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特開2024-100367画像形成装置、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100367
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】画像形成装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240719BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20240719BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
G03G21/00 510
B65H7/02
G03G15/00 420
G03G15/00 303
G03G21/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004322
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】山田 竜利
【テーマコード(参考)】
2H072
2H270
3F048
【Fターム(参考)】
2H072AA09
2H072AA16
2H072AA22
2H072AA30
2H072CA01
2H072JA02
2H270LA24
2H270LA28
2H270LA37
2H270LC04
2H270LC05
2H270LC11
2H270LC12
2H270LD03
2H270LD09
2H270LD14
2H270LD15
2H270MA35
2H270MB07
2H270MC56
2H270MD02
2H270MD10
2H270MH13
2H270RA15
2H270RB01
2H270RC04
2H270ZC04
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA06
3F048BB08
3F048CA02
3F048DA06
3F048DB13
3F048DB16
3F048DB19
3F048DC00
3F048DC13
3F048DC14
3F048EB29
3F048EB39
(57)【要約】
【課題】複数枚のシートが連続搬送されているとき、スループットを大幅に低下させることなく、シートの種類を適切に検出できるようにする。
【解決手段】画像形成装置1は、環境情報を取得する環境センサー19と、環境センサー19が取得した環境情報を記憶する記憶部41と、シートを搬送する搬送部2と、搬送部2によって搬送されるシートの物性値を検出する検出センサー30と、搬送部2によって複数枚のシートが連続搬送されているとき、先のシートが検出センサー30による検出位置を通過した後、次のシートが検出位置へ到達するまでのシート間において検出センサー30のキャリブレーションを実行可能な制御部5と、を備える。制御部5は、環境センサー19によって取得される環境情報と、記憶部41に記憶された過去の環境情報とに基づいて、次のシート間においてキャリブレーションを実行するか否かを決定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境情報を取得する環境センサーと、
前記環境センサーが取得した環境情報を記憶する記憶部と、
シートを搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されるシートの物性値を検出する検出センサーと、
前記搬送部によって複数枚のシートが連続搬送されているとき、先のシートが前記検出センサーによる検出位置を通過した後、次のシートが前記検出位置へ到達するまでのシート間において前記検出センサーのキャリブレーションを実行可能な制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記環境センサーによって取得される環境情報と前記記憶部に記憶された過去の環境情報とに基づいて、次のシート間において前記キャリブレーションを実行するか否かを決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前回の前記キャリブレーション実行時に前記環境センサーが取得した環境情報を記憶し、
前記制御部は、前回の前記キャリブレーションが実行された後に前記環境センサーによって取得される環境情報と、前記記憶部に記憶されている過去の環境情報とに基づき、前回の前記キャリブレーションの実行時からの環境変化を判断して前記キャリブレーションを実行するか否かを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前回の前記キャリブレーションの実行時からの環境変化がないと判断した場合、次のシート間において前記キャリブレーションを実行しないことを決定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前回の前記キャリブレーションの実行時からの環境変化があると判断した場合、次のシート間において前記キャリブレーションを実行することを決定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前回の前記キャリブレーションの実行時に前記環境センサーによって取得された第1の環境情報と、前回の前記キャリブレーションが実行された後に前記環境センサーによって取得される第2の環境情報との差分が所定範囲を超えている場合に環境変化があると判断することを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記差分が前記所定範囲を超えていない場合、前記検出センサーによって検出されるシートの物性値を前記差分に基づいて補正することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記環境センサーは、温度センサーを含み、前記搬送部の温度を検出することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、次のシート間において前記キャリブレーションを実行することを決定した場合、前記搬送部による次のシートの搬送動作を一時停止させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記搬送部による次のシートの搬送動作を一時停止させた状態で前記キャリブレーションを実行し、前記キャリブレーションが終了した後に、前記搬送部による次のシートの搬送動作を再開させることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記キャリブレーションにおいて、前記検出位置にシートが存在しない状態で前記検出センサーによる検出動作を行わせ、前記検出動作の結果に基づいて前記検出センサーの出力補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記検出センサーによって検出されるシートの物性値に基づき、前記搬送部によるシートの搬送速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記搬送部によって搬送されるシートに画像を形成する画像形成部を更に備え、
前記制御部は、前記検出センサーによって検出されるシートの物性値に基づき、前記画像形成部に設定される画像形成パラメータを決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記搬送部によって複数枚のシートが連続搬送されているとき、前記検出位置をシートが通過する度に、前記検出センサーにシートの物性値を検出する動作を行わせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記検出センサーによって検出されるシートの物性値が変化した場合、次のジョブの開始時に前記搬送部によって最初に搬送されるシートの搬送速度を第1の速度に設定し、前記第1の速度で搬送されるシートが前記検出位置を通過するときに前記検出センサーにシートの物性値を所定回数検出させ、所定回数検出されたシートの物性値に基づいてそれ以降に搬送されるシートの搬送速度を前記第1の速度よりも高速の第2の速度に設定することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記搬送部によって最初に搬送されるシートの搬送速度を第1の速度に設定し、前記第1の速度で搬送されるシートが前記検出位置を通過するときに前記検出センサーにシートの物性値を所定回数検出させ、所定回数検出されたシートの物性値に基づいて2枚目以降のシートの搬送速度を前記第1の速度よりも高速の第2の速度に設定し、前記第2の速度で搬送されるシートが前記検出位置を通過するときには前記検出センサーに前記所定回数よりも少ない回数でシートの物性値を検出させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記制御部は、シート束の補充が行われたとき、又は、ジョブの実行を開始するとき、前記搬送部によって最初に搬送されるシートの搬送速度を前記第1の速度に設定することを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記検出センサーは、光センサー又は超音波センサーによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項18】
環境情報を取得する環境センサーと、
シートを搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されるシートの物性値を検出する検出センサーと、
を備える画像形成装置の制御方法であって、
前記搬送部によって複数枚のシートが連続搬送されているとき、先のシートが前記検出センサーによる検出位置を通過した後、次のシートが前記検出位置へ到達するまでのシート間において前記検出センサーのキャリブレーションを実行する第1ステップと、
前記環境センサーによって取得される環境情報を所定の記憶部に記憶させる第2ステップと、
