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特開2024-100306省エネ入浴支援装置、省エネ入浴支援システム、及び省エネ入浴支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100306
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】省エネ入浴支援装置、省エネ入浴支援システム、及び省エネ入浴支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20240719BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004208
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 結喜
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅寛
(72)【発明者】
【氏名】石川 直人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 睦子
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA21
5L049AA21
(57)【要約】
【課題】所定の期間においてトータル的な省エネを支援することが可能な省エネ入浴支援装置を提供する。
【解決手段】省エネ入浴支援装置100は、ユーザ情報取得部111と、レート情報取得部112と、使用情報取得部113と、使用料金算出部114と、使用実績判定部116と、を備える。ユーザ情報取得部111は、電気、ガス、水道等のユーティリティに対するユーザの利用形態に関する情報、及びユーティリティの目標使用料金に関する情報を含むユーザ情報を取得する。レート情報取得部112は、ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得する。使用情報取得部113は、ユーザのユーティリティの使用量を取得する。使用料金算出部114は、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、使用実績料金を算出する。使用実績判定部116は、使用実績料金の累積値が、推奨使用料金を超えているか否かを判定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気、ガス、水道等のユーティリティに対するユーザの利用形態に関する情報、及び前記ユーティリティの所定の期間における目標使用料金に関する情報を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得するレート情報取得部と、
前記ユーザの入浴に関係する前記ユーティリティの前記使用量を取得する使用情報取得部と、
前記ユーティリティの前記使用量、及び前記レート情報に基づいて、使用実績料金を算出する使用料金算出部と、
前記ユーティリティの前記使用実績料金の累積値が、前記目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定する使用実績判定部と、
前記使用実績判定部で判定された結果を前記ユーザのユーザ端末に通知する通知部と、
を備える省エネ入浴支援装置。
【請求項2】
前記推奨使用料金は、前記目標使用料金に対して、前記所定の期間における、前記所定の期間の初日から前記使用実績判定部で判定される判定日までの日数の割合を乗算した値である、請求項1に記載の省エネ入浴支援装置。
【請求項3】
前記ユーティリティの前記使用量、及び前記レート情報に基づいて、二酸化炭素の排出量を算出するCO排出量算出部をさらに備え、
前記使用実績判定部は、前記二酸化炭素の排出量の累積値が、あらかじめ定められた推奨CO排出量を超えているか否かを判定する、請求項2に記載の省エネ入浴支援装置。
【請求項4】
ユーティリティ制御部をさらに備え、
前記ユーティリティ制御部は、前記使用実績判定部で、前記使用実績料金の累計が前記推奨使用料金を超えていると判定された場合に、前記ユーザの入浴における前記水道、前記電気、及び/又は前記ガスの前記使用量を制限する、請求項1に記載の省エネ入浴支援装置。
【請求項5】
ユーザによって操作されるユーザ端末と、省エネ入浴支援装置と、を備える省エネ入浴支援システムであって、
前記省エネ入浴支援装置は、
電気、ガス、水道等のユーティリティに対する前記ユーザの利用形態に関する情報、及び前記ユーティリティの所定の期間における目標使用料金に関する情報を含むユーザ情報を、前記ユーザ端末を介して取得するユーザ情報取得部と、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得するレート情報取得部と、
前記ユーザの入浴に関係する前記ユーティリティの前記使用量を取得する使用情報取得部と、
前記ユーティリティの前記使用量、及び前記レート情報に基づいて、使用実績料金を算出する使用料金算出部と、
前記ユーティリティの前記使用実績料金の累積値が、前記目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定する使用実績判定部と、
前記使用実績判定部で判定された結果を前記ユーザ端末に通知する通知部と、
を有する、省エネ入浴支援システム。
【請求項6】
コンピュータによって実行される省エネ入浴支援方法であって、
電気、ガス、水道等のユーティリティに対するユーザの利用形態に関する情報、及び前記ユーティリティの所定の期間における目標使用料金に関する情報を含むユーザ情報を取得し、
前記ユーザ情報に基づいて、前記ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得し、
前記ユーザの入浴に関係する前記ユーティリティの前記使用量を取得し、
前記ユーティリティの前記使用量、及び前記レート情報に基づいて、使用実績料金を算出し、
前記ユーティリティの前記使用実績料金の累積値が、前記目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定し、
