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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100310
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】カテーテル包装体
(51)【国際特許分類】
   A61B 50/33 20160101AFI20240719BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20240719BHJP
   B65D 75/30 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A61B50/33
A61M25/00
B65D75/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004218
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】本田 紘太
【テーマコード(参考)】
3E067
4C267
【Fターム(参考)】
3E067AA16
3E067AB83
3E067BA15A
3E067BB01A
3E067BB14A
3E067CA03
3E067CA30
3E067EA06
3E067FC01
4C267AA34
(57)【要約】      (修正有)
【課題】保管スペースを抑制でき、材料量及び製造コストを削減することができるカテーテル包装袋を提供する。
【解決手段】カテーテル包装体10は、カテーテル12を保持する保持部28を有した保持体14を備える。カテーテル包装体10の平面視において、保持体14は、略正方形状に形成される。カテーテル包装体10は、保持部28に保持されたカテーテル12を覆うカバー部材16を備える。カバー部材16は、細菌及びウイルスが不透過であり且つ少なくとも一部がガス透過性を有するシート材である。保持部28は、カバー部材16に向かい合いカテーテル12を巻回した状態で固定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルと、
前記カテーテルを保持する保持部を有する保持体と、
前記保持部に保持された前記カテーテルを覆うカバー部材と、
を備え、
前記保持体は、平面視で、正方形状、又は短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状に形成され、
前記カバー部材は、細菌及びウイルスが不透過であり且つ少なくとも一部がガス透過性を有するシート材であり、
前記保持部は、前記カバー部材に向かい合い前記カテーテルを巻回した状態で固定する、カテーテル包装体。
【請求項2】
請求項1記載のカテーテル包装体において、
前記保持体は、前記カテーテルを環状又は螺旋形状で巻回した状態で固定する、カテーテル包装体。
【請求項3】
請求項1又は2記載のカテーテル包装体において、
前記保持体は、前記平面視で正方形状である、カテーテル包装体。
【請求項4】
請求項1又は2記載のカテーテル包装体において、
前記保持体は、平板状の台紙である、カテーテル包装体。
【請求項5】
請求項1記載のカテーテル包装体において、
前記保持部は、前記カテーテルを保持する複数のフックを有する、カテーテル包装体。
【請求項6】
請求項1記載のカテーテル包装体において、
前記保持体は、外縁部に設けられ前記カバー部材が固定される固定部を有し、前記保持体と前記カバー部材との間には前記固定部によって囲まれた収容部を有する、カテーテル包装体。
【請求項7】
請求項6記載のカテーテル包装体において、
前記固定部と前記カバー部材とが融着又は接着される、カテーテル包装体。
【請求項8】
請求項6又は7記載のカテーテル包装体において、
前記カバー部材は、前記ガス透過性を有し前記カテーテルに向かい合い且つ前記収容部を内部に有したガス透過部を備え、
前記カテーテル包装体の厚さ方向において、前記固定部の厚さに対して前記カバー部材の前記ガス透過部の厚さが大きい、カテーテル包装体。
【請求項9】
請求項6又は7記載のカテーテル包装体において、
前記カバー部材には、少なくとも前記カバー部材の一部を開封するための開封補助部を備える、カテーテル包装体。
【請求項10】
請求項1記載のカテーテル包装体において、
前記保持体は、前記保持部を囲む側壁を有した箱体である、カテーテル包装体。
【請求項11】
請求項1記載のカテーテル包装体において、
前記保持部は、環状又は螺旋状に窪んで前記カテーテルが収容される収容溝を有する、カテーテル包装体。
【請求項12】
請求項11記載のカテーテル包装体において、
前記収容溝は、前記保持体の厚さ方向に異なる深さを有し前記保持体の平面視で互いに部分的に交差する複数の環状部と、
前記保持体の平面視で前記複数の環状部のうち少なくとも2つの前記環状部が互いに交差して構成される複数の交差部と、
を備え、
前記複数の交差部には、巻回された前記カテーテルの巻回部位が前記保持体の前記厚さ方向に互いに離間した状態で収容される、カテーテル包装体。
【請求項13】
請求項1記載のカテーテル包装体において、
