(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100456
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】エレベータかご装置及びエレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 5/02 20060101AFI20240719BHJP
【FI】
B66B5/02 U
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004470
(22)【出願日】2023-01-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-28
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片山 知
(72)【発明者】
【氏名】山田 真太郎
【テーマコード(参考)】
3F304
【Fターム(参考)】
3F304DA31
3F304DA41
3F304EA18
(57)【要約】
【課題】 かごをかごレールに停止することができるエレベータかご装置を提供する。
【解決手段】 エレベータかご装置においては、停止装置は、かごに固定される停止固定部と、停止固定部と協働してかごをかごレールに停止させる停止位置と、停止位置よりも下方である待機位置と、の間で、停止固定部に対して可動である停止可動部と、停止可動部を待機位置から停止位置へ移動させるために、退避位置から動作位置へ移動する動作部と、動作部が退避位置から動作位置へ移動することを阻止する阻止位置と当該阻止を解除する解除位置との間で移動可能な阻止部と、阻止部を介して動作部に力を加えることによって、動作部を動作位置から退避位置へ戻す復帰部と、を備え、復帰部は、動作部を退避位置へ戻すために、阻止部を阻止位置まで押し戻す押し部を備える。。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
かごレールに案内されることによって上下方向に走行するエレベータかご装置であって、
かごと、
前記かごに取り付けられて前記かごと共に移動し、前記かごを前記かごレールに停止させる停止装置と、を備え、
前記停止装置は、
前記かごに固定される停止固定部と、
前記停止固定部と協働して前記かごを前記かごレールに停止させる停止位置と、前記停止位置よりも下方である待機位置と、の間で、前記停止固定部に対して可動である停止可動部と、
前記停止可動部を前記待機位置から前記停止位置へ移動させるために、退避位置から動作位置へ移動する動作部と、
前記動作部が前記退避位置から前記動作位置へ移動することを阻止する阻止位置と当該阻止を解除する解除位置との間で移動可能な阻止部と、
前記阻止部を介して前記動作部に力を加えることによって、前記動作部を前記動作位置から前記退避位置へ戻す復帰部と、を備え、
前記復帰部は、前記動作部を前記退避位置へ戻すために、前記阻止部を前記阻止位置まで押し戻す押し部を備える、エレベータかご装置。
【請求項2】
前記押し部は、前記阻止部が前記阻止位置に位置するときに、前記阻止部から離れる初期位置に位置する、請求項1に記載のエレベータかご装置。
【請求項3】
前記押し部は、前記初期位置に位置するときに、前記阻止部を前記解除位置で当て止めする、請求項2に記載のエレベータかご装置。
【請求項4】
前記動作部は、第1動作部及び第2動作部を含み、
前記阻止部は、前記第1動作部が前記退避位置から前記動作位置へ移動することを阻止する第1阻止部と、前記第2動作部が前記退避位置から前記動作位置へ移動することを阻止する第2阻止部と、を含み、
前記押し部は、前記第1阻止部を前記阻止位置まで押し戻す第1押し部と、前記第2阻止部を前記阻止位置まで押し戻す第2押し部と、を含み、
前記第1押し部及び前記第2押し部は、連動するように、互いに接続される、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータかご装置。
【請求項5】
前記阻止部は、前記かごの下方への走行速度が設定過速度以上である場合に、前記解除位置へ移動する、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータかご装置。
【請求項6】
前記阻止部は、処理装置が前記かごを停止させる停止指示の情報を取得した場合に、前記解除位置へ移動する、請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータかご装置。
【請求項7】
請求項1~3の何れか1項に記載のエレベータかご装置と、
前記エレベータかご装置を案内するかごレールと、を備える、エレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、エレベータかご装置及びエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、エレベータは、上下方向に走行するエレベータかご装置を備えている。そして、エレベータかご装置のかごは、所定の位置(例えば、乗場の床の位置等)で停止される(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に係るエレベータにおいては、エレベータかご装置に設けられた係合部が、昇降路に設けられた係合部と係合することによって、エレベータかご装置は、所定の位置(例えば、乗場の床の位置等)で停止される。ところで、エレベータかご装置を案内するかごレールに、かごを停止させたいという要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、かごをかごレールに停止することができるエレベータかご装置及びエレベータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
エレベータかご装置は、かごレールに案内されることによって上下方向に走行するエレベータかご装置であって、かごと、前記かごに取り付けられて前記かごと共に移動し、前記かごを前記かごレールに停止させる停止装置と、を備え、前記停止装置は、前記かごに固定される停止固定部と、前記停止固定部と協働して前記かごを前記かごレールに停止させる停止位置と、前記停止位置よりも下方である待機位置と、の間で、前記停止固定部に対して可動である停止可動部と、前記停止可動部を前記待機位置から前記停止位置へ移動させるために、退避位置から動作位置へ移動する動作部と、前記動作部が前記退避位置から前記動作位置へ移動することを阻止する阻止位置と当該阻止を解除する解除位置との間で移動可能な阻止部と、前記阻止部を介して前記動作部に力を加えることによって、前記動作部を前記動作位置から前記退避位置へ戻す復帰部と、を備え、前記復帰部は、前記動作部を前記退避位置へ戻すために、前記阻止部を前記阻止位置まで押し戻す押し部を備える。
【0007】
また、エレベータは、前記のエレベータかご装置と、前記エレベータかご装置を案内するかごレールと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】同実施形態に係るエレベータかご装置の底面図
【
図4】同実施形態に係る停止装置の要部正面図であって、停止可動部が待機位置に位置する状態を示す図
【
図5】同停止装置の要部正面図であって、停止可動部が停止位置に位置する状態を示す図
【
図6】同実施形態に係るエレベータかご装置の要部背面図
【
図7】同実施形態に係る停止装置の要部背面図であって、第1動作部が退避位置に位置する状態を示す図
【
図9】同停止装置の要部背面図であって、かごが設定過速度で走行した状態を示す図
【
図10】同停止装置の要部背面図であって、第1動作部が動作位置まで移動した状態を示す図
【
図11】同停止装置の要部背面図であって、第1動作部が動作位置から退避位置へ向けて移動する状態を示す図
【
図12】同停止装置の要部背面図であって、第1動作部が退避位置まで戻った状態を示す図
【
図13】同実施形態に係るエレベータかご装置の要部背面図
【
図14】同停止装置の要部正面図であって、第2動作部が退避位置に位置する状態を示す図
【
図15】同停止装置の要部正面図であって、第2動作部が動作位置まで移動した状態を示す図
【
図16】同停止装置の要部背面図であって、第2動作部が退避位置まで戻った状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0010】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0011】
以下、エレベータ及びエレベータかご装置における一実施形態について、
図1~
図16を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、エレベータ及びエレベータかご装置の構成等の理解を助けるために例示するものであり、エレベータ及びエレベータかご装置の構成を限定するものではない。
【0012】
図1及び
図2に示すように、エレベータ1は、例えば、かご2と、かご2を上下方向D3に移動させるかご駆動部3と、上下方向D3へ延び、かご2を案内するかごレール4a~4dと、エレベータ1の全体を制御する処理装置5と、情報が入力される入力部6と、情報を出力する出力部7とを備えていてもよい。
【0013】
特に限定されないが、本実施形態においては、かご駆動部3は、リニアモータ3であって、エレベータ1は、リニアモータ式の駆動方式であり、例えば、かご2に接続されるロープ等を備えていない。なお、エレベータ1は、例えば、ロープ式の駆動方式である、という構成でもよく、また、例えば、油圧式の駆動方式である、という構成でもよい。
【0014】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。なお、例えば、かご2に対して人が乗り降りする方向は、第1横方向D1としてもよい。
【0015】
