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特開2024-100281制御装置、スイッチング電源装置及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100281
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】制御装置、スイッチング電源装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
H02M3/28 Q
H02M3/28 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004155
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】510123839
【氏名又は名称】ニデックモビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155712
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 尚
(72)【発明者】
【氏名】安藤 正則
(72)【発明者】
【氏名】各務 明浩
(72)【発明者】
【氏名】富田 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】山上 正寛
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA02
5H730AS17
5H730BB27
5H730BB61
5H730DD04
5H730EE04
5H730EE07
5H730EE59
5H730FD01
5H730FG07
(57)【要約】
【課題】ゲイン変化に伴う電圧振動を低減させつつ、スイッチングノイズを低減させる。
【解決手段】制御装置(2)は、スイッチング周波数を算出する周波数算出部(23)と、スイッチング周波数の変化量に対する、ゲインの変化量の比を示す変化率を算出する変化率算出部(24)と、変化率に基づいてスイッチング周波数を拡散させる拡散制御部(25)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子のオンオフ状態を切り替えることにより、入力電圧を出力電圧に変換する電力変換回路に用いられる制御装置であって、
前記スイッチング素子のオンオフ状態を切り替えるためのスイッチング周波数を算出する周波数算出部と、
前記周波数算出部によって算出された前記スイッチング周波数の変化量に対する、前記入力電圧に対する前記出力電圧の比であるゲインの変化量の比を示す変化率を算出する変化率算出部と、
前記変化率算出部によって算出された前記変化率に基づいて、前記周波数算出部によって算出された前記スイッチング周波数を拡散させる拡散制御部と、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記変化率算出部は、前記周波数算出部によって算出された前記スイッチング周波数を所定範囲で変化させた場合の変化量に対する、前記ゲインの変化量の比を示す変化率を算出し、
前記拡散制御部は、前記変化率に基づいて、前記周波数算出部によって算出された前記スイッチング周波数を拡散させる拡散幅を変化させる、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記拡散制御部は、前記変化率が小さいほど前記拡散幅を大きくする、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記拡散制御部は、前記スイッチング周波数に基づいて前記拡散幅を変化させる、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記拡散制御部は、前記電力変換回路に流れる電流に基づいて前記拡散幅を変化させる、
請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記電力変換回路と、
を備える、スイッチング電源装置。
【請求項7】
スイッチング素子のオンオフ状態を切り替えることにより、入力電圧を出力電圧に変換する電力変換回路に用いられる制御装置の制御方法であって、
前記スイッチング素子のオンオフ状態を切り替えるためのスイッチング周波数を算出し、
前記スイッチング周波数の変化量に対する、前記入力電圧に対する前記出力電圧の比であるゲインの変化量の比を示す変化率を算出し、