前記カテーテルの先端部には、先端形状部を備える、カテーテル包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルを包装するためのカテーテル包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カテーテルを包装可能なカテーテル包装体が開示されている。カテーテル包装体は、長手方向に長尺な容器を有する。トレイに配置されたカテーテルを容器の長手方向に沿って配置し、容器を密閉することでカテーテルが内部に封入されたカテーテル包装体を構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7048118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カテーテル包装体にカテーテルを収容するとき、容器の長手方向に沿って直線状にカテーテルを配置しているため、カテーテル及び容器を含むカテーテル包装体が長手方向に沿って大きくなって収容スペースを必要とする。容器が大きくなることで、容器を製造するための材料量及び製造コストが増大する。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の態様は、カテーテルと、前記カテーテルを保持する保持部を有する保持体と、前記保持部に保持された前記カテーテルを覆うカバー部材と、を備え、前記保持体は、平面視で、正方形状、又は短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状に形成され、前記カバー部材は、細菌及びウイルスが不透過であり且つ少なくとも一部がガス透過性を有するシート材であり、前記保持部は、前記カバー部材に向かい合い前記カテーテルを巻回した状態で固定する、カテーテル包装体である。
【0007】
このカテーテル包装体によれば、長尺なカテーテルを保持体の保持部に巻回して固定できるため、カテーテルを長手方向に沿った直線状として保持体に収容する構成と比較し、保持体を小型化できると共に、保持体を製造するための材料量及び製造コストを削減することができる。平面視で正方形状又は短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状で保持体を形成することで、カテーテル包装体の保管スペースを抑制することができる。カテーテル包装体の保管スペースの抑制に伴って、カテーテルを収容したカテーテル包装体の輸送効率を高めることができる。ガスによってカバー部材を通じたカテーテルの滅菌が可能である。
【0008】
(2)上記の(1)記載のカテーテル包装体において、前記保持体は、前記カテーテルを環状又は螺旋形状で巻回した状態で固定してもよい。
【0009】
この構成により、カテーテルを環状又は螺旋形状に巻回して保持体に保持することで、カテーテルをコンパクトに収容することができる。
【0010】
(3)上記の(1)又は(2)記載のカテーテル包装体において、前記保持体は、前記平面視で正方形状であってもよい。
【0011】
この構成により、複数のカテーテル包装体を保管するとき、長方形状のカテーテル包装体と比較して保管スペースを抑制できる。
【0012】
(4)上記の(1)~(3)のいずれか1つに記載のカテーテル包装体において、前記保持体は、平板状の台紙であってもよい。
【0013】
この構成により、カテーテルを保持するための保持体を安価に製造することができる。
【0014】
(5)上記の(1)~(4)のいずれか1つに記載のカテーテル包装体において、前記保持部は、前記カテーテルを保持する複数のフックを有してもよい。
【0015】
この構成により、複数のフックによって、カテーテルの巻回した状態を維持して保持体にカテーテルを保持することが可能である。
【0016】
(6)上記の(1)~(5)のいずれか1つに記載のカテーテル包装体において、前記保持体は、外縁部に設けられ前記カバー部材が固定される固定部を有し、前記保持体と前記カバー部材との間には前記固定部によって囲まれた収容部を有してもよい。
【0017】
この構成により、カバー部材を固定部で固定することで、保持体の中央部にカテーテルが収容可能な収容部を構成することができる。
【0018】
(7)上記の(6)記載のカテーテル包装体において、前記固定部と前記カバー部材とが融着又は接着されてもよい。
【0019】
この構成により、保持体の外縁部とカバー部材とを容易且つ確実に固定することができる。
【0020】
(8)上記の(6)又は(7)記載のカテーテル包装体において、前記カバー部材は、前記ガス透過性を有し前記カテーテルに向かい合い且つ前記収容部を内部に有したガス透過部を備え、前記カテーテル包装体の厚さ方向において、前記固定部の厚さに対して前記カバー部材の前記ガス透過部の厚さが大きくてもよい。
【0021】
この構成により、厚さの大きなカバー部材のガス透過部を通じて、カバー部材の内部(収容部)に酸化エチレンガスを導入してカテーテルの滅菌を行うことが可能である。
【0022】
(9)上記の(1)~(8)のいずれか1つに記載のカテーテル包装体において、前記カバー部材には、少なくとも前記カバー部材の一部を開封するための開封補助部を備えてもよい。
【0023】
この構成により、カテーテル包装体からカテーテルを取り出すとき、開封補助部によってカバー部材の一部を容易に開封して開放することができる。
【0024】
(10)上記の(1)~(3)のいずれか1つに記載のカテーテル包装体において、前記保持体は、前記保持部を囲む側壁を有した箱体であってもよい。
【0025】
この構成により、箱体を利用して安価にカテーテル包装体の保持体を構成することができる。
【0026】
(11)上記の(1)~(3)のいずれか1つに記載のカテーテル包装体において、前記保持部は、環状又は螺旋状に窪んで前記カテーテルが収容される収容溝を有してもよい。
【0027】
この構成により、カテーテルを収容溝に収容することで、環状又は螺旋状を維持した状態でカテーテルを保持体に保持することができる。
【0028】
