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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100286
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】自動取引装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/60 20190101AFI20240719BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20240719BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240719BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20240719BHJP
   G07D 11/20 20190101ALI20240719BHJP
   G07F 19/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G07D11/60
G06K7/00 004
G06K7/10 264
G06K7/14 017
G07D11/20
G07F19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004164
(22)【出願日】2023-01-13
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】溝邊 裕樹
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA03
3E141AA08
3E141BA07
3E141DA02
3E141FH05
3E141FL01
(57)【要約】
【課題】対象物の読み取りを支援する。
【解決手段】実施形態の自動取引装置は、トレイ部と、第1のカメラと、通信部と、制御部とを備える。トレイ部は、筐体正面に開口が形成された洞穴状部の底面に読み取り対象の媒体または端末を載置する載置台を有する。第1のカメラは、洞穴状部の上部に設けられ、載置台に載置された媒体または端末を撮影する。通信部は、載置台に載置された媒体または端末が有するICチップとの通信により、ICチップが格納するIC情報を読み取る。制御部は、第1のカメラが撮影した画像情報または読み取ったIC情報の少なくとも一方の読取情報に基づいて取引処理を行う。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体正面に開口が形成された洞穴状部の底面に読み取り対象の媒体または端末を載置する載置台を有するトレイ部と、
前記洞穴状部の上部に設けられ、前記載置台に載置された媒体または端末を撮影する第1のカメラと、
前記載置台に載置された媒体または端末が有するICチップとの通信により、当該ICチップが格納するIC情報を読み取る通信部と、
前記第1のカメラが撮影した画像情報または読み取った前記IC情報の少なくとも一方の読取情報に基づいて取引処理を行う制御部と、
を備えることを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記洞穴状部の底面において、前記載置台への前記媒体または前記端末の載置を案内する第1のガイド部材を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記媒体は、紙製の冊子であり、
前記洞穴状部内において、開いた前記冊子の一面を前記載置台に載置した際に、開いた前記冊子の他方の面を係止する第2のガイド部材を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項4】
利用者を撮影する第2のカメラを前記筐体正面に備え、
前記制御部は、前記取引処理において、前記第2のカメラが撮影した前記利用者の画像情報と、前記読取情報とを照合して前記利用者の確認を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項5】
利用者への情報表示を行う表示部を前記筐体正面に備え、
前記制御部は、前記取引処理において前記読取情報を取得する際に、前記媒体または前記端末ごとの、前記載置台への載置を案内する案内表示を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項6】
前記洞穴状部の上面に複数の凸形状部をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項7】
前記洞穴状部の底面において、前記載置台から前記筐体の正面側の端部までの間に突起部を有し、
前記載置台から前記突起部の先端までの前記底面と、前記突起部の先端から前記端部までの前記底面とが斜面となっている、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項8】
前記トレイ部の下部に操作キーによる入力を受け付けるキー入力部をさらに備え、
前記載置台から前記筐体の正面側の端部までの前記洞穴状部の底面により、前記キー入力部が前記第1のカメラの撮像範囲内に入ることを遮蔽する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、自動取引装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関等の取引で用いられる現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)等の自動取引装置では、取引形態の多様化に伴い、高性能化、多機能化が進められている。この自動取引装置における多機能化については、本人確認時における免許証、パスポート等の身分証明書の読み取りも同様である。具体的には、自動取引装置においては、身分証明書の撮影による記載内容の読み取りだけでなく、スマートフォンの画面に表示されたQRコード(登録商標)等の読み取り、または、スマートフォン、身分証明書等に付与されたIC(Integrated Circuit)タグの読み取りにも対応するものがある。
【0003】
