(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100389
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】船舶
(51)【国際特許分類】
B63B 11/00 20060101AFI20240719BHJP
B63B 29/00 20060101ALI20240719BHJP
B63B 69/00 20130101ALI20240719BHJP
【FI】
B63B11/00 Z
B63B29/00 A
B63B69/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004355
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大西 晃生
(72)【発明者】
【氏名】川崎 修治
(72)【発明者】
【氏名】冨永 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】横山 元気
(72)【発明者】
【氏名】田本 英司
(57)【要約】
【課題】
乗組員がアンダーデッキパッセージに入る前に、アンダーデッキパッセージの内部状況を確認可能な船舶を提供する。
【解決手段】
本開示の一態様に係る船舶は、船内に位置するアンダーデッキパッセージと、前記アンダーデッキパッセージにつながる安全エリアと、前記アンダーデッキパッセージと前記安全エリアを隔てる隔壁と、を備え、前記隔壁は透明部分を有する透明窓を含んでいる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船内に位置するアンダーデッキパッセージと、
前記アンダーデッキパッセージにつながる安全エリアと、
前記アンダーデッキパッセージと前記安全エリアを隔てる隔壁と、を備え、
前記隔壁は透明な面を有する透明窓を含んでいる、船舶。
【請求項2】
前記アンダーデッキパッセージは前記隔壁に向かって直線状に延びる直線部を含み、
前記透明窓は、前記直線部の延長線上に位置している、請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記安全エリアは非危険区域であって、
当該船舶は前記安全エリアに位置する非防爆機器を備え、
前記非防爆機器は、
前記透明窓を介して前記アンダーデッキパッセージを撮影するカメラ、
前記透明窓を介して前記アンダーデッキパッセージから発信された信号を受信し又は前記アンダーデッキパッセージへ信号を送信するアンテナ、及び、
前記透明窓を介して前記アンダーデッキパッセージから視認可能なランプのうち、少なくとも1つを含む、請求項1に記載の船舶。
【請求項4】
前記透明窓は、前記アンダーデッキパッセージ側に張り出した出窓であり、
前記非防爆機器の少なくとも一部は、前記透明窓内に位置している、請求項3に記載の船舶。
【請求項5】
前記アンダーデッキパッセージ内の可燃性ガスを検知するガス検知器と、
前記アンダーデッキパッセージ内の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、を備え、
前記非防爆機器は前記ランプを含み、
前記ランプは、前記ガス検知器が前記アンダーデッキパッセージ内の可燃性ガスを検知したとき、又は、前記酸素濃度計が測定した酸素濃度が規定値を下回ったとき、点灯するように構成されている、請求項3に記載の船舶。
【請求項6】
前記隔壁は隔壁ドアを有し、
前記透明窓は前記隔壁ドアに取り付いている、請求項1に記載の船舶。
【請求項7】
前記隔壁は隔壁ドアを有し、
前記透明窓は前記隔壁の前記隔壁ドア以外の部分に取り付いている、請求項1に記載の船舶。
【請求項8】
船内に位置する非危険区域と、
前記非危険区域につながる危険区域と、
前記非危険区域と前記危険区域を隔てる隔壁と、
前記非危険区域に位置する非防爆機器と、を備え、
前記隔壁は透明な面を有する透明窓を含み、
前記非防爆機器は、
前記透明窓を介して前記危険区域を撮影するカメラ、
前記透明窓を介して前記危険区域から発信された信号を受信し又は前記危険区域へ信号を送信するアンテナ、及び、
