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特開2024-10031改善されたアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010031
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】改善されたアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20240116BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20240116BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/22
C11D1/72
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023180233
(22)【出願日】2023-10-19
(62)【分割の表示】P 2022524106の分割
【原出願日】2020-11-23
(31)【優先権主張番号】62/940,932
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンソン、フィリップ・カイル
(72)【発明者】
【氏名】レイルマン、ランドール・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ステンガー、パトリック・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】トマス、チェイン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】洗剤の処方を単純化し、消費者に対してより良好な性能及びより良好な価値の両方を送達する、改善された液体洗濯洗剤組成物を提供する。
【解決手段】液体洗濯組成物であって、当該洗濯組成物の約6重量%~約50重量%の界面活性剤成分を有する、液体洗濯組成物。界面活性剤成分は、洗濯組成物の約0.5重量%~約30重量%の、アルキルベンゼンスルホン酸、C10~16アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩から選択されるHLAS界面活性剤であって、50%超のC12を含む、HLAS界面活性剤を有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗濯洗剤組成物であって、
前記洗濯洗剤組成物の6重量%~50重量%の界面活性剤成分を含み、前記界面活性剤成分が、
a)前記洗濯洗剤組成物の0.5重量%~30重量%の、アルキルベンゼンスルホン酸、C10~C16アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩若しくはアミン塩、又はこれらの組み合わせを含むHLAS界面活性剤であって、50%超のC12を含む、HLAS界面活性剤と、
b)第2の界面活性剤と、を含み、
前記洗濯洗剤組成物が、2重量%~10重量%のアルキルエトキシ化サルフェート界面活性剤(AES)を更に含み、
前記アルキルエトキシ化サルフェート界面活性剤(AES)のアルキル部分が、平均して、13.9~14.6個の炭素原子の分布を含む、液体洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤成分が、30重量%~75重量%の前記HLAS界面活性剤を含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
HLAS界面活性剤とAES界面活性剤成分との比が、重量基準で1:1~10:1である、請求項1又は2に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
HLAS界面活性剤とAS界面活性剤成分との比が、重量基準で0.5:1~5:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
前記洗濯洗剤組成物が、前記洗濯洗剤組成物の0.03重量%~0.2重量%の光学増白剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
前記HLAS界面活性剤が、C10~C14アルキルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
前記HLAS界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びこれらの混合物から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
前記界面活性剤成分が、0.2重量%~50重量%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
前記洗濯洗剤組成物が、4~9のpHを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項10】
前記洗濯洗剤組成物が、透明又は半透明である、請求項1~9のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項11】
前記HLAS界面活性剤の、偶数炭素と奇数炭素との比が3:2~99:1である、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項12】
前記HLAS界面活性剤が、以下の対イオン:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンの任意の組み合わせによって中和される、請求項1~11のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項13】
形態が、単位用量物品である、請求項1~12のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の種類のアルキルアリールスルホネート界面活性剤を含有する改善された洗剤及び洗浄製品に関する。より具体的には、これらのアルキルアリールスルホネートは、特定の国々では依然として市販されている高度に分岐した非生分解性又は「ハード型」のアルキルベンゼンスルホネートとは異なる化学組成を有し、また、ほとんどの地域で既にそれに取って代わっているいわゆる直鎖アルキルベンゼンスルホネートとは鎖長分布が異なる。更に、選択された界面活性剤は、特定の洗剤補助剤と組み合わせることによって新たな洗剤組成物に配合される。当該組成物は、多種多様な基材を洗浄するのに有用である。
【背景技術】
【0002】
歴史的に、テトラプロピレンに基づくものなどの高度に分岐したアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤(「ABS」として知られている)が洗剤に使用されていた。しかしながら、これらは生分解性が非常に低いことが判明した。実用的に可能な限り直線状にするために(「LAS」)、アルキルベンゼンスルホネートの製造プロセスを改善することに長い期間が費やされた。直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤の製造のほぼ全ての部分は、この目的を対象としている。今日使用されている全ての関連する大規模な商業的アルキルベンゼンスルホネートプロセスは、直鎖アルキルベンゼンスルホネートを対象としている。しかしながら、直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、限定するものではないが、例えば、特定の鎖長分布によってより良好な性能及びフレッシュさの送達が可能になり、それによって、炭素基準での利用効率が改善される場合、より望ましいであろう。
【0003】
アルキルベンゼンスルホネートが制限された結果として、消費者洗浄製剤は、多くの場合、より優れたアルキルベンゼンスルホネートを与えるのに必要なレベルよりも高いレベルのアルキルベンゼンスルホネート、共界面活性剤、ビルダー、及び他の添加剤を含むことが必要とされてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、洗剤の処方を単純化し、消費者に対してより良好な性能及びより良好な価値の両方を送達することが非常に望ましいであろう。更に、世界中で使用されているアルキルベンゼンスルホネート界面活性剤及び洗剤製剤の総トン数が非常に大きいことに鑑みると、塩基性アルキルベンゼンスルホネート洗剤の性能の改善がわずかであるとしても、大きな影響力がある可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書における態様は、特定のスルホン化アルキルベンゼンを含む改善された洗剤組成物を提供することである。別の態様は、改善された界面活性剤及びそれを含む界面活性剤混合物を提供することである。本発明のこれら及び他の態様は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0006】
本発明は、以下が挙げられるがこれらに限定されない、上記で特定された態様のうちの1つ以上を満たすことを超える多数の利点を有する:例えば冷水又は常温で洗濯する場合の洗浄力における優れた性能;より優れたフレッシュさの送達;レオロジーの改変;及び従来の鎖長分布を有する対応する直鎖アルキルベンゼンスルホネートよりも改善された炭素効率。更に、本発明は、洗濯される布地からの古い布地柔軟剤の残渣の蓄積を低減し、布地からの脂質又は油脂汚れの除去を改善することが期待される。利点は、食器洗浄などの非洗濯洗浄用途においても期待される。
【0007】
本発明は、古い、高度に分岐した、非生分解性アルキルベンゼンスルホネートと新しい直鎖型との間の中道に、後者よりも高い性能を発揮し、かつ前者よりも生分解性の高い特定のアルキルベンゼンスルホネートが存在するという予想外の発見に基づいている。
【0008】
洗浄組成物は、当該組成物の約6重量%~約50重量%の界面活性剤成分、好ましくは当該組成物の約15重量%~約35重量%の界面活性剤成分を含み、当該界面活性剤成分が、a)洗濯組成物の約0.5重量%~約30重量%の、アルキルベンゼンスルホン酸、C10~C16アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩から選択されるHLAS界面活性剤であって、50%超のC12、好ましくは60%超、好ましくは70%超のC12、より好ましくは75%超を含む、HLAS界面活性剤と、b)第2の界面活性剤と、を含む。
【0009】
したがって、本発明の態様は、新規洗浄組成物を提供することである。これらの及び他の態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0010】