前記第2ステップが行われた後、前記環境センサーによって取得される環境情報と、前記記憶部に記憶されている過去の環境情報とに基づいて、次のシート間において前記キャリブレーションを実行するか否かを決定する第3ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項19】
環境情報を取得する環境センサーと、
シートを搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されるシートの物性値を検出する検出センサーと、
を備える画像形成装置において実行されるプログラムであって、前記画像形成装置に、
前記搬送部によって複数枚のシートが連続搬送されているとき、先のシートが前記検出センサーによる検出位置を通過した後、次のシートが前記検出位置へ到達するまでのシート間において前記検出センサーのキャリブレーションを実行する第1ステップと、
前記環境センサーによって取得される環境情報を所定の記憶部に記憶させる第2ステップと、
前記第2ステップが行われた後、前記環境センサーによって取得される環境情報と、前記記憶部に記憶されている過去の環境情報とに基づいて、次のシート間において前記キャリブレーションを実行するか否かを決定する第3ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripherals)などの画像形成装置は、印刷用紙などの複数枚のシートを収容可能なシート収容部を備え、シート収容部からシートを1枚ずつ搬送し、搬送中のシートに画像形成を行って出力する。この種の画像形成装置において、画像形成に用いられるシートの種類は様々である。画像形成装置は、シートの種類に適した動作を行うことにより、シートに高品質な画像を形成することができる。
【0003】
従来、上記のような画像形成装置において、シート収容部に収容されているシートの種類を検出する光センサーを設けたものが知られている(例えば、特許文献1)。この従来技術では、シート収容部に収容されているシートに光を照射し、その反射光を検出して演算を行うことによりシートの種類を判別する。
【0004】
ところで、光センサーなどのセンサー感度は、温度や湿度などによって変化することが知られている。そのため、光センサーなどを用いてシートの種類を正確に判別するためには、定期的又は不定期にセンサーのキャリブレーション(校正処理)を行う必要がある。しかし、電源投入直後の場合には、装置内の温度が低いため、そのタイミングでセンサーのキャリブレーションを行ってしまうと、その後のウォームアップなどによって装置内の温度が上昇したときにシートの種類を正確に判別することができなくなる。それを防止するため、特許文献1の画像形成装置は、装置内の温度が低い場合にはセンサーのキャリブレーションを行わず、装置内の温度が上昇して所定温度の範囲内である場合にセンサーのキャリブレーションを行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-223740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像形成装置のシート収容部には、異なる種類のシートが混在していることがある。例えば、シート収容部にシートが残っている状態でユーザーがシートを補充した場合、補充されたシートの種類がそれ以前のシートの種類と異なれば、シート収容部に複数種類のシートが混在することとなる。シート収容部に複数種類のシートが混在していることを想定すると、シートの種類を検出するためのセンサーをシートの搬送路に設置し、搬送路に沿ってシートが搬送されているときに1枚ずつシートの種類を検出することが望ましい。そのような構成を採用することにより、複数枚のシートが連続搬送される場合であっても、1枚ずつシートの種類を検出することが可能であり、シートの種類が変わると、リアルタイムにシート種類の変化を検知することができる。
【0007】
画像形成装置において複数枚のシートが連続搬送される場合にも、装置内の環境状態(温度や湿度など)は逐次変化することがある。そのような環境変化に伴うセンサー感度の変化を補正するため、センサーのキャリブレーションは、シートの種類を検出する直前のタイミングで行うことが好ましい。すなわち、複数枚のシートが連続搬送される場合、センサーのキャリブレーションは、先のシートがセンサーによる検出位置を通過した後、次のシートがセンサーによる検出位置へ到達するまでの期間に行うことが好ましい。
【0008】
複数枚のシートが連続搬送されるとき、画像形成装置は、スループットを向上させるため、先のシートと次のシートとのシート間隔を短い間隔に設定する。例えば、1分間に75枚のシートを出力する場合、シート間隔は約160msとなる。また、1分間に20枚のシートを出力する場合、シート間隔は約1550msとなる。
【0009】
これに対し、センサーのキャリブレーションには、一定の時間を要する。例えば、センサーのキャリブレーションには1.8s程度の時間を要する。そのため、複数枚のシートが連続搬送されているとき、先のシートと次のシートとのシート間隔においてキャリブレーションを正常に行うことができない。
【0010】
そこで、複数枚のシートが連続搬送されるときにセンサーのキャリブレーションを正常に行うためには、先のシートと次のシートとのシート間隔を広げる必要がある。しかし、先のシートと次のシートとのシート間隔を広げた状態で、センサーのキャリブレーションを毎回実行しようとすると、画像形成装置のスループットが大幅に低下してしまうという問題がある。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、スループットを大幅に低下させることなく、シートの種類を適切に検出できるようにした画像形成装置、制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像形成装置であって、環境情報を取得する環境センサーと、前記環境センサーが取得した環境情報を記憶する記憶部と、シートを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送されるシートの物性値を検出する検出センサーと、前記搬送部によって複数枚のシートが連続搬送されているとき、先のシートが前記検出センサーによる検出位置を通過した後、次のシートが前記検出位置へ到達するまでのシート間において前記検出センサーのキャリブレーションを実行可能な制御部と、を備え、前記制御部は、前記環境センサーによって取得される環境情報と前記記憶部に記憶された過去の環境情報とに基づいて、次のシート間において前記キャリブレーションを実行するか否かを決定することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項2に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記記憶部は、前回の前記キャリブレーション実行時に前記環境センサーが取得した環境情報を記憶し、前記制御部は、前回の前記キャリブレーションが実行された後に前記環境センサーによって取得される環境情報と、前記記憶部に記憶されている過去の環境情報とに基づき、前回の前記キャリブレーションの実行時からの環境変化を判断して前記キャリブレーションを実行するか否かを決定することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項2の画像形成装置において、前記制御部は、前回の前記キャリブレーションの実行時からの環境変化がないと判断した場合、次のシート間において前記キャリブレーションを実行しないことを決定することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項2の画像形成装置において、前記制御部は、前回の前記キャリブレーションの実行時からの環境変化があると判断した場合、次のシート間において前記キャリブレーションを実行することを決定することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項5に係る発明は、請求項3又は4の画像形成装置において、前記制御部は、前回の前記キャリブレーションの実行時に前記環境センサーによって取得された第1の環境情報と、前回の前記キャリブレーションが実行された後に前記環境センサーによって取得される第2の環境情報との差分が所定範囲を超えている場合に環境変化があると判断することを特徴とする構成である。
【0017】
請求項6に係る発明は、請求項5の画像形成装置において、前記制御部は、前記差分が前記所定範囲を超えていない場合、前記検出センサーによって検出されるシートの物性値を前記差分に基づいて補正することを特徴とする構成である。
【0018】
請求項7に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記環境センサーは、温度センサーを含み、前記搬送部の温度を検出することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項8に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記制御部は、次のシート間において前記キャリブレーションを実行することを決定した場合、前記搬送部による次のシートの搬送動作を一時停止させることを特徴とする構成である。
【0020】
請求項9に係る発明は、請求項8の画像形成装置において、前記制御部は、前記搬送部による次のシートの搬送動作を一時停止させた状態で前記キャリブレーションを実行し、前記キャリブレーションが終了した後に、前記搬送部による次のシートの搬送動作を再開させることを特徴とする構成である。
【0021】
請求項10に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記制御部は、前記キャリブレーションにおいて、前記検出位置にシートが存在しない状態で前記検出センサーによる検出動作を行わせ、前記検出動作の結果に基づいて前記検出センサーの出力補正を行うことを特徴とする構成である。
【0022】
請求項11に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記制御部は、前記検出センサーによって検出されるシートの物性値に基づき、前記搬送部によるシートの搬送速度を決定することを特徴とする構成である。
