(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100388
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04842 20220101AFI20240719BHJP
G06F 40/169 20200101ALI20240719BHJP
【FI】
G06F3/04842
G06F40/169
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004354
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】坂田 結衣
【テーマコード(参考)】
5B109
5E555
【Fターム(参考)】
5B109NH02
5B109SA14
5E555AA41
5E555AA76
5E555BA02
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA71
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
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5E555CC13
5E555CC20
5E555DB49
5E555DB50
5E555DB51
5E555DC09
5E555DC72
5E555DD06
5E555EA07
5E555EA08
5E555EA11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ウェブページとともに表示される、そのウェブページの注釈、案内、付箋といったアノテーション情報を、そのウェブページの用途に応じたものにする。
【解決手段】管理サーバの制御部は、リンクオブジェクト211に対応付けられたウェブページ300にアクセスするための情報と、リンクオブジェクト212に対応付けられたウェブページ300にアクセスするための情報とをそれぞれ管理する。ユーザ端末の表示制御部は、リンクオブジェクト211を指定する操作が行われると、リンクオブジェクト211に対応付けられたウェブページ300にアノテーション情報を重畳して表示する制御を行い、リンクオブジェクト212を指定する操作が行われると、リンクオブジェクト212に対応付けられたウェブページ300にアノテーション情報411および412を重畳して表示する制御を行う。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
第1のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第1のリンクオブジェクトに対応付けられた第1のウェブページに、当該第1のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する制御を行い、
第2のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第2のリンクオブジェクトに対応付けられた第2のウェブページに、当該第2のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する制御を行い、
前記第1のウェブページにアクセスするための情報と、前記第2のウェブページにアクセスするための情報とが同一であることを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、
前記第1のリンクオブジェクトに、前記第1のウェブページにアクセスするための情報と、前記第1のウェブページのアノテーション情報とを対応付けて管理し、
前記第2のリンクオブジェクトに、前記第2のウェブページにアクセスするための情報と、前記第2のウェブページのアノテーション情報とを対応付けて管理することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々の前記アノテーション情報を編集する操作が行われると、当該アノテーション情報を編集後の内容に更新し、更新の前後のバージョンを管理することを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、前記アノテーション情報が重畳して表示された前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々の撮像画像を、前記バージョンごとに管理することを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記1または複数のプロセッサは、
前記第1のリンクオブジェクトおよび前記第2のリンクオブジェクトの各々を複製する操作が行われると、当該第1のリンクオブジェクトおよび当該第2のリンクオブジェクトの各々を複製し、
前記第1のリンクオブジェクトおよび前記第2のリンクオブジェクトの各々に対応付けて管理している情報を、複製後の当該第1のリンクオブジェクトおよび当該第2のリンクオブジェクトの各々に対応付けて管理することを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、第1のリンクオブジェクトまたは第2のリンクオブジェクトを指定する操作ではなく、前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々にアクセスするための情報を入力する操作が行われると、当該第1のウェブページおよび当該第2のウェブページの各々の前記アノテーション情報を表示させない制御を行うことを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々にアクセスするための情報を入力する操作が、前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々のURL(Uniform Resource Locator)をブラウザのアドレスバーに入力する操作であることを特徴とする、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータに、
第1のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第1のリンクオブジェクトに対応付けられた第1のウェブページに、当該第1のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する機能と、
第2のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第2のリンクオブジェクトに対応付けられた第2のウェブページに、当該第2のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する機能と、
を実現させるプログラムにおいて、
前記第1のウェブページにアクセスするための情報と、前記第2のウェブページにアクセスするための情報とが同一であることを特徴とする、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブページにアクセスしたユーザを支援する技術として、そのウェブページに電子付箋を表示させる技術が知られている(例えば、特許文献1)。このような技術では、ウェブページごとに予め対応付けられた電子付箋が表示されるため、ウェブページにアクセスする手法を問わず同じ電子付箋が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、1つのウェブページは、用途が一律ではなく複数存在することがあるため、用途によっては表示された電子付箋が有用にならないことがある。
