B62J 50/23 20200101ALI20240719BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20240719BHJP
   B62J 45/41 20200101ALI20240719BHJP
   B62J 3/12 20200101ALI20240719BHJP
【FI】
B62J50/22
B62J50/23
B62J45/00
B62J45/41
B62J3/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004090
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼柳 徹
(72)【発明者】
【氏名】神前 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】大森 実
(57)【要約】
【課題】グループライドにおけるメンバの役割に応じた情報を表示できる報知装置、報知システム、および、プログラムを提供する。
【解決手段】報知装置は、複数の人力駆動車の位置関係に関する情報を表示可能な表示部を備える。表示部は、位置関係に関する情報を表示する権限が設定された場合、位置関係に関する情報を表示する。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人力駆動車の位置関係に関する情報を表示可能な表示部
を備え、
前記表示部は、前記位置関係に関する情報を表示する権限が設定された場合、前記位置関係に関する情報を表示する、報知装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記権限が設定されない場合、前記位置関係に関する情報を表示しない、請求項1に記載の報知装置。
【請求項3】
前記位置関係に関する情報は、第1人力駆動車に対する、1以上の第2人力駆動車の位置に関する情報を含む、請求項1に記載の報知装置。
【請求項4】
前記権限は、前記第1人力駆動車のライダに紐付けられる、請求項3に記載の報知装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記位置関係の変化状態を表示する、請求項1に記載の報知装置。
【請求項6】
前記位置関係の変化状態は、矢印によって表示される、請求項5に記載の報知装置。
【請求項7】
前記位置関係の変化状態は、前記矢印の太さ、および、前記矢印の長さの少なくとも一方を含む、請求項6に記載の報知装置。
【請求項8】
前記報知装置は、人力駆動車に取り付け可能である、請求項1に記載の報知装置。
【請求項9】
前記位置関係に関する情報は、前記第1人力駆動車と前記第2人力駆動車との相対距離が計測されたタイミングに基づいて表示される、請求項3に記載の報知装置。
【請求項10】
前記表示部は、前記位置関係に関する情報を所定時間表示させた後に、前記位置関係に関する情報の表示を終了する、請求項1に記載の報知装置。
【請求項11】
前記位置関係に関する情報は、音、および、振動の少なくとも一方によって報知される、請求項1に記載の報知装置。
【請求項12】
前記位置関係は、前記複数の人力駆動車間における無線通信によって計測される、請求項1に記載の報知装置。
【請求項13】
前記位置関係は、BLE(Bluetooth Low Energy)通信を含む、請求項12に記載の報知装置。
【請求項14】
前記位置関係は、前記複数の人力駆動車の位置情報に基づいて計測される、請求項1に記載の報知装置。
【請求項15】
前記権限を設定する制御部
を備える、請求項1に記載の報知装置。
【請求項16】
請求項1から14のいずれか一項に記載の報知装置を有する報知システムであって、
前記権限を設定する制御部を備える報知システム。
【請求項17】
コンピュータを、請求項16に記載の報知システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、報知装置、報知システム、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ディスプレイに複数の人力駆動車間の距離情報を表示する制御装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2016/0363665号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、グループライドにおけるメンバの役割に応じた情報を表示できる報知装置、報知システム、および、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う報知装置は、複数の人力駆動車の位置関係に関する情報を表示可能な表示部を備える。前記表示部は、前記位置関係に関する情報を表示する権限が設定された場合、前記位置関係に関する情報を表示する。
【0006】
第1側面の報知装置によれば、たとえば、グループライドにおいて権限が設定される報知装置は、グループライドのメンバの位置を表示できる。そのため、報知装置は、グループライドにおけるメンバの役割に応じた情報を表示できる。
【0007】
第1側面に従う第2側面の報知装置において、前記表示部は、前記権限が設定されない場合、前記位置関係に関する情報を表示しない。
【0008】
第2側面の報知装置によれば、たとえば、グループライドにおいて権限が設定されない報知装置は、グループライドのメンバの位置を表示しない。そのため、たとえば、権限を有さないライダは、自己の走行に集中できる。
【0009】
第1または第2側面に従う第3側面の報知装置において、前記位置関係に関する情報は、第1人力駆動車に対する、1以上の第2人力駆動車の位置に関する情報を含む。
【0010】
第3側面の報知装置は、グループライドにおける複数のメンバの位置を表示できる。
【0011】
第3側面に従う第4側面の報知装置において、前記権限は、前記第1人力駆動車のライダに紐付けられる。
【0012】
第4側面の報知装置は、グループライドにおけるライダの役割に応じた情報を表示できる。たとえば、グループライドにおけるリーダは、他のメンバの位置を確認できる。
【0013】
第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の報知装置において、前記表示部は、前記位置関係の変化状態を表示する。
【0014】
第5側面の報知装置は、複数の人力駆動車の位置関係の変化を権限が設定されるメンバに報知できる。そのため、報知装置は、グループライドにおける複数の人力駆動車の位置関係に関する情報を好適に表示できる。報知装置は、グループライドの好適な走行に貢献できる。
【0015】
第5側面に従う第6側面の報知装置において、前記位置関係の変化状態は、矢印によって表示される。
【0016】
第6側面の報知装置によれば、権限が設定されるメンバは、複数の人力駆動車の位置関係の変化を容易に認識できる。たとえば、複数の人力駆動車の距離が変化した場合、権限が設定されるメンバは、矢印の向きによって、複数の人力駆動車間における距離の変化の仕方を認識できる。そのため、報知装置は、グループライドの好適な走行にさらに貢献できる。
【0017】
第6側面に従う第7側面の報知装置において、前記位置関係の変化状態は、前記矢印の太さ、および、前記矢印の長さの少なくとも一方を含む。
【0018】
第7側面の報知装置によれば、権限が設定されるメンバは、複数の人力駆動車の位置関係の変化を容易に認識できる。たとえば、複数の人力駆動車の距離が変化した場合、権限が設定されるメンバは、矢印の太さ、および、矢印の長さの少なくとも一方に基づいて、複数の人力駆動車間における距離の変化の大きさを認識できる。そのため、報知装置は、グループライドの好適な走行にさらに貢献できる。
【0019】
第1から第7側面のいずれか1つに従う第8側面の報知装置において、前記報知装置は、人力駆動車に取り付け可能である。
【0020】
第8側面の報知装置は、異なる人力駆動車に取り付けできる。報知装置は、容易にメンテナンスできる。
【0021】
第3または第4側面に従う第9側面の報知装置において、前記位置関係に関する情報は、前記第1人力駆動車と前記第2人力駆動車との相対距離が計測されたタイミングに基づいて表示される。
【0022】
第9側面の報知装置によれば、第1人力駆動車と第2人力駆動車との相対距離を正確に表示できる。
【0023】
第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の報知装置において、前記表示部は、前記位置関係に関する情報を所定時間表示させた後に、前記位置関係に関する情報の表示を終了する。
【0024】
第10側面の報知装置によれば、表示部は、一旦計測された第1人力駆動車と第2人力駆動車との位置関係の長時間の表示を抑制できる。たとえば、第1人力駆動車と第2人力駆動車との位置関係が表示された後に、第1人力駆動車と第2人力駆動車との位置関係が変化する場合、表示部は、変化前の位置関係の表示を抑制できる。そのため、報知装置は、第1人力駆動車と第2人力駆動車との位置関係を正確に表示できる。