【0023】
請求項12に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記搬送部によって搬送されるシートに画像を形成する画像形成部を更に備え、前記制御部は、前記検出センサーによって検出されるシートの物性値に基づき、前記画像形成部に設定される画像形成パラメータを決定することを特徴とする構成である。
【0024】
請求項13に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記制御部は、前記搬送部によって複数枚のシートが連続搬送されているとき、前記検出位置をシートが通過する度に、前記検出センサーにシートの物性値を検出する動作を行わせることを特徴とする構成である。
【0025】
請求項14に係る発明は、請求項13の画像形成装置において、前記制御部は、前記検出センサーによって検出されるシートの物性値が変化した場合、次のジョブの開始時に前記搬送部によって最初に搬送されるシートの搬送速度を第1の速度に設定し、前記第1の速度で搬送されるシートが前記検出位置を通過するときに前記検出センサーにシートの物性値を所定回数検出させ、所定回数検出されたシートの物性値に基づいてそれ以降に搬送されるシートの搬送速度を前記第1の速度よりも高速の第2の速度に設定することを特徴とする構成である。
【0026】
請求項15に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記制御部は、前記搬送部によって最初に搬送されるシートの搬送速度を第1の速度に設定し、前記第1の速度で搬送されるシートが前記検出位置を通過するときに前記検出センサーにシートの物性値を所定回数検出させ、所定回数検出されたシートの物性値に基づいて2枚目以降のシートの搬送速度を前記第1の速度よりも高速の第2の速度に設定し、前記第2の速度で搬送されるシートが前記検出位置を通過するときには前記検出センサーに前記所定回数よりも少ない回数でシートの物性値を検出させることを特徴とする構成である。
【0027】
請求項16に係る発明は、請求項15の画像形成装置において、前記制御部は、シート束の補充が行われたとき、又は、ジョブの実行を開始するとき、前記搬送部によって最初に搬送されるシートの搬送速度を前記第1の速度に設定することを特徴とする構成である。
【0028】
請求項17に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記検出センサーは、光センサー又は超音波センサーによって構成されることを特徴とする構成である。
【0029】
請求項18に係る発明は、環境情報を取得する環境センサーと、シートを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送されるシートの物性値を検出する検出センサーと、を備える画像形成装置の制御方法であって、前記搬送部によって複数枚のシートが連続搬送されているとき、先のシートが前記検出センサーによる検出位置を通過した後、次のシートが前記検出位置へ到達するまでのシート間において前記検出センサーのキャリブレーションを実行する第1ステップと、前記環境センサーによって取得される環境情報を所定の記憶部に記憶させる第2ステップと、前記第2ステップが行われた後、前記環境センサーによって取得される環境情報と、前記記憶部に記憶されている過去の環境情報とに基づいて、次のシート間において前記キャリブレーションを実行するか否かを決定する第3ステップと、を有することを特徴とする構成である。
【0030】
請求項19に係る発明は、環境情報を取得する環境センサーと、シートを搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送されるシートの物性値を検出する検出センサーと、を備える画像形成装置において実行されるプログラムであって、前記画像形成装置に、前記搬送部によって複数枚のシートが連続搬送されているとき、先のシートが前記検出センサーによる検出位置を通過した後、次のシートが前記検出位置へ到達するまでのシート間において前記検出センサーのキャリブレーションを実行する第1ステップと、前記環境センサーによって取得される環境情報を所定の記憶部に記憶させる第2ステップと、前記第2ステップが行われた後、前記環境センサーによって取得される環境情報と、前記記憶部に記憶されている過去の環境情報とに基づいて、次のシート間において前記キャリブレーションを実行するか否かを決定する第3ステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数枚のシートが連続搬送されているとき、スループットを大幅に低下させることなく、シートの種類を適切に検出することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】画像形成装置の一構成例を示す図である。
図2】検出センサーの構成例を示す図である。
図3】キャリブレーション実行時の検出センサーを例示する図である。
図4】制御部の機能構成を示すブロック図である。
図5】シート設定画面の一例を示す図である。
図6】制御情報の一例を示す図である。
図7】画像形成装置によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8】1枚目印刷処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】2枚目以降印刷処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図10】物性値検出処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態における画像形成装置1の内部構成の一例を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、電子写真方式で画像形成を行うことにより印刷ジョブを実行する装置であって、タンデム方式でカラー画像を形成することが可能な装置である。この画像形成装置1は、装置本体1aの内部に、印刷用紙などのシート9を1枚ずつ給紙して搬送する搬送部2と、搬送部2によって搬送されるシート9に対して画像形成を行う画像形成部3と、画像形成部3によってシート9に形成された画像を定着させる定着部4と、画像形成装置1の動作を制御する制御部5と、ユーザーが操作可能な操作パネル6と、を備えている。また、画像形成装置1は、装置本体1aの内部に、温度や湿度などの装置内の環境情報を取得する環境センサー19を備えている。
【0035】
搬送部2は、シート収容部10と、ピックアップローラー11と、給紙ローラー12と、搬送路13と、検出センサー30と、タイミングローラー(レジストローラー)14と、二次転写ローラー15と、排紙ローラー16とを有している。
【0036】
シート収容部10は、複数枚のシート9を積載収容可能なトレイであり、装置本体1aの底部に設けられおり、装置本体1aの底部に対して着脱可能である。例えば、シート収容部10にシート9を補充するとき、シート収容部10を装置本体1aの底部から引き出すことで簡単にシート9を補充することができる。
【0037】
ピックアップローラー11は、シート収容部10に収容されている複数枚のシート9のうちの最上部にあるシート9と接触し、所定方向(反時計回り方向)に回転駆動されることにより、少なくとも1枚のシート9を下流側へ送り出す。給紙ローラー12は、ピックアップローラー11の下流側に設けられ、ピックアップローラー11から送り出されるシート9を更に下流側の搬送路13へ供給する。給紙ローラー12は、駆動ローラー12aと従動ローラー12bとを備え、ピックアップローラー11から送り出されるシート9を駆動ローラー12aと従動ローラー12bとのニップに挟み込むことにより、最上部にある1枚目のシート9と2枚目以降のシート9とを分離するシート分離機能を有している。したがって、ピックアップローラー11によって2枚以上のシート9が送り出された場合であっても、給紙ローラー12は、最上部にある1枚目のシート9だけを下流側の搬送路13へ搬送することができる。
【0038】
給紙ローラー12によって搬送路13へ供給されるシート9は、搬送路13を矢印F2方向へ搬送される。その搬送路13の所定位置には、検出センサー30が設けられている。検出センサー30は、搬送部2によって搬送されるシート9の物性値を検出するセンサーである。検出センサー30によってシート9の物性値が検出されることにより、搬送部2によって搬送されるシート9のシート種類を特定することができる。検出センサー30としては、例えば光センサーや超音波センサーを用いることができる。本実施形態では、検出センサー30を光センサーで構成した例について説明する。
【0039】
また、搬送路13には、検出センサー30の下流側の所定位置にタイミングローラー14が設けられている。搬送路13に沿って搬送されるシート9は、その先端がタイミングローラー14のニップ部に到達すると一旦停止する。このとき、シート9の先端をタイミングローラー14のニップに押し付けた状態でシート9にループを形成することでシート9の斜行補正を行うことができる。
【0040】
タイミングローラー14は、画像形成部3によって形成される画像が二次転写ローラー15の位置に搬送されるタイミングを見計らって回転駆動され、シート9を二次転写ローラー15に向けて搬送する。シート9は、その二次転写ローラー15の位置を通過する際に、画像形成部3によって形成された画像(トナー像)がシート9の表面に二次転写される。
【0041】
二次転写ローラー15の位置で画像が転写されたシート9は、その後、定着部4に進入し、定着部4において加熱処理及び加圧処理が施される。これにより、シート9に転写された画像(トナー像)がシート9に定着する。定着部4は、加熱ローラー27と加圧ローラー28とを備えている。また、加熱ローラー27には、熱源であるハロゲンヒーター29が設けられている。このハロゲンヒーター29が点灯することにより、加熱ローラー27の表面が所定の定着温度に加熱される。そして加熱ローラー27及び加圧ローラー28は、画像(トナー像)が転写されたシート9が加熱ローラー27と加圧ローラー28とのニップを通過する際に加熱処理と加圧処理とを施し、画像(トナー像)をシート9に定着させる。したがって、シート9が定着部4を通過することにより、画像が印刷された1枚の印刷物が完成する。画像が定着したシート9は、排紙ローラー16によって排出口17から装置本体1aの上部に設けられた排紙トレイ18上に排出される。
