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特開2024-100436作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100436
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20240101AFI20240719BHJP
【FI】
G06Q50/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004433
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 星子
(72)【発明者】
【氏名】中野 晋
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC01
5L050CC01
(57)【要約】
【課題】作業現場の生産性の低下を抑制すること。
【解決手段】作業現場の管理システムは、第1タンクを有する第1無人車両が第1タンクに収容されている液体を消費しながら作業現場の第1目的地に向かって走行するように第1無人車両に走行指令を出力するアサイン部と、第1タンクに収容されている液体の残量を示す第1残量、及び第2無人車両が有する第2タンクに収容されている液体の残量を示す第2残量を監視する残量管理部と、を備える。アサイン部は、第1残量が予め定められている閾値以下になり、第2残量が第1残量を上回る且つ第2タンクに収容されている液体の残量が第1目的地に向かって走行するのに十分な油が収容されているアサイン変更条件を満足すると判定した場合、第2無人車両が第1目的地に向かって走行するように第2無人車両に走行指令を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1タンクを有する第1無人車両が前記第1タンクに収容されている液体を消費しながら作業現場の第1目的地に向かって走行するように前記第1無人車両に走行指令を出力するアサイン部と、
前記第1タンクに収容されている液体の残量を示す第1残量、及び第2無人車両が有する第2タンクに収容されている液体の残量を示す第2残量を監視する残量管理部と、を備え、
前記アサイン部は、前記第1残量が予め定められている閾値以下になり、前記第2残量が第1目的地に向かって走行するのに十分な油が収容されているアサイン変更条件を満足すると判定した場合、前記第2無人車両が前記第1目的地に向かって走行するように前記第2無人車両に走行指令を出力する、
作業現場の管理システム。
【請求項2】
前記第1無人車両及び前記第2無人車両のそれぞれは、走行のための駆動力を発生するエンジンを有し、
前記液体は、前記エンジンの燃料である油であり、
前記液体を消費することは、前記エンジンにおいて油を燃焼させることを含む、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項3】
前記アサイン部は、前記アサイン変更条件を満足すると判定した場合、前記第1無人車両を前記第1目的地よりも前記第1無人車両に近い第2目的地に向かって走行するように前記第1無人車両に走行指令を出力する、
請求項2に記載の作業現場の管理システム。
【請求項4】
前記第1無人車両及び前記第2無人車両のそれぞれは、無人運搬車両であり、
前記第1目的地は、積込作業が実施される第1積込場であり、
前記第2目的地は、積込作業が実施される第2積込場である、
請求項3に記載の作業現場の管理システム。
【請求項5】
前記第1無人車両及び前記第2無人車両のそれぞれは、無人運搬車両であり、
前記第1目的地は、積込作業が実施される第1積込場であり、
前記第2目的地は、前記第1タンクに油を補給する補給場である、
請求項3に記載の作業現場の管理システム。
【請求項6】
前記第1無人車両及び前記第2無人車両のそれぞれは、無人散水車両であり、
前記第1目的地は、散水作業が実施される第1散水場であり、
前記第2目的地は、散水作業が実施される第2散水場である、
請求項3に記載の作業現場の管理システム。
【請求項7】
前記第1無人車両及び前記第2無人車両のそれぞれは、無人散水車両であり、
前記第1目的地は、散水作業が実施される第1散水場であり、
前記第2目的地は、前記第1タンクに油を補給する補給場である、
請求項3に記載の作業現場の管理システム。
【請求項8】
前記アサイン部は、前記アサイン変更条件を満足すると判定した場合、前記第2目的地に向かって走行している前記第2無人車両が前記第1目的地に向かって走行するように前記第2無人車両に走行指令を出力する、
請求項4又は請求項6に記載の作業現場の管理システム。
【請求項9】
前記アサイン部は、前記アサイン変更条件を満足すると判定した場合、待機場で待機している前記第2無人車両が前記第1目的地に向かって走行するように前記第2無人車両に走行指令を出力する、
請求項4又は請求項6に記載の作業現場の管理システム。
【請求項10】
前記第1無人車両及び前記第2無人車両のそれぞれは、無人散水車両であり、
前記液体は、散布される水であり、
前記液体を消費することは、水を散布することを含む、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項11】
前記アサイン部は、前記アサイン変更条件を満足すると判定した場合、前記第1無人車両を前記第1目的地よりも前記第1無人車両に近い第2目的地に向かって走行するように前記第1無人車両に走行指令を出力する、
請求項10に記載の作業現場の管理システム。
【請求項12】
前記第1目的地は、散水作業が実施される第1散水場であり、
前記第2目的地は、散水作業が実施される第2散水場である、
請求項11に記載の作業現場の管理システム。
【請求項13】
前記第1目的地は、散水作業が実施される第1積込場であり、
前記第2目的地は、前記第1タンクに水を補給する補給場である、
請求項11に記載の作業現場の管理システム。
【請求項14】
前記アサイン部は、前記アサイン変更条件を満足すると判定した場合、前記第2目的地に向かって走行している前記第2無人車両が前記第1目的地に向かって走行するように前記第2無人車両に走行指令を出力する、
請求項12に記載の作業現場の管理システム。
【請求項15】
前記アサイン部は、前記アサイン変更条件を満足すると判定した場合、待機場で待機している前記第2無人車両が前記第1目的地に向かって走行するように前記第2無人車両に走行指令を出力する、
請求項12に記載の作業現場の管理システム。
【請求項16】
第1タンクを有する第1無人散水車両が前記第1タンクに収容されている水を散布しながら作業現場の第1目的地に向かって走行するように前記第1無人散水車両に走行指令を出力するアサイン部と、