【0025】
第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の報知装置において、前記位置関係に関する情報は、音、および、振動の少なくとも一方によって報知される。
【0026】
第11側面の報知装置は、複数の人力駆動車の位置関係に関する情報をライダにさらに報知できる。たとえば、複数の人力駆動車の位置関係が変化した場合、ライダは、位置関係の変化を早期に認識できる。そのため、報知装置は、ライダの好適な走行にさらに貢献できる。
【0027】
第1から第11側面のいずれか1つに従う第12側面の報知装置において、前記位置関係は、前記複数の人力駆動車間における無線通信によって計測される。
【0028】
第12側面の報知装置は、複数の人力駆動車における直接の通信によって、複数の人力駆動車の位置関係に関する情報を好適に表示できる。報知装置は、コストを抑制できる。
【0029】
第12側面に従う第13側面の報知装置において、前記位置関係は、BLE(Bluetooth Low Energy)通信を含む。
【0030】
第13側面の報知装置は、電力消費を抑制し、かつ、複数の人力駆動車の位置関係に関する情報を好適に表示できる。
【0031】
第1側面から第13側面のいずれか1つに従う第14側面の報知装置において、前記位置関係は、前記複数の人力駆動車の位置情報に基づいて計測される。
【0032】
第14側面の報知装置は、複数の人力駆動車の距離が大きい場合に、複数の人力駆動車の位置関係を計測できる。複数の人力駆動車間に障害物がある場合に、報知装置は、複数の人力駆動車の位置関係を計測できる。
【0033】
第1側面に従う第15側面の報知装置において、前記権限を設定する制御部を備える。
【0034】
第15側面の報知装置は、制御部によって容易に権限を設定できる。
【0035】
本開示の第16側面に従う報知システムは、第1から第14側面のいずれか1つに従う報知装置を有する。報知システムは、前記権限を設定する制御部を備える。
【0036】
第16側面の報知システムは、制御部によって容易に権限を設定できる。
【0037】
第17側面のプログラムによれば、コンピュータを、第16側面に従う報知システムとして機能させる。
【0038】
第17側面のプログラムによれば、グループライドにおけるメンバの役割に応じた情報を表示できる。
【発明の効果】
【0039】
本開示の制御装置によれば、グループライドにおけるメンバの役割に応じた情報を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、第1実施形態に係る報知装置を搭載する人力駆動車の側面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る制御装置を含む人力駆動車の電気的構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る報知装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係る報知装置において、表示部の表示を制御する制御フローの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第1実施形態に係る報知装置における表示例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係る報知装置における表示の変形例を示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係る報知装置における表示の変形例を示す図である。
図8図8は、第1実施形態に係る報知装置における表示の変形例を示す図である。
図9図9は、第1実施形態に係る報知装置における表示の変形例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係る報知装置において、表示部の表示を制御する制御フローの一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第3実施形態に係る報知装置において、表示部の表示を制御する制御フローの一例を示すフローチャートである。
図12図12は、変形例に係る報知システムの電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
(第1実施形態)
図1から図9を参照して、人力駆動車用の報知装置32が説明される。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。図1に示すように、人力駆動車10は、たとえば、マウンテンバイクである。人力駆動車10は、マウンテンバイクに限定されるものではなく、少なくとも人力によって駆動することができれば、ロードバイク、クロスバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドサイクル、および、リカンベントなどの他の自転車であってもよい。人力駆動車10は、1輪車、および、3輪以上の車輪を有する車両であってよい。人力駆動車10は、電動ドライブユニットを備えてもよい。電動ドライブユニットは、人力駆動車10の推進をアシストするように構成される。
【0042】
以下では、X軸、Y軸およびZ軸を有する直交座標系が用いられて、人力駆動車10は説明されることがある。X軸は、人力駆動車10の前後方向に一致する。Y軸は、人力駆動車10の左右方向に一致する。Z軸は、人力駆動車10の上下方向に一致する。本明細書において、以下の方向を示す用語は、人力駆動車10の基準位置(たとえば、サドル、または、シート上)においてハンドルバー12Hを向いたライダを基準に決定されるそれらの方向を指す。方向を示す用語は、「前(フロント)」、「後ろ(リア)」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「横」、「上方」、および、「下方」、並びに任意の他の類似の方向を示す用語を含む。
【0043】
人力駆動車10は、フレーム12を含む。フレーム12は、たとえば、ヘッドチューブ12A、トップチューブ12B、ダウンチューブ12C、シートステー12D、および、チェーンステー12Eを含む。人力駆動車10は、フロントフォーク12F、ステム12G、および、ハンドルバー12Hを含む。フロントフォーク12F、および、ステム12Gは、ヘッドチューブ12Aに連結される。ハンドルバー12Hは、ステム12Gに連結される。人力駆動車10は、車輪14と、ドライブトレイン16と、制御対象18とを備える。車輪14は、前輪14A、および、後輪14Bを含む。前輪14Aは、フロントフォーク12Fに連結される。後輪14Bは、シートステー12D、および、チェーンステー12Eの接続部に連結される。
【0044】
ドライブトレイン16は、人力駆動力を後輪14Bに伝達するように構成される。ドライブトレイン16は、一対のペダル20と、クランク22と、フロントチェーンホイール24と、チェーン26と、リアスプロケット28とを含む。一対のペダル20に付加される人力駆動力によってクランク22が回転すると、フロントチェーンホイール24が回転する。フロントチェーンホイール24の回転力は、チェーン26を介してリアスプロケット28に伝達される。リアスプロケット28が回転することによって車輪14が回転する。リアスプロケット28は、複数のスプロケットを含む。リアスプロケット28は、歯数が異なる複数のスプロケットを含む。
【0045】
ドライブトレイン16は、フロントチェーンホイール24、リアスプロケット28、およびチェーン26に代えて、プーリ、および、ベルトを含んでいてもよい。ドライブトレイン16は、ベベルギア、および、シャフトを含んでいてもよい。クランク22は、クランク軸の軸方向の第1端部に連結される第1クランクアームと、クランク軸の軸方向の第2端部に連結される第2クランクアームと、を含む。ドライブトレイン16は、ワンウェイクラッチ、他のスプロケット、または、他のチェーンなどの他の部品を含んでいてもよい。フロントチェーンホイール24は、複数のチェーンホイールを含んでいてもよい。好ましくは、フロントチェーンホイール24の回転軸は、クランク22の回転軸と同軸に配置される。リアスプロケット28の回転軸は、後輪14Bの回転軸と同軸に配置される。
【0046】
制御対象18は、変速装置30と、報知装置32とを含む。人力駆動車10が電動ドライブユニットを備える場合、制御対象18は、電動ドライブユニットを含む。
【0047】
変速装置30は、人力駆動力の伝達経路に設けられる。人力駆動力の伝達経路は、ペダル20に付加された人力駆動力が車輪14に伝達されるまでの経路である。変速装置30は、外装変速機を含む。変速装置30は、たとえば、リアディレーラ36を含む。変速装置30は、フロントディレーラを含んでもよい。本実施形態の変速装置30は、リアディレーラ36、チェーン26、および、リアスプロケット28を含む。リアディレーラ36によってチェーン26と噛み合うリアスプロケット28が切り替えられることによって、変速装置30の変速比が変更される。
