(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100387
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】収納用組立体
(51)【国際特許分類】
A47B 31/00 20060101AFI20240719BHJP
A47C 7/02 20060101ALI20240719BHJP
A61G 5/08 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A47B31/00 A
A47C7/02 Z
A47B31/00 G
A61G5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004353
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000105936
【氏名又は名称】サカセ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003203
【氏名又は名称】弁理士法人大手門国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 泰道
(72)【発明者】
【氏名】木谷 佳敬
(72)【発明者】
【氏名】松井 孝英
(72)【発明者】
【氏名】池田 貴幸
(57)【要約】
【課題】本発明は、簡単な構成で車椅子に組み換え可能な収納用組立体を提供することを目的とするものである。
【解決手段】収納用組立体1は、下端部に車輪部材20が取り付けられた支柱部材10と、支柱部材10を接続部材15~17を介して枠状に接続固定する連結部材11及び横架部材12を備え、下段及び中段の横架部材12に縦補強部材13及び横補強部材14が取り付けられている。前側の操作部材30及び連結部材11を取り外し、棚板部材40を折り曲げて後側の連結部材11及び横補強部材14の間に取り付けることで、車椅子に組み換えることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下端部に車輪部材が取り付けられた複数の支柱部材と、一対の前記支柱部材を所定間隔を空けて連結する複数の連結部材と、連結された前記支柱部材の間に架け渡される複数の横架部材と、前記支柱部材を四隅に前記連結部材及び前記横架部材が枠状に配置されるように前記支柱部材と前記連結部材との間及び前記支柱部材と前記横架部材との間を接続する複数の接続部材と、前記連結部材及び前記横架部材により形成された枠状部に着脱可能に取り付けられる棚板部材とを備え、前記枠状部は、前記支柱部材の下側部分、中間部分及び上側部分にそれぞれ配置されており、下側部分及び中間部分に配置された前記枠状部の前記横架部材の間には縦補強部材が取り付けられており、前記中間部分に配置された前記枠状部の対向する前記横架部材の間には横補強部材が取り付けられている収納用組立体。
【請求項2】
前記棚板部材は、前記連結部材に対向する側縁部が互いに接近するように二つ折り可能に形成されるとともに前記横補強部材に係合する係合部が形成されている請求項1に記載の収納用組立体。
【請求項3】
前記接続部材は、前記棚板部材を支持する棚受け部が前記枠状部の内側に突出するように形成されている請求項1又は2に記載の収納用組立体。
【請求項4】
前記連結部材に連結された一対の前記支柱部材の上端部の間には、操作部材が着脱可能に架設されており、一対の前記支柱部材の下側部分に取り付けられた支持部材には、前記操作部材を着脱可能に架設するための装着部が設けられている請求項1又は2に記載の収納用組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車椅子に組換可能なワゴン、カート等の移動可能な収納用組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ワゴン、カート等の移動可能な収納用家具が屋内又は屋外において使用されており、用途に合わせて様々な改良工夫がなされている。こうした収納用家具では、複数の部品をネジ等の固定手段により固定して組み立てる組立体として構成するものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、4本の主柱の間に側桟及び横桟をL字形の接続部材で組み立てたワゴンが記載されている。また、特許文献2には、4本の穴付きアングルに棚受け具を固定して棚板を取り付けた組み立て式物置台が記載されている。
【0004】