(12)上記の(11)記載のカテーテル包装体において、前記収容溝は、前記保持体の厚さ方向に異なる深さを有し前記保持体の平面視で互いに部分的に交差する複数の環状部と、前記保持体の平面視で前記複数の環状部のうち少なくとも2つの前記環状部が互いに交差して構成される複数の交差部と、を備え、前記複数の交差部には、巻回された前記カテーテルの巻回部位が前記保持体の前記厚さ方向に互いに離間した状態で収容されてもよい。
【0029】
この構成により、複数の環状部にカテーテルの巻回部位を収容し、且つ複数の交差部において各巻回部位を互いに交差させるように収容することで、カテーテルの巻回部位を互いに接触させることなく巻回した状態でコンパクトに収容することができる。
【0030】
(13)上記の(1)~(12)のいずれか1つに記載のカテーテル包装体において、前記カテーテルの先端部には、先端形状部を備えてもよい。
【0031】
この構成により、先端形状部を備えるカテーテルを、保持体に対して容易に保持することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、カテーテル包装体の保持体は、カテーテルを保持する保持部を有し、保持部は、カバー部材に向かい合いカテーテルを巻回した状態で固定することで、長尺なカテーテルを保持体の保持部に巻回して固定できる。そのため、カテーテルを長手方向に沿った直線状として保持体に収容する構成と比較し、保持体を小型化できると共に、保持体を製造するための材料量及び製造コストを削減することができる。カテーテルを長手方向に沿った直線状として保持体に収容する場合と比較し、カテーテル包装体の保管スペースを抑制することができる。カテーテル包装体の保管スペースの抑制に伴って、カテーテルを収容したカテーテル包装体の輸送効率を高めることができる。ガスによってカバー部材を通じたカテーテルの滅菌が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係るカテーテル包装体の平面図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。
図3図3は、本発明の第2実施形態に係るカテーテル包装体の平面図である。
図4図4は、図3のIV-IV線に沿った断面図である。
図5図5は、本発明の第3実施形態に係るカテーテル包装体の横断面である。
図6図6は、本発明の第4実施形態に係るカテーテル包装体の一部切欠平面図である。
図7図7は、図6のVII-VII線に沿った断面図である。
図8図8は、変形例に係るカテーテル包装体の一部切欠平面図である。
図9図9Aは、図8のIXA-IXA線に沿った断面図であり、図9Bは、図8のIXB-IXB線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1に示されるように、第1実施形態に係るカテーテル包装体10は、カテーテル12と、カテーテル12を巻回した状態で保持する保持体14と、保持体14に保持されたカテーテル12を覆うカバー部材16とを備える。
【0035】
カテーテル12は、例えば、血管造影用カテーテル又はガイディングカテーテルである。カテーテル12は、生体の血管内に生じた病変部(狭窄部又は閉塞部等)の治療に用いられる治療カテーテルであってもよい。カテーテル12は、血管以外の管腔、例えば、胆管、気管、食道、尿道、その他の臓器等の生体器官内の病変部を造影又は治療するためのものであってもよい。カテーテル12は、生体の管腔内に挿入され管腔に沿って進行可能である。
【0036】
カテーテル12は、ルーメンを有した管状のカテーテル本体18と、カテーテル本体18の基端部に設けられるハブ20とを備える。ハブ20は、筒状でありハブ20の基端が開口する。カテーテル本体18は、可撓性を有する樹脂材料から形成される。ルーメンは、カテーテル本体18の内部に配置される。ルーメンは、カテーテル本体18に沿って延在する。カテーテル本体18の先端部には、湾曲形状が付与された先端形状部22が設けられている。なお、カテーテル12は、カテーテル本体18の先端部に先端形状部22を備える場合に限定されない。先端形状部22を備えていないカテーテル12であってもよい。
【0037】
図2に示すように、保持体14は、例えば紙材料から平板状に形成された台紙24である。保持体14は、樹脂材料から形成されてもよい。台紙24は、台紙本体26と、カテーテル12を巻回した状態で保持する保持部28(図1参照)と、カバー部材16が固定される固定部30とを備える。台紙本体26は、平面視において略正方形状に形成され、カテーテル12を保持する保持面32を有する。図1に示すカテーテル包装体10の平面視において、台紙本体26の形状は、正方形状である。台紙本体26の形状は、短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状であってもよく、例えばカテーテル12を巻回した状態が円形状であれば、長方形状と比較して余分なスペースを持たない正方形状が好ましい。
【0038】
図1に示すように、保持部28は、カテーテル12を環状又は螺旋形状に巻回した状態でカテーテル12を固定可能である。以下、保持体14の保持部28に対して、螺旋形状に巻回されたカテーテル12が保持される場合について説明する。保持部28は、台紙本体26の保持面32に設けられる。保持部28は、複数のフック34を有する。複数のフック34は、台紙本体26の中心から外縁部に向けて時計回りで螺旋状に配置される。なお、環状に巻回されたカテーテル12を保持部28に保持する場合、台紙本体26の中心に対して複数のフック34が螺旋状に配置される。フック34の各々は、互いに離間する。カテーテル12が巻回された状態で、複数のフック34と台紙本体26との間にカテーテル12のカテーテル本体18が挟持される。これにより、カテーテル12が台紙本体26の保持面32に保持される。
【0039】
