(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100277
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】情報解析システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240719BHJP
G06F 16/906 20190101ALI20240719BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06F16/906
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004146
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】522139202
【氏名又は名称】一般社団法人国際文化都市整備機構
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】松岡 一久
(72)【発明者】
【氏名】小林 洋志
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B175FB04
5L049CC20
5L050CC20
(57)【要約】
【課題】クオリティの高い街づくりカルテ指標を提示できる情報解析システムを提供すること。
【解決手段】所定の通信媒体を介して、特定エリア内を移動する参加者の行動データを集約する第1のサーバ2と、特定エリア内を移動する参加者が発信する情感データを集約する第2のサーバ3と、第1のサーバ2が集約する行動情データと、第2のサーバ3が集約する情感データとを分析する第3のサーバとが通信する情報解析システムにおいて、第3のサーバ4は、第1のサーバ2、第2のサーバ3に対して、街づくりのカルテを作成する特定エリアを設定する設定部4-3-1と、設定された特定エリアを第1のサーバ2または第2のサーバ3に通知して情報収集を指示する指示部4-3-2を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信媒体を介して、特定エリア内を移動する参加者の行動データを集約する第1のサーバと、前記特定エリア内を移動する参加者が発信する情感データを集約する第2のサーバと、前記第1のサーバが集約する行動情データと、前記第2のサーバが集約する前記情感データとを分析する第3のサーバとが通信する情報解析システムであって、
前記第3のサーバは、
前記第1のサーバおよび前記第2のサーバに対して、街づくりのカルテを作成する前記特定エリアを設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記特定エリアを前記第1のサーバまたは前記第2のサーバに通知して情報収集を指示する指示手段と、
前記第1のサーバから受領する前記特定エリアに紐づく行動データと、前記第2のサーバから受領する前記特定エリアに紐づく情感データと、前記特定のエリアに紐づくリソースとに基づいて所定の街づくりカルテ指標を構成する複数の指数を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した複数の指標を集約して前記街づくりカルテ指標を所定のフォーマットで定量化する定量化手段と、
を備えることを特徴とする情報解析システム。
【請求項2】
前記街づくりカルテ指標を構成する複数の指標は、共感人口指標、文化系指標、文明系指標を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の情報解析システム。
【請求項3】
前記文化系指標、前記文明系指標は、それぞれ複数の指標パラメータを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の情報解析システム。
【請求項4】
前記文化系指標は、文化発信パラメータと、文化基盤パラメータを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の情報解析システム。
【請求項5】
前記文明系指標は、経済・行政基盤パラメータと、環境・多様性基盤パラメータと、生活利便施設パラメータとを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の情報解析システム。
【請求項6】
前記第1のサーバは、前記通信媒体を介して大量のデータ端末間で実行される通信コミュニケーションサービスを提供する際に、各データ端末を操作する操作者に紐づく第1のビッグデータであって、各操作者が単位時間当たり移動する行動を分析するための位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報解析システム。
【請求項7】
前記第2のサーバは、前記通信媒体を介して大量のデータ端末間で実行される通信コミュニケーションサービスを提供する際に、各データ端末を操作する操作者に紐づく第2のビッグデータであって、各操作者が各データ端末を操作して前記所定の通信媒体上に発信したネット情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報解析システム。
【請求項8】
前記特定のエリアに紐づくリソースは、前記特定エリアを管轄する行政機関が集約している行政データと、前記特定エリアで公表されている公共施設に関する施設データと、タウン誌に公表されているタウンデータとを含むことを特徴とする請求項1に記載の情報解析システム。
