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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100432
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B65G1/04 505Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004428
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】清川 渉
(72)【発明者】
【氏名】新中 秀信
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英紀
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022BB09
3F022EE05
3F022FF01
3F022JJ09
3F022JJ19
3F022JJ20
3F022KK01
3F022MM02
(57)【要約】
【課題】フォークからフォークへの物品の移載を行うことで物品を搬送する物品搬送設備において、設備の小型化や簡素化を図り易い構成を実現する。
【解決手段】第2移載装置40の第2フォーク41は、物品11を支持する支持面51aを形成する支持部51と、支持面51aよりも下側に形成されて第1出退方向A1に沿って突出した第1フォーク21が配置されるフォーク配置空間E2と、フォーク配置空間E2と支持面51aよりも上側の空間E1とを上下方向に連通させる連通部55と、を備え、連通部55は、第1フォーク21が上下方向Zに通過可能に構成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を下方から支持する第1フォークと、前記第1フォークを水平方向に沿う第1出退方向に沿って出退させる第1出退機構と、前記第1フォークを昇降させる第1昇降機構と、を備えた第1移載装置と、
前記物品を下方から支持する第2フォークと、前記第2フォークを水平方向に沿う第2出退方向に沿って出退させる第2出退機構と、を備えた第2移載装置と、
を備えた物品搬送設備であって、
前記第2フォークは、前記物品を支持する支持面を形成する支持部と、前記支持面よりも下側に形成されて前記第1出退方向に沿って突出した前記第1フォークが配置されるフォーク配置空間と、前記フォーク配置空間と前記支持面よりも上側の空間とを上下方向に連通させる連通部と、を備え、
前記連通部は、前記第1フォークが上下方向に通過可能に構成され、
前記支持部は、前記物品における下側を向く被支持面が前記連通部を上下方向に通過する前記第1フォークの移動軌跡と交差する姿勢で、前記物品を支持するように構成されている、物品搬送設備。
【請求項2】
上下方向視で前記第1出退方向に直交する方向を第1幅方向として、
前記支持部は、前記連通部に対して前記第1幅方向の両側に分かれて一対配置されている、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記第2フォークは、フォーク本体と、前記フォーク本体に取り付けられた受渡補助部材と、を備え、
前記受渡補助部材は、一対の前記支持部と、一対の前記支持部に対して下側に離間して配置された基部と、一対の前記支持部と前記基部とを上下方向に連結する一対の連結部と、を備え、
一対の前記支持面と前記基部の上面との上下方向の間隔は、前記第1フォークの上下方向の寸法よりも大きく、
一対の前記連結部の前記第1幅方向の間隔、及び、一対の前記支持部の前記第1幅方向の間隔は、前記第1フォークの前記第1幅方向の寸法よりも大きく、
一対の前記支持部と一対の前記連結部と前記基部とに囲まれた空間が前記フォーク配置空間である、請求項2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記第2フォークは、前記支持面に対して上側に突出するように前記支持部に取り付けられ、前記支持面よりも上側から下降して前記支持面に載置される前記物品の水平方向の位置の案内を行う第1案内部を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記第2フォークの前記支持部と前記第1フォークとは、床面に固定されて上下方向に延在する一対の固定部材の間において前記物品の受け渡しを行うように構成され、
上下方向視で前記第2出退方向に直交する方向を第2幅方向とし、前記第1フォークとの間で前記物品の受け渡しを行うための前記第2フォークの前記支持部の位置を受渡位置として、
一対の前記固定部材は、前記受渡位置にある前記支持部に対して前記第2幅方向の両側に、それぞれ隙間を有して配置され、
一対の前記固定部材のそれぞれには、第2案内部が取り付けられ、
一対の前記第2案内部のそれぞれは、前記支持部が前記受渡位置にある状態の前記第1案内部よりも上側であって上下方向視で前記隙間と重複するように配置され、前記第1案内部よりも上側から下降して前記支持面に載置される前記物品の前記第2幅方向の位置の案内を行うように構成されている、請求項4に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記第2フォークの前記支持部と前記第1フォークとは、床面に固定されて上下方向に延在する一対の固定部材の間において前記物品の受け渡しを行うように構成され、
上下方向視で前記第2出退方向に直交する方向を第2幅方向とし、前記第1フォークとの間で前記物品の受け渡しを行うための前記第2フォークの前記支持部の位置を受渡位置として、
一対の前記固定部材は、前記受渡位置にある前記支持部に対して前記第2幅方向の両側に、それぞれ隙間を有して配置され、
前記第2移載装置を休止させる場合における前記支持部の停止位置を基準停止位置として、前記支持部が前記基準停止位置に停止した状態での前記第2移載装置全体の配置領域が、一対の前記固定部材に挟まれた領域と上下方向視で重複しない、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記第1移載装置を上下方向及び水平方向の少なくとも一方に移動させる搬送装置を更に備え、