【0048】
変速比は、フロントチェーンホイール24の歯数と、リアスプロケット28の歯数との関係に基づいて規定される。一例では、変速比は、リアスプロケット28の歯数に対するフロントチェーンホイール24の歯数の割合で定義される。変速比をRとし、リアスプロケット28の歯数をTRとし、フロントチェーンホイール24の歯数TFとすると、変速比Rは、R=TF/TRによって表される。リアスプロケット28の歯数は、車輪14の回転速度に置き換えられ、フロントチェーンホイール24の歯数TFは、クランク22の回転速度に置き換えられてもよい。この場合、変速比Rは、クランク22の回転速度に対する車輪14の回転速度によって表される。変速装置30は、外装変速機に代えて内装変速機を含んでもよい。内装変速機は、たとえば、後輪14Bのハブに設けられる。変速装置30は、外装変速機に代えて無段変速機を含んでもよい。無段変速機は、たとえば、後輪14Bのハブに設けられる。
【0049】
変速装置30は、手動変速モード、および、自動変速モードによって、変速比を変更できるように構成される。変速モードは、ライダによって切り替えられる。人力駆動車10は、変速モードとして、手動変速モード、および、自動変速モードのいずれか1つを有してもよい。
【0050】
変速モードが手動変速モードに設定される場合、変速装置30は、たとえば、変速操作装置38の操作に応じて、駆動されるように構成される。変速装置30は、電動アクチュエータ40を含む。変速装置30は、バッテリ34から供給される電力によって動作する。変速装置30は、変速装置30の専用バッテリから電力が供給されてもよい。本実施形態では、電動アクチュエータ40によって、リアディレーラ36が駆動される。電動アクチュエータ40は、たとえば、リアディレーラ36に設けられる。電動アクチュエータ40は、ボーデンケーブルを介してリアディレーラ36に接続されてもよい。電動アクチュエータ40は、たとえば、電動モータ、および、電動モータに接続される減速機を含む。変速モードが自動変速モードである場合、変速装置30は、人力駆動車10の入力情報と変速条件とに応じて、駆動されるように構成される。
【0051】
人力駆動車10は、制御装置42を含む。制御装置42は、たとえば、フレーム12に設けられる。制御装置42は、ダウンチューブ12Cに収容されてもよい。制御装置42は、バッテリ34から供給される電力によって動作する。
【0052】
制御装置42は、図2に示すように、記憶部50と、制御部52とを備える。記憶部50は、たとえば、不揮発性メモリ、および、揮発性メモリなどの記憶装置を含む。不揮発性メモリは、たとえば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、たとえば、RAM(Random Access Memory)を含む。記憶部50は、制御部52が制御に用いるプログラムを記憶する。
【0053】
制御部52は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、または、MPU(Micro Processing Unit)などの演算装置を含む。制御部52は、複数の演算装置を含んでいてもよい。複数の演算装置は、相互に離れた位置に設けられてもよい。制御部52は、たとえば、演算装置がROMに記憶されるプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することによって、制御対象18の少なくとも1つの動作を統括的に制御するように構成される。
【0054】
制御部52は、車速センサ60と、クランク回転センサ62と、人力駆動力検出センサ64と、入力装置66と、変速操作装置38と、電動アクチュエータ40と、報知装置32とに、電気ケーブル、および、無線通信装置の少なくとも1つを介して接続される。制御部52は、外部装置68と電気ケーブル、および、無線通信装置の少なくとも1つを介して接続される。制御部52は、外部装置68と接続されなくてもよい。制御部52は、電気ケーブルを介してバッテリ34と接続される。
【0055】
好ましくは、制御部52は、第1インタフェース52Aを含む。第1インタフェース52Aは、車速センサ60によって検出される情報を入力するように構成される。好ましくは、制御部52は、第2インタフェース52Bを含む。第2インタフェース52Bは、クランク回転センサ62によって検出される情報を入力するように構成される。好ましくは、制御部52は、第3インタフェース52Cを含む。第3インタフェース52Cは、人力駆動力検出センサ64によって検出される情報を入力するように構成される。好ましくは、制御部52は、第4インタフェース52Dを含む。第4インタフェース52Dは、入力装置66によって受け付けられた情報を入力するように構成される。好ましくは、制御部52は、第5インタフェース52Eを含む。第5インタフェース52Eは、外部装置68から送信される情報を入力するように構成される。好ましくは、制御部52は、第6インタフェース52Fを含む。第6インタフェース52Fは、変速操作装置38から送信される情報を入力するように構成される。
【0056】
第1インタフェース52Aから第6インタフェース52Fは、たとえば、ケーブル接続ポート、および、無線通信装置の少なくとも1つを含む。無線通信装置は、たとえば、近距離無線通信ユニットを含む。近距離無線通信ユニットは、たとえば、Bluetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)、および、ANT+などの無線通信規格に基づいて無線通信するように構成される。
【0057】
第1インタフェース52Aには、車速センサ60に接続される電気ケーブルが固定されてもよい。第2インタフェース52Bには、クランク回転センサ62に接続される電気ケーブルが固定されてもよい。第3インタフェース52Cには、人力駆動力検出センサ64に接続される電気ケーブルが固定されてもよい。第4インタフェース52Dには、入力装置66に接続される電気ケーブルが固定されてもよい。第5インタフェース52Eは、たとえば、無線通信装置を含む。第6インタフェース52Fは、変速操作装置38に接続される電気ケーブルが接続されてもよい。
【0058】
車速センサ60は、人力駆動車10の速度に関する情報を制御部52へ出力するように構成される。車速センサ60は、車輪14の回転速度に応じた信号を出力するように構成される。車速センサ60は、たとえば、人力駆動車10のチェーンステー12Eに設けられる。車速センサ60は、磁気センサを含む。車速センサ60は、車輪14のスポーク、ディスクブレーキロータ、または、ハブに取り付けられる1、または、複数の磁石の磁界を検出するように構成される。
【0059】
車速センサ60は、磁界を検出すると信号を出力するように構成される。制御部52は、たとえば、車輪14の回転に伴って車速センサ60から出力される信号の時間間隔または信号の幅と、車輪14の周長に関する情報とに基づいて、人力駆動車10の走行速度を演算するように構成される。車速センサ60は、人力駆動車10の速度に関する情報を出力するように構成されれば、どのような構成であってもよく、磁気センサに限らず、光学センサ、加速度センサ、または、GPS受信機などの他のセンサを含んでいてもよい。
【0060】
クランク回転センサ62は、クランク22の回転状態に応じた情報を制御部52へ出力するように構成される。クランク回転センサ62は、たとえば、クランク22の回転速度に応じた情報を検出するように構成される。クランク回転センサ62は、たとえば、人力駆動車10のペダル20の上死点、および、人力駆動車10のペダル20の下死点を検出するように構成される。クランク回転センサ62は、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク22の回転軸に連動して回転する部材、または、クランク22の回転軸からフロントチェーンホイール24までの間の動力伝達経路に設けられる。たとえば、ペダル20の上死点、および、ペダル20の下死点において、磁界の強度が最も大きくなるように、クランク回転センサ62は設けられる。
【0061】
たとえば、クランク22の回転軸とフロントチェーンホイール24との間にワンウェイクラッチが設けられない場合、フロントチェーンホイール24に環状の磁石が設けられてもよい。クランク回転センサ62は、クランク22の回転状態に応じた情報を出力するように構成されれば、どのような構成であってもよく、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、またはトルクセンサなどを含んでいてもよい。
【0062】