【請求項9】
前記通信コミュニケーションサービスは、ソシアルネットワークサービス(SNS)であって、各種のコミュニケーションアプリを起動することで提供されるサービスを含むことを特徴とする請求項6または7に記載の情報解析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のエリアにフォーカスした地域内において、多角的な情報を解析し、情報発信者の現在位置情報や、SNSによる発信内容をタイムリーに取得解析して指標化する情報解析システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、世界の人口の過半が都市に居住するが、縮退時代の日本の都市が抱える課題も多様化している。こうした中で、都市の将来像の考え方の一つにLivable City(リバブルシティ=住みやすい都市)という概念がある。Livabilityとは「住みやすい、快適な、生き生きとした」という指標だが、特に成熟社会である日本において長い時間をかけて醸成された既存の社会・環境資源やインフラのストックを活用しながら、多世代の利用に供する持続的な都市の創成が求められている。また、リバブルシティをつくるためには、ハードのみならず「社会」「環境」「文化・芸術」「生態」「経済」など多様な視点と包括的なアプローチが必要となる。世界的な都市間競争の視点からのリバブルシティ指標や都市ランキングなど外に向けた〈都市戦略〉と、同時にそこに住む人の視点〈生活の質、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)〉の双方向からリバブルシティのつくり方を考えることが、今後ますます重要になると考えられる。
【0003】
このような指向性に対して、現在、新宿区等の単位として住みやすさ等を分析することが行われているが、集約した都市情報を多角的に分析するには、マスメディア的に大規模化するのが一般的で、分析には大型のコンピュータシステムや情報処理のための記憶ユニットが必要となっていた。
【0004】
下記特許文献1には、「登録者管理機能では、利用者(ユーザ)の登録を受け付け、登録の際に実行されるアンケート調査の実行、登録したユーザのカテゴリー分類、並びに、分類したカテゴリーの学習等が実行される。コメント解析機能では、SNS投稿コメントサーバーから取得したコメントのテキストマイニング、テキストマイニングにより特定された投稿位置及びその信憑性を判断、テーマに沿った対象物の評価等が実行される。情報提供機能では、コメントを分析した結果に基づいて生成し、ユーザへ提供するソーシャルヒートマップの編集、及びユーザのカテゴリー管理等が実行される。」ことが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、「SNSのようなオンライン・コミュニティにおいて、ブログを書く、ニュースを読む、メッセージを読むなどの複数の行動の指標を統一的に扱うことを可能とするため、オンライン上における単一あるいは複数ユーザの行動を、その行動に伴って用いられるテキスト情報とともに蓄積し、嗜好の抽出やマッチングに用いるデータを作成する。これによって今まで1次元的な情報で行っていたユーザの行動・嗜好の分析が、行動と嗜好の2つの観点あるいはそれを統合した観点で可能となり、より情報量の多い行動・嗜好分析が可能となる。テキスト情報とともにユーザの行動を蓄積するために保持されるデータ形式を、便宜上、行動マトリクスと呼ぶ。行動マトリクスは、ユーザの行動と、その行動とともに用いられたテキスト中から抽出されたキーワードより構成される行列あり、各要素にはある時刻までに蓄積されたキーワードの出現頻度に基づいた値が入る。」ことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】再表2019-244849号公報
【特許文献2】特開2009-157764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、分析対象地域を小規模にした、例えば西新宿に限定して開催される地域に密着してその居住者や、その地域を移動する移動者を含めて、文化的背景や文明的背景に依存した指標を集約するという手法は確立していないため、計測員が街中でカウンタを手にして集計するといった古典的手法では、集約する情報の質も量も限定されてしまうため、その街における指標を数値化することは難しいという指摘がなされていた。
また、同一の指標を用いて、隣接するエリア間において、どのような差異があるのかを比較して検証することができないといった課題も指摘されていた。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、ネットワークを介して特定エリアに居住している住人や、当該特定エリアに入出する通勤者、買い物客の多種態様な人間の行動や街の評価等を総合的に指標化することで、クオリティの高い街づくりカルテ指標を提示できる情報解析システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る情報解析システムは、所定の通信媒体を介して、特定エリア内を移動する参加者の行動データを集約する第1のサーバと、前記特定エリア内を移動する参加者が発信する情感データを集約する第2のサーバと、前記第1のサーバが集約する行動情データと、前記第2のサーバが集約する前記情感データとを分析する第3のサーバとが