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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100347
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】反応容器
(51)【国際特許分類】
   B01J 8/24 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B01J8/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004289
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河▲崎▼ 喜代司
(72)【発明者】
【氏名】栗秋 武史
(72)【発明者】
【氏名】山本 清人
【テーマコード(参考)】
4G070
【Fターム(参考)】
4G070AA03
4G070AB05
4G070BB32
4G070CA30
4G070CB17
4G070DA05
(57)【要約】
【課題】反応容器のフィルタ構造部において液の残留を抑える。
【解決手段】反応容器10は、多数の担体Bが収容されると共に液Lが供給される筒状の容器本体11と、容器本体11の端部11aに位置するフィルタ構造部12とを有する。フィルタ構造部12は、容器本体11の端部11aと繋がる環状の内フランジ13と、内フランジ13と重なる外フランジ14と、容器本体11の端部11aにおける内周輪郭形状と同等の外周輪郭形状を有する板状のフィルタ本体15と、フィルタ本体15の外周に取り付けられフィルタ本体15と一体となると共に、内フランジ13と外フランジ14との間に位置するリング16と、内フランジ13とリング16との間に介在する環状の内パッキン17と、外フランジ14とリング16との間に介在する環状の外パッキン27とを有する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の担体が収容されると共に液が供給される筒状の容器本体と、
前記容器本体の端部に位置するフィルタ構造部と、を有し、
前記フィルタ構造部は、
前記容器本体の前記端部と繋がる環状の内フランジと、
前記内フランジと重なる外フランジと、
前記容器本体の前記端部における内周輪郭形状と同等の外周輪郭形状を有する板状のフィルタ本体と、
前記フィルタ本体の外周に取り付けられ前記フィルタ本体と一体となると共に、前記内フランジと前記外フランジとの間に位置するリングと、
前記内フランジと前記リングとの間に介在する環状の内パッキンと、
前記外フランジと前記リングとの間に介在する環状の外パッキンと、
を有する、反応容器。
【請求項2】
前記内パッキンは、
前記内フランジと前記リングとに挟まれて前記容器本体の中心軸に平行な方向に圧縮状態となる内パッキンボディと、
前記内パッキンボディの内周側に存在していて、前記フィルタ本体のうちの前記容器本体の内部空間に露出する内面に対して接触する内側抜け止め部と、を有し、
前記外パッキンは、
前記外フランジと前記リングとに挟まれて前記容器本体の中心軸に平行な方向に圧縮状態となる外パッキンボディと、
前記外パッキンボディの内周側に存在していて、前記フィルタ本体のうちの前記内面と反対の外面に対して接触する外側抜け止め部と、を有する、
請求項1に記載の反応容器。
【請求項3】
前記内パッキンボディは、
前記フィルタ本体の外周面に接触する内周面を有する接触部と、
前記内側抜け止め部と繋がり前記フィルタ本体の外周面に接触しない非接触部と、
を有し、
前記内側抜け止め部は、
前記内パッキンボディが弾性圧縮変形することによって、前記接触部の前記内周面よりも前記反応容器の中心線側に突出している弾性変形部分である、
請求項2に記載の反応容器。
【請求項4】
前記内パッキンが弾性変形していない自然状態で、前記接触部の内周輪郭形状は、前記フィルタ本体の外周輪郭形状よりも小さい、
請求項3に記載の反応容器。
【請求項5】
前記内パッキンと前記外パッキンとの内の一方のパッキンが弾性変形していない自然状態で、前記一方のパッキンが有する前記内側抜け止め部又は前記外側抜け止め部の内周輪郭形状は、前記フィルタ本体の外周輪郭形状よりも小さい、
請求項1又は請求項2に記載の反応容器。
【請求項6】
前記外パッキンは、前記外フランジに対して、前記中心線の直交成分を有する方向から接触するストッパ部を有する、
請求項1又は請求項2に記載の反応容器。
【請求項7】
前記リングは、その内周に凹部を有する、請求項1又は請求項2に記載の反応容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の発明は、タンパク質、ペプチド、核酸等を化学合成するために用いられる反応容器に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質、ペプチド、核酸等を化学合成する方法として、反応容器に複数種類の溶液(試薬)を順に供給し、その反応容器内において反応を進める方法がある。例えば、核酸を合成する場合、反応容器内に粒状の担体(ビーズ)を多数設け、この反応容器に、溶液を順次供給しながら、脱トリチル化、カップリング、酸化、及びキャッピングの処理を繰り返し行い、担体に塩基を結合させる。