【0042】
画像形成部3は、無端ベルトによって構成される中間転写ベルト23を有し、その中間転写ベルト23に、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色のトナー像を順次一次転写することにより、中間転写ベルト23の表面上にカラー画像を形成する。そして、中間転写ベルト23に形成したカラー画像が二次転写ローラー15に対向する位置を通過する際に、搬送部2によって搬送されるシート9の表面にカラー画像を二次転写させる。
【0043】
画像形成部3は、Y,M,C,Kの各色に対応する複数の露光ユニット21Y,21M,21C,21Kと、各色に対応する複数の画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kと、各画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kに対向して配置される一次転写ローラー22Y,22M,22C,22Kと、各色に対応する複数のトナーボトル26Y,26M,26C,26Kと、上述した中間転写ベルト23と、中間転写ベルト23を循環駆動する駆動ローラー25と、中間転写ベルト23の循環移動によって従動回転する従動ローラー24と、を備えている。尚、以下においては、各色の露光ユニット21Y,21M,21C,21Kを総称して露光ユニット21、各色の画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを総称して画像形成ユニット20、各色の一次転写ローラー22Y,22M,22C,22Kを総称して一次転写ローラー22、各色のトナーボトル26Y,26M,26C,26Kを総称してトナーボトル26と称す。
【0044】
露光ユニット21は、各色に対応する画像形成ユニット20の近傍位置に配置される。本実施形態の露光ユニット21は、各画像形成ユニット20の下方位置に設けられている。露光ユニット21は、半導体レーザーやLEDなどの光源を備え、各色に対応する画像形成ユニット20の像担持体(感光体ドラム)の表面に対して画像データに基づく走査光を照射することにより、像担持体の表面を露光して静電潜像を形成する。
【0045】
各色に対応する画像形成ユニット20は、中間転写ベルト23の下方位置に設けられている。また、トナーボトル26は、中間転写ベルト23の上部に配置され、各画像形成ユニット20に対応する色のトナーを含む現像剤を供給する。
【0046】
各画像形成ユニット20は、中間転写ベルト23を挟んで一次転写ローラー22に対向する位置に配置される。画像形成ユニット20は、一次転写ローラー22に対向するように配置される像担持体を備えている。像担持体は、例えば画像形成装置の手前側から奥側に向かって延設された感光体ドラムによって構成され、その表面に感光層を有している。画像形成ユニットにおいて画像形成が行われるとき、像担持体は所定方向(時計回り方向)に回転駆動される。画像形成ユニットは、その像担持体の周囲に、クリーナーと、帯電部と、現像器とを備えている。帯電部は、像担持体の表面を所定電荷に帯電させる。帯電部によって像担持体の表面が所定電荷に帯電すると、露光ユニット21からの照射される走査光によって像担持体の表面に静電潜像が形成される。現像器は、像担持体の表面にトナーとキャリアから成る現像剤を付与することにより、静電潜像をトナーで顕像化し、像担持体の表面にトナー像を形成する。このようにして像担持体の表面に形成されるトナー像は、矢印F1方向に循環移動する中間転写ベルト23と接触する際に一次転写ローラー22から印加されるバイアス電圧によって中間転写ベルト23に一次転写される。
【0047】
各画像形成ユニット20は、中間転写ベルト23に対して各色のトナー像を重畳的に一次転写させていくことにより、中間転写ベルト23の表面にカラー画像を形成する。このカラー画像は、中間転写ベルト23と一体的に矢印F1方向へ循環移動する。そして中間転写ベルト23が二次転写ローラー15と駆動ローラー25との間を通過するときに、カラー画像がタイミングローラー14から送り出されるシート9の表面に接合し、二次転写ローラー15から印加されるバイアス電圧によってシート9の表面に二次転写される。
【0048】
環境センサー19は、検出センサー30の近傍位置に設けられており、装置本体1aの内部の環境情報を取得する。環境センサー19は、温度センサー19aを搭載している。そのため、環境センサー19は、環境情報として、少なくとも装置本体1aの内部の温度情報を取得することができる。尚、環境センサー19は、温度センサーの他に、更に湿度センサーを備えたものであっても構わない。
【0049】
上記構成を有する画像形成装置1は、搬送路13に沿って搬送されるシート9の種類に応じてシート9の搬送速度及び画像形成部3の動作速度(例えば中間転写ベルト23の循環移動速度など)を調整すると共に、定着部4における定着動作(例えば定着温度など)を調整する。例えば、シート9が厚紙であれば、普通紙のときよりもシート9の搬送速度を低下させると共に、定着部4における定着温度を高い温度に設定する。これに対し、シート9が普通紙であれば、厚紙のときよりもシート9の搬送速度を上昇させると共に、定着部4における定着温度を低い温度に設定する。つまり、画像形成装置1は、シート9の種類に応じて最適な制御を行うことにより、シート9の種類に応じた最大限のスループットを確保しつつ、シート9に高品質な画像を形成する。
【0050】
シート9の種類は、ユーザーが操作パネル6に対する操作を行うことで画像形成装置1に設定することができる。しかし、ユーザーにとっては、シート収容部10に収容したシート9の種類がわからないこともある。この場合、ユーザーは、シート9の種類を適切に設定することができない。そのため、ユーザーは、画像形成装置1に対し、シート9の種類の自動検出を予め設定しておけば良い。シート9の種類の自動検出が設定されている場合、画像形成装置1は、搬送路13に沿って搬送されるシート9が検出センサー30による検出位置を通過するときに、検出センサー30を動作させ、検出センサー30による検出結果に基づいてシート9の種類を自動検出する。
【0051】
図2は、検出センサー30の構成例を示す図である。検出センサー30は、搬送路13に沿って搬送されるシート9が所定の検出位置を通過しているときに、シート9の物性値を検出する。この検出センサー30は、透過用光源部31と、反射用光源部32と、受光部33と、反射板35とを備えている。透過用光源部31及び反射板35は、搬送路13に沿って搬送されるシート9の一方の面に対向する位置に設けられ、反射用光源部32及び受光部33は、シート9の他方の面に対向する位置に設けられる。すなわち、透過用光源部31と受光部33とは搬送路13を挟んで互いに対向しており、反射用光源部32と反射板35とは搬送路13を挟んで互いに対向している。
【0052】
透過用光源部31は、それぞれ異なる波長の光を照射する複数の光源31a,31bを備えている。光源31a,31bは、例えばLED光源などで構成される。光源31aは、例えば近赤外光を照射する光源である。光源31bは、青色光を照射する光源である。光源31a,31bは、いずれもシート9が検出センサー30による検出位置を通過しているときにシート9に対して光を照射する。その光は、シート9を透過した後、受光部33に設けられたフォトダイオードなどの受光素子34によって受光され、電気信号(例えば電圧)に変換される。
【0053】
反射用光源部32は、それぞれ異なる波長の光を照射する複数の光源32a,32b,32cを備えている。光源32a,32b,32cは、例えばLED光源などで構成される。光源32a,32b,32cは、それぞれR(赤),G(緑),B(青)の光を照射する。これらの光源32a,32b,32cは、いずれもシート9が検出センサー30による検出位置を通過しているときにシート9に対して光を照射する。その光は、シート9の表面で反射した後、受光部33の受光素子34によって受光され、電気信号(例えば電圧)に変換される。
【0054】
シート9はその種類に応じて各波長の光の透過率が異なる。また、シート9はその種類に応じて各波長の光の反射率も異なる。そのため、検出センサー30は、複数の波長の光がシート9を透過する透過光量、及び、シート9の表面で反射する反射光量を測定する。すなわち、検出センサー30は、各光源31a,31b,32a,32b,32cを所定の強度で発光させ、透過光量及び反射光量を測定することでシート9の物性値を検出する。ただし、受光部33に設けられている受光素子34は、各波長の透過光及び反射光を個別に検出していく必要があるため、透過用光源部31及び反射用光源部32に含まれる複数の光源31a,31b,32a,32b,32cを同時に発光させることができない。そのため、検出センサー30は、シート9が検出位置を通過しているとき、複数の光源31a,31b,32a,32b,32cを時分割で1つずつ順に点灯させ、各波長の透過光及び反射光を個別に検出していくように構成される。画像形成装置1は、検出センサー30によって検出されるシート9の物性値(透過光量及び反射光量)に基づいて、搬送路13に沿って搬送されているシート9の種類を判別することができる。
【0055】
特に、本実施形態の検出センサー30は、1枚ずつのシート9が搬送される搬送路13に設けられている。そのため、画像形成装置1は、複数枚のシート9が連続搬送される印刷ジョブを実行するとき、1枚ずつのシート9が検出センサー30による検出位置を通過する度に、シート9の種類を判別することができる。そのため、画像形成装置1は、複数枚のシート9の連続搬送中にシート9の種類が変化すれば、その変化をリアルタイムに検出することが可能である。
【0056】
ところで、上記のような検出センサー30は、装置本体1aの内部の環境状態(温度や湿度など)が変化することによって、センサー感度が変化する。そのため、画像形成装置1は、定期的又は不定期に検出センサー30のキャリブレーションを行い、センサー感度を補正する。
【0057】