前記第1タンクに収容されている水の残量を示す第1残量を監視する残量監視部と、を備え、
前記アサイン部は、前記第1残量が予め定められている閾値以下になるアサイン変更条件を満足すると判定した場合、第2タンクを有する第2無人散水車両が前記第2タンクに水を補給する補給場に向かって走行するように前記第2無人散水車両に走行指令を出力する、
作業現場の管理システム。
【請求項17】
前記アサイン部は、前記第2タンクに水が補給された前記第2無人散水車両が前記第1目的地に向かって走行するように前記第2無人散水車両に走行指令を出力する、
請求項16に記載の作業現場の管理システム。
【請求項18】
前記アサイン部は、前記アサイン変更条件を満足すると判定した場合、前記第1無人散水車両が前記補給場に向かって走行するように前記第1無人散水車両に走行指令を出力する、
請求項17に記載の作業現場の管理システム。
【請求項19】
第1タンクを有する第1無人車両が前記第1タンクに収容されている液体を消費しながら作業現場の第1目的地に向かって走行するように前記第1無人車両に走行指令を出力することと、
前記第1タンクに収容されている液体の残量を示す第1残量、及び第2無人車両が有する第2タンクに収容されている液体の残量を示す第2残量を監視することと、
前記第1残量が予め定められている閾値以下になり、前記第2残量が前記第1残量を上回るアサイン変更条件を満足すると判定した場合、前記第2無人車両が前記第1目的地に向かって走行するように前記第2無人車両に走行指令を出力することと、を含む、
作業現場の管理方法。
【請求項20】
第1タンクを有する第1無人散水車両が前記第1タンクに収容されている水を散布しながら作業現場の第1目的地に向かって走行するように前記第1無人散水車両に走行指令を出力することと、
前記第1タンクに収容されている水の残量を示す第1残量を監視することと、
前記第1残量が予め定められている閾値以下になるアサイン変更条件を満足すると判定した場合、第2タンクを有する第2無人散水車両が前記第2タンクに水を補給する補給場に向かって走行するように前記第2無人散水車両に走行指令を出力することと、を含む、^ 作業現場の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
作業現場において、無人車両が稼働する場合がある。例えば特許文献1に開示されているように、無人車両として、無人運搬車両及び無人散水車両が稼働する場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0288769号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無人車両の動力源がエンジンである場合、無人車両は、燃料を消費しながら目的地に向かって走行する。無人車両が目的地に到着する前に燃料が無くなると、無人車両は、走路上で立ち往生し、作業目的を達成できなくなる。さらに、立ち往生したトラックが走路を塞ぎ、後続のトラックが走行できなくなる場合や、立ち往生したトラックをよける際にコースアウトする場合がある。以上の事象より無人車両の作業目的が達成されていないと、作業現場の生産性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、作業現場の生産性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、第1タンクを有する第1無人車両が第1タンクに収容されている液体を消費しながら作業現場の第1目的地に向かって走行するように第1無人車両に走行指令を出力するアサイン部と、第1タンクに収容されている液体の残量を示す第1残量、及び第2無人車両が有する第2タンクに収容されている液体の残量を示す第2残量を監視する残量管理部と、を備える作業現場の管理システムが提供される。アサイン部は、第1残量が予め定められている閾値以下になり、第2残量が第1残量を上回るアサイン変更条件を満足すると判定した場合、第2無人車両が第1目的地に向かって走行するように第2無人車両に走行指令を出力する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る作業現場の管理システムを示す模式図である。
図2図2は、実施形態に係る作業現場を示す模式図である。
図3図3は、実施形態に係る作業現場の管理システムを示す機能ブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る無人運搬車両の走行データを説明するための図である。
図5図5は、実施形態に係る無人運搬車両の管理方法を示す模式図である。
図6図6は、実施形態に係る無人運搬車両の管理方法を示す模式図である。
図7図7は、実施形態に係る無人運搬車両の管理方法を示す模式図である。
図8図8は、実施形態に係る無人運搬車両の管理方法を示すフローチャートである。
図9図9は、実施形態に係る無人散水車両の管理方法を示す模式図である。
図10図10は、実施形態に係る無人散水車両の管理方法を示す模式図である。
図11図11は、実施形態に係る無人散水車両の管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[管理システムの概要]
図1は、実施形態に係る作業現場の管理システム1を示す模式図である。管理システム1は、作業現場で稼働する管理システムを搭載した全ての無人車両と、積込車両とを管理する。無人車両とは、運転者による運転操作によらずに無人で稼働する作業車両をいう。また、管理システム1は、管理対象の無人車両と、積込車両の車格を管理する。実施形態において、作業現場で稼働する無人車両は、無人運搬車両10と無人散水車両20とを含む。無人運搬車両10は、無人で作業現場を走行して積荷を運搬する。無人運搬車両10として、無人ダンプトラックが例示される。無人運搬車両10に運搬される積荷として、作業現場において掘削された掘削物が例示される。無人散水車両20は、無人で作業現場を走行して散水する。無人散水車両20として、無人散水トラックが例示される。無人散水車両20は、作業現場において粉塵又は砂埃が拡散することを抑制するために散水する。
【0011】
管理システム1は、管理装置2と、通信システム3とを備える。管理装置2は、作業現場の管制施設4に設置される。管制施設4に管理者が存在する。管理装置2と無人運搬車両10と無人散水車両20とは、通信システム3を介して無線通信する。通信システム3として、インターネット(internet)、携帯電話通信網、衛星通信網、及びローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)が例示される。