【0005】
本発明の目的は、ウェブページとともに表示される、そのウェブページの注釈、案内、付箋といったアノテーション情報を、そのウェブページの用途に応じたものにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、第1のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第1のリンクオブジェクトに対応付けられた第1のウェブページに、当該第1のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する制御を行い、第2のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第2のリンクオブジェクトに対応付けられた第2のウェブページに、当該第2のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する制御を行い、前記第1のウェブページにアクセスするための情報と、前記第2のウェブページにアクセスするための情報とが同一であることを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記第1のリンクオブジェクトに、前記第1のウェブページにアクセスするための情報と、前記第1のウェブページのアノテーション情報とを対応付けて管理し、前記第2のリンクオブジェクトに、前記第2のウェブページにアクセスするための情報と、前記第2のウェブページのアノテーション情報とを対応付けて管理することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々の前記アノテーション情報を編集する操作が行われると、当該アノテーション情報を編集後の内容に更新し、更新の前後のバージョンを管理することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記アノテーション情報が重畳して表示された前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々の撮像画像を、前記バージョンごとに管理することを特徴とする、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記第1のリンクオブジェクトおよび前記第2のリンクオブジェクトの各々を複製する操作が行われると、当該第1のリンクオブジェクトおよび当該第2のリンクオブジェクトの各々を複製し、前記第1のリンクオブジェクトおよび前記第2のリンクオブジェクトの各々に対応付けて管理している情報を、複製後の当該第1のリンクオブジェクトおよび当該第2のリンクオブジェクトの各々に対応付けて管理することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、第1のリンクオブジェクトまたは第2のリンクオブジェクトを指定する操作ではなく、前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々にアクセスするための情報を入力する操作が行われると、当該第1のウェブページおよび当該第2のウェブページの各々の前記アノテーション情報を表示させない制御を行うことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々にアクセスするための情報を入力する操作が、前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々のURL(Uniform Resource Locator)をブラウザのアドレスバーに入力する操作であることを特徴とする、請求項6に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、コンピュータに、第1のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第1のリンクオブジェクトに対応付けられた第1のウェブページに、当該第1のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する機能と、第2のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第2のリンクオブジェクトに対応付けられた第2のウェブページに、当該第2のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する機能と、を実現させるプログラムにおいて、前記第1のウェブページにアクセスするための情報と、前記第2のウェブページにアクセスするための情報とが同一であることを特徴とする、プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、異なるリンクオブジェクトの各々のリンク先となるウェブページにアクセスするための情報が同一であっても、ウェブページに重畳して表示されるアノテーション情報を異なるものにすることが可能になる。その結果、ウェブページの用途に応じたアノテーション情報を表示させることができる。
請求項2の本発明によれば、リンクオブジェクトごとに、ウェブページにアクセスするための情報と、アノテーション情報とが対応付けられて管理されるので、リンクオブジェクトごとにウェブページの用途を定めることが可能となる。その結果、同一のウェブページであってもリンクオブジェクトごとに異なるアノテーション情報を表示させることができる。
請求項3の本発明によれば、アノテーション情報が編集されると、編集の前後のバージョンが管理されるので、ユーザによるバージョンごとの確認が容易になる。
請求項4の本発明によれば、アノテーション情報が重畳して表示されたウェブページの撮像画像がバージョンごとに管理されるので、ユーザによるアノテーション情報の表示内容や表示位置のバージョンごとの確認が容易になる。
請求項5の本発明によれば、既に存在するリンクオブジェクトを複製する操作を行うと、そのリンクオブジェクトに対応付けられた情報も複製されるので、ユーザは、1からリンクオブジェクトを作成する手間を省くことができる。
請求項6の本発明によれば、アノテーション情報の参照を望まないユーザの操作を支援できる。
請求項7の本発明によれば、アノテーション情報の参照を望まないユーザの操作を支援できる。
請求項8の本発明によれば、異なるリンクオブジェクトの各々のリンク先となるウェブページにアクセスするための情報が同一であっても、ウェブページに重畳して表示されるアノテーション情報を異なるものにすることが可能になる。その結果、ウェブページの用途に応じたアノテーション情報を表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】管理サーバの制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】ユーザ端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】管理サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】管理サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】ユーザ端末の表示部に表示される専用UIの具体例を示す図である。
【
図8】ユーザ端末の表示部に表示される専用UIの具体例を示す図である。
【
図9】管理サーバの記憶部に格納されているデータベースに記憶されている情報の具体例を示す図である。
【
