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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100376
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】給袋装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/14 20060101AFI20240719BHJP
   B65H 3/12 20060101ALI20240719BHJP
   B65H 3/48 20060101ALI20240719BHJP
   B65H 29/58 20060101ALI20240719BHJP
   B65H 1/30 20060101ALI20240719BHJP
   B65B 43/14 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
B65H1/14 322B
B65H1/14 310B
B65H3/12 310Z
B65H3/48 310Z
B65H3/48 320Z
B65H29/58 C
B65H1/30 320
B65B43/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004332
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】河田 学
(72)【発明者】
【氏名】井上 典亮
【テーマコード(参考)】
3E030
3F053
3F343
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BA02
3E030BB02
3E030BB05
3E030BB10
3E030GA05
3F053CA02
3F053CA19
3F053LA16
3F053LB12
3F343FA17
3F343FB13
3F343GA01
3F343GB01
3F343GC02
3F343GD01
3F343GE02
3F343GE05
3F343GE09
3F343GE12
3F343HA17
3F343HA18
3F343HD16
3F343HD17
3F343JB05
3F343JD03
3F343JD28
3F343JD39
3F343KB03
3F343KB04
3F343KB05
3F343KB17
3F343LA04
3F343LA14
3F343LA15
3F343LB08
3F343LC02
3F343LD01
3F343MB04
3F343MB12
3F343MC03
3F343MC06
3F343MC17
(57)【要約】
【課題】内容物の充填の高速化に耐えうる給袋装置を提供すること。
【解決手段】給袋装置は、複数の包装袋が積層される包装袋群を載せる第一テーブルと、第一テーブルに載せられる包装袋群の上層域に空気を吹き付ける送風機と、を備え、上流から下流に向けて包装袋を送給する。第一テーブルは、鉛直方向に昇降するとともに、水平方向に対して傾斜する。第一テーブルは、好ましくは、鉛直方向の位置が高くなるのにつれて、傾斜の角度が小さくなる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の包装袋が積層される包装袋群を載せる第一テーブルと、
前記第一テーブルに載せられる前記包装袋群の上層域に気体を吹き付ける送風部と、
前記送風部から吹き付けられる前記気体により浮上する一枚目の前記包装袋Pを吸着するとともに下流に向けた搬送方向に搬送する吸着搬送部と、を備え、
前記第一テーブルは、
前記包装袋群を載せる搭載面が、鉛直方向に変位可能とされる、
上流から下流に向けて前記包装袋を送給する給袋装置。
【請求項2】
前記第一テーブルは、
前記搬送方向に連なる一体の形態をなし、
その全部または一部を鉛直方向に昇降するとともに、水平方向に傾斜する、
請求項1に記載の給袋装置。
【請求項3】
前記第一テーブルは、
鉛直方向の位置が高くなるのにつれて、前記傾斜の角度が小さくなる、
請求項2に記載の給袋装置。
【請求項4】
前記第一テーブルは、
水平方向に隣接して配置される複数のテーブル本体を備え、
複数の前記テーブル本体は、連動して昇降される、
請求項1に記載の給袋装置。
【請求項5】
複数の前記テーブル本体は、それぞれに対応して設けられるアクチュエータによって昇降される、
請求項4に記載の給袋装置。
【請求項6】
前記第一テーブルは、
鉛直方向の上向きの負荷を一部に受けると変形するテーブル本体と、
上向きの前記負荷をテーブル本体に与え、かつ、前記搬送方向に移動可能とされる負荷付与アクチュエータと、を備える、
請求項2に記載の給袋装置。
【請求項7】
前記吸着搬送部で下流に向けて搬送される前記包装袋をさらに下流に向けて搬出する一対の搬出ローラを備える、
請求項1に記載の給袋装置。
【請求項8】
前記搬出ローラから搬出される前記包装袋を下流の工程に受け渡す移送部を備え、
前記移送部は、
前記包装袋を受け取る第二テーブルと、
前記第二テーブルが受け取る前記包装袋を、鉛直方向に沿った姿勢に向きを変えて受け渡す移送機と、を備える請求項7に記載の給袋装置。
【請求項9】
前記第二テーブルは、
前記包装袋を受け取る、下流の側の位置が低く傾斜する第一姿勢と、
前記第一姿勢よりも傾斜の程度が小さい第二姿勢と、を交互になし、
前記移送機は、
前記第二姿勢とされる前記第二テーブルに載る前記包装袋を吸着する複数の吸盤と、
複数の前記吸盤を径方向の外側に向けて支持する回転体と、を備える、請求項8に記載の給袋装置。
【請求項10】
前記移送機は、
前記吸盤よりも先行して前記包装袋に接する変形抑止体を、それぞれの前記吸盤に併設する、請求項9に記載の給袋装置。
【請求項11】
前記送風部は、
前記包装袋群から前記包装袋を浮上させるための前記気体を吐出する浮上ノズルと、
水平方向よりも上方に向けて前記気体を吐出する分離ノズルと、
を備える請求項1に記載の給袋装置。
【請求項12】
前記第一テーブルに前記包装袋群の単位で供給する供給部を備える、請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の給袋装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包装袋、例えばパウチ(pouch)を次の工程に受け渡す給袋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数枚の包装袋が積層された包装袋群から包装袋を1枚ずつ取り出し、グリッパと称される一対の把持具で包装袋を把持しながら、包装袋に内容物を充填する、包装袋の開口を封止するなどの種々の処理が行われる。複数対のグリッパは、スターホィールと称される回転体の周囲に配置され、一対のグリッパで把持される包装体がスターホィールの回転により円弧状の軌跡を移動しながら、内容物の充填などの処理が順次行われる。
特許文献1および特許文献2は、吸盤を用いて包装体を吸着することにより、包装袋群から包装体を1枚ずつ取り出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3898158号公報