前記変化率に基づいて前記スイッチング周波数を拡散させる、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、スイッチング電源装置及び制御方法に関し、特に共振動作型のスイッチング電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、スイッチング周波数を所定範囲において拡散させてノイズエネルギーを分散化させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-159418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スイッチング周波数の変化量に対してゲインの変化量が大きい周波数領域においてスイッチング周波数を拡散させてしまうと、ゲイン変化に伴い出力電圧が不安定になるおそれがある。一方で、スイッチング周波数の拡散幅を小さくすると所望のスイッチングノイズ低減効果が得られないおそれがある。
【0005】
本開示の一態様は、ゲイン変化に伴う電圧振動を低減させつつ、スイッチングノイズを低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る制御装置は、スイッチング素子のオンオフ状態を切り替えることにより、入力電圧を出力電圧に変換する電力変換回路に用いられる制御装置であって、前記スイッチング素子のオンオフ状態を切り替えるためのスイッチング周波数を算出する周波数算出部と、前記周波数算出部によって算出された前記スイッチング周波数の変化量に対する、前記入力電圧に対する前記出力電圧の比であるゲインの変化量の比を示す変化率を算出する変化率算出部と、前記変化率算出部によって算出された前記変化率に基づいて、前記周波数算出部によって算出された前記スイッチング周波数を拡散させる拡散制御部と、を備える。
【0007】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る制御方法は、スイッチング素子のオンオフ状態を切り替えることにより、入力電圧を出力電圧に変換する電力変換回路に用いられる制御装置の制御方法であって、前記スイッチング素子のオンオフ状態を切り替えるためのスイッチング周波数を算出し、前記スイッチング周波数の変化量に対する、前記入力電圧に対する前記出力電圧の比であるゲインの変化量の比を示す変化率を算出し、前記変化率に基づいて前記スイッチング周波数を拡散させる。
【0008】
本開示の各態様に係る制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記制御装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記制御装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本開示の範疇に入る。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様によれば、ゲイン変化に伴う電圧振動を低減させつつ、スイッチングノイズを低減させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係るスイッチング電源装置の一例を示す概略構成図である。
図2】本開示の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。
図3】バッテリを充電する際の電圧及び電流の時間変化を示すグラフである。
図4】スイッチング周波数とゲインとの関係を示すグラフである。
図5】ノイズ周波数とノイズレベルとの関係を示す比較例である。
図6】ノイズ周波数とノイズレベルとの関係を示す実施例である。
図7】ノイズ周波数とノイズレベルとの関係を示す比較例である。
図8】ノイズ周波数とノイズレベルとの関係を示す実施例である。
図9】周波数拡散制御の流れの一例を説明するフローチャートである。
図10】スイッチング周波数とゲインとの関係を示すグラフである。
図11】スイッチング周波数とゲインとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一実施形態について、詳細に説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0012】
<スイッチング電源装置1の構成>
図1は、本実施形態に係るスイッチング電源装置1の一例を示す概略構成図である。図1に示すようにスイッチング電源装置1は、制御装置2と、電力変換回路3とを備えている。スイッチング電源装置1には、外部の電源30から直流電流Iinが供給される。スイッチング電源装置1は、入力電圧Vinを出力電圧Voutに変換して外部の負荷31に出力電流Ioutを供給する。スイッチング電源装置1は、車両に搭載されるLLC共振型DC/DCコンバータであり、車両駆動用の高圧バッテリである電源30から補機用の低圧バッテリである負荷31に電力を供給する。ただしスイッチング電源装置1は、LLC共振型DC/DCコンバータに限定されず、他の方式のDC/DCコンバータであってもよい。また、スイッチング電源装置1に接続される負荷31はバッテリに限られない。当該負荷31は、モータ、又は電装品であってもよい。