入力部6は、図示していないが、例えば、かご2内及び乗場等に配置されて乗客に操作される操作盤と、保守員に操作される保守盤とを備えていてもよい。保守盤は、例えば、かご2外に常設されていてもよく、また、例えば、処理装置5等に電気的に着脱可能であってもよい。また、操作盤には、例えば、戸開閉指示情報、行先階指示情報、行先方向指示情報等が入力されてもよく、保守盤には、例えば、保守に関する情報(例えば、かご2の昇降指示情報等)が入力されてもよい。
【0016】
出力部7は、図示していないが、例えば、かご2内及び乗場等に配置される出力盤と、外部装置(例えば、中央監視装置等)へ向けて情報を送信する送信手段とを備えていてもよい。特に限定されないが、出力盤は、例えば、音声部(例えば、ブザー、スピーカ)、表示部(例えば、表示板、表示灯)等を備えていてもよい。
【0017】
処理装置5は、例えば、本実施形態のように、各情報(データ)を取得する取得部5aと、各情報を記憶する記憶部5bと、各情報を演算する演算部5cと、各部を制御する制御部5dとを備えていてもよい。取得部5aは、例えば、入力部6に入力されたり、外部装置(例えば、中央監視装置)等から送信された情報を受信したりすることによって、情報を取得してもよい。
【0018】
処理装置5は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、処理装置5の各部5a~5dは、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置(例えば、かご2に配置される装置と昇降路内や機械室内に配置される装置との複数の装置等)に分散して備えられていてもよい。
【0019】
なお、処理装置5は、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部5c、制御部5d)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部5a、記憶部5b)、各種インターフェイス(例えば、取得部5a)等を備えるコンピュータである。そして、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、処理装置5の各部5a~5dが実現されている。
【0020】
図1~
図3に示すように、かご駆動部3であるリニアモータ3は、例えば、本実施形態のように、昇降路に対して固定されるモータ固定子3aと、かご2に接続され、モータ固定子3aに対して可動であるモータ可動子3bとを備えていてもよい。そして、例えば、モータ可動子3bは、磁石を備え、モータ固定子3aは、磁石に上下方向D3の電磁力を与えるコイルを備えている、という構成でもよい。
【0021】
特に限定されないが、エレベータ1においては、例えば、本実施形態のように、リニアモータ3は、かご2を第2横方向D2で挟むように、備えられていてもよい。また、特に限定されないが、各リニアモータ3においては、例えば、本実施形態のように、モータ可動子3bは、上下方向D3に離れて備えられていてもよい。
【0022】
かご2は、例えば、本実施形態のように、かご室8a及びかご枠8bを有するかご本体部8と、モータ可動子3bに接続され、かごレール4a~4dに案内される第1及び第2かご案内部9,10と、かご案内部9,10とかご本体部8とを接続するかご接続部2aと、かご2の走行速度を検出する速度検出部11とを備えていてもよい。
【0023】
かご接続部2aは、例えば、本実施形態のように、かご案内部9,10がかご本体部8に対して可動となるように、かご案内部9,10とかご本体部8とを接続していてもよい。これにより、例えば、かご案内部9,10の振動をかご本体部8のかご室8aに伝達することを抑制することができる。特に限定されないが、かご接続部2aは、例えば、弾性部材(例えば、積層ゴム等)としてもよい。
【0024】
第1及び第2かご案内部9,10は、例えば、本実施形態のように、かご2を第2横方向D2で挟むように、配置されていてもよい。なお、本実施形態においては、一つのリニアモータ3に対して、モータ可動子3bが上下方向D3に離れて一対備えられているため、第1及び第2かご案内部9,10のそれぞれも、上下方向D3に離れて一対備えられていてもよい。
【0025】
かご案内部9,10は、例えば、本実施形態のように、かご接続部2aに固定される案内枠部9a,10aと、案内枠部9a,10aに接続され、かごレール4a~4dに案内される被案内部9b,10bとを備えていてもよい。特に限定されないが、被案内部9b,10bは、例えば、本実施形態のように、かごレール4a~4dに案内されるローラとしてもよい。
【0026】
また、特に限定されないが、ローラは、第1横方向D1でかごレール4a~4dに当たるローラと、第2横方向D2でかごレール4a~4dに当たるローラとを備えており、各ローラの回転軸の位置は、例えば、案内枠部9a,10aに対して不変であり、固定されている、という構成でもよい。これにより、かご案内部9,10がかごレール4a~4dに対して横方向D1,D2に移動することを抑制することができる。
【0027】
かごレール4a~4dの個数は、特に限定されず、例えば、二つでもよく、また、例えば、本実施形態のように、四つでもよい。具体的には、例えば、本実施形態のように、かごレール4a~4dは、第1かご案内部9を案内する第1及び第3かごレール4a,4cと、第2かご案内部10を案内する第2及び第4かごレール4b,4dとを含んでいてもよい。
【0028】
第1及び第3かごレール4a,4cと、第2及び第4かごレール4b,4dとは、かご2を挟むように、第2横方向D2で離れていてもよい。また、第1及び第3かごレール4a,4cは、例えば、第1横方向D1で離れていてもよく、また、第2及び第4かごレール4b,4dは、例えば、第1横方向D1で離れていてもよい。
【0029】
速度検出部11の構成は、特に限定されない。例えば、速度検出部11は、かごレール4aに上下方向D3に並べられる複数の被検出部(図示していない)を検出することによって、かご2の走行速度を検出してもよい。また、例えば、速度検出部11は、かごレール4a~4dに接する回転体(例えば、後述するガバナローラ22a)の回転を検出することによって、かご2の走行速度を検出してもよい。
【0030】
図2及び
図3に示すように、エレベータ1は、例えば、本実施形態のように、かご2をかごレール4a~4dに停止させる停止装置12を備えていてもよい。そして、停止装置12は、例えば、本実施形態のように、かご2に取り付けられてかご2と共に移動してもよい。なお、かご2及び停止装置12を備える装置は、エレベータかご装置1aといい、エレベータかご装置1aは、かごレール4a~4dに案内されることによって上下方向D3に走行する。
【0031】
停止装置12は、例えば、本実施形態のように、複数の停止部13と、複数の停止部13が連動するように複数の停止部13に接続され、複数の停止部13へ力を伝達する伝達部14とを備えていてもよい。なお、本実施形態においては、停止装置12は、下方の第1及び第2かご案内部9,10に接続されているが、例えば、上方の第1及び第2かご案内部9,10に接続されていてもよい。
【0032】
停止部13の個数は、特に限定されず、例えば、二つでもよく、また、例えば、本実施形態のように、四つでもよく、かご2をかごレール4a~4dに停止できる個数であればよい。また、例えば、本実施形態のように、停止部13の個数は、かごレール4a~4dの個数と同じであってもよい。
【0033】
各停止部13は、例えば、本実施形態のように、かご案内部9,10に対して固定される停止固定部15と、伝達部14に接続され、停止固定部15に対して可動である停止可動部16とを備えていてもよい。停止可動部16は、例えば、停止固定部15と接することによって停止固定部15と協働してかご2を停止させる停止位置(
図5参照)と、停止位置よりも下方の待機位置(
図3及び
図4参照)との間で、停止固定部15に対して可動であってもよい。
【0034】
伝達部14は、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1を軸にして回転可能な第1及び第2軸14a,14bと、軸14a,14bに固定され、停止可動部16に回転可能に接続される第1~第4回転材14c~14fと、第1及び第2回転材14c,14dにそれぞれ回転可能に接続される長尺材14gとを備えていてもよい。これにより、各軸14a,14bが連動して回転することによって、各回転材14c~14fが連動して回転するため、各停止可動部16は、連動して上下方向D3へ移動する。
【0035】
停止装置12は、例えば、本実施形態のように、かご2の下方への走行加速度が設定過加速度以上であるときに停止可動部16を停止位置へ移動させる第1停止機構17と、かご2の下方への走行速度が設定過速度以上であるときに、停止可動部16を停止位置へ移動させる第2停止機構21と、処理装置5(
図1参照)が停止指示の情報を取得し且つかご2の走行速度が設定速度以下であるときに、停止可動部16を停止位置へ移動させる第3停止機構50とを備えていてもよい。
【0036】
また、停止装置12は、例えば、本実施形態のように、第2停止機構21及び第3停止機構50を復帰させる復帰部40と、第1かご案内部9と第2かご案内部10とにそれぞれ接続される第1及び第2ベース部18a,18bとを備えていてもよい。なお、伝達部14の第1及び第2軸14a,14bは、例えば、本実施形態のように、各ベース部18a,18bに回転可能に接続されていてもよい。
【0037】
ここで、第1停止機構17の構成について、
図4を参照しながら説明する。なお、第1停止機構17は、過加速度停止機構17ともいう。また、第1停止機構17の構成は、以下の構成に限定されない。
【0038】
図4に示すように、第1停止機構17は、例えば、本実施形態のように、かご2の下方への走行加速度が設定過加速度以上であるときに停止可動部16を停止位置へ移動させるために、停止可動部16に上方への力を加える過加速度加力部19と、停止可動部16が待機位置に位置するときに、停止可動部16の重量を支持する支持部20とを備えていてもよい。
【0039】
停止可動部16は、例えば、本実施形態のように、楔状に形成される可動本体部16aと、可動本体部16aと伝達部14の回転材14c~14fとを接続する可動接続部16bとを備えていてもよい。そして、例えば、停止可動部16が停止位置に位置するときに、可動本体部16aが、停止固定部15と協働してかごレール4a~4dに加圧して接触することによって、かご2は、かごレール4a~4dに停止する、という構成でもよい。