【0012】
無人運搬車両10は、車両本体12と、走行装置13と、ダンプボディ14と、タンク16とを備える。車両本体12は、車体フレームを含む。車両本体12は、走行装置13に支持される。車両本体12は、ダンプボディ14を支持する。走行装置13は、車両本体12を支持した状態で作業現場を走行する。走行装置13は、車輪と、車輪に装着されるタイヤと、エンジンと、ブレーキ装置と、ステアリング装置とを含む。エンジンは、無人運搬車両10を走行させるための駆動力を発生する。タイヤが回転することにより、無人運搬車両10が走行する。ブレーキ装置は、無人運搬車両10を減速又は停止させるための制動力を発生する。ステアリング装置は、無人運搬車両10を旋回させるための操舵力を発生する。ダンプボディ14は、積荷が積載される部材である。ダンプボディ14の少なくとも一部は、車両本体12よりも上方に配置される。タンク16は、走行装置13のエンジンの燃料である油を収容する。エンジンにおいて油が燃焼することにより、無人運搬車両10の走行のための駆動力が発生する。
【0013】
無人散水車両20は、車両本体22と、走行装置23と、タンク24と、タンク26と、散水スプレー28とを備える。車両本体22は、車体フレームを含む。車両本体22は、走行装置23に支持される。車両本体22は、タンク24を支持する。走行装置23は、車両本体22を支持した状態で作業現場を走行する。走行装置23は、車輪と、車輪に装着されるタイヤと、エンジンと、ブレーキ装置と、ステアリング装置とを含む。エンジンは、無人散水車両20を走行させるための駆動力を発生する。タイヤが回転することにより、無人散水車両20が走行する。ブレーキ装置は、無人散水車両20を減速又は停止させるための制動力を発生する。ステアリング装置は、無人散水車両20を旋回させるための操舵力を発生する。タンク24は、散水のための水を貯蔵する部材である。タンク24の少なくとも一部は、車両本体22よりも上方に配置される。タンク26は、走行装置23のエンジンの燃料である油を収容する。エンジンにおいて油が燃焼することにより、無人散水車両20の走行のための駆動力が発生する。散水スプレー28は、タンク24の水を散布する。散水スプレー28は、タンク24の後部に配置される。散水スプレー28は、無人散水車両20の後方に散水する。
【0014】
[作業現場]
図2は、実施形態に係る作業現場を示す模式図である。作業現場として、鉱山又は採石場が例示される。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。鉱山として、金属を採掘する金属鉱山、石灰石を採掘する非金属鉱山、又は石炭を採掘する石炭鉱山が例示される。採石場とは、石材を採掘する場所又は事業所をいう。作業現場において、無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれが稼働する。作業現場には車格が異なる無人運搬車両10と、無人散水車両20と、積込機5とが複数存在する。
【0015】
作業現場に、積込場31、排土場32、待機場33、補給場34、及び走行路36が設けられる。積込場31とは、積込機5が無人運搬車両10に積荷を積み込む積込作業が実施されるエリアをいう。積込機5は、積込場31において稼働する。積込機5として、油圧ショベルが例示される。実施形態において、積込場31は、第1積込場31Aと、第2積込場31Bとを含む。排土場32とは、無人運搬車両10が積荷を排土する排土作業が実施されるエリアをいう。実施形態において、排土場32は、第1排土場32Aと、第2排土場32Bとを含む。本実施形態では第1積込場31Aと、第1排土場32Aとを作業優先度が高いエリアとする。待機場33とは、無人運搬車両10及び無人散水車両20の少なくとも一方が待機(駐機)されるエリアをいう。補給場34とは、無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれが給油され、無人散水車両20が給水されるエリアをいう。補給場34に、油を供給する給油機7が設けられる。補給場34において、エンジンの燃料である油が無人運搬車両10のタンク16又は無人散水車両20のタンク26に供給される。また、補給場34に、水を供給する給水機8が設けられる。補給場34において、散布される水が無人散水車両20のタンク24供給される。走行路36とは、積込場31、排土場32、待機場33、及び補給場34の少なくとも一つに向かう無人車両が走行するエリアをいう。走行路36は、少なくとも積込場31と排土場32とを繋ぐように設けられる。実施形態において、走行路36は、積込場31、排土場32、待機場33、及び補給場34のそれぞれに繋がる。
【0016】
[管理システム]
図3は、実施形態に係る作業現場の管理システム1を示す機能ブロック図である。無人運搬車両10は、制御装置11と、走行装置13と、センサシステム15とを有する。無人散水車両20は、制御装置21と、走行装置23と、センサシステム25と、散水スプレー28とを有する。
【0017】
センサシステム15は、位置センサ15Aと、方位センサ15Bと、速度センサ15Cと、油残量センサ15Dとを含む。位置センサ15Aは、無人運搬車両10の位置を検出する。無人運搬車両10の位置は、全地球航法衛星システム(GNSS)を利用して検出される。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。全地球航法衛星システムは、緯度、経度、及び高度の座標データで規定されるグローバル座標系の位置を検出する。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。位置センサ15Aは、GNSS受信機を含み、無人運搬車両10のグローバル座標系の位置を検出する。方位センサ15Bは、無人運搬車両10の方位を検出する。方位センサ15Bとして、ジャイロセンサが例示される。速度センサ15Cは、無人運搬車両10の走行速度を検出する。速度センサ15Cとして、車輪の回転を検出するパルスセンサが例示される。油残量センサ15Dは、無人運搬車両10のタンク16に収容されている油の残量を検出する。油残量センサ15Dは、タンク16に収容されている油の重量を検出する重量センサでもよいし、タンク16に収容されている油の表面の高さを検出する液位センサでもよい。
【0018】