図10】(A)および(B)は、リンク先のウェブページにアクセスするための情報が同じであるが、アノテーション情報が異なるリンクオブジェクトを作成する操作の具体例を示す図である。
【
図11】リンク先のウェブページにアクセスするための情報が同じであるが、アノテーション情報が異なるリンクオブジェクトを作成する操作の具体例を示す図である。
【
図12】(A)は、アノテーション情報が表示されないようにする操作の具体例を示す図である。(B)および(C)は、表示できないアノテーション情報がある旨をユーザに通知する手法の具体例を示す図である。(D)は、(C)の例のバナーのリンクボタンが押下されたときに表示されるリンク先のウェブページのキャプチャ画像の具体例を示す図である。
【
図13】オブジェクトDBにてリンクオブジェクトに対応付けられる他の情報の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<情報処理システムの全体構成>
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、管理サーバ10と、ユーザ端末30-1乃至30-n(nは1以上の整数値)とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。
【0010】
(管理サーバ)
情報処理システム1を構成する管理サーバ10は、情報処理システム1の全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。管理サーバ10は、ユーザ端末30-1乃至30-nの各々から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、管理サーバ10は、ユーザ端末30-1乃至30-nの各々に向けて各種の情報を送信する。
【0011】
例えば、管理サーバ10は、リンク先のウェブページ(以下、単に「リンク先」と呼ぶ場合がある。)を表示させるためのショートカットアイコンであるオブジェクト(以下、「リンクオブジェクト」と呼ぶ。)に各種の情報を対応付けて管理する。具体的には、管理サーバ10は、リンクオブジェクトを一意に特定可能な識別情報(例えば、IDなど)に、各種の情報を対応付けて管理する。
【0012】
リンクオブジェクトに対応付けられる情報としては、例えば、リンク先にアクセスするための情報や、リンク先の注釈、案内、付箋といったアノテーションに関する情報(以下、「アノテーション情報」と呼ぶ。)などが挙げられる。リンクオブジェクトに対応付けられる情報のうち、リンク先にアクセスするための情報としては、例えば、URL(Uniform Resource Locator)などが挙げられる。以下、本実施の形態では、リンク先にアクセスするための情報がURLであるものとして説明する。
【0013】
管理サーバ10は、リンク先のURLが同一である複数のリンクオブジェクトをデータベースに記憶して管理することができる。ここで、リンクオブジェクトにアノテーション情報が対応付けられている場合には、リンク先のURLが同一である複数のリンクオブジェクトの各々に対し、それぞれ異なるアノテーション情報が対応付けられて管理される。
【0014】
例えば、リンク先のURLが同一である2つのリンクオブジェクトがデータベースに記憶されていたとする。この場合、1つ目のリンクオブジェクトに対応付けられているアノテーション情報と、2つ目のリンクオブジェクトに対応付けられているアノテーション情報とが異なっていてもよい。なお、データベースに記憶されているリンクオブジェクト、およびリンクオブジェクトに対応付けられている各種の情報の具体例については、
図9および
図13を参照して後述する。
【0015】
管理サーバ10は、データベースに記憶された1以上のリンクオブジェクトをユーザ端末30に表示させるための制御を行う。具体的には、管理サーバ10は、リンクオブジェクトの作成および表示を可能にする専用のアプリケーションソフトウェアのユーザインターフェース(以下、「専用UI」と呼ぶ。)をユーザ端末30に表示させるための制御を行う。また、管理サーバ10は、ユーザ端末30に表示された専用UIに、1以上のリンクオブジェクトを、ユーザの入力操作により個別に指定できる態様で表示する制御を行う。
【0016】
管理サーバ10は、専用UIに表示された1以上のリンクオブジェクトのうち、1のリンクオブジェクトを指定するための入力操作が行われると、指定されたリンクオブジェクトに対応付けられたリンク先のURLにアクセスする。そして、管理サーバ10は、リンク先のウェブページを専用UIに表示するための制御と、そのウェブページにアノテーション情報を重畳させて表示するための制御とを行う。なお、「1のリンクオブジェクトを指定するための入力操作」とは、例えば、1のリンクオブジェクトに対するダブルクリックの操作や、マウスオーバーの操作などのことをいう。
【0017】
ここで、例えば、専用UIに複数のリンクオブジェクトが表示されており、それぞれに対応付けられたリンク先のURLが同一であり、アノテーション情報が異なっていたとする。この場合、複数のリンクオブジェクトのうちどのリンクオブジェクトが指定されたとしても、表示されるウェブページ自体は同じになる。しかしながら、ウェブページに重畳して表示されるアノテーション情報は、それぞれのリンクオブジェクトに対応付けられているアノテーション情報であるため、それぞれ異なるアノテーション情報が表示されることになる。
【0018】
また、管理サーバ10は、入力情報に基づいて、リンクオブジェクトを生成する。具体的には、管理サーバ10は、リンクオブジェクトを作成するためにユーザにより入力された入力情報に基づいて、リンクオブジェクトを生成し、そのリンクオブジェクトに各種の情報を対応付けてデータベースに記憶して管理する。リンクオブジェクトを作成するための入力情報は、ユーザ端末30から送信されてくる情報である。なお、管理サーバ10の構成や処理の詳細については後述する。
【0019】
(ユーザ端末)
ユーザ端末30-1乃至30-nの各々は、情報処理システム1を利用するユーザが操作するパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の情報処理装置である。30-1乃至30-nの各々は、管理サーバ10から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、30-1乃至30-nの各々は、管理サーバ10に向けて各種の情報を送信する。以下、ユーザ端末30-1乃至30-nを個別に説明する必要がない場合、これらをまとめて「ユーザ端末30」と呼ぶ。
【0020】
例えば、ユーザ端末30は、リンクオブジェクトを作成するためにユーザにより入力された情報を受け付けて、その入力情報を管理サーバ10に向けて送信する。管理サーバ10に向けて送信される入力情報には、例えば、リンクオブジェクトにリンク先のURLを対応付けるために入力された情報や、リンクオブジェクトにリンク先のURLのアノテーション情報を対応付けるために入力された情報などが挙げられる。
【0021】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、管理サーバ10の機能の一部または全部をユーザ端末30の機能としてもよいし、ユーザ端末30の機能の一部または全部を管理サーバ10の機能としてもよい。また、情報処理システム1を構成する管理サーバ10およびユーザ端末30の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲し、上述の処理の一部または全部を行わせてもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0022】
