(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024010041
(43)【公開日】2024-01-23
(54)【発明の名称】JAK1選択的阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 403/04 20060101AFI20240116BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20240116BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20240116BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20240116BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240116BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240116BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240116BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240116BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20240116BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240116BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240116BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240116BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240116BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20240116BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240116BHJP
C12N 9/99 20060101ALI20240116BHJP
【FI】
C07D403/04 CSP
A61K31/506 ZNA
A61P3/10
A61P17/02
A61P25/00
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P29/00
A61P17/06
A61P11/06
A61P11/00
A61P1/04
A61P17/00
A61P37/02
A61P17/14
A61P43/00 111
C12N9/99
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023180744
(22)【出願日】2023-10-20
(62)【分割の表示】P 2021191658の分割
【原出願日】2018-01-16
(31)【優先権主張番号】62/447,057
(32)【優先日】2017-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】391008951
【氏名又は名称】アストラゼネカ・アクチエボラーグ
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】カール・マグヌス・ニルソン
(72)【発明者】
【氏名】アンニカ・ビルギッタ・マルガレータ・オーストランド
(72)【発明者】
【氏名】アンナ・イングリッド・クリスティナ・バーリグレーン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・アル・ヨハンソン
(72)【発明者】
【氏名】マッティ・ユハニ・レピスト
(72)【発明者】
【氏名】サミール・プラルハド・カワトカル
(72)【発明者】
【氏名】スゥ・チービン
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・グラント・ケトル
(57)【要約】 (修正有)
【課題】選択的なJAK1阻害を有する化合物を提供する。
【解決手段】7.6、12.7、14.8、19.3および25.5°2-シータに特徴的ピークを有するX線粉末回折パターンを有する、下記構造式で示される(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの結晶形態を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
(式中:
R
1、R
3、及びR
4は、それぞれ個別に、水素及びメチルから選択され;
R
2は、水素、メチル、及び-CH
2CH
2OHから選択され;
nは、1又は2であり;
R
5は、メチル、エチル、及び-CH
2OR
8から選択され;
R
6は、メチル、塩素、及びフッ素から選択され;
R
7は、メチル、エチル、及びシクロプロピルから選択され;且つ
R
8は、メチル、エチル、及びベンジルから選択される);
又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
R1~R4のそれぞれが、水素及びメチルから独立に選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R1、R3、及びR4が全て水素である、請求項1~2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項4】
R2がメチルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
R5がメチル又は-CH2OR8である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R8がメチルである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
R6がメチル又はフッ素原子である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R6がフッ素原子である、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
R7がメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
式(Ia)の構造を有する、請求項1に記載の化合物:
【化2】
(式中:
R
1a、R
3a、及びR
4aは、それぞれ個別に、水素及びメチルから選択され;
R
2aは、水素、メチル、及び-CH
2CH
2OHから選択され;
nは、1又は2であり;
R
5aは、メチル、エチル、及び-CH
2OR
8aから選択され;
R
6aは、メチル、塩素、及びフッ素から選択され;
R
7aは、メチル、エチル、及びシクロプロピルから選択され;且つ
R
8aは、メチル、エチル、及びベンジルから選択される);
又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項11】
式(Ib)の構造を有する、請求項1に記載の化合物:
【化3】
(式中:
R
5bは、メチル、エチル、及び-CH
2OR
8bから選択され;
R
6bは、メチル、塩素、及びフッ素から選択され;
R
7bは、メチル、エチル、及びシクロプロピルから選択され;且つ
R
8bは、メチル、エチル、及びベンジルから選択される);
又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項12】
下記から選択される、請求項1に記載の化合物:
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(2-(3-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニルアミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(2-(3-(シクロプロピルスルホニル)-2-フルオロフェニルアミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(5-クロロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド;
(S)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド;
(R)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド;
(S)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド;
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド;
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド;
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)ブタンアミド;
(S)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)ブタンアミド;
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド;
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド;
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(S)-N-(3-(5-フルオロ-2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド;
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド;
(S)-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド;
(S)-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシプロパンアミド;
(R)-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシプロパンアミド;
(S)-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド;
(R)-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド;
(S)-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシプロパンアミド;
(R)-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシプロパンアミド;
(S)-N-(3-(5-フルオロ-2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)ブタンアミド;
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)ブタンアミド;
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド;
(S)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド;
(S)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)プロパンアミド;
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)プロパンアミド;
(S)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)プロパンアミド;
(S)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド;
(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド;
(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド;
(S)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド;
(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド;
(S)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド;
(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド;
(S)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシプロパンアミド;
(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシプロパンアミド;
(S)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシプロパンアミド;
(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシプロパンアミド;
(R)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド;
(S)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド;
(R)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド;
(S)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド;
(R)-3-エトキシ-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-3-エトキシ-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-3-(ベンジルオキシ)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(S)-3-(ベンジルオキシ)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
(S)-N-(3-(5-フルオロ-2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド;
又はその薬学的に許容できる塩。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩、及び薬学的に許容できる希釈剤、賦形剤、又は担体を含む医薬組成物。
【請求項14】
対象のJAK1関連疾患を治療する方法であって、治療上有効な量の請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法。
【請求項15】
前記JAK1関連疾患が、1型糖尿病、狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、喘息、アトピー性皮膚炎、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、及び円形脱毛症から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩の、JAK1関連疾患を治療するための使用。
【請求項17】
前記JAK1関連疾患が、1型糖尿病、狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、喘息、アトピー性皮膚炎、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、及び円形脱毛症から選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩の、JAK1関連疾患を治療するための医薬品の製造における使用。
【請求項19】
前記JAK1関連疾患が、1型糖尿病、狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、喘息、アトピー性皮膚炎、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、及び円形脱毛症から選択される、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
JAK1関連疾患を治療するための、請求項1~12のいずれか一項に記載の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物。
【請求項21】
前記JAK1関連疾患が、1型糖尿病、狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、喘息、アトピー性皮膚炎、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、及び円形脱毛症から選択される、請求項20に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
JAK(ヤヌス関連キナーゼ)ファミリーには4種の非受容体型チロシンキナーゼ、JAK1、JAK2、JAK3、及びTyk2があり、サイトカイン及び成長因子媒介性のシグナル伝達において重要な役割を果たしている(非特許文献1)。キナーゼJAK1は、とりわけ、I型インターフェロン(例えば、IFN-α)、II型インターフェロン(例えば、IFN-γ)、共通γ鎖γc(例えば、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15、及びIL-21)、及びインターロイキン-6ファミリー(IL-10、IL-13、及びIL-22)の受容体と相互作用する(非特許文献2)。これらのサイトカインがその受容体に結合した後、受容体オリゴマー化が起こり、関連するJAKキナーゼの細胞質尾部が近傍に移動し、JAKキナーゼのチロシン残基のトランス-リン酸化及び活性化が促進される。リン酸化されたJAKキナーゼは、種々のシグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)タンパク質に結合し、それを活性化する。次いで、これらのSTATタンパク質は二量体化し、核に移行して、そこでそれらはシグナリング分子と転写因子の両方として機能して、最終的にサイトカイン応答遺伝子のプロモーター中に存在する特異的なDNA配列に結合する(非特許文献3)。アレルギー、喘息、円形脱毛症、移植片(同種異系移植片)拒絶、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、及び多発性硬化症、並びに固形癌及び血液系癌などの種々の免疫不全及び自己免疫疾患は、JAK/STAT経路中のシグナル伝達の混乱から生じる。例えば、(非特許文献4)、(非特許文献5)、及び(非特許文献6);(非特許文献7);(非特許文献8);(非特許文献9)、(非特許文献10)、及び(非特許文献11)を参照されたい。
【0002】
JAK1の重要な要素は、受容体の異なるサブユニットの細胞内ドメインで他のJAKキナーゼとペアになる能力である。例えば、JAK3は、種々のサイトカイン受容体の共通γ鎖(γc)と会合し、JAK1とペアになる(非特許文献12)。JAK1がJAK3よりも支配的であり、JAK1の阻害が、JAK3活性にもかかわらず共通γ鎖によるシグナル伝達を不活性化するのに充分であることが示されてきた(非特許文献13)。そのため、JAK1の選択的阻害は、JAK1/JAK3-STAT経路によるサイトカインシグナル伝達と関連するいくつかの炎症性及び自己免疫疾患を治療するのに充分であり得る。しかし、他のJAKキナーゼに対するオフターゲット活性をほとんど持たないか全く持たない選択的JAK1阻害剤を開発することは難題であった。とりわけ、現在臨床開発にあるJAK1選択的阻害剤と特定されている化合物は、ほんのわずかなJAK1選択性しか示さない。(非特許文献14)。例えば、自己免疫疾患の治療のための積極的な開発における、フィルゴチニブ(非特許文献15)及びABT-494(特許文献1-
図1)などのJAK1阻害剤の生化学的アッセイで報告されたJAK1/JAK2選択性比は、およそATPのKmで測定されたIC
50に基づいて2.8である。そのため、これらの化合物が他のJAKキナーゼに対するいくらかの標的活性を有し、そのため、より選択的なJAK1阻害剤ならば限定され得る追加の副作用を有するだろうと予測される。したがって、JAK1関連疾患、例えば、白血病、リンパ腫、移植片拒絶(例えば、膵島移植片拒絶、骨髄移植用途(例えば、移植片対宿主病)、自己免疫疾患(例えば、1型糖尿病)、及び炎症(例えば、喘息、アレルギー反応)を治療するために、オフターゲット活性と関連する、貧血などの実際の又は認識される副作用を全く有さない非常に強力で選択的なJAK1阻害剤を開発することが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015061665号パンフレット
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Schindler C,and Darnell JE Jr.,Annu.Rev.Biochem.1995;64;621-651
【非特許文献2】N Engl J Med 2013,368,161-170
【非特許文献3】Leonard et al.,(2000),J.Allergy Clin.Immunol.105:877-888
【非特許文献4】Frank,(1999),Mol.Med.5:432-456
【非特許文献5】Vijayakriishnan et al,Trends Pharmacol.Sci 2011,32,25-34
【非特許文献6】Flanagan et al,;Open Rheumatol J.2012,6,232-244
【非特許文献7】N Engl J Med 2013,368,161-170
【非特許文献8】Exp.Dermatol.2014,23,7-11
【非特許文献9】J.Med.Chem.2014,57,5023-5038
【非特許文献10】J Allergy Clin Immunol 2014;133:1162-74
【非特許文献11】Expert Opin Orp Drug(2015)3(4),419-431
【非特許文献12】Immunol.Rev.2008,223,132-142
【非特許文献13】Chem.Biol.2011,18(3),314-323
【非特許文献14】Future Med.Chem.(2015)7(2),203-235
【非特許文献15】J.Med.Chem.2014,57,9323-9342
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、選択的なJAK1阻害を有する新規化合物に関する。したがって、式(I)の化合物:
【化1】
(式中:
R
1、R
3、及びR
4は、それぞれ個別に、水素及びメチルから選択され;
R
2は、水素、メチル、及び-CH
2CH
2OHから選択され;
nは、1又は2であり;
R
5は、メチル、エチル、及び-CH
2OR
8から選択され;
R
6は、メチル、塩素、及びフッ素から選択され;
R
7は、メチル、エチル、及びシクロプロピルから選択され;且つ
R
8は、メチル、エチル、及びベンジルから選択される);
又はその薬学的に許容できる塩が本明細書に提供される。
【0006】
本開示は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩、及び薬学的に許容できる希釈剤、賦形剤、又は担体を含む医薬組成物も提供する。
【0007】
JAK1関連疾患(例えば、1型糖尿病、狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、喘息、アトピー性皮膚炎、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、COPD、白斑、及び円形脱毛症)を治療する方法であって、対象に有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法も開示される。別の実施形態において、対象に有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む、JAK1関連疾患の治療のための式(I)の化合物の使用が開示される。別の実施形態において、JAK1関連疾患を治療するための医薬品又は製剤の製造における、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。別の実施形態において、JAK1関連疾患の治療のための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物が開示される。
【0008】
対象のJAK1を阻害する方法であって、対象に有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法も開示される。別の実施形態において、対象に有効量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む、対象のJAK1を阻害するための式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。別の実施形態において、対象のJAK1を阻害するための医薬品又は製剤の製造における、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。別の実施形態において、対象のJAK1を阻害するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物が開示される。
【0009】
本開示は、式(I)の化合物の調製において有用な方法及び中間体も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施例35で列記されている標記化合物の結晶形の粉末X線回折ダイアグラムを表す。
【
図2】
図2は、確立された円形脱毛症を有するC3H/HeJマウスを、0.5mg/kgの実施例35の化合物により処置した後の、未処置のマウスと比べたヘアインデックススコア(Hair Index Score)(HIS)を表す。
【
図3】
図3は、OVA曝露されたブラウンノルウェーラットの、実施例35の化合物による処置の後の、曝露されたが未処置のラットと比べた気管支肺胞洗浄中の好酸球の減少パーセントを表す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
化合物
一実施形態において、式(I)の化合物:
【化2】
(式中:
R
1、R
3、及びR
4は、それぞれ個別に、水素及びメチルから選択され;
R
2は、水素、メチル、及び-CH
2CH
2OHから選択され;
nは、1又は2であり;
R
5は、メチル、エチル、及び-CH
2OR
8から選択され;
R
6は、メチル、塩素、及びフッ素から選択され;
R
7は、メチル、エチル、及びシクロプロピルから選択され;且つ
R
8は、メチル、エチル、及びベンジルから選択される);
又はその薬学的に許容できる塩が開示される。
【0012】
いくつかの実施形態において、R1~R4のそれぞれは、独立に、水素及びメチルから選択される。
【0013】
いくつかの実施形態において、R1、R3、及びR4は全て水素である。
【0014】
いくつかの実施形態において、nは1である。
【0015】
いくつかの実施形態において、R5はメチル又は-CH2OR8である。
【0016】
いくつかの実施形態において、R6はメチル又はフッ素である。
【0017】
いくつかの実施形態において、R7はメチルである。
【0018】
いくつかの実施形態において、R8はメチルである。
【0019】
少なくとも一実施形態において、R1、R3及びR4はHであり;R2はメチルであり;R6はフッ素であり;R7はメチルであり;R5は-CH2OR8であり;且つR8はメチルである。
【0020】
一実施形態において、式(I)の化合物は、式(Ia)の化合物:
【化3】
(式中:
R
1a、R
3a、及びR
4aは、それぞれ個別に、水素及びメチルから選択され;
R
2aは、水素、メチル、及び-CH
2CH
2OHから選択され;
nは、1又は2であり;
R
5aは、メチル、エチル、及び-CH
2OR
8aから選択され;
R
6aは、メチル、塩素、及びフッ素から選択され;
R
7aは、メチル、エチル、及びシクロプロピルから選択され;且つ
R
8aは、メチル、エチル、及びベンジルから選択される);
又はその薬学的に許容できる塩である。
【0021】
いくつかの実施形態において、R1a~R4aのそれぞれは、独立に、水素及びメチルから選択される。
【0022】
いくつかの実施形態において、R1a、R3a、及びR4aは全て水素である。
【0023】
いくつかの実施形態において、nは1である。
【0024】
いくつかの実施形態において、R5aは、メチル又は-CH2OR8aである。
【0025】
いくつかの実施形態において、R6aは、メチル又はフッ素である。
【0026】
いくつかの実施形態において、R7aはメチルである。
【0027】
いくつかの実施形態において、R8aはメチルである。
【0028】
少なくとも一実施形態において、R1a、R3a及びR4aはHであり;R2aはメチルであり;R6aはフッ素であり;R7aはメチルであり;R5aは-CH2OR8aであり;且つR8aはメチルである。
【0029】
一実施形態において、式(I)の化合物は、式(Ib)の化合物:
【化4】
(式中:
R
5bは、メチル、エチル、及び-CH
2OR
8bから選択され;
R
6bは、メチル、塩素、及びフッ素から選択され;
R
7bは、メチル、エチル、及びシクロプロピルから選択され;且つ
R
8bは、メチル、エチル、及びベンジルから選択される);
又はその薬学的に許容できる塩である。
【0030】
いくつかの実施形態において、R5bは、メチル又は-CH2OR8bである。
【0031】
いくつかの実施形態において、R6bは、メチル又はフッ素である。
【0032】
いくつかの実施形態において、R7bはメチルである。
【0033】
いくつかの実施形態において、R8bはメチルである。
【0034】
少なくとも一実施形態において、R6bはフッ素であり;R7bはメチルであり;R5bは-CH2OR8bであり;且つR8bはメチルである。
【0035】
いくつかの実施形態において、表1の化合物又はその薬学的な塩(pharmaceutically salt)が開示される。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の開示された化合物は、本明細書に記載される方法及びプロセスを利用して調製できる。一態様において、式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の開示された化合物は、実施例に記載されるプロセスに従って調製される。
【0055】
式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物は、種々の立体異性の形態で存在することが可能であり、本開示は、各化合物で存在し得る立体異性の形態のそれぞれ及びラセミ体を含むそれらの混合物に関する。置換基が炭素原子のキラル中心に結合することがあり、したがって、開示される化合物がエナンチオマー、ジアステレオマー、及びラセミ体を含むことが理解される。用語「エナンチオマー」は、互いの重ね合わせることができない鏡像であるの立体異性体の組を含む。1組のエナンチオマーの1:1混合物はラセミ混合物である。その用語は、適切な場合ラセミ混合物を示すように使用される。用語「ジアステレオマー」又は「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いの鏡像でない立体異性体を含む。絶対立体化学は、カーン・インゴルド・プレローグR-Sシステムに従って明示される。化合物が純粋なエナンチオマーである場合、各キラル中心での立体化学は、R又はSにより明示され得る。絶対配置が未知である分割された化合物は、それらがナトリウムD線の波長での平面偏光を回転させる方向(右旋性又は左旋性)に応じて(+)又は(-)と示すことができる。構造又は化学名がキラリティを示さない限り、構造又は名称は、その構造又は名称に対応するあらゆる単一の立体異性体並びにラセミ体を含む立体異性体のあらゆる混合物を包含するものとする。
【0056】
言葉「薬学的に許容できる塩」は、式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物の生物学的な有効性及び性質を保持している酸付加塩を含む。薬学的に許容できる塩は、無機酸又は有機酸によって形成することができ、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、ブロミド/臭化水素酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、硫酸水素塩/硫酸塩、カンファースルホン酸塩、クロリド/塩酸塩、クロルテオフィロナート(chlortheophyllonate)、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヨウ化水素酸塩/ヨージド、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パルモアート(palmoate)、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、次サリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、及びトリフルオロ酢酸塩などである。塩を誘導することができる無機酸には、例えば、塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などがある。塩を誘導することができる有機酸には、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、スルホサリチル酸などがある。