人力駆動力検出センサ64は、人力駆動力に関する情報を制御部52へ出力するように構成される。人力駆動力検出センサ64は、たとえば、クランク22に与えられる人力駆動力に応じた信号を出力するように構成される。人力駆動力検出センサ64は、クランク22の回転軸からフロントチェーンホイール24までの間の人力駆動力の伝達経路に設けられる。人力駆動力検出センサ64は、クランク22の回転軸、または、フロントチェーンホイール24に設けられてもよい。人力駆動力検出センサ64は、クランク22、または、ペダル20に設けられてもよい。人力駆動力検出センサ64は、たとえば、歪センサ、磁歪センサ、光学センサ、および、圧力センサなどを用いて実現できる。人力駆動力検出センサ64は、クランク22、または、ペダル20に加えられる人力駆動力に応じた信号を出力するセンサであればよい。
【0063】
入力装置66は、人力駆動車10の設定を変更可能な装置である。入力装置66は、入力された情報を制御部52へ出力するように構成される。入力装置33は、たとえば、ユーザの操作によって、変速モードを切り替える信号を、制御部52へ出力する。ユーザは、ライダを含む。入力装置66は、人力駆動車10に着脱可能に設けられてもよい。入力装置66は、スマートフォンを含んでもよい。入力装置66は、サイクルコンピュータを含んでもよい。
【0064】
変速操作装置38は、ユーザの手指などによって操作される操作スイッチを含む。好ましくは、変速操作装置38は、アップシフト用の操作スイッチと、ダウンシフト用の操作スイッチとを含む。変速操作装置38は、好ましくは、ハンドルバー12Hに設けられる。
【0065】
外部装置68は、たとえば、人力駆動車10の設定、および、報知装置32の設定の少なくとも一方を外部から変更可能な装置である。外部装置68は、スマートデバイス、および、パーソナルコンピュータの少なくとも1つを含む。スマートデバイスは、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイス、スマートフォン、および、タブレットコンピュータの少なくとも1つを含む。
【0066】
報知装置32は、人力駆動車10に取り付け可能である。たとえば、報知装置32は、人力駆動車10のハンドルバー12Hに取り付けられる。報知装置32は、ステム12Gに取り付けられてもよい。報知装置32は、内部に設けられる内部バッテリの電力によって動作する。報知装置32は、バッテリ34から供給される電力によって動作するように構成されてもよい。報知装置32は、たとえば、サイクルコンピュータを含む。報知装置32は、スマートフォンを含んでもよい。
【0067】
報知装置32は、図3に示すように、操作部70と、記憶部72と、制御部74と、表示部76と、報知部78とを備える。操作部70は、報知装置32に対するライダの操作を受け付ける。操作部70は、ライダとは異なるユーザの操作を受け付けてもよい。操作部70は、ボタンなどを含む。操作部70の少なくとも一部は、表示部76と一体に設けられてもよい。操作部70は、たとえば、タッチパネルを含む。
【0068】
記憶部72は、たとえば、不揮発性メモリ、および、揮発性メモリなどの記憶装置を含む。記憶部72は、制御部74が制御に用いるプログラムを記憶する。記憶部72は、たとえば、マップ情報を記憶する。
【0069】
制御部74は、たとえば、CPU、または、MPUなどの演算装置を含む。制御部74は、複数の演算装置を含んでいてもよい。複数の演算装置は、相互に離れた位置に設けられてもよい。制御部74は、たとえば、演算装置がROMに記憶されるプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することによって、報知装置32全体の動作を統括的に制御するように構成される。たとえば、プログラムは、コンピュータを報知装置32として機能させるように構成される。
【0070】
制御部74は、制御装置42に、電気ケーブル、および、無線通信装置の少なくとも1つを介して接続される。制御部74は、他の報知装置32Aと無線通信装置を介して接続される。制御部74は、たとえば、BLEなどの無線通信規格に基づいて、他の報知装置32Aと無線通信するように構成される。他の報知装置32Aは、報知装置32が取り付けられる人力駆動車10とは異なる人力駆動車に取り付けられる。以下では、報知装置32が取り付けられる人力駆動車10は、「第1人力駆動車10」として説明される。他の報知装置32Aが取り付けられる人力駆動車は、「第2人力駆動車」として説明される。第2人力駆動車は、複数であってもよい。すなわち、他の報知装置32Aは、複数であってもよい。第2人力駆動車は、1つであってもよい。他の報知装置32Aは、1つであってもよい。制御部74は、GPS(Global Positioning System)衛星80と衛星通信を介して接続される。第1人力駆動車10、および、第2人力駆動車は、グループライドによって走行される人力駆動車に含まれる。
【0071】
好ましくは、制御部74は、第1インタフェース74Aを含む。第1インタフェース74Aは、制御装置42から送信される情報を入力するように構成される。制御装置42から送信される情報は、第1人力駆動車10の速度、クランク22の回転状態、および、人力駆動力の少なくとも1つを含む。好ましくは、制御部74は、第2インタフェース74Bを含む。第2インタフェース74Bは、他の報知装置32Aから送信される情報を入力するように構成される。第2インタフェース74Bは、他の報知装置32Aから、距離に関する情報を入力するように構成される。距離に関する情報は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離に関する情報である。距離に関する情報は、報知装置32と、他の報知装置32Aとの相対距離に関する情報を含む。たとえば、距離に関する情報は、他の報知装置32Aが発する電波の強度(RSSI値)に関する情報を含む。第2インタフェース74Bは、他の報知装置32Aが発する電波を受信するように構成される。好ましくは、制御部74は、第3インタフェース74Cを含む。第3インタフェース74Cは、GPS衛星80から、報知装置32の位置に関する情報を入力するように構成される。好ましくは、制御部74は、第4インタフェース74Dを含む。第4インタフェース74Dは、外部装置68から送信される情報を入力するように構成される。
【0072】
第1インタフェース74Aは、たとえば、ケーブル接続ポート、および、無線通信装置の少なくとも1つを含む。第1インタフェース74Aには、制御装置42に接続される電気ケーブルが固定されてもよい。第2インタフェース74Bは、無線通信装置を含む。第2インタフェース74Bは、他の報知装置32Aと無線通信するように構成される。無線通信は、たとえば、BLE通信を含む。第3インタフェース74Cは、衛星通信装置を含む。第3インタフェース74Cは、たとえば、GPS受信機である。第4インタフェース74Dは、たとえば、無線通信装置を含む。
【0073】
制御部74は、権限を設定する。制御部74は、操作部70の操作に基づいて、権限を設定する。権限は、複数の人力駆動車の位置関係に関する情報を表示する権限である。権限は、第1人力駆動車10のライダに紐付けられる。第1人力駆動車10のライダは、所定の役割を有するライダである。たとえば、複数のライダが、グループライドによって人力駆動車を走行する場合、権限は、所定の役割を有するライダに紐付けられる。たとえば、グループライドにおけるライダが、リーダ、および、一般メンバを含む場合、所定の役割を有するライダは、リーダである。たとえば、グループライドにおけるライダが、ガイドスタッフ、および、参加者を含む場合、所定の役割を有するライダは、ガイドスタッフである。たとえば、グループライドにおけるライダが、エース、および、アシストを含む場合、所定の役割を有するライダは、エースである。権限は、所定の役割を有するライダ以外のライダに紐付けられてもよい。権限は、所定の役割を有するライダ以外のライダにも紐付けられてもよい。権限の設定結果は、記憶部72に記憶される。
【0074】
グループライドによって走行される人力駆動車の情報は、予め設定される。たとえば、複数の報知装置によってペアリングが行われる。ペアリングが行われることによって、グループライドによって走行される人力駆動車の情報が設定される。
【0075】
表示部76は、表示パネルを含む。表示パネルは、たとえば、液晶表示パネル、または、有機EL(Electro Luminescence)表示パネルである。表示部76は、タッチパネルを含んでもよい。表示部76は、複数の人力駆動車の位置関係に関する情報を表示可能である。たとえば、表示部76は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係に関する情報を表示可能である。
【0076】
報知部78は、スピーカを含む。報知部78は、振動発生装置を含む。振動発生装置は、モータなどを含む。
【0077】
制御部74は、図4に示す制御フローを実行することによって、表示部76に第1情報、または、第2情報を表示させる。表示部76は、第1人力駆動車10のライダの動作に関する入力に基づいて、第1情報と第2情報とを切り替える。たとえば、表示部76は、ライダによって操作される操作部70からの入力に基づいて、第1情報と第2情報とを切り替える。