図3は、キャリブレーション実行時の検出センサー30を例示する図である。図3に示すように、検出センサー30のキャリブレーションは、検出センサー30による検出位置にシート9が存在しない状態で行う必要がある。検出センサー30のキャリブレーションは、複数の光源31a,31b,32a,32b,32cのそれぞれに対して個別に行われる。透過用光源部31のキャリブレーションを行う場合、画像形成装置1は、複数の光源31a,31bをそれぞれ異なるタイミングで発光させる。画像形成装置1は、光源31a,31bのそれぞれを所定の強度で発光させているときに受光素子34から出力される電圧が所定の電圧となるように受光素子34の感度補正(ゲイン調整)を行う。また、反射用光源部32のキャリブレーションを行う場合も、画像形成装置1は、複数の光源32a,32b,32cをそれぞれ異なるタイミングで発光させる。このとき、光源32a,32b,32cと反射板35との間にシート9が介在しないため、光源32a,32b,32cから照射される光は、反射板35で反射し、受光素子34に入射する。画像形成装置1は、光源32a,32b,32cのそれぞれを所定の強度で発光させたときに受光素子34から出力される電圧が所定の電圧となるように受光素子34の感度補正(ゲイン調整)を行う。このように、検出センサー30のキャリブレーションでは、光源31a,31b,32a,32b,32cごとに受光素子34の感度補正が行われる。そのため、キャリブレーションを開始してから終了するまでに一定の時間(例えば1.8s程度)を要する。
【0058】
図4は、制御部5の機能構成を示すブロック図である。制御部5は、CPU40と、記憶部41とを備えており、画像形成装置1の各部の動作を制御する。CPU40は、記憶部41に記憶されているプログラム42を読み出して実行するハードウェアプロセッサーである。記憶部41は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などで構成される不揮発性の記憶デバイスである。操作パネル6は、表示部7と操作部8とを備えている。表示部7は、例えば液晶ディスプレイなどで構成され、ユーザーが操作可能な操作画面を表示する。操作部8は、タッチパネルキーや押しボタンキーなどで構成され、ユーザーによる操作を受け付ける。また、環境センサー19は、温度センサー19aを備えている。
【0059】
例えば、制御部5は、操作パネル6の表示部7にシート設定画面を表示し、シート設定画面に対するユーザーの操作に基づいてシート9の種類を自動検出するか否かを設定する。図5は、そのシート設定画面G1の一例を示す図である。図5(a)に示すように、シート設定画面G1には、シート9の種類を自動検出するか否かを設定するための操作ボタンB1,B2が表示される。操作ボタンB1は、シート9の種類を自動検出することを設定するボタンである。操作ボタンB2は、シート9の種類を自動検出しないことを設定するボタンである。ユーザーは、操作ボタンB1,B2のいずれか一方をタッチ操作することにより、自動検出するか否かを予め設定する。
【0060】
図5(b)は、ユーザーが操作ボタンB1を操作した場合の画面例を示している。ユーザーが自動検出することを設定した場合、シート設定画面G1には詳細設定画面G2が表示される。この詳細設定画面G2には、通常自動検出を指示する操作ボタンB3と、毎頁自動検出を指示する操作ボタンB4とが表示される。
【0061】
通常自動検出とは、印刷ジョブの実行開始時にシート収容部10から最初に給紙搬送される1枚目のシート9について検出センサー30による物性値の検出動作を行い、2枚目以降のシート9については物性値の検出動作を行わない検出方法である。1枚目のシート9が搬送されるとき、制御部5は、シート9の搬送速度を最低速度(第1の速度)に設定し、シート9を搬送する。シート9の搬送速度が最低速度であるため、シート9は、検出センサー30による検出位置をゆっくりと通過する。そのため、検出センサー30は、1枚目のシート9が検出位置を通過しているときに、シート9の物性値を複数回の検出することができ、高精度な検出を行うことができる。制御部5は、1枚目のシート9の搬送時に検出センサー30による高精度な検出結果に基づいてシート9の種類を判定し、その判定結果に基づいて2枚目以降のシート9を搬送する際の搬送速度(第2の速度)などを決定する。そして制御部5は、2枚目以降のシート9の給紙タイミングとなったときに、1枚目のシート9に基づいて決定した搬送速度(第2の速度)でシート9を給紙搬送する。この場合の搬送速度(第2の速度)は、最低速度(第1の速度)よりも高速となる。通常自動検出が設定された場合には、2枚目以降のシート9が搬送されるときには検出センサー30による検出動作を行わない。この通常自動検出の場合、印刷ジョブの実行開始後、1枚目のシート9が排出されるまでに毎回一定の時間を要することとなる。
【0062】
毎頁自動検出とは、印刷ジョブの実行開始時にシート収容部10から最初に給紙搬送される1枚目のシート9について検出センサー30による物性値の検出動作を行うと共に、2枚目以降のシート9についても検出センサー30による物性値の検出動作を行う検出方法である。1枚目のシート9が搬送されるとき、制御部5は、記憶部41に記憶されているシート情報43に基づいてシート9の搬送速度を設定し、シート9を搬送する。シート9の搬送速度がシート9の種類に応じた搬送速度であるため、シート9は、検出センサー30による検出位置を比較的高速で通過する。そのため、検出センサー30は、1枚目のシート9が検出位置を通過しているときにシート9の物性値を検出できる回数が通常自動検出の場合よりも少ない簡易検出を行う。また、検出センサー30は、2枚目以降のシート9が検出位置を通過しているときにも簡易検出を行う。制御部5は、検出センサー30による簡易な検出結果に基づいてシート9の種類がシート情報43に記録されているシート種類とは異なる種類に変化したことを検知すると、次の印刷ジョブの実行開始時に検出センサー30に高精度な検出動作を行わせ、シート9の種類を正確に判定する。この毎頁自動検出の場合、印刷ジョブの実行開始後、1枚目のシート9が排出されるまでに要する時間は、通常自動検出の場合よりも早くなる。このように、本実施形態の画像形成装置1は、複数枚のシート9が連続搬送されるとき、1枚ずつシート9の種類を検出することが可能な構成である。
【0063】
ユーザーは、詳細設定画面G2の操作ボタンB3,B4に対する操作を行うことで、通常自動検出及び毎頁自動検出のうちから所望の自動検出を選択して設定することができる。ただし、例えばシート収容部10にシート9が残っている状態でユーザーがシート9を補充した場合、ユーザーは毎頁自動検出を選択することが好ましい。
【0064】
図5(c)は、ユーザーが操作ボタンB2を操作した場合の画面例を示している。ユーザーが自動検出しないことを設定した場合、シート設定画面G1には詳細設定画面G3が表示される。この詳細設定画面G3には、普通紙、厚紙1、厚紙2、厚紙3といった複数のシート種類のうちから1つのシート種類を選択するための複数の操作ボタンB5,B6,B7,B8が表示される。ユーザーは、シート収容部10に補充したシート9の種類がわかっていれば、複数の操作ボタンB5,B6,B7,B8のうちから1つを選択して操作することにより、シート9の種類を設定することができる。
【0065】
図4に戻る。記憶部41には、プログラム42の他に、シート情報43、制御情報44、及び、環境情報45が記憶される。シート情報43は、シート9の種類が記録された情報である。例えば、ユーザーによってシート9の種類が手動設定された場合、シート情報43には、ユーザーによって設定されたシート種類が記録される。また、シート9の種類の自動検出が設定されている場合、シート情報43には、検出センサー30による検出結果に基づいて自動判定されたシート9の種類が記録される。
【0066】
制御情報44は、印刷ジョブを実行する際に参照される情報である。図6は、制御情報44の一例を示す図である。制御情報44には、シート9の坪量に応じて普通紙、厚紙1、厚紙2、厚紙3といったシート9の種類が割り当てられている。制御情報44は、それらシート9の種類ごとに、画像形成部3がシート9に画像形成を行う際の画像形成パラメータを設定するための情報である。例えば図6に示すように、制御情報44は、シート9の種類ごとに、シート9の搬送速度、及び、定着部4における定着温度を規定した情報である。したがって、制御情報44を参照すれば、シート9の種類に適した搬送速度や定着温度といった画像形成パラメータを決定することができる。尚、図6に示す搬送速度V1,V2,V3,V4の関係は、V1>V2>V3>V4であり、それぞれのシート9の種類に応じてスループットを最大限に発揮するように設定された搬送速度である。また、定着温度T1,T2,T3,T4の関係は、T1<T2<T3<T4である。
【0067】
環境情報45は、環境センサー19によって取得される環境情報を記録した情報である。環境情報45には、少なくとも環境センサー19に含まれる温度センサー19aが検出した温度情報が含まれる。ここで、記憶部41に記憶される環境情報45は、検出センサー30のキャリブレーションが実行されたときに環境センサー19によって取得された環境情報である。言い換えると、記憶部41に記憶される環境情報45は、前回のキャリブレーション実行時における装置内の環境態を示す情報である。
【0068】
制御部5のCPU40は、プログラム42を実行することにより、制御部5を、ジョブ制御部50、シート判定部51、環境変化検出部52、及び、キャリブレーション実行部53として機能させる。
【0069】
ジョブ制御部50は、搬送部2、画像形成部3及び定着部4の動作を制御することで、印刷ジョブの実行を統括的に制御する。ジョブ制御部50は、図示を省略する通信インタフェースを介して印刷ジョブを受信すると、シート9の種類の自動検出が設定されているか否かを判断する。自動検出が設定されている場合、ジョブ制御部50は、通常自動検出と毎頁自動検出のいずれであるかを更に判断する。そしてジョブ制御部50は、その判断結果に基づいて印刷ジョブの実行を制御する。
【0070】