【0057】
式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物の薬学的に許容できる塩は、塩基性又は酸性部分から、従来の化学方法により合成できる。一般的に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸型を化学量論量の適切な塩基(水酸化、炭酸、炭酸水素Na+、Ca2+、Mg2+、又はK+など)と反応させること、又はこれらの化合物の遊離塩基型を化学量論量の適切な酸と反応させることにより調製できる。そのような反応は、典型的には、水中若しくは有機溶媒中、又は両者の混合物中で実施される。一般的に、実行可能な場合、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、又はアセトニトリルのような非水性媒体が望ましい。追加の好適な塩のリストは、例えば、“Remington’s Pharmaceutical Sciences,” 20th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,(1985);並びにStahl及びWermuthによる“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use”(Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2002)に見いだすことができる。
【0058】
本明細書に与えられるあらゆる式は、また、未標識の形態並びに同位体標識された形態の式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物を表すものとする。同位体標識された化合物は、1個以上の原子が選択された原子質量又は質量数を有する原子と置き換わっている点以外、本明細書に与えられる式により描写される構造を有する。式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物に組み込むことができる同位元素の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、及び塩素の同位元素、2H、3H、11C、13C、14C、15N、16F、31P、32P、35S、36Cl、及び125Iなどがある。式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物は、2H、3H、13C、及び14Cなどの放射性同位元素が存在する種々の同位体標識された化合物を含み得る。同位体標識された式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物は、一般的に、当業者に公知である従来の(convention)技法により、又は随伴する実施例に記載されるものに類似のプロセスにより、以前使用された非標識試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用して調製できる。
【0059】
医薬組成物
本開示は、少なくとも一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物、及び薬学的に許容できる賦形剤、担体、又は希釈剤を含む医薬組成物を含む。
【0060】
言葉「薬学的に許容できる賦形剤、担体、又は希釈剤」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症なしにヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに好適であり、妥当なベネフィット/リスク比に釣り合う化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を含む。薬学的に許容できる賦形剤、担体、及び希釈剤は当技術分野に周知であり、実際の薬学的に許容できる賦形剤、担体、及び希釈剤の選択は、意図される用途及び医薬組成物の投与の方法による。
【0061】
開示される組成物は、経口的な使用に(例えば、錠剤、ロゼンジ剤、ハード又はソフトカプセル、水性又は油性の懸濁剤、乳剤、分散性散剤又は顆粒剤、シロップ剤又はエリキシル剤として)、局所的使用に(例えば、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、又は水性若しくは油性の液剤若しくは懸濁剤として)、吸入による投与に(例えば、微粉砕された散剤又は液体エアゾール剤として)、吹送による投与に(例えば、微粉砕された散剤として)、又は非経口投与に(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、若しくは筋肉内投薬のための滅菌された水性若しくは油性の液剤又は直腸投薬のための坐剤として)好適な形態であり得る。
【0062】
開示される組成物は、当技術分野に周知である従来の医薬賦形剤を使用して従来の手順により得ることができる。そのため、経口的な使用向けの組成物は、例えば、1種以上の着色剤、甘味剤、着香剤、及び/又は保存剤を含み得る。
【0063】
錠剤製剤用の好適な薬学的に許容できる賦形剤には、例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、又は炭酸カルシウムなどの不活性な希釈剤;コーンスターチ又はアルゲン酸(algenic acid)などの造粒剤及び崩壊剤;スターチなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクなどの滑沢剤;p-ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピルなどの保存剤;及びアスコルビン酸などの酸化防止剤がある。錠剤製剤は、被膜されないことも、消化管内でのその崩壊及びその後の有効成分の吸収を変更するために、又はその安定性及び/若しくは外観を改善するために、当技術分野に周知である従来のコーティング剤及び手順を利用して被膜されることもある。
【0064】
経口的な使用のための組成物は、有効成分が不活性な固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンと混合されているハードゼラチンカプセルの形態でも、有効成分が、水又は落花生油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油などの油と混合されているソフトゼラチンカプセルとしてでもよい。
【0065】
水性懸濁剤は、一般的に、微粉砕された形態の、又はナノ若しくは微粉化粒子の形態の有効成分を、1種以上の懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、及びアラビアゴムなど;分散化剤若しくは湿潤剤、例えば、レシチン若しくはアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(例えばポリオクセチレン(polyoxethylene)ステアレート)、若しくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、若しくはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなど、若しくはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、若しくはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなど、若しくはエチレンオキシドと、脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートと共に含む。水性懸濁剤は、p-ヒドロキシ安息香酸エチル若しくはプロピルなどの保存剤;アスコルビン酸などの酸化防止剤;着色剤;着香剤;及び/又はスクロース、サッカリン、若しくはアスパルテームなどの甘味剤の1種以上も含み得る。
【0066】
油性懸濁剤は、有効成分を、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、若しくはヤシ油などの植物油に、又は流動パラフィンなどの鉱油に懸濁させることにより製剤できる。油性懸濁剤は、蜜蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールなどの増粘剤も含み得る。上述のものなどの甘味剤及び着香剤は、味のよい経口調合物を与えるために添加され得る。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加により保存できる。
【0067】
水の添加による水性懸濁剤の調製に好適な分散性散剤及び顆粒剤は、一般的に、有効成分を、分散化剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1種以上の保存剤と共に含む。好適な分散化剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、既に上記で言及されたものにより例示される。甘味剤、着香剤、及び着色剤などの追加の賦形剤も存在してよい。
【0068】
医薬組成物は、水中油型エマルションの形態でもよい、油相は、オリーブ油又は落花生油などの植物油でも、例えば流動パラフィンなどの鉱油でも、これらのいずれの混合物でもよい。好適な乳化剤は、例えば、アラビアゴム又はトラガカントゴムなどの天然のゴム、大豆、レシチンなどの天然のリン脂質、脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されるエステル又は部分エステル(例えばソルビタンモノオレエート)、及び前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどであり得る。エマルションは、甘味剤、着香剤、及び保存剤も含み得る。
【0069】
医薬組成物は、上述の適切な分散化剤又は湿潤剤及び懸濁化剤の1種以上を使用して公知の手順に従って製剤できる、滅菌された注射用の水性又は油性懸濁剤の形態でもよい。滅菌された注射用の調合物は、非毒性の非経口的に許容できる希釈剤又は溶媒中の滅菌された注射用液剤又は懸濁剤、例えば1,3-ブタンジオール溶液でもよい。
【0070】
吸入及び/又は吹送による投与のための組成物は、有効成分を、微粉砕された固体を含むエアゾール又は液滴のいずれかとして分注するように構成された従来の加圧エアゾールの形態でよい。揮発性フッ化炭化水素などの従来のエアゾール噴射剤を使用でき、エアゾール装置は、簡便には、定量の有効成分を分注するように構成されている。製剤に関するさらなる情報について、読者は、Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch;Chairman of Editorial Board),Pergamon Press 1990の第5巻の第25.2章を参照されたい。
【0071】
1種以上の賦形剤と組み合わされて単一剤形を生み出す有効成分の量は、必然的に、治療される宿主及び特定の投与経路に応じて様々になるだろう。投与経路及び投与方法(Dosage Regimes)に関するさらなる情報について、読者は、Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch;Chairman of Editorial Board),Pergamon Press 1990の第5巻の第25.3章を参照されたい。例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物及びその薬学的に許容できる塩(すなわち有効成分)の効力及び物理的特性に応じて、言及され得る医薬組成物は、有効成分が、少なくとも重量で1%(又は少なくとも10%、少なくとも30%、又は少なくとも50%)存在するものを含む。すなわち、医薬組成物の有効成分と他の成分(すなわち賦形剤、担体、及び希釈剤の添加)の比は、少なくとも重量で1:99(又は少なくとも10:90、少なくとも30:70、又は少なくとも50:50)である。
【0072】
式(1)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物及びその薬学的に許容できる塩は、1日あたり1回、2回、3回又は24時間の間に医学的に必要とされるだけ多くの回数投与できる。当業者ならば、対象に基づき各個別の投与の量を容易に決定できるだろう。いくつかの実施形態において、式(1)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物及びその薬学的に許容できる塩は、1つの剤形で投与され、或いは、いくつかの実施形態において、複数の剤形で投与される。
【0073】
方法
式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物及びその薬学的に許容できる塩は、例えば以下で例示される試験に示され得る通り、JAK1キナーゼ、及びJAK1キナーゼに関連する結合タンパク質活性を阻害することができ、したがって、そのような阻害が望まれ、且つ/又は要求される病態の治療に有用であり得る。そのため、式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物及びその薬学的に許容できる塩は、JAK1キナーゼが阻害若しくは減少することが望まれ、且つ/若しくはそれが要求される病態、又はいくつかの実施形態において、JAK1キナーゼに関連するタンパク質活性が阻害若しくは減少することが望まれ、且つ/若しくはそれが要求される病態の治療に有用であり得る。このため、式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物及びその薬学的に許容できる塩は、JAK1キナーゼの阻害から利益を得ることができる疾患、例えば呼吸器疾患/障害及び/又は炎症及び/又は炎症性成分を有する疾患の治療に有用であることが予測される。
【0074】
したがって、少なくとも一実施形態において、対象のJAK1キナーゼを阻害する方法であって、対象に有効量の式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が開示される。
【0075】
別の実施形態において、JAK1キナーゼを阻害するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。
【0076】
別の実施形態において、JAK1キナーゼを阻害するための医薬品の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。
【0077】
なお別の実施形態において、JAK1キナーゼを阻害するための、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物が開示される。
【0078】
本開示の少なくとも一実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、5mMの生理学的ATP濃度で、約0.010マイクロモラー以下のJAK1酵素阻害活性(IC50)を示す。少なくとも1つの他の実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、IL-13誘導性JAK-STAT6-ルシフェラーゼ細胞アッセイにおいて約0.050マイクロモラー以下の阻害活性(IC50)を示す。
【0079】
本開示の別の実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、5mMの生理学的ATP濃度で約0.010マイクロモラー以下のJAK1酵素阻害活性(IC50)を示し、5mMの生理学的ATP濃度で約0.5マイクロモラー以上のJAK2及びJAK3酵素阻害活性(IC50)を示す。少なくとも1つの他の実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、5mMの生理学的ATP濃度で約0.010マイクロモラー以下のJAK1酵素阻害活性(IC50)を示し、5mMの生理学的ATP濃度で約0.5マイクロモラー以上のJAK2及びJAK3酵素阻害活性(IC50)を示し、IL-13誘導性JAK-STAT6-ルシフェラーゼ細胞アッセイにおいて約0.050マイクロモラー以下の阻害活性(IC50)を示す。
【0080】
別の実施形態において、JAK1関連疾患を治療する方法であって、対象に有効量の式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む方法が開示される。
【0081】
別の実施形態において、対象に有効量の式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩を投与することを含む、JAK1関連疾患を治療するための式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物の使用が開示される。
【0082】
別の実施形態において、JAK1関連疾患を治療するための医薬品又は製剤の製造における、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。
【0083】
別の実施形態において、JAK関連疾患を治療するための医薬品の製造における、式(1)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩の使用が開示される。
【0084】
別の実施形態において、JAK1関連疾患の治療のための、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩を含む医薬組成物が開示される。
【0085】
本開示によると、用語「JAK1関連疾患」は、例えば、1型糖尿病、狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、喘息、アトピー性皮膚炎、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、COPD、白斑、及び円形脱毛症を含む。
【0086】
式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物、及びその薬学的に許容できる塩は、投与経路に応じて様々な投与量で投与できる。例えば、経口用量は、1日あたり約0.01mg/体重のkg(mg/kg/日)~約100mg/kg/日の範囲、約0.01~約20mg/kg/日など、例えば約1.0~約15mg/kg/日、例えば約12.5mg/kg/日であり得る。静脈内用量は、定速注入の間約0.5mg/kg/日~約50mg/kg/日の範囲であり得る。吸入用量は、約0.0001mg/kg/日~約0.10000mg/kg/日の範囲、約.0001mg/kg/日~約0.001mg/kg/日など、例えば約0.0006mg/kg/日であり得る。吸入用量は、利用される送達装置によっても変わり得る。例えば、ドライパウダー吸入装置による吸入用量は、約0.010mg/kg/日~約0.020mg/kg/日の範囲であり得る。
【0087】
いずれにしても、医師、又は当業者は、個々の患者に最適な実際の用量を決定できるだろうが、それは、投与経路、治療される病態の種類及び重症度、並びに治療される特定の患者の種、年齢、体重、性別、腎機能、肝機能、及び応答により変わりそうである。上述の用量は、平均的な症例を例示するものである;当然ながら、より高い又はより低い用量範囲が利益となる(merited)個別の場合がある可能性があり、そのようなものは本発明の範囲内である。
【0088】
本明細書では、用語「有効量」は、対象における生物学的又は医学的な応答、例えば、JAK1に関連する酵素若しくはタンパク質活性の減少若しくは阻害及び/又はJAK1関連疾患の症状の改善及び/又はJAK1関連疾患の進行の緩徐化若しくは遅延を引き出す、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的な塩の量を含む。効果は、客観的なことも(すなわち、何らかの試験又はマーカーにより測定可能)、自覚的なこともある(すなわち、対象が、効果の徴候を与えるか、又は効果を感じる)。
【0089】
用語「対象」は、恒温哺乳動物、例えば、霊長類、ウシ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、及びマウスを含む。いくつかの実施形態において、対象は、霊長類、例えばヒトである。いくつかの実施形態において、対象はJAK1関連疾患を患っている。いくつかの実施形態において、対象は治療を必要としている(例えば、対象であれば、生物学的に又は医学的に治療から利益を得るだろう)。
【0090】
言葉「阻害する」、「阻害」、又は「阻害すること」は、生物学的な活動又はプロセスのベースライン活性の減少を含む。いくつかの実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩はJAK1キナーゼを阻害する。いくつかの実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩は選択的JAK1阻害剤である。言葉「選択的JAK1阻害剤」は、JAK1を阻害するが、JAK2若しくはJAK3に対して、又はJAK2とJAK3の両方に対して不活性であるか、又は活性が低い式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物及びその薬学的に許容できる塩を含む。そのため、いくつかの実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩はJAK1キナーゼを阻害するが、JAK2若しくはJAK3に対して、又はJAK2とJAK3の両方に対して不活性であるか、又は活性が低い。例えば、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、5mMの生理学的ATP濃度で約0.010マイクロモラー以下のJAK1酵素阻害活性(IC50)を示し、5mMの生理学的ATP濃度で約0.5マイクロモラー以上のJAK2及びJAK3酵素阻害活性(IC50)を示す。少なくとも1つの他の実施形態において、式(I)、(Ia)、(Ib)、若しくは表1の化合物又はその薬学的に許容できる塩は、5mMの生理学的ATP濃度で約0.010マイクロモラー以下のJAK1酵素阻害活性(IC50)を示し、5mMの生理学的ATP濃度で約0.5マイクロモラー以上のJAK2及びJAK3酵素阻害活性(IC50)を示し、IL-13誘導性JAK-STAT6-ルシフェラーゼ細胞アッセイにおいて約0.050マイクロモラー以下の阻害活性(IC50)を示す。
【0091】
言葉「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、JAK1キナーゼに関連する酵素若しくはタンパク質の活性の減少若しくは阻害、及び対象のJAK1関連疾患の1つ以上の症状の改善、又は対象のJAK1関連疾患の進行の緩徐化若しくは遅延を含む。そのため、式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物及びその薬学的に許容できる塩は、上述の病態の治療的及び/又は予防的な治療の両方に適用される。
【実施例0092】
式(I)、(Ia)、(Ib)、又は表1の化合物及びその薬学的に許容できる塩は、本明細書に記載される方法及び手順を利用しても、類似の方法及び手順を利用しても調製できる。典型的又は例示されるプロセス条件(すなわち反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、特記されない限り他のプロセス条件も利用できることが認識されるだろう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物又は溶媒により変わり得るが、そのような条件は当業者により決定され得る。
【0093】
さらに、当業者には明らかである通り、特定の官能基が望まれない反応を受けることを防ぐために、従来の保護基が必要な場合がある。特定の官能基のための好適な保護基の選択並びに保護及び脱保護の好適な条件は当技術分野に周知である。例えば、多くの保護基並びにそれらの導入及び除去は、T.W.Greene and G.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis,Third Edition,Wiley,New York,1999及びそこに引用されている参考文献に記載されている。本発明の化合物を調製するプロセスは、本発明のさらなる実施形態として与えられ、以下の手順により説明される。単離されたエナンチオマーの立体化学的帰属は、表24に示される通り酵素阻害試験におけるJAK1に対する生物学的活性に基づいてなされた。
【0094】
中間体1:7-ニトロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-トシル-1H-インドール
工程1
NaOH(599g、14986.55mmol)の水(1500mL)溶液を、25℃のDCM(3000mL)中の7-ニトロ-1H-インドール(243g、1498.65mmol)と硫酸水素テトラブチルアンモニウム(50.9g、149.87mmol)の撹拌されている混合物に5分の時間をかけて空気下で加えた。生じた混合物を25℃で20分間撹拌した。4-メチルフェニルスルホニルクロリド(371g、1948.25mmol)を空気下で加え、生じた混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物をDCM(2000mL)で希釈し、水(2×500mL)、10%K2CO3水溶液(2×500mL)、及び1M HCl(2×500mL)、及び飽和NaCl(2×500mL)で連続的に洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、蒸発させた。およそ200mLのDCMが残されたときに、EtOAc(500mL)を加えた。溶媒を減圧下で除去した。およそ200mLのEtOAcが残されたときに、MTBE(1000mL)を加えた。沈殿物をろ過により回収し、MTBE(1000mL)で洗浄し、真空下で乾燥させると、7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール(402g、85%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.39(s,3H),7.09(d,1H),7.40-7.55(m,3H),7.75-7.85(m,3H),7.95-8.00(m,1H),8.06(d,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=317.
【0095】
工程2
臭素(81mL、1580mmol)を、80℃のCCl4(1000mL)中の7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール(50g、158mmol)に滴加した。生じた溶液を80℃で6時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮し、残渣をEtOAcで洗浄すると、3-ブロモ-7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール(53g、85%)を茶色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.41(s,3H),7.55-7.62(m,2H),7.57(t,1H),7.85-7.92(m,3H),7.96(d,1H),8.49(s,1H).
m/z(ES-),[M-H]+=393.
【0096】
工程3
3-ブロモ-7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール(200g、506mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(193g、759mmol)、酢酸カリウム(99g、1012mmol)、及びPdCl2(dppf)(18.5g、25.3mmol)の1,4-ジオキサン(1500mL)溶液を窒素で3回脱気し、反応混合物を90℃で8時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮した。固体を水で処理し、ろ過し、メタノールで洗浄し、真空中で乾燥させると、7-ニトロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-トシル-1H-インドール(150g、67%)を灰色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.41(s,12H),2.47(s,3H),7.38-7.43(m,3H),7.66(d,1H),7.87(d,2H),8.24(s,1H),8.29 -8.32(d,1H). m/z(ES+),[M+H]+=443.
【0097】
中間体2:3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール
7-ニトロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-トシル-1H-インドール、中間体1(50g、113mmol)を、コンデンサー及び窒素入口を備えた1L反応器に入れた。2,4-ジクロロ-5-メチルピリミジン(24g、147mmol)及び2-メチルテトラヒドロフラン(200mL、4体積)を反応器に加えた。炭酸カリウム(46.9g、339mmol)の水(10mL、2体積)溶液を脱気し、N2でバックフィルし、反応混合物に加えた。反応器を脱気し、バックフィルし(3×N2)、ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロロメタン付加物(4.62g、5.65mmol)を反応混合物に加え、脱気し、N2で再びバックフィルし(3×)、次いで、反応物をゆっくりと60℃に加熱した。30分後、沈殿物が形成した。反応物を1時間撹拌し、反応器温度を25℃に設定した。30分の冷却後に、内部温度は42℃であり、ヘプタン(1体積)を加えた。次いで、反応器温度を+5℃に設定した。20℃で水(4体積)を加え、冷却を+5℃に1時間にわたり継続し、次いで2時間撹拌した。反応混合物をブフナー漏斗でろ過し、固体を水(4体積)及びEtOAc(2体積)で洗浄すると、薄黄色の固体を与え、それを窒素流下で乾燥させた。固体をEtOAc(1体積)中で撹拌し、ろ過し、生じた固体を真空下で乾燥させると、(42.8g)を与えた。母液を合わせ、真空中で蒸発させると、(20g)を与えた。ヘプタン中にスラリー化した700gのシリカをカラム(10×300mm)に充填した。固体をDCMに溶解させ、合わせて、カラムにロードした。DCMの完全な溶離の後、カラムをヘプタン中20%EtOAc、それに続いてヘプタン中20~50%EtOAcの勾配で溶出させた。所望の化合物を合わせ、真空中で蒸発させた。残渣を、ヘプタン中50%EtOAc(0.5体積)にスラリー化し、ろ過し、窒素の流れの下で乾燥させると、3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール(35.6g、71%)を固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 2.40(s,3H),2.44(s,3H),7.54(d,2H),7.61(t,1H),7.91(d,2H),7.95-8.04(m,1H),8.40(dd,1H),8.62(s,1H),8.79(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=442.9.
【0098】
中間体3:3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1H-インドール
3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール、中間体2(2.477g、5.59mmol)を、1,4-ジオキサン/水(2:1)(75mL)に溶解させ、3.8M水酸化ナトリウム(22mL、83.9mmol)を加えた。生じた反応混合物を50℃で2時間加熱した。反応混合物を室温に放冷し、2M HClの添加により中和した。形成した固体をろ去し、EtOAc、Et2Oで洗浄し、真空下で乾燥させると、3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1H-インドール(1.894g、117%(湿潤))を固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 2.52(s,3H),7.47(t,1H),8.20(d,1H),8.25(d,1H),8.63(s,1H),8.90(d,1H),12.66(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=289.2.