【0078】
第1情報は、第1人力駆動車10の走行状態に関する情報を含む。第1人力駆動車10の走行状態は、第1人力駆動車10の速度、クランク22の回転状態、および、人力駆動力の少なくとも1つを含む。第1人力駆動車10の走行状態は、地図上における第1人力駆動車10の位置を含んでもよい。
【0079】
第2情報は、第1情報とは異なる情報である。第2情報は、複数の人力駆動車の位置関係に関する情報を含む。第2情報は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係に関する情報を含む。第2情報は、第1人力駆動車10に対する、1以上の第2人力駆動車の位置に関する情報を含む。第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係は、第1人力駆動車10と第2人力駆動車との相対距離を含む。第2情報は、複数の第2人力駆動車の位置関係に関する情報を含んでもよい。複数の第2人力駆動車の位置関係は、複数の第2人力駆動車における相対距離を含む。
【0080】
複数の人力駆動車の位置関係は、複数の人力駆動車間における無線通信によって計測される。第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係は、第1人力駆動車10と第2人力駆動車との間における無線通信によって計測される。たとえば、制御部74は、電波強度に基づいて、第1人力駆動車10と第2人力駆動車との相対距離を計測する。電波強度は、他の報知装置32Aによって発せられる電波の強度である。所定間隔が経過した場合、制御部74は、第1人力駆動車10と第2人力駆動車との相対距離を計測する。所定間隔が経過する毎に、制御部74は、第1人力駆動車10と第2人力駆動車との相対距離を計測する。所定間隔は、予め設定された間隔である。所定間隔は、操作部70を介して設定されてもよい。第1人力駆動車10と第2人力駆動車との相対距離は、電波強度が大きいほど短い。第2人力駆動車が複数ある場合、制御部74は、第1人力駆動車10と、各第2人力駆動車との相対距離をそれぞれ計測する。
【0081】
制御部74は、第1人力駆動車10と第2人力駆動車との相対距離の計測を完了した後に、図4に示す制御フローを実行する。相対距離の計測完了は、図4に示す制御フローの実行を開始するトリガである。第2人力駆動車が複数ある場合、制御部74は、第1人力駆動車10と、各第2人力駆動車との相対距離をそれぞれ計測する。第2人力駆動車が複数ある場合、制御部74は、第1人力駆動車10と、各第2人力駆動車との相対距離の計測を完了した後に、図4に示す制御フローを実行する。第1人力駆動車10と第2人力駆動車との相対距離の計測が完了した場合、報知部78は、第1人力駆動車10と第2人力駆動車との相対距離の計測が完了したことを報知してもよい。たとえば、報知部78は、音、および、振動の少なくとも一方によって、第1人力駆動車10と第2人力駆動車との相対距離の計測が完了したことを報知する。
【0082】
図4に示す制御フローが実行されていない場合、制御部74は、第1信号を生成する。第1信号は、第1画像を表示するための信号である。第1画像は、第1情報を含む画像である。制御部74は、第1信号を表示部76に送信する。これにより、表示部76には、第1画像が表示される。表示部76は、第1情報を表示する。
【0083】
電波強度が、所定の強度以上である場合、制御部74は、第1人力駆動車10と第2人力駆動車との相対距離を計測してもよい。所定の強度は、予め設定された強度である。たとえば、複数の電波強度のうち、少なくとも1つが所定の強度以上である場合、制御部74は、第1人力駆動車10と第2人力駆動車との相対距離を計測する。
【0084】
制御部74は、ステップS10において、権限が設定されているか否かを判定する。制御部74は、記憶部72に記憶された権限の設定結果を読み出す。制御部74は、読み出した設定結果に基づいて、権限が設定されているか否かを判定する。制御部74は、権限が設定されていないと判定した場合、今回の制御フローを終了する。権限が設定されない場合、表示部76は、第1画像の表示を継続する。権限が設定されない場合、表示部76は、第2情報を表示しない。尚、本実施形態において、権限が設定されている場合、表示部76に第2情報を表示し、かつ、権限が設定されていない場合、表示部76に第2情報を表示しない例が示されたが、これに限定されない。たとえば、権限が設定されていない場合、第2情報が表示部76に表示されてもよい。少なくとも権限が設定されている人力駆動車、および、権限に紐づけられるライダの一方に対して第2情報が報知されればよい。
【0085】
制御部74は、ステップS10において、権限が設定されていると判定した場合、ステップS11に移行する。制御部74は、ステップS11において、所定条件を満たすか否かを判定する。所定条件は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係に関する条件である。第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離が、第1所定距離以上である場合、制御部74は、所定条件を満たすと判定する。第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離が、第1所定距離未満である場合、制御部74は、所定条件を満たさないと判定する。第1所定距離は、予め設定された距離である。第1所定距離は、たとえば、10mである。第1所定距離は、たとえば、操作部70を介して設定されてもよい。第1所定距離は、記憶部72に記憶される。複数の第2人力駆動車があり、かつ、第1人力駆動車10と、各第2人力駆動車との各相対距離のうち、1つ以上の相対距離が、第1所定距離以上である場合、制御部74は、所定条件を満たすと判定する。複数の第2人力駆動車があり、かつ、第1人力駆動車10と、各第2人力駆動車との全ての相対距離が、第1所定距離未満である場合、制御部74は、所定条件を満たさないと判定する。制御部74は、ステップS11において、所定条件を満たさないと判定した場合、今回の制御フローを終了する。制御部74は、ステップS11において、所定条件を満たすと判定した場合、ステップS12に移行する。
【0086】
制御部74は、ステップS12において、第2画像の表示操作があるか否かを判定する。第2画像は、第2情報を含む画像である。制御部74は、操作部70の操作に基づいて、第2画像の表示操作が行われたか否かを判定する。たとえば、ライダが、操作部70によって、第2画像の表示操作を行った場合、制御部74は、第2画像の表示操作があると判定する。ライダが、操作部70によって、第2画像の表示操作を行っていない場合、制御部74は、第2画像の表示操作がないと判定する。制御部74は、第2画像の表示操作がないと判定した場合、今回の制御フローを終了する。制御部74は、第2画像の表示操作があると判定した場合、ステップS13に移行する。
【0087】
制御部74は、ステップS13において、第2信号を生成する。第2信号は、第2画像を表示するための信号である。制御部74は、ステップS13において、第2信号を生成した後、ステップS14に移行する。
【0088】
制御部74は、ステップS14において、第2信号を、表示部76に送信する。これにより、表示部76には、第2画像が表示される。表示部76には、第1画像に代えて第2画像が表示される。表示部76に表示される画像は、第1画像から第2画像に切り替えられる。表示部76は、第2情報を表示する。表示部76は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係が、所定条件を満たし、かつ、第2画像の表示操作がある場合、第2情報を表示する。第1画像から第2画像への切り替えは、報知部78によって報知されてもよい。表示部76に表示される画像が、第1画像から第2画像に切り替えられる場合、報知部78は、たとえば、音、および、振動の少なくとも一方によって、第1画像から第2画像への切り替えを報知する。
【0089】
たとえば、6台の人力駆動車がグループライドによって走行する場合、表示部76は、図5に示す第2画像P1を表示する。6台の人力駆動車は、第1人力駆動車10の前方を3台の第2人力駆動車が走行し、かつ、第1人力駆動車10の後方を2台の第2人力駆動車が走行している。以下において図6図9に示す第2画像P2~P5も、6台の人力駆動車がグループライドによって走行する一例の画像である。第2画像P1において、第1人力駆動車10と、各第2人力駆動車とは、異なる種類のアイコンによって表示される。たとえば、第1人力駆動車10と、各第2人力駆動車とは、異なる色のアイコンによって表示される。第2画像P1には、各人力駆動車の名称が表示される。各人力駆動車の名称は、各人力駆動車に取り付けられる各報知装置32、32Aに紐付けられる。各人力駆動車の名称は、各人力駆動車を区別するための名称である。各人力駆動車の名称は、記号、および、略称を含む。各人力駆動車の名称は、たとえば、操作部70の操作によって設定されてもよい。第2画像P1において、第1人力駆動車10は、「A」の名称によって表示される。第2画像において、各第2人力駆動車は、「B」~「F」の名称によって表示される。
