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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024100466
(43)【公開日】2024-07-26
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20240719BHJP
   A63F 7/02 20060101ALI20240719BHJP
【FI】
A63F5/04 691E
A63F7/02 352C
A63F7/02 350
A63F5/04 683
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023004483
(22)【出願日】2023-01-16
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】神門 徹也
(72)【発明者】
【氏名】吉原 哲浩
(72)【発明者】
【氏名】奈良崎 哲太
【テーマコード(参考)】
2C088
2C182
【Fターム(参考)】
2C088CA02
2C088CA26
2C182EA12
2C182EB01
2C182EB05
(57)【要約】
【課題】遊技媒体の盗難の虞がある場合に適切に対応する。
【解決手段】島端計数機9における認証処理の対象となった従業員を、例えば店長や主任といった上級職と、例えば平社員やアルバイトといった下級職とに区別する。遊技者が休憩中であることによる不在計数処理と判定された場合に、認証を得た従業員が上級職であれば、計数処理により計数された獲得メダルを発行対象としたレシート34の発行処理を許容する一方、下級職であれば新たに上級職の認証を得ることを条件としてレシート34の発行処理を許容する。職位が相対的に高い上級職、即ち、信頼のおける従業員の認証を持って計数を許容することが可能となり、獲得メダルの盗難の虞がある場合に適切に対応することが可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が獲得した遊技媒体である獲得媒体を受入れて計数する計数処理を行う計数手段と、
前記計数処理に対応する従業員を、職位が相対的に高い第1従業員と職位が相対的に低い第2従業員との何れであるかを区別可能に認証する認証手段と、
前記計数処理により計数された獲得媒体数を発行対象とした発行処理を行う発行手段と、
遊技機特定操作を受付可能であり、当該遊技機特定操作により特定される遊技機の状態が遊技者不在である旨を示す場合に、前記計数処理を不在計数処理と判定する不在計数判定手段と、
前記不在計数処理と判定された場合に、前記認証手段により認証を得た従業員が前記第1従業員であれば前記発行処理を許容する一方、前記第2従業員であれば新たに前記第1従業員の認証を得ることを条件として前記発行処理を許容する許容手段と、を備えた遊技場用システム。
【請求項2】
前記計数処理が前記不在計数処理であり、認証を得た従業員が前記第2従業員であることから前記第1従業員の認証を得ることで許容される前記発行処理に対応する発行操作は、前記不在計数処理ではない通常の計数処理に対応する発行操作とは異なる請求項1に記載した遊技場用システム。
【請求項3】
前記許容手段は、前記計数処理が前記不在計数処理である場合、認証を得た従業員が前記第1従業員であれば前記認証手段による新たな認証を得ることなく前記発行処理を許容する請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項4】
前記計数処理が前記不在計数処理である場合に、前記遊技機特定操作により特定される遊技機を対象とした不在情報を表示する表示手段を備えた請求項1又は2に記載した遊技場用システム。
【請求項5】
前記遊技機の状態が遊技者不在である旨を示すための条件として従業員の操作により成立する条件が含まれ、
前記不在情報は、前記条件が従業員の操作により成立したか否かを示す情報、遊技者不在である期間を示す情報、及び前記条件を成立させた従業員を特定可能な情報のうち少なくとも1つの情報である請求項4に記載した遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では遊技者が獲得した遊技媒体(玉やメダル)を所定の箱に収容し、その箱を足元や頭上に置くようにしている。そして、トイレや食事等の理由で離席する際は手持ちの箱を持っていくことができず、やむを得ずそのままの状態で放置して離席することから、遊技媒体の盗難が後を絶たないといった問題がある。