【0013】
また、スイッチング電源装置1は、オンボードチャージャーで用いられてもよい。オンボードチャージャーとは、一般住宅又は公共施設などから提供される交流電圧を直流電圧に変換し、電気自動車又はプラグインハイブリッド自動車などに搭載される車両駆動用の高圧バッテリを充電するためのシステムである。スイッチング電源装置1がオンボードチャージャーで用いられる場合、電源30は交流電源であり、負荷31は車両駆動用の高圧バッテリである。なお、スイッチング電源装置1がオンボードチャージャーで用いられる場合、交流電源と電力変換回路3との間には力率補正回路が挿入される。以下、本実施形態では、負荷31を車両駆動用の高圧バッテリとして説明する。
【0014】
<電力変換回路3の構成>
図1に示すように、電力変換回路3は、第1端子Taと、第2端子Tbと、第1コンデンサCINと、第1スイッチング素子Q1と、第2スイッチング素子Q2と、第3スイッチング素子Q3と、第4スイッチング素子Q4と、第2コンデンサCrと、第1コイルLrと、トランスTRと、第1ダイオードD1と、第2ダイオードD2と、第3ダイオードD3と、第4ダイオードD4と、第3コンデンサCOUTと、電圧センサ4と、第3端子Tcと、第4端子Tdと、を備える。
【0015】
第1端子Taは、電源30の正端子に接続されている。第2端子Tbは、電源30の負端子に接続されている。第1コンデンサCINの一端は第1端子Taに接続されており、第1コンデンサCINの他端は第2端子Tbに接続されている。第1コンデンサCINは、平滑コンデンサとして機能する。本実施形態では、電力変換回路3が第1コンデンサCINを備えるものとして説明するが、これに限定されず、第1コンデンサCINは電力変換回路3の外部に設けられる構成であってもよい。
【0016】
第1~第4スイッチング素子Q1~Q4は、電源30から供給された直流電流Iinを交流電流に変換するために用いられる。以下では第1~第4スイッチング素子Q1~Q4を電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)として説明するが、これに限定されず、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などが用いられてもよい。本実施形態では、第1~第4スイッチング素子Q1~Q4によってフルブリッジ型の回路が形成される。第1~第4スイッチング素子Q1~Q4の接続関係について説明する。
【0017】
第1スイッチング素子Q1のドレインは、第2スイッチング素子Q2のソース及び1次側巻線LR1の一端に接続されている。第1スイッチング素子Q1のソースは、第2端子Tbに接続されている。第1スイッチング素子Q1のゲートには制御装置2から第1制御信号S1が入力される。
【0018】
第2スイッチング素子Q2のドレインは、第1端子Ta及び第4スイッチング素子Q4のドレインと接続されている。第2スイッチング素子Q2のゲートには制御装置2から第2制御信号S2が入力される。
【0019】
第3スイッチング素子Q3のドレインは、第4スイッチング素子Q4のソース及び第2コンデンサCrの一端に接続されている。第3スイッチング素子Q3のソースは、第2端子Tbに接続されている。第3スイッチング素子Q3のゲートには制御装置2から第3制御信号S3が入力される。
【0020】
第4スイッチング素子Q4のゲートには制御装置2から第4制御信号S4が入力される。第1~第4制御信号S1~S4の一例は、駆動パルスである。
【0021】
第1~第4スイッチング素子Q1~Q4のオンオフ状態について、代表として、第1スイッチング素子Q1を取り上げて説明する。第1スイッチング素子Q1のドレイン-ソース間が導通のときを第1スイッチング素子Q1がオン状態であり、第1スイッチング素子Q1のドレイン-ソース間が不導通のときをスイッチング素子がオフ状態である。制御装置2は、第1スイッチング素子Q1のドレイン-ソース間の導通又は不導通を第1制御信号S1によって制御する。第2~第4スイッチング素子Q2~Q4についても同様である。なお、導通とはドレインからソースの方向に電流が流れる状態を意味する。
【0022】
第2コンデンサCrの他端は、第1コイルLrの一端に接続されている。なお、第1コイルLrはトランスTRが具備する漏れインダクタンスで代用してもよい。第1コイルLrの他端は、1次側巻線LR1の他端に接続されている。第2コイルLmは、1次側巻線LR1と並列に接続されている。第2コイルLmは、トランスTRが具備する励磁インダクタンスであるが、トランスTRと別体のコイル部品を1次側巻線LR1と並列に接続してもよい。第2コンデンサCrと、第1コイルLrと、第2コイルLmとによって、共振回路が形成されている。共振回路により、電力変換回路3は、第2コンデンサCrと第1コイルLrによる共振周波数を有する。更に電力変換回路3は、第1コイルLrのインダクタンスと第2コイルLmのインダクタンスの和、及び第2コンデンサCrによる共振周波数を有する。