通信する情報解析システムであって、前記第3のサーバは、前記第1のサーバおよび前記第2のサーバに対して、街づくりのカルテを作成する前記特定エリアを設定する設定手段と、前記設定手段により設定された前記特定エリアを前記第1のサーバまたは前記第2のサーバに通知して情報収集を指示する指示手段と、前記第1のサーバから受領する前記特定エリアに紐づく行動データと、前記第2のサーバから受領する前記特定エリアに紐づく情感データと、前記特定のエリアに紐づくリソースとに基づいて所定の街づくりカルテ指標を構成する複数の指数を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した複数の指標を集約して前記街づくりカルテ指標を所定のフォーマットで定量化する定量化手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ネットワークを介して特定エリアに居住している住人や、当該特定エリアに入出する通勤者、買い物客の多種態様な人間の行動や街の評価等を総合的に指標化することで、クオリティの高い街づくりカルテ指標を提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本実施形態を示す情報分析システムの構成を説明するブロック図。
【
図2】
図1に示した第1~第3のサーバのハードウエア構成を説明するブロック図。
【
図3】
図2に示した第3のサーバのメモリ部に展開されるソフトウエアの構成を説明するブロック図。
【
図4】本実施形態を示す情報分析システムが算出する指標の構造を説明するブロック図。
【
図5】本実施形態を示す情報分析システムが算出する指標の構造を説明するブロック図。
【
図6】本実施形態を示す情報分析システムが算出する指標の構造を説明するブロック図。
【
図7】本実施形態を示す情報分析システムが算出する指標の構造を説明するブロック図。
【
図8】本実施形態を示す情報分析システムが算出する指標の構造を説明するブロック図。
【
図9】本実施形態を示す情報分析システムが算出する指標の構造を説明するブロック図。
【
図10】本実施形態を示す情報分析システムが算出する指標の構造を説明するブロック図。
【
図11】本実施形態を示す情報解析システムにおける指標視覚化処理例を示す図。
【
図12】本実施形態を示す情報解析システムにおける指標視覚化処理例を示す図。
【
図13】特定エリアにおける指標視覚化処理例に基づく総合格付け結果を示す図。
【
図14】特定エリアにおける指標視覚化処理例に基づく総合格付け結果を示す円形チャート。
【
図15】本実施形態を示す情報分析システムにおける解析データ利用例を説明する図。
【
図16】本実施形態を示す情報分析システムにおける第1のデータ処理手順を示すフローチャート。
【
図17】本実施形態を示す情報分析システムにおける第2のデータ処理手順を示すフローチャート。
【
図18】本実施形態を示す情報分析システムにおける第3のデータ処理手順を示すフローチャート。
【
図19】本実施形態を示す情報分析システムにおける第4のデータ処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す情報分析システムの構成を説明するブロック図である。本システムは、後述するように所定の通信媒体を介して、特定エリア内を移動する参加者の行動データを集約する第1のサーバ2と、特定エリア内を移動する参加者が発信する情感データを集約する第2のサーバ3と、第1のサーバ2が集約する行動情データと、第2のサーバ3が集約する情感データとを分析する第3のサーバ4とが通信する情報解析システムを例とする。
【0013】
図1において、1は所定の通信媒体、例えばイーサネット等で構成されるネットワークで、特定エリア内を移動する参加者の行動データを集約する第1のサーバ2と、特定エリア内を移動する参加者が発信する情感データを集約する第2のサーバ3と、第1のサーバ2が集約する行動情データと、第2のサーバ3が集約する情感データとを分析する第3のサーバ4とを通信可能に接続する。
【0014】
図2は、
図1に示した第1~第3のサーバのハードウエア構成を説明するブロック図である。
【0015】
図2において、第1のサーバ2は、通信部2-1、CPU2-2、メモリ部2-3、入力部2-4、表示部2-5、インタフェース2-6を備え、インタフェース2-6を介して外部メモリ2-7へのデータ書き込み、データ読み出しが実行可能に構成されている。
【0016】
第2のサーバ3は、通信部3-1、CPU3-2、メモリ部3-3、入力部3-4、表示部3-5、インタフェース3-6を備え、インタフェース3-6を介して外部メモリ3-7へのデータ書き込み、外部メモリ3-7からのデータ読み出しが実行可能に構成されている。
【0017】
第3のサーバ4は、通信部4-1、CPU4-2、メモリ部4-3、入力部4-4、表示部4-5、インタフェース4-6を備え、インタフェース4-6を介して外部メモリ4-7へのデータ書き込み、データ読み出しが実行可能に構成されている。
【0018】
なお、
図1に示した第1~第3のサーバのハードウエア構成は、一般的な例を示し、ユーザが適宜利用するハードウエア資源について言及しない。
【0019】
図3は、
図2に示した第3のサーバ4のメモリ部4-3に展開されるソフトウエアの構成を説明するブロック図である。
図3において、4-3-1は設定部で、第1のサーバ2および第2のサーバ3に対して、街づくりのカルテを作成する特定エリアを設定する処理を行う。