上記した問題を解決する手段として例えば特許文献1では休憩時に休憩情報を入力し、計数する際に遊技媒体を獲得した遊技機の識別情報を受付け、当該遊技機に対応した休憩情報が入力されていればその旨を報知することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-63911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、当該公知例では、上記した報知を行う際に図13に示されるように計数を中止するか続行するかを選択するボタンを表示し、従業員による遊技者への質問や録画映像の確認等に応じて不正か否かを当該従業員が判断した上で、何れかを操作して処理することが例示されている。しかしながら、従業員の中にはこのような不正に加担する従業員もおり、信頼のおける従業員の認証を持って計数を許容したいといったニーズも少なくない。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技媒体の盗難の虞がある場合に適切に対応することが可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明は、遊技者が獲得した遊技媒体である獲得媒体(例えば獲得メダル)を受入れて計数する計数処理を行う計数手段(例えば島端計数機9)と、前記計数処理に対応する従業員を、職位が相対的に高い第1従業員(例えば店長や主任といった上級職)と職位が相対的に低い第2従業員(例えば平社員やアルバイトといった下級職)との何れであるかを区別可能に認証する認証手段(例えば島端計数機9)と、前記計数処理により計数された獲得媒体数を発行対象とした発行処理を行う発行手段(例えば島端計数機9)と、遊技機特定操作(例えば従業員が、遊技者が獲得媒体を獲得した遊技機の台番を入力する操作)を受付可能であり、当該遊技機特定操作により特定される遊技機の状態が遊技者不在である旨を示す場合に、前記計数処理を不在計数処理と判定する不在計数判定手段(例えば島端計数機9)と、前記不在計数処理と判定された場合に、前記認証手段により認証を得た従業員が前記第1従業員であれば前記発行処理を許容する一方、前記第2従業員であれば新たに前記第1従業員の認証を得ることを条件として前記発行処理を許容する許容手段(例えば島端計数機9)と、を備える。
【0007】
このような構成によれば、不在計数処理と判定された場合に、認証を得た従業員が第1従業員であれば、計数処理により計数された獲得媒体数を発行対象とした発行処理を許容する一方、第2従業員であれば新たに第1従業員の認証を得ることを条件として発行処理を許容するようにしたので、職位が相対的に高い第1従業員、即ち、信頼のおける従業員の認証を持って計数を許容することが可能となり、遊技媒体の盗難の虞がある場合に適切に対応することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を概略的に示す図
図2】遊技情報表示装置の正面図
図3】遊技情報表示装置の電気的な構成を示す機能ブロック図
図4】島端計数機の斜視図
図5】島端計数機の電気的な構成を示す機能ブロック図
図6】レシートの正面図
図7】持ちメダル数情報及び休憩情報を示す図
図8】食事休憩中を示す遊技情報表示装置の正面図
図9】島端計数装置における台番入力画面を示す図
図10】島端計数装置における計数中画面を示す図
図11】島端計数装置における計数完了画面を示す図
図12】島端計数装置におけるメンテナンスメニュー画面を示す図
図13】係員操作部を示す図
図14】島端計数装置における休憩中警告画面を示す図
図15】島端計数装置における休憩中警告画面を示す図
図16】計数履歴を示す図
図17】食事休憩中を示す遊技情報表示装置の正面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示すように、遊技場内には、複数台の遊技機1が設置されている。本実施形態の場合、遊技機1は所謂スロットマシンを想定している。各遊技機1には、それぞれ貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3が付設されている。遊技機1、貸出ユニット2及び遊技情報表示装置3は、それぞれ中継装置4と接続されている。遊技情報表示装置3は、対応する遊技機1の上方に設置されており、中継装置4で受信する信号に基づいて各種の遊技データを表示する。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6と接続されている。
【0010】