【0040】
過加速度加力部19は、例えば、本実施形態のように、停止可動部16に上方への弾性復元力を加えるために、長尺材14gの長手方向に弾性変形する第1弾性体19aと、第1ベース部18aに固定され、第1弾性体19aの第1端を保持する第1保持材19bと、長尺材14gに固定され、第1弾性体19aの第2端を保持する第2保持材19cとを備えていてもよい。
【0041】
これにより、第1弾性体19aの弾性復元力は、伝達部14によって、停止可動部16に伝達される。そして、過加速度加力部19は、伝達部14に接続されているため、停止可動部16に上方への力を加え続けている。特に限定されないが、第1弾性体19aは、例えば、本実施形態のように、弦巻ばねとしてもよい。
【0042】
なお、過加速度加力部19の構成は、特に限定されない。例えば、過加速度加力部19は、弾性復元力を加える第1弾性体19aではなく、電力を用いることなく停止可動部16に上方への力を加える部材(例えば、重力を加える錘等)を備えていてもよい。また、例えば、過加速度加力部19は、電力を用いて停止可動部16に上方への力を加える部材(例えば、モータ、電磁シリンダ等)を備えていてもよい。
【0043】
支持部20は、例えば、本実施形態のように、停止可動部16を直接的に下方から支持していてもよく、また、例えば、伝達部14を支持することによって、停止可動部16を間接的に支持していてもよい。これにより、停止可動部16が待機位置に位置するときに、支持部20が停止可動部16の重量を支持しているため、過加速度加力部19は、停止可動部16の一部の重量によって、弾性変形している。
【0044】
したがって、待機位置は、釣合位置よりも、上方の位置となっている。なお、釣合位置とは、かご2の加速度がゼロである場合に、停止可動部16の重量が過加速度加力部19の弾性復元量と釣り合う位置のことである。
【0045】
ここで、第1停止機構17の動作について、
図4及び
図5を参照しながら説明する。なお、第1停止機構17の動作は、以下の動作に限定されない。
【0046】
図4に示すように、例えば、かご2の加速度がゼロである場合に、過加速度加力部19の第1弾性体19aは、停止可動部16の重量(詳細には、伝達部14等の重量も含む)を受けることによって、収縮するように弾性変形する。それに対して、かご2が加速度を有して下方へ走行した場合には、停止可動部16に対して上方への慣性力(具体的には、停止可動部16の質量とかご2の移動加速度との積)が働く。
【0047】
これにより、停止可動部16の見掛けの重量(質量による重力と当該慣性力との合力)が、第1弾性体19aが停止可動部16に加える上方への弾性復元力よりも、小さくなった場合に、停止可動部16は、上方へ移動する。なお、停止可動部16の見掛けの重量が小さいほど、即ち、かご2の下方への走行加速度が大きいほど、第1弾性体19aの弾性復元量が大きくなるため、停止可動部16の位置は、上方になる。
【0048】
したがって、かご2の下方への走行加速度が基準加速度以上となることによって、停止可動部16は、待機位置から上方へ移動することになる。その結果、例えば、かご2の下方への走行加速度が基準加速度未満である場合に、停止可動部16が待機位置から移動することを抑制することができる。
【0049】
特に限定されないが、基準加速度は、例えば、かご2の定格加速度(通常運転時の最大加速度)よりも、大きくてもよく、例えば、重力加速度の10%としてもよい。これにより、かご2が通常運転しているときに、停止可動部16を待機位置で保持することができる。したがって、例えば、停止可動部16を不必要に上下方向D3に移動することを抑制することができる。
【0050】
また、例えば、かご2内で乗客が飛び跳ねた場合等に、かご2の下方への走行加速度は、瞬間的に、重力加速度の50%程度となることがある。そこで、基準加速度は、例えば、重力加速度の50%とすることが好ましい。これにより、例えば、かご2内で乗客が飛び跳ねた場合等に、停止可動部16が上下方向D3に移動することを抑制することができる。
【0051】
そして、かご2の下方への走行加速度が設定過加速度以上になった場合には、
図5に示すように、停止可動部16は、停止位置まで上方へ移動する。これにより、停止可動部16は、停止固定部15と協働して、かご2をかごレール4a~4dに停止させる。
【0052】
したがって、かご2の下方への走行加速度が設定過加速度以上となった場合に、電気信号を用いることなく、停止装置12によってかご2をかごレール4a~4dに停止させることができる。なお、特に限定されないが、設定過加速度は、例えば、重力加速度の70%~90%としてもよい。
【0053】
ところで、本実施形態においては、第1及び第2かご案内部9,10は、かご接続部2a(
図3参照)によって、かご本体部8に対して可動である。それに対して、
図5に示すように、第1ベース部18aは、例えば、本実施形態のように、第1かご案内部9に可動に接続される第1接続部18cと、第2かご案内部10に回転可能に接続される第2接続部18dとを備えていてもよい。
【0054】
これにより、第1及び第2かご案内部9,10がかご本体部8に対して移動した場合に、第1ベース部18aがかご本体部8(
図3参照)に対して移動するため、伝達部14も、かご本体部8に対して移動する。したがって、第1及び第2かご案内部9,10がかご本体部8に対して移動した場合でも、停止固定部15に対する停止可動部16の位置を適正にすることができる。
【0055】
特に限定されないが、第1ベース部18aの第1接続部18cは、例えば、本実施形態のように、第1かご案内部9の被接続部9cを内周面で案内する長尺な案内孔としてもよい。これにより、第1ベース部18aの第1接続部18cは、第1かご案内部9に対して可動であり、しかも、第1ベース部18aの第2接続部18dは、第2かご案内部10に対して回転可能となる。
【0056】
次に、第2停止機構21及び復帰部40の構成について、
図6~
図8を参照しながら説明する。なお、第2停止機構21は、過速度停止機構21ともいう。また、第2停止機構21及び復帰部40の構成は、以下の構成に限定されない。
【0057】
なお、
図7及び
図8(
図9~
図12も同様)において、第2ベース部18bは、図示されていない。特に限定されないが、例えば、第2ベース部18bも、第1ベース部18aと同様に、第1かご案内部9に可動に接続され、且つ、第2かご案内部10に回転可能に接続される、という構成でもよい。
【0058】
図6及び
図7に示すように、第2停止機構21は、例えば、停止可動部16が停止位置へ移動するように、停止可動部16に上方への力を加える過速度加力部(「第1動作加力部」ともいう)23と、過速度加力部23が停止可動部16に力を加えることを阻止する第1阻止機構24とを備えていてもよい。
【0059】
過速度加力部23は、例えば、本実施形態のように、停止可動部16を待機位置から停止位置へ移動させるために、退避位置(
図7参照)から動作位置(
図10参照)へ移動する第1動作部23aを備えていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、伝達部14は、過速度加力部23から力を受けるために、第2軸14bに固定される第1当接部14hを備え、第1動作部23aは、退避位置から動作位置まで移動することによって、第1当接部14hを押す、という構成でもよい。これにより、過速度加力部23は、伝達部14から分離されている。
【0060】
過速度加力部23は、例えば、本実施形態のように、停止可動部16に弾性復元力を加えるために、第1動作部23aに弾性復元力を加える第2弾性体23bと、第2ベース部18bに固定され、第2弾性体23bの第1端を保持する第3保持材23cと、第1動作部23aに固定され、第2弾性体23bの第2端を保持する第4保持材23dとを備えていてもよい。なお、第3保持材23cは、例えば、第2横方向D2へ延びる長尺な第1動作部23aを、第2横方向D2へ沿って案内するように構成されていてもよい。
【0061】
第2弾性体23bは、例えば、本実施形態のように、第1動作部23aが第1当接部14hに当たる第2横方向D2に、弾性変形してもよい。これにより、第2弾性体23bの第2横方向D2への弾性復元力が、第1動作部23aに加えられる。特に限定されないが、第2弾性体23bは、例えば、本実施形態のように、弦巻ばねとしてもよい。
【0062】
なお、過速度加力部23の構成は、特に限定されない。例えば、過速度加力部23は、弾性復元力を加える第2弾性体23bではなく、電力を用いることなく停止可動部16に上方への力を加える部材(例えば、重力を加える錘等)を備えていてもよい。また、例えば、過速度加力部23は、電力を用いて停止可動部16に上方への力を加える部材(例えば、モータ、電磁シリンダ等)を備えていてもよい。
【0063】
第1阻止機構24は、例えば、本実施形態のように、第1動作部23aが退避位置から動作位置へ移動することを阻止する阻止位置(
図7参照)と当該阻止を解除する解除位置(
図10参照)との間で移動可能な第1阻止部25と、第1阻止部25の移動を阻止する状態から当該阻止を解除する状態へ切り替える第1起動部22とを備えていてもよい。
【0064】
第1阻止部25は、例えば、本実施形態のように、第1動作部23aに回転可能に接続される第1回転体26と、第2ベース部18bに回転可能に接続される第2回転体27とを備えていてもよい。即ち、第1阻止部25は、回転移動する二つの部材26,27で構成されていてもよい。
【0065】
また、第1阻止機構24は、例えば、本実施形態のように、第2ベース部18bに固定されて且つ第1回転体26と係合する第1係合部28を備えていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、第1起動部22は、第2回転体27の回転を阻止するために、第2回転体27を当て止めし、第2回転体27は、第1係合部28と協働して第1回転体26の回転を阻止するために、第1回転体26を当て止めする、という構成でもよい。