前記搬送装置による前記第1移載装置の移動範囲内に、前記第2移載装置が複数配置され、
複数の前記第2移載装置は、前記第2出退機構による前記第2フォークの出退によって、前記第1フォークから受け取った前記物品をそれぞれの前記第2移載装置に対応して予め定められた移動先に移動させるように構成され、
それぞれの前記第2移載装置の前記第2出退機構による前記第2フォークの出退量は、前記移動先と前記第2移載装置の設置位置とに応じて設定されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項8】
前記物品は参拝対象物であり、
前記第1移載装置を上下方向及び水平方向の少なくとも一方に移動させる搬送装置を更に備え、
前記第2移載装置は、参拝者による参拝が行われる参拝部に対応する位置に配置され、
前記第1移載装置及び前記搬送装置は、前記参拝対象物を保管する複数の保管部と前記第2移載装置との間で、前記参拝対象物を搬送するように構成され、
前記第2移載装置は、前記第2出退機構による前記第2フォークの出退によって、前記第1フォークから受け取って前記支持部に支持した前記参拝対象物を、前記参拝部に設定された参拝位置に配置することができるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の物品搬送設備。
【請求項9】
前記保管部と前記参拝位置との間に仕切り壁が設けられ、
前記第2移載装置を休止させる場合における前記支持部の停止位置を基準停止位置として、前記支持部が前記基準停止位置に停止した状態で、前記支持部が、前記仕切り壁よりも前記参拝部の側に配置される、請求項8に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォークを備えた移載装置を複数備える物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
フォークを備えた移載装置を複数備える物品搬送設備が知られている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1(特願2021-134076号公報)の図3及び段落0025には、スライドフォーク(161)を有するスタッカクレーン(15)と、フォークを有するフォークリフトと、を備えた物品搬送設備が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特願2021-134076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の物品搬送設備では、スタッカクレーンとフォークリフトとの間に、物品を一時的に載置するためのピッキングステーションが設けられている。このように、フォークからフォークへの物品の移載の際に、ピッキングステーションを用いる構成では、当該ピッキングステーションに物品を一時的に保持させることができる。そのため、それぞれのフォークの動作タイミング等の制約が少なく、物品の移載動作や搬送動作を効率的に行い易いという利点がある一方、ピッキングステーション及び当該ピッキングステーションを配置するスペースが必要となるため、設備の小型化や簡素化を図ることが難しかった。
【0005】
そこで、フォークからフォークへの物品の移載を行うことで物品を搬送する物品搬送設備において、設備の小型化や簡素化を図り易い構成とすることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る物品搬送設備は、物品を下方から支持する第1フォークと、前記第1フォークを水平方向に沿う第1出退方向に沿って出退させる第1出退機構と、前記第1フォークを昇降させる第1昇降機構と、を備えた第1移載装置と、前記物品を下方から支持する第2フォークと、前記第2フォークを水平方向に沿う第2出退方向に沿って出退させる第2出退機構と、を備えた第2移載装置と、を備えた物品搬送設備であって、前記第2フォークは、前記物品を支持する支持面を形成する支持部と、前記支持面よりも下側に形成されて前記第1出退方向に沿って突出した前記第1フォークが配置されるフォーク配置空間と、前記フォーク配置空間と前記支持面よりも上側の空間とを上下方向に連通させる連通部と、を備え、前記連通部は、前記第1フォークが上下方向に通過可能に構成され、前記支持部は、前記物品における下側を向く被支持面が前記連通部を上下方向に通過する前記第1フォークの移動軌跡と交差する姿勢で、前記物品を支持するように構成されている。
【0007】
本構成によれば、第1移載装置の第1フォークから第2移載装置の第2フォークへ、直接物品を移載することができる。そのため、第1移載装置と第2移載装置との間に、物品を一時的に載置するための載置部等を設ける必要がない。従って、物品搬送設備の小型化や構成の簡素化を図り易い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】物品搬送設備の上面図
図2】物品を支持した第1フォークが走行位置にある状態を示す側面図
図3】第1フォークが第1受渡位置の上側にある状態を示す側面図
図4図3の状態の物品搬送設備を第1空間側から視た図
図5】第1フォークが第1受渡位置の下側にある状態を示す側面図
図6図5の状態の物品搬送設備の第1空間側から視た図
図7】第2受渡位置にある第2フォークが物品を支持した状態を示す側面図
図8図7の状態の物品搬送設備の第1空間側から視た図
図9】第2フォークにより支持された物品が参拝位置にある状態を示す側面図