管理装置6は、遊技場内の例えば事務所等に設置されており、モニタ7、キーボード8等が接続されている。管理装置6は、遊技場内に設置される各種機器(遊技機1、貸出ユニット2、遊技情報表示装置3等)の稼動状況を管理する。遊技場内には、所謂パチンコ機も含めて例えば数百台の遊技機1が設置されており、それぞれの遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。遊技場には島端計数機9(計数手段、認証手段、発行手段、不在計数判定手段、許容手段、表示手段に相当する)及び景品交換端末(以下、POSと称する)10も設置されており、それらもLAN5を介して管理装置6と接続されている。
【0011】
遊技機1は、表示窓11、リール12、スタートレバー13、ストップボタン14、液晶表示部15、メダル投入口16、BETボタン17、受皿18等を備えている。遊技者は、表示窓11を通じて内部に設けられたリール12に描かれた図柄を視認可能となっている。遊技者がメダル(遊技媒体、遊技価値)をメダル投入口16に投入する、又はBETボタン17を操作することで、クレジットメダル(遊技価値)が所定枚数ベットされ(遊技価値が消費され)、その状態でスタートレバー13が操作されると(ゲームの開始操作が行われると)、内部抽選を実行すると共に図柄の変動を開始させ、ストップボタン14が操作されると、所謂引込制御(予め規定された引込範囲である例えば4図柄まで図柄を有効ライン上に引込んで停止表示させる制御)によりリール12の変動を停止する。尚、遊技機1は、上記した物理的なリール12を備えるものに限らず、表示窓11を液晶表示器等で構成し、図柄を画像として表示及び変動させるタイプのものであっても良い。その場合、スタートレバー13が操作されると、液晶表示器の画面に表示された図柄の変動を開始させ、ストップボタン14が操作されると、対応する図柄が停止表示されることになる。
【0012】
このような遊技機1には、周知のようにボーナス役、小役、リプレイ役等の役が設定されており、上記した内部抽選時に何れの役に内部当選した状態で遊技者によりストップボタン14が操作され、予め設定されている有効ライン上にその内部当選役に対応する図柄が停止表示されると(図柄が揃うと)、入賞が発生する。入賞が発生した場合には、対応する枚数のメダルの払出(遊技媒体の付与)又は大当り状態(ボーナス状態)等への移行が行われる。
【0013】
遊技機1は、遊技の実行に応じて各種の遊技信号を出力する。具体的には、遊技機1は、遊技機1に対して投入された遊技媒体の数を示す投入信号、入賞の発生により払出された遊技媒体の数を示す払出信号、ゲームが開始されたことを示すスタート信号、大当り状態が発生したことを示す大当り信号(ボーナス信号)等を出力する。遊技情報表示装置3や管理装置6は、これらの遊技信号を遊技機1から中継装置4を経由して入力することに基づいて遊技情報の集計及び管理、大当り状態の特定、ART状態の発生の特定等を行う。
【0014】
貸出ユニット2は、動作状態を示す動作ランプ19、遊技者が貨幣(有価価値)を投入する貨幣投入口20、メダルを払出す(貸出す)メダル払出口21等を備えている。貸出ユニット2は、不具合が生じた場合等に動作ランプ19を点灯させ、従業員に不具合の発生等を報知する。又、遊技者が貨幣を貨幣投入口20に投入すると、その投入された貨幣に応じた数のメダルをメダル払出口21から遊技機1に払出すと共に、貨幣投入口20に投入された貨幣の有価価値を示す貸出信号(売上信号)を出力する。
【0015】
図2に示すように、遊技情報表示装置3は、ランプ部22、液晶表示部23、従業員を呼出すための呼出ボタン24、液晶表示部23に表示される遊技情報の種類等を切替えるためのデータ切替ボタン25、従業員が携帯して操作するリモコン26(図1参照)からの信号を受信(受光)するリモコン受光部27等を備えている。図2では、液晶表示部23の画面表示の一例を示しており、以下の遊技情報を表示している。
【0016】
遊技情報表示装置3は、本日大当り回数表示部23aにて本日における大当り状態の発生回数(図2では「25」を例示)を表示し、前日大当り回数表示部23bにて前日における大当り状態の発生回数(図2では「8」を例示)を表示し、前々日大当り回数表示部23cにて前々日における大当り状態の発生回数(図2では「13」を例示)を表示し、過去最高大当り回数表示部23dにて過去最高の大当り状態の発生回数(図2では「44」を例示)を表示し、大当り間スタート回数表示部23eにて大当り間のスタート回数(図2では「234」を例示)を表示し、本日累計スタート回数表示部23fにて本日のスタート回数の累計(図2では「5186」を例示)を表示し、差メダル数グラフ表示部23gにて払出枚数から投入枚数を差引いた差メダル数の推移を示すグラフを表示する。尚、データ切替ボタン25の操作により、過去10日分の差メダル数グラフを切替えて表示可能である。