【0003】
用いられる溶液は数十種類とされることもあり、これら溶液を選択的に反応容器へ送り、溶液に含まれる分子材料により目的物(核酸)が生成される。このような化学合成を行うための装置として、例えば特許文献1に開示の合成装置が知られている。溶液の種類を変更する際、その変更毎に、反応容器の内部を洗浄する必要がある。これは、反応容器に変更前の溶液が残留していると、必要な合成純度が得られないためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-94533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6は、従来の反応容器の一部を示す説明図である。反応容器90は、多数の担体が収容されると共に液が供給される筒状の容器本体91と、容器本体91の端部91aに位置するフィルタ構造部92とを有する。フィルタ構造部92は、容器本体91の端部91aと繋がる環状の内フランジ94と、内フランジ94に重なる外フランジ95とを有する。内フランジ94と外フランジ95との間に、板状であるフィルタ本体96が装着される。そのために、内フランジ94と外フランジ95との間に環状の空間93が形成されている。フィルタ本体96の外周部96aは、環状の空間93に位置し、内フランジ94の一部と外フランジ95の一部とによって挟まれた状態にある。
【0006】
図6の破線矢印で示すように、液はフィルタ本体96を通過する他に、その液の一部は、フィルタ本体96の外周面96bに向かう方向にも浸透し、その液の一部は、外周面96bを越えて環状の空間93の外周領域93aに浸入する。液の種類の変更毎に、洗浄液がフィルタ本体96を通過し、容器本体91内に供給され、洗浄が行われる。しかし、外周領域93aは洗浄液により十分に洗浄されず、変更前の溶液が残留する可能性がある。すると、化学合成において、必要な合成純度が得られない可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、フィルタ構造部において液が残留し難くなる反応容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の反応容器は、多数の担体が収容されると共に液が供給される筒状の容器本体と、前記容器本体の端部に位置するフィルタ構造部と、を有し、前記フィルタ構造部は、前記容器本体の前記端部と繋がる環状の内フランジと、前記内フランジと重なる外フランジと、前記容器本体の前記端部における内周輪郭形状と同等の外周輪郭形状を有する板状のフィルタ本体と、前記フィルタ本体の外周に取り付けられ前記フィルタ本体と一体となると共に、前記内フランジと前記外フランジとの間に位置するリングと、前記内フランジと前記リングとの間に介在する環状の内パッキンと、前記外フランジと前記リングとの間に介在する環状の外パッキンと、を有する。
【0009】
前記反応容器によれば、フィルタ構造部において、フィルタ本体の取り付けのために、内フランジと外フランジとの間に環状の空間が存在する。フィルタ本体の外周にリングが取り付けられ、そのリングと内フランジとの間に内パッキンが介在し、そのリングと外フランジとの間に外パッキンが介在する。この構成により、フィルタ本体を通過する液が、フィルタ本体の外周面を越えて、前記環状の空間に浸入することを抑えることが可能となる。その結果、フィルタ構造部において液が残留し難くなる。
【0010】
(2)好ましくは、前記内パッキンは、前記内フランジと前記リングとに挟まれて前記容器本体の中心軸に平行な方向に圧縮状態となる内パッキンボディと、前記内パッキンボディの内周側に存在していて、前記フィルタ本体のうちの前記容器本体の内部空間に露出する内面に対して接触する内側抜け止め部と、を有し、前記外パッキンは、前記外フランジと前記リングとに挟まれて前記容器本体の中心軸に平行な方向に圧縮状態となる外パッキンボディと、前記外パッキンボディの内周側に存在していて、前記フィルタ本体のうちの前記内面と反対の外面に対して接触する外側抜け止め部と、を有する。この構成によれば、フィルタ本体はリングと一体となるが、液が通過する際の液圧によってフィルタ本体がリングから脱落しようとしても、内側抜け止め部又は外側抜け止め部が、その脱落を防ぐことが可能となる。
【0011】
(3)好ましくは、前記内パッキンボディは、前記フィルタ本体の外周面に接触する内周面を有する接触部と、前記内側抜け止め部と繋がり前記フィルタ本体の外周面に接触しない非接触部と、を有し、前記内側抜け止め部は、前記内パッキンボディが弾性圧縮変形することによって、前記接触部の前記内周面よりも前記反応容器の中心線側に突出している弾性変形部分である。この場合、内フランジとリングとの間に介在する内パッキンが、内フランジによって押し付けられることで、内側抜け止め部が得られる。
【0012】