【特許文献2】特許第6364601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、水平方向に置かれた包装袋を取り出すには、包装体が置かれた位置まで吸盤が降下し、包装体を吸盤が吸着し、包装体を吸着した吸盤は上昇する。このように、吸盤を用いた包装体の取り出しには吸盤の往復移動が伴うので、取り出しに時間を要してしまう。これでは包装袋への内容物の充填などの処理の高速化を実現するのは難しい。
【0005】
以上より、本発明は、内容物の充填の高速化に耐えうる給袋装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の上流から下流に向けて包装袋Pを送給する本開示に係る給袋装置は、複数の包装袋が積層される包装袋群を載せる第一テーブルと、第一テーブルに載せられる前記包装袋群の上層域に気体を吹き付ける送風部と、送風部から吹き付けられる気体により浮上する一枚目の包装袋Pを吸着するとともに下流に向けた搬送方向に搬送する吸着搬送部と、を備える。第一テーブルは、包装袋群を載せる搭載面が、鉛直方向に変位可能とされる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の給袋装置によれば、気体の吹き付けにより包装袋群から一枚目の包装袋を浮上させるので、吸盤に比べて迅速に包装袋を取り出すことができる。しかも、本開示の給袋装置によれば、包装袋群からの包装袋の取り出しの程度に応じて第一テーブルの鉛直方向の位置を変位できる。したがって、厚さが一定でない包装袋が積層される包装袋群を送給の対象としても、一枚目の包装袋を送風機による取り出しに適した姿勢にできるので、高速な送給を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る給袋装置の概略構成を示す側面図である。
図2図1の給袋装置の平面図である。
図3図1の給袋装置における第一テーブルの動作例を示す図である。
図4図1の給袋装置における包装袋の切り出し手順を説明する図である。
図5図4に続いて、図1の給袋装置における包装袋の切り出し手順を説明する図である。
図6図1の給袋装置における包装袋の切り出し手順を示すフロー図である。
図7図1の給袋装置における各要素の動作を示すタイミングチャートである。
図8図1の給袋装置に適用され得る供給部による供給手順を示す図である。
図9図1の給袋装置に適用され得る搬出部の構成を示す図である。
図10図9の搬出部における排出手順を示す図である。
図11図10に続いて、図9の搬出部における排出手順を示す図である。
図12図9の搬出部の変形例を示す図である。
図13】第2実施形態に係る給袋装置の概略構成を示す側面図である。
図14図13の給袋装置の動作の一例を示す側面図である。
図15図13の給袋装置の動作の一例を示す側面図である。
図16図13の給袋装置の動作の一例を示す側面図である。
図17】第一テーブルの変形例を示す図である。
図18図17の第一テーブルの変更例を示す図である。
図19】第一テーブルのテーブル本体の変位の形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、実施形態に係る給袋装置1,2について説明する。
給袋装置1は、複数枚の包装袋Pが積層された包装袋群PGに気体の一例として空気流を吹き付けるとともに、負圧を生じさせることで、包装袋Pを包装袋群PGから一枚ずつ分離、かつ吸着させて下流(L)に向けて搬送する。包装袋群PGにおいて、複数枚の包装袋Pは長手方向Xおよび幅方向Yが一致するように積層されている。長手方向Xは、本開示における搬送方向と一致する。
【0010】
<第1実施形態>
[給袋装置1の全体構成:図1図2参照]
第1実施形態に係る給袋装置1は、図1および図2に示すように、上流(U)から供給される包装袋群PGが載せられる第一テーブル10と、第一テーブル10に載せられる包装袋群PGの上層域に空気流(エアブロー:air blow)を吹き付ける送風部20と、を備える。また、給袋装置1は、送風部20からのエアブローにより包装袋群PGから分離、浮上された包装袋Pを吸着するとともに下流(L)に向けて搬送する吸着搬送部30と、吸着搬送部30で搬送されてきた包装袋Pを下流(L)に向けて転送する搬出部40と、を備える。
給袋装置1は、図1および図2には記載がなされていないが、包装袋群PGを第一テーブル10に供給する供給部50と、搬出部40から転送される包装袋Pを下流(L)に向けて送る移送部60と、を備える。
【0011】
給袋装置1において、図1および図2などに示されるように、上流(U)および下流(L)、ならびに、長手方向X、幅方向Yおよび高さ方向Zが定義される。なお、上流(U)および下流(L)は相対的な意味を含んでいる。図1および図2には、水平方向Hおよび鉛直方向(V)も示されている。
【0012】
[第一テーブル10:図1図2参照]
第一テーブル10は、テーブル本体11と、テーブル本体11のおもて面の側に平面視して矩形の搭載面13と、を備える。包装袋群PGはこの搭載面13に載せられる。
第一テーブル10は、包装袋群PGを載せるのに加えて、包装袋群PGからの包装袋Pの取り出しの程度に合わせて初期位置IPから最終位置FPまで昇る。第一テーブル10は、包装袋群PGから全ての包装袋Pが取り出されると、次の包装袋群PGの供給に備えて最終位置FPから初期位置IPに降りる。
【0013】
第一テーブル10は、水平方向Hの定位置において、初期位置IPと最終位置FPとの間を鉛直方向(V)に昇降するのに加えて、上流(U)の側の端部の軸心C1を中心として回動することができる。回動とは、軸心C1を中心にして時計回りおよび反時計回りの両方に回転することをいう。なお、以下では、本実施形態において、時計回りの回転を正転といい、反時計回りの回転を逆転ということにする。
【0014】
図1において、初期位置IPに記載される第一テーブル10Aおよび最終位置FPに記載される第一テーブル10Cはともに水平方向Hに沿っている。これに対して第一テーブル10Bは、初期位置IPに対して正転されることにより、第一テーブル10Aに対して下流(L)から上流(U)に向けて下るように傾斜している。つまり、第一テーブル10Bは、上流(U)の端部の方が下流(L)の端部に比べて鉛直方向(V)の位置が高い。このように、第一テーブル10を傾斜させるのは、一端と他端との厚さが異なる包装袋Pを処理するのに対応するためである。この点について詳しくは送風部20および吸着搬送部30の説明の後に言及する。
【0015】
その全部を一体として第一テーブル10を昇降させるとともに傾斜させる手段はその動作を実現する限り任意である。例えば、駆動源として、回転式または直動式の電動モータ、流体圧シリンダなどを用いることができるし、駆動源からの駆動力を伝達するのにリンク機構、カム機構などを用いることができる。
ここで、包装袋Pを載せることができるかぎり本開示のテーブルに該当し、その材質、形態は問われない。つまり、第一テーブル10のように動作する過程においてその形状を維持しうる例えば金属材料などの材質から構成されてもよいし、後述する第一テーブル120のように動作する過程でその形状が変化し得る例えばゴムなどの材質から構成されてもよい。また、第一テーブル10のように全体が一体をなして包装袋群PGを載せることができるし、後述するように複数台の第一テーブル110の集合により包装袋群PGを載せることもできる。
【0016】
[送風部20:図1図2参照]