このとき、カテーテル12の先端部が、台紙本体26の中心近傍に配置されたフック34aに保持され、カテーテル12の基端部は、台紙本体26において最も外縁部に近接配置されたフック34bによって保持される。これにより、保持体14の保持面32に対してカテーテル12が螺旋形状に巻回された状態で保持される。フック34aは、台紙本体26の外縁部に向けて延出し、フック34bは、台紙本体26の中心に向けて延出する。
【0040】
固定部30は、台紙本体26の外縁に沿って形成され保持部28を囲む環状である。固定部30は、保持部28の外側に形成される。固定部30には、カバー部材16が固定される。
【0041】
カバー部材16は、細菌及びウイルスが不透過であり、少なくとも一部がガス透過性を有するシート材である。図1に示されるカテーテル包装体10の平面視で、カバー部材16は、台紙本体26と略同一寸法の略正方形状である。
【0042】
カバー部材16は、ガス透過部36と、ガス透過部36の内側に配置されるガス不透過部38とを備える。ガス透過部36の外形は、カバー部材16の外縁に沿った正方形状、又は短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状である。ガス透過部36は、ガス不透過部38を囲む環状である。ガス透過部36は、ガス透過性を有し、且つ細菌及びウイルスが侵入しない不織布から形成される。ガス透過部36を透過可能なガスは、例えば酸化エチレンガスである。
【0043】
ガス透過部36は、保持体14の固定部30に固定され、外形が正方形状、又は短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状に形成される。ガス透過部36は、外縁部361と、外縁部361に囲まれた囲繞部362とを有する。外縁部361は、台紙本体26の固定部30に向かい合い固定部30に固定される。詳細には、台紙本体26の固定部30にガス透過部36の外縁部361を重ね合わせた状態で、外縁部361及び固定部30を加熱して融着(溶着)することで、カバー部材16の外縁部361と保持体14の固定部30とが接合される。囲繞部362は、保持体14の保持面32に向かい合う。なお、保持体14の固定部30とカバー部材16とが融着によって固定される場合に限定されない。融着の代わりに、例えば接着剤によって保持体14の固定部30とカバー部材16とを接着することで固定してもよい。
【0044】
ガス不透過部38は、ユーザがカテーテル12を外部から視認できるように、例えば透明フィルムで形成される。ガス不透過部38の材質は、例えばポリエチレン樹脂等の樹脂材料であり、ガスが不透過であり、且つ細菌及びウイルスが侵入しない。すなわち、ガス不透過部38は、酸化エチレンガスが透過しない。ガス不透過部38は、囲繞部362に囲まれて囲繞部362と一体に形成される。カバー部材16の外縁部361が保持体14に接合されたとき、ガス不透過部38がカテーテル12に向かい合ってカテーテル12の上方を覆う。
【0045】
図2に示すように、収容部40は、保持体14と台紙本体26とカバー部材16との間に設けられる。カバー部材16の外縁部361が保持体14に接合されたとき、収容部40(保持体14の保持面32とカバー部材16との間)にカテーテル12が密封される。このとき、図1に示すように、透明なガス不透過部38を通じてカテーテル12を外部(上方)から視認可能である。台紙24の厚さ方向において、カテーテル包装体10が薄く形成される(図2参照)。
【0046】
酸化エチレンガスによるカテーテル12の滅菌処理が行われるとき、カテーテル包装体10の外部から酸化エチレンガスがカバー部材16のガス透過部36を透過して内部に充填される。カバー部材16内の酸化エチレンガスによって収容部40内のカテーテル12が滅菌処理される。
【0047】
なお、保持体14の保持面32に対してカテーテル12が螺旋形状に保持される場合に限定されない。例えば、保持部28における複数のフック34を同一直径上に配置し、複数のフック34によってカテーテル12を環状に保持してもよい。
【0048】
第1実施形態は、以下の効果を奏する。
【0049】
図1に示すように、カテーテル包装体10の保持体14が、平面視で正方形状又は短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状に形成され、保持体14を覆うカバー部材16は、細菌及びウイルスが不透過であり且つ少なくとも一部がガス透過性を有するシート材であり、保持部28は、カバー部材16に向かい合いカテーテル12を螺旋形状に巻回した状態でカテーテル12を固定することができる。これにより、カテーテル12を長手方向に沿った直線状として保持体14に収容する構成と比較し、保持体14を小型化できると共に、保持体14を製造するための材料量及び製造コストを削減することができる。カテーテル包装体10の保管スペースを抑制することができるため、カテーテル包装体10の輸送効率を高めることができる。酸化エチレンガスによって、カバー部材16の囲繞部362を通じたカテーテル12の滅菌が可能である。
【0050】
保持体14は、カテーテル12を環状又は螺旋形状で巻回した状態で固定することにより、カテーテル包装体10においてカテーテル12をコンパクトに収容することができる。
【0051】
図1に示すカテーテル包装体10の平面視において、保持体14を正方形状とすることで、複数のカテーテル包装体10を保管するとき、長方形状のカテーテル包装体と比較して保管スペースを抑制できる。
【0052】
図2に示すように、保持体14を、平板状の台紙24から形成することにより、カテーテル12を保持するための保持体14を安価に製造することができる。
【0053】