【0090】
たとえば、「A」の第1人力駆動車10の前方を、「D」の第2人力駆動車、「B」の第2人力駆動車、および、「E」の第2人力駆動車が走行している。「A」の第1人力駆動車10と、「D」の第2人力駆動車との相対距離は、「1m」である。「A」の第1人力駆動車10と、「B」の第2人力駆動車との相対距離は、「21m」である。「A」の第1人力駆動車10と、「E」の第2人力駆動車との相対距離は、「27m」である。「A」の第1人力駆動車10の後方を、「F」の第2人力駆動車、および、「C」の第2人力駆動車が走行している。「A」の第1人力駆動車10と、「F」の第2人力駆動車との相対距離は、「1m」である。「A」の第1人力駆動車10と、「C」の第2人力駆動車との相対距離は、「19m」である。第2画像P1において、第1人力駆動車10に対する、各第2人力駆動車の相対距離が表示される。
【0091】
表示部76は、進行方向に並んだ各人力駆動車間の相対距離を表示してもよい。各人力駆動車間の相対距離は、第1人力駆動車10と、各第2人力駆動車との相対距離に基づいて、制御部74によって計測される。たとえば、進行方向の前側から「E」の第2人力駆動車、「B」の第2人力駆動車、「D」の第2人力駆動車、「A」の第1人力駆動車10、「F」の第2人力駆動車、「C」の第2人力駆動車が並んでいる場合、表示部76は、図6に示す第2画像P2を表示する。たとえば、「E」の第2人力駆動車と、「B」の第2人力駆動車との相対距離は、「6m」である。「B」の第2人力駆動車と、「D」の第2人力駆動車との相対距離は、「20m」である。「D」の第2人力駆動車と、「A」の第1人力駆動車10との相対距離は、「1m」である。「A」の第1人力駆動車10と、「F」の第2人力駆動車との相対距離は、「1m」である。「F」の第2人力駆動車と、「C」の第2人力駆動車との相対距離は、「18m」である。第2画像P2において、各相対距離が表示される。表示部76は、さらに、第1人力駆動車10と、先頭を走行する第2人力駆動車との相対距離を表示してもよい。表示部76は、第1人力駆動車10と、最後尾を走行する第2人力駆動車との相対距離を表示してもよい。たとえば、図6に示す第2画像P2において、「E」の第2人力駆動車が、先頭を走行しており、かつ、「A」の第1人力駆動車10と、「E」の第2人力駆動車との相対距離は、「27m」である。図6に示す第2画像P2において、「C」の第2人力駆動車が、最後尾を走行しており、かつ、「A」の第1人力駆動車10と、「C」の第2人力駆動車との相対距離は、「19m」である。たとえば、図6に示す第2画像P2において、「A」の第1人力駆動車10と、「E」の第2人力駆動車との相対距離、および、「A」の第1人力駆動車10と、「C」の第2人力駆動車との相対距離が表示される。
【0092】
第2画像に表示される第1人力駆動車10、および、各第2人力駆動車は、それぞれ異なる種類のアイコンによって表示されてもよい。たとえば、図7に示す第2画像P3のように、第1人力駆動車10、および、各第2人力駆動車は、それぞれ異なる色のアイコンによって表示される。図7に示す第2画像P3において、色の違いは、ハッチングの種類によって示される。
【0093】
表示部76は、複数の人力駆動車の位置関係の変化状態を表示してもよい。複数の人力駆動車の位置関係の変化状態は、第1変化情報と、第2変化情報とを含む。表示部76は、第1変化情報と、第2変化情報とを表示してもよい。第1変化情報は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係の変化の仕方に関する情報である。第1変化情報は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離の変化方向に関する情報を含む。第1変化情報は、たとえば矢印によって表示される。第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離が長くなる場合、矢印の向きは、第1人力駆動車から離れる向きとなる。たとえば、第2人力駆動車が、第1人力駆動車10よりも後方を走行しており、かつ、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離が長くなる場合、矢印の向きは下向きとなる。第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離が短くなる場合、矢印の向きは、第1人力駆動車に向かう向きとなる。たとえば、第2人力駆動車が、第1人力駆動車10よりも後方を走行しており、かつ、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離が短くなる場合、矢印の向きは上向きとなる。
【0094】
第2変化情報は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係の変化の大きさに関する情報である。第2変化情報は、矢印の太さ、および、矢印の長さの少なくとも一方を含む。たとえば、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離の変化量が大きくなるにつれて、矢印が太くなる。たとえば、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離の変化量が大きくなるにつれて、矢印が長くなる。制御部74は、第1所定時間における相対距離の変化に応じて、第1変化情報、および、第2変化情報に関する値を算出する。第1所定時間は、予め設定された時間である。第1所定時間は、たとえば、所定間隔と同じ時間である。たとえば、制御部74は、現在の相対距離と、第1所定時間前の相対距離との差を算出する。制御部74は、算出した差に基づいて、第1変化情報、および、第2変化情報を設定する。
【0095】
表示部76は、たとえば、図8に示す第2画像P4を表示する。第2画像P4は、第1変化情報と、第2変化情報とを含む。たとえば、「F」の第2人力駆動車が、「A」の第1人力駆動車10よりも後方を走行しており、かつ、「A」の第1人力駆動車10と、「F」の第2人力駆動車との相対距離が長くなった場合、下向きの矢印Q1が表示される。「C」の第2人力駆動車が、「A」の第1人力駆動車10よりも後方を走行しており、かつ、「A」の第1人力駆動車10と、「C」の第2人力駆動車との相対距離が長くなった場合、下向きの矢印Q2が表示される。たとえば、「A」の第1人力駆動車と、「C」の第2人力駆動車との相対距離の変化量が、「A」の第1人力駆動車と、「F」の第2人力駆動車との相対距離の変化量よりも大きい場合、矢印Q2は、矢印Q1よりも太い。たとえば、矢印の太さ、および、矢印の長さは、相対距離に応じて、複数の段階に分けられてもよい。第1変化情報、および、第2変化情報は、矢印以外の表示であってもよい。第1変化状態、および、第2変化状態は、たとえば、各人力駆動車を示すアイコンによって表示されてもよい。第1変化状態、および、第2変化状態は、アイコンの大きさ、アイコンの色、アイコンの色の濃さ、および、アイコンの色の明るさなどによって区別されて表示される。第1変化状態、および、第2変化状態は、たとえば、相対距離の表示態様によって表示されてもよい。第1変化状態、および、第2変化状態は、相対距離の数字の大きさ、相対距離の数字の太さ、相対距離の数字の色、相対距離の数字の色の濃さ、相対距離の数字の色の明るさなどによって区別されて表示される。第1変化情報、および、第2変化情報は、設定された第2人力駆動車について表示されてもよい。第1変化情報、および、第2変化情報が表示される第2人力駆動車は、たとえば、操作部70を介して設定される。
【0096】
表示部76は、ロスト情報を表示してもよい。第2情報は、ロスト情報を含む。ロスト情報は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離を取得できないことを示す情報である。制御部74は、第1人力駆動車10との相対距離を計測できない第2人力駆動車を、ロストした第2人力駆動車として設定する。たとえば、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離が長くなることによって、BLEによる通信ができない第2人力駆動車は、ロストした第2人力駆動車として設定される。たとえば、通信障害などによって、BLEによる通信ができない第2人力駆動車は、ロストした第2人力駆動車として設定される。第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離が、第2所定距離以上である場合、制御部74は、第2人力駆動車をロストしたと判定してもよい。第2所定距離は、予め設定された距離である。第2所定距離は、第1所定距離よりも大きい。表示部76は、たとえば、図9に示す第2画像P5を表示する。たとえば、「A」の第1人力駆動車10と、「C」の第2人力駆動車との相対距離が取得できない場合、第2画像P5において、「C」の第2人力駆動車は、ロスト情報として表示される。