【0066】
これにより、第1起動部22が第2回転体27の回転を阻止し、第1係合部28と第2回転体27とが第1回転体26の回転を阻止することによって、第1動作部23aの動作は、阻止されている。一方、第1起動部22が第2回転体27の回転の阻止を解除することによって、第1及び第2回転体26,27が回転可能になるため、第2弾性体23bの弾性復元力によって、第1阻止部25の第1及び第2回転体26,27は、阻止位置から解除位置へ移動し、第1動作部23aは、退避位置から動作位置へ移動する。
【0067】
第1起動部22は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、かご2の走行速度を検出する調速機22としてもよい。調速機22は、例えば、本実施形態のように、第2かご案内部10に対して回転可能に接続されるガバナローラ22aと、ガバナローラ22aが回転することに伴って、公転軸を軸にして公転する錘22b,22bと、ガバナローラ22aと錘22bとを接続する錘接続部22cと、公転軸へ近づく方向への弾性復元力を錘22bに加える調速弾性部22dとを備えていてもよい。
【0068】
ガバナローラ22aは、例えば、本実施形態のように、第4かごレール4dに接するように配置されていてもよい。これにより、かご2が走行することに伴って、ガバナローラ22aは、回転する。したがって、かご2の走行速度が速いほど、錘22bに働く遠心力が大きくなるため、錘22bの位置は、公転軸から離れることになる。そして、かご2が設定過速度で走行した場合に、錘22bは、設定位置に位置する。
【0069】
なお、例えば、ガバナローラ22aは、かごレール4a~4dとは別のレールに接することによって、かご2の走行に伴って回転する、という構成でもよい。このように、本実施形態に係る調速機22は、ガバナロープがない調速機、即ち、ガバナロープレスの調速機とすることができる。
【0070】
錘接続部22cは、例えば、本実施形態のように、錘22bが公転軸から離れることに伴って、第2横方向D2に移動する調速移動部22eと、調速移動部22eに固定され、第2回転体27の回転を阻止するために第2回転体27を当て止めする当止部22fとを備えていてもよい。
【0071】
第1回転体26は、例えば、本実施形態のように、第1動作部23aに回転可能に接続される軸部26aと、第1係合部28と係合する第2係合部26bと、第2回転体27と係合する第3係合部26cとを備えていてもよい。また、第2回転体27は、例えば、本実施形態のように、第2ベース部18bに回転可能に接続される軸部27aと、第1回転体26の第3係合部26cと係合する第4係合部27bと、第1起動部22に当て止めされる第1被当止部27cとを備えていてもよい。
【0072】
第1係合部28と第2係合部26bとは、例えば、本実施形態のように、第1回転体26の回転方向の両方向で当たり合っていてもよい。例えば、本実施形態のように、第2係合部26bは、第1回転体26の回転方向で、第1係合部28を挟むように形成されていてもよい。なお、斯かる構成に限られず、例えば、第1係合部28は、第1回転体26の回転方向で、第2係合部26bを挟むように形成されていてもよい。
【0073】
第3係合部26cと第4係合部27bとは、例えば、本実施形態のように、第1回転体26の回転方向の両方向で当たり合っていてもよい。例えば、本実施形態のように、第4係合部27bは、第1回転体26の回転方向で、第3係合部26cを挟むように形成されていてもよい。なお、斯かる構成に限られず、例えば、第3係合部26cは、第1回転体26の回転方向で、第4係合部27bを挟むように形成されていてもよい。
【0074】
また、第1被当止部27cは、例えば、転動可能な転動体(例えば、ローラ)としてもよい。これにより、第2回転体27と第1起動部22との間に生じる摩擦力を効率的に小さくすることができる。したがって、調速移動部22eの移動を効率的に円滑にすることができるため、例えば、調速機(第1起動部)22でかご2の速度の検出を正確に行うことができる。
【0075】
また、
図7及び
図8に示すように、第1阻止機構24は、例えば、第1阻止部25を案内する案内部30,31を備えていてもよい。具体的には、第1阻止機構24は、第1回転体26を、第1回転体26の回転方向へ案内する第1案内部30と、第2回転体27を、第2回転体27の回転方向へ案内する第2案内部31とを備えていてもよい。
【0076】
例えば、
図7及び
図8(a)に示すように、第1回転体26は、一対の第1板部材26d,26dを備えており、第1案内部30は、板状に形成され、一対の第1板部材26d,26d間に配置されている、という構成でもよい。これにより、第1回転体26の一対の第1板部材26d,26dは、第1案内部30に案内される。
【0077】
なお、斯かる構成に限られず、例えば、第1案内部30は、一対の板部材を備えており、第1回転体26は、板状に形成され、第1案内部30の一対の板部材の間に配置されている、という構成でもよい。また、第1案内部30は、例えば、本実施形態のように、第1係合部28に固定されていてもよい。
【0078】
例えば、
図7及び
図8(b)に示すように、第2回転体27は、第2板部材27dを備えており、第2案内部31は、第2板部材27dを挟むように一対の第3板部材31a,31aを備えている、という構成でもよい。これにより、第2回転体27の第2板部材27dは、第2案内部31の第3板部材31a,31aに案内される。なお、第2回転体27は、一対の板部材を備えており、第2案内部31は、板状に形成され、第2回転体27の一対の板部材の間に配置されている、という構成でもよい。
【0079】
また、第3板部材31a,31aは、例えば、本実施形態のように、接続材31bによって、第2ベース部18b(
図6参照)に接続されいてもよい。そして、第2回転体27の軸部27aは、例えば、本実施形態のように、第3板部材31aに接続されることによって、第2ベース部18bに回転可能に接続されている、という構成でもよい。
【0080】
図7に戻り、復帰部40は、例えば、第1動作部23aを動作位置から退避位置へ戻すために、第1阻止部25(具体的には、第1回転体26)を介して第1動作部23aに力を加える復帰加力部41を備えていてもよい。これにより、停止可動部16が停止位置に位置するときに、第1動作部23aを動作位置から退避位置へ戻すことによって、第1動作部23aを伝達部14の第1当接部14hから離すことができる。
【0081】
復帰加力部41は、例えば、本実施形態のように、第1動作部23aを動作位置から退避位置へ戻すために、第1阻止部25の第1及び第2回転体26,27を解除位置から阻止位置まで押し戻す第1押し部42と、自ら駆動を発生させる(自ら出力する)駆動源43と、駆動源43の駆動を第1押し部42に伝達する駆動伝達部44とを備えていてもよい。
【0082】
例えば、本実施形態のように、駆動源43は、モータであり、駆動伝達部44は、第2ベース部18bに対して回転可能なプーリ44aと、駆動源43の駆動をプーリ44aに伝達する環状部材(例えば、ベルト、チェーン)44bとを備えていてもよい。そして、第1押し部42は、例えば、本実施形態のように、プーリ44aに固定されていてもよい。これにより、第1押し部42は、駆動源43の駆動により、移動する。
【0083】
なお、復帰加力部41の構成は、特に限定されない。例えば、第1押し部42は、駆動伝達部44を介することなく、駆動源(モータ)43の回転軸に直接固定されていてもよい。また、例えば、プーリ44aは、環状部材44bを介することなく、駆動源43の回転軸に直接固定されていてもよい。また、例えば、駆動源43は、往復移動する駆動源(例えば、油圧シリンダ、空圧シリンダ、電磁シリンダ)であり、駆動伝達部44は、駆動源43と第1押し部42とを接続するリンク機構であってもよい。
【0084】
また、第2停止機構21は、例えば、第1動作部23aが退避位置に位置することを検出する第1位置検出部32と、第1動作部23aが動作位置に位置することを検出する第2位置検出部33とを備えていてもよい。なお、各位置検出部32,33の構成は、特に限定されず、各位置検出部32,33は、例えば、各種センサ(近接センサ、接触センサ、光電センサ)としてもよい。
【0085】
各位置検出部32,33は、例えば、本実施形態のように、第1動作部23aの位置を直接的に検出してもよい。なお、斯かる構成限られず、例えば、各位置検出部32,33は、第1阻止部25(具体的には、第1及び第2回転体26,27の少なくとも一方)の位置を検出することによって、第1動作部23aの位置を間接的に検出してもよい。
【0086】
ここで、第2停止機構21及び復帰部40の動作について、
図7及び
図9~
図12を参照しながら説明する。なお、第2停止機構21及び復帰部40の動作は、以下の動作に限定されない。
【0087】
かご2の移動速度が設定過速度未満である場合には、
図7に示すように、第1起動部22が第2回転体27を当て止めしている。これにより、第2回転体27の回転が阻止されているため、第1回転体26の第3係合部26cが第2回転体27の第4係合部27bに当て止めされる。
【0088】
したがって、第1回転体26の回転が阻止されているため、第1阻止部25の第1及び第2回転体26,27は、阻止位置に位置している。これにより、第1動作部23aが退避位置に位置しているため、停止可動部16は、待機位置に位置している。このとき、第1押し部42が初期位置に位置しているため、第1押し部42は、阻止位置に位置する第1阻止部25の第1回転体26から、離れている。
【0089】
それに対して、例えば、かご2が設定過速度で下方へ移動した場合には、
図9に示すように、錘22bが設定位置まで移動するため、第1起動部22の当止部22fは、第2回転体27の当て止めを解除する位置まで第2横方向D2へ移動する。これにより、第1起動部22が、第1阻止部25の第1及び第2回転体26,27の回転移動を阻止する状態(阻止状態)から、当該阻止を解除する状態(解除状態)へ切り替わるため、第1阻止部25の第1及び第2回転体26,27の回転移動は、可能となる。
【0090】
したがって、