判定された結果を前記ユーザのユーザ端末に通知する、省エネ入浴支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省エネ入浴支援装置、省エネ入浴支援システム、及び省エネ入浴支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭等で消費される電気やガスの使用量を表示し、ユーザに電気やガスの使用量を認識させることで、ユーザの日常生活における省エネを支援するためのシステムが提案されている。特許文献1には、給湯設備の使用に対する省エネ支援システムが開示されている。特許文献1に開示された省エネ支援システムは、一般家庭等での入浴に係る給湯設備の使用において、ユーザに対して省エネ化のための的確なアドバイスを提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-220656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された省エネ支援システムは、ユーザが指定した過去の特定の実績データに基づいて、給湯エネルギー量を低下させるためのアドバイスを表示するものである。この省エネ支援システムにおいて表示されるアドバイスは、家族間における効率のよい入浴の順番や、下げる温度、短縮される時間によって節約できるエネルギー量や低減できるCO排出量である。しかし、一般的に、入浴の時間や入浴順序は、ユーザのその日の都合や気分によっても異なり、消費されるエネルギー量も、その日の状況に応じて大きく変わる。そのため、特許文献1に開示された省エネ支援システムにおいて、ユーザは、ある特定の日に対して省エネを意識することができるが、月や年単位など、所定の期間を通してトータルとして省エネを実現できているのか実感するのが難しい。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、所定の期間においてトータル的な省エネを支援することが可能な省エネ入浴支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係る省エネ入浴支援装置は、電気、ガス、水道等のユーティリティに対するユーザの利用形態に関する情報、及びユーティリティの所定の期間における目標使用料金に関する情報を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、ユーザ情報に基づいて、ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得するレート情報取得部と、ユーザの入浴に関係するユーティリティの使用量を取得する使用情報取得部と、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、使用実績料金を算出する使用料金算出部と、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定する使用実績判定部と、使用実績判定部で判定された結果をユーザのユーザ端末に通知する通知部と、を備える。
【0007】
本発明の他の態様に係る省エネ入浴支援システムは、ユーザによって操作されるユーザ端末と、省エネ入浴支援装置と、を備える省エネ入浴支援システムであって、省エネ入浴支援装置は、電気、ガス、水道等のユーティリティに対するユーザの利用形態に関する情報、及びユーティリティの所定の期間における目標使用料金に関する情報を含むユーザ情報を、ユーザ端末を介して取得するユーザ情報取得部と、ユーザ情報に基づいて、ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得するレート情報取得部と、ユーザの入浴に関係するユーティリティの使用量を取得する使用情報取得部と、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、使用実績料金を算出する使用料金算出部と、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定する使用実績判定部と、使用実績判定部で判定された結果をユーザ端末に通知する通知部と、を有する。
【0008】
本発明の他の態様に係る省エネ入浴支援方法は、コンピュータによって実行される省エネ入浴支援方法であって、電気、ガス、水道等のユーティリティに対するユーザの利用形態に関する情報、及びユーティリティの所定の期間における目標使用料金に関する情報を含むユーザ情報を取得し、ユーザ情報に基づいて、ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得し、ユーザの入浴に関係するユーティリティの使用量を取得する使用情報取得部と、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、使用実績料金を算出し、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定し、使用実績判定部で判定された結果をユーザのユーザ端末に通知する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所定の期間においてトータル的な省エネを支援することが可能な省エネ入浴支援装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る省エネ入浴支援システムの構成を示す図である。
図2】本実施形態に係る省エネ入浴支援装置の構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係る省エネ入浴支援装置の機能的構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態におけるユーザ情報の取得について説明するための図である。
図5A】CO排出量について説明するための図である。
図5B】本実施形態における使用実績料金と、推奨使用料金との関係について説明するための図である。
図6A】本実施形態における使用情報の表示について説明するための図である。
図6B】本実施形態における使用情報の表示について説明するための図である。
図7】本実施形態における使用結果の表示について説明するための図である。
図8】本実施形態に係る省エネ入浴支援装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図9】本実施形態に係る省エネ入浴支援装置におけるユーザ情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
図10】本実施形態に係る省エネ入浴支援装置における使用状況判定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて本実施形態に係る省エネ入浴支援システム10及び省エネ入浴支援装置100について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0012】
(省エネ入浴支援システム10の構成)
図1は、本実施形態に係る省エネ入浴支援システム10の構成を示す図である。図1に示すように、省エネ入浴支援システム10は、省エネ入浴支援装置100と、サーバ200と、ユーザ30によって操作されるユーザ端末300と、を含んで構成される。省エネ入浴支援装置100は、ネットワーク40を介して、サーバ200、及び/又はユーザ端末300と、通信可能となる。
【0013】
省エネ入浴支援装置100は、家庭等の入浴設備において使用される電気やガス、水道等の水道光熱の使用量を測定し、測定した使用量に対する使用料金を算出する。また、省エネ入浴支援装置100は、算出した使用料金に基づいて、省エネが実施されているか否かを判定し、ユーザ30に通知する。なお、本明細書において、電気、ガス、及び水道に関し、区別して表記する必要が無い場合には、ユーティリティと表記する。
【0014】