送風部20は、包装袋群PGから包装袋Pを浮上させるためのエアブローである浮上エアAAを吐出する浮上ノズル21を備える。また、送風部20は、浮上エアAAにより浮上した中で最上位の一枚目の包装袋Pとそれよりも下の包装袋Pとを分離するためのエアブローである分離エアSAを吐出する分離ノズル23を備える。送風部20は、浮上ノズル21および分離ノズル23に圧縮エアを供給するエア供給源25と、エア供給源25と浮上ノズル21および分離ノズル23を繋ぐエア供給管27と、を備える。エアブローは気体の一例にすぎず、本開示において、例えば窒素、その他の気体を用いることを排除しない。
【0017】
[浮上ノズル21(21A,21B)]
浮上ノズル21は、下流(L)から包装袋群PGに向けて浮上エアAAを吐出する1台の正面ノズル21Aと、幅方向Yの外側から包装袋群PGに向けて浮上エアAAを吐出する2台で一対の側方ノズル21B,21Bと、を備えている。このように、正面ノズル21Aと側方ノズル21B,21Bを設けることにより、包装袋群PGの下流(L)から上流(U)に向けた広い範囲に浮上エアAAを供給して、包装袋Pの包装袋群PGからの確実な浮上に寄与できる。なお、ここでは好ましい一例として、正面ノズル21Aを1台、側方ノズル21B,21Bを2台としているが、例えば、複数台の正面ノズル21Aを用いてもよいし、複数対の側方ノズル21B,21Bを用いてもよい。
【0018】
正面ノズル21Aは、第一テーブル10よりも下流(L)であって、包装袋群PGの下流(L)の端部であって、包装袋群PGのなかの一枚目の包装袋Pおよび二枚目~数枚目の近傍、つまり包装袋群PGの上層域に浮上エアAAを供給し得る鉛直方向(V)の位置に配置される。この鉛直方向(V)における位置は、側方ノズル21B,21Bについても同様に当てはまる。
【0019】
側方ノズル21B,21Bは、第一テーブル10の幅方向Yの両側に設けられ、第一テーブル10の幅方向Yの中央に向けて浮上エアAAを吐出できる位置に配置される。側方ノズル21B,21Bからの浮上エアAAは、幅方向Yに平行に吐出されてもよいし、幅方向Yに対して下流(L)または上流(U)に傾いて吐出してもよい。
【0020】
正面ノズル21Aおよび側方ノズル21B,21Bからの浮上エアAAにより浮上した包装袋Pは、吸着搬送部30で生じる負圧とされる雰囲気により、吸着搬送部30の吸着ベルト33に吸着される。
浮上ノズル21(21A,21B)の位置について、包装袋群PGから一枚目など上位の包装袋Pを浮上させることができれば任意であり、図1および図2に示される位置はあくまで一例に過ぎない。例えば、側方ノズル21B,21Bは、図1および図2に示されるよりも下流(L)であってもよいし、上流(U)であってもよい。
また、浮上ノズル21(21A,21B)から吐出される浮上エアAAは、包装袋群PGに直接的に吹き付けられてもよいし、何らかの部材を介して間接的に吹き付けられてもよい。
【0021】
[分離ノズル23]
分離ノズル23は、吸着搬送部30に吸着された一枚目の包装袋Pと二枚目以降の包装袋Pとを分離させて包装袋群PGに戻すための分離エアSAを下流(L)から吐出する。分離ノズル23は、少なくとも、一枚目の包装袋Pと二枚目の包装袋Pとの間に分離エアSAを供給できる位置に設けられる。
分離ノズル23も一台だけでもよいし、複数台を設けてもよい。また、分離ノズル23から吐出される分離エアSAは、包装袋群PGに直接的に吹き付けられてもよいし、何らかの部材を介して間接的に吹き付けられてもよい。
なお、図1においては、重複した記載を避けるために、正面ノズル21Aと分離ノズル23を長手方向Xにずらして正面ノズル21Aと分離ノズル23を記載している。しかし、正面ノズル21Aと分離ノズル23とを幅方向Yの位置をずらして設けることで、長手方向Xの位置を重複させることができる。
【0022】
[エア供給源25,エア供給管27:図1図2参照]
浮上ノズル21(正面ノズル21A,側方ノズル21B,21B)および分離ノズル23には、エア供給管27を介してエア供給源25からの圧縮エアが供給される。後述するように、浮上ノズル21(正面ノズル21A,側方ノズル21B,21B)からの浮上エアAAおよび分離ノズル23からの分離エアSAの吐出タイミングが異なる。この吐出タイミング応えるために、エア供給管27に開閉バルブを設けることもできるし、浮上ノズル21および分離ノズル23にシャッタなどの開閉機構を設けることもできる。
【0023】
[吸着搬送部30:図1図2参照]
吸着搬送部30は、包装袋群PGから浮上した一枚目の包装袋Pを負圧により吸着するとともに、下流(L)に向けて搬送する。吸着搬送部30は、長手方向Xに間隔を隔てて配置される一対のローラ31A,31Bと、一対のローラ31A,31Bに掛け渡される無端状の吸着ベルト33と、ローラ31Aとローラ31Bの間であって、吸着ベルト33の内側に設けられる吸引器35と、を備えている。
【0024】
ローラ31A,31Bの少なくとも一方、例えばローラ31Aは、図示が省略される回転式の電動モータに連結されている。ローラ31A,31Bの他方であるローラ31Bは、遊転可能に支持されている。電動モータの回転駆動に従ってローラ31Aが自転するとともにローラ31Bが遊転することで、吸着ベルト33が走行される。ここでは、一例として、ローラ31A,31Bが時計回りに自転、遊転することにより、吸着ベルト33もまた時計回りに走行する。
【0025】
吸着ベルト33は、おもて面33Aからうら面33Bまで貫通する複数の通気孔33Cを、周方向の全域にわたって備えている。通気孔33Cは図2の吸着ベルト33の一部だけに示される。吸着ベルト33の内側に設けられる吸引器35が動作すると、通気孔33Cから吸着ベルト33の外側の空気を吸引することで、第一テーブル10に対向する吸着ベルト33の外側であって下方に負圧の雰囲気が生じる。
【0026】
吸引器35は、例えば、配管を介して吸気ファンに接続されている。吸気ファンが動作することにより、吸引器35の下方の空気を吸引することにより負圧を発生させる。この空気の吸引による負圧は、吸着ベルト33の通気孔33Cを介して、包装袋群PGから浮上した包装袋Pにも作用するので、この包装袋Pは吸着ベルト33に吸着される。吸着ベルト33に吸着された包装袋Pは、吸着ベルト33の走行に伴って下流(L)に向けて搬送される。吸引器35による空気の吸引が続けられたまま、下流(L)の搬出部40に向けて放り出される。
【0027】
[搬出部40:図1図2参照]
搬出部40は、吸着搬送部30から受け取った包装袋Pをさらに下流(L)に向けて移送する。搬出部40は、鉛直方向(V)に並ぶ一対の搬出ローラ41A,41Bと、搬出ローラ41A,41Bよりも上流(U)設けられる中継テーブル43を備える。高速で回転することができる搬出ローラ(41A,41B)を用いることで、下流(L)の側に包装袋(P)を高速で搬送することができる。
【0028】
搬出ローラ41A,41Bは、いずれも図示が省略される回転式の電動モータに連結されている。搬出ローラ41A,41Bの少なくとも一方、例えば搬出ローラ41Aは、鉛直方向(V)に所定の距離だけ昇降可能とされるが、他方の搬出ローラ41Bは鉛直方向(V)の位置が固定される。搬出ローラ41Aは、図1において実線で示される待機位置WPと、同様に一点鎖線で示される動作位置OPと、の間を昇降する。包装袋Pを受け取る際には、搬出ローラ41Bとの間隔を空けるために、搬出ローラ41Aは待機位置WPにある。包装袋Pを受け取ると、搬出ローラ41Aが動作位置OPに移動して搬出ローラ41Aと搬出ローラ41Bとで包装袋Pを挟むことで搬出ローラ41Bの回転が伝わり、包装袋Pを下流(L)に向けて送る。搬出ローラ41Aと搬出ローラ41Bの間に包装袋Pが適切に供給されるために、中継テーブル43が設けられている。