【0017】
遊技情報表示装置3の電気的な構成について図3を参照して説明する。遊技情報表示装置3は、CPU28a、ROM28b、RAM28c及びI/O28d等を有する制御部28を主体として構成されている。制御部28にはランプ部22、液晶表示部23、呼出ボタン24、データ切替ボタン25、リモコン受光部27、液晶表示部23の画面上に形成されるタッチパネル29、中継装置4との間での各種の遊技信号の入出力を制御するI/F部30等が接続されており、制御部28は、ROM28bに記憶されているコンピュータプログラムに基づいて全体の動作を制御する。
【0018】
図4に示すように、島端計数機9は、閉鎖位置と開放位置との間でスライド移動されるスライドカバー31、計数結果等の各種情報を表示する表示機能及び従業員や遊技者からの操作入力を受付ける入力受付機能を有するタッチパネル式の液晶表示部32、島端計数機9の状態を示すためのLEDからなる状態表示部33(図5参照)、計数値及び当該計数値を記録した二次元コードやバーコード等が印字されたレシート34(図5参照)を発行するレシート発行口(図示せず)、開閉可能な操作パネル35、従業員が所持するICカード36(図5参照)が翳されている状態で当該ICカード36に内蔵されているICチップ36aに記憶されている従業員IDを読取るICカードリーダ37等を備えている。
【0019】
島端計数機9は、従業員がICカード36をICカードリーダ37に翳すことで従業員の認証処理が行われ、スライドカバー31のロックが解除されてスライド移動されることにより図示しない投入容器が開放されると、計数可能な状態となる。従業員又は遊技者が獲得メダル(獲得媒体)を投入容器に投入すると、獲得メダルは計数センサにより計数され、その計数結果を記録したレシート34を発行すると共に、当該計数結果を、入力された台番や従業員ID等の各種情報と共に管理装置6へ送信する。尚、スライドカバー31は、そのロックの解除により手動で開放され、閉鎖位置に戻すと自動でロックされる。
【0020】
島端計数機9の電気的な構成について図5を参照して説明する。島端計数機9は、CPU38a、ROM38b、RAM38c、I/O38dを有する制御部38を主体として構成されている。制御部38には液晶表示部32、当該液晶表示部32の表面に設けられたタッチパネル39、計数値等を印字したレシート34をレシート発行口から発行するレシート発行部40、ICカードリーダ37、状態表示部33、スライドカバー31を自動ロックするカバーロック部41、メダルを計数する計数部42、各種信号を管理装置6と送受信するI/F部43等が接続されており、ROM38bに記憶されているコンピュータプログラムに基づいて全体の動作を制御する。
【0021】
図6に示すように、レシート34には、遊技場名34a、発行日時34b(図6では「2023年1月10日」を例示)、計数結果34c(図6では「20円メダル1267枚」を例示)、交換可能景品34d(図6では「景品123個 余り4枚」を例示)、計数誤差結果(正常/異常、誤差枚数)34e(図6では「正常計数 -33」を例示)、遊技機番号34f(図6では「34番」を例示)、従業員ID34g(図6では「20123」を例示)が印刷されていると共に、二次元コード34hが印刷されている。二次元コード34hには、上記した発行日時、計数結果、交換可能景品、計数誤差結果、遊技機番号、従業員ID、種別(単価及び種類)等が記録されている。レシート34により特定される遊技媒体数がPOS10にて読取られると、景品交換処理が行われる。
【0022】
管理装置6は、遊技機1や貸出ユニット2からの出力信号に基づいて現時点の遊技者の持ちメダル数を以下の計算式にしたがって算出する。ここで、持ちメダルとは、遊技により遊技者が獲得(所持)したメダルである。
現時点の持ちメダル数(理論遊技媒体数)=貸出メダル数+払出メダル数-投入メダル数-計数メダル数
算出した持ちメダル数は、遊技情報表示装置3へ送信される。例えば貸出メダル数=500枚(売上信号に基づいて特定)、払出メダル数=3500枚(払出信号に基づいて特定)、投入メダル数=3000枚(投入信号に基づいて特定)、計数メダル数=0枚(島端計数機9からの計数結果に基づいて特定)のとき現時点の持ちメダル数は1000枚(=500+3500-3000-0)となる。尚、中継装置4が持ちメダル数の算出を行い、算出結果を遊技情報表示装置3及び管理装置6へ送信するようにしても良い。或いは遊技情報表示装置3及び管理装置6がそれぞれ持ちメダル数を算出しても良い。又、遊技中途の景品交換を考慮した計数メダル数を算出対象から除外しても良い。