サーバ200は、例えば、電気会社、ガス会社、水道を管理する市町村に設けられたサーバ200であって、ユーティリティの使用量に対する使用料金を提供(公開)する。
【0015】
ユーザ端末300は、ユーザ30によって操作される電子端末であり、スマートフォン(ユーザ端末300a)やパーソナルコンピュータ(ユーザ端末300b)によって実現される。
【0016】
一般的に、家庭等の入浴においては、電気、ガス、及び水道の多くが消費されるものの、ユーザ30は、これらユーティリティの使用量を認識するのが難しい。また、電気会社やガス会社等が提供する特定の時間帯に対する使用量においても、ユーザ30は、果たしてこの使用量が省エネを実現できているか否かを判定するのは難しい。
【0017】
一方で、ユーティリティの使用においては、一般的に月単位で料金を支払うことが多く、ユーザ30は、これら月単位の料金の増減については、明確に認識することができる。さらに、近年の地球温暖化対策における二酸化炭素排出量の削減の観点から、ユーザ30も家庭内から排出される二酸化炭素の量を認識することが可能となり、この二酸化炭素の排出量からも省エネの意識に結び付けることができる。
【0018】
このような観点から、本実施形態に係る省エネ入浴支援システム10は、ユーザ30に対して省エネ入浴を支援することを可能にする。
【0019】
(省エネ入浴支援装置100の構成)
図2は、本実施形態に係る省エネ入浴支援装置100の構成を示すブロック図である。本実施形態において、省エネ入浴支援装置100は、制御部110と、記憶部120と、入出力IF130(Interface)と、通信IF140と、を備える一般的なコンピュータによって構成される。なお、制御部110及び記憶部120の詳細については後述する。
【0020】
また、ユーザ端末300がパーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット等で実現される場合において、その構成は、図2に示すブロック図の構成を適用してもよい。また、サーバ200も同様に図2に示すように、一般的なコンピュータによって構成される。
【0021】
入出力IF130は、例えば、省エネ入浴支援装置100のユーザ30が、省エネ入浴支援装置100との間において、所定の操作や、データのやり取りするための構成要素(インタフェース)である。入出力IF130は、例えば、入力IFと、出力IFとを備える(図示なし)。
【0022】
入出力IF130における入力IFは、ユーザ30によるさまざまな情報を入力するためのインタフェース機能を有し、省エネ入浴支援装置100の外部から、入力IFを介して、ユーザ30によって情報が入力される。入力IFには、省エネ入浴支援装置100に設けられた、又は接続された、タッチパネル、キーボード、マウス、トラックボール、及び、音声認識デバイス等を通じてユーザ30によって情報が入力される。また、入力IFは、外部記憶装置(図示なし)等からデータを入力するためのデータ入力端子として、情報を入力することができる。
【0023】
また、本実施形態において、入力IFは、省エネ入浴支援装置100に設けられた各種センサ(図示なし)やユーティリティの制御装置(図示なし)から、浴室150における電気、ガス、及び水道の使用量を取得するインタフェースとしても機能する。
【0024】
入出力IF130における出力IFは、省エネ入浴支援装置100に設けられた、又は接続された表示装置(図示なし)に、特定の操作画面や、実施状況等を表示させることができる。表示装置は、例えば、省エネ入浴支援装置100に設けられた液晶ディスプレイ(図示なし)であってもよい。あるいは、表示装置は、入出力IF130と有線又は無線で接続された特定のディスプレイ装置(図示なし)であってもよい。
【0025】
また、本実施形態において、出力IFは、浴室150の入浴に係る各ユーティリティの使用量を制限するためのインタフェースとしても機能する。例えば、省エネ入浴支援装置100は、出力IFを介して、給湯温度の上限の設定や、水道の使用量を制限することが可能となる。
【0026】
通信IF140は、ネットワーク40を介して、省エネ入浴支援装置100と、サーバ200及び/又はユーザ端末300と、の相互の通信を可能にするためのインタフェースである。
【0027】
次に図3を参照して、本実施形態に係る省エネ入浴支援装置100の機能について説明する。図3は、本実施形態に係る省エネ入浴支援装置100の機能的構成を示すブロック図である。
【0028】
省エネ入浴支援装置100の制御部110は、ユーザ情報取得部111と、レート情報取得部112と、使用情報取得部113と、使用料金算出部114と、CO排出量算出部115と、使用実績判定部116と、通知部117と、を機能として備える。また、省エネ入浴支援装置100の制御部110は、ユーティリティ制御部118を機能として備えてもよい。これら制御部110における各機能については後述する。
【0029】
また、制御部110は、例えば、オペレーティングシステムを動作させて、省エネ入浴支援装置100の全体を制御する。さらに、省エネ入浴支援装置100は、記憶部120に格納されたプログラムに基づいて動作し、上述の各機能を実行する。なお、プログラムは、記憶部120に格納される形態に限定されず、例えば、省エネ入浴支援装置100内の、ROM(Read Only Memory)等(図示なし)に記憶された構成としてもよい。
【0030】
記憶部120は、図3に示すように、ユーザ情報DB121(DB:Database)と、レート情報DB122と、使用状況DB123と、に含まれる情報をデータとして格納する。なお、これらの各データを格納する記憶部120は、1つであっても複数であってもよい。例えば、1つの記憶部120に対し、領域を分けて記憶する構成としてもよい。あるいは、物理的に離れた場所に設置された複数の記憶装置に、データが分散して格納されていてもよい。
【0031】
ユーザ情報取得部111は、ユーザ端末300を介して、ユーザ30によって入力されたユーザ情報を取得し、ユーザ情報DB121に格納する。具体的には、ユーザ情報取得部111は、電気、ガス、水道等のユーティリティに対するユーザ30の利用形態に関する情報、及びユーティリティの所定の期間における目標使用料金(目標金額)に関する情報を含むユーザ情報を取得する。
【0032】
図4は、ユーザ端末300の表示画面310に表示されたユーザ情報の入力画面の一例を示す図である。ユーザ30は、図4に示す入力画面に対し、対応する情報を入力する。例えば、ユーザ30は、図4の上段に示されるように、電気代、ガス代、水道代の目標金額(目標使用料金)を入力する。なお、図4に示す例における目標金額(目標使用料金)は、月額(一月当たりの金額)であるとする。
【0033】
また、ユーザ30は、図4の表示画面310の下段に示す、利用モードを選択することができる。本実施形態においては、モードとして「推奨使用表示モード」と、「使用量制限モード」が設けられる。
【0034】
