(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100276
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】方位情報推定プログラム、方位情報推定装置、及び方位情報推定方法
(51)【国際特許分類】
G01S 3/782 20060101AFI20240719BHJP
G01S 5/16 20060101ALI20240719BHJP
G01S 5/26 20060101ALI20240719BHJP
G01S 3/802 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G01S3/782
G01S5/16
G01S5/26
G01S3/802
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004144
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 祥太
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
【テーマコード(参考)】
5J083
【Fターム(参考)】
5J083AC28
5J083AD01
5J083AD18
5J083AE10
5J083AG05
5J083CA10
(57)【要約】
【課題】方位情報を適切に推定することができる方位情報推定プログラム、方位情報推定装置、及び方位情報推定方法を提供すること。
【解決手段】本開示に係る方位情報推定プログラムは、光出力装置から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、音出力装置から発信される音情報を取得する音情報取得ステップと、前記光情報に基づく位置情報を示す光位置情報と、前記音情報に基づく位置情報を示す音位置情報を推定する位置情報推定ステップと、前記光位置情報と前記音位置情報のうち少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する方位情報推定ステップと、推定した前記方位情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光出力装置から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、
音出力装置から発信される音情報を取得する音情報取得ステップと、
前記光情報に基づく位置情報を示す光位置情報と、前記音情報に基づく位置情報を示す音位置情報を推定する位置情報推定ステップと、
前記光位置情報と前記音位置情報のうち少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する方位情報推定ステップと、
推定した前記方位情報を出力する出力ステップと、
をコンピュータに実行させる方位情報推定プログラム。
【請求項2】
前記方位情報推定ステップにおいては、複数の光出力装置から発信された光情報の方向、及び位置関係に基づいて、前記方位情報を推定する、
請求項1に記載の方位情報推定プログラム。
【請求項3】
前記方位情報推定ステップにおいては、前記音位置情報と前記光位置情報の差に基づいて前記方位情報を推定する、
請求項1に記載の方位情報推定プログラム。
【請求項4】
光出力装置から発信される光情報を取得する光情報取得部と、
音出力装置から発信される音情報を取得する音情報取得部と、
前記光情報に基づく位置情報を示す光位置情報と、前記音情報に基づく位置情報を示す音位置情報を推定する位置情報推定部と、
前記光位置情報と前記音位置情報のうち少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する方位情報推定部と、
推定した前記方位情報を出力する出力部と、
を備える方位情報推定装置。
【請求項5】
光出力装置から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、
音出力装置から発信される音情報を取得する音情報取得ステップと、
前記光情報に基づく位置情報を示す光位置情報と、前記音情報に基づく位置情報を示す音位置情報を推定する位置情報推定ステップと、
前記光位置情報と前記音位置情報のうち少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する方位情報推定ステップと、
推定した前記方位情報を出力する出力ステップと、
を含む方位情報推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方位情報推定プログラム、方位情報推定装置、及び方位情報推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンや、タブレット型端末で利用できる位置測位の手法としてGPS(Global Positioning System)信号を用いた位置測位が行われている。一方、ビルや地下など屋内においては、GPS信号が取得できないため、その他の手法が必要となる。その他の手法としては、スマートフォンやタブレットで受信可能な各種の電波を利用した電波ビーコンを用いた手法がある。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、ビーコンIDを含むビーコン信号を発生する複数の屋内ビーコン信号発生器と、移動体の位置を測位できない屋外不感帯領域の予め定めた複数の屋外設置位置にそれぞれ設置されて、ビーコンIDを含むビーコン信号を発生する複数の屋外ビーコン信号発生器と、一以上の移動体に装着されて一以上のビーコン信号を受信して位置決定用のビーコンIDを決定する一以上のビーコン受信部と、少なくともビーコンIDと、屋内の予め定めた複数の屋内設置位置の情報及び屋外の予め定めた複数の屋外設置位置の情報に基づいて、一以上の移動体の屋内または屋外における位置を決定する位置決定部を備えてなるビーコン測位システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のビーコン測位システムでは、移動体の位置を測位できるものの、移動体の向いている方法を示す方位を適切に測位することができなかった。