身分証明書やスマートフォン等の種々の対象物から読み取りを行う自動取引装置については、媒体又は端末を載置可能な置き台と、置き台に載置された媒体又は端末の画像及び/又はコード情報を読み取る読取部と、置き台に載置された媒体又は端末に搭載されるICチップに記憶される情報の読み取り及び/又は書き込みを行うIC通信部とを備える入出金装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-105991号公報
【特許文献2】特開2020-017063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、直射日光の反射や蛍光灯など、外光影響の強い環境下に自動取引装置が設置された場合、身分証明書(例えば免許証)の盤面がハレーション(強い光が当たった個所が白くぼやける現象)を起こして読み取り時の認識率が低下することがある。例えば、スマートフォンの画面に表示されたQRコードを読み取る場合には、紙媒体と異なって画面上でのハレーションが生じやすく、認識失敗による再読み込みが生じやすくなることから、利便性が悪くなることがある。
【0006】
1つの側面では、対象物の読み取りを支援できる自動取引装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、自動取引装置は、トレイ部と、第1のカメラと、通信部と、制御部とを備える。トレイ部は、筐体正面に開口が形成された洞穴状部の底面に読み取り対象の媒体または端末を載置する載置台を有する。第1のカメラは、洞穴状部の上部に設けられ、載置台に載置された媒体または端末を撮影する。通信部は、載置台に載置された媒体または端末が有するICチップとの通信により、ICチップが格納するIC情報を読み取る。制御部は、第1のカメラが撮影した画像情報または読み取ったIC情報の少なくとも一方の読取情報に基づいて取引処理を行う。
【発明の効果】
【0008】
対象物の読み取りを支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態にかかる自動取引装置の外観を例示する図である。
図2A図2Aは、マルチスキャントレイの構成を例示する斜視図である。
図2B図2Bは、図2AにおけるA-A断面図である。
図3A図3Aは、マルチスキャントレイに身分証明カードを載置した場合を例示する斜視図である。
図3B図3Bは、図3AにおけるA-A断面図である。
図4A図4Aは、マルチスキャントレイにスマートフォンを載置した場合を例示する斜視図である。
図4B図4Bは、図4AにおけるA-A断面図である。
図5A図5Aは、マルチスキャントレイにパスポートを載置した場合を例示する斜視図である。
図5B図5Bは、図5AにおけるA-A断面図である。
図6A図6Aは、パスポートの折り曲げを例示する断面図である。
図6B図6Bは、パスポートの折り曲げを例示する断面図である。
図7図7は、実施形態にかかる自動取引装置の機能構成例を示すブロック図である。
図8図8は、実施形態にかかる自動取引装置の動作例を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態にかかる自動取引装置の動作例を示すフローチャートである。
図10A図10Aは、電子マネーチャージに関する画面表示例を説明する説明図である。
図10B図10Bは、電子マネーチャージに関する画面表示例を説明する説明図である。
図10C図10Cは、電子マネーチャージに関する画面表示例を説明する説明図である。
図11図11は、実施形態にかかる自動取引装置の動作例を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態にかかる自動取引装置の動作例を示すフローチャートである。
図13図13は、口座開設に関する画面表示例を説明する説明図である。
図14A図14Aは、身分証明カードの挿入案内を説明する説明図である。
図14B図14Bは、スマートフォンの挿入案内を説明する説明図である。
図14C図14Cは、パスポートの挿入案内を説明する説明図である。
図15図15は、口座開設に関する画面表示例を説明する説明図である。
図16図16は、口座開設に関する画面表示例を説明する説明図である。
図17図17は、口座開設に関する画面表示例を説明する説明図である。
図18図18は、口座開設に関する画面表示例を説明する説明図である。
図19図19は、変形例にかかる自動取引装置のマルチスキャントレイ付近の外観を例示する図である。
図20図20は、変形例にかかる自動取引装置のマルチスキャントレイ付近の外観斜視図である。
図21A図21Aは、図20におけるB-B断面図である。
図21B図21Bは、マルチスキャントレイの底面に飲料用容器を置こうとした場合を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施形態にかかる自動取引装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する自動取引装置は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0011】
図1は、実施形態にかかる自動取引装置の外観を例示する図である。図1に示すように、自動取引装置1は、銀行やコンビニエンスストア等に設置される現金自動預払機(ATM)等である。
【0012】
自動取引装置1は、筐体正面10において、表示・操作部11、顧客カメラ12、カード出入口部13、出入金部14およびマルチスキャントレイ15を備える。
【0013】
表示・操作部11は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ上にタッチパネルが配置された装置である。表示・操作部11は、自動取引装置1の利用者への情報表示とともに、利用者のタッチ操作等による入力を受け付ける。
【0014】
顧客カメラ12は、表示・操作部11の前の利用者(顧客)を撮影するカメラである。カード出入口部13は、クレジットカードや口座カード等の磁気カードを読み取る際に、読取対象カードの挿入または読取後のカードの排出を行う。出入金部14は、自動取引装置1における取引処理において金銭(紙幣)の受け渡しを行う開閉式の金銭トレイである。なお、自動取引装置1は、硬貨の処理を行う硬貨ユニットを備えてもよい。この場合、出入金部14は、硬貨の受け渡しを行う開閉式の硬貨用トレイを備える。
【0015】