<管理サーバのハードウェア構成>
図2は、管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
管理サーバ10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0023】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて管理サーバ10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0024】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種の情報を記憶するデータベースが格納されている。記憶部13に格納されているデータベースとしては、例えば、リンクオブジェクトに対応付けられた各種の情報が記憶されたオブジェクトDB131などが格納されている。
【0025】
通信部14は、ネットワーク90を介してユーザ端末30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサが含まれていてもよい。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像(動画像および静止画像)データやテキストデータなどを表示する。
【0026】
<ユーザ端末およびユーザ端末のハードウェア構成>
ユーザ端末30のハードウェア構成は、
図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成と同様の構成を備えている。すなわち、ユーザ端末30は、
図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々と同様の機能を有する、制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部の各々を備えており、図示および説明を省略する。
【0027】
<管理サーバの制御部の機能構成>
図3は、管理サーバ10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
管理サーバ10の制御部11では、情報管理部101と、情報取得部102と、解析部103と、情報生成部104と、送信制御部105とが機能する。
【0028】
情報管理部101は、記憶部13(
図2参照)のデータベースに各種の情報を記憶して管理する。例えば、情報管理部101は、後述する情報生成部104により生成されたリンクオブジェクトをオブジェクトDB131に記憶して管理する。オブジェクトDB131に記憶されるリンクオブジェクトには、リンク先のURLや、アノテーション情報など各種の情報が対応付けられている。
【0029】
情報管理部101は、オブジェクトDB131にてリンクオブジェクトに対応付けられている各種の情報に変更が生じると、変更後の内容に基づいて、オブジェクトDB131に記憶されている情報を更新する。例えば、情報管理部101は、オブジェクトDB131においてリンクオブジェクトに対応付けられているリンク先のアノテーション情報に変更が生じると、オブジェクトDB131に記憶されているリンク先のアノテーション情報を更新する。このとき、情報管理部101は、リンク先のアノテーション情報の更新に合わせてリンクオブジェクトのバージョンを更新する。なお、オブジェクトDB131に記憶されているリンクオブジェクトの具体例については、
図8および
図11を参照して後述する。
【0030】
情報取得部102は、各種の情報を取得する。例えば、情報取得部102は、ユーザ端末30および外部の各々から送信されてきた情報を取得する。情報取得部102により取得される情報のうち、ユーザ端末30から送信されてくる情報としては、例えば、リンクオブジェクトを作成するために入力された入力情報、リンクオブジェクトを指定するために入力された入力情報、アノテーション情報を作成するために入力された入力情報などが挙げられる。また、情報取得部102により取得される情報のうち、外部から送信されてくる情報としては、例えば、リンク先のウェブページのURLにアクセスした際、アクセス先の外部サーバ等から送信されてくる、リンク先のウェブページのHTML情報などが挙げられる。
【0031】
解析部103は、各種の情報の解析を行う。例えば、解析部103は、リンク先のウェブページの構造の解析を行う。なお、解析部103によるリンク先のウェブページの解析に用いられる手法は特に限定されない。例えば、ウェブページのHTML情報を解析する手法や、ウェブページの構造を解析する手法等を用いてもよい。このうち、ウェブページのHTML情報を解析する手法を用いる場合には、HTMLドキュメントを構成する要素等を定義したAPI(Application Programming Interface)であるDOM(Document Object Model)を解析する手法などを用いてもよい。
【0032】
情報生成部104は、各種の情報を生成する。例えば、情報生成部104は、情報取得部102により取得された、リンクオブジェクトを作成するために入力された入力情報と、解析部103によるリンク先のウェブページの解析結果に基づいて、リンクオブジェクトを生成する。情報生成部104により生成されたリンクオブジェクトは、記憶部13のオブジェクトDB131に記憶されて管理される。また、情報生成部104は、情報取得部102により取得された、アノテーション情報を作成するために入力された入力情報と、解析部103によるリンク先のウェブページの解析結果とに基づいて、アノテーション情報を生成する。
【0033】
送信制御部105は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部105は、ユーザ端末30および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部105の制御により送信される情報のうち、ユーザ端末30に向けて送信される情報としては、例えば、情報生成部104により生成された、リンクオブジェクトやアノテーション情報などが挙げられる。
【0034】
<ユーザ端末の制御部の機能構成>
図4は、ユーザ端末30の制御部の機能構成の一例を示す図である。
ユーザ端末30の制御部では、情報取得部301と、送信制御部302と、表示制御部303とが機能する。
【0035】
情報取得部301は、各種の情報を取得する。具体的には、情報取得部301は、管理サーバ10および外部から送信されてきた情報を取得する。情報取得部301により取得される情報のうち、管理サーバ10から送信されてくる情報としては、例えば、生成されたリンクオブジェクトやアノテーション情報などが挙げられる。
【0036】
また、情報取得部301は、操作部を介して入力された情報を取得する。操作部を介して入力される情報としては、例えば、リンクオブジェクトを作成するために入力された入力情報、リンクオブジェクトを指定するために入力された入力情報、リンクオブジェクトを指定することなくウェブページにアクセスするために入力された入力情報などが挙げられる。
【0037】
送信制御部302は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部302は、管理サーバ10および外部に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部302の制御により送信される情報のうち、管理サーバ10に向けて送信される情報としては、例えば、リンクオブジェクトを作成するために入力された入力情報、リンクオブジェクトを指定するために入力された入力情報、リンクオブジェクトを指定することなくウェブページにアクセスするために入力された入力情報などが挙げられる。