特に明記しない限り、本明細書における百分率、比、及び割合は、全て重量に基づくものである。特に明記しない限り、全ての温度は摂氏(℃)である。引用する全ての文献は、関連部分が本明細書に参照により組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、新規界面活性剤組成物に関する。本発明はまた、新規界面活性剤系を含有する新規洗浄組成物に関する。
【0012】
アルキルアリールスルホネート界面活性剤系
本発明は、特定の鎖長分布を含有するアルキルアリールスルホネート界面活性剤系を目的とする。
【0013】
洗浄組成物
本発明の界面活性剤組成物は、粉末、液体、顆粒、ゲル、ペースト、錠剤、パウチ、バー、二重区画容器に送達されるタイプ、スプレー又はフォーム洗剤、及び他の均質又は多相の消費者洗浄製品形態を含む、広範囲にわたる消費者洗浄製品組成物で使用することができる。それらは、手で使用若しくは適用することができる、及び/あるいは単一の若しくは自由に変更可能な投入量で、又は自動分注手段によって適用することができる、あるいは洗濯機などの家電で有用である、あるいは施設の洗浄状況で使用することができる。高発泡性及び低発泡性洗剤タイプの両方が包含される。
【0014】
消費者製品洗浄組成物は、「Surfactant Science Series」、Marcel Dekker、New York、第1~67巻、及びそれ以上に記載されている。特に、液体組成物は、第67巻の「Liquid Detergents」、Kuo-Yann Lai編、1997、ISBN 0-8247-9391-9に詳細に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0015】
本明細書における消費者製品洗浄組成物は、非限定的に、以下を含む:
重質液体洗剤(HDL):これらの組成物は、いわゆる「構造化」、すなわち多相(例えば、米国特許第5,160,655号を参照)及び「非構造化」、すなわち等方性液体タイプの両方を含み、一般に水性であっても非水性であってよく(例えば、米国特許第5,102,574号を参照;漂白剤(例えば、米国特許第5,445,756号を参照)及び/又は酵素(例えば、米国特許第5,442,100を参照)と共に使用してもよく、漂白剤及び/又は酵素を含まなくてもよい。重質液体洗剤に関する他の特許は、Surfactant Science Series、第67巻、309~324ページに作表又は列挙されている。
【0016】
洗浄組成物は、錠剤、パウチ、シート、又は繊維状物品などの、単位化用量物品の形態であってもよい。このようなパウチは、典型的には、組成物を少なくとも部分的に封入する水溶性フィルム、例えば、ポリビニルアルコール水溶性フィルムを含む。好適なフィルムは、MonoSol,LLC(Indiana,USA)から入手可能である。組成物は、単区画パウチに封入されていても、又は多区画パウチに封入されていてもよい。多区画パウチは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は少なくとも4つの区画を有してもよい。多区画パウチは、並べて及び/又は重ねておかれた区画を含んでもよい。パウチ又はその区画内に収容される組成物は、液体、固体(粉末など)、又はこれらの組み合わせであってもよい。パウチにした組成物は、比較的少量の水、例えば、洗剤組成物の約20重量%未満、又は約15重量%未満、又は約12重量%未満、又は約10重量%未満、又は約8重量%未満の水を有してもよい。
【0017】
重質顆粒洗剤(HDG):これらの組成物は、いわゆる「コンパクト型」、すなわち凝集しているか又は他の方法で噴霧乾燥されていないタイプに加えて、いわゆる「フラッフィー型」、すなわち噴霧乾燥されたタイプの両方を含む。リン酸化及び非リン酸化タイプの両方が含まれる。そのような洗剤は、より一般的なアニオン性界面活性剤ベースのタイプを含んでいてもよく、又は一般に非イオン性界面活性剤がゼオライト若しくは他の多孔質無機塩などの吸収剤中若しくは上に保持されているいわゆる「高非イオン性界面活性剤」タイプであってもよい。HDGの製造は、例えば、米国特許第5,576,285号に開示されている。
【0018】
「洗浄柔軟剤(Softergents)」(STW):これらの組成物は、様々な顆粒又は液体(例えば、米国特許第5,017,296号を参照)の洗浄を通して柔軟化する(softening-through-the wash)タイプの製品を含み、一般に、有機(例えば、第四級)又は無機(例えば、粘土)柔軟剤を有し得る。
【0019】
家庭用ドライクリーニングシステムを含む特殊用途洗浄剤(SPC)(例えば、米国特許第5,547,476号を参照);洗濯物用の漂白前処理製品;布地ケア前処理製品(例えば、欧州特許第752,469 A号を参照);目の細かい布地用液体洗剤タイプ、特に高発泡性の品目;食器洗浄のためのすすぎ助剤;塩素タイプ及び酸素漂白剤タイプの両方を含む液体漂白剤、並びに消毒剤、マウスウォッシュ、義歯洗浄剤、自動車若しくはカーペットの洗浄剤、又はシャンプー、ヘアリンス、シャワーゲル、フォームバス、及びパーソナルケア洗浄剤、並びに金属洗浄剤;更に、漂白添加剤及び「ステインスティック」などの洗浄助剤、又は特殊な発泡体タイプの洗浄剤及び日焼け防止処理を含む他の前処理タイプも包含される。
【0020】
洗濯又は洗浄補助材及び方法:
一般に、洗濯又は洗浄補助剤は、最低限の必須成分のみを含有する組成物を洗濯又は洗浄の目的に有用な組成物に変換するために必要な任意の材料である。補助剤は、一般に、安定剤、希釈剤、構造化材料、着色剤、プロ香料、及び香料などの審美効果を有する剤、並びに非依存性又は依存性の洗浄機能を有する材料を含む。好ましい実施形態では、洗濯又は洗浄補助剤は、洗濯又は洗浄製品、特に家庭環境において消費者によって直接使用されることを意図する洗濯又は洗浄製品に絶対的に特徴的であるので、当業者が容易に認識可能である。
【0021】
最も広く定義されたときの本発明の目的には必須ではないが、以下に例示するいくつかのこのような従来の補助剤は、本洗濯及び洗浄組成物で使用するのに適しており、例えば、洗浄性能を支援若しくは向上させるために、洗浄される基材を処理するために、又は香料、着色剤、染料などを用いる場合のように洗剤組成物の審美性を改変するために、本発明の好ましい実施形態に配合するのが望ましい場合がある。これらの追加の成分の正確な性質及びその配合濃度は、組成物の物理的形態及び使用される洗浄作業の性質に依存する。
【0022】
好ましくは、漂白剤と共に使用される場合、補助成分は、それに対して良好な安定性を有していなければならない。本明細書における特定の好ましい洗剤組成物は、法律によって必要とされているので、ホウ素フリー及び/又はホスフェートフリーでなければならない。補助剤のレベルは、組成物の約0.00001重量%~約99.9重量%、典型的には約70重量%~約95重量%である。組成物全体の使用レベルは、意図される用途に応じて大きく異なり得、例えば、溶液中数ppmから洗浄される表面への未希釈洗浄組成物のいわゆる「直接塗布」まで及ぶ。
【0023】
一般的な補助剤としては、本発明の組成物の必須成分の一部として上記で既に定義された任意の材料を除く、ビルダー、界面活性剤、酵素、ポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、触媒材料などが挙げられる。本明細書における他の補助剤は、以下に詳細に記載するように、多様な活性成分又は特殊な材料、例えば、分散剤ポリマー(例えば、BASF Corp.又はRohm & Haas製)、カラー粒子、シルバーケア、耐変色剤、及び/又は防食剤、染料、充填剤、殺菌剤、アルカリ源、ヒドロトロープ、酸化防止剤、酵素安定剤、プロ香料、香料、可溶化剤、担体、加工助剤、顔料、及び液体製剤の場合は溶媒を含み得る。
【0024】
非常に典型的には、洗濯洗剤、洗濯洗剤添加剤、硬質表面洗浄剤、合成及び石鹸ベースの洗濯バー、布地柔軟剤、及び布地処理液、全ての種類の固体及び処理物品などの、本明細書における洗濯又は洗浄組成物は、いくつかの補助剤を必要とするが、漂白添加剤などの特定の単純な処方の製品では、例えば、本明細書に記載の酸素漂白剤及び界面活性剤しか必要としない場合もある。
【0025】
洗浄性界面活性剤-本組成物は、望ましくは、洗浄性界面活性剤を含む。洗浄界面活性剤は、米国特許第3,929,678号(1975年12月30日、Laughlinら、及び同第4,259,217号、1981年3月31日、Murphy;シリーズ「Surfactant Science」,Marcel Dekker,Inc.,New York and Basel;「Handbook of Surfactants」,M.R.Porter,Chapman and Hall,第2版,1994年;「Surfactants in Consumer Products」,J.Falbe編,Springer-Verlag,1987年;Procter&Gamble並びに他の洗剤及び消費者製品の製造業者に譲渡された多数の洗剤関連特許において広範に説明されている。
【0026】
したがって、本明細書における洗浄性界面活性剤は、生地の洗濯において洗浄剤として使用することが知られているアニオン性、非イオン性、双性イオン性、又は両性のタイプの界面活性剤を含むが、完全に発泡体フリーである界面活性剤も完全に不溶性の界面活性剤も含まない(が、これらは任意選択の補助剤として使用される場合もある)。本目的にとって任意選択であると考えられる界面活性剤のタイプの例は、洗浄界面活性剤と比較して比較的一般的ではないが、例えば、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリドなどの一般的な布地柔軟剤材料を含む。
【0027】