マルチスキャントレイ15は、読み取り対象の媒体または端末を載置して読み取るトレイ部の一例である。具体的には、マルチスキャントレイ15は、筐体正面10に開口161が形成された洞穴状部160の底面に読み取り対象の媒体または端末を載置する載置台150を有する。
【0016】
ここで、読み取り対象の媒体には、免許証、マイナンバーカードなどの身分証明カード、紙製の冊子型のパスポートなどが含まれる。また、読み取り対象の端末には、スマートフォン、携帯電話、小型タブレット端末などが含まれる。
【0017】
マルチスキャントレイ15は、洞穴状部160の上部において、載置台150に載置された媒体または端末を撮影するスキャンカメラ151が設けられている。また、マルチスキャントレイ15は、載置台150の下部において載置台150に載置された媒体または端末が有するICチップとの通信により、このICチップが格納するIC情報を読み取るNFCユニット152(NFC:Near Field Communication)が設けられている。
【0018】
図2Aは、マルチスキャントレイ15の構成を例示する斜視図である。図2Bは、図2AにおけるA-A断面図である。
【0019】
図2Aおよび図2Bに示すように、マルチスキャントレイ15における洞穴状部160は、底面162と、横壁面163と、上面164と、奥壁面165とにより囲まれ、開口161を介して内部に利用者が読み取り対象の媒体や端末を載置可能な洞穴形状となっている。
【0020】
洞穴状部160の底面162には、載置台150と、底面ガイド部材170とが設けられている。載置台150の下部にはNFCユニット152が設けられている。載置台150の直上である、洞穴状部160の上面164には、スキャンカメラ151が設けられている。洞穴状部160の横壁面163には、底面162に設けられた底面ガイド部材170と、上面164との間に冊子ガイド部材180が設けられている。
【0021】
なお、図2Aにおける底面162上の点線(太)で囲まれた網掛け領域は、NFCユニット152の読み取り範囲を示している。また、図2Bにおけるスキャンカメラ151からの点線(細)は、スキャンカメラ151の撮影範囲を示している。図2Bに示すように、マルチスキャントレイ15におけるスキャンカメラ151の撮影範囲は、洞穴状部160内の載置台150上にとなる。このように、自動取引装置1では、読み取り対象の媒体や端末の撮影を洞穴状部160内で行うことから、外光影響の強い環境下に自動取引装置1が設置される場合であっても、外光影響を軽減することができる。
【0022】
底面ガイド部材170は、例えば底面162の左右両端に設けられ、洞穴状部160の開口161から底面162の中央に位置する載置台150へ窄まるように形成された斜面を有する。これにより、底面ガイド部材170は、読み取り対象の媒体や端末を、開口161から底面162上を滑らせて載置台150へ載置する際の案内を行う。
【0023】
冊子ガイド部材180は、サイズが大きめの媒体(例えばパスポート)を底面ガイド部材170との間に挟み込むことができるように、底面ガイド部材170の上部において隙間を設けて配置されている。また、冊子ガイド部材180は、開口161側の正面入口近傍に正面ガイド部181を有する。
【0024】
正面ガイド部181は、開口161の面に対して略並行な上側の斜面181aと、冊子ガイド部材180と底面ガイド部材170との隙間に向けて窄まるように形成された下側の斜面181bとを有する凸形状である。この正面ガイド部181により、冊子ガイド部材180は、サイズが大きめの媒体(例えばパスポート)を底面ガイド部材170との隙間に挟み込むようにして載置する際に、その載置位置への案内を行う。また、冊子ガイド部材180は、パスポートなどの紙製の冊子を開き、その一面を底面ガイド部材170との隙間に挟み込むようにして載置する際には、開いた冊子の他方の面を正面ガイド部181の斜面181aにより係止することができる。
【0025】
図3Aは、マルチスキャントレイ15に身分証明カードを載置した場合を例示する斜視図である。図3Bは、図3AにおけるA-A断面図である。図3Aおよび図3Bに示すように、免許証などのサイズが小さめの身分証明カード200などの媒体は、撮影面(例えば証明写真等の記載がある面)を上向きにし、底面162の左右両端に設けられた底面ガイド部材170の間に挟まれるようにして載置台150上に載置される。これにより、マルチスキャントレイ15では、スキャンカメラ151により身分証明カード200を撮影する場合や、身分証明カード200に設けられたICチップをNFCユニット152により読み取る場合の位置決めを容易に行うことができる。
【0026】
図4Aは、マルチスキャントレイ15にスマートフォンを載置した場合を例示する斜視図である。図4Bは、図4AにおけるA-A断面図である。図4Aおよび図4Bに示すように、スマートフォン201などの端末は、QRコード等を表示した表示画面を上向きにし、底面162の左右両端に設けられた底面ガイド部材170の間に挟まれるようにしてNFCユニット152上に載置される。これにより、マルチスキャントレイ15では、スマートフォン201が表示したQRコード等をスキャンカメラ151により撮影する場合や、スマートフォン201に設けられたICチップをNFCユニット152により読み取る場合の位置決めを容易に行うことができる。
【0027】
図5Aは、マルチスキャントレイ15にパスポートを載置した場合を例示する斜視図である。図5Bは、図5AにおけるA-A断面図である。図5Aおよび図5Bに示すように、パスポート202などの紙製の冊子を開いて撮影面(例えば証明写真等の記載がある面)を読み取る場合は、その撮影面を冊子ガイド部材180と底面ガイド部材170の隙間に挟み込むようにして載置する。このように、マルチスキャントレイ15では、パスポート202の撮影面を冊子ガイド部材180と底面ガイド部材170の隙間に挟み込むようにして載置することで、撮影時にパスポート202が閉じてしまうことを抑止できる。
【0028】