【0023】
トランスTRは、1次側巻線LR1と2次側巻線LR2とを備え、1次側回路と2次側回路とを直流的に絶縁するとともに交流的に接続する。より詳しくは、トランス15は、1次側回路と2次側回路との間の電磁誘導により交流電流から誘導起電力による電流を生成する。
【0024】
2次側巻線LR2の一端は、第1ダイオードD1のカソードと第3ダイオードD3のアノードに接続されている。2次側巻線LR2の他端は、第2ダイオードD2のカソードと第4ダイオードD4のアノードに接続されている。第3ダイオードD3のカソードと第4ダイオードD4のカソードは、第3端子Tcに接続されている。第1ダイオードD1のアノードと第2ダイオードD2のアノードは、第4端子Tdに接続されている。
【0025】
第1ダイオードD1、第2ダイオードD2、第3ダイオードD3、及び第4ダイオードD4は、誘導起電力による電流を整流する。
【0026】
第3コンデンサCOUTの一端は、第3端子Tcに接続されている。第3コンデンサCOUTの他端は、第4端子Tdに接続されている。第3コンデンサCOUTは、第1~第4ダイオードD1~D4によって整流された電流を平滑化して出力電流Ioutを生成する。生成された出力電流Ioutは、負荷31に供給される。なお、出力電流Ioutは、不図示の電流センサで検出し、検出した電流信号は制御装置2に送信される。
【0027】
電圧センサ4は、第3端子Tcと第4端子Tdとの間に発生する電圧である出力電圧Voutを検出するセンサである。電圧センサ4は、第3端子Tcと第4端子Tdとの間に接続されている。電圧センサ4は、検出した出力電圧Voutを制御装置2に送信する。
【0028】
第3端子Tcは、負荷31の正端子に接続されている。第4端子Tdは、負荷31の負端子に接続されている。
【0029】
制御装置2は、各種プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)、各種プログラムを実行する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)などを備える。制御装置2は、負荷31に対する目標電圧及び電圧センサ4から取得した出力電圧Voutなどに基づいて、第1~第4スイッチング素子Q1~Q4の動作を制御することにより、電力変換回路3の動作を制御する。制御装置2は、各種プログラムを実行することにより、複数の信号処理回路として機能する。なお、ここでは、ソフトウェアによって制御装置2が備える複数の信号処理回路を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各信号処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、信号処理回路を構成することも可能である。また、複数の信号処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0030】
<制御装置2の機能>
次に、図2を参照して、制御装置2の機能について説明する。図2は、制御装置2の機能ブロック図である。図2に示すように、制御装置2は、複数の信号処理回路として、目標電圧算出部21と、制御量算出部22と、周波数算出部23と、変化率算出部24と、拡散制御部25と、駆動パルス生成部26と、を備える。なお、記憶部27は、制御装置2の機能ではなく、ROMなどによって構成されるハードウェアである。
【0031】
目標電圧算出部21は、負荷31に応じて目標電圧を算出する。目標電圧は、出力電圧Voutの目標値である。制御装置2は、目標電圧に追従するように出力電圧Voutを制御する。制御方法の一例として、フィードバック制御を取り上げて説明する。目標電圧算出部21は、算出した目標電圧を制御量算出部22に送信する。
【0032】
制御量算出部22は、目標電圧算出部21から取得した目標電圧と、電圧センサ4から取得した出力電圧Voutとの偏差を算出し、算出した偏差がゼロになるようにPID演算により制御量を算出する。制御量算出部22は、算出した制御量を周波数算出部23に送信する。ここでは、電圧値をフィードバック制御の対象として説明するが、フィードバック制御の対象は、電圧値に限定されず、電流値でもよく、電力値でもよい。
【0033】
周波数算出部23は、制御量算出部22から取得した制御量を換算して第1~第4スイッチング素子Q1~Q4のオンオフ状態を切り替えるためのスイッチング周波数を算出する。周波数算出部23は、算出したスイッチング周波数を変化率算出部24に送信する。なお、スイッチング周波数の代わりにスイッチング周波数の逆数であるスイッチング周期を算出して以降の演算を行ってもよい。スイッチング周波数及びスイッチング周期の両者は、等価な特徴量であるためどちらを用いても同じ効果が得られることは自明であり、スイッチング周期の詳細な説明は省略する。スイッチング周波数が高い場合はスイッチング周期は短く、スイッチング周波数が低い場合はスイッチング周期は長いため、適宜読み替えればよい。