【0006】
本開示は上記課題を鑑み、方位情報を適切に推定することができる方位情報推定プログラム、方位情報推定装置、及び方位情報推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る方位情報推定プログラムは、光出力装置から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、音出力装置から発信される音情報を取得する音情報取得ステップと、前記光情報に基づく位置情報を示す光位置情報と、前記音情報に基づく位置情報を示す音位置情報を推定する位置情報推定ステップと、前記光位置情報と前記音位置情報のうち少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する方位情報推定ステップと、推定した前記方位情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、方位情報を適切に推定することができる方位情報推定プログラム、方位情報推定装置、及び方位情報推定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本開示に係る方位情報推定システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本開示に係る方位情報推定装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示に係る方位情報推定装置の光出力装置位置情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本開示に係る方位情報推定方法のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
(方位情報推定システムの構成)
まず、
図1を用いて本開示に係る方位情報推定システム1の構成について説明する。
図1は、本開示に係る方位情報推定システムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、本開示に係る方位情報推定システム1は、方位情報推定装置100と、光出力装置200と、音出力装置300を含む。なお、方位情報推定システム1は、屋内に設けられてもよいし、屋外に設けられてもよい。以下、方位情報推定システム1の構成について順を追って説明する。
【0012】
方位情報推定装置100は、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する情報処理装置である。方位情報推定装置100は、例えば、スマートフォン、タブレット型端末、ノート型PC(Personal Computer)、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブル端末等の情報処理装置によって実現されてよい。
【0013】
光出力装置200は、光信号、すなわち光情報を出力する装置である。つまり、光情報は、光信号であるということができる。光出力装置200は、例えば、LED(Light Emitting Diode)を備えて、LEDから所定の周波数の光信号を出力する。光出力装置200は、変調器を備えて、出力する光信号を人に見えない速度で変調して出力してもよい。また、光出力装置200は、指向性が非常に高い近赤外線を用いて通信を行う光ビーコンにより実現されてもよい。
図1においては、光出力装置200Aから光情報LA、光出力装置200Bから光情報LBが出力されている様子が描かれている。なお、
図1においては、光出力装置200が二つ配置されている例が示されているが、方位情報推定システム1には、これ以上の数の光出力装置200が含まれていてもよい。なお、方位情報推定システム1は、光出力装置200が二つ以上含まれる構成であればよい。
【0014】
音出力装置300は、音信号、すなわち音情報を出力する装置である。つまり、音情報は、音信号であるということができる。音信号は、例えば、超音波であってよい。超音波は、周波数が20kHz以上の音波であり、音として人間の耳に感じられない音波である。音出力装置300は、例えば、超音波ビーコンや、スピーカなどにより実現されてよい。
図1においては、音出力装置300(300A,300B,300C,300D,300E,300F)から、それぞれの音情報SA,SB,SC,SD,SE,SFが出力されている様子が描かれている。
図1においては、六つの音出力装置300(300A,300B,300C,300D,300E,300F)が図示されているが、方位情報推定システム1は、これ以上の数の音出力装置300を含んでもよい。なお、方位情報推定システム1は、音出力装置300が二つ以上含まれる構成であればよい。
【0015】
以上説明した構成によって、方位情報推定装置100は、光出力装置200から発信された光信号を受信し、音出力装置300から発信された音信号を受信する。方位情報推定装置100は、受信した光信号と、音信号に基づいて、自装置、すなわち自装置を持つ利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する。このように、方位情報推定システム1は、その構成の間において情報の伝達が行われて、一つのシステムとして機能する。