【0020】
4-3-2は指示部で、設定部4-3-1により設定された特定エリアを第1のサーバ2または第2のサーバ3に通知して情報収集を指示する処理を行う。
【0021】
4-3-3は算出部で、第1のサーバ2から受領する特定エリアに紐づく行動データと、第2のサーバ3から受領する特定エリアに紐づく情感データと、特定のエリアに紐づくリソースとに基づいて所定の街づくりカルテ指標を構成する複数の指数を算出する処理を行う。
【0022】
4-3-4は定量化部で、算出部4-3-3が算出した複数の指標を集約して街づくりカルテ指標を所定のフォーマットで定量化する処理を行う。
【0023】
このように構成された情報解析システムは、所定の通信媒体を介して、特定エリア内を移動する参加者の行動データを集約する第1のサーバ2と、特定エリア内を移動する参加者が発信する情感データを集約する第2のサーバ3と、第1のサーバ2が集約する行動情データと、第2のサーバ3が集約する情感データとを分析する第3のサーバとが通信する情報解析システムにおいて、第3のサーバ4は、第1のサーバ2、第2のサーバ3に対して、街づくりのカルテを作成する特定エリアを設定する設定部4-3-1と、設定された特定エリアを第1のサーバ2または第2のサーバ3に通知して情報収集を指示する指示部4-3-2、第1のサーバ2から受領する特定エリアに紐づく行動データと、第2のサーバ3から受領する特定エリアに紐づく情感データと、特定のエリアに紐づくリソースとに基づいて所定の街づくりカルテ指標を構成する複数の指数を算出する算出部4-3-3と、算出部4-3-3が算出した複数の指標を集約して街づくりカルテ指標を所定のフォーマットで定量化する定量化部4-3-4を備えることを特徴としている。
【0024】
また、本実施形態では、街づくりカルテ指標を構成する複数の指標は、共感人口指標、文化系指標、文明系指標を含むように構成している。
【0025】
さらに、本実施形態では、文化系指標、文明系指標は、それぞれ複数の指標パラメータを含むように構成している。
【0026】
また、本実施形態では、文化系指標は、文化発信パラメータと、文化基盤パラメータを含むように構成している。
【0027】
さらに、本実施形態では、文明系指標は、経済・行政基盤パラメータと、環境・多様性基盤パラメータと、生活利便施設パラメータとを含むように構成している。
【0028】
また、本実施形態では、第1のサーバ2は、通信媒体を介して大量のデータ端末間で実行される通信コミュニケーションサービスを提供する際に、各データ端末を操作する操作者に紐づく第1のビッグデータであって、各操作者が単位時間当たり移動する行動を分析するための位置情報を取得する構成を備えている。
【0029】
さらに、第2のサーバ3は記通信媒体を介して大量のデータ端末間で実行される通信コミュニケーションサービスを提供する際に、各データ端末を操作する操作者に紐づく第2のビッグデータであって、各操作者が各データ端末を操作して前記所定の通信媒体上に発信したネット情報を取得する構成を備えている。
【0030】
また、本実施形態では、特定のエリアに紐づくリソースは、前記特定エリアを管轄する行政機関が集約している行政データと、前記特定エリアで公表されている公共施設に関する施設データと、タウン誌に公表されているタウンデータとを含むように構成されている。
【0031】
また、通信コミュニケーションサービスは、ソシアルネットワークサービス(SNS)であって、各種のコミュニケーションアプリ(例えばTwitter(登録商標)、LINE(登録商標)、Instagram(登録商標)等)を起動することで提供されるサービスを含むように構成されている。
【0032】
図4~
図10は、本実施形態を示す情報分析システムが算出する指標の構造を説明するブロック図である。
〔背景・ニーズ(
図4参照)〕
(1)参画感が低い大都市ではなく、コンパクトでウォーカブルで民間活力が反映できる街(駅・エリマネ)単位の評価指標が欲しい。
【0033】
(2)好嫌や満足度の質問アンケートではなく、ビッグデータに依存する行動データやSNS解析データを主眼として、日本人独特の謙遜バイアスを踏まえた評価指数が欲しい。
【0034】
(3)SDGsやエリアマネジメント活動等、ソフトな街づくりの効力・貢献が可視化できる評価指数が欲しい。
【0035】
〔基本的アプローチ(
図5参照)〕
(1)都市価値の考え方
規模集積価値にフォーカスし、いわゆる規模集積価値から示される街ではなく、共感交流価値を示す指標とする。
【0036】
(2)文化系指標の考え方
全方位・平均思考というよりは、特化したテーマやビッグデータ・ランキングで強みを特定する指標とする。
【0037】
(3)文明系指標の考え方
右肩上がり成長志向というよりは、表性・サステナブル思考を示すように、経済と環境との調和を特定する指標とする。
【0038】
〔3層構造で評価(
図6参照)〕
1.共感人口活動量、2.文化系指標、3.文明系指標にフォーカスし、都市の基礎データ、暮らしやすさ等を特定する指標とする。
【0039】
〔9段階の格付け(
図7参照)〕
基本的には、A~Cに評価し、それぞれAをAAA、AA、Aと、BをBBB、BB、Bと、CをCCC、CC、Cに格付けするとともに、それぞれの格付けに指数を割り振り、都市状態に対する格付けA~Cでは、現状の共感人口の活動量が高く、それを支える文化資源も充実・活性化した状態の都市を指標する。
【0040】
図8~
図10は、