「推奨使用表示モード」は、ユーティリティの使用量に応じて、推奨使用を表示させるモードである。例えば、ユーティリティの使用量が省エネを実現できている場合には、ユーザ端末300の表示画面310に「通常使用」等の表示を行う。また、ユーティリティの使用量が省エネを実現できていない場合には、ユーザ端末300の表示画面310に省エネが実現できていない旨の注意喚起を表示させる。これにより、ユーザ30は、入浴において、通常通りのユーティリティの使用でよいのか、あるいは、さらに省エネを意識したユーティリティの使用を行うのかを把握することが可能となる。
【0035】
「使用量制限モード」は、ユーティリティの使用量に応じて、実際のユーティリティの使用量を制限するモードである。例えば、ユーティリティの使用量が省エネを実現できていない場合には、省エネ入浴支援装置100は、出力IFを介して、湯量の削減、設定温度の上限値の設定などを行い、ユーティリティの使用量を制限する。
【0036】
また、ユーザ30は、表示画面310に表示された過去データ312を押下(クリック)することで、過去データを参照することができる。これにより、ユーザ30は、過去データを参照することで、省エネ入浴に対して、より適切な目標金額(目標使用料金)を設定することが可能となる。
【0037】
また、ユーザ30は、表示画面310に表示された送信311を押下(クリック)することで、入力した目標金額(目標使用料金)や利用モードに関する情報を、省エネ入浴支援装置100に送信することができる。
【0038】
また、本実施形態においては、ユーザ30は、ユーザ端末300を介して、ユーザ30のユーティリティの利用形態に関する情報を入力することができる。本実施形態において、利用形態情報は、ユーザ30が契約している電気会社、使用しているガスの種類、水道料金を支払う市町村に関する情報である。この利用形態に関する情報もユーザ30がユーザ端末300を介して入力することで、省エネ入浴支援装置100に送信することが可能となる。
【0039】
レート情報取得部112は、ユーザ情報に基づいて、ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得する。具体的には、レート情報取得部112は、ユーザ情報DB121に格納されたユーザ情報に基づいて、ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得する。また、レート情報取得部112は、ユーザ情報DB121に格納された利用形態情報に基づいて、該当する電気料金、ガス料金、及び水道料金の使用量に対する料金を示すレート情報を取得する。
【0040】
なお、レート情報は、ユーザ30によって、あらかじめ入出力IF130、又は通信IF140を介して入力されレート情報DB122に格納された情報であってもよい。また、レート情報は、ユーザ端末300に表示されたレート情報を入力するための画面(図示なし)を介して、取得する情報であってもよい。また、レート情報は、電気会社、ガス会社、又は水道を供給する市町村のサーバ200に格納された、又はサーバ200が提供するレート情報を、レート情報取得部112が取得する構成を用いてもよい。なお、レート情報は、ユーザ30が収集し、入出力IF130又は通信IF140を介してレート情報DB122に格納する構成を用いてもよい。
【0041】
また、レート情報取得部112は、ユーザ情報DB121に格納されたユーザ情報に基づいて、ユーティリティの使用量に対するCO排出量のレート情報を取得する。CO排出量のレート情報は、例えば図5Aに示すような係数で示される。
【0042】
使用情報取得部113は、ユーザ30の入浴に関係するユーティリティの使用量を取得する。具体的には、使用情報取得部113は、浴室150において使用された電気、ガス、及び水道の使用量を取得し、使用状況DB123に格納する。
【0043】
使用料金算出部114は、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、使用実績料金を算出する。また、使用料金算出部114は、算出した使用実績金額を使用状況DB123に格納する。
【0044】
CO排出量算出部115は、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、二酸化炭素(CO)の排出量を算出する。具体的には、図5Aに示すように、CO排出量算出部115は、電気やガスの使用量に対して、電気やガスの種類に応じて定まる係数を乗算することで、CO排出量を算出する。また、CO排出量算出部115は、算出した二酸化炭素の排出量を使用状況DB123に格納する。
【0045】
使用実績判定部116は、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定する。推奨使用料金は、目標使用料金に対して、所定の期間における、所定の期間の初日から使用実績判定部116で判定される判定日までの日数の割合を乗算した値である。
【0046】
図5Bを用いて、本実施形態における使用実績判定部116による使用実績料金の判定について説明する。図5Bに示す例においては、所定の期間をTで示し、所定の期間の初日から判定日までの日数をDで示す。この場合、所定の期間における、所定の期間の初日から使用実績判定部116で判定される判定日までの日数の割合を割合D/Tで示すことが可能となる。また、推奨使用料金は、以下の式(1)で示すことができる。
推奨使用料金=目標使用料金 × (D/T) ・・・(1)
【0047】
例えば、図5Bに示す例において、ポイントAにおいては、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えていない場合の例を示している。また、図5Bに示す例において、ポイントBにおいては、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えている場合の例を示している。
【0048】
また、使用実績判定部116は、二酸化炭素の排出量の累積値が、あらかじめ定められた推奨CO排出量を超えているか否かを判定する。推奨CO排出量は、例えば、一日の入浴時に発生するCOの排出量において推奨されるCO排出量に対して、所定の期間の初日から判定日までの日数を乗算した値であってもよい。あるいは、ユーザ30が所定の期間における目標CO排出量を設定し、目標CO排出量に、式(1)で示される所定の期間の初日から使用実績判定部116で判定される判定日までの日数の割合D/Tを乗算した値であってもよい。
【0049】
通知部117は、ユーティリティの使用情報をユーザ30のユーザ端末300に通知する。また、通知部117は、使用実績判定部116で判定された結果をユーザ30のユーザ端末300に通知する。具体的には、通知部117は、図6A及び図6Bに示す使用情報及び判定結果をユーザ端末300に通知する。
【0050】
本実施形態において、使用情報及び判定結果は、例えば、利用モードが「推奨使用表示モード」である場合には、図6Aの上段に示すような、浴槽の湯量、設定温度、及び入浴時間帯に対して推奨される使用内容が表示される。例えば、判定結果として、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えていない場合には、図6Aに示すように、「通常使用」が表示される。また、判定結果として、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えている場合には、例えば、省エネを推進する内容(図示なし)が表示される。