【0029】
[第一テーブル10の傾斜の必要性について:図3参照]
例えば、包装袋Pには全域に亘って厚さが一定のものもあれば、厚さが一端から他端に向けて増すものもある。厚さが増す包装袋Pを積層した包装袋群PGが第一テーブル10に載せられた状態において、上流(U)の端部の厚さTU1と下流(L)の端部の厚さTL1とが、TU1>TL1の関係を有する。したがって、仮に第一テーブル10が水平方向Hに沿っていると、上流(U)の端部の方が下流(L)の端部よりも鉛直方向(V)の位置が高くなる。そうすると、側方ノズル21B,21Bからの浮上エアAAを包装袋群PGの上層域に吹き付けることができない、あるいは、一枚目の包装袋Pが吸着搬送部30の吸着ベルト33に接してしまい一枚目の包装袋Pの取り出しができなくなるなどの不具合が生じ得る。つまり、取り出しの対象となる包装袋群PGの一枚目の包装袋Pは、吸着搬送部30に対して所定の間隔をあけ、かつ、水平方向Hに対して略平行な姿勢を有していることが好ましい。この一枚目の好ましい姿勢を得るために、第一テーブル10は鉛直方向(V)に昇降するのに加えて、上流(U)の側の端部の軸心C1を中心にした回動により傾斜できるようにされている。
【0030】
例えば、第一テーブル10は、初期位置IP、つまり水平方向Hに平行な状態において、上流(U)の方が下流(L)よりも厚い包装袋群PGを受け取るものとする。このまま第一テーブル10を上昇させると上述した不都合が生じるため、第一テーブル10は図3の上段に示されるように傾斜される。この傾斜の角度θ1は、包装袋群PGの最上層における一枚目の包装袋Pが水平方向Hに略平行になるように設定される。包装袋Pの取り出しが進み包装袋群PGの厚さTU2、TL2が小さくなるのに伴って、第一テーブル10は上昇されるが、傾斜の角度θ2も小さくなるように回動がなされる。包装袋群PGの厚さTU3、TL3と小さくなれば、第一テーブル10は上昇されるとともに、傾斜の角度θ3も小さくなるように回動がなされる。このうに、第一テーブル10は、鉛直方向(V)の位置が高くなるのにつれて、傾斜の角度が小さくなる。さらに取り出しが進んで、包装袋群PGを構成する包装袋Pの枚数が少なくなれば、第一テーブル10は最終位置FP(図1)として示されるように、水平方向Hに平行とされる。また、取り出しが進む過程において、包装袋群PGの最上層の鉛直方向(V)の位置V1は一定に維持される。
【0031】
以上のように、給袋装置1は、昇降するのに加えて、傾斜の程度を変動させることができる第一テーブル10を用い、鉛直方向Vの位置が高くなるのにつれて、傾斜の角度が小さくできる。そうすることにより、薄い部分と厚い部分を有する厚さの不定な包装袋Pが積層された包装袋群PGを処理することができる。なお、給袋装置1において、第一テーブル10は傾斜されることなく単純に上昇されることもある。厚さの一定な包装袋Pが積層された包装袋群PGを処理する場合である。
【0032】
[給袋装置1の動作:図4図5図6図7参照]
次に、図4図5図6および図7を参照して、給袋装置1の動作を説明する。なお、ここでは厚さが一定の包装袋Pが積層された包装袋群PGを対象に説明する。この場合、第一テーブル10において、昇降だけが行われる。
【0033】
[給袋準備:図4 STEP1]
上流(U)より包装袋群PGが第一テーブル10に供給される。包装袋群PGはその上面が吸着搬送部30に対向している。また、包装袋群PGと浮上ノズル21(21A,21B)とは、少なくとも一枚目の包装袋Pに浮上ノズル21(21A,21B)から吐出される浮上エアAAが吹き付けられる位置関係に置かれる。この給袋準備の状態が整ってから、給袋の動作が開始される。この時点では、浮上ノズル21からの浮上エアAAの吐出および分離ノズル23からの分離エアSAの吐出は停止しており、また、吸着搬送部30および搬出部40の動作も停止している。
【0034】
[浮上エアの吐出、負圧発生:図4 STEP2,図6 S101,S103,図6
給袋準備が整うと、正面ノズル21Aおよび側方ノズル21B,21Bから浮上エアAAが吐出(ON)される。この浮上エアAAの吐出の開始と同時に吸着搬送部30の吸引器35が吸着動作を開始する(ON)。ここでは、浮上エアAAの吐出と同時に吸着動作を開始するが、浮上エアAAにより浮上した一枚目の包装袋Pを吸着できるのであれば、同時に限るものではない。例えば、吸着搬送部30による吸着動作を浮上エアAAの吐出に先行させても、浮上エアAAにより浮上した一枚目の包装袋Pを吸着できる。分離ノズル23からはこの時点では未だ分離エアSAが吐出されていない(OFF)。
【0035】
[分離エアの吐出:図4 STEP3,図6 S105,図7
浮上エアAAの吐出および吸着動作を開始(ON)してから所定時間が経過すると、分離ノズル23から分離エアSAが吐出される(ON)。このとき、浮上ノズル21(21A,21B)からの浮上エアAAも吐出されている。一枚目の包装袋Pは吸着搬送部30に吸着されている。
【0036】
[浮上エアの停止、吸着コンベアの走行:図5 STEP4,図6 S107,図7
分離エアSAの吐出が開始(ON)してから所定時間だけ経過すると、浮上エアAAの吐出は停止される(OFF)。そうすると、二枚目以降の包装袋Pは落下して包装袋群PGに戻る。一枚目の包装袋Pを吸着している吸着搬送部30の走行が開始される。
浮上ノズル21からの浮上エアAAの吐出と分離ノズル23からの分離エアSAの吐出とが重複してなされる。これは、分離エアSAによる二枚目以降の包装袋Pが落下する際に、一枚目の包装袋Pまで落下するのを防ぐためである。
【0037】
[吸着停止、分離エアの停止:図5 STEP5,図6 S109,図7
吸着搬送部30の走行が開始されてから所定時間が経過すると、吸着搬送部30による吸着動作が停止(OFF)される。そうすると、吸着されていた包装袋Pが搬出部40に向けて放り出される。次いで、吸着搬送部30の走行を続けるかまたは停止されるが、いづれにしても搬出部40の搬出ローラ41Aと搬出ローラ41Bにより包装袋Pを吸着搬送部30から剥ぎ取る。
【0038】
[搬出部40による搬送:図5 STEP5,図6 S111,図7
搬出部40においては、搬出ローラ41Aが搬出ローラ41Bから離れる待機位置WPにあって放り出される包装袋Pを受け入れる。そのタイミング放り出される包装袋Pを受け入れるために、吸着搬送部30が走行している間に、搬出ローラ41Aが搬出ローラ41Bに接する動作位置OPに移動され、搬出ローラ41Aと搬出ローラ41Bとで包装袋Pを挟む。同時に、搬出ローラ41Aと搬出ローラ41Bが所定時間だけ回転動作をして、包装袋Pを下流(L)に向けて搬送する。
【0039】
送風部20、吸着搬送部30および搬出部40は、以上の動作を繰り返すことにより、包装袋群PGの上から一枚ずつ包装袋Pを取り出し、かつ、下流(L)に向けて供給する。
【0040】
[供給部50:図8参照]
次に、給袋装置1の第一テーブル10に対して包装袋群PGを供給するのに好適な供給部50を、図8を参照して説明する。供給部50は、複数枚の包装袋Pが積層された包装袋群PGの単位で、第一テーブル10に供給する。