センサシステム25は、位置センサ25Aと、方位センサ25Bと、速度センサ25Cと、油残量センサ25Dと、水残量センサ25Eとを含む。位置センサ25Aは、無人散水車両20の位置を検出する。位置センサ25Aは、GNSS受信機を含み、無人散水車両20のグローバル座標系の位置を検出する。方位センサ25Bは、無人散水車両20の方位を検出する。方位センサ25Bとして、ジャイロセンサが例示される。速度センサ25Cは、無人散水車両20の走行速度を検出する。速度センサ25Cとして、車輪の回転を検出するパルスセンサが例示される。油残量センサ25Dは、無人散水車両20のタンク26に収容されている油の残量を検出する。油残量センサ25Dは、タンク26に収容されている油の重量を検出する重量センサでもよいし、タンク26に収容されている油の表面の高さを検出する液位センサでもよい。水残量センサ25Eは、無人散水車両20のタンク24に収容されている水の残量を検出する。水残量センサ25Eは、タンク24に収容されている水の重量を検出する重量センサでもよいし、タンク24に収容されている水の表面の高さを検出する液位センサでもよい。
【0019】
管理システム1は、管理装置2と、通信システム3と、制御装置11と、制御装置21とを含む。管理装置2は、コンピュータシステムを含む。管理装置2は、通信インタフェース41と、記憶回路42と、処理回路43とを有する。通信インタフェース41は、処理回路43に接続される。通信インタフェース41は、管理装置2と制御装置11及び制御装置21の少なくとも一方との間の通信を制御する。通信インタフェース41は、通信システム3を介して制御装置11及び制御装置21の少なくとも一方と通信する。
【0020】
記憶回路42は、処理回路43に接続される。記憶回路42は、データを記憶する。記憶回路42として、不揮発性メモリ又は揮発性メモリが例示される。不揮発性メモリとして、ROM(Read Only Memory)又はストレージが例示される。ストレージとして、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)又はソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)が例示される。揮発性メモリとして、RAM(Random Access Memory)が例示される。
【0021】
処理回路43は、演算処理及び制御指令の出力処理を実施する。処理回路43として、プロセッサが例示される。プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)が例示される。コンピュータプログラムが記憶回路42に記憶される。処理回路43は、記憶回路42からコンピュータプログラムを取得して実行することにより、所定の機能を発揮する。
【0022】
処理回路43は、走行データ生成部61と、散水データ生成部62と、残量監視部63と、アサイン部64とを有する。
【0023】
走行データ生成部61は、作業現場に設定される無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれの走行条件を示す走行データを生成する。走行条件は、目標走行経路を示す走行パスを含む。
【0024】
図4は、実施形態に係る無人運搬車両10の走行データを説明するための図である。無人運搬車両10の走行データは、無人運搬車両10の走行条件を規定する。走行データは、コース点101、走行パス102、無人運搬車両10の目標位置、無人運搬車両10の目標方位、及び無人運搬車両10の目標走行速度を含む。コース点101は、作業現場に複数設定される。コース点101は、無人運搬車両10の目標位置を規定する。複数のコース点101のそれぞれに、無人運搬車両10の目標方位及び目標走行速度が設定される。複数のコース点101は、間隔をあけて設定される。コース点101の間隔は、例えば1[m]以上5[m]以下に設定される。コース点101の間隔は、均一でもよいし、不均一でもよい。走行パス102とは、無人運搬車両10の目標走行経路を示す仮想線をいう。走行パス102は、複数のコース点101を通過する軌跡によって規定される。無人運搬車両10は、走行パス102に従って、作業現場を走行する。無人運搬車両10の目標位置とは、コース点101を通過するときの無人運搬車両10の目標位置をいう。無人運搬車両10の目標位置は、無人運搬車両10のローカル座標系において規定されてもよいし、グローバル座標系において規定されてもよい。無人運搬車両10の目標方位とは、コース点101を通過するときの無人運搬車両10の目標方位をいう。無人運搬車両10の目標走行速度とは、コース点101を通過するときの無人運搬車両10の目標走行速度をいう。無人運搬車両10の走行データと同様、無人散水車両20の走行条件を規定する走行データが生成される。走行データ生成部61において生成された走行データは、通信システム3を介して、無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれに送信される。
【0025】
散水データ生成部62は、散水スプレー28を制御するための散水データを設定する。散水データ生成部62により設定される散水データは、散水スプレー28からの散水の実行及び散水の停止を含む。散水データ生成部62により設定される散水データは、散水スプレー28からの散水量を含む。無人散水車両20に散水スプレー28が複数設けられる場合、散水データ生成部62により設定される散水データは、散水を実行する散水スプレー28の数を含む。無人散水車両20の複数の位置のそれぞれに散水スプレー28が設置される場合、散水データ生成部62により設定される散水データは、散水を実行する散水スプレー28の設置位置を含む。また、散水データ生成部62により設定される散水データは、作業現場において散水が実施される散水場を含む。散水場とは、作業現場において無人散水車両20の散水スプレー28から散水されるエリアをいう。散水データ生成部62において生成された走行データは、通信システム3を介して、無人散水車両20に送信される。
【0026】
残量監視部63は、タンク16に収容されている油の残量、タンク26に収容されている油の残量、及びタンク24に収容されている水の残量を監視する。油残量センサ15Dの検出データ、油残量センサ25Dの検出データ、及び水残量センサ25Eの検出データのそれぞれが、通信システム3を介して管理装置2に送信される。残量監視部63は、油残量センサ15Dの検出データに基づいて、タンク16に収容されている油の残量を監視することができる。残量監視部63は、油残量センサ25Dの検出データに基づいて、タンク26に収容されている油の残量を監視することができる。残量監視部63は、水残量センサ25Eの検出データに基づいて、タンク24に収容されている水の残量を監視することができる。
【0027】