【0023】
管理装置6は、島端計数機9から計数結果を受信する毎に、その計数結果について図7に示す持ちメダル数情報を更新する。持ちメダル数情報としては台番に対応して持ちメダル数が設定されている。又、台番に対応して休憩情報も設定されている。休憩情報としては休憩フラグが設定されており、休憩フラグ「1」が休憩中を示し、「0」が非休憩中を示している。管理装置6は、後述するように従業員がリモコン26を操作して遊技情報表示装置3へ送信した休憩情報を中継装置4経由で受信し、休憩の開始や終了を判定してフラグを変更する。
【0024】
次に、上記構成の作用について説明する。
遊技者が遊技によりメダルを獲得した状態で例えば食事休憩する場合は、従業員に食事休憩することを申し出る。従業員がリモコン26を操作して食事休憩であることを示す信号を遊技情報表示装置3へ送信すると、遊技情報表示装置3は、図8に示すように食事休憩中の表示を開始し、その旨を示す休憩開始信号を管理装置6へ送信する。食事休憩中の表示では、最大休憩時間の残り時間(図8では「残り30分」を例示)を表示する。管理装置6は、遊技情報表示装置3から休憩開始信号を受信すると、図7に示す休憩情報として該当する台番の休憩フラグを「1」とする。図7では、台番「3」の遊技者の持ちメダル数が6543枚で休憩中であることを例示している。
【0025】
従業員は、遊技者が食事休憩から戻った時点でリモコン26を再度操作し、休憩中を解除する。遊技情報表示装置3は、食事休憩中の表示を終了すると共に、休憩中を解除した旨を示す休憩終了信号を管理装置6へ送信する。又、残り時間が「0」となった時点でも管理装置6へ休憩終了信号を送信する。管理装置6は、遊技情報表示装置3から休憩終了信号を受信すると、図7に示す休憩情報として該当する休憩フラグを「0」とする。
【0026】
さて、遊技者は獲得メダルを計数する場合、メダルが収容された収容箱を従業員に渡して計数を依頼する。収容箱には台番(遊技機の識別情報)が表記されている。島端計数機9は、初期画面として図9に示すような台番入力画面を液晶表示部32に表示する。台番入力画面では、「カバーを開けて玉を流してください」といったメダルの投入を促すメッセージ44a、台番表示部44b、テンキー44c、「OK」ボタン44d、「クリア」ボタン44e、「係員呼出」ボタン44fが表示される。従業員は、遊技者がメダルを獲得した遊技機1の台番をテンキー44cに対するタッチ操作により入力し(遊技機特定操作)、「OK」ボタン44dをタッチ操作する。図9ではテンキー44cにより「2」、「3」、「4」が順次入力され、「OK」ボタン44dがタッチ操作されたことで、台番表示部44bに「234」が表示された状態を例示している。従業員が台番を入力し、「OK」ボタン44dをタッチ操作すると、島端計数機9は、その入力された台番を管理装置6へ送信する。尚、遊技者がメダルを獲得した遊技機1の台番を入力することに限らず、例えば玉箱に遊技機1を特定するためのタグを取付け、そのタグを読取って台番を特定するの操作(遊技機特定操作)を行うことで、遊技機1の台番を特定しても良い。
【0027】
管理装置6は、島端計数機9から台番を受信すると、その受信した台番に対応して記憶している休憩情報が示す休憩中フラグが「0」、即ち、遊技者が休憩中でないことを確認してから持ちメダル数情報等を島端計数機9へ送信する。島端計数機9は、管理装置6から持ちメダル数情報等を受信すると、図10に示すような計数中画面を液晶表示部32に表示する。計数中画面では、「カバーを開けて玉を流してください」といったメダルの投入を促すメッセージ45a、台番表示部45b、持ちメダル表示部45c、「係員呼出」ボタン45d、「台番再入力」ボタン45eが表示される。台番表示部45bには台番入力画面にて入力された台番「234番」が表示され、持ちメダル表示部45cには管理装置6から受信した持ちメダル数「持ちメダル 1230枚」が表示される。
【0028】