より詳細には、本明細書で有用な洗浄性界面活性剤は、典型的には、好適には、約1重量%~約55重量%のレベルで以下を含む:(1)従来のアルキルベンゼンスルホネート;(2)a-オレフィンスルホネートを含むオレフィンスルホネート、並びに脂肪酸及び脂肪酸エステルに由来するスルホネート;(3)ジエステル及びハーフエステルのタイプを含むアルキル又はアルケニルスルホスクシネートに加えて、スルホスクシンナメート、並びにエトキシ化アルコール及びアルカノールアミドに由来するスルホスクシネートなどの他のスルホネート/カルボキシレート界面活性剤タイプ;(4)亜硫酸水素塩のアルファオレフィンへの付加生成物を含む、パラフィン又はアルカンスルホネート及びアルキル又はアルケニルカルボキシスルホネートのタイプ;(5)アルキルナフタレンスルホネート;(6)アルキルイセチオネート及びアルコキシプロパンスルホネート、並びに脂肪酸イセチオネートエステル、エトキシ化イセチオネートの脂肪酸エステル、及び3-ヒドロキシプロパンスルホネート若しくはAVANEL Sタイプのエステルなどの他のエステルスルホネート;(7)特にそれらのヒドロトロープ特性に有用である、ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、及びナフタレンスルホネート;(8)アルキルエーテルスルホネート;(9)アルキルアミドスルホネート;(10)a-スルホ脂肪酸塩又はエステル及び内部スルホ脂肪酸エステル;(11)アルキルグリセリルスルホネート;(12)リグニンスルホネート;(13)時に重質アルキレートスルホネートとしても知られている石油スルホネート;(14)ジフェニルオキシドジスルホネート;(15)直鎖又は分枝鎖アルキルサルフェート又はアルケニルサルフェート;(16)時にアルキルエーテルサルフェートとしても知られている、アルキル又はアルキルフェノールアルコキシレートサルフェート及び対応するポリアルコキシレート、並びにアルケニルアルコキシサルフェート又はアルケニルポリアルコキシサルフェート;(17)硫酸化アルカノールアミド並びにそのアルコキシレート及びポリアルコキシレートを含む、アルキルアミドサルフェート又はアルケニルアミドサルフェート;(18)硫酸化油、硫酸化アルキルグリセリド、硫酸化アルキルポリグリコシド、又は硫酸化糖由来の界面活性剤;(19)ガラクツロン酸塩を含む、アルキルアルコキシカルボキシレート及びアルキルポリアルコキシカルボキシレート;(20)アルキルエステルカルボキシレート及びアルケニルエステルカルボキシレート;(21)アルキル又はアルケニルカルボキシレート、特に従来の石鹸並びにa,v-ジカルボキシレート(アルキル及びアルケニルスクシネートも含む);(22)アルキル又はアルケニルアミドアルコキシ及びポリアルコキシカルボキシレート;(23)サルコシネート、タウリド、グリシネート、アミノプロピオネート、及びイミノプロピオネートを含む、アルキル及びアルケニルアミドカルボキシレート界面活性剤タイプ;(24)時に脂肪酸シアンアミドとも呼ばれるアミド石鹸;(25)アルキルポリアミノカルボキシレート;(26)アルキル又はアルケニルリン酸エステルを含むリン系界面活性剤、そのアルコキシ化誘導体を含むアルキルエーテルホスフェート、ホスファチジン酸塩、アルキルホスホン酸塩、アルキルジ(ポリオキシアルキレンアルカノール)ホスフェート、レシチンなどの両性ホスフェート、並びにホスフェート/カルボキシレート、ホスフェート/サルフェート、及びホスフェート/スルホネートタイプ;(27)Pluronic及びTetronicタイプの非イオン性界面活性剤;(28)ジブロック及びトリブロックEPE及びPEPタイプを含む、いわゆるEO/POブロックポリマー;(29)脂肪酸ポリグリコールエステル;(30)脂肪アルコールポリエチレングリコールエーテルを含む、末端保護された及び末端保護されていないアルキル又はアルキルフェノールエトキシレート、プロポキシレート及びブトキシレート;(31)特に粘度調整界面活性剤として有用であるか、又は他の界面活性剤の未反応成分として存在する場合、脂肪アルコール;(32)N-アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、特にアルキルN-アルキルグルカミド;(33)単糖若しくは多糖類又はソルビタンに由来する非イオン性界面活性剤、特にアルキルポリグリコシド、並びにスクロース脂肪酸エステル;(34)エチレングリコール-、プロピレングリコール-、グリセロール-、及びポリグリセリル-エステル、並びにそれらのアルコキシレート、特にグリセロールエーテル並びに脂肪酸/グリセロールモノエステル及びジエステル;(35)アルドビオンアミド界面活性剤;(36)アルキルスクシンイミド非イオン性界面活性剤タイプ;(37)SURFYNOLSなどのアセチレンアルコール界面活性剤;(38)アルカノールアミド界面活性剤、並びに脂肪酸アルカノールアミド及び脂肪酸アルカノールアミドポリグリコールエーテルを含むそのアルコキシ化誘導体;(39)アルキルピロリドン;(40)アルコキシ化又はポリアルコキシ化アミンオキシド及び糖に由来するアミンオキシドを含むアルキルアミンオキシド;(41)アルキルホスフィンオキシド;(42)スルホキシド界面活性剤;(43)両性スルホネート、特にスルホベタイン;(44)アミノカルボキシレート由来のタイプを含むベタインタイプ両性物質;(45)アルキルアンモニオポリエトキシサルフェートなどの両性サルフェート;(46)脂肪及び石油に由来するアルキルアミン塩及びアミン塩;(47)アルキルイミダゾリン;(48)アルキルアミドアミン並びにそのアルコキシレート及びポリアルコキシレート誘導体;並びに(49)水溶性アルキルトリメチルアンモニウム塩を含む従来のカチオン性界面活性剤。更に、例えば、以下のようなあまり通常では使用されない界面活性剤タイプも含まれる:(50)アルキルアミドアミンオキシド、カルボキシレート、及び四級塩;(51)上記で参照されたより従来の非糖タイプのいずれかの後にモデル化された糖由来の界面活性剤;(52)フルオロ界面活性剤;(53)バイオ界面活性剤;(54)有機ケイ素界面活性剤;(55)グルコースに由来するものを含む、上記で参照されたジフェニルオキシドジスルホネート以外のジェミニ界面活性剤;(56)アンホポリカルボキシグリシネートを含むポリマー界面活性剤;並びに(57)双頭型両親媒性(bolaform)界面活性剤。
【0028】
以前に言及した従来のアルキルベンゼンスルホネートに関して、特にAlCl又はHF又はdetal又はdetal plus又はREYアルキル化を用いて作製されるものを含む実質的に直鎖状のタイプについて、好適な鎖長は約C10~約C16である。そのような直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤が、本組成物中に存在していてもよい。
【0029】
驚くべきことに、典型的にC8~C20の一般的な範囲の疎水性物質鎖長の使用とは異なり、例えば、70%を超えるC12、75%を超えるC12、又は60%のC12~99%C12などの50%を超えるC12を含む鎖を利用した場合には、大きな予想外の利点があることが見出された。具体的には、驚くべきことに、アルキルベンゼンスルホン酸、C10~16アルキルベンゼンスルホン酸、より好ましくはC10~C14アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩から選択されるHLAS界面活性剤であって、50%を超えるC12を含む、HLAS界面活性剤を利用した洗剤は、他の炭素分布と比較して、染み及びフレッシュさに関する結果が改善されることが見出された。HLAS界面活性剤は、好ましくは、直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びこれらの混合物から選択される。
【0030】
更に、驚くべきことに、アルキルベンゼンスルホン酸、C10~16アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩から選択されるHLAS界面活性剤であって、偶数炭素と奇数炭素との比が3:2~99:1である、HLAS界面活性剤を利用した洗剤は、他の炭素分布と比較して、染み及びフレッシュさに関する結果が改善されることが見出された。
【0031】
本開示の組成物は、当該組成物の約1重量%~約30重量%、又は約5重量%~約25重量%、又は約7重量%~約20重量%のHLASを含み得る。本開示の界面活性剤系は、当該界面活性剤系の約30重量%~約75重量%又は約40重量%~約60重量%のLASを含み得る。
【0032】
本開示のAES及びLASは、ある重量比で存在し得る。組成物は、重量基準でAESよりも多くのLASを含み得る。LAS及びAESは、約1:1~約10:1、又は約1.2:1~約5:1、又は約1.5:1~約3:1の重量比で存在し得る。
【0033】
上で特定された洗浄性界面活性剤の中で好ましいのは、酸、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、C~C20直鎖アルキルベンゼンスルホネート、特に直鎖二級アルキルC10~C15ベンゼンスルホン酸ナトリウム;オレフィンスルホン酸塩、すなわち、オレフィン、特にC10~C20a-オレフィンを三酸化硫黄と反応させ、次いで、反応生成物を中和及び加水分解することによって作製される材料;C~C12ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム及びアンモニウム;アルカンモノスルホネート、例えば、C~C20a-オレフィンを亜硫酸水素ナトリウムと反応させることによって誘導されるもの、並びにパラフィンをSO及びClと反応させ、次いで、塩基で加水分解してランダムスルホネートを形成することによって誘導されるもの;a-スルホ脂肪酸塩又はエステル;アルキルグリセリルスルホン酸ナトリウム、特に、タロー又はパーム核油又は又はココナツ油に由来する高級アルコール、及び石油由来の合成アルコールのエーテル;石炭又は天然ガス、一級又は二級、飽和又は不飽和、分岐又は非分岐であってよいアルキル又はアルケニルサルフェートである。好適な合成アルコール源の非限定的な例としては、Neodol(登録商標)、Lial(登録商標)、Isalchem(登録商標)、Safol(登録商標)、Lutensol(登録商標)、Alfol(登録商標)、Tergitol(登録商標)、Isofol(登録商標)、及び別の商品名で入手可能な同様の材料が挙げられる。分岐している場合、そのような化合物は、ランダムに分岐していてもよく、規則的、すなわち炭化水素鎖に沿った特定の位置で分岐していてもよい。不飽和である場合、硫酸オレイルなどの硫酸塩が好ましいが、アルキル硫酸ナトリウム及びアンモニウム、特に、例えばタロー又はココナツ油から生成されるC~C18アルコールを硫酸化することによって生成されるものも有用であり、また、以下も好ましい:アルキル又はアルケニルエーテルサルフェート、特に、約0.5モル以上、好ましくは0.5~8のエトキシ化を有するエトキシサルフェート;アルキルエーテルカルボキシレート、特に、EO1~5エトキシカルボキシレート;石鹸又は脂肪酸、好ましくはより水溶性が高いタイプ;アミノ酸タイプの界面活性剤、例えば、サルコシネート、特にサルコシン酸オレイル;リン酸エステル、プロポキシレート、及びブトキシレート、特に、いわゆるピークの狭いアルキルエトキシレート及びC~C12アルキルフェノールアルコキシレートを含むエトキシレート「AE」、並びに脂肪族一級又は二級直鎖又は分枝鎖のC~C18アルコールとエチレンオキシド、一般に2~30個のEOとの生成物;N-アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、特に、C12~C18N-メチルグルカミド(国際公開第9206154号を参照)、及びN-アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えば、C10~C18N-(3-メトキシプロピル)グルカミドであるが、低発泡性の場合はN-プロピル~N-ヘキシルC12~C18グルカミドを使用してもよい;アルキルポリグルコシド;アミンオキシド、好ましくは、アルキルジメチルアミンN-オキシド及びその水和物;スルホベタイン又は「スルタイン」;ベタイン;ラムノリピド、ソホロリピド、及びジェミニ界面活性剤。