【0051】
また、ユーザ30は、図6A及び図6Bの表示画面310に表示された設定変更314を押下(クリック)することで、設定した目標金額(目標使用料金)や、利用形態、利用モードに関する情報を変更するための画面が表示され、当該情報の変更が可能となる。また、ユーザ30は、図6A及び図6Bの表示画面310に表示された終了313を押下(クリック)することで、表示画面310の表示を終了することができる。
【0052】
また、利用モードが「使用量制限モード」である場合には、図6Bの上段に示すような、浴槽の湯量、設定温度、及び入浴時間帯に対して制限される内容が表示される。例えば、判定結果として、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えていない場合には、「浴槽の湯量」、「設定温度」及び「入浴時間帯」には制限がない旨表示される。また、判定結果として、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えている場合には、図6Bに示すように、「浴槽の湯量」、「設定温度」及び「入浴時間帯」が制限される旨表示される。
【0053】
また、通知部117は、使用料金算出部114で算出され、使用状況DB123に格納された情報に基づいて、使用金額の累計が、目標使用料金に対してどれくらいの金額となっているかを、残高情報として、ユーザ端末300に通知する。図6A及び図6Bに示す例においては、表示画面310の中段に残高情報が表示されている。ユーザ30は、この残高情報を参照することで、参照時点において、どのくらいの使用金額となっているかを認識することが可能となり、省エネ入浴を意識することが可能となる。
【0054】
また、通知部117は、CO排出量算出部115で算出された、CO排出量をユーザ端末300に通知する。図6A及び図6Bに示す例においては、表示画面310の下段にCO排出量が表示されている。ユーザ30は、このCO排出量を参照することで、参照時点において、どのくらいのCOを排出しているかを認識することが可能となり、省エネ入浴を意識することが可能となる。
【0055】
また、通知部117は、所定の期間における入浴に関係するユーティリティの使用の結果をユーザ端末300に通知する。図7は、通知部117から通知された使用結果に関する情報を、ユーザ端末300の表示画面310に表示させた場合の例を示す図である。図7に示すように、表示画面310には、所定の期間に相当する、ある月における残高情報及びCO排出量が表示される。これにより、ユーザ30は、所定の期間においてトータル的な省エネの実施度合いを認識することができる。すなわち、省エネ入浴支援装置100は、所定の期間においてトータル的な省エネを支援することが可能となる。
【0056】
また、ユーザ30は、図7の表示画面310に表示された過去データ312を押下(クリック)することで、過去データを参照することができる。これにより、ユーザ30は、過去データを参照することで、省エネ入浴に対してより適切な目標金額(目標使用料金)を設定することが可能となる。また、ユーザ30は、図7の表示画面310に表示された終了313を押下(クリック)することで、表示画面310の表示を終了することができる。
【0057】
ユーティリティ制御部118は、使用実績判定部116で、使用実績料金の累計が推奨使用料金を超えていると判定された場合に、ユーザ30の入浴における水道、電気、及び/又はガスの使用量を制限する。
【0058】
具体的には、省エネ入浴支援装置100は、出力IFを介して、浴槽の湯量や設定温度の上限を制限する。また、この省エネ入浴支援装置100による制限の内容は、図6Bに示すように、ユーザ端末300に通知され、表示画面310に表示される。これにより、ユーザ30は、予定通りの省エネ入浴が実施できていない場合には、ユーティリティ制御部118の制御によって、確実に省エネ入浴を実現することが可能となる。
【0059】
(省エネ入浴支援装置100の処理フローの概略)
次に、図8図10に示すフローチャートを用いて省エネ入浴支援装置100における処理の流れを示す。図8図10のフローチャートに示す省エネ入浴支援装置100の一連の動作は、省エネ入浴支援装置100が起動されると開始され、作業終了により処理を終了する。また、図8図10に示すフローチャートは、電源オフや処理終了の割り込みによっても処理は終了する。また、以下のフローチャートの説明において、上述の省エネ入浴支援システム10及び省エネ入浴支援装置100の説明で記載した内容と同じ内容については、省略又は簡略化して説明する。
【0060】
ステップS801において、制御部110は、省エネ入浴支援装置100による処理が月初めであるか否かを判定する。本実施形態におけて、月初めは、各月の最初の日(1日)に加え、月の途中であっても省エネ入浴支援装置100が最初に実施された日も含まれる。ステップS801において、制御部110は、省エネ入浴支援装置100による処理が月初めであると判定した場合(ステップS801:YES)には、処理はステップS802に進む。一方で、ステップS801において、制御部110は、省エネ入浴支援装置100による処理が月初めでないと判定した場合(ステップS801:NO)には、処理はステップS803に進む。
【0061】
ステップS802において、ユーザ情報取得部111及びレート情報取得部112は、目標料金情報、利用形態情報、利用モード情報、及びレート情報の取得を行う。具体的には、図9に示すステップS901~S905の処理が実施される。図9に示す、ユーザ情報取得に関する処理について説明する。
【0062】
ステップS901において、ユーザ情報取得部111は、ユーザ端末300を介してユーザ30によって入力された情報があるか否かを判定する。ステップS901において、ユーザ情報取得部111は、ユーザ30によって入力された情報があると判定した場合(ステップS901:YES)には、処理は、ステップS902に進む。一方で、ステップS901において、ユーザ情報取得部111は、ユーザ30によって入力された情報がないと判定した場合(ステップS901:NO)には、処理は、ステップS901の処理を繰り返し実施する。
【0063】
ステップS902において、ユーザ情報取得部111は、目標使用料金を取得し、ユーザ情報DB121に格納する。具体的には、ユーザ情報取得部111は、図4に示す入力画面を介してユーザ30によって入力された目標金額(目標使用料金)を取得する。その後、処理はステップS903に進む。
【0064】
ステップS903において、ユーザ情報取得部111は、利用形態情報を取得し、ユーザ情報DB121に格納する。具体的には、ユーザ情報取得部111は、ユーザ端末300を介してユーザ30によって入力された利用形態情報を取得する。本実施形態において、利用形態情報は、ユーザ30が契約している電気会社、使用しているガスの種類、水道料金を支払う市町村に関する情報である。その後、処理はステップS904に進む。