【0099】
中間体4:3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1H-インドール
工程1
PdCl2(dppf)*CH2Cl2(0.554g、0.68mmol)を、25℃のTHF/水(4:1)(75mL)中の7-ニトロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-トシル-1H-インドール、中間体1(3.00g、6.78mmol)、2,4,5-トリクロロピリミジン(1.617g、8.82mmol)及びK2CO3(2.81g、20.35mmol)に窒素下で加えた。生じた混合物を80℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温に放冷し、EtOAc(150mL)で希釈し、ブライン(150mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣を、移動相として石油エーテル中8~30%EtOAcの勾配を利用してフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを真空中で蒸発させ、残渣をアセトニトリルから結晶化させると、1-((4-クロロフェニル)スルホニル)-3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1H-インドール(1.43g、43.4%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.42(s,3H),7.52(d,2H),7.66(t,1H),7.91-8.14(m,3H),8.52(dd,1H),8.90(s,1H),9.08(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=463.
【0100】
工程2
NaOH(2.202g、55.05mmol)の水(30mL)溶液を、25℃の1,4-ジオキサン(30mL)中の3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール(1.7g、3.67mmol)の撹拌されている懸濁液に加えた。生じた混合物を50℃で1時間撹拌し、次いで室温に冷却した。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(50mL)、飽和NaHCO3(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させると、3-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1H-インドール、(0.500g、44.1%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 7.34(t,1H),8.06(dd,1H),8.67(s,1H),8.78(s,1H),8.87(dd,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=309.
【0101】
中間体5:2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)アニリン
工程1
ヨウ化銅(I)(1.002g、5.26mmol)を、25℃の1,4-ジオキサン(10mL)中の3-ブロモ-2-フルオロアニリン(5g、26.31mmol)、N1,N2-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(0.464g、5.26mmol)、及びヨウ化ナトリウム(7.89g、52.63mmol)に、1分の時間にわたり、窒素下で一度に加えた。生じた懸濁液を110℃で1日撹拌した。反応混合物をセライトに通してろ過し、真空中で濃縮した。粗生成物を、移動相として石油エーテル中5~30%EtOAcの勾配を利用してフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを真空中で蒸発させると、2-フルオロ-3-ヨードアニリン(5.00g、80%)を茶色の油として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 5.32(bs,2H),6.59-6.83(m,2H),6.83-6.93(m,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=238.
【0102】
工程2
ヨウ化銅(I)(0.402g、2.11mmol)を、DMSO(20mL)中の2-フルオロ-3-ヨードアニリン(5.00g、21.10mmol)、メタンスルフィン酸ナトリウム(3.23g、31.64mmol)、N1,N2-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(0.558g、6.33mmol)に窒素下で加えた。生じた懸濁液を95℃で18時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣を、EtOAc/石油エーテル(1:1)を利用して分取TLCにより精製すると、2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)アニリン(3.20g、80%)を無色の油として与え、それは静置すると固化した。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 3.20(s,3H),3.96(bs,2H),6.97-7.13(m,2H),7.20-7.31(m,1H).m/z(ES+),[M+H]+=190.
【0103】
示されているスルフィン酸塩を使用して上述の手順を繰り返すと、表2に記載される中間体6を与えた。
【0104】
【0105】
中間体7:(3-ブロモ-2-フルオロフェニル)(エチル)スルファン
リチウムジイソプロピルアミド(17.14mL、34.29mmol)を、-78℃のTHF(250mL)中の1-ブロモ-2-フルオロベンゼン(5.00g、28.57mmol)に、10分の時間にわたり、窒素下で滴加した。生じた混合物を-78℃で60分間撹拌した。1,2-ジエチルジスルファン(5.20g、42.54mmol)を20分にわたり滴加した。生じた混合物を-78℃で60分間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。反応混合物を水(50mL)でクエンチし、EtOAc(2×250mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣を、溶離液としてペンタン中0~10%EtOAcの勾配を利用してフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを真空中で蒸発させると、(3-ブロモ-2-フルオロフェニル)(エチル)スルファン(5.27g、78%)を無色の油として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl3)1.32(t,3H),2.95(q,2H),6.90-7.04(m,1H),7.22-7.34(m,1H),7.35-7.47(m,1H).
【0106】
中間体8:tert-ブチル(3-(エチルチオ)-2-フルオロフェニル)カルバマート
(3-ブロモ-2-フルオロフェニル)(エチル)スルファン、中間体(4.14g、17.61mmol)を、25℃の1,4-ジオキサン(80mL)中のシクロヘキサン-1,2-ジアミン(6.03g、52.82mmol)、リン酸、カリウム塩(3.74g、17.61mmol)、ヨウ化銅(I)(8.38g、44.02mmol)、及びtert-ブチルカルバマート(10.31g、88.04mmol)に窒素下で一度に加えた。生じた混合物を100℃で6時間撹拌し、次いで室温に放冷した。反応混合物をろ過し、真空中で蒸発させた。残渣を、ペンタン中0~10%EtOAcの勾配を利用してフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを真空中で蒸発させると、tert-ブチル(3-(エチルチオ)-2-フルオロフェニル)カルバマート(1.412g、29.6%)を黄色の油として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.31(t,3H),1.55(s,9H),2.94(q,2H),6.73(bs,1H),6.91-7.19(m,2H),7.92-8.05(m,1H).
【0107】
中間体9:tert-ブチル(3-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)カルバマート
tert-ブチル(3-(エチルチオ)-2-フルオロフェニル)カルバマート、中間体(1.4g、5.16mmol)を、0℃のDCM(15mL)中の3-クロロベンゼン-1-カルボペルオキシ酸(2.67g、15.48mmol)に窒素下で一度に加えた。生じた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、ろ過し、飽和NaHCO3(2×50mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣を、石油エーテル/EtOAc(3:1)で展開させて分取TLCにより精製すると、tert-ブチル(3-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)カルバマート、(1.650g、105%)を黄色の油として与えた。m/z(ES-)、[M-H]+=302。
【0108】
中間体10:3-(エチルスルホニル)-2-フルオロアニリン
2,2,2-トリフルオロ酢酸(10.0g、87.70mmol)を、20℃のDCM(20mL)中のtert-ブチル(3-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)カルバマート、中間体9(1.65g、5.44mmol)に加えた。生じた混合物を25℃で1時間撹拌した。反応混合物を真空中で蒸発させ、DCM(50mL)に再溶解させ、飽和NaHCO3(2×100mL)及びブライン(100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させると、3-(エチルスルホニル)-2-フルオロアニリン(0.786g、71.1%)を黄色の油として与えた。
1H NMR δ(CDCl3,400MHz)δ 1.32(t,3H),3.32(q,2H),3.60-4.10(bs,2H),7.00-7.17(m,2H),7.17-7.34(m,1H).m/z(ES+),[M+H]+=204.
【0109】
中間体11:3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン
工程1
3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール、中間体2(20.0g、45.16mmol)、2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)アニリン塩酸塩、中間体5(11.2g、49.68mmol)、炭酸セシウム30.9g、94.8mmol)、Pd2(dba)3(4.14g、4.52mmol)、及び2’-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-N,N-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-2-アミン(3.55g、9.03mmol)を、窒素下で1L反応器に入れた。2-メチルテトラヒドロフラン(200mL)及び水(100mL)を室温で加えた。反応物を脱気し、N2(3×)でバックフィルし、次いで72.5℃(Tr=80℃)に加熱し、4時間撹拌した(3時間後に茶色の沈殿物が形成した)。ヘプタン(400mL、20体積)を加え、加熱を停止し、反応物を30分かけて17℃に冷却した。沈殿物を10分間撹拌し、次いでブフナー漏斗でろ過した。フィルターケーキを、水(2体積×3)、EtOAc/ヘプタン(1:2)(3体積×3)で洗浄し、次いで真空/窒素下で乾燥させると、N-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)-5-メチル-4-(7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミン(25.93g、96%)を茶色の固体として与えた。さらに精製せずに続けた。m/z(ES+),[M+H]+=596.2.
【0110】
工程2
1L反応器に、3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール(27.0g、45.3mmol)を室温で入れ、2-メチルテトラヒドロフラン(250mL)及び3.8M NaOH(水溶液)(250mL)を加えると、茶色の不溶性の混合物を与えた。混合物を85℃に加熱し、一晩撹拌した。ヘプタン(10体積)を反応混合物に入れ、40分かけて17℃に冷却し、30分間撹拌した。固体をブフナー漏斗によりろ過し、フィルターケーキを水(3×40mL)で洗浄した。水性洗浄液のpH:pH紙により10~11。40mLの水をフィルターケーキに入れ、0.5N HClによりpHを7に調整しながらスラリー化した。固体を再びブフナー漏斗によりろ過し、水(50mL)で洗浄し、窒素/真空下で20分間乾燥させ、次いでヘプタン/EtOAc(4×40mL)で洗浄した。(LCMSによる45%の未反応の出発物質、化合物を再び同じ条件下で反応させた)。固体を1L反応器に入れ、2-メチルテトラヒドロフラン(250mL)及び3.8M NaOH(水溶液)(250mL)を加えると、茶色の不溶性の混合物を与えた。混合物を85℃に加熱し、一晩撹拌した。ヘプタン(10体積)を反応混合物に入れ、40分かけて17℃に冷却し、30分間撹拌した。固体をブフナー漏斗によりろ過し、フィルターケーキを水(3×40mL)で洗浄した。水性洗浄液のpH:pH紙により10~11。40mLの水をフィルターケーキに入れ、0.5N HClによりpHを7に調整しながらスラリー化した。固体を再びブフナー漏斗によりろ過し、水(50mL)で洗浄し、窒素/真空下で20分間乾燥させ、次いでヘプタン/EtOAc(4×40mL)で洗浄し、乾燥させると、N-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)-5-メチル-4-(7-ニトロ-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミン(20.0g、100%)を与えた。
m/z(ES+),[M+H]+=442.1.
【0111】
工程3
N-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)-5-メチル-4-(7-ニトロ-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミン(11.0g、24.9mmol)を1L反応器に入れ、2-メチルテトラヒドロフラン/EtOH(2:1)(330mL)を加えた。反応器を80℃に加熱し、溶解性のために10分間撹拌し、次いでゆっくりと30℃に冷却した。10%Pd-C(2.00g、24.9mmol、50%湿潤)及びギ酸アンモニウム(9.43g、149.5mmol)の水(10mL)溶液(吸熱性)を、室温で窒素下で加えた。反応混合物をゆっくりと80℃に加熱し、15分間撹拌した。次いで、それを40~50℃に放冷し、ブフナー漏斗で窒素下でろ過し(注意(causion))、ケーキを熱THF/EtOH(1:1)(50mL)で洗浄し、ろ液を濃縮し、DCM(50mL)と共に真空中で同時蒸発させると、3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン10.0g、98%)を茶色の固体として与えた。
m/z(ES+),[M+H]+=412.4.
【0112】
中間体12:N-(3-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-5-メチル-4-(7-ニトロ-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミン
Pd2(dba)3(159mg、0.17mmol)及び2’-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-N,N-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-2-アミン(136mg、0.35mmol)を、23℃のDMF(15mL)中の3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1H-インドール、中間体3(500mg、1.73mmol)、3-(エチルスルホニル)-2-フルオロアニリン、中間体(352mg、1.73mmol)、及び炭酸セシウム(1693mg、5.20mmol)に窒素下で加えた。生じた溶液を80℃で3時間撹拌した。反応混合物をセライトに通してろ過し、溶媒を真空中で蒸発させると、N-(3-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-5-メチル-4-(7-ニトロ-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミンを(1.22g、155%)黒ずんだ固体として与えた。さらに精製せずに使用した。m/z(ES+),[M+H]+=456.
【0113】
示される出発中間体を使用して上述の手順を繰り返すと、表3に記載される中間体13~14を与えた:
【0114】
【0115】
中間体15:3-(2-((3-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン
MeOH/THF/水(1:1:1)(75mL)中のN-(3-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)-5-メチル-4-(7-ニトロ-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミン、中間体(1.406g、3.09mmol)、塩化アンモニウム(0.991g、18.52mmol)、及び鉄(1.034g、18.52mmol)を、60℃で3時間撹拌した。反応混合物をセライトに通してろ過し、溶媒を減圧下で除去した。DCM/MeOH(10:1)を溶離液として使用して、残渣を分取TLCにより精製すると、3-(2-((3-(エチルスルホニル)-2-フルオロフェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン(0.600g、46%)を茶色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 1.11(t,3H),2.37(s,3H),3.33(q,2H),5.12(bs,2H),6.39(d,1H),6.74(t,1H),7.38(t,1H),7.44-7.66(m,2H),7.94(d,1H),8.25(s,1H),8.34(t,1H),9.03(s,1H),11.34(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=426.
【0116】
示される出発中間体を使用して上述の手順を繰り返すと、表4に記載される中間体16~17を与えた:
【0117】
【0118】
中間体18:3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン
工程1
炭酸カリウム(40.9mL、678.28mmol)の溶液を、温度計及び窒素入口を備えた1L反応器に入れた。混合物を3回N2により室温で(23℃)脱気した。7-ニトロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1-トシル-1H-インドール、中間体1(100g、226.09mmol)、2,4-ジクロロ-5-フルオロピリミジン(49.1g、293.92mmol)、及びメチルTHF(1000mL)を加え、10分間室温で撹拌した。生じた混合物を窒素により3回脱気した。ジクロロ[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウムジクロロメタン付加物(9.23g、11.30mmol)を反応混合物に加え、生じた混合物を脱気して再びバックフィルし(3×N2)、23℃で一晩撹拌すると黄色の沈殿物を与えた。ヘプタン(500mL)を反応混合物に室温で入れ、10分間撹拌した。次いで撹拌を停止し、沈殿物を沈降させた。反応混合物を5℃に冷却し、1時間撹拌した。沈殿物をガラス漏斗に通してろ過し、水が中性pHに達するまで(13体積、置換洗浄、1.3L)水で洗浄した。次いで、フィルターケーキを室温のEtOAc/ヘプタン混合物(1:1)(5×2体積、1L)で、ヘプタン(2×200mL、2×2体積)で洗浄し、固体を35℃で真空下で一晩乾燥させると、3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-トシル-1H-インドールを与えた(97g、89%有効収率)。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 2.41(s,3H),7.51(d,2H),7.69(t,1H),7.95(d,2H),8.01(dd,1H),8.75(d,1H),8.81(dd,1H),9.01(d,1H).m/z(ES+),[M+H]+=447.2.
【0119】
工程2
3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール(89.5g、200.30mmol)、2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)アニリン塩酸塩、中間体5(54.2g、240.36mmol)、Pd2(dba)3(9.17g、10.01mmol)、及び2’-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-N,N-ジメチル-[1,1’-ビフェニル]-2-アミン(7.88g、20.03mmol)を、2L反応器に窒素下で加えた。脱気された2-2-メチルテトラヒドロフラン(1000mL)及び炭酸セシウム(137g、420.62mmol)の水(450mL)溶液を室温で加え、反応混合物を脱気した(×7)。次いで、反応物を72.6℃に加熱し、次いで一晩撹拌した。反応物を4~5℃に冷却し、少なくとも30分間撹拌した。固体をブフナー漏斗でろ過し、冷2-2-メチルテトラヒドロフラン(300mL、3体積)、水(3×300mL、3体積)、及びEtOAc/ヘプタン混合物(1:2)(3×300mL、3体積)で洗浄し、真空下40℃で乾燥させると、5-フルオロ-N-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)-4-(7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミン(77.89g、65%有効収率)を茶色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 2.56-2.64(m,3H),3.42(d,3H),7.52-7.64(m,4H),7.73(t,1H),7.98-8.09(m,3H),8.22(t,1H),8.71(s,1H),8.79(d,1H),8.94(d,1H),9.89(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=600.2.
【0120】
工程3
5-フルオロ-N-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)-4-(7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミン(97.7g、129.87mmol)を、5L反応器に室温で入れた。THF(100mL)と3.8M NaOH(水溶液)(1000mL)の混合物を加えると、茶色の不溶性の混合物を与えた。混合物を還流しながら75℃に加熱し、週末にわたり撹拌した。THF(10体積)及びヘプタン(10体積)を反応混合物に入れた。次いで、それを40分かけて17℃に放冷し、60分間撹拌し、固体をブフナー漏斗でろ過した。フィルターケーキを1Mサイティック酸(citic acid)(500mL、pH中性まで)、水(5×300mL、pH中性まで)で洗浄し、それに続いてヘプタン/EtOAc(4×400mL)で洗浄した。固体を真空下で乾燥させると、5-フルオロ-N-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)-4-(7-ニトロ-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミン(55.0g、95%)を与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 3.27-3.38(m,3H),7.30(t,1H),7.47(t,1H),7.64(t,1H),8.11-8.29(m,3H),8.52(d,1H),8.98(d,1H),9.60(s,1H),12.57(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=446.2.
【0121】
工程4
室温及び窒素下のTHF/EtOH(2:1)(600mL)中の5-フルオロ-N-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)-4-(7-ニトロ-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミン(59.5g、123.5mmol、92.5重量%)の撹拌されている懸濁液に、10%Pd/C(12.0g、123.5mmol、50%湿潤)及びギ酸アンモニウム(46.8g、741.4mmol)の水(50mL)溶液を加えた。反応混合物をゆっくりと70℃に加熱し、30分間撹拌した。12gの活性炭を加え、混合物を15分間撹拌した。反応混合物を40℃に冷却し、ブフナー漏斗(紙)で窒素下でろ過した。フィルターケーキをTHF/EtOH(160mL)で洗浄した。ろ液を4体積に濃縮し、生じたスラリーを室温に冷却し、窒素下でろ過した。固体を、水(2体積)、エタノール(2体積)で洗浄し、窒素/真空下で40℃で乾燥させると、3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン(44.3g、86%)を薄茶色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 3.28(s,3H),5.20(bs,2H),6.43(dd,1H),6.78(t,1H),7.44(t,1H),7.57-7.63(m,1H),7.66(d,1H),8.09-8.25(m,2H),8.38(d,1H),9.34(s,1H),11.57(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=416.3.
【0122】
中間体19:3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(1.32g、33.10mmol)を、0℃の無水THF(150mL)中の3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1H-インドール、中間体3(6.37g、22.07mmol)の撹拌している(stirring)黄色の懸濁液に少量ずつ加えた。25分間の撹拌後(ガス発生の停止)(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(4.10mL、23.17mmol)を迅速に滴加した。5分後、冷却浴を外し、反応物を周囲温度で1.5時間撹拌したままにした。追加の水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液)(130mg、3.3mmol)及び(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(0.4mL、2.3mmol)を加えた。反応物をさらに40分間撹拌し、次いで飽和NaHCO3(水溶液)でクエンチし、薄黄色の混合物をEt2Oで希釈した。層を分離し、水層をEt2O(×2)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣をクロロホルムに溶解させ、120gカラムを使用して自動化シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。ヘキサン中5%EtOAcで3分間、それに続いて25分かけてヘキサン中5~45%EtOAcの勾配を移動相として使用した。波長254nmを利用して生成物を回収すると、3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール(9.21g、100%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ -0.16(s,9H)0.60-0.73(m,2H)2.51-2.52(m,3H)3.11-3.22(m,2H)5.72(s,2H)7.48(t,1H)7.94(d,1H)8.57(s,1H)8.64(s,1H)8.84(d,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=419.2.
【0123】
中間体20:3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-アミン
工程1
炭酸セシウム(2.333g、7.16mmol)を、25℃のDMF(20mL)中の3-(2-クロロ-5-メチルピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール、中間体19(1.0g、2.39mmol)、2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)アニリン、中間体5(0.542g、2.86mmol)、Pd2(dba)3(0.219g、0.24mmol)、及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’-(N,N-ジメチルアミノ)-ビフェニル(Davephos)(0.188g、0.48mmol)に窒素下で加えた。生じた混合物を80℃で3時間撹拌し、室温に放冷した。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(50mL)、飽和NaHCO3(50mL)、及びブライン(100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣を、移動相として石油エーテル中5~60%EtOAcの勾配を利用してフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを真空中で蒸発させると、N-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)-5-メチル-4-(7-ニトロ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミン(0.940g、69%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ -0.08(s,9H),0.74-0.87(m,2H),2.44(s,3H),3.22-3.38(m,5H),5.67(s,2H),7.21-7.33(m,2H),7.42(s,1H),7.48-7.60(m,1H),7.72(s,1H),7.89(d,1H),8.39(s,1H),8.62(d,1H),8.89(t,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=572.2.