図10に示すように、第1回転体26が、第1係合部28及び第2回転体27と係合した状態で、第2弾性体23bが復元するため、第1及び第2回転体26,27は、解除位置へ向けて回転移動し、第1動作部23aは、動作位置へ向けて第2横方向D2へ移動する。その結果、第1動作部23aが、第1当接部14hを押すことによって、第2弾性体23bの弾性復元力が、第1当接部14hに加えられるため、第2軸14bは、回転する。
【0091】
このとき、第1押し部42が、第1阻止部25の第1回転体26から離れる初期位置に位置しているため、第1阻止部25の第1及び第2回転体26,27が解除位置へ回転移動する際に、例えば、駆動源43の抵抗力等によって第1押し部42が当該移動を阻害することを抑制することができる。これにより、第1阻止部25の第1及び第2回転体26,27は、阻止位置から解除位置へ円滑に回転移動できる。
【0092】
このように、かご2の下方への走行速度が設定過速度以上である場合に、第1阻止部25の第1及び第2回転体26,27が、阻止位置から解除位置へ移動するため、第1動作部23aは、退避位置から動作位置へ移動する。これにより、停止可動部16は、待機位置から停止位置へ移動する。
【0093】
そして、かご2が下方へ移動しているため、停止可動部16は、停止固定部15と協働して、かご2をかごレール4a~4dに停止させる。その結果、かご2の下方への走行速度が設定過速度以上である場合に、電気信号を用いることなく、かご2をかごレール4a~4dに停止させることができる。なお、特に限定されないが、設定過速度は、例えば、かご2の定格速度(通常運転時の最大速度)よりも大きくしてもよく、例えば、かご2の定格速度の110%~120%としてもよい。
【0094】
なお、かご2の走行速度が設定過速度未満である場合には、当止部22fが移動しても、過速度加力部23による力が停止可動部16に加えられないため、過加速度加力部19(
図4及び
図5参照)の力による停止可動部16の移動は、過速度加力部23によって阻害されない。即ち、過加速度加力部19による停止可動部16の移動は、過速度加力部23による停止可動部16の移動から、独立されている。これにより、例えば、停止可動部16が停止位置に位置するときの走行加速度が、設定過加速度からずれることを抑制することができる。
【0095】
ところで、例えば、第1阻止部25の第1及び第2回転体26,27が解除位置に位置し、且つ、第1動作部23aが動作位置に位置しているときに、復帰部40の駆動源43の駆動が発生されてもよい。具体的には、例えば、第2位置検出部33が、動作位置に位置する第1動作部23aを検出し、且つ、速度検出部11(
図1参照)が、かご2の停止(速度ゼロ)を検出した場合に、復帰部40の駆動源43の駆動が発生されてもよい。
【0096】
これにより、
図11に示すように、第1押し部42が、第1阻止部25の第1回転体26を阻止位置へ向けて押すことによって、第1阻止部25を介して、第1動作部23aに、第1押し部42からの力が加えられる。したがって、第1回転体26が、第1係合部28及び第2回転体27と係合した状態で、第2弾性体23bが弾性変形されるため、第1及び第2回転体26,27は、阻止位置へ向けて回転移動し、第1動作部23aは、退避位置へ向けて第2横方向D2へ移動する。
【0097】
このとき、第2回転体27の第1被当止部27cが、当止部22fに固定される力受け部34に当たる。そして、第2回転体27が力受け部34に加える力は、調速弾性部22dの弾性復元力よりも大きくてもよい。これにより、第2回転体27が力受け部34を押すため、力受け部34は、第2横方向D2へ移動する。
【0098】
そして、第1押し部42が第1阻止部25の第1回転体26を押し続けることによって、
図12に示すように、第1押し部42が戻し位置まで移動するため、第1阻止部25の第1及び第2回転体26,27は、解除位置から阻止位置まで戻り、第1動作部23aは、動作位置から退避位置まで戻る。これにより、第1動作部23aは、伝達部14の第1当接部14hから離れる。
【0099】
その後、力受け部34及び当止部22fが、調速弾性部22dの弾性復元力によって、第2横方向D2へ移動するため、
図7に示すように、第1起動部22は、第1阻止部25の第2回転体27の回転を阻止する。これにより、第1起動部22は、第1動作部23aが退避位置から停止位置へ移動することを阻止する状態(阻止状態)になる。そして、復帰部40の駆動源43の駆動が発生されることによって、第1押し部42は、第1阻止部25の第1回転体26から離れる初期位置まで移動する。
【0100】
その後、例えば、第1位置検出部32が、退避位置に位置する第1動作部23aの位置を検出した後に、かご2は、かご駆動部3(
図1参照)によって、上方へ移動される。これにより、停止可動部16が停止固定部15から外れて自重によって下方へ移動するため、例えば、第1当接部14hが第1動作部23aに当たるまで第2軸14bが回転することによって、停止可動部16は、待機位置に戻る。
【0101】
次に、第3停止機構50及び復帰部40の構成について、
図13及び
図14を参照しながら説明する。なお、第3停止機構50は、通常停止機構50ともいい、また、例えば、着床時停止機構や保守時停止機構ともいう。また、第3停止機構50及び復帰部40の構成は、以下の構成に限定されない。
【0102】
【0103】
図13及び
図14に示すように、第3停止機構50は、例えば、停止可動部16が停止位置へ移動するように、停止可動部16に上方への力を加える第2動作加力部(「通常停止加力部」ともいう)51と、第2動作加力部51が停止可動部16に力を加えることを阻止する第2阻止機構52とを備えていてもよい。
【0104】
第2動作加力部51は、例えば、本実施形態のように、停止可動部16を待機位置から停止位置へ移動させるために、退避位置(
図14参照)から動作位置(
図15参照)へ移動する第2動作部51aを備えていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、伝達部14は、第2動作加力部51から力を受けるために、第2軸14bに固定される第2当接部14iを備え、第2動作部51aは、動作することによって、第2当接部14iを押す、という構成でもよい。これにより、第2動作加力部51は、伝達部14から分離されている。
【0105】
第2動作加力部51は、例えば、本実施形態のように、停止可動部16に弾性復元力を加えるために、第2動作部51aに弾性復元力を加える第3弾性体51bと、第2ベース部18bに固定され、第3弾性体51bの第1端を保持する第5保持材51cと、第2動作部51aに固定され、第3弾性体51bの第2端を保持する第6保持材51dとを備えていてもよい。なお、第5保持材51cは、例えば、第2横方向D2へ延びる長尺な第2動作部51aを、第2横方向D2へ沿って案内するように構成されていてもよい。
【0106】
第3弾性体51bは、例えば、本実施形態のように、第2動作部51aが第2当接部14iに当たる第2横方向D2に、弾性変形してもよい。これにより、第3弾性体51bの第2横方向D2への弾性復元力が、第2動作部51aに加えられる。特に限定されないが、第3弾性体51bは、例えば、本実施形態のように、弦巻ばねとしてもよい。
【0107】
なお、第2動作加力部51の構成は、特に限定されない。例えば、第2動作加力部51は、弾性復元力を加える第3弾性体51bではなく、電力を用いることなく停止可動部16に上方への力を加える部材(例えば、重力を加える錘)を備えていてもよい。また、例えば、第2動作加力部51は、電力を用いて停止可動部16に上方への力を加える部材(例えば、モータ、電磁シリンダ等)を備えていてもよい。
【0108】
第2阻止機構52は、例えば、本実施形態のように、第2動作部51aが退避位置から動作位置へ移動することを阻止する阻止位置(
図14参照)と当該阻止を解除する解除位置(
図15参照)との間で移動可能な第2阻止部53と、第2阻止部53の移動を阻止する状態から当該阻止を解除する状態へ切り替える第2起動部54とを備えていてもよい。
【0109】
第2阻止部53は、例えば、本実施形態のように、第2ベース部18bに回転可能に接続されていてもよい。即ち、第2阻止部53は、回転移動する一つの部材53で構成されている、という構成でもよい。特に限定されないが、第2阻止部53の回転軸中心は、例えば、本実施形態のように、復帰部40のプーリ44aの回転軸中心と、同じであってもよい。
【0110】
第2阻止部53は、例えば、本実施形態のように、長尺に形成され、第2動作部51aの端部の第2被当止部51eを当て止めしていてもよい。そして、第2起動部54は、例えば、本実施形態のように、第2ベース部18bに固定される電磁石54aと、第2阻止部53に固定され、電磁石54aの磁力によって吸引される磁性体54bとを備えていてもよい。
【0111】
これにより、電磁石54aに電力が供給され、電磁石54aが磁性体54bを吸引することによって、第2起動部54が第2阻止部53の回転移動を阻止するため、第2動作部51aの動作は、阻止されている。一方、電磁石54aへの電力の供給が停止され、第2起動部54が第2阻止部53の回転の阻止を解除することによって、第3弾性体51bの弾性復元力によって、第2阻止部53は、阻止位置から解除位置へ移動し、第2動作部51aは、退避位置から動作位置へ移動する。
【0112】
なお、第2起動部54の構成は、特に限定されない。例えば、第2起動部54は、電力が供給されることによって、第2阻止部53を当て止めする位置に位置し、電力の供給が停止されることによって、当該当て止めを解除する位置へ移動する部材でもよい。これにより、第2起動部54は、電力が供給されることによって、第2阻止部53の移動を阻止する状態となり、電力の供給が停止されることによって、当該阻止を解除する状態へ切り替えられる。
【0113】
復帰部40の復帰加力部41は、例えば、本実施形態のように、第2動作部51aを動作位置から退避位置へ戻すために、第2阻止部53を介して第2動作部51aに力を加えてもよい。これにより、停止可動部16が停止位置に位置するときに、第2動作部51aを動作位置から退避位置へ戻すことによって、第2動作部51aを伝達部14の第2当接部14iから離すことができる。