図6A図6Bは、パスポート202の折り曲げを例示する断面図であり、具体的には、図5AのA-A断面においてパスポート202が折り曲がる様子を図示したものである。図6Aに示すように、マルチスキャントレイ15では、パスポート202を開いて撮影面を上向きにして載置台150に載置した場合、撮影面とは逆側の面を立ち上げることで洞穴状部160を覆うようにしてもよい。この時、図6Aに示すように、立ち上げられたパスポート202の面は正面ガイド部181の斜面181aにより係止される。このため、マルチスキャントレイ15では、立ち上げられたパスポート202の面が撮影面側に閉じてしまうことを抑止でき、撮影の邪魔となることがない。また、マルチスキャントレイ15では、立ち上げられたパスポート202の面で洞穴状部160を覆うようにすることで、外光が洞穴状部160内に入り込むことを抑止できる。
【0029】
図7は、実施形態にかかる自動取引装置1の機能構成例を示すブロック図である。図7に示すように、自動取引装置1は、表示・操作部11、顧客カメラ12、マルチスキャントレイ15、制御部20、電源ユニット30、カード処理ユニット40および紙幣処理ユニット50を有し、これらの各部はバスにより互いに通信可能に接続される。
【0030】
表示・操作部11は、LCD表示部11aと、タッチパネル11bとを有する。制御部20は、自動取引装置1における各種動作を中央制御するコンピュータである。
【0031】
制御部20は、CPU21(CPU:Central Processing Unit)、RAM22(RAM:Random Access Memory)、通信制御部23、FPGA24(FPGA:Field Programmable Gate Array)、グラフィック処理部25、外部記憶装置26および入出力I/F27を有する。CPU21は、外部記憶装置26等に格納されたプログラムをRAM22に読み出して順次実行することで自動取引装置1における取引処理等の各種処理を行う。RAM22は、CPU21がプログラムを実行する際の作業領域を提供する。
【0032】
通信制御部23は、CPU21の制御のもと、金融取引等を統括するサーバ装置などの外部装置(図示しない)との通信を行う。FPGA24は、用途に合わせて処理内容を変更可能なプロセッサ装置である。グラフィック処理部25は、CPU21の制御のもと、表示画面に関する表示データを生成し、LCD表示部11aへ出力する処理部である。外部記憶装置26は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、CPU21が実行するプログラムや各種設定データなどを格納する。入出力I/F27は、CPU21の制御のもと、表示・操作部11、顧客カメラ12、紙幣処理ユニット50、カード処理ユニット40および紙幣処理ユニット50との間でデータの送受信を行う通信インターフェースである。
【0033】
電源ユニット30は、自動取引装置1の各部に電力供給を行う電源装置である。カード処理ユニット40は、制御部20の制御のもと、カード出入口部13より挿入された磁気カードの読み取り/書き込みを行うカードリーダ・ライタである。紙幣処理ユニット50は、制御部20の制御のもと、出入金部14の金銭トレイに載置された金銭(紙幣)の金庫への格納、お釣りの払い出し等を行う。
【0034】
ここで、電子マネーへのチャージを行うケースを例示して自動取引装置1の取引処理の動作を説明する。図8は、実施形態にかかる自動取引装置1の動作例を示すフローチャートであり、より具体的には電子マネーへのチャージを行う際の自動取引装置1の動作例を示している。
【0035】
図8に示すように、取引処理が開始されると、制御部20は、開始画面を表示・操作部11に表示させて取引内容の選択を受け付ける。ここで、利用者は、電子マネーへのチャージを選択したものとする(S1)。
【0036】
ついで、利用者は、電子マネー(電子マネーをチャージする媒体または端末であり、図示例では媒体とする)をマルチスキャントレイ15の載置台150に置く(S2)。ついで、制御部20は、NFCユニット152により媒体に設けられたICチップとの通信を行い、媒体が載置されたことを検知する(S3)。
【0037】
ついで、制御部20は、金額設定画面を表示・操作部11に表示させてチャージ金額の設定を受け付ける。ここで、利用者は、表示・操作部11を操作してチャージ金額の入力を行う(S4)。
【0038】
ついで、制御部20は、出入金部14の扉を開き、金銭トレイへの紙幣等の投入を受け付ける。ここで、利用者は、金銭トレイへ紙幣を投入する(S5)。
【0039】
ついで、紙幣処理ユニット50は、金銭トレイに投入された紙幣等を計数し、計数結果を制御部20に通知する。制御部20では、紙幣処理ユニット50の計数結果をもとに、投入された紙幣等の金額(投入金額)がチャージ金額を満たすか否かを判定する(S6)。投入金額がチャージ金額を満たさない場合(S6:No)、制御部20は、S5へ処理を戻し、紙幣等の再投入を受け付ける。
【0040】
投入金額がチャージ金額を満たす場合(S6:Yes)、制御部20は、取引内容(チャージ金額を電子マネーへチャージ)の確認画面を表示・操作部11に表示させ、取引内容の確認を行う(S7)。
【0041】
ついで、制御部20は、載置台150に載置された電子マネーへのチャージを行う(S8)。具体的には、制御部20は、152により媒体に設けられたICチップと通信を行い、ICチップが格納するIC情報に含まれる電子マネー金額にチャージ金額を加算して書き換える。
【0042】
ついで、制御部20は、チャージ金額より投入金額が多いか否かを判定することで、おつりの有無を判定する(S9)。おつりが無い場合(S9:No)、制御部20は、取引処理を終了する。おつりがある場合(S9:Yes)、制御部20は、紙幣処理ユニット50よりおつりの払い出しを行う(S10)。
【0043】
ここで、自動取引装置1のマルチスキャントレイ15における媒体の検知・読み取りに関する動作について説明する。図9は、実施形態にかかる自動取引装置の動作例を示すフローチャートであり、より具体的にはマルチスキャントレイ15における媒体の検知・読み取りに関する動作例を示している。
【0044】
図9に示すように、取引処理が開始されると、制御部20は、スキャンカメラ151をON状態とし(S20)、スキャンカメラ151での媒体監視を行う(S21)。ついで、制御部20は、撮影した映像内に媒体の映り込みがあるか否かをもとに、媒体がマルチスキャントレイ15内に置かれたか否かを判定する(S22)。媒体がマルチスキャントレイ15内に置かれていない場合(S22:No)、制御部20は、S22に処理を戻して媒体監視を継続する。
【0045】