図10】別形態の物品搬送設備を示す図であって、図6に対応する断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、物品搬送設備の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は本実施形態の物品搬送設備10及び物品搬送設備10が設置された施設100の平面図である。施設100は特に限定されないが、本実施形態では参拝施設である。他の例としては、工場、倉庫、船舶等が挙げられる。本実施形態では、施設100は、第1空間E20と第2空間E30と、第1空間E20と第2空間E30との間に設けられた仕切り壁15と、を備えている。この仕切り壁15には物品11を移動するための開口15aが設けられている。なお、図示の例では設けられていないが、開口15aを開閉可能な扉が仕切り壁15に設けられていてもよい。第1空間E20としては、物品11を保管する保管空間、第2空間E30より清浄度が低いクリーンルーム、屋外等が例として挙げられる。第2空間E30としては、物品11の加工空間、展示空間、参拝空間、第1空間E20より清浄度が高いクリーンルーム等が例として挙げられる。
【0011】
物品搬送設備10は、第1移載装置20と第2移載装置40とを備えている。本実施形態では、物品搬送設備10は、第1移載装置20を水平方向に移動させる搬送装置14を更に備えている。図示の例では、物品搬送設備10は、複数の第1移載装置20を備えている。また、物品搬送設備10は、複数の第2移載装置40を備えている。また、物品搬送設備10は、複数の搬送装置14を備えている。
【0012】
物品搬送設備10が備える搬送装置14の例としては、有軌道型の無人搬送車、無軌道型の無人搬送車、有人の搬送車等が挙げられる。なお、搬送装置14が第1移載装置20を上下方向Zに移動させる装置、例えば、リフト、エレベータ、クレーンであってもよい。本実施形態では、搬送装置14は、レール13に沿って走行する無人搬送車である。ここで、鉛直方向に沿う方向を上下方向Zとし、上下方向Zに直交する方向を第1方向Xとし、上下方向視で第1方向Xに直交する方向を第2方向Yとする。
【0013】
本実施形態では、第1移載装置20及び搬送装置14は、予め定められた第1位置P1と第2移載装置40との間で物品11を搬送するように構成されている。本実施形態では、第1移載装置20はスタッカクレーンに搭載されている。また、搬送装置14はスタッカクレーンの走行台車である。第1位置P1としては、保管棚の保管部、物品収納設備等の出庫部、無人搬送車の荷台、装置の作業台、展示台、参拝台、第1移載装置20に設定された位置等が例として挙げられる。本実施形態では、第1位置P1は仕切り壁15の第1空間E20側に設けられている。
【0014】
本実施形態では、第1位置P1は物品11を保管する複数の保管部である。複数の保管部は保管棚61に設けられている。図示の例では、第1移載装置20は仕切り壁15の第1空間E20側に配置されている。また、図示の例では、搬送装置14は、仕切り壁15の第1空間E20側に配置されている。
【0015】
図2は、第1移載装置20が物品11を支持した状態の物品搬送設備10の側面図である。図2に示すように、第1移載装置20は、物品11を下方から支持する第1フォーク21と、第1フォーク21を水平方向に沿う第1出退方向A1に沿って出退させる第1出退機構22と、第1フォーク21を昇降させる第1昇降機構23と、を備えている。ここで、第1フォーク21が第1出退方向A1のどちらにも出退していない位置を第1中立位置P21とする。本実施形態では、第1中立位置P21は、搬送装置14がレール13に沿って走行する際の第1フォーク21の位置(走行位置)である。図2では、第1フォーク21が第1中立位置P21に位置している。なお、「第1フォーク」及び後述の「第2フォーク」はそれぞれ、複数本に分かれた先端部を有する掬い部材だけでなく、1本の先端部のみを備える掬い部材も含むものとする。すなわち、本明細書では、物品を下方から支持する部材であって出退機構によって出退される出退部材を、「フォーク」と称しており、「フォーク」は、特定の形状に限定されるものではない。よって、本明細書における「第1フォーク」、「第2フォーク」、「フォーク本体」、「フォーク配置空間」は、それぞれ、「第1出退部材」、「第2出退部材」、「出退部材本体」、「出退部材配置空間」と言い換えることができる。
【0016】
本実施形態では、第2移載装置40は、第1移載装置20と予め定められた第2位置P2との間で物品11を搬送するように構成されている。第2位置P2としては、保管棚の保管部、物品収納設備等の出庫部、無人搬送車の荷台、装置の作業台、展示台、参拝台、第2移載装置40に設定された位置等が例として挙げられる。本実施形態では、第2位置P2は第2移載装置40が備える第2フォーク41上に設定された位置である。図示の例では、第2位置P2は仕切り壁15の第2空間E30側に設けられている。また、図示の例では、第2移載装置40は、仕切り壁15の第2空間E30側の床面F1に固定されている。
【0017】
本実施形態では、第2移載装置40は、第1移載装置20よりも発生する可聴域の音の大きさが小さくなるように物品11の搬送を行う。また、本実施形態では、第2移載装置40は、第1移載装置20よりも発生する振動の大きさが小さくなるように物品11の搬送を行う。このようにすれば、第2空間E30が可聴域の音、又は、振動が小さいことを求められる場合に、第2空間E30における可聴域の音の大きさ、又は、振動の大きさを小さくすることができる。また、本実施形態では、第2移載装置40は第2出退機構42による第2フォーク41の出退が、第1移載装置20の第1出退機構22による第1フォーク21の出退よりも低速で行われる。このようにすれば、可聴域の音、又は、振動が小さい第2移載装置40を低コストで実現することができる。
【0018】
図2に示すように、第2移載装置40は、物品11を下方から支持する第2フォーク41と、第2フォーク41を水平方向に沿う第2出退方向A2に沿って出退させる第2出退機構42と、を備えている。本実施形態では、第1出退方向A1と第2出退方向A2とが平行である。
【0019】