前記透明窓を介して前記危険区域から視認可能なランプのうち、少なくとも1つを含む、船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、「液化天然ガス運搬船(LNG船)やコンテナ船等においては、上甲板の下部で、かつ、船体を構成している二重側壁(二重船殻)の内部の上部部位に、貨物領域の全長に亘って縦通したアンダーデッキパッセージと呼ばれる縦通通行区画が設けられ、船員等の通行用通路および配管設置場所としていることが多い」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アンダーデッキパッセージは、外部から可燃性ガスが浸入するリスクがあるとともに、漏れが発生すると火災の発生源となり得る油配管や蒸気配管が内部に配置される場合がある。
【0005】
そこで、本開示は、乗組員がアンダーデッキパッセージに入る前に、アンダーデッキパッセージの内部状況を確認可能な船舶を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る船舶は、船内に位置するアンダーデッキパッセージと、前記アンダーデッキパッセージにつながる安全エリアと、前記アンダーデッキパッセージと前記安全エリアを隔てる隔壁と、を備え、前記隔壁は透明部分を有する透明窓を含んでいる。
【発明の効果】
【0007】
この構成によれば、乗組員がアンダーデッキパッセージに入る前に、アンダーデッキパッセージの内部状況を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、アンダーデッキパッセージ端部周辺の平面図である。
【
図2】
図2は、安全エリアから隔壁を見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について説明する。本実施形態に係る船舶100は、液化ガスタンクを備えた液化ガス運搬船である。ただし、船舶100は、液化ガス運搬船に限定されず、例えばコンテナ船であってもよい。
図1は、アンダーデッキパッセージ10端部周辺の平面図である。
図1の紙面左右方向が船舶100の前後方向であって、以下では単に「前後方向」と称する。また、
図1の紙面上下方向が船舶100の幅方向であって、以下では「船幅方向」と称する。なお、
図1の紙面上方が船幅方向内方であって、紙面下方が船幅方向外方である。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係る船舶100は、アンダーデッキパッセージ10と、安全エリア20と、隔壁30と、非防爆機器40と、を備えている。以下、これらの構成要素について順に説明する。
【0011】
アンダーデッキパッセージ10は、船内に位置する通路である。本実施形態のアンダーデッキパッセージ10は、船舶100の前後方向中央に位置する貨物エリアを通過している。乗船者は、アンダーデッキパッセージ10を通って、船尾エリアと船首エリアの間を移動することができる。アンダーデッキパッセージ10は、船舶100の船幅方向端部に位置しており、船舷に沿って前後方向に延びている。また、アンダーデッキパッセージ10の船幅方向内方には、液化ガスタンクを保持するカーゴホールド50が位置している。仮に、カーゴホールド50からアンダーデッキパッセージ10に可燃性ガスが流入すると、アンダーデッキパッセージ10で火災が発生するおそれがある。
【0012】
なお、本実施形態のアンダーデッキパッセージ10は危険区域(hazardous area)である。ただし、アンダーデッキパッセージ10は、非危険区域(non-hazardous area)であってもよい。なお、「危険区域」とは、機器の組立て、設置及び使用のために特別な予防策を必要とする量のガス状の爆発性雰囲気が存在する、又は存在する可能性がある区域をいう。また、「非危険区域」とは、機器の組立て,設置及び使用のために特別な予防策を必要とする量のガス状の爆発性雰囲気が存在しないと予測できる区域をいう。
【0013】
本実施形態のアンダーデッキパッセージ10は、前後方向中央部に位置する直線部11と、前後方向端部に位置する拡張部12とを含んでいる。直線部11は、隔壁30に向かって直線状に延びており、船幅方向寸法が一定である。また、拡張部12は、隔壁30の近傍に位置し、船幅方向寸法が隔壁30に近づくにつれて大きくなっている。なお、アンダーデッキパッセージ10の形状は、上記のものに限定されない。例えば、アンダーデッキパッセージ10は、直線部11のみで形成されていてもよく、直線部11よりも船幅方向寸法が小さい幅狭部を含んでいてもよい。