(4)好ましくは、前記内パッキンが弾性変形していない自然状態で、前記接触部の内周輪郭形状は、前記フィルタ本体の外周輪郭形状よりも小さい。この場合、内パッキンは、フィルタ本体の外周面に取り付けられた状態で、フィルタ本体と一体となり、取り扱いが容易となる。
【0013】
(5)好ましくは、前記内パッキンと前記外パッキンとの内の一方のパッキンが弾性変形していない自然状態で、前記一方のパッキンが有する前記内側抜け止め部又は前記外側抜け止め部の内周輪郭形状は、前記フィルタ本体の外周輪郭形状よりも小さい。この場合、内パッキンと外パッキンとの内の一方のパッキンを、大きく圧縮弾性変形させなくても、内側抜け止め部は、フィルタ本体の内面に対して接触する構成、又は、外側抜け止め部は、フィルタ本体の外面に対して接触する構成が得られる。
【0014】
(6)好ましくは、前記外パッキンは、前記外フランジに対して、前記中心線の直交成分を有する方向から接触するストッパ部を有する。この場合、外パッキンが、液圧によって中心線に直交する方向に位置ずれすることを抑えることが可能となる。
【0015】
(7)好ましくは、前記リングは、その内周に凹部を有する。この場合、凹部の開口縁がフィルタ本体に引っかかることで、リングとフィルタ本体との一体化強度を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、反応容器が有するフィルタ構造部において液が残留し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の反応容器を有する合成装置の一例を示す構成図である。
図2】反応容器の概略構成を示す断面図である。
図3】第一のフィルタ構造部におけるリングの一部及びその周囲を示す拡大断面図である。
図4】内フランジと外フランジとを結合する前の状態を示す断面図である。
図5】第二のフィルタ構造部におけるリングの一部及びその周囲を示す拡大断面図である。
図6】従来の反応容器の一部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔合成装置について〕
図1は、本発明の反応容器を有する合成装置の一例を示す構成図である。図1に示す合成装置70は、タンパク質、ペプチド、核酸等を化学合成するための装置である。合成装置70は、反応容器10を備える。反応容器10に複数種類の溶液(試薬)Lが順に供給され、その反応容器10内において化学合成が進められる。核酸を合成する場合、反応容器10内に粒状である担体Bが多数設けられる。担体Bはビーズとも呼ばれ、例えば、ガラス製やポリマー製である。なお、各図において、説明を解りやすくするために担体Bを大きく表示している。
【0019】
反応容器10に溶液Lを順次供給しながら、脱トリチル化、カップリング、酸化、及びキャッピングの処理が繰り返し行われ、担体Bから塩基(分子材料)が次々と結合される。用いられる溶液Lは数十種類とされる場合があり、これら溶液Lが選択的に反応容器10へ送られ、溶液Lに含まれる分子材料により目的物(核酸)が生成される。
【0020】
合成装置70は、用いられる溶液Lと同数の収容容器(試薬瓶)71を設ける領域を有する。収容容器71それぞれに各溶液Lが溜められている。なお、図1では、三つの収容容器71のみが示されていて、その他の収容容器71については図示省略している。各収容容器71は、密閉容器であり、導入管72及び導出管73と繋がっている。
【0021】
合成装置70は、ガスを溜めているタンク78、上流側配管79、導入管72、導出管73、中間容器74、中間配管75、反応容器10、計量機構76、及び制御装置77を備える。タンク78に大気よりも高圧のガス(不活性ガス)が充填されている。このガスは、収容容器71の溶液Lを反応容器10へ搬送するために用いられる他に、反応容器10で担体B及び溶液Lを撹拌するために用いられる。
【0022】
複数の収容容器71と同数の導入管72は、共通する上流側配管79から分岐した配管である。その上流側配管79にレギュレータ80及びバルブ81が設けられている。上流側配管79は、タンク78と接続されていて、タンク78のガスが各収容容器71に供給され、レギュレータ80により各収容容器71の内圧が調整される。ガスにより各収容容器71の内圧が高まり、収容容器71の溶液Lは導出管73から送り出される。各収容容器71と中間容器74との差圧で各収容容器71の溶液Lが導出管73を通じて中間容器74へ圧送される。
【0023】
導出管73それぞれにはバルブ82が設けられている。開状態とするバルブ82が選択されることで、複数の収容容器71の溶液Lの中から所定の溶液Lが選択的に導出管73を通じて中間容器74へ送られる。開状態とするバルブ82の選択は制御装置77によって行われる。
【0024】
中間容器74は、各溶液Lを計量するための容器となる。中間容器74の入口領域(開口部)に複数の導出管73が集約して設けられている。選択的に導出管73を通じて送られた溶液Lが、中間容器74に導入され、この中間容器74に溜められる。
【0025】