媒体がマルチスキャントレイ15内に置かれた場合(S22:Yes)、制御部20は、NFCユニット152により媒体に設けられたICチップとの通信を行い、ICチップに格納されたIC情報の読み取りを開始する(S23)。
【0046】
ついで、制御部20は、IC情報の読み取りが完了したか否かを判定し(S24)、読み取りが未完了である場合(S24:No)は処理を待機する。読み取りが完了した場合(S24:Yes)、制御部20は、読み取りが完了した媒体の受け取りの有無を監視する(S25)。具体的には、制御部20は、スキャンカメラ151が撮影した映像内に媒体の映り込みがあるか否か、NFCユニット152におけるICチップの読み取りが可能であるか否かをもとに、マルチスキャントレイ15内で媒体を検知したか否かを判定する(S26)。
【0047】
媒体を検知しない場合(S26:No)、媒体の受け取りが完了したものとして、制御部20は取引処理を終了する。媒体を検知した場合(S26:Yes)、制御部20は、一定時間で媒体がマルチスキャントレイ15より抜き取られたか否かを判定する(S27)。
【0048】
一定時間で媒体がマルチスキャントレイ15より抜き取られていない場合(S27:No)、制御部20は、表示・操作部11の表示画面等を介して媒体の取り忘れアラームを通知し(S28)、S26へ処理を戻す。一定時間で媒体がマルチスキャントレイ15より抜き取られた場合(S27:Yes)、制御部20は、取引処理を終了する。
【0049】
図10A図10Cは、電子マネーチャージに関する画面表示例を説明する説明図である。
【0050】
図10Aに示すように、開始画面300には、各種情報を表示する案内表示部301と、各種操作を受け付ける操作ボタン302とが表示されている。ここで、開始画面300の案内表示部301については、取引に用いるカードの挿入を促すメッセージが表示されている。また、開始画面300の操作ボタン302については、各種取引の開始を指示するボタンが表示されている。利用者は、操作ボタン302の中から「電子マネーチャージ」のボタンを選択したものとする。
【0051】
電子マネーチャージの開始に伴い、制御部20は、案内表示部301において電子マネー(媒体)をマルチスキャントレイ15に置くことを促すメッセージを表示する案内画面310を表示・操作部11に表示させる。
【0052】
ついで、制御部20は、媒体がマルチスキャントレイ15内に置かれたことを検知すると、チャージ金額の設定を行う金額設定画面320を表示・操作部11に表示させる。この金額設定画面320は、チャージ金額を指定する操作ボタン302と、媒体より読み取ったIC情報に含まれる電子マネー金額の残高を示す金額表示部303とが含まれる。利用者は、この金額設定画面320における操作ボタン302の操作によりチャージ金額を設定する。
【0053】
図10Bに示すように、チャージ金額の設定の後、制御部20は、紙幣の投入を促すチャージ案内画面330を表示・操作部11に表示させる。このチャージ案内画面330には、例えば、紙幣の投入を促すメッセージを表示する案内表示部301と、設定されたチャージ金額を示す金額表示部303とが含まれる。
【0054】
投入金額がチャージ金額を満たす場合、制御部20は、取引内容(電子マネーへのチャージ)を確認するための確認画面340を表示・操作部11に表示させる。この確認画面340には、例えば、チャージ後の電子マネーの金額、チャージする金額、投入金額、おつりなどの取引内容304が含まれる。
【0055】
ついで、確認画面340での確認に問題がなく、電子マネーのチャージを行う場合、制御部20は、載置台150に載置された電子マネーへのチャージを開始し、実行中であることを示す進行画面350を表示・操作部11に表示させる。
【0056】
電子マネーへのチャージ完了後、図10Cに示すように、制御部20は、電子マネーへのチャージが完了したことを示す完了通知画面360を表示・操作部11に表示させる。この完了通知画面360には、例えば、おつりの受け取りを促すメッセージを表示する案内表示部301と、おつりの金額を示す金額表示部303とが含まれる。
【0057】
おつりの受け取りの後、制御部20は、載置台150に載置された電子マネー(媒体)の受け取りを促す案内画面370を表示・操作部11に表示させる。この案内画面370には、例えば電子マネーの受け取りを促すメッセージを表示する案内表示部301が含まれる。ついで、電子マネーの受け取りを検知した制御部20は、取引が終了したことを示す終了画面380を表示・操作部11に表示させる。
【0058】
つぎに、口座開設を行うケースを例示した自動取引装置1の取引処理の動作を説明する。図11は、実施形態にかかる自動取引装置の動作例を示すフローチャートであり、より具体的には口座開設を行う際の自動取引装置1の動作例を示している。
【0059】
図11に示すように、取引処理が開始されると、制御部20は、開始画面を表示・操作部11に表示させて取引内容の選択を受け付ける。ここで、利用者は口座開設を選択したものとする(S30)。
【0060】
ついで、制御部20は、口座開設に関連する規定・約款の確認画面を表示・操作部11に表示させ、規定・約款の確認を行う(S31)。
【0061】
ついで、制御部20は、身分証明カード200,パスポート202等の公的身分証のマルチスキャントレイ15への載置を促す案内画面を表示・操作部11に表示させる。この案内画面に従い、利用者は、公的身分証をマルチスキャントレイ15へ載置する。制御部20は、スキャンカメラ151により、マルチスキャントレイ15に載置された公的身分証の撮影を行う(S32)。
【0062】
ついで、制御部20は、撮影完了の有無を判定し(S33)、撮影が未完了である場合(S33:No)はS32に処理を戻す。撮影が完了した場合(S33:Yes)、制御部20は、公的身分証の暗証番号の入力を促す入力画面を表示・操作部11に表示させる(S34)。
【0063】
ついで、制御部20は、NFCユニット152により公的身分証に設けられたICチップとの通信を行い、入力された暗証番号と、ICチップのIC情報に設定された暗証番号との照合を行う。ついで、制御部20は、照合の一致により照合が完了したか否かを判定する(S35)。照合が未完了である場合(S35:No)、制御部20は、S34へ処理を戻す。
【0064】