第2移載装置40の第2フォーク41は、物品11を支持する支持面51a(図4参照)を形成する支持部51を備えている。ここで、第1フォーク21との間で物品11の受け渡しを行うための第2フォーク41の支持部51の位置を第2受渡位置P42とする。本実施形態では、第2受渡位置P42は、仕切り壁15の第1空間E20側に設けられている。また、第2フォーク41との間で物品11の受け渡しを行うための第1フォーク21の位置を第1受渡位置P22とする。第1受渡位置P22は、第1フォーク21の物品11を支持する支持面が、第2フォーク41が備える支持部51の支持面51aと同じ高さとなる第1フォーク21の位置である。本実施形態では、第1受渡位置P22は、仕切り壁15の第1空間E20側に設けられている。第1フォーク21の位置が第1受渡位置P22であり、且つ、第2フォーク41の支持部51の位置が第2受渡位置P42である状態では、第1フォーク21と第2フォーク41との間で受け渡される物品11は、第1フォーク21と第2フォーク41との両方に支持された状態となる。
【0020】
ここで、第2移載装置40を休止させる場合における支持部51の停止位置を基準停止位置とする。図2に示す例では、後述する第2中立位置P41が基準停止位置である。図1に示すように、本実施形態では、第1位置P1と第2位置P2との間に仕切り壁15が設けられ、支持部51が基準停止位置(第2中立位置P41)に停止した状態で、支持部51が、仕切り壁15よりも第2空間E30の側に配置される。本構成によれば、第2移載装置40の故障修理やメンテナンスを行う場合に、作業者が仕切り壁15よりも第2空間E30の側から第2移載装置40に到達し易い。従って、故障修理やメンテナンスの容易性を高め易い。
【0021】
図3は、第1フォーク21が第1受渡位置P22の上側に位置し、第2フォーク41の支持部51が第2受渡位置P42に位置している状態の物品搬送設備10の側面図である。また、図4は、図3の状態の物品搬送設備10を第1空間E20側から視た図である。ここで、上下方向視で第1出退方向A1に直交する方向を第1幅方向B1とする。また、上下方向視で第2出退方向A2に直交する方向を第2幅方向B2とする。
【0022】
本実施形態では、第2フォーク41の支持部51と第1フォーク21とは、床面F1に固定されて上下方向Zに延在する一対の固定部材60の間において物品11の受け渡しを行うように構成されている。図示の例では、一対の固定部材60は、複数の保管部を備える保管棚61の柱である。
【0023】
図3に示すように、本実施形態では、第1受渡位置P22及び第2受渡位置P42は、一対の固定部材60の間に設定されている。第2受渡位置P42は、第2フォーク41が第2出退方向A2のどちらにも出退していない第2中立位置P41であってもよいが、本実施形態では、第2中立位置P41とは異なる位置である。
【0024】
第2移載装置40の第2フォーク41は、物品11を支持する支持面51aを形成する支持部51と、支持面51aよりも下側に形成されて第1出退方向A1に沿って突出した第1フォーク21が配置されるフォーク配置空間E2と、フォーク配置空間E2と支持面51aよりも上側の空間E1とを上下方向Zに連通させる連通部55と、を備えている。また、連通部55は、第1フォーク21が上下方向Zに通過可能に構成されている。また、支持部51は、物品11における下側を向く被支持面11bが連通部55を上下方向Zに通過する第1フォーク21の移動軌跡と交差する姿勢で、物品11を支持するように構成されている。
【0025】
本実施形態では、支持部51と連通部55とは上下方向視で重複しないように構成されている。また、本実施形態では、被支持面11bは物品11の底面である。また、本実施形態では、支持部51は、連通部55に対して第1幅方向B1の両側に分かれて一対配置されている。
【0026】
本実施形態では、第2フォーク41は、フォーク本体45と、フォーク本体45に取り付けられた受渡補助部材50と、を備えている。また、受渡補助部材50は、一対の支持部51と、一対の支持部51に対して下側に離間して配置された基部52と、一対の支持部51と基部52とを上下方向Zに連結する一対の連結部53と、を備えている。また、受渡補助部材50は、フォーク本体45に固定されている。
【0027】
本実施形態では、一対の支持部51と一対の連結部53と基部52とに囲まれた空間がフォーク配置空間E2である。また、一対の支持面51aと基部52の上面との上下方向Zの間隔D21は、第1フォーク21の上下方向Zの寸法D11よりも大きい。また、一対の連結部53の第1幅方向B1の間隔D22、及び、一対の支持部51の第1幅方向B1の間隔D23は、第1フォーク21の第1幅方向B1の寸法D12よりも大きい。
【0028】
本実施形態では、第2フォーク41は、支持面51aに対して上側に突出するように支持部51に取り付けられた第1案内部56を備えている。第1案内部56は、支持面51aよりも上側から下降して支持面51aに載置される物品11の水平方向の位置の案内を行う。本実施形態では、第1案内部56は支持部51に固定されている。また、第1案内部56は、第2幅方向B2の案内のみを行うように構成されている。具体的には、第2フォーク41における第2幅方向B2の中心に向かう側を、第2幅方向B2の内側として、第2幅方向B2の両側に分かれて配置された一対の第1案内部56のそれぞれは、第2幅方向B2の内側へ向かうに従って下方へ向かう第1案内面56aを備えている。第1案内部56は、第1案内面56aによる物品11に対する接触作用により、物品11の第2幅方向B2の位置の案内を行う。
【0029】
本実施形態では、一対の固定部材60は、第2受渡位置P42にある支持部51に対して第2幅方向B2の両側に、それぞれ隙間E3を有して配置されている。また、一対の固定部材60のそれぞれには、第2案内部62が取り付けられている。一対の第2案内部62のそれぞれは、支持部51が第2受渡位置P42にある状態の第1案内部56よりも上側であって上下方向視で隙間E3と重複するように配置されている。また、一対の第2案内部62のそれぞれは、第1案内部56よりも上側から下降して支持面51aに載置される物品11の第2幅方向B2の位置の案内を行うように構成されている。本実施形態では、第2受渡位置P42が「受渡位置」に相当する。
【0030】