計量機構76は、例えばロードセル等による測定器を有し、中間容器74に溜められる溶液Lを計量する。計量機構76による計量結果は、制御装置77に送信される。制御装置77は、計量結果に基づいてバルブ82の開閉動作制御を行い、規定量の溶液Lを中間容器74において取得する。その規定量の溶液Lが中間配管75を通じて反応容器10へ送られる。
【0026】
中間容器74から反応容器10への溶液Lの供給方式は、ガスによる圧送であり、タンク78のガスが用いられる。その圧送のために、合成装置70は、中間容器74を収容する密閉容器83を備える。密閉容器83とタンク78との間にはガス用の配管84が設けられている。このガス用の配管84に、第二のレギュレータ85及びバルブ86が設けられている。
【0027】
中間容器74は、密閉容器83内で開口していて、タンク78のガスが密閉容器83に供給されると、密閉容器83内のガスの圧力(内圧)が中間容器74に溜められている溶液Lに作用する。密閉容器83(中間容器74)と反応容器10との差圧で中間容器74の溶液Lが中間配管75を通じて反応容器10へ圧送される。
【0028】
以上より、複数の収容容器71の内の少なくとも一つから溶液Lが選択的に中間容器74へ送られ、その中間容器74で計量が行われると、その溶液Lは反応容器10へ送られる。その溶液Lは、反応容器10で化学合成に用いられる。その後、溶液Lは排出管87を通じて廃液タンク88へ排出される。
このような反応容器10への溶液Lの供給が、溶液Lの種類を変更しながら繰り返し行われる。複数種類の溶液Lが反応容器10に順に供給され、反応容器10内において化学合成が進められる。反応容器10には多数の担体Bが設けられており、担体Bから塩基を次々と結合させ、核酸が合成される。
【0029】
溶液Lの種類を変更する際、その変更毎に、反応容器10の内部を洗浄液によって洗浄する。洗浄液は、溶液Lと同様、収容容器に収容されており、ガスを用いた圧送により、反応容器10へ供給される。洗浄に用いられた洗浄液は、廃液タンク88へ排出される。
合成装置70の構成は、図1に示す形態以外であってもよい。
【0030】
〔反応容器10について〕
図2は、反応容器10の概略構成を示す断面図である。反応容器10は、多数の担体Bが収容されると共に溶液Lが供給される筒状の容器本体11と、フィルタ構造部12とを有する。本実施形態では、反応容器10の中心線Cの方向は、上下方向にある。フィルタ構造部12は、容器本体11の端部11aに位置する。反応容器10は、上に位置する第一のフィルタ構造部12と、下に位置する第二のフィルタ構造部12とを有する。本実施形態では、容器本体11は円筒形状を有する。
【0031】
反応容器10における方向について説明する。反応容器10の中心線Cに沿った方向及び中心線Cに平行な方向を「軸方向」と定義する。容器本体11は円筒形状を有することから、前記軸方向に直交する方向を「径方向」と定義する。径方向に関して、中心線Cに近づく側が「径方向の内側」となり、中心線Cから遠のく側が「径方向の外側」となる。
【0032】
〔上に位置する第一のフィルタ構造部12について〕
上のフィルタ構造部12は、環状である第一の内フランジ13と、第一の外フランジ14と、板状である第一のフィルタ本体15と、環状である第一のリング16と、環状である第一の内パッキン17と、環状である第一の外パッキン27とを有する。
【0033】
〔第一の内フランジ13及び第一の外フランジ14〕
内フランジ13は、容器本体11の上の端部11aと繋がる。内フランジ13は、容器本体11の上の端部11aの内周輪郭形状と同等形状の孔13aを有する。
外フランジ14は、内フランジ13と重なり、図外の締結部材(ボルト・ナット)によって内フランジ13と結合される。本実施形態の外フランジ14は、有底筒形状の部分を有する。外フランジ14は、容器本体11の上の端部11aの内周輪郭形状と同等形状の孔14aを有する。
【0034】
内フランジ13は、第一の孔13aと繋がる第二の孔13bを有する。第二の孔13bは、第一の孔13aよりも大きい孔であり、外フランジ14との合わせ面で開口する。内フランジ13と外フランジ14とが結合された状態で、第二の孔13bにより、フィルタ本体15と一体となるリング16を取り付けるための環状の空間25が設けられる。
【0035】
〔第一のフィルタ本体15〕
フィルタ本体15は、例えば、金属製又は樹脂製であり、多孔質部材により構成されていて、溶液L及び洗浄液を通過させる。フィルタ本体15は、容器本体11の上の端部11aにおける内周輪郭形状と同等の外周輪郭形状を有する。容器本体11は円筒形状を有することから、フィルタ本体15は、円板形状を有する。上の端部11aにおける内径と、フィルタ本体15の外径とが略同じである。
【0036】
本開示において「同等」「略同じ」は、完全に一致する場合以外に、微小寸法について異なっている場合を含む。微小寸法は、例えば、容器本体11の内径の5%以下の値である。
【0037】
フィルタ本体15は、容器本体11の内部空間11bに露出する内面23と、その内面23と反対の外面24とを有する。溶液L及び洗浄液は、内面23と外面24との間を通過する。内面23及び外面24はそれぞれ平坦状の面である。