【0124】
工程2
N-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)-5-メチル-4-(7-ニトロ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-アミン(2.76g、4.83mmol)、鉄(11.59g、207.59mmol)、及びアンモニウム塩酸塩(ammonium hydrochloride)(11.10g、207.59mmol)を、MeOH/THF/水(1:1:1)(120mL)に溶解させ、70℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温に放冷した。固体をろ去し、ろ液を水(200mL)に注ぎ、DCM(8×40mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器に通してろ過し、真空中で蒸発させると、3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-アミン(2.52g、96%)を橙色のゴムとして与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ -0.05(s,9H),0.87-0.93(m,2H),2.37(s,3H),3.22(s,3H),3.56-3.65(m,2H),5.05(s,2H),5.73(s,2H),6.53(d,1H),6.78(t,1H),7.38(t,1H),7.53(d,1H),7.58(d,1H),8.03(s,1H),8.28(d,2H),9.13(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=542.3.
【0125】
中間体21:(S)-2-ブロモ-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド
DIPEA(0.679mL、3.89mmol)を、25℃のDMF(3mL)中の3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(200mg、0.49mmol)及び(S)-2-ブロモプロパン酸(149mg、0.97mmol)に一度に加えた。生じた溶液を-40℃に冷却し、1-プロパンホスホン酸環状無水物(619mg、0.97mmol)を-40℃で滴加し、撹拌を30分間続けた。反応混合物をDCM(25mL)で希釈し、ブライン(2×50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣を、溶離液としてMeOH/DCM(1:20)を使用して分取TLCにより精製すると、(S)-2-ブロモ-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド、(224mg、84%)を茶色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 1.86(d,3H),2.42(s,3H),3.26(s,3H),4.78-4.90(m,1H),7.01(t,1H),7.38-7.52(m,2H),7.57(t,1H),8.09(d,1H),8.18(d,1H),8.25-8.34(m,2H),9.21(s,1H),10.20(s,1H),11.37(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=546.
【0126】
中間体22:(R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩
工程1
(S)-メチル2-ヒドロキシプロパノアート(250g、2.40mol)、DCM(1500mL)、及び2,6-ジメチルピリジン(656.7g、6.13mol)を3000mL四つ口丸底フラスコに配置し、混合物を-78℃に冷却した。トリフルオロメタンスルホン酸無水物(630g、2.23mol)を、撹拌しながら-78℃で滴加し、次いで、生じた溶液を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水(1000mL)で希釈し、1M HCl(3×500mL)及びブライン(1×500mL)で洗浄した。有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。次いで、残渣を、0℃の1-メチルピペラジン(213.3g、2.13mol)、DCM(800mL)、水(400mL)、及び炭酸カリウム(491.3g、3.53mol)を収容する撹拌されている3000mL四つ口丸底フラスコに滴加した。生じた溶液を室温で一晩撹拌し、次いでDCM(500mL)で希釈した。生じた混合物を水(1×500mL)及びブライン(500mL)で洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣を、移動相として石油エーテル中17~50%酢酸エチルの勾配を利用して分取シリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、(R)-メチル2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート(226g、68%)を薄黄色の油として与えた。m/z(ES+),[M+H]+=187.
【0127】
工程2
3000mL四つ口丸底フラスコ中に、塩化水素(2000mL、60.34mol、6M/L)を配置し、それに続いて(R)-メチル2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート(226g、1.21mol)を配置した。生じた溶液を一晩100℃で撹拌し、次いで真空中で濃縮した。生じた混合物をアセトニトリル(1000mL)で希釈し、固体をろ過により回収した。生成物を、室温でエタノール(1g/20mL)から再結晶化すると(×5)、(R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩(124g、42%)を白色の固体として与えた。1H NMR(300MHZ,CD3OD)δ1.69-1.71(d,3H),3.04(s,3H),3.83(m,8H),4.35-4.42(m,1H). m/z(ES+),[M+H]+=173.
【0128】
中間体23:(R)-メチル2-((S)-3,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパノアート
2,6-ジメチルピリジン(0.672mL、5.77mmol)を、(S)-メチル2-ヒドロキシプロパノアート(500mg、4.81mmol)のDCM(5mL)中の冷却された-78℃の溶液に加えた。混合物を5分間撹拌し、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.974mL、5.77mmol)を滴加した。反応物を30分間撹拌し、冷却を外し、反応混合物を30分かけて室温に達するようにした。溶液を1M HCl(水溶液)(20mL)で洗浄し、相分離器により乾燥させ、次いで、DCM(10mL)に懸濁された(S)-1,2-ジメチルピペラジン二塩酸塩(0.944g、5.05mmol)と炭酸カリウム(1.993g、14.42mmol)の水(10mL)溶液の混合物にゆっくりと加えた。反応物を室温で18時間撹拌した。相を分離させた。有機相をブライン(25mL)で洗浄し、相分離器により乾燥させ、真空中で蒸発させると、(R)-メチル2-((S)-3,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパノアート(0.726g、75%)が薄橙色の油として生じた。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 1.05(d,3H),1.29(d,3H),2.1-2.25(m,2H),2.25-2.37(m,4H),2.46(t,1H),2.69-2.83(m,3H),3.28(q,1H),3.70(s,3H).
【0129】
示されているアミンを使用して上述の手順を繰り返すと、表5に記載されている中間体24を与えた:
【0130】
【0131】
中間体25:(R)-2-((S)-3,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩
(R)-メチル2-((S)-3,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパノアート、中間体(726mg、3.62mmol)を、6M HCl(6mL、36.00mmol)中で還流状態で16時間撹拌した。(反応物は乾燥した)。水(6mL)を加え、2時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、溶媒を真空中で濃縮した。残渣をアセトニトリルに懸濁させ、室温で1時間撹拌した。固体をろ去し、アセトニトリルで洗浄し、真空中で乾燥させると、(R)-2-((S)-3,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩(626mg、66.6%)が固体として生じた。1H NMR(500MHz,D2O)δ 1.33(d,3H),1.37-1.48(m,3H),2.88(s,3H),3.07-3.23(m,1H),3.28-3.85(m,7H).
【0132】
示される出発中間体を使用して上述の手順を繰り返すと、表6に記載される中間体26を与えた:
【0133】
【0134】
中間体27:(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩
工程1
2,6-ジメチルピリジン(0.868mL、7.45mmol)を、(S)-メチル2-ヒドロキシプロパノアート(0.646g、6.21mmol)のDCM(10mL)中の冷却された-78℃の溶液に加えた。混合物を5分間撹拌し、次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.259mL、7.45mmol)を滴加した。反応物を45分間撹拌し、冷却を外し、反応混合物を室温に達するようにして、1時間撹拌した。溶液を1M HCl(水溶液)(20mL)で洗浄し、相分離器により乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をアセトニトリル(5mL)に溶解させ、アセトニトリル(10mL)中の(R)-1,3-ジメチルピペラジン二塩酸塩(1.22g、6.52mmol)及び炭酸カリウム(2.57g、18.63mmol)の懸濁液に加えた。反応物をN2雰囲気下で60℃に20時間加熱した。反応物を室温に冷却し、固体をろ去し、アセトニトリルで洗浄し、ろ液を真空中で蒸発させた。残渣をDCM(10mL)及び8%NaHCO3(水溶液)(10mL)に溶解させ、振とうし、相を分離させた。水相をDCM(10mL)で抽出した。合わせた抽出物を相分離器により乾燥させ、真空中で蒸発させると、(R)-メチル2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパノアート(0.589g、47.4%、80%de)が色の薄い油として生じた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 0.94(d,3H),1.06(d,3H),1.82(t,1H),2.03(t,1H),2.10(s,3H),2.37-2.55(m,3H),2.55-2.67(m,2H),3.61(s,3H),3.66-3.74(m,1H).(最も豊富なジアステレオ異性体を記載)
【0135】
工程2
(R)-メチル2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパノアート(589mg、2.94mmol)を6M HCl(水溶液)(5mL、30.00mmol)に溶解させ、18時間還流した。反応物を室温に冷却し、溶媒を真空中で蒸発させて半固体の残渣にした。ジエチルエーテルを残渣に加え、30分間撹拌し、固体をろ去し、真空中で乾燥させると、(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩(623mg、82%)が色の薄い固体として生じた。
1H NMR(500MHz,D2O)δ 1.32(d,3H),1.41(d,3H),2.89(s,3H),3.08-3.91(m,7H),4.25-4.51(m,1H).(最も豊富なジアステレオ異性体を記載)
【0136】
中間体28:メチル3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート
1-メチルピペラジン(100g、988.4mmol)及び炭酸カリウム(164g、1186mmol)を、窒素下で乾燥アセトニトリル(800mL)中にスラリー化した。メチル2-ブロモ-3-メトキシプロパノアート(201g、988.4mmol)を、50~60℃のスラリーに40分の時間をかけて加えた。生じた混合物を窒素下で61℃で23時間加熱し、次いで20℃に冷却した。固体をろ去した。ろ液を蒸発させて油状の残渣にして、それを1M HCl(1000mL)に溶解させた。次いで、4M HCl(およそ300mL)によりpHを1に調整した。生じた溶液をDCM(200mL)で抽出した。水溶液を飽和Na2CO3(1000mL)によりpH9に塩基性化し、DCM(2×500mL)で抽出した。次いで、水相のpHを水酸化ナトリウムにより10~11に上げ、DCM(2×500mL)で抽出した。4つの有機相を合わせ、真空中で蒸発させると、メチル3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート(181g、85%)が生じた。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 2.07(s,3H),2.14-2.34(m,4H),2.39-2.52(m,4H),3.14(s,3H),3.22(dd,1H),3.42(dd,1H),3.48-3.56(m,4H).
【0137】
中間体29:メチル2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート
炭酸カリウム(1.987g、14.38mmol)を、20℃のアセトニトリル(20mL)中のメチル2-ブロモプロパノアート(2.041g、12.22mmol)及び1-メチルピペラジン(1.20g、11.98mmol)に窒素下で加えた。生じた混合物を60℃で18時間撹拌した。色鮮やかな橙色の混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、ろ過した。橙色の溶液を真空中で濃縮した。残渣をジエチルエーテルに溶解させ、ろ過した。ろ液を真空中で蒸発させると、メチル2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート、(2.2g、99%)を油として与えた。
1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.23(dd,3H),2.21(d,3H),2.28-2.65(m,8H),3.16-3.27(m,1H),3.63(s,3H).m/z(ES+),[M+H]+=187.
【0138】
示されている反応物を使用して上述の手順を繰り返すと、(エラー!参照元が見つかりません)に記載されている中間体30~44を与えた:
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【0145】
中間体45:2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩
メチル2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート、中間体29(6.00g、32.21mmol)を、0℃の6M HCl(70mL、420.00mmol)に滴加した。生じた混合物を100℃で12時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、DCM(2×2000mL)で洗浄した。水相を減圧下で除去すると、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩(6.00g、76%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 1.54(d,3H),2.83(s,3H),3.47-3.90(m,8H),4.25-4.45(m,1H),12.21(bs,1H).m/z(ES+),[M+H]+=173.
【0146】
示される出発中間体を使用して上述の手順を繰り返すと、表7に記載されている中間体46~47を与えた:
【0147】
【0148】
中間体48:3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム
水酸化リチウム(0.321g、13.39mmol)の水(5mL)溶液を、メチル3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート、中間体28(1.93g、8.92mmol)のTHF(5mL)溶液に加えた。反応混合物が透明になるまで、数滴のMeOHを加えた。反応物を40℃で24時間加熱した。有機液を真空中で蒸発させた。残渣を水で希釈し、凍結乾燥させると(×3)、3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム(1.92g、103%)を固体として与えた。
1H NMR(500MHz,D2O)δ 2.06(s,3H),2.48(bs,8H),2.99(t,1H),3.20(s,3H),3.46-3.57(m,2H).
【0149】
示される出発中間体を使用して上述の手順を繰り返すと、表8に記載される中間体49~59を与えた:
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
中間体60:(S)-メチル3-エトキシ-2-ヒドロキシプロパノアート
トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム(1.577g、4.90mmol)を、25℃のエタノール(10mL)に溶解している(S)-メチルオキシラン-2-カルボキシラート(2.00g、19.59mmol)に窒素下で加えた。生じた混合物を50℃で30時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。反応混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、ブライン(25mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣を、EtOAc/石油エーテル(1:1)を使用して分取TLCにより精製すると、(S)-メチル3-エトキシ-2-ヒドロキシプロパノアート、(1.788g、61.6%)を無色の油として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.20(t,3H),2.46(bs,1H),3.45-3.67(m,2H),3.74(d,2H),3.83(s,3H),4.19-4.41(m,1H).m/z(ES+),[M+H]+=203.
【0154】
中間体61:(S)-メチル3-エトキシ-2-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロパノアート
2,6-ジメチルピリジン(1.643mL、14.11mmol)を、-78℃のDCM(30mL)中の(S)-メチル3-エトキシ-2-ヒドロキシプロパノアート、中間体60(1.9g、12.82mmol)に窒素下で加えた。再び完全な冷却を維持した後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.341mL、14.11mmol)を、シリンジポンプにより1時間かけて滴加した。生じた溶液を-78℃で30分間撹拌し、それに続いて室温に加温し、さらに1時間撹拌した。反応混合物をDCM(100mL)で希釈し、1M HCL(75mL)で洗浄し、有機相を真空下で乾燥させると、(S)-メチル3-エトキシ-2-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロパノアート(3.30g、92%)を薄茶色の油として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.23(t,3H),3.48-3.75(m,2H),3.82-4.01(m,3H),4.23-4.46(m,2H),5.22-5.36(m,1H).
【0155】
中間体62:(R)-メチル3-エトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート
炭酸カリウム(3.26g、23.55mmol)を水(420mL)に溶解させ、(S)-メチル3-エトキシ-2-(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)プロパノアート、中間体61(3.3g、11.78mmol)及び1-メチルピペラジン(1.769g、17.66mmol)の0℃のDCM(15mL)溶液に5分の時間をかけて滴加した。生じた混合物を室温で15時間撹拌した。反応混合物をDCM(500mL)で希釈し、水(100mL)及びブライン(100mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣を、石油エーテル/EtOAc(1:1)を使用して分取TLCにより精製すると、(R)-メチル3-エトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート(2.40g、88%)を黄色の油として与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.18(t,3H),2.30(s,3H),2.36-2.60(m,4H),2.60-2.79(m,4H),3.35-3.60(m,3H),3.61-3.84(m,4H),4.21(q,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=231.
【0156】
中間体63:(R)-3-エトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム
水(6mL)中の水酸化リチウム(204mg、8.51mmol)を、25℃のTHF/MeOH(1:1)(12mL)中の(R)-メチル3-エトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート、中間体62(980mg、4.26mmol)に加えた。生じた溶液を室温で15時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をMeOH(50mL)で希釈し、石油エーテル(2×50mL)で洗浄し、真空中で蒸発させると、(R)-3-エトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸(421mg、45.7%)を与えた。
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ 1.19(t,3H),2.27(s,3H),2.34-2.78(m,8H),2.97-3.08(m,1H),3.42-3.59(m,2H),3.70(dd,1H),3.76-3.87(m,1H).m/z(ES+),[M+H]+=217.
【0157】
中間体64:3-(ベンジルオキシ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸ナトリウム
工程1
温度計を備えた丸底フラスコ中で、(S)-2-アミノ-3-(ベンジルオキシ)プロパン酸(3.00g、15.37mmol)を硫酸(18.44mL、36.88mmol)に溶解させ、氷浴により0℃に冷却した。亜硝酸ナトリウム(1.696g、24.59mmol)の水(10mL)溶液を、内部温度を3℃未満に保ちながら、少量ずつ60分かけて加えた。反応混合物を0℃で撹拌し、放置してゆっくりと一晩室温に温めた。NaOH(50%、水溶液、w/w、2.8mL)をpH4まで加えた。次いで、酢酸エチル(25mL)を加え、2M H2SO4(水溶液)の添加によりpHをpH3に低下させながら、反応混合物を激しく撹拌した。相を分離させ、水相をEtOAc(3×25mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥させ、相分離器でろ過し、真空中で濃縮すると、(S)-3-(ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシプロパン酸(2.55g、85%、98.0%ee)を与えた。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 3.78(dd,1H),3.83(dd,1H),4.37(t,1H),4.61(d,2H),7.28-7.4(m,5H).交換可能なプロトンは観察されない。
【0158】
工程2
アセチルクロリド(4.28mL、60.14mmol)を、氷浴、0℃、冷メタノール(14mL)に滴加した。混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで(S)-3-(ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシプロパン酸(2.36g、12.03mmol)の0℃のメタノール(14.00mL)溶液に移した。生じた混合物を室温で40分間撹拌した。オルトギ酸トリメチル(2.66mL、24.06mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を、移動相としてヘプタン中50%EtOAを12CVにわたり使用して、Biotage(登録商標)KP-SIL 50gカラムでの自動化フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。化合物を257nmの波長を利用して検出した。生成物を回収し、真空中で蒸発させると、(S)-メチル3-(ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシプロパノアート(1.94g、77%)を与えた。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 3.04(d,1H),3.76(d,2H),3.79(s,3H),4.31-4.36(m,1H),4.54(d,1H),4.61(d,1H),7.27-7.37(m,5H).
【0159】
工程3
トリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.543mL、9.13mmol)を、氷浴、0℃、(S)-メチル3-(ベンジルオキシ)-2-ヒドロキシプロパノアート(1.92g、9.13mmol)及びDIPEA(1.595mL、9.13mmol)のトルエン(20mL)中の冷溶液に滴加した。反応物を25℃で30分間撹拌し、次いで-78℃に冷却した。トルエン(20mL)中の1-メチルピペラジン(1.013mL、9.13mmol)とDIPEA(1.595mL、9.13mmol)の混合物を(温度を-70℃未満に保ちながら)加えた。反応混合物を冷却しながら一晩撹拌したが、その間に冷却浴は-40℃に達した。反応混合物を放置して室温に温め、ろ過し、真空中で濃縮した。残渣を、移動相としてヘプタン中66%EtOAcを12CVにわたって使用し、それに続いてMeOH中0.2M NH3を10CVにわたって使用して、Biotage(登録商標)KP-SIL 50gカラムでの自動化フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。生成物を、波長250nmを利用して検出した。生成物フラクションを回収し、真空中で蒸発させると、(R)-メチル3-(ベンジルオキシ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート(1.32g、66%、96.0%ee)を与えた。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 2.42(s,3H),2.5-2.71(m,4H),2.71-2.83(m,4H),3.49(t,1H),3.66-3.74(m,4H),3.78(dd,1H),4.53(dd,2H),7.24-7.39(m,5H).m/z(ES+),[M+H]+=293.6.
【0160】
工程4
(R)-メチル3-(ベンジルオキシ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノアート(308mg、1.05mmol)をメタノール(1.5mL)及び1M水酸化ナトリウム水溶液(1.05mL)に溶解させ、室温で16時間撹拌した。追加の1M水酸化ナトリウム水溶液(0.2mL)を加え、反応混合物をさらに2時間室温で、及び3時間45℃で撹拌した。次いで、反応物を放置して室温に達するようにして、水(5mL)で希釈し、凍結乾燥させると、粗製の3-(ベンジルオキシ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸ナトリウム(356mg)を固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 2.10(s,3H),2.16-2.34(m,4H),2.52-2.63(m,4H),2.91(dd,1H),3.58(dd,1H),3.65(dd,1H),4.39-4.48(m,2H),7.23-7.28(m,1H),7.28-7.36(m,4H).m/z(ES+),[M+H]+=279.2.
【0161】
中間体65:2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタン酸リチウム
水酸化リチウム(0.335g、14.00mmol)を、THF(6mL)、水(6mL)及びMeOH(1mL)中のエチル2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタノアート、中間体30(2.00g、9.33mmol)に窒素下で加えた。生じた懸濁液を40℃で24時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を水(10mL)で希釈し、ジエチルエーテル(2×10mL)で抽出し、水層を凍結乾燥させると、2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタン酸リチウム(1.680g、97%)を薄黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.82(t,3H),1.38-1.68(m,2H),2.11(s,3H),2.16-2.48(m,4H),2.49-2.67(m,5H).