図1に示すように、保持部28が、カテーテル12を保持する複数のフック34を有することにより、複数のフック34によって、カテーテル12の巻回した状態を維持して保持体14にカテーテル12を保持することが可能である。
【0054】
保持体14の固定部30とカバー部材16とが融着又は接着されることにより、保持体14の外縁部361とカバー部材16とを容易且つ確実に固定して密封することができる。
【0055】
カテーテル12の先端部には、先端形状部22を備えた場合であっても、先端形状部22を備えるカテーテル12を、保持体14に対して容易に保持することができる。
【0056】
図3に示されるように、第2実施形態に係るカテーテル包装体50は、カテーテル12と、カテーテル12を巻回した状態で保持する保持体52と、保持体52に保持されたカテーテル12を覆うカバー部材54とを備える。なお、第1実施形態のカテーテル包装体10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0057】
保持体52には、カテーテル12を巻回した状態で保持する保持部53を備える。保持部53は、複数の突起531を有する。複数の突起531は、台紙本体26の保持面32から上方に向けて突出する。複数の突起531は、台紙本体26の中心から外縁部に向けて時計回りで螺旋状に配置される。突起531の各々は、互いに離間する。カテーテル12が巻回された状態で、複数の突起531の径方向外方にカテーテル12のカテーテル本体18が保持される。なお、環状に巻回されたカテーテル12を保持部53に保持する場合、台紙本体26の中心に対して複数の突起531が同一円状に配置される。保持部53は、複数の突起531を備える場合に限定されない。図1に示すカテーテル包装体10の保持部28のように、複数のフック34から保持部を構成してもよい。
【0058】
カバー部材54は、ガス透過部56と、ガス透過部56の中央に配置されるガス不透過部58と、カバー部材54の一部を開封するための開封補助部60とを備える。図3に示されるカテーテル包装体50の平面視で、カバー部材54は、保持体52と略同一寸法の略正方形状である。
【0059】
ガス透過部56は、例えば不織布によって形成される。ガス透過部56の外形は、正方形状、又は短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状に形成される。ガス透過部56は、ガス不透過部58を囲む環状である。ガス透過部56は、台紙本体26の固定部30に固定される外縁部561と、外縁部561とガス不透過部58との間に設けられる囲繞部562と、ガス透過部56の中央に開口する開口部563とを備える。外縁部561は、ガス透過部56の最も外側に配置され、その外形が正方形状、又は短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状に形成される。外縁部561は平坦状に形成され、融着等によって外縁部561が保持体52の固定部30に固定される。
【0060】
囲繞部562は、外縁部561に囲まれて、その外形が正方形状、又は短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状に形成される。囲繞部562は、外縁部561に囲まれた環状である。図4に示すように、囲繞部562は、外縁部561に対して保持体52の厚さ方向に突出する。カバー部材54の囲繞部562によって保持体52の保持面32の一部及びカテーテル12の一部が覆われる。カバー部材54と保持体52の保持面32との間には、カテーテル12が収容される収容部62を有する。収容部62は、保持体52の厚さ方向(上下方向ともいう)に所定高さを有した空間である。開口部563は、囲繞部562に囲まれた正方形状である。開口部563は、カテーテル12に向かい合いガス透過部56を厚さ方向に貫通する。なお、開口部563の形状は、正方形状に限定されるものではなく、他の形状(長方形、円形、楕円形等)であってもよい。
【0061】
図3に示すように、ガス不透過部58は、ガス透過部56の開口部563を覆う。ガス不透過部58は、開口部563の形状に対応した正方形状である。なお、ガス不透過部58の形状は正方形状に限定されない。ガス不透過部58の形状は、開口部563の形状に対応した他の形状(長方形、円形、楕円形等)であってもよい。ガス不透過部58の外縁部581が、囲繞部562の内縁部564に重ね合わされて固定される。外縁部581と内縁部564とが融着又は接着等によって互いに固定される。カテーテル包装体50の平面視において、ガス不透過部58が、カバー部材54の中央に配置される。
【0062】
カバー部材54の外縁部561が保持体52の固定部30に接合されたとき、カテーテル12の上方をガス不透過部58が覆う。保持体52の台紙本体26とカバー部材54とによって、保持体52とカバー部材54との間に収容部62が形成される(図4参照)。収容部62にはカテーテル12が密封される。透明なガス不透過部58を通じてユーザがカテーテル12を外部から視認可能である。
【0063】
酸化エチレンガスによるカテーテル12の滅菌処理が行われるとき、カテーテル包装体50の外部から酸化エチレンガスがカバー部材54におけるガス透過部56の囲繞部562を透過して収容部62に充填される。収容部62内の酸化エチレンガスによってカテーテル12が滅菌処理される。
【0064】
開封補助部60は、カテーテル包装体50からカテーテル12を取り出すときにカバー部材54の一部の開封を補助する。開封補助部60は、カバー部材54のガス不透過部58に配置される。開封補助部60は、カテーテル12を取り出す際にユーザが把持可能な把持部70を備える。
【0065】