【0034】
本明細書におけるアニオン性洗浄性界面活性剤の好適なレベルは、洗剤組成物の約1重量%~約50重量%以上、好ましくは約2重量%~約30重量%、より好ましくは更に約5重量%~約20重量%の範囲である。
【0035】
本明細書における非イオン性洗浄性界面活性剤の好適なレベルは、約0%~約40%又は最大40%、好ましくは約2%~約30%、より好ましくは約5%~約20%である。
【0036】
本明細書において有用な非イオン性界面活性剤としては、いわゆるピークの狭いアルキルエトキシレート及びC6~C12アルキルフェノールアルコキシレート(特にエトキシレート及び混合エトキシ/プロポキシ)を含むC12~C18アルキルエトキシレート(「AE」)、C6~C12アルキルフェノールのブロックアルキレンオキシド縮合物、C8~C22アルカノール及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーのアルキレンオキシド縮合物(Pluronic-BASFCorp.)が挙げられる。他の好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシ化アルキルフェノール、アルキルフェノール縮合物、中鎖分岐アルコール、中鎖分岐アルキルアルコキシレート、アルキル多糖類(例えば、アルキルポリグリコシド)、エーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。アルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってもよい。非イオン性界面活性剤は、直鎖、分枝鎖(例えば、中鎖分枝状)、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0037】
これらの種類の界面活性剤の広範囲の開示が、米国特許第3,929,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)に見出される。
【0038】
本明細書において有用な非イオン性界面活性剤としては、式R1(OC2H4)nOH(式中、R1は、C10~C16アルキル基又はC8~C12アルキルフェニル基であり、nは、3~約80である)のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、C12~C15アルコールとアルコール1モル当たり約5~約20モルのエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、アルコール1モル当たり6.5モルのエチレンオキシドと縮合したC12~C13アルコールであり得る。
【0039】
具体的な非イオン性界面活性剤としては、平均約12個~約16個の炭素を有し、かつ平均約3個~約9個のエトキシ基を有するアルコール、例えば、C12~C14のEO7、C12~C14のEO9、C14~C15のEO7、及びC12~C15のEO7非イオン性界面活性剤を挙げることができる。
【0040】
本明細書における洗剤組成物は、界面活性剤系の10重量%~約50重量%の非イオン性界面活性剤を含む。一実施形態では、洗剤組成物は、
界面活性剤系の約15重量%~約45重量%、あるいは20重量%~40重量%の非イオン性界面活性剤を含む。本開示の組成物は、当該組成物の約2重量%~約20重量%又は約3重量%~約16重量%の非イオン界面活性剤を含み得る。
【0041】
追加の好適な非イオン性界面活性剤としては、以下の式のポリヒドロキシ脂肪酸アミドが挙げられる。
【0042】
【化1】
式中、RはC9~17アルキル又はアルケニルであり、R1はメチル基であり、Zは還元糖に由来するグリシジル又はそのアルコキシル化誘導体である。例としては、N-メチルN-1-デオキシグルシチルココアミド及びN-メチルN-1-デオキシグルシチルオレアミドが挙げられる。ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの製造プロセスは既知であり、米国特許第2,965,576号(Wilson)及び同第2,703,798号(Schwartz)に見出すことができる。
【0043】
他の有用な非イオン性界面活性剤は、メチルエステルエトキシレート、アルキルポリグリコシド、及びグリセロールモノエーテルである。
【0044】
組み合わせるアニオン性界面活性剤:非イオン性界面活性剤の望ましい重量比は、1.0:9.0~1.0:0.25、好ましくは1.0:1.5~1.0:0.25を含む。
【0045】
本明細書におけるカチオン性洗浄界面活性剤の好適なレベルは、約0.0%~約15%、好ましくは約1%~約15%である。
【0046】
存在する場合、両性又は双性イオン性洗浄性界面活性剤は、通常、洗剤組成物の約0.0重量%~約20重量%の範囲のレベルで有用である。多くの場合、特に両性物質が高価である場合、レベルは約5%以下に限定される。
【0047】
界面活性剤系は、アルキルエトキシ化サルフェート界面活性剤(AES)を含み得る。AESは、アルキル部分、エトキシ化部分、及びサルフェート頭部基を含み得る。AESは、エトキシ化アルコール原料などのアルコール原料を提供し、当該アルコールを硫酸化することによって形成され得る。本開示のアルコール及び/又はAES界面活性剤は、1つを超える供給源、例えば2つ以上の供給源からの原料の混合物を含み得る。
【0048】
AES界面活性剤は、様々な長さのアルキル部分を有するAES分子の分布を含み得る。典型的には、アルキル部分は、8~20個の炭素、又は10~18個の炭素、又は12~15個の炭素、又は12~16個の炭素の長さの範囲であり得る。
【0049】
本開示のAESは、比較的長いアルキル部分を含み得、それによって、AES分子が比較的疎水性になる。AESのアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状であってよい。
【0050】
AESのアルキル基は、平均して、13.7~約16個又は約13.9個~約14.6個の炭素原子を含み得る。AES分子の少なくとも約50%又は少なくとも約60%は、14個以上の炭素原子、好ましくは14~18個、又は14~17個、又は14~16個、又は14~15個の炭素原子を有するアルキル部分を含み得る。
【0051】
本開示のAESは、平均エトキシ化度によって特徴付けることができる。AESは、約1.5~約3又は約1.8~約2.5の平均エトキシ化度を有し得る。
【0052】
本開示の組成物は、当該組成物の約2重量%~約10重量%、又は約4重量%~約10重量%、又は約6重量%~約8重量%のAESを含み得る。本開示の界面活性剤系は、当該界面活性剤系の約30重量%以下、又は約5重量%~約25重量%、又は約15重量%~約28重量%のAESを含み得る。
【0053】
本開示による好適なAESは、アルキルアルコール原料などの好適な疎水性物質を有する原料から合成され得る。原料は、天然及び/又は合成の原料であってよい。原料は、直鎖状、分枝鎖状、又はこれらの組み合わせであってよい。原料は、ココナツ及びパーム核などの植物油に由来していてよい。原料は、分岐アルコール、例えば、C2位に分岐、例えば100%分岐を有する(疎水性物質としての)2-アルキル分岐アルコールであってよい(C1は、アルコキシ化サルフェート部分に共有結合しているか、又は共有結合する炭素原子である)。オキソプロセスから誘導され得る2-アルキル分岐アルコール、例えば、2-アルキル-1-アルカノール又は2-アルキル一級アルコールは、例えば、LIAL(登録商標)及び/若しくはISALCHEM(登録商標)(分留プロセスによりLIAL(登録商標)アルコールから調製される)など、Sasolから市販されている、並びに/又は例えば、Neodols(登録商標)(オキソプロセスを介して調製することができる)など、Shellから市販されている。分岐アルコールは、より長い直鎖において分岐している1つ以上のC~Cアルキル部分を有する中鎖分岐、又は疎水性物質鎖に沿ってランダムに分布しているメチル分岐を有する分岐アルコールであってよい。いくつかの例では、分岐アルコールは、環状部分を含有し得る。アルキルアルコールなどの原料は、既知の方法に従ってエトキシ化及び/又はスルホン化され得る。
【0054】
界面活性剤系は、アルキルサルフェート性界面活性剤(AS)を含み得る。ASは、アルキル部分及びサルフェート頭部基を含み得る。ASは、アルコール原料を提供し、当該アルコールを硫酸化することによって形成され得る。本開示のアルキルサルフェート界面活性剤は、1つを超える供給源、例えば2つ以上の供給源からの原料の混合物を含み得る。
【0055】
AS界面活性剤は、様々な長さのアルキル部分を有するAS分子の分布を含み得る。典型的には、アルキル部分は、8~20個の炭素、又は10~18個の炭素、又は12~15個の炭素、又は12~16個の炭素、又は12~14個の炭素の長さの範囲であり得る。
【0056】
本開示のASは、比較的長いアルキル部分を含み得、それによって、AS分子が比較的疎水性になる。ASのアルキル部分は、直鎖状又は分枝鎖状であってよい。
【0057】
本開示の組成物は、当該組成物の約2重量%~約20重量%、又は約4重量%~約15重量%、又は約6重量%~約12重量%のASを含み得る。本開示の界面活性剤系は、当該界面性剤系の約40重量%以下、又は約5重量%~約35重量%、又は約10重量%~約30重量%のASを含み得る。本開示のAS及びHLASは、ある重量比で存在し得る。本開示のHLAS及びASは、約0.5:1~約5:1、又は約0.7:1~約2:1、又は約0.9:1~約1.5:1の重量比で存在し得る。
【0058】
本開示による好適なASは、アルキルアルコール原料などの好適な疎水性物質を有する原料から合成され得る。原料は、天然及び/又は合成の原料であってよい。原料は、直鎖状、分枝鎖状、又はこれらの組み合わせであってよい。原料は、ココナツ及びパーム核などの植物油に由来していてよい。原料は、分岐アルコール、例えば、C2位に分岐、例えば100%分岐を有する(疎水性物質としての)2-アルキル分岐アルコールであってよい(C1は、アルコキシ化サルフェート部分に共有結合しているか、又は共有結合する炭素原子である)。オキソプロセスから誘導され得る2-アルキル分岐アルコール、例えば、2-アルキル-1-アルカノール又は2-アルキル一級アルコールは、例えば、LIAL(登録商標)及び/若しくはISALCHEM(登録商標)(分留プロセスによりLIAL(登録商標)アルコールから調製される)及び/若しくはISOFOL(登録商標)など、Sasolから市販されている、並びに/又は例えば、Neodols(登録商標)(改変オキソプロセスを介して調製することができる)など、Shellから市販されている。他の分岐アルコールは、より長い直鎖において分岐している1つ以上のC~Cを有する中鎖分岐、又は疎水性物質鎖に沿ってランダムに分布したメチル分岐を有する分岐アルコールであってよい。いくつかの例では、分岐アルコールは、環状部分を含有し得る。アルキルアルコールなどの原料は、既知の方法に従ってスルホン化され得る。
