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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100440
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】植物支持具
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/12 20060101AFI20240719BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20240719BHJP
【FI】
A01G9/12 D
A01G9/02 101W
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004438
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】神蔵 雄生
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 保雄
【テーマコード(参考)】
2B023
2B327
【Fターム(参考)】
2B023AC02
2B023AD22
2B023AH10
2B327ND01
2B327VA02
(57)【要約】
【課題】植物の地上部の自重による傾きを防止し植物の地上部を支持する植物支持具を提供する。
【解決手段】植物2の葉または茎の周囲を囲う外周部91を備え、外周部91は、植物2の生長方向に沿って伸縮することができることを特徴とする。また、上部が開放された栽培容器20の上部に固定するための接続部92を有することが好ましい。また、外周部91は、塑性変形が可能な金属でスプリング形状に形成されていることが好ましい。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の葉または茎の周囲を囲う外周部を備え、
前記外周部は、前記植物の生長方向に沿って伸縮することができることを特徴とする植物支持具。
【請求項2】
上部が開放された栽培容器の上部に固定するための接続部を有することを特徴とする請求項1に記載の植物支持具。
【請求項3】
前記外周部は、塑性変形が可能な金属でスプリング形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の植物支持具。
【請求項4】
前記生長方向に対し、前記外周部の直径が下端部から上端部にかけて大きくなっていることを特徴とする請求項3に記載の植物支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水耕栽培などに使用される栽培装置における植物を支持する植物支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の栽培装置の一例として、植物の根を培養液に浸漬させて栽培する水耕栽培において、品質低下を防ぐためには栽培過程で生育の偏りを抑えるように調整する必要がある。例えば、特許文献1では植物の生育に応じて、植物の地上部が偏ることを防止するため植物を植えている基部の下方に回転翼を設置し、回転翼が気流によって回転することで基部全体が回転し、植物の生育の偏りを抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-23159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成において、回転作用によって植物の横方向の生育に偏りが生じることを防ぐ構成となっているが、高さ方向に対する葉または茎の支持機構が無いため、植物の茎、葉の自重による傾きで生育の偏りが生じることに対応していない。そのため水耕栽培や土耕栽培で植物の葉または茎の生育量が増加することで、自重により葉または茎が傾き、生産物の品質低下を招くことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明に係る植物支持具は、
植物の葉または茎の周囲を囲う外周部を備え、
前記外周部は、前記植物の生長方向に沿って伸縮することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、外周部が生長方向に沿って伸縮可能であることで、外周部の位置を植物の生長に応じて調整することができる。これにより、葉または茎の高さに応じて、植物の自重による傾きを防止することができる。結果として、偏りの少ない植物の均質な生育を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る水耕栽培装置。
図2】本発明の実施形態に係る植物支持具の説明図。
図3】本発明の実施形態に係る植物支持具の接続構成の説明図。
図4】本発明の実施形態に係る植物支持具の上面図。
図5】本発明の実施形態に係る植物支持具の他の態様の説明図。
図6】本発明の実施形態に係る培地の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の植物支持具90およびそれを用いた水耕栽培装置1について図1を用いて説明する。本発明の実施形態に係る水耕栽培装置1は、図1に示すように栽培槽10、栽培容器20、栽培パネル30、第1の循環ポンプ40a、第2の循環ポンプ40b、培地50、照明装置60、植物支持具90によって構成されている。なお、本実施形態で説明する水耕栽培装置1は一例として根菜類の生育に好適な栽培装置となっている。