【0016】
(方位情報推定装置の構成)
次に、
図2を用いて、本開示に係る方位情報推定装置の構成について説明する。
図2は、本開示に係る方位情報推定装置の構成の一例を示す図である。
図2に示すように、本開示に係る方位情報推定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、撮像部140と、マイクロフォン150を含む。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0017】
(通信部110について)
通信部110は、方位情報推定装置100とその他の装置の間において、相互に情報の送受信を行う。通信部110は、例えば、無線LAN(Local Area Network)カード、Bluetooth(登録商標)モジュール、Wi-Fi(登録商標)モジュール、アンテナ等によって実現されてよい。
【0018】
(記憶部120について)
記憶部120は、各種の情報を記憶する記憶装置である。記憶部120は、主記憶装置と補助記憶装置により実現されてよい。主記憶装置は、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等のような半導体メモリ素子によって実現されてよい。また、補助記憶装置は、例えばハードディスクやSSD(Solid State Drive)、光ディスク等によって実現されてよい。
【0019】
図2に示すように、記憶部120は、光出力装置位置情報記憶部121を含む。以下、光出力装置位置情報記憶部121に記憶される情報の一例について説明する。
【0020】
(光出力装置位置情報記憶部121について)
光出力装置位置情報記憶部121は、光情報を光出力装置200の位置情報に変換するための情報を記憶する。ここで、
図3を用いて、光出力装置位置情報記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。
図3は、本開示に係る方位情報推定装置の光出力装置位置情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【0021】
図3に示す例において、光出力装置位置情報記憶部121は、「光情報周波数」、「光出力装置位置情報」という項目に係る情報を紐付けて記憶する。
【0022】
「光情報周波数」は、光情報の周波数を示す情報である。「光出力装置位置情報」は、光出力装置200の位置を示す位置情報であり、方位情報推定システム1が複数の光出力装置200を含む場合であれば、光出力装置200ごとの位置を含む情報である。
【0023】
すなわち、
図3においては、光情報周波数「FRQ#1」により示される周波数の光情報に対して、光出力装置位置情報「LDLC#1」が対応付けられている例が示されている。
【0024】
なお、光出力装置位置情報記憶部121に記憶される情報は、「光情報周波数」、「光出力装置位置情報」という項目に係る情報に限定されるものではなく、その他の任意の光情報を光出力装置200の位置情報に変換するために用いる情報が記憶されてよい。
【0025】
(制御部130について)
制御部130は、方位情報推定装置100を司り、制御するコントローラである。制御部130は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部120に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0026】
図3に示すように、制御部130は、光情報取得部131と、音情報取得部132と、位置情報推定部133と、方位情報推定部134と、出力部135を備える。制御部130は、記憶部120からプログラムを読み出して実行することで、これらの構成を実現して、これらの処理を実行する。なお、制御部130は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。以下、これらの構成について順を追って説明する。
【0027】
(光情報取得部131について)
光情報取得部131は、光出力装置200から発信される光情報を取得する。すなわち、光情報取得部131は、撮像部140によって撮像された撮像データに基づいて、光出力装置200から発信された光情報を取得する。言い換えると、光情報取得部131は、撮像部140が撮像した撮像データを取得するといえる。つまり、光情報取得部131が取得する光情報とは、撮像データであるといえる。なぜならば、撮像データは、撮像部140の撮像素子が光信号を電気信号に変換した後に、一つのフレームにおける各画素の輝度や色の情報、画素毎の階調が割り当てられた撮像データとして記憶されているものであるからである。
【0028】
(音情報取得部132について)
音情報取得部132は、音出力装置300の発信する音情報を取得する。すなわち、音情報取得部132は、マイクロフォン150によって収音された音出力装置300から発信された音情報を取得する。なお、
図1に示すように、音出力装置300が複数配置されている場合は、音情報取得部132が取得する音情報には、複数の音出力装置300から発信された音信号が混在している。
【0029】
(位置情報推定部133について)