【0065】
ステップS904において、ユーザ情報取得部111は、利用モード情報を取得し、ユーザ情報DB121に格納する。具体的には、ユーザ情報取得部111は、図4に示す入力画面を介してユーザ30によって入力された利用モード情報を取得する。本実施形態において利用モード情報は、例えば、図4に示す「推奨使用表示モード」、及び「使用量制限モード」である。その後、処理はステップS905に進む。
【0066】
ステップS905において、レート情報取得部112は、ユーザ情報DB121に格納されたユーザ情報に基づいて、ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得する。具体的には、レート情報取得部112は、ユーザ情報DB121に格納された利用形態情報に基づいて、該当する電気料金、ガス料金、及び水道料金の使用量に対する料金を示すレート情報を取得する。なお、レート情報は、ユーザ30によって、あらかじめ入出力IF130、又は通信IF140を介して入力されレート情報DB122に格納された情報であってもよい。また、レート情報は、ユーザ端末300に表示されたレート情報を入力するための画面(図示なし)を介して、取得する情報であってもよい。その後、処理は図8に示すフローチャートのステップS802に戻る。
【0067】
次に、図8のフローチャートの説明に戻る。ステップS803において、省エネ入浴支援装置100は、図10のフローチャートに示す使用状況判定処理を実施する。図10の使用状況判定処理について説明する。
【0068】
ステップS1001において、通知部117は、使用情報を表示する。本実施形態において、使用情報は、例えば、利用モードが「推奨使用表示モード」である場合には、図6Aの上段に示すような、浴槽の湯量、設定温度、及び入浴時間帯に対して推奨される使用内容が表示される。また、利用モードが「使用量制限モード」である場合には、図6Bの上段に示すような、浴槽の湯量、設定温度、及び入浴時間帯に対して制限される内容が表示される。
【0069】
また、ステップS1001において、通知部117は、使用実績判定部116で判定された結果をユーザ30のユーザ端末300に通知する。本実施形態において、使用情報は、例えば、利用モードが「推奨使用表示モード」である場合には、図6Aの上段に示すような、浴槽の湯量、設定温度、及び入浴時間帯に対して推奨される使用内容が表示される。例えば、判定結果として、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えていない場合には、図6Aに示すように、「通常使用」が表示される。また、判定結果として、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えている場合には、例えば、省エネを推進する内容(図示なし)が表示される。
【0070】
また、利用モードが「使用量制限モード」である場合には、図6Bの上段に示すような、浴槽の湯量、設定温度、及び入浴時間帯に対して制限される内容が表示される。例えば、判定結果として、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えていない場合には、「浴槽の湯量」、「設定温度」及び「入浴時間帯」には制限がない旨表示される。また、判定結果として、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えている場合には、図6Bに示すように、「浴槽の湯量」、「設定温度」及び「入浴時間帯」が制限される旨表示される。その後、処理はステップS1002に進む。
【0071】
ステップS1002において、使用情報取得部113は、ユーザ30の入浴に関係するユーティリティの使用量を取得する。具体的には、使用情報取得部113は、ユーザ30の入浴に関する電気、ガス、及び水道の使用量を取得し、使用状況DB123に格納する。その後、処理はステップS1003に進む。
【0072】
ステップS1003において、使用料金算出部114は、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、使用実績料金を算出する。また、使用料金算出部114は、算出した使用実績料金を使用状況DB123に格納する。その後、処理はステップS1004に進む。
【0073】
ステップS1004において、CO排出量算出部115は、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、二酸化炭素の排出量を算出する。具体的には、CO排出量算出部115は、図5Aに示す係数を、電気又はガスの使用量に乗算することで、算出する。その後、処理はステップS1005に進む。
【0074】
ステップS1005において、使用実績判定部116は、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定する。推奨使用料金は、目標使用料金に対して、所定の期間における、所定の期間の初日から使用実績判定部116で判定される判定日までの日数の割合を乗算した値である。推奨使用料金は、例えば、上述の式(1)によって算出される。
【0075】
また、使用実績判定部116は、二酸化炭素の排出量の累積値が、あらかじめ定められた推奨CO排出量を超えているか否かを判定する。推奨CO排出量は、例えば、一日の入浴時に発生するCOの排出量において推奨されるCO排出量に対して、所定の期間の初日から判定日までの日数を乗算した値であってもよい。あるいは、ユーザ30が所定の期間における目標CO排出量を設定し、目標CO排出量に、式(1)で示される所定の期間の初日から使用実績判定部116で判定される判定日までの日数の割合D/Tを乗算した値であってもよい。その後、処理はステップS1006に進む。
【0076】
ステップS1006において、通知部117は、残高情報、及びCO排出量をユーザ端末300に通知し、ユーザ端末300の表示画面310において表示される。
【0077】
具体的には、通知部117は、使用料金算出部114で算出され、使用状況DB123に格納された情報に基づいて、使用金額の累計が、目標使用金額に対してどれくらいの金額となっているかを、残高情報として、ユーザ端末300に通知する。図6A及び図6Bに示す例においては、表示画面310の中段に残高情報が表示されている。ユーザ30は、この残高情報を参照することで、参照時点において、どのくらいの使用金額となっているかを認識することが可能となり、省エネ入浴を意識することが可能となる。
【0078】
また、通知部117は、CO排出量算出部115で算出された、CO排出量をユーザ端末300に通知する。図6A及び図6Bに示す例においては、表示画面310の下段にCO排出量が表示されている。ユーザ30は、このCO排出量を参照することで、参照時点において、どのくらいのCOを排出しているかを認識することが可能となり、省エネ入浴を意識することが可能となる。
【0079】