図3に示した算出部4-3-3による評価値算出プロセスを説明する図である。全体として、指標は、項目、採用データ、換算値算出方法、スコア算出方法、重みづけを相対的に評価し、全体として100(総合点MAX)とするものとするが、他のパラメータを加えて評価することは任意である。
【0041】
〔共感人口活動指標〕
【0042】
共感人口活動指標(
図8参照)〕は、エリア平均来街者数を示し、算出部4-3-3は、対象エリア内の共感人口を、居住・就業者を除くリピート来街者数から算出する。
【0043】
算出部4-3-3は、調査対象期間(例えば1カ月)の各エリアへの平均来街者数(/日)をha当たりに換算した数値を利用する。
【0044】
算出部4-3-3は、例えば山手線全駅の半径400への来街者数から算出した山手線各駅の平均来街者を「50」、最高数値エリアの来街者数を「100」としたときの数値を利用する。
【0045】
算出部4-3-3は、例えば重み付け配分を「32」、(*32)して全体としての共感人口活動指標を算出する。なお、算出例は、一例であり、重み付け配分もこの数値に限定されるものではない。
【0046】
算出部4-3-3は、採用データとして、対象エリア内の文化環境を、博物館、美術館、劇場、映画館、コンサート・ライブ施設の充実度及びNPO法人数から算出する。
【0047】
算出部4-3-3は、換算値として、美術館等については、各エリアの施設実数をha当たりに換算した値を採用し、映画館、コンサート・ライブ施設については、各エリアの座席実数をha当たりに換算した値を採用し、NPO法人については、各エリアの団体数実数をha当たりに換算した値を採用する。
【0048】
算出部4-3-3は、例えば東京都のha当たり換算値を「50」とし、最高数エリアのha当たり換算値を「100」とする。
【0049】
算出部4-3-3は、例えば重み付け配分を「15」、(*32)して全体としての共感人口活動指標を算出する。なお、算出例は、一例であり、重み付け配分もこの数値に限定されるものではない。
【0050】
〔文化系指標〕
本実施形態において、文化系指標は、(1)基本文化環境と、(2)街の文化発信とに仕分けし、基本文化環境は、文化施設/博物館・美術館・劇場当(件数)、映画館(席数)、コンサート・ライブ会場(席数)、NPO法人(団体数)に仕分けする。
【0051】
算出部4-3-3は、例えば東京都のha当たり換算値を「50」とし、最高数エリアのha当たり換算値を「100」とする。
【0052】
算出部4-3-3は、例えば重み付け配分を「16」、(*4)として全体としての基本文化環境指標を算出する。なお、算出例は、一例であり、重み付け配分もこの数値に限定されるものではない。
【0053】
(2)街の文化発信は、話題流通量で仕分けする。
算出部4-3-3は、街の発信力をユーザ数と対象幅の広さから、SNS分析により算出する。
【0054】
算出部4-3-3は、具体的には、調査対象期間の各エリア名について言及した、例えばTweet実数を用いる。
【0055】
算出部4-3-3は、山手線各駅名(+丸の内)について、言及した総Tweet実数より算出する山手線各駅の平均Tweet実数を「50」とし、最高数値エリアのTweet実数を「100」としたときの数値を利用する。
【0056】
算出部4-3-3は、例えば重み付け配分を「16」、(*4)として全体としての街の文化発信指標を算出する。なお、算出例は、一例であり、重み付け配分もこの数値に限定されるものではない。
【0057】
〔文明系指標(
図8参照)〕
本実施形態において、文明系指標は、(1)エリアの生活インフラと、(2)環境・多様性基盤とに仕分けし、エリアの生活インフラは、年間売上額(円)、売場面積(m2)、宿泊施設(客室数)、公園・オープンスペース(m2)、大学・専門学校(人数)に仕分けする。
【0058】
算出部4-3-3は、対象エリア内の生活しやすさを、商業施設、宿泊施設、教育施設(大学)及び公園・オープンスペースの充実度から指標を算出する。
【0059】
算出部4-3-3は、年間売上額に関わる指数算出に際して、各エリアの年間販売額実数をha当たりに換算した数値を利用する。
【0060】
同様に、算出部4-3-3は、売り場面積に関わる指数算出に際して、各エリアの売り場面積実数をha当たりに換算した数値を利用する(
図9参照)〕。
【0061】
同様に、算出部4-3-3は、宿泊施設に関わる指数算出に際して、各エリアの宿泊施設客室数実数をha当たりに換算した数値を利用する(
図9参照)。
【0062】
同様に、算出部4-3-3は、公園・オープンスペースに関わる指数算出に際して、各エリアの公園・オープンスペース面積実数をha当たりに換算した数値を利用する(
図9参照)。
【0063】
算出部4-3-3は、例えば東京都のha当たり換算値を「50」とし、最高数エリアのha当たり換算値を「100」とする(
図9参照)。
【0064】
算出部4-3-3は、例えば重み付け配分を「15」、(*3)して全体としてのエリアの生活インフラ指標を算出する。なお、算出例は、一例であり、重み付け配分もこの数値に限定されるものではない。
【0065】
図8において、(2)環境・多様性基盤については、1km2当たりのCO2排出量と、女性の労働力率(%)と、在留外国人率(%)とに仕分けする。
【0066】
算出部4-3-3は、1km2当たりのCO2排出量をkm2当たりに換算した数値を利用して指数を算出する。その際、算出部4-3-3は、東京都の平均値を「50」、東京23区と全国の政令指定都市計45自治体のうち、最高数値エリアの換算値を「0」としたときの数値を用いてスコア値を算出する(