【0014】
安全エリア20は、アンダーデッキパッセージ10につながるエリアである。本実施形態の安全エリア20は居住区又は機関室であるが、安全エリア20はこれらに限定されない。また、安全エリア20は非危険区域である。なお、本実施形態では安全エリア20は船尾エリアに位置している。ただし、安全エリア20の位置は限定されない。例えば、安全エリア20は、船首エリアに位置していてもよく、船尾エリアと船首エリアの両方に位置していてもよい。
【0015】
隔壁30は、アンダーデッキパッセージ10と安全エリア20の間に位置し、アンダーデッキパッセージ10と安全エリア20を隔てる壁である。
図2は、安全エリア20から見た隔壁30の図である。
図2の紙面左右方向が船幅方向である。
図2に示すように、隔壁30は、隔壁ドア31と、透明窓32とを含んでいる。
【0016】
隔壁ドア31は乗組員によって開閉することができる。乗組員は、隔壁ドア31を介して安全エリア20からアンダーデッキパッセージ10へ移動することができ、アンダーデッキパッセージ10から安全エリア20に移動することができる。隔壁30は、透明窓32を除き、全体が鋼材で形成されている。そのため、仮に、隔壁30が透明窓32を含まなければ、隔壁30によって電波は遮蔽され、安全エリア20からアンダーデッキパッセージ10へ電波が伝わることはなく、アンダーデッキパッセージ10から安全エリア20に電波が伝わることもない。
【0017】
透明窓32は隔壁ドア31よりも船幅方向外方に位置している。つまり、透明窓32は、隔壁30の隔壁ドア31以外の部分に取り付いている。ただし、透明窓32は、隔壁ドア31に取り付いていてもよい。また、
図1に示すように、本実施形態の透明窓32は、アンダーデッキパッセージ10側に張り出した出窓である。ただし、透明窓32は平面窓であってもよい。さらに、透明窓32は、アンダーデッキパッセージ10の直線部11の延長線上に位置している。つまり、前後方向から見たとき、透明窓32とアンダーデッキパッセージ10の直線部11は重複する。
【0018】
透明窓32は、透明な面33と、透明な面33を支持する窓枠34とを有している。透明な面33は、例えば、透明な耐火ガラスで形成されている。透明な面33は、例えば平面であってもよく、半球状の湾曲面であってもよい。透明な面33は、少なくとも安全エリア20からアンダーデッキパッセージ10が視認可能な程度に透明であればよく、半透明であってもよい。本実施形態では、透明な面33を介して安全エリア20からアンダーデッキパッセージ10を視認可能であるとともに、透明な面33を介してアンダーデッキパッセージ10から安全エリア20を視認可能である。なお、電波は透明な面33を通過することができる。
【0019】
以上のとおり、本実施形態の隔壁30は透明窓32を含むため、乗組員が安全エリア20からアンダーデッキパッセージ10に入る前に、安全エリア20からアンダーデッキパッセージ10の内部状況を確認することができる。そのため、例えば、アンダーデッキパッセージ10で火災が発生している場合、透明窓32からアンダーデッキパッセージ10で発生した煙や火炎を確認でき、乗組員が誤ってアンダーデッキパッセージ10に入るのを防ぐことができる。しかも、透明窓32はアンダーデッキパッセージ10の直線部11の延長線上に位置しているため、乗組員は透明窓32を介して安全エリア20からアンダーデッキパッセージ10の全体を確認することができる。
【0020】
非防爆機器40は、安全エリア20に位置する非防爆仕様の機器である。なお、非防爆機器40は、非防爆仕様の機器であるため、可燃性ガスが流入するおそれがあるアンダーデッキパッセージ10に設置することはできない。本実施形態では、非防爆機器40は出窓である透明窓32内に位置している。透明窓32は安全エリア20側に開口する内部空間を有しており、その内部空間に非防爆機器40が設置されている。そのため、本実施形態によれば、非防爆機器40の設置スペースを確保することができる。なお、本実施形態では非防爆機器40の全体が透明窓32内に位置しているが、非防爆機器40の一部が透明窓32内に位置していてもよい。また、透明窓32が平面窓である場合は、透明窓32の安全エリア20側に腰板を設け、その腰板に非防爆機器40を設置してもよい。