【0162】
中間体66:2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム
工程1
炭酸カリウム(0.890g、6.44mmol)を、20℃のアセトニトリル(10mL)中のメチル2-ブロモプロパノアート(0.897g、5.37mmol)及びtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシラート(1.00g、5.37mmol)に窒素下で加えた。生じた混合物を60℃で18時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、セライトに通してろ過し、ろ液を真空中で蒸発させた。反応混合物をジエチルエーテル(50mL)で希釈した。反応混合物をセライトに通してろ過し、ろ液を真空中で蒸発させると、tert-ブチル4-(1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(1.80g、123%)を無色の油として与え、それを次の工程に直接採用した。
1H NMR(300MHz,CDCl3)1.33(d,3H),1.46(s,9H),2.45-2.75(m,4H),3.25-3.60(m,5H),3.72(s,3H).m/z(ES+),[M+H]+=273.
【0163】
工程2
水酸化リチウム(0.158g、6.61mmol)の水(5mL)溶液を、THF/MeOH 1:1(10mL)中のtert-ブチル4-(1-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(1.80g、6.61mmol)の撹拌されている溶液に加えた。生じた溶液を60℃で4時間撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させた。残渣を水(15mL)で希釈し、凍結乾燥させると、2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム、中間体66(1.60g、91%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,D2O)1.13(d,3H),1.35(s,9H),2.40-2.55(m,4H),2.89(q,1H),3.26-3.47(m,4H).m/z(ES+),[M+H]+=259.
【0164】
実施例1
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)プロパンアミド
炭酸カリウム(101mg、0.73mmol)を、0℃のDMF(5mL)中の(S)-2-ブロモ-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド、中間体21(200mg、0.37mmol)及び2-(ピペラジン-1-イル)エタノールに窒素下で加えた。生じた混合物を0℃で18時間撹拌し、次いで室温に冷却し、セライトに通してろ過し、真空中で蒸発させた。生成物を、30mL/分の流量で7分にわたる水(0.05%NH3xH2O)中41~58%アセトニトリルの勾配を利用して、XBridge C18 OBDカラムでの分取アキラル-HPLCにより精製した。生成物を回収し、真空中で蒸発させると、(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル)プロパンアミド(100mg、50%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 1.47(d,3H),2.47(s,3H),2,85-3.43(m, 13H),3.45 -3.60(m,1H),3.86(t,2H),7.06(t,1H),7.20(d,1H),7.30-7.54(m,1H),7.54-7.72(m,1H),7.94(s,1H),8.14(d,1H),8.31(s,1H),8.47(bs,1H),8.58(t,1H).m/z(ES+),[M+H]+=596.
【0165】
実施例2
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
DIPEA(13.9mL、78.08mmol)を、25℃のDCM(70mL)中の(R)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩、中間体(3.34g、13.64mmol)及び3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(4.00g、9.72mmol)に一度に加えた。生じた溶液を25℃で10分間撹拌した。次いで、1-プロパンホスホン酸環状無水物、T3P(50重量%)(12.37g、19.44mmol)を0℃で滴加した。溶液を0℃で1時間撹拌し、次いで真空中で濃縮した。残渣を、移動相として水中5~60%MeOHの勾配を利用してC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを貯めて、真空中で蒸発させた。残渣を、CO2中40%EtOH及び40mL/分の流量を利用して、ChiralCel OD-H(20×250mm)での分取キラル-HPLCにより精製した。エナンチオマーを220nmの波長を利用して検出した。主要な異性体(異性体1)を回収すると、(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(1.85g、30%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 1.26(d,3H),2.16(s,3H),2.30-2.75(m,11H),3.25(s,3H),3.27-3.40(m,1H),6.97(t,1H),7.30-7.48(m,2H),7.48-7.65(m,1H),8.03(d,1H),8.13(d,1H),8.23-8.40(m,2H),9.16(s,1H),9.66(s,1H),11.38(s,1H).
19F NMR(282MHz,DMSO-d6)δ -121.22.m/z(ES+),[M+H]+=566.
【0166】
示される中間体を使用して実施例2に関して記載された手順を繰り返すと、以下の表17に記載される実施例3~5を与えた:
【0167】
【0168】
【0169】
実施例6
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
実施例2の反応から得た異性体2を回収し、真空中で蒸発させた。水(0.1%FA)中10~60%MeOHの勾配を利用して、残渣をC18-フラッシュクロマトグラフィーにより再精製した。純粋なフラクションを真空中で蒸発させた。CO2中40%EtOH及び40mL/分の流量を利用して、残渣をChiralCel OD-H(20×250mm)での分取SFCにより再精製した。異性体を220nmの波長を利用して検出した。異性体2を回収すると、(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(40mg)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 1.41(d,3H), 2.33(s,3H),2.43(s,3H),2.49-2.87(m,8H),3.15(s,3H),3.39(q,1H),7.02(t,1H),7.14(dd,1H),7.28-7.38(m,1H),7.53-7.63(m,1H),7.91(s,1H),8.09(dd,1H),8.27(s,1H),8.51-8.61(m,1H).
19F NMR(400MHz,CD3OD)δ -125.65.m/z(ES+),[M+H]+=566.
【0170】
実施例7
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
工程1
(R)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩、中間体26(113.0mg、0.42mmol)及びジ(1H-イミダゾール-1-イル)メタノン(127mg、0.78mmol)をDMF(3mL)に溶解させ、1時間室温で撹拌した。3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(90.0mg、0.17mmol)を加え、混合物を50℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に放冷し、EtOAc(10.0mL)で希釈し、飽和Na2CO3(30mL)に注いだ。相を振とうし、分離させ、水相をEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器に通してろ過し、真空中で蒸発させた。0.1M HCO2H(水溶液)、pH3中の5~95%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をWaters Sunfire C18 ODB(5μm、19×150mm)カラムでの逆相分取HPLCにより精製した。生成物フラクションを回収し、凍結乾燥させると、(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(125mg、104%(水が存在))を薄黄色の固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ -0.07(s,9H),0.85-0.92(m,2H),0.98(d,6H),1.24(d,3H),2.17(s,3H),2.20-2.33(m,2H),2.39(s,3H),2.64(d,2H),2.72-2.82(m,2H),3.10(q,1H),3.25(s,3H),3.45-3.57(m,2H),5.68(d,1H),5.78(d,1H),7.06(t,1H),7.33(d,1H),7.40(t,1H),7.55(t,1H),8.16-8.22(m,2H),8.28(t,1H),8.33(s,1H),9.23(s,1H),9.45(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=724.
【0171】
工程2
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(97.0mg、0.13mmol)をDCM(1.3mL)に溶解させ、TFA(0.25mL、3,37mmol)を加えた。反応混合物を室温で60時間撹拌した。反応物をDCMで希釈し、飽和NaHCO3(10mL)に注いだ。相を振とうし、分離させ、水相をDCM(3×5mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、相分離器に通してろ過し、真空中で濃縮した。120バールのCO2中35%EtOH/DEA(100:0.5)及び140mL/分の流量を利用して、残渣をCellucoat(250×30mm、5μm)カラムでのキラルSFCにより精製した。生成物ピークを270nmで検出した。生成物を回収し、真空中で蒸発させた。CO2中20mM MeOH/NH3の移動相を利用して、残渣をWaters BEH(5μm、30×250mm)カラムでのSFCにより再精製した。生成物フラクションを回収し、凍結乾燥させると、(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド、実施例6
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
実施例2の反応から得た異性体2を回収し、真空中で蒸発させた。水(0.1%FA)中10~60%MeOHの勾配を利用して、残渣をC18-フラッシュクロマトグラフィーにより再精製した。純粋なフラクションを真空中で蒸発させた。CO2中40%EtOH及び40mL/分の流量を利用して、残渣をChiralCel OD-H(20×250mm)での分取SFCにより再精製した。異性体を220nmの波長を利用して検出した。異性体2を回収すると、(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(40mg)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 1.41(d,3H), 2.33(s,3H),2.43(s,3H),2.49-2.87(m,8H),3.15(s,3H),3.39(q,1H),7.02(t,1H),7.14(dd,1H),7.28-7.38(m,1H),7.53-7.63(m,1H),7.91(s,1H),8.09(dd,1H),8.27(s,1H),8.51-8.61(m,1H).
19F NMR(400MHz,CD3OD)δ -125.65.m/z(ES+),[M+H]+=566.
実施例7(21mg、27%)を与えた。
1H NMR(600MHz,DMSO-d6)δ 0.98(d,6H),1.28(d,3H),2.17(s,3H),2.21-2.35(m,2H),2.40(s,3H),2.62-2.69(m,2H),2.71-2.81(m,2H),3.19(q,1H),3.25(s,3H),6.98(t,1H),7.35-7.44(m,2H),7.51-7.58(m,1H),8.03(d,1H),8.13(d,1H),8.25-8.35(m,2H),9.17(s,1H),9.57(s,1H),11.39(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=594.
【0172】
実施例8
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
(R)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩、中間体26(199mg、0.73mmol)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(91mg、0.56mmol)をDMF(2mL)に溶解させ、室温で1.5時間撹拌した。3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体18(202mg、0.49mmol)を加え、反応物を60℃に3時間加熱した。反応物を室温に放冷した。DCM(25mL)を加え、有機相を8%NaHCO3(3×25mL)で洗浄し、相分離器により乾燥させ、真空中で蒸発させた。100mL/分の流量での20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中25~65%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×50mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を229nmのUVにより検出した。生成物を回収し、凍結乾燥させると、(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド、実施例8(188mg、65%、99.4%de)が白色の固体として生じた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 0.98(d,6H),1.28(d,3H),2.17(s,3H),2.2-2.34(m,2H),2.65(d,2H),2.7-2.81(m,2H),3.19(q,1H),3.27-3.34(m,3H),7.03(t,1H),7.38-7.5(m,2H),7.58-7.66(m,1H),8.14-8.25(m,2H),8.28(d,1H),8.43(d,1H),9.45(s,1H),9.62(s,1H),11.60(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=598.3.
【0173】
実施例9
(R)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド、異性体1
工程1
3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(225mg、0.42mmol)、2-((3S,5S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム、中間体55(143mg、0.50mmol)、及びピリジン(0.088mL、1.04mmol)をDCM(5.0mL)に溶解させ、生じた反応混合物を0℃に冷却した。冷却された反応混合物に、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド、T3P(0.371mL、1.25mmol)を加え、反応混合物をゆっくりと室温に達するようにした。反応物を16時間撹拌した。反応物を水でクエンチし、DCM(5mL)で希釈し、10%Na2CO3(30mL)に注ぎ、振とうし、相を分離させ、水相をDCM(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器に通してろ過し、真空中で蒸発させた。100mL/分の流量での20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中45~95%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×50mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を270nmのUVにより検出した。生成物フラクションを回収し、凍結乾燥させると、(2S,6S)-tert-ブチル4-(1-((3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシラート(256mg、76%)を固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ -0.08(d,9H),0.78-0.97(m,2H),1.18-1.31(m,9H),1.39(s,9H),2.32-2.47(m,5H),2.61-2.78(m,2H),3.18-3.36(m,4H),3.42-3.57(m,2H),3.77-3.89(m,2H),5.70(d,1H),5.75-5.86(m,1H),7.06(t,1H),7.27-7.45(m,2H),7.55(t,1H),8.14-8.23(m,2H),8.27(t,1H),8.33(s,1H),9.24(s,1H),9.53(d,1H).m/z(ES+),[M+H]+=810.
【0174】
工程2
DCM(2.0mL)に溶解している(2S,6S)-tert-ブチル4-(1-((3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシラート(179.8mg、0.22mmol)にTFA(0.5mL、6.73mmol)を加え、混合物を室温で96時間撹拌した。反応物をDCMで希釈し、水の添加によりクエンチし、飽和NaHCO3(10mL)に注ぎ、振とうし、相を分離させ、水相をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を相分離器に通してろ過し、真空中で濃縮した。120バールのCO2中30%EtOH/DEA(100:0.5)及び150mL/分の流量を利用して、異性体をChiralpak IB(250×30mm、5μm)カラムでのキラルSFCにより精製した。異性体1を回収し、真空中で蒸発させると、(R)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド異性体1、実施例9(50mg、41%、97%ee)が生じた。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 1.22-1.33(m,6H),1.39(d,3H),2.19-2.36(m,2H),2.43(s,3H),2.69-2.8(m,2H),3.14-3.28(m,4H),3.29-3.41(m,2H),6.77(d,1H),7.12(t,1H),7.20-7.31(m,1H),7.38(s,1H),7.50(t,1H),7.73(d,1H),8.20(d,1H),8.31(s,1H),8.99(t,1H),9.83(s,1H),11.45(s,1H).1つの交換可能なプロトンが観察されない。
【0175】
実施例10
(S)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド
実施例9、工程2の合成から得られた異性体2を回収し、真空中で蒸発させると、(S)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド、実施例10(48mg、36%、90%ee)が生じた。
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ 1.24-1.32(m,6H),1.35(d,3H),2.33-2.47(m,5H),2.61-2.78(m,2H),3.24(s,3H),3.33-3.44(m,3H),6.79(d,1H),7.11(t,1H),7.2-7.31(m,1H),7.38(d,1H),7.50(t,1H),7.72(d,1H),8.19(d,1H),8.31(s,1H),8.99(t,1H),9.87(s,1H),11.45(s,1H).1つの交換可能なプロトンが観察されない。
【0176】
実施例11
(R)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド異性体1
工程1
3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体18(318mg、0.77mmol)、2-((3S,5S)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム、中間体55(235mg、0.80mmol)、及びDIPEA(0.535mL、3.06mmol)をDMF(2mL)に溶解させ、2-(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イル)-1,1,3,3-テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(306mg、0.80mmol)を加えた。反応物を50℃に1.5時間加熱し、次いで周囲温度に冷却した。反応混合物をDCM(25mL)及び5%Na2CO3(水溶液)(25mL)で希釈し、振とうし、相を分離させた。水相をDCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。100mL/分の流量での20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中45~85%アセトニトリルの勾配を利用して、化合物をXBridge C18カラム(10μm、250×50mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を230nmのUVにより検出した。生成物を回収し、凍結乾燥させた。溶離液としての120バールのCO2中35%EtOH/DEA(100:0.5)及び70ml/分の流量を利用して、ジアステレオ異性体をCelluCoat(250×20mm、5μm)カラムでのキラルSFCを利用して分離した。ジアステレオ異性体を300nmで検出した。最初に溶出する化合物を回収し、異性体1として真空中で蒸発させた。残渣をアセトニトリル/水に溶解させ、凍結乾燥させると、(2S,6S)-tert-ブチル4-(1-((3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシラート異性体1(62.0mg、25.3%、99.9%de)が白色の固体として生じた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 1.19-1.34(m,9H),1.39(s,9H),2.40(dd,2H),2.75(dd,2H),3.26-3.37(m,4H),3.75-3.87(m,2H),7.04(t,1H),7.39-7.51(m,2H),7.62(t,1H),8.14-8.25(m,2H),8.28(d,1H),8.44(d,1H),9.45(s,1H),9.68(s,1H),11.54(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=684.3.
【0177】
工程2
tert-ブチル(2S,6S)-4-(1-((3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシラート(62mg、0.09mmol)をDCM(4mL)に溶解させ、TFA(1mL、12.98mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで真空中で蒸発させた。残渣をDCM(25mL)、8%NaHCO3(水溶液)(25mL)に溶解させ、振とうし、相を分離させた。水相をDCM(25mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器により乾燥させ、真空中で蒸発させた。MeOH/NH3(20mM)を溶離液として使用して、残渣をWaters BEH 2-EP(5μm、30×250mm)カラムでのSFCにより精製した。生成物を回収し、真空中で蒸発させると、(R)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド、実施例11(32.7mg、61.8%)が生じた。
1H NMR(600MHz,DMSO-d6)δ 1.06(d,6H),1.26(d,3H),2.12-2.21(m,2H),2.61(dd,2H),3.06-3.14(m,2H),3.20(q,1H),3.30(s,3H),7.03(t,1H),7.41(d,1H),7.46(t,1H),7.59-7.65(m,1H),8.16-8.24(m,2H),8.27(d,1H),8.43(d,1H),9.45(s,1H),9.65(s,1H),11.63(bs,1H).m/z(ES+),[M+H]+=584.2.
【0178】
実施例12
(S)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド異性体2
工程1
実施例11の工程1の反応から得た2番目に溶出する化合物を回収し、真空中で蒸発させた。残渣をアセトニトリル/水に溶解させた-白色固体が沈殿した(crashed out)。固体をろ過し、アセトニトリル/水で洗浄し、真空中で乾燥させると、(2S,6S)-tert-ブチル4-(1-((3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシラート異性体2(89mg、36.3%、99.3%de)が白色の固体として生じた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 1.18-1.31(m,9H),1.39(s,9H),2.44(dd,2H),2.69(dd,2H),3.26-3.36(m,3H),3.49(q,1H),3.78-3.89(m,2H),7.03(t,1H),7.38-7.51(m,2H),7.62(t,1H),8.15-8.24(m,2H),8.27(d,1H),8.44(d,1H),9.45(s,1H),9.73(s,1H),11.60(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=684.2.
【0179】
工程2
tert-ブチル(2S,6S)-4-(1-((3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシラート異性体2(89mg、0.13mmol)をDCM(4mL)に溶解させ、TFA(1mL、12.98mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、次いで真空中で蒸発させた。残渣をDCM(25mL)、8%NaHCO3(水溶液)(25mL)に溶解させ、振とうし、相を分離させた。水相をDCM(25mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器により乾燥させ、真空中で蒸発させた。残渣をDMSOに溶解させ、MeOH/NH3(20mM)を溶離液として使用してWaters BEH 2-EP(5μm、30×250mm)カラムでのSFCにより精製した。生成物を回収し、真空中で蒸発させると、(S)-2-((3S,5S)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド、実施例12(32.4mg、42.6%)を与えた。
1H NMR(600MHz,DMSO-d6)δ 1.06(d,6H),1.19(d,3H),2.21(dd,2H),2.52-2.59(m,2H),3.08-3.17(m,2H),3.30(s,3H),3.37-3.5(m,1H),7.03(t,1H),7.40(d,1H),7.46(t,1H),7.58-7.67(m,1H),8.13-8.23(m,2H),8.26(d,1H),8.43(d,1H),9.45(s,1H),9.72(s,1H),11.67(bs,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=584.2.
【0180】
実施例13
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド
DIPEA(2.54mL、14.58mmol)を、15℃のDCM(50mL)中の2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタン酸リチウム、中間体65(1.81g、9.72mmol)及び3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(2.00g、4.86mmol)に窒素下で加えた。混合物を10分間撹拌し、T3P(EtOAc中50%)(6.18g、9.72mmol)を0℃で滴加し、反応物を0℃で1時間撹拌した。次いで、溶媒を真空中で濃縮した。水(NH4HCO3)中5~80%MeOHの勾配を利用して、残渣をフラッシュC18-フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させた。アセトニトリル中の水(%NH4HCO3含有)の極性が低下していく混合物を溶離液として使用して、残渣をSunFire Prep C18 OBDカラム(5μm、30×100mm)での分取HPLCにより再精製した。所望の化合物を含むフラクションを真空中で蒸発させた。CO2中50%IPA(0.1%DEA)及び150mL/分の流量を利用して、エナンチオマーをChiralPak AD-H(50×250mm、5μm)カラムでの分取キラルSFCにより分離した。エナンチオマーを254nmのUVを利用して検出した。最初に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド、実施例13(200mg、7%、96.4%ee)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 1.05(t,3H),1.77-1.99(m,2H),2.30(s,3H),2.43(s,3H),2.45-2.90(m,8H),3.11-3.23(m,4H),7.02(t,1H),7.18(d,1H),7.32(t,1H),7.52-7.62(m,1H),7.91(s,1H),8.06-8.15(m,1H),8.27(s,1H),8.51-8.61(m,1H).交換可能なプロトンは観察されない。19F NMR(400MHz,CD3OD)δ -125.77.m/z(ES+),[M+H]+=580.