【0059】
本開示の第2の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アミンオキシド、他のカチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択され得る。
【0060】
酵素系
本開示の洗浄組成物は、酵素系を含む。酵素系は、洗浄組成物の約0.0001重量%~約5重量%、又は約0.001重量%~約2重量%の濃度で洗剤組成物中に存在し得る。酵素系は、洗浄組成物の約0.0001重量%~約0.1重量%、又は約0.002重量%~約0.075重量%、又は約0.005重量%~約0.05重量%の濃度の1つ以上のセルラーゼ酵素を含み得る。驚くべきことに、本発明のポリエステルコポリマー(以下「コポリマー」)と組み合わせた低濃度のセルラーゼ酵素の組み合わせは、粒子状移染、特にインジゴから衣類を保護できることが見出された。更に、セルラーゼをポリエステルと組み合わせることにより、粒子状染料で染色された衣服を色褪せから保護することができる。
【0061】
酵素系は、複数の酵素を含む。酵素は、個々に提供されてもよいし、複数の酵素を含むプレミックスにおいてなど、組み合わせとして提供されてもよい。
【0062】
酵素系は、セルラーゼ酵素を含有する。系は、1つ以上のセルラーゼ酵素を更に追加で含み得る。酵素系は、キシログルカナーゼ酵素及びその任意の変異、並びにエンドグルカナーゼ(エンドラーゼ)酵素及びその任意の変異からなる群から選択される、組成物全体の0.0001重量%~2重量%、又は約0.001重量%~約1重量%、又は約0.002重量%~約0.1重量%、又は約0.005重量%~約0.05重量%の純粋な酵素の濃度をそれぞれ有する1つ以上のセルラーゼ酵素を含み得る。
【0063】
セルラーゼ
消費者製品は、細菌又は真菌由来のセルラーゼを含むことができる。化学修飾された又はタンパク質が遺伝子操作を受けた変異体が含まれる。好適なセルラーゼとしては、バチルス属(Bacillus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、フミコーラ属(Humicola)、フサリウム属(Fusarium)、チェラビア属(Thielavia)、アクレモニウム属(Acremonium)由来のセルラーゼ、例えば、米国特許第4,435,307号、同第5,648,263号、同第5,691,178号、同第5,776,757号、及び同第5,691,178号に開示されているフミコーラ・インソレンス(Humicola insolens)、ミセリオフィソーラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、及びフサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)から生成される真菌セルラーゼが挙げられる。好適なセルラーゼとしては、カラーケア効果のあるアルカリ性又は中性のセルラーゼが挙げられる。市販のセルラーゼとしては、CELLUZYME(登録商標)、CAREZYME(登録商標)、及びCAREZYME PREMIUM(Novozymes A/S)、CLAZINASE(登録商標)、及びPURADAX HA(登録商標)(Genencor International Inc.)、並びにKAC-500(B)(登録商標)(Kao Corporation)が挙げられる。
【0064】
好ましいセルラーゼとしては、以下が挙げられる。
a)国際公開第20171084560号における配列番号2と少なくとも60%の同一性を示すバリアント。好ましい置換は、配列番号2の成熟ポリペプチドの292、274、266、265、255、246、237、224、及び221位に対応する1つ以上の位置を含み、バリアントはセルラーゼ活性を有する。
b)国際公開第2017106676号の配列番号5と少なくとも70%の同一性を示すバリアント。好ましい置換は、4、20、23、29、32、36、44、51、77、80、87、90、97、98、99、102、112、116、135、136、142、153、154、157、161、163、192、194、204、208、210、212、216、217、221、222、225、227、及び232位に対応する1つ以上の位置を含む。
【0065】
細菌洗浄セルラーゼは、非晶質セルロース基質に対して酵素活性を有するグリコシルヒドロラーゼであってよく、当該グリコシルヒドロラーゼは、GHファミリー5、7、12、16、44又は74から選択される。好適なグリコシルヒドロラーゼはまた、米国特許第7,361,736号に記載されているXYG1006などのパエニバチルス・ポリキシマ(Paenibacillus polyxyma)由来のGHファミリー44グリコシルヒドロラーゼ(野生型)から選択されてもよく、又はそのバリアントである。米国特許第6,268,197号に記載されている配列番号1などのバチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)由来のGHファミリー12グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアント、バチルス・アガラドハエレンス(Bacillus agaradhaerens)由来のGHファミリー5グリコシルヒドロラーゼ(野生型)又はそのバリアント、米国特許第6,630,340号に記載されているXYG1034及びXYG1022などのパエニバチルス(Paenibacillus)由来のGHファミリー5グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアント、国際公開第2002/077242号に記載されているXYG1020などのジョネシア種(Jonesia sp)由来のGHファミリー74グリコシルヒドロラーゼ(野生型)又はそのバリアント、並びに米国特許第7,172,891号の配列番号2により詳細に記載されている酵素などのトリコデルマ・レーシ(Trichoderma Reesei)由来のGHファミリー74グリコシルヒドロラーゼ(野生型)、又はそのバリアントからなる群から選択されてもよい。好適な細菌洗浄セルラーゼは、商標名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)で販売されている。
【0066】
一態様では、組成物は、17kDa~30kDaの分子量を有するグリコシルヒドロラーゼファミリー45に属する真菌クリーニング洗浄セルラーゼ、例えば、商標名Biotouch(登録商標)NCD、DCC、DCL及びFLX1(AB Enzymes,Darmstadt,Germany)で販売されているエンドグルカナーゼを含み得る。更に、好ましいセルラーゼとしては、国際公開第2016066896号に掲載されているものが挙げられる。
【0067】
酵素系は、他の酵素を含むことができる。好適な酵素は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらす。他の好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、他のセルラーゼ、ペクチン酸リアーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、ヌクレアーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及び既知のアミラーゼ、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい酵素系は、アミラーゼと組み合わせた、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ及び/又はセルラーゼなどの従来の洗浄性酵素のカクテルを更に含むものである。洗浄性酵素は、米国特許第6,579,839号により詳細に記載されている。
【0068】
酵素安定化系
組成物は、任意選択で、組成物の約0.001重量%~約10重量%、又は約0.005重量%~約8重量%、又は約0.01重量%~約6重量%の酵素安定化系を含んでもよい。酵素安定化系は、洗浄性酵素と適合性のある任意の安定化系であってよい。このような系は、他の配合物活性物質によって本質的に提供されてもよく、又は洗剤にそのまま使用可能な酵素の配合者若しくは製造業者によって別個に添加されてもよい。かかる安定化系は、例えば、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、グリセロール、ソルビトール、ギ酸カルシウム、短鎖カルボン酸、ボロン酸、塩素漂白捕捉剤、及びこれらの混合物を含むことができ、洗剤組成物の種類及び物理的形態に応じて異なる安定化問題に対処するように設計される。プロテアーゼを含む水性洗剤組成物の場合は、ボレート、4-ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸、及びこれらの誘導体を含む、ホウ素化合物などの可逆的プロテアーゼ阻害剤、又はカルシウムホルメート、ナトリウムホルメート及び1,2-プロパンジオールなどの化合物を添加して、安定性を更に改善してもよい。
【0069】
石鹸
本明細書における洗剤組成物は、界面活性剤系の0重量%~約10重量%の石鹸を含み得る。「脂肪酸カルボキシレート」とも呼ばれる石鹸は、脂肪酸を中和して、以下の一般式を有する一級カルボキシレート又は石鹸を形成することによって形成される:
RCOO-M
式中、Rは、典型的には、直鎖又は分枝鎖であってよいC~C21アルキル基であり、Mは、カチオンである。特定の実施形態では、Rは、C~C17アルキル、より具体的には、Rは、C11~C15である。
【0070】
本明細書で有用な脂肪酸の例は、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、フィタン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、シスエレオステアリン酸、トランスエレオステアリン酸(eleosteric acid)、リノレン酸、アラキドン酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。脂肪酸は、飽和であっても不飽和であってもよい。典型的には、15~25、好ましくは18~22のヨウ素価、及び1:1~200:1、好ましくは10:1~200:1のシス:トランス異性体の比率を有する不飽和脂肪酸。
【0071】