【0021】
本実施形態の非防爆機器40は、カメラ41を含んでいる。このカメラ41は、透明窓32を介してアンダーデッキパッセージ10を撮影することができる。従来、アンダーデッキパッセージ10内を撮影するには、アンダーデッキパッセージ10内にカメラを設置しなければならず、防爆仕様のカメラを用意する必要があった。ところが、本実施形態によれば、防爆仕様のカメラを用意することなくアンダーデッキパッセージ10を撮影することができる。
【0022】
また、本実施形態の非防爆機器40は、アンテナ42を含んでいる。このアンテナ42は、透明窓32を介してアンダーデッキパッセージ10から発信された信号を受信し又はアンダーデッキパッセージ10へ信号を送信することができる。つまり、本実施形態のアンテナ42は、アンダーデッキパッセージ10と安全エリア20の両方をカバーできる。アンテナ42は、例えばトランシーバ用であってもよい。従来、アンダーデッキパッセージ10内でトランシーバを使用するには、アンダーデッキパッセージ10内にアンテナを設置しなければならず、無給電式のアンテナ、つまり防爆仕様のアンテナを用意する必要があった。ところが、本実施形態によれば、隔壁30が電波を遮断しない透明窓32を含んでいるため、防爆仕様のアンテナを用意することなくアンダーデッキパッセージ10内でトランシーバを使用することができる。
【0023】
また、本実施形態の非防爆機器40は、ランプ43を含んでいる。このランプ43は、透明窓32を介してアンダーデッキパッセージ10内の乗組員が視認可能である。つまり、本実施形態のランプ43は、アンダーデッキパッセージ10と安全エリア20の両方から視認可能である。ランプ43は、例えば、アンダーデッキパッセージ10内の異常を知らせるものであってもよく、安全エリア20内の異常を知らせるものであってもよく、隔壁ドア31の開閉を知らせるものであってもよい。従来、アンダーデッキパッセージ10内の乗組員にランプを用いて異常等を知らせるには、アンダーデッキパッセージ10内にランプを設置しなければならず、防爆仕様のランプを用意する必要があった。ところが、本実施形態によれば、防爆仕様のアンテナを用意することなくアンダーデッキパッセージ10内の乗組員にランプを用いて異常等を知らせることができる。
【0024】
なお、本実施形態に係る船舶100は、アンダーデッキパッセージ10内の可燃性ガスを検知するガス検知器13と、アンダーデッキパッセージ10内の酸素濃度を測定する酸素濃度計14と、を備えている。そして、上記のランプ43は、ガス検知器13がアンダーデッキパッセージ10内の可燃性ガスを検知したとき、又は、酸素濃度計14が測定した酸素濃度が規定値を下回ったときに点灯するように構成されている。この構成によれば、アンダーデッキパッセージ10内の乗組員は、ランプ43の点灯により、アンダーデッキパッセージ10内の異常に速やかに気づいて避難することができる。なお、本実施形態ではアンダーデッキパッセージ10内には窒素又はイナートガス(窒素及び二酸化炭素からなる)の配管が設置されており、その配管から窒素又はイナートガスが漏れると、アンダーデッキパッセージ10内の酸素濃度が低下するおそれがある。そのため、本実施形態では、上記のとおりアンダーデッキパッセージ10内の酸素濃度を測定している。
【0025】
本実施形態の非防爆機器40は、カメラ41、アンテナ42、及び、ランプ43を含んでいるが、これらのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。以上のとおり、本実施形態によれば、アンダーデッキパッセージ10用の各種機器を省略又は簡略化できるため、各種機器の設置コストを抑制することができる。
【0026】
なお、上記の実施形態では、隔壁30がアンダーデッキパッセージ10と安全エリア20を隔てている。ただし、上記の実施形態は、隔壁30が危険区域と非危険区域を隔てる様々な構成に適用することができる。例えば、隔壁30は、アンダーデッキパッセージ10以外の危険区域と安全エリア20以外の非危険区域とを隔てていてもよい。また、例えば、アンダーデッキパッセージ10が非危険区域である場合、隔壁30はアンダーデッキパッセージ10と危険区域を隔てていてもよい。上記の構成によれば、乗組員が危険区域に入る前に、隔壁30の透明窓32を介して非危険区域から危険区域の内部状況を確認することができる。