アサイン部64は、作業現場の目的地に向かって走行するように、無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれに走行指令を出力する。アサイン部64は、管理装置2によって自動でアサイン又はアサイン変更してもよいし、管制施設4の管理者によってアサイン又はアサイン変更してもよい。例えば無人運搬車両10を第1積込場31Aに向かって走行させる場合、アサイン部64は、目的地である第1積込場31Aに向かって走行するように、無人運搬車両10に走行指令を出力する。例えば無人散水車両20を第1排土場32Aに向かって走行させる場合、アサイン部64は、目的地である第1排土場32Aに向かって走行するように、無人散水車両20に走行指令を出力する。アサイン部64から出力された走行指令は、通信システム3を介して、無人運搬車両10及び無人散水車両20のそれぞれに送信される。
【0028】
制御装置11は、コンピュータシステムを含む。管理装置2と同様、制御装置11は、通信インタフェース、記憶回路、及び処理回路を有する。制御装置11は、走行装置13を制御する走行制御部71を有する。走行制御部71は、管理装置2から送信された走行データに基づいて、走行装置13を制御する。
【0029】
制御装置21は、コンピュータシステムを含む。管理装置2と同様、制御装置21は、通信インタフェース、記憶回路、及び処理回路を有する。制御装置21は、走行装置23を制御する走行制御部81と、散水スプレー28を制御する散水制御部82とを有する。走行制御部81は、管理装置2から送信された走行データに基づいて、走行装置23を制御する。散水制御部82は、管理装置2から送信された散水データに基づいて、散水スプレー28を制御する。
【0030】
走行制御部71は、走行データ及びセンサシステム15の検出データに基づいて、走行装置13を制御する。走行制御部71は、位置センサ15Aの検出データ及び方位センサ15Bの検出データに基づいて、無人運搬車両10が走行パス102に基づいて走行するように、走行装置13を制御する。すなわち、走行制御部71は、コース点101を通過するときに位置センサ15Aにより検出された無人運搬車両10の検出位置とコース点101に設定されている無人運搬車両10の目標位置との偏差が小さくなるように、走行装置13を制御する。また、走行制御部71は、コース点101を通過するときに方位センサ15Bにより検出された無人運搬車両10の検出方位とコース点101に設定されている無人運搬車両10の目標方位との偏差が小さくなるように、走行装置13を制御する。また、走行制御部71は、速度センサ15Cの検出データに基づいて、無人運搬車両10が目標走行速度で走行するように、走行装置13を制御する。すなわち、走行制御部71は、コース点101を通過するときに速度センサ15Cにより検出された無人運搬車両10の検出走行速度とコース点101に設定されている無人運搬車両10の目標走行速度との偏差が小さくなるように、走行装置13を制御する。
【0031】
走行制御部81は、走行データ及びセンサシステム25の検出データに基づいて、走行装置23を制御する。走行制御部81は、位置センサ25Aの検出データ及び方位センサ25Bの検出データに基づいて、無人散水車両20が走行パス102に基づいて走行するように、走行装置23を制御する。また、走行制御部81は、速度センサ25Cの検出データに基づいて、無人散水車両20が目標走行速度で走行するように、走行装置23を制御する。
【0032】
[無人運搬車両の管理方法]
図5図6、及び図7のそれぞれは、実施形態に係る無人運搬車両10の管理方法を示す模式図である。図5に示すように、例えば無人運搬車両10を第1積込場31Aに向かって走行させる場合、アサイン部64は、目的地である第1積込場31Aに向かって走行するように、通信インタフェース41を経由して無人運搬車両10に走行指令を出力する。無人運搬車両10は、走行データに基づいて、第1積込場31Aに向かって走行する。図5に示す例において、無人運搬車両10は、待機場33から第1積込場31Aに向かって走行する。無人運搬車両10の走行により、タンク16に収容されている油がエンジンにおいて燃焼され、タンク16の油が消費される。無人運搬車両10は、タンク16に収容されている油を消費しながら作業現場の第1積込場31Aに向かって走行する。タンク16に十分な油が収容されている場合、無人運搬車両10は、例えば図5のラインLaで示すように、第1積込場31Aまで走行することができる。
【0033】
タンク16に収容されている油が少ない場合、無人運搬車両10は、第1積込場31Aまで走行することが困難になる可能性がある。残量監視部63は、無人運搬車両10のタンク16に収容されている油の残量を監視する。図6に示すように、アサイン部64は、タンク16に収容されている油の残量が予め定められている閾値以下になったと判定した場合且つタンク16に収容されている油の残量が第2積込場31Bに向かって走行するのに十分な油が収容されている場合、無人運搬車両10を第1積込場31Aよりも無人運搬車両10に近い第2積込場31Bに向かって走行するように無人運搬車両10に走行指令を出力する。すなわち、アサイン部64は、タンク16の油の残量が少ないと判定した場合且つ第2積込場31Bに向かって走行するのに十分な油が収容されている場合、無人運搬車両10の目的地を第1積込場31Aから第2積込場31Bに変更する。換言すれば、アサイン部64は、第1積込場31Aにアサインされていた無人運搬車両10を、第2積込場31Bにアサインする。位置センサ15Aにより検出された無人運搬車両10の現況位置は、通信システム3を介して管理装置2に送信される。アサイン部64は、タンク16に収容されている油の残量が予め定められている閾値以下になったと判定した場合、既知データである第1積込場31Aの位置及び第2積込場31Bの位置と、位置センサ15Aにより検出された無人運搬車両10の現況位置とに基づいて、無人運搬車両10の目的地を第1積込場31Aから第2積込場31Bに変更することができる。なお、アサイン部64は、走行データ生成部61により生成される無人運搬車両10の現況位置から第1積込場31Aまでの走行パス102の長さと、無人運搬車両10の現況位置から第2積込場31Bまでの走行パス102の長さとに基づいて、無人運搬車両10の目的地を第1積込場31Aから第2積込場31Bに変更してもよい。タンク16に収容されている油が少ない場合、無人運搬車両10は、例えば図6のラインLbで示すように、第2積込場31Bまで走行して積荷を積み込まれた後、第2排土場32Bまで走行して積荷を排土する。また、第2排土場32Bにおいて積荷を排土した無人運搬車両10は、例えば図6のラインLcで示すように、補給場34に向かって走行する。補給場34において無人運搬車両10のタンク16に油が供給される。なお、タンク16に収容されている油の残量が少なくなった場合、無人運搬車両10は、現況位置から補給場34に向かって走行してもよい。