また、こうした組立体からなる収納用家具では、使用形態に合わせて組み換え可能とすることが提案されており、例えば、特許文献3には、上下に2分割して使用することが可能な組立棚が記載されている。
【0005】
また、収納用家具を別の家具に変更して使用することが提案されており、例えば、特許文献4では、医療用のナイトテーブルの前側に配置したクッションを後方に回転することで補助車いすに変更して使用可能とした点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公昭61-42423号公報
【特許文献2】特開平8-228846号公報
【特許文献3】登録実用新案第3128281号公報
【特許文献4】特開2020-185360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、収納用組立体は、用途に応じて様々な改良工夫が図られているが、移動可能である特性を活かしてさらに幅広い用途への展開が考えられる。例えば、災害時等の非常時では、避難場所において、歩行が困難な高齢者や怪我人に対して車椅子が必要となる。
【0008】
しかしながら、非常時のために平時から車椅子の台数を確保しておくことは、保管スペース、購入費用及び維持管理等の負担が大きいことから、現実に対応するのは困難である。そのため、平時に使用している移動可能な収納用組立体を非常時に車椅子に組み換えて使用することで、非常時において臨機応変な対応が可能となる。
【0009】
そこで、本発明は、簡単な構成で車椅子に組み換え可能な収納用組立体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る収納用組立体は、下端部に車輪部材が取り付けられた複数の支柱部材と、一対の前記支柱部材を所定間隔を空けて連結する複数の連結部材と、連結された前記支柱部材の間に架け渡される複数の横架部材と、前記支柱部材を四隅に前記連結部材及び前記横架部材が枠状に配置されるように前記支柱部材と前記連結部材との間及び前記支柱部材と前記横架部材との間を接続する複数の接続部材と、前記連結部材及び前記横架部材により形成された枠状部に着脱可能に取り付けられる棚板部材とを備え、前記枠状部は、前記支柱部材の下側部分、中間部分及び上側部分にそれぞれ配置されており、下側部分及び中間部分に配置された前記枠状部の前記横架部材の間には縦補強部材が取り付けられており、前記中間部分に配置された前記枠状部の対向する前記横架部材の間には横補強部材が取り付けられている。さらに、前記棚板部材は、前記連結部材に対向する側縁部が互いに接近するように二つ折り可能に形成されるとともに前記横補強部材に係合する係合部が形成されている。さらに、前記接続部材は、前記棚板部材を支持する棚受け部が前記枠状部の内側に突出するように形成されている。さらに、前記連結部材に連結された一対の前記支柱部材の上端部の間には、操作部材が着脱可能に架設されており、一対の前記支柱部材の下側部分に取り付けられた前記接続部材には、前記操作部材を着脱可能に架設するための取付部が設けられている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記のような構成を備えることで、連結部材及び横架部材が枠状に配置された枠状部を支柱部材の上側部分、中間部分及び下側部分にそれぞれ配置して、中間部分及び下側部分の枠状部の横架部材にそれぞれ縦補強部材及び横補強部材を取り付けているので、平時には枠状部に着脱可能に取り付けられた棚板部材の上面が収納スペースとなるワゴンやカート等の移動可能な収納用組立体として使用し、非常時には中間部分の枠状部に取り付けられた棚板部材を座面とすることで、車椅子として使用することができる。座面に加わる利用者の荷重は、縦補強部材及び横補強部材を設けることで、枠状部が変形することなく支持することが可能となる。
【0012】
また、棚板部材は、連結部材に対向する側縁部が互いに接近するように二つ折り可能に形成されるとともに横補強部材に係合する係合部が形成されているので、上側部分の枠状部の一方の連結部材及び中間部分に取り付けた横補強部材の間に棚板部材を折り曲げた状態に取り付けることで、棚板部材を車椅子の座面及び背受け面として使用することができる。
【0013】
また、接続部材は、棚板部材を支持する棚受け部が枠状部の内側に突出するように形成されているので、棚受け部が枠状部の隅部の内側にリブ状に形成されて枠状部の補強効果を向上させるようになり、車椅子として使用した場合にも枠状部の変形を抑止して安全性を高めることが可能となる。
【0014】