本実施形態では、第2案内部62は固定部材60に固定されている。また、第2案内部62は、第2幅方向B2の案内のみを行うように構成されている。具体的には、第2幅方向B2の両側に分かれて配置された一対の第2案内部62のそれぞれは、第2幅方向B2の内側へ向かうに従って下方へ向かう第2案内面62aを備えている。第2案内部62は、第2案内面62aによる物品11に対する接触作用により、物品11の第2幅方向B2の位置の案内を行う。第2幅方向B2の内側とは反対側を第2幅方向B2の外側として、図示の例では、支持部51が第2受渡位置P42にある状態で、第2案内面62aにおける第2幅方向B2の内側の部分が、上述した第1案内面56aにおける第2幅方向B2の外側の部分と上下方向視で重複するように配置される。
【0031】
以下に、図2から図9を順に用いて、第1移載装置20の第1フォーク21から第2移載装置40の第2フォーク41への物品11の移載の例を説明する。
【0032】
第1位置P1である保管部から第1フォーク21により取り出された物品11は、走行位置(第1中立位置P21)とされた第1フォーク21により支持されて搬送装置14により移動する。また、物品11を支持していない第2フォーク41の支持部51は、基準停止位置である第2中立位置P41とされている。図2はこの状態を示している。図示の例では、第1中立位置P21は、第1受渡位置P22より上側の位置である。
【0033】
次に、第1移載装置20の第1フォーク21が物品11を支持したまま第1出退方向A1に沿って突出し、上下方向視で第1受渡位置P22と略一致する位置であって支持面51aよりも上側の空間E1に移動する。また、第2移載装置40の第2フォーク41の支持部51が第2受渡位置P42に、第2出退方向A2に沿って突出する。図3及び図4はこの状態を示している。なお、この第1フォーク21の出退と第2フォーク41の出退とを同時に行わず、第1フォーク21の出退及び第2フォーク41の出退の一方を先に行い他方を後に行ってもよい。図4において第1フォーク21の第1受渡位置P22は、二点鎖線で示されている。
【0034】
次に、第1移載装置20の第1フォーク21が空間E1から下降して、第1受渡位置P22より下側の位置であるフォーク配置空間E2に移動する。第1移載装置20の第1フォーク21は物品11を支持したまま第1受渡位置P22を通過するため、物品11は第1フォーク21から第2移載装置40が備える第2フォーク41の支持部51上に移動する。図5及び図6はこの状態を示している。この下降において、第1フォーク21上の物品11の位置が、上下方向視で第2案内部62と重複する程度にずれている場合は、物品11と第2案内部62とが接触、次いで、物品11と第1案内部56とが接触することにより、第1フォーク21上の物品11の位置が、一対の支持部51(具体的には、一対の支持面51a)により支持される位置に案内される。なお、図6において第1フォーク21の第1受渡位置P22は、一点鎖線で示されている。
【0035】
次に、第1移載装置20の第1フォーク21が第1出退方向A1に沿って引退し、走行位置(第1中立位置P21)に移動する。これにより、第2フォーク41のフォーク配置空間E2から第1フォーク21が抜けた状態となる。図7及び図8はこの状態を示している。
【0036】
次に、第2移載装置40の第2フォーク41の支持部51が第2出退方向A2に沿って引退し、更に第2中立位置P41(図2参照)を超えて物品11の第2位置P2に対応する位置に突出する。図9はこの状態を示している。なお、この第2フォーク41の出退を、第1フォーク21の走行位置(第1中立位置P21)への出退の前に行ってもよく、それらを同時に行ってもよい。
【0037】
以下に、図9から図2を順に用いて、第2移載装置40の第2フォーク41から第1移載装置20の第1フォーク21への物品11の移載の例を説明する。
【0038】
図9は物品11が第2位置P2に位置している状態を示している。この状態から第2移載装置40の第2フォーク41の支持部51が物品11を支持したまま第2出退方向A2に沿って引退し、更に第2中立位置P41(図2参照)を超えて第2受渡位置P42に突出する。図7及び図8は、この状態を示している。
【0039】
次に、第1移載装置20の第1フォーク21が第1出退方向A1に沿って突出し、第2フォーク41のフォーク配置空間E2内に移動する。図5及び図6はこの状態を示している。なお、この第1フォーク21の出退を、第2フォーク41の支持部51の第2受渡位置P42への出退の前に行ってもよく、それらを同時に行ってもよい。
【0040】
次に、第1移載装置20の第1フォーク21がフォーク配置空間E2から上昇して、支持面51aよりも上側の空間E1に移動する。この時、第1移載装置20の第1フォーク21は第1受渡位置P22を通過するため、物品11は第2フォーク41の支持部51から第1フォーク21上に移動する。図3及び図4はこの状態を示している。
【0041】
次に、第1フォーク21が物品11を支持したまま第1出退方向A1に沿って引退し、走行位置(第1中立位置P21)に移動する。また、第2フォーク41の支持部51が第1出退方向A1に沿って引退し、基本停止位置(第2中立位置P41)に移動する。図2はこの状態を示している。なお、この第1フォーク21の出退と第2フォーク41の出退とを同時に行わず、第1フォーク21の出退及び第2フォーク41の出退の一方を先に行い他方を後に行ってもよい。
【0042】
図9に戻り、本実施形態では、物品11は参拝対象物である。また、第1空間E20は、物品11を保管する保管庫である。また、第2空間E30は、参拝者70による参拝が行われる参拝部である。また、物品11の第2位置P2は、参拝対象物の参拝位置である。
【0043】
本実施形態では、第2移載装置40は、参拝部(第2空間E30)に対応する位置に配置されている。また、第1移載装置20及び搬送装置14は、参拝対象物(物品11)を保管する複数の保管部(第1位置P1)と第2移載装置40との間で、参拝対象物(物品11)を搬送するように構成されている。また、第2移載装置40は、第2出退機構42による第2フォーク41の出退によって、第1フォーク21から受け取って支持部51に支持した参拝対象物(物品11)を、参拝部(第2空間E30)に設定された参拝位置(第2位置P2)に配置することができるように構成されている。