【0114】
復帰加力部41は、例えば、本実施形態のように、第2動作部51aを動作位置から退避位置へ戻すために、第2阻止部53を解除位置から阻止位置まで押し戻す第2押し部45を備えていてもよい。そして、第2押し部45は、例えば、本実施形態のように、プーリ44aに固定されていてもよい。これにより、第2押し部45は、駆動源43の駆動により、移動する。
【0115】
第2押し部45は、例えば、本実施形態のように、プーリ44aによって、第1押し部42と接続されていてもよい。これにより、第1押し部42及び第2押し部45は、連動する。例えば、本実施形態のように、第1押し部42は、プーリ44aの第1面から突出し、第2押し部45は、プーリ44aの第2面から突出する、という構成でもよい。また、第1押し部42及び第2押し部45は、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1視において、重なっていてもよい。
【0116】
しかも、第1押し部42及び第2押し部45を動作させる機構、即ち、駆動源43及び駆動伝達部44(プーリ44a及び環状部材44b)は、共通である。これにより、一つの共通の駆動源43の駆動によって、第1押し部42及び第2押し部45の両方を動作させることができる。
【0117】
具体的には、一つの共通の駆動源43の駆動によって、第1阻止部25(
図7、
図9~
図12参照)及び第2阻止部53を、解除位置から阻止位置へ戻すことができ、且つ、第1動作部23a(
図7、
図9~
図12参照)及び第2動作部51aを、動作位置から退避位置へ戻すことができる。したがって、一つの共通の駆動源43の駆動によって、第2停止機構21(
図7、
図9~
図12参照)及び第3停止機構50の両方を復帰させることができる。
【0118】
また、第3停止機構50は、例えば、第2動作部51aが退避位置に位置することを検出する第3位置検出部55と、第2動作部51aが動作位置に位置することを検出する第4位置検出部56とを備えていてもよい。なお、各位置検出部55,56の構成は、特に限定されず、各位置検出部55,56は、例えば、各種センサ(近接センサ、接触センサ、光電センサ)としてもよい。
【0119】
各位置検出部55,56は、例えば、本実施形態のように、第2阻止部53の位置を検出することによって、第2動作部51aの位置を間接的に検出してもよい。なお、斯かる構成に限られず、例えば、各位置検出部55,56は、第2動作部51aの位置を直接的に検出してもよい。
【0120】
ここで、第3停止機構50及び復帰部40の動作について、
図14~
図16を参照しながら説明する。なお、第3停止機構50及び復帰部40の動作は、以下の動作に限定されない。
【0121】
図14に示すように、第2起動部54の電磁石54aへ電力が供給されていることによって、電磁石54aが磁性体54bを吸引しているため、第2阻止部53は、阻止位置に位置している。これにより、第2動作部51aが、第2阻止部53に当て止めされ、退避位置に位置しているため、停止可動部16は、待機位置に位置している。
【0122】
このように、第2起動部54の電磁石54aへ電力が供給されることによって、第2阻止部53は、第2動作加力部51が停止可動部16に力を加えることを阻止している。このとき、第2押し部45が初期位置に位置しているため、第2押し部45は、阻止位置に位置する第2阻止部53から、離れている。
【0123】
それに対して、例えば、入力部6(
図1参照)に停止指示情報が入力され、処理装置5(
図1参照)が停止指示の情報を取得することによって、かご2を所定位置で停止させるために、かご2の走行速度が減速される。なお、入力部6に入力される停止指示の情報は、特に限定されない。
【0124】
例えば、入力部6が操作盤であって、所定位置は、乗客がかご2に乗り降りするための乗場の床の位置であってもよい。即ち、停止指示の情報は、かご装置1aが着床するための停止指示の情報であってもよい。また、例えば、入力部6が保守盤であって、所定位置は、保守作業を行うための所望の保守位置であってもよい。即ち、停止指示の情報は、エレベータ1を保守するための停止指示の情報であってもよい。
【0125】
そして、例えば、速度検出部11(
図1参照)によって、かご2の走行速度が設定速度以下(例えば、ゼロ)と検出された場合に、第2起動部54の電磁石54aへの電力の供給が停止されてもよい。これにより、第2起動部54が、第2阻止部53の回転移動を阻止する状態(阻止状態)から、当該阻止を解除する状態(解除状態)へ切り替わるため、第2阻止部53の回転移動は、可能となる。
【0126】
したがって、
図15に示すように、第2阻止部53が第2動作部51aと係合した状態で、第3弾性体51bが復元するため、第2阻止部53は、解除位置に向けて回転移動し、第2動作部51aは、動作位置へ向けて第2横方向D2へ移動する。その結果、第2動作部51aが、第2当接部14iを押すことによって、第3弾性体51bの弾性復元力が、第2当接部14iに加えるため、第2軸14bは、回転する。
【0127】
このとき、第2押し部45が、第2阻止部53から離れる初期位置に位置しているため、第2阻止部53が解除位置へ回転移動する際に、例えば、駆動源43の抵抗力等によって第2押し部45が当該移動を阻害することを抑制することができる。これにより、第2阻止部53は、阻止位置から解除位置へ円滑に回転移動できる。
【0128】
なお、初期位置に位置する第2押し部45は、例えば、本実施形態のように、解除位置まで回転移動した第2阻止部53を解除位置で当て止めしてもよい。これにより、第2阻止部53が解除位置からさらに回転移動することを抑制することができる。
【0129】
このように、処理装置5がかご2を停止させる停止指示の情報を取得した場合に、第2阻止部53は、阻止位置から解除位置へ移動する。具体的には、本実施形態においては、処理装置5がかご2を停止させる停止指示の情報を取得し、且つ、かご2の走行速度が設定速度以下である場合に、第2阻止部53は、阻止位置から解除位置へ移動する。これにより、第2動作部51aが退避位置から動作位置へ移動するため、停止可動部16は、待機位置から停止位置へ移動する。
【0130】
そして、第4位置検出部56が、第2阻止部53を介して第2動作部51aの位置を検出した後に、例えば、かご駆動部3(
図1参照)の駆動を停止することによって、かご2は、自重によって、下方へ移動する。これにより、停止可動部16は、停止固定部15と協働して、かご2をかごレール4a~4dに停止させる。
【0131】
その結果、処理装置5がかご2を停止させる停止指示の情報を取得し、且つ、かご2の走行速度が設定速度以下である場合に、第2動作加力部51が停止可動部16に上方への力を加えて停止位置まで移動させるため、かご2をかごレール4a~4dに停止させることができる。
【0132】
なお、設定速度は、設定過速度よりも、遅くなっている。特に限定されないが、設定速度は、例えば、定格速度の10%以下としてもよく、また、例えば、定格速度の5%以下としてもよい。
【0133】
なお、処理装置5が停止指示の情報を取得していない場合には、第2動作加力部51による力が停止可動部16に加えられないため、過加速度加力部19(
図4及び
図5参照)の力による停止可動部16の移動は、第2動作加力部51によって阻害されない。即ち、過加速度加力部19による停止可動部16の移動は、第2動作加力部51による停止可動部16の移動から、独立されている。これにより、例えば、停止可動部16が停止位置に位置するときの走行加速度が、設定過加速度からずれることを抑制することができる。
【0134】
また、例えば、停電等によって、第2起動部54の電磁石54aへの電力の供給が停止された場合には、第2阻止部53の回転移動は、可能となる。これにより、第2阻止部53は、阻止位置から解除位置へ回転移動し、第2動作部51aは、第3弾性体51bの弾性復元力によって、退避位置から動作位置へ移動する。
【0135】
したがって、第2動作加力部51が、電力を用いることなく、停止可動部16に上方への力を加えるため、停止可動部16は、停止位置へ移動する。このように、例えば、停電等によって、電力の供給が停止された場合でも、第3停止機構50によって、かご2をかごレール4a~4dに停止させることができる。
【0136】
ところで、例えば、第2阻止部53が解除位置に位置し、且つ、第2動作部51aが動作位置に位置しているときに、復帰部40の駆動源43の駆動が発生されてもよい。具体的には、例えば、第4位置検出部56が、動作位置に位置する第2動作部51aを検出し、且つ、速度検出部11(
図1参照)が、かご2の停止(速度ゼロ)を検出した場合に、復帰部40の駆動源43の駆動が発生されてもよい。
【0137】
これにより、
図16に示すように、第2押し部45が、第2阻止部53を阻止位置へ向けて押すことによって、第2阻止部53を介して、第2動作部51aに、第2押し部45からの力が加えられる。したがって、第2阻止部53が第2動作部51aと係合した状態で、第3弾性体51bが弾性変形されるため、第2阻止部53は、阻止位置へ向けて回転移動し、第2動作部51aは、退避位置へ向けて第2横方向D2へ移動する。
【0138】
そして、第2押し部45が第2阻止部53を押し続けることによって、第2押し部45が戻し位置まで移動するため、第2阻止部53は、解除位置から阻止位置まで戻り、第2動作部51aは、動作位置から退避位置まで戻る。これにより、第2動作部51aは、伝達部14の第2当接部14iから離れる。
【0139】
その後、第2動作部51aが退避位置へ位置するときに、第2起動部54の電磁石54aへ電力が供給されることによって、第2起動部54は、第2阻止部53の回転を阻止する。これにより、第2起動部54は、第2動作部51aが退避位置から停止位置へ移動することを阻止する状態(阻止状態)になる。そして、復帰部40の駆動源43の駆動が発生されることによって、
図14に示すように、第2押し部45は、第2阻止部53から離れる初期位置まで移動する。
【0140】
そして、第3位置検出部55が、退避位置に位置する第2動作部51aの位置を検出した後に、例えば、かご2は、かご駆動部3(