位置情報推定部133は、光情報に基づく位置情報を示す光位置情報と、音情報に基づく位置情報を示す音位置情報を推定する。まず、位置情報推定部133は、光情報を光出力装置200の位置情報に変換する。すなわち、位置情報推定部133は、光情報取得部131が取得した光情報、すなわち、撮像部140が撮像した撮像データに基づいて光出力装置200の位置情報を導き出す。具体的には、撮像データに含まれる光情報の周波数に対して光出力装置200の位置情報が対応付けられたテーブルを光出力装置位置情報記憶部121から読み出して、撮像データに含まれる光情報の周波数に基づいて、光情報を光出力装置200の位置情報に変換する。そして、位置情報推定部133は、変換された複数の光出力装置200の位置情報に基づいて、光情報に基づく自装置の位置を示す光位置情報を推定する。例えば、複数の光出力装置200の位置情報に基づいて、三点測位によって光情報に基づく自装置の位置を示す光位置情報を推定してよい。
【0030】
次に、位置情報推定部133は、音情報取得部132が取得した音情報に基づいて、音情報に基づく自装置の位置を示す音位置情報を推定する。この場合、位置情報推定部133は、音情報に含まれる複数の音出力装置300が発信した音を区別して、それぞれの音の強弱や伝達時間、伝達角度などの音の特性に基づいて、音情報に基づく自装置の位置を推定する。例えば、方位情報推定部134は、送信機から離れるほど受信信号が弱くなる性質を用いて、受信位置で各送信機の信号強度を比較して位置を求める受信信号強度法(RSS:Received Signal Strength)や、ターゲットから見たアンカの角度を測ることにより測位する到来角度法(AoA:Angle of Arrival)、各アンカから発信される信号がターゲットに到達する時間の差を用いて測位する到来時間差法(TDoA:Time Difference of Arrival)などを用いて、音情報に基づく自装置の位置を示す音位置情報を推定してよい。
【0031】
(方位情報推定部134について)
方位情報推定部134は、光位置情報と音位置情報のうち少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する。すなわち、方位情報推定部134は、光位置情報のみによって、方位情報を推定してもよいし、音位置情報のみによって、方位情報を推定してもよい。以下、方位情報推定部134の処理について具体的に説明する。
【0032】
方位情報推定部134は、複数の光出力装置200から発信された光情報の方向、及び位置関係に基づいて、方位情報を推定する。まず、方位情報推定部134は、撮像データに含まれる複数の光出力装置200から発信された光信号の方向を特定する。そして、位置情報推定部133は、複数の光出力装置200から発信された光信号の周波数に基づいて、変換された光出力装置200の位置情報に基づいて、光信号の方向から導き出された方位情報を補正する。このようにして、方位情報推定部134は、複数の光出力装置200から発信された光情報の方向、及び位置関係に基づいて、方位情報を推定する。なお、方位情報推定部134は、ジャイロセンサの計測した角速度によって方位情報を補正してもよい。また、方位情報推定部134は、Wi-Fiの電波や、UWB(Ultra Wide Band)の電波が利用者の存在によって遮蔽されることよるNLOS(Non-Line of Site)の影響を考慮して、方位情報を補正してもよい。また、方位情報推定部134は、三次元の慣性運動(直行三軸方向の並進運動、及び回転運動)を検出するIMU(Inertial Measurement Unit)から得られる並進運動と角速度の情報を用いて推定した方位情報に補正を加えても良い。
【0033】
方位情報推定部134は、音位置情報と光位置情報の差に基づいて方位情報を推定する。まず、方位情報推定部134は、音位置情報と、光位置情報の差を計算する。次に、方位情報推定部134は、音位置情報が示す自装置の位置の方が、光位置情報が示す自装置の位置よりも正確であるという仮定のもとに、音位置情報が示す位置に自装置が配置されたときに、光位置情報が示す位置の方向を自装置が向いているとして、自装置の方位を推定する。このようにして、方位情報推定部134は、音位置情報が示す位置と、光位置情報が示す位置の差によって方位情報を推定する。
【0034】
(出力部135について)
出力部135は、推定した自装置の位置を示す位置情報を出力する。例えば、出力部135は、方位情報推定装置100の表示部に方位情報推定部134が推定した自装置の位置を示す位置情報を表示させてよい。また、出力部135は、通信部110を介して、方位情報推定部134が推定した自装置の位置を示す位置情報を、外部の装置に対して出力してもよい。
【0035】
(撮像部140について)
撮像部140は、各種の画像を撮像する。撮像部140は、例えばカメラであり、カメラは、光学素子と撮像素子を含む。光学素子は、例えばレンズ、ミラー、プリズム、フィルタなどの光学系を構成する素子である。撮像素子は、光学素子を通して入射した光を電気信号である画像信号に変換する素子である。なお、撮像素子は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサであってよい。
【0036】
(マイクロフォン150について)
マイクロフォン150は、自装置の周囲の音声を収音する。マイクロフォン150は、ダイヤフラムによって空気の振動を受け止めて、ダイヤフラムの振動を電気信号に変換する。マイクロフォン150は、複数のマイクロフォンによって構成されるステレオマイクやマイクロフォンアレイであってもよい。マイクロフォンアレイは、マイクロフォンの構成要素をMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術により超小型に実現したMEMSマイクロフォンを複数並べて配置したMEMSマイクロフォンアレイであってよい。
【0037】
(方位情報推定方法、及び方位情報推定プログラムについて)
次に、本開示に係る方位情報推定方法、及び方位情報推定プログラムについて、
図4を用いて説明する。