【0034】
図7に示すように、作業現場に第1無人運搬車両10A(第1無人車両)及び第2無人運搬車両10B(第2無人車両)が存在する場合、残量監視部63は、第1無人運搬車両10Aのタンク16に収容されている油の残量を示す第1残量、及び第2無人運搬車両10Bが有するタンク16に収容されている油の残量を示す第2残量を監視する。第1無人運搬車両10Aが第1積込場31A(第1目的地)に向かって走行している場合において、第1無人運搬車両10Aのタンク16に収容されている油の残量を示す第1残量が予め定められている閾値以下になり、第2無人運搬車両10Bのタンク16に収容されている油の残量を示す第2残量が第1残量を上回る且つ第2無人運搬車両10Bが第1積込場31Aに向かって走行するのに十分な油が収容されているアサイン変更条件を満足すると判定した場合、アサイン部64は、第2無人運搬車両10Bが第1積込場31A(第1目的地)に向かって走行するように第2無人運搬車両10Bに走行指令を出力する。
【0035】
また、アサイン部64は、アサイン変更条件を満足すると判定した場合、第1無人運搬車両10Aを第1積込場31A(第1目的地)よりも第1無人運搬車両10Aに近い第2積込場31B(第2目的地)に向かって走行するように第1無人運搬車両10Aに走行指令を出力する。なお、アサイン部64は、アサイン変更条件を満足する且つ第2積込場31Bに向かって走行するのに十分な油が収容されていないと判定した場合、第1無人運搬車両10Aを第1積込場31A(第1目的地)よりも第1無人運搬車両10Aに近い補給場34(第2目的地)に向かって走行するように第1無人運搬車両10Aに走行指令を出力してもよい。補給場34において第1無人運搬車両10Aのタンク16に油が供給される。
【0036】
すなわち、アサイン部64は、第1無人運搬車両10Aのタンク16に収容されている油の残量が少なくなり、十分な油が収容されているタンク16を有する第2無人運搬車両10Bが存在する場合、第2無人運搬車両10Bを第1積込場31Aにアサインし、第1積込場31Aにアサインされていた第1無人運搬車両10Aを第2積込場31B又は補給場34にアサインする。
【0037】
アサイン部64は、例えば第2積込場31Bにアサインされていた第2無人運搬車両10Bを第1積込場31Aにアサインしてもよいし、待機場33で待機している第2無人運搬車両10Bを第1積込場31Aにアサインしてもよい。すなわち、アサイン部64は、アサイン変更条件を満足すると判定した場合、第2積込場31B(第2目的地)に向かって走行している第2無人運搬車両10Bが第1積込場31A(第1目的地)に向かって走行するように第2無人運搬車両10Bに走行指令を出力し、第1積込場31A(第1目的地)に向かって走行している第1無人運搬車両10Aが第2積込場31B(第2目的地)に向かって走行するように第1無人運搬車両10Aに走行指令を出力してもよい。すなわち、アサイン部64は、アサイン変更条件を満足すると判定した場合、第1無人運搬車両10Aの目的地と第2無人運搬車両10Bの目的地とを入れ換えてもよい。また、アサイン部64は、アサイン変更条件を満足すると判定した場合、待機場33で待機している第2無人運搬車両10Bが第1積込場31A(第1目的地)に向かって走行するように第2無人運搬車両10Bに走行指令を出力し、第1積込場31A(第1目的地)に向かって走行している第1無人運搬車両10Aが補給場34(第2目的地)に向かって走行するように第1無人運搬車両10Aに走行指令を出力してもよい。
【0038】
図7に示す例においては、アサイン変更条件を満足すると判定された場合、ラインLeで示すように、待機場33で待機していた第2無人運搬車両10Bが第1積込場31Aに向かって走行し、ラインLdで示すように、第1無人運搬車両10Aが現況位置から補給場34に向かって走行する。
【0039】
図8は、実施形態に係る無人運搬車両10の管理方法を示すフローチャートである。フロー開始条件として管理装置2または、管制施設4の管理者によって第1無人運搬車両10Aを第1積込場31Aにアサインまたは変更を開始する。アサイン部64は、第1無人運搬車両10Aを第1積込場31Aにアサインする(ステップSA1)。第1無人運搬車両10Aのタンク16に収容されている油の残量を示す第1残量、及び第2無人運搬車両10Bが有するタンク16に収容されている油の残量を示す第2残量が、残量監視部63により監視される。アサイン部64は、第1残量が予め定められている閾値以下になり、第2残量が第1残量を上回るアサイン変更条件を満足するか否かを判定する(ステップSA2)。
【0040】
ステップSA2において、アサイン変更条件を満足すると判定した場合(ステップSA2:Yes)、アサイン部64は、第1無人運搬車両10Aを第2積込場31Bにアサイン可能か否かを判定する(ステップSA3)。すなわち、アサイン部64は、第1残量と第1無人運搬車両10Aの燃費とに基づいて、第1無人運搬車両10Aが現況位置から第2積込場31Bまで走行可能か否かを判定する。つまり、アサイン部64は、第1無人運搬車両10Aが現況位置から第2積込場31Bまで走行できるだけの油がタンク16に残っているか否かを判定する。
【0041】
ステップSA3において、第1無人運搬車両10Aを第2積込場31Bにアサイン可能であると判定した場合(ステップSA3:Yes)、アサイン部64は、第1無人運搬車両10Aを第2積込場31Bにアサインする(ステップSA4)。第1無人運搬車両10Aの目的地は、第1積込場31Aから第2積込場31Bに変更される。第1無人運搬車両10Aは、第2積込場31Bに向かって走行する。
【0042】
タンク16に十分な油が収容されている第2無人運搬車両10Bが複数存在する場合、アサイン部64は、第1積込場31Aにアサイン可能な第2無人運搬車両10Bを選択する(ステップSA5)。アサイン部64は、複数の第2無人運搬車両10Bのうち、第1積込場31Aに最も近い第2無人運搬車両10Bを選択してもよい。すなわち、アサイン部64は、複数の第2無人運搬車両10Bのそれぞれの現況位置と第1積込場31Aの位置とに基づいて、第1積込場31Aまでの走行距離が最も近い第2無人運搬車両10Bを選択してもよい。車格が異なる第2無人運搬車両10Bが複数存在する場合、アサイン先の積込機にマッチングする第2無人運搬車両10Bを選択してもよい。アサイン部64は、選択した第2無人運搬車両10Bを第1積込場31Aにアサインする(ステップSA6)。選択された第2無人運搬車両10Bは、第1積込場31Aに向かって走行する。
【0043】