【0044】
本実施形態では、第2移載装置40の脚部46が、参拝部(第2空間E30)の床面F1に固定されている。また、第2移載装置40は、参拝部(第2空間E30)においてカバー85に覆われている。このカバー85は、参拝対象物(物品11)を取り出すことが可能な窓付き扉86を備えている。この窓付き扉86は、その窓から参拝対象物(物品11)の参拝部(第2空間E30)側の側面が見えるように構成されている。また、窓付き扉86の下側には、参拝者70が参拝時に利用可能なテーブル87が配置されている。また、参拝部は、異なる大きさの複数の参拝室(第2空間E30)であり、参拝室(第2空間E30)の仕様に応じて、それぞれの参拝室の参拝位置(第2位置P2)が設定されている。
【0045】
本実施形態では、第1移載装置20は、仕切り壁15の保管庫(第1空間E20)側に設置されている。また、第2移載装置40は、仕切り壁15の参拝部(第2空間E30)側に設置されている。また、第2移載装置40は、第1移載装置20よりも発生する可聴域の音の大きさと振動の大きさとが小さくなるように参拝対象物(物品11)の移動を行う。このようにすれば、静粛性が求められる参拝部(第2空間E30)における可聴域の音の大きさと振動の大きさとを比較的小さくすることが可能となる。
【0046】
ここで、第2移載装置40を休止させる場合における支持部51の停止位置を基準停止位置とする。本実施形態では、保管部(第1位置P1)と参拝位置(第2位置P2)との間に仕切り壁15が設けられている。また、支持部51が基準停止位置(第2中立位置P41)に停止した状態で、支持部51が、仕切り壁15よりも参拝部(第2空間E30)の側に配置される。
【0047】
図1及び図2に戻り、本実施形態では、支持部51が基準停止位置(第2中立位置P41)に停止した状態での第2移載装置40全体の配置領域R2が、一対の固定部材60に挟まれた領域R1と上下方向視で重複しない。なお、支持部51が基準停止位置(第2中立位置P41)に停止した状態での第2移載装置40全体の配置領域R2を、上下方向視で仕切り壁15よりも第2空間E30側とする構成であってもよい。
【0048】
本実施形態では、搬送装置14による第1移載装置20の移動範囲内に、第2移載装置40が複数配置されている。また、複数の第2移載装置40は、第2出退機構42による第2フォーク41の出退によって、第1フォーク21から受け取った物品11をそれぞれの第2移載装置40に対応して予め定められた移動先である第2位置P2に移動させるように構成されている。また、それぞれの第2移載装置40の第2出退機構42による第2フォーク41の出退量は、移動先(第2位置P2)と第2移載装置40の設置位置とに応じて設定されている。
【0049】
本実施形態では、第2移載装置40の設置位置と仕切り壁15との距離は一定に設定されている。また、物品11の第2位置P2と仕切り壁15との距離は複数設定されている。
【0050】
〔その他の実施形態〕
次に、物品搬送設備10のその他の実施形態について説明する。
【0051】
(1)上記の実施形態では、被支持面11bが物品11の底面である構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、図10のように、被支持面11bが物品11の側面から突出するフランジ状部分の下面等であってもよい。
【0052】
(2)上記の実施形態では、第1出退方向A1と第2出退方向A2とが平行である構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、第1出退方向A1と第2出退方向A2とが交差する構成であってもよい。また、例えば、第2フォーク41の受渡補助部材50の向きを変更することにより、第1出退方向A1と第2出退方向A2とが直交する構成であってもよい。
【0053】
(3)上記の実施形態では、第1昇降機構23を備えた第1移載装置20が上下方向Z及び水平方向の少なくとも一方に搬送装置14により移動され、第2移載装置40が床面F1に固定されている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、第1昇降機構23を備えた第1移載装置20が床面F1に固定され、第2移載装置40が上下方向Z及び水平方向の少なくとも一方に搬送装置により移動される構成であってもよい。また、第2移載装置40が第2フォーク41を昇降させる第2昇降機構を備えていてもよい。また、第1移載装置20が上下方向Zに搬送装置14により移動されることにより、第1移載装置20が実質的に昇降機構を備える構成であってもよい。
【0054】
(4)上記の実施形態では、一対の固定部材60が保管棚61の柱である構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、一対の固定部材60が施設100の壁、移載装置の支柱、他の装置や、それらの組み合わせであってもよい。また、例えば、一対の固定部材60が仕切り壁15の開口15aにおける両側の面であってもよい。
【0055】
(5)上記の実施形態では、第1受渡位置P22及び第2受渡位置P42が一対の固定部材60の間に設定されている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、第1受渡位置P22及び第2受渡位置P42が一対の固定部材60の間では無い位置に設定されていてもよい。また、例えば、第1受渡位置P22が仕切り壁15の第2空間E30側に設けられる構成であってもよい。また、例えば、第2受渡位置P42が仕切り壁15の第2空間E30側に設けられる構成であってもよい。
【0056】