供給部50は、長手方向Xに間隔を隔てて配置される一対のローラ51A,51Bと、一対のローラ51A,51Bに掛け渡される無端状のコンベアベルト53と、を備えている。
【0041】
ローラ51A,51Bの少なくとも一方、例えばローラ51Bは、図示が省略される回転式の電動モータに連結されている。ローラ51A,51Bの他方であるローラ51Aは、遊転可能に支持されている。電動モータの回転駆動に従ってローラ51Bが自転するとともにローラ51Aが遊転することで、コンベアベルト53が走行する。ここでは、一例として、ローラ51A,51Bが反時計回りに自転、遊転することにより、コンベアベルト53もまた反時計回りに走行する。
【0042】
供給部50は、二束の包装袋群PG1,PG2をコンベアベルト53に載せて待機している(図8 STEP1)。給袋装置1における一束分の包装袋群PG1の処理が終わり、空となった第一テーブル10は初期位置IPに戻っている。二束はあくまで一例であり、三束以上の包装袋群PGが載せられる供給部50とすることもできる。
【0043】
供給部50は、ローラ51Aを回転駆動させて、先頭の包装袋群PG1を第一テーブル10に受け渡す(図8 STEP2,3)。包装袋群PG1を第一テーブル10に受け渡すとローラ51Bは停止する。
【0044】
包装袋群PG1を受け取った第一テーブル10は図示が省略される吸着搬送部30に向けて上昇されるなど、給袋動作に備える(図8 STEP4)。一方で、コンベアベルト53の上は空きスペースができたので、次の包装袋群PG3が載せられる。
【0045】
供給部50は、以上の動作を繰り返すことにより、包装袋群PGを間欠的に第一テーブル10に供給する。
なお、コンベアベルト53の包装袋群PGを載せるおもて面に、先行する包装袋群PGと後続の包装袋群PGとの間に間仕切りを立てることができる。この場合、第一テーブル10との干渉を避けるために、第一テーブル10と衝立55の双方をくしば状にすればよい。
【0046】
[移送部60:図9図10図11図12参照]
次に、搬出部40から受け取った包装袋Pを下流(L)の工程に向けて搬送する移送部60について、図9図12を参照して説明する。
移送部60は、図9に示すように、搬出ローラ41A,41Bから搬出される包装袋Pを受け取るとともに位置決めする第二テーブル61と、第二テーブル61において位置決めされた包装袋Pを保持するとともに下流(L)に向けて受け渡す回転式の移送機65と、を備える。
【0047】
第二テーブル61は、包装袋Pを受け取るだけの表面積を有するテーブル本体62と、テーブル本体62における下流(L)の端部に設けられ第一ガイド63と、を備える。
【0048】
テーブル本体62は、水平方向Hの定位置において、上流(U)の側の端部の軸心C2を中心として回動、つまり正転および逆転することができる。なお回動とは、軸心C1を中心にして時計回りおよび反時計回りの両方に回転することをいう。なお、図9において、実線で示されるテーブル本体62は包装袋Pを受け取る姿勢を示し、一点鎖線で示されるテーブル本体62は包装袋Pを移送機65に受け渡す姿勢を示している。テーブル本体62は、図示が省略される例えば回転式の電動モータにより、受け取り姿勢(第一姿勢)RPと受け渡し姿勢(第二姿勢)DPとの間を傾転動作する。
【0049】
第一ガイド63は、搬出ローラ41A,41Bから放り出される包装袋Pを受け止めることで、包装袋Pの長手方向Xにおける位置決めを行う。ここでは固定式の第一ガイド63を説明するが、後述するように、往復移動する第一ガイド63とすることもできる。
【0050】
回転式の移送機65は、図示を省略する回転式の電動モータにより軸心C3を中心として間欠的に回転する回転体66と、回転体66の外周面から軸心C3と平行に延びる複数、ここでは四つの支持アーム67と、支持アーム67に取り付けられる複数の吸盤68と、を備える。
【0051】
四つの支持アーム67は、90度の角度を隔てて等間隔に配置される。回転体66は、支持アーム67が鉛直方向(V)の下向きになって、テーブル本体62に正対する位置において停止する。回転体66が停止している間に、テーブル本体62は受け渡し姿勢DPとなるが、受け渡し姿勢DPのテーブル本体62に載せられる包装袋Pは吸盤68に押し当てられる。こうして包装袋Pは吸盤68に吸着される。
【0052】
次に、図10を参照して、移送部60の動作を説明する。
搬出ローラ41Aが待機位置WPにあって、包装袋Pを受け取るために搬出ローラ41Bとの間隔が空けられている(図10 STEP1)。このとき、テーブル本体62は受け取り姿勢RPにある。
【0053】
包装袋群PGから取り出された包装袋Pが、間隔が閉じられた搬出ローラ41A,41Bによってテーブル本体62に向けて放り出される(図10 STEP2)。テーブル本体62は待機位置WPのままであり、包装袋Pはテーブル本体62を滑って第一ガイド63に達する(図10 STEP3)。
【0054】
次いで、テーブル本体62は受け渡し姿勢DPに姿勢を変え、吸盤68は包装袋Pを吸着する(図11 STEP4)。そうすると、テーブル本体62は次の包装袋Pを受け取るために待機位置WPに戻り(図11 STEP5)、さらに回転体66が90度だけ回転する(図11 STEP6)。包装袋Pは鉛直方向(V)に姿勢が代えられ、下流(L)の工程に受け渡される。
【0055】
以上のSTEP1~STEP6の手順を繰り返すことにより、給袋装置1は包装袋Pを一枚ずつ連続的に下流(L)に向けて供給できる。
【0056】
以上の説明においては、第一ガイド63は位置が固定されるものとして説明しているが、図12に示すように、長手方向Xに進退移動できる第一ガイド63とすることもできる。この第一ガイド63は、待機位置WPにおいて包装袋Pを受け止める(図12 STEP α)。第一ガイド63の進退移動に伴って包装袋Pが変形するのを防ぐために、支持アーム67に変形抑止体69が設けられる。変形抑止体69は、例えばゴムのように伸縮を含め変形が容易な弾性体から構成される。変形抑止体69は、吸盤68よりも下流(L)の側に吸盤68に併設されている。変形抑止体69は、テーブル本体62が受け渡し姿勢DPになったときに、吸盤68よりも先に包装袋Pに接して、包装袋Pの変形を正す。
【0057】
テーブル本体62が包装袋Pを受け取った後に、テーブル本体62が受け取り姿勢RPから受け渡し姿勢DPに姿勢を変える過程で、第一ガイド63は下流(L)の側から上流(U)の側に移動し、包装袋Pの位置決めを行う(図12 STEP β)。このとき、変形抑止体69は包装袋Pに接するが吸盤68は包装袋Pから離れている。第一ガイド63が上流(U)の側に移動することにより、第一ガイド63に接する包装袋Pの第一ガイド63の近傍には第一ガイド63から受ける荷重により上向きに凸となる変形(撓み)が生ずることがある。しかし、変形抑止体69が包装袋Pに押し当てられるため、仮に撓みが生じたとしても、撓みは解消される。
【0058】
テーブル本体62が受け渡し姿勢DPまで姿勢を変えると、吸盤68に包装袋Pが接し、包装袋Pが吸盤68に吸着される(図12 STEP γ)。このとき、変形抑止体69は微小量だけ縮む。
【0059】