図10参照)。
【0067】
算出部4-3-3は、各自治体の人口における女性労働力人口の割合に換算した数値を利用して指数を算出する。その際、算出部4-3-3は、東京都の平均値を「50」、東京23区と全国の政令指定都市計45自治体のうち、最高数値エリアの換算値を「100」としたときの数値を用いてスコア値を算出する(
図10参照)。
【0068】
算出部4-3-3は、各自治体の人口における在留外国人の割合に換算した数値を利用して指数を算出する。その際、算出部4-3-3は、東京都の平均値を「50」、東京23区と全国の政令指定都市計45自治体のうち、最高数値エリアの換算値を「100」としたときの数値を用いてスコア値を算出する(
図10参照)。
【0069】
図8において、(3)経済・行政基盤については、人口当たり税収(円/人)と、人口当たりの実質収支(円/人)と、1km2当たりの事業所数と、1km2当たりの従業者数(人)に仕分けする。
【0070】
算出部4-3-3は、町の行政力を税収および収支からの採用データに基づいて指標を算出する。その際、算出部4-3-3は、各自治体の地方税歳入を人口当たりに換算した数値を用いて指標を算出する。同様に、算出部4-3-3は、各自治体の実質収支を人口当たりに換算した数値を用いて指標を算出する。
【0071】
算出部4-3-3は、街の経済力を事業所数及び従業者数からの採用データに基づいて指標を算出する。同様に、算出部4-3-3は、各自治体の従業員数をkm2当たりに換算した数値に基づいて用いて指標を算出する。
【0072】
その際、算出部4-3-3は、東京都の平均値を「50」、東京23区と全国の政令指定都市計45自治体のうち、最高数値エリアの換算値を「100」としたときの数値を用いてスコア値を算出する(
図10参照)。
【0073】
算出部4-3-3は、例えば重み付け配分を「12」、(*3)して全体としてのエリアの経済・行政基盤指標を算出する。なお、算出例は、一例であり、重み付け配分もこの数値に限定されるものではない。
【0074】
〔指標可視化処理〕
図11、
図12は、本実施形態を示す情報解析システムにおける指標視覚化処理例を示す図である。
【0075】
本実施形態では、定量化部4-3-4が
図11に示すように、行動データ101、情感データ102、リソースデータ103を三位一体として定量視覚化を行う。特に、定量化部4-3-4は、通信会社が提供するビッグデータを扱う第1のサーバ2から、携帯端末を操作するユーザの移動行程に基づく行動データ(GPS情報)を取得するとともに、情報発信ソースに基づくビッグデータを扱う第2のサーバ3から携帯端末を操作するユーザが発信するソシアルネットワーク情報(例えばTwitter(商標登録)の情報)を取得し、かつ、特定のエリアを管轄する行政情報を行政が提供するサーバから取得して、三位一体として定量視覚化処理を行う構成を特徴としている。
【0076】
具体的には、定量化部4-3-4は、
図12に示す円形チャート(チャートのフォーマットはこれに限定されるものではない)。に示すように、共感人口指標、文明系指標、文化系指標を配置して視覚化を図っている。
【0077】
ここで、定量化部4-3-4は、さらにソフト計指標と、インフラ・ハード系指標とに分割して識別可能とする指標として表示する態様と、通常通り、算出部4-3-3が算出した指標に基づいてスコアを表示する態様とを切り替えられるように構成されている。
【0078】
〔特定エリアに着目した指標の処理〕
図12は、本実施形態を示す情報分析システムによる特定エリアの指標表示処理を説明する図である。
【0079】
図12に示す情報分析例は、特定エリアを、例えば西新宿という小エリアに着目してスコアを算出した例を表形式で一覧表示した場合に対応する。なお、スコア算出処理は、上述の通りである。
【0080】
定量化部4-3-4は、
図11に示した三位一体評価に基づく円形チャートであり、
図13に示した対象エリア、例えば西新宿という小エリアにおける分析により、特に、当該エリア内に滞在したユーザが発信した情感データから、街の強みワードとして、「新宿ミロード」、「食べ放題」、「ヒルトン東京」、「スイーツ」、「新宿」とをカウントして、発信されたトレンドとなる文言(テキストベース)を1位から5位をランク表示した結果、「新宿ミロード」、「新宿」、「ヒルトン東京」、「スイーツ」「食べ放題」となった例を示すが、取得する期間によっては異なる結果となる(
図12参照)。
【0081】
なお、
図13では、共感実行活動指標、文化系指標、文明系指標を総括して、西新宿の総合格付けが「A」となった例に対応する。これらを円形チャートするものが
図14である。
【0082】
図15は、本実施形態を示す情報分析システムにおける解析データ利用例を説明する図である。
【0083】
図15に示す上段部(
図15(a))では、上述した特定エリアが複数エリア指定された場合に、その特定エリアを含む地域情報(例えば地図情報)に紐づけて対比可能に算出したスコアを視覚化して表示した例を示す。
【0084】
図15に示す上段部(
図15(b))では、上述した特定エリアがエリア指定された場合に、複数年次に亘って、特定の施策(PDCAサイクル)の推移を表示した例を示す。
【0085】
図15に示す下段部(
図15(c))では、定量化部4-3-4が行動データと情感データとを掛け合わせたAND情報から、着目する街のファンの数・属性・興味を可視化した例であって、例えば地域再生エリアマネジメント負担金制度における受益算定に方法に活用した例を示す。