図1参照)によって、上方へ移動される。これにより、停止可動部16が停止固定部15から外れて自重によって下方へ移動するため、例えば、第2当接部14iが第2動作部51aに当たるまで第2軸14bが回転することによって、停止可動部16は、待機位置に戻る。
【0141】
なお、例えば、処理装置5がかご装置1aを着床するための停止指示の情報を取得することによって、かご2が乗場の床の位置に停止しているときには、第4位置検出部56が、動作位置に位置する第2動作部51aの位置を検出し、且つ、速度検出部11がかご2の停止(速度ゼロ)を検出した場合に、かご2の扉(図示していない)がまだ開いている状態でも、復帰部40は、第2動作部51aを退避位置へ移動させてもよい。これにより、例えば、かご2の扉が閉まった後に、かご2の走行を円滑に開始することができる。
【0142】
[1]
以上より、エレベータかご装置1aは、本実施形態のように、かごレール4a~4dに案内されることによって上下方向D3に走行するエレベータかご装置1aであって、かご2と、前記かご2に取り付けられて前記かご2と共に移動し、前記かご2を前記かごレール4a~4dに停止させる停止装置12と、を備え、前記停止装置12は、前記かご2に固定される停止固定部15と、前記停止固定部15と協働して前記かご2を前記かごレール4a~4dに停止させる停止位置と、前記停止位置よりも下方である待機位置と、の間で、前記停止固定部15に対して可動である停止可動部16と、前記停止可動部16を前記待機位置から前記停止位置へ移動させるために、退避位置から動作位置へ移動する動作部(本実施形態においては、第1動作部23a及び第2動作部51a)と、前記動作部23a,51aが前記退避位置から前記動作位置へ移動することを阻止する阻止位置と当該阻止を解除する解除位置との間で移動可能な阻止部(本実施形態においては、第1阻止部25及び第2阻止部53)と、前記阻止部25,53を介して前記動作部23a,51aに力を加えることによって、前記動作部23a,51aを前記動作位置から前記退避位置へ戻す復帰部40と、を備え、前記復帰部40は、前記動作部23a,51aを前記退避位置へ戻すために、前記阻止部25,53を前記阻止位置まで押し戻す押し部(本実施形態においては、第1押し部42及び第2押し部45)を備える、という構成が好ましい。
【0143】
斯かる構成によれば、阻止部(本実施形態においては、第1阻止部25及び第2阻止部53)が解除位置へ移動することによって、動作部(本実施形態においては、第1動作部23a及び第2動作部51a)が退避位置から動作位置へ移動するため、停止可動部16は、停止位置へ移動する。これにより、停止可動部16は、停止固定部15と協働して、かご2をかごレール4a~4dに停止させる。したがって、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。
【0144】
一方で、阻止部25,53が解除位置に位置し且つ動作部23a,51aが動作位置に位置しているときに、押し部(本実施形態においては、第1押し部42及び第2押し部45)が、阻止部25,53を阻止位置まで押し戻すことによって、動作部23a,51aは、阻止部25,53を介して力を加えられる。これにより、阻止部25,53は、解除位置から阻止位置へ戻り、動作部23a,51aは、動作位置から退避位置へ戻る。したがって、停止可動部16を待機位置に戻すことができる。
【0145】
[2]
また、上記[1]のエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記押し部(本実施形態においては、第1押し部42及び第2押し部45)は、前記阻止部(本実施形態においては、第1阻止部25及び第2阻止部53)が前記阻止位置に位置するときに、前記阻止部25,53から離れる初期位置に位置する、という構成が好ましい。
【0146】
斯かる構成によれば、阻止部(本実施形態においては、第1阻止部25及び第2阻止部53)が阻止位置に位置するときに、押し部(本実施形態においては、第1押し部42及び第2押し部45)が阻止部25,53から離れる初期位置に位置しているため、阻止部25,53が解除位置へ移動する際に、押し部42,45が当該移動を阻害することを抑制することができる。これにより、阻止部25,53は、阻止位置から解除位置へ円滑に移動できる。
【0147】
[3]
また、上記[2]のエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記押し部(本実施形態においては、第2押し部45)は、前記初期位置に位置するときに、前記阻止部(本実施形態においては、第2阻止部53)を前記解除位置で当て止めする、という構成が好ましい。
【0148】
斯かる構成によれば、押し部(本実施形態においては、第2押し部45)が初期位置に位置するときに、阻止部(本実施形態においては、第2阻止部53)は、解除位置で押し部45に当て止めされる。これにより、阻止部53が解除位置からさらに移動することを抑制することができる。
【0149】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか一つのエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記動作部23a,51aは、第1動作部23a及び第2動作部51aを含み、前記阻止部25,53は、前記第1動作部23aが前記退避位置から前記動作位置へ移動することを阻止する第1阻止部25と、前記第2動作部51aが前記退避位置から前記動作位置へ移動することを阻止する第2阻止部53と、を含み、前記押し部42,45は、前記第1阻止部25を前記阻止位置まで押し戻す第1押し部42と、前記第2阻止部53を前記阻止位置まで押し戻す第2押し部45と、を含み、前記第1押し部42及び前記第2押し部45は、連動するように、互いに接続される、という構成が好ましい。
【0150】
斯かる構成によれば、第1押し部42及び第2押し部45が、互いに接続されているため、第1押し部42及び第2押し部45は、連動する。これにより、第1押し部42及び第2押し部45が連動することによって、第1及び第2阻止部25,53のうち、解除位置に位置する阻止部25,53は、押し部42,45によって、何れも阻止位置まで押し戻される。
【0151】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか一つのエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記阻止部(本実施形態においては、第1阻止部25)は、前記かご2の下方への走行速度が設定過速度以上である場合に、前記解除位置へ移動する、という構成が好ましい。
【0152】
斯かる構成によれば、かご2の下方への走行速度が設定過速度以上である場合に、阻止部(本実施形態においては、第1阻止部25)が解除位置へ移動するため、動作部(本実施形態においては、第1動作部23a)は、退避位置から動作位置へ移動する。これにより、停止可動部16は、待機位置から停止位置へ移動する。
【0153】
[6]
また、上記[1]~[5]の何れか一つのエレベータかご装置1aにおいては、本実施形態のように、前記阻止部(本実施形態においては、第2阻止部53)は、処理装置5が前記かご2を停止させる停止指示の情報を取得した場合に、前記解除位置へ移動する、という構成が好ましい。
【0154】
斯かる構成によれば、処理装置5がかご2を停止させる停止指示の情報を取得した場合に、阻止部(本実施形態においては、第2阻止部53)が解除位置へ移動するため、動作部(本実施形態においては、第2動作部51a)は、退避位置から動作位置へ移動する。これにより、停止可動部16は、待機位置から停止位置へ移動する。
【0155】
[7]
また、エレベータ1は、本実施形態のように、上記[1]~[6]の何れか一つのエレベータかご装置1aと、前記エレベータかご装置1aを案内するかごレール4a~4dと、を備える、という構成が好ましい。
【0156】
斯かる構成によれば、かご2をかごレール4a~4dに停止することができる。
【0157】
なお、エレベータ1及びエレベータかご装置1aは、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ1及びエレベータかご装置1aは、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0158】
(A)上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、停止装置12は、第1停止機構(過加速度停止機構)17、第2停止機構(過速度停止機構)21及び第3停止機構(通常停止機構)50を備えている、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、停止装置12は、少なくとも、第2停止機構(過速度停止機構)21及び第3停止機構(通常停止機構)50の何れか一方を備えている、という構成でもよい。
【0159】
(B)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、復帰部40は、第1動作部23aを退避位置へ戻すために、第1阻止部25を阻止位置まで押し戻す第1押し部42と、第2動作部51aを退避位置へ戻すために、第2阻止部53を阻止位置まで押し戻す第2押し部45とを備えている、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。
【0160】
例えば、復帰部40は、第1阻止部25を阻止位置まで押し戻す第1押し部42のみを備えており、第2阻止部53を阻止位置まで押し戻す第2押し部45を備えていない、という構成でもよい。また、例えば、復帰部40は、第2阻止部53を阻止位置まで押し戻す第2押し部45のみを備えており、第1阻止部25を阻止位置まで押し戻す第1押し部42を備えていない、という構成でもよい。
【0161】
(C)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、第1阻止部25は、回転移動する二つの部材(第1回転体26及び第2回転体27)で構成されている、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。