ステップSA3において、第1無人運搬車両10Aを第2積込場31Bにアサイン可能でないと判定した場合(ステップSA3:No)、アサイン部64は、第1無人運搬車両10Aを補給場34にアサインする(ステップSA7)。第1無人運搬車両10Aの目的地は、第1積込場31Aから補給場34に変更される。第1無人運搬車両10Aは、補給場34に向かって走行する。
【0044】
以上、無人運搬車両10について説明した。無人散水車両20も同様である。第1無人散水車両20Aがタンク26に収容されている油をエンジンで消費しながら第1目的地に向かって走行しているときに、第1無人散水車両20Aのタンク26に収容されている油の残量を示す第1残量が閾値以下になり、第2無人散水車両20Bのタンク26に収容されている油の残量を示す第2残量が第1残量を上回るアサイン変更条件を満足すると判定された場合、第1無人散水車両20Aの目的地が第1目的地から第2目的地に変更され、第2無人散水車両20Bが第1目的地にアサインされてもよい。無人散水車両20の第1目的地は、散水データ生成部62により設定された散水作業が実施される第1散水場でもよい。無人散水車両20の第2目的地は、散水データ生成部62により設定された散水作業が実施される第2散水場でもよい。無人散水車両20の第2目的地は、第1無人散水車両20Aのタンク26に油を補給する補給場34でもよい。
【0045】
[無人散水車両の管理方法]
図9及び図10のそれぞれは、実施形態に係る無人散水車両20の管理方法を示す模式図である。無人散水車両20は、散水スプレー28で散水しながら、例えば待機場33から第1積込場31A(第1散水場)に向かって走行する場合がある。散水スプレー28で散水しながら無人散水車両20が走行することにより、タンク24に収容されている水が散布され、タンク24の水が消費される。タンク24に十分な水が収容されている場合、無人散水車両20は、第1積込場31Aまで走行しながら散水し続けることができる。
【0046】
タンク24に収容されている水が少ない場合、無人散水車両20は、第1積込場31Aまで走行しながら散水し続けることが困難になる可能性がある。残量監視部63は、無人散水車両20のタンク24に収容されている水の残量を監視する。作業現場に第1無人散水車両20A(第1無人車両)及び第2無人散水車両20B(第2無人車両)が存在する場合、残量監視部63は、第1無人散水車両20Aのタンク24に収容されている水の残量を示す第1残量、及び第2無人散水車両20Bが有するタンク24に収容されている水の残量を示す第2残量を監視する。第1無人散水車両20Aが第1積込場31A(第1目的地)に向かって走行している場合において、第1無人散水車両20Aのタンク24に収容されている水の残量を示す第1残量が予め定められている閾値以下になり、第2無人散水車両20Bのタンク24に収容されている水の残量を示す第2残量が第1残量を上回るかつ第2無人散水車両20Bが第1積込場31Aに向かって散水するのに十分な水が収容されているアサイン変更条件を満足すると判定した場合、アサイン部64は、第2無人散水車両20Bが第1積込場31A(第1目的地、第1散水場)に向かって走行するように第2無人散水車両20Bに走行指令を出力する。
【0047】
また、アサイン部64は、アサイン変更条件を満足すると判定した場合、第1無人散水車両20Aを第1積込場31A(第1目的地、第1散水場)よりも第1無人散水車両20Aに近い第2積込場31B(第2目的地、第2散水場)に向かって走行するように第1無人散水車両20Aに走行指令を出力する。なお、アサイン部64は、アサイン変更条件を満足すると判定した場合、第1無人散水車両20Aを第1積込場31A(第1目的地、第1散水場)よりも第1無人散水車両20Aに近い補給場34(第2目的地)に向かって走行するように第1無人散水車両20Aに走行指令を出力してもよい。補給場34において第1無人散水車両20Aのタンク24に水が供給される。
【0048】
すなわち、アサイン部64は、第1無人散水車両20Aのタンク24に収容されている水の残量が少なくなり、十分な水が収容されているタンク24を有する第2無人散水車両20Bが存在する場合、第2無人散水車両20Bを第1散水場にアサインし、第1散水場にアサインされていた第1無人散水車両20Aを第2散水場又は補給場34にアサインする。
【0049】
アサイン部64は、例えば第2散水場にアサインされていた第2無人散水車両20Bを第1散水場にアサインしてもよいし、待機場33で待機している第2無人散水車両20Bを第1散水場にアサインしてもよい。すなわち、アサイン部64は、アサイン変更条件を満足すると判定した場合、第2散水場(第2目的地)に向かって走行している第2無人散水車両20Bが第1散水場(第1目的地)に向かって走行するように第2無人散水車両20Bに走行指令を出力し、第1散水場(第1目的地)に向かって走行している第1無人散水車両20Aが第2散水場(第2目的地)に向かって走行するように第1無人散水車両20Aに走行指令を出力してもよい。すなわち、アサイン部64は、アサイン変更条件を満足すると判定した場合、第1無人散水車両20Aの目的地と第2無人散水車両20Bの目的地とを入れ換えてもよい。また、アサイン部64は、アサイン変更条件を満足すると判定した場合、待機場33で待機している第2無人散水車両20Bが第1散水場(第1目的地)に向かって走行するように第2無人散水車両20Bに走行指令を出力し、第1散水場(第1目的地)に向かって走行している第1無人散水車両20Aが補給場34(第2目的地)に向かって走行するように第1無人散水車両20Aに走行指令を出力してもよい。
【0050】
図9に示す例において、アサイン部64は、タンク24を有する第1無人散水車両20Aがタンク24に収容されている水を散水スプレー28で散布しながら作業現場の第1目的地(例えば第1積込場31A)に向かって走行するように第1無人散水車両20Aに走行指令を出力する。第1無人散水車両20Aは、図9の矢印Lfで示すように、例えば第1積込場31Aに向かって走行する。残量監視部63は、タンク24に収容されている水の残量を示す第1残量を監視する。アサイン部64は、第1残量が予め定められている閾値以下になるアサイン変更条件を満足すると判定した場合、タンク24を有する第2無人散水車両20Bがタンク24に水を補給する補給場34に向かって走行するように第2無人散水車両20Bに走行指令を出力する。図9の矢印Lgで示すように、例えば待機場33に待機していた第2無人散水車両20Bが補給場34に向かって走行する。
【0051】
図10に示すように、アサイン部64は、タンク24に水が補給された第2無人散水車両20Bが第1目的地(例えば第1積込場31A)に向かって走行するように第2無人散水車両20Bに走行指令を出力する。また、アサイン部64は、アサイン変更条件を満足すると判定した場合、第1無人散水車両20Aが補給場34に向かって走行するように第1無人散水車両20Aに走行指令を出力する。補給場34において、第1無人散水車両20Aのタンク24に水が供給される。