【0038】
〔第一のリング16〕
リング16は、フィルタ本体15の外周に取り付けられ、フィルタ本体15と一体となる。リング16は、中実の部材であり、液の浸入及び浸透が不能である。リング16は、例えば、金属製又は樹脂製である。リング16とフィルタ本体15とは、冷やし嵌めにより一体化される。リング16とフィルタ本体15とは、取り付け状態で、相互間で締め代を有して密着している。これらの一体化強度を高めるために、リング16は、その内周に凹部35(図3参照)を有する。本実施形態の場合、凹部35はリング16の全周に設けられていて、凹溝となる。凹部35の開口縁が、フィルタ本体15に引っかかることで、一体化強度が高まる。リング16は、フィルタ本体15の取り付け部材として機能する。
【0039】
リング16は、内フランジ13と外フランジ14との間に位置する。具体的には、フィルタ本体15と一体となるリング16は、内フランジ13と外フランジ14との間に設けられる環状の空間25に位置する。
図3は、リング16の一部及びその周囲を示す拡大断面図である。リング16は、断面矩形状のリング本体16aと、リング本体16aから径方向の内側に突出している突出部16bとを有する。突出部16bは、環状であり、リング本体16aよりも軸方向の寸法が小さく、リング本体16aの軸方向の中央部に位置する。突出部16bの軸方向の両側に、内パッキン17及び外パッキン27が位置する。
【0040】
突出部16bの軸方向の両側に位置する内パッキン17及び外パッキン27それぞれは、径方向の外側に変位すると、リング本体16aと接触可能である。この構成により、内パッキン17及び外パッキン27それぞれが、径方向の外側に位置ずれすることを抑えることが可能である。
【0041】
リング本体16aと内フランジ13との間に、シール部材(Oリング)37が設けられている。リング本体16aと外フランジ14との間に、シール部材(Oリング)38が設けられている。リング16と内フランジ13との間は、内パッキン17によって止水され、リング16と外パッキン27との間は、外パッキン27によって止水される。シール部材37,38は、補助用の止水部材である。
【0042】
〔第一の内パッキン17〕
内パッキン17は、弾性変形可能な環状の部材であり、本実施形態の場合、ゴム製である。内パッキン17は、液体を浸透させない。内パッキン17は、内フランジ13とリング16の突出部16bとの間に介在する。内パッキン17は、内パッキンボディ18と、内側抜け止め部19とを有する。内パッキンボディ18は、内フランジ13とリング16とに挟まれて、容器本体11の中心軸Cに平行な方向(軸方向)に圧縮状態となる。内側抜け止め部19は、内パッキンボディ18の内周側の一部に存在している。内側抜け止め部19は、フィルタ本体15の内面23の外周縁部23aに対して、軸方向から接触する。
【0043】
内パッキンボディ18は、その内周部に、フィルタ本体15の外周面15aに接触する内周面20を有する接触部21と、フィルタ本体15の外周面15aに接触しない非接触部22とを有する。
図3に示す形態の場合、内側抜け止め部19は、内パッキンボディ18が軸方向について弾性圧縮変形することによって、径方向の内側に突出している弾性変形部分である。その弾性変形部分(内側抜け止め部19)は、接触部21の内周面20よりも反応容器10の中心線C側(径方向の内側)に突出している。図3は、内フランジ13と外フランジ14とを結合した状態(結合状態)を示している。
【0044】
図4は、内フランジ13と外フランジ14とを結合する前の状態を示す断面図である。この状態で、内フランジ13とリング16の突出部16bとの間の内パッキンボディ18は、軸方向に圧縮状態となっていない。この状態で、内パッキンボディ18の軸方向の寸法(代表位置)は「J1」である。図3に示す結合状態において、突出部16bと、内フランジ13のフランジ面41との間の軸方向の寸法(代表位置)は「H1」である。内パッキンボディ18の径方向の各位置において、内パッキンボディ18の軸方向の寸法J1は、前記各位置に対応する位置での突出部16bとフランジ面41との間の軸方向の寸法H1よりも大きい(J1>H1)。
【0045】
このため、接触部21及び非接触部22を含む内パッキンボディ18が軸方向について弾性圧縮変形することで(図3参照)、非接触部22が、径方向の内側に押し出され、更に、径方向の内側に膨らむように弾性変形し、その弾性変形した部分が、内側抜け止め部19となる。このように、内フランジ13とリング16との間に介在する内パッキン17が、内フランジ13によって押し付けられることで、内側抜け止め部19が得られる。
【0046】
非接触部22は、径方向の内側に向かうにしたがって、内フランジ13側に接近する傾斜面46を有する。内フランジ13は、傾斜面46が接触する接触面47を有する。接触面47は、径方向の内側に向かうにしたがって、非接触部22から離れる傾斜形状を有する。接触面47に傾斜面46が接触した状態となって、非接触部22は弾性圧縮変形する。非接触部22の傾斜面46は、接触面47に対して、弾性圧縮変形を径方向の成分(中心線Cの直交成分)も有して接触するので、傾斜面46は、内パッキン17が、溶液L又は洗浄液の液圧によって、径方向の外側に位置ずれすることを抑えるストッパ部として機能する。