好ましい脂肪酸源は、ココナツ、大豆、タロー、パーム、パーム核、菜種、ラード、ヒマワリ、コーン、サフラワー、キャノーラ、オリーブ、ピーナッツ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0072】
シトレート、例えば、クエン酸及びその可溶性塩は、再生可能資源からの入手可能性及び生分解性から、例えば、重質液体洗剤にとって重要なカルボキシレートビルダーである。シトレートはまた、顆粒組成物、特にゼオライト及び/又は層状シリケートと組み合わせて使用してもよい。オキシジスクシネートも、そのような組成物及び組み合わせにおいて特に有用である。
【0073】
洗濯補助剤
本明細書における洗剤組成物は、当該組成物の約0.01重量%~約10.0重量%の洗濯補助剤を含み得る。任意の従来の洗濯洗剤成分を使用してよい。本明細書において有用な洗濯補助剤の例としては、酵素、酵素安定剤、蛍光増白剤、粒子状材料、ヒドロトロープ、香料及び他の臭気制御剤、汚れ懸濁ポリマー及び/又は汚れ放出ポリマー、抑泡剤、布地ケア有益剤、pH調整剤、移染防止剤、防腐剤、色素染料、非布地実質染料、封入活性物質(香料マイクロカプセル又は封入漂白剤など)、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0074】
一実施形態では、本明細書における洗剤組成物は、香料マイクロカプセルを含む。一実施形態では、本明細書における洗剤組成物は、色相染料を含む。
【0075】
これらの洗濯補助剤の一部について、以下のようにより詳細に説明する。
泥汚れ除去/再付着防止剤-本発明の組成物はまた、任意選択で、泥汚れ除去及び再付着防止特性を有する水溶性エトキシ化アミンを含有していてもよい。これらの化合物を含有する顆粒洗剤組成物は、典型的には、約0.01重量%~約10.0重量%の水溶性エトキシ化アミンを含有し、液体洗剤組成物は、典型的には、約0.01%~約5%を含有する。
【0076】
好ましい汚れ放出及び再付着防止剤は、エトキシ化テトラエチレンペンタミンである。例示的なエトキシ化アミンは、米国特許第4,597,898号、VanderMeer、1986年7月1日発行に更に記載されている。好ましい泥汚れ除去-再付着防止剤の別の群は、欧州特許出願第111,965号、Oh及びGosselink、1984年6月27日公開に開示されているカチオン性化合物である。使用することができる他の泥汚れ除去/再付着防止剤としては、欧州特許出願第111,984号、Gosselink、1984年6月27日公開に開示されているエトキシ化アミンポリマー、欧州特許出願第112,592号、Gosselink、1984年7月4日公開に開示されている双性イオン性ポリマー、及び米国特許第4,548,744号、Connor、1985年10月22日発行に開示されているアミンオキシドが挙げられる。当該技術分野で既知の他の泥汚れ除去及び/又は再付着防止剤を、本明細書における組成物で利用してもよい。米国特許第4,891,160号、VanderMeer、1990年1月2日発行及び国際公開第95/32272号、1995年11月30日公開を参照。別の種類の好ましい再付着防止剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)材料を含む。これらの材料は、当該技術分野において周知である。
【0077】
増白剤-当該技術分野において既知の任意の蛍光増白剤又は他の増白剤若しくはホワイトニング剤は、それらが布地の洗浄又は処理用に設計されている場合、典型的には約0.01重量%~約1.2重量%のレベルで本明細書における洗剤組成物に配合され得る。
【0078】
本組成物において有用な蛍光増白剤の具体例は、1988年12月13日にWixonに発行された米国特許第4,790,856号において特定されているものである。これらの増白剤は、Verona製のPHORWHITEシリーズの増白剤を含む。この参考文献に開示されている他の増白剤は、以下を含む:Tinopal UNPA、Tinopal CBS、及びTinopal 5 BM;Ciba-Geigyから入手可能;Arctic White CC及びArctic White CWD、2-(4-スチリル-フェニル)-2H-ナフト[1,2-d]トリアゾール;4,4’-ビス-(1,2,3-トリアゾール-2-イル)-スチルベン;4,4’-ビス(スチリル)ビスフェニル;及びアミノクマリン。これらの増白剤の具体例としては、以下が挙げられる:4-メチル-7-ジエチル-アミノクマリン;1,2-ビス(ベンズイミダゾール-2-イル)エチレン;1,3-ジフェニル-ピラゾリン;2,5-ビス(ベンズオキサゾール-2-イル)チオフェン;2-スチリル-ナフト[1,2-d]オキサゾール;及び2-(スチルベン-4-イル)-2H-ナフト[1,2-d]トリアゾール。1972年2月29日にHamiltonに発行された米国特許第3,646,015号も参照されたい。本開示の液体洗濯洗剤組成物は、当該洗濯組成物の約0.03重量%~約0.2重量%の蛍光増白剤を含み得る。
【0079】
移染防止剤-本発明の組成物はまた、洗浄プロセス中にある布地から別の布地に染料が移るのを阻害するのに有効な1つ以上の材料を含んでもよい。一般に、このような移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN-オキシドポリマー、N-ビニルピロリドン及びN-ビニルイミダゾールのコポリマー、マンガンフタロシアニン、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物が挙げられる。使用される場合、これらの剤は、典型的には、組成物の約0.01重量%~約10重量%、好ましくは約0.01%~約5%、より好ましくは約0.05%~約2%含まれる。
【0080】
キレート剤-本明細書における洗剤組成物はまた、任意選択で、1つ又はキレート剤、特に外来遷移金属のためのキレート剤を含有し得る。洗浄水において一般的に見られるものとしては、水溶性、コロイド状、又は粒子状の形態の鉄及び/又はマンガンが挙げられ、酸化物若しくは水酸化物として会合し得るか、又はフミン質などの汚れと会合した状態でみられ得る。好ましいキレート剤は、特に、そのような遷移金属又はその化合物の布地への付着を制御すること、並びに/あるいは洗浄媒体及び/又は布地若しくは硬質表面界面における望ましくない酸化還元反応を制御することを含む、そのような遷移金属を有効に制御するものである。そのようなキレート剤は、低分子量を有するもの、並びに典型的には、遷移金属に共配位することができるO若しくはNなどの少なくとも1つ、好ましくは2つ以上の供与ヘテロ原子を有するポリマータイプを含む。一般的なキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0081】
利用される場合、キレート剤は、一般に、本明細書における洗剤組成物の約0.001重量%~約15重量%含まれる。より好ましくは、利用される場合、キレート剤は、そのような組成物の約0.01重量%~約3.0重量%含まれる。
【0082】
抑泡剤-泡の形成を低減又は抑制するための化合物は、意図される使用、特に洗濯機における洗濯物の洗浄によって必要とされる場合、本発明の組成物に配合され得る。手洗い用に設計されたものなどの他の組成物は、望ましくは、高発泡性であってよく、そのような成分を省略してもよい。泡の抑制は、米国特許第4,489,455号及び同第4,489,574号に記載されているようないわゆる「高濃度洗浄プロセス」において、またドラム型欧州スタイルの洗濯機において特に重要であり得る。
【0083】
広範な材料を抑泡剤として使用してよく、当業者に周知である。例えば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、第7巻、430~447ページ(Wiley、1979年)を参照されたい。
【0084】
本明細書における組成物は、一般に、0%~約10%の抑泡剤を含む。抑泡剤として利用される場合、モノカルボン酸脂肪酸及びその塩は、典型的には、洗剤組成物の最大約5重量%、好ましくは0.5重量%~3重量%の量で存在するが、更に多い量を使用してもよい。好ましくは、約0.01%~約1%、より好ましくは約0.25%~約0.5%のシリコーン抑泡剤が使用される。これらの重量パーセント値には、ポリオルガノシロキサンと組み合わせて利用され得る任意のシリカ、並びに利用され得る任意の抑泡剤補助材料が含まれる。モノステアリルホスフェート抑泡剤は、一般に、組成物の約0.1重量%~約2重量%の範囲の量で利用される。炭化水素抑泡剤は、典型的には、約0.01%~約5.0%の範囲の量で利用されるが、更に高いレベルを使用してもよい。アルコール抑泡剤は、典型的には、完成組成物の0.2重量%~3重量%で使用される。
【0085】
アルコキシ化ポリカルボキシレート-ポリアクリレートから調製されるものなどのアルコキシ化ポリカルボキシレートは、本明細書において、追加の脂除去性能を提供するのに有用である。そのような材料は、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第91/08281号及び国際出願PCT90/01815号のp.4以下に記載されている。化学的に、これら材料は、7~8つのアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式-(CHCHO)(CHCH(式中、mは、2~3であり、nは、6~12である)のものである。側鎖は、ポリアクリレート「主鎖」にエステル結合され、「櫛形」ポリマー型の構造を提供する。分子量は変動し得るが、典型的には、約2000~約50,000の範囲内である。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書における組成物の約0.05重量%~約10重量%を構成し得る。
【0086】
香料-本組成物及びプロセスにおいて有用な香料及び香料成分は、アルデヒド、ケトン、エステルなどを含むがこれらに限定されない、多種多様の天然及び合成化学成分を含む。また、オレンジ油、レモン油、バラ抽出物、ラベンダー、ムスク、パチョリ、バルサムエキス、ビャクダン油、松根油、シーダーなどの成分の複雑な混合物を含んでいてよい、様々な天然の抽出物及びエキスも含まれる。完成した香料は、典型的には、本明細書における洗剤組成物の約0.01重量%~約2重量%含まれ、個々の香料成分は、完成香料組成物の約0.0001%~約90%含まれ得る。
【0087】
本組成物で使用される様々な洗浄性成分は、任意選択で、上記成分を多孔質疎水性基材上に吸収させ、次いで、当該基材を疎水性コーティングでコーティングすることによって、更に安定化させてもよい。好ましくは、多孔質基材に吸収される前に洗浄性成分を界面活性剤と混合する。使用中、洗浄性成分は、基材から水性洗浄液に放出され、そこでその意図される洗浄機能を発揮する。
【0088】