なお、図12に示される変形例は、幅方向Yにおいて包装袋Pの位置決めを担う第二ガイド64を備える。第二ガイド64は、テーブル本体62おける包装袋Pの幅方向Yの両側に一つずつ設けられ、幅方向Yに進退移動することにより、包装袋Pの幅方向Yの位置決めを行うことができる。
【0060】
上記以外にも、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
例えば、以上の実施形態においては第一テーブル10の上流(U)の側を低くしたが、載せられる包装袋群PGの一端と他端の厚さの関係が逆の場合には、第一テーブル10の下流(L)の側を低くすることもできる。
また、長手方向Xに進退移動できる第一ガイド63に伴って変形抑止体69を設ける例を示したが、本開示は位置が固定される第一ガイド63を備える形態においても変形抑止体69を設けることができる。
【0061】
<第2実施形態>
第2実施形態に係る給袋装置2は、包装袋Pの厚さが異なる位置に関わらず、取り出しの対象となる包装袋群PGの一枚目の包装袋Pが、吸着搬送部30に対して所定の間隔をあけ、かつ、水平方向Hに対して略平行な姿勢を有することができる構成を備えている。給袋装置2は、当該構成を除けば給袋装置1と同様の構成を備えている。そこで、以下では給袋装置1との相違点である第一テーブル110の構成、動作を中心に、図13図16を参照して給袋装置2を説明する。なお、図13図16において、給袋装置1と同様の構成については給袋装置1と同じ符号を付している。
【0062】
[給袋装置2の構成:図13図14
給袋装置2は、図13図14に示すように、複数台、ここでは一例として五台の昇降アクチュエータ115を含む第一テーブル110を備える。それぞれの昇降アクチュエータ115は、上端面に搭載面113を有するテーブル本体111と、テーブル本体111を下方から支持するとともに昇降するロッド112と、ロッド112を鉛直方向Vに昇降させる駆動源114と、を備える。それぞれのテーブル本体111は水平方向Hに隣接して設けられる。また、それぞれの昇降アクチュエータ115は、支持台116に載せられる。支持台116は、鉛直方向Vの位置が固定されてもいいし、鉛直方向Vに昇降可能とされてもよい。
複数台の昇降アクチュエータ115はそれぞれが独立してロッド112の昇降を制御することにより、テーブル本体111の搭載面113の鉛直方向Vの位置を独立して設定できる。複数のテーブル本体111は、図13に示すように最も鉛直方向Vが高い位置から図14に示すように最も鉛直方向Vの低い位置までの範囲で昇降される。ロッド112と駆動源114の部分については、電動、流体圧によりテーブル本体111を直線往復運動させることができる装置が広く適用される。
【0063】
[給袋装置2の動作例:図15図16
例えば、一端と他端の間の中央が他の部分よりも厚い中高(なかたか)の包装袋Pの場合には、図15に示すように、長手方向Xに並ぶ複数(5台)の昇降アクチュエータ115を中央のテーブル本体111を低くし、他のテーブル本体111については、上流(U)に向けて段階的に高くするとともに、下流(L)に向けて段階的に高くする。つまり、複数のテーブル本体111を連動させることにより、複数の搭載面113が全体として必要される起伏を形成できる。そうすれば、中高の包装袋Pが積層された包装袋群PGであっても、最上層の包装袋Pを水平方向Hに平行に保つことができる。ただし、包装袋Pの取り出しの進行に伴って、鉛直方向Vの位置が最も低いテーブル本体111と鉛直方向Vの位置が最も高いテーブル本体111との高低差が小さくなるように、昇降アクチュエータ115の動作が制御される。
【0064】
なお、ここでは中高の包装袋Pの例を示したが、両端が他の部分よりも厚い包装袋Pからなる包装袋群PGの場合には、長手方向Xに並ぶ複数(5台)の昇降アクチュエータ115を中央のテーブル本体111を高くし、他のテーブル本体111については、上流(U)に向けて段階的に低くするとともに、下流(L)に向けて段階的に低くすればよい。
【0065】
給袋装置2は、給袋装置1と同様に、厚さが一端から他端に向けて増す包装袋Pにも適用できる。つまり、図16に示すように、長手方向Xに並ぶ複数(5台)の昇降アクチュエータ115を上流(U)から下流(L)に向けてテーブル本体111の鉛直方向Vの位置を段階的に低くする。そうすれば、厚さが一端から他端に向けて増す包装袋Pであっても、最上層の包装袋Pを水平方向Hに平行に保つことができる。ただし、包装袋Pの取り出しの進行に伴って、鉛直方向Vの位置が最も低いテーブル本体111と鉛直方向Vの位置が最も高いテーブル本体111との高低差が小さくなるように、昇降アクチュエータ115の動作が制御される。
なお、傾斜させる向きを図16とは逆に、上流(U)から下流(L)に向けてテーブル本体111の鉛直方向Vの位置を段階的に高くすることもできる。
また、複数のテーブル本体111を連動させる一例として、テーブル本体111のそれぞれに対応して駆動源である昇降アクチュエータ115を設ける例を説明したが、これに限られない。例えば、複数のテーブル本体111をリンク機構で連結するとともに、一つの駆動源でリンク機構を動作させることによっても、複数のテーブル本体111を連動させることもできる。
【0066】
給袋装置2によれば、一端から他端にかけて種々の形態で厚さが変動する包装袋Pであっても、最上層の包装袋Pを水平方向Hに平行に保つことができる。したがって、給袋装置2によれば、一枚目の包装袋を送風機による取り出しに適した姿勢にできるので、高速な送給を安定して行うことができる。
【0067】
<第一テーブルの変形例>
以上で説明した第一テーブル10,110において、テーブル本体11,111は傾斜することも含めてその一部が鉛直方向Vに変位はするが、それ自体は一定の形状を維持し変形することはない。しかし、本開示において、以下に一例として説明する第一テーブル120のテーブル本体121のように、それ自体が変形する形態を含む。ただし、第一テーブル120のテーブル本体121は、搬送方向に連なる一体の形態をなし、鉛直方向(V)に昇降するとともに、水平方向(H)に傾斜する点で、テーブル本体11と共通する。なお、以下では第一テーブル120の部分のみについて説明するが、第1実施形態および第2実施形態が備える送風部20、吸着搬送部30などの他の要素を備えることで給袋装置が構成される。
【0068】
[第一テーブル120の構成:図17
第一テーブル120は、図17に示すように、搭載面123を備えるテーブル本体121と、テーブル本体121を下方から支持し、テーブル本体121の傾きを変化させる負荷付与アクチュエータ125と、負荷付与アクチュエータ125を水平方向Hに往復移動させる往復動アクチュエータ129と、を備える。第一テーブル120は、負荷付与アクチュエータ125および往復動アクチュエータ129の動作により搭載面123の水平方向Hに対する傾きを変化できる。
【0069】
テーブル本体121は、一例として弾性の高いゴム製のベルトから構成される。テーブル本体121において、搭載面123は包装袋群PGを載せることができる表面積を有しているとともに、包装袋群PGを載せても破断などしない強度を有している。テーブル本体121は、一例として上流(U)の側の端部121Uと下流(L)の側の端部121Lがそれぞれ支持点122Uと支持点122Lに支持されている。これによりテーブル本体121は水平方向Hに所定の張力を有して支持点122Uと支持点122Lに支持される。支持点122Uと支持点122Lは、昇降可能とされる。
【0070】