【0009】
栽培槽10には植物の生育に必要な栄養分が含まれた培養液5が貯留されており、栽培中は常に第1の循環ポンプ40aを稼働させることにより培養液5は栽培槽10を循環している。必要に応じて第2の循環ポンプ40bを稼働して栽培槽10中の培養液5を植物2の茎元に与えても良い。
【0010】
培養液5は植物2の生育に必要な栄養素を含んだ液を指し、植物2が根から栽培容器20の中に湛水された培養液5を吸収し、栄養を植物内部に取り込む。培養液5は市販の水耕栽培用の肥料を市水で希釈して使用しても良い。市販の水耕栽培用の培養液5として、例えばOATアグリオ株式会社製のOATハウスS1号、OATハウス2号、OATハウス5号を配合し、濃度を調整して用いることができる。
【0011】
栽培槽10の中に貯留している培養液5の濃度は適宜調整して供給されてもよい。例えば培養液中の電気伝導度(EC)値が設定数値に対し低ければ、設定値に近づけるように濃縮した培養液5を供給し、設定値より高ければ市水等を供給して薄めて調整しても良い。pHを調整する場合は、設定数値に対し低ければ設定値に近づけるように水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を投入して調整し、設定値より高ければリン酸等を投入して調整しても良い。その他にも培養液5の水位、溶存酸素濃度、培養液5に含まれる各種成分等の調整をしても良い。
【0012】
本実施形態に係る栽培容器20は栽培槽10の上に設置されている。栽培容器20ひとつ当たり少なくとも1株以上の植物2を栽培することができる。栽培容器20の形状は例えば円筒形状でもよく、あるいは多角形の筒形状でもよい。栽培容器20は側面下部に穴が空けられており、栽培槽10に満たされた培養液5が栽培容器20の中に流入できるようになっている。栽培槽10の上に栽培容器20が安定的に設置できさえすれば穴の形状、大きさは特に限定されない。栽培容器20の高さは栽培槽10に収められた培養液5の水面より高いことが好適である。
【0013】
栽培パネル30は、栽培容器20の位置を固定し、栽培する植物の位置を決める役割を有する。栽培パネル30には少なくとも1ヶ所以上の栽培容器20を設置するための穴が設けられている。この穴の間隔は、栽培する植物の株数にもよるが隣り合う植物の葉および茎が接触しない距離で設けられていることが好ましい。栽培パネル30は同一面に一体化されていても良いし、分割したものが接続されていても良い。
【0014】
また、栽培パネル30は培養液中に藻が発生することを防ぐために、栽培槽10の上に設置された後述の照明装置60から発される光が培養液に照射されないように遮光する機能、あるいはかつ上部に位置する照明装置60から発される光がその表面で反射し植物2の葉に光が効率的に照射される機能を付与しても良く、これらの機能を複数同時に兼ねることが好ましい。この場合植物2の葉に光を効率的に照射するための栽培パネル30の色として、例えば白色材料が好適である。栽培パネル30の材料としては、例えば、PVC樹脂、ABS樹脂、発泡スチロール等を用いることができる。
【0015】
照明装置60は植物の生長に必要な光を照射するために用いられる。照明装置60は栽培容器20の上部に配置され、照明装置60の下部に位置する植物2に向かって光が照射される。照明装置の種類として例えば複数のチップからなるLED、高圧ナトリウムランプ、蛍光灯等を使用できる。本発明の水耕栽培装置1に用いる照明装置60の光源において植物2の生育を促進するためには、植物の光合成に寄与する波長400~700nmの光を発するLEDを使うことが好適である。照明装置60を用いて栽培する場合、例えば白色の光を発するLEDチップを用いることが可能である。
【0016】
培地50は、植物2の種子3を支持可能であり、水分を含ませることで、発芽を促すと共に、植物2を栽培する際の通気性および保水性を高め、植物2の根を支え、生長に必要な栄養分を供給するために用いられる。培地50として好ましい材質として、例えばスポンジ状のウレタン、ロックウールなどがある。種子3を置く位置を一定の位置にするために培地50の上部に窪みを設けても良い、特に大根を栽培する場合、効率よく下に伸長するためには培地50の上下に貫通する空洞が設けられていることが望ましい。さらに空洞は種子3のサイズより小さくすることで播種時に種子3が培地の下に落下することを防ぐようにすることが好ましい。
【0017】
次に、本発明の特徴である植物支持具90について図2図3図4を用いて説明する。図2に示す通り植物支持具90は外周部91と、接続部92によって構成されている。図3では栽培容器20に対して植物支持具90を取り付けた状態について、図4は植物支持具の構成部材である接続部92と外周部91との位置関係について示している。
【0018】
(外周部)