【0097】
表示部76は、ロストするおそれがある第2人力駆動車を表示してもよい。たとえば、第1人力駆動車10との相対距離の増加速度が、所定の増加速度以上である場合、第2人力駆動車は、ロストするおそれがある第2人力駆動車として判定される。所定の増加速度は、予め設定される。たとえば、第1人力駆動車10との相対距離が第3所定距離以上となる回数が、所定回数以上である場合、第2人力駆動車は、ロストするおそれがある第2人力駆動車として判定される。第3所定距離は、予め設定された距離である。第3所定距離は、第2所定距離よりも短い。第3所定距離は、第1所定距離よりも長い。所定回数は、予め設定された回数である。
【0098】
表示部76は、第1人力駆動車10、先頭の第2人力駆動車、および、最後尾の第2人力駆動車における第2情報を第2画像に表示してもよい。表示部76は、先頭の第2人力駆動車、および、最後尾の第2人力駆動車における第2情報を強調表示してもよい。たとえば、表示部76は、第2画像において、先頭の第2人力駆動車、および、最後尾の第2人力駆動車における第2情報を点滅させる。
【0099】
第2情報は、音、および、振動の少なくとも一方によって報知されてもよい。第2情報は、たとえば、報知部78によって報知される。報知部78は、音、および、振動の少なくとも一方によって、第2情報を報知する。たとえば、報知部78は、ロスト情報を、音、および、振動の少なくとも一方によって、報知する。
【0100】
制御部74は、ステップS14において第2信号を表示部76に送信した後、ステップS15に移行する。制御部74は、ステップS15において、表示時間をカウントする。表示時間は、第2画像が表示部76に表示された時間である。制御部74は、第2信号を表示部76に送信した後に、表示時間のカウントを開始する。表示時間が第2所定時間となるまで、制御部74は、表示時間のカウントを継続する。第2所定時間は、予め設定された時間である。第2所定時間は、たとえば、操作部70の操作によって設定されてもよい。制御部74は、ステップS15において、表示時間をカウントした後に、ステップS16に移行する。
【0101】
制御部74は、ステップS16において、表示時間が第2所定時間となったか否かを判定する。制御部74は、表示時間が第2所定時間となっていないと判定した場合、ステップS15に移行する。制御部74は、表示時間が第2所定時間となっていると判定した場合、ステップS17に移行する。表示時間が第2所定時間となっていると判定された場合、表示時間は、リセットされる。
【0102】
制御部74は、ステップS17において、第1信号を生成する。制御部74は、ステップS17において、第1信号を生成した後、ステップS18に移行する。
【0103】
制御部74は、ステップS18において、第1信号を表示部76に送信する。これにより、表示部76には、第1画像が表示される。表示部76には、第2画像に代えて第1画像が表示される。表示部76に表示される画像は、第2画像から第1画像に切り替えられる。表示部76は、第1情報を表示する。表示部76は、第2情報を第2所定時間表示させた後に、第2情報の表示を終了する。第2画像から第1画像への切り替えは、報知部78によって報知されてもよい。表示部76に表示される画像が、第2画像から第1画像に切り替えられる場合、報知部78は、たとえば、音、および、振動の少なくとも一方によって、第2画像から第1画像への切り替えを報知する。
【0104】
第2画像が表示部76に表示された後、制御部74は、ライダによって操作される操作部70からの入力に基づいて、表示部76の表示を第2画像から第1画像に切り替えてもよい。
【0105】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る人力駆動車用の報知装置32が説明される。第1実施形態に係る報知装置32と同じ構成、および、同じ制御についての説明は、省略される。第2実施形態に係る報知装置32は、制御フローが第1実施形態とは異なる。報知装置32は、図10に示す制御フローを実行することによって、表示部76に第1情報、または、第2情報を表示する。
【0106】
図10のステップS20、および、S21の処理は、図4のステップS10、および、S11の処理と同じである。制御部74は、ステップS21において、所定条件を満たすと判定した場合、ステップS22に移行する。
【0107】
図10のステップS22~S24までの処理は、図4のステップS13~S15までの処理と同じである。たとえば、制御部74は、ステップS23において、第2信号を表示部76に送信する。これにより、表示部76には、第2情報が表示される。表示部76は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係が、所定条件を満たす場合、第2情報を表示する。具体的には、表示部76は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離が、第1所定距離以上である場合、第2情報を表示する。表示部76は、第1情報を表示している間に、所定条件が満たされる場合、第2情報を表示する。制御部74は、ステップS24において、表示時間をカウントした後に、ステップS25に移行する。
【0108】
制御部74は、ステップS25において、ライダによって第2画像が確認されたか否かを判定する。制御部74は、第2画像の表示終了操作が行われたか否かを判定する。たとえば、ライダが、操作部70によって、第2画像の表示終了操作を行った場合、制御部74は、ライダによって第2画像が確認されたと判定する。ライダが、操作部70によって、第2画像の表示終了操作を行わない場合、制御部74は、ライダによって第2画像が確認されていないと判定する。制御部74は、ライダによって第2画像が確認されたと判定した場合、ステップS27に移行する。制御部74は、ライダによって第2画像が確認されていないと判定した場合、ステップS26に移行する。
【0109】
図10のステップS26~S28の処理は、図4のステップS16~S18の処理と同じである。制御部74は、ステップS26において、表示時間が第2所定時間となっていないと判定した場合、ステップS24に移行する。表示部76は、第1人力駆動車10のライダの動作に関する入力に基づいて、第1情報と第2情報とを切り替える。具体的には、制御部74は、ステップS25において、ライダによって第2画像が確認されたと判定した場合、ステップS27の処理の後に、ステップS28において、第1信号を表示部76に送信する。これにより、表示部76に表示される画像は、第2画像から第1画像に切り替えられる。表示部76は、第1情報を表示する。
【0110】
第2画像が表示部76に表示された後、ライダによって第2画像が確認されない場合であっても、第2画像の表示時間が第2所定時間になることによって、報知装置32は、第2画像の表示を終了する。
【0111】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る人力駆動車用の報知装置32が説明される。第1実施形態に係る報知装置32と同じ構成、および、同じ制御についての説明は、省略される。第3実施形態に係る報知装置32は、制御フローが第1実施形態とは異なる。報知装置32は、図11に示す制御フローを実行することによって、表示部76に第1情報、または、第2情報を表示する。権限が設定される場合、第3実施形態に係る報知装置32は、第1実施形態における所定条件を判定せずに、第2画像を表示部76に表示する。表示部76は、権限が設定された場合、第2情報を表示する。所定間隔が経過した場合、表示部76は、第2情報を表示する。第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係に関する情報は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離が計測されたタイミングに基づいて表示される。
【0112】
図11のステップS30の処理は、図4のステップS10の処理と同じである。図11のステップS31~S36までの処理は、図4のステップS13~S18までの処理と同じである。制御部74は、ステップS34において、表示時間が第2所定時間となっていないと判定した場合、ステップS33に移行する。
【0113】