さらに、通知部117は、所定の期間の最終日において、図7に示すような使用結果を、ユーザ端末300の表示画面310に表示させてもよい。これによりユーザ30は、各ユーティリティの使用結果及び/又はCO排出量の累計を認識することが可能となり、より省エネの意識を高めることが可能となる。その後、処理は、図8に示すフローチャートのステップS803に戻る。
【0080】
次に、図8のフローチャートに戻り説明を進める。ステップS804において、制御部110は、ユーザ30によって設定変更が実施されたか否かの判定を行う。設定変更は、例えば、図4に示す目標金額(目標使用料金)の変更が該当する。また、設定変更は、例えば、利用モードや利用形態の変更であってもよい。
【0081】
ステップS804において、制御部110は、ユーザ30によって、設定変更が実施されたと判定した場合(ステップS804:YES)には、処理は、ステップS802に戻り、ステップS802からの処理が繰り返し実施される。一方で、ステップS804において、制御部110は、ユーザ30によって、設定変更が実施さていないと判定した場合(ステップS804:NO)には、処理は、ステップS805に進む。
【0082】
ステップS805において、制御部110は、省エネ入浴支援装置100の処理が終了したか否かを判定する。本実施形態において、省エネ入浴支援装置100の処理の終了は、ユーザ30が、省エネ入浴支援装置100のスイッチ等(図示なし)をオフにすることで、実施される。また、省エネ入浴支援装置100の処理の終了は、ユーザ30がユーザ端末300を介して終了させる構成であってもよい。また、省エネ入浴支援装置100の処理の終了は、日付が変わった場合に、それまで実施されていた処理が終了する構成を用いてもよい。この場合、日付が変わってからの新しい処理は、図8に示すステップS801から実施されるものとする。
【0083】
ステップS805において、制御部110は、省エネ入浴支援装置100の処理が終了したと判定した場合(ステップS805:YES)には処理は終了する。一方で、ステップS805において、制御部110は、省エネ入浴支援装置100の処理が終了していないと判定した場合(ステップS805:NO)にはステップS803に戻り、ステップS803からの処理が繰り返し実施される。
【0084】
上述の通り、省エネ入浴支援装置100は、電気、ガス、水道等のユーティリティに対するユーザ30の利用形態に関する情報、及びユーティリティの所定の期間における目標使用料金に関する情報を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得部111を備える。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーザ情報に基づいて、ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得するレート情報取得部112を備える。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーザ30の入浴に関係するユーティリティの使用量を取得する使用情報取得部113を備える。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、使用実績料金を算出する使用料金算出部114を備える。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定する使用実績判定部116を備える。さらに、省エネ入浴支援装置100は、使用実績判定部116で判定された結果をユーザ30のユーザ端末300に通知する通知部117を備える。
【0085】
これにより、省エネ入浴支援装置100のユーザ30は、所定の期間においてトータル的な省エネの実施度合いを認識することができる。すなわち、省エネ入浴支援装置100は、所定の期間においてトータル的な省エネを支援することが可能となる。
【0086】
また、省エネ入浴支援装置100の推奨使用料金は、目標使用料金に対して、所定の期間における、所定の期間の初日から使用実績判定部116で判定される判定日までの日数の割合を乗算した値であってもよい。これにより、省エネ入浴支援装置100を利用するユーザ30は、判定日においてどれくらいの省エネ入浴が実施できているかを認識することが可能となり、より省エネを意識した入浴を実施することが可能となる。すなわち、省エネ入浴支援装置100は、所定の期間においてトータル的な省エネを支援することが可能となる。
【0087】
また、省エネ入浴支援装置100は、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、二酸化炭素の排出量を算出するCO排出量算出部115をさらに備えてもよい。また、使用実績判定部116は、二酸化炭素の排出量の累積値が、あらかじめ定められた推奨CO排出量を超えているか否かを判定してもよい。これにより、省エネ入浴支援装置100のユーザ30は、家庭内から排出される二酸化炭素の量を認識することが可能となり、この二酸化炭素の排出量からも省エネの意識に結び付けることができる。すなわち、省エネ入浴支援装置100は、ユーザ30に対して、どのくらいのCOを排出しているかを認識させることが可能となり、ユーザ30に対して、省エネ入浴をより意識させることが可能となる。
【0088】
また、省エネ入浴支援装置100は、ユーティリティ制御部118をさらに備えてもよい。ユーティリティ制御部118は、使用実績判定部116で、使用実績料金の累計が推奨使用料金を超えていると判定された場合に、ユーザ30の入浴における水道、電気、及び/又はガスの使用量を制限してもよい。これにより、省エネ入浴支援装置100を利用するユーザ30は、予定通りの省エネ入浴が実施できていない場合には、ユーティリティ制御部118の制御によって、確実に省エネ入浴を実施することが可能となる。
【0089】
(他の実施形態)
実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明したが、以上の実施形態に記載した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0090】
また、上述した省エネ入浴支援装置100における処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム(省エネ入浴支援プログラム)、及びそのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体は、本実施形態の範囲に含まれる。ここで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体の種類は任意である。また、上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0091】
以下に、省エネ入浴支援装置100、省エネ入浴支援システム10、及び省エネ入浴支援方法の特徴について記載する。
【0092】