(6)上記の実施形態では、支持部51が連通部55に対して第1幅方向B1の両側に分かれて一対配置されている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、第1フォーク21が、第1幅方向B1の両側に分かれて配置された一対の支持部分を備え、一つの支持部51の両側にフォーク配置空間E2及び連通部55を備える構成であってもよい。
【0057】
(7)上記の実施形態では、第2フォーク41が支持部51を有する受渡補助部材50を備える構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、受渡補助部材50が基部52を備えず、フォーク本体45の上面が基部52の上面として機能する構成であってもよい。また、第2フォーク41が受渡補助部材50を備えず、第2フォーク41の上部が支持部51であり、第2フォーク41の上面が支持面51aである構成であってもよい。
【0058】
(8)上記の実施形態では、第1中立位置P21が走行位置であり、第2中立位置P41が基準停止位置である構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、走行位置が第1中立位置P21と異なる位置であってもよい。また、基準停止位置が第2中立位置P41と異なる位置であってもよく、物品11の参拝位置に対応する位置(図9に示す支持部51の位置)であってもよい。
【0059】
(9)上記の実施形態では、支持部51に第1案内部56が固定され、固定部材60に第2案内部62が固定されている構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、第2フォーク41が第1案内部56を備えない構成であってもよい。また、固定部材60に第2案内部62が取り付けられていない構成であってもよい。
【0060】
(10)上記の実施形態では、第1案内部56が第2幅方向B2の案内のみを行い、第2案内部62が第2幅方向B2の案内のみを行う構成を例として説明した。しかし、そのような例に限定されることなく、例えば、第1案内部56が第2幅方向B2及び第2出退方向A2の双方の案内を行う構成であってもよい。また、例えば、第2案内部62が第2幅方向B2及び第2出退方向A2の双方の案内を行う構成であってもよい。また、例えば、第1案内部56が上下方向視で4隅に設けられたL字状の案内部であってもよい。また、例えば、第2案内部62が上下方向視で4隅に設けられたL字状の案内部であってもよい。
【0061】
(11)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0062】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品搬送設備について説明する。
【0063】
本開示に係る物品搬送設備は、物品を下方から支持する第1フォークと、前記第1フォークを水平方向に沿う第1出退方向に沿って出退させる第1出退機構と、前記第1フォークを昇降させる第1昇降機構と、を備えた第1移載装置と、前記物品を下方から支持する第2フォークと、前記第2フォークを水平方向に沿う第2出退方向に沿って出退させる第2出退機構と、を備えた第2移載装置と、を備えた物品搬送設備であって、前記第2フォークは、前記物品を支持する支持面を形成する支持部と、前記支持面よりも下側に形成されて前記第1出退方向に沿って突出した前記第1フォークが配置されるフォーク配置空間と、前記フォーク配置空間と前記支持面よりも上側の空間とを上下方向に連通させる連通部と、を備え、前記連通部は、前記第1フォークが上下方向に通過可能に構成され、前記支持部は、前記物品における下側を向く被支持面が前記連通部を上下方向に通過する前記第1フォークの移動軌跡と交差する姿勢で、前記物品を支持するように構成されている。
【0064】
本構成によれば、第1移載装置の第1フォークから第2移載装置の第2フォークへ、直接物品を移載することができる。そのため、第1移載装置と第2移載装置との間に、物品を一時的に載置するための載置部等を設ける必要がない。従って、物品搬送設備の小型化や構成の簡素化を図り易い。
【0065】
一態様として、上下方向視で前記第1出退方向に直交する方向を第1幅方向として、前記支持部は、前記連通部に対して前記第1幅方向の両側に分かれて一対配置されていると、好適である。
【0066】
本構成によれば、第1幅方向の両側に分かれて配置された一対の支持部により物品を支持することができる。従って、第2フォークにより物品を安定的に支持し易い。
【0067】
一態様として、前記第2フォークは、フォーク本体と、前記フォーク本体に取り付けられた受渡補助部材と、を備え、前記受渡補助部材は、一対の前記支持部と、一対の前記支持部に対して下側に離間して配置された基部と、一対の前記支持部と前記基部とを上下方向に連結する一対の連結部と、を備え、一対の前記支持面と前記基部の上面との上下方向の間隔は、前記第1フォークの上下方向の寸法よりも大きく、一対の前記連結部の前記第1幅方向の間隔、及び、一対の前記支持部の前記第1幅方向の間隔は、前記第1フォークの前記第1幅方向の寸法よりも大きく、一対の前記支持部と一対の前記連結部と前記基部とに囲まれた空間が前記フォーク配置空間であると、好適である。
【0068】
本構成によれば、第1フォークが配置されるフォーク配置空間を適切に形成することができると共に、第1フォークが上下方向に通過可能な連通部を適切に形成することができる。また、受渡補助部材をフォーク本体に取り付けることで第2フォークを形成することができる。従って、例えば一般的に用いられている移載装置のフォークをフォーク本体として用いることにより、上記のような第2移載装置を低コストで実現することができる。
【0069】
一態様として、前記第2フォークは、前記支持面に対して上側に突出するように前記支持部に取り付けられ、前記支持面よりも上側から下降して前記支持面に載置される前記物品の水平方向の位置の案内を行う第1案内部を備えると、好適である。
【0070】
本構成によれば、第1フォークから第2フォークに物品を渡す際の物品の水平方向の位置が適正位置からずれていた場合であっても、物品の水平方向の位置を適切な位置に案内しつつ、物品を支持面に支持させることができる。