【0047】
内パッキン17は弾性変形していない自然状態で、接触部21の内周輪郭形状は、フィルタ本体15の外周輪郭形状よりも小さい。フィルタ本体15は、円板状であり、内パッキン17は円環状である。このため、前記自然状態で、接触部21の内径は、フィルタ本体15の外径よりも小さい。この構成により、内パッキン17は、フィルタ本体15の外周面15aに取り付けられた状態で(図4参照)、内パッキン17の弾性復元力により、フィルタ本体15と一体となり、取り扱いが容易となる。
【0048】
〔第一の外パッキン27〕
第一のフィルタ構造部12において、外パッキン27は、内パッキン17と同じ形状である。取り付け向きが、外パッキン27と内パッキン17とで上下反対となる。
外パッキン27は、弾性変形可能な環状の部材であり、本実施形態の場合、ゴム製である。外パッキン27は、液体を浸透させない。外パッキン27は、外フランジ14とリング16の突出部16bとの間に介在する。外パッキン27は、外パッキンボディ28と、外側抜け止め部29とを有する。外パッキンボディ28は、外フランジ14とリング16とに挟まれて、容器本体11の中心軸Cに平行な方向(軸方向)に圧縮状態となる。外側抜け止め部29は、外パッキンボディ28の内周側の一部に存在している。外側抜け止め部29は、フィルタ本体15の外面24の外周縁部24aに対して、軸方向から接触する。
【0049】
外パッキンボディ28は、その内周部に、フィルタ本体15の外周面15aに接触する内周面30を有する接触部31と、フィルタ本体15の外周面15aに接触しない非接触部32とを有する。
図3に示す形態の場合、外側抜け止め部29は、外パッキンボディ28が軸方向について弾性圧縮変形することによって、径方向の内側に突出している弾性変形部分である。その弾性変形部分(外側抜け止め部29)は、接触部31の内周面30よりも反応容器10の中心線C側(径方向の内側)に突出している。図3は、内フランジ13と外フランジ14とを結合した状態(結合状態)を示している。
【0050】
図4は、内フランジ13と外フランジ14とを結合する前の状態を示す断面図である。この状態で、外フランジ14とリング16の突出部16bとの間の外パッキンボディ28は、軸方向に圧縮状態となっていない。この状態で、外パッキンボディ28の軸方向の寸法(代表位置)は「J2」である。図3に示す結合状態において、突出部16bと、外フランジ14のフランジ面42との間の軸方向の寸法(代表位置)は「H2」である。外パッキンボディ28の径方向の各位置において、外パッキンボディ28の軸方向の寸法J2は、前記各位置に対応する位置での突出部16bとフランジ面42との間の軸方向の寸法H2よりも大きい(J2>H2)。
【0051】
このため、接触部31及び非接触部32を含む外パッキンボディ28が軸方向について弾性圧縮変形することで(図3参照)、非接触部32が、径方向の内側に押し出され、更に、径方向の内側に膨らむように弾性変形し、その弾性変形した部分が、外側抜け止め部29となる。このように、外フランジ14とリング16との間に介在する外パッキン27が、外フランジ14によって押し付けられることで、外側抜け止め部29が得られる。
【0052】
非接触部32は、径方向の内側に向かうにしたがって、外フランジ14側に接近する傾斜面48を有する。外フランジ14は、傾斜面48が接触する接触面49を有する。接触面49は、径方向の内側に向かうにしたがって、非接触部32から離れる傾斜形状を有する。接触面49に傾斜面48が接触した状態となって、非接触部32は弾性圧縮変形する。
非接触部32の傾斜面48は、接触面49に対して、弾性圧縮変形を径方向の成分(中心線Cの直交成分)も有して接触するので、傾斜面48は、外パッキン27が、溶液L又は洗浄液の液圧によって、径方向の外側に位置ずれすることを抑えるストッパ部として機能する。
【0053】
外パッキン27は弾性変形していない自然状態で、接触部31の内周輪郭形状は、フィルタ本体15の外周輪郭形状よりも小さい。フィルタ本体15は、円板状であり、外パッキン27は円環状である。このため、前記自然状態で、接触部31の内径は、フィルタ本体15の外径よりも小さい。この構成により、外パッキン27は、フィルタ本体15の外周面15aに取り付けられた状態で(図4参照)、外パッキン27の弾性復元力により、フィルタ本体15と一体となり、取り扱いが容易となる。
【0054】
〔下に位置する第二のフィルタ構造部12について〕
図2において、下のフィルタ構造部12は、環状である第二の内フランジ13と、第二の外フランジ14と、板状である第二のフィルタ本体15と、環状である第二のリング16と、環状である第二の内パッキン17と、環状である第二の外パッキン27とを有する。
【0055】
〔第二の内フランジ13及び第二の外フランジ14〕