連結部材に連結された一対の支柱部材の上端部の間に着脱可能に架設された操作部材を、一対の支柱部材の下側部分に取り付けられた接続部材に設けられた取付部に架設することで、操作部材を車椅子の足置き部として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る実施形態である収納用組立体に関する外観斜視図である。
【
図2】
図1に示す収納用組立体に関する分解斜視図である。
【
図5】支柱部材と連結部材及び横架部材との接続部分に関する一部拡大斜視図である。
【
図7】支柱部材及び操作部材の接続部分に関する分解斜視図である。
【
図8】縦補強部材及び横補強部材の取付部分に関する分解斜視図である。
【
図10】収納用組立体を車椅子に組み換えた状態を示す斜視図である。
【
図11】支持部材の操作部材を取り付ける部分の説明図である。
【
図12】収納用組立体の組み換えに関する変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明に係る実施形態である収納用組立体に関する外観斜視図であり、
図2は、
図1に示す収納用組立体に関する分解斜視図である。
【0017】
収納用組立体1は、棒状の支柱部材10a~10dを連結部材11a~11fで連結し、連結された支柱部材10a~10dを横架部材12a~12fで架け渡すように接続して組み立てられている。
【0018】
支柱部材10a~10dの中間部分に接続された連結部材11c及び11d並びに横架部材12c及び12dは枠状に配置されて枠状部を形成しており、枠状部の内側に嵌合して棚板部材40が取り付けられている。
【0019】
支柱部材10a~10dの下端には、車輪部材20a~20dがそれぞれ固定されており、支柱部材10a及び10b並びに支柱部材10c及び10dの上端には、それぞれ操作部材30a及び30bが架設されて着脱可能に取り付けられている。
【0020】
収納用組立体1は、このように構成されているので、移動可能なワゴンとして使用することができ、棚板部材40の上面に物品を収納して操作部材を手動で操作して運搬作業を行うことが可能となる。以後の説明では、連結部材に沿う方向を左右方向とし、横架部材に沿う方向を前後方向として説明する。
【0021】
一対の支柱部材10a及び10bは、連結部材11a、11c及び11eにより上側部分、中間部分及び下側部分で連結されており、もう一方の支柱部材10c及び10dは、連結部材11b、11d及び11fにより上側部分、中間部分及び下側部分で連結されている。そして、支柱部材10a及び10dの間には、横架部材12a、12c及び12eが上側部分、中間部分及び下側部分にそれぞれ架け渡されて接続されており、支柱部材10b及び10cの間には、横架部材12b、12d及び12fが上側部分、中間部分及び下側部分にそれぞれ架け渡されて接続されている。
【0022】
支柱部材10a~10dのそれぞれの上側部分には、接続部材15a~15dが固定されており、接続部材15a~15dには、連結部材11a及び11b並びに横架部材12a及び12bの端部がそれぞれ固定されている。連結部材11a及び11b並びに横架部材12a及び12bは、接続部材15a~15dを介して支柱部材10a~10dの上側部分に接続されることで、支柱部材10a~10dを四隅として矩形状の枠状部を形成するように配置されている。
【0023】
支柱部材10a~10dの中間部分には、接続部材16a~16dが固定されており、接続部材16a~16dには、連結部材11c及び11d並びに横架部材12c及び12dの端部がそれぞれ固定されている。連結部材11c及び11d並びに横架部材12c及び12dは、接続部材16a~16dを介して支柱部材10a~10dの中間部分に接続されることで、支柱部材10a~10dを四隅として矩形状の枠状部を形成するように配置されている。
【0024】
支柱部材10a~10dの下側部分には、接続部材17a~17dが固定されており、接続部材17a~17dには、連結部材11e及び11f並びに横架部材12e及び12fの端部がそれぞれ固定されている。連結部材11e及び11f並びに横架部材12e及び12fは、接続部材17a~17dを介して支柱部材10a~10dの下側部分に接続されることで、支柱部材10a~10dを四隅として矩形状の枠状部を形成するように配置されている。
【0025】
この例では、枠状部を上下方向に三段配置するようにしているが、中間部分に複数段の枠状部を配置するようにしてもよく、用途に合わせて適宜配置することができる。
【0026】
棚板部材40は、中間部分の枠状部の内側に嵌合して着脱可能に取り付けられているが、棚板部材40は、上側部分及び下側部分の枠状部に複数取り付けてもよく、必要となる収納スペースに応じて取り付けることができる。
【0027】