照合が完了した場合(S35:Yes)、制御部20は、顧客カメラ12による利用者の撮影を行う(S36)。ついで、制御部20は、顧客カメラ12により撮影した利用者の人物画像と、公的身分証の撮影により得られた画像に含まれる人物画像とをもとに、公知の画像照合技術を用いて同一人物であるか否かの照合を行う。ついで、制御部20は、同一人物とする照合結果が得られ、人物の照合が完了したか否かを判定する(S37)。人物の照合が未完了である場合(S37:No)、制御部20は、S36へ処理を戻す。
【0065】
人物の照合が完了した場合(S37:Yes)、制御部20は、利用者情報の内容を確認する確認画面を表示・操作部11に表示させ、莉桜者情報の確認を行う(S38)。
【0066】
ついで、制御部20は、表示・操作部11における利用者の操作を受け付けて、利用者情報の修正の有無を判定する(S39)。利用者情報の修正が無い場合(S39:No)、制御部20は、S41へ処理を進める。
【0067】
利用者情報の修正がある場合(S39)、制御部20は、修正を受け付けた利用者情報を登録する(S40)。
【0068】
ついで、制御部20は、表示・操作部11における利用者の操作入力により、開設する口座の暗証番号の登録を受け付ける(S41)。
【0069】
ついで、制御部20は、入力内容を確認する確認画面を表示・操作部11に表示させ、入力内容の確認を行う(S42)。
【0070】
ついで、制御部20は、表示・操作部11における利用者の操作を受け付けて、利用者情報(入力内容)の修正の有無を判定する(S43)。利用者情報の修正がある場合(S43:No)、制御部20は、S40へ処理を戻す。
【0071】
利用者情報の修正が無い場合(S43:Yes)、制御部20は、入力内容に基づいて口座開設を実行する(S44)。具体的には、制御部20は、通信制御部23を介し、口座を統括管理するサーバ装置に対して入力内容に基づく口座開設を依頼し、サーバ装置より口座開設が完了したことを示す通知を受領する。
【0072】
ついで、制御部20は、口座開設情報等の出力(レシートの発行)を自動取引装置1内に設けられたプリンター等で行い(S45)、処理を終了する。
【0073】
図12は、実施形態にかかる自動取引装置の動作例を示すフローチャートであり、より具体的には口座開設を行う際の本人確認の動作例を示している。
【0074】
図12に示すように、処理が開始されると、制御部20は、NFCユニット152と、スキャンカメラ151をONにする(S50)。ついで、制御部20は、NFCユニット152による身分証カード200等のICデータの読み取りと、スキャンカメラ151よる身分証カード200等の面上に記載された券面情報の読み取りを行い(S51)、読み取りが完了したか否かを判定する(S52)。読み取りが未完了の場合(S52:No)、制御部20は、処理を待機する。
【0075】
読み取りが完了した場合(S52:Yes)、制御部20は、顧客カメラ12による利用者撮影を開始し(S53)、利用者の撮影が完了したか否かを判定する(S54)。撮影が未完了の場合(S54:No)、制御部20は、処理を待機する。
【0076】
撮影が完了した場合(S54:Yes)、制御部20は、撮影情報の照合、すなわち、スキャンカメラ151より読み取った券面情報に含まれる本人写真と、顧客カメラ12により撮影した利用者との照合を開始し(S55)、本人写真と、利用者とが一致して照合OKであるか否かを判定する(S56)。照合OKでない場合(S56:No)、制御部20は、S51へ処理を戻す。
【0077】
照合OKである場合(S56:Yes)、制御部20は、NFCユニット152より読み取ったデータ(ICデータ)と、券面情報に含まれる利用者情報との照合を行い、ICデータと利用者情報とが一致して照合OKであるか否かを判定する(S57)。照合OKでない場合(S57:No)、制御部20は、S51へ処理を戻す。照合OKである場合(S57:Yes)、制御部20は、本人確認できたものとして処理を終了する。
【0078】
図13図15図18は、口座開設に関する画面表示例を説明する説明図である。図13に示すように、利用者は、開始画面300の操作ボタン302の中から「口座開設」のボタンを選択したものとする。
【0079】
口座開設の開始に伴い、制御部20は、口座開設に関連する規定・約款の約款確認画面410を表示・操作部11に表示させる。ついで、制御部20は、公的身分証をマルチスキャントレイ15に置くことを促す案内画面420を表示・操作部11に表示させる。この案内画面420には、例えば、公的身分証をマルチスキャントレイ15に置くことを促すメッセージを表示する案内表示部301と、載置台150における公的身分証の置き方を案内する案内画像305とが含まれる。
【0080】
この案内画像305については、公的身分証として載置する媒体(スマートフォン201、パスポート202)または端末(201)ごとの置き方(洞穴状部160内の載置台150への挿入案内)を動的に示すものであってもよい。
【0081】
図14Aは、身分証明カード200の挿入案内を説明する説明図である。図14Aに示すように、案内画面420では、案内画像305a、305b、305c、305a…の順に繰り返して表示することで、身分証明カード200を洞穴状部160の洞穴状部160から挿入して内部の載置台150に載置するまでの動的な過程を案内してもよい。これにより、利用者は、どのように身分証明カード200を載置すべきかを容易に認識することができる。
【0082】
図14Bは、スマートフォン201の挿入案内を説明する説明図である。図14Bに示すように、案内画面420では、案内画像305d、305e、305f、305d…の順に繰り返して表示することで、スマートフォン201を洞穴状部160の洞穴状部160から挿入して内部の載置台150に載置するまでの動的な過程を案内してもよい。これにより、利用者は、どのようにスマートフォン201を載置すべきかを容易に認識することができる。
【0083】
図14Cは、パスポート202の挿入案内を説明する説明図である。図14Cに示すように、案内画面420では、案内画像305g、305h、305i、305g…の順に繰り返して表示することで、パスポート202を洞穴状部160の洞穴状部160から挿入して内部の載置台150に載置するまでの動的な過程を案内してもよい。これにより、利用者は、どのようにパスポート202を載置すべきかを容易に認識することができる。
【0084】