【0034】
変化率算出部24は、周波数算出部23から取得したスイッチング周波数を所定範囲で変化させた場合の変化量に対する、ゲインの変化量の比を示す変化率を算出する。本実施形態におけるゲインとは、入力電圧Vinに対する出力電圧Voutの比である。所定範囲は予め設定されている。例えば所定範囲は、周波数算出部23によって算出されたスイッチング周波数を基本周波数とした場合、この基本周波数を基準とした所定の周波数範囲として設定される。以下では変化率を「変化率ΔG/ΔF」と称する。記憶部27には、スイッチング周波数とゲインとの関係を示す情報が格納されており、変化率算出部24は、記憶部27を参照して変化率ΔG/ΔFを算出する。変化率算出部24は、算出した変化率ΔG/ΔFを拡散制御部25に送信する。なお、スイッチング周波数とゲインとの関係を示す情報は、電力変換回路3の動作中に種々のセンサ取得値に基づいて更新されてもよく、電力変換回路3の外部の通信手段から取得してもよい。
【0035】
拡散制御部25は、変化率算出部24から取得した変化率ΔG/ΔFに応じてスイッチング周波数を拡散させる拡散幅を変化させる。
【0036】
スイッチング動作によって生じるノイズを低減させるための方策として、スイッチング周波数を所定の範囲で拡散させることが知られている。その原理は、スイッチング周波数を所定の範囲で拡散させることにより、スイッチング動作によって生じるノイズの周波数スペクトルを拡散させ、スイッチングノイズを低減させる、というものである。以下では、「スイッチング動作によって生じるノイズ」を単にスイッチングノイズと称する。
【0037】
ここで、LLC共振型DC/DCコンバータは通常、周波数変調方式によって制御されるため、スイッチング周波数を拡散させるとゲイン変化に伴う電圧振動が大きくなり出力電圧が不安定になるおそれがある。出力電圧を可能な限り安定させるためには、スイッチング周波数を拡散させる拡散幅を狭くする方法が考えられるが、そうすると、ノイズ低減効果が限定的になってしまう。
【0038】
この問題を解決すべく、本実施形態では、変化率ΔG/ΔFに応じてスイッチング周波数を拡散させる拡散幅を変化させる構成とした。詳細については後述する。
【0039】
駆動パルス生成部26は、スイッチング周波数を用いて駆動パルスを生成し、生成した駆動パルスを第1~第4スイッチング素子Q1~Q4に出力する。これにより、第1~第4スイッチング素子Q1~Q4のオンオフ状態が切り替えられる。
【0040】
<拡散幅を変化させる方法の一例>
次に、図3及び図4を参照して、変化率ΔG/ΔFに応じてスイッチング周波数を拡散させる拡散幅を変化させる方法の一例について説明する。
【0041】
図3は、図1の負荷31を充電する際の電圧及び電流の時間変化を示すグラフである。図3のT1は、充電開始時の時間領域を示す。また、図3のT2は、充電完了間際の時間領域を示す。時間領域T1に示すように、充電開始時では負荷31の電圧が低いため、充電電流が最大の状態となる。一例として、充電電流が大きくなるにつれて、スイッチングノイズが大きくなるため、充電開始時ではスイッチングノイズは大きい。一方で、一例として、充電が進むにしたがい、負荷31の電圧は徐々に高くなり、充電電流は徐々に小さくなる。したがって、時間領域T2で示される充電完了間際のおけるスイッチングノイズは小さい。このため、充電完了間際よりは、充電開始時におけるスイッチングノイズを低減させることが求められる。
【0042】
図4は、スイッチング周波数とゲインとの関係を示すグラフであり、横軸はスイッチング周波数(kHz)を示し、縦軸はゲインを示す。ゲインがピークとなる領域より左側の領域は、LLC共振型DC/DCコンバータの制御において通常使用されないため、説明を省略する。ゲインがピークとなる領域より右側の領域では、スイッチング周波数が高くなるにつれて、ゲインが小さくなる。ただし、この変化率ΔG/ΔFは一律ではない。具体的には低周波数領域F2では、変化率ΔG/ΔFは大きく、高周波数領域F1では、変化率ΔG/ΔFは小さい。
【0043】
充電開始時では、制御装置2は、ゲインが小さい高周波数領域F1でスイッチング周波数を制御する。図3で説明したように、高周波数領域F1では充電電流が最大の状態であるためスイッチングノイズが大きい。なお、充電開始時にゲインが小さい理由は、入力電圧が一定で、出力電圧が低いからである。
【0044】
LLC共振型DC/DCコンバータの周波数変調方式では通常、スイッチング周波数を低くしてゲインを上げることにより、出力電圧Voutを上昇させる。本実施形態においても制御装置2は、この周波数変調方式を用いて出力電圧Voutを上昇させる。したがって、充電完了間際では、制御装置2は、ゲインが大きい低周波数領域F2でスイッチング周波数を制御する。図3で説明したように、低周波数領域F2では充電電流が小さいためスイッチングノイズは小さい。