下側部分及び中間部分に配置された枠状部の横架部材12d及び12fの間には縦補強部材13a、横架部材12c及び12eの間には縦補強部材13bがそれぞれ上下方向に沿って取り付けられている。また、中間部分に配置された枠状部の対向する横架部材12c及び12dの間には横補強部材14が左右方向に取り付けられている。
【0028】
支柱部材10a~10dは、金属材料、プラスチック材料等の公知の材料を用いて成形加工されており、筒状に成形加工する場合には、例えば、建築材料として使用される樹脂材料、軽金属材料を用いることで、高強度で軽量化された部材に成形することができる。
【0029】
図3は、支柱部材の端部に関する斜視図である。支柱部材は、略楕円状の筒状に形成されて、両側部には、長手方向に沿って凹状に成形されて溝部100が形成されている。溝部100の開口部分の両側には、表面に沿って庇状に張り出した突出部101が成形されて開口幅が狭く設定されている。支柱部材の内部には、溝部100が形成された凹状部分を接続するように所定幅の中心部102が長手方向に沿って成形されている。また、両側の溝部100の間の筒状部分の中間には肉厚部103が形成されている。
【0030】
支柱部材は、こうした成形体に形成されているため、支柱部材10a~10dの上下の両端部には、中心部102の端部に部材を取り付けるためのネジ穴等の穴部を形成することができる。また、接続部材を取り付ける箇所には、溝部100から中心部102を貫通するネジ穴等の穴部及び肉厚部103を貫通するネジ穴等の穴部を形成して接続部材を取り付けて固定することができる。
【0031】
図4は、連結部材に関する斜視図である。連結部材11a~11fは、棒状の本体部110の両端に一対の取付部111が固定されており、本体部110は、支柱部材と同様に筒状で両側に溝部112が成形加工されている。溝部112は、支柱部材の溝部100と同様に長手方向に沿って細幅で凹状に形成されている。取付部111は、断面が逆U字状で接続部材に上方から嵌め込む形状に形成されており、両側部には嵌め込まれた取付部111を固定するための穴部113が穿設されている。
【0032】
横架部材12a~12fは、連結部材と同様に成形された本体部及び取付部を備えており、両部材の構造は共通化している。そして、後述するように、車椅子として使用するため、連結部材の本体部の長さは、車椅子の左右の車輪間隔と同程度に設定することが好ましく、横架部材の本体部の長さは、車椅子の前後の車輪間隔と同程度に設定することが好ましい。
【0033】
図5は、支柱部材と連結部材及び横架部材との接続部分に関する一部拡大斜視図である。この例では、支柱部材10aに接続部材16aを介して連結部材11c及び横架部材12cが接続されている。接続部材16aの支柱部材10aに当接する当接部160aは、当接面が支柱部材10aの周面に沿うように形成されており、支柱部材10aの溝部100aに嵌め込まれる突起部161aが突設されている。また、接続部材16aの下端部には、板状の棚受け部162aが枠状部の内側に突出するように当接部160aに一体形成されている。
【0034】
図6は、
図5に示す接続部分の分解斜視図である。接続部材16aには、連結部材11cの取付部111cが嵌め込まれる接続部163a及び横架部材12cの取付部121cが嵌め込まれる接続部164aが互いに直交する方向に沿って形成されている。
【0035】
接続部163aは、外面が取付部111cの内側の接続面に沿うように形成されており、中央部分には、支柱部材10aの溝部100aに向かって貫通する穴部が穿設されている。溝部100aには、接続箇所に対応してネジ穴が形成されており、固定ネジ165aを穴部に挿入してネジ穴に螺着することで、接続部材16aを所定位置に固定することができる。
【0036】
また、接続部164aも接続部163aと同様に、外面が取付部121cの内側の接続面に沿うように外面が形成されており、中央部分には、固定ネジ165aの螺着方向と直交する方向に穴部が形成されている。支柱部材10aには、接続箇所に対応して肉厚部分にネジ穴が形成されており、固定ネジ166aが穴部に挿入されてネジ穴に螺着されている。
【0037】
接続部材16aは、支柱部材10aの溝部100aに突起部161aを嵌め込むことで支柱部材10aに周方向に位置決めされ、固定ネジ165a及び166aにより支柱部材10aの長手方向に位置決めされるので、支柱部材10aに対して接続部材16aを正確に位置決めして取り付けることができる。また、固定ネジ165a及び166aにより互いに直交する方向で固定されているので、十分な強度で取り付けることが可能となる。
【0038】