第1の態様に係る省エネ入浴支援装置100は、電気、ガス、水道等のユーティリティに対するユーザ30の利用形態に関する情報、及びユーティリティの所定の期間における目標使用料金に関する情報を含むユーザ情報を取得するユーザ情報取得部111を備える。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーザ情報に基づいて、ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得するレート情報取得部112を備える。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーザ30の入浴に関係するユーティリティの使用量を取得する使用情報取得部113を備える。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、使用実績料金を算出する使用料金算出部114を備える。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定する使用実績判定部116を備える。さらに、省エネ入浴支援装置100は、使用実績判定部116で判定された結果をユーザ30のユーザ端末300に通知する通知部117を備える。
【0093】
上記構成によれば、省エネ入浴支援装置100のユーザ30は、所定の期間においてトータル的な省エネの実施度合いを認識することができる。すなわち、省エネ入浴支援装置100は、所定の期間においてトータル的な省エネを支援することが可能となる。
【0094】
第2の態様に係る省エネ入浴支援装置100の推奨使用料金は、目標使用料金に対して、所定の期間における、所定の期間の初日から使用実績判定部116で判定される判定日までの日数の割合を乗算した値であってもよい。
【0095】
上記構成によれば、省エネ入浴支援装置100を利用するユーザ30は、判定日においてどれくらいの省エネ入浴が実施できているかを認識することが可能となり、より省エネを意識した入浴を実施することが可能となる。すなわち、省エネ入浴支援装置100は、所定の期間においてトータル的な省エネを支援することが可能となる。
【0096】
第3の態様に係る省エネ入浴支援装置100は、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、二酸化炭素の排出量を算出するCO排出量算出部115をさらに備えてもよい。また、使用実績判定部116は、二酸化炭素の排出量の累積値が、あらかじめ定められた推奨CO排出量を超えているか否かを判定してもよい。
【0097】
上記構成によれば、省エネ入浴支援装置100のユーザ30は、家庭内から排出される二酸化炭素の量を認識することが可能となり、この二酸化炭素の排出量からも省エネの意識に結び付けることができる。すなわち、省エネ入浴支援装置100は、ユーザ30に対して、どのくらいのCOを排出しているかを認識させることが可能となり、ユーザ30に対して、省エネ入浴をより意識させることが可能となる。
【0098】
第4の態様に係る省エネ入浴支援装置100は、ユーティリティ制御部118をさらに備えてもよい。ユーティリティ制御部118は、使用実績判定部116で、使用実績料金の累計が推奨使用料金を超えていると判定された場合に、ユーザ30の入浴における水道、電気、及び/又はガスの使用量を制限してもよい。
【0099】
上記構成によれば、省エネ入浴支援装置100を利用するユーザ30は、予定通りの省エネ入浴が実施できていない場合には、ユーティリティ制御部118の制御によって、確実に省エネ入浴を実施することが可能となる。すなわち、省エネ入浴支援装置100は、より確実に省エネ入浴を支援することが可能となる。
【0100】
第5の態様に係る省エネ入浴支援システム10は、ユーザ30によって操作されるユーザ端末300と、省エネ入浴支援装置100と、を備える省エネ入浴支援システム10である。省エネ入浴支援装置は、電気、ガス、水道等のユーティリティに対するユーザ30の利用形態に関する情報、及びユーティリティの所定の期間における目標使用料金に関する情報を含むユーザ情報を、ユーザ端末を介して取得するユーザ情報取得部111を有する。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーザ情報に基づいて、ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得するレート情報取得部112を有する。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーザ30の入浴に関係するユーティリティの使用量を取得する使用情報取得部113を有する。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、使用実績料金を算出する使用料金算出部114を有する。また、省エネ入浴支援装置100は、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定する使用実績判定部116を有する。さらに、省エネ入浴支援装置100は、使用実績判定部116で判定された結果をユーザ端末300に通知する通知部117を有する。
【0101】
上記構成によれば、省エネ入浴支援システム10のユーザ30は、所定の期間においてトータル的な省エネの実施度合いを認識することができる。すなわち、省エネ入浴支援システム10は、所定の期間においてトータル的な省エネを支援することが可能となる。
【0102】
第6の態様に係る省エネ入浴支援方法は、コンピュータによって実行される省エネ入浴支援方法である。省エネ入浴支援方法は、電気、ガス、水道等のユーティリティに対するユーザ(30)の利用形態に関する情報、及びユーティリティの所定の期間における目標使用料金に関する情報を含むユーザ情報を取得する。また、省エネ入浴支援方法は、ユーザ情報に基づいて、ユーティリティの使用量に対する使用料金のレート情報を取得する。また、省エネ入浴支援方法は、ユーザ30の入浴に関係するユーティリティの使用量を取得する。また、省エネ入浴支援方法は、ユーティリティの使用量、及びレート情報に基づいて、使用実績料金を算出する。また、省エネ入浴支援方法は、ユーティリティの使用実績料金の累積値が、目標使用料金に基づいて算出される推奨使用料金を超えているか否かを判定する。さらに、省エネ入浴支援方法は、判定された結果をユーザ30のユーザ端末300に通知する。
【0103】
上記構成によれば、省エネ入浴支援方法を用いるユーザ30は、所定の期間においてトータル的な省エネの実施度合いを認識することができる。すなわち、省エネ入浴支援方法は、所定の期間においてトータル的な省エネを支援することが可能となる。
【符号の説明】
【0104】
10 省エネ入浴支援システム
40 ネットワーク
100 省エネ入浴支援装置
110 制御部
111 ユーザ情報取得部
112 レート情報取得部
113 使用情報取得部
114 使用料金算出部
115 CO排出量算出部
116 使用実績判定部
117 通知部
118 ユーティリティ制御部
120 記憶部
121 ユーザ情報DB
122 レート情報DB
123 使用状況DB
130 入出力IF
140 通信IF
200 サーバ
300、300a、300b ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10