【0038】
表示制御部303は、表示部に各種の情報を表示する制御を行う。具体的には、表示制御部303は、表示部に専用UIを表示する制御を行う。また、表示制御部303は、専用UIに各種の情報を表示する制御を行う。表示制御部303の制御により専用UIに表示される情報としては、例えば、リンクオブジェクト、リンクオブジェクトに対応付けられているリンク先のウェブページ、リンク先のウェブページに重畳して表示されるアノテーション情報などが挙げられる。
【0039】
<管理サーバの処理の流れ>
図5および
図6は、管理サーバ10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図5には、管理サーバ10の処理のうち、リンクオブジェクトにアノテーション情報を対応付ける処理の流れが示されている。
管理サーバ10は、ユーザ端末30から、表示部に専用UIを表示させるための入力情報が送信されてくると(ステップ501でYES)、送信されてきた入力情報を取得する(ステップ502)。そして、管理サーバ10は、ユーザ端末30に専用UIを表示させるための制御を行う(ステップ503)。これに対して、専用UIを表示させるために入力された情報が送信されてきていない場合(ステップ501でNO)、管理サーバ10は、専用UIを表示させるための入力情報が送信されてくるまでステップ501を繰り返す。ユーザ端末30の表示部に表示された専用UIには、作成済みの1以上のリンクオブジェクトが表示される。
【0040】
次に、管理サーバ10は、ユーザ端末30から、リンクオブジェクトを指定するための入力情報が送信されてくると(ステップ504でYES)、送信されてきた入力情報を取得する(ステップ505)。そして、管理サーバ10は、入力情報から特定されるリンク先のウェブページをユーザ端末30に表示させるための制御を行う(ステップ506)。これに対して、リンクオブジェクトを指定するための入力情報が送信されてきていない場合(ステップ504でNO)、管理サーバ10は、リンクオブジェクトを指定するための入力情報が送信されてくるまでステップ504を繰り返す。
【0041】
次に、管理サーバ10は、ユーザ端末30から、アノテーション情報を編集するための入力情報が送信されてくると(ステップ507でYES)、送信されてきた入力情報を取得する(ステップ508)。そして、管理サーバ10は、入力情報から特定されるリンク先のウェブページの構造を解析する(ステップ509)。これに対して、アノテーション情報を編集するための入力情報が送信されてきていない場合(ステップ507でNO)、管理サーバ10は、アノテーション情報を編集するための入力情報が送信されてくるまでステップ507を繰り返す。
【0042】
次に、管理サーバ10は、ステップ509での解析の結果に基づいて、リンク先のウェブページにおける、アノテーション情報が貼り付けられた位置を特定する(ステップ510)、そして、管理サーバ10は、リンクオブジェクトにアノテーション情報を対応付ける(ステップ511)。具体的には、管理サーバ10は、リンクオブジェクトにアノテーション情報を対応付けて、記憶部13のオブジェクトDB131に記憶させて管理する。
【0043】
図6には、管理サーバ10の処理のうち、アノテーション情報が対応付けられたリンクオブジェクトを指定するための入力操作が行われたときの処理の流れが示されている。なお、
図6に示す各処理のステップのうち、ステップ601乃至606までの処理の流れは、上述の
図5のステップ501乃至506までの処理の流れと同様であり、説明を省略する。
管理サーバ10は、専用UIに表示された1以上のリンクオブジェクトのうち、ユーザにより指定されたリンクオブジェクトに対応付けられているアノテーション情報を抽出する(ステップ607)。そして、管理サーバ10は、抽出したアノテーション情報の表示位置を推定する(ステップ608)。具体的には、管理サーバ10は、指定されたリンクオブジェクトに対応付けられているリンク先のウェブページの構造を解析した結果に基づいて、アノテーション情報の表示位置を推定する。
【0044】
管理サーバ10は、ステップ608で推定した結果に基づいて、アノテーション情報の表示位置を特定できた場合には(ステップ609でYES)、専用UIにリンク先のウェブページを表示させるための制御を行い(ステップ610)、ステップ612に進む。これに対して、アノテーション情報の表示位置を特定できない場合には(ステップ609でNO)、表示できないアノテーション情報がある旨を通知して(ステップ611)、ステップ612に進む。ステップ609の処理は、リンクオブジェクトに対応付けられたアノテーション情報の数だけ行われる。
【0045】
なお、アノテーション情報の表示位置を特定できない理由としては、例えば、DOMを解析する際、Xpath(XML Path Language)を基準としてアノテーション情報の位置を推定する場合において、リンク先のウェブページの更新によって該当するXpathが見つからなくなってしまった等の理由が挙げられる。「Xpath」とは、HTML/XML文書の中の特定の要素を指定するための言語のことをいう。
【0046】
管理サーバ10は、アノテーション情報の表示位置がリンク先のウェブページに表示された場合には(ステップ612でYES)、リンク先のウェブページにアノテーション情報を重畳して表示させるための制御を行う(ステップ613)。これに対して、アノテーション情報の表示位置がリンク先のウェブページに表示されない場合には(ステップ612でNO)、アノテーション情報の表示位置がリンク先のウェブページに表示されるまでステップ612の処理を繰り返す。なお、ステップ612の処理は、リンク先のウェブページをスクロールさせる操作など、ディスプレイの表示が変わるたびに行われる。
【0047】
<具体例>
図7および
図8は、ユーザ端末30の表示部に表示される専用UI201の具体例を示す図である。
【0048】
図7に示すように、専用UI201には、リンクオブジェクト211と、リンクオブジェクト211に対応付けられたリンク先のウェブページ300とが表示される。リンク先のウェブページ300は、リンクオブジェクト211を指定する操作(例えば、マウスオーバーやクリックの操作)により表示される。なお、この時点においてリンクオブジェクト211にはアノテーション情報が対応付けられていない。
【0049】
リンク先のウェブページ300が表示された状態で、リンクオブジェクト211に付されたピン留めボタン221が押下されると、リンク先のウェブページ300が表示された状態が維持される。表示されたリンク先のウェブページ300には、操作バー311が重畳して表示される。操作バー311には、アノテーション情報を貼り付ける操作を開始するための操作ボタン321が設けられている。
【0050】
操作バー311に設けられた操作ボタン321が押下されると、アノテーション情報を貼り付ける操作を可能にする操作バー331が表示される。操作バー331には、アノテーション情報を作成するための操作ボタン341が設けられている。操作ボタン341が押下されると、アノテーション情報となる図形を編集可能とする図形編集バー351が表示される。
【0051】
図形編集バー351から1の図形が選択され、各種の編集(図形編集やテキスト編集など)が施されると、編集後の図形が、アノテーション情報として、移動操作可能、かつ、貼り付け操作可能な状態で表示される。例えば、