【0181】
実施例14
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド
実施例13の合成から得た2番目に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド異性体2、実施例14エラー!参照元が見つかりません(200mg、7%、92.8%ee)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 1.05(t,3H),1.77-1.99(m,2H),2.30(s,3H),2.43(s,3H),2.45-2.95(m,8H),3.11-3.23(m,4H),7.02(t,1H),7.18(d,1H),7.33(t,1H),7.52-7.62(m,1H),7.91(s,1H),8.06-8.15(m,1H),8.27(s,1H),8.51-8.61(m,1H).交換可能なプロトンは観察されない。19F NMR(400MHz,CD3OD)δ -125.72.m/z(ES+),[M+H]+=580.
【0182】
示される中間体を使用して実施例13及び14に関して上記で記載された手順を繰り返すと、以下の表18に記載される実施例15~18を与えた:
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
実施例19
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド
3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(300mg、0.73mmol)を、DCM(1mL)中の2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)ブタン酸リチウム、中間体49(313mg、1.46mmol)、1-プロパンホスホン酸環状無水物、T3P(EtOAc中50%)(928mg、1.46mmol)、及びDIPEA(1.019mL、5.83mmol)に窒素下で加えた。生じた溶液を25℃で1時間撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、飽和NaHCO3(2×100mL)、ブライン(2×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣を、DCM/MeOH(10:1)を使用して分取TLCにより精製した。生成物フラクションを真空中で蒸発させた。移動相としてのヘキサン(0.1%DEA)中50%IPA及び流量15mL/分を利用して、ジアステレオ異性体をChiralPak-AD-H-SL001(20×250mm)カラムでの分取キラル-HPLCにより分離した。ジアステレオ異性体を、254及び220nmのUVを利用して検出した。最初に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド、実施例19(30mg、24%、99.9%ee)を白色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 1.07(t,3H),1.17(d,6H),1.75-1.98(m,2H),2.39(s,3H),2.45(s,3H),2.52-2.70(m,2H),2.89(dd,2H),2.93-3.10(m,2H),3.11-3.25(m,4H),7.03(t,1H),7.17(dd,1H),7.35(dd,1H),7.54-7.64(m,1H),7.93(s,1H),8.10(dd,1H),8.29(s,1H),8.52-8.62(m,1H).交換可能なプロトンは観察されない。
19F NMR(282MHz,DMSO-d6)δ -121.25.m/z(ES+),[M+H]+=608.
【0187】
実施例20
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド
実施例19の合成から得た2番目に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-((3S,5S)-3,4,5-トリメチルピペラジン-1-イル)ブタンアミド異性体2、実施例20(5mg、4%、90%ee)を白色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 1.09(t,3H),1.25-1.45(m,6H),1.70-1.98(m,2H),2.45(s,3H),2.74(s,3H),2.98-3.13(m,2H),3.16(s,3H),3.15-3.60(m,5H),7.03(t,1H),7.21(d,1H),7.35(t,1H),7.53-7.65(m,1H),7.93(s,1H),8.10(d,1H),8.30(s,1H),8.50-8.65(m,1H).交換可能なプロトンは観察されない。
19F NMR(282MHz,DMSO-d6)δ -121.11.m/z(ES+),[M+H]+=608.
【0188】
示される中間体を使用して実施例19及び実施例20に関して上記で記載された手順を繰り返すと、以下の表19に記載される実施例21~23を与えた:
【0189】
【0190】
【0191】
実施例24
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド
工程1
DIPEA(0.637mL、3.65mmol)を、DMF(10mL)中の3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(500mg、1.22mmol)、2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム、中間体66(628mg、2.43mmol)、EDC(349mg、1.82mmol)、及びHOBT(279mg、1.82mmol)に窒素下で加えた。生じた溶液を25℃で15時間撹拌した。反応混合物を水(75mL)に注ぎ、EtOAc(2×75mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×100mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。DCM/MeOH(8:1)を使用して、残渣を分取TLCにより精製すると、tert-ブチル4-(1-((3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(440mg、55.6%)を薄黄色の固体として与えた。m/z(ES+),[M+H]+=652.
【0192】
工程2
TFA(0.050mL、0.64mmol)を、20℃のDCM(20mL)中のtert-ブチル4-(1-((3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(420mg、0.64mmol)に滴加した。生じた溶液を20℃で2時間撹拌した。溶媒を真空中で蒸発させた。残渣をDCM(50mL)で希釈し、NaHCO3(2×50mL)で洗浄し、有機液を真空中で蒸発させた。溶離液としての100%MeOH(0.1%DEA)及び20mL/分の流量を利用して、エナンチオマーをPhenomenex Lux 5u Cellulose-4、AXIA Packed(250×21.2mm、5μm)での分取キラル-HPLCにより分離した。異性体を254及び220nmの波長で検出した。最初に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド異性体1、実施例24(53mg、27%、99.9%ee)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 1.26(d,3H),2.41(s,3H),2.45-2.65(m,4H),2.73-2.85(m,4H),3.22-3.40(m,4H),6.98(t,1H),7.35-7.50(m,2H),7.50-7.62(m,1H),8.03(s,1H),8.14(d,1H),8.25-8.37(m,2H),9.18(s,1H),9.73(s,1H),11.48(bs,1H).1つの交換可能なプロトンが観察されない。
19F NMR(376MHz,DMSO-d6)-121.21.m/z(ES+),[M+H]+=552.
【0193】
実施例25
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド
実施例24、工程2の反応から得た2番目に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド、実施例25(47mg、24%、92.6%ee)を白色固体として与えた。
1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 1.25(d,3H),2.39(s,3H),2.43-2.65(m,4H),2.68-2.85(m,4H),3.22-3.40(m,4H),6.97(t,1H),7.35-7.50(m,2H),7.50-7.62(m,1H),8.02(s,1H),8.12(d,1H),8.25-8.37(m,2H),9.17(s,1H),9.69(s,1H),11.43(bs,1H).1つの交換可能なプロトンが観察されない。
19F NMR(282MHz,DMSO-d6)-121.20.m/z(ES+),[M+H]+=552.
【0194】
実施例26
(R)-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド
工程1
DIPEA(1.02mL、5.83mmol)を、25℃のDCM(5mL)中の2-((3R,5R)-4-(tert-ブトキシカルボニル)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)ブタン酸リチウム、中間体56(438mg、1.46mmol)及び3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(300mg、0.73mmol)に一度に加えた。生じた溶液を25℃で10分間撹拌した。1-プロパンホスホン酸環状無水物、T3P(928mg、1.46mmol)を0℃で滴加し、反応物を1時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残渣を、MeOH/DCM(1:10)を使用して分取TLCにより精製すると、(2R,6R)-tert-ブチル4-(1-((3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-1-オキソブタン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシラート(200mg、39.5%)を黄色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 1.03-1.11(m,3H),1.18-1.52(m,15H),1.81-1.92(m,2H),2.35-2.80(m,5H),2.82-2.93(m,2H),3.15(s,3H),3.75-3.99(m,2H),4.08-4.21(m,1H),7.02(t,1H),7.18(dd,1H),7.32(t,1H),7.52-7.61(m,1H),7.91(d,1H),8.09(d,1H),8.26(s,1H),8.51-8.61(m,1H).交換可能なプロトンは観察されない。ジアステレオ異性体の混合物。
m/z(ES+),[M+H]+=694.
【0195】
工程2
TFA(5mL、64.90mmol)を、25℃のDCM(20mL)中の(2R,6R)-tert-ブチル4-(1-((3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-1-オキソブタン-2-イル)-2,6-ジメチルピペラジン-1-カルボキシラート(370mg、0.53mmol)に加えた。生じた混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空中で濃縮した。流量30mL/分で7分にわたる水(0.03%NH3H2O)中30~50%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣を、XBridge Prep C18 OBDカラム(5μm、19×150mm)での逆相分取クロマトグラフィーにより精製した。化合物を220及び254nmの波長を利用して検出した。85分にわたるヘキサン(0.1%DEA)中の50%EtOH及び15mL/分の流量を利用して、ジアステレオ異性体をChiralPak-AD-H-SL001(20×250mm)での分取キラル-HPLCにより分離した。化合物を220及び254nmの波長を利用して検出した。最初に溶出した化合物を回収し、真空中で蒸発させると、R-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド、実施例26(78mg、28%、99.0%ee)を与えた。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 1.09(t,3H),1.41(d,6H),1.80-2.00(m,2H),2.44(s,3H),2.77(dd,2H),3.07(dd,2H),3.15(s,3H),3.28-3.40(m ,1H),3.55- 3.72(m,2H),7.02(t,1H),7.23(d,1H),7.33(t,1H),7.53- 7.62(m,1H),7.92(d,1H),8.05-8.13(m,1H),8.28(s,1H),8.40-8.49(m,2H),8.50-8.60(m,1H).
19F NMR(376MHz,CD3OD)δ -125.59.m/z(ES+),[M+H]+=594.
【0196】
実施例27
(S)-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド
実施例26、工程2の反応から得た2番目に溶出した化合物を回収し、真空中で蒸発させると、(S)-2-((3R,5R)-3,5-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド実施例27(30.0mg、13%、99.9%ee)を白色の固体として与えた。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 1.07(t,3H),1.22(d,6H),1.80-1.93(m,2H),2.40-2.58(m,5H),2.81(dd,2H),3.07-3.18(m,4H),3.19-3.29(m,2H),7.03(t,1H),7.19(d,1H),7.35(t,1H),7.53-7.63(m,1H),7.94(s,1H),8.05-8.15(m,1H),8.29(s,1H),8.52-8.62(m,1H).交換可能なプロトンは観察されない。m/z(ES+),[M+H]+=594.
【0197】
示される中間体を使用して実施例26及び27に関して上記で記載された手順を繰り返すと、以下の表20に記載される実施例28~33を与えた:
【0198】
【0199】
【0200】
【0201】
【0202】
実施例34
(S)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム、中間体48(430mg、2.06mmol)、2-(3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イル)-1,1,3,3-テトラメチルイソウロニウムヘキサフルオロホスフェート(V)(785mg、2.06mmol)、及びDIPEA(1.068mL、6.11mmol)をDMF(10mL)に溶解させ、室温で5分間撹拌し、次いで、3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体18(635mg、1.53mmol)を加えた。反応物を室温で2時間撹拌し、次いでDCM(75mL)及び5%Na2CO3(水溶液)(50mL)で希釈し、振とうし、相を分離させた。水相をDCM(2×50mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器により乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。流量100mL/分で20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中の15~65%アセトニトリルの勾配を利用して、化合物をXBridge C18カラム(10μm、250×50mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を220nmのUVにより検出した。生成物ピークを回収し、凍結乾燥させた。次いで、アセトニトリルから結晶化し、固体をろ過により回収し、最小限の量のアセトニトリルにより洗浄し、真空中で乾燥させた。流量140mL/分で150バールのCO2中25%IPA/DEA(100:0.5)を利用して、エナンチオマーをCelluCoat(250×30mm、5μm)カラムでのキラル-SFCにより分離した。エナンチオマーを270nmのUVにより検出した。最初に溶出したエナンチオマーを回収し、凍結乾燥させると、N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド、実施例34(213mg、23%、99.9%ee)を白色の固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 2.14(s,3H),2.24-2.44(m,4H),2.56-2.67(m,2H),2.68-2.8(m,2H),3.24-3.35(m,6H),3.50(t,1H),3.67(dd,1H),3.79(dd,1H),7.04(t,1H),7.41-7.55(m,2H),7.62(t,1H),8.19(t,1H),8.22-8.32(m,2H),8.44(d,1H),9.46(s,1H),9.84(s,1H),11.47(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=600.2.
【0203】
実施例35
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
実施例34の2番目に溶出したエナンチオマーを回収し、凍結乾燥させた。残渣を、EtOH/水(3:1)(5mL)中の懸濁液を撹拌することにより再結晶化し、油浴を用いて70℃に加熱し、シードを加えた。次いで、油浴温度を23℃に設定し、懸濁液をゆっくりと室温に達するようにした。5日間撹拌し続けると、長めの針状結晶のミックスイン(a mix in)と共に短い針状結晶を含む乳状のスラリーを与えた。懸濁液を撹拌しながら70℃に加熱し、次いで加熱及び撹拌を停止し、混合物をゆっくりと室温に達するようにした(2×)。良好な長い針状結晶のみ。懸濁液を、撹拌せずにさらに1週間静置した。固体をろ去し、真空中40℃で乾燥させると、(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド、実施例35(186mg、20%、99.4%ee)を白色針状結晶として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 2.14(s,3H),2.23-2.45(m,4H),2.57-2.67(m,2H),2.69-2.78(m,2H),3.26-3.34(m,6H),3.50(t,1H),3.67(dd,1H),3.79(dd,1H),7.03(t,1H),7.4-7.55(m,2H),7.62(t,1H),8.13-8.33(m,3H),8.44(d,1H),9.46(s,1H),9.84(s,1H),11.48(s,1H).19F NMR(470MHz,DMSO-d6)δ -120.52,-147.75.m/z(ES+),[M+H]+=600.5.
【0204】
実施例35の試料を、シリコン単結晶(SSC)ウェーハマウントに載せ、粉末X線回折を、Theta-Theta PANalytical X’Pert PRO(X線の波長1.5418ÅニッケルフィルターCu放射線、電圧45kV、フィラメント放出40mA)で記録した。自動可変発散スリット及び散乱防止スリット(anitscatter slits)を使用し、試料を測定の間回転させた。試料を、0.013°のステップ幅及び233秒のステップ測定時間を利用し、PIXCEL検出器(有効長3.35°2シータ)を用いて、2~50°2シータでスキャンした。結晶の特性ピーク位置を、以下の表21に列記し(XRPDにより測定)、
図1に示す:
【0205】
【0206】
当業者は、本明細書に示される回折パターンデータが絶対的なものであると解釈されるべきではなく、本明細書に開示されるものに実質的に同一なパワー(power)回折パターンを与えるあらゆる結晶形が本開示の範囲内にあることを認識するだろう(さらなる情報は、Jenkins,R & Snyder,R.L.‘Introduction to X-Ray Powder Diffractometry’ John Wiley & Sons,1996を参照されたい)。
【0207】
実施例36
(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)ブタンアミド
HATU((1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート)(832mg、2.19mmol)を、DMF(1mL)中の3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(300mg、0.73mmol)、2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)ブタン酸リチウム、中間体58(511mg、2.55mmol)、及びDIPEA(1.273mL、7.29mmol)に加えた。生じた溶液を25℃で16時間撹拌した。溶離液として水(0.03%NH3H2O)中の30~55%アセトニトリルの勾配及び30mL/分の流量を利用して、粗生成物をXBridge Prep C18 OBDカラム(5μm、19×150mm)での逆相分取クロマトグラフィーにより精製した。化合物を220及び254nmの波長を利用して検出した。CO2中50%MeOH/アセトニトリル(1:1)(0.1%DEA)及び50mL/分の流量を利用して、エナンチオマーを(R,R)WHELK-01 5/100 Kromasil(250×21.1mm)カラムでのキラルSFCにより分離した。化合物を220nmの波長を利用して検出した。最初に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、(S)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)ブタンアミド、実施例36(40mg、6%、99.9%ee)を与えた。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 1.08(t,3H),1.72-2.02(m,4H),2.38-2.50(m,6H),2.70-2.85(m,4H),2.88-3.10(m,4H),3.15(s,3H),3.27-3.40(m,1H),7.02(t,1H),7.26(d,1h),7.34(t,1H),7.52-7.65(m,1H),7.92(s,1H),8.08,(d,1H),8.28(s,1H),8.52-8.63(m,1H).交換可能なプロトンは観察されない。
19F NMR(376MHz,CD3OD)δ -125.64.m/z(ES+),[M+H]+=594.
【0208】
実施例37
(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)ブタンアミド
実施例36の合成から2番目に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、(R)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)ブタンアミド、(40mg、6%、99.9%ee)を与えた。
1H NMR(400MHz,CD3OD)δ 1.07(t,3H),1.73-2.03(m,4H),2.39-2.49(m,6H),2.68-2.83(m,4H),2.88-3.09(m,4H),3.15(s,3H),3.27-3.40(m,1H),7.02(t,1H),7.25(d,1h),7.34(t,1H),7.52-7.62(m,1H),7.92(s,1H),8.08,(d,1H),8.28(s,1H),8.50-8.63(m,1H).交換可能なプロトンは観察されない。19F NMR(376MHz,CD3OD)δ -125.70.
m/z(ES+),[M+H]+=594.
【0209】
示される中間体を使用して実施例36及び37に関して上記で記載された手順を繰り返すと、以下の表22に記載される実施例38~45を与えた:
【0210】
【0211】
【0212】
【0213】
【0214】
【0215】
実施例46
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)プロパンアミド
2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩、中間体47(175mg、0.68mmol)及びCDI(84mg、0.52mmol)をDMF(2mL)に溶解させ、室温で1.5時間撹拌した。3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体18(187mg、0.45mmol)を加え、反応物を60℃に4時間加熱した。反応物を室温に放冷した。DCM(25mL)を加え、有機相を8%NaHCO3(3×25mL)で洗浄し、相分離器により乾燥させ、真空中で蒸発させた。流量100mL/分で20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中25~70%アセトニトリルの勾配を利用して、化合物をXBridge C18カラム(10μm、250×50mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を228nmのUVにより検出した。生成物を回収し、凍結乾燥させた。溶離液として120バールのCO2中40%IPA/DEA(100:0.5)及び140ml/分の流量を利用して、エナンチオマーをCelluCoat(250×20mm、5μm)カラムでのキラルSFCを利用して分離した。化合物を270nmのUVにより検出した。最初に溶出した化合物を回収し、真空中で蒸発させた。流量19mL/分で20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中25~70%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×19mm)での分取HPLCにより再精製した。化合物を228nmのUVにより検出した。生成物フラクションを回収し、凍結乾燥させると、(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチル-1,4-ジアゼパン-1-イル)プロパンアミド、実施例46(40mg、30%、99.9%ee)が白色の固体として生じた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 1.25(d,3H),1.71-1.82(m,2H),2.26(s,3H),2.52-2.67(m,4H),2.77-2.89(m,4H),3.23-3.39(m,3H),3.57(q,1H),7.03(t,1H),7.37-7.51(m,2H),7.62(t,1H),8.13-8.24(m,2H),8.27(d,1H),8.44(d,1H),9.45(s,1H),9.77(s,1H),11.61(bs,1H).19F NMR(470MHz,DMSO-d6)δ -120.55,-147.73.m/z(ES+),[M+H]+=584.4.
【0216】
実施例47
(S)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド
工程1
3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(300mg、0.55mmol)及び2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム、中間体エラー!参照元が見つかりません(103mg、0.55mmol)を、DCM(5mL)に懸濁させ、ピリジン(0.134mL、1.66mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン2,4,6-トリオキシド、T3P(0.989mL、1.66mmol)を滴加した。反応混合物を22℃で1時間撹拌した。もう一回分の2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム、中間体53(20mg、0.11mmol)及びT3P(200μL、0.34mmol)を加えた。混合物を30分間撹拌した。反応混合物をDCM(15mL)で希釈し、飽和NaHCO3(5mL)でクエンチし、室温で5分間撹拌した。有機層を分離し、水層をDCM(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮すると、2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド(377mg、96%)を与えた。
m/z(ES+),[M+H]+=710.5.
【0217】
工程2
2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド(335mg、0.47mmol)をDCM(3.5mL)に溶解させ、氷浴により冷却し、TFA(1.083mL、14.16mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。DCM(5mL)を加え、それに続いてTFA(1mL)を加え、撹拌を5時間続けた。次いで、反応混合物を40℃で一晩加熱した。DCM(25mL)を加え、それに続いてNaHCO3(10mL)及びMeOH(1mL)を加えた。有機層を分離し、水層をDCM(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣をDCM(25mL)、飽和NaHCO3(10mL)及びMeOH(1mL)に再溶解させ、振とうし、有機層を分離した。水層をDCM(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相をMgSO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。流量19mL/分で20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中20~80%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×19mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を269nmのUVにより回収し、真空中で蒸発させた。移動相として120バールのCO2中の35%EtOH/TEA(100:0.5)及び80mL/分の流量を利用して、ジアステレオ異性体をChiralpak IB(30×250mm、5μm)カラムでのキラル-SFCにより分離した。化合物を260nmのUVにより検出した。最初に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、(S)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド、実施例47(20mg、8%、99.9%de)を与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 1.03(d,3H),1.30(d,3H),1.86(t,1H),2.07-2.23(m,4H),2.40(s,3H),2.54-2.63(m,2H),2.68-2.78(m,1H),2.79-2.91(m,2H),3.25(s,3H),3.69(q,1H),6.97(t,1H),7.32-7.47(m,2H),7.49-7.61(m,1H),8.03(d,1H),8.13(d,1H),8.22-8.35(m,2H),9.17(s,1H),9.65(s,1H),11.38(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=580.4.