【0045】
このように、高周波数領域F1ではスイッチングノイズが大きく、低周波数領域F2では小さい。また、高周波数領域F1における変化率ΔG/ΔFは小さく、低周波数領域F2における変化率ΔG/ΔFは大きい。そこで、制御装置2は、変化率ΔG/ΔFが小さい場合は大きい場合と比較して、スイッチング周波数を拡散させる拡散幅を大きくする。換言すれば、制御装置2は、高周波数領域F1ではスイッチング周波数を拡散させる拡散幅を大きくし、低周波数領域F2ではスイッチング周波数を拡散させる拡散幅を小さくする。以下、拡散幅の大小の具体例を説明する。
【0046】
図4の符号10は、高周波数領域F1においてスイッチング周波数を拡散させる拡散幅を示す。図4の符号11は、低周波数領域F2においてスイッチング周波数を拡散させる拡散幅を示す。拡散幅10>拡散幅11である。制御装置2は、高周波数領域F1においてスイッチング周波数を拡散させる拡散幅10を、低周波数領域F2においてスイッチング周波数を拡散させる拡散幅11より大きくする。
【0047】
変化率ΔG/ΔFが小さい高周波数領域F1では、スイッチングノイズが大きい。このため、変化率ΔG/ΔFが小さい高周波数領域F1では、制御装置2は、スイッチング周波数を拡散させる拡散幅を大きくする。これにより、スイッチングノイズの周波数スペクトルを広範囲で拡散させることができ、スイッチングノイズを低減させることが可能となる。一方で、スイッチング周波数を拡散させる拡散幅を大きくすると、ゲイン変化に伴う電圧振動が大きくなることが懸念されるが、本実施形態において、拡散幅を大きくさせた高周波数領域F1では変化率ΔG/ΔFは小さい。よって、スイッチング周波数を拡散させたとしても、その拡散に起因するゲイン変化は小さく、電圧振動も小さい。すなわち、本実施形態によれば、ゲイン変化に伴う電圧振動を低減させつつ、スイッチングノイズを低減させることが可能となる。
【0048】
変化率ΔG/ΔFが大きい低周波数領域F2では、スイッチングノイズは小さい。このため、変化率ΔG/ΔFが大きい低周波数領域F2では、制御装置2は、スイッチング周波数を拡散させる拡散幅を小さくする。これは、スイッチングノイズ低減効果が低くなるとしても、ゲイン変化に伴う電圧振動をより低減することを目的としている。上述の通り、変化率ΔG/ΔFが大きい低周波数領域F2ではスイッチングノイズは小さいため、スイッチングノイズ低減効果は低くても構わない。変化率ΔG/ΔFが大きい低周波数領域F2においては、拡散幅を大きくしてしまうと、ゲイン変化に伴う電圧振動が大きくなってしまうため、この電圧振動を低減させることがスイッチングノイズ低減効果よりも求められる。
【0049】
そこで、変化率ΔG/ΔFが大きい低周波数領域F2では、制御装置2は、スイッチング周波数を拡散させる拡散幅を小さくする。これにより、ゲイン変化に伴う電圧振動を低減させることできる。図3で説明したように、変化率ΔG/ΔFが大きい低周波数領域F2は、充電完了間際の周波数領域である。この周波数領域では、過充電とならないように高精度な低電流の出力が求められるところ、拡散幅を小さくすることにより、電圧振動を低減させることができ、高精度な低電流の出力が実現する。
【0050】
なお、制御装置2は、任意の条件を満足する場合、例えば変化率ΔG/ΔFが大きい低周波数領域F2では、スイッチング周波数を拡散させる拡散幅をゼロにしてもよい。これにより、スイッチングノイズ低減効果は得られないが、ゲイン変化に伴う電圧振動をより一層低減させることできる。繰り返しになるが、変化率ΔG/ΔFが大きい低周波数領域F2では、もともとスイッチングノイズは小さいため、スイッチングノイズ低減効果が得られなくても構わない。図1の負荷31を充電する際のスイッチングノイズを低減させることができれば足りる。
【0051】
また、上記では変化率ΔG/ΔFを絶対値として説明したが、絶対値が同じでも正の変化率と負の変化率の場合で処理を区別してもよい。一例として変化率ΔG/ΔFが正の場合には負の場合よりも拡散幅を狭くしたり、拡散幅をゼロにしたりしてもよいし、又は異常とみなして電流出力を制限するなどしてもよい。
【0052】
<比較結果>
次に、図5~8を参照して、本実施形態における周波数拡散制御を行わなかった場合と行った場合の比較結果について説明する。「周波数拡散制御」とは、本実施形態におけるスイッチング周波数の拡散幅を変化させる制御を指す。図5~8はいずれも、ノイズ周波数とノイズレベルとの関係を示すグラフであり、横軸はノイズ周波数(MHz)を示し、縦軸はノイズレベル(dBμV)を示す。
【0053】