図8には、図形編集により「四角形」、「破線枠」、「塗りつぶしなし」と指定されたアノテーション情報401と、図形編集により「四角形」、「太枠」、「白抜き」と指定され、テキスト編集により「クリックする」という文言が表記されたアノテーション情報402とがそれぞれ貼り付けられた例が示されている。
【0052】
図8に示すアノテーション情報401は、リンク先のウェブページ300に表示された複数の要素のうち要素361を強調するために貼り付けられたアノテーション情報である。また、アノテーション情報402は、要素361をクリックすることを閲覧者であるユーザに案内するために貼り付けられたアノテーション情報である。アノテーション情報を編集する操作が完了し、操作ボタン342が押下されると、編集されたアノテーション情報が保存される。具体的には、編集されたアノテーション情報401および402は、記憶部13のオブジェクトDB131にてリンクオブジェクト211に対応付けられて管理される。
【0053】
図9は、管理サーバ10の記憶部13に格納されているデータベースに記憶されている情報の具体例を示す図である。
管理サーバ10の記憶部13に格納されているデータベースのうち、オブジェクトDB131には、リンクオブジェクト211に、リンク先のウェブページ300のURLと、アノテーション情報とが対応付けられて記憶されている。リンク先のウェブページ300のURLおよびアノテーション情報は、バージョンごとに管理されている。
図9に示す「V1」や「V2」は、いずれも個々のバージョンを示している。
【0054】
アノテーション情報には、アノテーション情報を一意に特定可能とする識別情報(ID)、アノテーション情報の種類、アノテーション情報を貼り付ける順番を示す情報(Z-index)、リンク先のウェブページ300上に重畳して表示されるアノテーション情報の表示位置を示す座標が含まれる。また、アノテーション情報には、リンク先のウェブページ300上に重畳して表示されるアノテーション情報の大きさ、アノテーション情報としての文字列や図形を示す情報(付帯情報)、リンク先のウェブページ300の構造を示す情報などが含まれる。
【0055】
図9には、アノテーション情報を一意に特定可能とする識別情報としてのIDが「1」であるアノテーション情報と、「ID」が「2」であるアノテーション情報とが例示されている。このうち、「ID」が「1」であるアノテーション情報は、種類が「付箋」であり、貼り付ける順番を示す情報(Z-index)が「2」であり、リンク先のウェブページ300上に重畳して表示されるアノテーション情報の表示位置を示す座標(x,y)が「(300,10)」であることが示されている。また、リンク先のウェブページ300上に重畳して表示される際の大きさ「w(幅),h(高さ)」が「(100,50)」であり、「クリックする」という文字列を含むことが示されている。
【0056】
また、「ID」が「2」であるアノテーション情報は、種類が「長方形」であり、貼り付ける順番を示す情報(Z-index)が「1」であり、リンク先のウェブページ300上に重畳して表示されるアノテーション情報の表示位置を示す座標(x,y)が「(0,30)」であることが示されている。また、リンク先のウェブページ300上に重畳して表示される際の大きさ「w(幅),h(高さ)」が「(500,100)」であり、線幅が「2」の赤色の枠であることが示されている。
【0057】
図10(A)および(B)、ならびに
図11は、リンク先のウェブページにアクセスするための情報が同じであるが、アノテーション情報が異なるリンクオブジェクトを作成する操作の具体例を示す図である。
図10(A)に示す専用UI201に表示されているリンクオブジェクト211および212は、リンク先のウェブページにアクセスするための情報が互いに同一であるリンクオブジェクトである。ここで、リンクオブジェクト211には、上述の
図7および
図8に示す操作により、アノテーション情報が対応付けられているが、リンクオブジェクト212にはアノテーション情報が対応付けられていないものとする。
【0058】
図10(A)に示すリンクオブジェクト212を指定する操作(例えば、マウスオーバーやクリックの操作)が行われると、
図10(B)に示すように、リンク先のウェブページ300が表示される。なお、この時点においてリンクオブジェクト212にはアノテーション情報が対応付けられていない。
【0059】
リンク先のウェブページ300が表示された状態で、リンクオブジェクト212に付されたピン留めボタン221が押下されると、リンク先のウェブページ300が表示された状態が維持される。表示されたリンク先のウェブページ300には、上述の
図7の例と同様に操作バー311が重畳して表示される。操作バー311には、アノテーション情報を貼り付ける操作を開始するための操作ボタン321が設けられているので、操作ボタン321が押下されることで表示される操作バー331に対する操作を行うことで、アノテーション情報を作成して貼り付けることが可能となる。
【0060】
図11には、図形編集により「四角形」、「破線枠」、「塗りつぶしなし」と指定されたアノテーション情報411と、図形編集により「四角形」、「太枠」、「白抜き」と指定され、テキスト編集により「クリックする」という文言が表記されたアノテーション情報412とがそれぞれ貼り付けられた例が示されている。ここで、上述の
図8と
図11の例とを比較すると、貼り付けられているアノテーション情報そのものは略同様であるが、貼り付けられている位置が異なる。
【0061】
すなわち、上述の
図8のアノテーション情報401は、リンク先のウェブページ300に表示された複数の要素のうち要素361を強調するために貼り付けられたアノテーション情報である。これに対して、
図11のアノテーション情報411は、リンク先のウェブページ300に表示された複数の要素のうち要素362を強調するために貼り付けられたアノテーション情報である。このため、
図8のアノテーション情報401と
図11のアノテーション情報411とでは貼り付けられている位置が異なり、さらに、これらのアノテーション情報をクリックすることを閲覧者であるユーザに案内するために貼り付けられたアノテーション情報も貼り付けられている位置が異なる。
【0062】
アノテーション情報を編集する操作が完了し、操作ボタン342が押下されると、編集されたアノテーション情報が保存される。具体的には、編集されたアノテーション情報411および412は、記憶部13のオブジェクトDB131にてリンクオブジェクト212に対応付けられて管理される。上述のように、
図8のアノテーション情報401および402は、オブジェクトDB131にてリンクオブジェクト211に対応付けられて管理されるが、
図11のアノテーション情報411および412は、オブジェクトDB131にてリンクオブジェクト212に対応付けられて管理される。すなわち、リンクオブジェクト211および212は、いずれもリンク先のウェブページ300にアクセスするための情報が対応付けられたリンクオブジェクトであるが、それぞれ対応付けられているアノテーション情報が異なるため、オブジェクトDB131では異なるデータとして管理される。
【0063】
アノテーション情報が対応付けられているリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、リンク先のウェブページが表示される。さらに、そのウェブページ上には、アノテーション情報が重畳して表示される。アノテーション情報が表示されるウェブページ上の位置は、アノテーション情報の編集において貼り付けられた位置となる。例えば、