従業員がスライドカバー31を開けて獲得メダルを投入容器に投入すると、島端計数機9は、メダルの計数を開始し、計数を終了すると、計数値と、管理装置6から受信した持ちメダル数とを照合し、その照合結果として図11に示すような計数完了画面を液晶表示部32に表示する。計数完了画面では、「計数が完了しました 確認後、レシート発行ボタンを押下してください」といった計数完了を知らせると共にレシート発行操作を促すメッセージ46a、「レシート発行」ボタン46b、「計数再スタート」ボタン46c、計数結果表示部46d、持ちメダル表示部46e、正常/異常表示部46f、台番情報表示部46gが表示される。計数結果表示部46dには計数値「メダル 1230枚」が表示され、持ちメダル表示部46eには管理装置6から受信した持ちメダル数「持ちメダル 1230枚」が表示され、正常/異常表示部46fには「正常計数 1230枚」が表示され、台番情報表示部46gには「種別:20円メダル 234番台 機種:AAA」が表示される。以上は、計数値と持ちメダル数との差が許容範囲内(例えばプラスマイナス100枚以内)であることにより正常/異常表示部46fに「正常計数」が表示される場合を例示しているが、計数値と持ちメダル数との差が許容範囲外である場合には正常/異常表示部46fに「異常計数」が表示される。又、以上は、従業員が台番を入力してから獲得メダルを投入容器に投入する場合を例示しているが、従業員が獲得メダルを投入容器に投入してから台番を入力しても良い。更に、従業員が獲得メダルを投入容器に投入してから認証処理を行っても良い。即ち、時間効率を考慮して台番入力や認証処理に先行して計数を開始し、計数処理中の待ち時間を利用して台番入力や認証処理を行っても良い。
【0029】
従業員が「レシート発行」ボタン46bをタッチ操作すると、島端計数機9は、レシート34を発行し、発行情報を管理装置6へ送信し、台番及び発行情報をクリアする。尚、従業員が「計数再スタート」ボタン46cをタッチ操作すると、計数処理を再実行する。遊技者は、島端計数機9から発行されたレシート34をPOS10にて景品交換処理することにより獲得したメダルを所望の景品に交換することができる。
【0030】
ところで、上記した通り、従業員が島端計数機9にてICカード36をICカードリーダ37に翳すことで従業員の認証処理が行われ、スライドカバー31のロックが解除されて計数可能な状態となるが、[発明が解決しようとする課題]で説明した通り、信頼のおける従業員の認証を持って計数を許容したいといったニーズも少なくない。このような事情から、本実施形態では、認証処理の対象となった従業員を2種類の区分に区別している。即ち、例えば店長や主任といった上級職(第1従業員)と、例えば平社員やアルバイトといった下級職(第2従業員)とに区別され、携帯されるICカード36のIDが何れかに対応付けられている。尚、従業員を区別すれば3種類以上の区分に区別しても良い。
【0031】
ここで、計数値と持ちメダル数との差が許容範囲内である正常計数の場合、計数開始時に受付けたICカードが上級職と下級職との何れに対応付けられていても図11で示したような計数完了画面が表示され、「レシート発行」ボタン46bのタッチ操作によりレシート34を発行可能となり、レシート34の発行が許容される。一方で、計数値と持ちメダル数との差が許容範囲外である異常計数の場合、エラー画面が表示され、上級職の承認を得ないとレシート34の発行が許容されなくなり、強制発行でしかレシート34の発行ができなくなる。
【0032】
強制発行について説明する。強制発行の方法は2種類ある。従業員がICカード36をICカードリーダ37に長期間(例えば5秒以上)翳すと、島端計数機9は、図12に示すようなメンテナンスメニュー画面を液晶表示部32に表示する。メンテナンスメニュー画面では、「発行」ボタン47a、「前客明細」ボタン47b、「操作パネル開」ボタン47c、「テストモード」ボタン47d、「集計」ボタン47e、「履歴」ボタン47f、「ページ切替」ボタン47g、「戻る」ボタン47hが表示される。ここで、メンテナンスメニュー画面を表示する条件は、上級職が対応付けられるICカード36がICカードリーダ37に長期間翳されることである。即ち、上級職が自身のICカード36をICカードリーダ37に長期間翳すとメンテナンスメニュー画面が表示される一方、下級職が自身のICカード36をICカードリーダ37に長期間翳してもメンテナンスメニュー画面は表示されない。
【0033】
強制発行の1つ目の方法は、メンテナンスメニュー画面から「発行」ボタン47aのタッチ操作による方法である。従業員が「発行」ボタン47aをタッチ操作すると、島端計数機9は、レシート34を発行し、発行情報を管理装置6へ送信し、台番及び発行情報をクリアする。
【0034】
強制発行の2つ目の方法は、同じくメンテナンスメニュー画面から「操作パネル開」ボタン47cのタッチ操作により操作パネル35を開放する方法である。従業員が「操作パネル開」ボタン47cをタッチ操作すると、操作パネル35が開放し、図13に示すように従業員操作部48が露出される。従業員操作部48には、何れも従業員が操作可能な電源スイッチ49、返却有無スイッチ50、ホッパ解除レバー51、発行ボタン52、リコールボタン53、紙送りボタン54が配置されており、従業員が発行ボタン52を押下操作すると、島端計数機9は、上記した強制発行の1つ目の方法において従業員が「発行」ボタン47aをタッチ操作した場合と同様に、レシート34を発行し、発行情報を管理装置6へ送信し、台番及び発行情報をクリアする。