【0052】
図11は、実施形態に係る無人散水車両20の管理方法を示すフローチャートである。フロー開始条件として管理装置2または、管制施設4の管理者によって第1無人散水車両20Aを第1積込場31Aにアサインまたは変更を開始する。アサイン部64は、第1無人散水車両20Aを第1散水場として第1積込場31Aにアサインする(ステップSB1)。第1無人散水車両20Aのタンク24に収容されている水の残量を示す第1残量が、残量監視部63により監視される。アサイン部64は、第1残量が予め定められている閾値以下になるアサイン変更条件を満足するか否かを判定する(ステップSB2)。
【0053】
ステップSB2において、アサイン変更条件を満足すると判定した場合(ステップSB2:Yes)、アサイン部64は、待機場33又は第2散水場に存在する第2無人散水車両20Bを補給場34にアサインする(ステップSB3)。補給場34において第2無人散水車両20Bのタンク24に水が供給される。補給場34において第2無人散水車両20Bのタンク24に水が供給された後、アサイン部64は、タンク24に水が補給された第2無人散水車両20Bを第1積込場31Aにアサインする(ステップSB4)。第2無人散水車両20Bは、タンク24の水を消費しながら第1積込場31Aに向かって走行する。アサイン部64は、第1無人散水車両20Aを補給場34にアサインする(ステップSB5)。第1無人散水車両20Aの目的地は、第1積込場31Aから補給場34に変更される。第1無人散水車両20Aは、補給場34に向かって走行する。
【0054】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、作業現場の管理システム1は、タンク16を有する第1無人運搬車両10Aがタンク16に収容されている液体である油を消費しながら作業現場の第1目的地に向かって走行するように第1無人運搬車両10Aに走行指令を出力するアサイン部64と、タンク16に収容されている油の残量を示す第1残量、及び第2無人運搬車両10Bが有するタンク16に収容されている油の残量を示す第2残量を監視する残量監視部63と、を備える。アサイン部64は、第1残量が予め定められている閾値以下になり、第2残量が第1残量を上回る且つ第2無人運搬車両10Bが第1積込場31Aに向かって走行するのに十分な油が収容されているアサイン変更条件を満足すると判定した場合、第2無人運搬車両10Bが第1目的地に向かって走行するように第2無人運搬車両10Bに走行指令を出力する。
【0055】
また、作業現場の管理システム1は、タンク26を有する第1無人散水車両20Aがタンク26に収容されている液体である油を消費しながら作業現場の第1目的地に向かって走行するように第1無人散水車両20Aに走行指令を出力するアサイン部64と、タンク26に収容されている油の残量を示す第1残量、及び第2無人散水車両20Bが有するタンク26に収容されている油の残量を示す第2残量を監視する残量監視部63と、を備える。アサイン部64は、第1残量が予め定められている閾値以下になり、第2残量が第1残量を上回る且つ第2無人散水車両20Bが第1積込場31Aに向かって走行するのに十分な油が収容されているアサイン変更条件を満足すると判定した場合、第2無人散水車両20Bが第1目的地に向かって走行するように第2無人散水車両20Bに走行指令を出力する。
【0056】
実施形態によれば、例えば第1無人運搬車両10Aが第1目的地に到着する前に油が無くなりそうになっても、第2無人運搬車両10Bが第1目的地に向かって走行するので、無人運搬車両10の作業目的が達成される。無人運搬車両10の作業目的として、積込作業目的又は排土作業目的が例示される。無人運搬車両10の作業目的が達成されるので、作業現場の生産性が低下することが抑制される。無人散水車両20についても同様である。無人散水車両20の作業目的として、散水作業目的が例示される。無人運搬車両10の作業目的が達成されるので、作業現場の生産性が低下することが抑制される。
【0057】
また、作業現場の管理システム1は、タンク24を有する第1無人散水車両20Aがタンク24に収容されている液体である水を消費しながら作業現場の第1目的地に向かって走行するように第1無人散水車両20Aに走行指令を出力するアサイン部64と、タンク24に収容されている水の残量を示す第1残量、及び第2無人散水車両20Bが有するタンク24に収容されている水の残量を示す第2残量を監視する残量監視部63と、を備える。アサイン部64は、第1残量が予め定められている閾値以下になり、第2残量が第1残量を上回るアサイン変更条件を満足すると判定した場合、第2無人散水車両20Bが第1目的地に向かって走行するように第2無人散水車両20Bに走行指令を出力する。
【0058】
実施形態によれば、例えば第1無人散水車両20Aが第1目的地に到着する前に水が無くなりそうになっても、第2無人散水車両20Bが第1目的地に向かって走行するので、無人散水車両20の作業目的が達成される。無人散水車両20の作業目的として、散水作業目的が例示される。無人散水車両20の作業目的が達成されるので、作業現場の生産性が低下することが抑制される。
【符号の説明】
【0059】
1…管理システム、2…管理装置、3…通信システム、4…管制施設、5…積込機、7…給油機、8…給水機、10…無人運搬車両、10A…第1無人運搬車両、10B…第2無人運搬車両、11…制御装置、12…車両本体、13…走行装置、14…ダンプボディ、15…センサシステム、15A…位置センサ、15B…方位センサ、15C…速度センサ、15D…油残量センサ、16…タンク、20…無人散水車両、20A…第1無人散水車両、20B…第2無人散水車両、21…制御装置、22…車両本体、23…走行装置、24…タンク、25…センサシステム、25A…位置センサ、25B…方位センサ、25C…速度センサ、25D…油残量センサ、25E…水残量センサ、26…タンク、28…散水スプレー、31…積込場、31A…第1積込場、31B…第2積込場、32…排土場、32A…第1排土場、32B…第2排土場、33…待機場、34…補給場、36…走行路、41…通信インタフェース、42…記憶回路、43…処理回路、61…走行データ生成部、62…散水データ生成部、63…残量監視部、64…アサイン部、71…走行制御部、81…走行制御部、82…散水制御部、101…コース点、102…走行パス。
図1
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