図4は、本開示に係る方位情報推定方法のフローを示すフローチャートである。
図4に示すフローチャートのフローに沿って、本開示に係る方位情報推定方法、及び方位情報推定プログラムについて説明する。
【0038】
まず、方位情報推定装置100は、光出力装置200から発信される光情報を取得する(ステップS101)。次に、方位情報推定装置100は、音出力装置300から発信される音情報を取得する(ステップS102)。次に、方位情報推定装置100は、光情報に基づく位置情報を示す光位置情報と、音情報に基づく位置情報を示す音位置情報を推定する(ステップS103)。次に、方位情報推定装置100は、光位置情報と音位置情報のうち少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する(ステップS104)。次に、方位情報推定装置100は、推定した方位情報を出力する(ステップS105)。
【0039】
なお、上述した方位情報推定方法は、方位情報推定装置100を用いて実行されてもよいし、その他の任意の手段によって実行されてもよい。また、上述した方位情報推定方法を、方位情報推定装置100の制御部130が備えるコンピュータに処理を実行させるプログラムによって実行させることもできる。
【0040】
この構成によれば、光信号と音信号の少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定することができる。そのため、方位情報を適切に推定することができる方位情報推定プログラム、方位情報推定装置、及び方位情報推定方法を提供することができる。
【0041】
(構成と効果)
本開示に係る方位情報推定プログラムは、光出力装置200から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、音出力装置300から発信される音情報を取得する音情報取得ステップと、光情報に基づく位置情報を示す光位置情報と、音情報に基づく位置情報を示す音位置情報を推定する位置情報推定ステップと、光位置情報と音位置情報のうち少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する方位情報推定ステップと、推定した方位情報を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させる。
【0042】
この構成によれば、光信号と音信号の少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定することができる。そのため、方位情報を適切に推定することができる方位情報推定プログラムを提供することができる。
【0043】
本開示に係る方位情報推定プログラムの位置情報推定ステップにおいては、複数の光出力装置200から発信された光情報の方向、及び位置関係に基づいて、方位情報を推定する。
【0044】
この構成によれば、複数の光出力装置200から発信された光情報の方向、及び位置関係に基づいて、方位情報を推定することができる。そのため、方位情報を適切に推定することができる方位情報推定プログラムを提供することができる。
【0045】
本開示に係る方位情報推定プログラムの方位情報推定ステップにおいては、音位置情報と光位置情報の差に基づいて方位情報を推定する。
【0046】
この構成によれば、音位置情報と、光位置情報の差に基づいて、方位情報を推定することができる。そのため、方位情報を適切に推定することができる方位情報推定プログラムを提供することができる。
【0047】
本開示に係る方位情報推定装置100は、光出力装置200から発信される光情報を取得する光情報取得部131と、音出力装置300から発信される音情報を取得する音情報取得部132と、光情報に基づく位置情報を示す光位置情報と、音情報に基づく位置情報を示す音位置情報を推定する位置情報推定部133と、光位置情報と音位置情報のうち少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する方位情報推定部134と、推定した方位情報を出力する出力部135と、を備える。
【0048】
この構成によれば、光信号と音信号の少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定することができる。そのため、方位情報を適切に推定することができる方位情報推定装置100を提供することができる。
【0049】
本開示に係る方位情報推定方法は、光出力装置200から発信される光情報を取得する光情報取得ステップと、音出力装置300から発信される音情報を取得する音情報取得ステップと、光情報に基づく位置情報を示す光位置情報と、音情報に基づく位置情報を示す音位置情報を推定する位置情報推定ステップと、光位置情報と音位置情報のうち少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定する方位情報推定ステップと、推定した方位情報を出力する出力ステップと、を含む。
【0050】
この構成によれば、光信号と音信号の少なくとも一つに基づいて、利用者の向いている方向を示す方位情報を推定することができる。そのため、方位情報を適切に推定することができる方位情報推定方法を提供することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0052】
1 方位情報推定システム
100 方位情報推定装置
110 通信部
120 記憶部
121 光出力装置位置情報記憶部
130 制御部
131 光情報取得部
132 音情報取得部
133 位置情報推定部
134 方位情報推定部
135 出力部
140 撮像部
150 マイクロフォン
200 光出力装置
300 音出力装置