図15に示すように、載置台150に公的身分証(図示例では身分証明カード200)が載置されると、制御部20は、載置された公的身分証の撮影を開始し、撮影中であることを示す進行画面430を表示・操作部11に表示させる。
【0085】
ここで、公的身分証の画像の読み取りに失敗した場合、制御部20は、公的身分証を置き直しを指示する指示画面440を表示・操作部11に表示させ、置き直し後の公的身分証の再撮影を行う。公的身分証の画像の読み取りに成功した場合、制御部20は、読み取りが完了したことを示す完了通知画面450の表示・操作部11に表示させる。
【0086】
ついで、制御部20は、図16に示すように、公的身分証の暗証番号の入力を促す入力画面460を表示・操作部11に表示させ、暗証番号の入力を受け付ける。
【0087】
ついで、制御部20は、顔認証(公的身分証の撮影により得られた画像に含まれる人物画像との照合)を行うための顧客カメラ12での撮影を促す撮影案内画面470を表示・操作部11に表示させ、顧客カメラ12による利用者の撮影を行う。
【0088】
ついで、制御部20は、公的身分証の撮影により得られた画像に含まれる人物画像と、顧客カメラ12により撮影した利用者の人物画像との照合(顔認証)を開始し、認証中であることを示す進行画面480を表示・操作部11に表示させる。
【0089】
顔認証により同一人物とする照合結果が得られた場合、制御部20は、図17に示すように、公的身分証の人物と、利用者とが一致する本人確認ができたことを示す確認通知画面490を表示・操作部11に表示させる。
【0090】
ついで、制御部20は、お客様情報(利用者情報)の確認を行うお客様情報確認画面500を表示・操作部11に表示させる。ここで、修正(訂正)がある場合、制御部20は、お客様情報の修正を受け付けるお客様情報入力画面510を表示・操作部11に表示させる。
【0091】
ついで、制御部20は、口座に関連付けて登録する暗証番号の入力を受け付ける入力画面520を表示・操作部11に表示させ、暗証番号の入力を受け付ける。
【0092】
ついで、制御部20は、図18に示すように、口座開設に関連した入力内容の確認を行う入力画面530を表示・操作部11に表示させる。入力画面530の内容に問題がなく、確認ボタンなどの操作が行われた場合、制御部20は、口座を統括管理するサーバ装置に対して口座開設を依頼する。ここで、制御部20は、口座開設を実行中であることを示す進行画面540を表示・操作部11に表示させる。
【0093】
ついで、制御部20は、口座を統括管理するサーバ装置より口座開設が完了したことを示す通知を受領した場合、口座開設が完了したことを示す案内画面550を表示・操作部11に表示させる。この案内画面550には、例えば、口座開設に伴って発行したレシートの受け取りを促すメッセージを表示する案内表示部301が含まれる。ついで、制御部20は、取引が終了したことを示す終了画面560を表示・操作部11に表示させる。
【0094】
図19は、変形例にかかる自動取引装置1のマルチスキャントレイ付近の外観を例示する図である。図19に示すように、変形例にかかる自動取引装置1は、マルチスキャントレイ15aの下部にテンキーなどの操作キーによる入力を受け付けるキー入力部11cを有している。
【0095】
マルチスキャントレイ15aは、上面164におけるスキャンカメラ151以外の面に下方向に向かって凸形状の複数の凸形状部164aを備えている。このように、変形例にかかる自動取引装置1では、マルチスキャントレイ15aの上面164に複数の凸形状部164aを備えることで、マルチスキャントレイ15aの上面164に異物(例えば盗撮用小型カメラ)などが設置されることを抑止できる。
【0096】
ここで、複数の凸形状部164aについては、上面164に異物等の取り付けを困難にするようなものであればよく、図示例のように、手前(正面)から奥に向かって半月状の格子を複数並べる構成に限定しない。例えば、複数の凸形状部164aは、半球状のものを複数並べたものであってもよい。
【0097】
図20は、変形例にかかる自動取引装置1のマルチスキャントレイ15a付近の外観斜視図である。図20に示すように、マルチスキャントレイ15aは、洞穴状部160の底面162において、載置台150から筐体正面10側の端部162dまでの間に突起部162cを有する。そして、この底面162において、載置台150から突起部162cの先端までは、先端に向かって緩やかに立ち上がる底面162aとなっている。同様に、マルチスキャントレイ15aの底面162において、突起部162cの先端から端部162dまでは、端部162dに向かって緩やかに立ち下がる斜面162bとなっている。
【0098】
図21Aは、図20におけるB-B断面図である。ここで、図21Aにおける点線は、マルチスキャンカメラ151の撮影範囲を示している。
【0099】
図21Aに示すように、底面162の端部162dは、マルチスキャンカメラ151の撮影範囲からキー入力部11cを隠すように、図面右側(正面側)に伸びた構成となっている。すなわち、マルチスキャントレイ15aでは、載置台150から筐体正面10側の端部162dまでの洞穴状部160の底面162により、キー入力部11cがスキャンカメラ151の撮像範囲内に入ることを遮蔽する。これにより、自動取引装置1は、スキャンカメラ151によってキー入力部11cが不用意に撮影されることを抑止できる。
【0100】
図21Bは、マルチスキャントレイ15aの底面162に飲料用容器を置こうとした場合を説明する説明図である。図21Bに示すように、マルチスキャントレイ15aでは、底面162において、載置台150から筐体正面10側の端部162dまでの間に斜面162a、162bによって緩やかに立ち上がる突起部162cを有している。このような底面162に対し、例えばユーザが飲料用容器2などの異物を置こうとすると、突起部162cの先端でのみ飲料用容器2を下支えすることとなる。このように、突起部162cの先端でのみ飲料用容器2を下支えするような底面162では、飲料用容器2の重心となる中心線2aから少しでも突起部162cの位置がずれると飲料用容器2が傾き、不安定な状態となることが明らかである。したがって、このような形状の底面162を見たユーザは、あえて飲料用容器2を底面162に置くようなことをしない。
【0101】