【0027】
<まとめ>
本明細書で開示する第1の項目は、船内に位置するアンダーデッキパッセージと、前記アンダーデッキパッセージにつながる安全エリアと、前記アンダーデッキパッセージと前記安全エリアを隔てる隔壁と、を備え、前記隔壁は透明な面を有する透明窓を含んでいる、船舶である。
【0028】
この構成によれば、乗組員が安全エリアからアンダーデッキパッセージに入る前に、安全エリアからアンダーデッキパッセージの内部状況を確認することができる。
【0029】
本明細書で開示する第2の項目は、前記アンダーデッキパッセージは前記隔壁に向かって直線状に延びる直線部を含み、前記透明窓は、前記直線部の延長線上に位置している、第1の項目に記載の船舶である。
【0030】
この構成によれば、乗組員は透明窓を介して安全エリアからアンダーデッキパッセージの全体を確認することができる。
【0031】
本明細書で開示する第3の項目は、前記安全エリアは非危険区域であって、当該船舶は前記安全エリアに位置する非防爆機器を備え、前記非防爆機器は、前記透明窓を介して前記アンダーデッキパッセージを撮影するカメラ、前記透明窓を介して前記アンダーデッキパッセージから発信された信号を受信し又は前記アンダーデッキパッセージへ信号を送信するアンテナ、及び、前記透明窓を介して前記アンダーデッキパッセージから視認可能なランプのうち、少なくとも1つを含む、第1又は第2の項目に記載の船舶である。
【0032】
この構成によれば、アンダーデッキパッセージ用の各種機器の設置コストを抑制することができる。
【0033】
本明細書で開示する第4の項目は、前記透明窓は、前記アンダーデッキパッセージ側に張り出した出窓であり、前記非防爆機器の少なくとも一部は、前記透明窓内に位置している、第3の項目に記載の船舶である。
【0034】
この構成によれば、非防爆機器の設置スペースを確保することができる。
【0035】
本明細書で開示する第5の項目は、前記アンダーデッキパッセージ内の可燃性ガスを検知するガス検知器と、前記アンダーデッキパッセージ内の酸素濃度を測定する酸素濃度計と、を備え、前記非防爆機器は前記ランプを含み、前記ランプは、前記ガス検知器が前記アンダーデッキパッセージ内の可燃性ガスを検知したとき、又は、前記酸素濃度計が測定した酸素濃度が規定値を下回ったとき、点灯するように構成されている、第3又は第4の項目に記載の船舶である。
【0036】
この構成によれば、アンダーデッキパッセージ内の乗組員は、ランプの点灯により、アンダーデッキパッセージ内の異常に速やかに気づいて避難することができる。
【0037】
本明細書で開示する第6の項目は、前記隔壁は隔壁ドアを有し、前記透明窓は前記隔壁ドアに取り付いている、第1乃至第5の項目のうちいずれか一の項目に記載の船舶である。
【0038】
この構成によれば、乗組員がアンダーデッキパッセージの内部状況を確認した後にアンダーデッキパッセージに入るという一連の作業をスムーズに行うことができる。
【0039】
本明細書で開示する第7の項目は、前記隔壁は隔壁ドアを有し、前記透明窓は前記隔壁の前記隔壁ドア以外の部分に取り付いている、第1乃至第5の項目のうちいずれか一の項目に記載の船舶である。
【0040】
この構成によれば、透明窓の設計の自由度が向上する。
【0041】
本明細書で開示する第8の項目は、船内に位置する非危険区域と、前記非危険区域につながる危険区域と、前記非危険区域と前記危険区域を隔てる隔壁と、前記非危険区域に位置する非防爆機器と、を備え、前記隔壁は透明な面を有する透明窓を含み、前記非防爆機器は、前記透明窓を介して前記危険区域を撮影するカメラ、前記透明窓を介して前記危険区域から発信された信号を受信し又は前記危険区域へ信号を送信するアンテナ、及び、前記透明窓を介して前記危険区域から視認可能なランプのうち、少なくとも1つを含む、船舶である。
【0042】
この構成によれば、危険区域用の各種機器の設置コストを抑制することができる。
【符号の説明】
【0043】
10 アンダーデッキパッセージ
11 直線部
13 ガス検知器
14 酸素濃度計
20 安全エリア
30 隔壁
31 隔壁ドア
32 透明窓
33 透明な面
40 非防爆機器
41 カメラ
42 アンテナ
43 ランプ
100 船舶