例えば、自動検出を行わないことが設定されている場合、記憶部41には、ユーザーによって指定されたシート種類を示すシート情報43が記憶されている。そのため、ジョブ制御部50は、シート情報43を読み出してシート種類を特定し、制御情報44を読み出してシート9の搬送速度及び定着部4の定着温度を決定する。その後、ジョブ制御部50は、決定した搬送速度及び定着温度に基づいて、搬送部2、画像形成部3及び定着部4を駆動し、印刷ジョブを実行する。
【0071】
また、通常自動検出が設定されている場合、ジョブ制御部50は、1枚目のシート9の搬送速度を最低速度に設定し、搬送部2を駆動してシート9の搬送動作を開始する。その後、ジョブ制御部50は、記憶部41のシート情報43が更新されることに伴い、その更新されたシート情報43に基づいて制御情報44を参照することでそれ以降のシート9の搬送速度及び定着温度を決定する。そしてジョブ制御部50は、2枚目以降のシート9の給紙タイミングになると、決定した搬送速度及び定着温度に基づいて、搬送部2、画像形成部3及び定着部4を駆動し、2枚目以降のジョブを実行する。
【0072】
更に、毎頁自動検出が設定されている場合、記憶部41には、検出センサー30による高精度な検出動作によって自動検出されたシート種類を示すシート情報43が記憶されている。そのため、ジョブ制御部50は、シート情報43を読み出してシート種類を特定し、制御情報44を読み出してシート9の搬送速度及び定着部4の定着温度を決定する。その後、ジョブ制御部50は、決定した搬送速度及び定着温度に基づいて、搬送部2、画像形成部3及び定着部4を駆動し、印刷ジョブを実行する。
【0073】
シート判定部51は、シート9の種類の自動検出が設定されている場合に機能する。シート判定部51は、シート9の搬送中に検出センサー30を駆動して検出センサー30にシート9の物性値を検出する動作を行わせ、シート9の種類を判定する。シート判定部51は、検出センサー30から出力されるシート9の物性値(透過光量及び反射光量)に基づき、各波長の光の透過率及び反射率を特定し、シート9の坪量を算出する。そしてシート判定部51は、制御情報44を参照することにより、シート9の種類が普通紙、厚紙1、厚紙2、及び、厚紙3のうちのいずれの種類であるかを特定する。
【0074】
シート判定部51は、シート9の搬送速度に応じて検出センサー30に検出動作を行わせる回数を切り替える。例えば、通常自動検出が設定されている場合、シート判定部51は、1枚目のシート9が搬送されているときに、検出センサー30に検出動作を行わせる。このとき、シート9が最低速度で搬送されているため、シート判定部51は、検出センサー30に複数回の検出動作を行わせる。つまり、シート判定部51は、検出センサー30にサンプリング数の多い高精度な検出を行わせる。シート判定部51は、検出センサー30による複数回の検出結果に基づき、シート9の坪量を算出する。これにより、ノイズなどの影響が低減され、シート9の種類を高精度に特定することができる。そしてシート判定部51は、特定したシートの種類をシート情報43に書き込み、シート情報43を更新する。
【0075】
これに対し、例えば、毎頁自動検出が設定されている場合、シート9の搬送速度が比較的高速であるため、シート判定部51は、シート9が検出位置を通過しているときに少なくとも1回の検出動作を行わせる。シート判定部51は、その検出結果に基づき、シート9の坪量を算出する。毎頁自動検出の場合、通常自動検出よりも検出センサー30による検出回数(サンプリング数)が少ないため、ノイズの影響を受けやすく、算出される坪量の精度は比較的低い。そのため、シート判定部51は、特定したシート種類をシート情報43に記録されているシート種類と比較し、シート種類が変化したか否かを判断する。シート種類の変化を検出した場合、シート判定部51は、シート変化検出フラグをセットし、次のジョブの実行開始時に高精度な検出動作を行うことを指示する。尚、シート9が高速搬送されているときに、シート判定部51がシート種類の変化を検出した場合であっても、検出精度が低いため、記憶部41のシート情報43の書き換えは行わない。
【0076】
環境変化検出部52は、シート9の種類の自動検出が設定されている場合に機能する。また、環境変化検出部52は、シート判定部51によるシート判定が行われる直前に機能し、検出センサー30のキャリブレーションが必要であるか否かを判定する。環境変化検出部52は、検出センサー30の前回のキャリブレーション実行時から環境状態が変化した場合に、その環境変化を検出する。環境変化検出部52は、シート9が給紙される前に、環境センサー19から出力される環境情報を取得し、記憶部41に記憶されている環境情報45と比較する。そして、環境変化検出部52は、それら2つの環境情報の差分を抽出し、その差分が所定範囲を超えているか否かを判断する。その結果、差分が所定範囲を超えている場合、環境変化検出部52は、前回のキャリブレーション実行時から環境状態が変化していることを検出する。ここで、所定範囲は、検出センサー30によって検出されるシート9の物性値の信頼性が確保される限界の範囲である。この所定範囲は、例えばユーザー、又は、画像形成装置1の管理者が適宜設定変更可能である。
【0077】
例えば、環境変化検出部52は、温度センサー19aによって取得される温度情報と、環境情報45とに含まれる温度情報との差分を抽出し、前回のキャリブレーション実行時からの温度変化が所定範囲(例えば±5℃の範囲)を超えているか否かを判断する。その結果、前回のキャリブレーション実行時からの温度変化が所定範囲を超えている場合、環境変化検出部52は、前回のキャリブレーション実行時から環境状態が変化していることを検出する。
【0078】
また、環境センサー19に湿度センサーが含まれる場合、環境変化検出部52は、湿度変化に基づいて環境変化を検出することも可能である。例えば、環境変化検出部52は、湿度センサーによって取得される湿度情報と、環境情報45とに含まれる湿度情報との差分を抽出し、前回のキャリブレーション実行時からの湿度変化が所定範囲(例えば±5%の範囲)を超えているか否かを判断する。その結果、前回のキャリブレーション実行時からの湿度変化が所定範囲を超えている場合、環境変化検出部52は、前回のキャリブレーション実行時から環境状態が変化していることを検出する。
【0079】
前回のキャリブレーション実行時から環境状態が変化している場合、検出センサー30によるセンサー感度が変化している可能性がある。つまり、検出センサー30によって検出されるシート9の物性値は、正確な物性値ではなくなっている可能性がある。そのため、環境変化検出部52は、環境状態が変化していることを検出すると、キャリブレーション実行部53を機能させる。そして環境変化検出部52は、キャリブレーション実行部53に検出センサー30のキャリブレーションを実行させる。これに対し、環境状態が変化していることを検出しなかった場合、環境変化検出部52は、検出センサー30のキャリブレーションを実行させない。
【0080】
また、環境変化検出部52は、環境状態が変化していることを検出すると、環境センサー19によって取得された環境情報に基づいて、記憶部41に記憶されている環境情報45を書き換え、環境情報45を更新する。
【0081】
キャリブレーション実行部53は、検出センサー30のキャリブレーションを実行し、検出センサー30に設けられている受光素子34の感度補正を行う処理部である。例えば、通常自動検出が設定されている場合、キャリブレーション実行部53は、印刷ジョブの実行が開始された後、1枚目のシート9が検出センサー30の検出位置へ到達する前に、検出センサー30のキャリブレーションを実行する。通常自動検出では、印刷ジョブにおける1枚目のシート9が最低速度で搬送されるため、1枚目のシート9が検出位置へ到達するまでに十分な時間がある。そのため、通常自動検出が設定されている場合、キャリブレーション実行部53は、印刷ジョブの実行開始直後にキャリブレーションの実行を開始し、1枚目のシート9が検出センサー30の検出位置へ到達する前にキャリブレーションの実行を終了させる。
【0082】
これ対し、毎頁自動検出が設定されている場合、キャリブレーション実行部53によるキャリブレーションは次のようにして行われる。
【0083】
まず、複数枚のシート9が連続搬送される印刷ジョブにおいて1枚目のシート9の給紙が開始される前に環境変化検出部52によって環境変化が検出された場合、キャリブレーション実行部53は、1枚目のシート9の給紙が開始される前に検出センサー30のキャリブレーションを実行する。
【0084】
次に、複数枚のシート9が連続搬送される印刷ジョブにおいて1枚目のシート9の給紙が開始された後に環境変化検出部52によって環境変化が検出された場合、キャリブレーション実行部53は、先のシート9の後端が検出センサー30による検出位置を通過した後、次のシート9の先端が検出センサー30による検出位置に到達する前に、検出センサー30のキャリブレーションを実行する。複数枚のシート9が連続搬送される印刷ジョブでは、シート9の搬送速度が最低速度ではなく、シート9の種類に応じた搬送速度に設定されており、先のシートと次のシートとの間のシート間隔も短くなっている。そのため、キャリブレーション実行部53は、次のシート9の搬送動作(給紙動作)を一時停止させ、先のシート9と次のシート9との間のシート間隔を広げた状態で検出センサー30のキャリブレーションを実行する。そしてキャリブレーションが終了した後、キャリブレーション実行部53は、次のシート9の搬送動作(給紙動作)を再開させる。これにより、検出センサー30が次のシート9の物性値を検出する際には、感度補正が行われた状態で検出動作を行うことができ、シート9の物性値を正確に検出することが可能である。
【0085】
このように本実施形態の画像形成装置1は、搬送部2によって複数枚のシート9が連続搬送されるとき、先のシート9が検出センサー30による検出位置を通過した後、次のシート9がその検出位置へ到達するまでのシート間において検出センサー30のキャリブレーションを実行させることが可能な制御部5を備えている。この制御部5は、環境センサー19によって取得される環境情報に基づいて前回のキャリブレーションの実行時からの環境変化の有無を検出し、次のシート間において検出センサー30のキャリブレーションを実行するか否かを決定するように構成されている。
【0086】