液体洗剤組成物は、担体として水及び他の溶媒を含有し得る。メタノール、エタノール、プロパノール、及びイソプロパノールに代表される低分子量の一級又は二級アルコールが好適である。一価アルコールは、界面活性剤を可溶化するのに好ましいが、2~約6個の炭素原子及び2~約6個のヒドロキシ基を含有するものなどのポリオール(例えば、1,3-プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、及び1,2-プロパンジオール)を使用してもよい。組成物は、5%~90%、典型的には10%~50%のそのような担体を含有し得る。
【0089】
本明細書における洗剤組成物は、好ましくは、水での洗浄作業における使用中に、洗浄水が約4~約11、好ましくは約4.0~約10.5、より好ましくは約4.0~約9.5のpHを有するように処方される。液体食器洗浄製品の処方は、好ましくは、約6.8~約9.0のpHを有する。推奨される使用濃度でpHを制御する技術としては、緩衝剤、アルカリ、酸等の使用が挙げられ、これらは当業者に周知である。本開示による液体洗濯洗剤組成物は、透明、半透明、又は不透明であってよい。本開示の液体洗剤組成物は、ビルダー、追加の増白剤、移染防止剤、構造化剤、キレート剤、ポリアクリレートポリマー、分散剤、染料、香料、加工助剤、漂白化合物、溶媒、酵素、マイクロカプセル、ビーズ、汚れ放出ポリマー、及びこれらの混合物から選択される補助成分を更に含んでいてもよい。
【0090】
洗濯洗浄法
本明細書における機械洗濯法は、典型的には、有効量の本発明による機械洗濯洗剤組成物が溶解又は分散している洗濯機内において、汚れた洗濯物を水性洗浄溶液で処理することを含む。有効量の洗剤組成物とは、本明細書では、従来の機械洗濯法で一般的に用いられる典型的な製品投入量及び洗浄溶液の体積と同様に、5~65リットルの体積の洗浄溶液中に溶解又は分散している40g~300gの製品を意味する。
【0091】
上記のように、界面活性剤は、本明細書では、洗剤組成物において、好ましくは他の洗浄性界面活性剤と組み合わせて、洗浄性能の少なくとも方向性を改善するのに有効なレベルで使用される。布地洗濯組成物の状況では、このような「使用レベル」は、汚れ及び染みの種類及び程度だけでなく、洗浄水の温度、洗浄水の体積、及び洗濯機の種類にも依存して、広く変動し得る。
【0092】
好ましい使用態様では、洗浄方法において分配装置が用いられる。分配装置には洗剤製品が充填され、洗浄サイクルの開始前に、製品を洗濯機のドラムに直接導入するために使用される。その体積容量は、洗浄方法で通常使用されるように、十分な洗剤製品を収容することができるようなものでなければならない。
【0093】
洗濯機に洗濯物を入れたら、洗剤製品を含む分配装置をドラムの内側に配置する。洗濯機の洗浄サイクルの開始時に、水がドラムに導入され、ドラムが周期的に回転する。分配装置の設計は、乾燥洗剤製品を収容することができるが、ドラムが回転するにつれてその撹拌に応答して、また、洗浄水と接触した結果として洗浄サイクル中にこの製品を放出することができるようなものでなければならない。
【0094】
あるいは、分配装置は、バッグ又はパウチなどの可撓性容器であってもよい。バッグは、欧州公開特許出願第0018678号に開示されているような、内容物を保持するために水不透性保護材料でコーティングされた繊維構造体であってよい。あるいは、欧州公開特許出願第0011500号、同第0011501号、同第0011502号、及び同第0011968号に開示されているように、水性媒体中で破裂するように設計された縁部シール又はクロージャを備える水不溶性合成ポリマー材料で形成されていてもよい。水で脆くなるクロージャの便利な形態は、ポリエチレン又はポリプロピレンなどの水不透性ポリマーフィルムで形成されたパウチの1つの縁部に沿って配置され、それを封止する水溶性接着剤を含む。
【実施例0095】
以下の実施例では、全てのレベルを組成物の重量%として表す。以下の実施例は、本発明を例示するものであるが、その範囲を限定したり、又は別の方法で規定したりすることを意味するものではない。本明細書における全ての部、百分率、及び比率は、別途指定されない限り、重量%として表される。
【0096】
A.液体洗濯組成物であって、当該洗濯組成物の約6重量%~約50重量%の界面活性剤成分、好ましくは当該洗濯組成物の約15重量%~約35重量%の界面活性剤成分を含み、当該界面活性剤成分が、a)当該洗濯組成物の約0.5重量%~約30重量%の、アルキルベンゼンスルホン酸、C10~C16アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩又はアミン塩から選択されるHLAS界面活性剤であって、50%超のC12、好ましくは60%超、好ましくは70%超のC12、より好ましくは75%超を含む、HLAS界面活性剤と、b)第2の界面活性剤と、を含む、液体洗濯組成物。
【0097】
B.当該界面活性剤成分が、当該洗濯組成物の約1重量%~約20重量%の当該HLAS界面活性剤を含む、段落Aに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0098】
C.当該界面活性剤成分が、約30重量%~約75重量%の当該HLAS界面活性剤を含む、段落Aに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0099】
D.HLAS界面活性剤とAES界面活性剤成分との比が、重量基準で約1:1~約10:1である、段落A~Cのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0100】
E.HLAS界面活性剤とAS界面活性剤成分との比が、重量基準で約0.5:1~約5:1である、段落A~Dのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0101】
F.当該洗濯組成物が、当該洗濯組成物の約0.03重量%~約0.2重量%の光学増白剤を含む、段落A~Eのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0102】
G.当該HLAS界面活性剤が、C10~C14アルキルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物から選択される、段落A~Fのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0103】
H.当該HLAS界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びこれらの混合物から選択される、段落Eに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0104】
I.当該界面活性剤成分が、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、アミンオキシド、他のカチオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される追加の界面活性剤を更に含む、段落A~Hのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0105】
J.当該界面活性剤成分が、約0.2重量%~約50重量%、好ましくは約10重量%~約50重量%の非イオン性界面活性剤を含む、段落A~Iのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0106】
K.当該洗濯組成物が、約4~約9のpHを有する、段落A~Jのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0107】
L.当該洗濯組成物が、透明又は半透明である、段落A~Kのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0108】
M.当該洗濯組成物が、ビルダー、追加の増白剤、移染防止剤、構造化剤、キレート剤、ポリアクリレートポリマー、分散剤、染料、香料、加工助剤、漂白化合物、溶媒、酵素、マイクロカプセル、ビーズ、汚れ放出ポリマー、及びこれらの混合物から選択される洗濯補助成分を更に含む、段落A~Lのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0109】
N.当該HLAS界面活性剤の、偶数炭素と奇数炭素との比が3:2~99:1である、段落A~Mのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0110】
O.当該HLAS界面活性剤が、以下の対イオン:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンの任意の組み合わせによって中和される、段落A~Nのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0111】
P.当該界面活性剤系が、当該界面活性剤系の2重量%~20重量%の非イオン性界面活性剤を含む、段落A~Oのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
【0112】
Q.当該組成物が、2重量%~10重量%のアルキルエトキシ化サルフェート界面活性剤(AES)を含む、段落A~Pのいずれか1つに記載の水性液体洗剤組成物。
【0113】
R.当該アルキルエトキシ化サルフェート界面活性剤(AES)のアルキル部分が、平均して、13.9~約14.6個の炭素原子の分布を含む、段落A~Qのいずれか1つに記載の液体組成物。
【0114】
S.形態が、単位用量物品である、段落A~Rのいずれか1つに記載の液体洗濯洗剤組成物。
【0115】
染み除去指数法
ベーコンの脂、調理された牛肉、焦がしバター、及び草を含有するCW120コットンの技術的染色見本は、Accurate Product Development(Fairfield,OH)から購入することができる。見本は、水1ガロンあたり7グレインの硬度を使用してWhirlpool(登録商標)ドラム型洗濯機又はKenmore(登録商標)縦型洗浄機で洗浄し、華氏77度(Whirlpool(登録商標)ドラム型洗濯機)又は華氏86度(Kenmore(登録商標)縦型洗濯機)で洗浄することができる。試験で使用した液体洗剤の全量は49グラムであった。
【0116】
標準比色分析測定を使用して、洗浄前と洗浄後の各染みに対するL*、a*、及びb*値を得る。L、a、及びb*値から、染みレベルを計算する。
【0117】
布きれからの染み除去は、次のように測定された。
【0118】
【数1】
ΔEinitial=洗浄前の染みレベル
ΔEwashed=洗浄後の染みレベル
【0119】