把持部70は、ガス不透過部58の例えば角部582に設けられる。把持部70は、ガス不透過部58の角部582から外側に向けて突出する。把持部70は、先端に向けてガス不透過部58に対して上方へと傾斜する(図4参照)。なお、把持部70は、角部582に設けられる場合に限定されない。把持部70が、ガス不透過部58の外縁部に配置されていればよい。
【0066】
カテーテル包装体50からカテーテル12を取り出すとき、ユーザが把持部70を把持し、上方に向けて引き上げることで、把持部70と共にガス不透過部58の角部582が上方に引っ張られる。ガス不透過部58が上方に引き上げられることで、ガス不透過部58の外縁部581がガス透過部56の内縁部564から剥離する。ガス不透過部58がカバー部材54から取り外されることで開口部563が開口する。開口部563を通じてユーザが保持体52に保持されたカテーテル12を把持し、カテーテル12をカテーテル包装体50の外部へと取り出すことが可能である。
【0067】
第2実施形態は、以下の効果を奏する。
【0068】
図3に示すように、カテーテル包装体50の保持体52が、平面視で正方形状に形成され、保持体52を覆うカバー部材54は、細菌及びウイルスが不透過であり且つ少なくとも一部がガス透過性を有するシート材であり、保持部53は、カバー部材54に向かい合いカテーテル12を螺旋形状に巻回した状態でカテーテル12を固定することができる。これにより、カテーテル12を長手方向に沿った直線状として保持体52に収容する構成と比較し、保持体52を小型化できると共に、保持体52を製造するための材料量及び製造コストを削減することができる。カテーテル包装体50の保管スペースを抑制することができるため、カテーテル包装体50の輸送効率を高めることができる。酸化エチレンガスによって、カバー部材54の囲繞部562を通じたカテーテル12の滅菌が可能である。
【0069】
図4に示すように、カバー部材54は、ガス透過性を有しカテーテル12に向かい合い且つ収容部62を内部に有したガス透過部56を備え、カテーテル包装体50の厚さ方向において、保持体52の固定部30の厚さに対してカバー部材54のガス透過部56の厚さが大きく形成される。これにより、厚さの大きなカバー部材54のガス透過部56を通じて、カバー部材54の内部(収容部62)に酸化エチレンガスを導入してカテーテル12の滅菌を効果的に行うことが可能である。
【0070】
図3に示すように、カバー部材54には、カバー部材54の一部を開封するための開封補助部60を備えているため、カテーテル包装体50からカテーテル12を取り出すとき、ユーザが開封補助部60によってカバー部材54の一部(ガス不透過部58)を容易に開封して開放することができる。
【0071】
図5に示されるように、第3実施形態に係るカテーテル包装体80は、カテーテル12と、カテーテル12を巻回した状態で保持する保持体82と、保持体82に保持されたカテーテル12を覆うカバー部材54と、カテーテル12及び保持体82を覆う蓋部材84とを備える。なお、第2実施形態のカテーテル包装体50と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0072】
保持体82は、凹部86を有した箱体88である。箱体88は、例えばポリエチレン等の樹脂材料から形成され、平面視で正方形状に形成される。箱体88の平面視での形状は、短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状であってもよい。箱体88は、台紙本体26と、台紙本体26の外縁部に設けられる外壁90とを有する。台紙本体26の保持部53にカテーテル12が保持される。箱体88は、内部にカテーテル12を収容可能な包装容器の一部である。
【0073】
外壁90は、台紙本体26を取り囲む環状である。外壁90は、台紙本体26と略直交して台紙本体26から離間する方向(上方)に向けて延出する。カテーテル包装体80の厚さ方向において、外壁90の上端は、カバー部材54よりも上方に配置される。外壁90の上端で構成される保持体82の上端は正方形状に開口する。外壁90の上端によって箱体88の開口端部92が形成される。
【0074】
凹部86は、箱体88の開口端部92から下方に向けて窪む。環状の外壁90と平坦な台紙本体26とによって凹部86が囲まれる。保持体82における凹部86の内部に、カテーテル12と、カテーテル12を覆うカバー部材54が収容される。
【0075】
カテーテル包装体80の平面視で、蓋部材84は正方形状である。箱体88が長方形状である場合、蓋部材84は箱体88と相似形の長方形状である。蓋部材84の平面形状は、保持体82の平面形状より若干大きく形成される。蓋部材84は、保持体82の上方を覆う。蓋部材84は、例えば厚手の紙から形成される。蓋部材84は、蓋本体94と、環状の側壁部96とを有する。蓋本体94は、平板状に形成される。側壁部96は、蓋本体94の外縁部に設けられ蓋本体94を取り囲む。側壁部96は、蓋本体94と直交して蓋部材84から離間する方向に突出する。
【0076】
蓋部材84が箱体88の上部を覆うとき、蓋本体94が外壁90の上端に向かい合って箱体88の開口端部92を覆う。側壁部96は、箱体88の外壁90の外側に配置される。これにより、箱体88の上部が蓋部材84によって覆われ、箱体88及び蓋部材84から包装容器が構成される。箱体88における凹部86内にカテーテル12が収容される。
【0077】
カテーテル包装体80からカテーテル12を取り出すとき、ユーザが蓋部材84を箱体88から取り外して開口端部92を開放した後、開封補助部60によってカバー部材54を開放する。カバー部材54の開口及び箱体88の開口端部92を通じてカテーテル12が取り出し可能となる。
【0078】
第3実施形態は、以下の効果を奏する。
【0079】