負荷付与アクチュエータ125は、搭載面123のうら面(下面)に対して転動可能に支持する支持ローラ126と、支持ローラ126を回転可能に支持し、鉛直方向Vに沿って昇降するロッド127と、ロッド127を鉛直方向Vに昇降させる駆動源128と、を備える。
負荷付与アクチュエータ125は、駆動源128を駆動させることにより、ロッド127を昇降させることにより、支持ローラ126を介してテーブル本体121に上向きに負荷を与えることができる。上向きの負荷を受けるテーブル本体121は張力の増大を伴って上向きに凸となる。この凸を頂点として、テーブル本体121はその上流Uの側および下流Lの側が傾斜する。負荷付与アクチュエータ125のロッド127は、一例として、図17の<C>に示される最下点から、図17の<L>および<U>に示される最上点までの範囲で昇降される。ロッド127が最下点にいるときには、支持ローラ126はテーブル本体121に接する程度であり、テーブル本体121は水平方向Hに沿っている。なお、負荷付与アクチュエータ125は一台で足りるが、複数台の負荷付与アクチュエータ125を設けることもできる。
【0071】
往復動アクチュエータ129は、上流Uから下流Lに向けた長手方向Xにまたは下流Lから上流Uに向けた長手方向Xに、負荷付与アクチュエータ125を往復移動させる。往復動アクチュエータ129は、例えば直動式の電動モータ、流体圧シリンダなどを用いることができる。直動式の電動モータを用いる場合、往復動アクチュエータ129に固定子を設け、負荷付与アクチュエータ125に可動子を設けることができる。
なお、ここでは往復動アクチュエータ129を設けることにより負荷付与アクチュエータ125を往復移動させる例を示したが、負荷付与アクチュエータ125を自走式とすれば、往復動アクチュエータ129を省くことができる。
【0072】
以上の構成を備える第一テーブル120は、負荷付与アクチュエータ125の長手方向Lの移動位置およびロッド127の昇降位置を選択することにより、テーブル本体121の傾きを変えることができる。一例を以下に示す。
図17の<C>に示されるように、往復動アクチュエータ129の長手方向Lの中央に負荷付与アクチュエータ125がいて、かつ、ロッド127が最下点にいるときには、テーブル本体121の搭載面123は水平方向Hに沿っており、水平方向Hに対する傾きはない。支持点122Uと支持点122Lを上昇させれば、テーブル本体121の鉛直方向Vの位置を高くできる。例えば、包装袋群PGにおける包装袋Pの枚数が少なくなったときに、テーブル本体121の鉛直方向Vの位置を高くすればよい。
【0073】
図17の<L>に示されるように、負荷付与アクチュエータ125が最も下流Lの側にいて、かつ、ロッド127が一例として最上点にいるときには、搭載面123は支持ローラ126よりも下流Lの側は下流Lに向けて単純に下るように傾斜し、支持ローラ126よりも上流Uの側は上流Uに向けて単純に下るように傾斜する。
ロッド127の位置を最上点から下げることにより、テーブル本体121の傾きを小さくできる。つまり、包装袋群PGの厚さに応じて、テーブル本体121の傾きを選択できる。これはテーブル本体121の傾きが逆の図17<U>の場合も同様である。また、支持ローラ126で支持されている位置よりも下流Lの側に位置するテーブル本体121の部分は、実際には包装袋群PGの搭載に関わらないこともあるが、当該部分は図17<U>に示される状態においては、包装袋群PGの搭載に関わる。つまり、第一テーブル120は、テーブル本体121は支持ローラ126で支持される部分を境にして傾斜の向きおよび角度が異なることがあるが、いずれにしても水平方向Hに傾斜している。
【0074】
図17の<U>に示されるように、負荷付与アクチュエータ125が最も上流Uの側にいて、かつ、ロッド127が一例として最上点にいるときには、搭載面123は上流Uから下流Lに向けて単純に下るように傾斜する。
【0075】
図17<L>,<U>を参照すれば理解できるように、支持ローラ126で支持されるテーブル本体121の部分は、鉛直方向Vの位置が、図17<C>の状態に比べて高くなっており、テーブル本体121は鉛直方向に昇降されるといえる。つまり、第一テーブル120は搬送方向に連なる一体の形態をなし、鉛直方向(V)に昇降するとともに、水平方向(H)に傾斜している。ただし、第一テーブル10とは、第一テーブル120が変形することで搭載面123が傾斜する点で相違する。
【0076】
第一テーブル120によれば、給袋装置2の第一テーブル110と同様に、一端から他端にかけて種々の形態で厚さが変動する包装袋Pであっても、最上層の包装袋Pを水平方向Hに平行に保つことができる。しかも、第一テーブル120によれば、一台の負荷付与アクチュエータ125が一台でテーブル本体121の傾斜の向きを変えることができるので、第一テーブル120の製造コストを下げることができる。
【0077】
第一テーブル120はいくつかの変更を伴うことができる。以下、図18を参照して説明する。
図18<VE1>に示される第1変更例は、テーブル本体121の一方の端部が、固定されていない。つまり、テーブル本体121は上流Uの側は回転可能に支持されるローラ131に掛け回されており、上流Uの側の端部121Uには錘131が吊り下げられている。第1変更例において、ロッド127が上昇すると、テーブル本体121は上向きに凸となるように変形するが、錘131が吊り下げられているために、テーブル本体121に張力が付与される。したがって、包装袋群PGを載せたとしても、テーブル本体121は変形後の状態を維持できる。
【0078】
図18<VE2>に示される第2変更例は、錘131の代わりに端部121Uの側が巻き回されるボビン135を備える。ボビン135は、図中の時計回りにトルク(T1)が付与されており、テーブル本体121に負荷が加わらなければ、テーブル本体121の端部121Uの側を巻き取る。第2変更例において、ロッド127が上昇すると、ボビン135はテーブル本体121を介して反時計回りにトルク(T2)を受ける。そうすると、ボビン135に巻き回されていたテーブル本体121はボビン135から巻き出されるが、時計回りのトルク(T1)によりテーブル本体121は変形後の状態を維持しながら包装袋群PGを載せることができる。
【0079】
図18<VE3>に示される第3変更例は、昇降するロッド127の代わりに偏心回転ローラ137を備える。偏心回転ローラ137は、円の中心から径方向にずれた位置を回転中心とする。したがって、偏心回転ローラ137が回転すると、実線で示される位相と破線で示される位相との間を変位するので、偏心回転ローラ137の外周の軌跡は鉛直方向Vに昇降する。これにより、テーブル本体121に上向きの負荷を加えることができる。なお、ここでは真円の偏心回転ローラ137を用いているが、楕円形状の回転ローラを中心周りに回転させてもよい。つまり、本開示において、昇降の手段として回転体を用いることができる。
【0080】
<テーブル本体11の変位について:図19
第一テーブル10のテーブル本体11において、鉛直方向(V)に昇降するとともに、水平方向(H)に傾斜する例を説明した。この例の水平方向(H)に傾斜するは、図19に示されるように、テーブル本体11の長手方向Lに対して傾斜することを意味する。
本開示において、水平方向(H)への傾斜は、長手方向Lに限るものではなく、図19に示されるように、テーブル本体11の幅方向Wに対して傾斜することもできる。加えて、本開示は、長手方向Lに対する傾斜と幅方向Wに対する傾斜を複合させることもできる。