図5は、本実施形態における周波数拡散制御を行わなかった場合の結果である。図6は、本実施形態における周波数拡散制御を行った場合の結果である。図5及び図6から明らかなように、本実施形態における周波数拡散制御を行うことにより、ノイズのピークが低減していることがわかる。
【0054】
図7は、図5の一部分(破線部分)の拡大図である。同様に、図8は、図6の一部分(破線部分)の拡大図である。図7ではノイズのピークである高調波が発生している一方で、図8ではこのようなピークが低減されてノイズレベルが平均化されており、ノイズのピークレベルが低減していることがわかる。
【0055】
<制御装置2による制御の流れ>
次に、図9のフローチャートを参照して、制御装置2による周波数拡散制御の流れの一例を説明する。このフローチャートは、例えば、図1の負荷31の充電が完了するまで繰り返し実行される。
【0056】
ステップS101において、制御装置2は、スイッチング電源装置1に接続されている負荷31に応じて目標電圧を算出する。
【0057】
処理はステップS102に進み、制御装置2は、電圧センサ4から出力電圧Voutを取得する。
【0058】
処理はステップS103に進み、制御装置2は、ステップS101の処理で算出した目標電圧と、ステップS102の処理で取得した出力電圧Voutとの偏差を算出し、算出した偏差がゼロになるようにPID演算により制御量を算出する。
【0059】
処理はステップS104に進み、制御装置2は、ステップS103の処理で算出した制御量を換算して第1~第4スイッチング素子Q1~Q4のオンオフ状態を切り替えるためのスイッチング周波数を算出する。
【0060】
処理はステップS105に進み、制御装置2は、ステップS104の処理で算出したスイッチング周波数を所定範囲で変化させた場合の変化量に対する、ゲインの変化量の比を示す変化率ΔG/ΔFを算出する。
【0061】
処理はステップS106に進み、制御装置2は、ステップS105の処理で算出した変化率ΔG/ΔFに応じてスイッチング周波数を拡散させる拡散幅を変化させる。制御装置2は、変化させた拡散幅でスイッチング周波数を拡散させる。
【0062】
(作用効果)
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置2によれば、以下の作用効果が得られる。
【0063】
制御装置2は、第1~第4スイッチング素子Q1~Q4のオンオフ状態を切り替えることにより、入力電圧Vinを出力電圧Voutに変換する電力変換回路3に用いられる。制御装置2は、第1~第4スイッチング素子Q1~Q4のオンオフ状態を切り替えるためのスイッチング周波数を算出する周波数算出部23と、周波数算出部23によって算出されたスイッチング周波数の変化量に対する、入力電圧に対する出力電圧の比であるゲインの変化量の比を示す変化率ΔG/ΔFを算出する変化率算出部24と、変化率算出部24によって算出された変化率ΔG/ΔFに基づいて、周波数算出部23によって算出されたスイッチング周波数を拡散させる拡散制御部25と、を備える。
【0064】
上記構成によれば、ゲイン変化に伴う電圧振動を低減させつつ、スイッチングノイズを低減させることが可能となる。
【0065】
また、制御装置2は、スイッチング周波数を所定範囲で変化させた場合の変化量に対する、ゲインの変化量の比を示す変化率ΔG/ΔFを算出する。制御装置2は、変化率ΔG/ΔFに基づいてスイッチング周波数を拡散させる拡散幅を変化させる。これにより、ゲイン変化に伴う電圧振動を低減させつつ、スイッチングノイズを低減させることが可能となる。
【0066】
具体的な例として、制御装置2は、変化率ΔG/ΔFが小さい場合は大きい場合と比較して、拡散幅を大きくする。制御装置2は、スイッチングノイズが大きい高周波数領域F1では、拡散幅を大きくし、この拡散幅でスイッチング周波数を拡散させる。これにより、スイッチングノイズの周波数スペクトルを広範囲で拡散させることができ、スイッチングノイズを低減させることが可能となる。
【0067】
制御装置2は、変化率ΔG/ΔFが小さいほど拡散幅を大きくしてもよい。変化率ΔG/ΔFが小さいほど周波数拡散に起因するゲイン変化は小さく、電圧振動も小さい。したがって、この構成によれば、ゲイン変化に伴う電圧振動を低減させつつ、スイッチングノイズを低減させることが可能となる。
【0068】
上述では、制御装置2は、変化率ΔG/ΔFが小さい場合は拡散幅を大きくし、変化率ΔG/ΔFが大きい場合は拡散幅を小さくする、と説明したが、更にスイッチング周波数という条件を加えて拡散幅を変化させてもよい。例えば、CLLC共振型DC/DCコンバータのように複数のゲインピークを有するコンバータの場合、複数のスイッチング周波数領域で変化率ΔG/ΔFが同じになることも想定される。そこで、制御装置2は、同じ変化率ΔG/ΔFであっても、スイッチング周波数によって異なる拡散幅を設定してもよい。これにより、CLLC共振型DC/DCコンバータのように複数のゲインピークを有するコンバータを用いる場合であってもスイッチングノイズを低減させることが可能となる。