【0035】
ここで、島端計数機9は、台番に対応して記憶している休憩情報が示す休憩中フラグが「1」であり、休憩であることが確認された場合、上記した認証処理の対象となった従業員の区分により異なる休憩中警告画面を液晶表示部32に表示する。認証処理にて下級職を認証し、認証処理の対象となった従業員が下級職の場合には、島端計数機9は、図14に示すような休憩中警告画面を液晶表示部32に表示する。この場合の休憩中警告画面では、「この台は現在休憩中です」といった休憩中であることを知らせるメッセージ55a、「確認」ボタン55b、「確認ボタンを押下しても、強制発行しかできません 休憩時間5分経過中」といったメッセージ55c、台番情報表示部55d、持ちメダル表示部55eが表示される(認証を得た従業員が第2従業員であれば新たに第1従業員の認証を得ることを条件として発行処理を許容する)。即ち、図11で説明した不在計数処理ではないときの通常の計数処理に対応する「レシート発行」ボタン46bは表示されず、通常の発行処理が抑制され、上記した強制発行(不在計数処理ではない通常の計数処理に対応する発行操作とは異なる)による発行処理を行うことになる。又、休憩時間のような休憩に関する情報が表示される。
【0036】
一方で、認証処理にて上級職を認証し、認証処理の対象となった従業員が上級職の場合には、島端計数機9は、図15に示すような休憩中警告画面を液晶表示部32に表示する。この場合の休憩中警告画面では、図14で説明したメッセージ55cに代えて「確認ボタンの押下により発行可能となります 休憩時間5分経過中」といったメッセージ55fが表示される(認証手段により認証を得た従業員が第1従業員であれば発行処理を許容する)。即ち、図11で説明した「レシート発行」ボタン46bがタッチ操作された場合と同様の発行処理が許容される。
【0037】
以上は、遊技者が食事のために休憩する場合を例示したが、食事以外にタバコやトイレといった他の理由での休憩を対象としても良く、従業員によるリモコン26の操作以外に、貸出ユニット2や遊技情報表示装置3に対する遊技者による操作により休憩を特定しても良い。又、遊技情報が基準期間(例えば1分)更新されない場合に非稼動と判定する等の周知の非稼動判定を利用し、非稼動と判定した場合に休憩を判定しても良い。その場合、図14及び図15で説明した休憩中警告画面において休憩に関する情報として休憩時間(遊技者不在である期間を示す情報)を表示することに加え、休憩の種類、従業員によるリモコン26の操作での休憩であるか否かの情報(遊技者不在である旨を示すための条件が従業員の操作により成立したか否かを示す情報)、遊技者による貸出ユニット2や遊技情報表示装置3に対する操作での休憩であるか否かの情報、従業員によるリモコン26の操作での休憩である場合の従業員のID(条件を成立させた従業員を特定可能な情報)等を表示しても良い。又、休憩を開始した時刻からの経過時間に限らず、休憩を開始した開示時刻を表示しても良いし、経過時間と開始時刻との両方を表示しても良い。
【0038】
島端計数機9は、計数処理を行うと、図16に示す計数履歴(履歴情報)のレコードを作成する。計数履歴には、「計数状況」として休憩計数(不在計数)であるか否か、「計数者」として認証した従業員を特定可能な従業員ID、「承認者」として強制発行した際にそれに関わる上級職の従業員を特定可能な従業員IDが記録される。例えば「12:15」の休憩計数のレコードでは、下級職の従業員ID「0002」の従業員が認証し、上級職の従業員ID「9003」の従業員が強制発行したことを示している。計数履歴にて休憩計数であるか否かを特定可能としているが、図6で説明したレシート34を、休憩計数であるか否かを示す識別情報を付して発行しても良く、休憩計数である場合に限って例えば計数結果34cの部分を白黒反転して発行しても良い。
【0039】
尚、管理装置6は、上述したように遊技者の休憩中に島端計数機9で計数処理が行われた場合は、計数結果を示す計数実行情報を該当する遊技情報表示装置3へ送信する。遊技情報表示装置3は、管理装置6から計数実行情報を受信すると、図17に示すように休憩中である旨のメッセージと共に、受信した計数実行情報が示す計数結果を表示する。休憩から戻った遊技者は休憩中に不正な計数が行われたことを確認することができ、盗難に対して迅速な対応が可能となる。加えて、POSの表示部でのポップアップ表示や、店内放送により休憩計数が行われた旨を他の従業員に報知しても良い。
【0040】