以上のように、テーブル本体11を任意の方向に傾斜させることができる給袋装置1によれば、任意の部位の厚さが増す包装袋Pを積層した包装袋群PGに対応できる。
なお、図19に示される例においては、長手方向Lは白抜きの片矢印で示される搬送方向と一致し、幅方向Wは搬送方向に直交する。また、図19には、テーブル本体11の鉛直方向(V)に対する昇降も白抜きの両矢印とともに示されている。
また、以上の任意の方向への傾斜は、第一テーブル110,120のテーブル本体111,121についても適用される。
【0081】
[付記]
本開示に係る給袋装置(1)は、複数の包装袋(P)が積層される包装袋群(PG)を載せる第一テーブル(10)と、第一テーブル(10)に載せられる包装袋群(PG)の上層域に気体を吹き付ける送風部(20)と、送風部(20)から吹き付けられる気体により浮上する一枚目の包装袋Pを吸着するとともに下流(L)に向けて搬送する吸着搬送部(30)と、を備え、上流(U)から下流(L)に向けて包装袋Pを送給する。第一テーブル(10)は、包装袋群(PG)を載せる搭載面(13,113)が、鉛直方向(V)に変位可能とされる。
【0082】
第一テーブル(10)は、好ましくは、搬送方向に連なる一体の形態をなし、その全部または一部が鉛直方向(V)に昇降するとともに、水平方向(H)に傾斜し、さらに好ましくは、鉛直方向(V)の位置が高くなるのにつれて、傾斜の角度が小さくなる。
この給袋装置(1)によれば、包装袋群PGからの包装袋Pの取り出しが進行しても、包装袋群PGの最上層の包装袋Pを水平方向(H)に平行に保つことができる。これにより、送風部(20)および吸着搬送部30による包装袋(P)の円滑な取り出しを継続して行うことができる。
【0083】
第一テーブル(110)は、好ましくは、水平方向(H)に隣接して配置される複数のテーブル(111)を備え、複数のテーブル本体(111)は、連動して昇降される。複数のテーブル本体(111)は、それぞれに対応して設けられるアクチュエータによって昇降される。
この給袋装置(1)によれば、一端から他端にかけて種々の形態で厚さが変動する包装袋(P)であっても、最上層の包装袋(P)を水平方向(H)に平行に保つことができる。したがって、給袋装置(2)によれば、一枚目の包装袋を送風機による取り出しに適した姿勢にできるので、高速な送給を安定して行うことができる。
【0084】
搬送方向に連なる一体の形態をなし、鉛直方向(V)に昇降するとともに、水平方向(H)に傾斜する第一テーブル(120)は、好ましくは、鉛直方向(V)の上向きの負荷を一部に受けると変形するテーブル本体(121)と、上向きの負荷をテーブル本体(121)に与え、かつ、搬送方向に移動可能とされる負荷付与アクチュエータ(125)と、を備える。
【0085】
給袋装置(1)は、好ましくは、吸着搬送部(30)で下流(L)に向けて搬送される包装袋(P)をさらに下流(L)に向けて搬出する一対の搬出ローラ(41A,41B)を備える。
高速で回転することができる搬出ローラ(41A,41B)を用いることで、下流(L)の側に包装袋(P)を高速で搬送することができる。
【0086】
給袋装置(1)は、好ましくは、搬出ローラ(41A,41B)から搬出される包装袋(P)を下流(L)の工程に受け渡す移送部(60)を備える。
移送部(60)は、包装袋(P)を受け取る第二テーブル(61)と、第二テーブル(61)が受け取る包装袋(P)を、鉛直方向(V)に沿った姿勢に向きを変えて受け渡す移送機(65)と、を備える。
包装袋(P)を鉛直方向(V)に沿った姿勢に向きを変えて受け渡すことにより、例えば次工程において、包装袋(P)に飲料を無理なく充填することができる。
【0087】
第二テーブル(61)は、好ましくは、包装袋(P)を受け取る、下流(L)の側の位置が低く傾斜する第一姿勢(RP)と、第一姿勢(RP)よりも傾斜の程度が小さい第二姿勢(DP)と、を交互になす。移送機(65)は、好ましくは、第二姿勢(DP)とされる第二テーブル(61)に載る包装袋(P)を吸着する複数の吸盤(68)と、複数の吸盤(68)を径方向の外側に向けて支持する回転体(66)と、を備える。
下流(L)の側の位置が低く傾斜する第一姿勢(RP)においては、搬出ローラ(41A,41B)から放り出される包装袋(P)には鉛直方向(V)の下向きの負荷も加わるため、第二テーブル(61)の必要な位置において包装袋(P)を受け取ることができる。その後に第二テーブル(61)を第二姿勢(DP)とすれば、移送機(65)は吸盤(68)による吸着により包装袋(P)を迅速に受け取ることができる。そして、吸盤(68)を支持する回転体(66)を所定角度、例えば90°だけ回転させれば、包装袋(P)を鉛直方向(V)に沿った姿勢に迅速に向きを変えることができる。
【0088】
移送機(65)は、好ましくは、吸盤(68)よりも先行して包装袋(P)に接する変形抑止体(69)を、それぞれの吸盤(68)に併設する。
第二テーブル(61)で受け取り、位置決めのための第一ガイド63に突き当たることで包装袋(P)に撓みなどの変形が生じたとしても、変形抑止体(69)が撓みを押しつぶした後に、吸盤(68)に吸着させることができる。これにより、吸盤(68)による包装袋(P)の吸着をより確実にできる。
【0089】
送風部(20)は、好ましくは、包装袋群(PG)から包装袋(P)を浮上させるための気体を吐出する浮上ノズル(21)と、水平方向(H)よりも上方に向けて気体を吐出する分離ノズル(23)と、を備える。
このように機能の異なる二種類のノズルを設けることにより、包装袋群(PG)からの包装袋(P)の分離をより確実に行うことができる。
【0090】
以上の給袋装置(1)は、好ましくは、第一テーブル(10)に包装袋群(PG)の単位で供給する供給部(50)を備える。
【符号の説明】
【0091】
1,2 給袋装置
10,10A,10B,10C,110,120 第一テーブル
11,111,121 テーブル本体
13,113,123 搭載面
20 送風部
21 浮上ノズル
21A 正面ノズル
21B 側方ノズル
23 分離ノズル
25 エア供給源
27 エア供給管
30 吸着搬送部
31A,31B ローラ
33 吸着ベルト
33A おもて面
33B うら面
33C 通気孔
35 吸引器
40 搬出部
41A,41B 搬出ローラ
43 中継テーブル
50 供給部
51A,51B ローラ
53 コンベアベルト
60 移送部
61 第二テーブル
62 テーブル本体
63 第一ガイド
64 第二ガイド
65 移送機
66 回転体
67 支持アーム
68 吸盤
69 変形抑止体
112 ロッド
114 駆動源
115 昇降アクチュエータ
116 支持台
125 負荷付与アクチュエータ
126 支持ローラ
127 ロッド
128 駆動源
129 往復動アクチュエータ
131 錘
133 ローラ
135 ボビン
137 偏心回転ローラ
AA 浮上エア
SA 分離エア
C1,C2,C3 軸心
DP 受け渡し姿勢(第二姿勢)
RP 受け取り姿勢(第一姿勢)
FP 最終位置
IP 初期位置
WP 待機位置
OP 動作位置
P 包装袋
PG,PG1,PG2,PG3 包装袋群
図1
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