接続部163aには、取付部111cの一対の穴部113cに対応して固定ネジ165aのための穴部に直交する一対のネジ穴が上下に形成されており、接続部163aを覆うように取付部111cを嵌め込んだ後一対の固定ネジ168aを穴部113cに挿入して接続部163aのネジ穴に螺着することで、取付部111cを接続部163aに接続固定することができる。
【0039】
接続部164aには、取付部121cの一対の穴部123cに対応して固定ネジ166aのための穴部に直交する一対のネジ穴が上下に形成されており、接続部164aを覆うように取付部121cを嵌め込んだ後一対の固定ネジ167aを穴部123cに挿入して接続部164aのネジ穴に螺着することで、取付部121cを接続部164aに接続固定することができる。
【0040】
連結部材11cは、接続部材16aを介して支柱部材10aに対して互いに直交する固定ネジ165a及び168aにより接続固定されているので、連結部材11cに対して作用する様々な方向の力に対して十分な強度を備えている。横架部材12cについても、連結部材11cと同様に、互いに直交する固定ネジ166a及び167aにより接続されているので、横架部材12cに対して作用する様々な方向の力に対して十分な強度を備えている。そして、接続部材16aには、棚受け部162aが接続部163a及び164aを連結するように枠状部の内側に突出して一体形成されているので、枠状部の角部のリブとして機能するようになり、連結部材11c及び横架部材12cの間を拡げる方向又は狭める方向の変形を防止して、枠状部を安定した形状に保持する強度を備えることが可能となる。
【0041】
接続部材15a~15d、16b~16d及び17a~17dについても、接続部材16aと同様に構成されており、上中下の枠状部を安定した形状に保持するようになっている。
【0042】
図7は、支柱部材及び操作部材の接続部分に関する分解斜視図である。この例では、操作部材30bと支柱部材10dとの間の接続部分について説明し、操作部材30aについては同様であるので、説明を省略する。支柱部材10dの上端部は、略楕円形状の筒状端面の両側に溝部100dが形成されている。操作部材30bの本体部300bは、連結部材の本体部と同様に成形加工されており、両端部に取付部301bが固定されている。
【0043】
操作部材30bの両端部には、一対の取っ手部材31bが接続固定されている。取っ手部材31bは、前後方向に延設された把持部310b、取付部301bに接続固定される接続部311b及び支柱部材10dの上端部に取り付けられる取付部312bが設けられている。
【0044】
取付部312bには、支柱部材10dの上端部の周囲に嵌め込む形状に内側が形成された嵌合部313b及び下方に延設された係合部314bが設けられている。係合部314bは、溝部100dに挿入される突起部が下端の内側に形成されており、溝部100dの内側の中心部に形成されたネジ穴に対応して穴部315bが貫通するように形成されている。
【0045】
操作部材30bを支柱部材10dに取り付ける場合には、係合部314bの突起部を溝部100dに合わせて挿入しながら嵌合部313bを支柱部材10dの上端部の周囲に嵌め込んで装着する。そして、穴部315bを溝部100dに形成されたネジ穴に位置合せして固定ネジにより固定することで、操作部材30bを取り付けることができる。
【0046】
図8は、縦補強部材及び横補強部材の取付部分に関する分解斜視図である。縦補強部材13aは、連結部材の本体部と同様に成形加工した本体部130aの両端部に一対の取付部131aが固定されており、取付部131aは、上下に配置された横架部材12d及び12fの取付箇所の表面に合わせて曲面形状に形成されている。
【0047】
両横架部材の本体部120d及び120fの中間部分において取付箇所の肉厚部には穴部が形成されており、穴部に棒状の取付部材が立設されている。取付部131aの中心部分には、取付部材が挿着される穴部が形成されており、取付部131aを取付部材に挿着することで縦補強部材13aが横架部材12d及び12fの中間部分の間に上下方向に沿って位置決め固定される。
【0048】
縦補強部材13bについても、縦補強部材13aと同様に横架部材12c及び12eの中間部分の間に上下方向に沿って位置決め固定される。
【0049】
横補強部材14は、連結部材の本体部と同様に成形加工した本体部140の両端部に一対の取付部141が固定されており、取付部141は、接続部材18a及び18bを介して横架部材12c及び12dの中間部分の間に位置決め固定されている。
【0050】