【0086】
具体的には、個別イベントを起点として来場者数および平均購買予算から算出した売上金額を加算して処理し、共感人口の増加に伴う経済効果を推計することが可能となる。
【0087】
また、
図15に示す下段部(
図15(d))では、定量化部4-3-4が行動データと情感データとを掛け合わせたAND情報から、着目する街のプロモーションセールスに活用した例であって、街まるごとプロモーションのインパクト、公共スペース貸出権、街路灯フラッグ利用権、ビジョン公共枠放映権を視覚化した例である。
【0088】
〔情報分析システムにおける指標編纂処理例〕
〔公共のサーバによる処理〕
図16は、本実施形態を示す情報分析システムにおける第1のデータ処理手順を示すフローチャートである。本例は、連係する行政システムが公開する公共のサーバ装置5のデータ処理例に対応する。なお、(1)~(3)を示し、
図1に示した公共のサーバ5が基本計画に基づいて編纂する処理ステップである。また、公共のサーバ装置5は、特定のエリアを管轄する市町村、23区毎、などの行政サーバが含まれる。
【0089】
公共のサーバ装置5は、特定エリアを含む管轄するエリアに対して公共サービスを展開する際、当該エリア内における公共情報(街づくりに基づく都市開発に必要な建物、病院、劇場、学校等の情報)を収集し(1)、公共のサーバ装置5は、図示しない行政データベースに収集した公共情報として登録し(2)、公共のサーバ装置5は、随時行政データベースを更新して(3)、処理を終了する。なお、本実施形態では、行政システムが公開するサーバ装置と連系する場合を示すが、一般ユーザが閲覧可能なデータベースとして構築されていてもよい。
【0090】
〔第1のサーバによる処理〕
図17は、本実施形態を示す情報分析システムにおける第2のデータ処理手順を示すフローチャートである。本例は、
図1に示した第1のサーバ2によるデータ処理に対応する。(11)~(15)は各ステップを示し、各ステップは、第1のサーバ2のCPU2-2がメモリ部に記憶されたプログラムを実行することで実現される。
【0091】
まず、第3のサーバ4から調査期間、特定エリアに関する情報を受信したら(11)、CPU2-2は、図示しないメモリユニットで管理されるビッグデータ(BigData1)から、ステップ(11)で受信した特定エリアに基づいて抽出すべき行動データの対象を絞り込む(12)。なお、特定エリア情報は、GPS等の位置情報サービスを利用する例を示すが、これに限るものではない。
【0092】
次に、CPU2-2は、絞り込まれた行動データから、さらに、指定された調査期間に基づいて、当該調査期間内において、データ端末を操作する通行人の行動データ(これを対象データD1と呼ぶ)を抽出する(13)。
【0093】
次に、CPU2-2は、通信部2-1を制御して抽出した対象データD1を第3のサーバ4に返信する(14)。
【0094】
次に、CPU2-2は、通信部2-1を制御して第3のサーバ4から対象データD1に対する受領応答を受信したら(15)、本処理を終了する。
【0095】
〔第3のサーバによる処理〕
図18は、本実施形態を示す情報分析システムにおける第3のデータ処理手順を示すフローチャートである。本例は、
図1に示した第2のサーバ3によるデータ処理に対応する。(21)~(25)は各ステップを示し、各ステップは、第2のサーバ3のCPU3-2がメモリ部に記憶されたプログラムを実行することで実現される。
【0096】
まず、第3のサーバ4から調査期間、特定エリアに関する情報を受信したら(21)、CPU3-2は、図示しないメモリユニットで管理されるビッグデータ(BigData1)から、ステップ(21)で受信した特定エリアに基づいて抽出すべき行動データの対象を絞り込む(22)。なお、特定エリア情報は、GPS等の位置情報サービスを利用する例を示すが、これに限るものではない。
【0097】
次に、CPU3-2は、絞り込まれた行動データから、さらに、指定された調査期間に基づいて、当該調査期間内において、データ端末を操作する通行人の情感データ(これを対象データD2と呼ぶ)を抽出する(23)。
【0098】
次に、CPU3-2は、通信部3-1を制御して抽出した対象データD2を第3のサーバ4に返信する(24)。
【0099】
次に、CPU2-2は、通信部2-1を制御して第3のサーバ4から対象データD2に対する受領応答を受信したら(25)、本処理を終了する。
【0100】
〔第4のサーバによる処理〕
図19は、本実施形態を示す情報分析システムにおける第4のデータ処理手順を示すフローチャートである。本例は、
図1に示した第3のサーバ4によるデータ処理に対応する。(31)~(41)は各ステップを示し、各ステップは、第3のサーバ4のCPU4-2がメモリ部4-3に記憶されたプログラムを実行することで実現される。
【0101】
図示しないメニュー画面を表示部に表示した状態で、担当者は、特定エリアを、例えば郵便番号(ZIPコード)を入力すると(31)、GPS変換テーブルに基づいて特定エリアをGPSコード情報に変換して第1のサーバ2、第2のサーバ3に依頼する特定エリアを確定する(32)。
【0102】
次に、CPU4-2は、通信部4-1を制御して、担当者がメニュー項目の選択操作に従い、今回分析を行う調査期間指定と合わせてステップ(32)で確定した特定エリアの情報をネットワーク1を介して第1のサーバ2、第2のサーバ3に通知する(33)。
【0103】