変形例に係る報知装置32において表示部76は、ライダの視線変化を検出する検出部からの入力に基づいて、第1情報と第2情報とを切り替えてもよい。ライダの視線変化を検出する検出部は、たとえば、ウェアラブルカメラである。たとえば、制御部74は、図4のステップS12において、ライダの視線変化に応じて、第2画像の表示操作があるか否かを判定してもよい。制御部74は、ウェアラブルカメラによって検出されるライダの視線変化に関する信号を取得する。たとえば、ライダの視線変化が、表示部76を見る視線変化である場合、制御部74は、第2画像の表示操作があると判定する。ライダの視線変化が、表示部76を見ない視線変化である場合、制御部74は、第2画像の表示操作がないと判定する。たとえば、制御部74は、図10のステップS25において、ライダの視線変化に応じて、第2画像が確認されたか否かを判定してもよい。たとえば、ライダの視線変化が、表示部76を見る視線変化である場合、制御部74は、第2画像が確認されたと判定する。ライダの視線変化が、表示部76を見る視線変化ではない場合、制御部74は、第2画像が確認されていないと判定する。
【0114】
変形例に係る外部装置68は、図12に示すように、報知システム90を構成してもよい。報知システム90は、報知装置32を有する。報知システム90において、権限は、外部装置68によって設定されてもよい。報知システム90は、制御部92を備える。制御部92は、権限を設定する。たとえば、制御部92は、外部装置68に設けられる。制御部92は、たとえば、CPU、または、MPUなどの演算装置を含む。制御部92は、複数の演算装置を含んでいてもよい。複数の演算装置は、相互に離れた位置に設けられてもよい。制御部92は、たとえば、演算装置がROMに記憶されるプログラムを、RAMを作業領域として使用して実行することによって、報知システム90の少なくとも一部の動作を統括的に制御するように構成される。たとえば、プログラムは、コンピュータを報知システム90として機能させるように構成される。制御部92は、ユーザによる操作に基づいて権限を設定する。外部装置68は、権限に関する情報を、無線通信装置を介して、報知装置32に送信する。報知装置32は、外部装置68から送信された権限に関する情報を受信する。受信された権限に関する情報は、記憶部72に記憶される。たとえば、権限は、スマートフォン等の外部装置68にインストールされているアプリケーションを用いて設定される。アプリケーションを用いて設定された権限に関する情報は、無線通信装置を介して報知装置32に送信されてもよい。
【0115】
複数の人力駆動車の位置関係は、複数の人力駆動車の位置情報に基づいて計測されてもよい。第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係は、第1人力駆動車の位置情報、および、第2人力駆動車の位置情報に基づいて計測されてもよい。たとえば、第1人力駆動車10の位置情報、および、第2人力駆動車の位置情報は、GPS衛星80から送信される情報に基づいて検出される。第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係は、たとえば、報知装置32によって計測される。報知装置32は、たとえば、他の報知装置32Aから、第2人力駆動車の位置情報を取得する。報知装置32は、外部装置68を介して、第2人力駆動車の位置情報を取得してもよい。報知装置32は、取得した第2人力駆動車の位置情報と、第1人力駆動車10の位置情報とに基づいて、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係を計測する。たとえば、報知装置32は、第2人力駆動車の位置情報と、第1人力駆動車10の位置情報とに基づいて、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離を計測する。第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係は、たとえば、外部装置68によって計測されてもよい。外部装置68は、報知装置32から第1人力駆動車10の位置情報、および、他の報知装置32Aから第2人力駆動車の位置情報を取得する。外部装置68は、取得した各位置情報に基づいて、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係を計測する。たとえば、外部装置68は、第2人力駆動車の位置情報と、第1人力駆動車10の位置情報とに基づいて、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との相対距離を計測する。外部装置68は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係に関する情報を、報知装置32に送信する。報知装置32は、第1人力駆動車10と、第2人力駆動車との位置関係に関する情報を受信する。
【0116】
実施形態の制御装置42において、第1インタフェース52Aから第6インタフェース52Fのうち、制御に不要なインタフェースは省略されてもよい。実施形態の報知装置32において、第1インタフェース74Aから第4インタフェース74Dのうち、制御に不要なインタフェースは省略されてもよい。
【0117】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0118】
10…人力駆動車、32…報知装置、32A…他の報知装置、42…制御装置、68…外部装置、70…操作部、74…制御部、76…表示部、78…報知部、90…報知システム、92…制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2023-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0039】
本開示の報知装置によれば、グループライドにおけるメンバの役割に応じた情報を表示できる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
図1図1は、第1実施形態に係る報知装置を搭載する人力駆動車の側面図である。
図2図2は、第1実施形態に係る報知装置を含む人力駆動車の電気的構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る報知装置の電気的構成を示すブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係る報知装置において、表示部の表示を制御する制御フローの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第1実施形態に係る報知装置における表示例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係る報知装置における表示の変形例を示す図である。
図7図7は、第1実施形態に係る報知装置における表示の変形例を示す図である。
図8図8は、第1実施形態に係る報知装置における表示の変形例を示す図である。
図9図9は、第1実施形態に係る報知装置における表示の変形例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係る報知装置において、表示部の表示を制御する制御フローの一例を示すフローチャートである。
図11図11は、第3実施形態に係る報知装置において、表示部の表示を制御する制御フローの一例を示すフローチャートである。
図12図12は、変形例に係る報知システムの電気的構成を示すブロック図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
入力装置66は、人力駆動車10の設定を変更可能な装置である。入力装置66は、入力された情報を制御部52へ出力するように構成される。入力装置66は、たとえば、ユーザの操作によって、変速モードを切り替える信号を、制御部52へ出力する。ユーザは、ライダを含む。入力装置66は、人力駆動車10に着脱可能に設けられてもよい。入力装置66は、スマートフォンを含んでもよい。入力装置66は、サイクルコンピュータを含んでもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
制御部74は、権限を設定する。制御部74は、操作部70の操作に基づいて、権限を設定する。権限は、複数の人力駆動車の位置関係に関する情報を表示する権限である。権限は、第1人力駆動車10のライダに紐付けられる。第1人力駆動車10のライダは、所定の役割を有するライダである。たとえば、複数のライダが、グループライドによって人力駆動車を走らせる場合、権限は、所定の役割を有するライダに紐付けられる。たとえば、グループライドにおけるライダが、リーダ、および、一般メンバを含む場合、所定の役割を有するライダは、リーダである。たとえば、グループライドにおけるライダが、ガイドスタッフ、および、参加者を含む場合、所定の役割を有するライダは、ガイドスタッフである。たとえば、グループライドにおけるライダが、エース、および、アシストを含む場合、所定の役割を有するライダは、エースである。権限は、所定の役割を有するライダ以外のライダに紐付けられてもよい。権限は、所定の役割を有するライダ以外のライダにも紐付けられてもよい。権限の設定結果は、記憶部72に記憶される。