接続部材18aは、横架部材12dの溝部122dに嵌め込まれる細長い矩形状の接続部180a及び段差状の棚受け部181aが一体形成されている。接続部180aは、溝部122dの開口幅よりも幅広で、内側の溝幅よりも幅狭に設定されている。そのため、接続部180aを溝部122dの開口に対して傾けた状態で上側から溝部122dに挿入した後下側を挿入することで、接続部180aを溝部122d内に嵌め込むことができる。そして、溝部122dには、接続箇所の内側に挿入穴が形成され、接続部180aには、挿入穴に対向する面に嵌合可能な突起が形成されているため、接続部180aを嵌め込む際に挿入穴に突起を嵌合して接続部180aを移動しないように規制することで、接続部材18aを所定位置に位置決めすることができる。
【0051】
接続部材18bについても、接続部材18aと同様に構成されており、横架部材12cの溝部122cに接続部180bを嵌め込んで移動しないように規制することで、横架部材12cの中間部分の所定位置に位置決めされる。
【0052】
接続部材18a及び18bには、接続部材16aの連結部材を接続する接続部と同様の接続部が形成されており、横補強部材14の両側の取付部141をそれぞれ接続部に嵌め込んで一対の固定ネジにより固定することで、横補強部材14を横架部材12c及び12dの中間部分の間に取り付けることができる。
【0053】
棚受け部181a及び181bは、棚板部材40の両側部が載置されて支持するようになっており、四隅の接続部材16a~16dの棚受け部162a~162dとともに棚板部材40を安定して支持するようになっている。
【0054】
縦補強部材13a及び13b並びに横補強材14を横架部材12c及び12dに取り付けているので、横架部材12c及び12dに加わる荷重に対して両横架部材の強度を高めることができる。
【0055】
また、横補強部材14と連結部材11bとの間の中間位置には、棚板部材40を支持する支持部材18c及び18dが横架部材12c及び12dにそれぞれ取り付けられている。支持部材18c及び18dは、接続部材18a及び18bと同様に成形されており、それぞれ接続部180c及び180d並びに棚受け部181c及び181dが形成されている。
【0056】
支持部材18cの接続部180cは、接続部材18aの接続部180aと同様に構成されており、横架部材12dの溝部122dに嵌め込まれて移動しないように規制されて位置決めされる。また、支持部材18dの接続部180dは、接続部材18bの接続部180bと同様に構成されており、横架部材12cの溝部122cに嵌め込まれて移動しないように規制されて位置決めされる。そして、棚受け部181c及び181dは、棚板部材40の両側を支持するようになっている。
【0057】
図9は、棚板部材40に関する斜視図であり、
図9(a)は、棚板として使用する平面状態に関する斜視図であり、
図9(b)は、座面として使用する折り曲げた状態に関する斜視図である。棚板部材40は、連結部材に対向する側縁部が互いに接近するように二つ折り可能に形成されている。
【0058】
棚板部材40は、2枚の棚板部41a及び41bを回動部43で連結させて構成されており、棚板部41a及び41bは、中央部分にハニカム構造に形成された載置部42a及び42bを備えている。回動部43は、棚板部41a及び41bの当接する側縁部に互いに嵌合する凹凸部が形成されており、凹凸部を回動可能に組み合わせて構成されている。そのため、棚板部材40は、回動部43を中心に棚板部41a及び41bが互いに接近するように回動し、二つ折り可能となっている。
【0059】
棚板部41aの左右方向の両側縁部には、着脱可能に取り付けるための係合部として、横補強部材14に嵌合可能な切欠き部44a、支持部材18c及び18dに嵌合可能な切欠き部45a及び接続部材の棚受け部に嵌合可能な切欠き部46aが形成されており、棚板部41bの左右方向の両側縁部にも、係合部として、切欠き部44a、45a及び46aと同様の切欠き部44b、45b及び46bが形成されている。棚板部41a及び41bは、同様の切欠き部が形成されているので、棚板部41a及び41bのいずれを前側にして棚板部材40を取り付けてもよいように構成されている。
【0060】
棚板部材40は、
図1に示すように、平面状態で枠状部に支持されている場合には、中間の回動部43において横補強部材14により支持されており、四隅の接続部材の棚受け部及び両側の支持部材の棚受け部で周縁部が支持されるようになっている。
【0061】
図10は、収納用組立体を車椅子に組み換えた状態を示す斜視図である。この例では、前側の連結部材11a、11c及び11eが取り外され、連結部材11aが固定ネジを外して接続部材15a及び15bに取り外し可能に嵌め込まれた状態に設定されている。
【0062】