【0218】
実施例48
(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド
実施例47、工程2の反応から得た2番目に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド(22mg、9%、99.2%de)を与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 1.11(d,3H),1.16(d,3H),2.02(t,1H),2.11-2.23(m,4H),2.40(s,3H),2.44-2.49(m,1H),2.54-2.66(m,3H),2.66-2.78(m,1H),3.25(s,3H),3.76-3.89(m,1H),6.97(t,1H),7.27(d,1H),7.40(t,1H),7.51-7.59(m,1H),8.00(s,1H),8.14(d,1H),8.23-8.36(m,2H),9.16(s,1H),9.58(s,1H),11.37(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=580.4.
【0219】
実施例49
(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド
(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩、中間体(573mg、2.21mmol)及びCDI(275mg、1.70mmol)をDMF(2mL)中で室温で1時間撹拌した(気体の発生)。DMF(2mL)に溶解している3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体18(816mg、1.47mmol)を加え、反応物を50℃で5時間撹拌した。反応物をDCM(25mL)及び5%Na2CO3(水溶液)(25mL)で希釈し、振とうし、相を分離させた。水相をDCM(2×25mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器により乾燥させ、真空中で濃縮した。流量100mL/分で20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中15~65%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×50mm)での分取HPLCにより2回精製した。化合物を235nmのUVにより検出した。生成物を凍結乾燥させると、(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド、実施例49(234mg、32%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 1.11(d,3H),1.16(d,3H),2.02(t,1H),2.1-2.23(m,4H),2.42-2.54(m,1H),2.54-2.67(m,3H),2.67-2.78(m,1H),3.25-3.36(m,3H),3.77-3.88(m,1H),7.03(t,1H),7.28(d,1H),7.46(t,1H),7.57-7.68(m,1H),8.15-8.24(m,2H),8.29(d,1H),8.43(d,1H),9.45(s,1H),9.63(s,1H),11.55(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=584.3.
【0220】
実施例50
(S)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド
3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(387mg、0.94mmol)及び2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)ブタン酸二塩酸塩、中間体46(300mg、1.10mmol)を無水DCM(25mL)に懸濁させ、ピリジン(0.3mL、3.71mmol)を加えた。混合物を氷浴中で0℃に冷却し、T3P(1.5mL、2.52mmol)を滴加した。氷浴を外し、反応混合物を23℃で20分間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3(20mL)でクエンチし、23℃で30分間撹拌した。有機層を分離し、水相をDCM(2×20mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器に通してろ過し、真空中で蒸発させた。流量100mL/分で25分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中20~70%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×50mm)での分取HPLCにより2回の注入で精製した。化合物を269nmのUVにより検出した。最初に溶出した異性体を回収し、凍結乾燥させると、(S)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド、実施例50(205mg、37%)を与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 0.97(t,3H),1.10(d,3H),1.65-1.77(m,2H),1.77-1.87(m,1H),1.91-2.01(m,1H),2.11(s,3H),2.40(s,3H),2.55-2.67(m,2H),2.67-2.77(m,1H),2.81-2.94(m,2H),3.25(s,3H),3.55(t,1H),6.97(t,1H),7.40(t,1H),7.47(d,1H),7.5-7.58(m,1H),8.05(d,1H),8.12(d,1H),8.24-8.34(m,2H),9.17(s,1H),9.62(s,1H),11.20(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=594.4.
【0221】
実施例51
(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド
実施例50の反応から得た2番目に溶出した異性体を回収し、凍結乾燥させると、(R)-2-((R)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド、実施例51(210mg、38%)を与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 0.95(t,3H),1.13(d,3H),1.57-1.69(m,1H),1.72-1.86(m,1H),2.00-2.09(m,1H),2.09-2.23(m,4H),2.38-2.58(m,6H),2.72-2.81(m,1H),2.81-2.91(m,1H),3.25(s,3H),3.44-3.53(m,1H),6.98(t,1H),7.35-7.45(m,2H),7.51-7.6(m,1H),8.03(d,1H),8.13(d,1H),8.24-8.36(m,2H),9.16(s,1H),9.61(s,1H),11.32(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=594.4.
【0222】
示される中間体を使用して実施例50~51に関して上記で記載された手順を繰り返すと、以下の表23に記載される実施例52~57を与えた
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
実施例58
(R)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド
工程1
3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(210mg、0.39mmol)及び2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム、中間体51(97mg、0.44mmol、およそ84重量%)をDCM(10mL)に懸濁させ、ピリジン(0.10mL、1.24mmol)を加えた。混合物を0℃に冷却し、T3P(0.9mL、1.51mmol、EtOAc中50重量%)を滴加した。反応混合物を22℃で1時間撹拌した。2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム、中間体51(24mg、0.11mmol)を加え、それに続いてT3P(0.2mL、0.34mmol)を加え、反応混合物を22℃で30分間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO3(20mL)でクエンチし、22℃で15分間撹拌した。有機層を分離し、水層をDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器に通してろ過し、真空中で濃縮した。120バールのCO2中32%EtOH/DEA(100:0.5)及び140mL/分の流量を利用して、ジアステレオ異性体をCelluCoat(5μm、250×30mm)カラムでのキラルSFCにより分離した。化合物を220nmのUVにより検出した。最初に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド異性体1(125mg、45%、99.9%de)を与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ -0.09(s,9H),0.77-0.89(m,1H),0.92-1.17(m,4H),1.25(d,3H),1.81-1.95(m,1H),2.13(s,3H),2.22-2.34(m,1H),2.39(s,3H),2.43-2.62(m,3H),2.67-2.86(m,2H),3.07-3.65(m,6H),5.72(d,1H),5.87(d,1H),7.05(t,1H),7.35-7.48(m,2H),7.51-7.6(m,1H),8.15(d,1H),8.19(s,1H),8.23-8.31(m,1H),8.31-8.41(m,1H),9.23(s,1H),9.86(s,1H).
【0227】
工程2
2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド異性体1(123mg、0.17mmol)を無水DCM(2mL)に溶解させ、TFA(3mL)を加えた。反応混合物を周囲温度で19時間撹拌した。DCM(10mL)を加え、それに続いてNaHCO3(10mL)及びMeOH(1mL)を加えた。有機層を分離し、水層をDCM/MeOH(5:1)の混合物(2×6mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器に通してろ過し、真空中で濃縮した。流量19mL/分で20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中20~80%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×19mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を269nmのUVにより検出した。生成物を回収し、凍結乾燥させると、(R)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド、実施例58(63mg、63%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 1.03(d,3H),1.30(d,3H),1.86(t,1H),2.08-2.22(m,4H),2.40(s,3H),2.46-2.62(m,2H),2.68-2.78(m,1H),2.79-2.91(m,2H),3.25(s,3H),3.69(q,1H),6.97(t,1H),7.33-7.45(m,2H),7.5-7.59(m,1H),8.03(s,1H),8.12(d,1H),8.25-8.36(m,2H),9.16(s,1H),9.64(s,1H),11.36(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=580.3.
【0228】
実施例59
(S)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド異性体2
工程1
実施例58、工程1の反応から得た2番目に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド異性体2(120mg、43%、99.7%de)を与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ -0.09(s,9H),0.81-0.91(m,1H),0.95-1.16(m,7H),1.95(t,1H),2.03-2.18(m,4H),2.33-2.43(m,4H),2.43-2.57(m,1H),2.58-2.72(m,3H),3.25(s,3H),3.4-3.56(m,2H),3.84(s,1H),5.73(d,1H),5.87(d,1H),7.04(t,1H),7.40(t,1H),7.48(d,1H),7.55(t,1H),8.11-8.22(m,2H),8.27(t,1H),8.33(s,1H),9.23(s,1H),9.84(s,1H).
【0229】
工程2
2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド異性体2(118mg、0.17mmol)を無水DCM(2mL)に溶解させ、TFA(3mL)を加えた。反応混合物を周囲温度で19時間撹拌した。DCM(10mL)を加え、それに続いてNaHCO3(10mL)及びMeOH(1mL)を加えた。有機層を分離し、水層をDCM/MeOH(5:1)の混合物(2×6mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器に通してろ過し、真空中で濃縮した。流量19mL/分で20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中20~80%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×19mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を269nmのUVにより検出した。生成物フラクションを凍結乾燥させると、(S)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)プロパンアミド、実施例59(74mg、77%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 1.12(d,3H),1.16(d,3H),2.02(t,1H),2.15(s,3H),2.16-2.22(m,1H),2.40(s,3H),2.43-2.48(m,1H),2.54-2.66(m,3H),2.67-2.77(m,1H),3.25(s,3H),3.76-3.88(m,1H),6.97(t,1H),7.27(d,1H),7.40(t,1H),7.51-7.59(m,1H),8.00(s,1H),8.14(d,1H),8.26-8.34(m,2H),9.16(s,1H),9.58(s,1H),11.36(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=580.5.
【0230】
実施例60
(R)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド
工程1
2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)ブタン酸リチウム、中間体52(104mg、0.52mmol)及び3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(210mg、0.39mmol)をDCM(10mL)に溶解させ、ピリジン(0.1mL、1.24mmol)を加え、それに続いてT3P(1.0mL、1.68mmol)を加えた。反応混合物を22℃で一晩撹拌した。反応混合物をNaHCO3(15mL)でクエンチし、さらに10分間撹拌し、DCM(3×7mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器に通してろ過し、真空中で濃縮した。流量100mL/分で20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中20~80%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×50mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を269nmのUVにより検出した。純粋なフラクションを貯めて、凍結乾燥させた。120バールのCO2中23%EtOH/DEA(100:0.5)及び150mL/分の流量を利用して、ジアステレオ異性体をChiralPak IBカラム(5μm、250×30mm)でのキラルSFCにより分離した。化合物を270nmのUVを利用して検出した。最初に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド異性体1(69mg、24%、99.3%de)を与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ -0.08(s,9H),0.80-0.96(m,2H),0.99(t,3H),1.06(d,3H),1.63-1.87(m,3H),2.06-2.16(m,4H),2.39(s,3H),2.56(d,2H),2.73-2.86(m,3H),3.25(s,3H),3.31(s,1H),3.47-3.56(m,2H),5.78(dd,2H),7.05(t,1H),7.37-7.44(m,2H),7.52-7.59(m,1H),8.13-8.21(m,2H),8.28(t,1H),8.33(s,1H),9.23(s,1H),9.61(s,1H).
【0231】
工程2
2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド異性体1(67mg、0.09mmol)をDCM(2mL)に溶解させ、TFA(3mL)を加えた。反応混合物を22℃で17時間撹拌した。DCM(10mL)及びNaHCO3(15mL)を加え、振とうし、相を分離させ、水層をDCM(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器に通してろ過し、真空中で濃縮した。流量19mL/分で20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中の20~80%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×19mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を269nmのUVにより検出した。生成物ピークを回収し、凍結乾燥させると、(R)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド、実施例60(31mg、56%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 0.97(t,3H),1.10(d,3H),1.62-1.88(m,3H),1.97(t,1H),2.11(s,3H),2.39(s,3H),2.55-2.67(m,2H),2.67-2.77(m,1H),2.82-2.95(m,2H),3.25(s,3H),3.56(t,1H),6.97(t,1H),7.40(t,1H),7.48(d,1H),7.55(t,1H),8.05(d,1H),8.12(d,1H),8.24-8.37(m,2H),9.16(s,1H),9.63(s,1H),11.22(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=594.4.
【0232】
実施例61
(S)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド
工程1
実施例60、工程1から得た2番目に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させると、2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド(133mg、47%、95.9%de)を与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ -0.09(s,9H),0.82-0.91(m,1H),0.92-1.02(m,4H),1.12(d,3H),1.53-1.66(m,1H),1.69-1.84(m,1H),1.91-2.02(m,1H),2.02-2.1(m,1H),2.12(s,3H),2.39(s,3H),2.43-2.66(m,4H),2.74-2.84(m,1H),3.25(s,3H),3.48-3.56(m,3H),5.77(d,1H),5.84(d,1H),7.05(t,1H),7.40(t,1H),7.49(d,1H),7.52-7.59(m,1H),8.15(d,1H),8.18(s,1H),8.24-8.31(m,1H),8.33(s,1H),9.23(s,1H),9.73(s,1H).
【0233】
工程2
2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド異性体2(131mg、0.18mmol)をDCM(2mL)に溶解させ、TFA(3mL)を加えた。反応混合物を22℃で17時間撹拌した。DCM(10mL)及びNaHCO3(15mL)を加え、振とうし、相を分離させ、水層をDCM(2×5mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器に通してろ過し、真空中で濃縮した。流量19mL/分で20分にわたるH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中の20~80%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×19mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を269nmのUVにより検出した。生成物を回収し、凍結乾燥させると、(S)-2-((S)-2,4-ジメチルピペラジン-1-イル)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)ブタンアミド異性体2、実施例61(65mg、60%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 0.95(t,3H),1.13(d,3H),1.56-1.70(m,1H),1.72-1.85(m,1H),2.01-2.09(m,1H),2.09-2.23(m,4H),2.34-2.58(m,6H),2.73-2.81(m,1H),2.81-2.91(m,1H),3.25(s,3H),3.45-3.54(m,1H),6.98(t,1H),7.36-7.46(m,2H),7.50-7.59(m,1H),8.03(d,1H),8.13(d,1H),8.25-8.37(m,2H),9.16(s,1H),9.62(s,1H),11.33(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=594.5.
【0234】
実施例62
(R)-3-エトキシ-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
DIPEA(688μl、3.94mmol)を、0℃のDCM(1mL)中の(R)-3-エトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸リチウム、中間体(237mg、1.09mmol)及び3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(180mg、0.44mmol)に一度に加えた。生じた溶液を0℃で10分間撹拌した。次いで、1-プロパンホスホン酸環状無水物、T3P(835mg、1.31mmol)を0℃で滴加した。溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、飽和NaHCO3(2×50mL)及びブライン(2×50mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で蒸発させた。残渣を、DCM/MeOH(20:1)を溶離液として使用して分取TLCにより精製した。流量20mL/分で19分にわたり溶離液としてMTBE(0.1%DEA)中20%IPAを使用して、生成物(50%ee)をChiralpak IA(20×250mm、5μm)での分取キラル-HPLCにより精製した。生成物を254及び220nmの波長を利用して検出した。主要な異性体を回収すると、(R)-3-エトキシ-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド、実施例62(40mg、15%、99.7%ee)を白色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 1.21(t,3H),2.33(s,3H),2.42(s,6H),2.50-2.73(m,4H),2.74-3.02(m,2H),3.15(s,3H),3.45-3.65(m,3H),3.86(dd,1H),3.97(dd,1H),7.02(t,1H),7.13(d,2H),7.31(t,1H),7.49-7.63(m,1H),7.90(s,1H),8.10(d,1H),8.25(s,1H),8.47-8.52(m,1H).19F NMR(282MHz,CD3OD)δ -125.71.m/z(ES+),[M+H]+=610.
【0235】
実施例63
(R)-3-エトキシ-N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
中間体18及び63を使用して実施例62に関して上記で記載された手順を繰り返すと、実施例63(80mg、24%、97.9%ee)を白色の固体として与えた。56分にわたりヘキサン(0.1%DEA)中50%IPA及び14mL/分の流量を利用して、ChiralPak-AD-H-SL002、(20×250mm)での分取キラル-HPLCにより精製した。化合物を、254及び220nmを利用して検出した。主要な異性体を真空中で蒸発させた。
1H NMR(300MHz,CD3OD)δ 1.21(t,3H),2.32(s,3H),2.45-2.72(m,4H),2.73-3.02(m,4H),3.21(s,3H),3.44-3.66(m,3H),3.78-4.04(m,2H),7.00-7.21(m,2H),7.42(t,1H),7.58-7.73(t,1H),8.16(s,1H),8.23-8.37(m,2H),8.42(t,1H).
交換可能なプロトンは観察されない19F NMR(282MHz,CD3OD)δ -149.01,-124.61
m/z(ES+),[M+H]+=614.
【0236】
実施例64
(R)-3-(ベンジルオキシ)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
工程1
3-(ベンジルオキシ)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸ナトリウム、中間体64(317mg、0.93mmol)及び3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-アミン、中間体(448mg、0.83mmol)を酢酸エチル(20mL)に懸濁させ、ピリジン(0.25mL、3.09mmol)を加えた。反応混合物を0℃に冷却し、T3P(1.0mL、1.68mmol、酢酸エチル中50重量%)を滴加した。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次いで22℃で14時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、T3P(1.0mL、1.68mmol)を滴加し、撹拌を22℃で3時間続けた。反応混合物を再び0℃に冷却し、T3P(0.5mL、0.84mmol)を滴加し、22℃で2時間撹拌した。反応混合物を再び0℃に冷却し、T3P(0.5mL、0.84mmol)を滴加し、撹拌を22℃で16時間続けた。水(5mL)を加え、混合物を22℃で30分間撹拌した。NaHSO4(20mL)を加え、それに続いてDCM(10mL)を加え、相を分離させた。水相をDCM(2×10mL)で抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮すると、3-(ベンジルオキシ)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(690mg、定量的)を与え、それを次の工程に直接採用した。m/z(ES+),[M+H]+=802.3.
【0237】
工程2
3-(ベンジルオキシ)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド異性体2(600mg、0.75mmol)を無水DCM(3mL)に溶解させ、TFA(3mL、26mmol)を撹拌されている溶液に周囲温度で加えた。反応混合物を22℃で4時間撹拌した。TFA(2mL)を加え、反応混合物を22℃で3日間撹拌した。TFA(2mL)を加え、撹拌を4日間続けた。TFA(2mL)を加え、混合物を22℃で一晩撹拌した。DCM(20mL)を加え、混合物を飽和NaHCO3(50mL)で中和し、MeOH(3mL)を加えた。有機層を分離し、水相をDCM中10%MeOH(2×11mL)で抽出した。合わせた有機相を相分離器に通してろ過し、それに続いてシリカの小さいプラグに通してろ過し、それをDCMとMeOHの混合物で洗浄した。合わせたろ液を真空中で濃縮した。流量100mL/分で30分にわたりH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中20~80%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm 250×50mm)での分取HPLCにより精製した。化合物を269nmのUVにより検出した。生成物ピークを回収し、凍結乾燥させた。溶離液としての100%MeOH/NH3(100:0.1)及び40mL/分の流量を利用して、エナンチオマーをLux C4カラム(30×250mm、5μm)での分取キラルHPLCにより分離した。化合物を260nmのUVにより検出した。2番目に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させた。流量100mL/分で25分にわたりH2O/ACN/NH3(95/5/0.2)緩衝液中25~75%アセトニトリルの勾配を利用して、残渣をXBridge C18カラム(10μm、250×50 IDmm)での分取HPLCにより再精製した。化合物を270nmのUVにより検出した。純粋なフラクションを凍結乾燥させると、(R)-3-(ベンジルオキシ)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド、実施例64(161mg、32%)を固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 2.15(s,3H),2.26-2.44(m,7H),2.59-2.69(m,2H),2.71-2.82(m,2H),3.25(s,3H),3.58(t,1H),3.79(dd,1H),3.91(dd,1H),4.54(s,2H),6.98(t,1H),7.24-7.36(m,5H),7.40(t,1H),7.44(d,1H),7.52-7.58(m,1H),8.01(d,1H),8.14(d,1H),8.26-8.33(m,2H),9.17(s,1H),9.83(s,1H),11.21(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=672.5.