【0071】
一態様として、前記第2フォークの前記支持部と前記第1フォークとは、床面に固定されて上下方向に延在する一対の固定部材の間において前記物品の受け渡しを行うように構成され、上下方向視で前記第2出退方向に直交する方向を第2幅方向とし、前記第1フォークとの間で前記物品の受け渡しを行うための前記第2フォークの前記支持部の位置を受渡位置として、一対の前記固定部材は、前記受渡位置にある前記支持部に対して前記第2幅方向の両側に、それぞれ隙間を有して配置され、一対の前記固定部材のそれぞれには、第2案内部が取り付けられ、一対の前記第2案内部のそれぞれは、前記支持部が前記受渡位置にある状態の前記第1案内部よりも上側であって上下方向視で前記隙間と重複するように配置され、前記第1案内部よりも上側から下降して前記支持面に載置される前記物品の前記第2幅方向の位置の案内を行うように構成されていると、好適である。
【0072】
本構成によれば、一対の固定部材と受渡位置にある支持部との間に第2幅方向の隙間がある場合であって、第1フォークから第2フォークに物品を渡す際の物品の水平方向の位置が、当該隙間にはみ出すようにずれていた場合であっても、物品の水平方向の位置を適切な位置に案内しつつ、物品を支持面に支持させることができる。
【0073】
一態様として、前記第2フォークの前記支持部と前記第1フォークとは、床面に固定されて上下方向に延在する一対の固定部材の間において前記物品の受け渡しを行うように構成され、上下方向視で前記第2出退方向に直交する方向を第2幅方向とし、前記第1フォークとの間で前記物品の受け渡しを行うための前記第2フォークの前記支持部の位置を受渡位置として、一対の前記固定部材は、前記受渡位置にある前記支持部に対して前記第2幅方向の両側に、それぞれ隙間を有して配置され、前記第2移載装置を休止させる場合における前記支持部の停止位置を基準停止位置として、前記支持部が前記基準停止位置に停止した状態での前記第2移載装置全体の配置領域が、一対の前記固定部材に挟まれた領域と上下方向視で重複しないと、好適である。
【0074】
本構成によれば、地震等の振動で床面が揺れた場合であっても、第2移載装置と固定部材とが干渉する可能性を低減することができる。
【0075】
一態様として、前記第1移載装置を上下方向及び水平方向の少なくとも一方に移動させる搬送装置を更に備え、前記搬送装置による前記第1移載装置の移動範囲内に、前記第2移載装置が複数配置され、複数の前記第2移載装置は、前記第2出退機構による前記第2フォークの出退によって、前記第1フォークから受け取った前記物品をそれぞれの前記第2移載装置に対応して予め定められた移動先に移動させるように構成され、それぞれの前記第2移載装置の前記第2出退機構による前記第2フォークの出退量は、前記移動先と前記第2移載装置の設置位置とに応じて設定されていると、好適である。
【0076】
本構成によれば、第1移載装置に保持させた物品を搬送装置により搬送し、複数の第2移載装置のいずれかに渡し、当該第2移載装置により移動先に物品を移動させることができる。また、第2移載装置により、物品をいずれかの移動先から移動させて第1移載装置に渡し、別の場所へ搬送することができる。また本構成によれば、第2移載装置における第2フォークの出退量が、それぞれの移動先と第2移載装置の設置位置とに応じて設定されているため、第2移載装置の配置場所や用途に応じて、第2移載装置により適切に物品の移載を行うことができる。
【0077】
一態様として、前記物品は参拝対象物であり、前記第1移載装置を上下方向及び水平方向の少なくとも一方に移動させる搬送装置を更に備え、前記第2移載装置は、参拝者による参拝が行われる参拝部に対応する位置に配置され、前記第1移載装置及び前記搬送装置は、前記参拝対象物を保管する複数の保管部と前記第2移載装置との間で、前記参拝対象物を搬送するように構成され、前記第2移載装置は、前記第2出退機構による前記第2フォークの出退によって、前記第1フォークから受け取って前記支持部に支持した前記参拝対象物を、前記参拝部に設定された参拝位置に配置することができるように構成されている。
【0078】
本構成によれば、保管部に保管された参拝対象物を参拝部に設定された参拝位置まで移動させることができると共に、当該参拝対象物を参拝位置から保管部に移動させることができる。また本構成によれば、このような参拝対象物の移動に際して、第1フォークから第2フォークに直接物品を移載することができ、第2フォーク上に支持された参拝対象物を、移載することなく直接参拝位置に配置することができる。従って、参拝対象物の移動のための構成の簡素化を図り易く、延いては、設備の保守を容易にすることが可能となる。
【0079】
一態様として、前記保管部と前記参拝位置との間に仕切り壁が設けられ、前記第2移載装置を休止させる場合における前記支持部の停止位置を基準停止位置として、前記支持部が前記基準停止位置に停止した状態で、前記支持部が、前記仕切り壁よりも前記参拝部の側に配置される。
【0080】
本構成によれば、第2移載装置の故障修理やメンテナンスを行う場合に、作業者が仕切り壁よりも参拝部の側から第2移載装置に到達し易い。従って、故障修理やメンテナンスの容易性を高め易い。
【符号の説明】
【0081】
10 :物品搬送設備
11 :物品
11b :被支持面
14 :搬送装置
15 :仕切り壁
20 :第1移載装置
21 :第1フォーク
22 :第1出退機構
23 :第1昇降機構
40 :第2移載装置
41 :第2フォーク
42 :第2出退機構
45 :フォーク本体
50 :受渡補助部材
51 :支持部
51a :支持面
52 :基部
53 :連結部
55 :連通部
56 :第1案内部
60 :固定部材
62 :第2案内部
70 :参拝者
E1 :上側の空間
E2 :フォーク配置空間
E40 :第2空間(参拝部)
P1 :第1位置(保管部)
P2 :第2位置(移動先,参拝位置)
P41 :第2中立位置(基準停止位置)
P42 :第2受渡位置(受渡位置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10