内フランジ13は、容器本体11の下の端部11aと繋がる。内フランジ13は、容器本体11の下の端部11aの内周輪郭形状と同等形状の孔13aを有する。外フランジ14は、内フランジ13と重なり、図外の締結部材(ボルト・ナット)によって内フランジ13と結合される。
内フランジ13は、第一の孔13aと繋がる第二の孔13bを有する。第二の孔13bは、第一の孔13aよりも大きい孔であり、外フランジ14との合わせ面で開口する。内フランジ13と外フランジ14とが結合された状態で、第二の孔13bにより、フィルタ本体15と一体となるリング16を取り付けるための環状の空間25が設けられる。
【0056】
〔第二のフィルタ本体15〕
フィルタ本体15に関して、上に位置する第一のフィルタ構造部12と下に位置する第二のフィルタ構造部12とで同じである。ここでは、その説明を省略する。
〔第二のリング16〕
リング16は、フィルタ本体15の外周に取り付けられ、フィルタ本体15と一体となる。リング16は、中実の部材であり、液の浸入及び浸透が不能である。リング16は、例えば、金属製又は樹脂製である。リング16とフィルタ本体15とは、冷やし嵌めにより一体化される。リング16とフィルタ本体15とは、取り付け状態で、相互間で締め代を有して密着している。これらの一体化強度を高めるために、リング16は、その内周に凹部35(図5参照)を有する。本実施形態の場合、凹部35はリング16の全周に設けられていて、凹溝となる。凹部35の開口縁が、フィルタ本体15に引っかかることで、一体化強度が高まる。リング16は、フィルタ本体15の取り付け部材として機能する。
【0057】
リング16は、内フランジ13と外フランジ14との間に位置する。具体的には、フィルタ本体15と一体となるリング16は、内フランジ13と外フランジ14との間に設けられる環状の空間25に位置する。
図5は、下のフィルタ構造部12が有するリング16の一部及びその周囲を示す拡大断面図である。リング16は、断面矩形状のリング本体16aと、リング本体16aから径方向の内側に突出している突出部16bとを有する。突出部16bは、環状であり、リング本体16aよりも軸方向の寸法が小さく、リング本体16aの軸方向の中央部及び外フランジ14側の部分に位置する。突出部16bの外フランジ14側の面16dは、リング本体16aの外フランジ14側の面16eと、同一平面にある。突出部16bの軸方向の両側に、内パッキン17及び外パッキン27が位置する。リング16における、内パッキン17の取り付け部の構成は、上の第一のフィルタ構造部12(図3参照)と同じである。
【0058】
図5において、リング本体16aと内フランジ13との間に、シール部材(Oリング)37が設けられている。リング本体16aと外フランジ14との間に、シール部材(Oリング)38が設けられている。リング16と内フランジ13との間は、内パッキン17によって止水され、リング16と外パッキン27との間は、外パッキン27によって止水される。シール部材37,38は、補助用の止水部材である。
〔第二の内パッキン17〕
内パッキン17に関して、上に位置する第一のフィルタ構造部12と下に位置する第二のフィルタ構造部12とで同じである。ここでは、その説明を省略する。なお、内パッキン17の構成は、次に説明する外パッキン27と同じ構成であってもよい。ただし、この場合、取り付け向きが、外パッキン27と内パッキン17とで上下反対となる。
【0059】
〔第二の外パッキン27〕
図5に示す第二のフィルタ構造部12において、外パッキン27は、内パッキン17と異なる形状である。なお、外パッキン27についても、図示しないが、上に位置する第一のフィルタ構造部12と下に位置する第二のフィルタ構造部12とで同じであってもよい。
【0060】
外パッキン27は、弾性変形可能な環状の部材であり、本実施形態の場合、ゴム製である。外パッキン27は、液体を浸透させない。外パッキン27は、外フランジ14とリング16の突出部16bとの間に介在する。外パッキン27は、外パッキンボディ28と、外側抜け止め部29とを有する。外パッキンボディ28は、外フランジ14とリング16とに挟まれて、容器本体11の中心軸Cに平行な方向(軸方向)に圧縮状態となる。外側抜け止め部29は、外パッキンボディ28の内周側の軸方向全体にわたって存在している。外側抜け止め部29は、フィルタ本体15の外面24の外周縁部24aに対して、軸方向から接触する。
【0061】
外パッキン27が弾性変形していない自然状態で、外側抜け止め部29の内周輪郭形状は、フィルタ本体15の外周輪郭形状よりも小さい。フィルタ本体15は、円板状であり、外パッキン27は円環状である。このため、前記自然状態で、環状である外側抜け止め部29の内径は、フィルタ本体15の外径よりも小さい。この構成により、外パッキン27を大きく圧縮弾性変形させなくても、外側抜け止め部29は、フィルタ本体15の外面24の外周縁部24aに対して接触する構成が得られる。図5に示す第二のフィルタ構造部12の場合、外パッキン27は、軸方向に弾性変形しなくても、外側抜け止め部29は、リング16の内周面16cから径方向の内側にはみ出す。
【0062】