また、棚板部材40は、折り曲げた状態で載置され、棚板部41aの両側の切欠き部44aが横補強部材14に係合し、棚板部41aの両側の切欠き部45aが支持部材18c及び18dに係合して支持されるようになる。そして、棚板部41bの両側の切欠き部46bが接続部材15c及び15dの棚受け部に嵌め込まれて棚板部41bの上側の側部が連結部材11bに当接した状態に設定されている。棚板部41aは、支持部材18c及び18dの棚受け部並びに横補強部材14で支持された状態に設定されており、棚板部材40は、安定した状態で取り付けられている。
【0063】
そして、棚板部41aを座面として利用者が座った状態で加わる荷重は、支柱部材に連結部材及び横架部材を接続部材を介して接続固定した構造及び横架部材に縦補強部材及び横補強部材を接続固定した構造により十分な強度で支持することができる。
【0064】
また、操作部材30aは、支柱部材10a及び10bの下側部分にそれぞれ固定された支持部材19a及び19bに架設して取り付けることで、車椅子の足置き部として用いることができる。なお、操作部材30bについても、同様に支柱部材10c及び10dの下側部分にそれぞれ固定された支持部材19c及び19dに架設して取り付けることができる。
【0065】
図11は、支持部材の操作部材を取り付ける部分の説明図である。この例では、支持部材19bに関して説明し、支持部材19aについては同様であるので、説明を省略する。支持部材19bは、接続部材17bと車輪部材20bとの間に配置されて支柱部材10bの下側部分に取り付けられており、
図11(a)に示すように、支持部材19bの本体部190bの前側部分のカバー部191bを取り外すことで、操作部材30aの取っ手部材31aの取付部312aの装着箇所を露出させる。
【0066】
支持部材19bは、
図11(b)に示すように、支柱部材10bの下端部を挿入する挿入部192bが中央部分に形成されており、前側に突出するように装着部193bが形成されている。挿入部192bと装着部193bとの間には、当接部194b及び係止部195bが形成されている。当接部194bは、取付部312aの端部が当接するように立設しており、係止部195bは、取付部312aから延設される係合部314aの先端において内側に突設された突起部316aが係合するようにL字形状に形成されている。当接部194bには、挿入部192bから装着部193bに向かって穴部196bが形成されており、穴部196bに固定ネジを挿入して支柱部材10bに形成されたネジ穴に螺着することで、支持部材19bを支柱部材10bに固定する。
【0067】
装着部193bに取付部312aを上方から載置し、突起部316aが形成された係合部314aを係止部195bに上方から嵌め込むように係合した状態に設定することで、取付部312aの端部が当接部194bに当接してがたつきのない状態で装着される。
【0068】
装着部193a及び193bに取付部312a及び312bをそれぞれ装着することで、操作部材30bを支持部材19a及び19bの間に架設するように取り付けることができる。
【0069】
以上説明したように、収納用組立体を車椅子に組み換えることで、利用者は、連結部材を取り外した前側部分から進入して、左右両側の横架部材を把持しながら折り曲げた棚板部材に座ることができ、従来の車椅子と同様の体の動きで着座することが可能となる。また、着座後に足置き部として取り付けた前側の操作部材に両足を置いて、操作者が後側の操作部材を把持して移動させることができ、従来の車椅子と同様に操作することが可能となる。
【0070】
図12は、収納用組立体の組み換えに関する変形例である。
図12(a)では、前側の連結部材及び操作部材を取り外して棚板部材をそのままの状態に設定している。そのため、子供を乗せたり、物品の運搬に使用することができる。
図12(b)では、前側の連結部材及び操作部材を取り外して棚板部材を折り曲げているので、椅子として使用することができる。
図12(c)では、前側の上段の連結部材を取り付けておくことで、椅子として使用するとともに歩行補助具として使用することができる。
【0071】
このように、収納用組立体を用途に合わせて適宜組み換えて使用することができ、通常時では収納用組立体として使用するとともに災害時の非常時において車椅子等に幅広く活用することが可能となる。
【符号の説明】
【0072】
1・・・収納用組立体、10a~10d・・・支柱部材、11a~11f・・・連結部材、12a~12f・・・横架部材、13a、13b・・・縦補強部材、14・・・横補強部材、15a~15d・・・接続部材、16a~16d・・・接続部材、17a~17d・・・接続部材、18a、18b・・・接続部材、18c、18d・・・支持部材、19a~19d・・・支持部材、20a~20d・・・車輪部材、30a、30b・・・操作部材、40・・・棚板部材