上級職を認証した上で休憩計数となった場合に新たな認証を得ることなく発行処理を許容することを例示したが、再度の認証を条件として発行処理を許容しても良い。この場合も、図11で説明した「レシート発行」ボタン46bを表示せず、通常の発行処理とは異なる発行処理にて発行しても良い。下級職を認証した上で休憩計数となった場合に上級職の認証を得て強制発行することを例示したが、上級職の認証を得た上で、図11で説明した「レシート発行」ボタン46bを表示し、通常の発行処理にて発行しても良い。
【0041】
理論値と計数値とを比較する誤差計数を行うことを例示したが、不在計数を特定するためだけに台番入力して不在計数を特定しても良く、必ずしも誤差計数を行わなくとも良い。
【0042】
以上に説明したように実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
遊技者が休憩中であることによる不在計数処理と判定された場合に、認証を得た従業員が例えば例えば店長や主任といった上級職であれば、計数処理により計数された獲得メダルを発行対象としたレシート34の発行処理を許容する一方、例えば平社員やアルバイトといった下級職であれば新たに上級職の認証を得ることを条件としてレシート34の発行処理を許容するようにしたので、職位が相対的に高い上級職、即ち、信頼のおける従業員の認証を持って計数を許容することが可能となり、獲得メダルの盗難の虞がある場合に適切に対応することが可能となる。
【0043】
認証を得た従業員が下級職であることから上級職の認証を得ることで許容される発行処理に対応する発行操作を、不在計数処理ではない通常の計数処理に対応する発行操作とは異なるようにしたので、その異なる発行操作により当該計数が不正計数であり見逃された場合や他の不正計数を目論む不正者が状況を確認した場合に心理的な圧力をかけることが可能となる。
【0044】
不在計数処理と判定された場合でも認証を得た従業員が上級職であれば、新たな認証処理を伴うことなく発行処理を許容するようにしたので、信頼のおける上級職による計数処理の操作に掛かる負担を軽減することが可能となる。
【0045】
不在計数処理が判定された場合に、該当する台番を対象とした不在情報を表示するようにしたので、不在計数があったか否かを確認し易くすることが可能となる。
【0046】
不在を特定するための条件として従業員の操作により成立する条件が含まれ、不在情報を、当該条件が従業員のリモコン26の操作により成立したか否かを示す情報、遊技者不在である期間を示す情報、及び当該条件を成立させた従業員を特定可能な従業員ID等としたので、不在計数があったか否かをより適切に確認し易くすることが可能となる。
【0047】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施形態と組み合わせたり各変形例を組み合わせたりしてどのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
例示した条件等の設定情報は、予め設定されていれば遊技場の管理者が任意に設定しても、予め管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)の管理サーバからダウンロードして設定しても良い。
遊技機1としてスロットマシン、遊技媒体としてメダルを例示したが、これに限定されない。遊技媒体として遊技球を用いるスロットマシンやパチンコ遊技機に適用することもできる。
【0048】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。又、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
以上と超過についてはどちらを採用しても良く「達した」等の表現は以上となったこと、或いは超過したことの何れにも対応する表現となる。以下と未満についても同様で、「達していない」等の表現は双方に対応する表現となる。
島端計数装置9が行う処理の一部或いは全部を管理装置6、貸出ユニット2、遊技情報表示装置3、中継装置4等にて行っても良いし、管理装置6が行う処理の一部或いは全部を島端計数装置9、貸出ユニット2、遊技情報表示装置3、中継装置4等にて行っても良い。
【符号の説明】
【0049】
図面中、1は遊技機、9は島端計数機(計数手段、認証手段、発行手段、不在計数判定手段、許容手段、表示手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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図17