外パッキン27は、外フランジ14に対して径方向の成分(中心線Cの直交成分)を有する方向から接触するストッパ部50を有する。ストッパ部50は、外側抜け止め部29から軸方向に延びて設けられている部分である。ストッパ部50によれば、外パッキン27が、溶液L又は洗浄液の液圧によって、径方向の外側に位置ずれすることを抑えることが可能となる。
【0063】
〔本実施形態の反応容器10について〕
以上のように、本実施形態の反応容器10は(図2参照)、多数の担体Bが収容されると共に液Lが供給される筒状の容器本体11と、容器本体11の上下の端部11aに位置する上下のフィルタ構造部12とを有する。上に位置する第一のフィルタ構造部12、及び、下に位置する第二のフィルタ構造部12それぞれは、容器本体11の端部11aと繋がる環状の内フランジ13と、内フランジ13と重なる外フランジ14と、板状のフィルタ本体15と、フィルタ本体15の外周に取り付けられるリング16と、環状の内パッキン17と、環状の外パッキン27とを有する。
【0064】
フィルタ本体15は、容器本体11の端部11aにおける内周輪郭形状と同等の外周輪郭形状を有する。リング16は、フィルタ本体15と一体となると共に、内フランジ13と外フランジ14との間に位置する。内パッキン17は、内フランジ13の内周部とリング16の内周部との間に介在する。外パッキン27は、外フランジ14の内周部とリング16の内周部との間に介在する。
【0065】
本実施形態の反応容器10によれば、上下それぞれのフィルタ構造部12において、フィルタ本体15の取り付けのために、内フランジ13と外フランジ14との間に環状の空間25が存在する。フィルタ本体15の外周にリング16が取り付けられ、そのリング16と内フランジ13との間に内パッキン17が介在し、そのリング16と外フランジ14との間に外パッキン27が介在する。この構成により、フィルタ本体15を通過する液が、フィルタ本体15の外周面15aを越えて、環状の空間25に浸入することを抑えることが可能となる。
【0066】
フィルタ本体15は、容器本体11の端部11aにおける内周輪郭形状と同等の外周輪郭形状を有する。このため、フィルタ本体15を通過する洗浄液によって、そのフィルタ本体15の全体の洗浄が可能となる。
以上より、上下それぞれのフィルタ構造部12において、溶液Lが残留し難くなる。
本実施形態の反応容器10によれば、内パッキン17により、担体Bが内フランジ13とリング16との間に留まることを防ぐことが可能となる。
【0067】
内パッキン17は、内フランジ13とリング16とに挟まれて軸方向に圧縮状態となる内パッキンボディ18と、内パッキンボディ18の内周側に存在している内側抜け止め部19とを有する。上の第一のフィルタ構造部12では(図3及び図4)、内側抜け止め部19は、内パッキンボディ18の内周側の一部に存在している。下の第二のフィルタ構造部12では(図5)、内側抜け止め部19は、内パッキンボディ18の内周側の一部に存在している。上の第一のフィルタ構造部12及び下の第二のフィルタ構造部12それぞれにおいて、内側抜け止め部19は、フィルタ本体15のうちの容器本体11の内部空間11bに露出する内面23に対して接触する。
【0068】
外パッキン27は、外フランジ14とリング16とに挟まれて軸方向に圧縮状態となる外パッキンボディ28と、外パッキンボディ28の内周側の少なくとも一部に存在している外側抜け止め部29とを有する。上の第一のフィルタ構造部12では(図3及び図4)、外側抜け止め部29は、外パッキンボディ28の内周側の一部に存在している。下の第二のフィルタ構造部12では(図5)、外側抜け止め部29は、外パッキンボディ28の内周側の全部に存在している。上の第一のフィルタ構造部12及び下の第二のフィルタ構造部12それぞれにおいて、外側抜け止め部29は、フィルタ本体15のうちの内面23と反対の外面24に対して接触する。
【0069】
これら内パッキン17及び外パッキン27の構成によれば、フィルタ本体15はリング16と一体となるが、溶液L又は洗浄液が通過する際の液圧によってフィルタ本体15がリング16から脱落しようとしても、内側抜け止め部19又は外側抜け止め部29が、それを防ぐことが可能となる。
【0070】
〔その他について〕
前記の形態では、内パッキン17(内パッキンボディ18)及び外パッキン27(外パッキンボディ28)それぞれは、略矩形断面を有するが、図示する形状以外であってもよい。
リング16の断面形状について、図示した形態以外であってもよい。
【0071】
今回開示した実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0072】
10 反応容器 11 容器本体 11a 端部
11b 内部空間 12 フィルタ構造部 13 内フランジ
14 外フランジ 15 フィルタ本体 15a 外周面
16 リング 17 内パッキン 18 内パッキンボディ
19 内側抜け止め部 20 内周面 21 接触部
22 非接触部 23 内面 24 外面
27 外パッキン 28 外パッキンボディ 29 外側抜け止め部
35 凹部 50 ストッパ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6