外周部91は植物2の葉または茎の周囲を囲い、葉または茎を支持することができ、かつ、植物2の葉または茎と接する外周部91の高さを調整することができる。生長方向に対する外周部91の高さの調整方法として、例えば亀戸大根を栽培する場合、植物2の全長に対して4割以上の高さに調整することが好ましい。植物2の葉または茎に対する支持位置が植物2の高さに対して低い地点で支持すると支持効果が十分に得られず葉または茎が傾く可能性がある。
【0019】
外周部91は植物2の生長方向に塑性変形させることで、伸長した高さにて形状を維持できるようになっている。本実施形態の外周部91はスプリング形状で構成され、植物2の生長の高さ方向に対して外周部91を伸縮することができる。外周部91が高さ方向に調節できるようにすることで、植物2の葉または茎の高さに応じて外周部91で支持することができ、植物2の自重による傾きを防止することができる。また、スプリング形状とすることで植物2を傷つけることなく植物の支持位置を容易に調整することができる。例えば幼苗の段階では図3(a)のように外周部91が生長方向に対する高さ方向に対して縮んだ状態で、外周部上部91aは葉または茎と接触している。一方、図3(b)では葉または茎の生長した高さに応じて外周部91を伸長させて支持することができる。さらに図3(c)では図3(b)よりさらに高い位置で葉または茎を支持できるように外周部91を伸長して調整することが可能である。
【0020】
本発明の植物支持具90を用いて植物2の葉または茎を支持する際、例えば、外周部91の最も高い位置である外周部上部91aと、葉の裏とが少なくとも1箇所以上接触することになる。外周部上部91aの直径は植物2の種類に応じて調整されてもよい。例えば大根を栽培する際は幼苗の時点で、収穫時の葉または茎で構成される地上部の生長状態で設定しておくことが望ましく、例えば亀戸大根を栽培する場合、外周部上部91aの直径を10cm~30cmに設定することが好適である。なお、直径と表現しているが、後述するようにらせん状など、円形以外の形状においては断面における長径のことを意味してもよく、それ以外であってもよい。
【0021】
外周部91の材質については例えばアルミ、ステンレスなどの塑性変形することができ、かつ腐食に強い金属材料を用いることが好ましい。このような材料を用いることにより、外周部上部91aの高さ方向の位置に形状を維持した状態で固定することができる。さらに必要に応じて外周部91の材料に接触した植物支持具90の表面をポリエチレン等の樹脂で被覆しても良い。植物2の収穫時、植物支持具90から植物を取り出す際には、植物の損傷を防止するため植物2の高さ方向に対して外周部91を縮めてから、植物を上方に引抜いてもよい。
【0022】
(接続部)
本発明の植物支持具90は外周部91を上部が開放された栽培容器20に接続するための接続部を備える。接続部92は図2に示すように外周部下部91bと連結している。図3に示すとおり、栽培容器20の上端を接続部92の端部により挟み込み 、外周部91の位置(すなわち植物2の栽培位置)を固定している。接続部92によって栽培容器20の上端を固定することで植物支持具90が栽培容器20から脱落することを防止する。接続部92としては栽培容器20に固定することができれば良く、その材質は例えば外周部91と同じく塑性変形できる素材を用いても良い。
【0023】
形状としては、例えば塑性変形できる棒状の線材を複数設け、図4のように接続部92の構成部材である線材92aおよび線材92bが、線材92cおよび92dと、直交するように配置する構成が挙げられる。この構成で図4に示す線材92a、線材92b、線材92c、92dで囲われた領域94の中心部と、外周部91の中心が一致するように配置されていることが好ましい。このような配置により、上方にある植物2の葉または茎と、下方にある根が垂直方向に揃うようになり、変形による品質低下を抑制できる。
【0024】
本実施形態では外周部上部91aの直径と外周部の下部に位置する外周部下部91bの外周の直径は同じとしていたが、他の態様として図5に示すように外周部91の直径が下端部から上端部にかけて大きくなるようにしても良い。この場合、外周部91と植物2との接触点が増えることになり、より多くの点で植物を支えることができるようになり、より安定的に支持することができる。さらに収穫時に植物支持具90をロボットハンド等で植物支持具90を把持し上方へ引き抜く場合には、隣接して配置された植物支持具90に対し、外周部下部91bの付近にロボットハンドが挿入されるスペースを形成することができるため、ロボットハンドによる挿入、抜き出し、把持がしやすく、収穫を容易に行うのに有利となる。
【0025】
次に、本実施形態に係る水耕栽培装置1を用いた好適な栽培方法について図1図3図4を用いて説明する。栽培方法として亀戸大根の水耕栽培を例に挙げて説明する。水耕栽培装置1の構成としては図1を用いて上述した通りである。
【0026】
栽培槽10の中に貯留している培養液5は第1の循環ポンプ40aを用いて循環される。培養液5として、例えば亀戸大根の場合は培養液5の電気伝導度は1.0~3.0mS/cm、pHは5.5~6.5の範囲に設定しておき、あらかじめ培地50に播種し生育した苗を図4に示す領域94に配置して栽培する。
【0027】