【0162】
例えば、第1阻止部25は、一つ又は三つ以上の部材で構成されていてもよい。また、例えば、第1阻止部25は、往復移動する部材で構成されていてもよい。また、例えば、第1阻止部25は、往復移動する部材と回転移動する部材との組み合わせによって、構成されていてもよい。
【0163】
(D)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、第2阻止部53は、回転移動する一つの部材で構成されている、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。
【0164】
例えば、第2阻止部53は、二つ以上の部材で構成されていてもよい。また、例えば、第2阻止部53は、往復移動する部材で構成されていてもよい。また、例えば、第2阻止部53は、往復移動する部材と回転移動する部材との組み合わせによって、構成されていてもよい。
【0165】
(E)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、第1及び第2押し部42,45は、軸回りを公転するように、即ち、移動軌跡が円弧となるように、往復移動する、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、第1及び第2押し部42,45の少なくとも一方は、移動軌跡が直線となるように、往復移動する、という構成でもよい。
【0166】
(F)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、各押し部42,45は、各阻止部25,53が阻止位置に位置するときに、各阻止部25,53から離れる初期位置まで移動して当該初期位置に位置する、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。
【0167】
例えば、第1押し部42は、第1阻止部25が阻止位置に位置するときに、第1阻止部25に接する位置(戻し位置)に位置し続ける、という構成でもよい。斯かる構成においては、第1押し部42は、第1阻止部25を介して第2弾性体23bの弾性復元力を受けることによって、初期位置まで移動する。
【0168】
また、例えば、第2押し部45は、第2阻止部53が阻止位置に位置するときに、第2阻止部53に接する位置(戻し位置)に位置し続ける、という構成でもよい。斯かる構成においては、第2押し部45は、第2阻止部53を介して第3弾性体51bの弾性復元力を受けることによって、初期位置まで移動する。
【0169】
(G)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、第1押し部42は、初期位置に位置するときに、解除位置に位置する第1阻止部25から離れている、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、第1押し部42は、初期位置に位置するときに、第1阻止部25を解除位置で当て止めする、という構成でもよい。
【0170】
(H)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、第2押し部45は、初期位置に位置するときに、第2阻止部53を解除位置で当て止めする、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、第2押し部45は、初期位置に位置するときに、解除位置に位置する第2阻止部53から離れている、という構成でもよい。
【0171】
(I)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、第1押し部42及び第2押し部45は、連動するように、互いに接続されている、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。
【0172】
例えば、第1押し部42及び第2押し部45は、分離しており、それぞれ個別に移動可能である、という構成でもよい。特に限定されないが、例えば、復帰部40は、第1押し部42を動作させる第1駆動源と、第2押し部45を動作させる第1駆動源とは別の第2駆動源とを備えている、という構成でもよい。
【0173】
(J)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、第3停止機構50は、処理装置5がかご2を停止させる停止指示の情報を取得し且つかご2の走行速度が設定速度以下である場合に、停止可動部16を停止位置へ移動させる、という構成である。即ち、第2阻止部53は、処理装置5が停止指示の情報を取得し且つかご2の走行速度が設定速度以下である場合に、解除位置へ移動する、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。
【0174】
例えば、第3停止機構50は、処理装置5がかご2を停止させる停止指示の情報を取得した場合に、かご2の走行速度に拘わらず、停止可動部16を停止位置へ移動させる、という構成でもよい。即ち、第2阻止部53は、処理装置5がかご2を停止させる停止指示の情報を取得した場合に、かご2の走行速度に拘わらず、解除位置へ移動する、という構成でもよい。
【0175】
(K)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、過速度加力部(第1動作加力部)23及び第2動作加力部(通常停止加力部)51は、伝達部14とは分離されている、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、過速度加力部(第1動作加力部)23及び第2動作加力部(通常停止加力部)51の少なくとも一方は、伝達部14とは分離されずに、接続されている、という構成でもよい。
【0176】
(L)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、過加速度加力部19、過速度加力部(第1動作加力部)23及び第2動作加力部(通常停止加力部)51が上方への力を加える停止可動部16は、同じである、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。例えば、過加速度加力部19、過速度加力部(第1動作加力部)23及び第2動作加力部(通常停止加力部)51が上方への力を加える停止可動部16は、それぞれ異なる、という構成でもよい。
【0177】
(M)また、上記実施形態に係るエレベータかご装置1aにおいては、復帰部40は、自ら駆動を発生させる駆動源43によって、押し部42,45を移動させる、という構成である。しかしながら、エレベータかご装置1aは、斯かる構成に限られない。
【0178】
例えば、復帰部40は、かごレール4a~4dに接するローラを備え、ローラの回転力を用いて押し部42,45を移動させる、という構成でもよい。即ち、復帰部40は、自ら駆動を発生させるのではなく、かご2の走行に伴って押し部42,45を移動させる機構を備えている、という構成でもよい。
【0179】
(N)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示したシステム、方法、プログラム、及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、前の処理の出力を後の処理で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0180】
1…エレベータ、1a…エレベータかご装置、2…かご、2a…かご接続部、3…かご駆動部(リニアモータ)、3a…モータ固定子、3b…モータ可動子、4a…第1かごレール、4b…第2かごレール、4c…第3かごレール、4d…第4かごレール、5…処理装置、5a…取得部、5b…記憶部、5c…演算部、5d…制御部、6…入力部、7…出力部、8…かご本体部、8a…かご室、8b…かご枠、9…第1かご案内部、9a…案内枠部、9b…被案内部、9c…被接続部、10…第2かご案内部、10a…案内枠部、10b…被案内部、11…速度検出部、12…停止装置、13…停止部、14…伝達部、14a…第1軸、14b…第2軸、14c…第1回転材、14d…第2回転材、14e…第3回転材、14f…第4回転材、14g…長尺材、14h…第1当接部、14i…第2当接部、15…停止固定部、16…停止可動部、16a…可動本体部、16b…可動接続部、17…第1停止機構(過加速度停止機構)、18a…第1ベース部、18b…第2ベース部、18c…第1接続部、18d…第2接続部、19…過加速度加力部、19a…第1弾性体、19b…第1保持材、19c…第2保持材、20…支持部、21…第2停止機構(過速度停止機構)、22…第1起動部(調速機)、22a…ガバナローラ、22b…錘、22c…錘接続部、22d…調速弾性部、22e…調速移動部、22f…当止部、23…過速度加力部(第1動作加力部)、23a…第1動作部、23b…第2弾性体、23c…第3保持材、23d…第4保持材、24…第1阻止機構、25…第1阻止部、26…第1回転体、26a…軸部、26b…第2係合部、26c…第3係合部、26d…第1板部材、27…第2回転体、27a…軸部、27b…第4係合部、27c…第1被当止部、27d…第2板部材、28…第1係合部、30…第1案内部、31…第2案内部、31a…第3板部材、31b…接続材、32…第1位置検出部、33…第2位置検出部、34…力受け部、40…復帰部、41…復帰加力部、42…第1押し部、43…駆動源、44…駆動伝達部、44a…プーリ、44b…環状部材、45…第2押し部、50…第3停止機構(通常停止機構)、51…第2動作加力部(通常停止加力部)、51a…第2動作部、51b…第3弾性体、51c…第5保持材、51d…第6保持材、51e…第2被当止部、52…第2阻止機構、53…第2阻止部、54…第2起動部、54a…電磁石、54b…磁性体、55…第3位置検出部、56…第4位置検出部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向