【0238】
実施例65
(S)-3-(ベンジルオキシ)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
実施例64、工程2の反応から得た最初に溶出した異性体を回収し、真空中で蒸発させた。残渣をアセトニトリル/水に溶解させ、凍結乾燥させると、(S)-3-(ベンジルオキシ)-N-(3-(2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)-5-メチルピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド実施例65(63mg、12%)を固体として与えた。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)δ 2.15(s,3H),2.27-2.44(m,7H),2.59-2.69(m,2H),2.72-2.82(m,2H),3.25(s,3H),3.58(t,1H),3.79(dd,1H),3.91(dd,1H),4.54(s,2H),6.98(t,1H),7.24-7.37(m,5H),7.40(t,1H),7.44(d,1H),7.51-7.58(m,1H),8.01(d,1H),8.14(d,1H),8.26-8.33(m,2H),9.17(s,1H),9.83(s,1H),11.21(s,1H).m/z(ES+),[M+H]+=672.4.
【0239】
実施例66
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド
工程1
炭酸カリウム(4.21g、30.45mmol)を、25℃のアセトニトリル(60mL)中のメチル2-ブロモ-3-メトキシプロパノアート(3g、15.23mmol)及びtert-ブチルピペラジン-1-カルボキシラート(3.12g、16.75mmol)に空気下で加えた。生じた混合物を室温で15時間撹拌した。反応混合物をセライトに通してろ過し、フィルターケーキを追加のアセトニトリルで洗浄した。ろ液を合わせ、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、フラッシュアルミナクロマトグラフィー、溶離勾配石油エーテル中0~100%EtOAcにより精製した。純粋なフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル4-(1,3-ジメトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(2.300g、50.0%)を無色の油として与えた。
m/z(ES+),[M+H]+=303.
【0240】
工程2
水酸化リチウム(0.238g、9.92mmol)を、MeOH(5mL)、THF(5.00mL)、及び水(25mL)の溶媒混合物中のtert-ブチル4-(1,3-ジメトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(1.0g、3.31mmol)のスラリーに加え、次いで室温で1時間撹拌した。溶媒を真空中で濃縮すると、粗製の2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-3-メトキシプロパン酸リチウム(1.200g)を黄色の固体として与えた。m/z(ES+),[M+H]+=289.
【0241】
工程3
2,4,6-トリプロピル-1,3,5,2,4,6-トリオキサトリホスフィナン(5398mg、9.99mmol)を、中間体33(415mg、1.00mmol)、2-(4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル)-3-メトキシプロパン酸リチウム(588mg、2.00mmol)、及びDIPEA(1.745mL、9.99mmol)の室温のDCM(30mL)溶液に加え、次いで室温で一晩撹拌した。反応物を水(100mL)で希釈し、DCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機相を水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、真空中で濃縮した。溶離液として水(0.05%NH3含有)とMeCNの極性が低下していく混合物を使用して、粗生成物を分取HPLC(XBridge Prep C18 OBDカラム、5μシリカ、直径19mm、長さ150mm)により精製した。所望の化合物を含むフラクションを蒸発乾固させると、tert-ブチル4-(1-((3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-3-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(305mg、44.5%)を黄色の固体として与えた。m/z(ES+),[M+H]+=686.
【0242】
工程4
tert-ブチル4-(1-((3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)アミノ)-3-メトキシ-1-オキソプロパン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(300mg、0.44mmol)を、1:3のTFA-DCM(10mL)の溶液に加え、次いで室温で1時間撹拌した。次いで、溶媒を真空中で濃縮し、溶離液として水(0.1%ギ酸含有)とMeCNの極性が低下していく混合物を利用して、粗生成物を分取HPLC(XBridge Prep C18 OBDカラム、5μシリカ、直径19mm、長さ150mm)により精製した。適切なフラクションを濃縮乾固すると、N-(3-(5-フルオロ-2-((2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド(200mg、78%)を黄色の固体として与えた。溶離液としてMTBE(0.1%DEAにより修飾)中の10%MeOHにより均一濃度で溶離して、化合物をchiralpak ID-3カラムでの分取キラル-HPLCによりさらに精製した。最初に溶出した化合物を含むフラクションを濃縮乾固すると、実施例66、(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド(39.0mg、19.43%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.50(s,3H),2.68-2.71(m,2H),2.80-2.90(m,6H),3.30(s,3H),3.62-3.69(m,2H),3.76-3.83(m,1H),7.00-7.06(t,1H),7.44-7.49(t,1H),7.60-7.65(m,2H),8.16-8.27(m,3H),8.40-8.44(m,2H),9.47(s,1H),10.25(s,1H),12.20(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=586.
【0243】
実施例67
実施例66の2番目に溶出した異性体のフラクションを濃縮乾固すると、実施例67、(S)-N-(3-(5-フルオロ-2-(2-フルオロ-3-(メチルスルホニル)フェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(ピペラジン-1-イル)プロパンアミド(35.0mg、17.50%)を白色の固体として与えた。
1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ 2.50(s,3H),2.73(m,2H),2.83-2.92(m,6H),3.30(s,3H),3.64-3.69(m,2H),3.76-3.82(m,1H),7.00-7.06(t,1H),7.44-7.49(t,1H),7.60-7.65(m,2H),8.16-8.27(m,3H),8.41-8.44(m,2H),9.47(s,1H),10.30(s,1H),12.29(s,1H).
m/z(ES+),[M+H]+=586.
【0244】
実施例68:酵素阻害試験
酵素阻害試験を、組換え型JAK1(アミノ酸866-1154、Life Technologies、#PV4774、Carlsbad、CA)、JAK2(アミノ酸831-1132、AstraZeneca R&D Boston)、又はJAK3(アミノ酸781-1124、AstraZeneca R&D Boston)を、50mM HEPES pH7.3、1mM DTT、0.01%Tween-20、50μg/ml BSA、及び10mM MgCl2の緩衝液条件下で使用して実施した。JAK酵素を昆虫細胞中でN末端GSTフュージョンとして発現させ、グルタチオン-アフィニティー及びサイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。酵素を、30、3、0.3、0.03、0.003及び0μM最終試験濃度で投与される阻害剤の存在下で、5mMの生理学的ATP濃度のその概算される上限でアッセイした。
【0245】
JAK1では、4nMの酵素を1.5μMペプチド基質(FITC-C6-KKHTDDGYMPMSPGVA-NH2(配列番号:1)、Intonation、Boston、MA)と共にインキュベートした。JAK2では、0.3nM酵素を、1.5μMペプチド基質(5FAM-GEEPLYWSFPAKKK-NH2(配列番号:2)、Intonation、Boston、MA)と共にインキュベートした。JAK3では、0.1nM酵素を1.5μMペプチド基質(5FAM-GEEPLYWSFPAKKK-NH2(配列番号:2)、Intonation、Boston、MA)と共にインキュベートした。リン酸化されたペプチドとリン酸化されていないペプチドを分け、Caliper LC3000 system(Caliper Life Sciences、MA)により定量化して、阻害パーセントを計算した。このアッセイの結果を表24に示す。
【0246】
実施例69:インターロイキン誘導性JAK-STAT6-ルシフェラーゼ細胞アッセイ(pSTAT6)
STAT6プロモーターの制御下でゲノム的に組み込まれた(genomically incorporated)ルシフェラーゼレポーター遺伝子を有するU937単球に基づく安定な細胞株を発生させた(U937-STAT6-Luc)。細胞を、増殖培地(GlutaMAX及び25mM Hepes、10%FCS、1%ナトリウム、1%非必須アミノ酸、及び0.5mg/mlジェネティシン(選択のため)を含むRPMI 1640)中で37℃及び5%CO2で懸濁状態で成長させた。
【0247】
細胞を、250gで5分間の遠心分離により収集し、アッセイ緩衝液(20mM HEPES、1xHBSS及び0.1%BSA)に1μlあたり(pr)1000細胞に再懸濁させた。細胞の刺激には、またアッセイ緩衝液にそれぞれ300pM又は7nMに溶解させたインターロイキン(IL-13)を使用した。これにより、それぞれ最終アッセイ中に150pM及び3.5nMを与え、シグナルをEmaxの80%に誘導した。試験化合物及び対照化合物を、ウェルあたり5nlでDMSO中の10mMから0.5nMへの段階希釈で、アッセイプレート(低容量白色384-ウェルプレート)に適用した。
【0248】
各ウェルに、4μlの細胞及び4μlのインターロイキン(IL-13)を加え、プレートを密封し、37℃で4時間半インキュベートし、次いで室温で30分間インキュベートした。アッセイを、ウェルあたり4μlのSteadyGlo(Promega)の添加により展開し、20分後プレートを、ルミネセンスフィルター(luminescence filter)を備えたEnvisionプレートリーダーで読み取った。
【0249】
アッセイにおいて、化合物をこのように1600倍に希釈し、インターロイキン誘導性のシグナルの阻害の用量反応曲線により化合物のIC50を決定する。アッセイにより、対照化合物及び試験化合物に適した2nM~2μMのIC50範囲の化合物が決定した。
【0250】
【0251】
【0252】
実施例70-円形脱毛症インビボ投与量漸増試験
本開示の範囲内にある化合物を、確立された円形脱毛症(AA)を有するC3H/HeJマウスに、明らかな発毛が観察されるまで増加する投与量で経口的に与えた。発毛を、毎週評価されるヘアインデックススコア(HIS)として表し、健康なマウス(完全な毛皮=300のHIS)及び完全なAAを有するマウス(毛皮がない=0のHIS)と比較した。
【0253】
A.動物群
第1群-(n=6)円形脱毛症マウス処置群
第2群-(n=6)未処置の円形脱毛症マウス(対照群)
第3群-(n=6)健康な対照
【0254】
B.処置
全3群を、21±2℃及び55±15%相対湿度で12時間/12時間の明暗サイクルで、施設内のマクロロンケージ(macrolon cages)に6かける6(6 by 6)で飼育した。齧歯動物の餌及び水を自由に食べさせた。試験開始前及び終了直前に写真を撮影した。体重(BW)及びHISを週に1回モニターした。1日1回、第1群マウスに、段階的に増加させた投与量で10mLの水道水中の実施例35の化合物に浸した5gの砕いた齧歯動物の餌を与えた(BW及びHISを週に1回モニターした):
1.0.5mg/kg体重(BW)で2週間、
2.2.5mg/kg BWで2週間、及び
3.12.5mg/kg BWで2週間。
【0255】
C.終了
実施例35の化合物の最高濃度での最後の投与のときまでには、明らかな発毛が観察され、発毛スコアを記録したが、その最後の投与の1~2時間後に、第1群マウスを犠死させた。眼の後ろから血液をEDTAコート試験管(Multivette 300、Sarstedt)に採取し、氷上で保管した。遠心分離(4℃、4000G、5分)により血漿を得て、50μLを96ウェルNUNCプレートに移し、LC-MSMSにより薬物濃度に関して分析するまで-20℃で保存した。
【0256】
D.結果
全3群の結果を、HISがY軸に時間(週)がX軸にあるグラフとして
図2に表す。
【0257】
E.結果
終了の時点での実施例35の化合物の平均血漿曝露(総濃度)は338nMであり、HISは218であった。
【0258】
結果は下記を示す。
1.実施例35の化合物は最高投与量で所望の応答をもたらしたが、HIS=300を達成するにはより長い処置が必要である。
2.完全な効果(HIS=300)を表す完全な実験(12週)には、12.5mg/kg BWが好ましい投与量だろう。
【0259】
実施例71-OVA肺炎症モデルインビボ薬力学的性質試験
ブラウンノルウェーラットを、鶏卵アルブミン(OVA)により感作及び曝露させた(Clinical and Experimental Allergy,37(2007)973-988)。ある量の本開示の範囲内にある微粉化された化合物を吸入した後、OVA曝露されたブラウンノルウェーラットの肺中の気道炎症の減少を、以下のプロトコルを利用して、曝露されたが処置されなかったラットと比べた気管支肺胞洗浄(BAL)中の好酸球の減少%として測定した。モデル対照として、i.t.過量投与(2×300μg/kg)のモデル参照化合物、ブデソニドを使用した。
【0260】
A.動物群
74匹の動物を、8つの実験群に分け、下記の通り処置した:
第1群(塩水/塩水/空気)、n=6-0日目(S1)及び7日目(S2)にシャム(塩水)感作、並びに14日目にシャム(塩水)曝露(P1)。処置-部屋の空気
第2群(OVA/塩水/ラクトース)、n=8-0日目(S1)及び7日目(S2)にAl(OH)3/OVA混合物による感作、それに続いて14日目にi.t.シャム(塩水)曝露(P1)。処置-DPIラクトース。
第3群(OVA/OVA/ラクトース)、n=12-0日目(S1)及び7日目(S2)にAl(OH)3/OVA混合物による感作、それに続いて14日目にi.t.OVA曝露(P1)。処置-DPIラクトース。
第4群(OVA/OVA/実施例35)、n=10-0日目(S1)及び7日目(S2)にAl(OH)3/OVA混合物による感作、それに続いて14日目にi.t.OVA曝露(P1)。処置-DPI;実施例35の化合物、目標投与量0.03μg/kg
第5群(OVA/OVA/実施例35)、n=10-0日目(S1)及び7日目(S2)にAl(OH)3/OVA混合物による感作、それに続いて14日目にi.t.OVA曝露(P1)。処置-DPI;実施例35の化合物、目標投与量0.3μg/kg
第6群(OVA/OVA/実施例35)、n=10-0日目(S1)及び7日目(S2)にAl(OH)3/OVA混合物による感作、それに続いて14日目にi.t.OVA曝露(P1)。処置-DPI;実施例35の化合物、目標投与量3μg/kg
第7群(OVA/OVA/実施例35)、n=10-0日目(S1)及び7日目(S2)にAl(OH)3/OVA混合物による感作、それに続いて14日目にi.t.OVA曝露(P1)。処置-DPI;実施例35の化合物、目標投与量30μg/kg
第8群(OVA/OVA/ブデソニド)、n=8-0日目(S1)及び7日目(S2)にAl(OH)3/OVA混合物による感作、それに続いて14日目にi.t.OVA曝露(P1)。処置-2×300μg/kgのブデソニド(モデル参照化合物)によるi.t.、14日目。1日2回。
【0261】
B.実験手順
最初の感作(S1)の開始前に、体重(BW)を記録し、全ラットの尾に識別番号をマークした。BWを、S2の前及び終了時点(D15)の前にさらに記録した。全動物のBALを測定した。終了の時点で、実施者(研究者)は、個別のラットの状態を知らされていなかった。
【0262】
i.感作
0日目及び7日目に、ラットに、OVA/Al(OH)3の混合物(1ml塩水中100μg OVA:100mgアルミ/ラット)を皮下(s.c.)注射し、0.5ml/ラットのB.パーツシス(B.Pertussis)毒素(0.1μg/ml)を腹腔内(i.p.)注射した。シャム感作は、同じ体積及び方策の等張性食塩水の皮下及び腹腔内注射により実施した。
【0263】
ii.化合物の投与
ドライパウダー吸入(DPI)操作手順
各曝露システムは、フローパースト(flow-past)曝露吸入チャンバー、ラット拘束管、及びModified Wright Dust Feed機構からなっていた。各用量段階に対する吸入チャンバー中のエアゾール濃度の測定は、吸入ポートの1つでのフィルターサンプリングにより実施した(AP40、47mm、Millipore)。実施例35の化合物の異なる投与量は、試験物品の濃度及び曝露チャンバー中の流量を一定に保ちながら、暴露時間を変えることにより達成した。第2群及び第3群のラットには、拘束管(Battelleチャンバー)中でラクトースに曝露させた。目標吸入投与量(μg/kg)は、2~10分の曝露継続期間及び250gの体重を仮定して、以下の式を利用して計算した:
【数1】
式中、C=エアゾール濃度(μg/L)。RMV:分時換気量(L/分)=4.19xBW(g)0.66/1000(McMahon 1977) D=曝露の継続期間。BW体重(kg)。
フィルター分析結果に基づくと、肺の負荷(lung burden)(肺投与量)は、以下の式により計算できる:
肺投与量=吸入投与量×肺に堆積した分率
【0264】
モデル参照化合物(ブデソニド)の気管内投与
ラットを、OVA曝露の前日に計量した。曝露時に、ラットにイソフルラン混合物(空気及び4%イソフルラン)で麻酔し、30~40°の角度で仰臥位にして、ビヒクル又は化合物を注入した。この気管内注入を、末端にボーラス球(bolus-bulb)を有する改変された金属カニューレを使用して実施した。ラットを、意識が戻るまで頭を上にして仰臥位でケージ内に配置した。参照化合物を、1日2回、2回目の毎日の投与が最初の毎日の投与の6時間後になるように投与した。注入体積:0.25mL/ラット。
【0265】
iii.曝露(OVAによる誘発)
OVA曝露の5分前(5’)に、血液を舌静脈から採取し(0.2ml)、血漿(60ul/ウェル)を96-ディープウェルプレートに回収した。誘発は14日目に起こり(P1)、化合物投与の2時間後に適用した。ラットにイソフルラン混合物(空気及び4%イソフルラン)で麻酔し、30~40°の角度で仰臥位にして、等張性食塩水又はOVA(0.1mg/ml)を注入した。気管内注入は、末端にボーラス球を有する改変された金属カニューレを使用して実施した。ラットを、意識が戻るまで頭を上にして仰臥位でケージ内に配置した。シャム曝露は、同じ体積及び方策の等張性食塩水のi.t.注入により実施した。注入体積:0.25ml/ラット。
【0266】
iv.終了及び気管支肺胞洗浄
OVA曝露(P1)の22時間後に、ラットを、1mlペントバルビタール(50mg/ml)の腹腔内注射により安楽死させた。血液を、頚静脈からEDTAコートチューブに採取し、遠心分離し(Rotanta 46R、480xg、10分、20℃)、血漿試料は、ドライアイス上に配置された2x96-ディープウェルプレート(60ul/ウェル)に回収して、最低でも-70℃でさらに分析するために保存されるだろう。気管支肺胞洗浄(BAL)を、肺全体をPBSにより手作業で潅流して実施した。気管を露出させた後、ポリエチレンチューブ(PE120)を挿入し、縫合糸によりくくった。チューブを、室温の4.2mlのPBSを事前充填してあるシリンジに接続し、肺の中の10秒の継続期間でゆっくりと肺の中に注入した。流体を、シリンジへのゆっくりした吸引により再回収した。この手順を2回実施した。最後のBAL液を試験管(4ml、ポリプロピレン(PP))に移した。BAL試料の入っているチューブを秤量した(1mlのBALFが1gに等しいと仮定)。BALを遠心分離(Rotanta 46R、300xg、10分、4℃)まで氷上に保った。遠心分離後、上清を、ドライアイス上に配置された4x96-ウェルプレート(0.1ml/ウェル)に分割し、メディエーターの分析まで最低でも-70℃で保全し保存した。次いで、細胞ペレットを0.5mlのPBSに再懸濁させ、細胞計数まで氷上に保った。細胞の総数及び差異数(differential number)を、ゲート付プログラム(gated program):BALrOVAiを備えた半自動化SYSMEX XT-1800i Vet(シスメックス、神戸、日本)を使用して計数した。
【0267】
C.結果
フィルター分析に基づくと、微粉化された実施例35の以下の肺投与量(μg/kg体重)が達成された:
第4群:0.08
第5群:0.11
第6群:0.6
第7群:4.76
【0268】
結果を、棒の上に、p値或いは非有意を表すn.s.、及び非処置の第3群(OVA/OVA)と比べた各実験群の好酸球の減少%を伴う棒グラフとして
図3に表す。
【0269】
結果は下記を示す:
1.実施例35の化合物は、それぞれ、0.08、0.11、0.6、及び4.76μg/kgの肺投与量で、BAL中の好酸球を、7%(非有意)、28%(非有意)、68%(p<0.01)、及び61%(p<0.01)減少させた。
2.OVA誘発(第3群)は、BAL中の好酸球の数を有意に増加させた。
3.実施例35の化合物は、OVA対照(第3群)と比べて最大阻害68%で、用量依存的に好酸球の存在を有意に減少させ、阻害の横ばいが0.6μg/kg投与量から観察される。
4.過量投与2*300mg/kgのモデル参照化合物ブデソニド(第8群)は、このモデルで観察される範囲で、好酸球の97%阻害を示した。
JAK1関連疾患が1型糖尿病、狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、喘息、アトピー性皮膚炎、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、COPD、白斑及び円形脱毛症から選択される、請求項3の薬剤。
JAK1関連疾患1型糖尿病、狼瘡、多発性硬化症、関節リウマチ、乾癬、喘息、アトピー性皮膚炎、自己免疫性甲状腺疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、COPD、白斑、及び円形脱毛症から選択される、請求項7の医薬組成物。