カテーテル包装体80の保持体82が、平面視で正方形状、又は短片に対する長辺の比が1.5倍以下である長方形状に形成され、保持体82を覆うカバー部材54は、細菌及びウイルスが不透過であり且つ少なくとも一部がガス透過性を有するシート材であり、保持部53は、カバー部材54に向かい合ってカテーテル12を螺旋形状に巻回した状態でカテーテル12を固定することができる。これにより、カテーテル12を長手方向に沿った直線状として保持体82に収容する構成と比較し、保持体82を小型化できると共に、保持体82を製造するための材料量及び製造コストを削減することができる。カテーテル包装体80の保管スペースを抑制することができるため、カテーテル包装体80の輸送効率を高めることができる。酸化エチレンガスによって、カバー部材54の外縁部561を通じたカテーテル12の滅菌が可能である。
【0080】
保持体82を、保持部53を囲む側壁を有した箱体88から構成することで、箱体88を利用して安価にカテーテル包装体80の保持体82を構成することができる。
【0081】
図6に示されるように、第4実施形態に係るカテーテル包装体100は、カテーテル12と、カテーテル12を巻回した状態で保持する保持体102と、保持体102に保持されたカテーテル12を覆うカバー部材104とを備える。なお、第1~第3実施形態のカテーテル包装体10、50、80と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0082】
保持体102は、凹部106を有した包装容器108である。カテーテル包装体100の平面視において、包装容器108は、略正方形状に形成される。包装容器108は、例えば真空成形(ブリスター成形)によって形成される。
【0083】
包装容器108は、容器本体110と、容器本体110の外縁部に設けられる開口端部112とを備える。開口端部112は、容器本体110の上端に配置され、容器本体110の外周部に沿って略正方形状に形成される。開口端部112は、カバー部材104を固定可能な固定部114を有する。カバー部材104は、容器本体110の固定部114を覆うシート材である。固定部114は、開口端部112において凹部106から離間する方向へ延在する鍔状である。固定部114は、凹部106の底部と平行な固定面116を有する。固定部114の固定面116には、カバー部材104の外縁部が融着される。
【0084】
図7に示すように、容器本体110は、ガス透過性を有し、且つ細菌及びウイルスが侵入しない不織布から形成される。容器本体110は、固定部114の固定面116から下方に窪んだ凹部106と、カテーテル12を保持可能な保持部117とを有する。凹部106の底部は、固定部114の固定面116と略平行に形成される。凹部106は、開口端部112に囲まれる。
【0085】
保持部117は、カテーテル12を内部に収容可能な収容溝118を有する。収容溝118は、凹部106の底部から下方に窪んだ螺旋状に形成される。容器本体110の厚さ方向において、収容溝118の深さは略一定である。容器本体110の平面視において、収容溝118は、容器本体110の中心近傍から外縁部に向けて時計回りの螺旋状に形成される(図6参照)。なお、収容溝118は螺旋状に形成される場合に限定されず、例えば環状の溝であってもよい。
【0086】
図6に示すように、収容溝118は、収容溝118の一端部に配置される先端収容部120と、収容溝118の他端部に配置される基端収容部122と、先端収容部120と基端収容部122との間に配置される中間収容部124とを有する。容器本体110の平面視において、先端収容部120が、容器本体110の中心近傍に配置されカテーテル12の先端形状部22が挿入される。先端収容部120は、カテーテル12の先端形状部22に対応した形状である。基端収容部122が、容器本体110の外縁近傍に配置されカテーテル12のハブ20が挿入される。基端収容部122は、カテーテル12のハブ20に対応した形状である。中間収容部124は、カテーテル12のカテーテル本体18が挿入可能であり、収容溝118の延在方向に沿って一定幅である。
【0087】
収容溝118にカテーテル12が挿入されることで、螺旋状の収容溝118に沿ってカテーテル12が螺旋形状に巻回された状態で保持される。
【0088】
酸化エチレンガスによるカテーテル12の滅菌処理が行われるとき、酸化エチレンガスが容器本体110を透過して凹部106及び収容溝118内に充填される。凹部106及び収容溝118内の酸化エチレンガスによってカテーテル12が滅菌処理される。この場合、カバー部材104は、固定部114の内側の全域でガスを透過可能なガス透過部のみから形成される。
【0089】
図6に示すように、カテーテル包装体100の平面視において、容器本体110の角部には、カバー部材104を剥離可能な開封補助部126を有する。開封補助部126は、カバー部材104の角部に配置された把持部128を有する。把持部128は、カバー部材104に対して上方に向けて突出する。ユーザが把持部128を把持してカバー部材104に対して上方に引き上げることで、把持部128と共にカバー部材104が容器本体110から離間する方向に引き上げられる。これにより、容器本体110の固定部114からカバー部材104が剥離し、容器本体110の開口端部112が開放される。
【0090】
第4実施形態は、以下の効果を奏する。
【0091】
図6に示すように、カテーテル包装体100の保持体102が、平面視で正方形状に形成され、保持体102を覆うカバー部材104は、細菌及びウイルスが不透過であり且つガス透過性を有するシート材であり、保持部117は、カバー部材104に向かい合いカテーテル12を螺旋形状に巻回した状態でカテーテル12を固定することができる。これにより、カテーテル12を長手方向に沿った直線状として保持体102に収容する構成と比較し、保持体102を小型化できると共に、保持体102を製造するための材料量及び製造コストを削減することができる。カテーテル包装体100の保管スペースを抑制することができるため、カテーテル包装体100の輸送効率を高めることができる。酸化エチレンガスによって、カバー部材104を通じたカテーテル12の滅菌が可能である。