各染みタイプの8つの反復試験片を調製しなければならない。以下に示すSRI値は、各タイプの染みに対する平均SRI値である。洗浄前の布地の染みレベル(ΔEinitial)は高く、洗浄のプロセス中に染みが除去され、洗浄後の染みレベル(ΔEwashed)は下がっている。染みがより良好に除去されるほど、ΔEwashedの値がより小さくなり、ΔEinitialとΔEwashedとの間の差(ΔEinitial-ΔEwashed)がより大きくなる。したがって、染み除去指数の値は、洗浄性能がより良好であるほど大きくなる。
【0120】
【表1】
95%信頼区間での有意対現在のHLAS対照
【0121】
上に示すように、高C12LASは、比較用C11.8HLASを用いて作製された同一の処方に比べて、ベーコンの脂、焦がしバター、及び調理された牛肉に対してより良好な染み除去を示した。少なくとも調理された牛肉、焦がしバター、及び草については、高C12LASを他の現在の比較用非高C12処方に対して比較した場合、同様の効果が示される。
【0122】
C12HLASの使用により、C12のレベルの増加に伴ってフレッシュさスコアが改善するという、驚くべき傾向が見出されている。これは以下で証明される。
【0123】
布地ヘッドスペース分析
140°F及び軟水において48gのAATCC洗剤を使用する2回の洗浄及びすすぎサイクル、並びに140°Fの軟水において製品を使用しない2回の洗浄及びすすぎサイクルを用いて、布地を剥がした(stripped)。85gの香料無(nil)/香料封入洗剤及び48.5gの液体香料無/香料封入布地強化剤を使用して、3回の洗剤/LFEサイクルを用いてプレコンディショニングされた布地を生成した。90°Fの洗浄/60°Fのすすぎで7gpgの水を用いて、各サイクルを実行する。
【0124】
70°F及び7USgpgの硬度の水で、2.6グラムの洗剤、試験布地(1.4cmのテリードット)、バラストを収容しているターゴトメーターポット(1.0L)を、700rpmで2分間撹拌した。洗浄後、試験布地及びバラストを新鮮な水(70°Fで7USgpgの硬度)で10分間すすいだ。試験布地を145°Fで30分間乾燥させた。
【0125】
以下に記載の固相マイクロ抽出ガスクロマトグラフィー質量分析法(SPME GC-MS)を用いて布地ヘッドスペース分析を行う。典型的には、布地上の香料の濃度が高いほど、香料の強度(ヘッドスペース分析により測定)が高くなるという相関関係がある。上述の布地調製方法に従って調製及び処理された処理済みの100%コットンテリータオルに対して、香料ヘッドスペース分析を実行する。ヘッドスペース分析は、合計12枚の布地(2つの異なる洗浄サイクルで6枚の処理済みの布地が得られた)に対して行われる。空気圧プレス(Manufacturing Suppliers Services(Cincinnati,Ohio)から入手可能なAtom Clicker Press SE2OC)を用いて、各処理済み布地から直径1.4cmの円形試験片10枚を打ち抜く。10枚の試験片を20mLのヘッドスペースサンプルバイアル(#24694、Restek(Bellefonte,Pa.)から入手可能)に入れ、重量を記録(10枚の1.4cm円の重量は約0.70g±0.07g)し、バイアルに蓋をする(#093640-094-00、Gerstel(Linthicum,Md.)から入手可能)。
【0126】
ヘッドスペース分析前に、各サンプルを65℃で10分間、機械でプレコンディショニングする。ヘッドスペースを、Supelco 50/30マイクロメートルDVB/CARIPDMS 23Ga固相マイクロ抽出繊維(Supelco Inc.(Bellefonte,Pa.,USA))を備えるAgilent 7890B/5977A GC-MSシステム(Agilent Technologies(Santa Clara,Calif,USA))に抽出する。無極性キャピラリカラム(DB-5M5 UI、公称直径30メートル、公称直径0.25mm、厚さ25マイクロメートル)でGC分析を行い、質量分析法(EI、70eV検出器)によってヘッドスペース成分(すなわち、香料原材料)をモニタリングする。香料原料の一点較正を利用してヘッドスペース強度を算出する。各検出された香料原料の濃度の合計から各バイアルの合計ヘッドスペース濃度が計算される。12枚の処理済みの布地に対して、ヘッドスペースの平均をとる。ヘッドスペースの向上は、基準処理に対して判定されてもよい。全ての処理は、HLAS仕様を除いて同じ組成を有していた。高C12HLAS及びC11.8(比較27%、C12HLAS)を異なる比率でブレンドすることによって、様々なHLAS仕様を作製した。以下に示すヘッドスペース強度の結果を有する異なる洗剤処理で布地を洗浄した。漸増比率のC12HLASを使用すると、剥がした布地及びプレコンディショニングした布地における乾燥布地臭気(DFO)強度が増加する。
【0127】
【表2】
【0128】
2つの処理が文字を共有していない場合、それらは95%信頼区間で統計的に有意である。
【0129】
粘度
以下の表に示されるように、驚くべきことに、各処方中同じレベルの界面活性剤で本発明の高C12HLAS対比較用C11.8HLASを使用した場合、粘度は増加した。一方は比較用C11.8HLASを有し、一方は本発明の高C12HLASを有する、2つのバージョンの各洗剤組成物を調製する。ブルックフィールド粘度計、2番スピンドルを用いて、60RPM/s、25℃で、各組成物の初期粘度を測定する。
【0130】
【表3】
【0131】
驚くべきことに、高C12HLASは、レオロジー調整剤としても機能できることが見出された。上記の表に示されるように、高C12を有する処方は粘度の増加を示し、それによって、処方中のレオロジー調整剤を低減することができるが、処方にとって望ましい粘度標的は依然として達成する。この予想外の結果は、コストを削減しながら、組成物中の性能成分のレベルを増加させることを可能にする。
【0132】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約」という用語が明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、「約40mm」を意味することが意図される。本明細書に開示される全ての範囲は、その範囲内に開示されていようと、又は関連する範囲の一部として開示されていようと、その範囲の全ての端点を含む。したがって、同じ範囲の2つの端点は、より広い又はより狭い範囲の端点として開示され得る。一般的な数学記号>及び<は、それぞれ以上及び以下を意味し、下の等式及び不等式に記載されている端点を含む。
【0133】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0134】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体洗濯洗剤組成物であって、
前記洗濯洗剤組成物の6重量%~50重量%の界面活性剤成分を含み、前記界面活性剤成分が、
a)前記洗濯洗剤組成物の0.5重量%~30重量%の、アルキルベンゼンスルホン酸、C10~C16アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩若しくはアミン塩、又はこれらの組み合わせを含むHLAS界面活性剤であって、50%超のC12を含む、HLAS界面活性剤と、
b)平均12個~16個の炭素を有し、かつ平均3個~9個のエトキシ基を有するアルコールから選択される第2の界面活性剤と、を含み、
前記界面活性剤成分が、前記界面活性剤成分の((38/148)×100)重量%~((196/575)×100)重量%の非イオン性界面活性剤を含み、
前記界面活性剤成分が、376:196~103:38のアニオン性界面活性剤:非イオン性界面活性剤の重量比を含む、液体洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤成分が、30重量%~75重量%の前記HLAS界面活性剤を含む、請求項1に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記第2の界面活性剤が、C14~C15のEO7非イオン性界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤成分が、前記界面活性剤成分の((376/575)×100)重量%~((103/148)×100)重量%のアニオン性界面活性剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
前記洗濯洗剤組成物が、前記洗濯洗剤組成物の1重量%~20重量%の前記HLAS界面活性剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
前記HLAS界面活性剤が、60%超のC12を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
前記HLAS界面活性剤が、75%超のC12を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
前記洗濯洗剤組成物が、前記洗濯洗剤組成物の0.03重量%~0.2重量%の光学増白剤を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
前記HLAS界面活性剤が、C10~C14アルキルベンゼンスルホン酸及びこれらの混合物から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項10】
前記HLAS界面活性剤が、直鎖アルキルベンゼンスルホネート及びこれらの混合物から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項11】
前記洗濯洗剤組成物が、4~9のpHを有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項12】
前記洗濯洗剤組成物が、透明又は半透明である、請求項1~11のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項13】
前記HLAS界面活性剤の、偶数炭素と奇数炭素との比が3:2~99:1である、請求項1~12のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項14】
前記HLAS界面活性剤が、以下の対イオン:ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、モノイソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミンの任意の組み合わせによって中和される、請求項1~13のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。
【請求項15】
形態が、単位用量物品である、請求項1~14のいずれか一項に記載の液体洗濯洗剤組成物。