【0069】
一例として、変化率ΔG/ΔFは、スイッチング周波数が高い領域では低い領域と比較して小さい。そこで、制御装置2は、スイッチング周波数が高い領域では低い領域と比較して、拡散幅を大きくしてもよい。これにより、ゲイン変化に伴う電圧振動を低減させつつ、スイッチングノイズを低減させることが可能となる。なお、制御装置2は、高周波数領域における拡散幅を、低周波数領域における拡散幅より大きくする、と言い換えられてもよい。
【0070】
<変形例>
次に、図10~11を参照して、本実施形態の変形例について説明する。
【0071】
図10は、負荷31が軽負荷である場合における、スイッチング周波数とゲインとの関係を示すグラフである。図11は、負荷31が重負荷である場合における、スイッチング周波数とゲインとの関係を示すグラフである。図10及び図11の横軸はスイッチング周波数(kHz)を示し、縦軸はゲインを示す。負荷31が軽負荷である場合、出力電流Ioutは小さい。一方で、負荷31が重負荷である場合、出力電流Ioutは大きい。
【0072】
負荷の大小に応じて、換言すれば、出力電流Ioutの大小に応じて、ゲイン特性は変化する。具体的には、出力電流Ioutが小さい場合は、図10のように、変化率ΔG/ΔFは大きい。一方で、出力電流Ioutが大きい場合は、図11のように、変化率ΔG/ΔFは小さい。そこで、制御装置2は、出力電流Ioutが大きい場合は小さい場合と比較して、スイッチング周波数を拡散させる拡散幅を大きくしてもよい。これにより、よって同じ高周波数領域F1であっても、出力電流Ioutが大きい場合の拡散幅13は、出力電流Ioutが小さい場合の拡散幅12より大きくなる。出力電流Ioutが大きいほどスイッチングノイズは大きいため、出力電流Ioutが大きい場合の拡散幅13を大きくすることにより、スイッチングノイズの周波数スペクトルを広範囲で拡散させることができ、スイッチングノイズを低減させることが可能となる。
【0073】
一例として、変化率ΔG/ΔFは、電力変換回路3に流れる電流が大きい場合は小さい場合と比較して小さい。制御装置2は、電力変換回路3に流れる電流が大きい場合は小さい場合と比較して、拡散幅を大きくしてもよい。なお、電力変換回路3に流れる電流の一例は、出力電流Iout、すなわち、負荷電流である。
【0074】
なお、負荷の大小に基づくゲイン特性の変化は、上述の内容に限定されない。例えば、スイッチング周波数が直列共振周波数よりも高い領域では出力電流Ioutが大きい方が小さい方と比較して変化率ΔG/ΔFが大きくなる場合もある。このような周波数領域では、制御装置2は、出力電流Ioutが大きい場合は小さい場合と比較して、スイッチング周波数を拡散する拡散幅を小さくしてもよい。
【0075】
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置2(以下、「装置」と称する)としての機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロックとしてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0076】
この場合、当該装置は、プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。コンピュータがプログラムを実行することにより、上述した実施形態で説明した各機能が実現される。
【0077】
プログラムは、一時的ではなく、コンピュータが読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、当該装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して当該装置に供給されてもよい。
【0078】
また、各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本開示の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0079】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0080】
例えば、本開示は、上述したLLC共振型DC/DCコンバータ又はCLLC共振型DC/DCコンバータだけでなく、LC共振型コンバータ、E級共振型コンバータなどにも適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 スイッチング電源装置
2 制御装置
3 電力変換回路
10、11、12、13 拡散幅
23 周波数算出部
24 変化率算出部
25 拡散制御部
Q1~Q4 第1~第4スイッチング素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11