次に、第3のサーバ4は、通信部4-1を制御して、ネットワーク1を介して第1のサーバ2が収集した行動データを受領した後(34)、第3のサーバ4は、通信部4-1を制御して、ネットワーク1を介して第2のサーバ3が収集した情感データを受領する(35)。さらに、第3のサーバ4は、通信部4-1を制御して、ネットワーク1を介して、公共のサーバ5から、市町村、23区レベルで最新の行政データを取得する(36)。
【0104】
次に、第3のサーバ4のCPU4-2は、ステップ(34)、(35)で受領したり、ステップ(36)で取得した各情報に基づいて指標を算出したりする処理を実行する(37)。
【0105】
次に、第3のサーバ4のCPU4-2は、特定エリアの指標を上述したプロセスに従い編集して定量化する処理を実行する(38)。そして、第3のサーバ4のCPU4-2は、外部メモリ4-7上に確保される指標蓄積部に定量化した指標を登録する(39)。
【0106】
これにより、特定エリアに関して作成された指標情報は、第三者に有料で開示することが可能となる。この際、第三者は、ネットワーク1を介して第3のサーバ4にログインして、特定エリアを指定するエリアコード、期間等のデータ取得用のパラメータを入力する。
【0107】
この際、第3のサーバ4のCPU4-2は、特定エリアに関する指標を開示するため、あらかじめ設定された情報閲覧費を電子決済するため、第三者から電子決済処理が承認されたことを確認して支払い完了を待つ(40)。
【0108】
そして、第3のサーバ4のCPU4-2は、特定エリアに関する指標を閲覧したい第三者が操作するデータ端末に対して指標情報を納品して(41)、処理を終了する。
【0109】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態によれば、ネットワークを介して特定エリアに居住している住人や、当該特定エリアに入出する通勤者、買い物客の多種態様な人間の行動や街の評価等を総合的に指標化することで、クオリティの高い街づくりカルテ指標を提示できる情報解析システムを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
上記実施形態では、特定エリアに絞り込んで多様な指標を例えば1つの円形チャートとして閲覧可能とするシステム例を説明したが、複数の特定エリアを対比して、特徴的な差異を示す指標にフォーカスする機能を組み入れてもよい。
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
【0111】
(1)所定の通信媒体を介して、特定エリア内を移動する参加者の行動データを集約する第1のサーバと、前記特定エリア内を移動する参加者が発信する情感データを集約する第2のサーバと、前記第1のサーバが集約する行動情データと、前記第2のサーバが集約する前記情感データとを分析する第3のサーバとが通信する情報解析システムであって、前記第3のサーバは、前記第1のサーバおよび前記第2のサーバに対して、街づくりのカルテを作成する前記特定エリアを設定する設定手段と、前記設定手段により設定された前記特定エリアを前記第1のサーバまたは前記第2のサーバに通知して情報収集を指示する指示手段と、前記第1のサーバから受領する前記特定エリアに紐づく行動データと、前記第2のサーバから受領する前記特定エリアに紐づく情感データと、前記特定のエリアに紐づくリソースとに基づいて所定の街づくりカルテ指標を構成する複数の指数を算出する算出手段と、前記算出手段が算出した複数の指標を集約して前記街づくりカルテ指標を所定のフォーマットで定量化する定量化手段と、を備えることを特徴とする。
【0112】
(2)前記街づくりカルテ指標を構成する複数の指標は、共感人口指標、文化系指標、文明系指標を含む、ことを特徴とする。
【0113】
(3)前記文化系指標、前記文明系指標は、それぞれ複数の指標パラメータを含む、ことを特徴とする。
【0114】
(4)前記文化系指標は、文化発信パラメータと、文化基盤パラメータを含む、ことを特徴とする。
【0115】
(5)前記文明系指標は、経済・行政基盤パラメータと、環境・多様性基盤パラメータと、生活利便施設パラメータとを含む、ことを特徴とする。
【0116】
(6)前記第1のサーバは、前記通信媒体を介して大量のデータ端末間で実行される通信コミュニケーションサービスを提供する際に、各データ端末を操作する操作者に紐づく第1のビッグデータであって、各操作者が単位時間当たり移動する行動を分析するための位置情報を取得することを特徴とする。
【0117】
(7)前記第2のサーバは、前記通信媒体を介して大量のデータ端末間で実行される前記通信コミュニケーションサービスを提供する際に、各データ端末を操作する操作者に紐づく第2のビッグデータであって、各操作者が各データ端末を操作して前記所定の通信媒体上に発信したネット情報を取得することを特徴とする。
【0118】
(8)前記特定のエリアに紐づくリソースは、前記特定エリアを管轄する行政機関が集約している行政データと、前記特定エリアで公表されている公共施設に関する施設データと、タウン誌に公表されているタウンデータとを含むことを特徴とする。
【0119】
(9)前記通信コミュニケーションサービスは、ソシアルネットワークサービス(SNS)であって、各種のコミュニケーションアプリを起動することで提供されるサービスを含むことを特徴とする。
【符号の説明】
【0120】
1 ネットワーク
2 第1のサーバ
3 第2のサーバ
4 第3のサーバ
4-2 CPU
4-3 RAM
4-3-1 設定部
4-3-2 指示部
4-3-3 算出部
4-3-4 公表部