図8に示すアノテーション情報401および402が対応付けられているリンクオブジェクト211を指定する操作が行われると、リンク先のウェブページ300が表示され、さらに、アノテーション情報401および402が重畳して表示される。このため、リンクオブジェクト211を指定する操作を行ったユーザは、リンク先のウェブページ300に表示された複数の要素のうち要素361をクリックすべきであることを一見して把握することができる。
【0064】
これに対して、
図11に示すアノテーション情報411および412が対応付けられているリンクオブジェクト212を指定する操作が行われると、リンク先のウェブページ300が表示され、さらに、アノテーション情報411および412が重畳して表示される。このため、リンクオブジェクト212を指定する操作を行ったユーザは、リンク先のウェブページ300に表示された複数の要素のうち要素362をクリックすべきであることを一見して把握することができる。このように、
図8のアノテーション情報402と
図11のアノテーション情報412との各々は、ウェブページの用途に合わせて作成されたアノテーション情報であるといえる。
【0065】
また、リンクオブジェクトを作成する際、作成済みのリンクオブジェクトを複製して編集することができる。既に存在するリンクオブジェクトを複製する操作が行われると、そのリンクオブジェクトに対応付けられた情報も複製される。これにより、ユーザは、複製したリンクオブジェクトに対応付けられた情報をベースとしてリンクオブジェクトを編集することができるので、1からリンクオブジェクトを作成する手間を省くことができる。例えば、
図11の例では、既に作成済みのリンクオブジェクト211を複製し、アノテーション情報を編集することで、用途の異なるリンクオブジェクト212を効率よく作成することができる。
【0066】
図12(A)は、アノテーション情報が表示されないようにする操作の具体例を示す図である。
上述のように、アノテーション情報が対応付けられているリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、リンク先のウェブページが表示され、さらに、アノテーション情報がウェブページに重畳して表示される。
図12(A)には、リンク先のウェブページ300が表示され、さらに、アノテーション情報401および402が重畳して表示されている例が示されている。
【0067】
ユーザは、リンク先のウェブページ300に重畳して表示されたアノテーション情報401および402から、要素361をクリックすべきであることを一見して把握することができるが、アノテーション情報が表示されないようにすることもできる。具体的には、
図12(A)に示すように、リンク先のウェブページ300に重畳して表示される操作バー352に対する操作により、アノテーション情報が表示されないようにすることができる。操作バー352には、「アノテーションを重ねて表示しています」というメッセージとともに、「表示しない」と表記された操作ボタン353が配置されている。操作ボタン353が押下されると、表示されていたアノテーション情報のすべてが表示されなくなる。例えば、
図12(A)の例では、アノテーション情報401および402が表示されなくなる。
【0068】
アノテーション情報が対応付けられているリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、リンク先のウェブページ300が表示され、さらに、アノテーション情報401および402がウェブページ300に重畳して表示される。その際、情報処理システム1側では、リンク先のHTML情報の解析結果に基づく相対的な位置取りにより、アノテーション情報を表示する位置の推定と特定とが行われる。推定の結果として、アノテーション情報を表示する位置を特定できない場合には、表示できないアノテーション情報がある旨がユーザに通知される。
【0069】
図12(B)および(C)は、表示できないアノテーション情報がある旨をユーザに通知する手法の具体例を示す図である。具体的には、
図12(B)および(C)には、表示できないアノテーション情報がある旨をユーザに通知する手法として、表示できないアノテーション情報がある旨を示すメッセージが表記されたバナーを表示させる手法の具体例が示されている。
【0070】
図12(B)に示すバナー403には、「一部のアノテーションを表示できませんでした。」というメッセージとともに、リンク先のウェブページのURLと、アノテーション情報の内容および位置との各々を示す情報が表記されている。また、
図12(C)に示すバナー404には、「一部のアノテーションを表示できませんでした。」というメッセージとともに、「直近の編集時のアノテーション付近の情報を表示する」と表記されたリンクボタン441が配置されている。リンクボタン441が押下されると、リンクオブジェクトのバージョンが参照されて、直近の編集時におけるアノテーション情報を含むウェブページの撮像画像としてのキャプチャ画像が表示される。
【0071】
図12(D)は、
図12(C)の例のバナー404のリンクボタン441が押下されたときに表示されるリンク先のウェブページのキャプチャ画像の具体例を示す図である。
図12(D)に示すウェブページ300のキャプチャ画像405には、要素361を強調するために貼り付けられたアノテーション情報401と、要素361をクリックすることを閲覧者であるユーザに案内するために貼り付けられたアノテーション情報402とが表示されている。また、アノテーション情報402の右肩には、表示位置を特定できなかったアノテーション情報であることを示す「×」印が表記されたマーク421が付されている。これにより、リンク先のウェブページ300の閲覧者であるユーザは、キャプチャ画像405を一見するだけで、リンク先のウェブページ300にアノテーション情報402が表示されなかったことを把握することができる。
【0072】
例えば、
図12(D)の例のように、リンク先のウェブページのキャプチャ画像405が表示される場合には、記憶部13のオブジェクトDB131にてリンクオブジェクト211に対応付けられる情報に、リンク先のウェブページのキャプチャ画像405が追加される。
【0073】
図13は、オブジェクトDB131にてリンクオブジェクトに対応付けられる他の情報の具体例を示す図である。
上述のように、リンクオブジェクト211には、リンク先のウェブページ300のURLと、アノテーション情報とが対応付けられており、これらの情報がバージョンごとに管理される。ただし、リンクオブジェクト211に対応付けられる情報は、これらの情報に限定されず、例えば、
図13に示すように、リンク先のウェブページ300のキャプチャ画像405を対応付けることができる。リンクオブジェクト211にリンク先のウェブページ300のキャプチャ画像405を対応付けることで、ユーザは、アノテーション情報の表示内容や表示位置をバージョンごとに一見して把握することができる。
【0074】
<他の実施の形態>
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した本実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した本実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、
図1に示す情報処理システム1の構成、および
図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、
図3に示す管理サーバ10の機能構成、および
図4に示すユーザ端末30の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が
図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは
図3および
図4の例に限定されない。
【0075】
また、
図5および
図6に示す管理サーバ10の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、
図7乃至
図13に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0076】
例えば、上述の実施の形態において、リンク先のウェブページは、リンクオブジェクトを指定する操作を行うことで表示され、表示されたウェブページに重畳するようにアノテーション情報が表示される。これに対して、リンクオブジェクトを指定する操作を行うことなく、そのウェブページを直接的に指定することで表示させた場合には、アノテーション情報は表示されない。「直接的に指定する」とは、例えば、ブラウザのアドレスバーにURLを直接入力することなどのことをいう。
【0077】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
第1のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第1のリンクオブジェクトに対応付けられた第1のウェブページに、当該第1のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する制御を行い、
第2のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第2のリンクオブジェクトに対応付けられた第2のウェブページに、当該第2のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する制御を行い、
前記第1のウェブページにアクセスするための情報と、前記第2のウェブページにアクセスするための情報とが同一であることを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記第1のリンクオブジェクトに、前記第1のウェブページにアクセスするための情報と、前記第1のウェブページのアノテーション情報とを対応付けて管理し、
前記第2のリンクオブジェクトに、前記第2のウェブページにアクセスするための情報と、前記第2のウェブページのアノテーション情報とを対応付けて管理することを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記1または複数のプロセッサは、前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々の前記アノテーション情報を編集する操作が行われると、当該アノテーション情報を編集後の内容に更新し、更新の前後のバージョンを管理することを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、前記アノテーション情報が重畳して表示された前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々の撮像画像を、前記バージョンごとに管理することを特徴とする、
(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記第1のリンクオブジェクトおよび前記第2のリンクオブジェクトの各々を複製する操作が行われると、当該第1のリンクオブジェクトおよび当該第2のリンクオブジェクトの各々を複製し、
前記第1のリンクオブジェクトおよび前記第2のリンクオブジェクトの各々に対応付けて管理している情報を、複製後の当該第1のリンクオブジェクトおよび当該第2のリンクオブジェクトの各々に対応付けて管理することを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、第1のリンクオブジェクトまたは第2のリンクオブジェクトを指定する操作ではなく、前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々にアクセスするための情報を入力する操作が行われると、当該第1のウェブページおよび当該第2のウェブページの各々の前記アノテーション情報を表示させない制御を行うことを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々にアクセスするための情報を入力する操作が、前記第1のウェブページおよび前記第2のウェブページの各々のURL(Uniform Resource Locator)をブラウザのアドレスバーに入力する操作であることを特徴とする、
(((6)))に記載の情報処理システム。
(((8)))
コンピュータに、
第1のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第1のリンクオブジェクトに対応付けられた第1のウェブページに、当該第1のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する機能と、
第2のリンクオブジェクトを指定する操作が行われると、当該第2のリンクオブジェクトに対応付けられた第2のウェブページに、当該第2のウェブページのアノテーション情報を重畳して表示する機能と、
を実現させるプログラムにおいて、
前記第1のウェブページにアクセスするための情報と、前記第2のウェブページにアクセスするための情報とが同一であることを特徴とする、
プログラム。
【0078】
(((1)))の本発明によれば、異なるリンクオブジェクトの各々のリンク先となるウェブページにアクセスするための情報が同一であっても、ウェブページに重畳して表示されるアノテーション情報を異なるものにすることが可能になる。その結果、ウェブページの用途に応じたアノテーション情報を表示させることができる。
(((2)))の本発明によれば、リンクオブジェクトごとに、ウェブページにアクセスするための情報と、アノテーション情報とが対応付けられて管理されるので、リンクオブジェクトごとにウェブページの用途を定めることが可能となる。その結果、同一のウェブページであってもリンクオブジェクトごとに異なるアノテーション情報を表示させることができる。
(((3)))の本発明によれば、アノテーション情報が編集されると、編集の前後のバージョンが管理されるので、ユーザによるバージョンごとの確認が容易になる。
(((4)))の本発明によれば、アノテーション情報が重畳して表示されたウェブページの撮像画像がバージョンごとに管理されるので、ユーザによるアノテーション情報の表示内容や表示位置のバージョンごとの確認が容易になる。
(((5)))の本発明によれば、既に存在するリンクオブジェクトを複製する操作を行うと、そのリンクオブジェクトに対応付けられた情報も複製されるので、ユーザは、1からリンクオブジェクトを作成する手間を省くことができる。
(((6)))の本発明によれば、アノテーション情報の参照を望まないユーザの操作を支援できる。
(((7)))の本発明によれば、アノテーション情報の参照を望まないユーザの操作を支援できる。
(((8)))の本発明によれば、異なるリンクオブジェクトの各々のリンク先となるウェブページにアクセスするための情報が同一であっても、ウェブページに重畳して表示されるアノテーション情報を異なるものにすることが可能になる。その結果、ウェブページの用途に応じたアノテーション情報を表示させることができる。
【符号の説明】
【0079】
1…情報処理システム、10…管理サーバ、11…制御部、30…ユーザ端末、90…ネットワーク、101…情報管理部、102…情報取得部、103…解析部、104…情報生成部、105…送信制御部、301…情報取得部、302…送信制御部、303…表示制御部