培地50の上端部の高さは外周部下部91bと同じ位置か、あるいは外周部下部91bより低い位置に配置する。外周部91の高さは、外周部上部91aと葉または茎とが複数箇所接触するように調整する。例えば亀戸大根において図3(a)のように、葉または茎の高さが約15cm程度の栽培初期段階では外周部91自体を縮めた状態 で支持する。図3(b)のように葉または茎の高さが図3(a)より生長した(約35cm)段階では外周部91を上方に伸長させて支持する。この時、外周部上部91aと葉または茎の支持地点(当接箇所)は、図3(a)よりも多くなっている。さらに生長した図3(c)では、図3(b)に比べさらに上方に伸長させ、より高い位置で葉または茎を支持するようにする。
【0028】
外周部91の高さとして、例えば亀戸大根では図3のように植物2の葉または茎の生長に対して4割以上の高さに調整することが好ましい。植物2の葉または茎に対する支持位置が植物の高さに対して低い地点で支持すると支持効果が十分に得られず葉または茎が傾く可能性がある。
【0029】
培養液5の上面と培地50の下面とは接触しても、離れていても良い。例えば大根を栽培する場合、主根が培養液5に浸水しないようにするために培地50の下部と培養液5の水面が離れた状態で栽培する。この場合、亀戸大根のひげ根を培養液5に浸漬して栽培する必要があり、第1の循環ポンプ40aにより液位が調整される。根に培養液5を安定的に供給するため、第2の循環ポンプ40bにより栽培槽10の中の培養液5を培地50の上部から供給してもよい。この場合、第2の循環ポンプ40bは連続的に稼働しても良いし、間欠的に稼働しても良い。
【0030】
上記では水耕栽培について説明したが、これに限らず土耕栽培においても植物支持具90を用いることができる。
【0031】
(実施例1)
実施例1として、亀戸大根を対象に水耕栽培装置1を用いて栽培した実施例について説明する。
【0032】
栽培容器20は円筒の筒状であり、栽培容器20の下部には栽培槽10の中で流れる培養液5の上流側と下流側にそれぞれ穴が空けられており、栽培容器20内に培養液5が流入している。栽培パネル30は栽培容器20を設置するための穴が設けられた状態で、栽培槽10の上部に位置している。直径30cm、高さ50cmの栽培容器20の上部に植物支持具90を備え付け固定した。
【0033】
植物支持具90はポリエチレン樹脂を被覆したアルミニウム製の線材(線径3mm)を用いた。外周部91は円筒となるようにらせん状に巻かれている。植物支持具90の外周部91の直径は10cmで、最も収縮させた状態で上部から下部までの高さは8cmとした。
【0034】
接続部92は、本実施例ではアルミの線材を図4のように配置し、栽培容器20に固定した。図3のように栽培容器20の上端部を挟み込むことで外周部91の位置(すなわち植物2の栽培位置)を固定した。
【0035】
本実施例では亀戸大根を播種する培地50としてウレタン培地を用いた。ウレタン培地には図6のように亀戸大根の種子3より小さい径の空洞を培地50の上下を貫通するように設けた。
【0036】
培養液5として、OATアグリオ(株)製のOATハウスS1号、OATハウス2号、OATハウス5号を配合し、電気伝導度 は2.0mS/cm、pHは6.0に調整した。照明装置60は白色LEDチップが備えられた照明を用いた。
【0037】
上記に示すような栽培条件を設定し亀戸大根の水耕栽培を開始した。播種21日目で葉または茎の高さが15cmになった際に、外周部91の高さが8cmの高さで支持するように植物支持具90を最も収縮させた状態における高さを設定した。さらに生長した播種57日目の時点で、葉または茎の高さが35cmに生長した場合に、外周部91の高さを14cmに伸長させて葉または茎を支持するようにした。77日間栽培した後、亀戸大根の生長状態を観察した結果、葉または茎と主根が傾くことなく、収穫した亀戸大根の主根および葉が均質に生長していることを確認した。
【0038】
(実施例2)
実施例2では植物支持具90の形状を変更したものを用いて亀戸大根の栽培を行った。具体的には図5に示す形状の植物支持具90を用い、外周部下部91bの直径が10cm、外周部上部91aの直径を15cmのものを用いた。それ以外は実施例1と同様の方法にて栽培した。なお、外周部下部91bと外周部上部91aにかけては直径が単調増加するように構成してある。
【0039】
実施例2の植物支持具90を用いて亀戸大根の水耕栽培を開始した。実施例1と同様に播種21日目の栽培初期の段階で、外周部91の高さを8cmに調整し、播種57日目の時点で外周部91の高さを14cmに調整した。本実施例において外周部91と亀戸大根の葉または茎の接触部は、植物支持具90の高さ方向における外周部91の下方から上方にかけて多くの箇所で観察され、栽培期間全体を通じて葉または茎と主根が傾くことなく安定的に支持されていた。また、77日間栽培した後、亀戸大根の生長状態を観察した結果、実施例1と同様に葉または茎と主根が傾くことなく、収穫した亀戸大根の主根および葉が均質に生長していることを確認した。
【符号の説明】
【0040】
1 水耕栽培装置
2 植物
3 種子
5 培養液
10 栽培槽
20 栽培容器
30 栽培パネル30
40a 第1の循環ポンプ
40b 第2の循環ポンプ
50 培地
60 照明装置
90 植物支持具
91 外周部
91a 外周部上部
91b 外周部下部
92 接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6