そして、制御部5は、前回のキャリブレーションの実行時からの環境変化がないと判断した場合、検出センサー30によって検出されるシート9の物性値の信頼性はそれ程低下していないため、次のシート間において検出センサー30のキャリブレーションを実行しないことを決定する。これにより、複数枚のシート9を、シート9の種類に応じた搬送速度で連続搬送できるため、スループットを低下させることなく、印刷ジョブの実行を継続することができる。
【0087】
これに対し、制御部5は、前回のキャリブレーションの実行時からの環境変化があると判断した場合、次のシート間においてキャリブレーションを実行することを決定する。そして制御部5は、次のシート間においてキャリブレーションを実行することを決定すると、搬送部2による次のシート9の搬送動作を一時停止させ、先のシート9と次のシート9との間のシート間隔を広げた状態で検出センサー30のキャリブレーションを実行する。これにより、制御部5は、複数枚のシート9が連続搬送されている状態のシート間において検出センサー30のキャリブレーションを確実に行うことができ、それ以降に行われる検出センサー30の検出動作においてシート9の物性値を高い信頼性で検出することができるようになる。
【0088】
特に、印刷ジョブにおいて複数枚のシート9の連続搬送が行われる場合、定着部4の加熱ローラー27が所定の定着温度に加熱された状態が長時間継続するため、装置本体1aの内部において検出センサー30近傍の環境温度が次第に上昇していくことになる。そのため、制御部5は、環境センサー19によって取得される環境情報に基づいて環境変化が生じたか否かを監視し、環境変化が生じたことを検出したタイミングで検出センサー30のキャリブレーションを行うことにより、複数枚のシート9の連続搬送中に行われるキャリブレーションの回数を最小限に抑えることが可能である。したがって、複数枚のシート9の連続搬送中において、スループットを大幅に低下させることなく、シート9の種類を適切に検出することができるようになる。
【0089】
次に、画像形成装置1の動作について説明する。図7乃至図9は、画像形成装置1によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。図7乃至図9では、毎頁自動検出が設定されている場合の処理手順を例示している。この処理は、CPU40がプログラム42を実行することにより、制御部5によって行われる処理である。
【0090】
制御部5は、この処理を開始すると、印刷ジョブを受信したか否かを判断する(ステップS10)。印刷ジョブを受信した場合(ステップS10でYES)、制御部5は、画像形成装置1のウォームアップを開始する(ステップS11)。このとき、制御部5は、定着部4のハロゲンヒーター29を点灯させ、加熱ローラー27の表面が所定の目標温度となるまで加熱する。次に、制御部5は、受信した印刷ジョブを解析し、印刷ジョブによる印刷枚数(N枚)を確認する(ステップS12)。次に、制御部5は、出力枚数iを0枚に初期化する(ステップS13)。
【0091】
次に、制御部5は、出力枚数iが0枚であるか否かを判断し(ステップS14)、0枚であれば(ステップS14でYES)、1枚目印刷処理を実行する(ステップS15)。これに対し、出力枚数iが0枚でなかった場合(ステップS14でNO)、制御部5は、2枚目以降印刷処理を実行する(ステップS16)。制御部5は、1枚目印刷処理又は2枚目以降印刷処理を実行すると、出力枚数iに1を加算する(ステップS17)。次に、制御部5は、出力枚数iがN枚に達したか否かを判断する(ステップS18)。出力枚数iがN枚に達していない場合(ステップS18でNO)、制御部5による処理は、ステップS14へと戻り、ステップS14以降の処理を繰り返す。これに対し、出力枚数iがN枚に達した場合(ステップS18でYES)、制御部5は、印刷ジョブの実行を終了させる(ステップS19)。以上で、制御部5による処理が終了する。
【0092】
図8は、1枚目印刷処理(ステップS15)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部5は、1枚目印刷処理を開始すると、環境センサー19から環境情報を取得する(ステップS20)。次に、制御部5は、前回キャリブレーション実行時の環境情報45を記憶部41から読み出し(ステップS21)、環境センサー19から取得した環境情報との差分を抽出する(ステップS22)。そして制御部5は、抽出した差分に基づいて前回のキャリブレーション実行時からの環境変化があるか否かを判断する(ステップS23)。すなわち、制御部5は、抽出した差分が所定範囲を超えているか否かを判断する。そして差分が所定範囲を超えていれば、環境変化があると判断するのに対し、差分が所定範囲内であれば、環境変化がないと判断する。
【0093】
制御部5は、前回のキャリブレーション実行時からの環境変化があると判断した場合(ステップS23でYES)、検出センサー30のキャリブレーションの実行を開始する(ステップS24)。すなわち、制御部5は、検出センサー30による検出位置にシート9が存在していない状態で複数の光源31a,31b,32a,32b,32cを順次所定の強度で発光させ、受光素子34から出力される電圧が所定の電圧となるように受光素子34の感度補正を行う。これにより、環境変化に伴う検出センサー30の感度変化が校正される。制御部5は、検出センサー30のキャリブレーションが終了すると(ステップS25でYES)、ステップS20で取得した環境情報を、記憶部41に保存する(ステップS26)。これにより、記憶部41の環境情報45が更新される。尚、制御部5は、前回のキャリブレーション実行時からの環境変化がないと判断した場合(ステップS23でNO)、ステップS24~S26の処理を行わない。
【0094】
次に制御部5は、ウォームアップが完了しているか否かを判断し(ステップS27)、ウォームアップが完了している場合(ステップS27でYES)、シート変化検出フラグがセットされているか否かを判断する(ステップS28)。シート変化検出フラグがセットされている場合、前回のジョブの実行時にシート9の種類の変化が検出されていることになる。
【0095】
シート変化検出フラグがセットされている場合(ステップS28でYES)、制御部5は、シート9の搬送速度を最低速度に設定し(ステップS29)、1枚目のシート9の給紙動作を開始する(ステップS30)。制御部5は、1枚目のシート9の給紙を開始すると、検出センサー30による物性値検出処理を実行する(ステップS31)。すなわち、制御部5は、最低速度で搬送されるシート9が検出センサー30による検出位置を通過しているときに、検出センサー30の複数の光源31a,31b,32a,32b,32cを順次所定の強度で発光させ、受光素子34から出力される電気信号に基づいてシート9の物性値を検出する。このとき、制御部5は、シート9の搬送方向の複数箇所をサンプリングすることにより、高精度な検出処理を行う。
【0096】
制御部5は、物性値検出処理(ステップS31)によって取得された物性値に基づいてシート9の坪量を算出し、坪量に基づいてシート9の種類を特定するシート判定処理を行う(ステップS32)。シート9の種類を特定すると、制御部5は、そのシート9の種類をシート情報43に記録し、シート情報43を更新する。そして、制御部5は、シート情報43に記録されているシート種類に基づき、シート9の搬送速度及び定着部4の定着温度を設定する(ステップS34)。これにより、2枚目以降のシート9が搬送されるときの搬送速度及び定着温度が確定する。
【0097】
一方、シート変化検出フラグがセットされていない場合(ステップS28でNO)、制御部5は、記憶部41からシート情報43を読み出し(ステップS35)、そのシート情報43に記録されているシート種類に基づいてシート9の搬送速度を設定し(ステップS36)、1枚目のシート9の給紙動作を開始する(ステップS37)。制御部5は、1枚目のシート9の給紙を開始すると、検出センサー30による物性値検出処理を実行する(ステップS38)。すなわち、制御部5は、シート種類に応じた搬送速度で搬送されるシート9が検出センサー30による検出位置を通過しているときに、検出センサー30の複数の光源31a,31b,32a,32b,32cを順次所定の強度で発光させ、受光素子34から出力される電気信号に基づいてシート9の物性値を検出する。このとき、検出センサー30によるサンプリング数は、ステップS31よりも少なくなる。そのため、ステップS38における物性値検出処理は簡易な検出処理となる。
【0098】
制御部5は、物性値検出処理(ステップS38)によって取得された物性値に基づいてシート9の坪量を算出し、坪量に基づいてシート9の種類を特定するシート判定処理を行う(ステップS39)。シート9の種類を特定すると、制御部5は、シート情報43に記録されているシート種類とは異なる種類であるか否かを判定し、シート9の種類が変化したか否かを判断する(ステップS40)。シート9の種類が変化していることを検出した場合(ステップS40でYES)、制御部5は、シート変化検出フラグをセットする(ステップS41)。これに対し、シート9の種類の変化を検出しなかった場合(ステップS40でNO)、ステップS41の処理はスキップする。
【0099】
次に、制御部5は、画像形成動作制御を行う(ステップS42)。すなわち、制御部5は、シート9の搬送動作と、画像形成部3における画像形成動作とを同期させた制御を行うと共に、定着部4の加熱ローラー27及び加圧ローラー28を駆動する。これにより、シート9の表面にトナー像が転写され、トナー像が転写されたシート9が定着部4を通過する際に加熱処理及び加圧処理が施される。そして画像が定着したシート9が排紙トレイ18上に排出される。以上で、1枚目印刷処理(ステップS15)が終了する。
【0100】
次に、図9は、2枚目以降印刷処理(ステップS16)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部5は、2枚目以降印刷処理を開始すると、次のシート9の給紙タイミングとなるまで待機する(ステップS50)。給紙タイミングになると(ステップS50でYES)、制御部5は、環境センサー19から環境情報を取得する(ステップS51)。次に、制御部5は、前回キャリブレーション実行時の環境情報45を記憶部41から読み出し(ステップS52)、環境センサー19から取得した環境情報との差分を抽出する(ステップS53)。そして制御部5は、抽出した差分に基づいて前回のキャリブレーション実行時からの環境変化があるか否かを判断する(ステップS54)。すなわち、制御部5は、抽出した差分が所定範囲を超えているか否かを判断し、差分が所定範囲を超えていれば、環境変化があると判断する。これに対し、差分が所定範囲内である場合、制御部5は、環境変化がないと判断する。