このように、変形例にかかる自動取引装置1のマルチスキャントレイ15aでは、飲料用容器2等の異物の載置を抑止することができる。なお、マルチスキャントレイ15aでは、斜面162a、162bによって緩やかに立ち上がる突起部162cとすることで、底面162に付着したホコリ等の除去をする際に、突起部162cによる引っ掛かりをなくすことができる。
【0102】
以上のように、自動取引装置1は、筐体正面10に開口161が形成された洞穴状部160の底面162に読み取り対象の媒体(身分証明カード200、パスポート202)または端末(スマートフォン201)を載置する載置台150を有するマルチスキャントレイ15を備える。また、自動取引装置1は、洞穴状部160の上部に設けられ、載置台150に載置された媒体または端末を撮影するスキャンカメラ151を備える。また、自動取引装置1は、載置台150に載置された媒体または端末が有するICチップとの通信により、当該ICチップが格納するIC情報を読み取るNFCユニット152を備える。また、自動取引装置1は、スキャンカメラ151が撮影した画像情報または読み取ったIC情報の少なくとも一方の読取情報に基づいて取引処理を行う制御部20を備える。
【0103】
これにより、自動取引装置1では、外光影響の強い環境下に設置される場合であっても、媒体(身分証明カード200、パスポート202)または端末(スマートフォン201)の読み取り時における外光影響が洞穴状部160により軽減されることから、認識率が低下することを抑止できる。例えば、スマートフォン201の画面上に表示されたQRコードを読み取る場合においては、認識失敗による再読み込みが生じにくくなり、利便性が向上する。また、自動取引装置1は、読み取り対象の媒体または端末を載置する載置台150を洞穴状部160内とすることで、周囲からの視線を防ぐ(覗き見や盗撮防止)ことや、塵埃などが溜まりにくくすることができる。
【0104】
また、自動取引装置1は、洞穴状部160の底面162において、載置台150への媒体または端末の載置を案内する底面ガイド部材170を備える。これにより、自動取引装置1は、利用者に対して、媒体または端末を載置台150へスムーズに誘導することができる。
【0105】
また、自動取引装置1は、紙製の冊子(例えばパスポート202)である媒体について、開いた冊子の一面を載置台150に載置した際に、開いた冊子の他方の面を係止する冊子ガイド部材180を備える。これにより、自動取引装置1は、開いた冊子の一面をスキャンカメラ151で撮影する際に、開いた冊子の他方の面が閉じてしまうことを抑止できる。また、自動取引装置1は、開いた冊子の他方の面を係止して開口161を覆うようにすることで、開いた冊子の一面をスキャンカメラ151で撮影する際の外光影響をより軽減することができる。
【0106】
また、自動取引装置1は、利用者を撮影する顧客カメラ12を筐体正面10に備える。制御部20は、取引処理において、顧客カメラ12が撮影した利用者の画像情報と、マルチスキャントレイ15において媒体または端末より読み取った読取情報とを照合して利用者の確認を行う。これにより、自動取引装置1は、媒体または端末を本人以外が利用する不正利用等を抑止できる。
【0107】
また、自動取引装置1は、利用者への情報表示を行う表示・操作部11を筐体正面10に備える。制御部20は、取引処理において媒体または端末から読取情報を取得する際に、媒体または端末ごとの、載置台150への載置を案内する案内表示を筐体正面10に表示させる。これにより、自動取引装置1は、利用者に対して、媒体または端末を載置台150へスムーズに誘導することができる。
【0108】
また、自動取引装置1は、洞穴状部160の上面164に複数の凸形状部164aをさらに備える。これにより、自動取引装置1では、マルチスキャントレイの上面に盗撮カメラなどの異物が設置されることを抑止できる。
【0109】
また、自動取引装置1は、洞穴状部160の底面162において、載置台150から筐体正面10側の端部162dまでの間に突起部162cを有する。自動取引装置1において、載置台150から突起部162cの先端までの底面と、突起部162cの先端から端部162dまでの底面とが斜面162a、162bとなっている。自動取引装置1は、このような突起部および斜面を有する構成とすることで、載置台150から端部162dまでの底面162において、異物(例えば、飲料が入ったコップ等)が載置されることを抑止できる。
【0110】
また、自動取引装置1は、マルチスキャントレイ15aの下部に操作キーによる入力を受け付けるキー入力部11cをさらに備える。この自動取引装置1において、載置台150から筐体正面10側の端部162dまでの洞穴状部160の底面162により、キー入力部11cがスキャンカメラ151の撮像範囲内に入ることを遮蔽する。これにより、自動取引装置1は、スキャンカメラ151によってキー入力部11cが不用意に撮影されることを抑止できる。
【符号の説明】
【0111】
1…自動取引装置
10…筐体正面
11…表示・操作部
11a…LCD表示部
11b…タッチパネル
12…顧客カメラ
13…カード出入口部
14…出入金部
15…マルチスキャントレイ
20…制御部
21…CPU
22…RAM
23…通信制御部
24…FPGA
25…グラフィック処理部
26…外部記憶装置
27…入出力I/F
30…電源ユニット
40…カード処理ユニット
50…紙幣処理ユニット
150…載置台
151…スキャンカメラ
152…NFCユニット
160…洞穴状部
161…開口
162…底面
163…横壁面
164…上面
165…奥壁面
170…底面ガイド部材
180…冊子ガイド部材
181…正面ガイド部
181a、181b…斜面
200…身分証明カード
201…スマートフォン
202…パスポート
300…開始画面
301…案内表示部
302…操作ボタン
303…金額表示部
304…取引内容
305、305a~305i…案内画像
310、370、420、550…案内画面
320…金額設定画面
330…チャージ案内画面
340…確認画面
350、430、480、540…進行画面
360、450…完了通知画面
380、560…終了画面
410…約款確認画面
440…指示画面
460、520…入力画面
470…撮影案内画面
490…確認通知画面
500…お客様情報確認画面
510…お客様情報入力画面
530…入力内容確認画面
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21A
図21B