【0092】
保持部117は、螺旋状に窪んでカテーテル12が収容される収容溝118を有するため、カテーテル12を収容溝118に収容することで、螺旋形状を維持した状態でカテーテル12を保持体102に保持することができる。
【0093】
図8に示すように、変形例に係るカテーテル包装体130は、凹部106及び保持部131を有した保持体134を有する。保持部131は、カテーテル12を収容して保持可能な収容溝132を有する。
【0094】
収容溝132は、保持体134の厚さ方向に異なる深さを有する複数の環状部136と、複数の環状部136のうち少なくとも2つの環状部136が互いに交差して構成される複数の交差部138とを備える。ここでは、3つの環状部136(以下、第1~第3環状部1361、1362、1363という)と、2つの交差部138とを備える場合について説明する。なお、環状部136の数は、3つに限定されるものではない。環状部136は、3つ以下であってもよいし、4つ以上であってもよい。交差部138は、2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。
【0095】
第1~第3環状部1361、1362、1363の各々は、例えば同一直径を有した略円形状である。図8に示すように、保持体134の平面視において、第1~第3環状部1361、1362、1363が、保持体134の幅方向(矢印A方向)に互いに等間隔オフセットして配置される。保持体134における最も幅方向一方に第1環状部1361が配置され、第1環状部1361に対して第2環状部1362が幅方向他方に配置され、第2環状部1362に対してさらに第3環状部1363が幅方向他方に配置される。
【0096】
図9Aに示すように、保持体134の厚さ方向において、第1~第3環状部1361、1362、1363の各々の深さが異なる。第1~第3環状部1361、1362、1363のうち、第1環状部1361の第1深さD1が最も深く形成される。第2環状部1362の第2深さD2は、第1環状部1361の第1深さD1よりも浅い。第3環状部1363の第3深さD3は、第2環状部1362の第2深さD2よりもさらに浅い。
【0097】
図8に示すように、第1~第3環状部1361、1362、1363には、巻回されたカテーテル12の巻回部位が収容される。第3環状部1363は、カテーテル12のハブ20が収容される基端収容部122を備える。基端収容部122は、第3環状部1363と同一の深さで形成される。基端収容部122は、保持体134の幅方向他方において第2環状部1362の外側に配置される。
【0098】
第1環状部1361の中心である第1中心C1、第2環状部1362の中心である第2中心C2、第3環状部1363の中心である第3中心C3を通って幅方向(矢印A方向)に延在する第1仮想線L1としたとき、2つの交差部138は、第1仮想線L1と直交し、第2中心C2を通る第2仮想線L2上に配置される。第2中心C2を挟んで2つの交差部138が対称に配置される。図9Bに示すように、保持体134の厚さ方向において、2つの交差部138の深さは、第1環状部1361の深さと略同一である。
【0099】
図8に示すように、巻回されたカテーテル12の巻回部位が収容溝132に収容されたとき、カテーテル12の先端、先端に連なる第1巻回部12aが、第1環状部1361に収容される。第1巻回部12aの基端側に連なる第2巻回部12bが第2環状部1362に収容され、第2巻回部12bの基端側に連なる第3巻回部12cが第3環状部1363に収容される。カテーテル12のハブ20が、基端収容部122に収容される。
【0100】
このとき、保持体134の平面視において、第1巻回部12a、第2巻回部12b及び第3巻回部12cが、2つの交差部138において互いに所定角度傾斜した状態で交差して収容される。保持体134の厚さ方向において、2つの交差部138では、第1~第3巻回部12a、12b、12cが互いに離間した状態で収容される(図9B参照)。すなわち、各交差部138において、巻回された第1~第3巻回部12a、12b、12cは互いに非接触である。
【0101】
変形例は、以下の効果を奏する。
【0102】
図8に示すように、保持体134における収容溝132は、保持体134の厚さ方向に異なる深さを有し保持体134の平面視で互いに部分的に交差する複数の環状部136と、保持体134の平面視で複数の環状部136のうち少なくとも2つの環状部136が互いに交差して構成される複数の交差部138とを備え、図9Bに示すように、複数の交差部138には、巻回されたカテーテル12の巻回部位が保持体134の厚さ方向に互いに離間した状態で収容される。これにより、複数の環状部136にカテーテル12の巻回部位を収容し、且つ複数の交差部138において各巻回部位を互いに交差させるように収容することで、カテーテル12の巻回部位を互いに接触させることなく巻回した状態でコンパクトに収容することができる。
【0103】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0104】
10、50、80、100、130…カテーテル包装体
12…カテーテル
14、52、82、102、134…保持体
16、54、104…カバー部材
28、53、117…保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9