【0101】
前回のキャリブレーション実行時からの環境変化がないと判断した場合(ステップS54でNO)、制御部5は、次のシート9の給紙動作を開始する(ステップS55)。
【0102】
これに対し、前回のキャリブレーション実行時からの環境変化があると判断した場合(ステップS54でNO)、制御部5は、次のシート9の給紙動作を一時停止させる(ステップS56)。その後、制御部5は、先のシート9の後端が検出センサー30による検出位置を通過するまで待機する(ステップS57)。先のシート9の後端が検出センサー30による検出位置を通過すると(ステップS57でYES)、制御部5は、検出センサー30のキャリブレーションの実行を開始する(ステップS58)。すなわち、制御部5は、検出センサー30による検出位置にシート9が存在していない状態で複数の光源31a,31b,32a,32b,32cを順次所定の強度で発光させ、受光素子34から出力される電圧が所定の電圧となるように受光素子34の感度補正を行う。これにより、環境変化に伴う検出センサー30の感度変化が校正される。ここでは、次のシート9の給紙動作を一時停止させているため、キャリブレーションの実行中に次のシート9が検出センサー30による検出位置に到達してしまうことがない。そのため、検出センサー30のキャリブレーションを正常に終了させることができる。制御部5は、検出センサー30のキャリブレーションが終了すると(ステップS59でYES)、ステップS51で取得した環境情報を、記憶部41に保存する(ステップS60)。これにより、記憶部41の環境情報45が更新される。そして、制御部5は、次のシート9の給紙動作を再開する(ステップS61)。
【0103】
制御部5は、2枚目以降のシート9の給紙を開始すると、検出センサー30による物性値検出処理を実行する(ステップS62)。すなわち、制御部5は、2枚目以降のシート9が検出センサー30による検出位置を通過しているときに、検出センサー30の複数の光源31a,31b,32a,32b,32cを順次所定の強度で発光させ、受光素子34から出力される電気信号に基づいてシート9の物性値を検出する。このとき、2枚目以降のシート9は、シート9の種類に応じた搬送速度で搬送される。そのため、検出センサー30によるサンプリング数が少なくなる。
【0104】
制御部5は、物性値検出処理(ステップS62)によって取得された物性値に基づいてシート9の坪量を算出し、坪量に基づいてシート9の種類を特定するシート判定処理を行う(ステップS63)。シート9の種類を特定すると、制御部5は、シート情報43に記録されているシート種類とは異なる種類であるか否かを判定し、シート9の種類が変化したか否かを判断する(ステップS64)。シート9の種類が変化していることを検出した場合(ステップS64でYES)、制御部5は、シート変化検出フラグをセットする(ステップS65)。これに対し、シート9の種類の変化を検出しなかった場合(ステップS64でNO)、ステップS65の処理はスキップする。
【0105】
次に、制御部5は、画像形成動作制御を行う(ステップS66)。すなわち、制御部5は、シート9の搬送動作と、画像形成部3における画像形成動作とを同期させた制御を行うと共に、定着部4の加熱ローラー27及び加圧ローラー28を駆動する。これにより、シート9の表面にトナー像が転写され、トナー像が転写されたシート9が定着部4を通過する際に加熱処理及び加圧処理が施される。そして画像が定着したシート9が排紙トレイ18上に排出される。以上で、2枚目以降印刷処理(ステップS16)が終了する。
【0106】
ところで、上記においては、検出センサー30から取得した環境情報と、記憶部41に記憶されている環境情報45との差分が所定範囲を超えていない場合、その後の物性値検出処理(ステップS31,S38,S62)において、制御部5は、検出センサー30によって検出されたシート9の物性値をそのまま用いてシート9の種類を判定する例を説明した。しかし、差分が所定範囲を超えていない場合であっても、差分が生じている限り、検出センサー30の感度は僅かに変化している可能性がある。そこで、制御部5は、物性値検出処理(ステップS31,S38,S62)を行うとき、検出センサー30によって検出されるシート9の物性値を環境情報の差分に応じて補正するようにしても構わない。
【0107】
図10は、そのような物性値検出処理の一例を示すフローチャートである。制御部5は、図10の処理手順を開始すると、搬送部2によって搬送されるシート9が検出センサー30による検出位置へ到達するまで待機する(ステップS70)。シート9が検出位置へ到達すると(ステップS70でYES)、制御部5は、検出センサー30を駆動し、受光素子34が検出する透過光量及び反射光量に基づき、シート9の物性値を取得する(ステップS72)。
【0108】
次に、制御部5は、直前に検出センサー30のキャリブレーションが行われたか否かを判断する(ステップS73)。直前に検出センサー30のキャリブレーションが行われている場合(ステップS73でYES)、検出センサー30から取得したシート9の物性値は信頼性が高い。そのため、制御部5は、シート9の物性値を補正しない。
【0109】
これに対し、直前に検出センサー30のキャリブレーションが行われていない場合(ステップS73でNO)、制御部5は、検出センサー30から取得した環境情報と、記憶部41に記憶されている環境情報45との差分を取得する(ステップS74)。そして制御部5は、その差分に基づいて、検出センサー30から取得したシート9の物性値を補正する(ステップS75)。この補正により、差分が所定範囲を超えていない場合に起こり得る検出センサー30の僅かな感度変化を補正することができる。したがって、後に行われるシート判定において、僅かな環境変化を加味したシート判定を行うことができ、シート9の種類を正確に特定することができるという利点がある。
【0110】
以上、本発明に関する好ましい一実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0111】
例えば、上記実施形態では、記憶部41に、前回のキャリブレーション実行時の環境情報45を記憶しておき、複数枚のシート9が連続搬送されているときに、環境センサー19によって取得される環境情報と、記憶部41に記憶されている環境情報45との差分が所定範囲を超えた場合に、前回のキャリブレーションの実行時からの環境変化を検知し、検出センサー30のキャリブレーションを実行することを説明した。しかし、制御部5は、必ずしも前回のキャリブレーション実行時からの環境変化を検知するものに限られない。例えば、制御部5は、複数枚のシート9が連続搬送されるとき、環境センサー19によって取得される環境情報を定期的に監視し、複数枚のシート9の連続搬送中に環境変化が生じたことを検知した場合、検出センサー30のキャリブレーションを実行するものであっても構わない。この場合、例えば制御部5は、環境センサー19によって環境情報が取得される度に記憶部41の環境情報45を更新するように構成される。そして制御部5は、環境センサー19によって取得される環境情報と、記憶部41に記憶されている過去の環境情報とに基づいて環境変化が生じたか否かを判断し、環境変化が生じたと判断した場合に検出センサー30のキャリブレーションを実行する。このような構成であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏することに変わりはない。
【0112】
また、上記実施形態では、環境変化として、主として温度変化を例に挙げて説明した。しかし、検出センサー30の感度は、温度が変化した場合だけでなく、湿度が変化した場合にも変化する可能性がある。そのため、画像形成装置1は、温度変化だけでなく、湿度変化が生じた場合にも環境変化が生じたことを検知するようにすることが好ましい。
【0113】
また、上記実施形態では、一例として検出センサー30が光センサーで構成される場合を例示した。しかし、検出センサー30として超音波センサーを用いた場合にも同様に環境変化に伴う感度変化が生じる。そのため、検出センサー30として超音波センサーが用いられる場合であっても、上記実施形態で説明した構成及び動作を適用することで、超音波センサーの感度変化を適切に校正することが可能である。
【0114】
また、上記実施形態では、ジョブの実行開始時にシート変化検出フラグがセットされている場合に、シート9の搬送速度を最低速度(第1の速度)に設定し、1枚目のシート9を最低速度で搬送しているときにシート9の物性値を高精度で検出する例を説明した。しかし、シート9の物性値を高精度で検出するのは、必ずしもジョブの実行開始時にシート変化検出フラグがセットされている場合に限られない。例えば、シート収容部10が引き出された場合、ユーザーによってシート9が補充された可能性がある。そのため、制御部5は、シート収容部10が装置本体1aから引き出され、シート9の補充が行われた場合に、シート9の搬送速度を最低速度(第1の速度)に設定し、シート9の物性値を高精度で検出するようにしても構わない。
【0115】
また、上記実施形態では、制御部5のCPU40によって実行されるプログラム42が予め制御部5の記憶部41に記憶されている場合を例示した。しかし、これに限られず、上述したプログラム42は、それ単体で取引の対象となるものであっても構わない。この場合、プログラム42は、インターネットなどのネットワークを介してダウンロード可能な態様で提供されるものであっても良いし、またCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で提供されるものであっても良い。
【符号の説明】
【0116】
1 画像形成装置
2 搬送部
5 制御部
9 シート
19 環境センサー
19a 温度センサー
30 検出センサー
42 プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10